JP2014152642A - ロッカーアーム - Google Patents

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JP2014152642A JP2013020848A JP2013020848A JP2014152642A JP 2014152642 A JP2014152642 A JP 2014152642A JP 2013020848 A JP2013020848 A JP 2013020848A JP 2013020848 A JP2013020848 A JP 2013020848A JP 2014152642 A JP2014152642 A JP 2014152642A
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Shuichi Ezaki
修一 江崎
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L13/00Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations
    • F01L13/0015Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations for optimising engine performances by modifying valve lift according to various working parameters, e.g. rotational speed, load, torque
    • F01L13/0036Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations for optimising engine performances by modifying valve lift according to various working parameters, e.g. rotational speed, load, torque the valves being driven by two or more cams with different shape, size or timing or a single cam profiled in axial and radial direction
    • F01L2013/0052Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations for optimising engine performances by modifying valve lift according to various working parameters, e.g. rotational speed, load, torque the valves being driven by two or more cams with different shape, size or timing or a single cam profiled in axial and radial direction with cams provided on an axially slidable sleeve

Abstract

【課題】大カムがロッカーアーム部に接触することを抑制することができるロッカーアームを提供する。
【解決手段】ロッカーアーム(100)は、内燃機関の2つのバルブ(200a,200b)のうち一方のバルブに対応した第1ロッカーアーム部(101)と他方のバルブに対応した第2ロッカーアーム部(102)とを連結するローラ軸(110)に配置され、カムキャリア(40)の複数のカムが択一的に当接するローラ(120)を備え、ローラ軸の軸線方向で第2ロッカーアーム部から第1ロッカーアーム部に向かう方向はカム軸(30)の軸線方向で小カム(41)から大カム(42)に向かう方向であり、ローラはローラ軸の第1ロッカーアーム部と第2ロッカーアーム部との間の部分に配置され、ローラと第1ロッカーアーム部との距離が大カムのカム幅よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明はロッカーアームに関する。
従来、カムの力をバルブに伝達する部材としてロッカーアームが知られている。例えば特許文献1には、内燃機関の一つの気筒に配置された2つのバルブ(具体的には吸気バルブまたは排気バルブ)を1つのカムで駆動するために、2つのバルブのうち一方のバルブを駆動する第1のロッカーアーム部(特許文献1ではロッカーアームと称されている)と他方のバルブを駆動する第2のロッカーアーム部(特許文献1ではロッカーアームと称されている)とを軸で連結し、この軸にカムが当接するローラを配置したロッカーアームが開示されている。
また従来、複数のカムを有するカムキャリアをカム軸の軸線方向に変位させることで、内燃機関のバルブに対応するカムを切替える可変動弁装置が知られている。例えば特許文献2には、複数のカムを有するとともに螺旋溝が形成されたカムキャリアをカム軸に配置し、カムキャリアの螺旋溝に駆動ピンを係合させることでカムキャリアをカム軸の軸線方向に変位させる可変動弁装置が開示されている。
特開平5−272313号公報 特表2006−520869号公報
特許文献2に係る可変動弁装置のカムキャリアの複数のカムとして小カムと小カムよりも径の大きい大カムとを採用し、さらにこの可変動弁装置に特許文献1に係るロッカーアームを適用した場合、小カムがロッカーアームのローラに当接しているときに大カムがロッカーアーム部に接触する可能性がある。なお、カムの径とは、カムの回転中心とカムの外周縁との距離のうち最も長い部分の長さをいう。
本発明は、大カムがロッカーアーム部に接触することを抑制することができるロッカーアームを提供することを目的とする。
本発明に係るロッカーアームは、小カムと前記小カムよりも径が大きい大カムとを少なくとも含んだ複数のカムを有するカムキャリアをカム軸の軸線方向に変位させる可変動弁装置に適用されるロッカーアームであって、内燃機関の2つのバルブのうち一方の前記バルブに対応した第1ロッカーアーム部と他方の前記バルブに対応した第2ロッカーアーム部とを連結するローラ軸に配置され、前記カムキャリアの複数の前記カムが択一的に当接するローラを備え、前記ローラ軸の軸線方向で前記第2ロッカーアーム部から前記第1ロッカーアーム部に向かう方向は前記カム軸の前記軸線方向で前記小カムから前記大カムに向かう方向であり、前記ローラは前記ローラ軸の前記第1ロッカーアーム部と前記第2ロッカーアーム部との間の部分に配置され、前記ローラと前記第1ロッカーアーム部との距離が前記大カムのカム幅よりも大きいことを特徴とする。
本発明に係るロッカーアームによれば、上記のローラを備え、且つローラ軸の軸線方向で第2ロッカーアーム部から第1ロッカーアーム部に向かう方向はカム軸の軸線方向で小カムから大カムに向かう方向であり、ローラはローラ軸の第1ロッカーアーム部と第2ロッカーアーム部との間の部分に配置されていることから、小カムがローラに当接している場合に大カムが第2ロッカーアーム部に接触することを抑制することができる。また、ローラと第1ロッカーアーム部との距離が大カムのカム幅よりも大きいことから、小カムがローラに当接している場合に大カムが第1ロッカーアーム部に接触することも抑制することができる。このように本発明に係るロッカーアームによれば、小カムがローラに当接している場合に大カムが第1ロッカーアーム部および第2ロッカーアーム部に接触することを抑制することができる。
上記構成は、前記ローラが前記ローラ軸の軸線方向に変位することを抑制する変位抑制機構を前記ローラ軸にさらに備えていてもよい。この構成によれば、ローラがローラ軸の軸線方向に変位することを抑制することができる。
上記構成において、前記第1ロッカーアーム部に対応した前記バルブの中心軸と前記ローラのローラ幅の中心との距離は、前記第2ロッカーアーム部に対応した前記バルブの中心軸と前記ローラの前記ローラ幅の前記中心との距離よりも長くなっており、前記第1ロッカーアーム部の前記ローラ軸が挿通する穴の径は、前記ローラ軸の前記第1ロッカーアーム部の前記穴に挿通する部分の径よりも所定距離大きく設定されていてもよい。
この構成によれば、第1ロッカーアーム部のローラ軸が挿通する穴の位置と第2ロッカーアーム部のローラ軸が挿通する穴の位置との位置ずれを吸収することができる。またこの構成によれば、第1ロッカーアーム部に内燃機関のバルブスプリングから作用する力を小さくすることができる。それにより、第1ロッカーム部のローラ軸が挿通する穴が磨耗することを抑制することができる。
本発明によれば、大カムがロッカーアーム部に接触することを抑制することができるロッカーアームを提供することができる。
図1は可変動弁装置の模式図である。 図2(a)は可変動弁装置の拡大図である。図2(b)および図2(c)は操作アームを拡大して示す模式図である。 図3(a)および図3(b)は可変動弁装置の動作を説明するための模式図である。 図4(a)および図4(b)は可変動弁装置の動作を説明するための模式図である。 図5(a)はロッカーアームを上方側から見た模式図である。図5(b)はロッカーアームを横方向から見た模式図である。図5(c)はロッカーアームの模式的断面図である。図5(d)はロッカーアームのリング部材の近傍を拡大して示す模式図である。 図6(a)は大カムがローラに当接した状態を示す模式図である。図6(b)は小カムがローラに当接した状態を示す模式図である。 図7(a)は比較例に係るロッカーアームの模式図である。図7(b)は、比較例に係る第2ロッカーアーム部をローラ軸の軸線方向側から見た模式図である。図7(c)は、比較例に係るロッカーアームのローラの径を拡大した場合の第2ロッカーアーム部をローラ軸の軸線方向側から見た模式図である。 図8(a)および図8(b)は実施例に係るロッカーアームの効果の一部を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明の実施例に係るロッカーアーム100について説明する。まずロッカーアーム100が適用される可変動弁装置5の一例について説明し、次いでロッカーアーム100の詳細について説明する。図1は可変動弁装置5の模式図である。図2(a)は可変動弁装置5の拡大図である。本実施例に係る可変動弁装置5は、車両に搭載された内燃機関に配置されている。可変動弁装置5は、内燃機関のバルブに対応するカムを切替える装置である。内燃機関としては、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等、種々のエンジンを用いることができる。本実施例においては内燃機関の一例として、ガソリンエンジンを用いる。また本実施例に係る内燃機関は、一つの気筒に同種のバルブを2つずつ備えている。具体的には内燃機関は、一つの気筒に2つの吸気バルブおよび2つの排気バルブを備えている。本実施例に係る可変動弁装置5は、内燃機関の一つの気筒に配置された2つの吸気バルブに対応するカムの種類を切替えている。但し可変動弁装置5が対象とするバルブの種類は吸気バルブに限定されるものではなく、例えば排気バルブであってもよい。これ以降、内燃機関のバルブと称した場合、吸気バルブを意味することとする。なおバルブの構成については、後述する図5(b)において詳細に説明する。
図1を参照して、可変動弁装置5は、支持部材10と、プーリ20と、カム軸30と、カム軸30に配置されたカムキャリア40と、カム軸30に対して平行に配置された操作軸50と、操作軸50を駆動する駆動装置60と、操作軸50に配置された操作アーム70と、操作軸50に配置されたリング部材80aおよびリング部材80bと、操作軸50に配置されたバネ85aおよびバネ85bと、ソレノイド90と、ロッカーアーム100とを備えている。支持部材10は、カム軸30、カムキャリア40、操作軸50、駆動装置60およびソレノイド90を支持する部材である。支持部材10は、図1において横方向に延伸した支持部11a、支持部11bおよび支持部11cと、縦方向に延伸した支持部11dおよび支持部11eと、駆動装置60の周囲を囲むように配置された支持部11fとを備えている。支持部材10は、内燃機関のシリンダブロックの上部に配置されており、内燃機関のシリンダヘッドによって支持されている。
プーリ20にはカム軸30の一方の端部が接続している。プーリ20は、ベルト等の動力伝達部材を介して内燃機関のクランクシャフトに接続している。それによりプーリ20は、内燃機関と同期して回転する。プーリ20が内燃機関と同期して回転することで、カム軸30も内燃機関と同期して回転する。なお、カム軸30を内燃機関と同期させて回転させる機構は、これに構成に限定されるものではない。他の例を挙げると、可変動弁装置5は、例えばプーリ20に代えて、スプロケットを備えていてもよい。
カム軸30は、軸線31(中心軸線)を中心として回転可能に支持部11aおよび支持部11bによって支持されている。なお図1において、カム軸30の軸線31の方向(以下、カム軸30の軸線方向と称する場合がある)は縦方向である。またカム軸30は、カム軸30の軸線方向には変位しないように軸支されている。具体的には、本実施例に係るカム軸30には鍔部32aおよび鍔部32bが設けられている。鍔部32aおよび鍔部32bは、支持部11aを両側から挟持するようにカム軸30に設けられている。鍔部32aおよび鍔部32bが支持部11aに係合することによって、カム軸30の軸線方向の変位が抑制されている。以上のように本実施例に係るカム軸30は、回転可能に且つ軸線方向には変位しないように軸支されている。
図1および図2(a)を参照して、カムキャリア40は、カム軸30と共に回転可能に、カム軸30に配置されている。またカムキャリア40は、カム軸30の軸線方向にカム軸30に対して変位可能に、カム軸30に配置されている。具体的には本実施例に係るカム軸30の少なくともカムキャリア40が摺動する部分には、スプライン33が形成されている。カムキャリア40の内周面にもカム軸30のスプライン33に対応したスプライン(図示せず)が形成されている。この構成によって、カム軸30が回転したときにカムキャリア40はカム軸30と一体となって回転することができるとともに、カムキャリア40はカム軸30の軸線方向にカム軸30に対して変位することができる。なおカムキャリア40のカム軸30に対する軸線方向の変位を許容しつつカムキャリア40をカム軸30と一体的に回転させる機構は、本実施例のようなスプラインを用いた機構に限定されるものではない。
カムキャリア40は、内燃機関のバルブに対応するカムを複数有している。本実施例に係るカムキャリア40は、複数のカムとして、小カム41と、小カム41よりも径の大きい大カム42とを有している。なお本実施例においてカムの径とは、カムの回転中心とカムの外周縁との距離のうち最も長い部分の長さをいう。大カム42および小カム41は、カム軸30の軸線方向に隣接して配置されている。これ以降、カム軸30の軸線方向で小カム41から大カム42に向かう方向を第1方向と称し、カム軸30の軸線方向で大カム42から小カム41に向かう方向を第2方向と称する。なおカムキャリア40が有するカムの数は本実施例のように2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。すなわちカムキャリア40は、小カム41と大カム42とを少なくとも含んだ複数のカムを備えていればよい。
小カム41の具体例として、小カム41のバルブリフト量が大カム42のバルブリフト量よりも小さいカム、あるいは小カム41のバルブリフト量がゼロのカムを用いることができる。本実施例においては、小カム41の一例として、バルブリフト量がゼロのカムを用いる。この場合、小カム41が内燃機関のバルブに対応した場合、内燃機関の気筒における燃焼を停止させることができる。すなわち、気筒運転停止を行うことができる。
図2(a)を参照して、カムキャリア40は溝43を有している。具体的には本実施例に係る溝43は、カムキャリア40の小カム41よりも第2方向側の部分に形成されている。溝43には操作アーム70の後述する係合部71が係合する。図1および図2(a)を参照して、操作軸50は、操作軸50の軸線51がカム軸30の軸線31に対して平行になるように配置されている。その結果、本実施例に係る操作軸50の軸線方向はカム軸30の軸線方向と同じになっている。なお図1において操作軸50は、カム軸30よりも所定距離左側に位置している。操作軸50は、支持部11bおよび支持部11cによって、カム軸30の軸線方向に変位可能に軸支されている。なお、支持部11cの操作軸50を軸支している部分における第2方向側の端面には、キャップ13が設けられている。キャップ13は、支持部11cの操作軸50用の穴に異物が外部から混入しないようにするための蓋である。
駆動装置60は操作軸50をカム軸30の軸線方向に変位させる装置である。図2(a)を参照して、本実施例においては、駆動装置60の一例として、作動油を用いて駆動する油圧アクチュエータを用いる。具体的には駆動装置60は、変位部61と、変位部61と操作軸50とを接続する接続部62と、バネ63とを備えている。支持部11fには穴12aが設けられている。穴12aは、駆動装置60の作動油が通過するための穴である。作動油はOCV(Oil Control Valve)によって、駆動装置60に供給される。なおOCVは、内燃機関を統合的に制御する制御装置(ECU)からの指示を受けて駆動装置60に作動油を供給する。作動油が駆動装置60に供給された場合、変位部61は作動油からの圧力を受けて第1方向に変位する。変位部61が第1方向に変位することで、接続部62を介して変位部61に接続した操作軸50も第1方向に変位する。
バネ63は、変位部61を第2方向に付勢する付勢部材としての機能を有している。駆動装置60から作動油が排出された場合、バネ63からの付勢力を受けて変位部61は第2方向に変位する。その結果、操作軸50も第2方向に変位する。なお、支持部11fには、接続部が挿通する穴12bが設けられており、この穴12bには、駆動装置60に供給された作動油が穴12bから操作軸50側に漏洩することを抑制するシール部材が設けられている。但し、作動油の穴12bからの漏洩は完全に抑制されている必要はなく、作動油によって変位部61が変位可能な程度に駆動装置60内の作動油圧が高まることができるのであれば、作動油は穴12bから漏洩してもよい。この場合、穴12bから漏洩した作動油は、内燃機関のオイルパンによって回収され、その後、駆動装置60に供給される。
図2(b)および図2(c)は操作アーム70を拡大して示す模式図である。具体的には図2(b)は操作アーム70の模式的断面図であり、図2(c)は操作アーム70を図2(b)のA方向から見た模式図である。図2(a)〜図2(c)を参照して、操作アーム70の中央部には穴が形成されており、この穴に操作軸50が挿通している。この構成により、操作アーム70は、操作軸50の軸線方向に変位できるように、操作軸50に配置されている。なお前述したように操作軸50はカム軸30に平行に配置されているため、操作アーム70が操作軸50の軸線方向に変位した場合、操作アーム70はカム軸30の軸線方向にも変位することになる。
図2(b)を参照して操作アーム70は、係合部71と、軸方向溝72と、第1穴73と、第2穴74とを有している。係合部71は、カムキャリア40の方向に突出した突起形状を有する部位であり、カムキャリア40の溝43に係合している。係合部71が溝43に係合することで、カムキャリア40の軸線方向の位置は固定される。すなわち、係合部71は、カムキャリア40に係合することでカムキャリア40の軸線方向の位置を固定する機能を有している。なお係合部71が溝43に係合しても、カムキャリア40の回転は抑制されない。
図2(b)および図2(c)を参照して、軸方向溝72は、操作アーム70の外周面に、カム軸30の軸線方向に延伸するように形成された溝である。第1穴73および第2穴74は軸方向溝72の内部に形成されている。第1穴73は、第2穴74よりも第1方向側に配置されている。第1穴73は、大カム42が内燃機関のバルブに対応している場合に、ソレノイド90の後述するピン92が第1穴73に挿入されるような位置に形成されている。第2穴74は、小カム41が内燃機関のバルブに対応している場合に、ピン92が第2穴74に挿入されるような位置に形成されている。なおピン92は、第1穴73または第2穴74への係合が解除された場合、軸方向溝72に係合する。
図2(a)を参照して、リング部材80aは操作アーム70よりも第1方向側に配置され、リング部材80bは操作アーム70よりも第2方向側に配置されている。リング部材80aおよびリング部材80bは、操作軸50の外周面に形成された溝に嵌っている。バネ85aは、リング部材80aと操作アーム70との間に挟まれるように配置されて、操作アーム70を第2方向に付勢している。バネ85bは、リング部材80bと操作アーム70との間に挟まれるように配置されて、操作アーム70を第1方向に付勢している。すなわちバネ85aは操作アーム70を第1方向に付勢する付勢部材としての機能を有し、バネ85bは操作アーム70を第2方向に付勢する付勢部材としての機能を有している。その結果、本実施例に係る操作アーム70は、バネ85aおよびバネ85bによって、軸線方向の両側から付勢力を受けている。
図2(a)を参照して、ソレノイド90は、本体部91とピン92とを備えている。ソレノイド90の本体部91は支持部11dによって支持されている。本体部91の内部には、電磁力発生部93とバネ94とが配置されている。電磁力発生部93は、通電された場合に電磁力を発生する部材である。本実施例においては、電磁力発生部93として、電磁コイルを用いる。なおソレノイド90は、制御装置からの指示を受けて電磁力発生部93への通電開始および通電停止を行う。バネ94は、ピン92を本体部91から突出させる方向に付勢する付勢部材としての機能を有している。ピン92は本体部91から突出した場合に、操作アーム70の第1穴73または第2穴74に係合する。
電磁力発生部93への通電が開始された場合、ピン92は電磁力発生部93が発生する電磁力によって本体部91に没入する方向の力を受ける。その結果、ピン92は本体部91に没入する方向に変位する。この場合、ピン92は軸方向溝72に係合する。電磁力発生部93への通電が停止された場合、ピン92はバネ94からの付勢力を受けて本体部91から突出して操作アーム70の第1穴73または第2穴74に係合する。このように本実施例に係るソレノイド90は、通電が停止された場合にピン92が第1穴73または第2穴74に係合し、通電された場合にピン92の第1穴73または第2穴74への係合が解除される構造を有している。なお本実施例に係るピン92は第1穴73または第2穴74への係合が解除された場合に軸方向溝72に係合しているため、ピン92の第1穴73または第2穴74への係合が解除された場合であっても、操作アーム70の回転(周方向の変位)は抑制されている。
図3(a)、図3(b)、図4(a)および図4(b)は可変動弁装置5の動作を説明するための模式図である。可変動弁装置5は、内燃機関のバルブに対応するカムを切替えるカム切替時において、ソレノイド90のピン92が操作アーム70の第1穴73または第2穴74に係合した状態で操作軸50が軸線方向に変位した後にピン92の第1穴73または第2穴74への係合が解除されるように作動する。
具体的には図3(a)を参照して、バルブに対応したカムを大カム42から小カム41に切替える場合、ピン92が第1穴73に係合した状態で、駆動装置60に作動油が供給される。それにより、操作軸50は第1方向に変位する。但しピン92が第1穴73に係合しているため、操作アーム70が第1方向に変位することは抑制されている。その結果、操作アーム70は、バネ85bから第1方向への付勢力を受ける。次いで図3(b)を参照して、ソレノイド90は、ピン92の第1穴73への係合を解除する。その結果、操作アーム70はバネ85bからの付勢力を受けて第1方向へ変位する。それにより、操作アーム70に係合しているカムキャリア40も第1方向へ変位し、その結果、バルブに対応するカムが小カム41に切替わる。なおバルブに対応するカムが小カム41に切替わった後、ソレノイド90はピン92を第2穴74に係合させる。それにより、操作アーム70の軸線方向の変位を抑制することができる。
図4(a)を参照して、バルブに対応するカムを小カム41から大カム42に切替える場合、ピン92が第2穴74に係合した状態で駆動装置60から作動油が排出される。それにより、操作軸50が第2方向に変位する。但しピン92が第2穴74に係合しているため、操作アーム70の第2方向への変位は抑制されている。その結果、操作アーム70は、バネ85aから第2方向の付勢力を受ける。次いで図4(b)を参照して、ソレノイド90はピン92の第2穴74への係合を解除する。その結果、操作アーム70はバネ85aからの付勢力を受けて第2方向へ変位する。それにより、操作アーム70に係合しているカムキャリア40も第2方向へ変位し、その結果、バルブに対応するカムが大カム42に切替わる。なおバルブに対応するカムが大カム42に切替わった後、ソレノイド90はピン92を第1穴73に係合させる。それにより、操作アーム70の軸線方向の変位を抑制することができる。
以上のように本実施例に係るロッカーアーム100が適用される可変動弁装置5は、小カム41と大カム42とを少なくとも含んだ複数のカムを有するカムキャリア40をカム軸30の軸線方向に変位させることで、内燃機関のバルブに対応するカムの種類を切替えている。なおロッカーアーム100が適用される可変動弁装置5は、これまで説明した構成を有するものに限定されるものではなく、例えば特許文献2に開示されているような螺旋溝を有するタイプの可変動弁装置であってもよい。
続いてロッカーアーム100について説明する。図5(a)はロッカーアーム100を上方側から見た模式図である。図5(b)はロッカーアーム100を横方向(具体的には図5(a)における左方向)から見た模式図である。ロッカーアーム100は、第1ロッカーアーム部101と、第2ロッカーアーム部102と、ローラ軸110と、ローラ120と、変位抑制部材130と、リング部材140aと、リング部材140bとを備えている。本実施例において、ローラ軸110の軸線111の方向(軸線方向)はカム軸30の軸線方向と同じになっている。具体的には、ローラ軸110の軸線方向で第2ロッカーアーム部102から第1ロッカーアーム部101に向かう方向は、第1方向(すなわちカム軸30の軸線方向で小カム41から大カム42に向かう方向)になっている。
図5(b)に示すように、内燃機関は一つの気筒にバルブ200aとバルブ200bとを有している(以下、バルブ200aおよびバルブ200bを総称してバルブと称する)。バルブ200bはバルブ200aの第2方向側に配置されている。なお図1において前述したように、本実施例において、バルブ200aおよびバルブ200bは吸気バルブである。バルブ200aおよびバルブ200bには、それぞれバルブスプリング210およびスプリングリテーナ211が配置されている。バルブスプリング210は、バルブをカムの方向へ付勢する付勢部材としての機能を有している。スプリングリテーナ211は、バルブスプリング210を保持する保持部材としての機能を有している。またバルブ200aおよびバルブ200bはそれぞれ、ポートを開閉する傘部201(傘状に拡径した部分)と、傘部201に接続したステム202(軸状の部分)とを備えた構造を有している。第1ロッカーアーム部101はバルブ200aに対応し、第2ロッカーアーム部102はバルブ200bに対応している。
図5(c)はロッカーアーム100の模式的断面図である。具体的には図5(c)は、第2ロッカーアーム部102をローラ軸110の軸線111を法線とする面で切断した断面を第2方向側から見た様子を模式的に図示している。なお図5(c)においてバルブスプリング210の図示は省略されている。本実施例に係る第2ロッカーアーム部102は、ローラ軸110を挟んだ一方の側(図5(c)では左側)にバルブ200bのステム202の端部(傘部201とは反対側の端部)が当接し、他方の側(図5(c)では右側)にラッシュアジャスタ220が当接している。第1ロッカーアーム部101の断面構造も図5(c)と同様である。すなわち、本実施例に係る第1ロッカーアーム部101も、ローラ軸110を挟んだ一方の側にバルブ200aのステム202の端部が当接し、他方の側にラッシュアジャスタ220が当接している。
図5(a)および図5(b)を参照して、ローラ軸110は第1ロッカーアーム部101と第2ロッカーアーム部102とを連結している。ローラ120は、ローラ軸110の第1ロッカーアーム部101と第2ロッカーアーム部102との間の部分に配置されている。具体的には本実施例に係るローラ120は、ローラ120の第2方向側の側面が第2ロッカーアーム部102の第1方向側の側面に接触するように、ローラ軸110の第1ロッカーアーム部101と第2ロッカーアーム部102との間の部分に配置されている。ローラ120には、大カム42および小カム41が択一的に当接する。またローラ120は、ローラ軸110に対して回転することができる構造を有している。なお仮にローラ120がローラ軸110に対して回転しない構造であったとしても、ロッカーアーム100としての機能を発揮することは可能である。しかしながら、本実施例のようにローラ120がローラ軸110に対して回転することができる構造の方がローラ120とカムとの間の摩擦を軽減できる点において好ましい。
図6(a)は大カム42がローラ120に当接した状態を示す模式図である。図6(b)は小カム41がローラ120に当接した状態を示す模式図である。図6(a)に示すように、大カム42がローラ120に当接した場合、ローラ120はローラ軸110の回りを回転しながら大カム42のカムプロフィールに沿ってバルブの軸線方向(図6(a)および図6(b)では左右方向)に変位する。その結果、第1ロッカーアーム部101および第2ロッカーアーム部102は、大カム42のカムプロフィールに従ってバルブを駆動する。図6(b)に示すように、小カム41がローラ120に当接した場合、ローラ120はローラ軸110の回りを回転しながら小カム41のカムプロフィールに沿ってバルブの軸線方向に変位する。その結果、第1ロッカーアーム部101および第2ロッカーアーム部102は、小カム41のカムプロフィールに従ってバルブを駆動する。なお、図1において前述したように、本実施例においては小カム41のカムプロフィールはバルブリフト量がゼロとなるように設定されているため、小カム41がローラ120に当接してもバルブはリフトしない。その結果、気筒の運転が停止される。
また図6(b)を参照して、ローラ120と第1ロッカーアーム部101との距離(具体的にはローラ120の第1ロッカーアーム部101に対向する面と第1ロッカーアーム部101のローラ120に対向する面との距離)がXaで図示されている。また図6(b)において、大カム42のカム幅(大カム42のカム軸30の軸線方向における長さ)がXbで図示されている。本実施例において、ローラ120と第1ロッカーアーム部101との距離(Xa)は大カム42のカム幅(Xb)よりも大きく設定されている。また本実施例において、小カム41がローラ120に当接している場合に大カム42が変位抑制部材130に接触しないように、変位抑制部材130の径およびローラ120の径は設定されている。
図6(b)を参照して、本実施例に係るローラ120は、第2ロッカーアーム部102に対応したバルブ200bのスプリングリテーナ211よりも、ローラ軸110の軸線方向で第1ロッカーアーム部101側の方向(これは第1方向でもある)にオフセットしている。具体的には、ローラ120の第2ロッカーアーム部102に対向する面を延長した仮想線300がバルブ200bのスプリングリテーナ211に接触しないように、ローラ120の位置が設定されている。
また図6(a)を参照して、本実施例において、第1ロッカーアーム部101に対応したバルブ200aの中心軸203aとローラ120のローラ幅(ローラ120の軸線方向の長さ)の中心との距離(L1)は、第2ロッカーアーム部102に対応したバルブ200bの中心軸203bとローラ120のローラ幅の中心との距離(L2)よりも長く設定されている。
続いて変位抑制部材130について説明する。図5(a)および図5(b)を参照して、変位抑制部材130はローラ軸110に配置されている。変位抑制部材130は、ローラ120がローラ軸110の軸線方向に変位することを抑制する部材である。すなわち本実施例に係る変位抑制部材130は、ローラ120がローラ軸110の軸線方向に変位することを抑制する変位抑制機構としての機能を有している。具体的には本実施例に係る変位抑制部材130は、ローラ軸110のローラ120と第1ロッカーアーム部101との間の部分に配置されている。また変位抑制部材130の第2方向側の面は、ローラ120の第1方向側の面に当接し、変位抑制部材130の第1方向側の面は、第1ロッカーアーム部101の第2方向側の面に当接している。但し変位抑制部材130は、少なくともローラ120に当接していればよく、第1ロッカーアーム部101には当接していなくてもよい。本実施例において変位抑制部材130は筒形状を有しており、いわゆるスリーブである。変位抑制部材130は、ローラ軸110に締まり嵌め状態で嵌合することで、ローラ軸110の軸線方向に変位しないようにローラ軸110に配置されている。このような構造を有することで、本実施例に係る変位抑制部材130は、ローラ軸110と一体となって回転しながらローラ120の軸線方向への変位(具体的にはローラ120の第1方向側への変位)を抑制している。
また変位抑制部材130には穴131が設けられている。それにより、変位抑制部材130の軽量化が図られている。変位抑制部材130の材質としては、鉄系素材(例えば鋼鉄等)、アルミ合金、樹脂等を用いることができる。なお変位抑制部材130の材質は、アルミ合金、樹脂等のように、鉄系素材よりも軽量なものであることが好ましい。この場合、変位抑制部材130を軽量にすることができ、その結果、ロッカーアーム100の運動性能を向上させることができる。本実施例においては変位抑制部材130の材質の一例としてアルミ合金を用いることとする。また変位抑制部材130の摩擦係数は小さいことが好ましい。変位抑制部材130とローラ120との間のフリクションを低減できるからである。
図5(a)および図5(b)を参照して、リング部材140aおよびリング部材140bは、ローラ軸110に配置されている。具体的にはリング部材140aは、ローラ軸110の第1ロッカーアーム部101よりも第1方向側に配置されており、リング部材140bは、ローラ軸110の第2ロッカーアーム部102よりも第2方向側に配置されている。リング部材140aはローラ軸110が第2方向に変位することを抑制し、リング部材140bはローラ軸110が第1方向に変位することを抑制している。すなわちリング部材140aおよびリング部材140bは、ローラ軸110が第1ロッカーアーム部101および第2ロッカーアーム部102に対してローラ軸110の軸線方向に変位することを抑制する部材としての機能を有している。このような機能を有するものであれば、ロッカーアーム100は、リング部材140aおよびリング部材140b以外の構成を備えていてもよい。他の例を挙げると、ロッカーアーム100は、リング部材140aおよびリング部材140bに代えて、例えばリベットを備えていてもよい。
図5(d)はロッカーアーム100のリング部材140aの近傍を拡大して示す模式図である。第1ロッカーアーム部101のローラ軸110が挿通する穴(以下、挿通穴104と称する)の径は、ローラ軸110の挿通穴104に挿通している部分の径よりも所定距離大きく設定されている。つまり本実施例においては、ローラ軸110と挿通穴104との間に遊びが設けられている。なお、挿通穴104の具体的な形状は特に限定されるものではなく、一例を挙げると、断面が真円の穴(すなわち大径穴)や長穴等を採用することができる。一方、第2ロッカーアーム部102のローラ軸110が挿通する穴は、この穴とローラ軸110との間に隙間がほとんど形成されないような穴(つまり遊びが設けられていない穴)になっている。すなわち、本実施例において第2ロッカーアーム部102には挿通穴104に相当する穴は形成されていない。
続いてロッカーアーム100の作用効果について説明する。まず、本実施例に係るロッカーアーム100によれば、ローラ軸110の軸線方向で第2ロッカーアーム部102から第1ロッカーアーム部101に向かう方向はカム軸30の軸線方向で小カム41から大カム42に向かう方向(第1方向)であり、ローラ120はローラ軸110の第1ロッカーアーム部101と第2ロッカーアーム部102との間の部分に配置されていることから、小カム41がローラ120に当接している場合に大カム42が第2ロッカーアーム部102に接触することを抑制することができる(例えば図6(b)参照)。また、ローラ120と第1ロッカーアーム部101との距離(Xa)が大カム42のカム幅(Xb)よりも大きいことから、小カム41がローラ120に当接している場合に大カム42が第1ロッカーアーム部101に接触することも抑制することができる。このように本実施例に係るロッカーアーム100によれば、小カム41がローラ120に当接している場合に大カム42が第1ロッカーアーム部101および第2ロッカーアーム部102に接触することを抑制することができる。
さらに本実施例に係るロッカーアーム100によれば、内燃機関の体格が大きくなることを抑制しつつ大カム42が第1ロッカーアーム部101および第2ロッカーアーム部102に接触することを抑制することもできる。この効果について比較例を用いて具体的に説明すると次のようになる。図7(a)は比較例に係るロッカーアーム400の模式図である。ロッカーアーム400は、第1ロッカーアーム部101に代えて第1ロッカーアーム部401を備えている点と、第2ロッカーアーム部102に代えて第2ロッカーアーム部402を備えている点と、ローラ120に代えてローラ420を備えている点と、変位抑制部材130を備えていない点とにおいて、図5(a)に示す本実施例に係るロッカーアーム100と異なっている。第1ロッカーアーム部401および第2ロッカーアーム部402は、ローラ420を内部に備えている点において、本実施例に係る第1ロッカーアーム部101および第2ロッカーアーム部102と異なっている。
図7(b)は比較例に係る第2ロッカーアーム部402をローラ軸110の軸線方向側から見た模式図である。図7(c)は、比較例に係るロッカーアーム400のローラ420の径を拡大した場合の第2ロッカーアーム部402を、ローラ軸110の軸線方向側から見た模式図である。図7(b)において小カム41がローラ420に当接している。比較例に係るロッカーアーム400において小カムがローラ420に当接している場合、大カム42が回転したときに大カム42が第2ロッカーアーム部402に接触してしまう。具体的には大カム42のノーズ部分が、第2ロッカーアーム部102の上面405に接触してしまう。
ローラ120の径を拡大した場合、大カム42の第2ロッカーアーム部402への接触は抑制することができる。しかしながらこの場合、今度は、ローラ120がスプリングリテーナ211に接触する可能性がある。そこで、図7(c)に示すように、ローラ軸110をバルブ200bから離れる方向へ変位させて、ローラ120のスプリングリテーナ211への接触を抑制する必要がある。その結果、小カム41および大カム42の位置もバルブ200bから離れる方向へ変位してしまう。実際に図7(c)の小カム41および大カム42の回転中心は、図7(b)の小カム41および大カム42の回転中心よりもYだけバルブ200bから離れる方向(上方)に変位している。その結果、比較例に係るロッカーアーム400の場合、内燃機関の体格が大きくなってしまう。具体的には内燃機関の全高が高くなってしまう。
これに対して本実施例に係るロッカーアーム100は、前述したように、大カム42が第1ロッカーアーム部101および第2ロッカーアーム部102に接触することが抑制されているため、比較例のように大カム42のロッカーアーム部への接触を抑制するために、ローラ径を大きくする必要がない。したがって、内燃機関の体格が大きくなることを抑制しつつ大カム42が第1ロッカーアーム部101および第2ロッカーアーム部102に接触することを抑制することができる。図8(a)および図8(b)は、ロッカーアーム100のこの効果を具体的に説明するための模式図である。具体的には図8(a)は図7(b)と同じ図であり、図8(b)は本実施例に係る第2ロッカーアーム部102をローラ軸110の軸線方向側から見た模式図である。図8(b)と図8(a)とを比較した場合、図8(b)の小カム41および大カム42の回転中心は、図8(a)の小カム41および大カム42の回転中心よりもバルブ200bから離れる方向に変位していない。したがって、内燃機関の体格が大きくなることが抑制されている。
また本実施例に係るロッカーアーム100によれば、内燃機関の体格が大きくなることを抑制しつつローラ120の径をさらに拡大することもできる。具体的には、図6(b)において前述したように、本実施例に係るローラ120は、第2ロッカーアーム部102に対応したバルブ200bのスプリングリテーナ211よりもローラ軸110の軸線方向で第1ロッカーアーム部101の側の方向にオフセットしている。そのため、ローラ120の径を図6(b)に図示されている場合よりもさらに拡大した場合であっても、ローラ120がスプリングリテーナ211に接触することが抑制されている。したがって、ローラ軸110をバルブ200bから離れる方向に変位させることなく(つまりローラ軸110の高さを上げることなく)、ローラ120の径をさらに拡大することができる。すなわち、内燃機関の体格が大きくなることを抑制しつつローラ120の径をさらに拡大することができる。
また本実施例に係るロッカーアーム100は次の作用効果も奏することができる。まずロッカーアーム100は、図5(a)、図5(b)等において説明したように、変位抑制部材130(変位抑制機構)をローラ軸110に備えていることから、ローラ120がローラ軸110の軸線方向に変位することを抑制することができる。なお、ロッカーアーム100は、変位抑制部材130を備えていなくてもロッカーアームとしての機能を発揮することは可能である。具体的にはこの場合、例えばローラ120がローラ軸110に締まり嵌め状態で嵌合していれば、ロッカーアーム100が変位抑制部材130を備えていなくても、ローラ120の軸線方向の変位はある程度は抑制できるため、ロッカーアーム100はその機能を発揮することができる。しかしながら、このようにローラ120がローラ軸110に締まり嵌め状態で嵌合していたとしても、ロッカーアーム100が変位抑制部材130を備えていれば、ローラ120の軸線方向への変位をより効果的に抑制することができる。そのため、ロッカーアーム100は変位抑制部材130を備えていた方がよい。
また図6(a)において説明したように、第1ロッカーアーム部101に対応したバルブ200aの中心軸203aとローラ120のローラ幅の中心との距離(L1)は第2ロッカーアーム部102に対応したバルブ200bの中心軸203bとローラ120のローラ幅の中心との距離(L2)よりも長くなっている。そして、図5(d)において説明したように、第1ロッカーアーム部101のローラ軸110が挿通する挿通穴104の径は、ローラ軸110の挿通穴104に挿通する部分の径よりも所定距離大きく設定されている。この構成によれば、第1ロッカーアーム部101に挿通穴104が設けられていることによって、第1ロッカーアーム部101の挿通穴104の位置と第2ロッカーアーム部102のローラ軸110が挿通する穴の位置との位置ずれを吸収することができる。また、この構成によれば、第1ロッカーアーム部101に内燃機関のバルブスプリング210から作用する力を小さくすることもできる。このバルブスプリング210から作用する力の減少について、図を用いて具体的に説明すると次のようになる。
まず、図6(a)を参照して第1ロッカーアーム部101に対応するバルブ200aのバルブスプリング210(なお図6(a)においてバルブスプリング210の図示は省略されている)の力をFs1とし、第2ロッカーアーム部102に対応するバルブ200bのバルブスプリング210の力をFs2とする。また、第1ロッカーアーム部101が2つのバルブスプリング210から受ける力をFb1とし、第2ロッカーアーム部102が2つのバルブスプリング210から受ける力をFb2とする。この場合、下記式(1)〜式(3)の関係が成り立つ。
Fs1×L1=Fs2×L2・・・(1)
Fb1=Fs1+Fs2×(L2/L1)・・・(2)
Fb2=Fs2+Fs1×(L1/L2)・・・(3)
ここで、Fs1とFs2は略同一であると考えられる。また本実施例において、L1>L2の関係が成立している。その結果、式(2)および式(3)から、Fb1<Fb2の関係が得られる。すなわち本実施例によれば、挿通穴104を有する第1ロッカーアーム部101にバルブスプリング210から作用する力(Fb1)を、挿通穴104を有さない第2ロッカーアーム部102にバルブスプリング210から作用する力(Fb2)よりも小さくすることができる。その結果、第1ロッカーアーム部101の挿通穴104が磨耗することを抑制することができる。
なおロッカーアーム100において、ローラ120にカムが当接している場合、2つのバルブ(バルブ200aおよびバルブ200b)のバルブスプリング210の荷重がローラ120に加わることになる。そのため、この荷重を支えるために、ローラ120のローラ幅は、例えば図7(a)に示す比較例に係るロッカーアーム400のローラ420のローラ幅に比較して広くしておくことが好ましい。ところで、このようにローラ幅を広くした場合、それに併せてカム切替時におけるカムキャリア40のカム軸30の軸線方向への変位量も増大させる必要が生じる場合がある。ここで、仮に本実施例に係る可変動弁装置5が、特許文献2に開示されているような、カムキャリアの螺旋溝に駆動ピンを係合させてカムキャリアを軸線方向に変位させる可変動弁装置である場合、カムキャリアの軸線方向の変位量を増大させるためにカムキャリアの螺旋溝の形状や寸法を変更する必要がある。しかしながら、このようなカムキャリアの螺旋溝の形状や寸法の変更は容易とはいえない。これに対して本実施例に係るロッカーアーム100が適用される可変動弁装置5によれば、図1〜図4等で説明したように、特許文献2に係るような螺旋溝を用いることなく、バネ85aおよびバネ85bの付勢力を利用してカムキャリア40を軸線方向に変位させることができるため、カムキャリア40の軸線方向の変位量を増大させることは容易である。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
5 可変動弁装置
30 カム軸
40 カムキャリア
41 小カム
42 大カム
100 ロッカーアーム
101 第1ロッカーアーム部
102 第2ロッカーアーム部
110 ローラ軸
120 ローラ
130 変位抑制部材
200a,200b バルブ

Claims (3)

  1. 小カムと前記小カムよりも径が大きい大カムとを少なくとも含んだ複数のカムを有するカムキャリアをカム軸の軸線方向に変位させる可変動弁装置に適用されるロッカーアームであって、
    内燃機関の2つのバルブのうち一方の前記バルブに対応した第1ロッカーアーム部と他方の前記バルブに対応した第2ロッカーアーム部とを連結するローラ軸に配置され、前記カムキャリアの複数の前記カムが択一的に当接するローラを備え、
    前記ローラ軸の軸線方向で前記第2ロッカーアーム部から前記第1ロッカーアーム部に向かう方向は前記カム軸の前記軸線方向で前記小カムから前記大カムに向かう方向であり、
    前記ローラは前記ローラ軸の前記第1ロッカーアーム部と前記第2ロッカーアーム部との間の部分に配置され、
    前記ローラと前記第1ロッカーアーム部との距離が前記大カムのカム幅よりも大きいことを特徴とするロッカーアーム。
  2. 前記ローラが前記ローラ軸の軸線方向に変位することを抑制する変位抑制機構を前記ローラ軸にさらに備える請求項1記載のロッカーアーム。
  3. 前記第1ロッカーアーム部に対応した前記バルブの中心軸と前記ローラのローラ幅の中心との距離は、前記第2ロッカーアーム部に対応した前記バルブの中心軸と前記ローラの前記ローラ幅の前記中心との距離よりも長くなっており、
    前記第1ロッカーアーム部の前記ローラ軸が挿通する穴の径は、前記ローラ軸の前記第1ロッカーアーム部の前記穴に挿通する部分の径よりも所定距離大きく設定されている請求項1または2に記載のロッカーアーム。
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