JP2014143926A - 植物栽培システムおよび植物栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】根ぐされなどの原因となる根の酸素欠乏状態や雑菌の繁殖を招くことなく、効率的且つ安定的に十分な量のアミノ酸を植物の根から吸収させることができ、それにより長期間に亘り持続的に植物の生長を著しく促進させることを可能にする植物栽培用システムを提供する。
【解決手段】 植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム;植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られる無菌性アミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置された無菌性アミノ酸養液;および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に無菌的に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とする、植物栽培用システム。

【選択図】図1

Description

本発明は、植物栽培システムおよび植物栽培方法に関する。さらに詳細には、植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置されたアミノ酸養液、および該アミノ酸養液を該無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とする、植物栽培用システム、およびこのような植物栽培システムを使用した植物栽培方法に関する。本発明のシステムを使用して、グルタミンやヒスチジンなどの植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を溶解して得られるアミノ酸養液を植物の根から与えて植物を栽培すると、上記のアミノ酸を効果的且つ効率的に利用して、硝酸態窒素の蓄積を生じることなく、植物の生育を促進することが可能となる。
太古の昔から農作物の栽培は露地栽培で行われてきた。露地栽培では、有機肥料として与えられた窒素源は、土壌細菌の働きによって、有機態窒素→アンモニア態窒素(NH4-N)→亜硝酸態窒素(NO2-N)→硝酸態窒素(NO3-N)の順に酸化されて植物に吸収される。一方、従来の露地栽培に代わる農作物の栽培方法として、近年養液栽培法が注目されている。「養液栽培法」は、通常の土を用いずに植物の生育に必要な養分を水溶液として、人工的な液体培地や固形培地に供給する栽培方法である。養液栽培では植物の生育や代謝に不可欠な窒素源として、硝酸態窒素(NO3-N)が用いられている。「硝酸態窒素」は、植物が根から直接吸収できる窒素の形態である。
しかし、この硝酸態窒素は、植物の同化能力を超えて過剰に供与された場合には植物体内に蓄積されるという問題がある。硝酸態窒素含有量の多い食物を人が摂取すると、硝酸塩が唾液と反応して還元され、亜硝酸態窒素(NO2-N)となる。この亜硝酸態窒素は血液中のヘモグロビンと結合して酸欠症状や呼吸障害を引き起こすことが知られている。さらに消化の過程で発がん性が指摘されるニトロソアミンという物質を生成することが知られている(非特許文献1)。特にサラダ菜やホウレンソウなどの葉菜類にはその可食部に葉柄部が含まれているため、高い濃度でこの硝酸態窒素が含まれていることがあり、その健康障害が問題となっている。
また、植物は吸収した無機態窒素を代謝する過程で体内に蓄積した糖をエネルギーとして消費する。そのため硝酸態窒素の供与は、植物中の糖含有量を減少させてしまうという栄養価における問題もある。
硝酸態窒素の代わりにアミノ酸やペプチドを窒素源としても植物が生育することが知られている(非特許文献2)。しかし、これらの有機態窒素は土壌微生物等の作用により直ちにアンモニア態窒素(NH4-N)となり、硝化作用により最終的に硝酸態窒素(NO3-N)に変換されてしまう。従って、通常の露地栽培では植物が根から直接アミノ酸やペプチドを吸収することは困難と考えられている。(特許文献1)。
一方、本発明者らは、フィルムを使用した養液栽培について研究を重ねており、以下の植物栽培システムや栽培方法について開示している:養液と接触する無孔性親水性フィルム上で、該フィルムと植物の根を一体化させて植物を栽培する植物栽培用器具および植物栽培方法(特許文献2)、上記フィルム上部にも灌水する植物栽培用器具および植物栽培方法(特許文献3)、上記フィルムの一部を植物の根が貫通する植物栽培用器具および植物栽培方法(特許文献4)、上記フィルムが養液上を連続的に移動する植物栽培システム(特許文献5)、上記フィルムとその上部に配置される蒸発抑制部材の間に空気層を設ける植物栽培システム(特許文献6)、上記フィルムの下面側に養液を連続的に供給する手段を用いる植物栽培システム(特許文献7)。
米山忠一、保険の科学(1982)24:725−729 Nishizawa N and Mori S、 Plant Cell Physiol(1980) 21: 493-496 特開2007-222123号公報 再表2004-64499号公報 特許4425244号公報 特開2008-61503号公報 特開2008-182909号公報 特開2008-193980号公報 特許4142725号公報
アミノ酸を溶解させた水や養液を植物に与えることは、植物体内の有害な硝酸態窒素を低減させたり、植物の生育を促進させたりする上で有効と考えられるが、一方で、アミノ酸は土壌微生物等の作用により直ちにアンモニア態窒素(NH4-N)となり、硝化作用により最終的に硝酸態窒素(NO3-N)に変換されてしまうという問題があり、通常の露地栽培では植物が根から直接アミノ酸を吸収することは困難と考えられている。
アミノ酸を溶解させた水や養液中では、細菌や微生物が繁殖し易いため、養液栽培や水耕栽培にアミノ酸を含む養液を使用することは、植物の根に細菌・菌類が繁殖して著しい生育障害や植物の病気を誘発するため、大きな問題を抱えていた。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を行った結果、驚くべきことに、植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置された無菌性アミノ酸養液、および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に無菌的に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とする植物栽培用システムを使用して、上記のアミノ酸養液を、無孔性親水性フィルムの下面から無孔性親水性フィルムの上で栽培する植物に供給すると、該アミノ酸養液中における雑菌などの繁殖を回避して、また根ぐされなどの原因となる根の酸素欠乏状態を招くことなく、効率的且つ安定的に十分な量のアミノ酸を植物の根から吸収させることができ、それにより長期間に亘り持続的に植物の生長を著しく促進させることが可能になることを見出し、本発明を完成した。
本発明の植物栽培システムを使用して植物の栽培を行うと、植物の病気を誘発する雑菌などの繁殖を回避して、また根ぐされなどの原因となる根の酸素欠乏状態を招くことなく、効率的且つ安定的に十分な量のアミノ酸を植物の根から吸収させることができ、それにより長期間に亘り持続的に植物の生長を著しく促進させることが可能となる。
また、有機態窒素であるアミノ酸を直接植物が利用するので、無機態窒素を有機態窒素に変えるために糖エネルギーを消費する必要がなく、糖含有量の高い作物を得ることができる。
さらに、本発明の植物栽培システムを使用して植物の栽培を行うと、栽培された植物体内に蓄積される有害な硝酸態窒素の含有量を著しく低減させることができる。
さらに、本発明の植物栽培システムを使用して植物の栽培を行うと、食品として有用なアミノ酸を高い含有量で含む植物体を提供することができる。
本発明の1つの態様によれば、
植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置された無菌性アミノ酸養液、および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とする、植物栽培用システムが提供される。
本発明の他の1つの態様によれば、
(1)植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、
植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置された無菌性アミノ酸養液、および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とすることを特徴とする植物栽培用システムを提供し、
(2)該システム内の無孔性親水性フィルムの上に植物を配置し、そして
(3)該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムを介して該植物に接触させることによって、該無孔性親水性フィルムの上で植物を栽培する
ことを包含する植物栽培方法が提供される。
次に、本発明の理解を容易にするために、本発明の基本的特徴および好ましい諸態様を列挙する。
1. 植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、
植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置された無菌性アミノ酸養液、および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とする、植物栽培用システム。
2. 該アミノ酸が、4-アミノ酪酸、プロリン、トレオニン、アラニン、グルタミン、イソロイシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、メチオニン、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、グルタミン酸、ロイシン、トリプトファン、バリンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、該アミノ酸養液中に溶解しているアミノ酸の量が窒素濃度として50ppm以上、1、000ppm以下であることを特徴とする、前項1に記載の植物栽培用システム。
3. 該アミノ酸養液が、さらに肥料成分を含むことを特徴とする、前項1または2かに記載の植物栽培用システム。
4. 該無孔性親水性フィルムが、該フィルムを介して水と塩水とを対向して接触させた際に、測定開始後4日目(96時間)の水/塩水の電気伝導度(EC)の差が4.5dS/m以下のフィルムである前項1〜3のいずれかに記載の植物栽培用システム。
5. 該無孔性親水性フィルムが、該フィルムを介して水とグルコース溶液とを対向して接触させた際に、測定開始後3日目(72時間)の水/グルコース溶液の濃度(Brix%)の差が4以下のフィルムである前項1〜4のいずれかに記載の植物栽培用システム。
6. 該無孔性親水性フィルムが、該植物栽培用システムの無孔性親水性フィルムの上で植物を35日間栽培した際に、該無孔性親水性フィルムを栽培した植物の根から剥離するための剥離強度が10g以上となるフィルムであることを特徴とする、前項1〜5のいずれかに記載の植物栽培用システム。
7. 該無孔性親水性フィルムが、耐水圧として10cm以上の水不透性を有する前項1〜6のいずれかに記載の植物栽培用システム。
8. アミノ酸養液保持手段が水耕栽培用水槽であり、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置されたアミノ酸養液が水耕栽培用水槽に収容されることを特徴とする、前項1〜7のいずれかに記載の植物栽培用システム。
9. 該アミノ酸養液保持手段が水不透過性表面を有し、その上に該無孔性親水性フィルムが敷設されてなり、無孔性親水性フィルムとアミノ酸養液保持手段との間に該アミノ酸養液を連続的または間歇的に供給するアミノ酸養液供給手段をさらに含むことを特徴とする、前項1〜8のいずれかに記載の植物栽培用システム。
10. アミノ酸養液供給手段が、無孔性親水性フィルムとアミノ酸養液保持手段との間に設置された点滴灌水チューブであることを特徴とする、前項9に記載の植物栽培システム。
11. (1)植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、
植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置されたアミノ酸養液、および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とすることを特徴とする植物栽培用システムを提供し、
(2)該システム内の無孔性親水性フィルムの上に植物を配置し、そして
(3)該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムを介して該植物に接触させることによって、該無孔性親水性フィルムの上で植物を栽培することを包含する植物栽培方法。
12. 該アミノ酸が、4-アミノ酪酸、プロリン、トレオニン、アラニン、グルタミン、イソロイシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、メチオニン、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、グルタミン酸、ロイシン、トリプトファン、バリンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、溶解しているアミノ酸の量が窒素濃度として50ppm以上、1、000ppm以下であることを特徴とする、前項11に記載の植物栽培方法。
13. 該アミノ酸養液として、さらに肥料成分を含むアミノ酸養液を使用し、それにより、該工程(3)において、該植物の根を該フィルム上で成長させて該フィルムと一体化させることを特徴とする、前項11または12に記載の植物栽培方法。
14. 所定の栽培期間中は、アミノ酸に替えて硝酸態窒素を使用することを特徴とする、前項11〜13のいずれかに記載の植物栽培方法。
以下、本発明について説明する。
本発明は、植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を水に溶解させて得られるアミノ酸養液を使用して、植物を栽培するためのシステムである。
本発明において、植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸とは、植物の生育を促進する何らかの作用を及ぼすアミノ酸であり、4-アミノ酪酸、プロリン、トレオニン、アラニン、グルタミン、イソロイシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、メチオニン、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、グルタミン酸、ロイシン、トリプトファン、バリンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、何れかを単独、または混合して使用することができる。次に、アミノ酸を水に溶解させて得られるアミノ酸養液について詳細に説明する。
<アミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られる無菌性アミノ酸養液>
本発明においては、例えば上記各種アミノ酸の原末を水に溶解し、滅菌フイルターでろ過することにより、無菌性アミノ酸養液を得ることができる。また、単体のアミノ酸ではなく、蛋白の加水分解物、例えば蛋白の酵素分解物の水溶液を各種アミノ酸の混合物として用いることもできる。この場合、蛋白が完全に分解され、全てがアミノ酸になっている必要はなく、蛋白の部分加水分解物であるペプチドが含まれていても良い。ただし、分子量の大きいペプチドは、本発明の無孔性親水性フイルムの高分子網目に侵入し難いため、植物が窒素源として利用し難い。従って、ペプチドは出来る限り低分子量の単量体であるアミノ酸まで分解されていることが好ましい。
無菌性アミノ酸養液の調製において、アミノ酸水溶液を無菌化する手法としては、前述の滅菌フイルターろ過以外に、オートクレーブ滅菌、放射線滅菌など公知の滅菌方法を採用することができる。本発明の無菌性アミノ酸養液は滅菌されていることが好ましいが、実質的に細菌・菌類の繁殖が著しく抑制され、植物の栽培に支障のある腐敗が発生しない程度に殺菌処理されたものであっても良い。このような殺菌方法としては、煮沸殺菌、紫外線照射殺菌、オゾン殺菌、塩素殺菌など公知の殺菌方法を採用することができる。
本発明で使用するアミノ酸養液中のアミノ酸含有量は、窒素濃度として50ppm以上、1、000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは、100ppm以上、500ppm以下である。アミノ酸養液中のアミノ酸含有量がこの範囲を下回れば、植物の生長に必要な窒素源が不十分となり、植物の生長が抑制されるので好ましくない。一方、この範囲を上回ると、高価なアミノ酸が大量に必要となったり、浸透圧が高くなることで植物がアミノ酸を吸収し難くなったりするので好ましくない。尚、水中に溶解しているアミノ酸の種類や濃度は、高速液体クロマトグラフによって測定することができる。
本発明で使用するアミノ酸養液は、さらに肥料成分を含んでいてもよい。使用する肥料に特に限定はなく、従来の土耕栽培ないし養液土耕栽培、あるいは水耕栽培に使用されてきた肥料が何れも使用可能である。一般には、植物の生育にとって無機成分は必要不可欠であるが、その主要な成分として:窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、硫黄(S)、微量成分として:鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ホウ素(B)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)が挙げられる。さらにこの他に、副成分として、珪素(Si)、塩素(Cl)、アルミニウム(Al)、ナトリウム(Na)等が挙げられる。必要に応じて、本発明の効果を実質的に阻害しない限り、その他の生理活性物質も加えることができる。
さらに、本発明のアミノ酸養液には、従来の栽培方法では雑菌の栄養源となるため使用が困難であったグルコース(ブドウ糖)、スクロース(ショ糖)などの糖質等を添加することも可能である。
さらに本発明で使用するアミノ酸養液のpHは、4〜8の範囲内であることが好ましい。植物はその種類によって最適な生育を示すpHが異なるが、多くの植物では、細胞内外のpHの差によって生じる細胞内pHの受動的な変化を抑え、細胞内pHを好適な範囲に維持することが、生化学的なプロセスを進行させるために重要であり、細胞内外のpHの差が小さいことが好ましい。通常植物が生育する最適なpHは、4〜7の範囲にあるとされていることから、本発明において、アミノ酸養液のより好ましいpHは4〜7の範囲であり、より好ましくは4〜6.6の範囲である。
<植物栽培システム>
次に、アミノ酸養液を使用して植物を栽培するための本発明の植物栽培システムの基本的な構成について説明する。
本発明の植物栽培システムの構成要素として、無孔性親水性フィルム(1)は必須であるが、アミノ酸養液保持手段の違いによって、大きく2種に分けることができる。第1のタイプは、アミノ酸養液保持手段が水耕栽培用水槽であり、無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置されたアミノ酸養液が水耕栽培用水槽に収容されてなることを特徴とする、植物栽培用システムである。このようなシステムについては、特許文献2に開示されている。第2のタイプは、アミノ酸養液保持手段が水不透過性表面を有し、その上に無孔性親水性フィルムが敷設されてなり、無孔性親水性フィルムとアミノ酸養液保持手段との間にアミノ酸養液を連続的または間歇的に供給するアミノ酸養液供給手段をさらに含むことを特徴とする植物栽培用システムであり、アミノ酸養液供給手段の代表的なものが無孔性親水性フィルムとアミノ酸養液保持手段との間に設置された点滴灌水チューブである。即ち、この第2のタイプの栽培システムは、アミノ酸養液保持手段を基材層とし、その上に直接的または間接的に無孔性親水性フィルムが積層されてなる多層構造を有するシステムである。このようなシステムについては、特許文献7に開示されている。
図1は、第1のタイプの植物栽培システムの基本的な一態様を示す模式断面図である。アミノ酸を肥料養液に溶解させて得られるアミノ酸養液(3)を、給液ポンプ(4)により滅菌フィルター(2)を介して無孔性親水性フィルム(1)の下面に接触するように供給する。図1の例においては、無孔性親水性フィルム(1)の下に水槽が設置され、水槽内に無菌性アミノ酸養液(5)が収容される。肥料成分を含む無菌性アミノ酸養液(5)は、無孔性親水性フィルム(1)に吸収され、植物(6)の根(7)は、無孔性親水性フィルム(1)の上面に密着し、無孔性親水性フィルム(1)に含まれる水、アミノ酸、肥料成分を吸収する。植物に吸収されなかった残余の無菌性アミノ酸養液(5)はアミノ酸養液供給管(11)を通って循環する。
必要に応じて、無孔性親水性フィルム(1)の上に土壌などの植物栽培用支持体(8)、および/または、水蒸気を通さないか、または低透過性の蒸発抑制部材(例えば、後述するマルチング材)あるいは定植板(9)を配置することができる。無孔性親水性フィルム(1)の上に植物栽培用支持体(8)を配置すると、植物体の根を保護する効果が得られる。また、蒸発抑制部材あるいは定植板(9)を配置することにより無孔性親水性フィルム(1)から大気中に蒸散する水蒸気を蒸発抑制部材表面あるいは植物栽培用支持体(8)中に凝結させると、凝結した水蒸気を水として植物が利用できる。
本発明の植物栽培システムによれば、肥料成分を含む無菌性アミノ酸養液(5)は無孔性親水性フィルム(1)を介して植物に供給される。無菌性アミノ酸養液(5)は、無孔性親水性フィルム(1)によって空気層と隔離されているため、無菌性アミノ酸養液中のアミノ酸が空気中の細菌と接触することが防止され、水に溶解させたアミノ酸が高濃度に維持される。これに対して、植物の根が水(または養液)に浸かっている従来の水耕栽培方法においては、水や養液の表面が空気層と接しているため、アミノ酸を無菌的に水や養液に添加したとしても、空気中の細菌や菌類が容易に混入してしまい、アミノ酸が細菌の栄養源として消費されてしまう。さらに、細菌や菌類が植物の根に繁殖して著しい生育障害や植物の病気を誘発する。
また、植物の根が水(または養液)に浸かっている従来の水耕栽培方法においては、根は水に溶存した酸素を吸収するため、栽培に使用する水の溶存酸素量を一定以上に保つ必要があった。これに対して、本発明の植物栽培システムにおいては、植物の根は無孔性親水性フィルム(1)の上の空気層にあるので、酸素は空気中から吸収することができる。
さらに、必要に応じて、フィルム(1)の上部に細霧噴霧用手段(10)(例えば、バルブ)を配置し、間歇的に水、養液または農薬希釈液を噴霧することができる。このような細霧噴霧用手段(10)を配置することにより、水の間歇的噴霧による特に夏季の冷却と、養液の噴霧による環境の冷却と葉面散布による肥料成分の供給、農薬の配合された水または養液の噴霧による農薬の散布などの自動化が可能となるというメリットを得ることができる。しかし、植物体の特定の成分(たとえば、硝酸態窒素)を低減することを意図する際には、基本的には、(養分蓄積を避けるため)無孔性親水性フィルム(1)の上からは水のみを供給することが好ましい。
フィルムと根の「一体化」を促進させるためには、該フィルム(1)の下からは養液を供給することが好ましい。 本発明者らは、無孔性親水性フィルムとして厚さ40μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを使用して、フィルムの下から供給する肥料濃度が根とフィルムとの一体化現象に与える効果を調べた。具体的には、約20cm×20cmの無孔性親水性フィルム(PVA)上に土壌として、バーミキュライト、またはロックファイバーを約300ml配置し、この土壌内に、サニーレタスの幼苗(本葉1枚強)を2本植え付けた。フィルムの下から供給する養液として、ハイポネックス100倍希釈液、1000倍希釈液、および水(水道水、即ち肥料なし)を用いて、合計6種類の系を作製した。養液量は各300ml、フィルム(PVA)上の土壌の厚みは約2cmだった。実験はハウス内で行い、自然光を使用し、気温は15〜25℃、湿度は50〜90%RHの条件下で行った。栽培開始13日後、および35日後には、後述する一体化試験と同様に剥離強度を測定した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、フィルムの下面から水のみを供給した場合と比較して、養液を使用した方が、植物の生育のみならず、根とフィルムの接着強度が著しく向上した。これは、植物がフィルムを介して、水のみならず肥料成分をも吸収していることを示している。さらに、フィルムを介して水および肥料成分を効率良く吸収するためには、根がフィルム表面に強く密着することが必須であり、その結果として根とフィルムが一体化することになるものと考えられる。
無孔性親水性フィルム(1)と根の「一体化」が完成する前に、該フィルム上から水分を加え過ぎると、植物はフィルム上の取り易い水分を吸収して、該フィルム下からの水分を取る必要が減じ、その結果、根が該フィルムと一体化し難くなる傾向がある。従って、根が該フィルムと一体化するまでは、該フィルム上からは、過剰の水分を加えることは好ましくない。他方、根が無孔性親水性フィルムと一体化した後であれば、適宜、該フィルム上から水分/養分を与えても良い。
<植物栽培用システムの構成>
以下、本発明の植物栽培システムにおける各部の構成について詳細に説明する。このような構成(ないしは機能)に関しては、必要に応じて、本発明者による文献(特許文献2〜7)の「発明の詳細な説明」、「実施例」等を参照することができる。
(無孔性親水性フィルム)
本発明の植物栽培システムにおいては、植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルムが必須である。本発明で使用する無孔性親水性フィルムは、後述する種々の物性をすべて満足するものが好ましい。
(一体化試験)
無孔性親水性フィルムは、栽培している「植物体の根と実質的に一体化し得る」フィルムであることが重要である。「植物体の根と実質的に一体化し得る」フィルムとは、本発明の植物栽培用システムの無孔性親水性フィルムの上で植物を35日間栽培した際に、無孔性親水性フィルムを栽培した植物の根から剥離するための剥離強度が10g以上となるフィルムである。根とフィルムの一体化を測定するための「一体化試験」は、次のようにして実施することができる。
「ざるボウルセット」を使い、ざる上に試験すべきフィルム(200×200mm)を乗せ、フィルムの上にバーミキュライト150g(水分73%、乾燥重量40g)を載せ、サニーレタスの幼苗(本葉1枚強)を2本植え付ける。このざるを、240〜300gの養液が張られたボウル中に設置し、該フィルムを該養液と接触させ、幼苗を栽培する。栽培はハウス内で行い、自然光を使用し、気温は0〜25℃、湿度は50〜90%RHの条件下で35日間行う。次に、栽培した植物の根元で茎葉を切断し、根の密着したフィルムの茎がほぼ中心になるように、該フィルムを巾5cm(長さ:約20cm)に切断して試験片とする。
ばね式手秤に市販のクリップを付け、上記で得た試験片の一方をクリップで固定して、ばね式手秤の示す重量(試験片の自重に対応=Aグラム)を記録する。次いで試験片の中心にある茎を手で持ち、下方に緩やかに引き下げて、根とフィルムが離れる(または切断される)際の重量(荷重=Bグラム)をばね式手秤の目盛りから読み取る。この値から初期の重量を差し引いた(B−A)グラムを巾5cmの引き剥がし荷重とし、この引き剥がし荷重を剥離強度とする。
本発明において使用する無孔性親水性フィルムの剥離強度は、10g以上であることが好ましく、30g以上であることがさらに好ましく、100g以上であることが最も好ましい。
(イオン透過性試験)
さらに本発明においては、無孔性親水性フィルムが「植物体の根と実質的に一体化し得る」か否かを判断するための指標の1つとして、イオン透過性のバランスが挙げられる。
本発明の植物栽培システムを使用して植物を栽培すると、植物はフィルムを通して肥料をイオンとして吸収する。従って、使用するフィルムの塩類(イオン)透過性が、植物に与えられる肥料成分の量に影響する。本発明においては、無孔性親水性フィルムを介して水と0.5質量%塩水とを対向して4日間(96時間)接触させた際に、水と塩水の栽培温度において測定した電気伝導度(EC)の差が4.5dS/m以下となるフィルムが好ましい。水と塩水の電気伝導度の差は、3.5dS/m以下であることがさらに好ましく、2.0dS/m以下であることが最も好ましい。このようなフィルムを用いた際には、根に対する好適な水あるいは肥料溶液を供給し、該フィルムと根との一体化を促進することが容易となる。
電気伝導度(EC、イーシー)は、液中に溶けている塩類(あるいはイオン)量の指標であり、比導電率とも言う。ECとしては、断面積1cmの電極2枚を1cmの距離に離したときの電気伝導度の値を使用し、単位はシーメンス(S)であり、S/cmで表す。しかし、養液のECは小さいので、1/1000の単位となるmS/cmを使う(国際単位系ではdS/m(dはデシ)と表示する)。
フィルムのイオン透過性は、以下のようにして測定することができる。
市販の食塩10gを水2000mlに溶解して、0.5%塩水を作製する(EC:約9dS/m)。「ざるボウルセット」を使い、ざる上に試験すべきフィルム(サイズ:200〜260×200〜260mm)を乗せ、該フィルム上に水150gを加える。他方、ボウル側に上記の塩水150gを加え、得られた系全体を食品用ラップ(ポリ塩化ビニリデンフィルム、商品名:サランラップ、旭化成社製)で包んで、水分の蒸発を防ぐ。この状態で、常温で放置して、24時間毎に水側、塩水側のECを測定する。具体的には、電気伝導度計の測定部位(センサー部)にスポイトを用いて試料(即ち、水側または塩水側の溶液)を少量乗せ、導電率を測定する。
(水分透過性/グルコース溶液透過性試験)
本発明においては、無孔性親水性フィルムを介した植物の根の養分(有機物)吸収を容易とする点から、無孔性親水性フィルムは、所定のグルコース透過性を示すことが好ましい。このグルコース透過性の優れたフィルムは、無孔性親水性フィルムを介して水と5%グルコース水溶液とを対向して3日間(72時間)接触させた際に、水とグルコース溶液の栽培温度において測定した濃度(Brix%)の差が4以下、さらに好ましくは3以下、より好ましくは2以下、最も好ましくは1.5以下となるフィルムである。
フィルムのグルコース透過性は、以下のようにして測定することができる。
市販のグルコース(ブドウ糖)を用いて5%グルコース溶液を作製する。上記イオン透過性試験と同様の「ざるボウルセット」を使い、ざる上に試験すべき無孔性親水性フィルム(サイズ:200〜260×200〜260mm)を乗せ、該フィルム上に水150gを加える。他方、ボウル側に上記のグルコース溶液150gを加え、得られた系全体を食品用ラップ(ポリ塩化ビニリデンフィルム、商品名:サランラップ、旭化成社製)で包んで、水分の蒸発を防ぐ。この状態で、常温で放置して、24hrs毎に水側、グルコース溶液側の糖度(Brix%)を糖度計で測定する。
(耐水圧)
さらに本発明においては、無孔性親水性フィルムが耐水圧として10cm以上の水不透性を有することが好ましい。このような無孔性親水性フィルムを用いた際には、根とフィルムの一体化を促進することができる。また、根に対する好適な酸素供給および無孔性親水性フィルムを介しての病原菌汚染を防止することが容易となる。
耐水圧はJIS L1092(B法)に準じた方法によって測定することができる。本発明で使用する無孔性親水性フィルムの耐水圧は10cm以上であることが好ましく、より好ましくは20cm以上、さらに好ましくは30cm以上であり、特に好ましくは200cm以上である。
(材質)
本発明で使用する無孔性親水性フィルムの材質に特に限定はなく、通常フィルムないし膜の形態で用いることができる公知の親水性材料から適宜選択して使用することが可能である。具体的には、ポリビニルアルコール(PVA)、セロファン、酢酸セルロース、硝酸セルロース、エチルセルロース、ポリエステル等の親水性材料が挙げられる。また、無孔性親水性フィルムの厚さも特に限定はないが、通常は、300μm以下であり、好ましくは5〜200μm、より好ましくは20〜100μmである。
本発明で使用する無孔性親水性フィルムは、上述した物性(イオン透過性、グルコース透過性および耐水圧)を全て満足するものが好ましい。本発明者らは種々の無孔性親水性フィルムおよび比較となる多孔性疎水性フィルムの物性を上述した方法で評価した。具体的には、PVA、二軸延伸PVA(ボブロン)、親水性ポリエステル、セロファン、PH−35、超極細繊維不織布(シャレリア)の6種類についてイオン透過性を試験し、PVA、二軸延伸PVA、セロファン、浸透セロファン、PH−35の5種類についてグルコース透過性を試験し、PVA、二軸延伸PVA、セロファン、親水性ポリエステル、超極細繊維不織布の5種類について耐水性を試験した。その結果を、以下の表2〜表4に示す。
表2から明らかなように、イオン透過性の大きなフィルムは、超極細繊維不織布(シャレリア)、PVA、親水性ポリエステルおよびセロファンであった。反対にイオン透過性が小さいものがボブロンであり、イオンの透過性が全く認められなかったものが微孔性ポリプロピレンフイルム(PH−35)であった。従って、イオン塩透過性の観点から、微孔性ポリプロピレンフイルム(PH−35)は不適であることがわかる。
表3から明らかなように、試験した5種類のフィルムのうち、PVA、セロファンおよび浸透セロファンのグルコース透過性は良好であったが、ボブロンではグルコース透過性はほとんど認められなかった。又、PH−35では透過性は全く見られなかった。グルコース透過性という観点からは、本発明において好適に使用することのできるフィルムはPVAとセロファンであることがわかる。
表4から明らかなように、フィルムの耐水圧という観点から、超極細繊維不織布のように多孔性フィルムは本発明には使用することができない。
上記表2〜表4に示したデータからも明らかなように、イオン透過性、グルコース透過性および耐水性の全てを満足するフィルムは、PVA、セロファン、親水性ポリエステルなどの無孔性親水性フィルムである。従って、本発明においては、無孔性親水性フィルムを使用する。
<植物栽培用支持体>
本発明の植物栽培システムにおいては、植物体の根を保護するために、無孔性親水性フィルムの上に土壌などの植物栽培用支持体を配置することができる。使用する植物栽培用支持体に特に限定はなく、通常使用される土壌ないし培地が使用可能である。このような土壌ないし培地としては、例えば、土耕栽培に用いられる土壌、および水耕栽培に用いられる培地が挙げられる。
無機系の植物栽培用支持体としては、天然の砂、れき、パミスサンドなど、加工品(高温焼成等)では、ロックウール、バーミキュライト、パーライト、セラミック、籾殻くん炭などが挙げられ、有機系の植物栽培用支持体としては、天然のピートモス、ココヤシ繊維、樹皮培地、籾殻、ニータン、ソータンなどや、合成した粒状フェノール樹脂などが挙げられ、これらは単独でも、複数種を適宜混合して使用することもできる。また、合成繊維の布あるいは不織布も植物栽培用支持体として使用可能である。
必要最小限の肥料および微量要素を上記植物栽培用支持体に加えてもよい。本発明者らの知見によれば、植物の根が、無孔性親水性フィルムを介して接触する水/養液から水または養分を吸収可能な程度に伸びるまで、言い換えると根とフィルム(1)が一体化するまでは、ここで言う「必要最小限の肥料および微量要素」として、養分を無孔性親水性フィルム上の植物栽培用支持体に加えておくことが望ましい。
<アミノ酸養液保持手段>
本発明の植物栽培システムは、アミノ酸養液を無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含んでいる。本発明の植物栽培システムにおいては、アミノ酸養液を収容する容器状のアミノ酸養液保持手段、あるいは水不透過性表面を有する基材層として機能するアミノ酸養液保持層の何れかが使用可能である。
アミノ酸養液を収容する容器状のアミノ酸養液保持手段としては、必要な量のアミノ酸養液を保持することのできる容器である限り特に限定はなく、その材質としては、軽量化、易成形性および低コスト化の点からはポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアクリレート等の汎用プラスチックが好適に使用可能である。例えば、従来使用されてきた水耕栽培用水槽を使用することができる。
アミノ酸養液保持層の水不透過性表面は水を通さない材質からなるものであれば特に限定はなく、合成樹脂、木材、金属あるいはセラミックなどが挙げられる。そのアミノ酸養液保持層の形状にも特に限定はなく、フィルム状、シート状、板状、または箱状などが挙げられる。
アミノ酸養液供給手段は、従来から水あるいは養液の連続的あるいは間歇的な供給に使用されている手段であれば特に限定はない。本発明においては、アミノ酸養液を少量ずつ供給することが可能な点滴灌水チューブ(「ドリップチューブ」とも称される)の使用が好ましい。点滴灌水チューブを使用した点滴潅水によって、作物の生育に必要な水および肥料をできるだけ少量供給することができる。
さらに、アミノ酸養液保持層とアミノ酸養液供給手段とを含む態様においては、無孔性親水性フィルムへのアミノ酸養液の供給を補助するために、さらに吸水性材料を無孔性親水性フィルムと水不透過性表面との間に設置することができる。吸水性材料は、基本的には水を吸収して保持する材料であれば特に限定はない。一例としては、合成樹脂から作られたスポンジや不織布、織物からなる布、植物性の繊維状、チップ状、粉末状、または、ピートモスや水苔をはじめ一般的に植物支持体として使用される材料も使用可能である。
本発明の植物栽培システムを使用して栽培することのできる植物については特に限定はなく、農業、林業、園芸の分野で普通に生育されている植物を全て対象とすることができる。
<栽培方法>
本発明の栽培方法は、(1)植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られる無菌性アミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置された無菌性アミノ酸養液、および該無菌性アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とする植物栽培用システムを提供し、(2)該システム内の無孔性親水性フィルムの上に植物を配置し、そして(3)該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムを介して該植物に接触させることによって、該無孔性親水性フィルムの上で植物を栽培することを包含する植物栽培方法である。
栽培を開始するに際し、植物は種子あるいは苗の状態で、養液を吸収した無孔性親水性フィルム上に配置することができる。無孔性親水性フィルム上に種子の状態で播種された場合は、まず発芽、発根させる必要があり、種子の発芽、発根に必要な少量の灌水を行う。ここでフイルム上に多量の水分が存在すると、植物の根とフイルムの一体化を妨げるので、種子の発芽、発根に必要な最小限の灌水にとどめる必要がある。
植物が無孔性親水性フィルム上に苗の状態で配置された場合は、発芽、発根のための灌水は必要ないが、苗の根が伸張してフイルムと一体化し、フイルムから水と養分を吸収できるようになるまでは、根が乾燥しないように根の周囲を湿潤状態に保つ必要がある。
保水性の高い植物栽培用支持体をフイルム上に配置する態様によれば、上述のようなフイルム上に多量の水分が存在することを回避しつつ、根の周囲の湿潤状態を維持し易いので好ましい。
本発明の栽培方法は、植物の生長に必要な窒素源として有機物であるアミノ酸を利用することを特徴とするものであるが、全ての窒素源をアミノ酸にする必要はなく、所定の栽培期間中は、アミノ酸に替えて無機の窒素源、例えば硝酸態窒素を使用、あるいは両者を併用しても良い。すなわち、全期間同時併用、一部期間同時供与、各窒素源の期間分割供与等が採用できる。
窒素源の一部を安価な硝酸態窒素とすることで、全ての窒素源をアミノ酸にする場合に比べ植物の生産コストを低減することができる。植物に吸収された硝酸態窒素がアミノ酸に同化されるまでの期間は通常3日間程度であるので、例えば、植物の収穫前3日間だけ窒素源としてアミノ酸を供与しても良い。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
(栽培実験に使用した養液)
微量元素養液A:ホウ酸28.577g、硫酸銅0.786g、硫酸亜鉛2.199g、モリブデン酸アンモニウム0.184g、硫酸マンガン21.941gを1000mLの蒸留水に溶解し、1000倍濃度の微量元素養液とした。
共通培養液B:上記1000倍濃度の微量元素養液A 20mL、硫酸カリウム7.018g、硫酸マグネシウム7.395g、リン酸二カリウム3.481g、EDTA-鉄0.400gを蒸留水に溶解し、pH5.8に調整後10Lに定容した。
共通培養液C: 塩化カルシウム2水和物132gを5Lに定容した。
アミノ酸および硝酸アンモニウムおよび無窒素養液:下記の各種アミノ酸を、共通培養液C 300mLに溶解後pH5.8に調整し、蒸留水で500mLに定容した。
アラニン5.091g、アスパラギン酸7.606g、グルタミン酸8.407g、グリシン4.290g、プロリン6.579g、アスパラギン一水和物4.289g、グルタミン4.175g、ヒスチジン2.955g、アルギニン2.489g、硝酸アンモニウム2.287g、無窒素

アミノ酸および硝酸アンモニウムおよび無窒素養液500mLと蒸留水 1.5Lと共通培養液B 2Lを混合し、以下の試験の培養液として使用した。
(実験方法)
栽培実験に使用したシステムの模式図を図1に示す。上記図1のシステムに用いた培養装置のより具体的な構造を図2に示す。以下に、この培養装置に関して説明する。厚さ8mmのポリカーボネイト板を縦50cm横30cmの長方形にカットして、外周部から2cm内側の縦46cm横26cmの長方形を切り取ったものを枠部材A(23)とする。厚さ2mmのシリコンシート板を縦50cm横30cmの長方形にカットして、外周部から2cm内側の縦46cm横26cmの長方形を切り取ったものをシリコンシート(27)とする。枠部材A厚さ8mmのポリカーボネイト板を縦50cm横30cmの長方形にカットし、培養液流路用溝(28)を彫り、溝の内側部分の両端近くに培養液を出し入れするための穴を2箇所開けたものを底部材B(24)とする。クリーンベンチ内にて無孔性親水性フィルム(29)を枠部材A(23)と底部材B(24)の間に挟み、外周部に2cm毎にボルト止めをして、培養液が漏れないように密閉する。その後、70%エタノールでフィルム下部を含む密閉部分を洗浄殺菌する。
バックに培養液(蒸留水1.5L+培養液B 2L)を装填後、シリコンチューブを接続し、オートクレーブで滅菌する(125℃で15分間)。その後、クリーンベンチ内において、滅菌フィルター(孔径0.22μm)で滅菌したアミノ酸液(500mL)をバックに注入する。培養液を入れたバックから送液ポンプPA-21A(マスターフレックス社製)を使用して、滅菌シリンジフィルター(孔径0.22μm、テルモ製)を介し培養液(無菌性アミノ酸養液(25))を底部材B(24)と無孔性親水性フィルム(29)との隙間に、底部材Bに開けた1箇所の穴(21)から充填し、他方の穴(22)から排出して培養液タンクに戻すことにより、培養液を培養装置内に循環させた。
実験室内の実験台の上に培養装置を設置できる棚と上部に蛍光灯を設置し周囲を密閉して、さらにその周囲に櫓を組み、エアコンを設置し、培養装置内の温度を25℃に管理した。
無孔性親水性フィルムとして厚さ65μmのポリビニルアルコールフィルム(アイセロ化学(株)製)を用いた培養装置の無孔性親水性フィルムの上にpH5.8に調整し、粉砕した炭を敷いて、その上にトマト(タキイ種苗株式会社製「ハウス桃太郎」)、コマツナ(東北種苗株式会社製「照彩小松菜」)、レタス(東北種苗株式会社製「メルボルンMT」)の種子を播種した。その後、水を霧吹きして、表面が乾燥しないように管理した。温度25℃、光合成光量子束密度(photosynthetic photon flux density、PPFD)250μmol m-2 s-1 、12時間照明下、根を無孔性親水性フィルムに活着させた状態で栽培を40日間継続した。
40日間栽培後、各種アミノ酸試験区および対照の硝酸アンモニウム試験区、窒素を供給しない試験区について、植物体の草丈および地上部重量を測定、平均値と標準偏差を算出し、図5、6に示す。
植物体(コマツナ、レタス)の硝酸態窒素含量および糖含量の試験は、次のとおり行なった。9種類のアミノ酸および硝酸アンモニウム、無窒素で生育させた植物体について、
植物体の硝酸態窒素含量および糖(グルコース、フルクトース、スクロース)含量を測定した。40日間栽培後、地上部を液体窒素で凍結後粉砕し、生重10gあたり20ml程度の蒸留水で攪拌抽出し、糖分は濾液をHPLC(カラムKS801 Shodex SUGAR、ガードカラムKS-G、カラム温度80℃、溶媒H2O、流速1ml/min、サンプル注入量10μL)により分析し、結果を図7に示す。また、各試験区のレタスおよびコマツナ10株をまとめて乳鉢ですりつぶし、硝酸イオンメーター(堀場製作所株式会社製)で硝酸イオン濃度を測定し、結果を図8に示す。
(実験結果に対する記述)
図3、4に示すように、本発明の栽培システムにより、トマト、コマツナ、レタスは、アミノ酸を窒素源として生育し、特にヒスチジンを窒素源とした場合、硝酸アンモニウムを窒素源とした場合と同等以上に生育した。無窒素では、本葉が2〜3枚展開後、生育が
停止し、葉は黄化した。有菌状態の室内で栽培したにもかかわらず、培養液は無菌状態が維持され、植物の根も雑菌による障害を受けずに栽培が可能であった。
図5に示すように、トマトの草丈は、アルギニン区が最も大きく、次にヒスチジン区、硝酸アンモニウム区の順であった(A)。コマツナの草丈は、硝酸アンモニウム区が最も大きく、次にアルギニン区、アラニン区の順であった(B)。レタスの草丈は、ヒスチジン区が最も大きく、次にアルギニン区、アラニン区、硝酸アンモニウム区の順であった(C)。
図6に示すように、トマトおよびレタスの地上部重は、ヒスチジン区が最も大きく、硝酸アンモニウム区より優り、次に硝酸アンモニウム区、アルギニン区の順であった(A、C)。コマツナの地上部重は、すべてのアミノ酸区が硝酸アンモニウム区より劣った(B)。コマツナの草丈および地上部重は、アミノ酸の種類の違いによる差が、トマトやレタスに比べ小さかった(B)。
図7に示すように、コマツナおよびレタス植物体の硝酸態窒素濃度は、すべてのアミノ酸区において、硝酸アンモニウム区よりも低かった(A、B)。特に、コマツナでは、硝酸アンモニウム区に比較して、硝酸態窒素濃度が著しく低下した。
図8に示すように、コマツナでは、すべてのアミノ酸区のグルコース含有量は、硝酸アンモニア区より低かったが、フルクトース含有量は、グルタミン酸区、グルタミン区で上回った。レタスでは、グルコース含有量は、硝酸アンモニア区と比較して、プロリン区、グルタミン酸区、グルタミン区で上回り、フルクトース含有量は、プロリン区、アスパラギン酸区、グルタミン酸区、グルタミン区で上回った。
本発明の植物栽培用システムを使用して、アミノ酸養液を無孔性親水性フィルムの下面から無孔性親水性フィルムの上で栽培する植物に供給すると、該アミノ酸養液中における雑菌などの繁殖を回避して、また根ぐされなどの原因となる根の酸素欠乏状態を招くことなく、効率的且つ安定的に十分な量のアミノ酸を植物の根から吸収させることができ、それにより長期間に亘り持続的に植物の生長を著しく促進させることが可能になる。従って、本発明の植物栽培用システムおよびこれを用いた植物栽培方法は、農業・林業・園芸全般に対しても広く適用することができ、穀類・野菜類などの農作物、花卉類、果樹、植林・緑化用樹木などの収量増加、品質向上などに優れた効果を発揮する。
本発明の植物栽培システムの基本的な態様の一例を示す摸式断面図。 実施例1で採用した実験システムに含まれる栽培装置の概略図。 実施例1において、トマト、コマツナ、レタスの生育状況。 左:無窒素、中:硝酸アンムニウム、右:ヒスチジン。 実施例1において、ヒスチジンを窒素源としたトマトの生育状況。 実施例1において、アミノ酸または硝酸アンモニウムを窒素源として栽培したトマト、コマツナ、レタスの草丈を示すグラフ(縦棒は標準偏差)。 実施例1において、アミノ酸または硝酸アンモニウムを窒素源として栽培したトマト、コマツナ、レタスの地上部重量を示すグラフ(縦棒は標準偏差)。 実施例1において、アミノ酸または硝酸アンモニウムを窒素源として栽培したコマツナ地上部の植物体内の硝酸態窒素含量を示すグラフ。 実施例1において、アミノ酸または硝酸アンモニウムを窒素源として栽培したコマツナ地上部の植物体内の糖含量を示す表。
1 無孔性親水性フィルム
2 滅菌フィルター
3 アミノ酸養液
4 給液ポンプ
5 無菌性アミノ酸養液
6 植物
7 根
8 植物栽培用支持体(土壌)
9 定植板
10 細霧噴霧用手段
11 アミノ酸養液供給管
21 培養液入口用穴
22 培養液出口用穴
23 部材A
24 部材B
25 培養液
26 無孔性親水性フィルムと一体化した根
27 シリコンシート
28 培養液流路用溝
29 無孔性親水性フイルム

Claims (14)

  1. 植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置された無菌性アミノ酸養液、および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に無菌的に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とする、植物栽培用システム。
  2. 該アミノ酸が、4-アミノ酪酸、プロリン、トレオニン、アラニン、グルタミン、イソロイシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、メチオニン、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、グルタミン酸、ロイシン、トリプトファン、バリンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、溶解しているアミノ酸の量が窒素濃度として50ppm以上、1、000ppm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培用システム。
  3. 該アミノ酸養液が、さらに肥料成分を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の植物栽培用システム。
  4. 該無孔性親水性フィルムが、該フィルムを介して水と塩水とを対向して接触させた際に、測定開始後4日目(96時間)の水/塩水の電気伝導度(EC)の差が4.5dS/m以下のフィルムである請求項1〜3のいずれかに記載の植物栽培用システム。
  5. 該無孔性親水性フィルムが、該フィルムを介して水とグルコース溶液とを対向して接触させた際に、測定開始後3日目(72時間)の水/グルコース溶液の濃度(Brix%)の差が4以下のフィルムである請求項1〜4のいずれかに記載の植物栽培用システム。
  6. 該無孔性親水性フィルムが、該植物栽培用システムの無孔性親水性フィルムの上で植物を35日間栽培した際に、該無孔性親水性フィルムを栽培した植物の根から剥離するための剥離強度が10g以上となるフィルムであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の植物栽培用システム。
  7. 該無孔性親水性フィルムが、耐水圧として10cm以上の水不透性を有する請求項1〜6のいずれかに記載の植物栽培用システム。
  8. アミノ酸養液保持手段が水耕栽培用水槽であり、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置されたアミノ酸養液が水耕栽培用水槽に収容されてなることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の植物栽培用システム。
  9. 該アミノ酸養液保持手段が水不透過性表面を有し、その上に該無孔性親水性フィルムが敷設されてなり、無孔性親水性フィルムとアミノ酸養液保持手段との間に該アミノ酸養液を連続的または間歇的に供給するアミノ酸養液供給手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の植物栽培用システム。
  10. アミノ酸養液供給手段が、無孔性親水性フィルムとアミノ酸養液保持手段との間に設置された点滴灌水チューブであることを特徴とする、請求項9に記載の植物栽培用システム。
  11. (1)植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置されたアミノ酸養液、および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とすることを特徴とする植物栽培用システムを提供し、
    (2)該システム内の無孔性親水性フィルムの上に植物を配置し、そして
    (3)該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムを介して該植物に接触させることによって、該無孔性親水性フィルムの上で植物を栽培する
    ことを包含する植物栽培方法。
  12. 該アミノ酸が、4-アミノ酪酸、プロリン、トレオニン、アラニン、グルタミン、イソロイシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、メチオニン、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、グルタミン酸、ロイシン、トリプトファン、バリンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、溶解しているアミノ酸の量が窒素濃度として50ppm以上、1、000ppm以下であることを特徴とする、請求項11に記載の植物栽培方法。
  13. 該アミノ酸養液として、さらに肥料成分を含むアミノ酸養液を使用し、それにより、該工程(3)において、該植物の根を該フィルム上で成長させて該フィルムと一体化させることを特徴とする、請求項11または12に記載の植物栽培方法。
  14. 所定の栽培期間中は、アミノ酸に替えて硝酸態窒素を使用することを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の植物栽培方法。
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