JP2014141710A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】同時にプラズマ処理された多数のワークの品質を均一なものにすることを可能とするプラズマ処理装置を提供することを目的としている。
【解決手段】誘導加熱コイル5、高周波プラズマ発生電極7、加熱用高周波発振器9、プラズマ用高周波発振器10とからなるプラズマ処理を行うワーク処理部8と、ワーク処理部8が100並べ設けられたものである、ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100と、ワークセット部4を有してなるチャンバー形成体12、このチャンバー形成体12とチャンバー閉じ状態にできかつチャンバー開放状態にできる、ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100を有してなるチャンバー形成体13とからなるチャンバー14と、全のワークセット部4に未処理ワーク2Nを自動的に一斉に供給するワークセット手段25と、処理済みワーク2Tを自動的に一斉に取り出すワーク取り出し手段26とからなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ処理装置に関する。
(1)従来の鉄鋼やアルミ、チタンなどのプラズマ処理(例えば、プラズマ窒化加熱処理)においては、プラズマ窒化炉内に設置された負電圧が印加される載物台(例えば、特許文献3の表面改質処理用治具10)に、多数のワーク(例えば自動車用エンジンバルブの場合、2000〜3000)を積み込んで一つの密閉した炉内に多数のワークを収納し、真空引きをし、窒素ガスを注入し、全てのワークが目標温度に加熱されるように、炉温度をゆっくりと上昇させることによってワーク全部を所定の温度まで昇温させて、多数のワークを載置した前記載物台に負電圧を印加することで全ワークを陰極にし、通電し前記陰極のワークと陽極の炉筐体(チャンバー)との間でグロー放電を発生させることにより、窒素ガスがプラズマ状態でイオン化されてワークの表面に窒化処理(窒化層を形成)を、一括して行う(以下、「バッチ式」という)が知られている。(例えば、特許文献3)
(2)プラズマ窒化炉内全体をヒーターなどによって昇温速度3℃/分というゆっくりとした昇温速度で、窒化処理温度550℃(鉄鏃系合金ワークの場合の目標温度)までワークを昇温して行くものであるため、本願の図10の下図(従来技術)に示すように、550℃までの昇温時間が120分はかかるものであった。(例えば、特許文献1、特許文献2)
特開2004-204355号公報 特開2006-213997号公報 WO2006/109540号公報
従来の鉄鋼などのプラズマ窒化処理においては、バッチ式(ロット処理方式)にして大量生産に対応している。バッチ式とされる最大理由は「1個のワークの処理に多くの時間がかかる」ことにあり、ワークを1ロットにまとめて大量に一度に処理し、ワーク1個当たりのコストパフォーマンスをよくする考え方である。
バッチ式は、ワーク1個でも1ロット、1000個でも1ロットであり、処理時間が変わらないのが大きな特徴である。見掛け上、ロット数で割るので、1個あたりの処理時間やコストが小さく見えるので、ロットの数を増やせればコストパフォーマンスは良くなる。しかし、ロット数を増やすと設備が大型化するので、初期コストがかさむばかりでなく、大型化による品質管理の難しさも増大する。また一旦、処理不良が発生するとその影響はロット全体に及ぶので、大きな無駄や経済的損失のリスクが発生しやすい。
故障した場合には、炉そのものの使用が不可能になるので、生産が全くできなくなるものである。
また、連続生産(ライン生産)や多品種の少量生産や、研究開発のための実験のような個別処理や少量生産には向いていない。
従来の技術は、ワークを窒化温度まで加熱するには、外側からヒーターで窒化炉全体を加熱する外熱型と、炉内に設置されたヒーターによって、ワーク全体を加熱する内熱型とがある。(バッチ式:例えば特許文献1、2、3の技術)これらは、ワークをまとめて窒化温度まで加熱するための方法で、個々のワーク加熱に対応したものではない。どちらにしても熱伝導や輻射による間接加熱なので、ワークの加熱には時間がかかる。
具体例で説明する。
ワークが直径5.5mm、長さ(高さ)100mmのエンジンバルブ、ワーク積み込み数2000個、外熱型炉、窒化処理温度550℃の処理工程は、1)ワークの積み込み工程→ 2)真空引き工程→ 3)加熱昇温工程→ 4)プラズマ窒化処理工程→ 5)冷却工程→ 6)真空破壊工程→ 7)ワークの取り出し工程であり、具体的には以下のようなものである。
1)ワークの積み込み工程:150分(=全処理時間の28%)。
人手によって、ワークを処理炉内に並べる(積み込み)時間。作業をし易くするため炉外にワーク台を引き出し、これにワークを並べる。(積み込む。)この積み込まれたワークをワーク台丸ごと炉中に収納しプラズマ処理を行う。ワークの積み込みに要する時間はワーク数約2000個で150分(=全処理時間の28%)かかっている。これらの所要時間は、ワークの形状や配置方法などにより大きく異なる。
2)真空引き工程:真空引き時間=10分(=全処理時間の1.8%)。
ワーク台を丸ごと処理炉(真空チャンバー)に入れ、蓋を閉じ、炉内を真空ポンプで排気する時間。残留酸素や、不要ガス成分をなくすため一旦高真空引きし、窒素ガスで置換、洗浄などを行い本処理に備える。真空引き処理が完全に終わってからでないとワークが酸化して、プラズマ処理が正常に行えない恐れがある。真空排気時間:10分(=1.8%)
3)加熱昇温工程:窒化温度550℃までの加熱時間=120分(=全処理時間の22%)。
ワーク材料の内部に処理ガスの元素が拡散・浸透するためには、所定の温度(窒化処理では窒化温度と呼ぶ)が必要である。この温度は、材料に関し外部から与えることが出来る唯一のパラメーターであり、材料成分や処理仕様に密接に関係し重要である。この温度(550℃)に達するまでの時間に120分(=22%)かかっている。
4)プラズマ窒化処理工程:60分(拡散時間含む)(=全処理時間の11%)。
窒化処理の場合には、決められた窒化仕様になるよう、あらかじめ実験などで求めおいた諸条件、即ち、炉内圧力を一定とし、また窒化温度に保ち、窒素と水素ガス、あるいはアンモニアガスなどを一定流量で流しながら、プラズマを点火させ、処理を行う。この時間が60分(=11%)
5)冷却工程:冷却時間=45分(=全処理時間の8.3%)。
プラズマを消灯、加熱を止めワークが酸化しない温度(約250℃)まで冷えるのを待つ時間:約45分(=8.3%)
6)真空破壊工程:5分(=全処理時間の0.9%)。
炉が冷えたので、炉に大気を流入させ、真空扉(蓋)を開けるようにするまでの時間:5分(=0.9%)
7)ワークの取り出し工程:150分(=全処理時間の28%)。
ワーク台ごと炉外に出して、ワークの取出し、専用のトレイなどに移設を行う作業時間。ワーク数約2000個で150分(=全処理時間の28%)かかっている。これらの時間は、ワークの形状やトレイ、収納箱などにより若干左右される。
前記1)→7)での、バッチ式の1回の総合的な処理時間は、540分=9時間かかることになる。
一度に2000個処理するので、1個あたりは9時間(32400秒)÷2000=16.2秒/1個という計算になる。9時間ごとに1回、2000個を処理するこの生産方法は、とうてい連続生産ラインに組み込むことは難しい。
これらの所要時間を考察してみると
まず、プラズマ処理は、炉内にワークを任意に配置すると処理にバラツキが生ずるので、あらかじめ実験などで決めた場所にワークを置かなければならない。専用治具などを用いたり、吊るしたり、これらが棚状になって多段となったりしているので、積み込みや取出しには時間を要す。また、一度に多くの作業者が取り掛かるのも難しく、機械化も図りずらいので専ら手作業となり、この作業時間を短縮するのは難しい。このため、同じワーク台を2基用意して交互に使用し、稼働率を上げている例もある。
この例では、ワークの積み込みに150分、取出しに150分かかっているので、全体時間の28+28=56%を占めている。
ワークの積み込みや取出しは、機械化よりも人手の方が柔軟に対応でき、また、ワーク数が多ければ、多く時間がかかっても止むを得ないと考えられている。
ワークの加熱・冷却時間は、120+45=165分を要している。
金属のプラズマ処理において、雰囲気(気圧、ガス種、配合比など)やプラズマの諸条件(周波数、電圧、電力など)は、材料の外部から与える重要なパラメーターであるが、拡散浸透など材料内部に関する条件は、外部より加熱する材料温度の制御が唯一のパラメーターである。この処理温度は、材料や含まれる合金成分によっても異なるが、一般的には高温であるほど、拡散浸透速度が速くなることが知られている。例えば鉄鋼材料などでは400〜600℃、アルミ合金材料では300〜500℃が窒化処理に必要な温度といわれている。
そこで、処理温度を与えるため、真空炉内にヒーターを設置した内熱型プラズマ処理装置と、外から真空炉全体を加熱する内熱型プラズマ処理装置とがある。
内熱型は、ヒーターが真空中即ち処理雰囲気中に晒されるので、加熱されたヒーターから飛散する材料成分元素がプラズマ化され、目的とするプラズマ処理に悪影響をあたえるおそれがある。それゆえ、飛散の恐れの少ない低温処理用途に適用するか、高温処理ならば、特殊な加熱構造、あるいはヒーター材料等を用いる必要がある。
一方、外熱型は、ヒーター材料成分の飛散はなく、高温処理まで使えるが、真空容器を丸ごと加熱させるので大きなヒーター、電力を必要とし、加熱にはとても時間がかかる。さらに真空容器の耐熱性や寿命、シールの耐熱化なども考慮せねばならない。
内熱型、外熱型のどちらにしても、昇温時間を短くしようとして、ヒーター能力を上げると、炉壁やヒーターの寿命、炉内の温度差拡大による処理のバラツキ、電源のコストアップなどの問題が生ずる。
また、冷却時においても炉は保温され熱が逃げないようにしているので、炉を冷すにはとても時間がかかる。強制的に窒素などを用いて冷却を速めようとすると、やはり急激な温度差による炉壁の傷みや、冷却剤など冷却に余分にコストがかかるなどの問題が生じる。加熱・冷却のいずれにしても、短時間で炉の温度を制御するのは不可能であり、しかも得策でない。
ここでも、加熱・冷却に要する時間は、ロットの数で割れば1個あたりの見掛け上の時間は少なくて済む計算なので、多少時間がかかっても、むしろ時間をかけた方が品質的に安全・安定で、炉の寿命においても有利であるとの考え方の傾向にある。
正味の窒化処理時間は、60分である。
窒化層の厚みなどの所望する処理仕様により窒化時間は左右されるが、バッチ式の処理では、炉内のワークの数には左右されない。ワーク1個でも100個でも同じ処理時間が必要である。それゆえバッチ式の処理では、出来るだけ多くのワークを積み込む方がコスト的には有利である。所定のロット数に満たない場合はコスト的に不利になるばかりでなく、処理条件を不足ロット数に合わして運転する必要があるので、ワークがロット数に達するまで運転をことがある。
処理仕様として、例えば窒化層厚さが100μm必要との仕様ならは、現在の技術では数時間以上の窒化時間が必要であり、このエンジンバルブの例のように60分程度で済む処理仕様のものも多くある。
加熱・冷却の時とおなじように、炉内のプラズマ密度を低く抑え、時間をかけた処理の方が万遍なく均一に処理できるので、品質的に均一・安全・安定のため、ここでも多少時間がかかってもよいとの考え方の傾向にある。
その他の時間として、真空引き、真空破壊時間は、真空チャンバーの大きさ、排気装置とのバランスや、前処理の方法や到達真空度によっても左右される。
以上の例が示すように、正味60分の窒化処理にあっても、これに付随する一連の作業時間をトータルすると、9時間という圧倒的長時間がかかっている。このようなバッチ式の窒化処理システムは、一度に大量の処理が出来、コスト的に有利ではあるが、1回の処理単位が大きいので不良発生時のリスクが大きく、自動化、ライン化することは難しく、どこかが故障するとまったく生産ができなくなり、また少量生産には全く向いていない。
また、チャンバーに収納処理するワーク数を少なくすると、処理条件が異なることになり、均一な品質の窒化層が形成できないという問題が生じるので、少量生産や生産調整が行い難い。
本発明は以上のような従来技術の欠点に鑑み、同時にプラズマ処理された多数のワークの品質(例えば、プラズマ処理によって形成された窒化層の品質)をバラつきが小さい均一なものにすることを可能とし、不良品の発生を最小限にすることを可能し、かつ、少量生産にも対応することを可能とするプラズマ処理装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は次に述べるような構成となっている。
<請求項1記載の発明>
第1のチャンバー形成体と、
第2のチャンバー形成体と、
前記第1のチャンバー形成体と前記第2のチャンバー形成体とを備えるとともに、 前記第1のチャンバー形成体および前記第2のチャンバー形成体あるいはいずれか一方を開放可動させてチャンバー開放状態とでき、かつ、前記第1のチャンバー形成体および前記第2のチャンバー形成体あるいはいずれか一方を閉じ可動させてチャンバー閉じ状態とできるチャンバーと、
前記第1のチャンバー形成体に設けられたワークをセットするワークセット部と、
このワークセット部にセットされた前記ワークに誘導電流を誘導させて該ワークを加熱する、前記第2のチャンバー形成体に設けられた誘導加熱コイルと、
この誘導加熱コイルに加熱用高周波電力を供給する加熱用高周波発振器と、
前記第2のチャンバー形成体に設けられた高周波プラズマを発生させるための高周波プラズマ発生電極と、
この高周波プラズマ発生電極にプラズマ用高周波電力を供給するプラズマ用高周波発振器と、
前記チャンバー内の空気を真空引きするための真空ポンプと、
前記チャンバー内に処理ガスを供給するガス供給手段とを備えるとともに、
前記誘導加熱コイルと高周波プラズマ発生電極を、前記ワークの前記ワークセット部へのセットおよび取り出しの邪魔にならない位置に離した状態である前記チャンバー開放状態にし、
前記ワークセット部に未処理ワークをセットし、
前記チャンバー閉じ状態にし、
必要に応じて前記真空引きを行い、
前記誘導電流によって前記未処理ワークを所定温度まで昇温し、
前記処理ガスを供給し、
前記高周波プラズマを発生させて前記未処理ワークをプラズマ処理して処理済みワークを形成することを可能とし、
前記チャンバー開放状態にして前記処理済みワークを取り出すことを特徴とするプラズマ処理装置である。
<請求項2記載の発明>
高周波プラズマ発生電極が双極子電極であり、加熱用高周波発振器およびプラズマ用高周波発振器の両方があるいはいずれか一方が自励式であり、前記加熱用高周波発振器および前記プラズマ用高周波発振器があるいはいずれか一方がプリント基板の形態で実装形成され、かつ、前記プリント基板が着脱自在形態で設けられてなることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
<請求項3記載の発明>
誘導加熱コイル、高周波プラズマ発生電極、加熱用高周波発振器、プラズマ用高周波発振器をワーク処理部とし、
このワーク処理部からなる第1のワーク処理部〜第nのワーク処理部を第2のチャンバー形成体に設け、
ワークセット部からなる第1のワークセット部〜第nのワークセット部を第1のチャンバー形成体に設け、
チャンバー開放状態で、前記第1のワークセット部〜第nのワークセット部にワークである第1のワーク〜第nのワークを自動的に一斉に供給するワーク供給手段を設け、
前記チャンバー開放状態で、前記第1のワークセット部〜第nのワークセット部にセットされている第1のワーク〜第nのワークを自動的に一斉に取り出すワーク取り出し手段を設けてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置である。
「ワーク供給手段」と「ワーク取り出し手段」は別手段形態のもの、一つの手段が兼務する形態のものを含む。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
<請求項1記載の発明の効果>
(1)誘導加熱は、ワークに誘導電流を流して発熱させる直接加熱であり、ヒーターによる輻射や熱伝導などの間接加熱とは違い、ワークのみの短時間加熱が可能であるばかりでなく、外熱型炉のようにチャンバーなど余分なところを加熱しないで済むのでエネルギー的にも省エネで、ワークのみを冷却すればよいので冷却も早く済むのが大きな特徴である。
例えば、本発明の実施例1および図10に示すグラフのように、直径5.5mm、長さ(高さ)100mmのエンジンバルブは、誘導加熱条件(条件:400kHz、500w)で、550℃までの昇温を20秒(0.33分)以下の昇温時間で行うことができる。
また、冷却時間は550℃から250℃までの冷却を90秒(1.5分)以内の冷却時間で行うことができる。
すなわち、昇温と冷却に必要な時間は110秒(1.83分)程度であるから、550℃までの昇温に120分、冷却に20分の合計140分かかる従来のプラズマ処理装置に比べて、その1.83/140(≒1/177)という短い昇温冷却処理時間を実現するという効果を奏する。
(2)前記(1)によって、従来のバッチ式の窒化処理時間は、合計200分(昇温に120分+窒化に60分+冷却に20分)かかっていたのが、本発明の実施例1では、62分弱(昇温に20秒+窒化時間60分(とりあえず従来の処理時間とする)+冷却に90秒)となるので、全体として従来の3分の1以下となるので、全体としても大幅な処理時間の短縮を実現するという効果を奏する。
(3)誘導加熱を用いたワーク加熱なので、単純に加熱処理時間が短くできるばかりでなく、処理するワークが高温にも、低温にも、直ちに移行できるので、例えば、材料に対する窒化処理温度の与え方の幅が広がり、窒化温度プロファイル操作が可能となるという効果を奏する。
(4)一つのチャンバー内に、誘導加熱コイル、高周波プラズマ発生電極、加熱用高周波発振器、プラズマ用高周波発振器をワーク処理部とし、このワーク処理部からなる複数のワーク処理部(例えば、100連、200連それ以上)を設け、この複数のワーク処理部のそれぞれに対応したワークセット部を設けてなる、多数のワークを同時にプラズマ処理する多数処理型(連結式ないしユニット式)のプラズマ処理装置を可能とするものである。
この多数処理型のプラズマ処理装置にあっては、ワーク個々はそれぞれそれに対応する誘導加熱コイルにより加熱され、かつ、それぞれに対応するプラズマによってプラズマ処理されるものとなるので、一つ一つのワークがばらつきの無い均一な加熱処理条件でプラズマ処理され、よって、一つ一つのワークの例えば形成された窒化層がばらつきの極めて小さい均一性の高い高品質のものにできる。
また、一つのワーク処理部が不良となっても、不良ワークはそこだけでの発生となり、他のワークが不良となることがないので、装置の不良による大量の不良品の発生という事態が起き難いものである。
また、加熱用高周波発振器、プラズマ用高周波発振器はそれぞれ個々を制御可能とすることができるので、例えば、異なった加熱条件、プラズマ条件による試験の実施、太さの異なるワークの同時処理を行うワーク多数処理型を可能とする。
この多数処理型のプラズマ処理装置の作用効果のより詳細については請求項3記載の発明の効果で説明する。
<請求項2記載の発明の効果>
請求項1記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
(1)加熱用高周波発振器およびプラズマ用高周波発振器を自励式の高周波発振器を用いると変換効率も良く、反射電力検知等の余分な装置を必要としないので、非常にシンプルで、安価なプラズマ処理のシステムが構築できる。
(2)プリント基板が着脱自在であるので、故障、仕様変更あるいは保守点検時にもすばやく対応でき、プリント基板を変えての異なる条件(ワークが異なる場合も含む)でのプラズマ処理を容易に実現する。
(3)双極子プラズマ処理は、ワークの両側に双極子電極を配置するプラズマ発生方法なのでプラズマ密度も高く、個別のプラズマ処理には最適であり、例えばワークを自転させれば処理ムラもない高品質の例えば窒化層を形成できるという効果を奏する。
(4)加熱用高周波発振器およびプラズマ用高周波発振器の出力も小型で済む。
例えば、直径5.5mm、長さ(高さ)100mmのエンジンバルブを窒化処理するには、2MHz、50Wのプラズマ用高周波発振器で充分である。上記エンジンバルブを、550℃まで30秒で加熱、またその温度維持には、400KHz、500Wの加熱用高周波発振器で十分である。
両方とも出力が小さいので、プリント基板での実装形態で実現できる。
プリント基板は、ローコストに製作でき簡単に交換できるので、故障、保守点検時にもすばやく対応できる。
さらに、ワークの変更や仕様変更の際起こる、出力や周波数の変更の際にも、基板差し替えなどで対応できるという効果を奏する。
<請求項3記載の発明の効果>
請求項1、2のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、誘導加熱コイル、高周波プラズマ発生電極、加熱用高周波発振器、プラズマ用高周波発振器とでワーク処理部を形成し、このワーク処理部である第1のワーク処理部〜第nのワーク処理部を第2のチャンバー形成体内に設けてなる、複数のワーク処理部をユニット化ないし連結化したプラズマ処理装置であるので、次に述べるような効果を奏する。
(1)第1のチャンバーに設けられた第1のワークセット部〜第nのワークセット部にワークを自動的に一斉に供給するワーク供給手段と、ワークを自動的に一斉に取り出すワーク取り出し手段とによって、全ワークの積み込みや取り出しを例えば10秒以内などのごく短時間で行うことができるので、ワーク移載の機械化・自動化を容易にするという効果を奏する。
従来、ワークセット部にワークを積み込んでチャンバーから出し入れして多くの時間を費やしていたが、本発明では、ワークセット部は移動させずワークのみを一斉同時移載するので大幅に作業時間の短縮が出来、しかも人手を要さないシステムとなる。特に医療器部品のような超小型部品などをプラズマ処理するには都合が良い。
(2)第1のワーク処理部〜第nのワーク処理部で処理されるワークは、それ専用の誘導加熱コイルで加熱し、それ専用の高周波プラズマ発生電極によりプラズマ処理するものであるので、それぞれ個別に行われる正確な温度制御と正確なプラズマ制御により、最適なプラズマ処理条件を個々のワークに与えることで均一な処理品質(例えば、窒化層)が実現できるという効果を奏する。(個別高品質の均一化)
(3)また、処理するワークが少ない場合は、使用しないワーク処理部は作動させず、必要最小限のエネルギー消費で少量生産に対処でき、その処理品質も均一性を保持できるという効果を奏する(少量生産での無駄の排除、省エネ化)。したがって、均一な処理品質を保持しての生産計画、生産調節が省エネルギーで無駄なく効率的に行える。
(4)いずれかのワーク処理部が故障した場合、その故障したワーク処理部へのワークの供給及び運転をやめて、他の正常に動作するワーク処理部でのプラズマ処理を進めることができるという効果を奏する。
(5)例えば、ワーク数100サンプルの温度制御条件の実験結果を同時に行うことができるなど、製造ラインに組み込まれた100連結式のワーク処理部のシステムを、条件探索、研究・実験装置として使用してもすこぶる有効である。
すなわち、例えば窒化条件により100サンプルの実験データーを得るのに、わずか60分程度で得ることが可能であり、従来技術での実験データ取得に要する時間の1/100という速さである。従来技術では長くかかった条件探索時間が大幅に短縮でき、実験・研究サイクルを速めることができるという効果を奏する。
よって、少量多品種にも対応でき、あるいは条件出しや研究開発などに用いると、従来技術では長くかかった例えば窒化実験が大幅に短くでき、研究サイクルを速めることができ、設備が小型でより短時間とできるので研究開発のための実験、多品種対応などでは好都合である。
(6)チャンバーは加熱されないので高温になることがなく、よって工場内の室温を上げないという効果を奏する。
本発明の実施例1の概念図。 本発明の実施例1のチャンバーの閉じ状態を示す断面図。 本発明の実施例1のチャンバーの開放状態を示す断面図。 本発明の実施例1のワークセット手段、ワーク取り出し手段およびチャンバーを示す平面図。 本発明の実施例1のワーク未セットのワーク処理部を示す断面図。 本発明の実施例1のワークをセットした状態のワーク処理部を示す断面図。 本発明の実施例1のチャンバーの開放状態を示す断面図。 本発明の実施例1のワークをセットした状態のワーク処理部を別方向から見た断面図。 本発明の実施例1のノイズ輻射の等価回路図。 本発明の実施例1の処理時間と従来技術の処理時間を示すグラフ。 本発明の実施例2のチャンバーの閉じ状態を示す断面図。 本発明の実施例3のワークをセットした状態のワーク処理部を示す断面図。
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施例について説明する。但し、本発明をこれら実施例のみに限定する趣旨のものではない。また、後述する実施例の説明に当って前述した実施例の同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図1〜図10に示す本発明の実施例1において、プラズマ処理装置1は次に述べるような構成となっている。
エンジンバルブからなる未処理ワーク2Nを1つセットする箇所であり且つ直流電源であるバイアス印加電源3(図9)よりバイアス電圧が印加されて該未処理ワーク2Nを負電圧にバイアスにする回転するように制御されたワークセット部4と、
このワークセット部4にセットされた未処理ワーク2Nを400kHzの高周波誘導加熱によって加熱する中空管内に冷却媒体(一般的には水冷)が流される、未処理ワーク2Nに非接触の近接配置とされた誘導加熱コイル5と(冷却媒体供給部は省略)、
2MHzの高周波プラズマ6を発生させるための双極子電極である、未処理ワーク2Nに非接触の近接配置とされた高周波プラズマ発生電極7と、
誘導加熱コイル5に加熱用高周波電力を供給する加熱用高周波発振器9と、
高周波プラズマ発生電極7にプラズマ用高周波電力を供給するプラズマ用高周波発振器10と、
誘導加熱コイル5、高周波プラズマ発生電極7、加熱用高周波発振器9、プラズマ用高周波発振器10とを備えるプラズマ処理(ここでは、「窒化処理」。)を行うワーク処理部8と、
加熱用高周波発振器9、プラズマ発生用高周波発振器10とからなる高周波部11と、
前記ワークセット部4を回転させるワークセット部駆動手段22と、
前記ワーク処理部8が100並べ設けられたものである、ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100(以下「ワーク処理部100連結」ないし「100連結」ともいう。)と、
ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100に対応した100個のワークセット部4を有してなるチャンバー形成体12、このチャンバー形成体12とチャンバー閉じ状態にできかつチャンバー開放状態にできる、ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100を有してなるチャンバー形成体13とを備えるチャンバー14と、
ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100の個々に対応する、前記高周波部11からなる高周波部11−1〜高周波部11−100と、
前記チャンバー14内の空気を真空引きするための真空ポンプ16と、
前記チャンバー14内に処理ガスを供給するガスボンベ17、ガス調節弁18、ガス供給管19とを備えるガス供給手段20と、
電源部21と、
冷却ポンプ23と、
ワークの温度を計測する温度計測手段24と、
ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100の全てのワークセット部4に未処理ワーク2Nを自動的に一斉に供給するワークセット手段25と、
全ての前記ワークセット部4にセットされている処理済みワーク2Tを自動的に一斉に取り出すワーク取り出し手段26と、
ワークセット時と取り出し時は、チャンバー形成体13を可動させて誘導加熱コイル5と高周波プラズマ発生電極7を、ワーク2のセットおよび取り出しの邪魔にならない位置に離した状態であるチャンバー開放状態にし、プラズマ処理時は閉め状態にするチャンバー開放閉じ手段28と、
バイアス形成直流電源3、ワークセット部駆動手段22、加熱用高周波発振器9、プラズマ発生用高周波発振器10、真空ポンプ16、ガス調節弁18、電源部21、冷却ポンプ23、ワークセット手段25、ワーク取り出し手段26、チャンバー開放閉じ手段28を自動制御する制御部27とを備えている。
チャンバー形成体12にワークセット部4が設けられている。
チャンバー形成体13に誘導加熱コイル5および高周波プラズマ発生電極7が設けられている。
チャンバー形成体13の外側に高周波部11(加熱用高周波発振器9およびプラズマ発生用高周波発振器10)が設けられている。
前記チャンバー形成体12と前記チャンバー形成体13を分離(チャンバー形成体13をチャンバー開放状態)して、
ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100の前記ワークセット部4に、100個の前記未処理ワーク2Nを一斉にワークセット手段25でセットし、
前記チャンバー形成体13を閉め状態とし、
前記チャンバー14内を真空引きし、
前記誘導加熱コイル5に前記誘導加熱用高周波電力を供給して前記未処理ワーク2Nに誘導された誘導電流によって該未処理ワーク2Nを目標温度(ここでは550℃)まで昇温し、
前記チャンバー14内に処理ガス15を供給し、
前記高周波プラズマ発生電極7に前記プラズマ発生用高周波電力を供給して前記高周波プラズマ6を発生させ、
前記未処理ワーク2Nにバイアス電圧を印加し該未処理ワーク2を負電圧にバイアスにしてプラズマ処理(ここでは窒化処理)して処理済みワーク2Tを形成し、
冷却温度まで冷却し、
真空破壊を行い、
前記チャンバー形成体13をチャンバー開放状態にし、
全ての前記処理済みワーク2Tをワーク取り出し手段26で一斉に外に取り出し、
新たな未処理ワーク2Nをワークセット手段25で一斉に各ワークセット部4に供給セットし、
以上の動作処理を自動的に行う。
チャンバー14は導電性部材からなっていて接地され、高周波プラズマ発生電極7は1対の対称電極からなる双極子電極であり、チャンバー14に導電形態で一体化された導電性部材からなるシールドカバー30が設けられ、チャンバー14、シールドカバー30とでシールド体31が形成され、高周波電源部11(プラズマ発生用高周波発振器10および加熱用高周波発振器9)がシールドカバー30内に設けられ、
以上の構成によって、
加熱用高周波発振器9、プラズマ発生用高周波発振器10およびシールド体31内で生ずる高周波によるノイズ輻射が外部に漏れない仕組みを実現している。
プラズマ発生用高周波発振器10および加熱用高周波発振器9の高周波発振器は、マッチングボックスの必要の無い自励式の高周波発振器である。
加熱用高周波発振器9、プラズマ発生用高周波発振器10がプリント基板実装形態で形成され、シールドカバー30内に設けられたそれぞれの専用コネクター(図示せず省略)に着脱自在形式で接続され、交換が容易にできるようにされている。
加熱用高周波発振器9は、300kHz〜2MHzの範囲のプリント基板であれば交換できるようになっている。
また、加熱用高周波発振器9、プラズマ発生用高周波発振器10を冷却するための冷却ファン38が設けられている。
ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100は、それぞれ隣のワーク処理部の高周波プラズマの電気的条件、物理的影響を受けないように、導電性部材からなる仕切部材29(シールド板)によって仕切られ、ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100の電気的条件、物理的条件の独立性が維持されている。
ガス供給管19は、ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100のそれぞれに処理ガス15が供給されるが、それは、チャンバー全体内の処理ガス濃度が所定ガス濃度になるように量が分けられて100箇所のガス供給管19に供給される、それを維持した分量が供給される。
また、ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100のそれぞれにガス濃度計測手段(図示せず省略)を設け、ガス濃度計測手段の検定結果に基づいて、ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100のそれぞれに供給するガス量および供給タイミングを、ガス調節弁18(100個ある)で制御されるようにしてもよい。
ガス供給管19は一つでも、数本でもよい。この場合、ガスの噴き出し箇所は、もっとも早く均一なガス濃度に広がってゆく箇所を特定して設置するのがよい。
ガス濃度計測手段は複数個所ないし全ワーク処理部に設けられ、全ワーク処理部のガス濃度が常に監視され常に所定のガス濃度が維持されるように、ないし全ワークが目標のガス濃度になるように制御されている。
全ワーク処理部のガス濃度が常に監視され、全ワーク処理部が所定のガス濃度になった状態にして、プラズマ処理を開始するようにするのがよい。
誘導加熱コイル5と高周波プラズマ発生電極7への電力供給は、相互干渉がある場合には、誘導加熱コイル5への誘導加熱用高周波電力が供給されている間は、高周波プラズマ発生電極7へのプラズマ発生用高周波電力は停止され、高周波プラズマ発生電極7へのプラズマ発生用高周波電力が供給されている間は、誘導加熱コイル5への誘導加熱用高周波電力は停止される。
高周波プラズマ発生電極7、誘導加熱コイル5への電力の供給時間および停止時間は、ワーク2が直径5.5mm、長さ(高さ)100mm、フェース部の直径30mmのエンジンバルブであるばあいは、0.5秒〜5秒程度である。
高温処理のワーク加熱時にも、誘導加熱コイル5はコイル内を流れる冷却などの冷却媒体によって冷却され、低温に保たれているので、プラズマ中に晒されても、コイル材料成分の飛散が少ない、よって、ワークへのコイル成分による悪影響が極めて少なくできる。
具体例で説明する。
ワーク2は直径5.5mm、長さ(高さ)100mm、フェース部の直径30mmのエンジンバルブであり、誘導加熱電力は400kHz、500W ないし150Wであり、プラズマ発生電力は2MHz、30Wないし、50Wである。
加熱用高周波発振器はワークの大きさ、材質に応じて決めるのがよい。
400kHz、500Wの誘導加熱でのワーク2の550℃までの昇温時間は20秒以下である。また、ワーク2の550℃から250℃までの冷却時間は90秒以下である。
処理時間の合計は、62分弱(昇温に20秒+窒化時間60分(とりあえず従来の処理時間とする)+冷却90秒)であり、従来のバッチ式の3分の1以下(合計200分(昇温に120分+窒化に60分+冷却20分))である。
さて、窒化処理時間がトータルで3分の1以下になったので、1個1個処理するワーク処理部を100連結ユニット形態(窒化処理部8−1〜窒化処理部8−100)にして運転とする計算をしてみる。計算の都合上62分を60分とする。
従来のバッチ式(2000個チャージ)は、積み込み作業時間や処理時間から1日、1回または2回の処理稼働となるので、1日に2000〜4000個の処理数が得られる。
一方、窒化処理部8−1〜窒化ワーク処理部8−100の100連結システムのプラズマ処理装置1では、自動化された製造ラインに組み込んで24時間無人稼働とするので、1日に100×24=2400個の処理数が得られる。
窒化時間は従来の60分のままで計算しているが、双極子プラズマではこの実質の窒化時間の短縮が可能見込みなので、仮に60分が50分になったとすると、2400個の処理数を得るのに84連結となる計算である。このような分散化システムでは、当然のことながら、この窒化処理全体の時間が、生産性や連結数(イニシャルコスト)に直接に影響を及ぼす。
処理ユニット単独のみの稼働もできるので、最低1本から処理対応が可能である。(もちろん処理時間60分は必要である。)
さらに、100個ごとの連結運転であっても、窒化処理は1個ごとに窒化処理条件の監視および調節して行うことができるので、窒化層品質バラつきの小さい均一性を実現し、この均一への調整制御は容易に行える。
ワークセット部4が回転するようにバイアス電圧が印加される回転軸45に支持され、この回転軸45に永久磁石からなる回転子46がチャンバー14の下方に突出した突出部47内に設けられ、この突出部47の外周に回転子46を回転させる電磁石48を設けてモータからなるワークセット部駆動手段22を形成している。
チャンバー14内に該チャンバー14と絶縁状態でダミー電極50を設けている。
ダミー電極50にバイアス電圧を印加するようバイアス形成直流電源3に接続し、バイアス形成直流電源3の電圧印加をダミー電極50とワークセット部4に切り替える切替スイッチ51)を設けている。
切替スイッチ51をダミー電極50側にするとプラズマ中の+イオンは、アース(電位0)されているワークセット部4およびセットされたワーク2に向かわず、負電極となっているダミー電極50に吸い寄せられることになる。
不要なイオンの混入を防ぐばかりでなく、その付着させる量の制御がしやすい。またチャンバー内清浄のための一旦真空引き作業をなくすことができる。
40は真空計、41は圧力調節バルブ、42はシール、44は覗き窓である。
チャンバー13のシール42の近くには加熱によってシール42が損傷しないようにするための冷却媒体が流れる冷却路43が設けられている。
医療器部品のような超小型部品(例えば、注射針)などの誘導加熱には、2MHzの高周波を使用するのが良い。
チャンバー開放状態は、チャンバー形成体12とチャンバー形成体13を開放可動させてあるいはいずれか一方を開放可動させて行う形態であれば実現され、チャンバー閉じ状態は、チャンバー形成体12およびチャンバー形成体13を閉じ可動させてあるいはいずれか一方を閉じ可動させて行う可動形態であれば実現される。
図11に示す本発明の実施例2において前記実施例1と主に異なる点は、ワークセット部駆動手段を、一つの駆動モータ52と、各回転軸45に設けたスプロケットやプーリなどの回転伝達手段53と、この回転伝達手段を連絡して回転動力を伝えるチェーンやベルトなどの動力伝達手段54とからなるワークセット部駆動手段55を形成した点にある。
駆動モータ52を複数(例えば、10台とし1台が10台のワークセット部4を駆動)とするのもよい。
図12に示す本発明の実施例3において前記実施例1と主に異なる点は、ワークセット部4と高周波プラズマ発生電極7を挟む形態で、ワーク2を1つセットするワークセット部57が設けられ、このワークセット部57にセットされたワーク2を誘導加熱する誘導加熱コイル58が設けられ、この誘導加熱コイル58に誘導加熱用高周波電力を供給する加熱用高周波発振器59が設けられてなるプラズマ処理装置60を形成した点にある。
ワーク処理部8−1〜ワーク処理部8−100の100連結形態で、プラズマ処理装置1の2倍の処理能力を実現する。
誘導加熱コイル5および誘導加熱コイル58への誘導加熱用高周波電力の供給は加熱用高周波発振器9の一台で行うのがよい。具体的には、誘導加熱コイル5および誘導加熱コイル58はコイルを長くして形成した同コイルによるものとする。
このように、一本の誘導加熱コイルの曲り形態と一つの加熱用高周波発振器によって、2〜6個の例えばエンジンバルブの窒化処理が可能である。
さらに、誘導加熱コイルの作り方により、例えば、一つの誘導加熱コイルで複数(あまり多くない複数)のワークを同時に加熱するワークコイル形態も実現できるので、複数ワーク(2〜6個くらいまで)の同時加熱も可能であり、また双極子電極の配置により複数ワークのプラズマ処理も可能であり、また、ワーク移載も、チャンバーが開いたとき周囲に機械的干渉物がないようにいくらでも離すことが可能であるので、複数(2〜6個)の同時移載も可能なので、このようにした複数ワークの同時プラズマ処理も実現可能である。「ひとつひとつ個別の処理」との表現からは若干逸脱するが、このような形態も本発明の技術的範疇に含まれるものである。
本発明は、主にプラズマ処理装置を製造工程ラインに組み込んで使用する産業で利用される。
1:プラズマ処理装置、
2:ワーク、
2N:未処理ワーク、
2T:処理済みワーク、
3:バイアス形成直流電源、
4:ワークセット部、
5:誘導加熱コイル、
6:高周波プラズマ、
7:高周波プラズマ発生電極、
8、8−1〜8−100:、ワーク処理部
9:加熱用高周波発振器、
10:プラズマ発生用高周波発振器、
11、11−1〜11−100:高周波部、
12:チャンバー形成体、
13:チャンバー形成体、
14:チャンバー、
15:処理ガス、
16:真空ポンプ、
17:ガスボンベ、
18:ガス調節弁、
19:ガス供給管、
20:ガス供給手段、
21:電源部、
22:ワークセット部駆動手段、
23:冷却ポンプ、
24:温度計測手段、
25:ワークセット手段、
26:ワーク取り出し手段、
27:制御部、
28:チャンバー開放閉じ手段、
29:仕切り部材、
30:シールドカバー、
31:シールド体、
33:プラズマ発生側昇圧トランス、
34:中位点、
38:冷却ファン、
40:真空計、
41:圧力調節バルブ、
42:シール、
43:冷却路、
45:回転軸、
46:回転子、
47:突出部、
48:電磁石、
50:ダミー電極、
51:切替スイッチ、
52:駆動モータ、
53:回転伝達手段、
54:動力伝達手段、
57:ワークセット部、
58:誘導加熱コイル、
59:加熱用高周波発振器、
60:プラズマ処理装置。

Claims (3)

  1. 第1のチャンバー形成体と、
    第2のチャンバー形成体と、
    前記第1のチャンバー形成体と前記第2のチャンバー形成体とを備えるとともに、 前記第1のチャンバー形成体および前記第2のチャンバー形成体あるいはいずれか一方を開放可動させてチャンバー開放状態とでき、かつ、前記第1のチャンバー形成体および前記第2のチャンバー形成体あるいはいずれか一方を閉じ可動させてチャンバー閉じ状態とできるチャンバーと、
    前記第1のチャンバー形成体に設けられたワークをセットするワークセット部と、
    このワークセット部にセットされた前記ワークに誘導電流を誘導させて該ワークを加熱する、前記第2のチャンバー形成体に設けられた誘導加熱コイルと、
    この誘導加熱コイルに加熱用高周波電力を供給する加熱用高周波発振器と、
    前記第2のチャンバー形成体に設けられた高周波プラズマを発生させるための高周波プラズマ発生電極と、
    この高周波プラズマ発生電極にプラズマ用高周波電力を供給するプラズマ用高周波発振器と、
    前記チャンバー内の空気を真空引きするための真空ポンプと、
    前記チャンバー内に処理ガスを供給するガス供給手段とを備えるとともに、
    前記誘導加熱コイルと高周波プラズマ発生電極を、前記ワークの前記ワークセット部へのセットおよび取り出しの邪魔にならない位置に離した状態である前記チャンバー開放状態にし、
    前記ワークセット部に未処理ワークをセットし、
    前記チャンバー閉じ状態にし、
    必要に応じて前記真空引きを行い、
    前記誘導電流によって前記未処理ワークを所定温度まで昇温し、
    前記処理ガスを供給し、
    前記高周波プラズマを発生させて前記未処理ワークをプラズマ処理して処理済みワークを形成することを可能とし、
    前記チャンバー開放状態にして前記処理済みワークを取り出すことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 高周波プラズマ発生電極が双極子電極であり、加熱用高周波発振器およびプラズマ用高周波発振器の両方があるいはいずれか一方が自励式であり、前記加熱用高周波発振器および前記プラズマ用高周波発振器があるいはいずれか一方がプリント基板の形態で実装形成され、かつ、前記プリント基板が着脱自在形態で設けられてなることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 誘導加熱コイル、高周波プラズマ発生電極、加熱用高周波発振器、プラズマ用高周波発振器をワーク処理部とし、
    このワーク処理部からなる第1のワーク処理部〜第nのワーク処理部を第2のチャンバー形成体に設け、
    ワークセット部からなる第1のワークセット部〜第nのワークセット部を第1のチャンバー形成体に設け、
    チャンバー開放状態で、前記第1のワークセット部〜第nのワークセット部にワークである第1のワーク〜第nのワークを自動的に一斉に供給するワーク供給手段を設け、
    前記チャンバー開放状態で、前記第1のワークセット部〜第nのワークセット部にセットされている第1のワーク〜第nのワークを自動的に一斉に取り出すワーク取り出し手段を設けてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
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