JP2014145139A - 開繊物の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】衛生材料用吸収体の材料となる開繊物の製造装置の提供。
【解決手段】繊維トウの予備開繊ユニット20、予備開繊物を開繊する開繊ユニット2、開繊物をシートに成形するための成形ユニット3を備えた開繊物の製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、使い捨て紙おむつ、生理用品などの衛生材料用吸収体の製造材料や、衣類材料等の生活関連製品として適した開繊物の製造装置と、それを使用した開繊物の製造方法に関する。
セルロースアセテート繊維は、使い捨ておむつ、生理用品などの衛生材料用吸収体として用いられている。
セルロースアセテートフィラメントのトウは、糸に膨らみをもたせ、紡績作業を容易にするため、捲縮が付与されている。捲縮されたフィラメントは、立方体の梱包容器内にベール状に梱包された状態で、脱気・圧縮された状態で輸送される。そして、最終製品の製造時には、ベールからフィラメントを取り出した後に開繊し、その後、所望形状に成形される。
特許文献1(特公昭61−7824号公報)では、セルロースアセテート繊維からなる衛生材料用吸収材が開示されている。上記特許文献1には、セルロースアセテートの捲縮長繊維のトウを開繊したもの又は短繊維をウェブ状としたものが、比較的大きな吸水保持能力を有することが記載されている。
特許文献2(米国特許3282768号明細書)、特許文献3(米国特許3099594号明細書)には、従来の機械開繊によりトウが受けるダメージを低減、防止するために空気ジェットによる開繊方法が開示されている。さらに特許文献4(米国特許3297506号明細書)には、特許文献2および3の問題点を解決した空気開繊装置が提案されている。
特許文献5(特表昭59−500422号公報)には、空気開繊を用いて、シート状に開繊する発明が開示されている。
特許文献6(特開2004−244794号公報)には、捲縮されたトウをトウの移動方向に直角な方向に広げ、脱整合し、成形して実質的に長方形の断面にし、成形されたトウ全体に粒状物を分配する吸収性複合体の製造方法が開示されている。また、特許文献6には、高吸水性樹脂(super absorbent polymer)(特許文献2中の超吸収性ポリマー)(SAP)を含むおむつの調製において、空気開繊後のトウに対して垂直下向きに、SAP粉末又はスラリーを送出し、次いでローラに供されることが記載されている。
特許文献7(米国特許第3,262,181号明細書)には、捲縮トウを処理領域の実質的に単一方向の通路に導入し、トウの移動と実質的に同じ方向に対して気体の第一の流れを向け、この第一の気体の導入より下流で、別の気体の流れをトウの移動方向と実質的に同じ方向に対して向け、この別の気体の流れにより、予め捲縮された前記トウの繊維を開繊し、さらに単一のロッド様構造に圧縮する方法が開示されている。
特許文献8(特開2008−255529号公報)には、水分などの液体に対する吸収性に優れた繊維シート、並びにこの繊維シートを簡便に製造できる方法および装置が開示されている。
上記した先行文献は、いずれもトウを開繊した後の繊維シートに対して高吸水性樹脂(SAP)を添加している。これは、従来は開繊が終了していない状態のトウ束は、嵩が低く、添加剤を散布してもトウ束の中にSAPが入らないと考えられていたためである。このため、上記した先行文献のように、トウを開繊した後の繊維シートにSAPを添加した状態では、トウの厚み方向の一面(上面)にSAPが多く偏在することになり、吸収体として使用された場合に問題を生じる。また、その後の加工後においてSAPの脱落が生じることもある。
このようなSAPの偏在に起因する問題点の解決も検討されており、例えば、特許文献9(特開2006−102479号公報)では、薄型で低坪量となる吸収体を得るための方法が開示されているが、非常に煩雑な方法である。
特許文献10には、フィルタートウを開繊するために使用するトウトランスポートジェットが記載されている。トウトランスポートジェットの出口には、開口部方向に内径が拡大されているトランペットガイドが接続されることが記載されている(段落番号0036)。
また、トウの開繊物を使い捨ておむつ等の衛生材料用吸収体の製造材料として適用する場合には、幅広い形状のものの方が加工し易い。しかし、従来技術では、前記用途に適した幅広い形状のものを製造することは困難である。成形ローラー等で断面形状が円形のものを押し潰せば幅広い形状のものを得ることができるが、その場合には、中央部分は厚くかつ密度が大きく、両側部分は薄くかつ密度が小さなものしか得られず、吸収性能が低下し易くなるという問題がある。
特公昭61−7824号公報 米国特許3282768号明細書 米国特許3099594号明細書 米国特許3297506号明細書 特表昭59−500422号公報 特開2004−244794号公報 米国特許第3,262,181号明細書 特開2008−255529号公報 特開2006−102479号公報 特開2012−239437号公報
本発明は、装置を簡略化することができ、嵩高く、ふんわりとした感触の開繊物を製造できる製造装置と、製造工程を簡略化することができ、前記した優れた品質の開繊物を得ることができる開繊物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、
長尺状繊維トウの予備開繊ユニット(1)、予備開繊物を開繊する開繊ユニット(2)、開繊物をシートに成形するための成形ユニット(3)を備えた開繊物の製造装置であって、
前記開繊ユニットが、第1筒状部(110)と第2筒状部(120)を有するトウトランスポートジェット(100)からなるものであり、
第1筒状部(110)が、円錐形状のトウ導入部(111)と、トウ導入部(111)から延ばされた内側チューブ部(113)を有するものであり、
第2筒状部(120)が、外部の空気供給源と接続される空気注入口(126)を備えた円筒本体部(121)と、円筒本体部(121)から延ばされた外側チューブ部(122)と、円筒本体部(121)と外側チューブ部(122)との境界部に形成された円錐状の傾斜面部(123)を有するものであり、
第1筒状部(110)と第2筒状部(120)が、
少なくとも第1筒状部(110)の内側チューブ部(113)の先端開口部(114)が第2筒状部(120)の傾斜面部(123)内に位置し、かつ第1筒状部(110)と第2筒状部(120)の中心軸が一致するようにして組み合わされ、
第1筒状部(110)の先端開口部(114)と第2筒状部(120)の傾斜面部(123)の内周面(123a)との間に環状空間からなる加圧空気噴出口(131)が形成されているものである、開繊物の製造装置と、それを使用する開繊物の製造方法を提供する。
本発明の製造装置およびそれを使用した製造方法によれば、開繊物を製造するため、特開2008−255529号公報の装置に記載されているリザーバや、特開2012−239437号公報に記載されたトランペットガイドを不要にすることで装置を簡略化する(製造工程を簡略化する)ことができ、しかも嵩高く、ふんわりとした感触の開繊物を製造することができる。
このため、装置全体を小型化することができ、装置自体の価格も低減させることができるほか、製造工程を簡略化できることから、製造コストも低減させることができる。
本発明の開繊物の製造装置の軸方向の断面図と、開繊物の製造装置を含む製造フローを示した図。 (a)は、本発明の製造装置で使用するTTジェットを(b)の平面(上面)から見たときの軸方向(X軸方向)断面図、(b)は軸方向の一方側から見たときの正面図、(c)は、(b)の側面から見たときの軸方向(X軸方向)断面図である。 図2に示すTTジェットの組立説明図。 図2(c)の部分拡大図。
本発明の開繊物の製造装置は、長尺状繊維トウの予備開繊ユニット1、予備開繊物を開繊する開繊ユニット2、開繊物をシートに成形するための成形ユニット3を備えている。
本発明の開繊物の製造装置を使用する開繊物の製造方法は、各ユニットに対応した製造工程を経て製造される。
なお、以下においては、予備開繊ユニット1側を上流とし、成形ユニット3側を下流として説明する。
(1)予備開繊ユニット1における予備開繊工程
予備開繊ユニット1において、1対のロール11と1対のロール12間に繊維トウベールから取り出した、捲縮された繊維トウ10を連続的に通しながら、予備開繊する。
予備開繊しない場合には、繊維トウ10は開繊ユニット2において十分な張力を得ることができない。
ロール11とロール12のロール比は、例えば、1〜3、好ましくは1.1〜2.5、さらに好ましくは1.2〜2程度であってもよい。
予備開繊ユニット1と予備開繊工程は、特開2008−255529号公報の段落番号45〜46に記載されたものと同じものにすることができる。
なお、予備開繊工程は繊維トウ10を挟み込み、繊維トウ10の動きを制御できる方法であれば何れでもよく、例えばエアー圧により狭いスリット部の強く押し付けられるような構造を有するものでも良い。
繊維トウ10は、特開2008−255529号公報の〔0042〕〜〔0044〕に記載されたものを用いることができる。
具体的には、セルロースエステル系繊維(セルロースモノアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースアセテート系繊維など)、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、オレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維等を例示できる。繊維は単繊維であってもよく複合繊維であってもよく混紡繊維であってもよい。特に、セルロースアセテート系繊維が好ましい。
(2)開繊ユニット2における開繊工程
次に、予備開繊された繊維トウを開繊ユニット2においてガス流で開繊する。
開繊ユニット2の構造について説明する。
開繊ユニット2は、第1筒状部110と第2筒状部120を有するトウトランスポートジェット(以下「TTジェット」と称する)100を使用している。
TTジェット100は、特開2012−239437号公報に記載されたものと同じものを使用することができる。
図2に示すように、第1筒状部110は、円錐形状(ラッパ状)のトウ導入部111と、トウ導入部111から延ばされた、断面形状が円形である内側チューブ部113を有している。
トウ導入部111と内側チューブ部113の間には、第2筒状部120と一体化させるための筒状の接合部112が形成されている。
第1筒状部110の先端開口部114の形状は円形または楕円形であるが、円形が好ましい。
先端開口部114を楕円形にするときは、内側チューブ部113の先端開口部114に近い部分を含めて楕円形にする。
第2筒状部120は、外部の空気供給源と接続される空気注入口126を備えた円筒本体部121と、円筒本体部121から延ばされた、断面形状が円形である外側チューブ部122と、円筒本体部121と外側チューブ部122との境界部に形成された円錐状の傾斜面部123を有している。
第2筒状部120の出口125の形状は円形または楕円形であるが、円形が好ましい。
出口125を楕円形にするときは、外側チューブ部122の出口125に近い部分を含めて楕円形にする。
第1筒状部110と第2筒状部120は、第1筒状部110の内側チューブ部113の先端開口部114が第2筒状部120の傾斜面部123内に位置し、かつ第1筒状部110と第2筒状部120の中心軸が一致するようにして組み合わされている(図2参照)。
第1筒状部110の外周面と第2筒状部120の円筒本体部121及び傾斜面部123の内周面との間に筒状空間からなる加圧空気導入室130が形成されている。加圧空気導入室130は空気注入口126と繋がっており、空気注入口126は図示していない外部の空気供給源とパイプ等により接続される。
第1筒状部110の先端開口部114と第2筒状部120の傾斜面部123の内周面123aとの間に環状間隙からなる加圧空気噴出口131が形成されている。
加圧空気噴出口131の幅は0.5〜3mmの範囲から選択することができ、1〜2mmの範囲が好ましい。加圧空気噴出口131の幅は前記範囲内において調整することができるが、TTジェット100の使用中は一定の幅に固定される。
第1筒状部110と第2筒状部120は、図3に示すようにして、第2筒状部120内に第1筒状部110を挿入する。このとき、第1筒状部110の接合部112の外周面112aと第2筒状部120の本体部121の内周面121aが接触した状態で互いに固定される。
第1筒状部110の接合部112の外周面112aに形成されたネジ部と、第2筒状部120の本体部121の内周面121aに形成されたネジ部とをネジ合わせることで、第1筒状部110のチューブ部113の先端と第2筒状部120の傾斜面部123の内周面123aとの間に形成される環状間隙131の隙間(面積)の調整を容易にすることができる。なお、微調整ができるようにするため、ネジのピッチ間隔を1mm程度にすることが好ましい。
第1筒状部110と第2筒状部120をネジ合わせて固定する方法は制限されるものではないが、第1筒状部110と第2筒状部120を組み合わせる前に、第1筒状部110のネジ部にネジ部を有するロックリング140を入れて、第1筒状部110と第2筒状部120をネジ合わせて固定するようにすることができる。
TTジェット100は、下記の要件(A)と要件(B)の両方を満たすことが好ましい。
要件(A):第1筒状部110の内側チューブ部113の中心軸(X)と、傾斜面部123の内周面123aの接線から形成される角度αが30°以下であること。
要件(B):第2筒状部120の外側チューブ部122の出口125における内径(d1)が8〜26mmであること。なお、内側チューブ部113の内径が均一であるときは、出口125における内径と内側チューブ部113の内径は同じになる。
さらにTTジェット100は、第1筒状部110の内側チューブ部113の出口114における内径(d2)が8〜20mmであるものが好ましい。
TTジェット100は、要件(A)の角度αが25°以下であり、かつ要件(B)の出口125における内径(d1)が10〜20mmであるものが好ましい。
さらにTTジェット100は、第1筒状部110の内側チューブ部113の出口114における内径(d2)が8〜20mmであるものがより好ましい。
1とd2は、d1≧d2であることが好ましい。
TTジェット100は、第1筒状部110の内側チューブ113の長さが20〜60mmであるものが好ましい。内側チューブ113の長さは、図2中のL1で示す長さ(出口114から、出口114の近傍を除くと外径が均一である範囲までの長さ)である。
TTジェット100は、第1筒状部110の内側チューブ113の出口114に接する先端部外周面(傾斜面)116の角度が、円錐状の傾斜面部123の内周面123aの接線から形成される角度αと同等であるか、又はそれ以下であるものが好ましい。
開繊ユニット2において開繊するとき、予備開繊された帯状の繊維トウが第1筒状部110を通過する際に断面が円形になるように収束された後、繊維トウ10の送り方向に沿うようにガスを供給されながら、第2筒状部120において開繊されることになる。
このように第1筒状部110にて一旦収束させることで繊維同士の絡み合いが向上され、形状維持性が高められる。
そして、特開2008−255529号公報の図1、図2に示されたリザーバー8、特開2012−239437号公報に記載されたTTジェットの出口に接続されたトランペットガイドを設けることなく、TTジェット100(第2筒状部120の出口125)から直ちに開放系に移行させることで、嵩高く、ふんわりとした感触の開繊物を得ることができる。
(3)成形ユニット3における開繊物の成形工程
成形ユニット3は、1対のローラ13と1対のローラ14の組み合わせからなるものである。
成形ユニット3における開繊物の成形工程は、特開2008−255529号公報の段落番号0063〜0066と同様にして実施することができる。
(4)粒状吸水剤の添加ユニットにおける粒状吸水剤の添加工程
本発明の開繊物の製造装置を使用して、開繊物からなる使い捨て紙おむつ、生理用品などの衛生材料用吸収体の製造材料を製造するときには、図1に示す製造装置に対して、さらに粒状吸水剤の添加ユニットを追加する。
粒状吸水剤の添加ユニットは、図1の位置Aまたは位置Bにおいて粒状吸水剤(周知のSAPなど)が添加できるように設置することができる。なお、粒状は、粉末状乃至は粒状までを含むものであり、吸水剤として使用できるものであれば粒径は制限されるものではない。
粒状吸水剤の添加ユニットは、所定量の粒状吸水剤を繊維トウ10または開繊物10aに対して添加できるものであればよい。
位置Aの場合には、未開繊の繊維トウ10に対して粒状吸水剤を添加する。
位置Bの場合には、開繊物10aに対して粒状吸水剤を添加する。
その他、TTジェット100内において粒状吸水剤を添加できるようにすることもできる。
本発明の製造方法で得られる開繊物は、幅方向(開繊物の引き取り方向と直行する方向)において、厚み(又は密度)の異なる部分が存在する。特に、幅方向の中央部では、厚み(または密度)が大きく、幅方向の両端部では、厚み(または密度)が小さい。
そのため、このような開繊物は、使い捨てオムツや生理用ナプキンなどの衛生材料用吸収体として用いたとき、尿などの液体を、中央部で効率よく吸収して、液体が周囲に広がることにより不快感(またはかぶれなど)を有効に防止できるとともに、尿などの液体の漏れも効果的に防止することができる。
また、本発明の製造装置では、開繊ユニット2により繊維の開繊が非常に効率よく行われるため、開繊されたフィラメント一本一本の長さ方向の配列のずれが大きく、フィラメントの絡み合い効果が大きい。
そのため、開繊したトウ(開繊物)を用いた吸収体では、SAPなどの吸水剤が開繊トウの中に留まり易くなり脱落が防止できると共に、必要に応じてより微細な粉末のSAPを用いることも可能となる。
微細な粉末のSAPを用いた場合は、吸収体全体に均一に分布させることができるため、セルロースアセテートの高い分配性と相まって、吸収性能が大幅に改善され、また、逆漏れも防止できる。
本発明で得られる開繊物は、液体(尿、血液などの水分)に対する吸収性に優れているため、特に、使い捨てオムツ、生理用ナプキン、母乳パットなどの衛生材料用吸収体の製造材料として有用であるほか、衣類材料などの生活関連製品用の製造材料としても使用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
セルロースアセテートのトウ(単繊維繊度2.2d、Y字状断面、トータルデニール3万)を用いて(供給重量0.494〜0.558g/10cm)、図1および図2の製造装置により開繊物を製造した。
予備開繊は、PTローラ(ブレーキローラ,ローラ圧力0.1MPa,線速度48m/分)とこのローラの下流側に配置されたBRローラ(引張ローラ,ローラ圧力0.2MPa,線速度65m/分)との二対の予備開繊ローラで行った。
予備開繊後の予備開繊物の幅は約200mmであった。
第1筒状部材110(内側チューブ部113)の内径は11mm、第1筒状部材110の先端開口部114の径は16mm、第2筒状部材120(外側チューブ部122)の内径は16mmであった。
先端開口部114と出口125は円形である。
第2筒状部材120に供給される圧縮空気の圧力(ジェット圧)は、0.05MPaであった。
シート成形は、DRローラ(デリベリーローラ,線速度50m/分)と、このローラの下流側に配置されたCDローラ(キャチャードラム,線速度44m/分)との二対のローラで行った。得られたシートの単位長さ当たりの質量は8.5g/mであり、トウ幅は9〜10cmであった。
比較例1
図1の製造装置において、第2筒状部材120の出口125にさらに特開2008−255529号公報の図1および図2に示されたリザーバ8を取り付けた装置を使用し、実施例1と同様に開繊物を得た。
比較例2
図1の予備開繊ユニット、TTジェットに代わる拡厚装置(特開2006−6741号公報の図1に示されているニップロール3、4、5と同じもの)、成形ユニットを組み合わせた装置を使用して、開繊物を得た。
比較例3
図1の予備開繊ユニットと成形ユニットを組み合わせた装置を使用して、開繊物を得た。
(ふんわり感)
実施例および比較例の開繊物を手で触ったときの感触で評価した。
◎:非常に柔らかく膨らんでおり、ふんわりした感触
○:膨らみは少ないが、ふんわりした感触
△:膨らみが少なく、ふんわり感が乏しい
×:全く膨らみがない
(嵩高さ)
実施例および比較例の開繊物の断面を目視で観察し、中央部(両端0.5cmを除いた部分)の中で厚み最大値と最小値の平均値を計測した。
◎:厚みの平均値が2.0cm以上
○:厚みの平均値が1.0cm以上2.0cm未満
△:厚みの平均値が0.5cm以上1.0cm未満
×:厚みの平均値が0.5cm未満
(圧縮復元性)
実施例および比較例の開繊物2g(10×30cm;坪量67/m2)の全面に質量0.5kg荷重を10分間かけた後、荷重を取り去ったのち、復元率を算出した。
復元率=荷重開放時の厚み/無荷重下の厚み×100
◎:90%以上
○:70%以上90%未満
△:50%以上70%未満
×:50%未満
(網目の細かさ)
実施例および比較例の開繊物の上方から、直径0.2mmから0.8mm程度の分布のある粒子7.5gを添加した後、振動を加えた際に開繊物を通過して下方に漏れ出た量(透過量)を計量し、透過率を算出した。振動は、振動機(回転数2000r/m)で3分間加えた。
透過率(%)=透過量/添加量×100
◎:5%未満
○:5%〜10%未満
△:10%〜15%未満
×:15%以上
(形状維持性)
実施例および比較例の開繊物を手で触ったときの崩れ具合を感覚で評価した。
◎:繊維同士の絡み合いが強く、形状が崩れ難い
○:繊維同士の絡み合いがやや強く、形状がやや崩れ難い(◎評価よりも少し劣るレベル)
△:繊維同士の絡み合いが弱く、引っ張ると簡単にほぐれる
×:繊維同士の絡み合いが殆どなく、形状を保てない
Figure 2014145139
本発明の製造装置を使用して得た開繊物は、比較例1(特開2008−255529号公報の図1、図2の装置を使用した製造方法)と比較して、ふんわり感等の風合いの面で優れた品質が得られた。
そして、本発明の製造装置は、比較例1の装置で必須となっているリザーバを使用していないため、その分だけ製造コストを低減することができる。
1 開繊物の製造装置
2 開繊ユニット
3 成形ユニット

Claims (6)

  1. 長尺状繊維トウの予備開繊ユニット(1)、予備開繊物を開繊する開繊ユニット(2)、開繊物をシートに成形するための成形ユニット(3)を備えた開繊物の製造装置であって、
    前記開繊ユニットが、第1筒状部(110)と第2筒状部(120)を有するトウトランスポートジェット(100)からなるものであり、
    第1筒状部(110)が、円錐形状のトウ導入部(111)と、トウ導入部(111)から延ばされた内側チューブ部(113)を有するものであり、
    第2筒状部(120)が、外部の空気供給源と接続される空気注入口(126)を備えた円筒本体部(121)と、円筒本体部(121)から延ばされた外側チューブ部(122)と、円筒本体部(121)と外側チューブ部(122)との境界部に形成された円錐状の傾斜面部(123)を有するものであり、
    第1筒状部(110)と第2筒状部(120)が、
    少なくとも第1筒状部(110)の内側チューブ部(113)の先端開口部(114)が第2筒状部(120)の傾斜面部(123)内に位置し、かつ第1筒状部(110)と第2筒状部(120)の中心軸が一致するようにして組み合わされ、
    第1筒状部(110)の先端開口部(114)と第2筒状部(120)の傾斜面部(123)の内周面(123a)との間に環状空間からなる加圧空気噴出口(131)が形成されているものである、開繊物の製造装置。
  2. 第1筒状部(110)の内側チューブ部(113)の中心軸(X)と、傾斜面部(123)の内周面(123a)の接線から形成される角度αが30°以下であり、
    第2筒状部(120)の外側チューブ部(122)の出口(125)における内径(d1)が8〜26mmである、請求項1記載の開繊物の製造装置。
  3. さらに粒状吸水剤の添加ユニットを備えている、請求項1記載の開繊物の製造装置。
  4. 前記開繊物が衛生材料用吸収体として使用するものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の開繊物の製造装置。
  5. 請求項1または2記載の開繊物の製造装置を用いた開繊物の製造方法であって、
    長尺状繊維トウの予備開繊ユニットに捲縮された長尺状繊維トウを連続的に通しながら予備開繊する工程、
    開繊ユニットにおいて予備開繊された繊維トウをガス流で開繊する開繊工程、
    成形ユニットにおいて開繊された繊維トウをシートに成形する工程を有している、開繊物の製造方法。
  6. 請求項3記載の開繊物の製造装置を用いた開繊物の製造方法であって、
    長尺状繊維トウの予備開繊ユニットに捲縮された長尺状繊維トウを連続的に通しながら予備開繊する工程、
    開繊ユニットにおいて予備開繊された繊維トウをガス流で開繊する開繊工程、
    成形ユニットにおいて開繊された繊維トウをシートに成形する工程を有しており、
    予備開繊する工程と開繊する工程の間、開繊工程中、開繊工程と成形工程の間において粒状吸水剤の添加ユニットにより粒状添加剤を添加する、開繊物の製造方法。
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