JP2014157657A - El素子の製造方法およびel発光パターン用シート - Google Patents

El素子の製造方法およびel発光パターン用シート Download PDF

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Abstract

【課題】EL素子の発光パターンを容易に形成する。
【解決手段】EL素子1の製造方法は、前面電極層2上に蛍光体を含む発光層3を形成し、蛍光体シートを作製する工程と、絶縁体からなり、液体が浸透可能な浸透性基材5上に、誘電体ペーストを塗布して誘電体層4を形成し、EL発光パターン用シートを作製する工程と、蛍光体シートの発光層3とEL発光パターン用シートの誘電体層4とを密着させて貼り合わせる工程と、EL発光パターン用シートの浸透性基材5に、浸透性基材5より誘電率が大きい誘電体または導体からなる浸透液52を浸透させて発光層3の発光パターンを形成する工程と、発光パターンを形成する工程の後に、浸透性基材5上に背面電極層7を形成する工程とを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、光を発するEL(エレクトロルミネッセンス)素子の製造方法およびEL発光パターン用シートに関する。
無機EL素子では、一対の電極間に交流電圧が印加されることにより、電極間に配置された発光層が発光する。
従来、無機EL素子の発光パターンを形成するために、電極または発光層をパターニングしていた(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平2−33889号公報 特開平3−276593号公報
しかしながら、電極や発光層をパターニングするには、版が必要である。このようなパターニングは専門業者が行っており、容易に行えるものではなかった。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、発光パターンの形成が容易なEL素子の製造方法およびEL発光パターン用シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るEL素子の製造方法の第1の特徴は、前面電極層上に蛍光体を含む発光層を形成し、蛍光体シートを作製する工程と、絶縁体からなり、液体が浸透可能な浸透性基材上に、誘電体ペーストを塗布して誘電体層を形成し、EL発光パターン用シートを作製する工程と、前記蛍光体シートの前記発光層と前記EL発光パターン用シートの前記誘電体層とを密着させて貼り合わせる工程と、前記EL発光パターン用シートの前記浸透性基材に、前記浸透性基材より誘電率が大きい誘電体または導体からなる浸透液を浸透させて前記発光層の発光パターンを形成する工程と、前記発光パターンを形成する工程の後に、前記浸透性基材上に背面電極層を形成する工程とを含むことにある。
本発明に係るEL素子の製造方法の第2の特徴は、前記浸透性基材は、紙、樹脂繊維製織り布、樹脂繊維製不織布、樹脂メッシュ、多孔質の樹脂フィルムのうちのいずれかからなることにある。
本発明に係るEL素子の製造方法の第3の特徴は、前記浸透性基材に保湿剤を保持させることにある。
本発明に係るEL発光パターン用シートの第1の特徴は、絶縁体からなり、液体が浸透可能な浸透性基材と、前記浸透性基材上に形成された誘電体からなる誘電体層とを備え、前記誘電体層を形成する誘電体が前記浸透性基材の厚さ方向の一部に浸透していることにある。
本発明に係るEL発光パターン用シートの第2の特徴は、前記浸透性基材は、紙、樹脂繊維製織り布、樹脂繊維製不織布、樹脂メッシュ、多孔質の樹脂フィルムのうちのいずれかからなることにある。
本発明に係るEL発光パターン用シートの第3の特徴は、前記浸透性基材は、保湿剤を保持していることにある。
本発明に係るEL素子の製造方法の第1の特徴によれば、浸透性基材に浸透液を浸透させることにより発光パターンを形成する。これにより、EL素子の発光パターンを容易に形成できる。また、浸透性基材上に誘電体ペーストを塗布してEL発光パターン用シートを作製する工程により、浸透性基材内に誘電体を浸透させ、浸透性基材を強化できるとともに、発光層に浸透液が到達することを低減できる。これにより、EL素子から蛍光体シートを取り外す際に浸透性基材が損傷することを抑制するとともに、浸透液により発光層が汚れることを低減できる。この結果、EL素子から蛍光体シートを再利用可能な状態で取り外すことが可能となる。
本発明に係るEL素子の製造方法の第2の特徴によれば、浸透性基材として紙等を用いて容易に発光パターンを形成できる。
本発明に係るEL素子の製造方法の第3の特徴によれば、浸透性基材に保湿剤を保持させることによって、水分を含む浸透液を発光パターンの形成に用いた場合に、浸透液の乾燥を防止できる。
本発明に係るEL発光パターン用シートの第1の特徴によれば、浸透性基材に浸透液を浸透させることにより、EL素子の発光パターンを容易に形成できる。また、誘電体が浸透性基材に浸透していることで、浸透性基材の損傷を抑制できる。これにより、EL素子においてEL発光パターン用シートと貼り合わされる蛍光体シートを再利用可能な状態で取り外すことが可能となる。
本発明に係るEL発光パターン用シートの第2の特徴によれば、浸透性基材として紙等を用いて容易にEL素子の発光パターンを形成できる。
本発明に係るEL発光パターン用シートの第3の特徴によれば、浸透性基材が保湿剤を保持しているので、浸透性基材に浸透した液体の乾燥を防止できる。
実施の形態に係るEL素子の構成を示す斜視図である。 図1におけるA−A線に沿った部分断面図である。 発光を説明するためのEL素子の部分断面図である。 実施の形態に係るEL素子の製造方法を説明するための模式図である。 実施の形態に係るEL素子の製造方法を説明するための模式図である。 実施の形態に係るEL素子の製造方法を説明するための模式図である。 実施の形態に係るEL素子の製造方法を説明するための模式図である。 実施の形態に係るEL素子の製造方法を説明するための模式図である。 実施の形態に係るEL素子の製造方法を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るEL素子の構成を示す斜視図、図2は、図1におけるA−A線に沿った部分断面図である。以下の説明において、図1における上下を上下方向とする。
図1、図2に示すように、本実施の形態に係るEL素子1は、前面電極層2と、発光層3と、誘電体層4と、浸透性基材5と、コンタクト層6と、背面電極層7とを備える。
前面電極層2は、背面電極層7と一対の電極を構成する。前面電極層2は、光透過性を有し、発光層3からの光が透過するようになっている。前面電極層2は、透明基材21と、透明導電層22とを備える。
透明基材21は、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、ガラス等からなり、光透過性を有する。
透明導電層22は、ITO(インジウム錫酸化物)、導電性ポリマー等からなり、導電性および光透過性を有する。透明導電層22は、透明基材21の下側の面上に形成されている。透明導電層22には、交流電源11が接続される。なお、金属メッシュにより透明導電層22を構成してもよい。
発光層3は、蛍光体を有し、前面電極層2と背面電極層7との間に交流電圧が印加されると、浸透性基材5に形成された発光パターン51上の領域が発光する。発光層3は、前面電極層2(透明導電層22)の下側の面上に形成されている。発光層3は半透明である。
なお、発光層3と前面電極層2との間に、チタン酸バリウム粉末を含む誘電体層を設けてもよい。これにより耐絶縁破壊性が向上することがある。
誘電体層4は、発光層3と浸透性基材5とを接着している。誘電体層4は、誘電率が5以上、より望ましくは10以上の高誘電率の誘電体からなる。これにより、誘電体層4への印加電圧の分割分を少なくすることができ、消費電力を抑えるとともに、発光層3の発光輝度の低下を抑えることができる。
浸透性基材5は、発光層3を発光させる発光パターン51が形成されるものである。浸透性基材5は、誘電体層4の下側に配置されている。浸透性基材5は、液体の浸透性を有する。具体的には、浸透性基材5は、液体が浸透可能な空隙を内部に有する構造になっている。浸透性基材5の上部には、誘電体浸透層5aが形成されている。誘電体浸透層5aは、誘電体層4を形成する誘電体が浸透性基材5の厚さ方向の一部に浸透して形成されたものである。浸透性基材5には、浸透液52が、下面と誘電体浸透層5aとの間に浸透することにより、図1に示す発光パターン51が形成される。浸透性基材5に浸透液52が浸透した部分の平面視における形状(領域)が、発光パターン51となる。
浸透性基材5は、絶縁体(誘電体)からなる。浸透性基材5は、誘電率が5未満の低誘電率の物質からなることが望ましい。
例えば、浸透性基材5は、普通紙、再生紙、和紙等の紙からなる。紙の誘電率は3程度である。紙では、繊維の隙間に浸透液52が浸透する。また、誘電率が紙などと同程度であれば、例えば、樹脂繊維製織り布、樹脂繊維製不織布、樹脂メッシュを浸透性基材5として用いることもできる。また、浸透性基材5として、低誘電率の絶縁体(誘電体)で、浸透液が浸透可能な多数の孔を有する多孔質材料を用いてもよい。例えば、多孔質の樹脂フィルムを浸透性基材5として用いてもよい。多孔質材料における孔の形状、大きさ、配置等は特に限定されないが、発光層3において、浸透性基材5の浸透液52を保持する孔部分に対応する領域が発光するため、発光による画像の解像度を損ねない程度の孔の大きさ、開孔率、ピッチ、配列を有することが望ましい。
浸透液52は、浸透性基材5より誘電率が大きい誘電体、または導体からなる液体である。浸透液52として用いられる誘電体は、誘電率が10以上の高誘電率の物質であることが望ましい。例えば、炭酸プロピレン等の高誘電率溶剤や、これを含むインクを浸透液52として用いることができる。ここで言うインクは、顔料や染料といった色材を含んでいてもよい。また、浸透液52として用いられる導体としては、例えば、石鹸水等の純水ではない水、石鹸水とグリセリンとの混合液、水性インク、エマルションインク、導電性インクが挙げられる。
コンタクト層6は、浸透性基材5と背面電極層7とを接着している。コンタクト層6は、誘電率が5以上、より望ましくは10以上の高誘電率の誘電体または導体からなる。これにより、コンタクト層6への印加電圧の分割分を少なくすることができ、消費電力を抑えるとともに、発光層3の発光輝度の低下を抑えることができる。
背面電極層7は、前面電極層2と一対の電極を構成する。背面電極層7は、コンタクト層6を介して浸透性基材5に接着され、EL素子1の最も下側に配置される。背面電極層7には、交流電源11が接続される。背面電極層7は、例えば、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属板または金属箔からなる。また、背面電極層7は、樹脂板上にAl、Ag等の薄膜が形成されたものや、金属メッシュでもよい。また、背面電極層7として、前面電極層2と同様のものを用いてもよい。ここで、背面電極層7は、発光層3が発した光の一部を反射する。この反射光は、コンタクト層6、浸透性基材5、誘電体層4、発光層3、前面電極層2を通過して外部(上側)へと放射される。したがって、背面電極層7は、光を反射しやすい金属板、金属箔等であることが好ましい。
次に、EL素子1の動作について説明する。
EL素子1の使用時には、前面電極層2と背面電極層7との間に交流電源11によって交流電圧が印加される。交流電源11によりEL素子1に印加される交流電圧に特に制約はないが、発光輝度や効率、寿命等の観点から、例えば、実効値が50V〜700V、周波数が50Hz〜3kHzの範囲が適している。
前面電極層2と背面電極層7との間に交流電圧が印加されると、図3に示すように、発光層3内のドットハッチングで示したパターン対応部分61において発光が生じ、上方向への光Lが前面電極層2を透過して外部へと放射される。外部へと放射される光Lには、パターン対応部分61から下方向へと放射されて、誘電体層4、浸透性基材5、浸透液52、コンタクト層6、および背面電極層7で反射された光も含まれる。
発光層3内のパターン対応部分61は、浸透性基材5内の浸透液52上の領域である。すなわち、パターン対応部分61は、浸透液52により形成される発光パターン51上の領域である。発光パターン51を構成する浸透液52が、導体または高誘電率の誘電体であるため、前面電極層2と背面電極層7との間に交流電圧が印加されると、パターン対応部分61内に電界が形成される。パターン対応部分61内では、電界により内部の電子が加速されて発光中心に衝突する。このとき、発光中心が励起され、基底状態に戻る際に発光する。パターン対応部分61以外の部分では、前面電極層2と背面電極層7との間に低誘電率の浸透性基材5およびその内部の空気が介在しているため、発光層3内において発光に十分な強さの電界が形成されず、発光は生じない。
発光層3のパターン対応部分61の発光により、EL素子1を上側(前面電極層2側)から見ると、発光パターン51内の領域が発光しているように視認される。
次に、EL素子1の製造方法について説明する。
図4〜図9は、EL素子1の製造方法を説明するための模式図である。
まず、図4に示すように、透明基材21の一方の面上に、透明導電層22を形成する。例えば、ITOの透明導電層22を形成する場合、ITOゾルペーストをスクリーン印刷法により透明基材21に塗布し、これを加熱して乾燥させる。これにより、前面電極層2が得られる。透明基材21の厚さは、例えば、10〜500μm程度である。また、透明導電層22の厚さは、例えば、0.1〜10μm程度である。
次いで、図5に示すように、前面電極層2上に発光層3を形成し、蛍光体シート71を作製する。具体的には、透明導電層22上に、スクリーン印刷法、ドクターブレード法等により、蛍光体ペーストを塗布した後、これを加熱して乾燥させる。これにより、発光層3が形成される。発光層3の厚さは、例えば、40〜60μm程度である。
蛍光体ペーストは、蛍光体粒子をバインダーに分散させたものである。蛍光体は、母体となる無機組成物に微量の発光中心元素を添加したものである。無機組成物としては、ZnS、CaS等が用いられる。発光中心元素としては、例えば、Cu、Mn等の金属元素が用いられる。無機組成物と発光中心元素との組み合わせにより、発光層3の発光色が決まる。
蛍光体ペーストのバインダーは、高誘電率の樹脂と溶剤とからなる。蛍光体ペーストに用いる高誘電率の樹脂としては、シアノエチルプルラン、シアノエチルPVA、シアノエチルサッカロース、シアノエチルセルロース、フッ化ビニリデン、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ポリウレタン、フロロシリコーン等を用いることができる。蛍光体ペーストに用いる溶剤は、すべて揮発することが望ましく、このような溶剤として、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、アセトニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチルラクトン、炭酸プロピレン、トルエン、キシレン等を用いることができる。
蛍光体ペーストのバインダーとしては、高誘電率の樹脂としてフッ素系樹脂を含むものが好ましい。例えば、有限会社ユナイテック製FLUOROPOLYMEREL−バインダーを用いることができる。これにより、完成後のEL素子1において、発光層3と誘電体層4とを剥離しやすくすることができる。
また、図6に示すように、浸透性基材5上に誘電体層4を形成し、EL発光パターン用シート72を作製する。具体的には、浸透性基材5上に誘電体ペーストを塗布することにより、誘電体層4を形成する。浸透性基材5上に誘電体ペーストを塗布すると、浸透性基材5に誘電体(高誘電率の樹脂)が浸透し、誘電体浸透層5aが形成される。誘電体層4の厚さは、例えば、0.1〜20μm程度である。この値は、浸透性基材5上に塗布して乾燥した後の平均厚さである。
誘電体ペーストは、高誘電率の樹脂と溶剤とからなる。誘電体ペーストに用いる高誘電率の樹脂としては、シアノエチルプルラン、シアノエチルPVA、シアノエチルサッカロース、シアノエチルセルロース、フッ化ビニリデン、フロロシリコーン、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ポリウレタン等を用いることができる。ただし、発光層3に接着したときに発光層3との境界部に気泡が形成されないようにするため、流動性を有する樹脂を用いることが好ましく、例えば、シアノエチルPVAを用いることが好ましい。誘電体ペーストに用いる溶剤としては、シクロヘキサノン等を用いることができる。
EL発光パターン用シート72を所定時間乾燥させた後、図7に示すように、蛍光体シート71の発光層3とEL発光パターン用シート72の誘電体層4とを密着させて貼り合わせる。誘電体層4は接着剤として作用する。この際、蛍光体シート71およびEL発光パターン用シート72の全面に均一に高圧力を付与する。例えば、浸透性基材5を上にして、5mm程度の径の円柱棒を上に当てて、ゆっくり一方向に力を加えながら転がすとよい。これにより、発光層3と誘電体層4とを重ねたときにその境界部に気泡があったとしても、その気泡が外に抜ける。これにより、発光層3と誘電体層4との間に形成された気泡により発光層3の発光が不均一になることを抑制できる。
ここで、EL発光パターン用シート72を作製してから(浸透性基材5上に誘電体層4形成用の誘電体ペーストを塗布してから)の時間の経過にともない、誘電体層4から溶剤が揮発し、これにより誘電体層4の流動性が低下する。誘電体層4の流動性が低下すると、発光層3と誘電体層4とを重ねたときにその境界部に形成された気泡を取り除きにくくなる。
そこで、EL発光パターン用シート72を作製してから、蛍光体シート71と貼り合わせるまでに長時間が経過する場合、EL発光パターン用シート72を容器に封入して保持することが好ましい。これにより、誘電体層4からの溶剤の揮発を抑制し、誘電体層4の流動性の低下を抑えることができる。
また、流動性が低下しても、加熱により流動性を回復可能な樹脂を用いて誘電体層4を形成した場合は、流動性が低下した誘電体層4を軟化点まで加熱してから、EL発光パターン用シート72と蛍光体シート71とを貼り合わせるようにすればよい。これにより、発光層3と誘電体層4との間に気泡が残ることを低減できる。
次いで、図8に示すように、蛍光体シート71とEL発光パターン用シート72とを貼り合わせて形成されたEL用発光シート73の浸透性基材5に浸透液52を浸透させ、発光パターン51を形成する。
具体的には、印刷装置を用い、EL用発光シート73を印刷媒体として、浸透液52としての水性インクにより浸透性基材5側に印刷を行う。ここで、水性インクが浸透性基材5内の誘電体浸透層5aに到達するように、印刷装置による水性インクの付与量を設定する。ここで、図8における浸透性基材5の下側から水性インクで印刷を行うが、これにより形成される発光パターン51を前面電極層2側から見ると、印刷画像に対して左右反転されたものとなる。このため、ここでは、EL素子1で表示したい画像に対して左右反転した画像を印刷する。印刷装置としては、インクジェット方式、孔版印刷方式、スクリーン印刷方式等の印刷装置を用いることができる。中でも、インクジェット方式の印刷装置は、水性インクをEL用発光シート73に付与する手段としては、安価で数多く普及しているので好適である。
なお、例えば、EL用発光シート73の浸透性基材5に、浸透液52としての水(純水ではない水)を含ませた筆でユーザが模様を描くことにより発光パターン51を形成することもできる。発光パターン51を形成する方法としては、この他にもさまざまな方法を採用することができる。
一方で、背面電極層7を構成するアルミニウム合金等の金属板等の一方の面上に、コンタクト層6の材料となる接着剤(粘着剤)を塗布し、背面電極層7とコンタクト層6との積層物を得る。コンタクト層6の材料としては、例えば、シアノエチルプルラン、シアノエチルPVA、シアノエチルサッカロース、シアノエチルセルロース、フッ化ビニリデン、フロロシリコーン、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ポリウレタン、導電接着剤、導電グリース、導電ペースト、導電ゲル等を用いることができる。これらは、単独あるいは2種以上の混合物として使用できる。また、コンタクト層6の材料に粘着付与剤を添加して粘着性を向上させるとより望ましい。コンタクト層6の材料は、溶剤に溶解されているか、分散されていると、背面電極層7への塗布が容易である。この材料は、液状、ジェル状、ゲル状、固体状のいずれでもよい。ただし、流動性が高すぎて浸透性基材5に浸透してしまうと、意図する発光パターン以外の部分も発光してしまうため、浸透性基材5に浸透しないことが重要である。
そして、図9に示すように、背面電極層7とコンタクト層6との積層物を、コンタクト層6側からEL用発光シート73の浸透性基材5に貼り付ける。これにより、コンタクト層6を介して浸透性基材5上に背面電極層7が形成される。この結果、EL素子1が完成する。浸透液52の乾燥を防ぐため、浸透性基材5に浸透液52を浸透させた後、迅速に背面電極層7とコンタクト層6との積層物を貼り付けることが好ましい。コンタクト層6の厚さは、例えば、0.1〜50μm程度である。また、背面電極層7の厚さは、例えば、50〜100μm程度である。
EL素子1において、発光パターン51の内容を変更する場合、EL素子1から蛍光体シート71を取り外す。
ここで、EL素子1では、浸透性基材5内部に誘電体が浸透して誘電体浸透層5aが形成されている。例えば、浸透性基材5が紙で構成されている場合、紙に浸透した誘電体により、紙繊維の収束力が強化される。また、誘電体浸透層5aにより浸透液52の浸透深さが制限されるので、浸透液52により紙繊維の収束力が低下する領域が小さく抑えられる。これにより、EL素子1から蛍光体シート71を剥がす際に、浸透性基材5としての紙が破れて、紙の一部が誘電体層4の一部とともに蛍光体シート71の発光層3に付着した状態となることを抑制できる。
また、誘電体浸透層5aが形成されていることにより、浸透液52が発光層3にまで到達することを低減することができる。これにより、例えば、浸透液52としてインクを用いた場合に、EL素子1から剥がした蛍光体シート71の発光層3にインクが付着した状態で残ることを低減できる。
上記のように、EL素子1では、浸透性基材5内部に誘電体浸透層5aが形成されていることで、蛍光体シート71をEL素子1から再利用可能な状態で取り外すことが可能となる。
また、前述のように、蛍光体ペーストのバインダーとしてフッ素系樹脂を含むものを用いて、発光層3と誘電体層4とを剥離しやすくすることで、より蛍光体シート71をEL素子1から再利用可能な状態で取り外しやすくすることができる。
EL素子1から蛍光体シート71を取り外すと、この蛍光体シート71に対し、新たなEL発光パターン用シート72を貼り付け、新たなEL用発光シート73を作製する。そして、浸透液52によりEL用発光シート73に新たな発光パターン51を形成した後、背面電極層7を形成する。これにより、発光パターン51の内容が変更されたEL素子1が作製される。このように、蛍光体シート71が再利用される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、浸透性基材5に浸透液52を浸透させることにより発光パターン51を形成する。このため、EL素子1の発光パターン51を印刷等により容易に形成できる。
また、本実施の形態では、浸透性基材5上に誘電体ペーストを塗布することにより、誘電体層4を形成するとともに、浸透性基材5内に誘電体浸透層5aを形成したEL発光パターン用シート72を作製する。これにより、浸透性基材5が誘電体浸透層5aにより強化される。これにより、蛍光体シート71をEL素子1から取り外す際に、浸透性基材5が損傷して蛍光体シート71に誘電体層4および浸透性基材5の断片が付着すること等を抑制できる。また、誘電体浸透層5aにより、発光層3に浸透液52が到達して発光層3が汚れることを低減できる。この結果、蛍光体シート71をEL素子1から再利用可能な状態で取り外すことが可能となる。
また、本実施の形態では、浸透性基材5として、紙、樹脂繊維製織り布、樹脂繊維製不織布、樹脂メッシュ、多孔質の樹脂フィルム等を用いることで、容易に発光パターン51を形成できる。
なお、本実施の形態では、蛍光体シート71とEL発光パターン用シート72とを貼り合わせた後、浸透液52により発光パターン51を形成し、その後、背面電極層7を形成したが、EL発光パターン用シート72の浸透性基材5(誘電体浸透層5aの反対側の面)に浸透液52を浸透させて発光パターン51を形成し、背面電極層7を形成した後、蛍光体シート71をEL発光パターン用シート72に貼り付けてもよい。
また、浸透性基材5に保湿剤を保持させてもよい。保湿剤としては、例えば、PVA、ポリアクリル酸塩、でんぷん、デキストリン、ゼラチン、寒天、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、メチルセルロースを用いることができる。これらの保湿剤は、単独あるいは2種類以上の混合物として使用することができる。浸透性基材5に保湿剤を保持させることで、浸透液52として水性インク等の水分を含む液体を用いた場合に、浸透液52の乾燥を防止できる。これにより、発光層3の発光輝度の低下を防止できる。
また、本実施の形態では、金属板等からなる背面電極層7にコンタクト層6の材料を塗布した積層物を浸透性基材5に貼り付けたが、浸透性基材5にコンタクト層6を形成し、その後、導電性ペースト、導電性ポリマー等をコンタクト層6に塗布して乾燥させることで、背面電極層7を形成してもよい。また、コンタクト層6を介さずに、浸透性基材5に直接、導電性ペースト、導電性ポリマー等を塗布して乾燥させることで、背面電極層7を形成してもよい。ただし、導電性ペースト等が浸透性基材5に深く浸透しすぎると、電圧などの駆動条件によっては、浸透液52がない部分まで発光する場合がある。このため、導電性ペースト等を塗布して背面電極層7を形成する場合は、浸透性基材5への導電性ペースト等の浸透深さおよび浸透性基材5の厚さを適切に選択することに留意が必要である。
また、浸透性基材5として、油性インクにより予め印刷が施された紙等を用いてもよい。油性インクによる印刷が施されていても、浸透液52は浸透性基材5に浸透可能である。油性インクは絶縁性が高く、誘電率が浸透性基材5と同程度であるため、前面電極層2と背面電極層7との間に交流電圧を印加しても、浸透性基材5の油性インクによる印刷領域上では発光層3内に電界が形成されず、発光は生じない。したがって、浸透性基材5全体の図柄の中で、浸透液52による発光パターン51が形成された領域のみを発光させることができる。
また、本実施の形態では、分散型無機EL素子について説明したが、薄膜型無機EL素子にも本発明は適用可能である。
また、EL素子1は、平面状に限らず、曲面状や、フレキシブルな形態に構成することができる。
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1 EL素子
2 前面電極層
3 発光層
4 誘電体層
5 浸透性基材
5a 誘電体浸透層
6 コンタクト層
7 背面電極層
11 交流電源
21 透明基材
22 透明導電層
51 発光パターン
52 浸透液
61 パターン対応部分
71 蛍光体シート
72 EL発光パターン用シート
73 EL用発光シート

Claims (6)

  1. 前面電極層上に蛍光体を含む発光層を形成し、蛍光体シートを作製する工程と、
    絶縁体からなり、液体が浸透可能な浸透性基材上に、誘電体ペーストを塗布して誘電体層を形成し、EL発光パターン用シートを作製する工程と、
    前記蛍光体シートの前記発光層と前記EL発光パターン用シートの前記誘電体層とを密着させて貼り合わせる工程と、
    前記EL発光パターン用シートの前記浸透性基材に、前記浸透性基材より誘電率が大きい誘電体または導体からなる浸透液を浸透させて前記発光層の発光パターンを形成する工程と、
    前記発光パターンを形成する工程の後に、前記浸透性基材上に背面電極層を形成する工程と
    を含むことを特徴とするEL素子の製造方法。
  2. 前記浸透性基材は、紙、樹脂繊維製織り布、樹脂繊維製不織布、樹脂メッシュ、多孔質の樹脂フィルムのうちのいずれかからなることを特徴とする請求項1に記載のEL素子の製造方法。
  3. 前記浸透性基材に保湿剤を保持させることを特徴とする請求項1または2に記載のEL素子の製造方法。
  4. 絶縁体からなり、液体が浸透可能な浸透性基材と、
    前記浸透性基材上に形成された誘電体からなる誘電体層とを備え、
    前記誘電体層を形成する誘電体が前記浸透性基材の厚さ方向の一部に浸透していることを特徴とするEL発光パターン用シート。
  5. 前記浸透性基材は、紙、樹脂繊維製織り布、樹脂繊維製不織布、樹脂メッシュ、多孔質の樹脂フィルムのうちのいずれかからなることを特徴とする請求項4に記載のEL発光パターン用シート。
  6. 前記浸透性基材は、保湿剤を保持していることを特徴とする請求項4または5に記載のEL発光パターン用シート。
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