JP2014151451A - 圧胴押圧機構、印刷ユニットおよび圧胴の押圧方法 - Google Patents

圧胴押圧機構、印刷ユニットおよび圧胴の押圧方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧胴を押圧するための押圧部を複数設置して各押圧部により圧胴における複数の箇所を押圧する場合と比較して、シンプルな構造により印刷ユニットの設置費用を低減することができるとともに優れた印刷品質を維持することができる圧胴押圧機構、印刷ユニットおよび圧胴の押圧方法を提供する。
【解決手段】圧胴押圧機構は、連続的に搬送される帯状の被印刷物に対して印刷を施す版胴11を押圧してこの版胴11との間にニップ部を形成するよう設けられた圧胴12を押圧するようになっている。圧胴押圧機構は、圧胴12を受ける圧胴受け部22と、圧胴12が版胴11を押圧するよう、圧胴12の軸方向における単一の箇所において圧胴受け部22を押圧する押圧部26と、を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、連続的に搬送されるフィルム、紙等の帯状の被印刷物に対して印刷を施す版胴を押圧してこの版胴との間にニップ部を形成するよう設けられた圧胴を押圧するための圧胴押圧機構、この圧胴押圧機構を備えた印刷ユニット、およびこの圧胴押圧機構による圧胴の押圧方法に関する。
従来から、多色刷りのグラビア印刷機として、フィルム、紙等の帯状のウェブに対して各色の印刷を施す複数の印刷ユニットが直列に配置されたものが知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。ここで、各印刷ユニットは、連続的に搬送される帯状のウェブに対して印刷を施す版胴と、版胴を押圧してこの版胴との間にニップ部を形成するよう設けられた圧胴とを有している。そして、各印刷ユニットによりウェブに印刷を施す際に、版胴の表面に形成されたセルと呼ばれる小さい凹型のくぼみにインキが充填され、この充填された際の余分なインキがドクターブレード(インキ掻き取り刃)により掻き取られた後、版胴と圧胴との間に形成されたニップ部に送り込まれたウェブを、圧胴により版胴に押しつけることによって、版胴表面のくぼみに充填されたインキがウェブに転移されるようになっている。その後、ウェブに転移されたインキは乾燥炉等により乾燥される。多色刷りのグラビア印刷機の場合には、各印刷ユニットにおいて上記の動作が各色毎に繰り返されるようになる。
上述のような印刷プロセスにおいて、ウェブの幅方向におけるインキ転移量の差異等による品質不良を生じさせないようにするために、版胴に対する圧胴の押圧力を当該圧胴の軸方向において均一とすることが求められている。ここで、従来の一般的な印刷ユニットでは、版胴に向かって圧胴を押圧するための押圧装置が圧胴の両端の2箇所に設置されている。このような押圧装置としては、例えば圧胴の両端に設置された一対のエアシリンダ等が用いられるようになっている。特許文献1には、版胴に向かって圧胴を押圧するにあたり、圧胴の両端に設置された一対の推力補正用ジャッキ(推力補正用アクチュエータ)によって圧胴の回転軸の両端をそれぞれ押圧するような技術が開示されている。
従来の印刷ユニットにおける版胴、圧胴および版胴に向かって圧胴を押圧するための押圧装置等の構成について図5および図6を用いて説明する。図5は、従来の印刷ユニットにおける版胴、圧胴およびバックカップロール等の構成を示す構成図であり、図6は、図5に示す版胴、圧胴およびバックカップロール等を左右方向から見たときの側面図である。図5に示すように、各色の印刷ユニットは、連続的に搬送される帯状のウェブWに対して印刷を施す版胴51と、版胴51を押圧してこの版胴51との間にニップ部を形成するよう設けられた圧胴52と、圧胴52に当接するよう設けられたバックアップロール54とを有している。図6に示すように、バックアップロール54の軸方向長さは圧胴52の軸方向長さと略同一の大きさとなっており、このバックアップロール54は、圧胴52を下方に押圧することにより、当該圧胴52が版胴51を圧胴52の軸方向において均一の大きさで押圧するのを補助するようになっている。
図6に示すように、圧胴52の回転軸の両端部には一対の圧胴押圧装置56が設けられており、各圧胴押圧装置56により圧胴52の回転軸の両端部がそれぞれ図6における下方に押圧されることにより圧胴52が版胴51を図6における下方に押圧するようになっている。また、バックアップロール54の回転軸の両端部にも一対のバックアップロール押圧装置58が設けられており、各バックアップロール押圧装置58によりバックアップロール54の回転軸の両端部がそれぞれ図6における下方に押圧されることによりバックアップロール54が圧胴52を図6における下方に押圧するようになっている。各圧胴押圧装置56や各バックアップロール押圧装置58は、それぞれ例えばエアシリンダや推力補正用ジャッキ等から構成されている。
特開2011−79224号公報
しかしながら、図5および図6に示すような従来の方法では、圧胴の両端に設置された一対のエアシリンダや推力補正用ジャッキ等の押圧装置のうち一方の押圧装置の劣化の度合いが他方の押圧装置のそれに対して大きい場合には、各押圧装置による圧胴に対する押圧力が当該圧胴の両端において異なるようになってしまうため、版胴に対する圧胴の押圧力も当該圧胴の両端において異なるようになってしまう。この場合には、版胴から帯状のウェブへのインキの転移量も当該版胴の軸方向において異なるようになってしまうため、印刷品質が大きく損なわれてしまうという問題がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、圧胴の軸方向における単一の箇所において押圧部により圧胴受け部を押圧することにより、圧胴を押圧するための押圧部を複数設置して各押圧部により圧胴における複数の箇所を押圧する場合と比較して、シンプルな構造により印刷ユニットの設置費用を低減することができるとともに優れた印刷品質を維持することができる圧胴押圧機構、印刷ユニットおよび圧胴の押圧方法を提供することを目的とする。
本発明の圧胴押圧機構は、連続的に搬送される帯状の被印刷物に対して印刷を施す版胴を押圧してこの版胴との間にニップ部を形成するよう設けられた圧胴を押圧するための圧胴押圧機構であって、前記圧胴を受ける圧胴受け部と、前記圧胴が前記版胴を押圧するよう、前記圧胴の軸方向における単一の箇所において前記圧胴受け部を押圧する押圧部と、を備えたことを特徴とする。
このような圧胴押圧機構によれば、押圧部は、圧胴が版胴を押圧するよう、圧胴の軸方向における単一の箇所において圧胴受け部を押圧する。ここで、従来のように圧胴を押圧するための押圧装置を複数設置して各押圧装置により圧胴における複数の箇所を押圧した場合には、印刷機を長期間使用した際に、一方の押圧装置の劣化の度合いが他方の押圧装置のそれに対して大きい場合には、各押圧装置による圧胴に対する押圧力が当該圧胴の両端において異なるようになってしまうため、版胴に対する圧胴の押圧力も当該圧胴の両端において異なるようになってしまい、版胴から被印刷物へのインキの転移量も当該版胴の軸方向において異なるようになってしまうため、印刷品質が大きく損なわれてしまうおそれがある。これに対し、本発明の圧胴押圧機構では、押圧部は圧胴の軸方向における単一の箇所において圧胴受け部を押圧するため、上述した問題が生じることを防止することができ、シンプルな構造により印刷ユニットの設置費用を低減することができるとともに優れた印刷品質を維持することができるようになる。
本発明の圧胴押圧機構においては、前記押圧部は、前記圧胴の軸方向における中央付近の箇所において前記圧胴受け部を押圧するようになっていてもよい。
本発明の圧胴押圧機構においては、前記圧胴受け部は、支持部材と、前記支持部材によりそれぞれ回転自在に支持される一対のロールとを有しており、前記圧胴は前記一対のロールにより受けられるようになっており、前記押圧部は前記支持部材を押圧するようになっていてもよい。
本発明の圧胴押圧機構は、前記圧胴の軸方向における前記圧胴受け部に対する前記押圧部の位置を変更するための案内手段を更に備えていてもよい。
本発明の印刷ユニットは、連続的に搬送される帯状の被印刷物に対して印刷を施す版胴と、前記版胴を押圧してこの版胴との間にニップ部を形成するよう設けられた圧胴と、前記圧胴を受ける圧胴受け部と、前記圧胴が前記版胴を押圧するよう、前記圧胴の軸方向における単一の箇所において前記圧胴受け部を押圧する押圧部と、を備えたことを特徴とする。
このような印刷ユニットによれば、押圧部は、圧胴が版胴を押圧するよう、圧胴の軸方向における単一の箇所において圧胴受け部を押圧することにより、圧胴を押圧するための押圧装置を複数設置して各押圧装置により圧胴における複数の箇所を押圧する場合と比較して、シンプルな構造により印刷ユニットの設置費用を低減することができるとともに優れた印刷品質を維持することができる。
本発明の圧胴の押圧方法は、連続的に搬送される帯状の被印刷物に対して印刷を施す版胴を押圧してこの版胴との間にニップ部を形成するよう設けられた圧胴の押圧方法であって、前記圧胴を受ける圧胴受け部および前記圧胴受け部を押圧する押圧部を準備する工程と、前記圧胴が前記版胴を押圧するよう、前記圧胴の軸方向における単一の箇所において前記押圧部により前記圧胴受け部を押圧する工程と、を備えたことを特徴とする。
このような圧胴の押圧方法によれば、圧胴が版胴を押圧するよう、圧胴の軸方向における単一の箇所において押圧部により圧胴受け部を押圧することにより、圧胴を押圧するための押圧装置を複数設置して各押圧装置により圧胴における複数の箇所を押圧する場合と比較して、シンプルな構造により印刷ユニットの設置費用を低減することができるとともに優れた印刷品質を維持することができる。
本発明の圧胴押圧機構、印刷ユニットおよび圧胴の押圧方法によれば、圧胴を押圧するための押圧部を複数設置して各押圧部により圧胴における複数の箇所を押圧する場合と比較して、シンプルな構造により印刷ユニットの設置費用を低減することができるとともに優れた印刷品質を維持することができる。
本発明の実施の形態による印刷機の全体構成を示す構成図である。 図1に示す印刷機における一の印刷ユニットの版胴、圧胴および圧胴押圧機構の構成を示す構成図である。 図2に示す一の印刷ユニットの版胴、圧胴および圧胴押圧機構を左右方向から見たときの側面図であって、圧胴が版胴を押圧しているときの状態を示す図である。 図2に示す一の印刷ユニットの版胴、圧胴および圧胴押圧機構を左右方向から見たときの側面図であって、圧胴が版胴から離間しているときの状態を示す図である。 従来の印刷ユニットにおける版胴、圧胴およびバックアップロール等の構成を示す構成図である。 図5に示す版胴、圧胴およびバックアップロール等を左右方向から見たときの側面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図4は、本実施の形態に係る印刷機を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による印刷機の全体構成を示す構成図であり、図2は、図1に示す印刷機における一の印刷ユニットの版胴、圧胴および圧胴押圧機構の構成を示す構成図であり、図3および図4は、図2に示す一の印刷ユニットの版胴、圧胴および圧胴押圧機構を左右方向から見たときの側面図である。
本実施の形態による印刷機は、図1に示すように、矢印方向に連続的に搬送されるフィルム、紙等の帯状のウェブWに対して互いに異なる色の印刷を施す複数、例えば3台の印刷ユニット10a、10b、10cを備えたグラビア印刷機からなる。この場合、第1の印刷ユニット10aは第1色目の印刷ユニットとなり、第2の印刷ユニット10bは第2色目の印刷ユニットとなり、第3の印刷ユニット10cは第3色目の印刷ユニットとなる。以下、このようなグラビア印刷機の各構成要素について詳述する。
第1の印刷ユニット(第1色目の印刷ユニット)10aは、印刷用の版胴11aと、版胴11aを押圧してこの版胴11aとの間にニップ部を形成するよう設けられた圧胴12aと、版胴11aに連結され、この版胴11aを駆動させるサイドレ駆動用モータ13aと、を備えており、版胴11aと圧胴12aとの間のニップ部にウェブWが送られることにより当該ウェブWに対して印刷が施されるようになっている。また、印刷ユニット10aにおいて、版胴11aによりウェブWに対して印刷を施す際に、この版胴11aはウェブWに対して一または複数の見当マークを付けるようになっている。
第2、第3の印刷ユニット(第2色目、第3色目の印刷ユニット)10b、10cは略同一の構成を有しており、各々、印刷用の版胴11b、11cと、版胴11b、11cを押圧してこれらの版胴11b、11cとの間にニップ部を形成するよう設けられた圧胴12b、12cと、版胴11b、11cに連結され、これらの版胴11b、11cを駆動させるサイドレ駆動用モータ13b、13cと、を備えており、版胴11b、11cと圧胴12b、12cとの間のニップ部にウェブWが送られることにより当該ウェブWに対して印刷が施されるようになっている。また、印刷ユニット10b、10cにおいて、版胴11b、11cによりウェブWに対して印刷を施す際に、これらの版胴11b、11cはそれぞれウェブWに対して一または複数の見当マークを付けるようになっている。
各印刷ユニット10b、10cは、更に、版胴11b、11cの下流側に設けられ、ウェブW上の見当マークを検出する見当マーク検出器15b、15cをそれぞれ有している。ここで、第2の印刷ユニット10bに設けられた見当マーク検出器15bは、第1の印刷ユニット10aによりウェブWに付けられた見当マークおよび第2の印刷ユニット10bによりウェブWに付けられた見当マークをそれぞれ検出するようになっている。また、第3の印刷ユニット10cに設けられた見当マーク検出器15cは、第2の印刷ユニット10bによりウェブWに付けられた見当マークおよび第3の印刷ユニット10cによりウェブWに付けられた見当マークをそれぞれ検出するようになっている。また、各見当マーク検出器15b、15cにより検出された見当マークの位置情報に基づいて、ウェブWの見当ずれの発生の有無が検出されるようになっている。そして、ウェブWの見当ずれが発生している場合には、各サイドレ駆動用モータ13a、13b、13c等によりウェブWの見当合わせが行われるようになっている。
図1に示すようなグラビア印刷機の各印刷ユニット10a、10b、10cにおいて、圧胴12a、12b、12cが版胴11a、11b、11cを押圧するようこれらの圧胴12a、12b、12cをそれぞれ押圧する圧胴押圧機構20の構成について図2乃至図4を用いて説明する。ここで、図2乃至図4では、各印刷ユニット10a、10b、10cの版胴11a、11b、11cをまとめて参照符号11で示し、圧胴12a、12b、12cをまとめて参照符号12で示している。なお、図3は、図2に示す版胴11、圧胴12および圧胴押圧機構20を左右方向から見たときの側面図であって、圧胴12が版胴11を押圧しているときの状態を示す図であり、図4は、図2に示す版胴11、圧胴12および圧胴押圧機構20を左右方向から見たときの側面図であって、圧胴12が版胴11から離間しているときの状態を示す図である。
図2等に示すように、圧胴12が版胴11を押圧するよう当該圧胴12を図2における下方に押圧する圧胴押圧機構20は、圧胴受け部22と、圧胴受け部22を圧胴12に向けて押圧する押圧装置26とを有している。ここで、圧胴受け部22は、平板状の支持部材24と、この支持部材24によりそれぞれ回転自在に支持される一対の圧胴受けロール23とを有している。図3に示すように、各圧胴受けロール23の軸方向長さは、圧胴12の軸方向長さと略同一の大きさとなっている。また、図3に示すように、各圧胴受けロール23の回転軸の両端部はそれぞれ支持部材24の側板部分により回転自在に受けられるようになっている。なお、図2において、簡略化のために支持部材24の側板部分の図示を省略している。また、図2に示すように、圧胴押圧機構20が圧胴12を図2における下方に押圧した際にこの圧胴12は一対の圧胴受けロール23の間で受け入れられるようになっている。これらの圧胴受けロール23は、圧胴12を下方に押圧することにより、当該圧胴12が版胴11を圧胴12の軸方向において均一の大きさで押圧するのを補助するようになっている。
図3に示すように、押圧装置26は、圧胴12の軸方向(図3における左右方向)における単一の箇所において圧胴受け部22の支持部材24を押圧するようになっている。具体的には、押圧装置26は、圧胴12の軸方向における中央付近の箇所において圧胴受け部22の支持部材24を図3における下方に押圧するようになっている。ここで、押圧装置26は、例えばエアシリンダ等から構成されている。また、図3および図4に示すように、押圧装置26が圧胴受け部22の支持部材24を押圧する箇所を変更するための直動ガイド28が設置されている。このような直動ガイド28により、図3および図4の左右方向の矢印に示すように、圧胴受け部22の支持部材24に対して圧胴12の軸方向に沿って押圧装置26を移動させることができるようになっている。このことにより、圧胴12の軸方向における、押圧装置26が圧胴受け部22の支持部材24を押圧する箇所を変更することができるようになっている。
直動ガイド28の構成の詳細について以下に説明する。図3および図4に示すように、直動ガイド28は、押圧装置26が取り付けられた押圧装置支持部30と、押圧装置支持部30を図3および図4における左右方向に移動自在に支持する第1のボールネジ32と、第1のボールネジ32を回転駆動させる第1の駆動モータ34と、を有している。ここで、第1のボールネジ32は、その両端部がそれぞれグラビア印刷機のフレーム44によって回転自在に支持されるようになっている。また、支持部材24は、押圧装置26により押圧される被押圧部36と、被押圧部36を図3および図4における左右方向に移動自在に支持する第2のボールネジ38と、第2のボールネジ38を回転駆動させる第2の駆動モータ40と、第2のボールネジ38の両端部をそれぞれ回転自在に支持するための連結部42と、を有している。そして、直動ガイド28の第1の駆動モータ34および支持部材24の第2の駆動モータ40が同時に駆動されると、第1のボールネジ32および第2のボールネジ38が同期して同方向に回転し、このことにより押圧装置支持部30および被押圧部36が図3および図4における左右方向の同方向に同期して移動する。このことにより、圧胴12の軸方向(すなわち、図3および図4における左右方向)における、押圧装置26が支持部材24を押圧する箇所が変更されるようになる。
次に、このような構成からなるグラビア印刷機の動作について説明する。
連続的に搬送されるフィルム、紙等の帯状のウェブWが図1に示すグラビア印刷機に搬送されると、このウェブWはまず第1の印刷ユニット10aに送られる。そして、第1の印刷ユニット10aに送られたウェブWは版胴11aと圧胴12aとの間で挟持されて第1色目の印刷が施される。この際に、版胴11aによりウェブWに1または複数の見当マークが付けられる。
第1の印刷ユニット10aによって第1色目の印刷が施されたウェブWは、次に第2の印刷ユニット10bに送られる。この第2の印刷ユニット10bに送られたウェブWは版胴11bと圧胴12bとの間で挟持されて第2色目の印刷が施される。この際に、版胴11bによりウェブWに1または複数の見当マークが付けられる。次に、見当マーク検出器15bにより、版胴11bから送られたウェブW上の見当マークが検出される。具体的には、第1の印刷ユニット10aの版胴11aによりウェブWに付けられた見当マーク、および第2の印刷ユニット10bの版胴11bによりウェブWに付けられた見当マークがそれぞれ検出される。そして、見当マーク検出器15bにより検出された見当マークの位置情報に基づいて、ウェブWの見当ずれの発生の有無が検出される。ウェブWの見当ずれが発生している場合には、例えば第1の印刷ユニット10aのサイドレ駆動用モータ13a等によりウェブWの見当合わせが行われる。
第2の印刷ユニット10bによって第2色目の印刷が施されたウェブWは、次に第3の印刷ユニット10cに送られる。この第3の印刷ユニット10cに送られたウェブWは版胴11cと圧胴12cとの間で挟持されて第3色目の印刷が施される。この際に、版胴11cによりウェブWに1または複数の見当マークが付けられる。次に、見当マーク検出器15cにより、版胴11cから送られたウェブW上の見当マークが検出される。具体的には、第2の印刷ユニット10bの版胴11bによりウェブWに付けられた見当マーク、および第3の印刷ユニット10cの版胴11cによりウェブWに付けられた見当マークがそれぞれ検出される。そして、見当マーク検出器15cにより検出された見当マークの位置情報に基づいて、ウェブWの見当ずれの発生の有無が検出される。ウェブWの見当ずれが発生している場合には、例えば第2の印刷ユニット10bのサイドレ駆動用モータ13b等によりウェブWの見当合わせが行われる。
ここで、図4に、印刷開始前の版胴11、圧胴12、圧胴押圧機構20等の状態を示す。印刷開始前の状態では、圧胴押圧機構20の各圧胴受けロール23と圧胴12とが互いに離間しており、圧胴押圧機構20は圧胴12を押圧しておらず、このため圧胴12が版胴11から離間している。印刷開始の指令が図1等に示すグラビア印刷機に与えられると、圧胴押圧機構20が圧胴12を下方に押圧することにより、図3に示すように、圧胴12が版胴11を押圧してこれらの版胴11と圧胴12との間にニップ部が形成されるようになる。そして、このニップ部に送られたウェブWに版胴11からインキが転移することにより、ウェブWに印刷が施されるようになる。ここで、図3に示すように、圧胴押圧機構20の押圧装置26は、圧胴21の軸方向における単一の箇所において圧胴受け部22の支持部材24を押圧する。
図1等に示すようなグラビア印刷機によりウェブWに対して印刷が行われているときに、版胴11に対する圧胴12の押圧力が当該圧胴12の軸方向において均一ではない場合には、直動ガイド28により、図3の左右方向の矢印に示すように、圧胴受け部22の支持部材24に対して圧胴12の軸方向に沿って押圧装置26を移動させ、圧胴12の軸方向における、押圧装置26が圧胴受け部22の支持部材24を押圧する箇所を変更する。このことにより、版胴11に対する圧胴12の押圧力を当該圧胴12の軸方向において均一とすることができ、ウェブWの幅方向における左右での当該ウェブWに対する版胴11からの押圧力の差を抑制することができる。
印刷が終了した後、図4に示すように、圧胴12から圧胴押圧機構20の各圧胴受けロール23を離間させ、圧胴押圧機構20が圧胴12を押圧しないようにする。このことにより、圧胴12が版胴11から離間し、版胴11と圧胴12との間にニップ部が形成されないようになる。
以上のように本実施の形態のグラビア印刷機および印刷方法によれば、押圧装置26は、圧胴12が版胴11を押圧するよう、圧胴12の軸方向における単一の箇所において圧胴受け部22を押圧するようになっている。ここで、従来のように圧胴12を押圧するための押圧装置を複数設置して各押圧装置により圧胴12における複数の箇所を押圧した場合には、グラビア印刷機を長期間使用した際に、一方の押圧装置の劣化の度合いが他方の押圧装置のそれに対して大きい場合には、各押圧装置による圧胴12に対する押圧力が当該圧胴12の両端において異なるようになってしまうため、版胴11に対する圧胴12の押圧力も当該圧胴12の両端において異なるようになってしまい、版胴11から帯状のウェブWへのインキの転移量も当該版胴11の軸方向において異なるようになってしまうため、印刷品質が大きく損なわれてしまうおそれがある。これに対し、本実施の形態では、押圧装置26は圧胴12の軸方向における単一の箇所において圧胴受け部22を押圧するため、上述した問題が生じることを防止することができ、シンプルな構造により印刷ユニットの設置費用を低減することができるとともに優れた印刷品質を維持することができるようになる。
本実施の形態のグラビア印刷機においては、押圧装置26は、圧胴12の軸方向における中央付近の箇所において圧胴受け部22を押圧するようになっている。
また、本実施の形態のグラビア印刷機においては、圧胴受け部22は、支持部材24と、支持部材24によりそれぞれ回転自在に支持される一対の圧胴受けロール23とを有しており、圧胴12は一対の圧胴受けロール23により受けられるようになっており、押圧装置26は支持部材24を押圧するようになっている。この場合には、一対の圧胴受けロール23は、圧胴12を下方に押圧することにより、当該圧胴12が版胴11を圧胴12の軸方向において均一の大きさで押圧するのを補助するようになっている。
また、本実施の形態のグラビア印刷機においては、圧胴12の軸方向における圧胴受け部22に対する押圧装置26の位置を変更するための直動ガイド28(案内手段)が設けられている。このことにより、版胴11に対する圧胴12の押圧力が当該圧胴12の軸方向において均一ではない場合でも、圧胴12の軸方向における、押圧装置26が圧胴受け部22の支持部材24を押圧する箇所を変更することにより、版胴11に対する圧胴12の押圧力を当該圧胴12の軸方向において均一とすることができ、ウェブWの幅方向における左右での当該ウェブWに対する版胴11からの押圧力の差を抑制することができる。
なお、本実施の形態による印刷機および印刷方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、圧胴12を受けるよう設けられた圧胴受け部の構成は、図2乃至図4に示すような一対の圧胴受けロール23および支持部材24からなるものに限定されることはない。圧胴12を受けることができるものであれば、圧胴受け部の構成を、図2乃至図4に示すようなもの以外の態様としてもよい。
また、変形例に係る印刷機では直動ガイド28の設置を省略してもよい。このような態様では、押圧装置26と圧胴受け部22の支持部材24とが直接的に連結されるようになり、圧胴12の軸方向における、押圧装置26が圧胴受け部22の支持部材24を押圧する箇所を変更することができなくなるが、この場合でも、押圧装置26が圧胴12の軸方向における単一の箇所において圧胴受け部22を押圧することにより、圧胴12を押圧するための押圧装置を複数設置して各押圧装置により圧胴12における複数の箇所を押圧する場合と比較して、シンプルな構造により印刷ユニットの設置費用を低減することができるとともに優れた印刷品質を維持することができるようになる。
10a、10b、10c 印刷ユニット
11、11a、11b、11c 版胴
12、12a、12b、12c 圧胴
13a、13b、13c サイドレ駆動用モータ
15b、15c 見当マーク検出器
20 圧胴押圧機構
22 圧胴受け部
23 圧胴受けロール
24 支持部材
26 押圧装置
28 直動ガイド
30 押圧装置支持部
32 第1のボールネジ
34 第1の駆動モータ
36 被押圧部
38 第2のボールネジ
40 第2の駆動モータ
42 連結部
44 グラビア印刷機のフレーム
51 版胴
52 圧胴
54 バックアップロール
56 圧胴押圧装置
58 バックアップロール押圧装置

Claims (6)

  1. 連続的に搬送される帯状の被印刷物に対して印刷を施す版胴を押圧してこの版胴との間にニップ部を形成するよう設けられた圧胴を押圧するための圧胴押圧機構であって、
    前記圧胴を受ける圧胴受け部と、
    前記圧胴が前記版胴を押圧するよう、前記圧胴の軸方向における単一の箇所において前記圧胴受け部を押圧する押圧部と、
    を備えた、圧胴押圧機構。
  2. 前記押圧部は、前記圧胴の軸方向における中央付近の箇所において前記圧胴受け部を押圧するようになっている、請求項1記載の圧胴押圧機構。
  3. 前記圧胴受け部は、支持部材と、前記支持部材によりそれぞれ回転自在に支持される一対のロールとを有しており、
    前記圧胴は前記一対のロールにより受けられるようになっており、前記押圧部は前記支持部材を押圧するようになっている、請求項1または2記載の圧胴押圧機構。
  4. 前記圧胴の軸方向における前記圧胴受け部に対する前記押圧部の位置を変更するための案内手段を更に備えた、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の圧胴押圧機構。
  5. 連続的に搬送される帯状の被印刷物に対して印刷を施す版胴と、
    前記版胴を押圧してこの版胴との間にニップ部を形成するよう設けられた圧胴と、
    前記圧胴を受ける圧胴受け部と、
    前記圧胴が前記版胴を押圧するよう、前記圧胴の軸方向における単一の箇所において前記圧胴受け部を押圧する押圧部と、
    を備えた、印刷ユニット。
  6. 連続的に搬送される帯状の被印刷物に対して印刷を施す版胴を押圧してこの版胴との間にニップ部を形成するよう設けられた圧胴の押圧方法であって、
    前記圧胴を受ける圧胴受け部および前記圧胴受け部を押圧する押圧部を準備する工程と、
    前記圧胴が前記版胴を押圧するよう、前記圧胴の軸方向における単一の箇所において前記押圧部により前記圧胴受け部を押圧する工程と、
    を備えた、圧胴の押圧方法。
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