JP4753694B2 - 定着装置 - Google Patents

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この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。特にそのうち、帯電、書込み、現像を行って像担持体上にトナー画像を形成し、そのトナー画像を直接または中間転写体を介して間接的に転写して用紙等の記録媒体に画像を記録する電子写真式の画像形成装置などにおいて、トナー画像転写後の未定着トナーを記録媒体上に定着する定着装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置は、画像情報に基づいて、用紙、布、OHPフィルム等の記録媒体に、文字や記号等を含む画像を記録するものである。このような画像形成装置には、種々の方式のものがあるが、そのうち、いわゆる電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で記録することができ、また最近ではカラー画像も手軽に作成できる点から、オフィスで現在広く使用されている。
電子写真方式の画像形成装置は、ドラム状やベルト状の像担持体のまわりに帯電装置、書込み装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、除電装置などを配置し、像担持体の回転とともに帯電して後、書込みを行って像担持体表面に静電潜像を形成し、トナーを付着することによりその静電潜像を現像して像担持体上にトナー画像を形成し、そのトナー画像を直接、またはベルト状等の中間転写体を介して間接的に転写して記録媒体に画像を記録する。そして、トナー画像転写後の記録媒体を定着装置に導き、未定着トナーを記録媒体上に定着する一方、画像転写後の像担持体表面をクリーニング装置で清掃するとともに除電し、再度の画像形成に備えていた。
この種の電子写真方式の画像形成装置では、定着装置として、定着速度が速く、均一性および安定性に優れて定着品質が良好なことなどから、ハロゲンヒータやセラミックヒータなどの発熱体を用いて記録媒体上のトナーを加熱して溶解し、これを加圧することで記録媒体の繊維中に入り込ませて記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く普及している。しかしながら、このような熱定着方式の定着装置を用いる画像形成装置では、トナーを加熱することから多量の電力が消費されており、省エネルギが叫ばれている今日、熱定着方式のものに代えて低消費電力の定着装置の採用が強く望まれているところである。加えて、熱定着方式の定着装置は、定着開始までの立ち上げ時間が長く、このため加熱温度を高く設定する必要があり、また余熱を加えてスタンバイ状態に保持する必要があり、この点からも消費電力が大きい問題もあった。
一方、従来の定着装置の中には、また、特許文献1に記載されるように、トナーを溶かす溶媒蒸気の雰囲気中に記録媒体を通してその記録媒体上の未定着トナーを定着する蒸気定着方式のものも提案されている。このような蒸気定着方式の定着装置は、確かに、熱定着方式のものに比べると、エネルギ消費を少なくすることができる。しかし、蒸気の発生や換気のために大掛りな装置を必要とし、普及するには至らなかった。
他方、従来の定着装置の中には、特許文献2に記載されるように、静電潜像の電荷のリークを妨げる電気抵抗を有する溶媒を用い、その溶媒中に記録媒体を浸漬して乾燥するか、または記録媒体の画像面に塗布して乾燥する定着液方式のものがある。また、定着液方式の中には、特許文献3に記載されるように、噴出ヘッドから記録媒体に向けて定着液を吐出するものがある。ところが、いずれもトナー画像の静電的な付着力が弱いことから、定着液によりトナーが流出して画像乱れを生ずる問題があった。
このようなことから、従来の定着装置の中には、特許文献4に記載されるように、トナーの移動を防止するために赤外線ヒータ等で加熱して未定着トナーを仮固定し、画像乱れを防止するものがある。しかし、ヒータを使用すると、電力消費が大きくなるし、カラーの場合には黒の熱吸収率が他色に比べて高過ぎて実用的でなかった。
最近、特許文献5に記載されるような超音波を利用したトランスデューサが開発され、用途としては燃料噴射などに使用されているが、これを定着液のミスト噴霧装置として利用することも考えられる。このような超音波トランスデューサ方式であれば、装置が大掛りにならず、電力消費を小さく抑えることができる。
特公昭40−10867号公報 特公昭48−33184号公報 特開2004−109751号公報 特開昭63−66576号公報 特開2004−228862号公報
しかしながら、このような超音波トランスデューサ方式であっても、トランスデューサから吐出した定着液を直接未定着トナーにかけると、定着液方式のものと同様に、やはり画像乱れを生ずるおそれがあった。
そこで、この発明の目的は、大掛りな装置を必要とせずに電力消費が少なく、しかもトナーを押し流して画像乱れを生ずるようなことのない実用的な定着装置および定着方法、ならびにそのような定着装置を備え、また定着方法を用いる画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成すべく、この発明では、定着液吐出手段により定着液を吐出して、用紙や布やOHPフィルムなどの記録媒体に塗布し、その記録媒体上の未定着トナー画像を定着する定着装置において、定着液吐出手段の定着液吐出方向を記録媒体の上方の空中に向け、定着液吐出手段により吐出した定着液が重力により下向きにカーブして記録媒体上に落下するように、定着液吐出手段を設置してなるものである。
定着液吐出手段としては、超音波トランスデューサを使用する。超音波トランスデューサは、その先端面形状を細長矩形状とし、短辺の長さを5mmとする一方、長辺の長さを12mmとするのがよい。
定着液吐出手段は、記録媒体の搬送方向と直交する方向に複数個並べて設置する。
記録媒体の画像面を複数に分割してその分割区分した領域ごとの画像濃度を判定する画像濃度判定手段と、その画像濃度判定手段に基づき分割区分した領域に対応して定着液の吐出を複数段に分けて制御する定着液吐出制御手段とを備え、その定着液吐出制御手段に基づき分割区分した領域ごとに、定着液吐出手段を用いて定着液を記録媒体に向けて吐出する。
請求項1に記載の発明によれば、定着液吐出手段の定着液吐出方向を記録媒体の上方に向け、定着液吐出手段により吐出した定着液が重力によりカーブして記録媒体上に落下するように、定着液吐出手段を設置するので、特別大掛りな装置を必要とせず、電力消費が少なく、しかもトナーを押し流して画像乱れを生ずるようなことのない実用的な定着装置を提供することができる。
音波トランスデューサの先端面形状を細長矩形状とし、短辺の長さを5mm以下とするので、電力上のロスを小さくすることができる。
音波トランスデューサの先端面形状を細長矩形状とし、長辺の長さを12mm以下とするので、効率の低下を防止して電力消費を小さくすることができる。
録媒体の搬送方向と直交する方向に複数個並べて設置するので、記録媒体の搬送方向における定着装置の幅を狭めることができる。
録媒体の画像面を複数に分割してその分割区分した領域ごとのトナー濃度に応じてその分割区分した領域に個別に定着液を付着するので、定着すべきトナー量に応じて適度な定着液を塗布し、安定した定着を行って良好な画像品質を得ることができる。
割区分した領域ごとの画像濃度を判定する画像濃度判定手段と、その画像濃度判定手段に基づき分割区分した領域に対応して定着液の吐出を複数段に分けて制御する定着液吐出制御手段とを備え、その定着液吐出制御手段に基づき分割区分した領域ごとに、定着液吐出手段を用いて定着液を記録媒体に向けて吐出するので、簡潔な構成で、定着すべきトナー量に応じて適度な定着液を塗布し、安定した定着を行って良好な画像品質を得ることができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。
図1には、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置の要部構成を示す。図示のものは、電子写真方式のタンデム型カラー画像形成装置である。中間転写体を用いずに、記録媒体である用紙に直接画像転写を行う直接転写方式のものである。
図中符号10は、無端ベルト状の搬送ベルトである。搬送ベルト10は、図示例では駆動ローラ12と従動ローラ13間に掛けまわして図中反時計まわりに回転走行可能に設ける。もちろん、搬送ベルト10を掛けまわすローラは、2つに限らず、別途搬送ベルト10の片寄りを調整するローラや、テンションローラなど、3つ以上のローラに掛けまわすようにしてもよい。
搬送ベルト10のまわりには、駆動ローラ12と従動ローラ13間に張り渡した水平部分上に、搬送ベルト10の走行方向に沿って順に、ブラック・マゼンタ・イエロ・シアンの4つの作像ステーション15K・15M・15Y・15Cを横に並べて設置し、タンデム作像装置16を構成する。タンデム作像装置16の上には、図示省略するが、さらに露光装置などが設けてなる。
搬送ベルト10とタンデム作像装置16間には、搬送ベルト10の反時計まわりの走行とともに図中右から左へと、用紙17を搬送する用紙搬送路Pを形成する。用紙搬送路Pに沿って、上流には図示しないレジストローラを配置し、下流には定着装置18を設置する。
4つの作像ステーション15K・15M・15Y・15Cは、それぞれ図2に示すような同一の構成をなす。
図中符号20は、ドラム状の像担持体である感光体である。感光体20のまわりには、左上方に配置する帯電装置21から図中矢示する回転方向に順に、現像装置22、転写装置23、クリーニング装置24、除電装置25などを配置する。
ところで、帯電装置21は、図示例では帯電チャージャを用いる非接触帯電方式を採用したが、もちろん帯電ローラを用いる接触帯電方式を採用してもよい。現像装置22は、この例では、キャリア26とトナー27とからなる二成分現像剤を使用し、それを現像スリーブ28で担持して感光体20にトナー27のみを付着し、感光体20上の静電潜像を可視像化する。
また、転写装置23は、図示例では非接触のコロナチャージャ方式を採用し、搬送ベルト10を挟んで感光体20に対向するように配置するが、非接触のコロナチャージャ方式の他に導電性ブラシや転写ローラなどを用いることもできる。クリーニング装置24には、クリーニング部材として、クリーニングブラシ30と、クリーニングブレード31を設ける。そして、クリーニングブラシ30やクリーニングブレード31で掻き落としたトナーは、不図示の回収スクリュやトナーリサイクル装置で現像装置22に回収して再利用することができる。除電装置25としては、例えば除電ランプを用いる。
そして、感光体20の時計まわりの回転とともに、感光体20の表面を帯電装置21で一様に帯電し、不図示の露光装置で書込み光L(図1ではLk・Lm・Ly・Lc)を照射してそれぞれ感光体20上に静電潜像を形成して後、現像装置22で各色トナーを付着してその静電潜像を可視像化し、各感光体20上に各色の単色トナー画像を形成する。
用紙17は、用紙搬送路Pを通して搬送し、感光体20上に形成した各色トナー画像にタイミングを合わせてレジストローラで搬送ベルト10上に送り込む。そして、搬送ベルト10の走行とともにさらに用紙17を搬送してその搬送する用紙17にそれぞれ転写装置23で、各感光体20上の単色トナー画像を順次転写し、その用紙17上に各色の単色トナー画像を重ね合わせて合成カラー画像を形成する。トナー画像転写後の感光体20は、表面をクリーニング装置24で清掃して後、除電装置25で除電して初期化し、再び帯電装置21からはじまる再度の画像形成に備える。
合成カラー画像を形成した用紙17は、搬送ベルト10で搬送して定着装置18へと導き、その定着装置18で未定着トナーを用紙17に定着して後、不図示の排紙スタック部へと排出する。図1に示すように、定着装置18には、定着ケース33の入口開口から定着ケース33内に用紙17を送り込む入口ローラ34と、定着ケース33の出口開口から出た定着後の用紙17を不図示の排紙スタック部に向けて送り出す出口ローラ35とを備える。
図3には、図1に示すカラー画像形成装置に備える定着装置18の構成を示す。
定着装置18には、定着ケース33内に定着駆動ローラ36と定着従動ローラ37とに掛けまわして無端ベルト状の定着搬送ベルト38を設ける。そして、定着駆動ローラ36の回転により定着従動ローラを従動回転しながら定着搬送ベルト38を図中反時計まわりに走行し、入口ローラ34で定着ケース33内に送り込んだ用紙17を矢示方向に搬送する。
定着搬送ベルト38の上方には、用紙17の搬送方向と直交する方向に細長な定着液タンク40を設ける。定着液タンク40内には、定着液41を収容する。定着液41は、トナーを溶解または半溶解して軟化させる軟化材と、その軟化材を分散または溶解する溶媒とからなる。使い勝手がよく安全に使用することができることから、無臭で、かつ人体に無害なものであることが好ましく、この点から、軟化材としては、脂肪酸エステル、詳しくは直鎖飽和脂肪酸エステル、脂肪族ニ塩基酸エステル、または脂肪族ニ塩基酸ジアルコキシジアルキルエステルなどを用いることが好ましい。また、溶媒は、環境にやさしく、安価であり、無臭無害で、同じく使い勝手がよく安全に使用することができることから、水を用いることが好ましい。所定濃度の軟化材を含む定着液41の未定着トナーに対する濡れ性や、用紙17への浸透速度を制御する目的から、界面活性材を添加することも可能である。
定着液タンク40の上方には、また、定着液吐出手段として超音波トランスデューサ42を、用紙17の搬送方向と直交する方向に複数個並べて設ける。超音波トランスデューサ42は、アルミニウムのような金属を切削加工してつくった振動体であるホーン部材43と、それに接着等により取り付けたピエゾ素子のような圧電素子44とからなる。
ホーン部材43の下には、帯状の吸い上げ部材45の一端を設ける。吸い上げ部材45は、湾曲し、他端を定着液タンク40内の定着液41中に漬けてなる。そして、定着液タンク40内の定着液41を吸い上げて各超音波トランスデューサ42の先端付近まで導く。吸い上げ部材45としては、弾性を有する多孔質材料を使用し、弾性変形可能なスポンジなどを好適に用いることができる。吸い上げ部材45としてスポンジを使用すると、吸い上げ部材45の先端面幅を容易に超音波トランスデューサ42の先端面幅に合わせ、トランスデューサ42の先端面全面から常に一定の範囲に定着液41を安定的に噴霧することができる。
図4には、1つの超音波トランスデューサ42からの定着液吐出状態を示す。
この図4から判るとおり、超音波トランスデューサ42は、ホーン部43を、正方形状のフランジ部46から上下を絞って先端を板状に形成してなり、この例では、搬送する用紙17とほぼ平行になるように設け、ホーン部43の板状の先端部を水平に設置してなる。そして、交流電源47からの電圧を受けて圧電素子44に微妙な振動変位を生じ、その微妙な振動変位をホーン部43で拡大して先端部で最大とする。これにより、定着液タンク40内から吸い上げ部材45で吸い上げてホーン部43の先端面に薄い膜を張った定着液41を、超音波トランスデューサ42によりミスト状として吐出して用紙17に塗布し、その用紙17上の未定着トナー画像を定着する。
この超音波トランスデューサ42により定着液41を吐出するときは、図中矢示するように、定着液吐出方向Aを用紙17の上方の空間に向け、超音波トランスデューサ42により吐出した定着液41が重力により下向きにカーブして用紙17上に落下するように、超音波トランスデューサ42を設置してなる。
このとき、定着液41が用紙17に当たる運動エネルギが大きいと、そのエネルギによって用紙17上の未定着トナー27を飛散して画像乱れを生ずる。このため、運動エネルギをできるだけ少なくすることが好ましい。ここで、運動エネルギをE〔J〕は、滴質量をm、滴速度をvとすると、(1/2)mvとなる。そこで、このことから、運動エネルギEを小さくするには、滴質量mを小さくし、滴速度vを遅くすればよいことが判る。つまり、できるだけ小粒径の定着液滴が、できるだけ遅いスピードでトナーに衝突するようにすればよい。
図示定着装置18によれば、定着液41を直接用紙17に吹き掛けるのではなく、超音波トランスデューサ42により吐出した定着液41が重力によりカーブして用紙17上に落下するようにするので、初速の大きい定着液滴は図中aの軌跡を経て遠くへ、初速の小さい定着液滴は図中bの軌跡を経て近くに落ち、付着位置に差が出て、図5に示すように用紙17上の細長な広い面積sに定着液41が吹き掛けられることとなる。
図6には、上述した定着装置18と同様に、実線矢印で示す用紙17の搬送方向と直交する方向に超音波トランスデューサ42を複数個並べてまっすぐに設置し、各超音波トランスデューサ42の定着液吐出方向Aを用紙17の搬送方向上流側に向けて対向して設けた場合の用紙17に対する定着液付着状態を示す。図示するように、複数の超音波トランスデューサ42により用紙17の幅方向全域の広い面積Sに定着液41が付着される。
このように個々の超音波トランスデューサ42でそれぞれ用紙17上の広い面積sに定着液41を吹き付けるから、図7に示すように飛翔中に定着液滴50が他の定着液滴50と合体して1つになることが少なく、小粒径のまま少ない量で長い時間、用紙17上のトナー27に付着することができる。これに対し、図8に示すように下向きの超音波トランスデューサ42で用紙17に定着液41を直接吹き掛けると、狭い面積s1に定着液滴50を吹き付けることとなるから、図9に示すように定着液滴50が密になって飛翔中に他の定着液滴50と合体して液滴径が大きくなるおそれがある。そして、液滴径が大きくなった定着液滴50が用紙17上に落下すると、用紙17上に付着した定着液41により用紙17上の未定着トナー27が流出して画像乱れを生ずることとなる。
また、上述した図示例のように、定着液吐出方向Aを用紙17の上方の空間に向け、超音波トランスデューサ42により吐出した定着液41が重力により下向きにカーブして用紙17上に落下するように、超音波トランスデューサ42を設置すると、定着液滴50の飛翔距離が長くなり、空気の抵抗で速度が落ちることとなる。よって、この点からも、液質量mを小さくし、液速度vを遅くすることにより、前述の運動エネルギEを小さくし、未定着トナー27の移動をなくして画像乱れを解消することができる。
なお、図5に示すように、超音波トランスデューサ42のホーン部43の先端面形状を細長矩形状とすると、トランスデューサ42の先端面全面から常に一定の範囲に定着液41を安定的に噴霧することができる。このとき、先端面の短辺の長さTを5mm以下とすると、電力上のロスを小さくすることができ、長辺の長さBを12mm以下とすると、効率の低下を防止して電力消費を小さくすることができる。
また、上述した例では、定着液吐出方向Aを用紙17の搬送方向の上流側に向けて対向して超音波トランスデューサ42を設置したが、反対に用紙17の搬送方向の下流側に向けて超音波トランスデューサ42を設置してもよい。すなわち、図6に示す用紙17を点線矢印で示す方向に搬送するとき、定着液吐出方向Aがその搬送方向下流側に向くように超音波トランスデューサ42を設置することもできる。
また、超音波トランスデューサ42の定着液吐出方向Aと直交する方向に用紙17を搬送することもできる。例えば図5中点線矢印で示す方向に、用紙17を搬送するようにしてもよい。このようにすると、1つの超音波トランスデューサ42による定着液付着領域sが用紙17の搬送方向と直交する方向に長くなり、用紙17の搬送方向と直交する方向に設ける超音波トランスデューサ42の数を減らすことができる。しかしながら、単位面積当たり必要な液量は変わらないため、超音波トランスデューサ42の個数が少なくなった分、用紙17の搬送速度を落とす、あるいは吐出する定着液の量を増やす必要がある。吐出する定着液の量を増やすときは、例えば図4の水頭Hを小さくしたり、定着液41の粘度を下げたりする方法が考えられる。
さらに、上述した例では、超音波トランスデューサ42を、用紙17の搬送方向と直交する方向に複数個並べて設置したが、例えば図10に示すように、搬送する用紙17の両側にその用紙17の搬送方向に複数個並べて定着液タンク40とともに設置し、両側から各々定着液41を吐出して用紙17に塗布するようにしてもよい。
ところで、この発明では、記録媒体である用紙17の画像面を複数に分割してその分割区分した領域ごとのトナー濃度に応じてその分割区分した領域に個別に定着液41を付着するようにしてもよい。このようにすると、定着すべきトナー量に応じて適度な定着液41を塗布し、安定した定着を行って良好な画像品質を得ることができる。
図11には、そのような定着装置18の概略構成を示す。
図中符号52は、上述した例で用いたと同様な定着駆動ローラ36と定着従動ローラ37と定着搬送ベルト38とからなり、用紙17を搬送する記録媒体搬送手段である。記録媒体搬送手段52は、無端ベルト状の定着搬送ベルト38に、ベルト面に多数の透孔を設け、その定着搬送ベルト38の上側張り渡し部分の内側にベルト面に対向して吸引板53を配置してなる。吸引板53には、吸引ポンプなどを接続し、ベルト面に対向する板面に複数の吸引口を設けてなる。
そして、吸引ポンプなどを作動するとともに定着駆動ローラ36を回転して定着従動ローラ37を従動回転し、定着搬送ベルト38を反時計まわりに回転走行する。これにより、用紙17を上側張り渡し部分上に載せ、吸引ポンプなどで吸引板53の吸引口から定着搬送ベルト38の透孔を通して吸気し、用紙17をベルト面に吸着しながら定着搬送ベルト38の走行とともに矢示方向に搬送可能とする。
このような記録媒体搬送手段52の定着搬送ベルト38上には、上側張り渡し部分のベルト面に上側から対向して画像読取センサ54を設ける。画像読取センサ54は、例えば発光素子と受光素子とからなる反射型の光センサで、定着搬送ベルト38の走行方向と直交する幅方向に複数の画像読取素子を並べて備え、定位置で、搬送する用紙17上のトナー画像を読み取るライン型のものでも、キャリッジ上に搭載して定着搬送ベルト38の走行方向と直交する幅方向に往復動しながら、それに備える画像読取素子で、搬送する用紙17上のトナー画像を読み取るシリアル型のものでもよい。そして、例えば300dpiの解像度で読み取る。
画像読取センサ54には、電気回路で構成した画像濃度判定手段55を接続する。そして、画像読取センサ54の出力信号を画像濃度判定手段55に入力し、画像面を複数に分割してその分割区分した領域ごとの画像濃度を判定する。例えば、画像面の1ラインを300dpiに分割して各画像濃度に応じて分割区分した領域を非画像部、ハイライト画像部、ベタ画像部に分け、さらにベタ画像部を1次色と2次色以上に分け、合計4種類の画像濃度状態に分類する。
画像濃度判定手段55には、電気回路で構成した定着液吐出制御手段56を接続する。そして、画像濃度判定手段55の出力信号を定着液吐出制御手段56に入力し、画像濃度判定手段55の濃度判定結果に基づき、分割区分した領域に対応して定着液の吐出を複数段に分けて制御する。例えば、定着液の吐出量を、「大」「中」「小」と「なし」の複数段に分けて制御する。
定着液吐出制御手段56には、定着液吐出手段である超音波トランスデューサ42を接続する。超音波トランスデューサ42は、例えば上述した例のように、不図示の定着液タンクに接続して設ける。
図11に示す例では、用紙17上のトナー画像を直接画像読取センサ54で読み取り、その画像読取センサ54の出力信号を画像濃度判定手段55に入力したが、用紙17に転写される前の感光体20上のトナー画像を画像読取センサで読み取り、その画像読取センサの出力信号を画像濃度判定手段55に入力するようにしてもよい。
そして、画像読取センサ54で読み取った用紙17上の読取ラインが、超音波トランスデューサ42の定着液付着領域に移動してきたタイミングに合わせて、順次定着液吐出制御手段56の吐出制御に基づき、分割区分した領域ごとに分けて吐出量を加減して超音波トランスデューサ42から定着液を用紙17に向けて吐出する。例えば、分割区分した領域に対応して4種類の画像濃度状態に合わせ、定着液を、吐出なし、小径滴、中径滴、大径滴の4段階に打ち分ける。
定着装置18では、以上のように、画像面を複数に分割してその分割区分した領域ごとの画像濃度を判定し、その濃度判定結果に基づき分割区分した領域に対応して定着液の吐出を複数段に分けて制御し、その吐出制御に基づき分割区分した領域ごとに定着液を用紙17に向けて吐出し、その定着液を付着することにより軟化材で未定着トナーを溶解または半溶解して用紙17上に定着する。その後、常温で放置して乾燥してもよいし、送風したり加熱したりして強制的に乾燥するようにしてもよい。
これにより、例えば300dpiに区分された未定着トナー画像領域のトナー量に対応して定着液の付与量を制御することが可能となるが、小径滴の吐出量はハイライト画像部の未定着トナーを十分軟化するように、また中径滴、および大径滴の吐出口量は1次色と2次色以上の未定着トナーを十分軟化するように選定される。その結果、未定着画像のトナー量に応じた定着液の付与が可能となって、未定着トナーに対するトナー溶解または半溶解度合いの過不足がなくなり、定着すべきトナー量に応じて適度な定着液を塗布し、安定した定着を行って良好な画像品質が得られる。
さて、図12に示すように画像読取装置57の出力信号を画像濃度判定手段55に入力するようにすることもできる。このようにすると、画像濃度判定手段55で、画像面を複数に分割してその分割区分した領域ごとの画像濃度を判定し、画像濃度判定手段55の出力信号を定着液吐出制御手段56に入力して、画像濃度判定手段55の濃度判定結果に基づき、分割区分した領域に対応して定着液の吐出を複数段に分けて制御し、定着液吐出制御手段56の吐出制御に基づき超音波トランスデューサ42で、分割区分した領域ごとに定着液を用紙17に向けて吐出し、その定着液を付着することにより軟化材で未定着トナーを溶解または半溶解して用紙17上に定着することができる。
また、図13に示すように、ホストまたは別のファクシミリからの印字データを画像濃度判定手段55に入力し、画像面を複数に分割してその分割区分した領域ごとの画像濃度を判定し、その濃度判定結果に基づき、分割区分した領域に対応して定着液の吐出を複数段に分けて制御し、その吐出制御に基づき超音波トランスデューサ42で、分割区分した領域ごとに定着液を用紙17に向けて吐出し、その定着液を付着することにより軟化材で未定着トナーを溶解または半溶解して用紙17上に定着することもできる。
カラー画像形成装置の要部構成図である。 そのカラー画像形成装置に備える1つの作像ステーションまわりの拡大構成図である。 図1に示すカラー画像形成装置に備える定着装置の構成図である。 その定着装置に備える1つの超音波トランスデューサからの定着液吐出状態を示す図である。 その斜視図である。 複数の超音波トランスデューサからの定着液吐出状態を示す図である。 超音波トランスデューサから吐出した定着液滴が落下して用紙に付着する状態を示す図である。 超音波トランスデューサを用紙に向けて設置した状態を示す斜視図である。 そのときの超音波トランスデューサから吐出した定着液滴が落下して用紙に付着する状態を示す図である。 図1に示すカラー画像形成装置に備える定着装置の他例を示す斜視図である。 定着装置のさらに他例の概略構成図である。 定着装置のまたさらに他例の概略構成図である。 定着装置のまたさらに他例の概略構成図である。
符号の説明
17 用紙(記録媒体)
18 定着装置
20 感光体(像担持体)
40 定着液タンク
41 定着液
42 超音波トランスデューサ(定着液吐出手段)
45 吸い上げ部材
54 画像読取センサ
55 画像濃度判定手段
56 定着液吐出制御手段
57 画像読取装置
A 定着液吐出方向
T 長辺の長さ
B 短辺の長さ

Claims (1)

  1. 定着液吐出手段により定着液を吐出して記録媒体に塗布し、その記録媒体上の未定着トナー画像を定着する定着装置において、
    前記定着液吐出手段として、前記定着液を霧状態として吐出する超音波トランスデューサを用い、
    前記超音波トランスデューサは、
    先端面形状を細長矩形状とし、その短辺の長さを5mm、長辺の長さを12mmとして、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に複数個並べて設置し、
    その超音波トランスデューサの定着液吐出方向を前記記録媒体の上方に向け、その超音波トランスデューサにより吐出した霧状態の定着液が重力によりカーブして前記記録媒体上に落下するように設置し、
    かつ、前記記録媒体の画像面を複数に分割してその分割区分した領域ごとの画像濃度を判定する画像濃度判定手段と、その画像濃度判定手段に基づき前記分割区分した領域に対応して前記定着液の吐出を複数段に分けて制御する定着液吐出制御手段とを備え、その定着液吐出制御手段に基づき前記分割区分した領域ごとに、前記超音波トランスデューサを用いて前記定着液を前記記録媒体に向けて吐出することを特徴とする、定着装置。
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