JP2014148732A - 新規被覆銅微粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温加熱で、良好な導電性を示す導電配線の形成が可能な有機物被覆銅微粒子の製造方法および被覆銅微粒子、被覆銅微粒子を含む分散液を提供する。
【解決手段】水酸化銅と炭素原子数9以下の脂肪酸とプロパノールを含む極性溶媒を混合し加熱して生成させた、炭素原子数9以下の脂肪酸銅と、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたはそれらの誘導体を含む還元性化合物、及びアルキルアミンを含む混合物を150℃以下の温度に加熱し、アルキルアミンと脂肪酸とを含む膜で被覆された銅微粒子を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、脂肪酸銅を還元性化合物で還元して得られる被覆銅微粒子及びその製造方法に関する。より詳細には、アルキルアミン中で還元剤と脂肪酸銅を用いて銅微粒子を製造する方法に関する。
近年、金属微粒子分散体を用いてインクジェット印刷法や、スクリーン印刷法により所望のパターンを形成し、回路基板における配線等を形成するプリンテッドエレクトロニクス技術が注目されている。例えば、有機ELディスプレイ(OLED)や電子ペーパー、RFIDタグなどへの使用が期待されている。インクジェットプリント用インクとして種々の銀ナノ粒子が開発されており、これらはバルク金属よりも融点が著しく降下し、低い温度で粒子同士の融着が起こる。しかしながら、銀ナノ粒子では、比較的高温高湿度の条件下でエレクトロマイグレーションが起こりやすいことや、銀自体が高価な金属であることから、導電性材料として大量に使用することが難しい。
そこで、導電性がよく、低コストでかつエレクトロマイグレーションが生じるおそれが少ない銅微粒子をインク化又はペースト化して配線形成用に用いる技術開発が強く望まれている。これまで、導電性インク用の銅ナノ粒子は、凝集や望ましくない酸化を抑制するための不活性雰囲気中、有機溶媒中にてキャッピング剤を用いて合成されてきた。しかしながら、従来ほとんどの銅ナノ粒子の製造方法は、処理能力が低く、拡張性がなく、そして凝集しやすいため経済的に実現可能でない。さらに、従来の還元方法では、銅塩の還元が反応溶媒中に水が存在するとCuOの段階で停止してしまうため、純粋な銅ナノ粒子を得ることが極めて困難である。同時に、合成された銅ナノ粒子は空気中で容易に酸化されやすく、酸化銅の存在は銅ナノ粒子の焼結温度を上昇させ、電気伝導性を低下させる。
例えば、アセチルアセトナト銅などの銅前駆体化合物を、オレイルアミン等のアミン系化合物と混合し、均一な混合物を調製した後、場合により還元剤を添加し、その後、加熱することで、銅イオン種を金属状態又は金属酸化物状態に還元して得られるキュービック形態の銅ナノ粒子の製造方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1の方法によれば、生成する銅ナノ粒子の形態を所望の大きさのキュービック形態とするために、銅前駆体量に対して6.5〜8.5倍のオレイルアミン、ドデシルアミン等を用いる必要があり、得られた銅ナノ粒子の回収にも多量の有機溶媒を必要とする。
また、塩化銅、硝酸銅、硫酸銅、酢酸銅、アセチルアセトナト銅のうち一つの銅塩に、炭素数10〜18の脂肪酸を混合して解離させて混合物を形成する段階と、上記混合物を加熱して反応させる段階とを含む、脂肪酸で表面がキャッピングされた金属銅微粒子を作製する方法も提案されている(特許文献2)。しかしながら、オレイン酸とブチルアミンとを用いて硝酸銅を解離させる方法では反応溶液を200℃に加熱する必要があり(実施例1)、一方、酢酸銅をオレイン酸とオレイルアミンの存在下、ギ酸を添加して還元反応を促進する場合には130℃で加熱しており(実施例2)、この方法では銅微粒子の生成反応の制御が難しいと考えられる。
本発明者らは、これまでに、銅を含む化合物と還元性化合物とを混合して複合化合物を生成する工程と、当該複合化合物をアルキルアミン中で加熱してアルキルアミンで被覆された銅微粒子を生成する工程とを有することにより、反応に関与する物質の供給に律速されることなく被覆銅微粒子を製造する方法を開発した(特許文献3参照)。この方法によれば、自発的な分解を生じることが困難な銅化合物についても、予め還元性の化合物との複合化合物、例えば、シュウ酸銅とヒドラジンとの錯体のような複合化合物を形成させておくことで、アルキルアミンとの共存状態において比較的低い温度で自発的な分解を生じることが可能になり、アルキルアミンを含む保護膜により被覆された被覆銅微粒子を製造することができる。その際、銅微粒子の被覆を形成するためのアルキルアミンとして所定のものを適切に選択することによって、大気中でも長期保存が可能な被覆銅微粒子を提供することができると共に、還元ガスを用いなくとも、不活性ガス雰囲気下、300℃以下の加熱で良好な導電性を示す導電膜、導電配線を形成させることができることを報告している。
特開2008−57041号公報 特開2008−95195号公報 特開2012−72418号公報
しかしながら、被覆銅微粒子の更なる焼結温度の低下を達成するためには、被覆銅微粒子の製造工程において、被覆銅微粒子を生成する際の温度を更に低下することが望まれる。つまり、一般に銅微粒子を製造する段階を高温環境下で行った場合は、銅微粒子の焼結温度も高温になる傾向が見られる。上記特許文献3の方法では、あらかじめ銅化合物に対して還元作用のある分子を結合させ、中間体としての複合化合物を生成させることで、比較的低温(150℃程度)でこれを熱分解して被覆銅微粒子を生じさせることができるが、更に合成プロセスが簡便で自由度があり、且つ、より低温で実施することのできる被覆銅微粒子の製造プロセスの開発が望まれる。
そこで本発明は、低温で実施することが可能な被覆銅微粒子の製造プロセスを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記特許文献3に記載の方法を基礎としてさらに研究を行った結果、銅化合物として特に所定の脂肪酸銅を用いることにより、被覆銅微粒子を生成する工程をより低温で行うことが可能となると共に、プロセス全体の自由度を向上できることを見出した。また、このプロセスにより、空気中での酸化が抑制され、粒子径分布が均一で安定な銅微粒子を簡便かつ大量に製造しうることを見出した。
すなわち、本発明の被覆銅微粒子の製造方法は、脂肪酸銅、還元性化合物、及びアルキルアミンを含む混合物を加熱する工程を含み、前記脂肪酸銅として炭素原子数9以下の脂肪酸銅を用いることを特徴とする。前記脂肪酸銅は、アルキルアミンの存在下に、これに溶解又は懸濁させて還元性化合物と混合、加熱してもよく、或いはあらかじめ前記脂肪酸銅と還元性化合物とを混合した後に、アルキルアミンを添加して加熱してもよい。なお、当該脂肪酸銅と還元性化合物とを混合する工程は、両者間における還元反応の進行を抑制するため、必要に応じて10℃以下程度に冷却して行うことが好ましい。
前記脂肪酸銅と還元性化合物とを混合する工程に代えて、水酸化銅と脂肪酸と還元性化合物を適宜の溶媒中で混合することで、脂肪酸銅の生成と還元性化合物との混合を同時並行的に行うことができる。本発明の方法に用いる溶媒は、1−プロパノール又は2−プロパノールのような極性有機溶媒であることが好ましい。
本発明の方法によれば、炭素数が9以下の脂肪酸銅を銅微粒子製造の出発原料とすることで、あらかじめ還元作用のある分子を出発原料に結合させた中間体を得るプロセス以外に、単に、反応媒であり銅微粒子の被覆ともなるアルキルアミンと還元作用のある分子の混合物中に当該出発原料を投入した場合であっても、良好に被覆銅微粒子の製造を行うことが可能となる。また、より低温での反応により被覆銅微粒子を生成することが可能となる。その結果、本発明の方法によれば、製造された被覆銅微粒子についてもより低温で焼結させることが可能になると共に、プロセスの自由度を高めることができる。
実施例1で合成した被覆銅微粒子粉体の粉末X線回折(XRD)パターンである。 実施例1で合成した被覆銅微粒子の異なる倍率での透過電子顕微鏡像と電子線回折である。 実施例1で合成した被覆銅微粒子の高分解能電子顕微鏡像である。 実施例1で合成した被覆銅微粒子の熱重量示差熱同時分析結果である。 実施例1で合成した被覆銅微粒子を用いて作製した薄膜を各温度で焼結したときの体積低効率を示す。 実施例2で合成した被覆銅微粒子の粉末X線回折(XRD)パターンである。 実施例2で合成した被覆銅微粒子のFE−STEM像である。 実施例3で合成した被覆銅微粒子のFE−STEM像である。 実施例4で合成した被覆銅微粒子の粉末X線回折(XRD)パターンである。
以下、本発明に係る被覆銅微粒子の製造方法、及び本発明に係る方法で製造される被覆銅微粒子について説明する。特許文献3に記載されるように、銅を含む化合物と還元性化合物とを混合して錯体等の複合化合物を生成させ、これをアルキルアミンの存在下で加熱して、当該複合化合物を分解して生成する原子状の銅を凝集させることにより、アルキルアミンの保護膜に保護された被覆銅微粒子を製造することができる。このように、還元により分解される含銅化合物の分子に対して、予め還元性化合物を所定の割合で結合させた複合化合物を生成させた場合には、還元性化合物が含銅化合物中の銅イオンに対する電子のドナーとなり銅イオンの還元を生じやすいため、使用した含銅化合物を単に還元剤で処理する場合と比較して自発的な熱分解による銅原子の遊離を生じやすいことが分かっている。これに対して、本発明の方法では、このような含銅化合物と還元性化合物との複合体を生成させる工程を別個に設けなくとも、出発原料や温度、溶媒等の反応条件を調整することで、アルキルアミンの存在下で自発的な分解反応により被覆銅微粒子を製造することが可能であることを見出したものであって、プロセスの自由度を高めることができる。
また、本発明に係る方法においては、脂肪酸銅と還元性化合物とをあらかじめ溶媒中で混合して、好ましくは溶媒中に溶解して用いることにより、これらの錯体がより迅速に生じる等、両者をより均一に混合しやすいと考えられる。つまり、一般的に、還元剤は水性媒体中で用いられることが多く、有機溶媒系の反応では均一に混ざらないために還元反応が均一に進行しないことが多い。これに対し、本発明では脂肪酸銅と還元性化合物とをあらかじめ溶媒に溶解して複合化合物の生成等を促進するため、反応媒と還元性化合物との相性に制限されて各成分の混合が進みにくいという問題点が解消される。本発明の方法に用いる溶媒は、脂肪酸銅と還元性化合物との溶解を促進するうえで極性溶媒であることが好ましい。
また、本発明の方法では、被覆銅微粒子を生成する工程を、従来よりも低温で効率よく進めることができる。このため、製造される被覆銅微粒子の焼結温度を従来よりも更に低下することが期待される。
以下、本発明により被覆銅微粒子を製造する方法を具体的に説明する。
(脂肪酸銅)
本発明で被覆銅微粒子を製造するために用いる銅の原料としては、炭素原子数9以下の脂肪酸銅を用いることができる。本明細書において、用語「脂肪酸銅」とは、炭素数が2以上の脂肪酸と銅との塩化合物であって、当該脂肪酸は、飽和、不飽和のどちらでもよい。使用する脂肪酸銅の炭素数等の違いによって、生成する被覆銅微粒子の溶剤分散性や焼結性などの性質が影響を受けるため、被覆銅微粒子に期待する特性などにより、使用する脂肪酸銅を選択することが好ましい。典型的に使用される脂肪酸銅としては、酢酸銅、プロピオン酸銅、酪酸銅、吉草酸銅、カプロン酸銅、エナント酸銅、カプリル酸銅及びノナン酸銅からなる群より選択される1種又は2種以上の脂肪酸銅である。これらの脂肪酸銅を被覆銅微粒子の原料として用いることにより、被覆銅微粒子を製造するプロセスの自由度が向上すると共に、より低い温度で被覆銅微粒子を製造することが可能になる。この結果、本発明の被覆銅微粒子を用いて作製した薄膜の焼結温度を下げることが期待される。
(脂肪酸銅と還元性化合物との混合について)
本発明に係る被覆銅微粒子の製造方法においては、まず上記脂肪酸銅に対して、還元作用を有する還元性化合物を、主に適宜の溶媒中で混合する。脂肪酸銅と還元性化合物とが混合されることにより、両化合物間で錯体等の複合化合物が生成すると考えられる。このような錯体等が形成されることで、還元性化合物が脂肪酸銅中の銅イオンに対する電子のドナーとなり銅イオンの還元を生じ易いため、使用した脂肪酸銅と比較して自発的な熱分解による銅原子の遊離を生じ易くなると考えられる。また、単に脂肪酸銅と還元性化合物との混合により銅イオンの還元反応を生じる場合に比べて、予め生成された錯体等の内部で反応を生じさせることで、反応に関与する物質の供給に律速されることがなく、温度や圧力などの条件の設定により錯体等の自発的な分解反応を生じさせることで銅原子が供給され、均一な被覆銅微粒子を製造することが可能となる。
この際に使用される還元性化合物としては、例えば、ヒドラジンや塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、抱水ヒドラジン等のヒドラジン化合物、水素化ホウ素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム。亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等が挙げられるが、ヒドラジンやヒドラジン化合物等のアミノ基を有するものが好ましい。アミノ基を有する還元剤は脂肪酸銅中の銅原子等に対して配位結合を形成し易く、脂肪酸銅の構造を維持した状態で容易に脂肪酸銅との錯体等を生成すると共に、脂肪酸銅内の銅イオンの還元反応を生じるためである。
このような還元性化合物としては、後続する加熱工程で反応媒とするアルキルアミンの蒸発や分解を生じない温度範囲において、銅原子の還元・遊離を生じる錯体等を形成可能なものであれば特に限定されない。一方、還元性化合物と脂肪酸銅とから生成する錯体等の熱的な安定性が高い場合には、その分解に高い温度が必要となり、反応媒とするアルキルアミン自体の蒸発や分解を生じるなどの理由により、本発明の課題の解決が困難となる。
約150℃以下の低温で分解して銅原子を生成する錯体を形成するための還元性化合物として、典型的には、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン及びこれらの誘導体からなる群から選ばれる化合物を特に好ましく挙げられる。これらの化合物は、骨格を成す窒素原子が配位結合により含銅化合物中の銅原子に結合して錯体を生成可能である。また、一般にアルキルアミンと比較して還元力が強いため、生成した錯体が比較的穏和な条件で自発的な分解を生じて銅原子を還元・遊離して、アルキルアミンで被覆された銅微粒子を生成することができる。
ここで、ヒドラジンの誘導体とは、ヒドラジンに含まれる水素の1〜3個を所定のアルキル基等で置換したもの、例えば、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、n−プロピルヒドラジン、i−プロピルヒドラジン、n−ブチルヒドラジン、i−ブチルヒドラジン、sec−ブチルヒドラジン、t−ブチルヒドラジン、n−ペンチルヒドラジン、i−ペンチルヒドラジン、neo−ペンチルヒドラジン、t−ペンチルヒドラジン、n−ヘキシルヒドラジン、i−ヘキシルヒドラジン、n−ヘプチルヒドラジン、n−オクチルヒドラジン、n−ノニルヒドラジン、n−デシルヒドラジン、n−ウンデシルヒドラジン、n−ドデシルヒドラジン、シクロヘキシルヒドラジン、フェニルヒドラジン、4−メチルフェニルヒドラジン、ベンジルヒドラジン、2−フェニルエチルヒドラジン、2−ヒドラジノエタノール、アセトヒドラジン等が例示される。また、ヒドロキシルアミンの誘導体とは、ヒドロキシルアミンに含まれる水素の1個を所定のアルキル基やヒドロキシアルキル基、スルホアルキル基、カルボキシアルキル基などの置換基で置換したものであり、具体的にはN,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキルアミン、モノメチルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、モノエチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキルアミン、N,N−ジ(カルボキシエチル)ヒドロキルアミンが好ましい。ヒドラジン、ヒドロキシルアミンの使用に代えてその誘導体を適宜選択して使用することで、脂肪酸銅との反応性を調整することが可能であり、使用する脂肪酸銅に応じて適切な条件で自発分解を生じる錯体を生成することができる。特にヒドラジンと混合した際に錯体を生じることなく還元反応を生じやすい脂肪酸銅を用いる際には、適宜選択されるヒドラジン誘導体を使用して複合化合物の生成を促進することが有効である。
また、脂肪酸銅と還元性化合物とを混合した際に直接的に還元反応を生じる場合には、冷却した環境で混合することで還元反応を抑制することが望ましい。その他、使用する還元性化合物の還元力などの強さ等に応じて、混合の際の温度や圧力等の条件を適宜決定することができる。例えば、脂肪酸銅と還元性化合物とを約10℃以下に冷却して混合を行うことが好ましく、更に好ましくは約5℃以下、最も好ましくは約0℃以下である。
錯体の生成のために脂肪酸銅に混合される還元性化合物の比率は、脂肪酸銅と還元性化合物から生成する錯体等における両者のモル比率(以下、「定比」という。)と等しい比率か、それ以上に還元性化合物を富化した比率とすることが好ましい。還元性化合物の比率が錯体等における定比以下であると、錯体等を形成しない脂肪酸銅が生じて遊離しない金属原子を生じる結果、銅微粒子の収率が低下する。また、錯体等を形成しない過剰の還元性化合物は銅原子の還元遊離に関与しないため、好ましい還元性化合物の混合比率は錯体等における定比の4倍以下であり、現実的には定比の1〜2倍となるように還元性化合物を脂肪酸銅に混合することで良好な錯体等を形成することができる。使用する還元性化合物は、その性質に応じて2種以上の還元性化合物を混合して用いることが可能である。
また、生成する錯体等の性質を阻害しない範囲内で、錯体等の生成を助けること等を目的に、適宜の添加成分を含む還元性化合物を使用することが可能である。特に、脂肪酸銅と還元性化合物を混合する際に、系内の物質と反応を生じることなく、かつこれらを溶解可能な極性溶媒を反応媒として存在させることで、錯体等の生成が促進されて均一な錯体等を速やかに生成することができる。極性溶媒としては、室温において水(HO)に対する溶解度を有するものであることが望ましい。水に対する溶解度を示すアルコールは一定の極性を有し、このようなアルコールを用いることによって脂肪酸銅と還元性化合物等の錯体等の生成を促進することができる。このようなアルコールの示す具体的作用は明らかでないが、固体状態の脂肪酸銅を溶解させながら水溶性の還元性化合物との接触を促進することにより錯体生成を促進するものと考えられる。
上記水に対する溶解度を示すアルコールとしては、1個のOH基を有する直鎖のアルキルアルコールとして、炭素数1のメタノールから、炭素数8のオクタノールが挙げられる。一方、炭素数が9以上になると水に対して実質的に溶解せず、このようなアルコールを錯体等の形成の際に介在させても、錯体等の形成促進作用が観察されない。また、アルキルアルコールの他に、フェノールや、分子内にエーテル結合を有する適宜の炭化水素の水素原子をOH基で置換したもの等を用いることができる。
アルコールにおいては、一分子内に含まれるOH基の数が増加するに伴って強い極性が発現し、本発明においても2個のOH基を含むグリコール類や、3個のOH基を含むグリセリン、4個のOH基を含むペンタエリトリトール等が好ましく使用される。
このようなアルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ピナコール、プロピレングリコール、メントール、カテコール、ヒドロキノン、サリチルアルコール、ペンタエリトリトール、スクロース、グルコース、キシリトール、メトキシエタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ペンタエリトリトール等、及び、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコールを含むポリエチレングリコール類が挙げられる。
また、製造される被覆銅微粒子の用途に応じて、硫黄原子を含むアルコールとして、2,2’−チオジエタノール、3−チオフェンエタノール、2−チオフェンエタノール、3−チオフェンメタノール、2−チオフェンメタノール、αーチオグリセロール、2−(メチルチオ)エタノール等が挙げられる。また、リン原子を含むアルコール化合物として、ジメチル(ヒドロキシメチル)ホスホネート、ジメチル(2−ヒドロキシエチル)ホスホネート等を用いることができる。更に、ケイ素原子を含む2−(トリメチルシリル)エタノール、2−(トリメチルシリル)−1−プロパノール、トリエチルシラノール等のアルコール化合物を用いることができる。
本発明の好ましい実施形態において用いられる極性溶媒は、水に対して極めて大きな溶解度を示すアルコールであり、例えば、1−プロパノール又は2−プロパノールなどが挙げられる。さらに好ましくは、1−プロパノールである。
(錯体の分解と被覆銅微粒子の製造について)
次に、本発明に係る被覆銅微粒子の製造方法においては、上記で生成した脂肪酸銅と還元性化合物との混合物を、十分な量のアルキルアミンと混合して加熱し、脂肪酸銅の自発的分解反応により銅原子が生成して凝集することで銅微粒子が得られる。また、その際に銅微粒子の表面に使用したアルキルアミンによる被膜が生じるため、空気中の酸素で酸化され難い、安定な被覆銅微粒子を得ることができる。
本発明により製造される被覆銅微粒子における低温焼結性を確保するためには、上記脂肪酸銅の分解温度としては、望ましくは約150℃以下の温度が好ましい。錯体の分解に伴う銅原子の還元生成のために150℃以上の温度が必要な場合には、ブチルアミンやヘキシルアミンのような蒸気圧の高いアルキルアミンを反応媒に用いた場合に蒸発速度が高くなるため、実際的には反応媒として用いるアルキルアミンが炭素数8以上の長鎖のものに限定され、被覆銅微粒子の低温焼結性が阻害される。錯体の分解温度としてより好ましくは、130℃未満、さらに好ましくは120℃、110℃、又は100℃である。特に100℃以下の温度で銅原子の生成が可能であれば、炭素数が6程度のアルキルアミンを安定して使用できると共に、比較的穏和な条件で銅微粒子の生成が行われるため、粒子径が微細であり、粒径分布の狭い被覆銅微粒子を製造することが可能となる。また、比較的沸点の低い低分子のアルキルアミンが使用可能となることで、保護被膜が外れ易く低温焼結が可能な被覆銅微粒子の製造が容易になる点においても好ましい。
使用する脂肪酸銅と、還元性化合物によって銅原子を生成する反応は相違するが、例えば、脂肪酸銅としてノナン酸銅を使用し、還元性化合物としてヒドラジン(又はその誘導体)を使用した場合には、ノナン酸銅とヒドラジン等の混合により両化合物からなる錯体が生成し、これをアルキルアミンと混合して加熱することで、ノナン酸銅が100℃程度の低温においても熱分解を生じて銅微粒子が製造される。このとき、系内に存在するノナン酸やアルキルアミンが系外に存在する酸素の侵入を防止すると共に、還元されて生じた銅原子に付着して、最終的に銅微粒子を被覆することで、大気中で熱分解を行った場合においても銅原子の酸化が抑制され、安定した被覆銅微粒子が製造されると考えられる。また、ノナン酸銅に代えて或いはこれに加えて炭素数の異なる種々の脂肪酸を用いたり、アルキルアミンの分子量を調整することで、生成する銅微粒子の粒子径を数nmから100nm程度までの所望の大きさに調節することが可能である。
本発明の1つの実施形態において、上述した脂肪酸銅と還元性化合物とを混合する第1工程と、当該錯体をアルキルアミンの存在下に加熱して銅微粒子を生成させる第2工程とを、1つの容器内で同時に又は逐次的に行うことができる。「同時に」とは、脂肪酸銅と還元性化合物とアルキルアミンとを同時に混合し、好ましくはこれに極性溶媒を添加して可溶化した後に、約100℃で加熱することによって銅微粒子を生成することができる。
本発明の好ましい実施形態では、前記第1工程及び第2工程を逐次的に行うことができ、このときの加熱温度は同一であっても異なる温度であってもよい。さらに好ましくは、前記第1工程が約10℃以下に冷却して行われ、第2工程が150℃程度まで、より好ましくは約100℃に加熱して行われる。
(アルキルアミン)
脂肪酸銅と還元性化合物との混合物を加熱する際に、当該混合物と混合されるアルキルアミンは、上記のように、主に錯体の分解反応の反応媒として機能すると共に、ヒドラジンの還元作用によって生じるプロトンを捕捉し、反応溶液が酸性に傾いて空気中の酸素によって生じた銅原子が酸化されることを防止していると考えられる。このため、本発明において使用されるアルキルアミンは、使用する錯体の熱分解の条件、製造される銅微粒子に期待される特性等に応じて、公知のアルキルアミンから適宜選択して用いることができる。すなわち、錯体の熱分解の際に使用されるアルキルアミンは、脂肪酸と共に銅微粒子の被膜を構成してもよく、この場合には、生成する錯体の熱分解条件、製造される被覆銅微粒子に期待される特性等に応じて、公知のアルキルアミンから適宜選択して用いることができる。
上記混合物の熱分解の際に用いるアルキルアミンは、上記のように、製造する被覆銅微粒子の目的等に応じて適宜選択される。分子内に一つのアミノ基を有するアルキルアミン(モノアミン)としては、例えば、2−エトキシエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミン等のアルキルアミンは工業的に生産され入手が容易な点で実用的である。
特に、炭素数6〜12のヘキシルアミン、へプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミンおよびドデシルアミンがより好適に用いられる。これらは1種でも、あるいは2種以上混合して使用してもよい。
一方、分子内に二つのアミノ基を有するアルキルジアミンとして、例えば、エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2,2-ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
錯体の熱分解の際に用いるアルキルアミンは、1種のアルキルアミンを使用しても良いが、複数のアルキルアミンを混合して使用してもよい。特に、反応媒として使用するアルキルアミンは、室温において液体であることが取扱いの容易な点で好ましいため、分子量が大きく室温では固体であるアルキルアミンを用いる場合には、分子量が小さなものと混合して液状にして用いることが好ましい。特に、長鎖のアルキルアミンのうちで、オレイルアミンが室温で液状であることを利用して、オレイルアミンを主成分として各種のアルキルアミンを混合して用いることが、製造時の取扱いと、製造された被覆銅微粒子の耐酸化性を両立する点で好ましい。また、複数のアルキルアミンを混合して使用することで各アルキルアミンの蒸気圧が減少するため、分子量の小さいアルキルアミンを適宜混合して使用することは好ましい保護膜を得るために有効である。
(被覆銅微粒子)
本発明に係る被覆銅微粒子は、典型的には平均粒径が50nm以下であり、さらには平均粒径が20nm以下であるため、その表面に設けられた保護膜が脱離することで、通常の銅粉末と比較して極めて低い温度においても焼結して銅被膜を形成することが可能である。特に、銅原子の供給源として用いる脂肪酸銅に含まれる脂肪酸や、錯体の熱分解の際使用されるアルキルアミンとして、蒸気圧の高いものを使用することで脱離が容易な保護膜が形成され、より低温での焼結が可能になる。また、比較的分子量の大きなアルキルアミンを使用した場合には、強固な保護膜が形成されることによって製造した被覆銅微粒子の酸化が防止されて、大気中においても長期間の保存が可能となる。
本発明の銅微粒子の表面を被覆する保護膜の少なくとも一部には、前記脂肪酸銅及び/又はアルキルアミンを含むものであるが、これらの被覆銅微粒子全体の重量に対する含量、すなわち被覆率は、15重量%以下であることが好ましい。
一方、当該被覆銅微粒子を適宜の温度に加熱することで、保護膜を形成する脂肪酸やアルキルアミンが脱離して銅微粒子同士が直接接触することにより導体化を生じ、200℃程度以下の温度においても銅微粒子を構成する銅原子が相互に拡散して融着し、導体化が進展することが確認されている。この現象は、保護膜を形成する脂肪酸やアルキルアミンが、そのカルボキシル基やアミノ基を介した配位結合により銅微粒子の表面に対して弱く結合しており、これらが比較的容易に脱離可能であるためと考えられている。
この性質を利用して、種々の手法により、主に所望の形態の銅被膜を形成するために使用することが可能であり、特に、耐熱性の低い基板上に銅配線を形成するために有効である。つまり、有機溶媒に分散させてインク状にしたものをインクジェットプリント等の各種の方法で所望の形状に印刷し、不活性雰囲気内で所定の温度に加熱して保護被膜を脱離させることで、露出した銅微粉末同士が焼結を生じるため、容易に銅配線等を印刷により形成することができる。また、被覆銅微粒子をペースト状や粉末状のままで塗布した後に焼結を行うことも可能である。
その他、被覆銅微粒子の焼結を生じさせる方法としては、紫外線などの電磁波によって保護被膜を脱離させる方法、機械的に圧力を加える方法で保護被膜を脱離させる方法等により保護被膜を脱離させて銅微粒子同士を接触させることで、通常の焼結温度よりも非常に低い温度で焼結を生じさせることができる。また、電気回路を印刷で形成する以外に、本発明に係る被覆銅微粒子を使用して従来の無電解メッキ等に代えて不導体表面に導体層を形成したり、金属間に挟んで押圧することで金属同士を機械的・電気的に接合する接着層とする用途に用いることができる。
(銅微粒子を含む膜を形成する基体と、膜の形成方法)
本発明の方法において、被覆銅微粒子を含むインクやペーストを塗布する基体の材質や形状は特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス、紙、金属、シリコン及びセラミックス等からなる材料を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル−エーテルケトン、ポリアリレート、アロマティックポリエステル、アロマティックポリアミド、フッ素樹脂、ポリビニリデンクロライド、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリメタクリル酸メチル、酢酸セルロース等が挙げられる。
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、アニリン樹脂、アセトン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。前記セラミックスとしては、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物などの無機化合物を意味し、例えばアルミナ(Al23)、シリコンナイトライド(SiN)、シリコンカーバイド(SiC)、アルミナイトライド(AlN)、ホウ化ジルコニウム(ZrB2)等が挙げられる。
被覆銅微粒子を含むインク等を用いて所定の膜等を基体上に形成する工程は、所望の厚みで膜を形成できる方法であれば特に限定されず、一般的なスピンコートやスプレー塗布等を用いることができる。また、特に被覆銅微粒子を含む膜により配線前駆体となるパターンを基体上に形成する工程は、従来の様々な印刷方法を用いることが可能であり、例えば、スクリーン印刷方法、インクジェット印刷方法、凹版印刷、凸版印刷、平板印刷等を用いることができる。また、被覆銅微粒子を含む膜を導体化して得られる金属膜の用途は電気配線に限定されず、光学装置用の鏡面や、各種装飾用等に用いることができる。
被覆銅微粒子を含むインク等により基体上に形成される膜の厚みは、導体化により得られる金属膜の目的に応じて適宜設定することができる。通常の電気配線等であれば、1μm以下程度の金属膜となるように当該インクにより膜を形成し、導体化を行うことで良好な特性を得ることができる。
以下、本発明に係る被覆銅微粒子の製造方法について実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]ノナン酸銅(II)と酢酸銅(II)を用いた銅微粒子粉体の合成
[1.1]ノナン酸銅の合成
水酸化銅(関東化学、特級)2.6g(26mmol)に1−プロパノール(関東化学、特級)10mLを加えて撹拌し、これにノナン酸(関東化学、>90%)8.4g(53mmol)と1−プロパノール10mLの混合溶液を加えた。アルミブロック式加熱撹拌機(小池精密機器製作所)中で100℃で加熱撹拌した。反応は5分以内に終了し、溶液はノナン酸銅溶液の色である緑色を呈色した。放冷した後に生成したノナン酸銅を吸引濾過し、1−プロパノール、水、メタノールの順で洗浄した。その粉体を減圧乾燥した。収量は9.4g(収率94%)であった。
[1.2]銅光沢を放つ銅微粒子の合成
以下の合成は全て大気下で実施した。
実施例1.1で得られたノナン酸銅(II)1.2g(3.2mmol)と酢酸銅(II)一水和物(関東化学、特級)0.64g(3.2mmol)を50mLの遠心ガラス管にいれ、1−プロパノール1mLを添加し、アルミブロック式加熱撹拌機(小池精密機器製作所)中で100℃で加熱撹拌し溶解させた。ヒドラジン一水和物(関東化学、特級)0.631mL(12.8mmol)を1−プロパノール1mLに溶解させ、これを、遠心ガラス管の銅前駆体溶液に加え、氷浴中で撹拌した。ヘキシルアミン(東京化成、純度99%)2.6g(25mmol)(銅:ヘキシルアミン=1:4(モル比))を加え、さらに撹拌した。アルミブロック式加熱撹拌機中で100℃で加熱撹拌した。発泡を伴う還元反応が進み、10分以内で反応が終了した。遠心ガラス管の壁面に銅光沢が現れ、溶液は暗赤色へ変化した。ヘキサン(関東化学、特級)(2mL)を加え、遠心分離(4000rpm(1分間))により、固体物を得た。その遠心分離した固体物を減圧乾燥すると、銅光沢をもつ銅微粒子粉体(収量0.41g、収率96%)が得られた。
[1.3]上記工程で合成した酢酸銅(II)とノナン酸銅(II)を用いた銅微粒子の評価
<粉末X線回折>
実施例1.2で得られた銅微粒子粉体は大気下合成でありながら銅光沢を放っており、大気中の酸素に対して安定であり、その表面酸化が抑制されていることが分かる。銅微粒子粉体の粉末X線回折(XRD)パターン(理学 MiniFlexII)から、金属銅に帰属される三つのシグナルが観測されたが、顕著な酸化銅成分に由来するシグナルは見られなかった(図1)。また、そのシグナルの半値幅から計算された金属銅微粒子の単結晶子サイズは、シェラーの式から10±5nmであった。
<電子顕微鏡観察>
実施例1.2で得られた銅微粒子をトルエンに分散させ、これを透過電子顕微鏡(TEM)基板(カーボン支持膜)に滴下することで、TEM基板に銅微粒子を付着させた。その(フィールドエミッション透過電子顕微鏡像(FE−TEM像)(JEOL JEM−2100F)から、粒子径10nm以下の球状銅微粒子が観察されるほか、100〜200nmの大きな粒子も含まれていることが分かった(図2)。空気酸化を受けやすいと考えられる10nm以下のナノ微粒子に対して高分解能TEM(HR−TEM)観察を行った。観察できた格子像の格子間隔である0.21nmは金属銅の(111)面の面格子間隔と一致した(図3)。従って、電子顕微鏡からは、酸化銅に由来する成分は観察されなかった。
<熱重量示差熱同時分析>
実施例1.2で得られた銅微粒子粉体の保護分子の含有重量を調べるため、熱重量示差熱同時分析(TG−DTA)を行った(図4)。TAインスツルメント SDTQ600を用いて、昇温条件10℃毎分、純窒素気流下(150mL毎分)で行った。室温から250℃の加熱により、2段階の重量減少が見られた。400〜500℃を超えると重量減少は一定となり、このときの重量減少率の5.3重量%が銅微粒子の表面を覆っている有機保護分子の重量となる。この重量減少から実施例1.2における銅基準の収率は96%と計算された。
<熱重量同時質量分析>
実施例1.2で得られた銅微粒子粉体の熱重量減少を追跡しながら質量分析器JEOL(JMS−Q1050GC)を用いて、脱離した保護分子の質量分析(TG−Mass)を行った。昇温条件15℃毎分、ヘリウム気流下(100mL毎分)で、イオン化方法はEIとPI(光イオン化)で実施した。200℃までの第一段階目の熱重量減少で、脂肪酸(酢酸とノナン酸)の由来する成分とヘキシルアミンに由来する保護分子の両方が脱離していることが分かった。200℃以上の第二段階目の熱重量減少ではノナン酸に由来の成分が検出された。
<焼結性>
実施例1.2で得られた銅微粒子をトルエンに分散させ、50重量%の銅微粒子インクを調製した。このインクをガラス基板上に垂らし、バーコーター(栄和発條製作所 φ8×300mm)を用いて塗布し、銅光沢ナノ微粒子薄膜を作製した。得られた銅光沢ナノ微粒子薄膜を電気炉(KDF S−70)に入れ、保護分子を熱除去並びに粒子同士を焼結させた(焼結条件:アルゴン下、昇温速度は10℃/分、各到達温度(200、220、240、260℃)で1時間維持)。図5に示すように、実施例1.2で得られた銅微粒子薄膜は200℃加熱で導体化し、260℃加熱で、体積抵抗率(5.0μΩcm、銅のバルク抵抗(1.7μΩcm)の約3倍の体積抵抗)を示した。体積抵抗率は4端針面抵抗測定器(共和理研、K−705RS)で測定した面抵抗値と、フィールドエミッション走査電子顕微鏡(FE−SEM、JEOL JSM−7600F)像から求めた膜厚から算出した。
[実施例2]水酸化銅(II)を出発物質とする銅微粒子の合成
[2.1]水酸化銅(II)を用いた銅微粒子の簡便合成
50mLの遠心ガラス管に水酸化銅(II)0.62g(6.3mmol)とノナン酸2.0g(13mmol)、1−プロパノール0.9mLを加え、アルミブロック式加熱撹拌機を用いて100℃で加熱・撹拌した。この加熱撹拌により、水酸化銅とノナン酸が反応することでノナン酸銅プロパノール溶液が得られる(反応式:Cu(OH)+2C17COOH → Cu(C17COO)+2HO)この溶液を氷冷し、1−プロパノール1mLに溶かしたヒドラジン一水和物0.628mL(12.7mmol)を加えた。その後、ヘキシルアミン2.57g(25.4mmol)を加え、さらに数分撹拌した。100℃で加熱・撹拌することで、発泡を伴う還元反応が進み、10分以内で反応が終了した。遠心ガラス管の壁面に銅光沢が現れ、溶液は暗赤色へ変化した。ヘキサン(2mL)を加え、遠心分離(4000rpm(1分間))により、固体物を得た。その遠心分離した固体物を減圧乾燥すると、銅光沢をもつ銅微粒子粉体(収量0.36g、収率81%)が得られた。
[2.2]水酸化銅(II)を用いた銅微粒子の評価
<粉末X線回折>
実施例2.1で得られた銅微粒子粉体の粉末X線回折XRDパターンから、金属銅に帰属される三つのシグナルが観測された。また、酸化銅成分に由来するシグナルも弱い強度であるが観測された(図6)。また、そのシグナルの半値幅から計算された金属銅微粒子の単結晶子サイズは、9±4nmであり、実施例1で得られた金属銅微粒子の比べて単結晶子サイズが小さいことが分かった。
<電子顕微鏡観察>
実施例2.1で得られた銅微粒子をトルエンに分散させ、これをTEM基板に滴下することで、TEM基板に銅微粒子を付着させた。FE−STEM像(JEOL JSM−7600F)からは2つの粒子径分布を示す銅微粒子が観察された。その粒子径分布はそれぞれ7.6±2.3nm(図7(a))と24±3.3nm(図7(b))であった。また、粒子形状は球状の他に、プリズムやヘキサゴナルプレートが多く存在していること分かった。
<熱重量示差熱同時分析>
実施例2.1で得られた銅微粒子粉体の保護分子の含有重量を調べるため、熱重量示差熱同時分析(TG−DTA)を行った。室温から250℃の加熱により、2段階の重量減少が見られた。400〜500℃を超えると重量減少は一定となり、このときの重量減少率の9.2重量%が銅微粒子の表面を覆っている有機保護分子の重量となる。この重量減少から実施例2.1における銅基準の収率は81%と計算された。
[実施例3]
実施例2の方法においてヘキシルアミンとヒドラジンの添加順序を入れ替えた方法
50mLの遠心ガラス管に水酸化銅(II)0.62g(6.3mmol)とノナン酸2.0g(13mmol)、1−プロパノール0.9mLを加え、アルミブロック式加熱撹拌機を用いて100℃で加熱・撹拌した。この溶液にヘキシルアミン2.57g(25.4mmol)を加え、6分間撹拌した。この溶液を氷冷し、1−プロパノール1mLに溶かしたヒドラジン一水和物0.628mL(12.7mmol)を加えた。その後、100℃で加熱・撹拌することで、発泡を伴う還元反応が進み、10分以内で反応が終了した。遠心ガラス管の壁面に銅光沢が現れ、溶液は暗赤色へ変化した。ヘキサン(2mL)を加え、遠心分離(4000rpm(1分間))により、固体物を得た。その遠心分離した固体物を減圧乾燥すると、銅光沢をもつ銅微粒子粉体(収量0.40g、収率92%)が得られた。
<粉末X線回折>
上記で得られた銅微粒子粉体の粉末X線回折XRDパターンから、金属銅に帰属される三つのシグナルが観測された。また、酸化銅成分に由来するシグナルもごく弱い強度であるが観測された。また、そのシグナルの半値幅から計算された金属銅微粒子の単結晶子サイズは、10±3nmであった。
<電子顕微鏡観察>
FE−STEM像からは2つの粒子径分布を示す銅微粒子が観察された。その粒子径分布はそれぞれ5.7±1.7nmと27±7.9nmであった。また、実施例2で合成した銅微粒子と同様に、粒子形状は球状の他に、プリズムやヘキサゴナルプレートが多く存在していること分かった(図8)。
<熱重量示差熱同時分析>
上記で得られた銅微粒子粉体の保護分子の含有重量を調べるため、熱重量示差熱同時分析(TG−DTA)を行った。室温から250℃の加熱により、2段階の重量減少が見られた。400〜500℃を超えると重量減少は一定となり、このときの重量減少率の6.4重量%が銅微粒子の表面を覆っている有機保護分子の重量となる。この重量減少から実施例5における銅基準の収率は92%と計算された。
[実施例4] 1種類の脂肪酸を用いた銅微粒子の合成
実施例2と同様な方法で、ノナン酸を他の脂肪酸(炭素数3〜7)に置き換えて、銅微粒子を合成した。
[4.1] 銅微粒子の評価
XRD測定結果(図9)から、いずれの脂肪酸銅を用いた合成でも、酸化銅由来のピークは強度的にはごくわずかで、主に金属銅のシグナルが観測された。
図9のXRDパターンのシグナルの半値幅から計算した金属銅微粒子の単結晶子サイズとTG−DTAから計算した有機保護分子の重量%を表1にまとめた(この重量減少から求めた銅基準の銅微粒子の収率はいずれの脂肪酸を用いた合成でも80%以上であった)。用いた脂肪酸の炭素鎖が短い方が、XRDのシグナルがよりシャープであり(シグナル半値幅が小さい)、表1の得られた銅微粒子の単結晶子サイズは大きくなる傾向がみられた。その結晶子サイズが大きい方が、混在する酸化銅に由来するシグナル強度が減少し、酸化が抑制される傾向があることが分かった。
[実施例5] 2種類の脂肪酸を用いた銅微粒子の合成
実施例2と同様な方法で、2種類の脂肪酸(モル比で1:1)を同時に加えて、銅微粒子を合成した。
[5.1] 銅微粒子の評価
XRDパターンのシグナルの半値幅から計算した金属銅微粒子の単結晶子サイズとTG−DTAから計算した有機保護分子の重量%を表2にまとめた(この重量減少から求めた銅基準の銅微粒子の収率はいずれの脂肪酸を用いた合成でも80%以上であった)。
実施例4で得られた銅微粒子と同様に、表2で結晶子サイズが大きい方が、混在する酸化銅に由来するシグナル強度が減少し、酸化が抑制される傾向があることが分かった。
[比較例1] アルキルアミンを用いない場合
50mLの遠心ガラス管に水酸化銅(II)0.62g(6.3mmol)とノナン酸1.0g(6.3mmol)と酢酸0.381g(6.3mmol)、1−プロパノール0.9mLを加え、アルミブロック式加熱撹拌機を用いて100℃で加熱・撹拌した。この溶液を氷冷し、1−プロパノール1mLに溶かしたヒドラジン一水和物0.628mL(12.7mmol)を加えた。その後、100℃で加熱・撹拌することで、発泡を伴う還元反応が進み、5分以内で反応が終了した。遠心ガラス管の壁面に銅光沢が現れ、溶液は暗赤色へ変化した。ヘキサン(1〜3mL)を加え、遠心分離(4000rpm(1分間))により、固体物を得た。その遠心分離した固体物を減圧乾燥すると、銅光沢をもつ銅微粒子粉体が得られた。
銅微粒子の評価
<粉末X線回折>
ヘキシルアミンが存在する場合には、酸化物がほとんど出ないのに対して、本比較例では酸化銅に由来するピークが検出された。
<電子顕微鏡像>
トルエンに銅粉体を溶解させたインクをマイクロチューブに取り、トルエンで希釈した。その後、希釈したインクをマイクログリッドの上に滴下し、アセトンで洗浄、FE−SEMの透過像により粒子を観察した。ヘキシルアミンが存在する場合と比べて、凝集が顕著に起こっていることが分かった。この時、超音波などの操作を行ったが、2次粒子の離散はできなかった。
これらの結果より、アルキルアミンの非存在下では、銅の酸化を抑制することができず、かつ分散した銅微粒子の合成はできないことが分かった。

Claims (15)

  1. 炭素原子数9以下の脂肪酸銅、還元性化合物及びアルキルアミンを含む混合物を加熱する加熱工程を含むことを特徴とする被覆銅微粒子の製造方法。
  2. 前記混合物が、更に少なくとも1種の極性溶媒を含むことを特徴とする請求項1に記載の被覆銅微粒子の製造方法。
  3. 前記混合物が、10℃以下の温度で混合する工程を含む工程により調製されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の被覆銅微粒子の製造方法。
  4. 前記加熱工程が、150℃以下の温度で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の被覆銅微粒子の製造方法。
  5. 前記脂肪酸銅が、水酸化銅と、炭素原子数が9以下の脂肪酸と、極性溶媒の混合物を加熱して生成させたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の被覆銅微粒子の製造方法。
  6. 前記極性溶媒が、1−プロパノール又2−プロパノールを含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の被覆銅微粒子の製造方法。
  7. 前記脂肪酸銅が、酢酸銅、プロピオン酸銅、酪酸銅、吉草酸銅、カプロン酸銅、エナント酸銅、カプリル酸銅及びノナン酸銅からなる群より選択される1種又は2種以上の脂肪酸銅を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の被覆銅微粒子の製造方法。
  8. 前記還元性化合物が、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン又はそれらの誘導体を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の被覆銅微粒子の製造方法。
  9. 銅微粒子が、アルキルアミンと脂肪酸とを含む膜で被覆されている被覆銅微粒子であって、当該銅微粒子は実質的に銅の酸化物相を含まないことを特徴とする被覆銅微粒子。
  10. 前記銅微粒子は銅の結晶相を含むことを特徴とする請求項9に記載の被覆銅微粒子。
  11. 前記被覆銅微粒子は、不活性雰囲気で相互に焼結して導電性の被膜を形成可能であることを特徴とする請求項9又は10に記載の被覆銅微粒子。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の被覆銅微粒子を有機溶媒に分散させたことを特徴とする分散液。
  13. 前記有機溶媒は、非極性溶媒を含むことを特徴とする請求項12に記載の分散液。
  14. 前記有機溶媒は、極性溶媒を含むことを特徴とする請求項12に記載の分散液。
  15. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の被覆銅微粒子を含むことを特徴とするペースト。
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