JP2014148206A - 自動二輪車のフロントフォーク、及び、当該フロントフォークを構成するアウターチューブの筒の外周面に取付けられる外装筒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒により形成されたアウターチューブ2と当該アウターチューブの筒の外周面に取付けられた外装筒体3とを有した剛性可変アウターチューブ4と、筒により形成されたインナーチューブ5と、を備えた自動二輪車のフロントフォーク1であって、外装筒体3は、切欠部40を備え、剛性可変アウターチューブ4は、外装筒体3がアウターチューブの筒の外周面に密着した状態となるように車体との連結用のブラケット(アンダーブラケット12)に固定され、かつ、ブラケットに固定された状態が解除された場合に、外装筒体3がアウターチューブ2の中心軸線2Aに沿った方向Yに移動可能、かつ、外装筒体がアウターチューブの中心軸線を回転中心として回転可能に構成された。
【選択図】図1
Description
特許文献1のアウターチューブは、アウターチューブを形成する組糸の組角度を異ならせることにより、特許文献2のアウターチューブは、アウターチューブとは別体の補強部をアウターチューブの外周面に接着することにより、特許文献3のアウターチューブは、アウターチューブの外周面の一部が切削されたことにより、アウターチューブの周方向の位置あるいはアウターチューブの長手方向の位置でアウターチューブの剛性を異ならせた構成である。
本発明は、車体に取付けられた状態でアウターチューブの剛性を変化させることが可能な自動二輪車のフロントフォーク等を提供する。
また、筒により形成されたアウターチューブと当該アウターチューブの筒の外周面に取付けられた外装筒体とを有した剛性可変アウターチューブと、筒により形成されたインナーチューブとを備え、前記インナーチューブが一端開口側より前記アウターチューブの一端開口を経由して当該アウターチューブの内側に挿入されて前記インナーチューブと前記アウターチューブとがそれぞれ筒の中心軸線に沿った方向に移動可能に構成された自動二輪車のフロントフォークであって、前記外装筒体は、切欠部を備え、前記剛性可変アウターチューブは、前記外装筒体が前記アウターチューブの筒の外周面に密着した状態となるように車体との連結用のブラケットに固定され、かつ、当該ブラケットに固定された状態が解除された場合に、前記外装筒体が前記アウターチューブの中心軸線を回転中心として回転可能に構成されたので、車体に取付けられた状態でアウターチューブの周方向の剛性を変化させることが可能なフロントフォークを提供できる。
前記自動二輪車のフロントフォークにおけるアウターチューブの筒の外周面に取付けられる外装筒体であって、切欠部を備え、前記切欠部は、筒の内周面と外周面とに連通する貫通孔により形成されたので、フロントフォークが車体に取付けられた状態でアウターチューブの周方向の剛性を変化させることが可能となる。
筒の一端と前記貫通孔とを連通させる連通部を備えたので、外装筒体とアウターチューブとがブラケットに固定された状態が解除された場合において、外装筒体をアウターチューブの中心軸線を回転中心として回転させる際や、外装筒体をアウターチューブの中心軸線に沿った方向に移動させる際に、外装筒体の筒の一端側におけるアウターチューブの外周面との摩擦抵抗を減らすことができるので、外装筒体がアウターチューブの外周面に取付けられた状態で容易にアウターチューブの剛性を変化させることができるようになる。
図1に示すように、フロントフォーク1は、筒により形成されたアウターチューブ2と当該アウターチューブ2の筒の外周面に当該アウターチューブ2の筒の上端(他端)側から着脱可能に取付けられた外装筒体3とを有した剛性可変アウターチューブ4と、インナーチューブ5と、を備え、インナーチューブ5が筒の一端開口側よりアウターチューブ2の筒の一端開口を経由してアウターチューブ2の内側に挿入されて、インナーチューブ5とアウターチューブ2とがそれぞれ筒の中心軸線に沿った方向に移動可能に構成される。即ち、インナーチューブ5及びアウターチューブ2は、筒の中心軸線が一致するように同軸状に配置され、中心軸線に沿った方向に移動可能に構成される。
例えば、当該フロントフォーク1は、インナーチューブ5とアウターチューブ2とがそれぞれ筒の中心軸線に沿った方向に移動する際に減衰力が得られる油圧を利用した減衰機構とバネによる反力を内蔵した構成である。
アウターチューブ2の下端部(一端開口側)には、図外のオイルシールを介してインナーチューブ5を摺動可能に支持するシールケース20を備える。シールケース20の外径は、アウターチューブ2におけるシールケース20以外の部分の外径よりも大径、又は、シールケース20以外の部分の外径と同一径に形成される。アウターチューブ2の上端開口(他端開口)を介してアウターチューブ2の内側にはフォークオイルが封入され、アウターチューブ2の上端開口は図外の蓋材で封止されている。
アウターチューブ2及びインナーチューブ5は、例えば、アルミニウムや鉄等の金属により形成される。
左の剛性可変アウターチューブ4の中央部がアンダーブラケット12の左の固定部13に連結固定され、右の剛性可変アウターチューブ4の中央部がアンダーブラケット12の右の固定部13に連結固定される。
外装筒体3は、アウターチューブ2の筒の外周面に押し付けられて当該アウターチューブ2の筒の外周面に密着した状態となるようにアンダーブラケット12の固定部13に固定され、かつ、当該固定部13に固定された状態が解除された場合に、アウターチューブ2の中心軸線2Aに沿った方向に移動可能、及び、アウターチューブ2の中心軸線2Aを回転中心としてアウターチューブ2の外周面回りを回転可能なように構成される。
各切欠部40;40の始端41;41は、円形筒体の筒の一端円周上において互いに180°隔てた位置に設けられる(図6参照)。
各切欠部40;40は、円筒筒体の中心軸線を回転中心としたn回対称の回転対称形状、例えば、図4に示すように、円筒筒体の中心軸線を回転中心とした2回対称の回転対称形状(180°回転対称形状)に形成される。
このように、円筒筒体の中心軸線を回転中心としたn回対称の回転対称形状に形成された切欠部40を備えた外装筒体3を用いれば、アウターチューブ2の左右の剛性バランスを取りやすくなる。
拡径スリット部43は、例えば、図6に示すように、直線状スリット部42を形成する互いに対向する各溝縁の末端から円形筒体の筒の他端側に向かうに従って互いに筒の周方向に離れるように延長した後、直線状スリット部42の溝の中心軸線42A上で繋がるような涙形の開口を形成する開口縁により形成される。
即ち、切欠部40は、外装筒体3の筒の一端に開口し、筒の一端から筒の他端方向に延長して筒の他端に開口しない一端開口他端閉塞の切欠により形成される。
前記直線状スリット部42は、円形筒体の筒の内周面と外周面とに連通する貫通孔を形成する拡径スリット部43と円形筒体の筒の一端とを連通させる連通部として機能する。
外装筒体3を形成するスリット付き円形筒体の筒の一端部44は、外装筒体3の一端部44と当該一端部44以外の部分との境界部45から外装筒体3の一端に近づくに従って漸次的に外径寸法が小さくなるような先細りの筒形状となるように形成されている。即ち、一端部44の外周面は、境界部45から外装筒体3の一端に向けて外装筒体3の中心軸線に漸次近づくような傾斜面に形成されている。一端部44が先細りの筒形状に形成されたことにより、外装筒体3をアンダーブラケット12の下方側からアンダーブラケット12の連結孔に挿入しやすくなるとともに、外装筒体3をアンダーブラケット12の連結孔から外しやすくなる。
尚、アンダーブラケット12の固定部13は、アンダーブラケット12の端部に形成されたねじ孔にボルトが締結されることによって、剛性可変アウターチューブ4の外装筒体3をアウターチューブ2の筒の外周面に密着させてアウターチューブ2の剛性を上げるように剛性可変アウターチューブ4を連結孔に固定する構成であってもよい。
そして、アッパーブラケット10のボルト17及びナット18を締結してアウターチューブ3の上端側(他端側)をアッパーブラケット10の連結孔に連結固定する。さらに、アンダーブラケット12のボルト17及びナット18を締結して外装筒体3の筒の内周面とアウターチューブ2の筒の外周面とが密着した状態となるように外装筒体3及びアウターチューブ2をアンダーブラケット12の連結孔19に連結固定する。
このように、アッパーブラケット10の連結孔及びアンダーブラケット12の連結孔19に連結固定された剛性可変アウターチューブ4は外装筒体3を有しているので、アウターチューブ2だけの場合と比べて剛性がアップする。
即ち、外装筒体3をアウターチューブ2の中心軸線2Aを回転中心として回転させることで、車体8に取付けられた状態でアウターチューブ2の周方向の剛性を変化させることが可能なフロントフォーク1となり、フロントフォーク1の前後;左右の剛性バランスを変化させることができる。
また、外装筒体3をアウターチューブ2の中心軸線2Aに沿った方向に移動させることにより、車体8に取付けられた状態でアウターチューブ2の長手方向の剛性を変化させることが可能なフロントフォーク1となる。つまり、外装筒体3をアウターチューブ2の下端側(一端側)に移動させることでフロントフォーク1の剛性を上げることができ、外装筒体3をアウターチューブ2の上端側(他端側)に移動させることでフロントフォーク1の剛性を下げることができる。
このように、筒の内周面と外周面とに連通する貫通孔により形成された切欠部を有した構成の外装筒体3を、アウターチューブ2の中心軸線2Aに沿った方向に移動不能に設けるようにして、当該外装筒体3をアウターチューブ2の中心軸線2Aを回転中心として回転させることで、フロントフォーク1の前後;左右の剛性バランスを変化させることができるように構成されたフロントフォークとしてもよい。
12 アンダーブラケット(ブラケット)、40 切欠部、
42 直線状スリット部(連通部)、43 拡径スリット部(貫通孔)。
Claims (4)
- 筒により形成されたアウターチューブと当該アウターチューブの筒の外周面に取付けられた外装筒体とを有した剛性可変アウターチューブと、筒により形成されたインナーチューブと、を備え、
前記インナーチューブが一端開口側より前記アウターチューブの一端開口を経由して当該アウターチューブの内側に挿入されて前記インナーチューブと前記アウターチューブとがそれぞれ筒の中心軸線に沿った方向に移動可能に構成された自動二輪車のフロントフォークであって、
前記剛性可変アウターチューブは、前記外装筒体が前記アウターチューブの筒の外周面に密着した状態となるように車体との連結用のブラケットに固定され、かつ、当該ブラケットに固定された状態が解除された場合に、前記外装筒体が前記アウターチューブの中心軸線に沿った方向に移動可能に構成されたことを特徴とする自動二輪車のフロントフォーク。 - 筒により形成されたアウターチューブと当該アウターチューブの筒の外周面に取付けられた外装筒体とを有した剛性可変アウターチューブと、筒により形成されたインナーチューブと、を備え、
前記インナーチューブが一端開口側より前記アウターチューブの一端開口を経由して当該アウターチューブの内側に挿入されて前記インナーチューブと前記アウターチューブとがそれぞれ筒の中心軸線に沿った方向に移動可能に構成された自動二輪車のフロントフォークであって、
前記外装筒体は、切欠部を備え、
前記剛性可変アウターチューブは、前記外装筒体が前記アウターチューブの筒の外周面に密着した状態となるように車体との連結用のブラケットに固定され、かつ、当該ブラケットに固定された状態が解除された場合に、前記外装筒体が前記アウターチューブの中心軸線を回転中心として回転可能に構成されたことを特徴とする自動二輪車のフロントフォーク。 - 請求項1又は請求項2に記載の自動二輪車のフロントフォークにおけるアウターチューブの筒の外周面に取付けられる外装筒体であって、
切欠部を備え、
前記切欠部は、筒の内周面と外周面とに連通する貫通孔により形成されたことを特徴とする外装筒体。 - 筒の一端と前記貫通孔とを連通させる連通部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の外装筒体。
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