JP2014143926A - 植物栽培システムおよび植物栽培方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム;植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られる無菌性アミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置された無菌性アミノ酸養液;および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に無菌的に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とする、植物栽培用システム。
【選択図】図1
Description
植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置された無菌性アミノ酸養液、および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とする、植物栽培用システムが提供される。
(1)植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、
植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置された無菌性アミノ酸養液、および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とすることを特徴とする植物栽培用システムを提供し、
(2)該システム内の無孔性親水性フィルムの上に植物を配置し、そして
(3)該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムを介して該植物に接触させることによって、該無孔性親水性フィルムの上で植物を栽培する
ことを包含する植物栽培方法が提供される。
植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置された無菌性アミノ酸養液、および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とする、植物栽培用システム。
3. 該アミノ酸養液が、さらに肥料成分を含むことを特徴とする、前項1または2かに記載の植物栽培用システム。
4. 該無孔性親水性フィルムが、該フィルムを介して水と塩水とを対向して接触させた際に、測定開始後4日目(96時間)の水/塩水の電気伝導度(EC)の差が4.5dS/m以下のフィルムである前項1〜3のいずれかに記載の植物栽培用システム。
6. 該無孔性親水性フィルムが、該植物栽培用システムの無孔性親水性フィルムの上で植物を35日間栽培した際に、該無孔性親水性フィルムを栽培した植物の根から剥離するための剥離強度が10g以上となるフィルムであることを特徴とする、前項1〜5のいずれかに記載の植物栽培用システム。
7. 該無孔性親水性フィルムが、耐水圧として10cm以上の水不透性を有する前項1〜6のいずれかに記載の植物栽培用システム。
9. 該アミノ酸養液保持手段が水不透過性表面を有し、その上に該無孔性親水性フィルムが敷設されてなり、無孔性親水性フィルムとアミノ酸養液保持手段との間に該アミノ酸養液を連続的または間歇的に供給するアミノ酸養液供給手段をさらに含むことを特徴とする、前項1〜8のいずれかに記載の植物栽培用システム。
10. アミノ酸養液供給手段が、無孔性親水性フィルムとアミノ酸養液保持手段との間に設置された点滴灌水チューブであることを特徴とする、前項9に記載の植物栽培システム。
植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置されたアミノ酸養液、および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とすることを特徴とする植物栽培用システムを提供し、
(2)該システム内の無孔性親水性フィルムの上に植物を配置し、そして
(3)該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムを介して該植物に接触させることによって、該無孔性親水性フィルムの上で植物を栽培することを包含する植物栽培方法。
13. 該アミノ酸養液として、さらに肥料成分を含むアミノ酸養液を使用し、それにより、該工程(3)において、該植物の根を該フィルム上で成長させて該フィルムと一体化させることを特徴とする、前項11または12に記載の植物栽培方法。
14. 所定の栽培期間中は、アミノ酸に替えて硝酸態窒素を使用することを特徴とする、前項11〜13のいずれかに記載の植物栽培方法。
本発明は、植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を水に溶解させて得られるアミノ酸養液を使用して、植物を栽培するためのシステムである。
本発明においては、例えば上記各種アミノ酸の原末を水に溶解し、滅菌フイルターでろ過することにより、無菌性アミノ酸養液を得ることができる。また、単体のアミノ酸ではなく、蛋白の加水分解物、例えば蛋白の酵素分解物の水溶液を各種アミノ酸の混合物として用いることもできる。この場合、蛋白が完全に分解され、全てがアミノ酸になっている必要はなく、蛋白の部分加水分解物であるペプチドが含まれていても良い。ただし、分子量の大きいペプチドは、本発明の無孔性親水性フイルムの高分子網目に侵入し難いため、植物が窒素源として利用し難い。従って、ペプチドは出来る限り低分子量の単量体であるアミノ酸まで分解されていることが好ましい。
次に、アミノ酸養液を使用して植物を栽培するための本発明の植物栽培システムの基本的な構成について説明する。
本発明の植物栽培システムの構成要素として、無孔性親水性フィルム(1)は必須であるが、アミノ酸養液保持手段の違いによって、大きく2種に分けることができる。第1のタイプは、アミノ酸養液保持手段が水耕栽培用水槽であり、無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置されたアミノ酸養液が水耕栽培用水槽に収容されてなることを特徴とする、植物栽培用システムである。このようなシステムについては、特許文献2に開示されている。第2のタイプは、アミノ酸養液保持手段が水不透過性表面を有し、その上に無孔性親水性フィルムが敷設されてなり、無孔性親水性フィルムとアミノ酸養液保持手段との間にアミノ酸養液を連続的または間歇的に供給するアミノ酸養液供給手段をさらに含むことを特徴とする植物栽培用システムであり、アミノ酸養液供給手段の代表的なものが無孔性親水性フィルムとアミノ酸養液保持手段との間に設置された点滴灌水チューブである。即ち、この第2のタイプの栽培システムは、アミノ酸養液保持手段を基材層とし、その上に直接的または間接的に無孔性親水性フィルムが積層されてなる多層構造を有するシステムである。このようなシステムについては、特許文献7に開示されている。
以下、本発明の植物栽培システムにおける各部の構成について詳細に説明する。このような構成(ないしは機能)に関しては、必要に応じて、本発明者による文献(特許文献2〜7)の「発明の詳細な説明」、「実施例」等を参照することができる。
本発明の植物栽培システムにおいては、植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルムが必須である。本発明で使用する無孔性親水性フィルムは、後述する種々の物性をすべて満足するものが好ましい。
無孔性親水性フィルムは、栽培している「植物体の根と実質的に一体化し得る」フィルムであることが重要である。「植物体の根と実質的に一体化し得る」フィルムとは、本発明の植物栽培用システムの無孔性親水性フィルムの上で植物を35日間栽培した際に、無孔性親水性フィルムを栽培した植物の根から剥離するための剥離強度が10g以上となるフィルムである。根とフィルムの一体化を測定するための「一体化試験」は、次のようにして実施することができる。
さらに本発明においては、無孔性親水性フィルムが「植物体の根と実質的に一体化し得る」か否かを判断するための指標の1つとして、イオン透過性のバランスが挙げられる。
本発明の植物栽培システムを使用して植物を栽培すると、植物はフィルムを通して肥料をイオンとして吸収する。従って、使用するフィルムの塩類(イオン)透過性が、植物に与えられる肥料成分の量に影響する。本発明においては、無孔性親水性フィルムを介して水と0.5質量%塩水とを対向して4日間(96時間)接触させた際に、水と塩水の栽培温度において測定した電気伝導度(EC)の差が4.5dS/m以下となるフィルムが好ましい。水と塩水の電気伝導度の差は、3.5dS/m以下であることがさらに好ましく、2.0dS/m以下であることが最も好ましい。このようなフィルムを用いた際には、根に対する好適な水あるいは肥料溶液を供給し、該フィルムと根との一体化を促進することが容易となる。
市販の食塩10gを水2000mlに溶解して、0.5%塩水を作製する(EC:約9dS/m)。「ざるボウルセット」を使い、ざる上に試験すべきフィルム(サイズ:200〜260×200〜260mm)を乗せ、該フィルム上に水150gを加える。他方、ボウル側に上記の塩水150gを加え、得られた系全体を食品用ラップ(ポリ塩化ビニリデンフィルム、商品名:サランラップ、旭化成社製)で包んで、水分の蒸発を防ぐ。この状態で、常温で放置して、24時間毎に水側、塩水側のECを測定する。具体的には、電気伝導度計の測定部位(センサー部)にスポイトを用いて試料(即ち、水側または塩水側の溶液)を少量乗せ、導電率を測定する。
本発明においては、無孔性親水性フィルムを介した植物の根の養分(有機物)吸収を容易とする点から、無孔性親水性フィルムは、所定のグルコース透過性を示すことが好ましい。このグルコース透過性の優れたフィルムは、無孔性親水性フィルムを介して水と5%グルコース水溶液とを対向して3日間(72時間)接触させた際に、水とグルコース溶液の栽培温度において測定した濃度(Brix%)の差が4以下、さらに好ましくは3以下、より好ましくは2以下、最も好ましくは1.5以下となるフィルムである。
市販のグルコース(ブドウ糖)を用いて5%グルコース溶液を作製する。上記イオン透過性試験と同様の「ざるボウルセット」を使い、ざる上に試験すべき無孔性親水性フィルム(サイズ:200〜260×200〜260mm)を乗せ、該フィルム上に水150gを加える。他方、ボウル側に上記のグルコース溶液150gを加え、得られた系全体を食品用ラップ(ポリ塩化ビニリデンフィルム、商品名:サランラップ、旭化成社製)で包んで、水分の蒸発を防ぐ。この状態で、常温で放置して、24hrs毎に水側、グルコース溶液側の糖度(Brix%)を糖度計で測定する。
さらに本発明においては、無孔性親水性フィルムが耐水圧として10cm以上の水不透性を有することが好ましい。このような無孔性親水性フィルムを用いた際には、根とフィルムの一体化を促進することができる。また、根に対する好適な酸素供給および無孔性親水性フィルムを介しての病原菌汚染を防止することが容易となる。
本発明で使用する無孔性親水性フィルムの材質に特に限定はなく、通常フィルムないし膜の形態で用いることができる公知の親水性材料から適宜選択して使用することが可能である。具体的には、ポリビニルアルコール(PVA)、セロファン、酢酸セルロース、硝酸セルロース、エチルセルロース、ポリエステル等の親水性材料が挙げられる。また、無孔性親水性フィルムの厚さも特に限定はないが、通常は、300μm以下であり、好ましくは5〜200μm、より好ましくは20〜100μmである。
本発明の植物栽培システムにおいては、植物体の根を保護するために、無孔性親水性フィルムの上に土壌などの植物栽培用支持体を配置することができる。使用する植物栽培用支持体に特に限定はなく、通常使用される土壌ないし培地が使用可能である。このような土壌ないし培地としては、例えば、土耕栽培に用いられる土壌、および水耕栽培に用いられる培地が挙げられる。
本発明の植物栽培システムは、アミノ酸養液を無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含んでいる。本発明の植物栽培システムにおいては、アミノ酸養液を収容する容器状のアミノ酸養液保持手段、あるいは水不透過性表面を有する基材層として機能するアミノ酸養液保持層の何れかが使用可能である。
アミノ酸養液を収容する容器状のアミノ酸養液保持手段としては、必要な量のアミノ酸養液を保持することのできる容器である限り特に限定はなく、その材質としては、軽量化、易成形性および低コスト化の点からはポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアクリレート等の汎用プラスチックが好適に使用可能である。例えば、従来使用されてきた水耕栽培用水槽を使用することができる。
本発明の栽培方法は、(1)植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られる無菌性アミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置された無菌性アミノ酸養液、および該無菌性アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とする植物栽培用システムを提供し、(2)該システム内の無孔性親水性フィルムの上に植物を配置し、そして(3)該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムを介して該植物に接触させることによって、該無孔性親水性フィルムの上で植物を栽培することを包含する植物栽培方法である。
微量元素養液A:ホウ酸28.577g、硫酸銅0.786g、硫酸亜鉛2.199g、モリブデン酸アンモニウム0.184g、硫酸マンガン21.941gを1000mLの蒸留水に溶解し、1000倍濃度の微量元素養液とした。
共通培養液B:上記1000倍濃度の微量元素養液A 20mL、硫酸カリウム7.018g、硫酸マグネシウム7.395g、リン酸二カリウム3.481g、EDTA-鉄0.400gを蒸留水に溶解し、pH5.8に調整後10Lに定容した。
共通培養液C: 塩化カルシウム2水和物132gを5Lに定容した。
アミノ酸および硝酸アンモニウムおよび無窒素養液:下記の各種アミノ酸を、共通培養液C 300mLに溶解後pH5.8に調整し、蒸留水で500mLに定容した。
アラニン5.091g、アスパラギン酸7.606g、グルタミン酸8.407g、グリシン4.290g、プロリン6.579g、アスパラギン一水和物4.289g、グルタミン4.175g、ヒスチジン2.955g、アルギニン2.489g、硝酸アンモニウム2.287g、無窒素
アミノ酸および硝酸アンモニウムおよび無窒素養液500mLと蒸留水 1.5Lと共通培養液B 2Lを混合し、以下の試験の培養液として使用した。
栽培実験に使用したシステムの模式図を図1に示す。上記図1のシステムに用いた培養装置のより具体的な構造を図2に示す。以下に、この培養装置に関して説明する。厚さ8mmのポリカーボネイト板を縦50cm横30cmの長方形にカットして、外周部から2cm内側の縦46cm横26cmの長方形を切り取ったものを枠部材A(23)とする。厚さ2mmのシリコンシート板を縦50cm横30cmの長方形にカットして、外周部から2cm内側の縦46cm横26cmの長方形を切り取ったものをシリコンシート(27)とする。枠部材A厚さ8mmのポリカーボネイト板を縦50cm横30cmの長方形にカットし、培養液流路用溝(28)を彫り、溝の内側部分の両端近くに培養液を出し入れするための穴を2箇所開けたものを底部材B(24)とする。クリーンベンチ内にて無孔性親水性フィルム(29)を枠部材A(23)と底部材B(24)の間に挟み、外周部に2cm毎にボルト止めをして、培養液が漏れないように密閉する。その後、70%エタノールでフィルム下部を含む密閉部分を洗浄殺菌する。
バックに培養液(蒸留水1.5L+培養液B 2L)を装填後、シリコンチューブを接続し、オートクレーブで滅菌する(125℃で15分間)。その後、クリーンベンチ内において、滅菌フィルター(孔径0.22μm)で滅菌したアミノ酸液(500mL)をバックに注入する。培養液を入れたバックから送液ポンプPA-21A(マスターフレックス社製)を使用して、滅菌シリンジフィルター(孔径0.22μm、テルモ製)を介し培養液(無菌性アミノ酸養液(25))を底部材B(24)と無孔性親水性フィルム(29)との隙間に、底部材Bに開けた1箇所の穴(21)から充填し、他方の穴(22)から排出して培養液タンクに戻すことにより、培養液を培養装置内に循環させた。
無孔性親水性フィルムとして厚さ65μmのポリビニルアルコールフィルム(アイセロ化学(株)製)を用いた培養装置の無孔性親水性フィルムの上にpH5.8に調整し、粉砕した炭を敷いて、その上にトマト(タキイ種苗株式会社製「ハウス桃太郎」)、コマツナ(東北種苗株式会社製「照彩小松菜」)、レタス(東北種苗株式会社製「メルボルンMT」)の種子を播種した。その後、水を霧吹きして、表面が乾燥しないように管理した。温度25℃、光合成光量子束密度(photosynthetic photon flux density、PPFD)250μmol m-2 s-1 、12時間照明下、根を無孔性親水性フィルムに活着させた状態で栽培を40日間継続した。
植物体(コマツナ、レタス)の硝酸態窒素含量および糖含量の試験は、次のとおり行なった。9種類のアミノ酸および硝酸アンモニウム、無窒素で生育させた植物体について、
植物体の硝酸態窒素含量および糖(グルコース、フルクトース、スクロース)含量を測定した。40日間栽培後、地上部を液体窒素で凍結後粉砕し、生重10gあたり20ml程度の蒸留水で攪拌抽出し、糖分は濾液をHPLC(カラムKS801 Shodex SUGAR、ガードカラムKS-G、カラム温度80℃、溶媒H2O、流速1ml/min、サンプル注入量10μL)により分析し、結果を図7に示す。また、各試験区のレタスおよびコマツナ10株をまとめて乳鉢ですりつぶし、硝酸イオンメーター(堀場製作所株式会社製)で硝酸イオン濃度を測定し、結果を図8に示す。
図3、4に示すように、本発明の栽培システムにより、トマト、コマツナ、レタスは、アミノ酸を窒素源として生育し、特にヒスチジンを窒素源とした場合、硝酸アンモニウムを窒素源とした場合と同等以上に生育した。無窒素では、本葉が2〜3枚展開後、生育が
停止し、葉は黄化した。有菌状態の室内で栽培したにもかかわらず、培養液は無菌状態が維持され、植物の根も雑菌による障害を受けずに栽培が可能であった。
2 滅菌フィルター
3 アミノ酸養液
4 給液ポンプ
5 無菌性アミノ酸養液
6 植物
7 根
8 植物栽培用支持体(土壌)
9 定植板
10 細霧噴霧用手段
11 アミノ酸養液供給管
21 培養液入口用穴
22 培養液出口用穴
23 部材A
24 部材B
25 培養液
26 無孔性親水性フィルムと一体化した根
27 シリコンシート
28 培養液流路用溝
29 無孔性親水性フイルム
Claims (14)
- 植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を無菌的に水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置された無菌性アミノ酸養液、および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に無菌的に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とする、植物栽培用システム。
- 該アミノ酸が、4-アミノ酪酸、プロリン、トレオニン、アラニン、グルタミン、イソロイシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、メチオニン、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、グルタミン酸、ロイシン、トリプトファン、バリンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、溶解しているアミノ酸の量が窒素濃度として50ppm以上、1、000ppm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培用システム。
- 該アミノ酸養液が、さらに肥料成分を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の植物栽培用システム。
- 該無孔性親水性フィルムが、該フィルムを介して水と塩水とを対向して接触させた際に、測定開始後4日目(96時間)の水/塩水の電気伝導度(EC)の差が4.5dS/m以下のフィルムである請求項1〜3のいずれかに記載の植物栽培用システム。
- 該無孔性親水性フィルムが、該フィルムを介して水とグルコース溶液とを対向して接触させた際に、測定開始後3日目(72時間)の水/グルコース溶液の濃度(Brix%)の差が4以下のフィルムである請求項1〜4のいずれかに記載の植物栽培用システム。
- 該無孔性親水性フィルムが、該植物栽培用システムの無孔性親水性フィルムの上で植物を35日間栽培した際に、該無孔性親水性フィルムを栽培した植物の根から剥離するための剥離強度が10g以上となるフィルムであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の植物栽培用システム。
- 該無孔性親水性フィルムが、耐水圧として10cm以上の水不透性を有する請求項1〜6のいずれかに記載の植物栽培用システム。
- アミノ酸養液保持手段が水耕栽培用水槽であり、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置されたアミノ酸養液が水耕栽培用水槽に収容されてなることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の植物栽培用システム。
- 該アミノ酸養液保持手段が水不透過性表面を有し、その上に該無孔性親水性フィルムが敷設されてなり、無孔性親水性フィルムとアミノ酸養液保持手段との間に該アミノ酸養液を連続的または間歇的に供給するアミノ酸養液供給手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の植物栽培用システム。
- アミノ酸養液供給手段が、無孔性親水性フィルムとアミノ酸養液保持手段との間に設置された点滴灌水チューブであることを特徴とする、請求項9に記載の植物栽培用システム。
- (1)植物をその上で栽培するための無孔性親水性フィルム、植物の生育を促進する少なくとも1種のアミノ酸を水に溶解させて得られるアミノ酸養液であって、該無孔性親水性フィルムの下面に接触するように配置されたアミノ酸養液、および該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムの下に保持するためのアミノ酸養液保持手段を含むことを特徴とすることを特徴とする植物栽培用システムを提供し、
(2)該システム内の無孔性親水性フィルムの上に植物を配置し、そして
(3)該アミノ酸養液を、該無孔性親水性フィルムを介して該植物に接触させることによって、該無孔性親水性フィルムの上で植物を栽培する
ことを包含する植物栽培方法。 - 該アミノ酸が、4-アミノ酪酸、プロリン、トレオニン、アラニン、グルタミン、イソロイシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、メチオニン、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、グルタミン酸、ロイシン、トリプトファン、バリンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、溶解しているアミノ酸の量が窒素濃度として50ppm以上、1、000ppm以下であることを特徴とする、請求項11に記載の植物栽培方法。
- 該アミノ酸養液として、さらに肥料成分を含むアミノ酸養液を使用し、それにより、該工程(3)において、該植物の根を該フィルム上で成長させて該フィルムと一体化させることを特徴とする、請求項11または12に記載の植物栽培方法。
- 所定の栽培期間中は、アミノ酸に替えて硝酸態窒素を使用することを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の植物栽培方法。
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