JP2014143029A - 電池用電極及びこれを用いた電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電容量の経時的な低下が小さく、電池のサイクル特性を向上させられる電池用電極、及びこれを用いた電池を提供する。
【解決手段】電池用電極は、一般式(1)で表される化合物を含む。

(式中、MはBまたはP、mは1〜2、nは2または4、qは0または1をそれぞれ表し、R1は独立して、C1〜C10のアルキレン基、C1〜C10のハロゲン化アルキレン基、C6〜C20のアリーレン基、またはC6〜C20のハロゲン化アリーレン基を示し、これらアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基及び/又はヘテロ原子を有していてもよく、m個存在するR1はそれぞれが結合してもよく、R2は独立してハロゲンをそれぞれ表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、電池用電極及びこれを用いた電池に関する。
携帯電話、パーソナルコンピューター用の電源、さらには自動車用電源等として、リチウムイオン二次電池などの電池が用いられている。また、斯かる用途に使用される電池では、安全性の確保、サイクル特性の改善等の各種特性の向上を目的とした研究が重ねられている。
例えば、特許文献1には、電解液を構成する電解質や溶媒の分解、および、これに起因する集電体の腐食や電極活物質の溶解を抑制し、電池の液漏れや膨れ及びサイクル特性の低下を防ぐため、環状及び鎖状炭酸エステルと、下記式(2)〜(4)で表されるリンアニオン又はホウ素アニオンのリチウム塩を電解液に添加する技術が開示されている。
また、特許文献2には、非水電解質二次電池の過充電による電池温度上昇に起因して正負活物質と電池内の有機電解液とが反応し、熱暴走するのを防止するため、電池の正極や電極体の最外周等に酸化還元剤或いはラジカル捕捉剤からなる反応抑制剤を含有させる技術が開示されている。さらに、特許文献3では、高濃度電解液の使用により電池の高出力特性、サイクル特性を改善する際の問題点である電解液粘度の上昇や極板への液浸透性低下による製造工程における不具合、品質のバラツキを抑制するため、電解液に添加するリチウム塩の一部を予め正極に担持させる技術が開示されている。
特開2005−285491号公報 特開2003−282063号公報 特開2011−192561号公報
上述のように、電池特性の向上については様々な検討が重ねられている。しかしながら、電解液に添加剤を添加する方法では、添加剤が電池の使用開始後の比較的早い段階で電極との反応により消費されてしまい、添加剤に由来する効果を長期に亘って得ることは難しい。また、電池の使用期間内において十分な効果を発現させるため添加剤を増量すると、電解液粘度や電解液コストが上昇するのみならず、添加剤と電解液に含まれる他の構成成分との副反応を引き起こす虞もある。したがって、上記特許文献1〜3に開示の技術に代わる技術、あるいは、これらの技術と組み合わせることで、電池特性の一層の向上を図ることのできる新たな技術が求められている。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、放電容量などの特性の経時的な低下が小さく、サイクル特性を向上させられる電池用電極、及びこれを用いた電池を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の電池用電極とは、下記一般式(1)で表される化合物(以下、リチウム塩化合物(1)と称する場合がある)を含むところに要旨を有するものである。
(式中、MはBまたはP、mは1〜2、nは2または4、qは0または1をそれぞれ表し、R1は独立して、C1〜C10のアルキレン基、C1〜C10のハロゲン化アルキレン基、C6〜C20のアリーレン基、またはC6〜C20のハロゲン化アリーレン基を表し、これらアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基及び/又はヘテロ原子を有していてもよく、m個存在するR1はそれぞれが結合してもよく、R2は独立してハロゲンをそれぞれ表す。)
本発明には、上記一般式(1)で表される化合物を含有する電極を備えた電池も含まれる。また、本発明の電池はリチウムイオン二次電池であるのが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物を含む本発明の電池用電極によれば、初期の放電容量が高く、また、放電容量の経時的な低下が小さく、良好なサイクル特性を示す電池の提供が期待できる。
図1は、実験例におけるサイクル試験の結果(サイクル数と放電容量との関係)を示すグラフである。
本発明の電池用電極とは、下記一般式(1)で表される化合物を含むところに特徴を有する。
(式中、MはBまたはP、mは1〜2、nは2または4、qは0または1をそれぞれ表し、R1は独立して、C1〜C10のアルキレン基、C1〜C10のハロゲン化アルキレン基、C6〜C20のアリーレン基、またはC6〜C20のハロゲン化アリーレン基を表し、これらアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基及び/又はヘテロ原子を有していてもよく、m個存在するR1はそれぞれが結合してもよく、R2は独立してハロゲンをそれぞれ表す。)
本発明者らは、電池用電極が上記一般式(1)で表される化合物を含む場合に、電池の初期放電容量が高まり、経時的な放電容量の低下が小さく、サイクル特性に優れることを見出し、本発明を完成した。
電池用電極がリチウム塩化合物(1)を含む場合に、上述のような特性の向上効果が得られる明確な理由は判明していないが、本発明者らは次のように考えている。
本発明の電池用電極に含まれる上記リチウム塩化合物(1)は、電池駆動時に適度に分解すると予測される。そして、このとき生じる分解生成物やリチウム塩化合物(1)によって電極表面に被膜が形成されることで、電極の安定性が高まると共に、溶媒や支持塩(電解質)等の分解が抑制され、支持塩の性能を損なうことなく安定した容量維持作用(サイクル特性の向上)が発揮されるものと考えられる。
また、リチウム塩化合物(1)が電極に含まれていることで、電解液中で電極周辺におけるリチウム塩化合物(1)濃度が高まり、活物質とリチウム塩化合物(1)とを優先的に反応させることができる。さらに、リチウム塩化合物(1)は電極から徐放されるため、リチウム塩化合物(1)が早期に消費されてしまうことがない。したがって、電池使用の初期段階から継続的に電極表面に被膜が形成されるため、長期に亘ってリチウム塩化合物(1)に由来する効果が得られるものと考えられる。加えて、リチウム塩化合物(1)を電解液に添加する場合に比べて、リチウム塩化合物(1)の使用量を抑えることができる結果、電解液に含まれる他の成分との副反応や、電解液コストの上昇を抑制する効果も期待できる。
まず、本発明の電池用電極に含まれるリチウム塩化合物(1)について説明する。
1.リチウム塩化合物(1)
本発明に係るリチウム塩化合物(1)は、上記一般式(1)で表される構造を有する。一般式(1)中、MはBまたはPを示し、好ましくはBである。mは1〜2、nは2または4、qは0または1をそれぞれ表し、好ましくは、mは1、nは2、qは0である。なお、qが0の場合は直接結合を表わす。
一般式(1)中、R1は、置換基及び/又はヘテロ原子を有していてもよいC1〜C10のアルキレン基、C1〜C10のハロゲン化アルキレン基、C6〜C20のアリーレン基、または、C6〜C20のハロゲン化アリーレン基を表す。またm個存在するR1はそれぞれが結合していてもよい。置換基としては、アミノ基、イミノ基、アミド基、エーテル結合を有する基、チオエーテル結合を有する基、エステル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、カルバモイル基、シアノ基、ジスルフィド基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホニル基等が挙げられ、へテロ原子としては、B、N、O、Si、S及びAl等が挙げられる。上記置換基及びヘテロ原子は、アルキレン基、アリーレン基を構成する炭素の代わりにR1中に導入されていてもよく、また、R1であるアルキレン基や、アリーレン基に結合した水素原子の代わりに導入されていてもよい。
1〜C10のアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状、環状、または、これらを併せ持った構造であってもよい。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、iso−プロピレン基、n−ブチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
1〜C10のハロゲン化アルキレン基は、上記アルキレン基に置換する一部又は全ての水素原子がハロゲンで置換されたものであればよく、ハロゲン原子の数は特に限定されない。ハロゲンとしては、F、Cl、Br又はIが挙げられる。好ましくはFである。具体的なハロゲン化アルキレン基としては、フルオロメチレン基、ジフルオロメチレン基、クロロメチレン基、ブロモメチレン基、ヨードメチレン基、フルオロエチレン基、ジフルオロエチレン基、トリフルオロエチレン基、テトラフルオロエチレン基、パーフルオロエチレン基、フルオロクロロエチレン基、クロロエチレン基、フルオロプロピレン基、パーフルオロプロピレン基、フルオロクロロプロピレン基、パーフルオロブチレン基、パーフルオロオクチレン基、ペンタフルオロシクロヘキシレン基、パーフルオロシクロヘキシレン基等が挙げられる。
6〜C20のアリーレン基は、主鎖に含まれる炭素原子の一部がヘテロ原子であってもよい。具体的なアリーレン基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、ベンジレン基、ピリジレン基等のアリーレン基が挙げられる。C6〜C20のハロゲン化アリーレン基としては、上記アリーレン基に置換する一部又は全ての水素原子がハロゲンで置換されたものが挙げられる。具体的には、テトラフルオロフェニレン基、パークロロフェニレン基等が例示できる。
2はハロゲンを表し、好ましくは、F、Cl、Br又はIであり、より好ましくはFである。複数のR2は同一であっても、異なっていてもよい。
具体的なリチウム塩化合物(1)としては、下記一般式(1−1)〜(1−4)で表される化合物が挙げられる。
リチウム塩化合物(1)は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。リチウム塩化合物(1)としては、一般式(1−1)で表される化合物がより好ましい。
上記リチウム塩化合物(1)は市販のものを使用してもよく、また、従来公知の技術により合成したものを使用してもよい。上記リチウム塩化合物(1)を合成する方法としては、例えば、Chem.Eur.J.2009,15,2270−2272やElectrochem.Solid−State Lett.2007,10,11,A241に記載の手法が挙げられる。
2.電池用電極
本発明の電池用電極は、上記一般式(1)で表されるリチウム塩化合物を含む。電極がリチウム塩化合物(1)を含む場合には、電解液中で電極近傍におけるリチウム塩化合物(1)の濃度を向上させ易く、電極表面に被膜を速やかに形成できるので好ましい。また、リチウム塩化合物(1)が電極から徐放されるので、継続的に被膜が形成され、放電容量やサイクル特性の経時的な低下が一層小さくなる。上記リチウム塩化合物(1)を含む電極は負極であるのが好ましい。
本発明の電極は、活物質、導電助剤、結着剤からなる電極合剤100質量%に対してリチウム塩化合物(1)を0.01質量%〜10質量%含有することが好ましく、より好ましくは0.05質量%〜5質量%であり、より一層好ましくは0.1質量%〜0.3質量%である。リチウム塩化合物(1)の含有量が少なすぎると電解質や溶媒の分解抑制効果が得られ難くなる虞があり、一方、多量に使用しても使用量に比例する効果は得られ難く、また、電極構成材料におけるリチウム塩化合物(1)の比率が大きくなり、電極を製造し難くなる虞がある。
リチウム塩化合物(1)を電極に担持(保持)させる方法は特に限定されない。例えば、電極構成材料の一部としてリチウム塩化合物(1)を使用し、従来公知の方法で電極を製造すれば、リチウム塩化合物(1)を担持した電極が得られる。具体的には、リチウム塩化合物(1)を、後述する電極活物質や、導電助剤、結着剤(バインダー)等の電極材料と混合して電極材料組成物を調製し、これを集電体に塗工し、乾燥する方法;リチウム塩化合物(1)を含む電極材料組成物を混練成形し乾燥して得たシートを集電体に導電性接着剤を介して接合し、プレス、乾燥する方法;電極材料組成物を集電体に塗工し乾燥して得たシート状の電極に、リチウム塩化合物(1)を含む溶液を塗布又は噴霧し、乾燥する方法;液状潤滑剤を添加した液状又はスラリー状の電極材料組成物(リチウム塩化合物(1)を含む)を集電体上に塗布又は流延して、所望の形状に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで、一軸又は多軸方向に延伸する方法;等が挙げられる。リチウム塩化合物(1)が吸湿性を有する場合は、電極の製造は、露点−20℃以下の雰囲気下で行うのが好ましい。
3.電池
本発明の電池は、上記一般式(1)で表されるリチウム塩化合物を含む電極を備えたものであれば、特に限定されるものではないが、具体的な電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、リチウム一次電池、多価カチオン二次電池等が挙げられる。また、こられの電池の構成についても特に限定されるものではなく、本発明には、電解液、電極、セパレータなど、従来公知の電池の構成を採用することができる。なお、リチウム塩化合物(1)が吸湿性を有する場合には、いずれの電池も、露点−20℃以下の雰囲気下で製造するのが好ましい。
まず、上記電池に共通の構成である電解液について説明する。
3−1.電解液
電池に用いられる電解液は、通常、電解質と媒体とを含む。まず、電解質について説明する。
3−1−1.電解質
本発明に係る電解液には従来公知の電解質を使用することができる。電解質としては、電解液中での解離定数が大きく、後述する非水系溶媒と溶媒和し難いアニオンを有するものが好ましい。具体的な電解質としては、LiCF3SO3、NaCF3SO3、KCF3SO3等のトリフロロメタンスルホン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiC(CF3SO23、LiN(CF3CF2SO22、LiN(FSO22等のパーフルオロアルカンスルホン酸イミド又はフルオロスルホニルイミドのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiPF6、NaPF6、KPF6等のヘキサフルオロリン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiClO4、NaClO4等の過塩素酸アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiBF4、NaBF4等のテトラフルオロ硼酸塩;リチウムテトラシアノボレート、リチウムトリシアノメトキシボレート、ナトリウムトリシアノメトキシボレート、マグネシウムビス(トリシアノメトキシボレート)、リチウムトリシアノイソプロポキシボレート、リチウムトリシアノブトキシボレート、リチウムトリシアノフェノキシボレート、リチウムトリシアノ(ペンタフルオロフェノキシ)ボレート、リチウムトリシアノ(トリメチルシロキシ)ボレート、リチウムトリシアノ(ヘキサフルオロイソプロポキシ)ボレート、リチウムトリシアノメチルチオボレート、リチウムジシアノジメトキシボレート、リチウムシアノトリメトキシボレート、リチウムジシアノジメトキシボレート、リチウムシアノトリメトキシボレート等のシアノホウ酸のアルカリ金属塩;LiAsF6、LiI、LiSbF6、LiAlO4、LiAlCl4、LiCl、NaI、NaAsF6、KI等のアルカリ金属塩;過塩素酸テトラエチルアンモニウム等の過塩素酸の第4級アンモニウム塩;(C254NBF4、(C253(CH3)NBF4等のテトラフルオロ硼酸の第4級アンモニウム塩;テトラメチルアンモニウムテトラシアノボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート、トリエチルメチルアンモニウムテトラシアノボレート、テトラエチルアンモニウムテトラシアノボレート、テトラエチルアンモニウムトリシアノメトキシボレート、トリエチルメチルアンモニウムトリシアノメトキシボレート、トリエチルメチルアンモニウムトリシアノイソプロポキシボレート、トリエチルメチルアンモニウムトリシアノブトキシボレート、トリエチルメチルアンモニウムトリシアノフェノキシボレート、トリエチルメチルアンモニウムトリシアノ(ペンタフルオロフェノキシ)ボレート、トリエチルメチルアンモニウムトリシアノ(トリメチルシロキシ)ボレート、トリエチルメチルアンモニウムトリシアノメチルチオボレート、トリエチルメチルアンモニウムトリシアノ(ヘキサフルオロイソプロポキシ)ボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリシアノメトキシボレート、トリエチルアンモニウムトリシアノメトキシボレート、トリブチルアンモニウムトリシアノメトキシボレート、トリエチルメチルアンモニウムジシアノジメトキシボレート、トリエチルメチルアンモニウムシアノトリメトキシボレート等のシアノホウ酸のアンモニウム塩;(C254NPF6等の第4級アンモニウム塩;(CH34P・BF4、(C254P・BF4等の第4級ホスホニウム塩;等が挙げられる。これらの電解質は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記電解質の中でも、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が好適である。また、非水系溶媒中での溶解性、イオン伝導度の観点からは、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、パーフロロアルカンスルホン酸イミドのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、鎖状第4級アンモニウム塩が好ましく、耐還元性の観点からは、鎖状第4級アンモニウム塩が好ましい。なお、アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が好適であり、アルカリ土類金属塩としては、カルシウム塩、マグネシウム塩が好適である。より好ましいのはリチウム塩である。
電解質の濃度は、電解液中、0.1mol/L以上、飽和濃度以下であるのが好ましい。より好ましくは0.2mol/L〜2.5mol/Lであり、より一層好ましくは0.3mol/L〜2mol/Lであり、さらに好ましくは0.6mol/L〜1.8mol/Lであり、さらに一層好ましくは0.8mol/L〜1.4mol/Lである。電解質量が少なすぎると所望の伝導度が得られ難い場合があり、一方、電解質量が多すぎると、イオンの移動が阻害される虞がある。
3−1−2.媒体
媒体としては、電解質を溶解できるものであれば特に限定されず、非水系溶媒、ポリマー、ポリマーゲル等、電池に用いられる従来公知の媒体はいずれも使用できる。
非水系溶媒としては、誘電率が大きく、電解質の溶解性が高く、沸点が60℃以上であり、且つ、電気化学的安定範囲が広い溶媒が好適である。より好ましくは、含有水分量が低い有機溶媒(非水系溶媒)である。このような有機溶媒としては、エチレングリコールジメチルエーテル(1,2−ジメトキシエタン)、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,6−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、クラウンエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエ−テル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類;炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル(エチルメチルカーボネート)、炭酸ジエチル(ジエチルカーボネート)、炭酸ジフェニル、炭酸メチルフェニル等の鎖状炭酸エステル類;炭酸エチレン(エチレンカーボネート)、炭酸プロピレン(プロピレンカーボネート)、2,3−ジメチル炭酸エチレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、2−ビニル炭酸エチレン等の環状炭酸エステル類;蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸、プロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル等の脂肪族カルボン酸エステル類;安息香酸メチル、安息香酸エチル等の芳香族カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類;リン酸トリメチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、バレロニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類;N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、N−ビニルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等の硫黄化合物類:エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類;ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド類;ベンゾニトリル、トルニトリル等の芳香族ニトリル類;ニトロメタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン等を挙げることができる。
これらの中でも、鎖状炭酸エステル類、環状炭酸エステル類、脂肪族カルボン酸エステル類、ラクトン類、エーテル類が好ましく、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等がより好ましい。上記非水系溶媒は1種を単独で用いてもよく、又、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
媒体として用いられるポリマーとしては、エポキシ化合物(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アリルグリシジルエーテル等)の単独重合体又は共重合体であるポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのメタクリル系ポリマー、ポリアクリロニトリル(PAN)等のニトリル系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンなどのフッ素系ポリマー、および、これらの共重合体等が挙げられる。また、これらのポリマーと他の有機溶媒とを混合したポリマーゲルも本発明に係る媒体として用いることができる。他の有機溶媒としては上述の非水系溶媒が挙げられる。
上記ポリマーゲルを媒体とする場合は、従来公知の方法で成膜したポリマーに、上述の非水系溶媒に電解質を溶解させた溶液を滴下して、電解質並びに非水系溶媒を含浸、担持させる方法;ポリマーの融点以上の温度でポリマーと電解質とを溶融、混合した後、成膜し、ここに非水系溶媒を含浸させる方法(以上、ゲル電解質);予め電解質を有機溶媒に溶解させた電解液とポリマーとを混合した後、これをキャスト法やコーティング法により成膜し、有機溶媒を揮発させる方法;ポリマーの融点以上の温度でポリマーと電解質とを溶融し、混合して成形する方法(真性ポリマー電解質);等が挙げられる。
3−1−3.添加剤
本発明に係る電解液は、電池の各種特性の向上を目的とする添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、メチルビニレンカーボネート(MVC)、エチルビニレンカーボネート(EVC)等の不飽和結合を有する環状カーボネート;フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート及びエリスリタンカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブサルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン、テトラメチルチウラムモノスルフィド等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシンイミド等の含窒素化合物;モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩等のリン酸塩;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素化合物;ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の不飽和炭化水素化合物;等が挙げられる。
上記添加剤は、本発明の電解液中の濃度が0.1質量%〜10質量%の範囲で用いるのが好ましい(より好ましくは0.2質量%〜8質量%、さらに好ましくは0.3質量%〜5質量%)。添加剤の使用量が少なすぎるときには、添加剤に由来する効果が得られ難い場合があり、一方、多量に他の添加剤を使用しても、添加量に見合う効果は得られ難く、また、電解液の粘度が高くなり伝導率が低下する虞がある。
4.リチウムイオン二次電池
上記例示の電池の内、リチウムイオン二次電池についてさらに詳細に説明する。リチウムイオン電池とは、正極と負極と、電解液とを有するものであり、より詳細には、上記正極と負極との間にセパレータが設けられており、且つ、電解液は、上記セパレータに含浸された状態で、正極、負極等と共に外装ケースに収容されている。
本発明のリチウムイオン二次電池は、リチウム塩化合物(1)を含む電極を有する。この電極はリチウムイオン二次電池の負極であるのが好ましい。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されず、円筒型、角型、ラミネート型、コイン型、大型等、リチウムイオン二次電池の形状として従来公知の形状はいずれも使用することができる。また、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に搭載するための高電圧電源(数10V〜数100V)として使用する場合には、個々の電池を直列に接続して構成される電池モジュールとすることもできる。
4−1.正極
正極は、正極活物質、導電助剤、結着剤及び分散用溶媒等を含む正極活物質組成物が正極集電体に担持されているものであり、通常、シート状に成形されている。
正極の製造方法としては、例えば、正極集電体に、正極活物質組成物をドクターブレード法等で塗工したり、浸漬した後に、乾燥する方法;正極活物質組成物を混練成形し乾燥して得たシートを正極集電体に導電性接着剤を介して接合し、プレス、乾燥する方法;液状潤滑剤を添加した正極活物質組成物を正極集電体上に塗布又は流延して、所望の形状に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで、一軸又は多軸方向に延伸する方法;等が挙げられる。正極活物質組成物の製造方法としては、各成分を組成物中に均一に分散できるものであれば特に限定されないが、正極活物質、導電助剤、結着剤及び分散溶媒用等を混練する工程を含むことが好ましい。混練工程においては、ビーズ、ボールミル、撹拌型混合機、2軸遊星方式の混合混練装置(例えば、TKハイビスミックス(登録商標、プライミクス社製)等が挙げられる。)等を用いて混練することができる。
4−1−1.正極集電体
正極集電体の材料としては特に限定されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼(SUS)、チタン等の導電性金属が使用できる。中でも、アルミニウムは、薄膜に加工し易く、安価であるため好ましい。
4−1−2.正極活物質
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能であれば良く、リチウムイオン二次電池で使用される従来公知の正極活物質が用いられる。
具体的には、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、LiMn24系で一部をNiに置換したLiNi0.5Mn1.54、LiNi1-x-yCoxMny2やLiNi1-x-yCoxAly2(0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)で表される三元系酸化物等の遷移金属酸化物、LiAPO4(A=Fe、Mn、Ni、Co)等のオリビン構造を有する化合物、遷移金属を複数取り入れた固溶材料(電気化学的に不活性な層状のLi2MnO3と、電気化学的に活性な層状のLiM’’O[M’’=Co、Ni等の遷移金属]との固溶体)等が正極活物質として例示できる。これらの正極活物質は、1種を単独で使用してもよく、又は、複数を組み合わせて使用してもよい。
4−1−3.導電助剤
導電助剤はリチウムイオン電池を高出力化するために用いられるものであり、導電助剤としては、主に導電性カーボンが用いられる。導電性カーボンとしては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、フラーレン、金属粉末材料、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、気相法炭素繊維等が挙げられる。
導電助剤を用いる場合の、正極活物質組成物中の導電助剤の含有量としては、正極合剤100質量%に対して、0.1質量%〜10質量%の範囲で用いるのが好ましい(より好ましくは0.5質量%〜10質量%、さらに好ましくは1質量%〜10質量%)。導電助剤が少なすぎると、導電性が極端に悪くなり、負荷特性及び放電容量が劣化する虞がある。一方、多すぎると電極(正極)合剤層のかさ密度が高くなり、結着剤の含有量をさらに増やす必要性がでてくるため好ましくない。
4−1−4.結着剤
結着剤としては、ポリビニリデンフロライド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、メチルメタクリレートブタジエンゴム、クロロプレンゴム等の合成ゴム;ポリアミドイミド等のポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアクリルアミド、ポリメチルメタクリレート等のポリ(メタ)アクリル系樹脂;ポリアクリル酸;メチルセルロース、エチルセルロース、トリエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノエチルセルロース等のセルロース系樹脂;エチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール等のビニルアルコール系樹脂;等が挙げられる。これらの結着剤は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの結着剤は、使用の際に溶媒に溶けた状態であっても、溶媒に分散した状態であっても構わない。
上記結着剤を用いる場合の、電極(正極)合剤中の結着剤の含有量としては、正極合剤100質量%に対して、0.1質量%〜10質量%が好ましい(より好ましくは0.5質量%〜10質量%、さらに好ましくは1質量%〜10質量%)。結着剤が少なすぎると良好な密着性が得られず、正極活物質や導電助剤が集電体から脱離してしまう虞がある。一方、多すぎると内部抵抗の増加を招き電池特性に悪影響を及ぼしてしまう虞がある。
導電助剤及び結着剤の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視等)、イオン伝導性等を考慮して適宜調整することができる。
正極を製造するに際して、正極活物質組成物に用いられる溶媒としては、アルコール類、グリコール類、セロソルプ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、燐酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、燐酸エステル類、エーテル類、ニトリル類、及び水等が挙げられ、例えば、N−メチルピロリドン、ヘキサメチル燐酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトン、エタノール、酢酸エチル等が挙げられる。これらの溶媒は組み合わせて使用してもよい。溶媒の使用量は特に限定されず、製造方法や、使用する材料に応じて適宜決定すればよい。
4−2.負極
負極は、負極活物質、分散用溶媒、結着剤及び必要に応じて導電助剤等を含む負極活物質組成物が負極集電体に担持されてなるものであり、通常、シート状に成形されている。本発明に係る負極は、リチウム塩化合物(1)を含有するものであるのが好ましい。なお、負極にリチウム塩化合物(1)を担持させる方法は特に限定されず、負極活物質組成物を構成する材料としてリチウム塩化合物(1)を使用すればよい。負極活物質組成物の製造方法も正極活物質組成物の製造方法と同様に、負極活物質、導電助剤、結着剤及び分散溶媒等を混練する工程を含むことが好ましい。混練工程においては、正極活物質組成物を混練する際と同様の装置を用いることができる。
4−2−1.負極集電体
負極集電体の材料としては、銅、鉄、ニッケル、銀、ステンレス鋼(SUS)等の導電性金属を用いることができる。なお、薄膜への加工が容易である観点からは、銅が好ましい。
4−2−2.負極活物質
負極活物質としては、リチウムイオン二次電池で使用される従来公知の負極活物質を用いることができ、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであればよい。具体的には、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛材料、石炭・石油ピッチから作られるメソフェーズ焼成体、難黒鉛化性炭素等の炭素材料、Si、Si合金、SiO等のSi系負極材料、Sn合金等のSn系負極材料、リチウム金属、リチウム−アルミニウム合金等のリチウム合金を用いることができる。
負極の製造方法は特に限定されず、例えば、電池用電極の説明で例示した電極の製造方法により製造することができる。この際、負極活物質組成物を構成する材料としてリチウム塩化合物(1)を使用すれば、リチウム塩化合物(1)を含む負極が得られる。なお、負極の製造時に使用する導電助剤、結着剤、材料分散用の溶媒は、正極に用いられるものと同様のものが用いられる。
4−3.セパレータ
セパレータは正極と負極とを隔てるように配置されるものである。セパレータには特に制限がなく、本発明では、従来公知のセパレータはいずれも使用できる。具体的なセパレータとしては、例えば、非水電解液を吸収・保持するポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレータやセルロース系セパレータ等)、不織布セパレータ、多孔質金属体等が挙げられる。中でも、ポリオレフィン系微多孔質セパレータは、有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を有するため好適である。
上記多孔性シートの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの3層構造を有する積層体等が挙げられる。
上記不織布セパレータの材質としては、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、アラミド、ガラス等が挙げられ、要求される機械強度等に応じて、上記例示の材質を単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
4−4.電池外装材
正極、負極、セパレータ及び電解液等を備えた電池素子は、リチウムイオン二次電池使用時の外部からの衝撃、環境劣化等から電池素子を保護するため電池外装材に収容される。本発明では、電池外装材の素材は特に限定されず従来公知の外装材はいずれも使用することができる。なお、リチウム塩化合物(1)が吸湿性を有する場合、リチウムイオン二次電池の製造は、露点−20℃以下の雰囲気下で行うのが好ましい。
以下、実験例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実験例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実験例 電池特性評価
1.負極シートの作製
人造黒鉛(負極活物質)96質量部と、ポリフッ化ビニリデン(結着剤、PVdF、KYNAR(登録商標)761、アルケマ社製)4質量部とを、N−メチルピロリドン(NMP)中で均一に混合して、ペースト状の負極合剤スラリーA(固形分比(質量比)、負極活物質:PVdF=96:4)を作製した。
次に、負極合剤スラリーAに対して、下記式(1−1)に示すリチウムオキサラトジフルオロボレート(LiBF2(C24))を固形分比(質量比)で、負極活物質:PVdF:LiBF2(C24)=95.6:4:0.4となるよう均一に混練して、ペースト状の負極合剤スラリーBを作製した。負極合剤スラリーA及びBの配合組成(固形分比)を表1に示す。
得られたペースト状の負極合剤スラリーA及びBを、それぞれ銅箔(負極集電体:厚さ20μm)の片面に塗布し、熱風乾燥機(エスペック株式会社製)を用いて100℃で10分間乾燥させ、負極シート(放電容量:2.3mAh/cm2)を得た。
2.非水電解液の調製
電解質であるヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6、キシダ化学株式会社製、LBGグレード)を、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(EC:EMC=3:7(体積比)、いずれもキシダ化学株式会社製、LBGグレード)に溶解させて、濃度1.0mol/Lの非水電解液を調製した。
3.コイン型リチウム電池の作製
市販の正極シート(正極集電体:アルミニウム箔、正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/32、放電容量:2.0mAh/cm2)、上記で得られた負極シート、及び、ポリエチレン製セパレータを、それぞれ円形(正極φ12mm、負極φ14mm)に打ち抜いた。宝泉株式会社より購入したCR2032コイン型電池用部品(正極ケース(アルミクラッドSUS304L製)、負極キャップ(SUS316L製)、スペーサー(1mm厚、SUS316L製)、ウェーブワッシャー(SUS316L製)、ガスケット(ポリプロピレン製))を用いてコイン型リチウム電池を作製した。具体的には、ガスケットを装着した負極キャップ、ウェーブワッシャー、スペーサー、負極シート(負極の銅箔側がスペーサーと対向するように設置)、セパレータをこの順で重ねた後、上記非水電解液70μLをセパレータに含浸させた。次いで、正極合剤塗布面が負極活物質層側と対向するように正極シートを設置し、その上に正極ケースを重ね、カシメ機でかしめることによりコイン型リチウム電池を作製した。
4.サイクル特性試験
得られたコイン型リチウム電池について、温度25℃の環境下、充放電試験装置(株式会社計測器センター製)を使用して、充放電速度1.0C(定電流モード)、2.75V〜4.20Vの条件にて、各充放電時には10分の充放電休止時間を設けてサイクル試験を行った。結果を図1に示す。
図1より、負極が、LiBF2(C24)(負極合剤スラリーB)を含有する本発明のコイン型リチウム電池は、上記化合物を含まない負極を用いた例(負極合剤スラリーA)と比較して初期容量が高く、加えて経時の容量劣化が抑えられており、良好なサイクル特性を示すものであった。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする電池用電極。

    (式中、MはBまたはP、mは1〜2、nは2または4、qは0または1をそれぞれ表し、R1は独立して、C1〜C10のアルキレン基、C1〜C10のハロゲン化アルキレン基、C6〜C20のアリーレン基、またはC6〜C20のハロゲン化アリーレン基を示し、これらアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基及び/又はヘテロ原子を有していてもよく、m個存在するR1はそれぞれが結合してもよく、R2は独立してハロゲンをそれぞれ表す。)
  2. 下記一般式(1)で表される化合物を含む電極を有することを特徴とする電池。

    (式中、MはBまたはP、mは1〜2、nは2または4、qは0または1をそれぞれ表し、R1は独立して、C1〜C10のアルキレン基、C1〜C10のハロゲン化アルキレン基、C6〜C20のアリーレン基、またはC6〜C20のハロゲン化アリーレン基を示し、これらアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基及び/又はヘテロ原子を有していてもよく、m個存在するR1はそれぞれが結合してもよく、R2は独立してハロゲンをそれぞれ表す。)
  3. リチウムイオン二次電池である請求項2に記載の電池。
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