JP6053548B2 - 吸収体の製造装置および製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつなどの製造材料として適した長尺状の繊維トウの開繊物に吸水剤が付着された吸収体の製造装置と、それを使用した吸収体の製造方法に関する。
セルロースアセテート繊維は、使い捨ておむつ、生理用品などの衛生材料用吸収体(吸収体)として用いられている。
セルロースアセテートフィラメントのトウは、糸に膨らみをもたせ、紡績作業を容易にするため、捲縮が付与されている。捲縮されたフィラメントは、立方体の梱包容器内にベール状に梱包された状態で、脱気・圧縮された状態で輸送される。そして、最終製品の製造時には、ベールからフィラメントを取り出した後に開繊し、その後、所望形状に成形される。
特許文献1(特公昭61−7824号公報)では、セルロースアセテート繊維からなる衛生材料用吸収材が開示されている。上記特許文献1には、セルロースアセテートの捲縮長繊維のトウを開繊したもの又は短繊維をウェブ状としたものが、比較的大きな吸水保持能力を有することが記載されている。
特許文献2(米国特許3282768号明細書)、特許文献3(米国特許3099594号明細書)には、従来の機械開繊によりトウが受けるダメージを低減、防止するために空気ジェットによる開繊方法が開示されている。さらに特許文献4(米国特許3297506号明細書)には、特許文献2および3の問題点を解決した空気開繊装置が提案されている。
特許文献5(特表昭59−500422号公報)には、空気開繊を用いて、シート状に開繊する発明が開示されている。
特許文献6(特開2004−244794号公報)には、捲縮されたトウをトウの移動方向に直角な方向に広げ、脱整合し、成形して実質的に長方形の断面にし、成形されたトウ全体に粒状物を分配する吸収性複合体の製造方法が開示されている。また、特許文献6には、高吸水性樹脂(super absorbent polymer)(特許文献2中の超吸収性ポリマー)(SAP)を含むおむつの調製において、空気開繊後のトウに対して垂直下向きに、SAP粉末又はスラリーを送出し、次いでローラに供されることが記載されている。
特許文献7(米国特許第3,262,181号明細書)には、捲縮トウを処理領域の実質的に単一方向の通路に導入し、トウの移動と実質的に同じ方向に対して気体の第一の流れを向け、この第一の気体の導入より下流で、別の気体の流れをトウの移動方向と実質的に同じ方向に対して向け、この別の気体の流れにより、予め捲縮された前記トウの繊維を開繊し、さらに単一のロッド様構造に圧縮する方法が開示されている。
特許文献8(特開2008−255529号公報)には、水分などの液体に対する吸収性に優れた繊維シート、並びにこの繊維シートを簡便に製造できる方法および装置が開示されている。
特許文献9(特開2012−10972号公報)には、液吸収前は薄いが、十分な液吸収容量を有し、かつ使用時に吸収体にヨレ等の変形が生じにくい吸収性物品を提供することを目的として、吸収体が少なくとも2層の吸収性層と少なくとも3層の液透過性層の積層体からなり、吸収性層が液透過性層と液透過性層の間に配置され、吸収性層が吸水性繊維と高吸水性樹脂を含み、液透過性層が伸張性の不織布からなる吸収体が開示されている。
そして、吸収体が水または水蒸気を付与されることによって成形されていることが開示されている。
上記した先行文献は、いずれもトウを開繊した後の繊維シートに対して高吸水性樹脂(SAP)を添加している。これは、従来は開繊が終了していない状態のトウ束は、嵩が低く、添加剤を散布してもトウ束の中にSAPが入らないと考えられていたためである。このため、上記した先行文献のように、トウを開繊した後の繊維シートにSAPを添加した状態では、トウの厚み方向の一面(上面)にSAPが多く偏在することになり、吸水体として使用された場合に問題を生じる。また、その後の加工後においてSAPの脱落が生じることもある。
また、トウの開繊物を使い捨ておむつ等の衛生材料用吸収体の製造材料として適用する場合には、薄型の形状のものが携帯に利便性があり好ましい。このような薄型にするためには、セルロースアセテート繊維などの繊維状物を吸収体に用いる場合には、吸水性微粒子の繊維に対する比率を高くするのが好ましい。
しかしながら、前記比率を高くした場合には、吸水性微粒子と繊維との接着が十分ではなく、輸送時の衝撃などにより吸水性微粒子が吸収体の繊維から脱落することがある。
脱落した吸水性微粒子は吸収体を包んでいるラップ紙と吸収体との間に存在するようになるため、吸水性微粒子の感触が肌に感じられ、極めて使用時の感触が悪い紙おむつ等となる。
また、紙おむつに使用することを考慮すると、幅広い形状のものの方が加工し易いが、従来技術では、前記用途に適した幅広い形状のものを製造することは困難である。
成形ローラー等で断面形状が円形のものを押し潰せば幅広い形状のものを得ることができるが、その場合には、中央部分は厚くかつ密度が大きく、両側部分は薄くかつ密度が小さなものしか得られず、吸収性能が低下し易くなるという問題がある。
特公昭61−7824号公報 米国特許3282768号明細書 米国特許3099594号明細書 米国特許3297506号明細書 特表昭59−500422号公報 特開2004−244794号公報 米国特許第3,262,181号明細書 特開2008−255529号公報 特開2006−102479号公報
本発明は、SAPなどの粒状添加剤の脱落が少なく、粒状添加剤の分散状態の良い吸収体が得られる製造装置を提供することを課題とする。
また本発明は、前記製造装置を使用した吸収体の製造方法を提供することを他の課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、
長尺状繊維トウの開繊物を製造するための製造装置であり、
少なくとも1対のロールを供えた予備開繊ユニット(1)、予備解繊ユニット(1)に接続された開繊ユニット(2)、開繊ユニット(2)に接続された膨張・整形ユニット(3)、水添加ユニット(4)を有しており、
予備開繊ユニット(1)、開繊ユニット(2)及び膨張・整形ユニット(3)が、繊維トウ(10)を連続的に送るための連通した空間を形成するようにして接続されているものであり、
開繊ユニット(2)が、
粒状添加剤の添加部(20)と、添加部(20)に接続された開繊部(30)を有しており、
開繊部(30)が、
両端が開口し、一端側(添加部(20)側)の開口部が添加部本体(21)と接続され、他端側の開口部(31b)が膨張・整形ユニット(3)と接続された、第1本体部(37)と第2本体部(38)からなるシリンダ状の本体部(31)、
本体部(31)の添加部(20)側の内部において、本体部(31)の内周面と均等間隔をおいて配置された、ノズル(35)を有するノズル部(32)、
本体部(31)の内外を連通して設けられており、ノズル部(32)と本体部(31)との間隙に面して開口した気体供給孔(36)を有しており、
本体部(31)が、
第1本体部(37)内にある、ノズル部(32)のノズル(35)が面した第1開繊ゾーン(Z1)と、第2本体部(38)内にある、第1開繊ゾーン(Z1)との境界部(38a)から開口部(38b)までの第2開繊ゾーン(Z2)を有しており、
第1開繊ゾーン(Z1)を形成する第1本体部(37)と第2開繊ゾーン(Z2)形成する第2本体部(38)の幅方向の断面形状が円形であり、
膨張・整形ユニット(3)が、
膨張する繊維トウの形状を外側から整えるための弾性体が配置されたものであり、
幅方向の断面形状が、長軸長さ/短軸長さが2〜10の関係を満たす形状のものである、製造装置と、それを使用した吸収体の製造方法を提供する。
本発明の製造装置およびそれを使用した製造方法によれば、開繊物の密度むらが小さく、粒状添加剤の分布がより均一であり、さらに粒状添加剤の脱落が少ない吸収体を得ることができる。
本発明の一実施形態である製造装置の軸方向断面図。 図1に示す製造装置を平面から見た部分断面図(但し、吸水剤の添加部ユニットは略している)。 図1に示す膨張・整形ユニットの正面図。
図1、図2に示す製造装置は、予備開繊ユニット1、予備解繊ユニット1に接続された開繊ユニット2、開繊ユニット2に接続された膨張・整形ユニット3(特開2008−255529号公報の段落番号56〜62に記載されたリザーバと同じものである)、水添加ユニット4を有している。
予備開繊ユニット1、開繊ユニット2及び膨張・整形ユニット3は、繊維トウ10を連続的に送るための連続した空間を形成するようにして接続されている。
以下においては、予備開繊ユニット1側を上流側と称し、膨張ユニット3側を下流側と称して説明する。
(1)予備開繊ユニット1における予備開繊工程
予備開繊ユニット1において、1対のロール11と1対のロール12間に繊維トウベールから取り出した、捲縮された繊維トウ10を連続的に通しながら、予備開繊する。
1対のロールで繊維トウ10を挟み込まない場合には、繊維トウ10は開繊ユニット2において十分な張力を得ることができない。
ロール11とロール12のロール比は、例えば、1〜3、好ましくは1.1〜2.5、さらに好ましくは1.2〜2程度であってもよい。
予備開繊ユニット1と予備開繊工程は、特開2008−255529号公報の段落番号45〜46に記載されたものと同じである。
なお、予備開繊工程は繊維トウ10を挟み込み、繊維トウ10の動きを制御できる方法であれば何れでもよく、例えばエアー圧により狭いスリット部の強く押し付けられるような構造を有するものでも良い。
繊維トウ10は、特開2008−255529号公報の〔0042〕〜〔0044〕に記載されたものを用いることができる。具体的には、セルロースエステル系繊維(セルロースモノアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースアセテート系繊維など)、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、オレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維等を例示できる。繊維は単繊維であってもよく複合繊維であってもよく混紡繊維であってもよい。特に、セルロースアセテート系繊維が好ましい。
(2)水添加ユニット4における水の添加工程
水添加ユニット4において、予備開繊ユニット1において予備開繊された開繊物(トウバンド10)に対して水を添加する。
水添加ユニット4は、図示していない水源(好ましくは水道水源)とパイプなどで接続されている。
図1では、予備開繊された開繊物(トウバンド10)の厚さ方向の一方から水が添加されているが、厚さ方向の両方から水を添加することができる。さらには横方向の一方または両方向からも添加することができる。
本発明の製造装置を使用した場合には、水添加後に開繊ユニット2において空気開繊されるため、トウバンド10の片面のみに水を添加したときでも、空気開繊時に十分に繊維が攪拌されることにより、水分が吸収体全体に均等に分配される。
水添加ユニット2において水を添加するときは、予備開繊物(トウバンド10)に対して水を添加できる方法であればよく、特に限定はされないが、スプレーによる水の散布、ロールによる水の転写、あるいはノズルとの接触による水の転写などの方法が取れるが、噴霧添加することが好ましい。
水の添加量はトウの質量100質量部に対して1〜10質量部であり、より好ましくは2〜7質量部であり、さらに好ましくは2〜5質量部であり、特に好ましくは2.5〜3.5質量部である。
トウに対する水の添加量が前記範囲内であると、粒状添加剤の固定能力を十分に高めることができる。
(3)開繊ユニット2(添加部20)において、予備開繊した繊維トウと粒状添加剤を接触させる工程
その後、予備開繊された繊維トウ10を開繊ユニット2の添加部20に連続的に送りながら、粒状添加剤と接触させる。
まず、開繊ユニット2の添加部20について説明する。
添加部20は、繊維トウ10を送るための貫通孔が軸方向に形成された、円柱状の添加部本体21を有している。
添加部本体21には、厚さ方向に形成された粒状添加剤の添加孔22が形成され、添加孔22にはホッパ23が接続されている。添加孔22は、繊維トウ10を送るための添加部本体21に形成された貫通孔と連通されている。
添加部本体21は、図1に示すように長さ方向に2つに分離されており、分離された部分が空気を逃がすための脱気孔24となっている。脱気孔24は、周知のベントホール(例えば、周知の樹脂成型用の押出機等に設置されているもの)と同じものでよい。
次に、開繊ユニット2の添加部20を用いた粒状添加剤の添加方法について説明する。
ホッパ23及び添加孔22から粒状添加剤を添加することにより、添加部20を通過する間において、予備開繊された繊維トウ10と粒状添加剤が接触する。粒状添加剤の添加時には、従来技術のように開繊のための空気流(開繊空気流)とは接触していないので、粒状添加剤は飛散することがない。
粒状添加剤は、最終的に得られる繊維トウ10の開繊物の用途(具備すべき性能)に応じて選択されるものであり、特に制限されるものではない。粒状添加剤としては、吸水目的のための吸収性樹脂乃至水溶性樹脂、脱臭目的のための樹脂、活性炭等を用いることができる。粒状添加剤の粒径範囲は、用途に応じて決められるものである。
粒状添加剤の添加量は、繊維トウ10の質量(100質量部)に対して、100〜800質量部が好ましく、より好ましくは200〜600質量部であり、さらに好ましくは250〜450質量部である。
本発明の製造装置を用いた製造方法によれば、粒状添加剤を繊維トウ10の開繊物に対して保持させることが容易であるため、繊維トウ質量よりも多量の粒状添加剤を添加・保持させることができる。
(4)開繊ユニット2(開繊部30)において、粒状添加剤と接触された繊維トウを空気流で開繊する開繊工程
次に、開繊工程において、粒状添加剤と接触された繊維トウ10を空気流で開繊する。
粒状添加剤の添加と開繊を実施するときは、粒状添加剤を添加しながら開繊する方法と、粒状添加剤を添加したあとで開繊する方法のいずれでもよいが、粒状添加剤の保持率を高める(脱落率を低下させる)観点からは、粒状添加剤を添加しながら開繊する方法が好ましい。
まず、開繊ユニット2の開繊部30の構造について説明する。
開繊部30は、両端が開口し、一端側(添加部20側)の開口部が添加部本体21と接続され、他端側の開口部38bが膨張・整形ユニット3と接続されたシリンダ状の第1本体部37とシリンダ状の第2本体部38からなる本体部31により外殻が形成されている。
第1本体部37の外径が第2本体部38の外径は同一にすることもできる。
第1本体部37の添加部20側の内部には、ノズル部32が配置されている。ノズル部32は、軸部33と矢尻部34を有しており、それらを貫通して矢尻部34の先端にて開口したノズル(スリット状のノズル)35を有している。
第1本体部37には、内部と連通された気体供給孔36が形成されている。気体供給孔36は、ノズル部32の軸部33と正対している。
ノズル部32の軸部33と矢尻部34は、第1本体部37の内周面31aとの間に均等間隔となる間隙をおいて配置されている。
前記間隙が小さいほど、相対的に空気供給孔36からの空気吸い込み圧力が大きくなり(吸い込む空気量が小さくなり)、繊維トウ10の推進力が高められ、前記間隙が大きいほど、相対的に空気供給孔36からの空気吸い込み圧力が小さく(吸い込む空気量が大きく)なり、粒状添加剤が空気供給孔36側に逆噴射して飛び散る要因にもなる。
このため、前記間隙の幅は小さい方が好ましいが、余り小さいと生産性が低下することから、前記間隙の幅は0.3〜1.0mmの範囲であることが好ましい。
第1本体部37は、ノズル部32が配置された部分の内径は大きくなっており、それに続く第1開繊ゾーン(Z1)の内径(d1)は相対的に小さくなっており、内径(d1)は均一である。ノズル35は、第1開繊ゾーン(Z1)に面している。第1本体部37により形成される第1開繊ゾーン(Z1)は、幅方向の断面が円形である。
第2本体部38に形成された第2開繊ゾーン(Z2)は、第1開繊ゾーン(Z1)と第2開繊ゾーン(Z2)の境界部38aから膨張・整形ユニット3側の開口部38bまでの範囲である。
第2本体部38は、外径は第1本体部37よりも小さくなっているが、内径(第2開繊ゾーン(Z2)の内径)(d1)は第1本体部37と同じである。
第2開繊ゾーン(Z2)の幅方向の断面は円形である。
ノズル35のノズル径(d3)は、目的とする長尺状の繊維トウ10の開繊物における粒状添加剤の保持形態及び保持量(含有量)に応じて調整する。即ち、ノズル35のノズル径(d3)を調整することにより、繊維トウ10の開繊物における吸収剤の保持形態及び保持量(含有量)を制御することができる。
ノズル35のノズル径(d3)は、5〜30mmの範囲が好ましく、5〜25mmの範囲がより好ましい。
第1開繊ゾーン(Z1)及び第2開繊ゾーン(Z2)の内径(d1)寸法は、ノズル35のノズル径(d3)の3〜10倍程度にすることができる。また生産性の観点からは、繊維トウ10の総デニールが35000であるとき、第1開繊ゾーン(Z1)及び第2開繊ゾーン(Z2)の内径(d1)寸法は20mmが好ましく、総デニールの数値に比例して増加・減少させることができる。
次に、開繊部30における開繊方法について説明する。
添加部20において粒状添加剤と接触したトウバンド10は、ノズル部32内を通って、ノズル35から本体部31内の第1開繊ゾーンZ1に出る。
この段階では、部分開繊されたトウバンド10の一部(添加孔22に正対する部分)に粒状添加剤が存在する状態となっており、気体供給口36から本体部31内に供給された気体流(空気流)と接触する。気体供給口36は、ノズル部32の軸部33と正対しているため、空気供給時には、空気が直接セルロース繊維トウ10に当たることはない。
気体供給口36から供給する空気圧は、余り高すぎると次の膨張・整形工程における滞留時間が短くなって膨張が不十分になるおそれがあることから、0.3MPa以下の範囲が好ましく、0.01〜0.3MPaの範囲がより好ましい。
スキン/コア構造の開繊物を得るためには、0.01〜0.1MPaの範囲が好ましく、0.05〜0.1MPaの範囲がより好ましい。
均一分散構造の開繊物を得るためには、0.1〜0.3MPaの範囲が好ましく、0.1〜0.2MPaの範囲がより好ましい。
気体供給口36から供給された空気は、膨張ユニット3(開口部38b)方向に向かう流れを形成し、その状態にて、ノズル35から第1開繊ゾーンZ1に出たセルローストウバンド10と接触する。この後、トウバンド10は空気圧により、厚み方向に拡大されて開繊される。
なお、上記工程においては、空気流により、ノズル部32の後部とノズル部32の先端部(第1開繊ゾーンZ1)では圧力差が生じてしまい、ノズル部32の先端部の方が高圧となる。このままの状態であると、添加した粒状添加剤がノズル部32の後端から飛び散ってしまい、添加量を増加させることが難しくなる。
しかし、上記したような脱気孔24を設けておき、そこから空気を逃がして常圧にすることで、粒状添加剤の飛散が防止されるようになり、粒状添加剤の添加量を増加させることができる。
(5)膨張・整形ユニット3における開繊された繊維トウを膨張・整形する工程
開繊工程(開繊ユニット2)において開繊され、粒状添加剤が保持されたトウバンド10を膨張・整形ユニット3に送り、膨張させながら整形する。
まず、膨張・整形ユニット3の構造について説明する。
膨張・整形ユニット3は、開繊ユニット2から出た、開繊されたトウバンド10を膨張させると共に、外形を整形するためのものである。膨張・整形ユニット3は、本体部31に対してアダプター50を介して接続されている。膨張・整形ユニット3は、開繊ユニット2よりも下流側に位置している。
図1、図2で示す膨張・整形ユニット3は、図3に示すように幅方向の断面が長方形であるアダプター50の外周面に取り付けられた複数枚(図3では8枚)の板バネ40が取り付けられている。
図1に示すように、側面から見たときには複数枚の板バネ40は、先細り形状になるようにしてアダプター50に取り付けられている。
このようにして複数枚の板バネ50を取り付けることによって、第2開繊ゾーンZ2から押し出された開繊トウが膨張したとき、周囲から複数枚の板バネ40が押圧することによる整形作用が働くことから、円滑に整形が行われる。
図3において、アダプター50は長軸長さ(長辺長さ)/短軸長さ(短辺長さ)は2〜10の関係を満たしている。長軸長さ(長辺長さ)/短軸長さ(短辺長さ)は3〜8が好ましく、4〜7がより好ましい。
膨張・整形ユニット3幅方向の断面は円形ではなく、上記した関係を満たす形状のものであればよく、楕円形、菱形及びその正対する角部が円弧からなる形状のもの、長方形、長方形の角部が円弧からなる形状のもの、及び長方形の正対する辺が円弧からなるものから選ばれる形状のものが好ましい。
膨張・整形ユニット3の内径(図3のとおり、アダプター50の外径と近似している)は、実質的に本体部31(第1本体部37)の外径と同じか、それよりも大きくなるように設定されており、本体部31(第1本体部37)の外径の1倍以上であることが好ましく、1〜1.4倍であることがより好ましい。
膨張・整形ユニット3の長さ(板バネ40の長さ)は、例えば150〜350mmの範囲にすることができる。
膨張・整形ユニット3を所定形状にすることにより、最終的に得られる開繊物の断面形状及び幅を調整することができる。
次に、膨張・整形ユニット3における膨張・整形方法について説明する。
開繊工程において粒状添加剤が保持され、開繊されたトウバンド10は、本体部の開口部38bからより大きな径の膨張・整形ユニット3に出る。この過程において、開繊されたトウバンド10は膨張するが、板バネ40の弾性による作用により、過度の膨張が抑制されると共に、膨張・整形ユニット3の断面形状に対応する幅広形状に整形される。
膨張・整形工程では、一時的にトウバンド10の開繊物が滞留した後、さらに押し出されることになるが、前記の滞留により、粒状添加剤が飛散することなく、トウバンド10の開繊物に保持される。
膨張・整形工程後、トウバンド開繊物は膨張・整形ユニット3から連続的に押し出され、粒状添加剤が保持された長尺状のトウバンド開繊物(トウバンド開繊物の膨張体)が得られる。
本発明の製造装置を使用した製造方法により得られたトウバンド開繊物の膨張体は、断面形状が円形のものをロール等で圧縮して吸収体の形状としたものと、断面形状が鉛直方向の長さが短いもの(例えば楕円形状)のものをロール等で圧縮して吸収体の形状としたものと比較した場合では、楕円形状のものは、開繊物の密度むらが小さくなり、粒状添加剤の分布もより均一になる。
本発明の製造装置を用いて得られた吸収体は、使い捨ておむつ、生理用品などの衛生材料用吸収体として好適である。
実施例1
図1に示す製造装置を使用して、予備開繊したアセテートトウ((株)ダイセル製FD:2.2、TD:25000)の上面より水道水をトウバンド100質量部に対して3質量部になるように噴霧した。
その後、開繊ユニットにおいて、トウバンド100質量部(2.0g)に対してSAP((株)サンダイヤ製)350質量部(7.5g)を添加したのち、空気開繊した。
その後、膨張整形ユニットにおいて膨張整形して、吸収体を得た。
比較例1
実施例1において水を噴霧しないほかは同様にして吸収体を得た。
比較例2
ラップ紙(ニットク(株)製、クレープ紙)を長さ300mm、幅100mmに切断したものの上に、特開2004-244794号公報の図3のような空気開繊装置を使用して開繊した同サイズの連続アセテートトウ2.0gを置いた。
アセテートトウの上面より水を噴霧した後に、SAP7.5gを均一に散布しラップ紙を被せて、吸収体を得た。
比較例3
比較例2において水を噴霧しないほかは同様にして吸収体を得た。
比較例4
ラップ紙(ニットク(株)製、クレープ紙)を長さ300mm、幅100mmに切断したものの上に、実施例1と同じアセテートトウを2組の金属ロールでニップされたものを通すことにより機械開繊した。
機械開繊の条件は、直径100mmの金属ロール2組を用い、トウ上流側の金属ロールに対するトウ下流側の金属ロールの速度比を1.75とした。(すなわち、トウの全長を1.75倍した)。
使用して開繊した同サイズの連続アセテートトウ2.0gを積層する。アセテートトウの上面より水を噴霧した後に、SAP7.5gを均一に散布しラップ紙をかぶせることで、吸収体を得た。
比較例5
比較例4において水を噴霧しないほかは同様にして吸収体を得た。
<SAP脱落量の評価方法>
(試験用吸収体の調製)
実施例1と比較例1では、次のようにして試験用の吸収体を調製した。
実施例1と比較例1において空気開繊した後、上下からラップ紙(ニットク(株)製、クレープ紙)を被せ、周囲をホットメルト接着剤にて封止した。この方法により、それぞれの例の幅100mmの連続吸収体を得た。
次に得られた連続吸収体を長さ300mmに切断して試験用の吸収体とした。
吸収体1枚の質量は11.3gであり、アセテートトウは2.0g、SAPは7.5g(ラップ紙+ホットメルトは1.8g)であった。
比較例2〜5は、それぞれの例で得られた吸収体をそのまま試験用吸収体として使用した。
(試験方法)
メッシュサイズ10mm×10mmの金属網(サイズ400mm×150mm、ワイヤー径1mm)の上に、上下のラップ紙を取り外した1枚の吸収体を置いた。
吸収体が置かれた金属網を高さ20mmの位置より5回落下させて振動を与えた。
5回落下させたあとに金属網下に落下していたSAPの質量を測定した。
下記式から脱落率(%)を求めた。
脱落率(%)=SAPの脱落量/初期SAP量×100
Figure 0006053548
実施例1で得られた吸収体は、肉眼観察にてSAPが均一に分散付着されていることを確認した。
実施例1と比較例1の対比から、水添加がSAPの保持率の向上(脱落率の低下)に有効であることが確認された。
試験時のSAPの脱落率が小さい(保持率が高い)ということは、例えば紙おむつなどの製品使用時における輸送などの流通販売過程における脱落率が小さいことを意味するものであるから、製品としての高い品質が維持できることを示すものである。
1 予備開繊ユニット
2 開繊ユニット
3 膨張・整形ユニット
4 水添加ユニット
10 繊維トウ(トウバンド)
21 添加部本体
22 添加孔
24 脱気孔
30 開繊部
31 本体部
32 ノズル部
35 ノズル
36 空気供給孔
40 板バネ

Claims (5)

  1. 長尺状繊維トウの開繊物を製造するための製造装置であり、
    少なくとも1対のロールを供えた予備開繊ユニット(1)、予備解繊ユニット(1)に接続された開繊ユニット(2)、開繊ユニット(2)に接続された膨張・整形ユニット(3)、水添加ユニット(4)を有しており、
    予備開繊ユニット(1)、開繊ユニット(2)及び膨張・整形ユニット(3)が、繊維トウ(10)を連続的に送るための連通した空間を形成するようにして接続されているものであり、
    開繊ユニット(2)が、
    粒状添加剤の添加部(20)と、添加部(20)に接続された開繊部(30)を有しており、
    開繊部(30)が、
    両端が開口し、一端側(添加部(20)側)の開口部が添加部本体(21)と接続され、他端側の開口部(38b)が膨張・整形ユニット(3)と接続された、第1本体部(37)と第2本体部(38)からなるシリンダ状の本体部(31)、
    本体部(31)の添加部(20)側の内部において、本体部(31)の内周面と均等間隔をおいて配置された、ノズル(35)を有するノズル部(32)、
    本体部(31)の内外を連通して設けられており、ノズル部(32)と本体部(31)との間隙に面して開口した気体供給孔(36)を有しており、
    本体部(31)が、
    第1本体部(37)内にある、ノズル部(32)のノズル(35)が面した第1開繊ゾーン(Z1)と、第2本体部(38)内にある、第1開繊ゾーン(Z1)との境界部(38a)から開口部(38b)までの第2開繊ゾーン(Z2)を有しており、
    第1開繊ゾーン(Z1)を形成する第1本体部(37)と第2開繊ゾーン(Z2)形成する第2本体部(38)の幅方向の断面形状が円形であり、
    膨張・整形ユニット(3)が、
    膨張する繊維トウの形状を外側から整えるための弾性体が配置されたものであり、
    幅方向の断面形状が、長軸長さ/短軸長さが2〜10の関係を満たす形状のものである、吸収体の製造装置。
  2. 水添加ユニット(4)が、予備開繊ユニット(1)において予備開繊された開繊物に対して厚さ方向の少なくとも一方の側から水を添加できるものである、請求項1記載の吸収体の製造装置。
  3. 水添加ユニット(4)が、予備開繊ユニット(1)において予備開繊された予備開繊物に対して水を噴霧できるものである、請求項1記載の吸収体の製造装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の製造装置を用いた長尺状繊維トウの開繊物に吸水剤が付着された吸収体の製造方法であって、
    捲縮された繊維トウを予備開繊ユニット(1)に連続的に通しながら、予備開繊する工程、
    予備開繊後の開繊物に対して水添加ユニット(4)により水を添加する工程、
    予備開繊され水を添加された繊維トウに対して、開繊ユニット(2)において粒状添加剤の添加部(20)により粒状添加剤を添加しながら空気流で開繊する開繊工程、
    開繊された繊維トウを膨張・整形ユニット(3)において膨張・整形する工程、
    を有している、長尺状繊維トウの開繊物に吸水剤が付着された吸収体の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項記載の製造装置を用いた長尺状繊維トウの開繊物に吸水剤が付着された吸収体の製造方法であって、
    捲縮された繊維トウを予備開繊ユニット(1)に連続的に通しながら、予備開繊する工程、 予備開繊後の開繊物に対して水添加ユニット(4)により水を添加する工程、
    予備開繊され水を添加された繊維トウに対して、開繊ユニット(2)の粒状添加剤の添加部(20)において粒状添加剤を添加した後、開繊ユニット(2)において空気流で開繊する開繊工程、
    開繊された繊維トウを膨張・整形ユニット(4)において膨張・整形する工程、
    を有している、長尺状繊維トウの開繊物に吸水剤が付着された吸収体の製造方法。
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