JP2014159853A - 軸受ユニット及び軸受ユニットを備えた偏心搖動型減速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑油が円すいころ軸受の内輪と外輪の間を通過して円筒ころの外周面と偏心カム部の外周面との間に供給される軸受ユニットにおいて、円筒ころと偏心カム部との間の潤滑不良を改善して、長寿命化を図ることができる軸受ユニットを提供すること。
【解決手段】上記課題を解決する軸受ユニット2は、円すいころ軸受4,5の内輪41,51と外輪43,53の間を通過した潤滑油を円筒ころ61,71の外周面61a,71aと偏心カム部31,32の外周面33,34との間に導く案内部20,21を、円筒ころ軸受6,7に全周に亘って備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】上記課題を解決する軸受ユニット2は、円すいころ軸受4,5の内輪41,51と外輪43,53の間を通過した潤滑油を円筒ころ61,71の外周面61a,71aと偏心カム部31,32の外周面33,34との間に導く案内部20,21を、円筒ころ軸受6,7に全周に亘って備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ハウジング及び回転軸に対してクランク軸を回転自在に支持する転がり軸受、及び、外歯歯車をクランク軸に対して回転自在に支持する円筒又は円柱ころ軸受をクランク軸に備えている軸受ユニット及び当該軸受ユニットを備えている偏心搖動型減速機に関する。
回転運動を大きく減速しつつ伝達する減速機として、特許文献1に示すような、偏心搖動型減速機がある。この偏心搖動型減速機は、駆動源によるクランク軸の高速回転運動を外歯歯車の振れ回り運動に変換し、この振れ回り運動中に外歯歯車が内歯歯車に一箇所で噛合することによる外歯歯車の自転運動を出力軸(回転軸)に伝達させることで、当該出力軸を低速で回転させるものである。
また、特許文献2及び3に示すように、偏心搖動型減速機のクランク軸の一部には、クランク軸の回転中心に対して偏心しており、且つ、他の部分に比べ大径に形成されている偏心カム部が設けられている。そして、この偏心カム部の両側には、当該偏心カム部と隣接して一対の円すいころ軸受が設けられている。一方の円すいころ軸受は、減速機のハウジングに対してクランク軸を回転自在に支持しており、他方の円すいころ軸受は、回転軸に対してクランク軸を回転自在に支持している。更に、偏心カム部の外周には、保持器により保持された複数の円筒ころにより、偏心カム部の外周に配設された外歯歯車をクランク軸に対して回転自在に支持する円筒ころ軸受が設けられている。偏心カム部の軸方向外端面と円すいころ軸受の内輪との間には、円筒ころ軸受の円筒ころ及び保持器の軸方向の変位を抑えるリング状の座板が挟持されている。
前述した円筒ころと偏心カム部との間には、潤滑油が、例えば円すいころ軸受の循環作用によって、円すいころ軸受の内輪と外輪の間を通過して供給される。しかし、クランク軸の高速回転による遠心力によって、また前記座板が障壁となって、円すいころ軸受の内輪と外輪の間を通過した潤滑油が、外歯歯車とハウジングや回転軸との間の隙間に流れてしまい、円筒ころの外周面と偏心カム部の外周面との間に十分に供給されないことがある。このため、円筒ころと偏心カム部との間で潤滑不良が発生して、円筒ころ軸受をクランク軸に備えた軸受ユニットや当該軸受ユニットを備えた偏心搖動型減速機の耐用年数が短くなっていた。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、円筒又は円柱ころと偏心カム部との間の潤滑不良を改善して、長寿命化を図ることができる軸受ユニット及び当該軸受ユニットを備えた偏心搖動型減速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、回転中心に対して偏心しており且つ他の部分に比べて大径に形成されている偏心カム部を有するクランク軸と、
前記クランク軸における前記偏心カム部の両側に当該偏心カム部と隣接して配設され、それぞれハウジング及び回転軸に対して前記クランク軸を回転自在に支持する一対の転がり軸受と、
前記偏心カム部の外周面と、当該偏心カム部の外周に配設された外歯歯車の内周面と、の間を複数の円筒又は円柱ころが転動することにより前記クランク軸に対して当該外歯歯車を回転自在に支持するころ軸受と、を備え、
潤滑油が前記転がり軸受の内輪と外輪の間を通過して前記円筒又は円柱ころの外周面と前記偏心カム部の外周面との間に供給される軸受ユニットであって、
前記転がり軸受の内輪と外輪の間を通過した潤滑油を前記円筒又は円柱ころの外周面と前記偏心カム部の外周面との間に導く案内部を、前記転がり軸受又は前記ころ軸受に全周に亘って備えていることを特徴とする。
前記クランク軸における前記偏心カム部の両側に当該偏心カム部と隣接して配設され、それぞれハウジング及び回転軸に対して前記クランク軸を回転自在に支持する一対の転がり軸受と、
前記偏心カム部の外周面と、当該偏心カム部の外周に配設された外歯歯車の内周面と、の間を複数の円筒又は円柱ころが転動することにより前記クランク軸に対して当該外歯歯車を回転自在に支持するころ軸受と、を備え、
潤滑油が前記転がり軸受の内輪と外輪の間を通過して前記円筒又は円柱ころの外周面と前記偏心カム部の外周面との間に供給される軸受ユニットであって、
前記転がり軸受の内輪と外輪の間を通過した潤滑油を前記円筒又は円柱ころの外周面と前記偏心カム部の外周面との間に導く案内部を、前記転がり軸受又は前記ころ軸受に全周に亘って備えていることを特徴とする。
この発明の軸受ユニットは、前記転がり軸受の内輪と外輪の間を通過した潤滑油を円筒又は円柱ころの外周面と偏心カム部の外周面との間に導く案内部を、前記転がり軸受又は前記ころ軸受に全周に亘って備えている。このため、前記転がり軸受の内輪と外輪の間を通過した潤滑油を円筒又は円柱ころと偏心カム部との間に確実に導くことができる。したがって、円筒又は円柱ころと偏心カム部との間の潤滑不良を改善して、軸受ユニットの長寿命化を図ることができる。
前記ころ軸受は、前記円筒又は円柱ころを収容するポケットを有する保持器を備えており、前記案内部は、前記保持器から軸方向に突出するように設けられており、その内周面が、軸方向の外側に向かうにつれて径方向の内側へ向かうように傾斜していることが好ましい。
この場合、保持器の軸回りの回転による遠心力を利用して、潤滑油を円筒又は円柱ころと偏心カム部との間に引き込むことができる。
この場合、保持器の軸回りの回転による遠心力を利用して、潤滑油を円筒又は円柱ころと偏心カム部との間に引き込むことができる。
また、本発明は、上述の軸受ユニットと、
貫通孔が設けられた前記外歯歯車と、
前記貫通孔に内接する出力ピンと、
前記外歯歯車と一箇所で噛合し得る内歯歯車を備え、一方の前記転がり軸受によって前記クランク軸に対し回転自在に支持されているハウジングと、
前記出力ピンの一端を保持し、他方の前記転がり軸受によって前記クランク軸に対し回転自在に支持されている回転軸と、を備え、
前記クランク軸を入力軸とし、前記回転軸を出力軸として回転作動させる偏心搖動型減速機である。
貫通孔が設けられた前記外歯歯車と、
前記貫通孔に内接する出力ピンと、
前記外歯歯車と一箇所で噛合し得る内歯歯車を備え、一方の前記転がり軸受によって前記クランク軸に対し回転自在に支持されているハウジングと、
前記出力ピンの一端を保持し、他方の前記転がり軸受によって前記クランク軸に対し回転自在に支持されている回転軸と、を備え、
前記クランク軸を入力軸とし、前記回転軸を出力軸として回転作動させる偏心搖動型減速機である。
本発明の偏心搖動型減速機は、円筒又は円柱ころと偏心カム部との間の潤滑不良を改善した軸受ユニットを備えているので、所定の低速回転・トルク増大化性能を維持しつつ偏心搖動型減速機の長寿命化を図ることができる。
本発明の軸受ユニットによれば、円筒又は円柱ころと偏心カム部との間の潤滑不良を改善して、長寿命化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳述する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る軸受ユニット2を備えた偏心搖動型減速機1の断面説明図であり、図2は、図1に示される軸受ユニット2の一部拡大断面説明図である。
偏心揺動型減速機1は、図1に示すように、略円筒状のハウジング12の内周に保持された玉軸受15により回転自在に支持された略円板状の回転軸13を備えている。また、ハウジング12の中心部に、回転軸13で保持された第1円すいころ軸受4と、ハウジング12で保持された第2円すいころ軸受5とを介して回転自在に支持されたクランク軸3を備えている。クランク軸3は、駆動源(図示省略)により回転駆動される。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る軸受ユニット2を備えた偏心搖動型減速機1の断面説明図であり、図2は、図1に示される軸受ユニット2の一部拡大断面説明図である。
偏心揺動型減速機1は、図1に示すように、略円筒状のハウジング12の内周に保持された玉軸受15により回転自在に支持された略円板状の回転軸13を備えている。また、ハウジング12の中心部に、回転軸13で保持された第1円すいころ軸受4と、ハウジング12で保持された第2円すいころ軸受5とを介して回転自在に支持されたクランク軸3を備えている。クランク軸3は、駆動源(図示省略)により回転駆動される。
クランク軸3は、その回転中心aに対して偏心している円筒状の偏心カム部31,32を備えている。偏心カム部31,32の外周には、円筒ころ軸受6,7を介して偏心カム部31,32に対して回転自在に支持された外歯歯車10,11が配設されている。
回転軸13には、複数の出力ピン16,17の一端が前記回転中心aと同心の円周位置で軸線が回転中心aと平行になるように圧入保持されている。第1出力ピン16は第1外歯歯車10に設けられた貫通孔101に内接している。第2出力ピン17は第1外歯歯車10に設けられた孔102内を非接触で貫通している。第2出力ピン17の先端側の接触部171は第2外歯歯車11に設けられた貫通孔111に内接している。ハウジング12の内周面には、外歯歯車10,11が振れ回りながら一箇所で歯合する内歯歯車14が設けられている。内歯歯車14の中心線は前記クランク軸3の回転軸心aと一致している。
回転軸13には、複数の出力ピン16,17の一端が前記回転中心aと同心の円周位置で軸線が回転中心aと平行になるように圧入保持されている。第1出力ピン16は第1外歯歯車10に設けられた貫通孔101に内接している。第2出力ピン17は第1外歯歯車10に設けられた孔102内を非接触で貫通している。第2出力ピン17の先端側の接触部171は第2外歯歯車11に設けられた貫通孔111に内接している。ハウジング12の内周面には、外歯歯車10,11が振れ回りながら一箇所で歯合する内歯歯車14が設けられている。内歯歯車14の中心線は前記クランク軸3の回転軸心aと一致している。
クランク軸3が回転中心aの回りを回転すると、外歯歯車10,11はハウジング12の内周面に設けられた内歯歯車14と一箇所で噛合しながら公転しつつクランク軸3の回転速度よりも低速で自転する。この自転運動は貫通孔101,111と出力ピン16,17との接触部161,171を介して回転軸13に伝達される。回転軸13は、クランク軸3の回転よりも低速かつ高トルクで回転する。このようにして、偏心搖動型減速機1はクランク軸3を入力軸、回転軸13を出力軸として回転作動する。
以下、上述のクランク軸3と円すいころ軸受4,5と円筒ころ軸受6,7とを備えた軸受ユニット2について詳説する。
クランク軸3の偏心カム部31,32は、当該クランク軸3の回転中心aに対して偏心しており、且つ、他の部分に比べて大径に形成されている。偏心カム部31,32は、互いに隣接して配設された第1偏心カム部31と第2偏心カム部32とで構成されている。第1偏心カム部31と第2偏心カム部32は、同じ偏心量eを有し、互いに略180度位相がずれている。
クランク軸3の偏心カム部31,32は、当該クランク軸3の回転中心aに対して偏心しており、且つ、他の部分に比べて大径に形成されている。偏心カム部31,32は、互いに隣接して配設された第1偏心カム部31と第2偏心カム部32とで構成されている。第1偏心カム部31と第2偏心カム部32は、同じ偏心量eを有し、互いに略180度位相がずれている。
円すいころ軸受4,5は、クランク軸3における偏心カム部31,32の両側において当該偏心カム部31,32と隣接してそれぞれ配設されている。第1円すいころ軸受4はクランク軸3の先端に配設されており、第2円すいころ軸受5はクランク軸3の基端側、すなわち駆動源側に配設されている。
円すいころ軸受4,5は、クランク軸3に外嵌している円筒状の内輪41,51と、回転軸13に内嵌している円筒状の外輪43,53と、内輪41,51と外輪43,53の間に転動自在に配置された複数の円すいころ45,55と、この円すいころ45,55をその公転方向(周方向)に沿って所定間隔に保持する保持器47,57とを備えている。
内輪41,51の外周には、円すいころ45,55の転動面41a,51aが形成されている。転動面41a,51aは、偏心カム部31,32の方へ向かうにつれて径外方に向かうように傾斜している。また、内輪41,51の外周側の軸方向両端には、円すいころ45,55の軸方向への移動を規制する鍔部41b,51bが形成されている。
外輪43,53の内周には、円すいころ45,55の転動面43a,53aが形成されている。転動面43a,53aは、偏心カム部31,32の方へ向かうにつれて径外方に向かうように傾斜している。
円すいころ45,55は、その大径側が偏心カム部31,32に対して軸方向内側となり、小径側が偏心カム部31,32に対して軸方向外側となるように配置されている。
円すいころ45,55は、その大径側が偏心カム部31,32に対して軸方向内側となり、小径側が偏心カム部31,32に対して軸方向外側となるように配置されている。
保持器47,57は、互いに同心且つ軸方向に所定間隔を隔てて配置された大径円環部47a,57aと小径円環部47b,57b、及びこれらを周方向に一定間隔毎に且つ軸方向に沿って接続している複数の柱部(図示省略)を備えている。各円すいころ45,55は、大径円環部47a,57aと小径円環部47b,57bと隣り合う柱部とで構成するポケット内に収容されている。
保持器47,57は、大径円環部47a,57aが偏心カム部31,32に対して内側となり、小径円環部47b,57aが偏心カム部31,32に対して外側となるように配置されている。内輪41,51、外輪43,53、及び保持器47,57は、全てクランク軸3の回転中心aと同心となるように配設されている。
円筒ころ軸受6,7は、偏心カム部31,32の外周面33,34と外歯歯車10,11の内周面103,113を転動面として、これらの間に転動自在に配置された複数の円筒ころ61,71と、当該円筒ころ61,71をその公転方向(周方向)に沿って一定間隔に保持する保持器63,73とを備えている。
保持器63,73は、互いに同心同径且つ軸方向に所定間隔を隔てて配置された第1円環部63a,73aと第2円環部63b,73b、及びこれらを周方向に一定間隔毎に且つ軸方向に沿って接続している複数の柱部(図示省略)を備えている。本実施形態における保持器63,73は合成樹脂で作製された一体品である。各円筒ころ61,71は、第1円環部63a,73aと第2円環部63b,73bと隣り合う柱部とで構成するポケット内に収容されている。
保持器63は、第1円環部63aが第1円すいころ軸受4に対して第2円環部63bよりも内側となるように配置されている。同様に、保持器73は、第1円環部73aが第2円すいころ軸受5に対して第2円環部73bよりも内側となるように配置されている。また、保持器63,73は、クランク軸3の回転中心aから偏心量eだけ偏心した位置にある偏心カム部31,32の中心線と同心となるように配設されている。更に、保持器63,73は、充分な量の潤滑油が通過し得る隙間が偏心カム部31,32の外周面33,34との間に生じるように配設されている。
偏心カム部31,32の軸方向外端面と円すいころ軸受4,5の内輪41,51との間には、円筒ころ軸受6,7の円筒ころ61,71及び保持器63,73の軸方向の変位を抑えるリング状の座板8,9が挟持されている。
円筒ころ61,71を円滑に転動させるための潤滑油は、円すいころ軸受4,5の内輪41,51と外輪43,53の間を通過して円筒ころ61,71の外周面61a,71aと偏心カム部31,32の外周面33,34との間に供給される。
円筒ころ61,71を円滑に転動させるための潤滑油は、円すいころ軸受4,5の内輪41,51と外輪43,53の間を通過して円筒ころ61,71の外周面61a,71aと偏心カム部31,32の外周面33,34との間に供給される。
図1及び図2に示すように、円筒ころ軸受6,7の第1円環部63a,73aには、円すいころ軸受4,5の内輪41,51と外輪43,53の間を通過した潤滑油を円筒ころ61,71の外周面61a,71aと偏心カム部31,32の外周面33,34との間に導く案内部20,21が形成されている。
案内部20,21は、第1円環部63a,73aの軸方向外側の側面における径方向外側の端部から軸方向外方へ突出している。案内部20,21は、回転軸13やハウジング12、及び保持器47,57の回転を妨げず、且つ、外歯歯車10と回転軸13との間の隙間及び外歯歯車11とハウジング12との間の隙間を塞ぎ得る適度な突出高さを有する。案内部20,21は、それぞれ保持器63,73と同心となるように保持器63,73の全周に亘って設けられている。案内部20,21の内周面201は、軸方向の外側に向かうにつれて径方向の内側へ向かうように傾斜している。
本実施形態に係る軸受ユニット2は、円すいころ軸受4,5の内部を通過した潤滑油を円筒ころ61,71の外周面61a,71aと偏心カム部31,32の外周面33,34との間に導く案内部20,21を全周に亘って備えている。このため、クランク軸3の高速回転による遠心力や、座板8,9が障壁となって、円すいころ軸受4,5の内輪41,51と外輪43,53との間を通過した潤滑油が、外歯歯車10と回転軸13の間及び外歯歯車11とハウジング12の間の隙間に流れてしまうことを防止できる。そして、円すいころ軸受4,5の内輪41,51と外輪43,53の間から円筒ころ61,71と偏心カム部31,32との間に潤滑油を導くことができる。したがって、円筒ころ61,71と偏心カム部31,32との間の潤滑不良を改善して、軸受ユニット2の長寿命化を図ることができる。
また、本実施形態に係る案内部20,21は、保持器63,73から軸方向に突出するように設けられており、その内周面201が、軸方向の外側に向かうにつれて径方向の内側に向かうように傾斜している。このため、案内部20,21は、保持器63,73の軸回りの回転による遠心力を利用して、潤滑油を円筒ころ61,71と偏心カム部31,32の間に引き込むことができる。
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態に係る軸受ユニット2aの一部拡大断面説明図である。
第2実施形態の案内部20aは、図3に示すように、略円筒状に形成された合成樹脂製キャップからなり、保持器47,57の大径円環部47a,57aにおける軸方向外側の端部と嵌合する嵌合凹部202aを有する。この案内部20aは、嵌合凹部202aが全周に亘って大径円環部47a,57aの軸方向外側の端部に嵌合することで大径円環部47a,57aに配設されている。案内部20aは、外歯歯車10,11の回転を妨げず、且つ、外歯歯車10と回転軸13との間の隙間及び外歯歯車11とハウジング12との間の隙間を塞ぎ得る寸法で形成されている。案内部20aの内周面201aは、円筒ころ軸受6,7側に向かうにつれて径方向の外側へ向かうように傾斜している。
第2実施形態に係る軸受ユニット2aは、第1実施形態に係る軸受ユニット2と同様、案内部20aにより、潤滑油を円筒ころ61,71と偏心カム部31,32との間に導くことができるので、潤滑不良を改善して長寿命化を図ることができる。
図3は、本発明の第2実施形態に係る軸受ユニット2aの一部拡大断面説明図である。
第2実施形態の案内部20aは、図3に示すように、略円筒状に形成された合成樹脂製キャップからなり、保持器47,57の大径円環部47a,57aにおける軸方向外側の端部と嵌合する嵌合凹部202aを有する。この案内部20aは、嵌合凹部202aが全周に亘って大径円環部47a,57aの軸方向外側の端部に嵌合することで大径円環部47a,57aに配設されている。案内部20aは、外歯歯車10,11の回転を妨げず、且つ、外歯歯車10と回転軸13との間の隙間及び外歯歯車11とハウジング12との間の隙間を塞ぎ得る寸法で形成されている。案内部20aの内周面201aは、円筒ころ軸受6,7側に向かうにつれて径方向の外側へ向かうように傾斜している。
第2実施形態に係る軸受ユニット2aは、第1実施形態に係る軸受ユニット2と同様、案内部20aにより、潤滑油を円筒ころ61,71と偏心カム部31,32との間に導くことができるので、潤滑不良を改善して長寿命化を図ることができる。
[第3実施形態]
図4は、本発明の第3実施形態に係る軸受ユニット2bの一部拡大断面説明図である。
第3実施形態の案内部20bは、合成樹脂製であり円筒状に形成されている。この案内部20bは、図4に示すように、円すいころ軸受4,5の外輪43,53よりも偏心カム部31,32側で、それぞれ回転軸13及びハウジング12と内嵌している。案内部20bは、その軸方向の端部が外輪43,53の軸方向の端部に当接するまで回転軸13及びハウジング12に嵌入されている。案内部20bは、外歯歯車10,11の回転を妨げず、且つ、外歯歯車10と回転軸13との間の隙間及び外歯歯車11とハウジング12との間の隙間を塞ぐことができる適度な軸方向寸法を有する。
第3実施形態に係る軸受ユニット2bは、第1実施形態に係る軸受ユニット2と同様、案内部20bにより、潤滑油を円筒ころ61,71と偏心カム部31,32との間に導くことができるので、潤滑不良を改善して長寿命化を図ることができる。
図4は、本発明の第3実施形態に係る軸受ユニット2bの一部拡大断面説明図である。
第3実施形態の案内部20bは、合成樹脂製であり円筒状に形成されている。この案内部20bは、図4に示すように、円すいころ軸受4,5の外輪43,53よりも偏心カム部31,32側で、それぞれ回転軸13及びハウジング12と内嵌している。案内部20bは、その軸方向の端部が外輪43,53の軸方向の端部に当接するまで回転軸13及びハウジング12に嵌入されている。案内部20bは、外歯歯車10,11の回転を妨げず、且つ、外歯歯車10と回転軸13との間の隙間及び外歯歯車11とハウジング12との間の隙間を塞ぐことができる適度な軸方向寸法を有する。
第3実施形態に係る軸受ユニット2bは、第1実施形態に係る軸受ユニット2と同様、案内部20bにより、潤滑油を円筒ころ61,71と偏心カム部31,32との間に導くことができるので、潤滑不良を改善して長寿命化を図ることができる。
また、上記各実施形態に係る軸受ユニット2,2a,2bを備えた偏心搖動型減速機1は、前述したように円筒ころ61,71と偏心カム部31,32との間の潤滑不良が改善されているので、所定の低速回転・トルク増大化性能を維持しつつ長寿命化を図ることができる。
[その他の変形例]
開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図されている。
開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図されている。
例えば、上記第1実施形態において、案内部20,21はクランク軸3の回転中心aと同心となるように保持器63,73に配設されていてもよい。この場合、円筒ころ軸受6,7の周方向位置によらず円筒ころ61,71と偏心カム部31,32の間に均等に潤滑油を供給することができる。また、上記第2実施形態において、案内部20aはゴム製であってもよい。また、案内部20aは大径円環部47a,57aと同じ材料を用いて当該大径円環部47a,57aと一体成形されていてもよい。更に、上記第3実施形態において、案内部20bは外輪43,53と同じ材料を用いて当該外輪43,53と一体成形されていてもよい。一体成形することで部品点数を削減できる。
なお、上記各実施形態において、偏心カム部は、クランク軸3に1つのみ又は3つ以上設けられていてもよい。
なお、上記各実施形態において、偏心カム部は、クランク軸3に1つのみ又は3つ以上設けられていてもよい。
1:偏心搖動型減速機、2,2a,2b:軸受ユニット、3:クランク軸、4,5:円すいころ軸受(転がり軸受)、6,7:円筒ころ軸受(ころ軸受)、10,11:外歯歯車、12:ハウジング、13:回転軸、14:内歯歯車、16,17:出力ピン、20,20a,20b,21:案内部、31,32:偏心カム部、33,34:偏心カム部の外周面、41,51:内輪、43,53:外輪、61,71:円筒ころ、61a,71a:円筒ころの外周面、63,73:保持器、101,111:貫通孔、103,113:外歯歯車の内周面、201,201a:案内部の内周面、a:回転中心
Claims (3)
- 回転中心に対して偏心しており且つ他の部分に比べて大径に形成されている偏心カム部を有するクランク軸と、
前記クランク軸における前記偏心カム部の両側に当該偏心カム部と隣接して配設され、それぞれハウジング及び回転軸に対して前記クランク軸を回転自在に支持する一対の転がり軸受と、
前記偏心カム部の外周面と、当該偏心カム部の外周に配設された外歯歯車の内周面と、の間を複数の円筒又は円柱ころが転動することにより前記クランク軸に対して当該外歯歯車を回転自在に支持するころ軸受と、を備え、
潤滑油が前記転がり軸受の内輪と外輪の間を通過して前記円筒又は円柱ころの外周面と前記偏心カム部の外周面との間に供給される軸受ユニットであって、
前記転がり軸受の内輪と外輪の間を通過した潤滑油を前記円筒又は円柱ころの外周面と前記偏心カム部の外周面との間に導く案内部を、前記転がり軸受又は前記ころ軸受に全周に亘って備えていることを特徴とする軸受ユニット。 - 前記ころ軸受は、前記円筒又は円柱ころを収容するポケットを有する保持器を備えており、
前記案内部は、前記保持器から軸方向に突出するように設けられており、その内周面が、軸方向の外側に向かうにつれて径方向の内側へ向かうように傾斜している請求項1に記載の軸受ユニット。 - 請求項1又は2に記載の軸受ユニットと、
貫通孔が設けられた前記外歯歯車と、
前記貫通孔に内接する出力ピンと、
前記外歯歯車と一箇所で噛合し得る内歯歯車を備え、一方の前記転がり軸受によって前記クランク軸に対し回転自在に支持されているハウジングと、
前記出力ピンの一端を保持し、他方の前記転がり軸受によって前記クランク軸に対し回転自在に支持されている回転軸と、を備え、
前記クランク軸を入力軸とし、前記回転軸を出力軸として回転作動させる偏心搖動型減速機。
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---|---|---|---|
JP2013031229A JP2014159853A (ja) | 2013-02-20 | 2013-02-20 | 軸受ユニット及び軸受ユニットを備えた偏心搖動型減速機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2013
- 2013-02-20 JP JP2013031229A patent/JP2014159853A/ja active Pending
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