JP2014143381A - 複合基板、複合基板を用いた半導体ウエハの製造方法、および複合基板用の支持基板 - Google Patents

複合基板、複合基板を用いた半導体ウエハの製造方法、および複合基板用の支持基板 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ウエハを低コストで効率よく製造するために好適な複合基板、複合基板を用いた半導体ウエハの製造方法、および複合基板用の支持基板を提供する。
【解決手段】複合基板1は、金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含む支持基板11と、支持基板11の主面11m側に配置されている主膜13と、を含む。半導体ウエハ3の製造方法は、上記の複合基板1を準備する工程と、複合基板1の主膜13上に、少なくとも1層の半導体層20を成長させることにより、半導体層付複合基板2を得る工程と、半導体層付複合基板2から支持基板11を除去することにより、半導体層20を含む半導体ウエハ3を得る工程と、を含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、半導体ウエハを低コストで効率よく製造するために好適な複合基板、複合基板を用いた半導体ウエハの製造方法、および複合基板用の支持基板に関する。
発光デバイス、電子デバイスなどの半導体デバイスを製造するために、GaN、AlN、GaAs、InPなどのIII−V族化合物、SiCなどのIV族化合物などの半導体で形成されている半導体基板が好適に用いられる。
しかしながら、これらの半導体基板は高価なものが多いため、半導体デバイスを低コストで効率よく製造するために、近年、支持基板の主面側に上記の半導体の主膜が配置された複合基板が提案されている。
たとえば、特開2012−121788号公報(特許文献1)は、支持基板として、ムライト、Al23、SiO2などを含有するAl23−SiO2系焼結体基板上に、接合膜として接合層であるSiO2層を介在させて、主膜として単結晶膜であるGaN膜が貼り合わされた複合基板を開示する。かかる複合基板は、支持基板としてAl23−SiO2系焼結体基板を用いていることから、Al23−SiO2系焼結体基板中に存在するSiO2相がフッ化水素酸などの酸により除去されるため、複合基板の主膜上に半導体層を成長させて半導体層付複合基板を形成した後、支持基板を除去することにより所望の半導体ウエハを得ることができる。
特開2012−121788号公報
特開2012−121788号公報(特許文献1)に開示された複合基板においては、支持基板であるAl23−SiO2系焼結体基板中のSiO2相の存在形態および分布状態が安定していないため、支持基板を除去する工程を管理するのが困難という問題点があった。
本発明は、上記の問題点を解決して、安定した管理工程で複合基板から支持基板を除去することにより、半導体ウエハを低コストで効率よく製造するために好適な複合基板、複合基板を用いた半導体ウエハの製造方法、および複合基板用の支持基板を提供することを目的とする。
本発明は、金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含む支持基板と、前記支持基板の主面側に配置されている主膜と、を含む複合基板である。
本発明にかかる複合基板において、金属元素Mをアルカリ土類金属元素MIIとすることができる。さらに、アルカリ土類金属元素MIIがCa、SrおよびBaからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含み、支持基板の化学組成が、MIIO−Al23−SiO2系の3成分相図において、MIIAl2Si28の化学組成を示す第1点、MIIAl1219の化学組成を示す第2点、Al23の化学組成を示す第3点、およびAl6Si213の化学組成を示す第4点、および第1点をこの順に直線で結んで形成される領域内の点で示すことができる。
また、本発明にかかる複合基板において、支持基板の少なくとも一部を酸に溶解させることができる。また、支持基板の主面内の熱膨張係数を、表面膜の主面内の熱膨張係数に比べて、0.8倍以上1.2倍以下とすることができる。
また、本発明は、金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含む支持基板と、支持基板の主面側に配置されている主膜と、を含む複合基板を準備する工程と、複合基板の主膜上に、少なくとも1層の半導体層を成長させることにより、半導体層付複合基板を得る工程と、半導体層付複合基板から支持基板を除去することにより、半導体層を含む半導体ウエハを得る工程と、を含む半導体ウエハの製造方法である。
また、本発明は、金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含み、直径が3インチ以上で、主面の算術平均粗さRaが50nm以下である複合基板用の支持基板である。
本発明にかかる複合基板用の支持基板において、金属元素Mをアルカリ土類金属元素MIIとすることができる。さらに、アルカリ土類金属元素MIIがCa、SrおよびBaからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含み、支持基板の化学組成が、MIIO−Al23−SiO2系の3成分相図において、MIIAl2Si28の化学組成を示す第1点、MIIAl1219の化学組成を示す第2点、Al23の化学組成を示す第3点、およびAl6Si213の化学組成を示す第4点、および第1点をこの順に直線で結んで形成される領域内の点で示すことができる。また、本発明にかかる複合基板の支持基板は、少なくとも一部を酸に溶解させることができる。
本発明によれば、安定した管理工程で複合基板から支持基板を除去することにより、半導体ウエハを低コストで効率よく製造するために好適な複合基板、複合基板を用いた半導体ウエハの製造方法、および複合基板用の支持基板を提供できる。
本発明にかかる複合基板の一例を示す概略断面図である。 本発明にかかる複合基板における支持基板の化学組成を示す3成分相図の一例である。 本発明にかかる複合基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。 本発明にかかる複合基板の製造方法の別の例を示す概略断面図である。 本発明にかかる複合基板の製造方法のさらに別の例を示す概略断面図である。 本発明にかかる複合基板の製造方法のさらに別の例を示す概略断面図である。 本発明にかかる半導体ウエハの製造方法の一例を示す概略断面図である。 本発明にかかる複合基板用の支持基板の一例を示す概略断面図である。 実施例の複合基板における支持基板の化学組成を示す3成分相図である。
[実施形態1]
図1を参照して、本発明の一実施形態である複合基板1は、金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相(以下、MAl2Si28結晶相、または単にMAl2Si28相ともいう。)を含む支持基板11と、支持基板11の主面11m側に配置されている主膜13と、を含む。本実施形態の複合基板1は、支持基板11が金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含んでいることから、支持基板11の除去を安定な状態で効率よく進めることができるため、低コストで効率よく半導体ウエハを製造することができる。ここで、アノーサイトとは、一般にCaAl2Si28の化学組成を有する鉱物名であるが、本願においては、Caをその他の金属元素で置き換えたものも含めてMAl2Si28(金属元素Mは、Caおよび/またはその他の金属元素)の化学組成を有するものの総称名とする。
(支持基板)
図1を参照して、本実施形態の複合基板1に含まれる支持基板11は、金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含む。かかるアノーサイトで形成される結晶相は、フッ化水素酸などの酸に溶解して除去されるとともに、研削または研磨などにより除去される。また、アノーサイトで形成される結晶相は、結晶相であるためその化学組成が安定しているため、フッ化水素酸などの酸による分解による除去および研磨または研磨などによる除去が安定して進行する。このため、本実施形態の複合基板1の支持基板11の除去を安定な状態で効率よく進めることができる。
また、支持基板11は、MOx(xは任意の正の実数)、Al23、およびSiO2の少なくとも1種類を含む非結晶相をさらに含む場合があり、このようなMOx、Al23、およびSiO2の少なくとも1種類を含む非結晶相もフッ化水素酸などの酸による分解による除去および研磨または研磨などによる除去を高める場合がある。
支持基板11に含まれる金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相において、金属元素Mはアノーサイトで結晶相を形成することができる限り特に制限はなく、Mg、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属元素MII、Mn、Fe、Co、Ni、Znなどの遷移金属元素MTなどとすることができる。安定性の高いアノーサイトの結晶相を形成する観点から、金属元素Mはアルカリ土類金属元素MIIであることが好ましい。
さらに、支持基板11に含まれるアルカリ土類金属元素MIIを含むMIIAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相において、アルカリ土類金属元素MIIがCa、SrおよびBaからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含むことが好ましい。アルカリ土類金属元素MIIがCa、SrおよびBaからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含むことから、安定性が高いアノーサイトの結晶相が形成される。
ここで、図1および図2を参照して、支持基板11の化学組成は、金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含んでいる限り特に制限はないが、金属元素Mがアルカリ土類金属元素MIIであって、Ca、SrおよびBaからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含み、MIIO−Al23−SiO2系の3成分相図において、MIIAl2Si28の化学組成を示す第1点P1、MIIAl1219の化学組成を示す第2点P2、Al23の化学組成を示す第3点P3、およびAl6Si213の化学組成を示す第4点P4、および第1点P1をこの順に直線で結んで形成される領域R内の点で示されることが好ましい。支持基板11の化学組成がかかる領域R内の点で示される場合は、支持基板の熱膨張係数およびフッ化水素酸などの酸に対する溶解性を好適な範囲で調整することができる。
ここで、図2に示すMIIO−Al23−SiO2系の3成分相図の3頂点にそれぞれ位置するMIIO、Al23、およびSiO2は、熱膨張係数はSiO2が低くMIIOおよびAl23が高く、フッ化水素酸に対する溶解性はAl23が低くSiO2が高いという特性を有している。
また、図2に示す領域Rには、MIIAl2Si28の化学組成を示す第1点P1とMIIAl1219の化学組成を示す第2点P2とを結ぶ第1直線L1、MIIAl2Si28の化学組成を示す第1点P1とAl23の化学組成を示す第3点P3とを結ぶ第2直線L2、およびMIIAl2Si28の化学組成を示す第1点P1とAl6Si213の化学組成を示す第4点P4とを結ぶ第3直線L3が含まれる。
図2に示す第1直線L1上の点で示される化学組成を有する支持基板11は、結晶相としてMIIAl2Si28相とMIIAl1219相とを含む。図2に示す第2直線L2上の点で示される化学組成を有する支持基板11は、結晶相として結晶相としてMIIAl2Si28相とAl23相とを含む。図2に示す第3直線L3上の点で示される化学組成を有する支持基板11は、結晶相としてMIIAl2Si28相とAl6Si213相とを含む。
さらに、図2に示す領域Rは、MIIAl2Si28の化学組成を示す第1点P1、MIIAl1219の化学組成を示す第2点P2、Al23の化学組成を示す第3点P3、および第1点P1をこの順に直線で結んで得られる第1領域R1と、MIIAl2Si28の化学組成を示す第1点P1、Al23の化学組成を示す第3点P3、およびAl6Si213の化学組成を示す第4点P4、および第1点P1をこの順に直線で結んで形成される第2領域R2とを含む。
図2に示す第1領域R1内の点で示される化学組成を有する支持基板11は、結晶相としてMIIAl2Si28相とMIIAl1219相とAl23相とを含む。図2に示す第2領域R2内の点で示されるMIIAl2Si28相とAl23相とAl6Si213相とを含む。
ここで、支持基板11におけるMIIAl2Si28相、MIIAl1219相、Al23相およびAl6Si213相の存在の有無およびモル%は、X線回折により測定および同定される。
本実施形態の複合基板1は、支持基板11が金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含むため、支持基板11の少なくとも一部がフッ化水素酸などの酸に溶解するため、効率よく支持基板11を除去することができる。
(主膜)
図1を参照して、本実施形態の複合基板1に含まれ、支持基板11の主面11m側に配置されている主膜13は、その上に半導体層を成長させることができるなどの物性を有する主膜であれば特に制限はなく、GaN膜、AlN膜、GaAs膜、InP膜などのIII−V族化合物半導体膜、ダイヤモンド膜などのC(カーボン)膜、Si膜、Ge膜などのIV族元素半導体膜、SiC膜、SiGe膜などのIV族化合物半導体膜などが挙げられる。また、主膜13は、上記の物性を有する主膜であれば結晶性の有無および結晶の形態を問わず、単結晶膜であっても、多結晶膜であっても、非晶質(アモルファス)膜であってもよい。
主膜13の厚さは、特に制限はないが、主膜13上に結晶性の高い半導体層を成長させる観点から、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。また、主膜13の厚さは、主膜13の材料コストを低減する観点から、500μm以下が好ましく、250μm以下がより好ましい。
(接合膜)
本実施形態の複合基板1は、支持基板11と主膜13との接合強度を高める観点から、支持基板11と主膜13との間に接合膜12が形成されていることが好ましい。接合膜12は、特に制限はないが、支持基板11と主膜13との接合強度を高める効果が高い観点から、SiO2膜、Si34膜、TiO2膜、Ga23膜などが好ましい。さらに、フッ化水素酸などの酸に溶解する観点から、SiO2膜、Si34膜などがより好ましい。
(支持基板の主面内の熱膨張係数と主膜の主面内の熱膨張係数との関係)
本実施形態の複合基板1は、複合基板1の主膜13上に反りが小さく転位密度が小さく結晶性の高い半導体層を成長させる観点から、支持基板11の主面11m内の熱膨張係数αSが、主膜13の主面13内の熱膨張係数αFに比べて、0.8倍以上1.2倍以下が好ましく、0.9倍以上1.1倍以下がより好ましい。
(複合基板の製造方法)
本実施形態の複合基板1の製造方法は、支持基板11の主面11m側に主膜13を配置する方法であれば特に制限はなく、以下の方法が挙げられる。第1の方法は、支持基板11の主面11m上に主膜13を成長させる方法である(図示せず)。第2の方法は、図3を参照して、支持基板11の主面11mに、下地基板30の主面30n上に成膜させた主膜13を貼り合わせた後、下地基板30を除去する方法である。第3の方法は、図4および図5を参照して、支持基板11の主面11mに主膜ドナー基板13Dを貼り合わせた後、その主膜ドナー基板13Dを貼り合わせ面から所定の深さの面で分離することにより支持基板11の主面11m上に主膜13を形成する方法である。第4の方法は、図6を参照して、支持基板11の主面11mに主膜ドナー基板13Dを貼り合わせた後、その主膜ドナー基板13Dを貼り合わせ面の反対側の主面から研削、研磨およびエッチングの少なくともいずれかにより厚さを減少させて調整することにより支持基板11の主面11m上に主膜13を形成する方法である。単結晶または多結晶で結晶性の高い主膜13を形成する場合は、上記の第1の方法が困難であるため、上記の第2〜第4のいずれかの方法が好ましく用いられる。
上記の第2の方法において、支持基板11に主膜13を貼り合わせる方法には、特に制限はなく、支持基板11の主面11mに直接主膜13を貼り合わせる方法(図示せず)、支持基板11の主面11mに接合膜12を介在させて主膜13を貼り合わせる方法(図3を参照)などが挙げられる。また、上記の第3および第4の方法において、支持基板11に主膜ドナー基板13Dを貼り合わせる方法には、特に制限はなく、支持基板11の主面11mに主膜ドナー基板13Dを貼り合わせる方法(図示せず)、支持基板11の主面11mに接合膜12を介在させて主膜ドナー基板13Dを貼り合わせる方法(図4〜図6を参照)などが挙げられる。
図3を参照して、第2の方法により複合基板を製造する方法は、特に制限はないが、効率的に複合基板を製造する観点から、支持基板11を準備する工程(図3(A))と、下地基板30の主面30n上に主膜13を形成する工程(図3(B))と、支持基板11と主膜13とを貼り合わせて接合基板1Lを形成する工程(図3(C))と、接合基板1Lから下地基板30を除去する工程(図3(D))と、を含むことが好ましい。
図3(A)を参照して、支持基板11を準備する工程は、特に制限はなく、たとえば、金属元素Mを含む酸化物であるMOx(xは任意の正の実数)、Alを含む酸化物であるAl23、およびSiを含む酸化物であるSiO2を所定のモル比値で混合し焼結して得られる焼結体を所定の大きさに切り出して得られる基板の主面を研磨することにより行なうことができる。
図3(B)を参照して、下地基板30の主面30n上に主膜13を形成する工程は、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、スパッタ法、MBE(分子線エピタキシ)法、PLD(パルス・レーザ堆積)法、HVPE(ハイドライド気相エピタキシ)法、昇華法、フラックス法、高窒素圧溶液法などにより好適に行なうことができる。
図3(C)を参照して、支持基板11と主膜13とを貼り合わせて接合基板1Lを形成する工程は、支持基板11の主面11m上に接合膜12aを形成するサブ工程(図3(C1))と、下地基板30の主面30n上に形成された主膜13の主面13n上に接合膜12bを形成するサブ工程(図3(C2))と、支持基板11の主面11m上に形成された接合膜12aと下地基板30の主面30n上に形成された主膜13の主面13n上に形成された接合膜12bとを貼り合わせるサブ工程(図3(C3))と、を含む。これらのサブ工程により、互いに貼り合わされた接合膜12aと接合膜12bとが接合により一体化して接合膜12が形成され、支持基板11と、下地基板30上に形成された主膜13とが、接合膜12を介在させて接合されて、接合基板1Lが形成される。
ここで、接合膜12a,12bの形成方法は、特に制限はないが、膜形成コストを抑制する観点から、スパッタ法、蒸着法、CVD(化学気相堆積)法などが好適に行なわれる。また、接合膜12aと接合膜12bとを貼り合わせる方法は、特に制限はないが、支持基板11と主膜13とを貼り合わせる方法は、特に制限はなく、貼り合わせ面を洗浄しそのまま貼り合わせた後600℃〜1200℃程度に昇温して接合する直接接合法、貼り合わせ面を洗浄しプラズマやイオンなどで活性化処理した後に室温(たとえば25℃)〜400℃程度の低温雰囲気下で接合する表面活性化接合法、貼り合わせ面を薬液と純水で洗浄処理した後、0.1MPa〜10MPa程度の圧力を掛けて接合する高圧接合法、貼り合わせ面を薬液と純水で洗浄処理した後、10-6Pa〜10-3Pa程度の高真空雰囲気下で接合する超高真空接合法、などが好適である。上記のいずれの接合法においてもそれらの接合後に600℃〜1200℃程度に昇温することによりさらに接合強度を高めることができる。特に、表面活性化接合法、高圧接合法、および超高真空接合法においては、それらの接合後に600℃〜1200℃程度に昇温することによる接合強度を高める効果が大きい。
図3(D)を参照して、接合基板1Lから下地基板30を除去する工程は、特に制限はないが、下地基板30を効率的に除去する観点から、下地基板30をフッ化水素酸などのエッチャントにより溶解させて除去する方法、下地基板30の露出している主面側から研削または研磨により除去する方法などが好適に行なわれる。
このようにして、支持基板11と、支持基板11の主面11m上に配置された接合膜12と、接合膜12の主面上に配置された主膜13と、を含む複合基板1が得られる。
図4および図5を参照して、第3の方法により複合基板を製造する方法は、特に制限はないが、効率的に複合基板を製造する観点から、支持基板11と主膜ドナー基板13Dとを貼り合わせて接合基板1Lを形成する工程と(図4(A)および図5(A))と、接合基板1Lの主膜ドナー基板13Dの貼り合わせ面である主面13nから内部に所定の深さに位置する面で分離する工程(図4(B)および図5(B))と、を含むことが好ましい。接合基板1Lの主膜ドナー基板13Dの貼り合わせ面である主面13nから内部に所定の深さに位置する面で分離する方法には、特に制限はないが、効率的な分離を行なう観点から、図4に示すようなイオン注入法、図5に示す切断法などが好ましい。
図4に示すイオン注入法について以下に説明する。図4(A)を参照して、支持基板11と主膜ドナー基板13Dとを貼り合わせて接合基板1Lを形成する工程は、支持基板11の主面11m上に接合膜12aを形成するサブ工程(図4(A1))と、主膜ドナー基板13Dの主面13n側からイオンIを注入することにより主面13nから内部に所定の深さの位置の面にイオン注入領域13iを形成するとともに主面13n上に接合膜12bを形成するサブ工程(図4(A2))と、支持基板11の主面11m上に形成された接合膜12aと主膜ドナー基板13Dの主面13n上に形成された接合膜12bとを貼り合わせるサブ工程(図4(A3))と、を含む。これらのサブ工程により、これらのサブ工程により、互いに貼り合わされた接合膜12aと接合膜12bとが接合により一体化して接合膜12が形成され、支持基板11と、主膜ドナー基板13Dとが、接合膜12を介在させて接合されて、接合基板1Lが形成される。接合基板1Lの複合基板1の主膜ドナー基板13Dの内部に注入されたイオンIは、後工程においてガス化して急激な体積膨張を起こすことにより、主膜ドナー基板13Dをイオン注入領域13iで分離させる。
主膜ドナー基板13Dとは、後サブ工程において分離により主膜13を提供するドナー基板である。かかる主膜ドナー基板13Dを形成する方法は、上記の第2の方法により複合基板を製造する方法における主膜13を形成する方法と同様である。また、接合膜12,12bの形成方法は、第2の方法により複合基板を製造する方法における接合膜12,12bの形成方法と同様である。また、支持基板11と主膜ドナー基板13Dとを貼り合わせる方法は、上記の第2の方法により複合基板を製造する方法における支持基板11と主膜13とを貼り合わせる方法と同様である。
主膜ドナー基板13Dに注入されるイオンIは、特に制限はないが、主膜の品質の低下を抑制する観点およびイオン注入領域13iに注入されたイオンIのガス化温度を主膜13の分解温度より低くする観点から、質量の小さい原子のイオン、たとえば、水素イオン、ヘリウムイオンなどが好ましい。
図4(B)を参照して、接合基板1Lの主膜ドナー基板13Dの貼り合わせ面である主面13nから内部に所定の深さに位置する面で分離する工程は、主膜ドナー基板13Dに注入されたイオンIをガス化させる方法であれば特に制限はない。たとえば、熱を加えたり、超音波を加えたりする方法などで、接合基板1Lの主膜ドナー基板13Dの貼り合わせ面である主面から所定の深さの位置に形成されているイオン注入領域13iに注入されているイオンIをガス化させて急激な体積膨張をさせることにより行なう。
このようにして、接合基板1Lが主膜ドナー基板13Dの貼り合わせ面である主面13nから内部に所定の深さに位置する面で分離して、支持基板11と、支持基板11の主面11m上に配置された接合膜12と、接合膜12の主面上に配置された主膜13と、を含む複合基板1が得られる。
図5に示す切断法について以下に説明する。図5(A)を参照して、支持基板11と主膜ドナー基板13Dとを貼り合わせて接合基板1Lを形成する工程は、支持基板11の主面11m上に接合膜12aを形成するサブ工程(図5(A1))と、主膜ドナー基板13Dの主面13n上に接合膜12bを形成するサブ工程(図5(A2))と、支持基板11の主面11m上に形成された接合膜12aと主膜ドナー基板13Dの主面13n上に形成された接合膜12bとを貼り合わせるサブ工程(図5(A3))と、を含む。これらのサブ工程により、これらのサブ工程により、互いに貼り合わされた接合膜12aと接合膜12bとが接合により一体化して接合膜12が形成され、支持基板11と、主膜ドナー基板13Dとが、接合膜12を介在させて接合されて、接合基板1Lが形成される。
図5(B)を参照して、接合基板1Lの主膜ドナー基板13Dの貼り合わせ面である主面13nから内部に所定の深さに位置する面で分離する工程は、接合基板1Lの主膜ドナー基板13Dの貼り合わせ面である主面13nから内部に所定の深さに位置する面で主膜ドナー基板13Dを切断することにより行なう。主膜ドナー基板を切断する方法は、特に制限なく、ワイヤソー、内周刃、外周刃などが好適に用いられる。
このようにして、接合基板1Lが主膜ドナー基板13Dの貼り合わせ面である主面13nから内部に所定の深さに位置する面で分離して、支持基板11と、支持基板11の主面11m上に配置された接合膜12と、接合膜12の主面上に配置された主膜13と、を含む複合基板1が得られる。
図6を参照して、第4の方法により複合基板を製造する方法は、特に制限はないが、効率的に複合基板を製造する観点から、支持基板11と主膜ドナー基板13Dとを貼り合わせて接合基板1Lを形成する工程と(図6(A))と、接合基板1Lの主膜ドナー基板13Dの貼り合わせ面である主面13nと反対側の主面13mから研削、研磨およびエッチングの少なくともいずれかを行なう工程(図6(B))と、を含むことが好ましい。
図6(A)を参照して、支持基板11と主膜ドナー基板13Dとを貼り合わせて接合基板1Lを形成する工程は、支持基板11の主面11m上に接合膜12aを形成するサブ工程(図6(A1))と、主膜ドナー基板13Dの主面13n上に接合膜12bを形成するサブ工程(図6(A2))と、支持基板11の主面11m上に形成された接合膜12aと主膜ドナー基板13Dの主面13n上に形成された接合膜12bとを貼り合わせるサブ工程(図6(A3))と、を含む。これらのサブ工程により、これらのサブ工程により、互いに貼り合わされた接合膜12aと接合膜12bとが接合により一体化して接合膜12が形成され、支持基板11と、主膜ドナー基板13Dとが、接合膜12を介在させて接合されて、接合基板1Lが形成される。
主膜ドナー基板13Dとは、上記第3の方法と同様に、後サブ工程において分離により主膜13を提供するドナー基板である。かかる主膜ドナー基板13Dを形成する方法は、上記の第2および3の方法により複合基板を製造する方法における主膜13を形成する方法と同様である。また、接合膜12,12bの形成方法は、第2および3の方法により複合基板を製造する方法における接合膜12,12bの形成方法と同様である。また、支持基板11と主膜ドナー基板13Dとを貼り合わせる方法は、上記の第2および3の方法により複合基板を製造する方法における支持基板11と主膜13とを貼り合わせる方法と同様である。
図6(B)を参照して、接合基板1Lの主膜ドナー基板13Dの貼り合わせ面である主面13nと反対側の主面13mから研削、研磨およびエッチングの少なくともいずれかを行なう工程により、主膜ドナー基板13Dの膜厚を減少させて所望の厚さの主膜13が形成されるため、支持基板11と、支持基板11の主面11m上に配置された接合膜12と、接合膜12の主面上に配置された主膜13と、を含む複合基板1が得られる。
ここで、主膜ドナー基板13Dを研削する方法は、特に制限はなく、砥石による研削(平面研削)、ショット・ブラストなどが挙げられる。主膜ドナー基板13Dを研磨する方法は、特に制限はなく、機械的研磨、化学機械的研磨などが挙げられる。主膜ドナー基板13Dをエッチングする方法は、特に制限はなく、薬液によるウェットエッチング、RIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチングなどが挙げられる。
[実施形態2]
図7を参照して、本発明の別の実施形態である半導体ウエハの製造方法は、金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含む支持基板11と、支持基板11の主面11m側に配置されている主膜13と、を含む複合基板1を準備する工程(図7(A))と、複合基板1の主膜13上に、少なくとも1層の半導体層20を成長させることにより、半導体層付複合基板2を得る工程(図7(B))と、半導体層付複合基板2から支持基板11を除去することにより、半導体層20を含む半導体ウエハ3を得る工程(図7(C))と、を含む。本実施形態の半導体ウエハの製造方法は、支持基板11が金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含む支持基板11と支持基板11の主面11m側に配置されている主膜13とを含む複合基板1を用いることにより、主膜13上に少なくとも1層の半導体層20を成長させた後、支持基板11の除去を安定な状態で効率よく進めることができるため、低コストで効率よく半導体ウエハを製造することができる。
(複合基板を準備する工程)
図7(A)を参照して、複合基板1を準備する工程は、上記の実施形態1の複合基板1の製造方法と同様である。
(半導体層付複合基板を得る工程)
図7(B)を参照して、半導体層付複合基板2を得る工程は、複合基板1の主膜13上に、少なくとも1層の半導体層20を成長させることにより行なわれる。少なくとも1層の半導体層20を成長させる方法は、特に制限はなく、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、スパッタ法、MBE(分子線エピタキシ)法、PLD(パルス・レーザ堆積)法、HVPE(ハイドライド気相エピタキシ)法、昇華法、フラックス法、高窒素圧溶液法などが好適に挙げられる。
複合基板1の主膜13上に成長させる少なくとも1層の半導体層20は、品質のよい半導体層20を成長させる観点から、半導体層20は、主膜13に比べて、化学組成が近似することが好ましく、同一であることがより好ましい。ここで、化学組成が近似するとは、同一ではないが、いずれもIII−V族化合物、IV族元素、またはIV族化合物であることをいう。化学組成が同一とは、構成元素が同一であることをいう。
また、成長させる半導体層20の結晶性を向上させる観点から、複合基板1の主膜13の主面13m上に少なくとも半導体層20を成長させる工程は、主膜13の主面13m上に半導体バッファ層21を成長させるサブ工程と、半導体バッファ層21の主面21m上に半導体結晶層23を成長させるサブ工程と、を含むことが好ましい。ここで、半導体バッファ層21とは、半導体結晶層23に比べて低い温度で成長される結晶性が低いまたは非晶質(アモルファス)の層をいう。
このようにして、複合基板1の主膜13上に少なくとも1層の半導体層20が配置された半導体層付複合基板2が得られる。
(半導体ウエハを得る工程)
図7(C)を参照して、半導体層20を含む半導体ウエハ3を得る工程は、半導体層付複合基板2から支持基板11を除去することにより行なわれる。支持基板11を除去する方法は、特に制限はないが、支持基板11を効率的に除去する観点から、支持基板11をエッチングにより溶解させて除去する方法、支持基板11を研削または研磨により除去する方法が好ましい。
複合基板1に含まれる支持基板11は、金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含む。かかるアノーサイトで形成される結晶相は、フッ化水素酸などの酸に溶解して除去されるとともに、研削または研磨などにより除去される。また、アノーサイトで形成される結晶相は、結晶相であるためその化学組成が安定しているため、フッ化水素酸などの酸による分解による除去および研磨または研磨などによる除去が安定して進行する。
このようにして、半導体層付複合基板2から支持基板11が除去され、半導体層20を含む半導体ウエハ3が得られる。
[実施形態3]
図1および図8を参照して、本発明のさらに別の実施形態である複合基板1用の支持基板11は、金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含み、直径が3インチ以上で、主面11mの算術平均粗さRaが50nm以下である。
本実施形態の複合基板1用の支持基板11は、金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含み、直径が3インチ以上で、主面11mの算術平均粗さRaが50nm以下であることから、大口径で厚さが均一な主膜13と、安定な状態で効率よく除去することができる支持基板11と、を含む複合基板1を製造することができる。
本実施形態の複合基板1用の支持基板11は、金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含む。ここで、金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相は、実施形態1の支持基板11において説明した金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相と同様である。
また、本実施形態の複合基板1用の支持基板11は、直径が3インチ(7.62cm)以上である。複合基板1用の支持基板11は、大口径の複合基板1を形成する観点から、直径は、3インチ(7.62cm)以上であり、4インチ(10.16cm)以上が好ましく、6インチ(15.24cm)以上がより好ましい。また、複合基板1用の支持基板11は、割れおよび反りを低減するとともに主面の均一性を保持するなどの観点から、18インチ(45.72cm)以下が好ましく、12インチ(30.48cm)以下がより好ましい。
また、本実施形態の複合基板1用の支持基板11は、主面11mの算術平均粗さRaが50nm以下である。本実施形態の複合基板1用の支持基板11の主面11mの算術平均粗さRaは、複合基板1の主面1mの面積(この面積は、図1を参照して、支持基板11の主面11mの面積に等しく、主膜13の主面13mの面積に等しい。)に対する接合面積の百分率である接合面積率を高くする観点から、50nm以下であり、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。また、複合基板1用の支持基板11の主面11mの算術平均粗さRaは、主面の加工コストを抑制する観点から、0.5nm以上が好ましく、1nm以上がより好ましい。
ここで、主面の算術平均粗さRaとは、JIS B0601に規定する算術平均粗さRaであり、その主面における10μm×10μm角の大きさの測定領域内の各点から標準平面を算出し、基準平面からの各点までの距離の絶対値を平均した値をいい、AFM(原子間力顕微鏡)、光干渉式粗さ計、レーザ顕微鏡、触針式粗さ計などにより測定される。
また、本実施形態の複合基板1用の支持基板11は、実施形態1の複合基板1における支持基板11と同様に、支持基板11に含まれる金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相において、金属元素Mはアルカリ土類金属元素MIIであることが好ましい。
また、本実施形態の複合基板1用の支持基板11は、実施形態1の複合基板1における支持基板11と同様に、アルカリ土類金属元素MIIがCa、SrおよびBaからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含み、支持基板11の化学組成が、MIIO−Al23−SiO2系の3成分相図において、MIIAl2Si28の化学組成を示す第1点、MIIAl1219の化学組成を示す第2点、Al23の化学組成を示す第3点、およびAl6Si213の化学組成を示す第4点、および第1点をこの順に直線で結んで形成される領域内の点で示されることが好ましい。
また、本実施形態の複合基板1用の支持基板11は、実施形態1の複合基板1における支持基板11と同様に、少なくとも一部が酸に溶解することが好ましい。
なお、複合基板1用の支持基板11は、上記以外の特性においても、実施形態1の複合基板1における支持基板11と同様であるため、ここでは繰り返さない。
(実施例1)
1.支持基板の準備
表1に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比のアルカリ金属元素炭酸塩(MIICO3)粉末(MIIはアルカリ土類金属元素、以下同じ。)、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料として、圧力50MPaにてプレス成型後、大気雰囲気中1500℃で20時間焼結した後、1650℃、2000気圧で3時間HIP(熱間等方圧プレス)焼結することにより、26種類の焼結体SR1、S1〜S25を得た。
得られた26種類の焼結体SR1、S1〜S25を、それぞれ、スライスした後主面をJIS B0601に規定する算術平均粗さRaが1nm以下に研磨することにより、図4に示す支持基板11として直径6インチ(15.24cm)で厚さ400μmの26種類の支持基板SR1、S1〜S25を得た。得られた26種類の支持基板SR1、S1〜S25の化学組成、平均粒子径および図9に示す3成分相図上の位置を表1に示した。26種類の支持基板SR1、S1〜S25の化学組成は、X線回折により測定および同定した。表1に示すように、支持基板SR1にはMIIAl2Si28(MIIはアルカリ土類金属元素)が含まれておらず、支持基板S1〜S25にはMIIAl2Si28が含まれていた。
2.複合基板の作製
図4(A)中の(A1)を参照して、支持基板11である支持基板SR1、S1〜S25のそれぞれの主面11m上に厚さ1μmのSiO2膜をCVD(化学気相堆積)法により成膜した。次いで、かかる支持基板SR1、S1〜S25のそれぞれの主面11m上の厚さ1μmのSiO2膜を研磨することにより、厚さ0.5μmのSiO2膜だけ残存させて、主面12amが鏡面化(本願においては、JIS B0601に規定する算術平均粗さRaが1nm以下の状態にすることをいう、以下同じ。)された接合膜12aを形成した。
また、図4(A)中の(A2)を参照して、主膜ドナー基板13Dとして、HVPE法により成長させた直径6インチ(15.24cm)で厚さが5cmのGaN基板を準備した。かかる主膜ドナー基板13DのN原子面である(000−1)面側の主面13n上に、厚さ1μmのSiO2膜をCVD法により成膜した。次いで、主膜ドナー基板13DのSiO2膜が成膜された側から水素のイオンIを注入して、主膜ドナー基板13Dの主面13nから内部に0.3μmの深さの位置の面にイオン注入領域13iを形成した。次いで、上記の厚さ1μmのSiO2膜を研磨することにより、厚さ0.5μmのSiO2膜だけ残存させて、主面12bnが鏡面化された接合膜12bを形成した。
次に、図4(A)中の(A3)を参照して、支持基板11である支持基板SR1、S1〜S25のそれぞれに形成された接合膜12aの主面12amおよび主膜ドナー基板13DであるGaN基板上に形成された接合膜12bの主面12bnをアルゴンプラズマにより清浄化および活性化させた後、接合膜12aの主面12amと接合膜12bの主面12bnとを貼り合わせて、窒素雰囲気下300℃で2時間熱処理した。このようにして、支持基板11とイオン注入領域13iが形成された主膜ドナー基板13Dとが接合膜12を介在させて貼り合わされた接合基板1Lが得られた。
次に、図4(B)を参照して、接合基板1Lをさらに800℃に加熱することにより、主膜ドナー基板13Dのイオン注入領域13iの水素のイオンIをガス化させて急激な体積膨張をさせ、主膜ドナー基板13Dをイオン注入領域13iで分離した。次いで、分離面を研磨により鏡面化した。
こうして、図7(A)に示すような支持基板11である支持基板SR1、S1〜S25のそれぞれの主面11m側に主膜13である主面13mが鏡面化された厚さ0.2μmのGaN膜が配置された複合基板1である複合基板SR1、S1〜S25が得られた。
3.半導体層の形成工程
図7(B)を参照して、複合基板1である複合基板SR1、S1〜S25の主膜13であるGaN膜の主面13m(かかる主面はGa原子面である(0001)面である。)上に、それぞれMOCVD法により半導体層20としてGaN層を成長させた。かかる半導体層20の成長においては、まず、500℃で、半導体バッファ層21として厚さ0.1μmのGaNバッファ層を成長させ、次いで、1050℃で、半導体結晶層23として厚さ5μmのGaN結晶層を成長させた。こうして、26種類の半導体層付複合基板SR1、S1〜S25が得られた。
4.支持基板の除去
図7(C)を参照して、得られた半導体層付複合基板SR1、S1〜S25を室温(25℃)で50質量%のフッ化水素酸水溶液中に浸漬することにより、支持基板11をエッチングにより除去して26種類の半導体ウエハSR1、S1〜S25が得られた。半導体層付複合基板SR1、S1〜S25について、それぞれの支持基板11の除去時間を表1にまとめた。
Figure 2014143381
表1を参照して、MAl2Si28(Mは金属元素)結晶相が含まれていなかった半導体層付複合基板SR1の支持基板11の除去時間は120分と長かったのに対し、MAl2Si28結晶相が含まれていた半導体層付複合基板S1〜S25の支持基板11の除去時間は5分〜15分と極めて短くなり、より効率的に支持基板11を除去することができた。
(実施例2A)
表2および表3に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸カルシウム(CaCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてCaAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、支持基板A1〜A18、複合基板A1〜A18、半導体層付複合基板A1〜A18、および半導体ウエハA1〜A18を順次形成した。
支持基板A1〜A18の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板A1〜A18における支持基板A1〜A18の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板A1〜A18の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表2および表3にまとめた。
ここで、支持基板A1〜A18の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFは、室温(25℃)から800℃まで昇温したときの平均熱膨張係数をTMA(熱機械分析)により測定した。また、半導体層付複合基板A1〜A18の半導体層側の反り形状および反り量は、半導体層側の主面をCorning Tropel社のFM200EWaferを用いて観察される光干渉縞により測定した。半導体層付複合基板A1〜A18の半導体層のクラック本数密度は、ノマルスキー顕微鏡を用いて単位長さ当りのクラック本数を測定し、1本/mm未満を「極少」、1本/mm以上5本/mm未満を「少」、5本/mm以上10本/mm未満を「多」、10本/mm以上を「極多」と評価した。半導体層付複合基板A1〜A18の半導体層の転位密度は、L(カソードルミネッセンス)による暗点の単位面積当たりの個数を測定した。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板A1〜A18から支持基板A1〜A18をそれぞれ除去した半導体ウエハA1〜A18における反りの大小関係には、半導体層付複合基板A1〜A18における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2B)
表4および表5に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸ストロンチウム(SrCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてSrAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと以外は、実施例2Aと同様にして、支持基板B1〜B20、複合基板B1〜B20、半導体層付複合基板B1〜B20、および半導体ウエハB1〜B20を順次形成した。
支持基板B1〜B20の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板B1〜B20における支持基板B1〜B20の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板B1〜B20の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表4および表5にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板B1〜B20から支持基板B1〜B20をそれぞれ除去した半導体ウエハB1〜B20における反りの大小関係には、半導体層付複合基板B1〜B20における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2C)
表6および表7に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸バリウム(BaCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてBaAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと以外は、実施例2Aと同様にして、支持基板C1〜C20、複合基板C1〜C20、半導体層付複合基板C1〜C20、および半導体ウエハC1〜C20を順次形成した。
支持基板C1〜C20の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板C1〜C20における支持基板C1〜C20の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板C1〜C20の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表6および表7にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板C1〜C20から支持基板C1〜C20をそれぞれ除去した半導体ウエハC1〜C20における反りの大小関係には、半導体層付複合基板C1〜C20における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2D)
表8に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸カルシウム(CaCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてCaAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと、主膜としてAlN膜を形成し、半導体層としてAlN層を形成した以外は、実施例2Aと同様にして、支持基板D1〜D8、複合基板D1〜D8、半導体層付複合基板D1〜D8、および半導体ウエハD1〜D8を順次形成した。
支持基板D1〜D8の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板D1〜D8における支持基板D1〜D8の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板D1〜D8の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表8にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板D1〜D8から支持基板D1〜D8をそれぞれ除去した半導体ウエハD1〜D8における反りの大小関係には、半導体層付複合基板D1〜D8における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
(実施例2E)
表9および表10に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸ストロンチウム(SrCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてSrAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと以外は、実施例2Dと同様にして、支持基板E1〜E16、複合基板E1〜E16、半導体層付複合基板E1〜E16、および半導体ウエハE1〜E16を順次形成した。
支持基板E1〜E16の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板E1〜E16における支持基板E1〜E16の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板E1〜E16の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表9および表10にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板E1〜E16から支持基板E1〜E16をそれぞれ除去した半導体ウエハE1〜E16における反りの大小関係には、半導体層付複合基板E1〜E16における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2F)
表11および表12に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸バリウム(BaCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてBaAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと以外は、実施例2Dと同様にして、支持基板F1〜F20、複合基板F1〜F20、半導体層付複合基板F1〜F20、および半導体ウエハF1〜F20を順次形成した。
支持基板F1〜F20の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板F1〜F20における支持基板F1〜F20の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板F1〜F20の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表11および表12にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板F1〜F20から支持基板F1〜F20をそれぞれ除去した半導体ウエハF1〜F20における反りの大小関係には、半導体層付複合基板F1〜F20における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2G)
表13および表14に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸カルシウム(CaCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてCaAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと、主膜としてGaAs膜を形成し、半導体層としてGaAs層を形成した以外は、実施例2Aと同様にして、支持基板G1〜G18、複合基板G1〜G18、半導体層付複合基板G1〜G18、および半導体ウエハG1〜G18を順次形成した。
支持基板G1〜G18の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板G1〜G18における支持基板G1〜G18の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板G1〜G18の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表13および表14にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板G1〜G18から支持基板G1〜G18をそれぞれ除去した半導体ウエハG1〜G18における反りの大小関係には、半導体層付複合基板G1〜G18における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2H)
表15および表16に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸ストロンチウム(SrCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてSrAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと以外は、実施例2Gと同様にして、支持基板H1〜H20、複合基板H1〜H20、半導体層付複合基板H1〜H20、および半導体ウエハH1〜H20を順次形成した。
支持基板H1〜H20の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板H1〜H20における支持基板H1〜H20の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板H1〜H20の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表15および表16にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板H1〜H20から支持基板H1〜H20をそれぞれ除去した半導体ウエハH1〜H20における反りの大小関係には、半導体層付複合基板H1〜H20における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2I)
表17および表18に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸バリウム(BaCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてBaAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと以外は、実施例2Gと同様にして、支持基板I1〜I20、複合基板I1〜I20、半導体層付複合基板I1〜I20、および半導体ウエハI1〜I20を順次形成した。
支持基板I1〜I20の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板I1〜I20における支持基板I1〜I20の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板I1〜I20の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表17および表18にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板I1〜I20から支持基板I1〜I20をそれぞれ除去した半導体ウエハI1〜I20における反りの大小関係には、半導体層付複合基板I1〜I20における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2J)
表19および表20に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸カルシウム(CaCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてCaAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと、主膜としてInP膜を形成し、半導体層としてInP層を形成した以外は、実施例2Aと同様にして、支持基板J1〜J12、複合基板J1〜J12、半導体層付複合基板J1〜J12、および半導体ウエハJ1〜J12を順次形成した。
支持基板J1〜J12の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板J1〜J12における支持基板J1〜J12の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板J1〜J12の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表19および表20にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板J1〜J12から支持基板J1〜J12をそれぞれ除去した半導体ウエハJ1〜J12における反りの大小関係には、半導体層付複合基板J1〜J12における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2K)
表21および表22に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸ストロンチウム(SrCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてSrAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと以外は、実施例2Jと同様にして、支持基板K1〜K18、複合基板K1〜K18、半導体層付複合基板K1〜K18、および半導体ウエハK1〜K18を順次形成した。
支持基板K1〜K18の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板K1〜K18における支持基板K1〜K18の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板K1〜K18の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表21および表22にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板K1〜K18から支持基板K1〜K18をそれぞれ除去した半導体ウエハK1〜K18における反りの大小関係には、半導体層付複合基板K1〜K18における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2L)
表23および表24に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸バリウム(BaCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてBaAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと以外は、実施例2Jと同様にして、支持基板L1〜L20、複合基板L1〜L20、半導体層付複合基板L1〜L20、および半導体ウエハL1〜L20を順次形成した。
支持基板L1〜L20の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板L1〜L20における支持基板L1〜L20の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板L1〜L20の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表23および表24にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板L1〜L20から支持基板L1〜L20をそれぞれ除去した半導体ウエハL1〜L20における反りの大小関係には、半導体層付複合基板L1〜L20における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2M)
表25に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸カルシウム(CaCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてCaAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと、主膜としてSiC膜を形成し、半導体層としてSiC層を形成した以外は、実施例2Aと同様にして、支持基板M1〜M10、複合基板M1〜M10、半導体層付複合基板M1〜M10、および半導体ウエハM1〜M10を順次形成した。
支持基板M1〜M10の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板M1〜M10における支持基板M1〜M10の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板M1〜M10の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表25にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板M1〜M10から支持基板M1〜M10をそれぞれ除去した半導体ウエハM1〜M10における反りの大小関係には、半導体層付複合基板M1〜M10における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
(実施例2N)
表26および表27に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸ストロンチウム(SrCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてSrAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと以外は、実施例2Mと同様にして、支持基板N1〜N18、複合基板N1〜N18、半導体層付複合基板N1〜N18、および半導体ウエハN1〜N18を順次形成した。
支持基板N1〜N18の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板N1〜N18における支持基板N1〜N18の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板N1〜N18の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表26および表27にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板N1〜N18から支持基板N1〜N18をそれぞれ除去した半導体ウエハN1〜N18における反りの大小関係には、半導体層付複合基板N1〜N18における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2O)
表28および表29に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸バリウム(BaCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてBaAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと以外は、実施例2Mと同様にして、支持基板O1〜O20、複合基板O1〜O20、半導体層付複合基板O1〜O20、および半導体ウエハO1〜O20を順次形成した。
支持基板O1〜O20の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板O1〜O20における支持基板O1〜O20の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板O1〜O20の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表28および表29にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板O1〜O20から支持基板O1〜O20をそれぞれ除去した半導体ウエハO1〜O20における反りの大小関係には、半導体層付複合基板O1〜O20における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2P)
1.支持基板の準備
表30および表31に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸カルシウム(CaCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料として、圧力50MPaにてプレス成型後、大気雰囲気中1500℃で20時間焼結した後、1650℃、2000気圧で3時間HIP(熱間等方圧プレス)焼結することにより、18種類の焼結体P1〜P18を得た。
得られた18種類の焼結体P1〜P18を、それぞれ、スライスした後主面をJIS B0601に規定する算術平均粗さRaが1nm以下に研磨することにより、図5に示す支持基板11として直径6インチ(15.24cm)で厚さ400μmの18種類の支持基板P1〜P18を得た。得られた18種類の支持基板P1〜P18の化学組成、平均粒子径および図9に示す3成分相図上の位置を表30および表31に示した。18種類の支持基板P1〜P18の化学組成は、X線回折により測定および同定した。表30および表31に示すように、支持基板P1〜P18にはCaAl2Si28が含まれていた。
2.複合基板の作製
図5(A)中の(A1)を参照して、支持基板11である支持基板P1〜P18のそれぞれの主面11m上に厚さ1μmのSiO2膜をCVD(化学気相堆積)法により成膜した。次いで、かかる支持基板P1〜P18のそれぞれの主面11m上の厚さ1μmのSiO2膜を研磨することにより、厚さ0.5μmのSiO2膜だけ残存させて、主面12amが鏡面化された接合膜12bを形成した。
また、図5(A)中の(A2)を参照して、主膜ドナー基板13Dとして、HVPE法により成長させた直径6インチ(15.24cm)で厚さが5cmのGaN基板を準備した。かかる主膜ドナー基板13DのN原子面である(000−1)面側の主面13n上に、厚さ1μmのSiO2膜をCVD法により成膜した。次いで、上記の厚さ1μmのSiO2膜を研磨することにより、厚さ0.5μmのSiO2膜だけ残存させて、主面12bnが鏡面化された接合膜12bを形成した。
次に、図5(A)中の(A3)を参照して、支持基板11である支持基板P1〜P18のそれぞれに形成された接合膜12aの主面12amおよび主膜ドナー基板13DであるGaN基板上に形成された接合膜12bの主面12bnをアルゴンプラズマにより清浄化および活性化させた後、接合膜12aの主面12amと接合膜12bの主面12bnとを貼り合わせて、窒素雰囲気下300℃で2時間熱処理した。このようにして、支持基板11とイオン注入領域13iが形成された主膜ドナー基板13Dとが接合膜12を介在させて貼り合わされた接合基板1Lが得られた。
次に、図5(B)を参照して、ワイヤソーにより、主膜ドナー基板13Dを、その主面13nから内部に300μmの深さの位置の面で切断した。次いで、切断面を研削および研磨により鏡面化した。
こうして、図7(A)に示すような支持基板11である支持基板P1〜P18のそれぞれの主面11m側に主膜13である主面13mが鏡面化された厚さ150μmのGaN膜が配置された複合基板1である複合基板P1〜P18が得られた。
得られた複合基板P1〜P18における支持基板P1〜P18の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)を表30および表31にまとめた。ここで、支持基板P1〜P18の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFは、実施例2Aと同様にして測定した。
3.半導体層の形成工程
図7(B)を参照して、複合基板1である複合基板P1〜P18の主膜13であるGaN膜の主面13m(かかる主面はGa原子面である(0001)面である。)上に、それぞれMOCVD法により半導体層20としてGaN層を成長させた。かかる半導体層20の成長においては、まず、500℃で、半導体バッファ層21として厚さ0.1μmのGaNバッファ層を成長させ、次いで、1050℃で、半導体結晶層23として厚さ5μmのGaN結晶層を成長させた。こうして、18種類の半導体層付複合基板P1〜P18が得られた。
得られた半導体層付複合基板P1〜P18の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表30および表31にまとめた。ここで、半導体層付複合基板P1〜P18の半導体層側の反り形状および反り量は、実施例2Aと同様にして測定した。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。
4.支持基板の除去
図7(C)を参照して、得られた半導体層付複合基板P1〜P18を室温(25℃)で50質量%のフッ化水素酸水溶液中に浸漬することにより、支持基板11をエッチングにより除去して18種類の半導体ウエハP1〜P18が得られた。
半導体層付複合基板P1〜P18から支持基板P1〜P18をそれぞれ除去した半導体ウエハP1〜P18における反りの大小関係には、半導体層付複合基板P1〜P18における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2Q)
表32および表33に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸ストロンチウム(SrCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてSrAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと以外は、実施例2Pと同様にして、支持基板Q1〜Q20、複合基板Q1〜Q20、半導体層付複合基板Q1〜Q20、および半導体ウエハBQ1〜Q20を順次形成した。
支持基板Q1〜Q20の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板Q1〜Q20における支持基板Q1〜Q20の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板Q1〜Q20の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表32および表33にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板Q1〜Q20から支持基板Q1〜Q20をそれぞれ除去した半導体ウエハQ1〜Q20における反りの大小関係には、半導体層付複合基板Q1〜Q20における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
(実施例2R)
表34および表35に示す支持基板の化学組成の形成に必要な化学量論比の炭酸バリウム(BaCO3)粉末、アルミナ(Al23)粉末、およびシリカ(SiO2)粉末を出発原料としてBaAl2Si28結晶相を含む焼結体を形成したこと以外は、実施例2Pと同様にして、支持基板R1〜R20、複合基板R1〜R20、半導体層付複合基板R1〜R20、および半導体ウエハR1〜R20を順次形成した。
支持基板R1〜R20の化学組成および図9に示す3成分相図上の位置、複合基板R1〜R20における支持基板R1〜R20の主面内における熱膨張係数αSおよび主膜の主面内の熱膨張係数αFに対する熱膨張係数αSの比(αS/αF比)、半導体層付複合基板R1〜R20の半導体層側の反り形状および反り量、半導体層のクラック本数密度、および半導体層の転位密度を表34および表35にまとめた。なお、本実施例において主膜および半導体層に発生したクラックは、これらを貫通しない微小なものであった。また、半導体層付複合基板R1〜R20から支持基板R1〜R20をそれぞれ除去した半導体ウエハR1〜R20における反りの大小関係には、半導体層付複合基板R1〜R20における大小関係が維持されていた。
Figure 2014143381
Figure 2014143381
表2〜表35を参照して、実施例2A〜2Rから明らかなように、複合基板における支持基板のMAl2Si28(Mは金属元素)の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相(MAl2Si28結晶相)のモル%を調整することにより、好ましくは支持基板のMIIAl2Si28結晶相、MIIAl1219結晶相、Al23結晶相、およびAl6Si213結晶相のモル%を調整することにより、支持基板のエッチャントに対する溶解性および熱膨張係数を好適に調整できた。
(実施例3)
1.支持基板の準備
実施例1と同様の出発原料および方法により、SrAl2Si28が15モル%およびAl23が85モル%の化学組成を有する焼結体Tを形成した。焼結体Tの化学組成はX線回折により測定および同定した。
得られた焼結体Tをスライスおよび研磨することにより、直径4インチ(10.16cm)で厚さ400μmで表36に示すような主面の算術平均粗さRaを有する8種類の支持基板T1〜T8を形成した。ここで、表36に示すように、支持基板T1〜T8の主面の算術平均粗さRaは、研磨条件を変化させることにより、0.5nmから100nmまでの間で変化させた。支持基板のT1〜T8の主面の算術平均粗さRaは、AFM(原子間力顕微鏡)により測定した。
2.複合基板の作製
支持基板として上記の支持基板T1〜T8を用いたこと、および主膜ドナー基板として直径4インチ(10.16cm)で厚さ2cmのGaN基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板T1〜T8を形成した。
得られた複合基板T1〜T8について、支持基板と主膜とが接合膜を介在させて接合している面積(以下、接合面積という)を、光学顕微鏡により測定した。複合基板の主面の面積に対する接合面積の百分率(%)を複合基板の接合面積率として算出した。結果を表36にまとめた。
Figure 2014143381
表36を参照して、支持基板の主面の算術平均粗さRaを小さくすることにより、複合基板の接合面積率を高くすることができた。具体的には、支持基板の主面の算術平均粗さRaを50nm以下とすることにより複合基板の接合面積率を60%以上とすることができ、支持基板の主面の算術平均粗さRaを10nm以下とすることにより複合基板の接合面積率を85%以上とすることができ、支持基板の主面の算術平均粗さRaを1nm以下とすることにより複合基板の接合面積率を95%以上とすることができた。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
1 複合基板、1L 接合基板、2 半導体層付複合基板、3 半導体ウエハ、11 支持基板、11m,12am,12bn,13m,13n,20m,21m,23m,30n 主面、12,12a,12b 接合膜、13 主膜、13D,13Dr 主膜ドナー基板、13i イオン注入領域、20 半導体層、21 半導体バッファ層、23 半導体結晶層、30 下地基板、L1 第1直線、L2 第2直線、L3 第3直線、P1 第1点、P2 第2点、P3 第3点、P4 第4点、R 領域、R1 第1領域、R2 第2領域。

Claims (10)

  1. 金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含む支持基板と、前記支持基板の主面側に配置されている主膜と、を含む複合基板。
  2. 前記金属元素Mがアルカリ土類金属元素MIIである請求項1に記載の複合基板。
  3. 前記アルカリ土類金属元素MIIがCa、SrおよびBaからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含み、前記支持基板の化学組成が、MIIO−Al23−SiO2系の3成分相図において、MIIAl2Si28の化学組成を示す第1点、MIIAl1219の化学組成を示す第2点、Al23の化学組成を示す第3点、およびAl6Si213の化学組成を示す第4点、および前記第1点をこの順に直線で結んで形成される領域内の点で示される請求項2に記載の複合基板。
  4. 前記支持基板の少なくとも一部が酸に溶解する請求項1から請求項3のいずれかに記載の複合基板。
  5. 前記支持基板の主面内の熱膨張係数が、主膜の主面内の熱膨張係数に比べて、0.8倍以上1.2倍以下である請求項1から請求項4のいずれかに記載の複合基板。
  6. 金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含む支持基板と、前記支持基板の主面側に配置されている主膜と、を含む複合基板を準備する工程と、
    前記複合基板の前記主膜上に、少なくとも1層の半導体層を成長させることにより、半導体層付複合基板を得る工程と、
    前記半導体層付複合基板から前記支持基板を除去することにより、前記半導体層を含む半導体ウエハを得る工程と、を含む半導体ウエハの製造方法。
  7. 金属元素Mを含むMAl2Si28の化学組成を有するアノーサイトで形成される結晶相を含み、直径が3インチ以上で、主面の算術平均粗さRaが50nm以下である複合基板用の支持基板。
  8. 前記金属元素Mがアルカリ土類金属元素MIIである請求項7に記載の複合基板用の支持基板。
  9. 前記アルカリ土類金属元素MIIがCa、SrおよびBaからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含み、前記支持基板の化学組成が、MIIO−Al23−SiO2系の3成分相図において、MIIAl2Si28の化学組成を示す第1点、MIIAl1219の化学組成を示す第2点、Al23の化学組成を示す第3点、およびAl6Si213の化学組成を示す第4点、および前記第1点をこの順に直線で結んで形成される領域内の点で示される請求項8に記載の複合基板用の支持基板。
  10. 少なくとも一部が酸に溶解する請求項7から請求項9のいずれかに記載の複合基板用の支持基板。
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