JP2014154680A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易な設計により利得飽和の影響を十分に抑制し、効率の高いレーザ光を出力可能な半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】電流注入により発光して多モードのレーザ光を伝搬する多モード干渉導波路12と、一方の端面11aにHR膜14が成膜され、他方の端面11bに多モード干渉導波路12が接続され、電流注入により発光して単一モードのレーザ光を多モード干渉導波路12に入力する入力導波路11と、一方の端面13bにAR膜15が成膜され、他方の端面13aに多モード干渉導波路12が接続され、電流注入により発光して単一モードのレーザ光を出力する出力導波路13と、を備え、多モード干渉導波路12は、入力導波路11と接続された端面12aから出力導波路13と接続された端面12bに亘って、多モード干渉導波路12の幅が漸次広くなるテーパ形状121を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流注入により発光したレーザ光を出力する半導体レーザ装置に関するものである。
半導体レーザ装置をはじめとする、電流注入によって発光する半導体光素子では、電流注入に伴う電力が可能な限り効率よく光に変換されることが望まれる。半導体光素子において、素子に流れる電流値をI、素子の電極に印加される電圧をVon、素子内部の抵抗をRとすると、電流注入に伴う入力電力はI×(Von+RI)の式により算出され、この式のうちRIは、素子中で発生するジュール熱に当たる。したがって、効率よく電気エネルギを光エネルギに変換するため、素子内部の抵抗Rを低減することが望まれる。
素子の抵抗は材料の抵抗率と面積に依存するが、抵抗率を下げるために半導体のドーピング量を増やすと、特にp型半導体において価電子帯間吸収が顕著になるため、半導体レーザの特性に悪影響をおよぼす。このため、抵抗を下げる手段として、素子の通電面積を大きくしなければならない。
素子の通電面積は、半導体レーザを構成する光導波路の面積であるため、導波路の長さと幅とに応じて決定される。また、結合率が高いレーザを外部に出力するため、導波路が単一モードとすることが望まれる。導波路を単一モードとするためには、導波路の幅を所定の上限値以下となるように設計しなければならないので、導波路の幅を無制限に大きくすることはできない。
例えば、単一モード条件の制限を超えた幅の広い導波路を用いて単一モード光を出力する手段として、特許文献1には、半導体レーザの導波路の一部を多モード干渉(MMI)導波路とする発明が記載されている。多モード干渉導波路は、多モードとなる導波路の自己結像作用を原理として用いるものであり、この用途の場合は、多モード干渉導波路の入り口で入力された像が、多モード干渉導波路を一定の距離伝搬した後に、同じ形で結像する。このような多モード干渉導波路における自己結像作用を利用して、多モード干渉導波路の入力端を単一モード導波路としておくことで、多モード干渉導波路を伝搬した光の出力が再び単一モード導波路のモード形状とすることができる。このため、多モード干渉導波路の入力端と出力端が単一モードであれば、多モード干渉導波路では単一モード条件を満たしていないが、素子全体として単一横モードで動作することが可能である。多モード干渉導波路は、単一モードのような導波路の幅に制限がないため、導波路の幅を広くすることができ、素子の導波路面積を全体として大きくすることができる。このため、導波路の一部を多モード干渉導波路とした半導体レーザでは、比較的低い素子抵抗を得ることができ、注入に伴う電力を効率よく光に変換することができる。
また、特許文献2には、基本モード導波路領域に対して多モード導波路領域の導波路幅が段階的に広くなるように構成された半導体光アンプが記載されている。
特許文献1の発明に、特許文献2に記載された導波路幅が段階的に広くなる多モード導波路を組み合わせることで、活性層の利得が飽和することを抑制したり、電流注入にともなって多横モードで発振してしまうことを抑制したりすることができる。
特開11−68241号公報 特開2002−319741号公報
しかしながら、多モード干渉導波路における自己結像作用には、導波路の幅と結像位置までの長さとの間に相関関係が成り立ち、具体的には、導波路の幅が広いほど結像位置までの長さが大きくなる。具体的に、結像位置までの長さは、おおむね導波路の幅の自乗に比例する。このため、特許文献3に記載された構成のように、多モード干渉導波路を多段に接続する方法では多モード干渉導波路の幅の設計自由度が制限されるため、利得飽和の影響を十分に抑制して良好な効率を実現することが難しかった。
また、特許文献2に記載された発明と比べて利得飽和の影響を更に抑制でき、効率の高いレーザ光を出力可能な半導体レーザ装置が望まれる。
本発明の目的は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、容易な設計により利得飽和の影響を十分に抑制し、効率の高いレーザ光を出力可能な半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
(第1の態様)
本発明の第1の態様に係る半導体レーザ装置は、電流注入により発光して多モードのレーザ光を伝搬する多モード干渉導波路と、一方の端面に第1の反射率の反射膜が成膜され、他方の端面に多モード干渉導波路が接続され、電流注入により発光して単一モードのレーザ光を多モード干渉導波路に入力する入力導波路と、一方の端面に第1の反射率よりも低い第2の反射率の反射膜が成膜され、他方の端面に多モード干渉導波路が接続され、電流注入により発光して単一モードのレーザ光を出力する出力導波路と、を備え、多モード干渉導波路は、入力導波路と接続された端面から出力導波路と接続された端面に亘って、多モード干渉導波路の幅が漸次広くなる形状を有することを特徴とする。
上記第1の態様によれば、入力導波路と接続された端面から出力導波路と接続された端面に亘って、多モード干渉導波路の幅が漸次広くなっているので、入力導波路と接続された多モード干渉導波路の端面におけるキャリア密度の増加を抑えることができる。キャリア密度の増加を抑制することで、光に変換されずに消費されるキャリアの割合、すなわち利得飽和を抑制し、良好な光出力特性を得ることができる。
本発明によれば、多モード干渉導波路の幅の変化が緩やかであるため、自己結合作用により単一モードとなる位置と導波路の幅との設計上の自由度が高く、容易にレーザ装置の設計を行うことができる。
(第2の態様)
本発明の第2の態様に係る半導体レーザ装置は、上記第1の態様において、入力導波路は、出力導波路と比べて導波路長が長いことを特徴とする。上記第2の態様によれば、出力導波路の導波路長を相対的に短くすることで、出力導波路に生じる光出力効率の低下をできるだけ抑制することができる。
(第3の態様)
本発明の第3の態様に係る半導体レーザ装置は、上記第1又は第2の態様において、出力導波路は、入力導波路と比べて導波路の幅が大きいことを特徴とする。上記第2の態様によれば、多モード干渉導波路の入出力部分、すなわち、入力導波路および出力導波路の幅を調整することにより、結合効率の高いレーザ光を出力することができる。
本発明によれば、容易な設計により利得飽和の影響を十分に抑制し、効率の高いレーザ光を出力することができる。
本実施形態に係る半導体レーザ装置の構成を説明するための図である。 半導体レーザ装置の製造工程を説明するための図である。 比較例に係る半導体レーザ装置の構成を説明するための図である。 半導体レーザ装置のレーザ出力特性について説明するための図である。 比較例に係る半導体レーザ装置の構成を説明するための図である。
本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という。)について具体例を示して説明する。本実施形態は、電流注入により発光したレーザ光を出力する半導体レーザ装置に関するものである。
(1)全体構成
図1は、本実施形態の半導体レーザ装置1の上面図、すなわちレーザ出力方向Lightに対する垂直方向から見た図である。図1に示すように、半導体レーザ装置1は、半導体基板10に、入力導波路11と多モード干渉導波路12と出力導波路13とが形成され、レーザ出力方向Lightの後端面10a側に高反射率の膜(以下、HR膜14)がコーティングされ、レーザ出力方向Lightの前端面10bにHR膜14より低反射率の膜(以下、AR膜15)がコーティングされている。また、本実施形態では、半導体基板10のレーザ出力方向Lightの全長が例えば1500μmとする。
入力導波路11は、半導体基板10の後端面10a側に形成され、電流注入により発光したレーザ光が単一モードで伝搬する導波路である。また、入力導波路11は、その後端面11a側にHR膜14が成膜され、前端面11bに多モード干渉導波路12が接続される。
入力導波路11に注入した電流により発光したレーザ光は、後端面11aに成膜されたHR膜14により反射して、前端面11bから多モード干渉導波路12に入力される。本実施形態では、入力導波路11の内部で単一モードのレーザ光を伝搬する伝送路の一例として、導波路の幅を3μmとし、導波路の長さを830μmとした。
出力導波路13は、レーザ出力方向Lightの半導体基板10の前端面10b側に形成され、電流注入により発光したレーザ光が単一モードで伝搬する導波路である。出力導波路13は、その後端面13aに多モード干渉導波路12が接続され、前端面13bにAR膜15が成膜されている。
入力導波路11に注入した電流により発光したレーザ光は、後端面13aに接続された多モード干渉導波路12からレーザ光と合波して、端面11bから外部に出力される。本実施形態では、単一モードのレーザ光を外部に出力する出力導波路11の一例として、導波路の幅を8μmとし、導波路の長さを50μmとした。
多モード干渉導波路12は、半導体基板10において入力導波路11と出力導波路13との間に形成され、電流注入により発光したレーザ光が多モードで伝搬する導波路である。すなわち、多モード干渉導波路12は、その後端面12aに入力導波路11が接続され、前端面12bに出力導波路13が接続される。
また、多モード干渉導波路12は、入力導波路11が接続された後端面12aから出力導波路13が接続された前端面12bに亘って、導波路の幅が漸次広くなるテーパ形状121を有する。本実施形態では、テーパ形状121の具体例として、導波路の幅は、入力導波路11との接続点である後端面12aで11.5μmとし、出力導波路13との接続点である前端面12bで20μmとした。
また、多モード干渉導波路12は、自己結合作用を利用して単一モードのレーザ光を出力導波路13側に伝搬させるため、次のようにして導波路12の長さが設計される。まず、多モード干渉導波路の幅と長さは、自己結像作用によって入力の光分布が再生される大きさに選ばれる。一般に、多モード干渉導波路の幅が大きいと結像位置までの距離は長くなる。結像する位置よりもさらに長く多モード干渉導波路が続けば、ある距離だけ進んだ位置で再び結像する。したがって、自己結合作用を利用して単一モードのレーザ光を出力導波路13側に伝搬させるには、いずれかの結像位置を選んで導波路の長さを決定すればよい。一方、多モード干渉導波路の長さを結像位置以外に選ぶと、出力導波路との接続点において過大な結合損失が発生するため、幅と長さを独立に設計することはできない。
上記の導波路の幅と長さとの関係を考慮して、本実施形態では、多モード干渉導波路12の導波路の長さを、単一モードのレーザ光が最初に結合する結像点である620μmとした。自己結合作用により単一モードのレーザ光となる関係、すなわち導波路の長さと幅との関係は、例えば、ビーム伝搬法(BPM)などの方法によって算出可能である。
(2)製造工程
以上のような構成からなる半導体レーザ装置1は、次に示すような積層構造を工程により製造することが可能である。以下では、図2に示すような半導体レーザ装置1の積層構造を示す断面図を用いて、半導体レーザ装置1の製造工程を説明する。
まず、図2(A)に示すように、n型InP基板101上にn型InPクラッド層102、GaInAsP活性層103、p型InPクラッド層104、p型GaInAsPキャップ層112を、順次成長させた後、p型GaInAsPキャップ層112の上にSiNx誘電体膜からなるエッチングマスク113をストライプ上に形成し、ウェットエッチング法を用いてメサストライプを形成する。
メサストライプの形成工程において、エッチングマスクをフォトリソグラフィーにてパターニングすることで、導波路の寸法が所望の幅および長さとなるように調整することができる。このパターニング処理は、その後の行程により行われるエッチングで生じる幅の変化を見込んでエッチングマスクの幅を設計することが好ましい。
GaInAsP活性層103は、例えば、格子不整合度1%程度の5層のGaInAsP圧縮歪量子井戸層(厚さ4nm)と組成波長が1.2μmであるGaInAsPバリア層(厚さ10nm)からなる多重量子井戸構造と、組成波長が0.95μmから1.2μmまで変化した各層の厚さが40nmであるGaInAsPからなる6層の多段光閉じ込め(SCH;Separate−Confinement Heterostructure)層で構成することができる。また、GaInAsP活性層103の格子不整合度を大きくする場合には、バリア層に引張り歪みとなる格子不整合度を有するGaInAsPを用いて、量子井戸層の正味の歪み量を小さくした歪補償構造を用いることができる。上記のような構造を有するGaInAsP活性層103は、波長1480nm付近に利得を有する。
次に、図2(B)に示すように、誘電体からなるエッチングマスク113上には結晶成長しないという有機金属気相成長法の特色を生かして、メサストライプの上面以外の領域にp型InP電流阻止層105およびn型InP電流阻止層106からなる電流阻止領域を形成し、メサストライプ側面部の前記電流阻止領域をエッチングマスク113にほぼ水平になるように成長する。p型InP電流阻止層105は、p型ドーパントとして、亜鉛(Zn)を0.8×1018cm−3以上1.4×1018cm−3以下の範囲で添加すると良い。
その後、図2(C)に示すように、エッチングマスク113及びp型GaInAsPキャップ層112をエッチングにより除去し、有機金属気相成長法を用いて、p型InPクラッド層107、及び組成波長が1.2μmであるp型GaInAsPコンタクト層108を成長させる。その後、基板の厚さ調整のため、n型InP基板101の下面(上述した各半導体層を形成した面とは反対側の面)を厚さ130μm程度にまで研磨により薄膜化し、n型InP基板1の下面にn型電極109、コンタクト層108の上面にp型電極110をそれぞれ形成する。なお、このような電極形成工程での結晶成長方法として、分子線エピタキシー法や化学線エピタキシー法を用いても良い。
電極を形成した後、ウェハを共振器長1500μmのバーに劈開し、一方の端面、すなわちAR膜15として反射率1.5%の誘電体反射膜を成膜し、他方の端面すなわちHR膜14として反射率98%の誘電体反射膜を成膜する。その後、素子分離を行って、個別素子とすることで、半導体レーザ装置1を製造することができる。
(3)レーザ出力特性
以上のようにして製造される半導体レーザ装置1のレーザ出力方向について、以下に示すような比較例に係る半導体レーザ装置200、300と比較して評価する。
まず、第1の比較例に係る半導体レーザ装置200は、図3(A)に示すように、多モード干渉導波路12の代わりに、15μmの均一幅を有する多モード干渉導波路212が形成され、多モード干渉導波路212以外が半導体レーザ装置1と同様の構成及び寸法を有する。便宜上、半導体レーザ装置200の各構成のうち、多モード干渉導波路212以外については、半導体レーザ装置1に対応する構成の符号を付し、その説明を省略するものとする。
また、第2の比較例に係る半導体レーザ装置300は、図3(B)に示すように、半導体基板310の後端面310aから前端面310bに亘って、例えば幅が8μmの単一モード導波路301が形成されたものである。
次に、位置依存を含めたレート方程式の計算によって、各半導体レーザ装置1、200、300の動作を評価するものとする。計算条件として、入力電流は2Aとした。計算結果として、図4は、各半導体レーザ装置1、200、300のレーザ出力方向で規定する導波路の位置を横軸に示し、導波路の位置に対応したキャリア密度の分布を縦軸に示している。
まず、多モード干渉導波路がない第2の比較例に係る半導体レーザ装置300では、図4の右側に示す位置、すなわち内部光強度が比較的小さいHR膜14が成膜された後端面の位置において、誘導放出により光に変換されず、キャリア消費が少ない。このため、第2の比較例に係る半導体レーザ装置300では、図4の右側に示す位置において、キャリア密度が高くなる。このようなキャリア密度が高くなる現象は、軸方向ホールバーニングと呼ばれ、出力飽和の原因の一つとなる。つまり、キャリア密度が高い位置では、光に変換されずに熱エネルギなどとして消費されることとなる。
また、均一幅の多モード導波路212を備える第1の比較例に係る半導体レーザ装置200においては、第2の比較例と比べると、HR膜14が成膜された後端面付近のキャリア密度が抑えられる。これは、内部光強度が高い後端面に多モード導波路212が接続されることによって、内部の光密度の不均一が抑えられたためである。しかしながら、キャリア密度が、入力導波路11と多モード導波路212との接続部において、キャリア密度が著しく増加しており、当該接続部におけるキャリア密度が第2の比較例の最大キャリア密度よりも大きくなってしまう。
一方、本実施形態に係る半導体レーザ装置1は、第2の比較例と比べると、入力導波路11と多モード干渉導波路12と接続部におけるキャリア密度が抑えられており、これによって光に変換されずに熱エネルギなどとして消費されるキャリアの割合を抑制することができる。これは、多モード干渉導波路12の幅が内部光強度の変化に即して漸次増加するテーパ形状121となっているためである。さらに、半導体レーザ装置1は、多モード干渉導波路12の幅が出力導波路13側に漸次広くなることにより、素子内部の電気抵抗率が低くなるため良好な光出力特性を得ることができる。
すなわち、本実施形態に係る半導体レーザ装置1は、入力導波路と接続された端面から出力導波路と接続された端面に亘って、多モード干渉導波路の幅が漸次広くなるので、入力導波路と接続された多モード干渉導波路の端面におけるキャリア密度が抑えられる。これにより、光に変換されずに消費されるキャリアの割合、すなわち利得飽和を抑制し、良好な光出力特性を得ることができる。
なお、図5に示すように入力導波路410と出力導波路430との間に、幅の異なる多モード干渉導波路421、422を多段に接続した半導体レーザ装置400では、入力導波路410と多モード干渉導波路421と接続部におけるキャリア密度の増加を抑制可能であるが、多モード干渉導波路421、422の幅の変化が段階的であるため、キャリア密度の増加を効率よく抑制することができない。また、上述のように多モード干渉導波路の幅と長さは独立には設計することができないため、設計の組み合わせに限りがある。
このような図5に示す半導体レーザ装置400に対して、本実施形態に係る半導体レーザ装置1は、多モード干渉導波路12の幅の変化が緩やかであるため、自己結合作用により単一モードとなる位置と導波路の幅との設計上の自由度が高く、容易にレーザ装置の設計を行うことができる。なお、本実施形態に係る半導体レーザ装置1では、多モード干渉導波路12を幅が直線的に変化するものとしたが、例えば幅が指数関数的に変化する構造にするなどの設計も可能であり、設計上の自由度が格段に大きい点で好ましい。
以上のように本実施形態に係る半導体レーザ装置1は、容易な設計により、利得飽和の影響を十分に抑制し、効率の高いレーザ光を出力することができる。
また、入力導波路11と出力導波路13の幅を同一のものとしてもキャリア密度の増加を抑制可能であるが、上述した図1に示した寸法の通り、多モード干渉導波路12の幅が狭い側である入力導波路11の幅を狭く、多モード干渉導波路12の幅が広い側である出力導波路13の幅を広くなるように設計することで、特にキャリア密度の増加を抑制することができる。これは、テーパ形状を有する多モード干渉導波路12において入出力部分の幅に応じて入出力の導波路幅を変更させるとレーザ光の結合効率を改善することができるからである。この場合、幅が広い出力導波路13は、必ずしも単一モードとしなくてもよく、入力導波路11が十分に単一モードであれば自己結合作用により基本モードだけが伝搬して半導体レーザ装置1の外部に、単一モードのレーザ光を出力することができる。
図4からわかるように、出力導波路13においては、多モード干渉導波路12に対してキャリア密度が急激に小さくなる。これは、多モード干渉導波路12に比べて導波路の幅が小さい出力導波路13で光密度が極端に大きくなるためである。このような出力導波路13では、注入されたキャリアが光増幅に対して不足するため、そのキャリアが不足する部分における光出力の効率が小さくなる。このため、出力導波路13は、可能な限り短いことが好ましく、入力導波路11に比べて導波路長が相対的に短くなるように設計することで、出力導波路13に生じる光出力効率の低下をできるだけ抑制できる。極端な例では、出力導波路が無くても光出力効率の低下を抑制することが可能であるが、出力導波路が無いと、半導体レーザ装置の製造行程において、劈開の位置ずれによって多モード干渉導波路12の長さが変わってしまうおそれがある。このような劈開の位置ずれによって多モード干渉導波路12の長さが変わることを防ぐため、本実施形態に係る光半導体素子1のように、出力導波路13が必要である。さらに、出力導波路13の長さは、少なくとも、当該製造工程における端面劈開の位置精度に比べて大きくすることが好ましい。
また、本実施形態に係る半導体レーザ装置1は、入力導波路11および出力導波路13のそれぞれが均一な幅の導波路としたが、両者またはそのいずれかをテーパ形状を含むものとしてもよい。例えば、入力導波路11の形状について、HR膜が成膜された後端面10a側の幅を細く、多モード干渉導波路12との接続部側の幅が太くなるテーパ形状とすることで、軸方向ホールバーニングをさらに抑制することが可能である。また、出力導波路13の形状について、AR膜が成膜された前端面の幅を細く、多モード干渉導波路12との接続部側の幅が細くなるテーパ形状とすることで出力光ビームのアスペクト比を改善することが可能である。
1 半導体レーザ装置
11 入力導波路
12 多モード干渉導波路
121 テーパ形状
13 出力導波路
14 HR膜
15 AR膜

Claims (3)

  1. 電流注入により発光して多モードのレーザ光を伝搬する多モード干渉導波路と、
    一方の端面に第1の反射率の反射膜が成膜され、他方の端面に前記多モード干渉導波路が接続され、電流注入により発光して単一モードのレーザ光を前記多モード干渉導波路に入力する入力導波路と、
    一方の端面に前記第1の反射率よりも低い第2の反射率の反射膜が成膜され、他方の端面に多モード干渉導波路が接続され、電流注入により発光して単一モードのレーザ光を外部に出力する出力導波路と、を備え、
    前記多モード干渉導波路は、前記入力導波路と接続された端面から前記出力導波路と接続された端面に亘って、当該多モード干渉導波路の幅が漸次広くなる形状を有することを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記入力導波路は、前記出力導波路と比べて導波路長が長いことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記出力導波路は、前記入力導波路と比べて導波路の幅が大きいことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体レーザ装置。
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