JP2014143243A - 荷電粒子ビームの電流検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 荷電粒子ビームの強度を電流により測定する際の精度を高める。
【解決手段】 本発明のある実施形態の荷電粒子ビームの電流検知装置は、高温超伝導体(HTS)電流センサー筒102と磁気センサー104と高透磁率材料の磁気遮蔽部材106とを備えている。HTS電流センサー筒は、内部において軸の方向への荷電粒子ビームの通過を許容する筒状部材102Cと、その内表面、外表面、および端部表面に形成され、液体ヘリウム温度より高い超伝導臨界温度Tcを有する高温超伝導体膜102Hとを有している。磁気センサーは被測定磁束が生成される磁束検出位置に配置されている。そして磁気遮蔽部材106は、磁束検出位置に向かうHTS電流センサー筒の高温超伝導体膜の表面に接して、表面とともに磁気センサーを内封するようにHTS電流センサー筒に対して固定されている。
【選択図】図5

Description

本発明は荷電粒子ビームの電流検知装置に関する。さらに詳細には、本発明は外界の磁気ノイズの影響を極力排除することにより、ビーム強度を高い精度で決定しうる荷電粒子ビームの電流検知装置に関する。
粒子加速器などにより生成された荷電粒子ビームの強度を非破壊で測定するために荷電粒子ビームのつくる電荷の流れが測定される。微弱な電流の電流値としてビーム強度を測定するための電流検知装置が開発されている(特許文献1、非特許文献1、および非特許文献1)。そのような電流検知装置では、超伝導材料を環状または筒状の形状に形成し、その中央に荷電粒子のビームを通過させる配置によって電流検知動作が行われる。
この電流検知装置の動作では、まず、アンペールの法則に従って、荷電粒子のビームによる電荷の流れに比例する磁束が形成される。しかし、その磁束は荷電粒子のビームの周囲に位置し超伝導状態となっている超伝導材料の内部には侵入することができない。これは、超伝導状態の物質が示す完全反磁性によるマイスナー効果のためである。荷電粒子のビームのために磁束が生成してもその磁束が侵入しないため、超伝導材料の表面または内部には、侵入しようとする磁束を打ち消すのに見合う誘導電流が、電磁誘導によって流れる。この誘導電流の増分は、荷電粒子のビームの強度に正確に比例することとなる。このため、この誘導電流を高精度に測定することができれば、荷電粒子のビームの強度を測定することが可能となる。そしてその超伝導体を流れる誘導電流の測定のためにも、アンペールの法則に従って生成される磁束が測定される。なお、電流が微弱であるにもかかわらず、その電流の作る磁束の測定を直接行なわず、超伝導材料に生じる誘導電流を測定するという間接的測定が採用されている。この理由は、荷電粒子のビーム断面がcm程度の空間的広がりを持っており、たとえば電流の作る磁束を測定するセンサー素子を荷電粒子のビームに近接して配置することができないためである。
荷電粒子のビームが生じる電流は微弱であるため、上記誘導電流および磁気センサーにより測定されるべき磁界も微弱となる。そのため、上記磁気センサーには、超伝導量子干渉デバイス(SQUID、Superconducting Quantum Interference Device)素子などの微弱な磁界も測定しうる高精度な磁気センサーが採用される。
この超伝導を利用するビーム強度の測定の一つとして、冷却のために液体ヘリウムを必須とするような低い超伝導臨界温度Tcを有する超伝導材料を採用する手法が知られている(非特許文献1)。その手法では、超伝導体材料の形状や配置は、二つの役割を果たすように作製される。第1の役割は誘導電流を生成する役割である。第2の役割は、磁気センサーへの外界の磁気ノイズの影響を排除して高精度な測定を実現する磁気シールドとなる役割である。これらの二つの役割を両立させるために、超伝導体材料は一例として、部分的には板状または膜状であるものの、トロイダルコアを取り囲み、空隙も設けられたような入り組んだ構造に作製される。このような例が、クーラーリングTRANII(高エネルギー加速器研究機構)において採用されているSQUID電流モニターである(非特許文献1、Fig.7およびFig.8)。このSQUID電流モニターでは、超伝導体材料として鉛を採用し、電流検知動作の際には、液体ヘリウムを利用して鉛の超伝導臨界温度Tc以下へ冷却する。しかし、液体ヘリウムが必須となる本従来の手法では、メンテナンスのために手間と時間を要し、運転コストが高いという課題がある。
そこで、本願の発明者らは、理化学研究所におけるRIBF(radioisotope beam factory)において、液体ヘリウムを利用せずとも高い精度が得られる電流検知装置の作製に取り組んでいる(たとえば特許文献1、非特許文献1、および非特許文献2)。RIBFの電流検知装置では、冷凍機により到達可能な比較的高い温度の超伝導臨界温度Tcを有する超伝導材料(以下、「高温超伝導体(high−Tc superconductor)」という)を採用している。ただし、高温超伝導体は一般に酸化物などセラミックスに近い材質であることから、いったん高温超伝導体材料として形成された後の機械加工が難しく、上述した入り組んだ構造を実現することは困難である。そこで、本願の発明者らの作製した電流検知装置は、上述した二つの役割を別々の高温超伝導体の部材に担わせることにより高精度化を目指したものである(特許文献1;非特許文献1、4の欄;および非特許文献2)。
図1は、非特許文献1のFig.17にも示される従来の電流検知装置における電流検知装置900の内部構造を、荷電粒子ビームの通過する中心軸を含む位置において切断して示す側方断面図である。この電流検知装置900においても誘導電流を測定するためには、高温超伝導体を利用する筒状部材910Cを利用する。この筒状部材910Cは、その内表面、外表面、および端部表面に高温超伝導体の膜を形成するための基材となる部材であり、セラミックスまたは金属の基材として適する物質の筒状の部材である。たとえば、筒状部材910Cは酸化マグネシウム(MgO)により作製している。また、高温超伝導体の膜としては、たとえば106K程度の超伝導臨界温度Tcを示すビスマス系のペロフスカイト結晶の膜を採用する(特許文献1、図3、図7、および図14;非特許文献1、4.2の欄参照)。この筒状部材910Cに高温超伝導体を形成したものを、以下、HTS電流センサー筒910と呼ぶ。そして、その表面の一部、たとえば外表面のブリッジ部912に流れる誘導電流に対応してブリッジ部912の付近に生成される磁界の磁束密度を、その近傍に配置した磁気センサー920により測定する。つまり、このHTS電流センサー筒910が、誘導電流を作り測定磁束を生成するという上記第1の役割を果たす。
さらに従来、磁気シールドのために、高温超伝導体材料を利用した筒状の磁気シールド930(以下、「HTS磁気シールド筒930」という)を追加して採用している(特許文献1、図6;非特許文献1、Fig.17およびFig.19)。典型的な配置において、HTS磁気シールド筒930は、HTS電流センサー筒910に対して同軸に、かつ、HTS電流センサー筒910を内部に収容するように配置される。HTS磁気シールド筒930は磁気シールドとなるため、上記第2の役割を果たす。
さらに加えて、従来の電流検知装置900では、外界の磁気ノイズの侵入をより効果的に防止し、磁気シールドの役割を十全なものとするため、高透磁率材料(軟磁性材料)であるパーマロイからなる磁気シールド(以下、「軟磁性磁気シールド」という)をたとえば二重に配置している。二重の軟磁性磁気シールドのうちの一つが、HTS磁気シールド筒およびHTS電流センサー筒の両方を内包するように外側に配置された第1軟磁性磁気シールド940であり、もう一つは、第1軟磁性磁気シールド940より内側、HTS磁気シールド筒930よりは外側に配置された第2軟磁性磁気シールド950である。第2軟磁性磁気シールド950は、HTS磁気シールド筒930の外側において、HTS磁気シールド筒930と同軸に配置したパーマロイの円筒形状部材952と、円筒形状部材の両端部のそれぞれに配置された2枚の穴あき円盤形状(ドーナツ形状)のディスク954、956とを組み合わせたものである。ディスク954、956の平面形状は、HTS電流センサー筒910の内径に対応する開口を中央に持つドーナツ形状となっており、そのためにディスク954、956はHTS磁気シールド筒930およびHTS電流センサー筒910の間の円筒状空間を軸方向両端部において塞いでいる。
特開2004−356573号公報
渡邉 環、加瀬 昌之、片山 武司、「SQUIDと超伝導磁気シールドを用いた高感度ビーム電流モニターの開発」、低温工学 38巻、9号、509−521、(2003) Watanabe T.,Fukunishi N., Sasaki Y., Kase M., Goto A., and Kamigaito O., "Development ofBeam Current Monitor with High-Tc SQUID at RIBF"Proceedings of BIW10, Santa Fe,New Mexico, US, WEIANB02, (2010)
しかし、上述したHTS磁気シールド筒930や、第1および第2軟磁性磁気シールド940および950を採用するのみでは、必ずしも磁気シールドの作用は十分には得られない。そのため、高精度な磁気センサー920により磁束を精密に測定しても、外界からの磁気ノイズによる荷電粒子ビームの強度の測定値に対する影響を排除し切れない。
この点を量的側面からより詳細に説明する。直接測定される物理量である磁束密度の値の精密さを具体的にみると、たとえば荷電粒子ビームを1nAの精度にて正確に測定するためには、磁気センサー920にて10−15T(10−10gauss)程度の微弱な磁束密度を測定する必要がある。ここで、HTS磁気シールド筒930に代表されるシールド部材の性能指標は、それが配置されている場合の外界の磁気ノイズによる磁束密度の値を、配置されていない場合の値により除算した比率である減衰率により議論できる。この減衰率は、HTS磁気シールド筒930単体では、3×10−4程度となる(特許文献1、図6)。加速器が置かれる位置の外界の磁気ノイズを見積もる目安として、現実の地磁気による磁束密度(3×10−5T程度)を指標とすると明らかなように、現実の環境において10−15Tの精度で測定磁束の値を決定する目的では、HTS磁気シールド筒930による3×10−4程度の減衰率は十分とはいえない。このため、従来は、上述した第1および第2軟磁性磁気シールド940および950をさらに追加するとともに、その第1軟磁性磁気シールド940については、冷却用伝熱路となるコールドヘッドの延びる部分を覆う煙突形状部942(図1)を設けるといった種々の工夫を施しているのである。そしてこれらの複数の磁気シールドの組合せの結果、従来におけるすべての磁気シールドを組み合わせた場合の減衰率は10−6程度となっている(特許文献1、図12;非特許文献1、4.2の欄、Fig.18)。つまり何ら対策を施さない場合に3×10−5Tであった地磁気の磁束密度は、HTS磁気シールド筒930と、形状に工夫を施した第1および第2軟磁性磁気シールド940および950とを組み合わせて採用することにより、3×10−11T程度にまで低減される。
しかしながら、磁気センサー920にて決定すべき磁束密度の値に10−15T程度の精度を求めるなら、さらなる改善が望ましい。減衰率は、さらに10−4程度向上させるのが理想的である。
本発明は上述した課題の少なくともいくつかを解決することを課題とする。
本願の発明者らは、上述したHTS磁気シールド筒930とも、第1または第2軟磁性磁気シールド940または950とも別の磁気遮蔽手段を追加することにより、液体ヘリウムによる冷却を要さず、10−5程度の減衰率を追加しうる具体的な構成を見出し、本発明を創出するに至った。
すなわち、本発明のある態様においては、内部において軸の方向への荷電粒子ビームの通過を許容するようになっている筒状部材と、該筒状部材の内表面、外表面、および端部表面に形成されており、液体ヘリウム温度より高い超伝導臨界温度Tcを有する高温超伝導体膜とを有する高温超伝導体(HTS)電流センサー筒と、被測定磁束が生成される磁束検出位置に配置されている磁気センサーであって、該被測定磁束は、前記荷電粒子ビームの強度に応じ該高温超伝導体膜の表面または内部を流れる電流に対応したものである、磁気センサーと、前記HTS電流センサー筒の前記内表面、前記外表面、および前記端部表面のうちの前記磁束検出位置に向かう前記高温超伝導体膜の表面に接して、該表面とともに前記磁気センサーを内封するように前記HTS電流センサー筒に対して固定されている高透磁率材料の磁気遮蔽部材であって、前記被測定磁束以外の磁束が前記磁気センサーへ到達することを抑制している磁気遮蔽部材とを備える荷電粒子ビームの電流検知装置が提供される。
本態様において、筒状部材とその表面に形成される高温超伝導体膜とを有するHTS電流センサー筒は、図1に示した従来のHTS磁気シールド筒930ではなく、その内部に配置されている誘導電流が流れる従来のHTS電流センサー筒910に相当している。本態様においては、その筒状部材の高温超伝導体膜に接しながら磁気遮蔽部材が配置される。その磁気遮蔽部材は、従来のHTS磁気シールド筒930にも、第1または第2軟磁性磁気シールド940または950のいずれにも相当しない。本態様の磁気遮蔽部材は高透磁率材料により作製される。非限定的な高透磁率材料の例はパーマロイやミューメタル等である。本態様における磁気遮蔽部材は、高温超伝導体膜の表面に接して、表面とともに前記磁気センサーを内封するようにHTS電流センサー筒に対し固定されている。この固定は、HTS電流センサー筒の表面に位置する高温超伝導体膜の表面に対して磁気遮蔽部材を当接させた状態を任意の手段により維持することにより行われる。磁気センサーは、高温超伝導体膜中を流れる誘導電流による磁束(測定磁束)が生成される位置に配置されている。このため、上記磁気遮蔽部材が接している表面は、高温超伝導体膜の内表面、外表面、および端部表面のうち、磁束検出位置に向かうこととなるいずれかの表面である。
上述した構造の作用として、本態様においては、外界の磁気ノイズが効果的に抑制され、高精度な電流検知動作を実現することが可能となる。つまり、外界からの磁気ノイズは、磁束検出位置に到達するまでに、磁気遮断部材または高温超伝導体膜の少なくともいずれかにより遮られてしまう。磁気遮断部材の作用をより定性的に表現すれば、外界からの磁気ノイズを磁気遮蔽部材または高温超伝導体膜の少なくともいずれかにより遮蔽することにより、磁気センサーに到達できる磁束を、測定磁束のみとする作用ともいえる。ただし、留意すべきは、組合わされる磁気遮断部材と高温超伝導体膜とは、互いに全く異なる物理現象によって磁界を遮蔽していることである。具体的には、磁気遮断部材は高い透磁率により磁束をその内部に吸収する性質を発揮して、磁束が透過して漏れることを抑制する、という磁気シールド効果を発揮する。これに対し、高温超伝導体膜は、マイスナー効果により内部への磁束の侵入を防止し、それ自体に侵入する磁束を排除することにより磁気シールド効果を発揮する。
本発明の上記態様におけるより具体的な構成においては、前記荷電粒子ビームの電流検知装置の機能を維持するために利用される経路を除き、外界から前記磁束検出位置に磁気ノイズが侵入しうる全ての経路が、前記磁気遮蔽部材および前記高温超伝導体膜の少なくともいずれかにより塞がれている構成に作製される。電流検知装置の機能を維持するために利用される経路として最も典型的なものは、磁気センサーの信号線を外部に取出すための経路である。本態様においては、このような最小限の経路を除き、外界から磁束検出位置にまで磁気ノイズが侵入しうる経路を磁気遮断部材または高温超伝導体膜の少なくともいずれかにより塞がれていることが好ましい。このような構成により、上記態様において、外界の磁気ノイズが効果的に抑制され、高精度な電流検知動作を実現することが可能となる。
より具体的な本発明の上記態様におけるより具体的な構成において、前記HTS電流センサー筒の前記内表面、前記外表面、または前記端部表面のいずれかの表面には、前記高温超伝導体膜が配置されていない超伝導体膜非配置部が設けられており、前記磁気遮蔽部材は該超伝導体膜非配置部を覆っているもの、という構成に作製される。超伝導体膜非配置部は、高温超伝導体膜が配置されていない筒状部材の表面であり、その超伝導体膜非配置部が設けられる理由は任意である。超伝導体膜非配置部ではマイスナー効果による磁気シールドの効果を期待することができない。このような構成であっても、磁気遮蔽部材がその超伝導体膜非配置部を覆っていれば、磁気遮蔽部材と高温超伝導体膜とによる磁気シールド効果を効果的に発揮することができる。こうして本態様においては、高精度な電流検知動作を実現することが可能となる。
特に、本発明の上記態様におけるより具体的な構成において、前記超伝導体膜非配置部は、前記内表面、前記外表面、または前記端部表面において延び、前記軸の周りを少なくとも一周する周回路の部分となっており、前記内表面、前記外表面、または前記端部表面のうち、前記超伝導体膜非配置部とともに前記周回路を完成させる位置に、前記電流が集中するよう前記高温超伝導体膜が残されたブリッジ部が設けられており、前記磁気遮蔽部材は、該ブリッジ部および前記超伝導体膜非配置部を覆いながら前記周回路に沿って前記軸の周りを少なくとも一周している、という構成に作製される。超伝導体膜非配置部およびブリッジ部をこのように構成すると、誘導電流がブリッジ部の高温超伝導体膜中を集中して流れるため、誘導電流が集中することによる測定磁束の増大効果が期待され、測定精度を高める観点から好ましい。その際、磁気遮蔽部材が軸を一周してブリッジ部および超伝導体膜非配置部を覆っていれば、超伝導体膜非配置部を通じた外界の磁気ノイズの侵入が抑制できる。こうして本態様においては、高精度な電流検知動作を実現することが可能となる。
特に、本発明の上記態様におけるより具体的な構成においては、前記磁束検出位置が前記ブリッジ部の近傍であり、前記被測定磁束が該ブリッジ部に集中させられた電流が生成する磁束である、という構成に作製されると好適である。本構成を採用する上記態様においは、ブリッジ部を利用して測定磁束を増大させることと、外界からの磁気ノイズを抑制することによる信号雑音比が改善され、ひいては高精度な電流検知動作を実現することが可能となる。
特に、本発明の上記態様におけるより具体的な構成においては、前記超伝導体膜非配置部および前記ブリッジ部が前記HTS電流センサー筒の前記外表面に配置されており、前記磁気センサーおよび前記磁束検出位置が前記外側面に面しており、前記磁気遮蔽部材が前記HTS電流センサー筒の前記外表面に対し固定されて該外表面の超伝導体膜に対し前記磁気センサーを内封しており、前記HTS電流センサー筒、前記磁気センサー、および前記磁気遮蔽部材を内部に収容し、超伝導体膜を少なくとも表面に有する筒状の高温超伝導体(HTS)磁気シールド筒をさらに備えている、という構成に作製されると好適である。本構成が採用された場合、磁束検出位置がHTS電流センサー筒とHTS磁気シールド筒との空隙に位置している。そして磁気センサーもその空隙に配置されるため、磁気遮蔽部材をその空隙に配置する。このような構成では、HTS磁気シールド筒による磁気シールドと本態様における磁気遮蔽部材とによる磁気シールドとの両者の効果により、外界からの磁気ノイズの磁束検出位置への到達が効果的に抑制される。
特に、本発明の上記態様におけるより具体的な構成においては、前記磁気センサーがSQUID素子であると好適である。SQUID素子では高感度での磁束密度の測定を行うことができる。このため、磁気遮蔽部材により外界の磁気ノイズが効果的に抑制されると、SQUID素子による高精度な磁束密度の測定による高精度な電流検知動作を行うことが可能となる。
特に、本発明のSQUID素子を利用する場合におけるより具体的な構成においては、前記磁気遮蔽部材が金属材料であり、前記SQUID素子が前記磁気遮蔽部材を通じて冷却されると好適である。磁気遮蔽材料が金属であれば、磁気遮蔽材料を通じてSQUID素子を冷却することが可能となり、実用性の高い構成が得られる。
特に、本発明の上記態様におけるより具体的な構成においては、電流検知動作の際に、冷凍機により前記SQUID素子が液体ヘリウム温度より高い温度に冷却されると好適である。また、本発明のいずれかの態様におけるより具体的な構成においては、電流検知動作の際に、冷凍機により前記高温超伝導体膜が液体ヘリウム温度より高い温度の前記超伝導臨界温度Tc以下に冷却されると好適である。本態様の電流検知装置においては、SQUID素子や高温超伝導体膜が液体ヘリウム温度より高い温度であっても磁束の高精度な測定や磁気シールドといった作用を発揮する。このため、液体ヘリウム温度を利用しなくても冷凍機によって電流検知装置に目的通りの高精度な電流検知動作を行わせることが可能となる。
本発明のいずれかの態様の電流検知装置においては、荷電粒子ビームの強度を高精度に決定することができる。また、本発明のいずれかの態様の電流検知装置においては、液体ヘリウムを利用することなく、荷電粒子のビームの強度を高い精度で決定することが可能となる。
従来の電流検知装置の内部構造の側方断面図である。 本発明の実施形態における電流検知装置を含むビーム強度測定装置の外観を示す正面図である。 本発明の実施形態における電流検知装置を含むビーム強度測定装置の内部構造を示す正面断面図である。 本発明の実施形態における電流検知装置を含むビーム強度測定装置の内部構造を示す側方断面図である。 本発明の実施形態の好適な構成における電流検知装置の筒状部材と磁気遮蔽部材との組立体の構造を示す一部分解斜視図である。 本発明の実施形態の好適な構成における電流検知装置の筒状部材の構造を示す一部断面図である。 本発明の実施例における電流検知装置の筒状部材と磁気遮蔽部材との組立体の例示の構造を示す斜視図である。 本発明の実施例における電流検知装置の磁気遮蔽部材の例示の構造を示す斜視図である。 本発明の実施例における電流検知装置の筒状部材の例示の構造を示す斜視図である。 本発明の実施例における電流検知装置の磁気遮蔽部材の一部分の例示の構造を示す斜視図である。 本発明の実施例における電流検知装置の筒状部材と磁気遮蔽部材との組立体の一部の構造を拡大して示す一部透視斜視図である。
以下、本発明に係る電流検知装置に関する実施形態を、電流検知装置が組み込まれるビーム強度測定装置の実施形態とともに図面を参照して説明する。当該説明に際し特に言及がない限り、共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。
[実施形態:電流検知装置を含む強度測定装置の構成]
図2は、本実施形態における電流検知装置を含むビーム強度測定装置の外観を示す正面図である。図3は、本実施形態における電流検知装置を含むビーム強度測定装置の内部構造を示す正面断面図である。そして図4は、本実施形態における電流検知装置を含むビーム強度測定装置の内部構造を示す側方断面図である。ビーム強度測定装置1000には、クライオスタット200中に電流検知装置100が設置され、その電流検知装置100に冷熱を供給するためにパルス管冷凍機などの冷凍機300が接続されている。
図2〜図4に示すように、クライオスタット200は適当な架台202と防振ゴム204により支持されている。クライオスタット200の壁206には、電流検知装置100を通るビームパスを形成するためのビーム入力ポート210およびビーム出力ポート220が設けられている。稼働状態のビーム強度測定装置1000では、接地面に対して平行に伝播する荷電粒子ビームが、適当な真空経路を通ってビーム入力ポート210に導入され、クライオスタット200の内部の電流検知装置100の内部を通り抜けてビーム出力ポート220から出力される。クライオスタット200の天板208には、開口部208Aからクライオスタット200内部にコールドヘッドの一部324が延びている。コールドヘッドの一部324には、冷凍機300からの冷熱を伝えるコールドヘッドの他の一部322が接続されている。冷凍機300からのガスはバルブモータ320を作動させることにより、ガス配管314および318を通じガス圧縮機312により送られる。コールドヘッドの一部324に接続されている冷却板326は、コールドヘッドの一部324を介してコールドヘッドの他の一部322による熱伝導によって冷却され、さらに機械的にフレキシブルな編組導体328を通じて、支持板140およびそれに接続する高温超伝導体(HTS)電流センサー筒102(以下、「HTS電流センサー筒102」と記す)、HTS磁気シールド筒112も冷却される。
図3および図4に示すように、クライオスタット200の内部には、電流検知装置100が配置されている。電流検知装置100はHTS電流センサー筒102と磁気センサー104と磁気遮蔽部材106とを備えている。電流センサー筒102は、ドーナツ形状に形成された一対の支持板140により挟んで支持される。なお、支持板140は、HTS電流センサー筒102に加え、HTS磁気シールド筒112、第2軟磁性磁気シールド132、磁性ディスク134および磁性ディスク136も支持している。また、磁気センサー104は、それを収容する磁気遮蔽部材106に接続された編組導体328の分岐した一部(図示しない)を通じて冷却されている。
HTS電流センサー筒102は、筒状部材102Cと、その筒状部材102Cを基材として形成される高温超伝導体膜102Hとを有している。筒状部材102Cは、内部において軸の方向に荷電粒子ビームIBの通過を許容するようになっている。高温超伝導体膜102Hは、液体ヘリウム温度より高い温度の超伝導臨界温度Tcを有する高温超伝導体の膜であり、筒状部材102Cの内表面、外表面、および端部表面に形成されている。
さらに図5も参照して説明する。図5は、本実施形態の好適な構成における電流検知装置の筒状部材と磁気遮蔽部材との組立体の構造を示す一部分解斜視図であり、磁気センサー104および磁気遮蔽部材106を、HTS電流センサー筒102から離した位置に描いている。磁気センサー104は、被測定磁束MBが生成される磁束検出位置Pに配置されている。その被測定磁束MBは、荷電粒子ビームIBの強度に応じ高温超伝導体膜102Hの表面または内部を流れる電流(誘導電流)により生成される。磁気遮蔽部材106は高透磁率材料により作製された部材であり、その少なくとも一部が、筒状部材102Cの内表面、外表面、および端部表面のうちの磁束検出位置Pに向かっている高温超伝導体膜102Hの表面に接している。図2〜図5に示すHTS電流センサー筒102ではその表面の磁気遮蔽部材106が接することとなる位置をHTS電流センサー筒102の外表面に仮想線(一点鎖線)により描いている。この磁気遮蔽部材106は、高温超伝導体膜102Hの表面とともに磁気センサー104を内封するようにHTS電流センサー筒102に対して固定されている。こうして、磁気遮蔽部材106は、高温超伝導体膜102Hとともに、被測定磁束MB以外の磁束が、磁気センサー104へ到達することを抑制している。
[筒状部材の構成]
図6は、本実施形態の好適な構成における電流検知装置の筒状部材の構造を示す一部断面図である。特に図6(a)および図6(b)は、それぞれ、ブリッジ部102Bを通る位置において、および超伝導体膜非配置部102Sを通る位置において、HTS電流センサー筒102を切断した場合の断面図である。
本実施形態における好適な構成において、HTS電流センサー筒102には、その内表面、外表面、または端部表面のいずれかの表面に、高温超伝導体膜が配置されない超伝導体膜非配置部102Sが設けられている。さらに一層好適な構成において、超伝導体膜非配置部102Sは、内表面、外表面、または端部表面において延びた形状にされていて、軸の周りを少なくとも一周する周回路の部分となっている。このHTS電流センサー筒102の内表面、外表面、または端部表面のうち、超伝導体膜非配置部102Sとともに周回路を完成させる位置には、ブリッジ部102Bが設けられている。つまり、ブリッジ部102Bおよび超伝導体膜非配置部102Sの作る周回路を挟むように位置する高温超伝導体膜の一部102HAと高温超伝導体膜の一部102HBとにおいて、誘導電流は高温超伝導体膜102Hの表面または内部を面的に分散して流れている。しかし、図5および図6に示すように、ブリッジ部102Bにおいては高温超伝導体膜が残されているものの、超伝導体膜非配置部102Sには超伝導体膜は配置されていない。このため、誘導電流はその周回路のうちからブリッジ部102Bの部分のみに集中することとなる。
すなわち、これらの好適な構成においては、磁束検出位置Pがブリッジ部102Bの近傍であり、被測定磁束MBがブリッジ部102Bに集中させられた電流が生成する磁束である。ブリッジ部102Bに集中した誘導電流では電流密度が増大するため被測定磁束MBの磁束密度も増大し、荷電粒子ビームの強度が微弱であっても、測定感度を高めることが可能となる。
[動作原理の概要]
次に誘導電流の生成原理について説明する。荷電粒子ビームIBの強度は、電荷の時間的な流れすなわち電流を生じさせる。この電流は荷電粒子ビームIBの周りに磁界を生成する。図5に示したようにHTS電流センサー筒102の内表面、外表面、および端部表面に高温超伝導体膜102Hが形成されていると、荷電粒子ビームIBがHTS電流センサー筒102の内部を通り抜ける際に、その周囲の磁界は、マイスナー効果により、HTS電流センサー筒102に形成された高温超伝導体膜102Hの内部に侵入することはできない。マイスナー効果は、高温超伝導体膜102Hに形成される反磁界に見合うように当該膜の表面または膜内の誘導電流が増大してもたらされる。図5および図6に示したように、電流検知装置100の具体的構成としてHTS電流センサー筒102の外表面に超伝導体膜非配置部102Sが形成されている場合、HTS電流センサー筒102の外表面における誘導電流はブリッジ部102Bに集中する。このため、集中した電流に従って増大した磁束がブリッジ部102Bの近傍に形成される。この磁束を磁気センサー104によって測定できれば、最終的に荷電粒子ビームIBの強度を測定することが可能となるのである。
[磁気センサーの構成]
次に磁気センサー104の構成について説明する。本実施形態の具体的な電流検知装置100の好適な構成において磁気センサー104の好適な一例がSQUID素子である。とりわけ、グラジオメータ(勾配計)とも呼ばれる磁束密度の勾配を測定するために適したSQUID素子を採用すると、外界の磁束密度の影響を受けにくいために高精度な測定が可能となる。さらに、その磁気センサー104はFLL(Flux Lock Loop)とも呼ばれるフィードバック測定構成を採用することにより、感度の高い検出信号を得ることができる。このような測定を行うために、磁気センサー104はフィードバック回路(図示しない)に対して制御信号を伝達可能な信号線により接続されている。
磁気センサー104の制御信号は、フィードバック電流値としてフィードバック回路から読み出すことができる。このため、そのフィードバック回路からの信号は、クライオジェニックケーブルおよび真空気密フランジ(いずれも図示しない)を通して大気側と接続されて外部のコントローラーに接続される。
なお、磁気センサー104の近傍位置の冷却板326には電気ヒーター(図示しない)が配置されている。これは、磁気センサー104による高精度な磁気測定に必要となる数mK程度の精密な温度制御を行なうためである。その電気ヒーターは、直接的には、冷却板326に取り付けられた温度センサー(図示しない)の示す温度を制御するために動作して、磁気センサー104の温度を安定化している。具体的な電流検知装置100の構成において、磁気センサー104はHTS電流センサー筒102の外壁面に面して、紙面上の上方に配置されている。磁気遮蔽部材106の具体的構成については後述する。
[磁気シールドの構成]
再び図3および図4を参照して、本実施形態の電流検知装置100の具体的な構成について説明する。本実施形態の構成において、高温超伝導体磁気シールド筒112(以下「HTS磁気シールド筒112」という)を採用することが好適である。当該好適な構成において、超伝導体膜非配置部102Sおよびブリッジ部102BはHTS電流センサー筒102の外表面に配置されており、磁気センサー104および磁束検出位置は外表面に面している。そして当該構成において、磁気遮蔽部材106がHTS電流センサー筒102の外表面に対し固定されて外表面の超伝導体膜102Hに対し磁気センサーを内封している場合に採用される。HTS磁気シールド筒112の配置は、HTS電流センサー筒102、磁気センサー104、および磁気遮蔽部材106を内部に収容する配置である。さらにHTS磁気シールド筒112は、超伝導体膜を少なくとも表面に有している。このHTS磁気シールド筒112は、同軸上に配置されたHTS電流センサー筒102とともに、それらの表面に形成された超伝導体膜の示すマイスナー効果により、外界からの磁気ノイズが内部に侵入することを抑制する。
なお、電流検知装置100の具体的構成において、HTS磁気シールド筒112は一対の支持板140により挟んで支持されており、HTS電流センサー筒102、磁気センサー104と一体化されている。このため、HTS磁気シールド筒112も冷凍機300により冷却される。
典型的な電流検知装置100の構成においては、磁気遮蔽部材106の材質は金属材料である。特に、磁気センサー104がSQUID素子であるなら、磁気センサー104は、磁気遮蔽部材106を通じて冷却されると好適である。上述したようにSQUID素子は、精密な温度制御をすることが好ましい。磁気遮蔽部材106が金属により作製されていれば、熱伝導の問題は生じにくい。そのような場合には、実際の電流検知動作の際に、冷凍機300によりSQUID素子が液体ヘリウム温度より高い温度に冷却される。ここで、支持板140は編組導体328を通じて冷却板326に接続されている。上述したように、編組導体328の分岐した一部(図示しない)が、磁気遮蔽部材106に分岐して接続されていれば、磁気センサー104の冷却をより効率的に行うことができる。
さらに、電流検知装置100の具体的構成においては、たとえば軟磁性材料により作製された追加の磁気シールドを採用することも好適である。その一つが、第2軟磁性磁気シールド132であり、他の一つが第1軟磁性磁気シールド122である。これらは、それぞれ、図1に示した従来の第2軟磁性磁気シールド950および第1軟磁性磁気シールド940に対応している。加えて、電流検知装置100の具体的構成においては、図示しない各種の機械的構成を採用することができる。たとえば、一対の支持板140を互いに締結するためのより具体的な手段として、たとえばボルトやロッドなどが採用される。さらに電流検知装置100を壁206、天板208に対して固定するためにも、図示しない機械的固定手段が採用される。これらの目的は、機械的固定であるためたとえば外部からの振動を抑制しうる機械部品を採用したり、冷却を効果的なものとするためにたとえば断熱性の機械部品などを採用したりすることが好適である。
[磁気遮蔽部材106の構成]
次に磁気遮蔽部材106の構成について説明する。上述したように、磁気遮蔽部材106は、HTS電流センサー筒102の内表面、外表面、および端部表面のうちの磁束検出位置に向かう高温超伝導体膜102Hの表面に接しており、さらに、表面とともに磁気センサー104を内封するようにHTS電流センサー筒102に対し固定されている。磁気遮蔽部材106は、被測定磁束MB以外の磁束が磁気センサーへ到達することを抑制している。すなわち、磁気遮蔽部材106は、HTS磁気シールド筒112、第2軟磁性磁気シールド132、第1軟磁性磁気シールド122のいずれによっても防ぎ切れない磁界ノイズをさらに低減するように作用する。
[動作の詳細]
電流検知動作の際に、高温超伝導体膜102Hは冷凍機300により冷却される。この冷却は、高温超伝導体膜102Hを超伝導状態に転移させる目的にて行なわれる。そして、高温超伝導体膜102Hが超伝導状態に転移させれば、HTS電流センサー筒102に形成されている高温超伝導体膜102Hにはマイスナー効果による磁気シールドの作用を期待することができる。つまり、高温超伝導体膜102Hの材質を適切に選択することにより、高温超伝導体膜102Hの超伝導臨界温度Tcを液体ヘリウム温度よりも高い温度とすることができる。そうすれば、電流検知動作の際に、液体ヘリウムを利用せず冷凍機300による冷却だけで、高温超伝導体膜102Hを超伝導状態に転移することができるため、本実施形態の電流検知装置100の動作に支障は生じない。冷凍機300による冷却を採用すれば液体ヘリウムを必要とせずに動作させることができる。
上述したように、支持板140は編組導体328を通じて冷却されているため、HTS電流センサー筒102の全体を高温超伝導体膜102Hの超伝導臨界温度Tc以下に冷却することが容易である。なお、支持板140は、機械的強度が高く、かつ、熱伝導のよい材料、たとえば、銅などにより構成することが好ましい。さらに、上述した冷却をより効率的に行うために、編組導体328および支持板140に対し直接または間接的に熱的に接触する部材の間には、低温においても良好な熱伝導を確保しうる物質、たとえばオイルコンパウンドやアピエゾングリス(図示しない)を配置することが好ましい。こうして電流検知装置100におけるHTS電流センサー筒102、磁気センサー104、HTS磁気シールド筒112(存在する場合)はガス圧縮機312による温度制御の下で動作する。また、磁気センサー104も同様に、ガス圧縮機312およびヒータによる温度制御の下で動作する。
すなわち、本実施形態においてビーム強度測定装置1000の動作のためには液体ヘリウムを必要としない。この簡略化された冷却機構のために、ビーム強度測定装置1000のランニングコストを大きく低減することができる。
[実施例:磁気遮蔽部材による磁気シールドのシミュレーション]
上述した実施形態における磁気遮蔽部材106による磁気シールドの作用を端的に示す目的の下、本願の発明者らはその実施例として、具体的な電流検知装置100の構造を想定して電磁界シミュレーションを実施した。そのシミュレーションの条件および結果について以下具体的に説明する。なお、本実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順、要素または部材の向きや具体的配置等は本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することかできる。したがって、本発明の範囲は以下の具体例に限定されるものではない。また、すでに説明した図面を引き続き参照し、説明済みの要素については同様の符号により説明する。
本電磁界シミュレーションのために、磁気遮蔽部材106が高温超伝導体膜102Hの表面に接していることおよび磁気センサー104を内封している具体的構成として図7〜図10に示す電流検知装置100の構造を採用した。図7〜図10は、本発明の電流検知装置100の実施例において、それぞれ、筒状部材102Cと磁気遮蔽部材106とを組立てた組立体の例示の構造(図7)、磁気遮蔽部材106の例示の構造(図8)、筒状部材102Cの例示の構造(図9)、そしてその一部分の例示の構造(図10)を示す斜視図である。これらは、本実施形態の電流検知装置100のシミュレーションのための具体的構造を示すとともに、本実施形態の電流検知装置100の好適な構造をも示している。また、図11は、当該組立体のより具体的な機械的構成まで含む一部の構造を拡大して示す一部透視の斜視図である。
図7に示すように、本実施例においてフレーム部材1062、キャップ部1064、ゆよびバンド部1066からなる磁気遮蔽部材106は、高温超伝導体膜102Hと組み合わせて、磁束検出位置に被測定磁束MB以外の磁束が侵入しうるすべての経路を塞いでいる。つまり、外界から磁気ノイズが侵入しうる経路は、磁気遮蔽部材106および高温超伝導体膜102Hの少なくともいずれかにより塞がれている。なお、この際、電流検知装置100の機能を維持するためにやむを得ず利用される経路が存在する。たとえば、信号の伝達等のための部材(例えば電気ワイヤー、光ファイバー)を通すための隙間であり,例えば図11の信号線溝として明示される。磁気ノイズが侵入しうるすべての経路とは、そのような動作上必要となる最低限の経路を除くすべての経路を意味している。なお、磁気ノイズが侵入しうる経路を例示すれば、ひとつには電流検知装置100において、磁気センサー104にまで連通している空隙である。別のそのような経路の例は、空隙とはなっていないものの高透磁率材料も高温超伝導体も配置されておらず、磁束が通過し磁気センサー104に到達することを何ら妨げないような物質を通る経路である。こういった磁気ノイズが侵入しうる経路は、本実施形態の好適な構成および本実施例においては、動作上必要となる最低限の経路を除き、磁気遮蔽部材106および高温超伝導体膜102Hの少なくともいずれかまたはその両方により塞がれている。
より具体的には、磁気遮蔽部材106は、超伝導体膜非配置部102Sを、特にバンド部1066によって覆うように構成される。さらに、磁気遮蔽部材106は、ブリッジ部102Bおよび超伝導体膜非配置部102Sを覆いながら、HTS電流センサー筒102の軸の周りを少なくとも一周する周回路に沿って、当該軸の周りを少なくとも一周するように構成される。これらの構造を採用した理由は、高温超伝導体膜102Hが配置されていない超伝導体膜非配置部102Sが磁束の侵入経路となることに本願の発明者らが気づいたためである。
図8には、磁気遮蔽部材106のみを描いている。磁気遮蔽部材106は主として3つの部材より構成される。これら3つの部材とは、磁気センサー104を内部に収容し、その周囲を取り囲むフレーム部材1062、そのフレームと組み合わせて磁気センサー104を内部に閉じ込めるキャップ部1064、そして超伝導体膜非配置部102Sを覆うバンド部1066である。これらの部材のすべては、たとえばパーマロイなどの高透磁率材料により作製される。また図9に本実施例のシミュレーションのためにモデリングしたHTS電流センサー筒102の具体的な形状を示している。HTS電流センサー筒102は、概して円筒形状に作製されているが、外表面の一部に、軸方向に沿って延びる平面部102Pを有している。そしてブリッジ部102Bはその平面部102Pに配置される。超伝導体膜非配置部102Sは、そのブリッジ部102Bから延び、ブリッジ部102BともにHTS電流センサー筒102の軸の周りに一周する周回路をなしている。平面部102Pを設ける理由は、HTS電流センサー筒102表面に形成された高温超伝導体膜102Hとフレーム部材1062の機械的な接触を向上させることにより、外界からの磁気ノイズの侵入径路を極力なくすためである。
またブリッジ部102Bにおいては、高温超伝導体膜の一部102HAと高温超伝導体膜の一部102HBとをつなぐS字状の高温超伝導体膜のパターンが残され、その周囲における高温超伝導体膜は超伝導体膜非配置部102Sと同様に剥離されている。このS字状のパターンを形成した理由は、グラジオメータなどの磁気センサー104(図9において図示しない)による測定を容易にするためである。つまり、S字状の経路に沿って誘導電流が流れることにより、誘導電流の作る磁束は、S字の特に中央部を取り巻く位置において強められる。この強められた磁束密度を、勾配に対して高い感度を示すグラジオメータのピックアップコイルに通過させれば、磁束密度の勾配として誘導電流の検出感度を高めることができる。
図10はフレーム部材1062の構造を示す斜視図である。フレーム部材1062には、磁気センサー104を内部に収容するための収容開口1062Cが設けられている。このフレーム部材1062は機械加工によりパーマロイのブロックから削り出されている。またフレーム部材1062にはそれ自体をHTS電流センサー筒102に対して固定するための結束バンド(図示しない)と係合する凹み部1062Rが、長手方向両端付近の2カ所に設けられている。フレーム部材1062は、この長手方向が、HTS電流センサー筒102の軸方向に平行に向けられて平面部102Pに当接した配置によって、結束バンドによりHTS電流センサー筒102に対し固定される。
なお、図11には、より具体的な機械加工の構成まで例示した磁気遮蔽部材106の構造を一部拡大して透視して示している。バンド部1066およびキャップ部1064はフレーム部材1062に対し、図11には示していないビスなどのファスナーにより固定されている。図11に示すようにフレーム部材1062からは内部に収容する磁気センサー104により磁束密度を測定する動作に必要となる信号線を引き出すための信号線溝が形成されている。またフレーム部材1062には、編組導体328(図3および図4)の分岐部との熱的接触を確保するために利用されるビス穴なども形成される。
本願の発明者らは、図8に示した磁気遮蔽部材106の有無によりブリッジ部102Bの近傍に配置される磁気センサー104の磁束検出位置における磁束密度がどのように変化するかを電磁界シミュレーターTOSCA(英国、COBHAM社製)により計算した。具体的には、HTS電流センサー筒102のサイズを、軸方向長さ200mm、内径86mm、外径99mmとし、筒状部材102Cの材質をMgOとし、高温超伝導体膜102Hの比透磁率を1.0×10−12とし、高温超伝導体膜102Hの厚みを500μmとし、そして、磁気遮蔽部材106を構成する全ての要素を、パーマロイの透磁率(比透磁率=1.0×10)を採用した。なお、高温超伝導体膜102Hの比透磁率は、シミュレーターの仕様上の制限により正の小さな有限値としたが、超伝導状態の磁気特性を十分に良好に再現できることを別途確認している。さらに磁気遮蔽部材106は、フレーム部材1062の長手方向が90mm、厚みが18mm、収容開口1062Cの内径は約36mmとした。磁界ノイズの印加条件は、地磁気に相当する目安の値として1.0×10−5Tの磁束密度に相当する磁界が一様に存在するとした。
これらの条件でシミュレーションを実施したところ、磁気遮蔽部材106を配置しない場合に磁束検出位置Pにおいて1.0×10−5Tであった磁束密度が、上記条件の磁気遮蔽部材106を配置することにより10−10Tの桁にまで低減できることを確認した。すなわち、本実施形態の磁気遮蔽部材106によって少なくとも10−4程度の減衰率が達成されることをシミュレーションにより数値的に確認した。
[本実施形態の変形例]
上述した具体的構成に加え、本発明の実施形態には各種の変形を施すことができる。まず、上述した実施の形態においては、HTS電流センサー筒102や、磁気センサー104がSQUID素子である場合の超伝導体の種類については、超伝導臨界温度Tcを除き、特に限定するものではない。HTS電流センサー筒102のための超伝導体としては液体ヘリウム温度より高温に超伝導臨界温度Tcを有する高温超伝導体であれば、任意の材質を採用することができる。HTS磁気シールド筒112のための超伝導体についても同様である。
また、上述した実施の形態においては、HTS電流センサー筒102、HTS磁気シールド筒112の形状を円筒または実質的に円筒としたが、その形状はこれらには限定されない。HTS電流センサー筒102は、その表面に形成された高温超伝導体膜に、荷電粒子ビームの強度に応じた誘導電流を流しうる筒状であればよい。たとえば本実施形態のHTS電流センサー筒102は、内部に軸方向の荷電粒子ビームの通過を許容するようになっている限り、内部において軸方向の荷電粒子ビームの通過を許容するようになっている任意の断面形状の筒状部材を採用することができる。
そして、本実施形態は、ブリッジ部102Bが必ずしも1つのみ設けられているものに限定されない。たとえばHTS電流センサー筒102の軸を周る周回路に、複数のブリッジ部102Bと超伝導体膜非配置部102Sとが含まれているものであってもよい。また、二つ以上の周回路のそれぞれにブリッジ部が設けられていてもよい。さらに、ブリッジ部102Bが配置される位置は、HTS電流センサー筒102の外側面には必ずしも限定されない。したがって、本実施形態においては、磁気センサー104、磁気遮蔽部材106の位置もHTS電流センサー筒102の外側面には限定されない。
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。上述の各実施形態および構成例は、発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきものである。また、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明の電流検知装置は荷電粒子ビームを生成する任意の機器に利用可能である。
1000 ビーム強度測定装置
100 電流検知装置
102 HTS電流センサー筒
102B ブリッジ部
102C 筒状部材
102H 高温超伝導体膜
102HA、102HB 高温超伝導体膜の一部
102P 平面部
102S 膜非配置部
104 磁気センサー
106 磁気遮蔽部材
1062 フレーム部材
1062C 収容開口
1062R 凹み部
1064 キャップ部
1066 バンド部
112 シールド筒
122 磁気シールド
132 磁気シールド
134、136 磁性ディスク
140 支持板
200 クライオスタット
202 架台
204 防振ゴム
206 壁
208 天板
208A 開口部
210 入力ポート
220 出力ポート
300 冷凍機
312 ガス圧縮機
314、318 ガス配管
320 バルブモータ
322、324 コールドヘッド
326 冷却板
328 編組導体

Claims (10)

  1. 内部において軸の方向への荷電粒子ビームの通過を許容するようになっている筒状部材と、該筒状部材の内表面、外表面、および端部表面に形成されており、液体ヘリウム温度より高い超伝導臨界温度Tcを有する高温超伝導体膜とを有する高温超伝導体(HTS)電流センサー筒と、
    被測定磁束が生成される磁束検出位置に配置されている磁気センサーであって、該被測定磁束は、前記荷電粒子ビームの強度に応じ該高温超伝導体膜の表面または内部を流れる電流に対応したものである、磁気センサーと、
    前記HTS電流センサー筒の前記内表面、前記外表面、および前記端部表面のうちの前記磁束検出位置に向かう前記高温超伝導体膜の表面に接して、該表面とともに前記磁気センサーを内封するように前記HTS電流センサー筒に対して固定されている高透磁率材料の磁気遮蔽部材であって、前記被測定磁束以外の磁束が前記磁気センサーへ到達することを抑制している磁気遮蔽部材と
    を備える荷電粒子ビームの電流検知装置。
  2. 前記荷電粒子ビームの電流検知装置の機能を維持するために利用される経路を除き、外界から前記磁束検出位置に磁気ノイズが侵入しうる全ての経路が、前記磁気遮蔽部材および前記高温超伝導体膜の少なくともいずれかにより塞がれている、請求項1に記載の荷電粒子ビームの電流検知装置。
  3. 前記HTS電流センサー筒の前記内表面、前記外表面、または前記端部表面のいずれかの表面には、前記高温超伝導体膜が配置されていない超伝導体膜非配置部が設けられており、
    前記磁気遮蔽部材は該超伝導体膜非配置部を覆っているものである、請求項2に記載の荷電粒子ビームの電流検知装置。
  4. 前記超伝導体膜非配置部は、前記内表面、前記外表面、または前記端部表面において延び、前記軸の周りを少なくとも一周する周回路の部分となっており、
    前記内表面、前記外表面、または前記端部表面のうち、前記超伝導体膜非配置部とともに前記周回路を完成させる位置に、前記電流が集中するよう前記高温超伝導体膜が残されたブリッジ部が設けられており、
    前記磁気遮蔽部材は、該ブリッジ部および前記超伝導体膜非配置部を覆いながら前記周回路に沿って前記軸の周りを少なくとも一周している、請求項3に記載の荷電粒子ビームの電流検知装置。
  5. 前記磁束検出位置が前記ブリッジ部の近傍であり、
    前記被測定磁束が該ブリッジ部に集中させられた電流が生成する磁束である、請求項4に記載の荷電粒子ビームの電流検知装置。
  6. 前記超伝導体膜非配置部および前記ブリッジ部が前記HTS電流センサー筒の前記外表面に配置されており、
    前記磁気センサーおよび前記磁束検出位置が前記外側面に面しており、
    前記磁気遮蔽部材が前記HTS電流センサー筒の前記外表面に対し固定されて該外表面の超伝導体膜に対し前記磁気センサーを内封しており、
    前記HTS電流センサー筒、前記磁気センサー、および前記磁気遮蔽部材を内部に収容し、超伝導体膜を少なくとも表面に有する筒状の高温超伝導体(HTS)磁気シールド筒をさらに備えている、請求項1に記載の荷電粒子ビームの電流検知装置。
  7. 前記磁気センサーがSQUID素子である、請求項1に記載の荷電粒子ビームの電流検知装置。
  8. 前記磁気遮蔽部材が金属材料であり、
    前記SQUID素子が前記磁気遮蔽部材を通じて冷却される、請求項7に記載の荷電粒子ビームの電流検知装置。
  9. 電流検知動作の際に、冷凍機により前記SQUID素子が液体ヘリウム温度より高い温度に冷却される、請求項7に記載の荷電粒子ビームの電流検知装置。
  10. 電流検知動作の際に、冷凍機により前記高温超伝導体膜が液体ヘリウム温度より高い温度の前記超伝導臨界温度Tc以下に冷却される、請求項1に記載の荷電粒子ビームの電流検知装置。
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