JP2014151926A - 地上タンクおよび地上タンクの施工方法 - Google Patents

地上タンクおよび地上タンクの施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】底部近傍における側壁の断面力の低減化を可能とし、かつ、施工性の向上を図ることを可能とした地上タンクおよび地上タンクの施工方法を提案する。
【解決手段】コンクリート製の底版2と、円筒状もしくは略円筒状を呈するコンクリート製の側壁3とを備える地上タンク1であって、側壁3は、底版2と剛結合された第一側壁10と、底版2に対して非剛結合な状態かつ第一側壁10から独立した状態で第一側壁10の外面に沿って形成された第二側壁20とを有し、第一側壁10には、底版2から上方に延びる縦緊張材11と、周方向に沿って設けられた横緊張材12とが配設されており、第二側壁20には、第二側壁20の周方向に沿って設けられた横緊張材21が配設されており、横緊張材21に導入した緊張力で第二側壁20を引き締めることにより、第一側壁10に周方向の圧縮力を作用させた地上タンク1。
【選択図】図1

Description

本発明は、地上タンクおよび地上タンクの施工方法に関する。
LNG、LPG、工業用水等を貯蔵するための従来の地上タンク101は、図4の(a)に示すように、底版102と、底版102に剛結合される側壁103と、側壁103の上端に接続する平板状またはドーム状の外槽屋根(図示省略)とから構成されている。
地上タンク101の構成材料や構造形式は、その用途や規模によって多様に存在するものの、LNG貯蔵用タンク等の比較的大規模で耐久性が要求される場合においては、鉄筋コンクリート構造物として現場施工されているのが一般的である。
このような地上タンク101においては、PCケーブルなどの緊張材104,105が側壁103や底版102の内部に配設されており、所望する緊張力が導入されている。このようにすると、鉄筋量を効果的に低減することができるとともに、ひびわれを防止することができる。
ここで、側壁に埋設される緊張材としては、周方向の緊張材104と縦方向(鉛直方向)の緊張材105がある。
周方向の緊張材104は、側壁103内において側壁103に周方向の圧縮力を付与するものであり、地上タンク101内にLNGやLPG等の液体が収容された際にその液圧Pで側壁の周方向に生じ得る引張力を解消するために配置されている。
縦方向の緊張材105は、曲げ耐力を高めるために配置されるものであり、側壁103の上端から底版102まで延びる態様で埋設されて、側壁103に対して鉛直方向の圧縮力を付与する。
なお、地上タンク101内が空の状態では、周方向の緊張材の圧縮力により、側壁103の内側に圧縮ゾーンが形成された状態となって側壁103に断面力が生じるが、縦方向の緊張材105の圧縮力によりこの断面力に抗することができる。
側壁103は、防液堤とも称され、その下端近傍、すなわち、底版102と接合する箇所からその上方の一定の範囲においては、側壁103の他の部位に比べて大きな断面力(曲げモーメントやせん断力など)が生じる。
そのため、側壁103の下端近傍では、周方向の緊張材104を、他の部位に比べて密に配置する場合がある。
一方、縦方向の緊張材105の本数や緊張力は、側壁103の下端近傍の断面力に対応できるように設定されている。
そのため、側壁103の下端部以外の部位では、縦方向の緊張材105が過大に配置された状態となっていた。
本出願人は、特許文献1に示すように、図4の(b)に示すように、側壁113下端に外側に張り出す段部116を設け、周方向の緊張材114と、底版112から段部116に設けられた下段の緊張材117とを段部に設けることで、縦方向の緊張材115の鋼材量を低減し、材料費および施工に手間の低減化を可能とした、地上タンク111を開発し、実用化に至っている。
特開2011−148530号公報
側壁113に段部116が設けられていると、段部116を備える側壁113の下部と、その他の部位との間で、足場の配置や型枠の形状等が異なり、段部116の施工の前後において、段取り替えが必要となる。そのため、施工に手間がかかってしまう。
また、側壁113の下端部の部材厚が大きくなると、水和熱によるコンクリートの温度上昇(すなわち、温度ひびわれに発生)が懸念されることから、クーリング等の対策を講じるとともに、入念な温度管理が必要になる。
また、側壁113の下端部の部材厚が大きくなると、地上タンク111に収容された液体で冷却されたときの収縮力(温度応力)も大きくなる。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、底部近傍における側壁の断面力の低減化を可能とし、かつ、施工性の向上を図ることを可能とした地上タンクおよび地上タンクの施工方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の地上タンクは、コンクリート製の底版と、円筒状もしくは略円筒状を呈するコンクリート製の側壁とを備えるものであって、前記側壁は、前記底版と剛結合された第一側壁と、前記底版に対して非剛結合な状態かつ前記第一側壁から独立した状態で前記第一側壁の外面に沿って形成された第二側壁とを有し、前記第一側壁には、前記底版から上方に延びる縦緊張材と、周方向に沿って設けられた横緊張材とが配設されており、前記第二側壁には、前記第二側壁の周方向に沿って設けられた横緊張材が配設されており、横緊張材に導入した緊張力で前記第二側壁を引き締めることにより、前記第一側壁に周方向の圧縮力を作用させたことを特徴としている。
かかる地上タンクによれば、壁厚が一定な第一側壁を施工することができるため、施工時の段取り替えが不要となり、施工性が向上する。
また、第一側壁の壁厚を小さくすることが可能になるので、温度応力に起因した曲げ断面力を低減することが可能となる。
また、前記地上タンクにおいて、前記第一側壁の外面と前記第二側壁の内面との間に隙間が形成されており、前記隙間に充填材が充填されていれば、施工時において、第二側壁のコンクリート収縮等による応力が第一側壁に作用することがない。
また、本発明の地上タンクの施工方法は、コンクリート製の底版を形成する工程と、前記底版の上面に円筒状もしくは略円筒状を呈するコンクリート製の第一側壁を形成する工程と、前記第一側壁の外周面に沿って第二側壁を形成する工程とを備えており、前記第一側壁は、前記底版に剛結合させた状態で形成し、前記第二側壁は、前記底版に対して非剛結な状態かつ前記第一側壁から独立した状態で形成し、横緊張材に導入した緊張力で前記第二側壁を引き締めることにより、前記第一側壁に周方向の圧縮力を作用させることを特徴としている。
かかる地上タンクの施工方法によれば、壁厚が一定な第一側壁を施工することができるため、施工時の段取り替えが不要となり、施工性に優れている。
また、第一側壁の壁厚を小さくすることで、温度応力の低減化や曲げ断面力の低減化が可能となる。
また、前記地上タンクの施工方法において、前記第二側壁は、前記第一側壁との間に隙間を有した状態で形成し、前記第二側壁の形成後、前記隙間に充填材を充填するとよい。このようにすると、施工時の第二側壁のコンクリート収縮等による応力が第一側壁に作用することがない。
本発明の地上タンクおよび地上タンクの施工方法によれば、底部近傍における側壁の断面力の低減化が可能となり、かつ、施工性の向上を図ることが可能となる。
本実施形態に係る地上タンクを示す断面図である。 図1に示す地上タンクの一部を示す拡大断面図である。 (a)〜(c)は地上タンクの施工状況を示す断面図である。 (a)および(b)は従来の地上タンクの一部を示す断面図である。
本実施形態の地上タンク1は、図1に示すように、底版2と、側壁3と、屋根4とを備えている。
地上タンク1の内部空間(底版2、側壁3および屋根4により囲まれた空間)には、液体等が収容される。なお、地上タンク1の収容物は限定されるものではなく、例えばLNG、LPG、工業用水等を収容することができる。
底版2は、地盤上に形成された鉄筋コンクリート製の版状体であって、直接基礎を兼ねている。
なお、底版2は、必ずしも基礎を兼ねるものである必要はなく、底版2とは別に基礎構造を構築してもよい。また、地上タンク1の基礎構造として、杭基礎やパイルドラフト基礎を適用してもよい。
底版2は、側壁3の外形状と同等以上の平面形状を有している。なお、底版2の平面形状は限定されるものではなく、例えば円形や正方形等であってもよい。
底版2の厚さは、基礎地盤の土質や、上載荷重(地上タンク1の自重等)に応じて適宜設定する。
底版2には、図示しない放射状の緊張材およびリング状の緊張材が、緊張力が導入された状態で配設されている。緊張材を構成する材料は、限定されるものではなく、例えば、PC鋼より線、PC鋼棒、PC鋼線等により構成すればよい。
なお、底版2内の緊張材は、必要に応じて配置すればよい。
また、底版2には、側壁3(第一側壁10)に配設された縦緊張材11の下端が埋め込まれている。
側壁3は、防液堤を構成する鉄筋コンクリート製の壁体であって、底版2の上面に立設されている。本実施形態の側壁3は円筒状に形成されている。なお、側壁3の形状は、円筒状に限定されるものではなく、例えば楕円形をなす筒状(略円筒状)や多角形をなす筒状(略円筒状)であってもよい。
側壁3は、第一側壁10と第二側壁20とを有している。
第一側壁10は、側壁3の内周側を構成し、防液堤として必要な高さを有している。また、第一側壁10の下端は底版2に剛結合されている。
第一側壁10には、周方向に間隔をあけて所定のピッチで配筋された図示しない縦主筋と、上下方向に間隔をあけて所定のピッチで配筋された図示しない横主筋とを備えている。縦主筋および横主筋は、側壁の外面から所定の被りを確保して配筋されている。縦主筋は、第一側壁10に作用する曲げモーメントが底版2に伝達されるよう(すなわち、第一側壁10が底版2に剛結合されるよう)、底版2に定着されている。
なお、第一側壁10には、必要に応じてせん断補強筋を配筋してもよい。
第一側壁10の内部には、図2に示すように、底版2から上方に延びる縦緊張材11と、周方向に沿って設けられた横緊張材12とが配設されている。
なお、縦緊張材11および横緊張材12を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、PCより線、PC鋼線、PC鋼棒等を使用すればよい。
縦緊張材11は、第一側壁10の厚さ方向の中央付近において、第一側壁10の周方向に間隔をあけて所定のピッチで複数本配設されている。
縦緊張材11は、上下方向に連続して配設されていて、縦緊張材11の下端は、底版2に定着している。本実施形態では、第一側壁10の上端から所定のコンクリート被りを確保した状態で、縦緊張材11が配設されている。
縦緊張材11には、緊張力が導入されていて、第一側壁10に対して鉛直方向の圧縮力(プレストレス)を付与している。こうすることで第一側壁10の曲げ耐力が高められる。
横緊張材12は、第一側壁10内において、縦緊張材11の外側に配設されている。横緊張材12は、第一側壁10の高さ方向に間隔をあけて所定のピッチで複数本配設されている。なお、本実施形態では、第一側壁10の下部であって、第二側壁20に対応する部分では、横緊張材12が省略されているが、横緊張材12は第一側壁10の全高に対して配設されていてもよい。
横緊張材12には緊張力が導入されており、横緊張材12は第一側壁10に周方向の圧縮力(プレストレス)を付与している。こうすることにより、地上タンク1内の液圧P等により第一側壁10の周方向に生じ得る引張力を解消、あるいは、低減することが可能となる。
第二側壁20は、第一側壁10の外面に沿って形成されている。
第二側壁20は、第一側壁10の下部に対応した高さを有して形成されている。つまり、第二側壁20は、上端面が第一側壁10の上端面よりも低くなるように形成されており、側壁3の下端部の段部を構成している。
第二側壁20には、周方向に間隔をあけて所定のピッチで配筋された図示しない縦主筋と、上下方向で所定のピッチで配筋された図示しない横主筋とを備えている。縦主筋および横主筋は、側壁の外面から所定の被りを確保して配筋されている。
なお、第二側壁20には、必要に応じてせん断補強筋を配筋してもよい。
また、第二側壁20は、底版2に対して非剛結合な状態であるとともに、第一側壁10から独立した状態で底版2の上面に立設されている。すなわち、第二側壁20の縦主筋は、底版2に定着されていない。
本実施形態では、底版2と第二側壁20との間に図示しないズレ止め鉄筋が配設されており、底版2と第二側壁20とがピン接合されている。ずれ止め鉄筋は、底版2に入り込んでいるものの、その挿入長さは第二側壁20に作用する曲げモーメントを底版2に伝達しない程度に設定されている。なお、ずれ止め鉄筋は必要に応じて配設すればよい。また、底版2と第二側壁20とをピン接合するために部材は限定されるものではない。
第二側壁20は、第一側壁10の外面との間に隙間を有した状態で形成されている。この第二側壁20と第一側壁10との隙間には、充填材30が充填されている。
第二側壁20には、周方向に沿って複数の横緊張材21が配設されている。横緊張材21は、第二側壁20の高さ方向に間隔をあけて所定のピッチで配設されている。
なお、第二側壁20に配設された横緊張材21の配設ピッチは、第一側壁10に配設された横緊張材12の配設ピッチよりも密になっている。
横緊張材21には緊張力が導入されており、横緊張材21は第二側壁20に周方向の圧縮力を付与している。
横緊張材21に導入した緊張力で第二側壁20を引き締めることにより、第一側壁10に周方向の圧縮力が間接的に作用する。
屋根4は、図1に示すように、側壁3の上部で支持されるドーム状のコンクリート製もしくは鋼製の部材である。屋根4を構成する材料は限定するものではない。また、屋根4の形状も限定されるものではなく、例えば平板状に形成する等、側壁3の形状や収容物等に応じて適宜形成すればよい。
次に、地上タンク1の施工方法について説明する。
地上タンク1の施工方法は、底版形成工程と、第一側壁形成工程と、第二側壁形成工程とを備えている。
底版形成工程は、図3の(a)に示すように、コンクリート製の底版2を形成する工程である。
第一側壁10の位置に対応して、底版2の上面から第一側壁10の縦主筋の一部となる鉄筋2aを突出させるとともに、縦緊張材11を構成するPC部材11aの下端を底版2に埋め込む。つまり、底版2の上面には、PC部材11aが植設されている。なお、鉄筋2aは必ずしも突設しておく必要はない。また、PC部材11aは、第一側壁形成工程において配設してもよい。
第一側壁形成工程は、図3の(b)に示すように、底版2の上面に円筒状を呈するコンクリート製の第一側壁10を形成する工程である。
底版2の上面に突設された鉄筋2aに第一側壁10の縦主筋となる鉄筋2bをつなぎ、鉄筋2a,2bおよびPC部材11aを巻き込んだ状態でコンクリートを打設することで、底版2と剛結合された第一側壁10が形成される。
第一側壁10の施工は、PC部材11aおよび鉄筋を縦方向に順次連結しながら行い、所定の長さの縦緊張材11および縦主筋を形成する。なお、縦緊張材11は、必ずしも複数のPC部材11aにより構成されている必要はない。また、縦主筋も同様である。
また、第一側壁10の施工は、第一側壁10の側面に沿って形成された仮設足場40を増設しながら行う。
第一側壁10が所定の形状に形成されたら、縦緊張材11および横緊張材12に緊張力を導入する。
第二側壁形成工程は、図3の(c)示すように、第一側壁10の外周面に沿って円筒状を呈する第二側壁20を形成する工程である。第二側壁形成工程は、仮設足場40を解体した後に行う。
第二側壁20は、第一側壁10との間に隙間31を有した状態で形成する。
第二側壁20は、底版2の上面にずれ止め筋(ピン)を植設した後、鉄筋および型枠を配設して、コンクリートを打設することにより形成する。なお、ずれ止め筋は、底版2の施工時に植設しておいてもよい。
第二側壁20のコンクリートの養生後、所定の強度が発現したら、横緊張材21に緊張力を導入する。
横緊張材21への緊張力の導入後、第一側壁10と第二側壁20との間の隙間に充填材30を充填する(図2参照)。充填材30を構成する材料は限定されないが、例えば、無収縮モルタル等からなる。
本実施形態の地上タンク1および地上タンクの施工方法によれば、第一側壁10の外周面に沿って第二側壁20が形成されているため、側壁3の下部に生じる大きな断面力(曲げモーメントやせん断力など)に対して十分な耐力を備えている。
つまり、第二側壁20により、側壁3の下部に生じる断面力に抵抗し得る壁厚が確保されるとともに、横緊張材21で第二側壁20を引き締めることにより、第一側壁10に圧縮力が付与される。
また、第二側壁20は、第一側壁10と独立した状態で形成されているため、地上タンク1内が空の状態のときには、第二側壁20の拘束が弱まり、したがって、第一側壁10に導入される圧縮力は小さくなる。地上タンク1内が空のときに第一側壁10に導入される圧縮力が小さくなれば、第一側壁10に発生する断面力が小さくなる。一方、地上タンク1に液体が貯留されると第一側壁10が拡径するが、第一側壁10が拡径すると、第二側壁20によって拘束され、第一側壁10に圧縮力が作用するようになるので、内圧に起因して第一側壁10に発生する引張力を解消又は抑制することができる。
そのため、側壁3の下部において、縦緊張材21を密に配設する必要がなく、経済的な構造を構築することができる。
また、第二側壁20が第一側壁10から独立しているので、第一側壁10内の液体によって第一側壁10が冷やされ、第一側壁が縮径しても、その影響が第二側壁20に伝わり難くなる。
第二側壁20の横緊張材21による圧縮力は、第一側壁10に間接的に導入されるため、第一側壁10の壁厚を小さくすることができる。
そのため、水和熱によるコンクリートの温度上昇による温度ひびわれが発生するおそれがないとともに、地上タンクに収容された液体で冷却されたときの収縮力(温度応力)が大きくなることもない。
また、第一側壁10を壁厚が一定な状態で施工することができるため、施工時の足場等の段取り替えが不要となり、施工性に優れているとともに、工期短縮を図ることができる。第一側壁10を早期に構築できれば、タンク内部の機械工事(内構造等の構築工事)を早期に開始することができる。
なお、第二側壁20は、機械工事と並行して行うことができるので、全体工期に影響が及ぶことなく施工することができる。つまり、第二側壁20の施工の時期は、必ずしも第一側壁10の施工と同時期あるいは連続している必要はなく、任意の時期に設定することができるため、作業の効率化を図ることができる。
また、第一側壁の壁厚を小さくすることが可能になるので、温度応力に起因した曲げ断面力を低減することが可能となる。
また、第一側壁10の外面と第二側壁20の内面との間に隙間31を有した状態で第二側壁20を施工するため、施工時の第二側壁20のコンクリート収縮等による応力が、第一側壁10に作用することがない。
第二側壁20の横緊張材21の圧縮力の大きさは、第一側壁10と第二側壁20との接続構造により任意に設定することが可能である。
以上、本発明に係る実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
前記実施形態では、第一側壁10と第二側壁20との間に隙間を有した状態で第二側壁20を形成する場合について説明したが、第二側壁20は、第一側壁10に当接させた状態(第一側壁10と第二側壁20との間で径方向の引張力が伝わらない状態)で形成してもよい。
1 地上タンク
2 底版
3 側壁
10 第一側壁
11 縦緊張材
12 横緊張材
20 第二側壁
21 横緊張材
30 充填材

Claims (4)

  1. コンクリート製の底版と、円筒状もしくは略円筒状を呈するコンクリート製の側壁と、を備える地上タンクであって、
    前記側壁は、前記底版と剛結合された第一側壁と、前記底版に対して非剛結合な状態かつ前記第一側壁から独立した状態で前記第一側壁の外面に沿って形成された第二側壁と、を有し、
    前記第一側壁には、前記底版から上方に延びる縦緊張材と、周方向に沿って設けられた横緊張材と、が配設されており、
    前記第二側壁には、前記第二側壁の周方向に沿って設けられた横緊張材が配設されており、
    横緊張材に導入した緊張力で前記第二側壁を引き締めることにより、前記第一側壁に周方向の圧縮力を作用させたことを特徴とする、地上タンク。
  2. 前記第一側壁の外面と前記第二側壁の内面との間に隙間が形成されており、前記隙間に充填材が充填されていることを特徴とする、請求項1に記載の地上タンク。
  3. コンクリート製の底版を形成する工程と、
    前記底版の上面に円筒状もしくは略円筒状を呈するコンクリート製の第一側壁を形成する工程と、
    前記第一側壁の外周面に沿って第二側壁を形成する工程と、を備える地上タンクの施工方法であって、
    前記第一側壁は、前記底版に剛結合させた状態で形成し、
    前記第二側壁は、前記底版に対して非剛結な状態かつ前記第一側壁から独立した状態で形成し、
    横緊張材に導入した緊張力で前記第二側壁を引き締めることにより、前記第一側壁に周方向の圧縮力を作用させることを特徴とする、地上タンクの施工方法。
  4. 前記第二側壁は、前記第一側壁との間に隙間を有した状態で形成し、前記第二側壁の形成後、前記隙間に充填材を充填する工程を備えていることを特徴とする、請求項3に記載の地上タンクの施工方法。
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