JP2014156377A - 結晶性ガラス組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着に適した流動性を有するとともに、熱処理後に高い熱膨張係数を有し、かつ、長期間高温に曝されても、ガラス成分の蒸発による燃料電池の発電特性の劣化が起こりにくく、接着後の耐熱性にも優れる結晶性ガラス組成物を提供する。
【解決手段】モル%で、SiO 40〜70%(ただし、40%を含まない)、MgO 5〜40%、CaO 3〜30%、SrO 0〜20%、BaO 5〜40%、ZnO 5〜40%、B 0〜5%、Al 0〜2%(ただし、2%を含まない)、La 0〜15%、Y 0〜1%、Gd 0〜4%、Nb 0〜5%及びTa 0〜2%を含有することを特徴とする結晶性ガラス組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、結晶性ガラス組成物に関する。具体的には、SUSやFeといった金属や、フェライトやジルコニアといった高膨張セラミックスを接着するために好適な結晶性ガラス組成物に関する。
近年、燃料電池(Fuel Cell)はエネルギー効率が高く、COの排出を大きく削減できる有力な技術として注目されてきている。燃料電池のタイプは、使用する電解質によって異なり、工業用途で用いられるものとしては、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体酸化物型(SOFC)、固体高分子型(PEFC)の4種類がある。中でもSOFCは内部抵抗が小さいため、燃料電池の中では最も発電効率が高く、また、触媒に貴金属を使用する必要がないため、製造コストも抑えられるといった特徴を有している。そのため、SOFCは、家庭用等の小規模用途から、発電所等の大規模用途まで幅広く適用可能なシステムであり、その将来性に期待が高まってきている。
一般的な平板型SOFCの構造を図1に示す。一般的な平板型SOFCは、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等のセラミック材料からなる電解質1、Ni/YSZ等からなるアノード2、及び、(La、Ca)CrO等からなるカソード3が積層一体化されたセルを有している。さらに、燃料ガスの通り道(燃料チャネル4a)が形成された、アノード2と接する第一の支持体基板4と、空気の通り道(空気チャネル5a)が形成された、カソード3と接する第二の支持体基板5とがセルの上下に固着されている。ここで、第一の支持体基板4及び第二の支持体基板5は、ガスの通り道が互いに直交するようにセルに固着される。なお、第一の支持体基板4及び第二の支持体基板5はSUS等の金属で構成されている。
上記構造を有する平板型SOFCにおいて、燃料チャネル4aには水素(H)や、都市ガス、天然ガス、バイオガス、液体燃料といった燃料ガスが流され、同時に、空気チャネル5aには空気または酸素(O)が流される。このときカソードでは、1/2O+2e → O2−の反応が起こり、アノードでは、H+O2− → HO + 2eの反応が起こる。当該反応よって、化学エネルギーが直接電気エネルギーに変換されて発電することができる。なお、高出力を得るために、実際の平板型SOFCは図1のセル構造単位が複数積層されている。
上記構造を有する平板型SOFCを作製するに当たっては、ガスリークが生じないように、各部材同士(特に、支持体基板とセル)の気密シールが必要となる。その目的で、マイカやバーミキュライト、アルミナといった無機質からなるシート形状のガスケットを各部材間に挟み込んで気密シールする方法が提案されている。しかしながら、当該方法では部材同士の接着は行われていないため、微量のガスリークが発生し、燃料使用効率に劣る。そこで、ガラスからなる接着材料を用いて各部材同士を接着する方法が検討されている。
ところで、金属やセラミックからなる高膨張部材同士を接着するために、接着材料の熱膨張係数も、これらの部材に適合させる必要がある。また、良好な接着性を得るために、接着温度において十分な流動性が要求される。さらに、SOFCでは電気化学反応が生じる温度域(作動温度域)が600〜800℃程度と高温であり、しかも、この温度で長期間に亘って運転される。よって接着材料には、長期間高温に晒されても、接着箇所の融解による気密性や接着性の低下や、ガラス成分の蒸発による燃料電池の発電特性の劣化が起こらないように、高い耐熱性が求められる。
上記要求特性を達成すべく、熱処理により高膨張結晶を析出するガラス組成物が特許文献1及び2で提案されている。具体的には、特許文献1には、熱処理によりCaO−MgO−SiO系結晶が析出する結晶性ガラス組成物が記載されている。特許文献2には、熱処理するとMgO系結晶が析出する結晶性ガラス組成物が記載されている。また、特許文献3には、熱処理により結晶を析出しない、SiO−B−SrO系非晶質ガラス組成物からなる接着材料が記載されている。
国際公開第2009−017173号 特開2004−43297号公報 特開2006−56769号公報
特許文献1に記載されている結晶性ガラス組成物は、高温粘性が高いため、熱処理時に軟化流動しにくく、緻密な焼結体が得られにくい。結果として、安定したシール性が得られにくいという問題がある。また、特許文献2に記載されている結晶性ガラス組成物は、長期間高温に晒されると、ガラス成分が蒸発しやすく、燃料電池の発電特性に悪影響を与えるおそれがある。なお、特許文献3に記載されている非晶質ガラス組成物は、ガラス転移点が600℃付近であるため、600〜800℃程度といった高温動作環境下では、接着箇所が融解し、気密性や接着性が確保できないという問題がある。
以上の問題に鑑み、本発明は、接着に適した流動性を有するとともに、熱処理後に高い熱膨張係数を有し、かつ、長期間高温に曝されても、ガラス成分の蒸発による燃料電池の発電特性の劣化が起こりにくく、接着後の耐熱性にも優れる結晶性ガラス組成物を提供することである。
本発明の結晶性ガラス組成物は、モル%で、SiO 40〜70%(ただし、40%を含まない)、MgO 5〜40%、CaO 3〜30%、SrO 0〜20%、BaO 5〜40%、ZnO 5〜40%、B 0〜5%、Al 0〜2%(ただし、2%を含まない)、La 0〜15%、Y 0〜1%、Gd 0〜4%、Nb 0〜5%及びTa 0〜2%を含有することを特徴とする。
本発明において、「結晶性ガラス組成物」とは、熱処理すると結晶を析出する性質を有するガラス組成物をいう。また、「熱処理する」とは、800℃以上の温度で10分間以上の条件で熱処理することを意味する。
O(Rはアルカリ金属を示す)及びPを実質的に含有しないことが好ましい。
熱処理することにより、2MgO・SiO、BaO・2MgO・2SiO及び2SiO・2ZnO・BaOから選択される1種以上の結晶を析出することが好ましい。
熱処理後において、30〜700℃の温度範囲における熱膨張係数が70×10−7/℃以上となることが好ましい。
本発明の接着材料は、前記いずれかの結晶性ガラス組成物を含有することを特徴とする。
本発明によれば、接着に適した流動性を有するとともに、熱処理後に高い熱膨張係数を有し、かつ、長期間高温に曝されても、ガラス成分の蒸発による燃料電池の発電特性の劣化が起こりにくく、接着後の耐熱性にも優れる結晶性ガラス組成物を提供することができる。
SOFCの基本構造を示す模式的説明図である。
本発明の結晶性ガラス組成物は、CaOを所定量含有することにより、封着に適した流動性と、熱処理後に高い熱膨張係数を示すとともに、長期間に亘って高温下に晒されても、結晶が析出し、またBを少なくしガラス成分が揮発しにくくなり、高い耐熱性を得ることができる。それ故、高膨張材料の接着や被覆、特にSOFC等の燃料電池に用いられる接着材料として好適である。
本発明者は種々の実験を行った結果、高温化で揮発しやすいB量を制限することでBの揮発が抑えられ、CaO量を調整することで封着時に適した流動性を有し、また、その他の成分を調整することで封着時に適した流動性を有しかつ熱処理後に高い熱膨張係数を有し、高温安定性を有する量産性に優れたガラス組成を見出し提案するものである。
本発明の結晶性ガラス組成物のガラス組成を上記のように限定した理由を以下に説明する。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「%」は「モル%」を意味する。
SiOは、熱処理により析出する高膨張結晶の構成成分である。また、ガラス化範囲を広げてガラス化しやすくするとともに、耐水性や耐熱性を向上させる成分である。SiOの含有量は40〜70%(ただし、40%は含まない)であり、好ましくは41〜69%、より好ましくは41〜65%である。SiOの含有量が少なすぎると、ガラス化範囲が狭くなりすぎて、ガラス化しにくくなる傾向がある。一方、SiOの含有量が多すぎると、熱処理時に高膨張結晶が析出しにくくなる。また、溶融温度が高くなり、溶融が困難になる傾向がある。
MgOは、熱処理により析出する高膨張結晶の構成成分である。MgOの含有量は5〜40%であり、好ましくは5〜39%、より好ましくは6〜38%である。MgOの含有量が少なすぎると、熱処理時に高膨張結晶が析出しにくくなる。一方、MgOの含有量が多すぎると、ガラス化範囲が狭くなる傾向にあり、失透しやすくなる。また、流動性が低下しやすくなる。
CaOは流動性を向上させるための成分である。CaOの含有量は3〜30%であり、好ましくは3〜29%、より好ましくは3〜28%である。CaOの含有量が少なすぎると、接着に適した流動性が得られにくくなる。一方、CaOの含有量が多すぎると、溶融中に失透しやすくなる。
SrOはガラス化範囲を広げてガラス化しやすくする成分である。SrOの含有量は0〜20%であり、好ましくは0〜18%、より好ましくは0〜16%である。SrOの含有量が多すぎると、熱処理によりSrO・SiO等の低膨張結晶が析出しやすくなり、高膨張特性が得られにくくなる。また、流動性が低下しやすくなる。
BaOは、熱処理により析出する高膨張結晶の構成成分である。BaOの含有量は5〜40%であり、好ましくは5〜39%、より好ましくは6〜38%である。BaOの含有量が少なすぎると、熱処理時に高膨張結晶が析出しにくくなる。一方、BaOの含有量が多すぎると、ガラス化範囲が狭くなる傾向にあり、失透しやすくなる。また、流動性が低下しやすくなる。
ZnOは、熱処理により析出する高膨張結晶の構成成分である。ZnOの含有量は5〜40%であり、好ましくは5〜39%、より好ましくは6〜38%である。ZnOの含有量が少なすぎると、熱処理時に高膨張結晶が析出しにくくなる。一方、ZnOの含有量が多すぎると、ガラス化範囲が狭くなる傾向にあり、失透しやすくなる。また、流動性が低下する傾向がある。
は流動性を向上させるための成分である。Bの含有量は0〜5%であり、好ましくは0〜4%、より好ましくは0〜3%である。Bの含有量が多すぎると、耐水性や耐熱性が低下しやすくなる。また、燃料電池の構成部材の接着材料として使用した場合に、高温下の使用でBが揮発し、発電特性が劣化しやすくなる。
Alは粘性を調整するための成分である。Alの含有量は0〜2%(ただし、2%を含まない)であり、好ましくは0〜1.5%、より好ましくは0〜1%である。Alの含有量が多すぎると、熱処理により2SiO・Al・BaO等の低膨張結晶が析出しやすくなり、高膨張特性が得られにくくなる。
Laは流動性を向上させるための成分であり、また、ガラス化範囲を拡げてガラス化しやすくする効果もある。Laの含有量は0〜15%であり、好ましくは0〜14%、より好ましくは0.1〜13%である。Laの含有量が多すぎると、溶融中や熱処理時に失透しやすくなり、接着に適した流動性が得られにくくなる。
は流動性を向上させるための成分であり、また、ガラス化範囲を拡げてガラス化しやすくする効果もある。Yの含有量は0〜1%であり、好ましくは0〜0.9%、より好ましくは0〜0.8%である。Yの含有量が多すぎると、溶融中や熱処理時に失透しやすくなり、接着に適した流動性が得られにくくなる。
Gdは流動性を向上させるための成分であり、また、ガラス化範囲を広げてガラス化しやすくする効果もある。Gdの含有量は0〜4%であり、好ましくは0〜3%、より好ましくは0〜2%である。Gdの含有量が多すぎると、溶融中や熱処理時に失透しやすくなり、接着に適した流動性が得られにくくなる。
Nbは流動性を向上させるための成分であり、また、熱処理時に結晶析出を促進する効果もある。Nbの含有量は0〜5%であり、好ましくは0〜4%、より好ましくは0〜3%である。Nbの含有量が多すぎると、溶融中や熱処理時に失透しやすくなり、接着に適した流動性が得られにくくなる。
Taは流動性を向上させるための成分である。また、Taを含有させることにより、結晶化温度を適宜調整することができる。具体的には、Taを含有させると、結晶化温度が高温側にシフトするため、高温焼成が必要な場合に有効である。Taの含有量は0〜2%であり、好ましくは0〜1.5%、より好ましくは0〜1%である。Taの含有量が多すぎると、溶融中や熱処理時に失透しやすくなり、接着に適した流動性が得られにくくなる。
本発明の結晶性ガラス組成物は、上記以外の成分としてTiO、ZrO、SnO、WO等をそれぞれ2モル%まで含有させることができる。しかしながら、電気絶縁性を劣化させたり、高温下の使用で揮発しやすいRO(Rはアルカリ金属を示す)及びPは実質的な導入は避けるべきである。「実質的な導入は避ける」とは、積極的に原料として含有させないことをいい、不純物として混入するレベルをも排除するものではない、具体的には、各成分の含有量が0.1モル%未満であることを意味する。
以上のような組成を有する結晶性ガラス組成物は、熱処理すると高膨張結晶を析出する性質を有する。高膨張結晶の具体例としては、2MgO・SiO、BaO・2MgO・2SiO及び2SiO・2ZnO・BaOが挙げられる。
本発明の結晶ガラスは、熱処理後に高い結晶化度が得られやすい。また、析出する結晶は融点が高く、再度熱処理を行っても流動しにくいため、長期に亘って耐熱性を維持することができる。
本発明の結晶性ガラス組成物は、熱処理後において、30〜700℃の温度範囲における熱膨張係数が70×10−7/℃以上となることが好ましく、75×10−7/℃以上となることがより好ましい。
次に本発明の結晶性ガラス組成物を接着材料として使用する方法の一例を説明する。
まず、上記組成を有するように調合した原料を1400〜1600℃で0.5〜2時間溶融する。次いで、溶融ガラスをフィルム状等に成形した後、粉砕し、分級することによりガラス粉末(結晶性ガラス組成物)を作製する。なお、ガラス粉末の粒径(d50)は2〜20μm程度であることが好ましい。
必要に応じて、流動性の調整のために上記ガラス粉末に各種フィラー粉末を添加する。フィラー粉末としては、マグネシア(MgO)、亜鉛華(ZnO)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、アルミナ(Al)等の粉末が挙げられる。フィラー粉末の添加量は、ガラス粉末100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは1〜8質量部である。フィラー粉末の添加量が少なすぎると、上記効果が得られにくい。一方、フィラー粉末の添加量が多すぎると、流動性の低下が大きくなりすぎる傾向がある。なお、フィラー粉末の粒径(d50)は0.2〜20μm程度であることが好ましい。
次いで、ガラス粉末、あるいは、ガラス粉末とフィラー粉末との混合粉末に対し、有機溶剤、樹脂、可塑剤、分散剤等を添加して混錬することによりペースト状に調製する。
有機溶剤はガラス粉末をペースト化するための材料であり、その含有量は10〜40質量%であることが好ましい。有機溶剤の具体例としては、ターピネオール(Ter)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BC)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート、ジヒドロターピネオール等が挙げられ、これらを単独または混合して使用することができる。
樹脂は、乾燥後の膜強度を高め、また柔軟性を付与する成分であり、その含有量は0.1〜20質量%程度が一般的である。樹脂の具体例としては、熱可塑性樹脂、具体的にはポリブチルメタアクリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメタアクリレート、エチルセルロース等が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用することができる。
可塑剤は、乾燥速度をコントロールするとともに、乾燥膜に柔軟性を与える成分であり、その含有量は0〜10質量%程度が一般的である。可塑剤の具体例としては、ブチルベンジルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、ジブチルフタレート等が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用することができる。
分散剤としては、イオン系またはノニオン系の分散剤が使用可能である。イオン系分散剤としてはカルボン酸、ジカルボン酸系等のポリカルボン酸系、アミン系等の分散剤が挙げられる。ノニオン系分散剤としては、ポリエステル縮合型や多価アルコールエーテル型の分散剤が挙げられる。分散剤の含有量は0〜5質量%であることが好ましい。
次いで、ペーストを金属やセラミックからなる第一の部材の接着箇所に塗布し、乾燥させる。さらに、同じく金属やセラミックからなる第二の部材をペースト乾燥膜に接触させた状態で固定して800〜950℃で熱処理する。この熱処理により、ガラス粉末が軟化流動し、ガラス粉末がある程度流動した段階で高膨張結晶が析出する。これにより、第一及び第二の部材を接着することができる。
なお、本発明の結晶性ガラス組成物は、接着以外にも被覆、充填等の目的で使用できる。またペースト以外の形態、具体的には粉末状態、グリーンシート、タブレット等の状態で使用することができる。例えば、金属やセラミックスで出来た円筒内にリード線とともにガラス粉末を充填して熱処理し、気密封止を行う形態が挙げられる。また、グリーンシート成型されたプリフォームや、粉末プレス成型により作製されたタブレット等を金属やセラミック部材上に載置し、熱処理して被覆することもできる。
以下に、本発明の結晶性ガラス組成物を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1及び2は、本発明の実施例(試料No.1〜9)及び比較例(試料No.10〜12)を示している。
各試料は次のようにして作製した。
表中の各組成になるように調合した原料を1400〜1600℃で約1時間溶融した後、一対のローラー間に流し出してフィルム状に成形した。得られたフィルム状成形物をボールミルにて粉砕し、分級して、粒度(d50)が約10μmの試料(結晶性ガラス組成物粉末)を得た。
各試料について、成形時の失透物の有無、熱膨張係数、ガラス転移点、軟化点、流動性、析出結晶、結晶化温度、結晶融点、ホウ素成分の蒸発の有無について、測定または評価した。結果を表1及び2に示す。
表から明らかなように、実施例であるNo.1〜9の試料は、成形時に失透物が認められなかった。また、熱処理時の流動性に優れ、熱処理により高膨張結晶が析出したため、熱膨張係数が77〜115×10−7/℃と高かった。また、熱処理によりホウ素成分の蒸発が見られなかった。
一方、比較例であるNo.10の試料は成形時に失透したため、焼成時の流動性に劣っていた(なお、No.10の試料は失透したため、析出結晶の同定は行わなかった)。No.11の試料は熱処理により高膨張結晶が析出しなかったため、熱膨張係数が58×10−7/℃と低かった。No.12の試料は、熱処理によりホウ素成分の蒸発が確認された。
なお、各特性の測定及び評価は以下のようにして行った。
成形時の失透物の有無は、フィルム状成形物を顕微鏡(50倍)で観察し、失透物が認められなかったものを「無」、認められたものを「有」として評価した。
熱膨張係数は、各ガラス粉末試料をプレス成形し、900℃で15分間熱処理した後、直径4mm、長さ20mmの円柱状に研磨加工して得られた測定用試料を用いて、JIS R3102に基づき、30〜700℃の温度範囲における値を求めた。
ガラス転移点、軟化点、結晶化温度、結晶融点はマクロ型示差熱分析計を用いて測定した。具体的には、各ガラス粉末試料につき、マクロ型示差熱分析計を用いて1050℃まで測定して得られたチャートにおいて、第一の変曲点の値をガラス転移点、第四の変曲点の値を軟化点、強い発熱ピークを結晶化温度、結晶化後に得られた吸熱ピークを結晶融点とした。なお、結晶融点が高いほど、または、結晶融点が確認されなければ、高温下においても結晶が安定に存在していることを意味することを意味し、耐熱性が高いと判断することができる。
流動性は次のようにして評価した。比重分のガラス粉末試料を直径20mmの金型に入れてプレス成形した後に、SUS430板上で850〜1000℃にて15分間保持した。焼成後の成形体の流動径が18mm以上であるものを「◎」、16mm以上、18mm未満のものを「○」、16mm未満のものを「×」として評価した。
析出結晶は、ガラス粉末試料についてXRD測定を行い、JCPDSカードとの対比にて同定した。このとき同定された析出結晶種として2MgO・2SiOを「A」、BaO・2MgO・2SiOを「B」、2SiO・2ZnO・BaOを「C」として表中に示した。
ホウ素成分の蒸発の有無は次のようにして評価した。比重分のガラス粉末試料を直径20mmのアルミナ管に入れ、アルミナ管の開口部上にアルミナ板を置き、850〜1000℃にて2時間保持し、ガラス粉末試料からの蒸発物をアルミナ板に付着させた。アルミナ板に付着した蒸発物を酸溶液に溶解してICP発光分光分析を行い、ホウ素が検出されなかったものを「無」、ホウ素が検出されたものを「有」として評価した。
本発明の結晶性ガラス組成物は、SUSやFeといった金属、フェライトやジルコニアといった高膨張セラミックスの接着材料として好適である。特に、SOFCを作製する際に使用される支持体基板や、電極の部材等を気密封止するための接着材料として好適である。また、本発明の結晶性ガラス組成物は、接着用途以外にも被覆、充填等の目的で使用できる。具体的には、サーミスタ、ハイブリッドIC等の用途に使用することができる。
1 電解質
2 アノード
3 カソード
4 第一の支持体基板
4a 燃料チャネル4a
5 第二の支持体基板
5a 空気チャネル5a

Claims (5)

  1. モル%で、SiO 40〜70%(ただし、40%を含まない)、MgO 5〜40%、CaO 3〜30%、SrO 0〜20%、BaO 5〜40%、ZnO 5〜40%、B 0〜5%、Al 0〜2%(ただし、2%を含まない)、La 0〜15%、Y 0〜1%、Gd 0〜4%、Nb 0〜5%及びTa 0〜2%を含有することを特徴とする結晶性ガラス組成物。
  2. O(Rはアルカリ金属を示す)及びPを実質的に含有しないことを特徴とする請求項1に記載の結晶性ガラス組成物。
  3. 熱処理することにより、2MgO・SiO、BaO・2MgO・2SiO及び2SiO・2ZnO・BaOから選択される1種以上の結晶を析出することを特徴とする請求項1または2に記載の結晶性ガラス組成物。
  4. 熱処理後において、30〜700℃の温度範囲における熱膨張係数が70×10−7/℃以上となることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の結晶性ガラス組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶性ガラス組成物を含有することを特徴とする接着材料。
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