JP2014142381A - 画像形成装置、副滴供給装置、画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェットノズル等の微細孔から高粘度の定着液を射出して像担持体上のトナー像に供給しても、過大な直径の粒子の衝突が回避されて、トナー像が乱れないで済む画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着液射出部101は、水溶性高分子と水とを含む定着液を微細孔からパルス状に射出させ、定着液の主滴を生成するのに伴って主滴よりも小さい定着液の副滴を生成する。主滴回収部102は、定着液射出部101から射出された定着液から主滴を分離して、副滴を中間転写ベルト10上のトナー像に供給する。定着液射出部101と主滴回収部102との対向間隔は、中間転写ベルト10上のトナー像に供給する副滴の直径に応じて設定されている。
【選択図】図4
【解決手段】定着液射出部101は、水溶性高分子と水とを含む定着液を微細孔からパルス状に射出させ、定着液の主滴を生成するのに伴って主滴よりも小さい定着液の副滴を生成する。主滴回収部102は、定着液射出部101から射出された定着液から主滴を分離して、副滴を中間転写ベルト10上のトナー像に供給する。定着液射出部101と主滴回収部102との対向間隔は、中間転写ベルト10上のトナー像に供給する副滴の直径に応じて設定されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、水溶性高分子と水とを含む定着液を用いてトナー像の画像を定着させる画像形成装置、詳しくは像担持体上のトナー像に定着液の液体粒子を供給する際の粒子径の制御に関する。
トナー像を転写した記録材を定着装置で加熱加圧して記録材に画像を定着させる画像形成装置が広く用いられている。このような画像形成装置では、消費電力の大部分が定着装置における加熱に消費されている。このため、水溶性高分子と水とを含む定着液を用いて、加熱を要することなくトナー像を記録材に定着させる、いわゆる湿式定着法の画像形成装置が提案されている。湿式定着法の画像形成装置は、トナー像のトナー粒子を押し潰すことなく、トナー粒子の隙間及びトナー粒子と記録材の隙間に、水溶性高分子を浸透させた後に水分を蒸発させることによりトナー像を記録材に定着させる(特許文献1、2、3)。
特許文献1の画像形成装置は、紫外線硬化性樹脂の水溶液を定着液とし、インクジェット印刷用のインクジェットノズルを用いて記録材上のトナー像に定着液の粒子を供給している。その後、定着液が浸透した記録材上のトナー像に紫外線を照射して画像を記録材に定着させている。
特許文献2の画像形成装置は、トナー粒子を溶解又は軟化膨潤させる水溶性の定着液を、インクジェットノズルを用いて、像担持体(感光体、中間転写体、記録材)上のトナー像に射出している。インクジェットノズルは、記録材の搬送幅一杯に微小ピッチで配列されている。記録材は、インクジェットノズルの噴射方向を横切るように搬送される。
特許文献3の画像形成装置は、トナー粒子を溶解又は軟化膨潤させる水溶性の定着液の噴霧室に、トナー像が転写された記録材を通過させて、噴霧された定着液の微粒子をトナー像に吸収させて浸透させている。トナー像を乱したり、定着ムラを形成したりしないためには、噴霧された定着液の微粒子の直径を15μm以下にすべきことが記載されている。
特許文献3に示されるように、水溶性高分子と水とを含む定着液を用いる場合、記録材の波打ちを避けるためには水溶性高分子の濃度を高めて水を減らす必要がある。しかし、水溶性高分子の濃度を高めて水を減らすと定着液の粘度が高まって、噴霧方式でもインクジェット方式でも、生成される定着液の微粒子(主滴)の直径を15μm以下に制御することが困難になる。
特にインクジェットノズルを用いて高粘度の液体を射出する場合、ノズルの開口径は粘性抵抗が大きくなるため相応に大きくする必要がある。そのため、射出液体の高粘度化に伴い、開口径からパルス状に射出した円柱状の液体が射出後に表面張力で球形(主滴)にまとまると、液体粒子(主滴)の直径は少なくとも20μmを超えてしまう。トナー像を形成するために現在使用されているトナー粒子の直径は5〜7μmなので、20μmを超える液体粒子が高速で衝突すると、衝突した周囲のトナーが飛散してトナー像が乱れる可能性がある。
本発明は、インクジェットノズル等の微細孔からパルス状に高粘度の定着液を射出して像担持体上のトナー像に供給しても、過大な直径の粒子の衝突が回避されて、トナー像が乱れないで済む画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、トナー像を形成して像担持体に担持させるトナー像形成部と、前記像担持体に近接して配置され、トナー粒子の間隙を埋めてトナー像を定着させるための水溶性高分子と水とを含む定着液を微細孔からパルス状に射出させて、前記定着液の主滴を生成するのに伴って前記主滴よりも小さい前記定着液の副滴を生成する定着液射出部と、前記定着液射出部に対向して配置され、前記定着液射出部から射出された前記定着液から前記主滴を分離して、前記副滴を前記像担持体上のトナー像に供給する副滴供給部と、を備えるものである。
本発明の画像形成装置では、主滴がトナー像に衝突することを回避して、主滴よりも小さくて、主滴ほど衝突速度の無い副滴をトナー像に供給するので、定着液の粒子がトナー像に衝突した際のトナー像の負担が小さくて済む。したがって、インクジェットノズル等の微細孔からパルス状に高粘度の定着液を射出して像担持体上のトナー像に供給しても、過大な直径の粒子の衝突が回避されて、トナー像が乱れにくい。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
<実施例1>
図1に示すように、トナー像形成部の一例である画像形成部18Yは、トナー像を形成して像担持体の一例である中間転写ベルト10に担持させる。
図1に示すように、トナー像形成部の一例である画像形成部18Yは、トナー像を形成して像担持体の一例である中間転写ベルト10に担持させる。
図5に示すように、定着液射出部の一例である定着液射出部101は、中間転写ベルト10に近接して配置され、トナー粒子の間隙を埋めてトナー像を定着させるための水溶性高分子と水とを含む定着液を微細孔からパルス状に射出させる。定着液射出部101は、定着液の主滴を生成するのに伴って主滴よりも小さい定着液の副滴を生成する。定着液に含まれる水の単位面積当たり供給量は、15g/m2未満である。水溶性高分子は、ウレタン樹脂である。
図7に示すように、副滴供給部の一例である主滴回収部102は、定着液射出部101に対向して配置され、定着液射出部101から射出された定着液から主滴を分離して、副滴を外部に出力して中間転写ベルト10上のトナー像に供給する。定着液射出部101と主滴回収部102との対向間隔は、像担持体上の一例である中間転写ベルト10上のトナー像に供給する副滴の直径に応じて設定されている。主滴回収部102は、定着液射出部101から射出された定着液からトナー像を乱す可能性の高い大きな副滴も分離して、トナー像を乱す可能性の低い小さい副滴を中間転写体上の一例である中間転写ベルト10上のトナー像に供給する。
電界形成手段の一例である電界付与装置103は主滴回収部102と中間転写ベルト10との間に電界を形成して、主滴回収部102から放出された副滴を中間転写ベルト10へ向かって電気的に付勢する。気流形成手段の一例であるファン115は、主滴回収部102と中間転写ベルト10との間に気流を形成して、主滴回収部102から放出された副滴を中間転写ベルト10へ向かって吹き寄せる。
回収部材の一例である主滴回収部102は、定着液射出部101から射出された少なくとも主滴を受け止めて回収する。還流手段の一例である供給ポンプ110は、主滴回収部102によって回収された少なくとも主滴の定着液を、定着液射出部101に還流させる。
図4の(a)に示すように、加圧手段の一例である二次転写外ローラ22は、主滴回収部102によって副滴の定着液が供給された中間転写ベルト10上のトナー像を、トナー粒子がつぶれない温度及び加圧力で加圧する。
(画像形成装置)
図1は実施例1の画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置1は、中間転写ベルト10に沿ってイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像形成部18Y、18C、18M、18Bkを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
図1は実施例1の画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置1は、中間転写ベルト10に沿ってイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像形成部18Y、18C、18M、18Bkを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部18Yでは、イエローのトナー像を形成して中間転写ベルト10に転写する。画像形成部18Cではシアンのトナー像を形成して中間転写ベルト10に転写する。画像形成部18M、18Bkでは、マゼンタトナー像、ブラックトナー像を形成して中間転写ベルト10に転写する。
中間転写ベルト10に転写して重ね合わせた4色のトナー像は、定着液供給装置90へ搬送されて定着液を供給された後に、二次転写部T2へ搬送される。二次転写部T2では、記録材カセット200から1枚ずつ取り出されて、レジストローラ202により送り出された記録材に、中間転写ベルト10上のトナー像を重ね合せて加圧する。これにより、記録材Pに画像が定着される。その後、記録材Pは、転写ベルト24に吸着した状態で排紙ローラ56まで搬送されて排紙トレイ57に排出される。
(画像形成部)
図2は実施例1の画像形成部の構成の説明図である。図2に示すように、画像形成部18Y、18C、18M、10Bkは、現像装置208Y、208C、208M、208Bkで使用するトナーの色が異なるのみで同様に構成される。そのため、画像形成部18Yについて説明し、画像形成部18C、18M、18Bkに関する重複した説明を省略する。
図2は実施例1の画像形成部の構成の説明図である。図2に示すように、画像形成部18Y、18C、18M、10Bkは、現像装置208Y、208C、208M、208Bkで使用するトナーの色が異なるのみで同様に構成される。そのため、画像形成部18Yについて説明し、画像形成部18C、18M、18Bkに関する重複した説明を省略する。
画像形成部18Bkは、感光ドラム20Yの周囲に、帯電ローラ206Y、露光装置21、現像装置208Y、一次転写ローラ209Y、ドラムクリーニング装置213Yを配置している。
感光ドラム20Yは、アルミニウムの基体の周面に帯電極性が負極性の感光体薄膜を形成され、所定のプロセススピードで回転する。帯電ローラ206Yは、直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を印加されて感光ドラム20Yの周面を均一な負極性の電位に帯電させる。
露光装置21は、走査線の画像信号に応じて二値変調されたレーザービームを感光ドラム20Yの周面に走査して画像の静電像を形成する。現像装置208Yは、トナーとキャリアを含む二成分現像剤を用いて静電像を現像して、感光ドラム20Yにトナー像を現像する。
一次転写ローラ209Yは、正極性の直流電圧を印加されて、感光ドラム20Yのトナー像を中間転写ベルト10に転写する。ドラムクリーニング装置213Yは、中間転写ベルト10にクリーニングブレードを摺擦させて、転写残トナーを回収する。
図1に示すように、原稿読取装置201は、原稿台上に載置した原稿面からの反射光をCCDラインセンサにより検知して画像を読み取る。領域指定装置202は、操作者が操作して原稿の読み取り領域等を設定する。プリントコントローラ203は、不図示のパソコン等の画像データに基づくプリント信号を出力する。制御部800は、原稿読取装置201、領域指定装置202、プリントコントローラ203等からの信号を受けて、画像出力機構の各部に指令を送る信号処理と、種々の作像シーケンス制御とを実行する。
ユーザーが画像形成装置1のスタートスイッチを押すと、原稿読取装置201にて原稿の画像情報が読み取られる。画像情報が原稿読取装置201から制御部800に送られると、制御部800は、その画像情報に基づいて各部を制御し、画像形成動作が実行される。制御部800は、その画像情報から、形成すべき画像を構成するドット位置を各色ごとに把握して、そのドット情報を露光装置21に送る。露光装置21は、感光ドラム20Y、20C、20M、20BK上にそれぞれの色に対応したドット状の静電像を形成する。
(中間転写ベルト)
中間転写ベルト10は、駆動ローラ14、テンションローラ15、及び二次転写内側ローラ16に張架され、駆動ローラ14に駆動されて矢印R2方向に回転する。二次転写外ローラ22とテンションローラ23は、転写ベルト24を張架する。
中間転写ベルト10は、駆動ローラ14、テンションローラ15、及び二次転写内側ローラ16に張架され、駆動ローラ14に駆動されて矢印R2方向に回転する。二次転写外ローラ22とテンションローラ23は、転写ベルト24を張架する。
二次転写外ローラ22は、両端部を二次転写内側ローラ16に向かって付勢されて、中間転写ベルト10と転写ベルト24の間にトナー像の二次転写部T2を形成する。二次転写部T2は、定着液を含むトナー像を記録材Pに押し付けて、トナー像へ定着液を浸透させると同時に記録材に二次転写して、記録材Pに画像を定着させる。
中間転写ベルト10は、表面にフッ素処理等の撥液加工を施して、表面に必要な撥水性を付与している。必要な撥水性は、水に対する接触角が60°以上になるようにするのが好ましい。撥水性が十分にあれば、トナー像が担持されていない中間転写ベルト10の表面部分に定着液(副滴104b)が付着しても、定着液は付近のトナーに吸い寄せられて集まり、その部分の中間転写ベルト10上の定着液はなくなるからである。したがって、定着液供給装置90による(副滴104b)の供給領域の制御の精度が多少悪くても、トナーが担持されていない中間転写ベルト10の表面部分に定着液を無駄に付着させないで済む。
(定着液)
定着液は、水溶性高分子と水を含む水よりも高粘度の液体である。水溶性高分子は、親水性を有する材料であって、屈折率がトナーに用いている樹脂と近く、色への影響が小さいものであればどのような水溶性高分子を用いても良い。水溶性高分子の具体例は、ポリビニルアルコール、ポリスチレンアクリル酸、ポリアクリル酸、ポリグリセリン、ポリウレタン、ポリアクリルアミド等である。中でもポリウレタンは、屋外塗装に用いられるように、凝固した際に結着力が強く、耐擦性が高いため好ましい。また、さらに耐擦性や耐水性等を高めたい場合は、特開2008―276037に記載されているような水溶性の紫外線硬化樹脂を用いることももちろん可能である。この場合は、適宜、定着液付与後もしくは付与中に紫外線を照射する機構を設ければよい。
定着液は、水溶性高分子と水を含む水よりも高粘度の液体である。水溶性高分子は、親水性を有する材料であって、屈折率がトナーに用いている樹脂と近く、色への影響が小さいものであればどのような水溶性高分子を用いても良い。水溶性高分子の具体例は、ポリビニルアルコール、ポリスチレンアクリル酸、ポリアクリル酸、ポリグリセリン、ポリウレタン、ポリアクリルアミド等である。中でもポリウレタンは、屋外塗装に用いられるように、凝固した際に結着力が強く、耐擦性が高いため好ましい。また、さらに耐擦性や耐水性等を高めたい場合は、特開2008―276037に記載されているような水溶性の紫外線硬化樹脂を用いることももちろん可能である。この場合は、適宜、定着液付与後もしくは付与中に紫外線を照射する機構を設ければよい。
定着液は、水溶性高分子成分を水に分散させるために界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤の具体例は、脂肪酸誘導体硫酸エステル、スルホン酸型、リン酸エステルなどの陰イオン(アニオン)界面活性剤、四級アンモニウム塩、複素環アミン、アミン誘導体などの陽イオン(カチオン)界面活性剤やアミノ酸エステル、アミノ酸、スルホベタインなどの両性イオン(ノニオン)界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等である。また、粘度や表面張力の調整を目的に各種の水溶性溶剤を用いて行うことも可能である。水溶性溶剤の具体例としては、以下のようなものがある。
(1)メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1から5のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;
(2)アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
(3)ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン共重合体;
(4)エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレン基が2から6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;
(5)トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の低級アルキルエーテル類;
(6)トリエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;
(7)モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;
その他、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等も挙げられる。上記の水溶性溶剤は、単独でも或いは混合物としても使用することができる。
(1)メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1から5のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;
(2)アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
(3)ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン共重合体;
(4)エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレン基が2から6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;
(5)トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の低級アルキルエーテル類;
(6)トリエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;
(7)モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;
その他、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等も挙げられる。上記の水溶性溶剤は、単独でも或いは混合物としても使用することができる。
実施例1は、トナー粒子を溶解したり膨潤させて軟化させたりしないで、トナー像のトナー粒子の隙間を水溶性高分子で埋めて画像を記録材に定着させる。このため、定着液は、記録材に対する定着性だけでなく、画像の発色性(屈折率)も確保するために、トナー粒子の空隙を水溶性高分子で満たせるに足る量を供給する必要がある。
しかし、定着液は、水を含むため、過剰に供給すると、紙の組織を緩めて記録材にカールを発生する可能性がある。加熱等による水分蒸発を伴わない場合、普通紙において記録材をカールさせないためには、供給水分量を15g/m2以下、好ましくは10g/m2以下とすることが望ましい(特開2006−110930号公報)。A4サイズ1枚あたりで言えば、多くとも0.9g程度、好ましくは0.63g程度である。もちろん、紙に供給される水分量が重要であるので、中間転写体上で加熱や温風などによって水分蒸発を促進する場合は、付与量を増加可能となる。
なお、本実施例では、このような加熱、温風を付与する機構を設けなかった。その理由は、水分蒸発のためのエネルギー供給は、結果としてエネルギー消費を増大して、省エネルギーの観点で好ましくないからである。
そのため、実施例1では、水溶性高分子成分の必要量を満たしつつ、供給水分量の制限を満たすような水溶性高分子の濃度を、定着液に持たせる必要がある。未定着トナー像に対する水溶性高分子の最適な単位面積あたりの供給量(g)は、次式を用いて予測される。
上記の式において、未定着トナー像の空隙率εは、最密充填状態の値とはならず、大体0.4〜0.5程度である。水溶性高分子の密度ρpとトナーの密度ρtとはほぼ同程度である。このため、必要な単位面積当たりの水溶性高分子量の供給量npは、トナーの最大載り量Dtによって決まる。
上記の式に示されるように、水溶性高分子の含有量を少なくするためには、トナーの最大載り量Dtが少ない方がよい。しかし、トナーの最大載り量Dtが少なすぎると、記録材の白地が露出して画像濃度が損なわれるため好ましくない。記録材の白地が露出しないぎりぎりのトナーの最大載り量Dtは、最密充填状態で0.7mg/cm2程度である。
したがって、単位面積当たりの水溶性高分子の最大付与量npは、ほぼ2.9〜3.6g/m2である。2.9〜3.6g/m2の水溶性高分子が溶解される供給水分量を15g/m2に抑えるためには、定着液付の水溶性高分子濃度は、20〜24%以上になってしまう。このような高粘度の水溶液では、通常の噴霧器、超音波振動板、ピエゾ振動板等では、微細な液滴粒子(ミスト)を形成することが困難である。
また、このような高粘度の水溶液では、インクジェットヘッドを用いる場合、粘性抵抗の増大があるため、ノズルの口径を小さくすることが困難であり、射出条件を種々選択したとしても主滴の直径は20μmを超えてしまう。このため、実施例1では、インクジェットヘッドが射出する定着液の液体粒子から主滴を除いて主滴よりも直径の小さい副滴をトナー像に供給している。
(定着プロセス)
図3は実施例1における定着プロセスの説明図である。図3の(a)に示すように、第一工程では、中間転写体の一例である中間転写ベルト10にトナー像を担持させる。中間転写ベルト10の表面に担持されたトナー像Tに定着液供給装置(90:図1)からインクジェットヘッドを用いて定着液104の液体粒子が供給される。定着液104の液体粒子は、中間転写ベルト10上のトナー部分に付着する。
図3は実施例1における定着プロセスの説明図である。図3の(a)に示すように、第一工程では、中間転写体の一例である中間転写ベルト10にトナー像を担持させる。中間転写ベルト10の表面に担持されたトナー像Tに定着液供給装置(90:図1)からインクジェットヘッドを用いて定着液104の液体粒子が供給される。定着液104の液体粒子は、中間転写ベルト10上のトナー部分に付着する。
図3の(b)に示すように、第二行程では、中間転写体ベルト10上のトナー像にウレタン樹脂の水溶性高分子と水とを含む定着液の液滴粒子を供給する。トナーT上に定着液104が付与されると、定着液104がトナー層へと浸透していく。その後、中間転写ベルト10の表面移動に伴い、中間転写ベルト10と二次転写ベルト24とがニップを形成してなる二次転写部T2に搬送される。そして、この二次転写部T2において、中間転写ベルト10上のトナーTと定着液は、記録材Pの表面に押しつけられる。
図3の(c)に示すように、第三工程では、定着液の液滴粒子を供給された中間転写ベルト10上のトナー像を、加圧を伴って記録材Pに転写する。加圧によってトナー粒子密度が高まって空隙が水溶性高分子で満たされる。トナー層へさらに定着液を浸透させるとともに余分な水分が記録材(紙)に吸収される。高分子成分がトナー空隙にとどまり、さらにその高分子の粘着性により記録材P上に転写されるとともに定着される。
(定着液供給装置)
図4は定着液供給装置の配置の説明図である。図4の(a)に示すように、定着液供給装置90は、駆動ローラ14と二次転写部T2の間で、中間転写ベルト10の表面と微小間隔を隔てて配置されて、二次転写前の中間転写ベルト10上のトナー像に定着液を供給する。
図4は定着液供給装置の配置の説明図である。図4の(a)に示すように、定着液供給装置90は、駆動ローラ14と二次転写部T2の間で、中間転写ベルト10の表面と微小間隔を隔てて配置されて、二次転写前の中間転写ベルト10上のトナー像に定着液を供給する。
図4の(b)に示すように、定着液供給装置90は、定着液射出部101と主滴回収部102とを微小間隔で対向させている。定着液射出部101が射出した主滴と副滴のうち、主滴が主滴回収部102に回収され、副滴が中間転写ベルト10上のトナー像に供給される。
インクジェット方式の画像形成装置では、インクジェットヘッドの微細孔から射出された液滴が大小の液滴に分裂することが知られている。分裂した液滴のうち、最大液滴のものを主滴と呼び、その他の小液滴を副滴(サテライト液滴)と呼んでいる。インクジェット方式の画像形成装置では、画像形成は専ら主滴を用いて行われており、副滴は、邪魔なものとして最小限になるように各種の吐出条件が設定されている。副滴は、射出後に空中で速度を失って、記録材上の予期しない部分に付着したり、筐体内の一部に付着して汚れの原因となったりするからである。インクジェット方式の画像形成装置では、副滴を削減する方向に技術開発が行われている。
これに対して、本発明では、副滴を利用して定着液をトナー像に供給するため、主滴にまとまる割合を低くして、副滴となる定着液が増えるように、各種の吐出条件が設定されている。
定着液射出部101は、インクジェット印刷用のインクジェットノズルと同一に構成される。定着液は、副滴の生成率を高めるべく、インクジェットノズルで印刷用に用いるインクよりも(1)高粘度、(2)動的表面張力が小さい、(3)界面活性剤を多く含有する、(4)定着液の射出速度が大きい、のうち少なくとも1つに該当する。
(定着液射出部)
図5は定着液射出部の構成の説明図である。図6は噴出ヘッドの配置の説明図である。
図5は定着液射出部の構成の説明図である。図6は噴出ヘッドの配置の説明図である。
図5に示すように、定着液射出部101は、定着液溜106内に定着液104を収容している。定着液104は、定着液供給管107を通って噴出ヘッド105の各射出素子に供給される。射出素子としては、従来の加熱方式あるいはピエゾ方式のものを使用することができる。噴出ヘッド105は、射出された液滴が主滴と副液に分裂するものであればよく、インクジェット方式の画像形成装置に採用される一般的なインクヘッドを用いればよい。
図6に示すように、噴出ヘッド105は、中間転写ベルト10の搬送幅方向に配列した多数の微細孔700のうち、記録材の幅(または画像の領域)に応じた範囲の各微細孔から定着液104を射出する。微細孔700から定着液104が中間転写ベルト10の進行方向に対してほぼ平行に射出される。
図5に示すように、噴出ヘッド105の微細孔からパルス状に射出された定着液は、空気中で表面張力によって球形にまとまって主滴104aを生成する。と同時に、噴水の水が微小液滴に分裂するときと同様の原理により大小の液滴に分裂して、副滴104bを生成する。定着液供給装置90では、定着液104の副滴104bのみが簡便かつ安定に未定着トナー像へ供給され、定着液104の主滴104aは、専ら主滴回収部102に回収されて再利用される。
(主滴回収部)
図7は主滴回収部の構成の説明図である。図8は定着液の液滴粒子の射出速度と到達距離の関係の説明図である。
図7は主滴回収部の構成の説明図である。図8は定着液の液滴粒子の射出速度と到達距離の関係の説明図である。
図7に示すように、主滴回収部102は、定着液射出部101から射出された主滴の射出軌道上に、中間転写ベルト10に接触して回転を妨げないように配置されている。
定着液射出部101と主滴回収部102の距離は、主滴と大きすぎる副滴を回収できるような距離に設定されている。定着液射出部101から射出された主滴と副滴は、空気抵抗の影響を受けながら空気中を進む。そのため、小さい副滴ほど射出後に速やかに減速して最終的に進行できる距離が短くなる。液滴粒子が空気中を浮遊する場合の粘性抵抗Rは、ストークスの抵抗法則から、式(1)のように計算される。式(1)において、rは粒子半径、vは粒子速度、ηは空気の粘性係数である。
いま、重力方向に対して垂直な水平方向に粒子が速度v0にて射出されたとし、気流等がないと仮定すると、射出後の飛翔時間tにおける速度vは、式(2)のように計算される。式(2)において、mは粒子の質量を表す。
式(2)に示すように、粒子が水平方向に進める距離には限りがあり、その最大値としての到達距離dは、式(3)のように計算される。
したがって、必要とする副滴の直径に応じた到達距離dを、定着液射出部101と主滴回収部102の距離として設定することで、必要とする副滴の直径以上の直径の副滴と主滴とを分離して主滴回収部102に回収することができる。すなわち、粘性抵抗のみを受けて初速v0で半径rの液滴粒子が到達できる到達距離dに関しては、式(3)を用いてある程度予測可能である。
図8に示すように、実際に、定着液の液滴の直径が大きくなるほど到達距離dは大きくなる。射出速度(射出の初期速度v0)が大きいほど到達距離dは大きくなる。例えば、定着液を初期速度10m/secで射出する場合、主滴が20μmで副滴が10μm以下であれば、距離dを10mm程度にすればよい。
図7に示すように、主滴回収部102は、定着液チューブ109により定着液射出部101と連結している。主滴回収部102に受け止められて回収された主滴の定着液は、定着液チューブ109を通じてポンプ110に吸引された後、ポンプ110によって定着液射出部101の定着液溜106に送給され、定着液射出部101で射出に再利用される。射出した定着液の相当量を占める主滴の定着液を再利用することで、主滴を出力しない本発明においても、定着液の消費量及び廃棄量を抑えることができる。
供給ポンプ110は、主滴回収部102よりも低い高さ位置に配置されている。このため、主滴回収部102で回収された定着液は、重力方向に従って供給ポンプ110へ自然に流れ込むので、定着液の回収が容易である。供給ポンプ110は、粘性液体の搬送に用いられるチューブポンプを使用した。チューブポンプは、定着液を空気に触れさせて不必要な蒸発を防止できる点でも好適である。主滴回収部102は、所定時間プリント動作がない場合、自動的に図示しない蓋が装着される。これにより、回収した定着液の凝集、固化を防ぐことができる。
(電界付与部)
図4の(a)に示すように、画像形成装置1では、定着液供給装置90は、重力に逆らって副滴をトナー像に供給するため、中間転写ベルト10の内側に電界付与装置103を配置して、中間転写ベルト10へ電気的に副滴を引き付けている。電界付与装置103は、中間転写ベルト10を帯電させて副滴の粒子を電気的に引き付ける。定着液供給装置90で発生させた副滴は、電界付与装置103によって中間転写ベルト10と定着液供給装置90との間に形成された電界に付勢されて中間転写ベルト10上のトナー像に向かう。
図4の(a)に示すように、画像形成装置1では、定着液供給装置90は、重力に逆らって副滴をトナー像に供給するため、中間転写ベルト10の内側に電界付与装置103を配置して、中間転写ベルト10へ電気的に副滴を引き付けている。電界付与装置103は、中間転写ベルト10を帯電させて副滴の粒子を電気的に引き付ける。定着液供給装置90で発生させた副滴は、電界付与装置103によって中間転写ベルト10と定着液供給装置90との間に形成された電界に付勢されて中間転写ベルト10上のトナー像に向かう。
電界付与装置103は、コロナ放電に伴うプラスイオンを中間転写ベルト10の内側面に照射して、中間転写ベルト10をプラスに帯電させる。マイナス電荷を持つ副滴を中間転写ベルト10に向かわせるような電界を、定着液供給装置90と中間転写ベルト10との間に形成する。中間転写ベルト10の表面を副滴の帯電電荷と反対の極性に帯電させ、帯電電荷の作り出す電界により浮遊した副滴をトナー像に吸引させる。噴出ヘッド105から射出された定着液のうち、副滴は、電界付与装置103によって形成された電界により未定着トナー像へ吸引され吸着し、記録材への定着が可能な状態となる。
一般的に、水を含んだ液滴粒子の形成(噴霧)プロセスにおいて、内部で分極した液滴がちぎれる場合や液滴同士が衝突する場合に、正負どちらか、特に負に帯電しやすいという現象(レナード効果)が知られている。そのため、副滴をわざわざ帯電させなくても、中間転写ベルト10を正極性に帯電させるだけで、副滴に対する吸引力を獲得できる。なお、定着液供給装置90側にもコロナ帯電器を付設して定着液の液滴を、中間転写ベルト10とは反対の極性に帯電させてもよい。
なお、中間転写ベルト10を正極性に帯電させる場合、トナー像のトナー粒子は、負極性に帯電していることが望ましい。正極性に帯電している場合、中間転写ベルト10を正極性に帯電させるとトナー像が乱れる可能性があるためである。また、電界形成の方法は、特に限定されない。例えば、電界付与装置103は、正極性の直流電圧を印加される電極板としてもよい。
(定着液供給装置の制御)
図9は定着液供給装置の制御のブロック図である。図10は定着液供給装置の制御のフローチャートである。
図9は定着液供給装置の制御のブロック図である。図10は定着液供給装置の制御のフローチャートである。
図9に示すように、制御部800は、ヘッドコントローラ95を制御して噴出ヘッド105から定着液を射出させる。ヘッドコントローラ95は、制御部800の命令に従って噴出ヘッド105による定着液104の打ち出しを制御する。制御部800は、電界コントローラ96を制御して電界付与装置103から中間転写ベルト10へ荷電粒子を放射させる。電界コントローラ96は、制御部800の命令に従って電界付与装置103による中間転写ベルト10の帯電状態を制御する。
図4の(a)に示すように、制御部800は、中間転写ベルト10の裏面に設けられた検知マーク99をマークセンサ98によって検出する。制御部800は、マークセンサ98の検知タイミングで画像形成を開始することで、中間転写ベルト10上のトナー像の先端位置を把握している。制御部800は、マークセンサ98の検知タイミングからの経過時間で、中間転写ベルト10上のトナー像の先端位置が噴出ヘッド105及び電界付与装置103の対向位置に到達するタイミングを判断する。制御部800は、中間転写ベルト10の表面移動位置と同期して噴出ヘッド105を作動させることにより、噴出ヘッド105から射出された定着液の副滴104bを、表面移動している中間転写ベルト10上のトナー像に対してかなり正確に供給する。これにより、中間転写ベルト10上に無駄に定着液を塗布することを回避している。
制御部800は、露光装置21に出力するドット情報を、定着液供給装置90のヘッドコントローラ95及び電界コントローラ96にも出力する。ヘッドコントローラ95は、ドット情報に基づいて、トナーが付着した中間転写ベルト10の表面が噴出ヘッド105の噴出位置に到達したときに、噴出ヘッド105から定着液104を射出させる。電界コントローラ96は、ドット情報に基づいて、トナーが付着した中間転写ベルト10の裏面が電界付与装置103に到達すると、電界付与装置103を作動させて中間転写ベルト10に電荷を付与して、副滴と反対極性に帯電させる。
噴出ヘッド105から射出された定着液104のうち、副滴104bの一部が定着液射出部101と主滴回収部102の間隔から外へ漏れ出して空間を浮遊する。空間を浮遊している副滴は、中間転写ベルト10の帯電電荷が作り出す電界によって、中間転写ベルト10上のトナー像に導かれ、トナー像に定着液を供給する。
図4の(a)を参照して図10に示すように、制御部800は、ユーザーによりスタートスイッチが押されると(S1)、中間転写ベルト10、感光ドラム20Y、20C、20M、20Bk及び転写ベルト24の回転駆動を開始する。
制御部800は、検知マーク99がマークセンサ98によって検出されると(S2)、制御のためのカウンタをリセットして新たなカウントを開始する(S3)。制御部800は、カウンタのカウント値が目標値になると(S4)、噴出ヘッド105による定着液の供給動作及び電界付与装置103による電界形成が開始される(S5)。目標値は、中間転写ベルト10上のトナー像の先端位置が噴出ヘッド105の対向位置に到達するまでの時間に相当している。
制御部800は、カウンタのカウント値に基づいて、中間転写ベルト10上のトナー像の後端が噴出ヘッド105の対向位置を通過するまで(S6のN)、噴出ヘッド105及び電界付与装置103を作動させて制御を終了する(S6のY)。
(定着液の供給量制御)
図11は噴出ヘッドの射出周波数と副滴生成量の関係の説明図である。
図11は噴出ヘッドの射出周波数と副滴生成量の関係の説明図である。
記録材に対する定着液の付与量は、記録材がカールしない程度に抑える必要があるため、制御部800は、トナー像に対する定着液の塗布量及び塗布範囲を、画像情報に応じて制御し、必要最小限にとどめている。
図11に示すように、定着液供給装置90では、噴出ヘッド105の射出周波数と単位時間あたりの副滴の生成量との間に比例関係がある。このため、制御部800は、画像の濃度が高くてトナー載り量が多いほど噴出ヘッド105の射出周波数を高くして定着液の供給量を増やす。一方、画像の濃度が低くてトナー載り量が少なければ、噴出ヘッド105の射出周波数を低くして定着液の供給量を節約する。制御部800は、射出周波数と副滴生成量の関係をテーブルとして予め取得しており、上記のドット情報に応じて噴出ヘッド105の射出周波数を制御する。
また、画像形成装置の調整モードの1つとして、実際に、射出周波数を異ならせて未定着トナー像に定着液を供給して画像形成を実行させてもよい。記録材に形成された画像を解析して、射出周波数と副液供給量との関係を現場で求めてもよい。
実施例1の定着液供給装置90を以下のように製作し、定着液1を用いて画像形成を実行させた。
(定着液1)
・ポリスチレンアクリル酸RS−1191(星光化学製) 30重量%
・ポリオキシエチルアルキルエーテル系界面活性剤ID−206(日本油脂社製) 1重量%
・水 69重量%
(定着液1)
・ポリスチレンアクリル酸RS−1191(星光化学製) 30重量%
・ポリオキシエチルアルキルエーテル系界面活性剤ID−206(日本油脂社製) 1重量%
・水 69重量%
これらを混合攪拌して定着液1を作製した。定着液は、透明な性状を示し、定着液の粘度(25℃)は、25mPa・秒(コーンアンドプレート:φ60・1°)であった。定着液の粘度は、RE80L型粘度計(東機産業製)を用いて25℃で測定した。
図5に示すように、定着液供給装置90の噴出ヘッド105は、圧電素子により微細孔から定着液の液滴を射出するものである。
図6に示すように、固定のラインヘッドの噴出ヘッド105を用いた。噴出ヘッド105と中間転写ベルト10の距離は1mmである。噴出ヘッド105の射出方向は、中間転写ベルト10の回転方向に対して平行である。
高速撮影の映像解析により、噴出ヘッド105の微細孔から射出される主滴104aの射出速度が約12m/secであることを確認した。主滴104aの直径は約20μmであった。主滴104aの1個に伴って4〜5個の副滴104bが発生していた。副滴104bの平均直径は約10μmであった。
図7に示すように、主滴回収部102は、主滴を効率よく回収できるように、噴出ヘッド105の微細孔に対して対向させ、噴出ヘッド105と主滴回収部102の距離は、10mmに設定した。これにより、良好に主滴と副滴とを分離できた。
主滴回収部102から回収した定着液は、自重で定着液チューブ109の中に流れ込み、供給ポンプ110によって定着液射出部101の定着液溜へ運ばれる。定着液チューブ109は、市販のシリコンチューブである。供給ポンプ110は、市販のローラポンプである。これにより回収した定着液を良好に再利用できた。
噴出ヘッド105と主滴回収部102の間隔にスリットノズル116を配置し、ファン115からスリットノズル116を通じて副滴を効率よく中間転写ベルトへ向かわせるように送風した。ファン115は、市販のコンピュータ冷却ファンのうち、主滴が曲がらない程度の風量のものを選んだ。風量は0.1m3/minのものとなった。ファン115にフィルタを複数枚重ねて装着して風量を最適に調節した。
電界付与装置103は、中間転写ベルト10の内側面に対向配置した。電界付与装置103は、スコロトロンを用いた。中間転写ベルト10の裏面に対して負の電荷を付与し、中間転写ベルト10の表面を正に帯電させた。スコロトロンの印加電圧を6kVとしたとき、負に帯電した副滴が中間転写ベルト10の表面へ導かれることを確認した。
上述のシーケンスに従って定着液供給装置90を作動させて画像形成行程及び定着行程を実行させたところ、良好な発色性を持ち、定着性も比較的良好な定着画像が得られた。
実施例1の画像形成装置1では、中間転写ベルト10上のトナー像に対して主滴は付与されず、小粒径の副滴が供給されるため、大粒径の主滴を供給した場合に比較してトナー像の微小領域における定着液の供給量分布が均一になる。大粒径の主滴を噴射して高速で衝突させる場合に比較してトナー像の損傷が少なくて済む。
画像形成装置1では、記録材上のトナー像の部分にだけ定着液を供給し、トナー像が付着していない記録材の表面には定着液を付与しない。そのため、記録材全体に定着液を付与するいわゆる湿式の画像形成装置に比べて、記録材の内部に侵入する定着液の量を少なくでき、記録材のカールやシワの発生を抑制できる。
画像形成装置1では、単位面積当たりの定着液の供給量に含まれる凝固分体積がトナー像の単位面積当たりの空隙体積以上であるため、トナー層中の残空隙による光の散乱が抑制されて、トナー像の定着画像の定着性及び発色性を向上できる。
実施例1の定着液供給装置90は、主滴を小さくするために微細孔を小さくし、噴出ヘッドとしての信頼性や効率を低下させることをしなくても、微小な液滴を簡便に高信頼にトナー像に供給可能である。定着液供給装置90は、確立されたインクジェット方式の噴出ヘッドを用いるので、微小な定着液の液滴粒子を簡便かつ安定に未定着トナー像に供給できる。
定着液供給装置90は、分離した主滴の定着液を回収して噴射ヘッド105に循環させて再利用するため、分離した主滴を捨てる場合よりも、定着液の消費を効率的に行うことができる。
定着液供給装置90は、水を主成分とした定着液に水溶性高分子を高濃度に含有させてなお、副滴として直径15μm以下の直径の液滴粒子を形成できる。このため、定着液の液滴粒子によるトナー像の飛び散りを抑制しつつも、記録材に波打ち等を起こすことなく良好な定着性と発色性を有する高品質の定着画像を提供できる。
定着液供給装置90は、粘度が高い定着液においても微小液滴を画像濃度に応じて適宜定着液供給量を制御しつつ、トナー像の飛び散り等なく、定着液を供給して、良好な定着性と発色性を有する定着画像を出力できる。
<実施例2>
実施例2では、実施例1の定着液供給装置90を以下のように製作し、定着液2を用いて画像形成を実行させた。
(定着液2)
・ポリウレタンW-6010(三井化学社製) 30重量%
・ポリオキシエチルアルキルエーテル系界面活性剤ID−206(日本油脂社製) 1重量%
・水 69重量%
実施例2では、実施例1の定着液供給装置90を以下のように製作し、定着液2を用いて画像形成を実行させた。
(定着液2)
・ポリウレタンW-6010(三井化学社製) 30重量%
・ポリオキシエチルアルキルエーテル系界面活性剤ID−206(日本油脂社製) 1重量%
・水 69重量%
これらを混合攪拌して定着液2を作製した。定着液は、透明な性状を示し、定着液の粘度(25℃)は、21mPa・秒(コーンアンドプレート:φ60・1°)であった。定着液の粘度は、RE80L型粘度計(東機産業製)を用いて25℃で測定した。
図5に示すように、定着液供給装置90の噴出ヘッド105は、実施例1と同一である。
図6に示すように、噴出ヘッド105の配置と中間転写ベルト10からの距離は実施例1と同一である。
高速撮影の映像解析により、噴出ヘッド105の微細孔から射出される主滴104aの射出速度が約13m/secであることを確認した。主滴104aの直径は約20μmであった。主滴104aの1個に伴って3〜4個の副滴104bが発生していた。副滴104bの平均直径は約10μmであった。
図7に示すように、主滴回収部102、定着液チューブ109、供給ポンプ110に関する構成も実施例1と同一である。スリットノズル116、ファン115に関する構成も実施例1と同一である。電界付与装置103に関する構成も実施例1と同一である。
実施例1と同様に、主滴回収部102により回収した定着液を良好に再利用できることを確認し、スコロトロンの印加電圧を6kVとしたとき、負に帯電した副滴が中間転写ベルト10の表面へ導かれることを確認した。
実施例1と同様に、上述のシーケンスに従って定着液供給装置90を作動させて画像形成行程及び定着行程を実行させたところ、良好な発色性を持ち、実施例1に比較して定着性が良好、特に耐擦性が良好な定着画像が得られた。
<実施例1の変形例>
図12は隣接する微細孔の駆動間隔と副滴生成個数との関係の説明図である。図13は変形例1における定着液供給装置の配置の説明図である。図14は変形例2における噴出ヘッドの移動の説明図である。図15は変形例3における副滴の帯電の説明図である。
図12は隣接する微細孔の駆動間隔と副滴生成個数との関係の説明図である。図13は変形例1における定着液供給装置の配置の説明図である。図14は変形例2における噴出ヘッドの移動の説明図である。図15は変形例3における副滴の帯電の説明図である。
図12に示すように、噴出ヘッド105の微細孔が内側で連通している場合、隣接する微細孔から定着液を射出する時間間隔を変えると、噴出ヘッド105内で定着液の液面が上下に揺れて、液滴形成過程が変化して、副滴の生成量が変化する。
このため、制御部800は、隣接する微細孔の駆動間隔を制御して、定着液の供給量を制御してもよい。トナー載り量が多いほど隣接する微細孔の駆動間隔を長くして定着液の供給量を増やす一方、画像の濃度が低くてトナー載り量が少なければ、隣接する微細孔の駆動間隔を短くして定着液の供給量を節約する。なお、供給量を制御する方法としては図11、図12を参照して説明した例に限定されない。
図4の(a)に示すように、実施例1では、中間転写ベルト10の平面部分に定着液供給装置90を配置した。しかし、この配置になんら限定されることはなく、定着液供給装置90は、定着液の主滴が中間転写ベルト10の表面に着弾しないように配置すればよい。
これに対して、図13に示すように、変形例1では、駆動ローラ14に支持された中間転写ベルト10の湾曲部分に定着液供給装置90を配置した。曲率を持つ場所に主滴が着弾しないように配置した。
図6に示すように、実施例1では、中間転写ベルト10の幅方向に一杯の長さを有する固定の噴出ヘッド105を採用している。
これに対して、図14に示すように、変形例2では、中間転写ベルト10の幅方向の長さが短い噴出ヘッド108を中間転写ベルト10の幅方向に往復移動させて中間転写ベルト10の幅方向の全域に対する定着液の供給を可能にしている。噴出ヘッド108は、ヘッド移動手段としての不図示のヘッド走査装置に取り付けられて、中間転写ベルト10に対向配置される。ヘッド走査機構は、トナー像が付着し得る画像領域をすべて通過するように噴出ヘッド108を往復移動させる。あるいは、全画像領域の所望の位置(トナーが付着している位置)に移動して定着液を供給する。
図4の(a)に示すように、実施例1では、中間転写ベルト10の内側面に電界付与装置103を設けて、副滴をトナー像に向かって移動させるための電界を形成した。しかし、中間転写ベルト10の裏面から電界を付与する方法は、電界付与装置103には限らない。
これに対して、図15に示すように、変形例3では、噴出ヘッド108に電圧を印加して未定着トナー粒子の帯電電荷と逆極性の電荷を副滴に付与することで、副滴と未定着トナーの間に直接電界を作用させる。この場合、主滴も帯電しているが、副滴に比べて体積当たりの帯電量が小さいため見かけ上のクーロン力が小さく、未定着トナー像に向かって移動することなく主滴回収部102に回収される。
実施例1では、電界付与装置103として、非接触式の帯電装置を用いたが、帯電ブラシ等の接触式の帯電装置を用いて中間転写ベルト10の裏面から副滴の帯電極性と反対の極性の電荷を付与してもよい。
実施例1では、トナー像に向かって定着液の副滴を移動させるために電界を用いたが、送風や超音波を用いて、定着液の副滴をトナー像に向かって移動させてもよい。特に、図4の(a)に示すように、定着液を供給する面が下向きで重力方向に対して逆方向に定着液の副滴を移動させる場合、送風装置を用いて中間転写ベルト10の表面へ向かう気流を形成することが望ましい。その際の送風の強さは、主滴が主滴回収部102にて回収できるように、主滴が大きく流されない程度に設定する必要がある。なお、上記実施例1の変形例1または変形例2は、実施例2においても同様に実施可能なことは言うまでもない。
<実施例3>
図16は実施例3の画像形成装置の構成の説明図である。図16に示すように、実施例3の画像形成装置1Bは、定着液供給装置90及び電界付与装置103の配置が図4の(a)に示す実施例1と異なるのみで、定着液供給装置90及び電界付与装置103を含めて画像形成装置1Bの構成要素は実施例1と同一である。したがって、図16中、実施例1と共通する構成には図4〜図9と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図16は実施例3の画像形成装置の構成の説明図である。図16に示すように、実施例3の画像形成装置1Bは、定着液供給装置90及び電界付与装置103の配置が図4の(a)に示す実施例1と異なるのみで、定着液供給装置90及び電界付与装置103を含めて画像形成装置1Bの構成要素は実施例1と同一である。したがって、図16中、実施例1と共通する構成には図4〜図9と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施例3の定着液供給装置90は、二次転写部T2においてトナー像が転写された記録材Pに定着液の副滴を供給する。実施例3では、記録材Pに二次転写される前のトナー像ではなく、記録材Pに二次転写された後のトナー像に対して定着液を供給する。
定着液供給装置90は、制御部800からドット情報を受け取ることで、定着液溜内の定着液(104)を噴出ヘッド(105)から記録材Pの進行方向に対してほぼ平行に射出する。そして、射出された液滴粒子のうち、主滴回収部(102)により主滴を回収して、副滴を電界付与装置(103)により未定着トナー像に供給する。
実施例3の画像形成装置1Bは、その後、加圧ローラ130によって定着液供給後のトナー像に圧力を付与する。加圧ローラ130の表面は、定着液(104)のトナー像へ浸透を促進するために、フッ素樹脂(例えばPFA)で被覆してはっ水性の表面性状にしてある。上述したように、加圧ローラ130の圧力は、トナー粒子の充填密度を高める目的のため、それほど大きい必要はなく、0.1MPa程度としている。
実施例3の画像形成装置1Bは、実施例1のように中間転写ベルト10の表面に撥水処理を施すなど、中間転写ベルト10に特殊な加工を施す必要がない。このため、中間転写ベルト10の表面材質が制限されることがなく、転写特性のみを追求できるという利点がある。
実施例3の定着液供給装置90を以下のように製作し、実施例1で用いたのと同様の定着液1を用いて画像形成を実行させた。
図5に示すように、定着液供給装置90の噴出ヘッド105は、実施例1と同一である。
主滴104aの射出速度、主滴104aの直径、主滴104aの1個に伴う副滴104bの発生個数、副滴104bの平均直径は実施例1と同一であることを確認した。
図16に示すように、主滴回収部102から定着液チューブ109を通じて定着液を吸い上げて供給ポンプ110により定着液射出部101の定着液溜へ戻す構成を採用した。それ以外は実施例1と同一である。記録材に向かって下向きに副滴を供給するため、スリットノズル116、ファン115に関する構成は省略した。電界付与装置103には、スコロトロンを用いた。加圧ローラ130は、シリコンゴム弾性層の表層をフッ素樹脂(PFA)チューブでコートした。
実施例1と同様に、主滴回収部102により回収した定着液を良好に再利用できることを確認し、スコロトロンの印加電圧を8kVとしたとき、負に帯電した副滴が記録材搬送ベルト24の表面へ導かれることを確認した。
上述のシーケンスに従って定着液供給装置90を作動させて画像形成行程及び定着行程を実行させたところ、良好な発色性を持ち、実施例1と同等に定着性が良好な定着画像が得られた。
<実施例4>
実施例3の定着液供給装置90を以下のように製作し、実施例2で用いたのと同様の定着液2を用いて画像形成を実行させた。
実施例3の定着液供給装置90を以下のように製作し、実施例2で用いたのと同様の定着液2を用いて画像形成を実行させた。
図5に示すように、実施例4では、定着液供給装置90の噴出ヘッド105は、実施例1と同一である。また、図16に示すように、噴出ヘッド105の配置と記録材Pからの距離は実施例3と同一である。このような構成において、主滴104aの射出速度、主滴104aの直径、主滴104aの1個に伴う副滴104bの発生個数、副滴104bの平均直径は、実施例2とほぼ同一であることを確認した。
図16に示すように、主滴回収部102から定着液チューブ109を通じて定着液を吸い上げて供給ポンプ110により定着液射出部101の定着液溜へ戻す構成を採用した。それ以外は実施例1と同一である。記録材に向かって下向きに副滴を供給するため、スリットノズル116、ファン115に関する構成は省略した。電界付与装置103には、ストコトロンを用いた。加圧ローラ130は、シリコンゴム弾性層の表層をフッ素樹脂(PFA)チューブでコートした。
実施例3と同様に、主滴回収部102により回収した定着液を良好に再利用できることを確認し、スコロトロンの印加電圧を6kVとしたとき、負に帯電した副滴が記録材搬送ベルト24の表面へ導かれることを確認した。
上述のシーケンスに従って定着液供給装置90を作動させて画像形成行程及び定着行程を実行させたところ、実施例2と同等に良好な発色性を持ち、定着性及び耐擦性が良好な定着画像が得られた。
なお、本発明は、主滴を分離した定着液の副滴をトナー像に供給する限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
したがって、トナー像に定着液を供給する画像形成装置であれば、1ドラム型/タンデム型、中間転写方式/記録材搬送体方式の区別なく実施できる。像担持体の数、像担持体の帯電方式、静電像の形成方式、現像剤及び現像方式、転写方式等の区別無く実施できる。
また、本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途の画像形成装置で実施できる。
<比較例1>
比較例1は、記録材に転写したトナー像を加熱・溶解し、これを加圧することでトナーを記録材上に定着させる熱定着方式である。当該方式は、定着速度、定着画像品質等に優れているが、画像形成装置の消費電力の半分以上をトナー像の加熱のために消費するため、環境問題、省エネルギーの観点から低消費電力が望まれている。
比較例1は、記録材に転写したトナー像を加熱・溶解し、これを加圧することでトナーを記録材上に定着させる熱定着方式である。当該方式は、定着速度、定着画像品質等に優れているが、画像形成装置の消費電力の半分以上をトナー像の加熱のために消費するため、環境問題、省エネルギーの観点から低消費電力が望まれている。
<比較例2>
比較例2は、トナー樹脂を溶解又は膨潤させる溶剤を含んだ定着液を未定着トナーに付与して、全く加熱せずにトナーを定着させる溶媒方式である。当該方式は、熱定着方式のように加熱処理が不要であることから、省エネ対策として優れているが、オフィスで使用する場合、不快な臭気や溶媒蒸気などが問題となる。
比較例2は、トナー樹脂を溶解又は膨潤させる溶剤を含んだ定着液を未定着トナーに付与して、全く加熱せずにトナーを定着させる溶媒方式である。当該方式は、熱定着方式のように加熱処理が不要であることから、省エネ対策として優れているが、オフィスで使用する場合、不快な臭気や溶媒蒸気などが問題となる。
<比較例3>
比較例3は、水を主成分とした液体に水溶性高分子を含有させた定着液を未定着トナーに付与して、全く加熱せずにトナーを定着させる水溶性高分子定着方式である。当該方式は、定着液が水を主成分としているため、不快な臭気や溶媒蒸気などが問題とならない。印刷用途のインクジェットヘッドの確立した技術を利用して供給領域の精密な制御も可能である。
比較例3は、水を主成分とした液体に水溶性高分子を含有させた定着液を未定着トナーに付与して、全く加熱せずにトナーを定着させる水溶性高分子定着方式である。当該方式は、定着液が水を主成分としているため、不快な臭気や溶媒蒸気などが問題とならない。印刷用途のインクジェットヘッドの確立した技術を利用して供給領域の精密な制御も可能である。
しかし、水溶性高分子定着方式は、熱圧定着に比べてカラー画像の発色性を高めることが困難とされている。熱定着方式ではトナー粒子をフィルム状に定着させるため、トナー粒子間に空隙がほとんどなく、良好な発色性を示す。しかし、水溶性高分子定着方式は、トナー粒子間の空隙を埋めるだけの水溶性高分子を添加することが、以下の理由で困難なため、定着トナー層に空隙が多数形成されて良好な発色性を示せない。
水を主成分とした定着液を用いる場合、定着液の単位面積当たり供給量を、紙が変形しない程度に抑える必要がある。具体的には、多くとも15g/m2、好ましくは10g/m2程度に抑えなければならない。これはA4用紙1枚あたりで言えば、多くとも0.95g程度、好ましくは0.63g程度になる。そして、これを超えた量の水分が定着液に含まれている場合、乾燥装置を用いて水分除去せねばならず、結局、熱定着方式に匹敵する電力消費が必要となる。
限られた水分量でトナー像の空隙を埋めるだけの水溶性高分子を含ませようとすると、定着液は、非常に高粘度な液体となる。例えば、直径5μmのトナー粒子で平面に二層敷き詰めた場合、最密充填で約14.5g/m2程度のトナー載り量となる。空隙率が26%程度なので、15g/m2の水分を確保できたとしても、定着液は、20%を超える水溶性高分子の濃度になる。そして、通常、トナー粒子が最密充填構造になることはあり得ないので、隙間を埋める水溶性高分子濃度がさらに必要であり、定着液は、さらに高粘度となる。
定着液が高粘度になると、インクジェットヘッドノズルの射出開口を大きくしないと液滴を高精度に射出できなくなる。しかし、インクジェットヘッドノズルの射出開口を大きくすると、射出された液滴の直径が大きくなって、衝突した際のトナー像の衝撃が大きくなって、トナー像が乱れ易くなる。特開2008−276037号公報によれば、トナー像を乱さないためには15μm以下の粒径の液滴にすることが好ましい。
一般的に高粘度な液体ほど、インクジェットヘッドを用いて信頼性高く射出することが難しい。高粘度な定着液の小液滴化は難しい。小液滴化するためには、射出口を小さくする必要があるが、射出口が小さくなると、射出口付近での水分蒸発による定着液の増粘現象が顕著になって、射出が困難になるという問題もある。射出口を小さくするに伴って近傍の液流路も細くなり、定着液の補給を素早く行うことも困難となる。そのため高速に定着液を連続射出することが困難になる。
10 中間転写ベルト
18Y、18C、18M、18Bk 画像形成部
20Y、20C、20M、20Bk 感光ドラム
21 露光装置、22 二次転写外ローラ
90 定着液供給装置、98 マークセンサ、99 検知マーク
101 定着液射出部、102 主滴回収部
103 電界付与装置、104 定着液、104a 主滴
104b 副滴、105、108 噴出ヘッド
106 定着液溜り、107 定着液供給管
109 定着液チューブ、110 供給ポンプ、115 ファン
116 スリットノズル、130 加圧ローラ、700 微細孔
800 制御部、P 記録材、T トナー像
18Y、18C、18M、18Bk 画像形成部
20Y、20C、20M、20Bk 感光ドラム
21 露光装置、22 二次転写外ローラ
90 定着液供給装置、98 マークセンサ、99 検知マーク
101 定着液射出部、102 主滴回収部
103 電界付与装置、104 定着液、104a 主滴
104b 副滴、105、108 噴出ヘッド
106 定着液溜り、107 定着液供給管
109 定着液チューブ、110 供給ポンプ、115 ファン
116 スリットノズル、130 加圧ローラ、700 微細孔
800 制御部、P 記録材、T トナー像
Claims (13)
- トナー像を形成して像担持体に担持させるトナー像形成部と、
前記像担持体に近接して配置され、トナー粒子の間隙を埋めてトナー像を定着させるための水溶性高分子と水とを含む定着液を微細孔からパルス状に射出させて、前記定着液の主滴を生成するのに伴って前記主滴よりも小さい前記定着液の副滴を生成する定着液射出部と、
前記定着液射出部に対向して配置され、前記定着液射出部から射出された前記定着液から前記主滴を分離して、前記副滴を前記像担持体上のトナー像に供給する副滴供給部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記副滴供給部は、前記定着液射出部から射出された少なくとも前記主滴を受け止めて回収する回収部材と、前記回収部材によって回収された少なくとも前記主滴の定着液を前記定着液射出部に還流させる還流手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記定着液射出部と前記回収部材との対向間隔は、前記像担持体上のトナー像に供給する前記副滴の直径に応じて設定されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記副滴供給部は、前記定着液射出部から射出された前記定着液から前記トナー像を形成するトナー粒子よりも大きな前記副滴も分離して、前記トナー像を形成するトナー粒子の直径よりも小さい前記副滴を前記像担持体上のトナー像に供給することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記水溶性高分子は、ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記定着液に含まれる水の単位面積当たり供給量は、15g/m2未満であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記副滴供給部によって前記副滴の定着液が供給された前記像担持体上のトナー像を、前記トナー粒子がつぶれない温度及び加圧力で加圧する加圧手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記副滴供給部と前記像担持体との間に電界を形成して、前記副滴供給部から放出された前記副滴を前記像担持体へ向かって電気的に付勢する電界形成手段を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記副滴供給部と前記像担持体との間に気流を形成して、前記副滴供給部から放出された前記副滴を前記像担持体へ向かって吹き寄せる気流形成手段を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記定着液射出部は、インクジェット印刷用のインクジェットノズルと同一に構成され、
(1)前記定着液は、前記インクジェットノズルで印刷用に用いるインクよりも高粘度である、
(2)前記定着液は、前記インクジェットノズルで印刷用に用いるインクよりも表面張力が小さい、
(3)前記定着液は、前記インクジェットノズルで印刷用に用いるインクよりも界面活性剤を多く含有する、
(4)前記インクジェットノズルで印刷用に用いるインクよりも前記定着液の射出速度が大きい、
のうち少なくとも1つに該当することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 定着液を微細孔からパルス状に射出させて、前記定着液の主滴を生成するのに伴って前記主滴よりも小さい前記定着液の副滴を生成する定着液射出部と、
前記定着液射出部に対向して配置され、前記定着液射出部から射出された少なくとも前記主滴を受け止めて回収する回収部材と、
前記回収部材によって回収された少なくとも前記主滴の定着液を集めて前記定着液射出部に還流させる還流手段と、を備え、
前記定着液射出部から射出された前記定着液の副滴を外部に出力することを特徴とする定着液の副滴供給装置。 - 中間転写体にトナー像を担持させる第一工程と、
前記中間転写体上のトナー像にウレタン樹脂の水溶性高分子と水とを含む定着液の液滴粒子を供給する第二行程と、
前記定着液の液滴粒子を供給された前記中間転写体上のトナー像を、加圧を伴って記録材に転写する第三工程と、を備えることを特徴とする画像形成方法。 - 記録材にトナー像を担持させる第一工程と、
前記記録材上のトナー像にウレタン樹脂の水溶性高分子と水とを含む定着液の液滴粒子を供給する第二行程と、
前記定着液の液滴粒子を供給された前記記録材上のトナー像を前記記録材に加圧する第三工程と、を備えることを特徴とする画像形成方法。
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