JP5966032B1 - タンク、タンクの構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】側壁を効率良く確実に補強できるタンク等を提供する。【解決手段】LNGタンクでは、底版5上に防液堤2が固定される。防液堤2には周方向PC鋼材11と縦方向PC鋼材13が設けられる。縦方向PC鋼材13の上端部は、周方向PC鋼材11によるプレストレスにより防液堤2に生じる鉛直面内の曲げモーメントによって防液堤2に発生する引張応力が、防液堤2のコンクリートの引張強度と同等となる箇所の高さ位置A、A’、A”のうち最も上にある高さ位置Aの近傍において定着される。【選択図】図5

Description

本発明は、タンクおよびタンクの構築方法に関する。
LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)などの低温の液体を貯留する設備として、PC(プレストレストコンクリート)タンクが用いられることがある。
図15は、PCタンクとして、LNGを貯留するLNGタンク100の例を示したものである。LNGタンク100は、地盤7中の杭4で支持された底版5上に防液堤6を固定し、その内側に鋼板等による内槽3aと外槽3bを設けたものである。LNGは内槽3aにて貯留し、内槽3aと外槽3bの間に断熱材を配置して保冷を行う。
防液堤6は、内槽3aが破損した場合にLNGの外部への液漏れを防ぐために設けられるコンクリート製の側壁であり、通常円筒状である。防液堤6はLNGの液圧に耐え得る構造とする必要があり、そのため周方向の緊張材(不図示)によるプレストレスが導入される。
防液堤に周方向のプレストレスを導入することで液圧に抵抗できるが、防液堤は、常時はタンク内部から液圧がかかっていない状態にある。このため、防液堤には周方向のプレストレスによる鉛直面内の曲げモーメントが加わり、ひび割れ等の原因となる恐れがある。
これを抑制するため、防液堤に縦方向の緊張材を別に設けて追加のプレストレスを導入し、補強を行うことがある(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2005-350092号公報 特開2011-148530号公報
このようなタンクでは、より効率良く且つ確実に防液堤の補強を行えることが望ましく、そのための方策が求められている。
本発明は、側壁を効率良く確実に補強できるタンク等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、底版と、前記底版上に形成されたコンクリート製の筒状の側壁とを備えたタンクであって、前記側壁の底部に設けられた縦方向の緊張材と、前記側壁に設けられた周方向の緊張材と、を有し、前記縦方向の緊張材の上端部、前記周方向の緊張材によるプレストレスにより前記側壁に生じる鉛直面内の曲げモーメントによって前記側壁に発生する引張応力が、前記側壁のコンクリートの引張強度と同等となる箇所の高さ位置であって最も上にあり、且つ前記引張応力が前記側壁の内側側面近傍に生じている高さ位置の近傍において定着されたことを特徴とするタンクである。
本発明では、縦方向の緊張材の上端部を上記した位置で定着することで、周方向の緊張材によるプレストレスによって側壁に大きな曲げモーメントが生じる区間に縦方向の緊張材を配置し、側壁を効率良く確実に補強できるようになる。
前記側壁の底部は、その上方にある前記側壁の中間部に対し外側に拡幅した形状となっていることが望ましい。例えば、前記側壁の底部の外側側面は、下方に行くに従って外側へと向かうように直線状に傾斜する。
これにより、縦方向の緊張材を外側に偏心して配置するためのスペースを側壁の底部に確保でき、側壁の底部において効果的な補強を行うことが可能になる。
前記縦方向の緊張材の上端部は、例えば前記中間部で定着される。
縦方向の緊張材の上端部は、側壁に生じる曲げモーメントに応じて様々な高さで定着され、例えば側壁の中間部で定着される。
前記縦方向の緊張材は、前記側壁の中間部と前記側壁の底部の境界近傍で外側に屈曲していることが望ましい。
これにより、側壁の底部において縦方向の緊張材を外側に偏心して配置できるようになり、底部の補強効果を高めることができる。
前記縦方向の緊張材の上端部は、前記中間部において、前記側壁の厚さ方向の中心に配置されることが望ましい。さらに、前記縦方向の緊張材は、前記周方向の緊張材の内側に配置されることが望ましい。
縦方向の緊張材は、側壁内の内側部分に配置される補強筋や、側壁内に配置される周方向の緊張材等との兼ね合いも考慮し、側壁を効果的に補強できる上記のような位置に配置される。
複数の前記縦方向の緊張材の上端部が、略同じ高さで定着されていることが望ましい。
これにより、複数の縦方向の緊張材の定着位置まで側壁を構築した後、これら複数の緊張材の定着が一度にできるようになり、施工性が高まる。
前記縦方向の緊張材は、例えばU字状に折り返される。また、U字状に折り返された前記縦方向の緊張材の両端の間に、直線状の別の縦方向の緊張材が配置されていてもよい。
縦方向の緊張材の形状は施工性や補強目的に応じて様々に定めることができる。例えば緊張材をU字状とすることで、少ない本数で充分な密度に緊張材を配置でき、施工の手間も省略できる。また、U字状の緊張材の間に直線状の縦方向の緊張材を別に配置することで、緊張材の密度を高めることもできる。
前記縦方向の緊張材は、前記側壁の底面において、前記側壁の厚さ方向の中心よりも外側に配置されることが望ましい。
このように縦方向の緊張材を外側に偏心させることで、側壁の底部において高い補強効果が得られる。
前記縦方向の緊張材の下端部は、例えば前記底版に埋設される。あるいは、前記縦方向の緊張材の下端部が前記側壁の底部に埋設され、前記別の縦方向の緊張材の下端部が前記底版に埋設され、前記別の縦方向の緊張材の上端部が、前記縦方向の緊張材と高さ位置において重複する。
縦方向の緊張材の下端部の位置も、前記と同様施工性や補強目的に応じて様々に定めることができ、例えば緊張材の下端部を底版に埋設したり、側壁の底部に埋設したりすることが可能である。
前記側壁がプレキャストブロックを含み、前記縦方向の緊張材の両端が前記プレキャストブロックに定着され、前記縦方向の緊張材によるプレストレスが前記プレキャストブロックに導入されていることも望ましい。
予め縦方向の緊張材によるプレストレスを導入したプレキャストブロックを用いることで、側壁の施工を容易に行うことができる。
また、前記側壁の頂部に縦方向の緊張材が設けられることも望ましい。
これにより、側壁の頂部を補強することができる。
第2の発明は、底版上にコンクリート製の筒状の側壁を形成するタンクの構築方法であって、前記側壁の底部に縦方向の緊張材を設け、前記側壁に周方向の緊張材を設け、前記縦方向の緊張材の上端部を、前記周方向の緊張材によるプレストレスにより前記側壁に生じる鉛直面内の曲げモーメントによって前記側壁に発生する引張応力が、前記側壁のコンクリートの引張強度と同等となる箇所の高さ位置であって最も上にあり、且つ前記引張応力が前記側壁の内側側面近傍に生じている高さ位置の近傍において定着することを特徴とするタンクの構築方法である。
本発明により、側壁を効率良く確実に補強できるタンク等を提供することができる。
LNGタンク1の防液堤2を示す図 縦方向PC鋼材13を示す図 縦方向PC鋼材13の配置を示す図 縦方向PC鋼材13の配置を示す図 周方向PC鋼材11によって防液堤2に生じる曲げモーメントを示す図 防液堤2の構築方法を示す図 防液堤2aの底部21近傍を示す図 防液堤2bの底部21近傍を示す図 防液堤2cの底部21近傍を示す図 防液堤2dの底部21近傍を示す図 プレキャストブロック10を示す図 LNGタンク1aの防液堤2eを示す図 周方向PC鋼材11によって防液堤2eに生じる曲げモーメントを示す図 LNGタンク1bの防液堤2fを示す図 LNGタンク100を示す図
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(1.LNGタンク1)
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るLNGタンク1の一部を示す図であり、防液堤2の厚さ方向の断面構成を示す図である。図1(b)は防液堤2の底部21付近を示す図である。
LNGタンク1は、図15等で説明したLNGタンク100と同様、底版5上に防液堤2を固定し、その内側に内槽(不図示)と外槽3bを設けたものである。前記したように、防液堤2は円筒状の側壁であり、内槽が破損した場合にLNGの外部への液漏れを防ぐため設けられる。防液堤2は所定の引張強度を有するコンクリートによって構築される。
防液堤2の底部21は、その上方にある厚さ一定の中間部22に対して外側に拡幅した形状となっている。底部21の外側側面は、下方に行くに従って外側へと向かうように、鉛直方向に対して直線状に傾斜する。ここで、外側側面とはタンク外側の側面をいうものとし、タンク内側の側面は内側側面というものとする。
防液堤2内には、防液堤2の周方向の緊張材である周方向PC鋼材11と、縦方向の緊張材である縦方向PC鋼材13が設けられる。周方向PC鋼材11と縦方向PC鋼材13は、それぞれシース管15、16(図1(b)参照)に通して配置される。なお、防液堤2内では、補強筋(不図示)等も縦方向PC鋼材13の内側部分などで設けられる。
周方向PC鋼材11は間隔を空けて上下に複数配置され、防液堤2の底部21から頂部23まで全高さに渡って設けられる。
縦方向PC鋼材13は前記した防液堤2の補強目的のため設けられ、周方向PC鋼材11の内側に配置される。
縦方向PC鋼材13は、防液堤2の底部21から中間部22の下部までの区間(以下、補強区間ということがある)に設けられる。縦方向PC鋼材13の上端部は、定着体などの定着部131(図1(b)参照)によって防液堤2の中間部22の下部で定着される。本実施形態では、この補強区間より上では縦方向PC鋼材が配置されない。
図1(b)に示すように、縦方向PC鋼材13の上端部は、防液堤2の中間部22の厚さ方向の中心に配置される。縦方向PC鋼材13は、中間部22において鉛直方向に配置されるが、底部21と中間部22の境界近傍で外側に屈曲し、底部21では下に行くに従って外側に向かうように鉛直方向に対して直線状に傾斜する。防液堤2の底面では縦方向PC鋼材13が防液堤2の厚さ方向の中心より外側に偏心して配置されており、縦方向PC鋼材13の下端部は底版5内に埋設される。
図2は縦方向PC鋼材13を示す正面図である。縦方向PC鋼材13は、折り返し部分(縦方向PC鋼材13の下端部)でU字状に折り返され、両端(縦方向PC鋼材13の上端部)が定着部131によって前記した位置で定着される。
図3は防液堤2の底部21近傍を外側から見た図であり、防液堤2の周方向(図の左右方向に対応する)の縦方向PC鋼材13の配置を示したものである。図3に示すように、本実施形態では、複数の縦方向PC鋼材13が、防液堤2の周方向の位置において互いに重複している。図3の例では、1本の縦方向PC鋼材13について、最大で片側あたり2本ずつ計4本の縦方向PC鋼材13が重複している。また、図3に示す複数のPC鋼材13の上端部は、防液堤2の中間部22の下部に略同じ高さで定着される。
図4は図3と同じ範囲を示す斜視図である。本実施形態では、隣り合う縦方向PC鋼材13の下端部が互いに干渉しないように、一部の縦方向PC鋼材13の下端部を前方あるいは後方に折り曲げ、前後にずらして配置している。
例えば、図4に示す縦方向PC鋼材13−1の下端部は折り曲げないが、その右隣の縦方向PC鋼材13−2の下端部は後方に折り曲げられ、左隣の縦方向PC鋼材13−3の下端部は前方に折り曲げられる。
(2.防液堤2の曲げモーメント)
図5(a)は、周方向PC鋼材11によるプレストレスによって防液堤2に生じる鉛直面内の曲げモーメントを示す図である。図の縦軸は底版5からの高さであり、図の横軸は曲げモーメントの大きさを示す。横軸は、右に行くほどタンク内側方向の曲げモーメントが大きく防液堤2の外側側面の引張応力が大きくなり、左へ行くほどタンク外側方向の曲げモーメントが大きく防液堤2の内側側面の引張応力が大きくなることを示す。
図5(a)に示すように、底版5近傍では防液堤2にタンク内側方向の大きな曲げモーメントが生じるが、そこから高くなるにつれ、曲げモーメントの値は徐々に小さくなり、タンク外側方向の曲げモーメントへと転じてその値が増加し、ある高さ位置でピークとなる。そこからさらに高い位置になると、タンク外側方向の曲げモーメントは徐々に小さくなり、以降は0に近い値となる。
図5(a)のA、A’、A”は、上記の曲げモーメントによって防液堤2に発生する引張応力が、防液堤2のコンクリートの引張強度と同等となる箇所の高さ位置を示している。A”の位置では、防液堤2の外側側面近傍の引張応力が防液堤2のコンクリートの引張強度と同等となり、A、A’の位置では、防液堤2の内側側面近傍の引張応力が防液堤2のコンクリートの引張強度と同等となる。
本実施形態では、上記のA、A’、A”のうち最も上にある高さ位置Aの近傍において縦方向PC鋼材13の上端部が定着される。これにより、防液堤2に大きな曲げモーメントが生じる区間(防液堤2の補強区間)を効率良く且つ確実に補強することができる。前記したように縦方向PC鋼材13の上端部は防液堤2の中間部22の下部で定着されるが、この定着位置は、図5(b)に示すように上記の高さ位置Aに対応したものである。
(3.LNGタンク1の構築方法)
次に、図6を参照してLNGタンク1の構築方法について説明する。ここでは防液堤2の構築手順について主に説明する。
本実施形態では、図6(a)に示すように底版5をコンクリートにより構築し、底版5の上方で、前記した補強区間分の防液堤2を構築する。
防液堤2は現場打ちコンクリートやコンクリート製のプレキャストブロックを用いて構築されるが、ここでは現場打ちコンクリートによって防液堤2を構築するものとする。コンクリートは、補強区間の上端、すなわち縦方向PC鋼材13の上端部の定着位置まで上下数ロットに分けて打設する。
防液堤2と底版5のコンクリートには、縦方向PC鋼材13を通すためのシース管16が埋設される。また、防液堤2のコンクリートには周方向PC鋼材11を通すためのシース管15やその他の補強筋(不図示)等も埋設される。
次に、図6(b)に示すように縦方向PC鋼材13をシース管16に通して配置し、縦方向PC鋼材13の緊張を行い上端部を定着部131によってコンクリートの上面に定着する。これにより、防液堤2の補強区間のコンクリートに縦方向のプレストレスが導入される。
その後、図6(c)に示すように下から上へと防液堤2の頂部23までコンクリートを順次打設する。前記と同様コンクリートは数ロットに分けて打設され、コンクリートには前記したシース管15やその他の補強筋等も埋設される。
続いて、図6(d)に示すように周方向PC鋼材11をシース管15に通して配置し、周方向PC鋼材11の緊張を行って防液堤2に周方向のプレストレスを導入する。周方向PC鋼材11の両端は防液堤2に設けたピラスター(不図示)に定着される。こうして防液堤2が構築される。この他前記した内槽や外槽3b等の施工も併せて行うことにより、LNGタンク1が構築される。
以上説明したように、本実施形態によれば、縦方向PC鋼材13の上端部を防液堤2の中間部22の下部の前記した高さ位置Aで定着することで、周方向PC鋼材11によるプレストレスによって防液堤2に大きな曲げモーメントが生じる区間に縦方向PC鋼材13を配置し、防液堤2を効率良く確実に補強できるようになる。
また、防液堤2の底部21は、その上方にある中間部22に対し外側に拡幅した形状となっており、底部21の外側側面は、下方に行くに従って外側へと向かうように直線状に傾斜する。縦方向PC鋼材13は中間部22と底部21の境界近傍で外側に屈曲し、防液堤2の底面において、防液堤2の厚さ方向の中心よりも外側に配置される。防液堤2の底部21では主にタンク内側方向の曲げモーメントが生じるので、防液堤2の底部21を外側に拡幅させ、これにより確保された拡幅部分のスペースを利用して縦方向PC鋼材13を外側に偏心して配置することで、防液堤2の底部21において高い補強効果が得られる。
ただし、縦方向PC鋼材13の配置や防液堤2の底部22の形状は上記に限らない。例えば縦方向PC鋼材13を屈曲させずに配置することも場合によっては考えられる。また防液堤2の底部22を段状に拡幅させたり、あるいは拡幅させずに中間部22と同等の厚みとしたりすることも可能である。
本実施形態では、縦方向PC鋼材13の配置が、防液堤2内の内側部分に配置される補強筋や、防液堤2内に配置される周方向PC鋼材11等との兼ね合いも考慮し、防液堤2が効果的に補強できるように定められる。例えば、縦方向PC鋼材13を周方向PC鋼材11より内側に配置することで周方向PC鋼材11をスムーズにピラスターに定着することができる。ただし、縦方向PC鋼材13を周方向PC鋼材11より外側に配置することもでき、その場合縦方向の補強効果が高まる。
また防液堤2の中間部22の下部では底部21と異なり主にタンク外側方向の曲げモーメントが生じるので、縦方向PC鋼材13はより内側にあることが望ましいが、防液堤2内の内側部分では補強筋等の配筋も行われる。このような補強筋の配置も勘案すると、縦方向PC鋼材13は中間部22では防液堤2の厚さ方向の中心に配置するのがよい。ただし、可能であれば防液堤2の厚さ方向の中心より内側に配置することもできる。
本実施形態では、複数の縦方向PC鋼材13の上端部が略同じ高さで定着されるので、この定着位置まで防液堤2を構築した後、これら複数の縦方向PC鋼材13の定着が一度にできるようになり、施工性が高まる。さらに、縦方向PC鋼材13はU字状の形状を有するので、少ない本数で充分な密度にPC鋼材を配置でき、施工の手間も省略できる。
なお、本実施形態ではLNGタンク1の防液堤2の例を示したが、本発明は筒状の側壁を有するタンクであればLNGタンク1に限らず適用でき、例えばLPGタンク等のPCタンクやその他の各種タンクにも適用可能である。
以下、本発明のその他の例を第2〜第8の実施形態として説明する。各実施形態はそれまでに説明した実施形態と異なる点について主に説明し、同様の点については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明した構成は必要に応じて組み合わせて用いることが可能である。
[第2の実施形態]
図7は第2の実施形態に係る防液堤2aの底部21近傍を外側から見た図であり、縦方向PC鋼材13、14の防液堤2aの周方向の配置を示したものである。
図7に示すように、第2の実施形態でも第1の実施形態と同様のU字状の縦方向PC鋼材13が配置されるが、縦方向PC鋼材13の密度(防液堤2aの周方向の単位長さあたり本数)は第1の実施形態に比べて低くなっている。しかし本実施形態では、別のU字状の縦方向PC鋼材14を追加して配置することで、防液堤2aの底部21においてPC鋼材の密度が高められる。
縦方向PC鋼材14は縦方向PC鋼材13よりも上下の長さが短く、U字状の縦方向PC鋼材14の両端(縦方向PC鋼材14の上端部)が防液堤2aの底部21と中間部22の境界近傍で定着部141にて定着される。縦方向PC鋼材14の折り返し部分(縦方向PC鋼材14の下端部)は底版5内に埋設される。なお、防液堤2aの底部21は第1の実施形態と同様外側に拡幅しており、縦方向PC鋼材14は、下に行くに従って外側に向かうように鉛直方向に対し傾斜して配置される。
[第3の実施形態]
図8は第3の実施形態に係る防液堤2bの底部21近傍を外側から見た図であり、縦方向PC鋼材13、14aの防液堤2bの周方向の配置を示したものである。
図8に示すように、第3の実施形態でも第1の実施形態と同様のU字状の縦方向PC鋼材13が配置されるが、第2の実施形態と同様、縦方向PC鋼材13の密度は第1の実施形態より低い。
本実施形態では、防液堤2bの底部21において、U字状の縦方向PC鋼材13の両端の間に直線状の別の縦方向PC鋼材14aを配置することで、第2の実施形態と同様、PC鋼材の密度が高められる。
縦方向PC鋼材14aの上端部は防液堤2bの底部21と中間部22の境界近傍で定着部141により定着され、縦方向PC鋼材14aの下端部は防液堤2bの底面で定着部141により定着される。なお、防液堤2bの底部21も第1の実施形態と同様外側に拡幅しており、縦方向PC鋼材14aは、前記した縦方向PC鋼材14と同様、下に行くに従って外側に向かうように鉛直方向に対し傾斜して配置される。
[第4の実施形態]
図9は第4の実施形態に係る防液堤2cの底部21近傍を外側から見た図であり、縦方向PC鋼材13a、14aの防液堤2cの周方向の配置を示したものである。
図9に示す縦方向PC鋼材13aは、下端部が防液堤2cの底部21に埋設される点で前記の縦方向PC鋼材13と異なっている。
また第4の実施形態では、防液堤2cの底部21において、第3の実施形態と同様の縦方向PC鋼材14aがU字状の縦方向PC鋼材13aの両端の間に配置され、これにより防液堤2cの底部21の補強を好適に行うことができる。縦方向PC鋼材14aの上端部の高さ位置は、縦方向PC鋼材13aと重複している。
[第5の実施形態]
図10は第5の実施形態に係る防液堤2dの底部21近傍を外側から見た図であり、縦方向PC鋼材13bの防液堤2dの周方向の配置を示したものである。
図10に示すように、第5の実施形態では、第1の実施形態などと同様の補強区間において、直線状の縦方向PC鋼材13bが設けられる。縦方向PC鋼材13bの上端部は防液堤2dの中間部22の下部において定着部131で定着される。縦方向PC鋼材13bの下端部は防液堤2dの底面に定着部131で定着される。その他は前記の縦方向PC鋼材13と略同様である。
第2〜第5の実施形態のように、縦方向PC鋼材の形状や下端部の位置なども様々に定めることができ、施工性や補強目的に応じて適当なものとできる。
[第6の実施形態]
第6の実施形態は、第5の実施形態の防液堤2dの補強区間をプレキャストブロックにより構築する例である。図11はこのプレキャストブロック10(以下、ブロックということがある)を厚さ方向に見た図である。
図11に示すように、第6の実施形態ではブロック10が上下に複数重ねられており、各ブロック10には、縦方向PC鋼材13bの形状に沿って縦方向に連続するようにシース管16が設けられる。なお、各ブロック10には周方向PC鋼材11を通すためのシース管15やその他の補強筋(不図示)なども設けられる。
本実施形態では、上下のブロック10で連続するシース管16内に縦方向PC鋼材13bが通され、これにより上下のブロック10に縦方向のプレストレスが予め導入され、上下のブロック10が一体化される。縦方向PC鋼材13bの上端部は上端のブロック10の上面に定着部131で定着される。縦方向PC鋼材13bの下端部は下端のブロック10の下面に定着部131で定着される。
第6の実施形態では、縦方向PC鋼材13bにより予めプレストレスが導入され一体化されたこれらのブロック10を配置することで防液堤2dの補強区間が構築され、これにより施工が省力化される。
なお、ブロックの構成は上記に限らず様々に定めることができ、防液堤に加わる力その他を考慮して適当なものとすればよい。
[第7の実施形態]
図12は第7の実施形態に係るLNGタンク1aの防液堤2eを示す図である。第7の実施形態では、防液堤2e内に第1の実施形態と同様の周方向PC鋼材11が設けられるが、縦方向PC鋼材13cによる補強区間が短く、その上端部が防液堤2eの底部21内で定着されている。
図13(a)は、第7の実施形態において、周方向PC鋼材11によるプレストレスにより防液堤2eに生じる鉛直面内の曲げモーメントを図5(a)と同様に示す図である。
本実施形態でも図5(a)と同様の曲げモーメントの変化となるが、全体的に曲げモーメントの値が小さく、Bに示す高さ位置でのみ、曲げモーメントによって防液堤2eに発生する引張応力が防液堤2eのコンクリートの引張強度と同等となる箇所が生じる。Bの位置では、防液堤2eの外側側面近傍の引張応力が防液堤2eのコンクリートの引張強度と同等となり、それより上では曲げモーメントによって防液堤2eに発生する引張応力が防液堤2eのコンクリートの引張強度を超えないようになっている。
そのため、本実施形態では、高さ位置Bの近傍において縦方向PC鋼材13cの上端部が定着される。前記したように縦方向PC鋼材13cの上端部は防液堤2eの底部21で定着されるが、この定着位置は、図13(b)に示すように上記の高さ位置Bに対応したものとなっている。
[第8の実施形態]
図14は第8の実施形態に係るLNGタンク1bの防液堤2fを示す図である。第8の実施形態では、防液堤2f内に第1の実施形態と同様の周方向PC鋼材11と縦方向PC鋼材13が設けられるほか、防液堤2fの頂部23に縦方向PC鋼材17がさらに設けられる。これにより、防液堤2fの頂部23の耐力を高めることが可能である。
以上、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、1b、100;LNGタンク
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、6;防液堤
21;底部
22;中間部
23;頂部
3a;内槽
3b;外槽
4;杭
5;底版
7;地盤
10;プレキャストブロック
11;周方向PC鋼材
13、13a、13b、13c、14、14a、17;縦方向PC鋼材
131、141;定着部
15、16;シース管

Claims (16)

  1. 底版と、前記底版上に形成されたコンクリート製の筒状の側壁とを備えたタンクであって、
    前記側壁の底部に設けられた縦方向の緊張材と、
    前記側壁に設けられた周方向の緊張材と、
    を有し、
    前記縦方向の緊張材の上端部、前記周方向の緊張材によるプレストレスにより前記側壁に生じる鉛直面内の曲げモーメントによって前記側壁に発生する引張応力が、前記側壁のコンクリートの引張強度と同等となる箇所の高さ位置であって最も上にあり、且つ前記引張応力が前記側壁の内側側面近傍に生じている高さ位置の近傍において定着されたことを特徴とするタンク。
  2. 前記側壁の底部は、その上方にある前記側壁の中間部に対し外側に拡幅した形状となっていることを特徴とする請求項1に記載のタンク。
  3. 前記側壁の底部の外側側面は、下方に行くに従って外側へと向かうように直線状に傾斜することを特徴とする請求項2に記載のタンク。
  4. 前記縦方向の緊張材の上端部は、前記中間部で定着されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のタンク。
  5. 前記縦方向の緊張材は、前記側壁の中間部と前記側壁の底部の境界近傍で外側に屈曲していることを特徴とする請求項4に記載のタンク。
  6. 前記縦方向の緊張材の上端部は、前記中間部において、前記側壁の厚さ方向の中心に配置されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のタンク。
  7. 前記縦方向の緊張材は、前記周方向の緊張材の内側に配置されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のタンク。
  8. 複数の前記縦方向の緊張材の上端部が、略同じ高さで定着されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のタンク。
  9. 前記縦方向の緊張材はU字状に折り返されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のタンク。
  10. U字状に折り返された前記縦方向の緊張材の両端の間に、直線状の別の縦方向の緊張材が配置されることを特徴とする請求項9記載のタンク。
  11. 前記縦方向の緊張材は、前記側壁の底面において、前記側壁の厚さ方向の中心よりも外側に配置されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載のタンク。
  12. 前記縦方向の緊張材の下端部が前記底版に埋設されていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載のタンク。
  13. 前記縦方向の緊張材の下端部は前記側壁の底部に埋設され、
    前記別の縦方向の緊張材の下端部は前記底版に埋設され、
    前記別の縦方向の緊張材の上端部が、前記縦方向の緊張材と高さ位置において重複することを特徴とする請求項10に記載のタンク。
  14. 前記側壁がプレキャストブロックを含み、
    前記縦方向の緊張材の両端が前記プレキャストブロックに定着され、
    前記縦方向の緊張材によるプレストレスが前記プレキャストブロックに導入されていることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載のタンク。
  15. 前記側壁の頂部に縦方向の緊張材が設けられたことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載のタンク。
  16. 底版上にコンクリート製の筒状の側壁を形成するタンクの構築方法であって、
    前記側壁の底部に縦方向の緊張材を設け、
    前記側壁に周方向の緊張材を設け、
    前記縦方向の緊張材の上端部を、前記周方向の緊張材によるプレストレスにより前記側壁に生じる鉛直面内の曲げモーメントによって前記側壁に発生する引張応力が、前記側壁のコンクリートの引張強度と同等となる箇所の高さ位置であって最も上にあり、且つ前記引張応力が前記側壁の内側側面近傍に生じている高さ位置の近傍において定着することを特徴とするタンクの構築方法。
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