JP6531008B2 - 壁体構築方法および壁体 - Google Patents

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Description

本発明は、筒状の壁体を構築する壁体構築方法および壁体に関する。
LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)などの液体を貯留する設備として、PC(プレストレストコンクリート)タンクがある。図8は、PCタンクとしてLNGを貯留するLNGタンク100の例を示したものである。図8のLNGタンク100は、地盤7中の杭4で支持された底版5上に防液堤2を設け、その内側に鋼板等による内槽3aと外槽3bを設置したものである。外槽3bの屋根部は鋼製または鋼板と鉄筋コンクリートの複合構造であり、外槽3bの側部は鋼製のライナープレートを防液堤2に貼り付けた形となっている。外槽3bの底部は底版上にライナープレートを貼り付けた形となっている。LNGは内槽3aにて貯留し、内槽3aと外槽3bの間に断熱材を配置して保冷を行う。
防液堤2は、内槽3aが破損した場合にLNGの外部への液漏れを防ぐために設けられるコンクリート製の筒状の壁体であり、通常円筒形である。防液堤2はLNGの液圧に耐え得る構造とする必要があり、そのため周方向および縦方向の緊張材の緊張によりプレストレスが導入される。
図9は防液堤2の断面の例を示す図である。防液堤2に周方向の緊張材11によるプレストレスを導入することで液圧に抵抗できるが、防液堤2は、常時はタンク内部から液圧がかかっていない状態にある。このため、防液堤2では周方向のプレストレスによる鉛直面内の曲げモーメントが加わる。縦方向の緊張材は主としてこの曲げモーメントに抵抗するため設けられ、防液堤2の下方部分21から上方部分22を通って頂部まで達する長い緊張材(不図示)と、防液堤2の下方部分21に設ける短い緊張材13を併用することが多い。これらの緊張材によって防液堤2に縦方向のプレストレスを偏心させて導入することで、上記した鉛直面内の曲げモーメントと逆方向の曲げモーメントを発生させ、鉛直面内の曲げモーメントを打ち消すことができる。
防液堤2に加わる液圧は概略下方部分21で大きくなることから、周方向の緊張材11は下方部分21で多く、その上方部分22では少なく配置される。結果、鉛直面内の曲げモーメントは防液堤2の下方部分21において大きく、その上方部分22では小さくなる。そのため、防液堤2の下方部分21では短い緊張材13を追加して縦方向の緊張材が密に配置される。防液堤2の上方部分22では前記した長い緊張材が存在するが、短い緊張材13が無い分緊張材の配置は比較的粗であり、場合によっては前記した長い緊張材を配置しないこともある。
防液堤2の下方部分21の縦方向の緊張材13の下端部は底版5に埋設した定着部131にて定着される。緊張材13の上端部は防液堤2の途中の定着部131にて定着されるが、この定着部131は防液堤2の底端から3〜10mの範囲に設けられることが多い。従来は、この範囲のコンクリートを打設してその強度が発現した時点で緊張材13を緊張して上端部を定着部131にて定着した後、この定着部131より上の防液堤2のコンクリートを打設していた。
他の方法として、特許文献1には、防液堤の下方部分の縦方向の緊張材の上端部を防液堤の外側側面の切欠き部に斜めに引き出し、切欠き部にて緊張材の緊張と上端部の定着を行った後、切欠き部をコンクリートで充填することが記載されている。
特開2007-303101号公報
従来の方法では、防液堤の下方部分にて縦方向の緊張材の緊張作業を行った後でないとその上の防液堤のコンクリートを打設できないため、緊張作業の分全体工期が延び、その期間は20万KLクラスのタンクで1.5〜2.0ヶ月となる。
また、防液堤は資機材の搬入等に使用する工事用開口部を下方部分に設けた状態で構築するが、この開口部は内槽の施工など防液堤の内部設備工を終えてからでないと閉じることができない。結果、防液堤を頂部まで構築してからコンクリートを打設して開口部を閉じ、その後緊張作業を行うことが多く、この場合緊張材は防液堤の頂部まで延ばして配置せざるを得ず無駄が多い。
特許文献1の方法であれば、緊張作業によって防液堤の構築を中断する必要がなく全体工期を短くでき、また工事用開口部の位置でも緊張材を短く配置できる可能性がある。しかしながら、特許文献1の方法では、緊張材の上端部を防液堤の外側側面の切欠き部に斜めに引き出して外側から緊張するために、緊張材の上端部を外側に曲げる必要が生じる。
緊張材に用いるPC鋼材は最小R=3m程度の曲率でしか曲げ配置できず、定着部近傍は直線配置になることから、当該PC鋼材が切欠き部付近で防液堤内の周方向の緊張材やその他の補強用鉄筋と干渉しないようにする必要があり設計が難しくなる。またこのような干渉を避けるため干渉範囲の周方向の補強用鉄筋を一旦切断し、当該範囲の補強を事後的に行うこともあるが、その範囲も大きくなり施工も手間が掛かる。また、緊張材を曲げて配置すると緊張時の摩擦抵抗力が大きく、導入力が小さくなることから、結果的に割増した緊張材を配置しなければならない。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、プレストレスを導入した壁体を迅速に構築でき、設計や施工上の問題も少ない壁体構築方法等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、縦方向の緊張材によるプレストレスが下方部分に導入されたコンクリート製の筒状の壁体を構築する壁体構築方法であって、側面に穴部を有し、且つ前記穴部から上方に延びる貫通孔を設けた壁体を形成し、前記穴部に前記緊張材の少なくとも一方の端部を突出させる工程(a)と、前記端部を前記貫通孔に通した引張材により引張って前記緊張材を緊張し、前記端部を前記穴部にて定着する工程(b)と、前記穴部を充填材で充填する工程(c)と、前記貫通孔を充填材で充填する工程(d)と、を有することを特徴とする壁体構築方法である。
本発明では、壁体を形成した後でも、壁体側面の穴部に端部を突出させた壁体の下方部分の緊張材を穴部の上方の貫通孔に通した引張材により引張って緊張を行うことができるので、緊張材の緊張作業によって壁体の構築を中断する必要が無く、全体工期が短縮可能となる。また、前記したように緊張材を曲げて外側側面に引き出し外側から緊張する必要もないので、壁体内部の周方向の緊張材や補強用鉄筋等との干渉が起きにくく、設計が容易である。また干渉範囲の周方向の補強用鉄筋を一旦切断する場合も、その範囲を小さくできる。
前記貫通孔は前記穴部から前記壁体の頂部まで縦方向に設けられ、前記工程(b)において、前記壁体の頂部に設けた引張装置で前記引張材を引張ることが望ましい。
引張材は例えば壁体の頂部に設けた引張装置で引張ることができ、これにより緊張作業が容易にできる。
前記工程(a)において、前記穴部が前記壁体の外側側面に設けられることが望ましい。
これにより、緊張材の緊張時に壁体の外側から各種の作業を行うことができ、内部設備工など壁体の内側で行う作業と干渉することがない。
また、前記緊張材は略U字状に配置され、両端部が前記壁体の側面の穴部に突出し、前記工程(b)において、前記緊張材の一方の端部を前記穴部に固定した状態で他方の端部を緊張することが望ましい。
緊張材を略U字状に配置し上記のように緊張を行うことで、緊張作業を効率化できる。
第2の発明は、縦方向の緊張材によるプレストレスが下方部分に導入されたコンクリート製の筒状の壁体であって、充填材が充填された穴部を側面に有し、前記穴部から上方に延び、充填材が充填された貫通孔が設けられ、前記緊張材の少なくとも一方の端部が、前記穴部の下面の定着部において定着され、前記定着部の平面位置と前記貫通孔の平面位置が対応することを特徴とする壁体である。
本発明により、プレストレスを導入した壁体を迅速に構築でき、設計や施工上の問題も少ない壁体構築方法等を提供することができる。
防液堤2aを示す図 防液堤2aの構築方法を示す図 穴部20を示す図 工事用開口部23における防液堤2aの構築方法を示す図 工事用開口部23における防液堤2aの構築方法を示す図 防液堤2bを示す図 穴部の別の例を示す図 LNGタンク100を示す図 防液堤2を示す図
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(1.防液堤2a)
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係る防液堤2aを示す図である。防液堤2aは図8で説明したLNGタンクの防液堤であり、底版5上に固定して設けられるコンクリート製の筒状の壁体である。防液堤2aは例えば略円筒形である。防液堤2a以外のLNGタンクの構成は図8で説明したものと同様とする。
防液堤2aには前記した周方向の緊張材11や補強用鉄筋(不図示)のほか、周方向の緊張材11によるプレストレスに伴う鉛直面内の曲げモーメントに抵抗するため、縦方向の緊張材として、防液堤2aの下方部分21から上方部分22を通って頂部まで達する長い緊張材(不図示)と、防液堤2aの下方部分21に設ける短い緊張材13aが配置される。緊張材11、13aは対応するシース管30に通して配置される。緊張材11、13aとシース管30の間の隙間にはセメントミルクなどの充填材が充填される。
防液堤2aの下方部分21(底部)はその上方部分22に対し外側に拡幅しており、本実施形態では下方部分21の外側側面が下方に行くにつれ外側へと向かうように略直線状に傾斜したテーパー状になっている。なお、外側とはタンクの外側をいうものとし、タンクの中心側は内側というものとする。
防液堤2aの下方部分21には縦方向の緊張材13aが配置されるが、この緊張材13aの上端部は防液堤2aの外側側面に設けられた穴部20にて定着部131で定着される。
穴部20の鉛直方向の断面は略コ字状であり、穴部20における定着部131の位置は、上方部分22に配置される縦方向のシース管30の平面位置に対応する。このシース管30は、後述する引張材の挿入に用いた後、充填材301で充填されたものである。
防液堤2aの下方部分21において、緊張材13aは下方に行くにつれ外側へと向かうように下方部分21の外側側面の傾斜に沿って傾斜配置される。防液堤2aの下方部分21では、緊張材13aが下方部分21の厚さ方向の中心線(図の点線参照)よりも外側に偏心して配置され、外側側面に対するかぶりは20〜25cm程度となっている。緊張材13aの下端部は底版5内の定着部131にて定着される。
緊張材13aとしては、PC鋼棒、PC鋼線(シングルストランド)、PC鋼撚り線、アンボンドPC鋼撚り線などのPC鋼材が適用できる。アンボンドPC鋼撚り線を用いる場合はシース管30を省略することも可能である。
図1(b)は防液堤2aの下方部分近傍を外側から見たものである。本実施形態では緊張材13aごとに穴部20が形成される。各穴部20はコンクリートやモルタル等の充填材201で充填される。
(2.防液堤2aの構築方法)
防液堤2aを構築する際は、例えば図2(a)に示すように、底版5を構築した後防液堤2aのコンクリートを下から上へと順に打設してゆく。
底版5には緊張材13aの下端部を定着するための定着部131が埋設され、底版5と防液堤2aのコンクリートには緊張材11、13a、および後述する引張材を通すためのシース管30が埋設される。シース管30には、必要に応じて充填材の注入口とエアー抜き兼充填確認用のホース(不図示)を設けておく。
防液堤2aの外側側面の所定箇所には緊張材13aの上端部を定着するための穴部20を箱抜き等により形成する。上方部分22の後述する引張材を通すためのシース管30(貫通孔)は、穴部20から上方に延び防液堤2aの頂部まで至るように縦方向に配置される。
なお本実施形態では、防液堤2aのコンクリート打設前に緊張材13aを対応するシース管30内に予め配置し、下端部を底版5内の定着部131に取付けておく。緊張材13aの上端部は穴部20に突出するようにしておく。
防液堤2aのコンクリートは数ロットに分けて打設するが、中断することなく頂部まで連続して順次打ち上げていく。緊張材13aについては、基本的には穴部20の高さまでの範囲のコンクリート強度が発現し所定の値に達した時点で緊張作業を行うことが可能になり、いつ緊張するかの自由度は高い。本実施形態では、防液堤2aの頂部から後述する引張材を介して緊張を行うため、防液堤2aの頂部までのコンクリートが所定の強度に達した後緊張作業を行う。
緊張作業時には、図2(b)に示すように引張材60を防液堤2aの頂部からシース管30内に挿入し、その下端部を穴部20内で緊張材13aの上端部に接続具70で接続する。引張材60としてはテンションロッドや緊張作業用PC鋼材などの棒材を用いることができる。
防液堤2aの頂部には引張材60を引張るための引張装置50が配置される。引張装置50としては特開2008-115575号公報に示すようなセンターホールジャッキを用いることができる。
図3(a)はこの時の穴部20を示す図であり、本実施形態では定着部131が支圧板131aとナット131bで構成される。緊張材13aの上端部は、支圧板131aの孔(不図示)を通って穴部20内に突出するように配置される。緊張材13aの上端部には雄ネジが設けられており、雄ネジと螺合させてナット131bが取付けられる。
引張材60の下端部にも雄ネジが設けられており、引張材60の下端部と緊張材13aの上端部は、内周面に雌ネジを設けた筒状の接続具70で接続される。
図2(b)の矢印Aに示すように引張装置50により引張材60を引張って緊張材13aを緊張すると、これに伴い図3(b)に示すようにナット131bが浮き上がる。そのため、ナット131bを矢印Bに示すように回転させて締め込むことで図3(c)に示すようにナット131bを支圧板131aに密着させる。
引張装置50による引張力を解放すると緊張材13aの上端部が定着部131にて定着されるので、引張装置50と引張材60、および接続具70を撤去して緊張材13aとシース管30との間の隙間に充填材の充填を行う。
なお、定着部131としてナット131bの代わりにウェッジ(くさび)を用いて定着を行うことも可能であるが、定着部131が若干大きくなる虞はある。また本実施形態では、引張材60による緊張作業を終え引張材60を撤去した後、この引張材60を転用して別の緊張材13aを上記と同様に緊張し、緊張材13aを順次緊張してもよいし、引張材60を多数使用し多数の緊張材13aを一斉に緊張することも可能である。いずれにせよ緊張作業はクリティカル工種では無くなっており、全体工期には大きく影響しない。
その後、図2(c)に示すように緊張材11を対応するシース管30に配置し、穴部20を充填材201で充填するとともに引張材60を通していたシース管30にも充填材301の充填を行い、緊張材11を緊張することにより防液堤2aにプレストレスを導入する。緊張材11とシース管30の間の隙間には充填材が充填される。なお、前記の引張材60を撤去せずそのままシース管30内に残置し、当該シース管30内に充填を行っても良い。また引張材60として緊張材を用い、これにより防液堤2aの上方部分22に緊張力を導入することも可能である。
図3(d)はこの時の穴部20を示す図である。図3(d)の301はシース管30内の充填材を示す。周方向の緊張材11については、例えば防液堤2aの外側側面に設けたピラスター(不図示)にて両端部の緊張と定着が行われる。なお、前記した縦方向の長い緊張材(不図示)については従来通り防液堤2aの構築中にシース管(不図示)内への配置と緊張を行うことができるので、ここでは説明を省略した。
(3.工事用開口部における防液堤2aの構築方法)
本実施形態の手法は、防液堤2aの下方部分21の工事用開口部に対応する位置においても適用可能である。
この場合も、図4(a)に示すように工事用開口部23を設けた状態で防液堤2aを頂部まで形成する。工事用開口部23は資機材の搬入等に用いるため、内部設備工の施工中はシース管30等を配置できない。そのため、シース管30aを工事用開口部23を避けて底版5と開口部上方のコンクリートに埋設しておく。
本実施形態では、工事用開口部23を閉じる際、図4(b)に示すように工事用開口部23に相当する部分のシース管30bを上下のシース管30aに繋ぎ込む。緊張材13aはシース管30a、30bに通して配置され、下端部が底版5内の定着部131に取付けられ、上端部が穴部20内に突出する。なお周方向の緊張材11を通すためのシース管についても同様の繋ぎ込み処理が行われる。
図5(a)に示すように工事用開口部23にコンクリート等の充填材202を充填して強度が発現した後、前記と同様の手順で緊張材13aの緊張と定着を行う。以降の手順も前記と同様であり、緊張材11の緊張、定着等を行うことにより、図5(b)に示すように工事用開口部23に対応する位置の防液堤2aが構築される。この場合、工事用開口部23であっても縦方向の緊張材13aは従来のように頂部まで配置する必要はなく、その長さは工事用開口部23以外の部分と同様でありコストアップにはならない。
以上説明したように、本実施形態によれば、防液堤2aを形成した後でも、防液堤2aの外側側面の穴部20に上端部を突出させた緊張材13aを穴部20の上方のシース管30に通した引張材60により引張って緊張を行うことができるので、緊張材13aの緊張作業によって防液堤2aの構築を中断する必要が無く、全体工期が短縮可能となる。例えば20万KLクラスのLNGタンクの防液堤の場合、従来のように緊張作業によって防液堤の構築作業を中断するケースでは防液堤の構築に10.5〜11ヶ月程度かかるが、本実施形態ではこれを1.5〜2.0ヶ月程度短縮し、9ヶ月程度にまで抑えることができる。
また、本実施形態では前記したように緊張材13aを曲げて外側側面に引き出し外側から緊張する必要もないので、防液堤2a内部の周方向の緊張材11や補強用鉄筋等との干渉が起きにくく、設計が容易である。また干渉範囲の周方向の補強用鉄筋を一旦切断する場合も、その範囲を小さくできる。
また本実施形態では、引張材60を通すのにシース管30を利用するので、防液堤2aを効率良く構築できる。このシース管30は穴部20から上方に延び防液堤2aの頂部まで縦方向に設けられ、当該頂部に設けた引張装置50で引張材60を引張ることで、緊張作業が容易にできる。
また穴部20は防液堤2aの外側側面に設けられるので、緊張材13aの緊張時に引張材60と緊張材13aの接続その他の作業を防液堤2aの外側から行うことができ、防液堤2aの内部設備工などとの干渉も起こらない。ただし、場合によっては同様の穴部を防液堤2aの内側側面に設けることも可能である。
本実施形態では、防液堤2aの下方部分21の外側側面を上方部分22に対して外側へとテーパー状に拡幅させ、この傾斜に沿って緊張材13aを略直線状に傾斜配置し、防液堤2aの下方部分21において厚さ方向の中心よりも外側に偏心させた。これは、前記した鉛直面内の曲げモーメントに抵抗させるための緊張材13aの配置として効果的であるが、下方部分21の形状や緊張材13aの配置はこれに限らない。例えば下方部分21は上方部分22に対し外側へと段状に拡幅してもよいし、下方部分21が上方部分22に対し拡幅しなくてもよい。また緊張材13aについても上記のように外側に偏心配置するものに限らない。
その他、本実施形態では緊張材13aの下端部を底版5内に定着したが、例えば図6(a)の防液堤2bに示すように、緊張材13a’を略U字状に配置し、底版5内での定着を行わない例も考えられる。図6(b)は防液堤2bを内側から見たものであり、緊張材13a’等を点線で図示している。
この場合、緊張材13a’の両端部が穴部20内に突出して定着部131により定着され、U字の折返し部132が底版5に埋設される。緊張材13a’は両端部から同時に緊張してもよいが、一方の端部を穴部20の定着部131に固定し、他方の端部のみを緊張してプレストレスを導入することもできる。これにより緊張作業を効率化できる。
また本実施形態では図1(b)に示したように穴部20を緊張材13aごとに設け、且つ各穴部20が防液堤2aの周方向に一列に並ぶようにしているが、これに限ることはない。例えば、緊張材13aの配置が密であり隣り合う緊張材13aが近接する場合は、図7(a)に示すように防液堤の周方向(図の左右方向に対応する)に連続するスリット状の穴部20aを設けてもよい。さらに、緊張材13aの上端部の定着位置を上下複数段とする場合は、図7(b)に示すように上下複数段に定着用の穴部20を設けても良い。
また本実施形態ではLNGタンクの防液堤2aを構築する例を説明したが、本発明はこれに限ることはなく、LPGタンクなどその他のタンクの防液堤に適用することが可能であり、また筒状の壁体であればタンク以外でも適用可能である。また本実施形態ではコンクリートの現場打設により防液堤2aを構築したが、プレキャストブロックにより防液堤を構築する場合でも適用可能である。この場合、緊張材13a等を通すための貫通孔や穴部20など必要なものは予めプレキャストブロックに形成しておく。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
2、2a、2b;防液堤
3a;内槽
3b;外槽
4;杭
5;底版
7;地盤
11、13、13a、13a’;緊張材
20、20a;穴部
21;下方部分
22;上方部分
23;工事用開口部
30、30a、30b;シース管
50;引張装置
60;引張材
70;接続具
131;定着部
131a;支圧板
131b;ナット
201、202、301;充填材

Claims (5)

  1. 縦方向の緊張材によるプレストレスが下方部分に導入されたコンクリート製の筒状の壁体を構築する壁体構築方法であって、
    側面に穴部を有し、且つ前記穴部から上方に延びる貫通孔を設けた壁体を形成し、前記穴部に前記緊張材の少なくとも一方の端部を突出させる工程(a)と、
    前記端部を前記貫通孔に通した引張材により引張って前記緊張材を緊張し、前記端部を前記穴部にて定着する工程(b)と、
    前記穴部を充填材で充填する工程(c)と、
    前記貫通孔を充填材で充填する工程(d)と、
    を有することを特徴とする壁体構築方法。
  2. 前記貫通孔は前記穴部から前記壁体の頂部まで縦方向に設けられ、
    前記工程(b)において、前記壁体の頂部に設けた引張装置で前記引張材を引張ることを特徴とする請求項1記載の壁体構築方法。
  3. 前記工程(a)において、前記穴部が前記壁体の外側側面に設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の壁体構築方法。
  4. 前記緊張材は略U字状に配置され、両端部が前記壁体の側面の穴部に突出し、
    前記工程(b)において、前記緊張材の一方の端部を前記穴部に固定した状態で他方の端部を緊張することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の壁体構築方法。
  5. 縦方向の緊張材によるプレストレスが下方部分に導入されたコンクリート製の筒状の壁体であって、
    充填材が充填された穴部を側面に有し、
    前記穴部から上方に延び、充填材が充填された貫通孔が設けられ、
    前記緊張材の少なくとも一方の端部が、前記穴部の下面の定着部において定着され
    前記定着部の平面位置と前記貫通孔の平面位置が対応することを特徴とする壁体。
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