JP2014156151A - ステアリング制御装置、ステアリング制御方法 - Google Patents

ステアリング制御装置、ステアリング制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】操作フィーリングの低下を抑制しつつ、消費電力を効果的に抑制する。
【解決手段】転舵指令値に応じて第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2を駆動制御し、反力指令値に応じて反力モータ51を駆動制御する。反力モータ51で消費している電力を反力消費電力として推定し、第一転舵モータM1、第二転舵モータM2、及び反力モータ51の駆動制御で使用可能な最大許容電力と、反力消費電力とに応じて、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2の駆動制御で使用可能な電力を転舵許容電力として算出する。そして、転舵指令値に応じて、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2で消費する電力を転舵消費電力として推定し、転舵許容電力と転舵消費電力との比に応じて、転舵指令値を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステアリング制御装置、及びステアリング制御方法に関するものである。
特許文献1には、転舵モータによって車輪を転舵すると共に、反力モータによって運転者のステアリング操作に対して操舵反力を付与するステアリングバイワイヤについて記載されている。
特開2010−214988号公報
一般に、ステアリングバイワイヤでは、全体で使用可能な最大許容電力が限られているため、転舵モータ及び反力モータで消費する総電力が、最大許容電力を超えないようにする必要がある。このとき、転舵モータ及び反力モータの駆動制御を一律に制限することが考えられるが、夫々、消費電力の嵩むシーンが異なるので、単に夫々の駆動制御を一律に制限することは好ましくない。例えば、転舵角が構造的に定まる最大転舵角に到達しているような状況では、転舵角の制御よりも操舵反力の制御の方が優先度が高いが、このようなシーンで双方の駆動制御を一律に制限すると、操作フィーリングに影響を与えてしまう可能性がある。
本発明の課題は、操作フィーリングの低下を抑制しつつ、消費電力を効果的に抑制することである。
本発明の一態様に係るステアリング制御装置は、運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構との間に、入力軸と出力軸とを断続可能に連結するクラッチを介装する。また、転舵出力機構に転舵力を付与可能な転舵アクチュエータを設け、操舵入力機構に操舵反力を付与可能な反力アクチュエータを設ける。また、運転者のステアリング操作に応じて、転舵アクチュエータに対する転舵指令値を設定し、クラッチを遮断した状態で、転舵指令値に応じて転舵アクチュエータを駆動制御する。また、運転者のステアリング操作に応じて、反力アクチュエータに対する反力指令値を設定し、クラッチを遮断した状態で、反力指令値に応じて反力アクチュエータを駆動制御する。また、反力アクチュエータで消費する電力を反力消費電力として推定し、転舵アクチュエータ及び反力アクチュエータの駆動制御で使用可能な最大許容電力から、反力消費電力を減算することにより、転舵アクチュエータの駆動制御で使用可能な電力を転舵許容電力として算出する。そして、転舵指令値に応じて、転舵アクチュエータで消費する電力を転舵消費電力として推定し、転舵許容電力及び転舵消費電力の比に応じて、転舵指令値を抑制する。
本発明によれば、最大許容電力を、先ず反力アクチュエータの駆動制御で消費し、残りを転舵アクチュエータの駆動制御で消費する。このように、転舵アクチュエータの駆動制御よりも反力アクチュエータの駆動制御を優先することにより、操作フィーリングの低下を抑制しつつ、消費電力を効果的に抑制することができる。
ステアリング装置の概略構成図である。 転舵モータの電力系統を示す図である。 転舵モータ制御の一例を示すブロック図である。 反力消費電流Ir(q)の推定に用いるマップである。 比較例における反力制御の消費電流、転舵制御の消費電流、システム全体の消費電流を示すタイムチャートである。 動作例における反力制御の消費電流、転舵制御の消費電流、システム全体の消費電流を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
《構成》
先ずステアリングバイワイヤの構造について説明する。
図1は、ステアリング装置の概略構成図である。
ステアリングホイール11は、ステアリングシャフト12に連結され、車輪(転舵輪)13L及び13Rは、ナックルアーム14、タイロッド15、ラック軸16、及びピニヨンギヤ17を順に介して第一ピニヨンシャフト18に連結される。ステアリングシャフト12及び第一ピニヨンシャフト18は、クラッチ19を介して接続又は遮断の何れかに切替え可能な状態で連結されている。
ここで、クラッチ19の入力側に存在するステアリングホイール11、及びステアリングシャフト12は、運転者のステアリング操作によってステアリングシャフト12が回転する操舵入力機構StINである。また、クラッチ19の出力側に存在するナックルアーム14、タイロッド15、ラック軸16、ピニヨンギヤ17、及び第一ピニヨンシャフト18は、第一ピニヨンシャフト18の回転によって車輪13L及び13Rが転舵される転舵出力機構StOUTである。
したがって、クラッチ19を接続(締結)した状態では、ステアリングホイール11を回転させると、ステアリングシャフト12、クラッチ19、及び第一ピニヨンシャフト18が回転する。第一ピニヨンシャフト18の回転運動は、ラック軸16及びピニヨンギヤ17によってタイロッド15の進退運動に変換され、ナックルアーム14を介して車輪13L及び13Rが転舵される。
クラッチ19は、無励磁締結形の電磁クラッチからなる。すなわち、電磁コイルが無励磁のときに、例えばカムローラ機構により、入力軸のカム面と出力軸の外輪との間にローラが噛み合い、入力軸と出力軸とが締結される。一方、電磁コイルを励磁するときに、アーマチュアの吸引により、入力軸のカム面と出力軸の外輪との間でローラの噛み合いが解除され、入力軸と出力軸とが遮断される。
ラック軸16は、車体左右方向(車幅方向)に延在し、その一方側(ここでは車体右側)にラックギヤ(歯)31を形成してあり、このラックギヤ31にピニヨンギヤ17を噛合させている。ラックギヤ31とピニヨンギヤ17との噛合状態はリテーナ機構によって調整される。
第一ピニヨンシャフト18は、クラッチ側の入力軸と、ピニヨンギヤ側の出力軸とからなり、その出力軸には、例えばウォームギヤ32を介して第一転舵モータM1を連結してある。第一転舵モータM1には、モータ回転角を検出するレゾルバ33を設けてある。
ウォームギヤ32は、第一ピニヨンシャフト18に連結されたウォームホイールと、第一転舵モータM1に連結されたウォームとからなり、ウォーム軸をウォームホイール軸に対して斜交させている。これは第一ピニヨンシャフト18に対する軸直角方向のモジュールを小さくするためである。
ウォームギヤ32は、ウォームの回転によってウォームホイールが回転し、またウォームホイールの回転によってもウォームが回転するように、つまり逆駆動が可能となるように、ウォームのねじれ角を安息角(摩擦角)よりも大きくしてある。
第一ピニヨンシャフト18における入力軸と出力軸との間には、トルクセンサ34を設けている。
上記のピニヨンギヤ17、第一ピニヨンシャフト18の出力軸、ウォームギヤ32、第一転舵モータM1、レゾルバ34、及びトルクセンサ34は、一体化した複合部品(アッセンブリ)として構成され、これを第一アクチュエータA1とする。第一アクチュエータA1は、電動パワーステアリング装置の構成部品と共通化される。
第一アクチュエータA1によれば、クラッチ19を遮断している状態で、第一転舵モータM1を駆動すると、ウォームギヤ32を介して第一ピニヨンシャフト18が回転するので、第一転舵モータM1の回転角に応じて車輪13L及び13Rの転舵角が変化する。したがって、クラッチ19を遮断しているときに、運転者のステアリング操作に応じて第一転舵モータM1を駆動制御することにより、ステアリングバイワイヤ機能として所望のステアリングコントロール特性が実現される。
さらに、クラッチ19を接続している状態で、第一転舵モータM1を駆動すると、ウォームギヤ32を介して第一ピニヨンシャフト18にモータトルクが伝達される。したがって、クラッチ19を接続しているときに、運転者のステアリング操作に応じて第一転舵モータM1を駆動制御することにより、運転者の操作負担を軽減する所望のアシスト特性が実現される。
ラック軸16の他方側(ここでは車体左側)には、ピニヨンギヤ35を介して第二ピニヨンシャフト36が連結されている。すなわち、ラック軸16の他方側(ここでは車体左側)にラックギヤ(歯)37を形成してあり、このラックギヤ37にピニヨンギヤ35を噛合させている。ラックギヤ37とピニヨンギヤ35との噛合状態はリテーナ機構によって調整される。
第二ピニヨンシャフト36には、例えばウォームギヤ38を介して第二転舵モータM2を連結してある。第二転舵モータM2は、第一転舵モータM1と同一型のモータである。第二転舵モータM2には、モータ回転角を検出するレゾルバ39を設けてある。
ウォームギヤ38は、第二ピニヨンシャフト36に連結されたウォームホイールと、第二転舵モータM2に連結されたウォームとからなり、ウォーム軸をウォームホイール軸に対して斜交させている。これは第二ピニヨンシャフト36に対する軸直角方向のモジュールを小さくするためである。
ウォームギヤ38は、ウォームの回転によってウォームホイールが回転し、またウォームホイールの回転によってもウォームが回転するように、つまり逆駆動が可能となるように、ウォームのねじれ角を安息角(摩擦角)よりも大きくしてある。
上記のピニヨンギヤ35、第二ピニヨンシャフト36の出力軸、ウォームギヤ38、第二転舵モータM2、及びレゾルバ39は、一体化された複合部品(アッセンブリ)として構成され、これを第二アクチュエータA2とする。
第二アクチュエータA2によれば、クラッチ19を遮断している状態で、第二転舵モータM2を駆動すると、ウォームギヤ32を介して第二ピニヨンシャフト36が回転するので、第二転舵モータM2の回転角に応じて車輪13L及び13Rの転舵角が変化する。したがって、クラッチ19を遮断しているときに、運転者のステアリング操作に応じて第二転舵モータM2を駆動制御することにより、ステアリングバイワイヤ機能として所望のステアリングコントロール特性が実現される。
ステアリングシャフト12には、反力モータ51を連結してある。反力モータ51は、ステアリングシャフト12と共に回転するロータと、このロータに対向してハウジングに固定されるステータと、を備える。ロータは、周方向に等間隔に並べたマグネットを、例えばインサートモールドによってロータコアに固定して形成してある。ステータは、コイルを巻装した鉄心を周方向に等間隔に並べ、ハウジングに対して例えば焼き嵌めによって固定して形成してある。反力モータ51には、モータ回転角を検出するレゾルバ52を設けてある。
ステアリングシャフト12には、操舵角センサ53を設けてある。
反力モータ51によれば、クラッチ19を遮断している状態で、反力モータ51を駆動すると、ステアリングシャフト12にモータトルクが伝達される。したがって、クラッチ19を遮断してステアリングバイワイヤを実行しているときに、路面から受ける反力に応じて反力モータ51を駆動制御することにより、運転者のステアリング操作に対して操作反力を付与する所望の反力特性が実現される。
上記がステアリング装置の構造である。
次に、制御系統の構成について説明する。
本実施形態では、第一転舵コントローラ(転舵ECU1)71と、第二転舵コントローラ(転舵ECU2)72と、反力コントローラ(反力ECU)73と、を備える。各コントローラは、例えばマイクロコンピュータからなる。
第一転舵コントローラ71は、レゾルバ33、トルクセンサ34、及び操舵角センサ53からの信号を入力し、駆動回路を介して第一転舵モータM1を駆動制御する。第二転舵コントローラ72は、レゾルバ39、及び操舵角センサ53からの信号を入力し、駆動回路を介して第二転舵モータM2を駆動制御する。反力コントローラ73は、レゾルバ52、及び操舵角センサ53からの信号を入力し、駆動回路を介して反力モータ52を駆動制御する。
レゾルバ33は、第一転舵モータM1のモータ回転角θm1を検出する。このレゾルバ33は、ステータコイルに励磁信号が入力されるときに、ロータの回転角に応じた検出信号をロータコイルから出力する。第一転舵コントローラ71は、信号処理回路により、励磁信号をステータコイルに出力すると共に、ロータコイルから入力される検出信号の振幅変調に基づいて第一転舵モータM1のモータ回転角θm1を判断する。なお、第一転舵コントローラ71は、右旋回を正の値として処理し、左旋回を負の値として処理する。
同様に、第二転舵モータM2のモータ回転角θm2については、レゾルバ39を介して第二転舵コントローラ72で検出し、反力モータ51のモータ回転角θrについては、レゾルバ52を介して反力コントローラ73で検出する。
トルクセンサ34は、第一ピニヨンシャフト18に入力されるトルクTsを検出する。このトルクセンサ34は、第一ピニヨンシャフト18の入力側と出力側との間に介在させたトーションバーの捩れ角を、例えばホール素子で検出し、多極磁石とヨークとの相対角度変位によって生じる磁束密度の変化を電気信号に変換して第一転舵コントローラ71に出力する。第一転舵コントローラ71は、入力された電気信号からトルクTsを判断する。なお、第一転舵コントローラ71は、運転者の右操舵を正の値として処理し、左操舵を負の値として処理する。
操舵角センサ53は、例えばロータリエンコーダからなり、ステアリングシャフト12の操舵角θsを検出する。この操舵角センサ53は、ステアリングシャフト12と共に円板状のスケールが回転するときに、スケールのスリットを透過する光を二つのフォトトランジスタで検出し、ステアリングシャフト12の回転に伴うパルス信号を各コントローラに出力する。各コントローラは、入力されたパルス信号からステアリングシャフト12の操舵角θsを判断する。なお、各コントローラは、右旋回を正の値として処理し、左旋回を負の値として処理する。
なお、各コントローラ同士は、通信線74によって相互通信可能に接続されている。すなわち、例えばCSMA/CA方式の多重通信(CAN:Controller Area Network)やフレックスレイ(Flex Ray)等の車載通信ネットワーク(車載LAN)規格を用いた通信路を構築してある。
各コントローラは、通信線75によってクラッチ19に接続されている。この通信線75は、クラッチ19を接続又は遮断の何れかに切替え可能なクラッチ制御信号を出力する通信路である。クラッチ制御信号は、クラッチ19を遮断するための信号であり、各コントローラがクラッチ制御信号を出力しているときに、クラッチ19が遮断され、何れかのコントローラがクラッチ制御信号の出力を停止すると、クラッチ19が接続される。
上記が制御系統の構成である。
次に、制御モードについて説明する。
本実施形態では、2モータSBWモード(2M‐SBW)と、2モータEPSモード(2M‐EPS)と、1モータSBWモード(1M‐SBW)と、1モータEPSモード(1M‐EPS)と、マニュアルステアリングモード(MS)と、がある。
2モータSBWモードは、二つのモータでステアリングバイワイヤ制御を実行するモードであり、2モータEPSモードは、二つのモータで電動パワーステアリング制御を実行するモードである。また、1モータSBWモードは、一つのモータだけでステアリングバイワイヤ制御を実行するモードであり、1モータEPSモードは、一つのモータだけで電動パワーステアリング制御を実行するモードである。そして、マニュアルステアリングモードは、何れのステアリング制御も中止するモードである。
[2モータSBWモード]
2モータSBWモードでは、クラッチ制御信号を出力してクラッチ19を遮断した状態で、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御すると共に、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御し、転舵角制御を実行する。すなわち、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2が協働し、必要とされる転舵力を分担して出力する。一方、反力コントローラ73で反力モータ52を駆動制御し、反力制御を実行する。これにより、ステアリングバイワイヤ機能として、所望のステアリング特性を実現し、且つ良好な操作フィーリングを実現する。
第一転舵コントローラ71及び第二転舵コントローラ72は、操舵角θsに対する目標転舵角θwを設定すると共に、実際の転舵角θwを推定する。そして、モータ回転角θm1及びθm2を入力し、目標転舵角θwに実際の転舵角θwが一致するように、例えばロバストモデルマッチング手法などを用いて第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2を駆動制御する。
目標転舵角θwの設定は、例えば車速Vに応じて行う。すなわち、据え切り時や低速走行時には、運転者の操作負担を軽減するために、小さな操舵角θsで大きな転舵角θwが得られるように目標転舵角θwを設定する。また、高速走行時には、過敏な車両挙動を抑制し、走行安定性を確保するために、操舵角θsの変化に対する転舵角θwの変化が抑制されるように目標転舵角θwを設定する。
実転舵角θwの推定は、操舵角θs、モータ回転角θm1、モータ回転角θm2等に基づいて行う。
反力コントローラ73は、ステアリング操作時に路面から受ける反力に相当する目標反力トルクTrを設定し、この目標反力トルクTrに反力モータ52のトルクが一致するように、反力モータ52を駆動制御する。
目標反力トルクTrの設定は、例えば操舵角θs、第一転舵モータM1に流れる電流Im1、第二転舵モータM2に流れる電流Im2等に基づいて行う。
[2モータEPSモード]
2モータEPSモードでは、クラッチ制御信号の出力を停止してクラッチ19を接続した状態で、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御すると共に、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御し、アシスト制御を実行する。これにより、ステアリング系統を機械的に連結し、直接的なステアリング操作性を確保すると共に、さらに電動パワーステアリング機能として、運転者の操作負担を軽減する。
第一転舵コントローラ71及び第二転舵コントローラ72は、目標アシストトルクTaを設定し、この目標アシストトルクTaに第一転舵モータM1のトルクが一致するように、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2を駆動制御する。
目標アシストトルクTaの設定は、例えば車速Vに応じて行う。すなわち、据え切り時や低速走行時には、運転者の操作負担を軽減するために、大きな目標アシストトルクTaを設定する。また、高速走行時には、過敏な車両挙動を抑制し、走行安定性を確保するために、小さな目標アシストトルクTaを設定する。
一方、2モータEPSモードでは、反力モータ52のリレー回路が切断される。すなわち、運転者がステアリング操作を行い、且つ第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御すると共に、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御するときに、ステアリングシャフト12の回転によって反力モータ52が駆動されることで、反力モータ52自体が負荷とならないようにするためである。
[1モータSBWモード]
1モータSBWモードでは、クラッチ制御信号を出力してクラッチ19を遮断し、且つ第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1の駆動制御をしない(非駆動)状態で、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御し、転舵角制御を実行する。すなわち、第二転舵モータM2が、必要とされる転舵力を単独で出力する。一方、反力コントローラ73で反力モータ52を駆動制御し、反力制御を実行する。これにより、ステアリングバイワイヤ機能として、所望のステアリング特性を実現し、且つ良好な操作フィーリングを実現する。
目標転舵角θwの設定や第二転舵モータM2の制御手法、及び目標反力トルクTrの設定や反力モータ52の制御手法については、2モータSBWモードと同様である。
一方、1モータSBWモードでは、第一転舵モータM1のリレー回路が切断され、第一転舵モータM1が電路から遮断される。すなわち、第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2を駆動制御するときに、ラック軸16の進退によって第一転舵モータM1が駆動されることで、第一転舵モータM1自体が負荷とならないようにするためである。
[1モータEPSモード]
1モータEPSモードでは、クラッチ制御信号の出力を停止してクラッチ19を接続し、且つ第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2の駆動制御をしない(非駆動)状態で、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御し、アシスト制御を実行する。これにより、ステアリング系統を機械的に連結し、直接的なステアリング操作性を確保すると共に、さらに電動パワーステアリング機能として、運転者の操作負担を軽減する。
目標アシストトルクTaの設定や第一転舵モータM1の制御手法については、2モータEPSモードと同様である。
一方、1モータEPSモードでは、第二転舵モータM2のリレー回路が切断され、第二転舵モータM2が電路から遮断される。すなわち、運転者がステアリング操作を行い、且つ第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御するときに、ラック軸16の進退によって第二転舵モータM2が駆動されることで、第二転舵モータM2自体が負荷とならないようにするためである。同様の趣旨で、反力モータ52のリレー回路も切断され、反力モータ52が電路から遮断される。すなわち、運転者がステアリング操作を行い、且つ第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1を駆動制御するときに、ステアリングシャフト12の回転によって反力モータ52が駆動されることで、反力モータ52自体が負荷とならないようにするためである。
[マニュアルステアリングモード]
マニュアルステアリングモードでは、クラッチ制御信号の出力を停止してクラッチ19を接続した状態で、第一転舵コントローラ71で第一転舵モータM1の駆動制御をせず(非駆動)、且つ第二転舵コントローラ72で第二転舵モータM2の駆動制御をしない(非駆動)。つまり、各コントローラによる何れのステアリング制御も中止する。これにより、ステアリング系統を機械的に連結し、直接的なステアリング操作性を確保する。
マニュアルステアリングモードでは、第一転舵モータM1のリレー及び第二転舵モータM2のリレー回路が切断され、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2が電路から遮断される。すなわち、運転者がステアリング操作を行うときに、ラック軸16の進退によって第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2が駆動されることで、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2自体が負荷とならないようにするためである。同様の趣旨で、反力モータ52のリレー回路も切断され、反力モータ52が電路から遮断される。すなわち、運転者がステアリング操作を行うときに、ステアリングシャフト12の回転によって反力モータ52が駆動されることで、反力モータ52自体が負荷とならないようにするためである。
上記が制御モードの概要である。
次に、フェイルセーフについて説明する。
各コントローラは、夫々、自らの制御系統に異常があるか否かの自己診断を行い、その診断結果に応じて制御モードを切替える。すなわち、第一転舵コントローラ71は、第一転舵コントローラ71自身や、トルクセンサ34を有する第一アクチュエータA1、また配線系統に異常があるか否かの診断を行う。また、第二転舵コントローラ72は、第二転舵コントローラ72自身や、トルクセンサのない第二アクチュエータA2、また配線系統に異常があるか否かの診断を行う。また、反力コントローラ73は、反力コントローラ73自身や、反力モータ52、また配線系統に異常があるか否かの診断を行う。
先ず、第一転舵コントローラ71の制御系統、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の全てが正常である場合には、2モータSBWモードとなる。但し、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2の低電圧時や過熱時、イグニッションをONにした起動時(クラッチ19が遮断されるまで)、転舵角θwが最大転舵角に達している端当て時等には、一時的な措置として2モータEPSモードとなる。
一方、第一転舵コントローラ71の制御系統、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統のうち、少なくとも一つで異常が発生した場合に、1モータSBWモード、1モータEPSモード、及びマニュアルステアリング(MS)モードの何れかへと切り替わる。
先ず、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統が正常であり、第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、第一アクチュエータA1によるステアリングバイワイヤ機能や電動パワーステアリング機能に異常が生じているだけであり、第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能や反力モータ52による反力生成機能は維持されているため、1モータSBWモードにする。
また、第一転舵コントローラ71の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統が正常であり、第二転舵コントローラ72の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能に異常が生じているだけであり、第一アクチュエータA1による電動パワーステアリング機能は維持されているため、1モータEPSモードにする。
また、第一転舵コントローラ71の制御系統、及び第二転舵コントローラ72の制御系統が正常であり、反力コントローラ73の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、反力モータ52による反力生成機能に異常が生じているだけであり、第一アクチュエータA1による電動パワーステアリング機能は維持されているため、1モータEPSモードにする。
また、第一転舵コントローラ71の制御系統が正常であり、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能、及び反力モータ52による反力生成機能に異常が生じているだけであり、第一アクチュエータA1による電動パワーステアリング機能は維持されているため、1モータEPSモードにする。
また、反力コントローラ73の制御系統が正常であり、第一転舵コントローラ71の制御系統、及び第二転舵コントローラ72の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、反力モータ52による反力生成機能は維持されているものの、第一アクチュエータA1によるステアリングバイワイヤ機能や電動パワーステアリング機能、及び第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能に異常が生じているため、マニュアルステアリングモードにする。
また、第二転舵コントローラ72の制御系統が正常であり、第一転舵コントローラ71の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統に異常が発生した場合である。この場合には、第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能は維持されているものの、第一アクチュエータA1によるステアリングバイワイヤ機能や電動パワーステアリング機能、及び反力モータ52による反力生成機能に異常が生じているため、マニュアルステアリングモードにする。
そして、第一転舵コントローラ71の制御系統、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の全てに異常が発生した場合である。この場合には、第一アクチュエータA1によるステアリングバイワイヤ機能や電動パワーステアリング機能、第二アクチュエータA2によるステアリングバイワイヤ機能、及び反力モータ52による反力生成機能の全てに異常が生じているため、マニュアルステアリングモードにする。
上記がフェイルセーフの概要である。
次に、制御モードの遷移について説明する。
先ず、第一転舵コントローラ71の制御系統、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の全てが正常である場合には、基本的には2モータSBWモードとなる。また、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2の低電圧時や過熱時、イグニッションをONにした起動時(クラッチ19が遮断されるまで)、転舵角θwが最大転舵角に達している端当て時等には、一時的な措置として2モータEPSモードとなる。そして、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2の低電圧や過熱が解消されたり、クラッチ19が遮断されたり、転舵角θが小さくなったりしたときには、2モータSBWモードとなる。このように、第一転舵コントローラ71の制御系統、第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の全てが正常に作動している限り、2モータSBWモードと2モータEPSモードとの間で遷移する。
また、2モータSBWモードの状態から、一次失陥として第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合には、1モータSBWモードへと遷移する。そして、1モータSBWモードの状態から、二次失陥として第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の少なくとも一方に異常が発生した場合には、マニュアルステアリングモードへと遷移する。このように、2モータSBWモードから1モータSBWモードを経由せず直にマニュアルステアリングモードへと遷移することはなく、失陥レベルに応じて段階的に制御モードを遷移させて冗長化させている。
また、2モータSBWモードの状態から、一次失陥として第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の少なくとも一方に異常が発生した場合には、1モータEPSモードへと遷移する。そして、1モータEPSモードの状態から、二次失陥として第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合には、マニュアルステアリングモードへと遷移する。このように、2モータSBWモードから1モータEPSモードを経由せず直にマニュアルステアリングモードへと遷移することはなく、失陥レベルに応じて段階的に制御モードを遷移させて冗長化させている。
また、一時的な措置として2モータEPSモードにある状態から、一次失陥として第二転舵コントローラ72の制御系統、及び反力コントローラ73の制御系統の少なくとも一方に異常が発生した場合には、1モータEPSモードへと遷移する。そして、1モータEPSモードの状態から、二次失陥として第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合には、マニュアルステアリングモードへと遷移する。このように、2モータSBWモードから1モータEPSモードを経由せず直にマニュアルステアリングモードへと遷移することはなく、失陥レベルに応じて段階的に制御モードを遷移させて冗長化させている。
なお、一時的な措置として2モータEPSモードにある状態から、第一転舵コントローラ71の制御系統に異常が発生した場合には、1モータEPSモードへの遷移が不可能となるため直にマニュアルステアリングモードへと遷移する。
上記が、制御モードの遷移である。
次に、ステアリングバイワイヤの基本的な制御処理について説明する。
ステアリングバイワイヤ制御処理は、第一転舵コントローラ71、第二転舵コントローラ72、及び反力コントローラ73の夫々で個別に演算され、各コントローラの演算結果が一致するときに駆動制御の実行が許可される。なお、前述したように、第一転舵モータM1の駆動制御を司るのは第一転舵コントローラ71であり、第二転舵モータM2の駆動制御を司るのは第二転舵コントローラ72であり、反力モータ51の駆動制御を司るのは反力コントローラ73である。
先ず、イグニッションスイッチがOFFのときには、クラッチ19を締結しておく。そして、イグニッションスイッチがONのときには、クラッチ19を遮断し、2モータSBWモードを実行する。
ステアリングバイワイヤでは、ステアリング操作に対して路面から受ける反力に相当する目標操舵反力を設定し、この目標操舵反力を実現するための指令電圧に基づいて反力モータ51を駆動制御する。ここで、路面から受ける反力とは、例えば操舵角θs、車速V、転舵角θw、第一転舵モータM1に流れる電流Im1、第二転舵モータM2に流れる電流Im2等に基づいて判断する。また、操舵角θsに対する目標転舵角を設定し、この目標転舵角を実現するための電流指令値に基づいて第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2を駆動制御する。ここで、目標転舵角とは、例えば操舵角θsと、車速Vに応じた舵角比とに基づいて設定する。
上記がステアリングバイワイヤの基本的な制御処理である。
次に、転舵モータの電力系統について説明する。
図2は、転舵モータの電力系統を示す図である。
第一転舵コントローラ71は、第一転舵インバータ(INV−1)81を介して第一転舵モータM1を駆動制御し、第二転舵コントローラ72は、第二転舵インバータ(INV−2)82を介して第二転舵モータM2を駆動制御する。また、反力コントローラ73は、反力インバータ(INV−R)83を介して反力モータ51を駆動制御する。第一転舵インバータ81、第二転舵インバータ82、及び反力インバータ83は、夫々、バッテリ84を電源とし、例えばパルス幅変調制御(PWM:Pulse Width Modulation)により、第一転舵モータM1、第二転舵モータM2、反力モータ51を駆動制御する。
第一転舵インバータ81とバッテリ84との間、第二転舵インバータ82とバッテリ84との間、及び反力インバータ83とバッテリ84の間には、夫々、電流センサ85を設けている。また、第一インバータ81と第一転舵モータM1との間、第二転舵インバータ82と第二転舵モータM2との間、及び反力インバータ83と反力モータ51との間には、夫々、電流センサ86を設けている。
電流センサ85及び86は、測定対象の電流を検出する。これら電流センサ85及び86は、軟磁性体材料からなりギャップを有するC型のコアと、ギャップ内に設けたホール素子と、を備え、コアに測定対象の電線が挿通される。通電によってコアに磁束が発生したときの磁束密度をホール素子で検出しており、被検出電流に比例したホール電圧を、第一転舵コントローラ71、第二転舵コントローラ72、反力モータ73に出力する。各コントローラは、入力された電圧信号から被検出電流を判断する。
上記が転舵モータの電力系統である。
次に、転舵モータ制御について説明する。
図3は、転舵モータ制御の一例を示すブロック図である。
転舵モータ制御処理は、第一転舵コントローラ71、第二転舵コントローラ72、及び反力コントローラ73の夫々で個別に演算され、各コントローラの演算結果が一致するときに駆動制御の実行が許可される。なお、前述したように、第一転舵モータM1の駆動制御を司るのは第一転舵コントローラ71であり、第二転舵モータM2の駆動制御を司るのは第二転舵コントローラ72であり、反力モータ51の駆動制御を司るのは反力コントローラ73である。
転舵モータ制御では、反力消費電流推定部87と、加算器88と、転舵指令電流設定部91と、転舵指令電圧設定部92と、抑制ゲイン設定部93と、Q軸用乗算器94と、D軸用乗算器95と、を備える。
反力消費電流推定部87は、図4のマップを参照し、Q軸反力指令電流Irc(q)に応じて、反力消費電流Ir(q)を推定する。
図4は、反力消費電流Ir(q)の推定に用いるマップである。
このマップは、Q軸反力指令電流Irc(q)が大きいほど、反力消費電流Ir(q)が大きくなるように設定されている。
加算器88は、ステアリングバイワイヤで使用可能な最大許容電流IMAXに、負の反力消費電流Ir(q)を加算する、つまり最大許容電流IMAXから反力消費電流Ir(q)を減算することにより、転舵モータM1及びM2で使用可能な転舵許容電流IsLIMを出力する。最大許容電流IMAXとは、反力モータ51、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2の駆動制御で使用可能な最大許容電流であり、例えば105Aである。
転舵指令電流設定部91は、角度サーボとして転舵指令電流を設定する。ここでは、Q軸及びD軸の直交座標系で演算し、Q軸転舵指令電流Isc(q)及びD軸転舵指令電流Isc(d)を設定する。
転舵指令電圧設定部92は、Q軸実電流Is(q)及びQ軸転舵指令電流Isc(q)に応じて、Q軸転舵指令電圧Vsc(q)を設定すると共に、D軸実電流Is(d)及びD軸転舵指令電流Isc(d)に応じて、D軸転舵指令電圧Vsc(d)を設定する。
抑制ゲイン設定部93は、下記の式に従い、転舵許容電流IsLIM、電源電圧Vb、Q軸実電流Is(q)、D軸実電流Is(d)、Q軸転舵指令電圧Vsc(q)、及びD軸転舵指令電圧Vsc(d)に応じて、抑制ゲインkcを設定する。
kc=(IsLIM×Vb)/
{Is(q)×Vsc(q)+Is(d)×Vsc(d}
ここで、分母となる{Is(q)×Vsc(q)+Is(d)×Vsc(d}は、転舵制御で消費する転舵消費電力を表し、分子となる(IsLIM×Vb)は、転舵制御で使用可能な転舵許容電力を表す。したがって、抑制ゲインkcは、転舵消費電力と転舵許容電力の比を表す。なお、抑制ゲインkcは、1より大きいときには1で制限し、最大でも1とする。
Q軸用乗算器94は、Q軸転舵指令電圧Vsc(q)に、抑制ゲインkcを乗算することにより、Q軸転舵指令電圧Vsc(q)を補正し、補正後の値をインバータへの指令として出力する。
D軸用乗算器95は、D軸転舵指令電圧Vsc(d)に、抑制ゲインkcを乗算することにより、D軸転舵指令電圧Vsc(d)を補正し、補正後の値をインバータへの指令として出力する。
上記が転舵モータ制御である。
《作用》
次に、第1実施形態の作用について説明する。
本実施形態では、転舵出力機構StOUTに駆動力を付与可能な第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2を設け、これら二つのモータによって車輪13L及び13Rを転舵する2モータSBWモードを実行する。これにより、ステアリングバイワイヤ機能として、所望のステアリング特性を実現することができる。また、二つのモータによって車輪13L及び13Rを転舵する構成とするとすることで、転舵出力機構StOUTに必要とされる駆動力を分担することができる。したがって、一つのモータによって車輪13L及び13Rを転舵する構成と比べて、モータの大型化を抑制でき、レイアウト性にも優れる。
また、二つのモータによって車輪13L及び13Rを転舵する構成では、仮に何れか一方の制御系統に異常が発生したとしても、異常が発生していない他方の制御系統を活用することができる。すなわち、何れか一方の制御系統のみに異常が発生した一次失陥に対するフェイルセーフとして、1モータSBWモードや1モータEPSモードを実行することができる。こうして、何れか一方の制御系統に異常が発生したとしても、異常が発生していない他方の制御系統を活用することで、二つのモータを設けることのメリットを十分に活かしたフェイルセーフを実現することができる。また、一次失陥に対するフェイルセーフから、さらに残りの制御系統にも異常が発生した二次失陥に対するフェイルセーフとして、マニュアルステアリングモードを実行することができる。これにより、ステアリング系統を機械的に連結し、直接的なステアリング操作性を確保することができる。
ところで、ステアリングバイワイヤでは、全体で使用可能な最大許容電力が限られているため、反力制御及び転舵制御で消費する総電力が、最大許容電流IMAXかを超えないようにする必要がある。
図5は、比較例における反力制御の消費電流、転舵制御の消費電流、システム全体の消費電流を示すタイムチャートである。
図のように、反力制御の消費電流と転舵制御の消費電流とを合計が、最大許容電流IMAXを超えてしまうと、例えばヘッドライトやオーディオが正常に動作にしなくなる等、他の電装機器に影響を与える可能性がある。
このとき、反力制御と転舵制御を一律に制限することも考えられるが、夫々、消費電流の嵩むシーンは異なる。すなわち、反力制御では、転舵角θwが構造的な最大転舵角に達したときに、それ以上ステアリング操作ができないように操舵反力を大きくしなければならず、消費電流が嵩む。一方、転舵制御では、例えば据え切り時や、運転者のステアリング操作速度が速いときに、大きな転舵力が必要となり、消費電流が嵩む。このように、消費電流の嵩むシーンが異なるので、単に夫々の駆動制御を一律に制限することは好ましくない。
例えば、転舵角θwが構造的に定まる最大転舵角に到達しているような状況では、転舵制御よりも反力制御の方が優先度が高いと考えられる。つまり、ラック軸16が既にラックエンドに達している状態では、転舵制御は実質必要とされないが、一方の操舵反力は、運転者の操作フィーリング上、重要な要素となる。したがって、このようなシーンで双方の駆動制御を一律に制限すると、転舵角θwがそれ以上切れないのに、操舵反力が弱まることによって、ステアリングホイール11だけが回ってしまい、操作フィーリングに影響を与えてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、反力モータ51で消費する電流を反力消費電流Ir(q)として推定し、転舵制御と反力制御で使用可能な最大許容電流IMAXかから、反力消費電流Ir(q)を減算することにより、転舵制御で使用可能な電流を転舵許容電流IsLIMとして算出する。また、転舵許容電流IsLIM及び電源電圧Vbに応じて、転舵許容電力(IsLIM×Vb)を算出する。また、Q軸転舵指令電圧Vsc(q)及びQ軸実電流Is(q)、並びにD軸転舵指令電圧Vsc(d)及びD軸実電流Is(d)に応じて、転舵制御で消費する転舵消費電力{Is(q)×Vsc(q)+Is(d)×Vsc(d}を推定する。
そして、転舵許容電力と転舵消費電力との比に応じて、抑制ゲインkcを設定し、この抑制ゲインkcを乗算することにより、Q軸転舵指令電圧Vsc(q)及びD軸転舵指令電圧Vsc(d)を補正する。すなわち、最大許容電力を、先ず反力制御で消費し、残りを転舵制御で消費する。
このように、転舵アクチュエータの駆動制御よりも反力アクチュエータの駆動制御を優先することにより、操作フィーリングの低下を抑制しつつ、消費電力を効果的に抑制することができる。
図6は、動作例における反力制御の消費電流、転舵制御の消費電流、システム全体の消費電流を示すタイムチャートである。
図のように、反力制御の消費電力には制限を行わず、そのまま出力し、最大許容電流IMAXを反力制御で消費する分の余剰分を転舵制御に充て、転舵制御で転舵許容電流IsLIMを超えないように、転舵制御を制限する。このように、少なくとも反力制御は通常通り実施するので、操舵フィーリングが低下することを抑制できる。なお、転舵制御を制限すると、転舵角θwに応答差が生じる可能性があるが、操舵反力が抜けることに比べれば、転舵角θwの応答差は運転者に気付かれにくく、また気付かれたとしても運転者に違和感を与えるほどのものではない。
《応用例》
本実施形態では、図4のマップを参照し、Q軸反力指令電流Irc(q)に応じて、反力消費電流Ir(q)を推定しているが、これに限定されるものではない。例えば、電流センサ85で反力インバータ83とバッテリ84との間に流れる電源電流を検出し、この電源電流に応じて、反力消費電流を推定してもよい。また、電流センサ86で反力インバータ83と反力モータ51との間に流れるモータ電流に応じて、反力消費電流を推定してもよい。さらに、Q軸反力指令電流Irc(q)に応じて推定した反力消費電流Ir(q)と、モータ電流に応じて推定した反力消費電流のうち、大きい方を最終的な反力消費電流として推定してもよい。これらによれば、より直接的に反力消費電流を推定することができる。
《変形例》
本実施形態では、転舵指令値として転舵指令値電圧によって転舵制御を実行するが、これに限定されるものではなく、転舵指令電流によって転舵制御を実行してもよい。
本実施形態では、転舵出力機構StOUTに駆動力を付与するモータとして、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2の二つのモータを設けているが、これに限定されるものではなく、一つのモータだけを設けてもよい。このように、転舵出力機構StOUTに駆動力を付与するモータの数量を減らせば、部品点数の削減を図ることができる。
《対応関係》
以上、ステアリングシャフト12が「入力軸」に対応し、第一ピニヨンシャフト18が「出力軸」に対応し、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2が「転舵アクチュエータ」に対応し、反力モータ51が「反力アクチュエータ」に対応する。また、転舵指令電流設定部91及び転舵指令電圧設定部92が「転舵指令値設定部」に対応し、第一転舵コントローラ71、第二転舵コントローラ72、第一転舵インバータ81、第二転舵インバータ82が「転舵駆動制御部」に対応する。また、反力コントローラ73が「反力指令値設定部」及び「反力制御部」に対応する。また、反力消費電流推定部87が「反力消費電力推定部」に対応し、加算器88が「転舵許容電力算出部」に対応し、抑制ゲインkcの算出に用いる数式の分母{Is(q)×Vsc(q)+Is(d)×Vsc(d}が「転舵消費電力推定部」に対応する。また、抑制ゲイン設定部93、Q軸用乗算器94、D軸用乗算器95が「転舵指令値抑制部」に対応する。また、電流センサ85が「電源電流検出部」に対応し、電流センサ86が「アクチュエータ電流検出部」に対応する。
《効果》
次に、第1実施形態における主要部の効果を記す。
(1)本実施形態のステアリング制御装置は、運転者のステアリング操作によってステアリングシャフト12が回転する操舵入力機構StINと、ピニヨンシャフト18の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構StOUTと、ステアリングシャフト12とピニヨンシャフト18とを断続可能に連結するクラッチ19と、を備える。また、転舵出力機構StOUTに転舵力を付与可能な第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2と、操舵入力機構StINに操舵反力を付与可能な反力モータ51と、を備える。そして、運転者のステアリング操作に応じて、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2に対する転舵指令値を設定し、クラッチ19を遮断した状態で、転舵指令値設定部で設定した転舵指令値に応じて第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2を駆動制御する。また、運転者のステアリング操作に応じて、反力モータ51に対する反力指令値を設定し、クラッチ19を遮断した状態で、反力指令値設定部で設定した反力指令値に応じて反力モータ51を駆動制御する。また、反力モータ51で消費している電力を反力消費電力として推定し、第一転舵モータM1、第二転舵モータM2、及び反力モータ51の駆動制御で使用可能な最大許容電力と、反力消費電力とに応じて、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2の駆動制御で使用可能な電力を転舵許容電力として算出する。そして、転舵指令値に応じて、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2で消費する電力を転舵消費電力として推定し、転舵許容電力と転舵消費電力との比に応じて、転舵指令値を抑制する。
すなわち、最大許容電力を、先ず反力制御で消費し、残りを転舵制御で消費する。このように、転舵アクチュエータの駆動制御よりも反力アクチュエータの駆動制御を優先することにより、操作フィーリングの低下を抑制しつつ、消費電力を効果的に抑制することができる。
(2)本実施形態のステアリング制御装置は、反力指令値に応じて、反力消費電力を推定する。
このように、反力指令値を用いることで、容易に反力消費電力を推定することができる。
(3)本実施形態のステアリング制御装置は、Q軸及びD軸の直交座標系で反力モータ51に対する電流指令値を設定し、Q軸電流指令値に応じて反力消費電力を推定する。
このように、Q軸電流指令値を用いることで、容易に反力消費電力を推定することができる。
(4)本実施形態のステアリング制御装置は、
Q軸及びD軸の直交座標系で第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2に対する電流指令値を設定し、Q軸電流指令値及びD軸電流指令値に応じて転舵消費電力を推定する。
このように、Q軸電流指令値及びD軸電流指令値を用いることで、容易に転舵消費電力を推定することができる。
(5)本実施形態のステアリング制御装置は、反力インバータ83とバッテリ84との間に流れる電源電流を検出し、この電源電流検出部で検出した電流に応じて、反力消費電力を推定する。
このように、電源電流を用いることで、容易に反力消費電力を推定することができる。
(6)本実施形態のステアリング制御装置は、
反力モータ51と反力インバータ83との間に流れるモータ電流を検出し、このモータ電流に応じて、反力消費電力を推定する。
このように、モータ電流を用いることで、容易に反力消費電力を推定することができる。
(7)本実施形態のステアリング制御装置は、
反力モータ51と反力インバータ83との間に流れるモータ電流を検出し、反力指令値に応じて推定した反力消費電力と、モータ電流に応じて推定した反力消費電力のうち、大きい方を最終的な反力消費電力として推定する。
このように、反力指令値を用いた反力消費電力とモータ電流を用いた反力消費電力のセレクトハイを行うことにより、推定誤差を最小限に抑制できると共に、その推定誤差に起因して転舵消費電力が転舵許容電力を超えてしまうことも最小限に抑制できる。
(8)本実施形態のステアリング制御方法は、運転者のステアリング操作によってステアリングシャフト12が回転する操舵入力機構StINと、ピニヨンシャフト18の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構StOUTとの間に、ステアリングシャフト12とピニヨンシャフト18とを断続可能に連結するクラッチ19を介装する。また、転舵出力機構StOUTに転舵力を付与可能な第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2を設け、操舵入力機構StINに操舵反力を付与可能な反力モータ51を設ける。また、運転者のステアリング操作に応じて、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2に対する転舵指令値を設定し、クラッチ19を遮断した状態で、転舵指令値に応じて第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2を駆動制御する。また、運転者のステアリング操作に応じて、反力モータ51に対する反力指令値を設定し、クラッチ19を遮断した状態で、反力指令値に応じて反力モータ51を駆動制御する。また、反力モータ51で消費している電力を反力消費電力として推定し、第一転舵モータM1、第二転舵モータM2、及び反力モータ51の駆動制御で使用可能な最大許容電力と反力消費電力とに応じて、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2の駆動制御で使用可能な電力を転舵許容電力として算出する。そして、転舵指令値に応じて、第一転舵モータM1及び第二転舵モータM2で消費する電力を転舵消費電力として推定し、転舵許容電力及び転舵消費電力の比に応じて、転舵指令値を抑制する。
すなわち、最大許容電力を、先ず反力制御で消費し、残りを転舵制御で消費する。このように、転舵アクチュエータの駆動制御よりも反力アクチュエータの駆動制御を優先することにより、操作フィーリングの低下を抑制しつつ、消費電力を効果的に抑制することができる。
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
11 ステアリングホイール
12 ステアリングシャフト
13L及び13R 車輪
14 ナックルアーム
15 タイロッド
16 ラック軸
17 ピニヨンギヤ
18 第一ピニヨンシャフト
19 クラッチ
StIN 操舵入力機構
StOUT 転舵出力機構
31 ラックギヤ
32 ウォームギヤ
M1 第一転舵モータ
33 レゾルバ
34 トルクセンサ
A1 第一アクチュエータ
35 ピニヨンギヤ
36 第二ピニヨンシャフト
37 ラックギヤ
38 ウォームギヤ
M2 第二転舵モータ
39 レゾルバ
A2 第二アクチュエータ
51 反力モータ
52 レゾルバ
53 操舵角センサ
71 第一転舵コントローラ
72 第二転舵コントローラ
73 反力コントローラ
74 通信線
75 通信線
81 第一転舵インバータ
82 第二転舵インバータ
83 反力インバータ
84 バッテリ
85 電流センサ
86 電流センサ
87 反力消費電流推定部
88 加算器
91 転舵指令電流設定部
92 転舵指令電圧設定部
93 抑制ゲイン設定部
94 Q軸用乗算器
95 D軸用乗算器

Claims (8)

  1. 運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、
    出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構と、
    前記入力軸と前記出力軸とを断続可能に連結するクラッチと、
    前記転舵出力機構に転舵力を付与可能な転舵アクチュエータと、
    前記操舵入力機構に操舵反力を付与可能な反力アクチュエータと、
    運転者のステアリング操作に応じて、前記転舵アクチュエータに対する転舵指令値を設定する転舵指令値設定部と、
    前記クラッチを遮断した状態で、前記転舵指令値設定部で設定した転舵指令値に応じて前記転舵アクチュエータを駆動制御する転舵駆動制御部と、
    運転者のステアリング操作に応じて、前記反力アクチュエータに対する反力指令値を設定する反力指令値設定部と、
    前記クラッチを遮断した状態で、前記反力指令値設定部で設定した反力指令値に応じて前記反力アクチュエータを駆動制御する反力駆動制御部と、
    前記反力アクチュエータで消費している電力を反力消費電力として推定する反力消費電力推定部と、
    前記転舵アクチュエータ及び反力アクチュエータの駆動制御で使用可能な最大許容電力と前記反力消費電力推定部で推定した反力消費電力とに応じて、前記転舵アクチュエータの駆動制御で使用可能な電力を転舵許容電力として算出する転舵許容電力算出部と、
    前記転舵指令値設定部で設定した転舵指令値に応じて、前記転舵アクチュエータで消費する電力を転舵消費電力として推定する転舵消費電力推定部と、
    前記転舵許容電力算出部で算出した転舵許容電力、及び前記転舵消費電力推定部で推定した転舵消費電力の比に応じて、前記転舵指令値設定部で設定した転舵指令値を抑制する転舵指令値抑制部と、を備えることを特徴とするステアリング制御装置。
  2. 前記反力消費電力推定部は、
    前記反力指令値設定部で設定した反力指令値に応じて、前記反力消費電力を推定することを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
  3. 前記反力指令値設定部は、
    Q軸及びD軸の直交座標系で前記反力アクチュエータに対する電流指令値を設定し、
    前記反力消費電力推定部は、
    前記反力指令値設定部が設定したQ軸電流指令値に応じて、前記反力消費電力を推定することを特徴とする請求項2に記載のステアリング制御装置。
  4. 前記転舵指令値設定部は、
    Q軸及びD軸の直交座標系で前記転舵アクチュエータに対する電流指令値を設定し、
    前記転舵消費電力推定部は、
    前記転舵指令値設定部が設定したQ軸電流指令値及びD軸電流指令値に応じて、前記転舵消費電力を推定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のステアリング制御装置。
  5. 前記反力アクチュエータを駆動する駆動回路と電源との間に流れる電流を検出する電源電流検出部を備え、
    前記反力消費電力推定部は、
    前記電源電流検出部で検出した電流に応じて、前記反力消費電力を推定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のステアリング制御装置。
  6. 前記反力アクチュエータと前記反力アクチュエータを駆動する駆動回路との間に流れる電流を検出するアクチュエータ電流検出部を備え、
    前記反力消費電力推定部は、
    前記アクチュエータ電流検出部で検出した電流に応じて、前記反力消費電力を推定することを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
  7. 前記反力アクチュエータと前記反力アクチュエータを駆動する駆動回路との間に流れる電流を検出するアクチュエータ電流検出部を備え、
    前記反力消費電力推定部は、
    前記反力指令値設定部で設定した反力指令値に応じて、第一の反力消費電力を推定すると共に、前記アクチュエータ電流検出部で検出した電流に応じて、第二の反力消費電力を推定し、前記第一の反力消費電力及び前記第二の反力消費電力のうち、大きい方を前記反力消費電力として推定することを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
  8. 運転者のステアリング操作によって入力軸が回転する操舵入力機構と、出力軸の回転によって車輪が転舵される転舵出力機構との間に、前記入力軸と前記出力軸とを断続可能に連結するクラッチを介装し、
    前記転舵出力機構に転舵力を付与可能な転舵アクチュエータを設け、
    前記操舵入力機構に操舵反力を付与可能な反力アクチュエータを設け、
    運転者のステアリング操作に応じて、前記転舵アクチュエータに対する転舵指令値を設定し、前記クラッチを遮断した状態で、前記転舵指令値に応じて前記転舵アクチュエータを駆動制御し、
    運転者のステアリング操作に応じて、前記反力アクチュエータに対する反力指令値を設定し、前記クラッチを遮断した状態で、前記反力指令値に応じて前記反力アクチュエータを駆動制御し、
    前記反力アクチュエータで消費している電力を反力消費電力として推定し、
    前記転舵アクチュエータ及び反力アクチュエータの駆動制御で使用可能な最大許容電力と前記反力消費電力とに応じて、前記転舵アクチュエータの駆動制御で使用可能な電力を転舵許容電力として算出し、
    前記転舵指令値に応じて、前記転舵アクチュエータで消費する電力を転舵消費電力として推定し、
    前記転舵許容電力及び前記転舵消費電力の比に応じて、前記転舵指令値を抑制することを特徴とするステアリング制御方法。
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