JP2014156066A - 内装成形体及びその製造方法 - Google Patents

内装成形体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014156066A
JP2014156066A JP2013028287A JP2013028287A JP2014156066A JP 2014156066 A JP2014156066 A JP 2014156066A JP 2013028287 A JP2013028287 A JP 2013028287A JP 2013028287 A JP2013028287 A JP 2013028287A JP 2014156066 A JP2014156066 A JP 2014156066A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
imaginary line
interior
region
skin material
yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013028287A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6011387B2 (ja
Inventor
Hideaki Kunisada
秀明 國貞
Mitsuyoshi Ito
光義 伊藤
Susumu SHIWA
晋 志和
Hiroki KASHIMA
寛貴 鹿島
Tsutomu Takagi
勉 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2013028287A priority Critical patent/JP6011387B2/ja
Priority to DE201410201287 priority patent/DE102014201287A1/de
Priority to CN201410045337.4A priority patent/CN103991256B/zh
Publication of JP2014156066A publication Critical patent/JP2014156066A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6011387B2 publication Critical patent/JP6011387B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B5/00Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts
    • B32B5/14Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts characterised by a layer differing constitutionally or physically in different parts, e.g. denser near its faces
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B38/00Ancillary operations in connection with laminating processes
    • B32B38/18Handling of layers or the laminate
    • B32B38/1866Handling of layers or the laminate conforming the layers or laminate to a convex or concave profile
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2605/00Vehicles
    • B32B2605/003Interior finishings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2607/00Walls, panels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B37/00Methods or apparatus for laminating, e.g. by curing or by ultrasonic bonding
    • B32B37/12Methods or apparatus for laminating, e.g. by curing or by ultrasonic bonding characterised by using adhesives
    • B32B37/1207Heat-activated adhesive

Landscapes

  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】皺及び柄の歪みを抑制した内装成形体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】内装用表皮材と基材とが積層され、プレス成形されてなる内装成形体は、伸縮変形の度合いの最も小さい部位と、その他の部位とを有し、内装用表皮材は、最も小さい部位において経糸方向の第1仮想線と、所定間隔L1を隔てた第2仮想線と、緯糸方向の第3仮想線と、第3仮想線と平行で所定間隔L2を隔てた第4仮想線とをとり、これらにより囲まれた第1領域に存在する経糸の本数をN1と緯糸の本数をN2とした場合に、その他の部位において、経糸方向の第5仮想線と、第5仮想線と平行な第6仮想線と、緯糸方向の第7仮想線と、第7仮想線と平行な第8仮想線とし、これらにより囲まれた第2領域に存在する経糸がN1と同数であり、緯糸がN2と同数になるように、各間隔を調整した場合に、第2領域の各辺の長さがこれに対応する第1領域の各辺の長さの所定範囲の比率となっていることを要旨とする。
【選択図】図1

Description

本発明は内装成形体及びその製造方法に関する。
従来、基材と表皮材とが積層された積層体を、所定の形状に成形した内装成形体が知られている。この内装成形体は、車両用成形体や、住宅用成形体等として用いられている。
例えば特許文献1には、表皮材と基材とを接着した内装成形体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭62−142628号公報
基材と表皮材とが予め積層された板状の積層体をプレス成形した内装成形体では、表皮材に皺が生じたり、表皮材の柄に歪みが生じたりすることがある。この皺及び柄の歪みにより、内装成形体の見栄えがよくなく、製品価値が低下するという問題点があった。
本発明は、上記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、皺及び柄の歪みを抑制した内装成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本第1発明の内装成形体は、内装用表皮材と基材とが積層されて構成され、プレス成形されてなる内装成形体であって、前記内装用表皮材は、織布とされており、前記内装用表皮材のうち、前記プレス成形による伸縮変形の度合いの最も小さい部位と、その他の部位とを有し、前記最も小さい部位において、経糸方向に延びる第1仮想線と、経糸方向に延びて前記第1仮想線と平行で所定間隔L1を隔てた第2仮想線と、緯糸方向に延びる第3仮想線と、緯糸方向に延びて前記第3仮想線と平行で所定間隔L2を隔てた第4仮想線と、をとり、前記第1仮想線、前記第2仮想線、前記第3仮想線、及び前記第4仮想線により囲まれた第1領域に存在する前記経糸の本数をN1と、前記緯糸の本数をN2とした場合に、前記その他の部位において、経糸方向に延びる第5仮想線と、経糸方向に延びて第5仮想線と平行な第6仮想線と、緯糸方向に延びる第7仮想線と、緯糸方向に延びて第7仮想線と平行な第8仮想線と、し、前記第5仮想線、前記第6仮想線、前記第7仮想線、及び前記第8仮想線により囲まれた第2領域に存在する、前記経糸の本数が前記N1と同数であり、前記緯糸の本数が前記N2と同数になるように、前記第5仮想線と前記第6仮想線との間隔、及び前記第7仮想線と前記第8仮想線との間隔を調整した場合に、前記第2領域の各辺の長さが、これに対応する前記第1領域の各辺の長さの95〜250%となっていることを要旨とする。
本第2発明の内装成形体は、内装用表皮材と基材とが積層されて構成され、プレス成形されてなる内装成形体であって、前記内装用表皮材は、編物とされており、前記内装用表皮材のうち、前記プレス成形による伸縮変形の度合いの最も小さい部位と、その他の部位とを有し、前記最も小さい部位において、コース方向に延びる第1仮想線と、コース方向に延びて前記第1仮想線と平行で所定間隔L1を隔てた第2仮想線と、ウェール方向に延びる第3仮想線と、ウェール方向に延びて前記第3仮想線と平行で所定間隔L2を隔てた第4仮想線と、をとり、前記第1仮想線、前記第2仮想線、前記第3仮想線、及び前記第4仮想線により囲まれた第1領域に存在してコース方向に並んだループ数をN1と、ウェール方向に並んだループ数をN2とした場合に、前記その他の部位において、コース方向に延びる第5仮想線と、コース方向に延びて前記第5仮想線と平行な第6仮想線と、ウェール方向に延びる第7仮想線と、ウェール方向に延びて前記第7仮想線と平行な第8仮想線と、し、前記第5仮想線、前記第6仮想線、前記第7仮想線、及び前記第8仮想線により囲まれた第2領域に存在する、コース方向に並んだループ数が前記N1と同数であり、ウェール方向に並んだループ数が前記N2と同数になるように、前記第5仮想線と前記第6仮想線との間隔、及び前記第7仮想線と前記第8仮想線との間隔を調整した場合に、前記第2領域の各辺の長さが、これに対応する前記第1領域の各辺の長さの95〜250%となっていることを要旨とする。
本第3発明の内装成形体は、前記第1発明において、前記第1仮想線、前記第2仮想線、前記第3仮想線、及び前記第4仮想線により囲まれた前記第1領域の面積S1と、
前記第5仮想線、前記第6仮想線、前記第7仮想線、及び前記第8仮想線により囲まれた前記第2領域の面積S2のうち、最大となる面積S2maxとは、S2max/S1>1.4の関係式を満たすことを要旨とする。
本第4発明の内装成形体は、前記第2発明において、前記第1仮想線、前記第2仮想線、前記第3仮想線、及び前記第4仮想線により囲まれた前記第1領域の面積S1と、
前記第5仮想線、前記第6仮想線、前記第7仮想線、及び前記第8仮想線により囲まれた前記第2領域の面積S2のうち、最大となる面積S2maxとは、S2max/S1>1.4の関係式を満たすことを要旨とする。
本第5発明の内装成形体は、前記第1発明において、前記織布は、未延伸糸又は半延伸糸が乾熱処理されてなる糸を用いたものであることを要旨とする。
本第6発明の内装成形体は、前記第2発明において、前記編物は、未延伸糸又は半延伸糸が乾熱処理されてなる糸を用いたものであることを要旨とする。
本第7発明の内装成形体は、前記第4発明乃至前記第6発明において、前記乾熱処理後の糸のJIS L 1013 A法により測定した熱水寸法変化率が20%以下であり、伸び率が100〜200%であることを要旨とする。
本第8発明の内装成形体の製造方法は、前記第1発明乃至前記第7発明のいずれかに記載の内装成形体の製造方法であって、前記内装用表皮材と前記基材とが積層された平板を、少なくとも前記内装用表皮材の周囲を引っ張って緊張させた状態で、プレス成形することを要旨とする。
本第9発明の内装成形体の製造方法は、前記第1発明乃至前記第7発明のいずれかに記載の内装成形体の製造方法であって、前記基材をプレス成形して予備成形体とし、前記内装用表皮材を、その周囲を引っ張って緊張させた状態で、前記予備成形体に沿うような形にしつつ接着することを特徴とする内装成形体の製造方法。
第1発明の内装成形体によれば、次の作用効果を奏する。第1発明の内装成形体では、伸縮変形の度合いの最も小さい部位において、第1仮想線、第2仮想線、第3仮想線、及び第4仮想線により囲まれた第1領域に存在する経糸の本数をN1と、緯糸の本数をN2としている。そして、その他の部位において、経糸方向に延びる第5仮想線と、経糸方向に延びて第5仮想線と平行な第6仮想線と、緯糸方向に延びる第7仮想線と、緯糸方向に延びて第7仮想線と平行な第8仮想線と、している。その上で、第5仮想線、第6仮想線、第7仮想線、及び第8仮想線により囲まれた第2領域に存在する、経糸の本数がN1と同数であり、緯糸の本数がN2と同数になるように、第5仮想線と第6仮想線との間隔、及び第7仮想線と第8仮想線との間隔を調整する。この場合に、第2領域の各辺の長さが、これに対応する第1領域の各辺の長さの95〜250%となっていることを特徴としている。このような構成にすると、内装成形体の皺及び柄の歪みが抑制され、製品価値が向上する。
第2発明の内装成形体によれば、次の作用効果を奏する。第2発明の内装成形体では、第1仮想線、第2仮想線、第3仮想線、及び第4仮想線により囲まれた第1領域に存在し伸縮変形の度合いの最も小さい部位において、コース方向に並んだループ数をN1と、ウェール方向に並んだループ数をN2としている。そして、その他の部位において、コース方向に延びる第5仮想線と、コース方向に延びて第5仮想線と平行な第6仮想線と、ウェール方向に延びる第7仮想線と、ウェール方向に延びて第7仮想線と平行な第8仮想線と、している。その上で、第5仮想線、第6仮想線、第7仮想線、及び第8仮想線により囲まれた第2領域に存在する、コース方向に並んだループ数がN1と同数であり、ウェール方向に並んだループ数がN2と同数になるように、第5仮想線と第6仮想線との間隔、及び第7仮想線と第8仮想線との間隔を調整する。この場合に、第2領域の各辺の長さが、これに対応する第1領域の各辺の長さの95〜250%となっていることを特徴としている。このような構成にすると、内装成形体の皺及び柄の歪みが抑制され、製品価値が向上する。
織布を用いた内装成形体において、第3発明のように、第1仮想線、第2仮想線、第3仮想線、及び第4仮想線により囲まれた第1領域の面積S1と、第5仮想線、第6仮想線、第7仮想線、及び第8仮想線により囲まれた第2領域の面積S2のうち、最大となる面積S2maxにおいて、S1とS2maxとが、S2max/S1>1.4の関係を満たす場合には、内装成形体の皺及び柄の歪みが抑制され、製品価値が向上する。
編物を用いた内装成形体において、第4発明のように、第1仮想線、第2仮想線、第3仮想線、及び第4仮想線により囲まれた第1領域の面積S1と、第5仮想線、第6仮想線、第7仮想線、及び第8仮想線により囲まれた第2領域の面積S2のうち、最大となる面積S2maxにおいて、S1とS2maxとが、S2max/S1>1.4の関係を満たす場合には、内装成形体の皺及び柄の歪みが抑制され、製品価値が向上する。
延伸糸を用いた織布を用いた内装用表皮材は、基材の形状への追従性が劣り、皺及び柄の歪みの要因の一つなっている。第5発明のように、内装用表皮材の織布が、未延伸糸又は半延伸糸が乾熱処理されてなる糸を用いたものである場合には、基材の形状への追従性がよく、皺及び柄の歪みがより抑制される。
延伸糸を用いた編物を用いた内装用表皮材は、伸長時の変形が大きく、柄の歪みの要因の一つなっている。第6発明のように、内装用表皮材の編物が、未延伸糸又は半延伸糸が乾熱処理されてなる糸を用いたものである場合には、伸長時の変形が抑制されて、柄の歪みがより抑制される。
また、第7発明のように、乾熱処理後の糸のJIS L 1013 A法により測定した熱水寸法変化率が20%以下であり、伸び率が100〜200%である場合には、以下の作用効果を奏する。この場合には、この糸を用いた内装用表皮材の基材へ対する追従性がよくなる。よって、基材が複雑な形状であっても、内装用表皮材が基材へよく追従するので、皺及び柄の歪みが抑制されて、内装成形体の見栄えがよくなる。
本第8発明の内装成形体の製造方法によれば、内装用表皮材と基材とが積層された平板を、少なくとも内装用表皮材の周囲を引っ張って緊張させた状態で、プレス成形している。この製造方法では、内装用表皮材は緊張した状態で、プレス成形されているから、プレスの際に内装用表皮材がたるんで皺及び柄の歪みとなることが抑制される。これにより従来法では、皺及び柄の歪みが発生するため対応できない複雑な形状であっても、皺及び柄の歪みの抑制された内装成形体を得ることができる。
本第9発明の内装成形体の製造方法によれば、基材をプレス成形して予備成形体とし、内装用表皮材を、その周囲を引っ張って緊張させた状態で、予備成形体に沿うような形にしつつ接着している。この製造方法では、内装用表皮材は緊張した状態で、プレス成形されているから、プレスの際に内装用表皮材がたるんで皺及び柄の歪みとなることが抑制される。これにより従来法では、皺及び柄の歪みが発生するため対応できない複雑な形状であっても、皺及び柄の歪みの抑制された内装成形体を得ることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
内装成形体の構成を示す模式断面図である。 内装用表皮材に織布を用いた内装成形体の最小伸縮変形部位における第1領域の範囲を説明するための模式図である。 第1領域の範囲を説明するための模式図である。 内装用表皮材に織布を用いた内装成形体のその他伸縮変形部位における第2領域の範囲を説明するための模式図である。 第2領域の範囲を説明するための模式図である。 乾熱処理の方法の一例を説明するための模式的な説明図である。 内装成形体の構成を示す模式断面図である。 (a)織布及び(b)不織布を引っ張る場合を説明する説明図である。 (a)織布及び(b)不織布を引っ張った場合を説明する説明図である。 内装用表皮材に編物を用いた内装成形体の最小伸縮変形部位における第1領域の範囲を説明するための模式図である。 第1領域の範囲を説明するための模式図である。 内装用表皮材に編物を用いた内装成形体のその他伸縮変形部位における第2領域の範囲を説明するための模式図である。 第2領域の範囲を説明するための模式図である。 内装成形体の成形工程を説明するための模式的な断面図である。 内装成形体の成形工程を説明するための模式的な断面図である。 内装成形体の成形工程を説明するための模式的な断面図である。 成形した内装成形体を説明するために部分拡大した平面図である。 成形した内装成形体を説明するために部分拡大した斜視図である。
以下、図を参照しながら、本発明を詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
<第1実施形態の内装成形体>
本実施形態の内装成形体(1)は、内装用表皮材(3)と基材(5)とが積層されて構成され、プレス成形されてなり、プレス成形による伸縮変形の度合いの最も小さい部位である最小伸縮変形部位(7)と、その他の部位であるその他伸縮変形部位(9)とを有する内装成形体である(図1参照)。そして、内装用表皮材(3)は、織布である。
これら部位は、例えば自動車天井用の内装用表皮材において、天井周囲の傾斜する絞り部等の平坦でない部位が伸縮変形部位であり、その他の平坦な天井面が最小伸縮変形部位であると例示することができる。
また、最小伸縮変形部位(7)において、経糸方向に延びる第1仮想線(E1)と、経糸方向に延びて前記第1仮想線(E1)と平行で所定間隔L1を隔てた第2仮想線(E2)と、緯糸方向に延びる第3仮想線(E3)と、緯糸方向に延びて前記第3仮想線(E3)と平行で所定間隔L2を隔てた第4仮想線(E4)と、をとる(図2、図3参照)。
そして、第1仮想線(E1)、第2仮想線(E2)、第3仮想線(E3)、及び第4仮想線(E4)により囲まれた第1領域(R1)に存在する前記経糸の本数をN1と、前記緯糸の本数をN2とする(なお、本説明においては説明の便宜上、図においては、N1=6、N2=6とするが、N1、N2はこれに限定されない)。
一方、その他伸縮変形部位(9)において、経糸方向に延びる第5仮想線(E5)と、経糸方向に延びて第5仮想線(E5)と平行な第6仮想線(E6)と、緯糸方向に延びる第7仮想線(E7)と、緯糸方向に延びて第7仮想線(E7)と平行な第8仮想線(E8)、をとる(図4、図5参照)。
そして、第5仮想線(E5)、第6仮想線(E6)、第7仮想線(E7)、及び第8仮想線(E8)により囲まれた第2領域(R2)に存在する、経糸の本数がN1と同数であり、緯糸の本数がN2と同数になるように、第5仮想線(E5)と第6仮想線(E6)との間隔L3、及び第7仮想線(E7)と第8仮想線(E8)との間隔L4を調整する。
この場合に、第2領域(R2)の各辺の長さが、これに対応する第1領域(R1)の各辺の長さの95〜250%となっていることを特徴とする。
本実施形態の内装成形体(1)では、上述のように、第2領域(R2)の各辺の長さが、これに対応する第1領域の各辺の長さの95〜250%となっていることを要旨とする。
表皮材に一般に用いられる不織布は、図8(b)で模式的に示すように、一方向(例えば縦方向)に伸長した場合に、図9(b)で示すその直交方向(例えば横方向)の収縮が生じる。この伸長と直交方向の収縮が同時に発生すると内装用表皮材の柄の歪みの原因となる。
織布は、経糸と緯糸で構成されているため、直交方向の収縮は、図8(a)、図9(a)に示すように不織布の直交方向の収縮と比較して殆ど生じない。このように織布では、直交方向に収縮することが、不織布に比べて抑制されるため、内装材の柄の歪みを抑制することができる。本実施形態では、第2領域の各辺の長さが、これに対応する第1領域の各辺の長さの95〜250%となっている。このような構成にすると、内装成形体の皺及び柄の歪みが抑制され、製品価値が向上する。
最小伸縮変形部位(7)上の第1領域(R1)は、図2、図3に例示される領域であり、略平行四辺形状の領域である。なお、この場合の平行四辺形には、当然に長方形、正方形も含まれている。
また、その他伸縮変形部位(9)上の第2領域(R2)は、図4、図5に例示される領域であり略平行四辺形状の領域である。なお、この場合の平行四辺形には、当然に長方形、正方形も含まれている。更に、第2領域(R2)は、平面上でもよいし、曲面上に配置されていてもよい。
第1領域(R1)の所定間隔L1、L2は、それぞれ任意の長さとすることができるが、通常3〜10mmの範囲内で決定され、より好ましくは3〜8mm(特に好ましくは3〜6mm)等とすることができる。所定間隔L1、L2が3mm未満とすると、小さすぎて第1領域や第2領域内のN1、N2の計測が困難であるし、10mmを越えても歪みの大きさが平均化されてしまうため、上記範囲が好ましい。
本実施形態では、第2領域の各辺の長さが、これに対応する第1領域の各辺の長さの95〜250%となっていることを特徴とする。好ましくは、第2領域の各辺の長さが、これに対応する第1領域の各辺の長さの97〜200%であり、更に好ましくは、99〜190%である。
この範囲を図3、図5の各辺の長さL1、L2、L3、L4を用いて表せば次のようになる。
0.95L1≦L3≦2.50L1 (本実施形態の範囲)
0.97L1≦L3≦2.00L1 (本実施形態の好ましい範囲)
0.99L1≦L3≦1.90L1 (本実施形態の更に好ましい範囲)

0.95L2≦L4≦2.50L2 (本実施形態の範囲)
0.97L2≦L4≦2.00L2 (本実施形態の好ましい範囲)
0.99L2≦L4≦1.90L2 (本実施形態の更に好ましい範囲)

このような範囲にすると、内装成形体の皺及び柄の歪みが抑制され、製品価値が向上する。
また、第1仮想線(E1)、第2仮想線(E2)、第3仮想線(E3)、及び第4仮想線(E4)により囲まれた第1領域(R1)の面積S1と、第5仮想線(E5)、第6仮想線(E6)、第7仮想線(E7)、及び第8仮想線(E8)により囲まれた第2領域(R2)において最も大きな面積S2となる面積S2maxとは、S2max/S1>1.4の関係式を満たすものとすることができる。更に好ましくはS2max/S1>1.6とすることができる。また、通常はS2max/S1<2.6とすることができる。
この関係式を満たす大きな伸長が生じていても、第2領域の各辺の長さが、これに対応する第1領域の各辺の長さの前記所定比率の範囲に収まっていることで、内装成形体の皺及び柄の歪みが抑制され、製品価値が向上する。
本実施形態では、内装用表皮材(3)は、織布である。内装用表皮材の意匠は、特に問わず、織物における織柄、プリント柄、エンボス柄等により施すことを挙げることができる。本発明は、これら意匠が成形前に施されたものにおいて効果的である。
織布に用いる糸は特に限定されない。原着糸を用いてもよいし、紡糸後、常法により染色された糸を用いてもよいが、原着糸を用いることが好ましい。この原着糸としては、各種の合成樹脂に顔料が配合された樹脂ペレットを用いて溶融紡糸されてなる着色糸を用いることができる。原着糸としては各種の合成樹脂繊維を用いることができる。この合成樹脂繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリ乳酸繊維等のポリエステル系繊維、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維等のポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維などの合成樹脂繊維が挙げられる。これらのうちでは、強度が大きく、優れた耐久性等を有するポリエステル系繊維、特にポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。
糸の形態は、マルチフィラメントでもモノフィラメントでもよい。また、糸の繊度は特に限定されないが、通常、30〜680dtexの繊維を用いることができる。特に、内装成形体が車両用の天井材として用いられる場合、糸としては、繊度86〜500dtexのマルチフィラメントが好ましい。
糸の種類は特に限定されない。また、未延伸糸や、半延伸糸を熱処理した糸は塑性変形させるのに都合が良く好ましい。中でも、糸の取り扱い性の観点から、半延伸糸、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
未延伸糸であるか半延伸糸であるかは、紡糸時の巻取速度によって区別することができる。例えば、PET繊維では、巻取速度が400m/分から2500m/分未満の場合を未延伸糸とし、巻取速度が概ね2500〜5000m/分である場合を半延伸糸とすることができる。
半延伸糸のJIS L 1013 A法(かせ寸法変化率)により測定した熱水寸法変化率(以下、「沸収」と略記する。)、及びJIS L 1013により測定した伸び率は特に限定されない。半延伸糸の沸収は40〜80%であることが好ましく、45〜70%であることがより好ましい。また、半延伸糸の伸び率は60〜200%であることが好ましく、60〜180%であることがより好ましい。半延伸糸の沸収及び伸び率が上述の範囲内にあれば、弛緩乾熱処理後、所定の沸収及び伸び率を有する糸を容易に調製することができる。
延伸糸を用いた織物を用いて大きな伸長を伴う成型加工を行うと、用いた織物が伸長によって裂け易く成型が難しい。そこで、未延伸糸や、半延伸糸を乾熱処理した糸を用いることで、織物が裂けることなく天井等の成形体を得ることができる。
乾熱処理の方法は特に限定されず、例えば、弛緩乾熱処理が挙げられる。この弛緩乾熱処理は、例えば、図6に示すように、糸を供給側(処理前の糸11参照)から引取側(処理後の糸13参照)へとアンダーフィード又は定長又はオーバーフィードに供給して中空ヒータで熱処理するものである。なお、図6において、符号15は中空ヒータを意味し、符号17は供給用ローラを意味し、符号19は第1引取ローラを意味し、符号20は第2引取ローラを意味し、符号21は空気交絡装置を意味し、符号23、25、27は、それぞれガイドを意味する。熱処理において、伸度の低下を抑えながら糸の沸収を下げるようにヒータ温度、加工速度、ヒータ長、ホットローラへのタッチ時間を調整する。また、熱処理は中空ヒータ中に中空糸を走行させることに限られず、ホットローラに任意の回数巻き付けて加熱することで行ってもよい。
また、この処理時のフィード率として−20〜20%、中でも−10〜10%が好ましく熱処理温度、熱処理時間により、処理後の糸の沸収及び伸び率を調整することができる。乾熱処理後の糸の沸収及び伸び率も特に限定されないが、沸収は20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。また、乾熱処理後の糸の伸び率は100〜200%であることが好ましく、100〜160%であることがより好ましく、120〜140%であることが特に好ましい。
熱処理には乾式法と湿式法とがあり、いずれも用いることができるが、乾式法、即ち、乾熱処理によって熱処理することが好ましい。乾熱処理における温度は、半延伸糸等の材質、沸収、伸び率等にもより、特に限定されないが、通常、120〜260℃とすることができる。また、走行する糸が加熱雰囲気を通過する時間も、半延伸糸等の材質、沸収、伸び率等により、適宜調整されるが、通常、0.05〜1.2秒とすることができる。
尚、湿式法の場合、例えば、捲芯等に捲回された未延伸糸又は半延伸糸に水蒸気を吹き付けたり、または、捲芯等に捲回された未延伸糸又は半延伸糸を熱処理浴に浸漬したりして熱処理される。しかしながら、これらの場合には、捲きの内側と外側とで沸収及び伸び率に差が生じることがある。そのため、本実施形態では、特に乾式法を選択して熱処理することが好ましい。これによって、長さ方向に沸収及び伸び率の差がない、又は少なくとも差が小さい糸とすることができる。
乾熱処理された糸は、その後、交絡され、複数の糸が複雑に絡み合った交絡糸とすることができる。交絡の方法としては、例えば、空気交絡が挙げられる。また、糸に撚りをかけて集束させることもできる。空気交絡では交絡時の流体噴射加工により糸集束性が向上する。更に、空気交絡では、走行する糸束に高圧空気が噴射され、繊維の配列が乱れ、且つ複雑に絡み合う。空気交絡の方法、条件は特に限定されず、一般的な方法、条件によって実施することができる。更に、原着糸を用いた場合は、色の異なる何色もの絣染糸のような外観の糸とすることもできる。更に、異繊度、異形状の糸を混織させることもできる。
本実施形態では、内装用表皮材(3)と基材(5)との間には、クッション材(4)が介在している(図1、図7参照)。また、クッション材(4)と基材(5)との間に接着剤層(6)が介在していている。なお、クッション材(4)が介在せずに、内装用表皮材(3)と基材(5)とが積層されていてもよい。
内装用表皮材(3)及びクッション材(4)の予備積層体を、接着剤層(6)により基材(5)と成形、及び接合させる方法は特に限定されない。例えば、内装用表皮材(3)及びクッション材(4)の予備積層体と、基材(5)の接着剤層(6)が設けられた面とを対向させて熱プレス機の成形型間に介装させ、加熱、加圧し、その後、冷却することにより成形及び接合させることができる。
尚、内装用表皮材(3)の基材(5)側の面側に樹脂が付着されているときは、接着剤層から表皮材への滲み出しを効果的に抑制できるため好ましい。
更に、接着剤層(6)が設けられた基材(5)と、内装用表皮材(3)及びクッション材(4)の予備積層体と、のうちの少なくとも一方を加熱し、次いで、冷間プレス機の成形型間に介装させ、加圧することにより接合させることもできる。また、基材(5)の接着剤層(6)が設けられた面と、内装用表皮材(3)及びクッション材(4)の予備積層体とを対向させて積層し、その後、冷間プレス機の成形型間に介装させ、加圧することにより接合させることもできる。尚、積層体を加熱してから、冷間プレス機の成形型間に介装させ、加圧することにより接合させることもできる。
また、基材(5)を成形し、その後、内装用表皮材(3)及びクッション材(4)の予備積層体を成形しながら基材(5)に積層して、加圧することにより接合させることもできる。このとき、予備積層体を成形・加熱しながら基材(5)に積層して、加圧することにより接合させることもできる。
尚、クッション材(4)が介在せずに、内装用表皮材(3)と基材(5)とが積層されている場合には次のようにも接合できる。すなわち、内装用表皮材(3)の基材(5)側の面側に樹脂が付着されているときは、樹脂が付着された面と、基材(5)の接着剤層(6)が設けられた面とを対向させて積層し、その後、冷間プレス機の成形型間に介装させ、加圧することにより接合させることができる。このときにおいても、積層体を加熱してから、冷間プレス機の成形型間に介装させ、加圧することにより接合させることができる。
また、接着剤層(6)は特に限定されず、接着剤層の形成には各種の樹脂系接着剤等を用いることができる。この樹脂系接着剤としては、前述のように、ポリウレタン樹脂系接着剤を用いることができ、この他、エチレン/アクリル酸共重合体、酸変性ポリエチレン樹脂等の接着性を有するポリオレフィン樹脂などを用いることもできる。更に、接着剤層の形態は特に限定されず、接着性樹脂フィルムであってもよく、上述の各種の接着剤を接着性成分として含有するエマルション、スラリー、ゲル状接着剤、パウダー状接着剤、及び発泡樹脂等を用いてなる接着剤層が挙げられる。
尚、接着剤層(6)は内装用表皮材(3)の一面側に設けることもできる。また、上述の各種の接着剤をクッション材の一面側に付着させることもできる。更に、基材(5)及び内装用表皮材(3)の各々の一面側に接着剤層(6)を設け、各々の面を対向させて積層し、前述のようにして、熱プレス機又は冷間プレス機を用いて接合させることもできる。また、接着性樹脂フィルム等の接着剤層(6)を介装させて積層し、その後、加熱し、次いで、冷間プレス機を用いて接合させることもできる。
クッション材(4)の材質は特に限定されないが、軟質ポリウレタンフォームからなるシート材が用いられることが多い。また、十分なクッション性を有する限り、他の軟質樹脂フォームを用いることもできる。クッション材(4)を介装させる場合、基材(5)と内装用表皮材(3)との接合方法は特に限定されず、例えば、フレームラミネートによって接合してもよいし、接着剤により接着して接合させることができる。
尚、クッション材(4)を介装させたときは、内装用表皮材(3)の一面側に樹脂が付着されていなくても、接着剤層(6)が内装用表皮材(3)の表面に滲み出し、内装用成形体(1)の外観が損なわれることを防止することができる。
内装用表皮材(3)の、基材(5)側の面側に、樹脂が少なくとも付着されていることが好ましい。基材(5)に接合される一面側に樹脂が付着されていると、仮に基材(5)の一面側の接着剤層(6)が溶融、流動した場合であっても、次のように作用するので有用である。すなわち、上記樹脂が堤防となって接着剤層(6)が内装用表皮材(3)の表面に滲み出し、内装成形体(1)の外観が損なわれることを防止することができる。また、樹脂により、裁断したときの毛羽立ちが殆どなく、毛羽立ちを処理するための後加工を省略することができる。
この樹脂が少なくとも付着されているとは、内装用表皮材(3)の一面側の糸に樹脂が付着しているという意味である。例えば、樹脂は内装用表皮材(3)の一面側から内部に含浸され、内部の糸にまで付着していてもよい。また、内装用表皮材(3)の略全厚さに亘って樹脂が含浸されていてもよい。このように樹脂が付着していれば、内装用表皮材(3)の剛性が高められ、取り扱い易くなる。
内装用表皮材(3)の一面側に付着される樹脂の種類は特に限定されないが、基材(5)の表面に設けられている接着剤層(6)とともに基材(5)と内装用表皮材(3)とを強固に接合させることができる樹脂であることが好ましい。この樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、及びエチレン/アクリル酸共重合体、酸変性ポリエチレン樹脂等の接着性を有するポリオレフィン樹脂などを用いることができる。例えば、基材(5)をポリウレタンフォーム製とし、接着剤層(6)をウレタン系接着剤により形成し、内装用表皮材(3)に付着される樹脂をポリウレタン樹脂とした場合、基材(5)と内装用表皮材(3)とをより強固に接合させることができるため好ましい。更に、内装用表皮材(3)に付着される樹脂が成形体製造時の加熱により溶融しない樹脂であるときは、溶融した接着剤の内装用表皮材(3)の表面への滲み出しを防止、又は少なくとも抑制できる。
また、内装用表皮材(3)の一面側に樹脂を付着させる方法も特に限定されない。例えば、樹脂粉末を吹き付け、加熱し、溶融させた後、降温させて付着させる方法が挙げられる。更に、水等を媒体とした樹脂粉末のエマルションをコーティングしたり、ディッピングしたりした後に乾燥させる方法が挙げられる。また、樹脂粉末が溶解した溶液を、内装用表皮材(3)の一面側に噴霧し、その後、乾燥させて媒体を除去して付着させる方法が挙げられる。
織布の織物組織は特に限定されず、例えば、平織り、綾織り、朱子織り及びそれらの任意の組み合わせ等のいずれの織り組織を例示することができる。また、織布の糸密度も特に限定されないが、経密度が60〜250本/25.4mm、特に70〜150本/25.4mmであり、且つ緯密度が60〜250本/25.4mm、特に70〜150本/25.4mmであることが好ましい。経密度が60〜250本/25.4mmであり、且つ緯密度が60〜250本/25.4mmであれば、内装用表皮材(3)が接着剤層(6)を介して基材(5)に接合されたときに、接着剤の内装用表皮材(3)の表面への滲み出しを十分に抑えることができる。更に、織布が伸び易くなることで、基材(5)に密着させ、接合させるときの、密着性及び成形性等が低下することもない。更に、織布の粗密をカバーファクターにより表してもよい。このカバーファクターは3500以下、特に2000〜3500であることが好ましい。カバーファクターが3500以下であれば、接着剤の滲み出しを十分に抑えることができ、且つ織布が伸び易くなることで、基材(5)との密着性及び成形性等が低下することもない。
尚、カバーファクターは、各々の糸の繊度(dtex)の平方根と糸密度(本/25.4mm)との積を経糸及び緯糸の総和により表した数値である。
基材(5)の材質は特に限定されないが、樹脂フォーム、特に半硬質ポリウレタンフォームが用いられることが多い。ポリウレタンフォームからなる基材は、常法により発泡させ、成形したスラブフォームから所定寸法となるように切り出す等の方法により作製することができる。また、基材(5)としては、ポリウレタンフォームの他、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の汎用の熱可塑性樹脂を用いてなるフォームを用いることもできる。また、ガラス繊維と、ポリプロピレン繊維と、発泡剤と、からなる熱可塑性の基材を好ましく用いることができる。
なお、本実施形態の内装成形体(1)では、基材(5)と、内装用表皮材(3)とを予め接合した後に成形してもよい。または、接合は成形と同時に行われてもよい。
<第2実施形態の内装成形体>
次に本発明の第2実施形態の内装成形体について説明する。なお、第1実施形態と同じ構成については、同一の符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
本実施形態の内装成形体(1)は、内装用表皮材(3)と基材(5)とが積層されて構成され、プレス成形されてなり、プレス成形による伸縮変形の度合いの最も小さい部位である最小伸縮変形部位(7)と、その他の部位であるその他伸縮変形部位(9)とを有する内装成形体である(図1参照)。そして、内装用表皮材(3)は、編物である。
これら部位は、例えば自動車天井用の内装用表皮材において、天井周縁の絞り部等の平坦でない部位が伸縮変形部位であり、その他の平坦な天井面が最小伸縮変形部位であると例示することができる。
また、最小伸縮変形部位(7)において、コース方向に延びる第1仮想線(E1)と、コース方向に延びて前記第1仮想線(E1)と平行で所定間隔L1を隔てた第2仮想線(E2)と、ウェール方向に延びる第3仮想線(E3)と、ウェール方向に延びて前記第3仮想線(E3)と平行で所定間隔L2を隔てた第4仮想線(E4)と、をとる(図10、図11参照)。
そして、第1仮想線(E1)、第2仮想線(E2)、第3仮想線(E3)、及び第4仮想線(E4)により囲まれた第1領域(R1)に存在してコース方向に並んだループ数をN1と、ウェール方向に並んだループ数をN2とする(なお、本説明においては説明の便宜上、図においては、N1=6、N2=6とするが、N1、N2はこれに限定されない)。
一方、その他伸縮変形部位(9)において、コース方向に延びる第5仮想線(E5)と、コース方向に延びて第5仮想線(E5)と平行な第6仮想線(E6)と、ウェール方向に延びる第7仮想線(E7)と、ウェール方向に延びて第7仮想線(E7)と平行な第8仮想線(E8)をとる(図12、図13参照)。
そして、第5仮想線(E5)、第6仮想線(E6)、第7仮想線(E7)、及び第8仮想線(E8)により囲まれた第2領域(R2)に存在する、コース方向に並んだループ数がN1と同数であり、ウェール方向に並んだループ数がN2と同数になるように、第5仮想線(E5)と第6仮想線(E6)との間隔L3、及び第7仮想線(E7)と第8仮想線(E8)との間隔L4を調整する。
この場合に、第2領域(R2)の各辺の長さが、これに対応する第1領域(R1)の各辺の長さの95〜250%となっていることを特徴とする。
本実施形態の内装成形体(1)では、上述のように、第2領域(R2)の各辺の長さが、これに対応する第1領域の各辺の長さの95〜250%となっていることを要旨とする。
編物は、一方向(例えば縦方向)に伸長すると、その直交方向(例えば横方向)に短縮する性質がある。この伸長と短縮が同時に発生すると、内装用表皮材の柄の歪みの原因となる。本実施形態では、第2領域の各辺の長さが、これに対応する第1領域の各辺の長さの95〜250%となっている。このような構成にすると、内装成形体の柄の歪みが抑制され、製品価値が向上する。
最小伸縮変形部位(7)上の第1領域(R1)は、図10、図11に例示される領域であり、略平行四辺形状の領域である。なお、この場合の平行四辺形には、当然に長方形、正方形も含まれている。
また、その他伸縮変形部位(9)上の第2領域(R2)は、図12、図13に例示される領域であり、略平行四辺形状の領域である。なお、この場合の平行四辺形には、当然に長方形、正方形も含まれている。更に、第2領域(R2)は、平面上でもよいし、曲面上に配置されていてもよい。
第1領域(R1)の所定間隔L1、L2は、それぞれ任意の長さとすることができるが、通常3〜20mmの範囲内で決定され、より好ましくは3〜16mm(特に好ましくは3〜12mm)等とすることができる。所定間隔L1、L2が3mm未満とすると、小さすぎて第1領域や第2領域内のN1、N2の計測が困難であるし、20mmを越えても歪みの大きさが平均化されてしまうため、上記範囲が好ましい。
本実施形態では、第2領域の各辺の長さが、これに対応する第1領域の各辺の長さの95〜250%となっていることを特徴とする。好ましくは、第2領域の各辺の長さが、これに対応する第1領域の各辺の長さの97〜200%であり、更に好ましくは、98〜190%である。
この範囲を図11、図13の各辺の長さL1、L2、L3、L4を用いて表せば次のようになる。
0.95L1≦L3≦2.50L1 (本実施形態の範囲)
0.95L1≦L3≦2.00L1 (本実施形態の好ましい範囲)
0.95L1≦L3≦1.90L1 (本実施形態の更に好ましい範囲)

0.95L2≦L4≦2.50L2 (本実施形態の範囲)
0.95L2≦L4≦2.00L2 (本実施形態の好ましい範囲)
0.95L2≦L4≦1.90L2 (本実施形態の更に好ましい範囲)

このような範囲にすると、内装成形体の皺及び柄の歪みが抑制され、製品価値が向上する。
また、第1仮想線(E1)、第2仮想線(E2)、第3仮想線(E3)、及び第4仮想線(E4)により囲まれた第1領域(R1)の面積S1と、第5仮想線(E5)、第6仮想線(E6)、第7仮想線(E7)、及び第8仮想線(E8)により囲まれた第2領域(R2)において最も大きな面積S2となる面積S2maxとは、S2max/S1>1.4の関係式を満たすものとすることができる。更に好ましくはS2max/S1>1.6とすることができる。また、通常はS2max/S1<2.6とすることができる。
この関係式を満たす大きな伸長が生じていても、第2領域の各辺の長さが、これに対応する第1領域の各辺の長さの前記所定比率の範囲に収まっていることで、内装成形体の皺及び柄の歪みが抑制され、製品価値が向上する。
本実施形態では、内装用表皮材(3)は、編物である。内装用表皮材(3)の意匠は、特に問わず、編物における柄、プリント柄等により施すことを挙げることができる。本発明は、これら意匠が成形前に施されたものにおいて効果的である。
編物に用いる糸は上述の第1実施形態の織布に用いる糸と同様のものが用いられる。
また、内装用表皮材(3)を、接着剤層(6)を介して基材(5)に接合させる方法、接着剤層(6)、基材(5)に関する記載は、第1実施形態の記載がそのまま適用される。
編物の編み方は特に限定されず、経編又は緯編のいずれの編み組織であってもよい。編物の糸密度も特に限定されない。経糸機としては28〜32ゲージが好ましい。使用糸としては50〜84dtex程度を用いことが好ましい。経編の密度としてはウェール30〜80/25.4mm、コース40〜100/25.4mmが好ましい。
緯編機として24〜28ゲージが好ましい。使用糸としては50〜84dtex程度を用いることが好ましい。経編の密度としてはウェール25〜35/25.4mm、コース40〜50/25.4mmが好ましい。
<内装成形体の製造方法>
次に、内装成形体(1)の製造方法について説明する。
本実施形態の製造方法では、少なくとも内装用表皮材(3)の周囲を引っ張って緊張させた状態で、基材(5)とプレス成形する。中でも金型を加熱しながらプレス成形することが、内装表皮材(3)を塑性変形させて成形後の形状を熱セットしやすくなるため、好ましい。
本製造方法では、型により成形する際に内装用表皮材(3)が型内に引き込まれてしまわないように、内装用表皮材(3)の端を把持して緊張状態にする必要がある。この把持方法は任意に選択することができ、例えばしわ抑え板、クリップ等による固定等を挙げることができる。
しわ抑え板による把持方法は、例えば、図14に例示するように、可動する上型(31)の周に沿ってしわ抑え板(33)を設けることによって行われる。この場合には、しわ抑え板(33)と、下型(35)によって、平板(30)を挟み込んで、平板(30)の周囲を引っ張って緊張させる(図15参照)。このようにすることで、プレスしても内装用表皮材(3)が上下型(31、35)の隙間内に持ち込まれることを抑制することができる(図16参照)。
しわ抑え板での引き込み量や、クリップでの引き込み量は、第2領域の各辺の長さが所定の範囲内に入るように適宜調整される。
また、内装成形体(1)の製造方法として、基材(5)をプレス成形して予備成形体とし、内装用表皮材(3)を、その周囲を引っ張って緊張させた状態で、予備成形体に沿うような形にしつつ接着してもよい。この製造方法においても、内装用表皮材(3)が型内に引き込まれてしまわないように、前記把持方法により内装用表皮材(3)の端を把持して緊張状態にする必要がある。更に、金型を加熱しながら接着を行うとより好ましい。
本発明の内装成形体の用途は特に限定されず、車両用内装成形体、建築用内装成形体等が挙げられる。車両としては、乗用車、バス、トラック等の他、鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などが挙げられる。この他、本発明の内装成形体は、航空機及び船舶等の内装成形体として用いることもできる。また、この内装成形体は、特に乗用車、バス、トラック等の天井、ドアトリム、インストルメントパネル、ピラー、サンバイザ、パッケージトレーなどとして有用である。
以下、本発明を実施例により本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
実施例1の内装成形体に用いる内装用表皮材は、加熱処理したポリエチレンテレフタレート半延伸糸(POY)の織布を用いた。
用いたポリエチレンテレフタレート半延伸糸(POY)は、繊度132dtex、48フィラメントの黒原着糸(最大応力伸度134%)である。この半延伸糸を、図6に記載のようにして長さ1m、190℃の中空ヒータ中を200m/分の速度で走行させて、延伸倍率0で乾熱処理した。そして、一時降伏点応力86cN/dtex、最大応力258cN/dtex、最大応力伸度が137%、JIS L 1013 A法により測定した沸水収縮率(沸収)が3%の加工糸とし、交絡処理をした後、巻き取った。
これを経糸密度124本/25.4mm、緯糸密度118本/25.4mmで製織後、100℃の中間セット、バックコーティング、100℃の仕上げセットをこの順で行った。これにより、経糸密度128本/25.4mm、緯糸密度122本/25.4mmの織布とした。
一方、厚さ4.2mmの基材となる軟質ポリウレタンフォームシートをフレームラミネートにより接着した。これにより、軟質ポリウレタンフォームシートの厚みが3.5mmの予備積層体が形成された。
この予備積層体と、基材となる硬質ポリウレタンフォームシートとを、接着層を介して積層させた。そして、これを図14に例示するしわ抑え板を備える熱プレス機に配置し、130℃に加熱した金型により加熱成形した。次いで、成形品を型内から取り出した後に全外周をトリミングして、ポリウレタンフォーム層を基材とし、ポリエチレンテレフタレート織布を表皮材とする車両用天井材を製造した。
この車両用天井材では、図17及び図18に例示する最小伸縮変形部位(71)において、4mm角の領域を第1領域(R1)とした。この第1領域(R1)では、L1=4mm、L2=4mmである。また、第1領域R1内のN1(経糸の本数)、N2(緯糸の本数)は、経糸密度及び緯糸密度から、N1(経糸の本数)=20、N2(緯糸の本数)=19と算出した。
次に、その他伸縮変形部位(91)において、第5仮想線(E5)、第6仮想線(E6)、第7仮想線(E7)、及び第8仮想線(E8)により囲まれた第2領域(R2)に存在する、経糸の本数がN1と同数の19であり、緯糸の本数がN2と同数の18になるように、第5仮想線(E5)と第6仮想線(E6)との間隔L3、及び第7仮想線(E7)と第8仮想線(E8)との間隔L4を調整して第2領域(R2)とした。
このような第2領域(R2)を観察した結果、いずれの箇所でも第2領域の各辺の長さは、第1領域においてこれらに対応する各辺の長さの100〜185%であることが分かった。すなわち、L1、L2、L3、L4は、以下の式を満たすことが分かった。

1.00L1≦L3≦1.85L1
1.00L2≦L4≦1.85L2

また、本実施例では、第1領域(R1)は、16mmである。そして、第1領域(R1)を構成する経糸及び緯糸の本数は、第2領域(R2)を構成する経糸及び緯糸の本数と同じである。よって、第1領域(R1)における内装用表皮材の質量は、当然に第2領域(R2)における内装用表皮材の質量と同じである。
本実施例において、第1領域の面積(S1)と、最も伸長している第2領域の面積(S2max)の比(S2max/S1)を求めたところ、1.9であった。
また、これらのその他伸縮変形部位では、歪みが目立つ柄はみられず、皺や表面の浮き等の外観以上もみられなかった。
また、この車両用天井材を100℃の恒温槽で24時間静置したが、前記観察した複数箇所において寸法の変化はいずれも0.5mm以下であり、歪みが目立つ箇所は特になかった。
<実施例2>
ポリエチレンテレフタレートの半延伸糸(POY)は、繊度が97dtexのフィラメントのグレー原着糸(伸率134%)を用い、1mの中空ヒータ中(190℃)を200m/分の速度で走行させて、延伸倍率0で乾熱処理した。そして、一時降伏点応力59cN/dtex、最大応力172cN/dtex、最大応力伸度が135%、JIS L 1013 A法により測定した沸水収縮率が3%の加工糸とし、交絡処理をした後、巻き取った。これを3バーのトリコット編機(28ゲージ)を用いて、トリコットを製編した。100℃で熱セットを行いウェール密度68本/25.4mm、コース密度70本/25.4mmの編物とした。次いで、実施例1と同様に厚さ4.2mmの基材となる軟質ポリウレタンフォームシートをフレームラミネートにより接着し、その後4mmの格子模様をプリントした。
そして、実施例1と同様に熱プレス機で成形後全外周をトリミングして、車両用天井材を製造した。
この車両用天井材において、内装用表皮材の最小伸縮変形部位において、4mm角の領域を第1領域(R1)とした。また、第1領域(R1)内では、N1(コース方向に並んだループ数)=11、N2(ウェール方向に並んだループ数)=11であった。
次に、その他伸縮変形部位において、第5仮想線(E5)、第6仮想線(E6)、第7仮想線(E7)、及び第8仮想線(E8)により囲まれた第2領域(R2)に存在する、コース方向に並んだループ数がN1と同数の19であり、ウェール方向に並んだループ数がN2と同数の19になるように、第5仮想線(E5)と第6仮想線(E6)との間隔L3、及び第7仮想線(E7)と第8仮想線(E8)との間隔L4を調整して第2領域(R2)とした。
このような第2領域を観察した結果、いずれの箇所でも第2領域の各辺の長さは、第1領域においてこれらに対応する各辺の長さの95〜185%であることが分かった。すなわち、L1、L2、L3、L4は、以下の式を満たすことが分かった。

0.95L1≦L3≦1.85L1
0.95L2≦L4≦1.85L2

また、本実施例では、第1領域(R1)は、16mmである。そして、第1領域(R1)を構成するコース方向及びウェール方向の各ループ数は、第2領域(R2)を構成するコース方向及びウェール方向の各ループ数と同じである。よって、第1領域(R1)における内装用表皮材の質量は、当然に第2領域(R2)における内装用表皮材の質量と同じである。
本実施例において、第1領域の面積(S1)と、最も伸長している第2領域の面積(S2max)の比(S2max/S1)を求めたところ、1.9であった。
また、これらのその他伸縮変形部位では、歪みが目立つ柄はみられず、皺や表面の浮き等の外観以上もみられなかった。
この車両用天井材を100℃の恒温槽で24時間静置したが、前記観察した複数箇所において寸法の変化はいずれも0.5mm以下であり、歪みが目立つ箇所は特になかった。
上述のように、実施例では、皺がなく、柄も収縮した箇所がないため見栄えがよい。
更に乾熱処理されてなる交絡糸を用いたことにより、優れた光沢感を有し、堅牢度が高く、多色の混色が可能である。
<比較例1>
繊度が84dtex、24フィラメントのポリエチレンテレフタレート半延伸糸を延伸した仮撚加工糸と、繊度56dtex、24フィラメントのポリエチレンテレフタレート半延伸糸を延伸した仮撚加工糸と、を50Turn/mで甘撚りして最大応力505cN/dtex、最大応力伸度22%、沸水収縮率3%、の甘撚糸を作製した。この糸の製織と、軟質ポリウレタンフォームシートの接着とを実施例1と同様に行って平板を作製した。その後、成形時にしわ抑え板を取り外した以外は、実施例1と同様にして車両用天井材を製造した。
この比較例1の車両用天井材では、その他伸縮変形部位において皺が形成されていた。また、間隔L3が0.95L1未満となって緯糸が浮いている箇所があり内装用表皮材表面の平滑性が低下していた。
<比較例2>
実施例2の使用糸として、繊度84dtex、36フィラメントのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸(最大応力295cN/dtex、最大応力伸度22%、沸水収縮率3%)を用いた。実施例1と同様に軟質ウレタンシートをフレームラミネートした。比較例1と同様に成形時にしわ抑え板を取り外した。その結果、金型の凸部にトリコットが引き込まれているものの、ニットであるため伸張方向と垂直方向に収縮し、皺なく成形され、外観は良好であった。しかし、成形前の仕上がり生地(内装用表皮材表面)に4mmの升目をプリントし、成形後の模様を測定した結果、伸張された箇所において、伸張と垂直方向に収縮しており、柄の歪みが観察された。
<比較例3>
成形時にしわ抑え板を取り外した以外は、実施例1と同様にして車両用天井材を製造した。車両用天井材の凸部で内装用表皮材が引き込まれており、皺が発生した。
<比較例4>
成形時にしわ抑え板を取り外した以外は、実施例2と同様にして車両用天井材を製造した。その結果、金型の凸部にトリコットが引き込まれているものの、ニットであるため伸張方向と垂直方向に収縮し、皺なく成形され、外観は良好であった。しかし、成形前の仕上がり生地(内装用表皮材表面)に4mmの升目をプリントし、成形後の模様を測定した結果、伸張された箇所において、伸張と垂直方向に収縮しており、柄の歪みが観察された。
<比較例5>
成形時にしわ抑え板を取り付けた以外は、比較例1と同様にして車両用天井材を製造した。その結果、成形時に表皮材が破れた。このことから、比較例1の内装用表皮材(3)の端を把持して緊張状態にしても成形できないことが分かる。
<比較例6>
成形時にしわ抑え板を取り付けた以外は、比較例2と同様にして車両用天井材を製造した。その結果、成形時に表皮材が破れた。このことから、比較例2の内装用表皮材(3)の端を把持して緊張状態にしても成形できないことが分かる。
尚、前述の記載は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施態様を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく、説明的及び例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その態様において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施態様を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、寧ろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は、車両や住宅等の内装成形体の技術分野において利用することができる。内装成形体が車両用である場合は、天井材、ドアトリム等の各種の成形体とすることができ、平面的ではなく立体感のある成形体とすることができる。
1;内装成形体、
3;内装用表皮材、
4;クッション材、
5;基材、
6;接着剤層
7;最小伸縮変形部位、
9;その他伸縮変形部位、
E1;第1仮想線、
E2;第2仮想線、
E3;第3仮想線、
E4;第4仮想線、
R1;第1領域、
E5;第5仮想線、
E6;第6仮想線、
E7;第7仮想線、
E8;第8仮想線、
R2;第2領域、
11;処理前の糸、
13;処理後の糸、
15;中空ヒータ、
17;供給用ローラ、
19;第1引取ローラ、
20;第2引取ローラ、
21;空気交絡装置、
23;ガイド、
25;ガイド、
27;ガイド、
30;平板、
31;上型、
33;しわ抑え板、
35;下型。

Claims (9)

  1. 内装用表皮材と基材とが積層されて構成され、プレス成形されてなる内装成形体であって、
    前記内装用表皮材は、織布とされており、
    前記内装用表皮材のうち、前記プレス成形による伸縮変形の度合いの最も小さい部位と、その他の部位とを有し、
    前記最も小さい部位において、経糸方向に延びる第1仮想線と、経糸方向に延びて前記第1仮想線と平行で所定間隔L1を隔てた第2仮想線と、緯糸方向に延びる第3仮想線と、緯糸方向に延びて前記第3仮想線と平行で所定間隔L2を隔てた第4仮想線と、をとり、
    前記第1仮想線、前記第2仮想線、前記第3仮想線、及び前記第4仮想線により囲まれた第1領域に存在する前記経糸の本数をN1と、前記緯糸の本数をN2とした場合に、
    前記その他の部位において、経糸方向に延びる第5仮想線と、経糸方向に延びて第5仮想線と平行な第6仮想線と、緯糸方向に延びる第7仮想線と、緯糸方向に延びて第7仮想線と平行な第8仮想線と、し、
    前記第5仮想線、前記第6仮想線、前記第7仮想線、及び前記第8仮想線により囲まれた第2領域に存在する、前記経糸の本数が前記N1と同数であり、前記緯糸の本数が前記N2と同数になるように、前記第5仮想線と前記第6仮想線との間隔、及び前記第7仮想線と前記第8仮想線との間隔を調整した場合に、
    前記第2領域の各辺の長さが、これに対応する前記第1領域の各辺の長さの95〜250%となっていることを特徴とする内装成形体。
  2. 内装用表皮材と基材とが積層されて構成され、プレス成形されてなる内装成形体であって、
    前記内装用表皮材は、編物とされており、
    前記内装用表皮材のうち、前記プレス成形による伸縮変形の度合いの最も小さい部位と、その他の部位とを有し、
    前記最も小さい部位において、コース方向に延びる第1仮想線と、コース方向に延びて前記第1仮想線と平行で所定間隔L1を隔てた第2仮想線と、ウェール方向に延びる第3仮想線と、ウェール方向に延びて前記第3仮想線と平行で所定間隔L2を隔てた第4仮想線と、をとり、
    前記第1仮想線、前記第2仮想線、前記第3仮想線、及び前記第4仮想線により囲まれた第1領域に存在してコース方向に並んだループ数をN1と、ウェール方向に並んだループ数をN2とした場合に、
    前記その他の部位において、コース方向に延びる第5仮想線と、コース方向に延びて前記第5仮想線と平行な第6仮想線と、ウェール方向に延びる第7仮想線と、ウェール方向に延びて前記第7仮想線と平行な第8仮想線と、し、
    前記第5仮想線、前記第6仮想線、前記第7仮想線、及び前記第8仮想線により囲まれた第2領域に存在する、コース方向に並んだループ数が前記N1と同数であり、ウェール方向に並んだループ数が前記N2と同数になるように、前記第5仮想線と前記第6仮想線との間隔、及び前記第7仮想線と前記第8仮想線との間隔を調整した場合に、
    前記第2領域の各辺の長さが、これに対応する前記第1領域の各辺の長さの95〜250%となっていることを特徴とする内装成形体。
  3. 前記第1仮想線、前記第2仮想線、前記第3仮想線、及び前記第4仮想線により囲まれた前記第1領域の面積S1と、
    前記第5仮想線、前記第6仮想線、前記第7仮想線、及び前記第8仮想線により囲まれた前記第2領域の面積S2のうち、最大となる面積S2maxとは、
    S2max/S1>1.4の関係式を満たす請求項1に記載の内装成形体。
  4. 前記第1仮想線、前記第2仮想線、前記第3仮想線、及び前記第4仮想線により囲まれた前記第1領域の面積S1と、
    前記第5仮想線、前記第6仮想線、前記第7仮想線、及び前記第8仮想線により囲まれた前記第2領域の面積S2のうち、最大となる面積S2maxとは、
    S2max/S1>1.4の関係式を満たす請求項2に記載の内装成形体。
  5. 前記織布は、未延伸糸又は半延伸糸が乾熱処理されてなる糸を用いたものである請求項1に記載の内装成形体。
  6. 前記編物は、未延伸糸又は半延伸糸が乾熱処理されてなる糸を用いたものである請求項2に記載の内装成形体。
  7. 前記乾熱処理後の糸のJIS L 1013 A法により測定した熱水寸法変化率が20%以下であり、伸び率が100〜200%である請求項5又は6に記載の内装成形体。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の内装成形体の製造方法であって、
    前記内装用表皮材と前記基材とが積層された平板を、少なくとも前記内装用表皮材の周囲を引っ張って緊張させた状態で、プレス成形することを特徴とする内装成形体の製造方法。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の内装成形体の製造方法であって、
    前記基材をプレス成形して予備成形体とし、
    前記内装用表皮材を、その周囲を引っ張って緊張させた状態で、前記予備成形体に沿うような形にしつつ接着することを特徴とする内装成形体の製造方法。
JP2013028287A 2013-02-15 2013-02-15 内装成形体 Expired - Fee Related JP6011387B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013028287A JP6011387B2 (ja) 2013-02-15 2013-02-15 内装成形体
DE201410201287 DE102014201287A1 (de) 2013-02-15 2014-01-24 Innenraumformteil und verfahren zu dessen herstellung
CN201410045337.4A CN103991256B (zh) 2013-02-15 2014-02-07 内饰成型体及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013028287A JP6011387B2 (ja) 2013-02-15 2013-02-15 内装成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014156066A true JP2014156066A (ja) 2014-08-28
JP6011387B2 JP6011387B2 (ja) 2016-10-19

Family

ID=51264080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013028287A Expired - Fee Related JP6011387B2 (ja) 2013-02-15 2013-02-15 内装成形体

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6011387B2 (ja)
CN (1) CN103991256B (ja)
DE (1) DE102014201287A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104589747A (zh) * 2015-01-21 2015-05-06 柳州聚龙科技有限公司 汽车顶棚
US10076856B2 (en) * 2015-06-15 2018-09-18 International Automotive Components Group North America, Inc. Manufacture of an article having a decorative cover sheet overlying a substrate
US20210229323A1 (en) * 2018-07-03 2021-07-29 Kasai Kogyo Co., Ltd. Method for manufacturing vehicular interior component
JP2021187124A (ja) * 2020-06-03 2021-12-13 トヨタ紡織株式会社 表皮材、内装材、内装材の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5931153A (ja) * 1982-08-13 1984-02-20 盟和産業株式会社 表皮材層付成形体の製造方法
JPS61138751A (ja) * 1984-12-10 1986-06-26 トヨタ自動車株式会社 自動車の内装用表皮材
JPS62142628A (ja) * 1985-12-17 1987-06-26 Takashimaya Nitsupatsu Kogyo Kk 成形基材への表皮材貼付方法及びその装置
JPS63182141A (ja) * 1987-01-26 1988-07-27 旭化成株式会社 繊維積層体からなる成形品
JP2000170031A (ja) * 1998-09-29 2000-06-20 Toray Ind Inc ポリエステル繊維およびその製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4816313A (en) * 1986-09-19 1989-03-28 Toyoda Gosei Co., Ltd. Resin product with main resin body and soft resin covering part
CN100586700C (zh) * 2004-04-30 2010-02-03 京洛株式会社 车辆用内装板及其制造方法
CN2778560Y (zh) * 2005-02-03 2006-05-10 蒋姝华 废聚苯乙烯泡沫汽车内饰衬板
JP2007332513A (ja) * 2006-06-17 2007-12-27 Kawashima Selkon Textiles Co Ltd 内装織物
JP2010203021A (ja) * 2009-03-06 2010-09-16 Toray Ind Inc シート状物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5931153A (ja) * 1982-08-13 1984-02-20 盟和産業株式会社 表皮材層付成形体の製造方法
JPS61138751A (ja) * 1984-12-10 1986-06-26 トヨタ自動車株式会社 自動車の内装用表皮材
JPS62142628A (ja) * 1985-12-17 1987-06-26 Takashimaya Nitsupatsu Kogyo Kk 成形基材への表皮材貼付方法及びその装置
JPS63182141A (ja) * 1987-01-26 1988-07-27 旭化成株式会社 繊維積層体からなる成形品
JP2000170031A (ja) * 1998-09-29 2000-06-20 Toray Ind Inc ポリエステル繊維およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE102014201287A1 (de) 2014-08-21
JP6011387B2 (ja) 2016-10-19
CN103991256A (zh) 2014-08-20
CN103991256B (zh) 2016-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5920451B2 (ja) 内装用表皮材の製造方法及びそれを用いた内装用成形体の製造方法
EP2520410B1 (en) Method for manufacturing a resin laminate
JP5926947B2 (ja) 繊維強化樹脂成形体及びそれを用いた車両用内装材
JP6011387B2 (ja) 内装成形体
JP2016005949A (ja) 車両用天井材及びその製造方法
WO2012173104A1 (ja) 発泡成形品補強用不織布及びそれを用いた製品
US20210023815A1 (en) Nonwoven laminate
US20140342630A1 (en) Woven fabric preforms and process for making the same
JP2017159652A (ja) 強化繊維積層シートおよび繊維強化樹脂成形体
JP6246579B2 (ja) ファブリック強化樹脂成形体の製造方法及びファブリック強化樹脂成形体
JP4835181B2 (ja) 皮革様物およびその成型体、皮革様物の製造方法
JP5605148B2 (ja) 発泡成型品補強材用不織布及びその製造方法
JP5428564B2 (ja) 車両内装材用部材およびそれを用いた車両用内装材
JPS648739B2 (ja)
DE102015107735A1 (de) Fahrzeughimmelelement
JP6201746B2 (ja) 織物及びそれを備える成形体
CN105059159A (zh) 一体成型汽车座椅及其制备方法
KR20030057340A (ko) 자동차용 내장재
JP2007203686A (ja) 皮革様物およびその製造方法
JP6246580B2 (ja) ファブリック強化樹脂成形体の製造方法及びファブリック強化樹脂成形体
JP6368228B2 (ja) ファブリック強化樹脂成形体の製造方法及びファブリック強化樹脂成形体
JP4789577B2 (ja) 三次元立体編物成形物の成形方法
EP2796283B1 (en) Trim for automobile vehicle and process for obtaining it
JP5027456B2 (ja) 内装材用フェルト基材および内装材の製造法
KR970009920B1 (ko) 자동차용 내장부품의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20140620

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150716

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160905

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6011387

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees