JP2014141588A - 仮固定用接着フィルム及びこれを用いた半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シリコンウエハ裏面を研磨して薄厚化する際の、研磨用シリコンウエハと保持材料との間の優れた密着性を実現し、耐熱性に優れ、研磨後にシリコンウエハと保持材料を簡便に剥離することができる仮固定用接着フィルムを提供する。
【解決手段】 支持フィルムの片面または両面に部分的に離型層を形成し、接着力が離型層を形成した以外の周囲の高接着力面よりも小さい低接着力面を形成し、さらに、高接着力面と低接着力面の表面に、高接着力面と低接着力面の両方に接する接着層を形成し、前記接着層を含めた支持フィルムの両側に接着層が形成された仮固定用接着フィルム。
【選択図】 図3
【解決手段】 支持フィルムの片面または両面に部分的に離型層を形成し、接着力が離型層を形成した以外の周囲の高接着力面よりも小さい低接着力面を形成し、さらに、高接着力面と低接着力面の表面に、高接着力面と低接着力面の両方に接する接着層を形成し、前記接着層を含めた支持フィルムの両側に接着層が形成された仮固定用接着フィルム。
【選択図】 図3
Description
本発明は、仮固定用接着フィルム及びこれを用いた半導体装置の製造方法に関する。
代表的な半導体パッケージとして、QFP型のパッケージが知られており、従来から使用されている。このQFP型のパッケージは、ダイパッド上に銀ペースト等の接着剤によって半導体素子を接着し、その半導体素子の端子とリードフレームとをワイヤで固定した後に、外部接続用のアウターリード部を残して半導体素子全体を封止した構造を有する。しかし、近年、半導体パッケージの高密度化、小面積化および薄型化等の要求が高まっており、さまざまな構造を有する半導体パッケージが開発されてきている。
特に、近年、複数のチップを積み重ねたSIP(System In Package、複数のLSI チップを1つのパッケージ内に封止した半導体製品)と呼ばれるパッケージに関する技術分野の成長が著しい。SIP型のパッケージでは、チップの接続方法として、従来からワイヤボンディング法が主流であった。しかし、近年、TSV(through-silicon via、シリコン貫通電極)と呼ばれる接続方法が注目を集め、盛んに検討されている。SIP型のパッケージでは、チップを多数積層した際の積層体の厚さを薄くするために、シリコンウエハの厚さは、できるだけ薄いものでなければならない。また、TSVの用途で使用されるシリコンウエハの厚さは、できるだけ薄いものでなければならない。しかし、シリコンウエハを薄くした場合、ウエハの機械的強度が低下し、取扱いが困難になる。
これに対し、シリコンウエハをキャリアウエハやガラス等の保持材料に一時的に仮固定した後に、シリコンウエハの裏面を研磨して薄厚化を行い、その後、保持材料を除去する方法が提案されている(特許文献1参照)。例えば、特許文献1では、シリコンウエハを保持材料に仮固定するための接着材料として、ゴムを主成分とする組成物を開示している。しかし、特許文献1で開示された組成物は、シリコンウエハの研磨工程後に実施される加熱工程に対する耐熱性が十分でない傾向がある。仮固定に用いた接着材料の耐熱性が不十分であると、加熱工程中に熱分解したり、シリコンウエハが保持材料から剥がれるといった不具合が生じやすい。
また、近年では、キャリアウエハの中央面に低接着力層を形成する手法も開発されてきている(特許文献2参照、特許文献1の公表特許公報)。この手法を用いた場合、シリコンウエハの研磨工程、加熱工程、薬品処理工程等では、キャリアウエハの周辺面で仮固定材が高接着力を保持するため、キャリアウエハとシリコンウエハを保持しやすい。一方、前記工程が終了した後に、周辺面の仮固定材を溶剤等により除去し、その後、キャリアウエハとシリコンウエハを容易に剥離することができる。
しかし、上記のように、周辺面の仮固定材を溶媒等により除去し、その後、キャリアウエハとシリコンウエハを剥離する手法を用いた場合、キャリアウエハの中央面に低接着力層を形成するために、煩雑な工程が必要になりやすい。
このように耐熱性と簡便な剥離性を満足する仮固定用接着フィルム及びこれを用いた半導体装置の製造方法はなかった。
そのため、耐熱性と簡便な剥離性を満足する仮固定用接着フィルムの開発が望まれている。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、シリコンウエハ裏面を研磨して薄厚化する際の、研磨用シリコンウエハと保持材料との間の優れた密着性を実現し、かつ耐熱性に優れ、さらには研磨後にシリコンウエハと保持材料を簡便に剥離することができる仮固定用接着フィルムを提供し、更に、それを用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
このように耐熱性と簡便な剥離性を満足する仮固定用接着フィルム及びこれを用いた半導体装置の製造方法はなかった。
そのため、耐熱性と簡便な剥離性を満足する仮固定用接着フィルムの開発が望まれている。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、シリコンウエハ裏面を研磨して薄厚化する際の、研磨用シリコンウエハと保持材料との間の優れた密着性を実現し、かつ耐熱性に優れ、さらには研磨後にシリコンウエハと保持材料を簡便に剥離することができる仮固定用接着フィルムを提供し、更に、それを用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上述の状況に鑑み仮固定用接着フィルムについて鋭意検討の結果、特定の構造を有する接着フィルムを使用することによって、上述の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の事項に関する。
[1]支持フィルムの片面または両面に部分的に離型層を形成し、接着力が離型層を形成した以外の周囲の高接着力面よりも小さい低接着力面を形成し、さらに、高接着力面と低接着力面の表面に、高接着力面と低接着力面の両方に接する接着層を形成し、離型層を支持フィルムの片面に形成した場合には、離型層を形成していない面にも接着層が形成される仮固定用接着フィルム。
[2]部分的に離型層を形成した低接着力面が、円形である上記[1]に記載の仮固定用接着フィルム。
[3]部分的に離型層を形成した低接着力面の直径が、260〜299mmの円形である上記[1]または[2]に記載の仮固定用接着フィルム。
[4]部分的に離型層を形成した低接着力面の直径が、160〜199mmの円形である上記[1]または[2]に記載の仮固定用接着フィルム。
[5]支持フィルムの材質が、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエーテルケトン、ポリアリレート、芳香族ポリエーテルケトン及びポリエチレンナフタレートよりなる群から選ばれる上記[1]ないし[4]のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
[6]部分的に離型層を形成した低接着力面と接着層の間の接着力が0〜10N/mの間であり、離型層を形成しない高接着力面と接着層の間の接着力が50〜3000N/mである上記[1]ないし[5]のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
[7]支持フィルムの厚さが、5〜100μmである上記[1]ないし[6]のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
[8]接着層の厚さが、0.1〜100μmである上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
[9]離型層が、シリコーンを含有する上記[1]ないし[8]のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
[10]離型層の厚さが0.01〜5μmである上記[1]ないし[9]のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
[11]離型層が顔料または染料により着色されている上記[1]ないし[10]のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
[12]仮固定用接着フィルムの接着力が離型層を形成した低接着力面と、その周辺の離型層を形成していない高接着力面を含む所定の形状に予め裁断されている上記[1]ないし[11]のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
[13]保持材料に、上記[1]ないし[12]のいずれかに記載の仮固定用接着フィルムを貼り合わせる工程、仮固定用接着フィルムの保持材料とは反対の面に半導体ウエハを貼り合わせる工程、半導体ウエハに所定の加工を施す工程、仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程、仮固定用接着フィルムの低接着面とこれに接する支持フィルムを分離することにより保持材料と半導体ウエハを分離する工程を有する半導体装置の製造方法。
[14]保持材料に、上記[1]ないし[12]のいずれかに記載の仮固定用接着フィルムを貼り合わせる工程、仮固定用接着フィルムに半導体素子を貼り合わせる工程、保持材料に貼り合わされた半導体素子を封止する工程、仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程、仮固定用接着フィルムの低接着面とこれに接する支持フィルムを分離することにより保持材料と封止された半導体素子を分離する工程を有する半導体装置の製造方法。
[15]仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程において、有機溶媒で高接着力面を溶解して剥離する上記[13]または[14]に記載の半導体装置の製造方法。
[16]仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程において、高接着力面とこれに接する支持フィルムを機械的に剥離する上記[13]または[14]に記載の半導体装置の製造方法。
本発明の仮固定用接着フィルムは、研磨用ウエハおよび保持材料を密着させて良好に固定することができ、耐熱性に優れ、熱分解や剥離などが生ぜず保持し研磨することができ、研磨後のウエハの分離が容易で、さらに分離後、ウエハに残存した接着組成物を溶剤によって容易に除去することができる。そのため、半導体パッケージの製造において、ウエハ裏面の研磨により薄厚化する際の保持材料へのウエハの仮固定に使用する接着材料として有益となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、半導体パッケージの製造に向けて、シリコンウエハ等の半導体ウエハを薄厚化する工程において、半導体ウエハと、該半導体ウエハを保持する保持材料とを仮固定するための接着材料として好適な仮固定用接着フィルムに関する。保持材料は、半導体ウエハの薄厚化の際に半導体ウエハの機械的強度を高めることができればよく、特に限定されない。例えば、キャリアウエハおよびガラス等であってよい。
本発明は、半導体パッケージの製造に向けて、シリコンウエハ等の半導体ウエハを薄厚化する工程において、半導体ウエハと、該半導体ウエハを保持する保持材料とを仮固定するための接着材料として好適な仮固定用接着フィルムに関する。保持材料は、半導体ウエハの薄厚化の際に半導体ウエハの機械的強度を高めることができればよく、特に限定されない。例えば、キャリアウエハおよびガラス等であってよい。
本発明の仮固定用接着フィルムは、支持フィルムの片面または両面に部分的に離型層を形成することにより接着力が離型層を形成した以外の周囲の高接着力面よりも小さい低接着力面を形成し、さらに、高接着力面と低接着力面の表面に、高接着力面と低接着力面の両方に接する接着層を形成する。
離型層を形成した低接着力面の形状は、保持材料の形状をわずかに縮小した形状が好ましい。具体的には1〜40mm縮小した形状が好ましい。1mm以上縮小することにより、低接着力面の周辺の高接着力面が支持フィルムに1mm以上の巾で帯状に強固に接着し、工程の途中で半導体ウエハと保持材料を十分な接着力で仮固定するとともに、薬剤などの浸入を防ぐことができる。また40mm以下縮小することにより、前記仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程で、容易に剥離することが出来る。同様の理由で、低接着力面の形状は保持材料を2〜20mm縮小した形状がより好ましく、3〜10mm縮小した形状がさらに好ましい。
保持材料が円形である場合は、工程の途中でシリコンウエハと保持材料を十分な接着力で仮固定するとともに、仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程で、容易に剥離することが出来るように、接着力面は保持材料の直径より1〜40mm小さい直径の円形であることが好ましく、2〜20mm小さい直径の円形であることがさらに好ましく、3〜10mm小さい直径の円形であることが特に好ましい。
保持材料が直径300mmの円形である場合は、工程の途中で半導体ウエハと保持材料を十分な接着力で仮固定するとともに、仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程で、容易に剥離することが出来るように、低接着力面は直径260〜299mmの円形であることが好ましく、280〜298mmの直径の円形であることがより好ましく、290〜297mmの直径の円形であることがさらに好ましい。
保持材料が直径200mmの円形である場合は、工程の途中で半導体ウエハと保持材料を十分な接着力で仮固定するとともに、仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程で、容易に剥離することが出来るように、低接着力面は直径160〜199mmの円形であることが好ましく、180〜198mmの直径の円形であることがより好ましく、190〜197mmの直径の円形であることがさらに好ましい。
支持フィルムの材質は、樹脂の塗工、乾燥、半導体装置の組立工程中の熱に耐えられる樹脂が好ましく、樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエーテルケトン、ポリアリレート、芳香族ポリエーテルケトン及びポリエチレンナフタレートよりなる群から選ばれることが好ましく、芳香族ポリイミド及びポリエチレンナフタレートよりなる群から選ばれることがさらに好ましい。また、支持フィルムのガラス転移温度は、耐熱性を向上させるために200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましい。上記の耐熱性樹脂フィルムを用いることにより、貼り合わせ工程、半導体ウエハの加工工程、などの熱の加わる工程において、支持フィルムが軟化せず、効率よく作業を行うことができる。
上記の支持フィルムは、接着層及び離型層に対する密着力を十分高めるために、表面を処理することが好ましい。支持フィルムの表面処理方法には特に制限はないが、アルカリ処理、シランカップリング処理等の化学処理、サンドマット処理等の物理的処理、プラズマ処理、コロナ処理等が挙げられる。
上記の部分的に離型層を形成した低接着力面と接着層の間の接着力は、前記仮固定用接着フィルムの低接着面と、これに接する支持フィルムを分離する工程において、容易に分離できるように0〜10N/mの間であることが好ましく、0.1〜5N/mであることがより好ましい。
上記の離型層を形成しない高接着力面と接着層の間の接着力は、剥離工程の前に半導体ウエハと保持材料を十分な接着力で仮固定するために、50〜3000N/mであることが好ましく、100〜3000N/mであることがより好ましく、500〜3000N/mであることがさらに好ましい。
上記の支持フィルムの厚さは、十分な強度を得るために5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μ以上であることがさらに好ましい。また貼り合わせた後の反りを低減するために100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、30μ以下であることがさらに好ましい。
上記の接着層の厚さは、剥離工程の前に十分な接着力を有するために、0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。また、分離後に溶解等によりキャリアウエハや半導体ウエハから除去しやすくするために100μm以下であることが好ましい。
またキャリアウエハ表面は平坦であるのに対し、半導体ウエハや半導体素子の表面は凹凸がある場合が多いため、キャリアウエハに接する側の接着層の厚さに比べて半導体ウエハや半導体素子に接する側の接着層の厚さは、より厚いことが好ましい。具体的には、キャリアウエハに接する側の接着層の厚さは0.1〜30μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、0.1〜10μmであることがさらに好ましい。一方で半導体ウエハや半導体素子に接する側の接着層の厚さは10〜100μmであることが好ましく、20〜100μmであることがより好ましく、30〜100μmであることがさらに好ましい。
またキャリアウエハ表面は平坦であるのに対し、半導体ウエハや半導体素子の表面は凹凸がある場合が多いため、キャリアウエハに接する側の接着層の厚さに比べて半導体ウエハや半導体素子に接する側の接着層の厚さは、より厚いことが好ましい。具体的には、キャリアウエハに接する側の接着層の厚さは0.1〜30μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、0.1〜10μmであることがさらに好ましい。一方で半導体ウエハや半導体素子に接する側の接着層の厚さは10〜100μmであることが好ましく、20〜100μmであることがより好ましく、30〜100μmであることがさらに好ましい。
上記の離型層の組成は特に限定されないが、フッ素原子を有する表面改質剤、ポリオレフィン系ワックス、シリコーン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、長鎖アルキル基を有するアクリル系離型剤等が挙げられ、離型性の点からシリコーンが好ましい。またシリコーンの種類は特に限定されないが、熱硬化型シリコーン、UV硬化型シリコーン等が挙げられ、支持フィルムの表面に塗布した後に溶剤を加熱除去し、その後硬化する際、硬化時の熱により支持フィルムの変形を生じにくいUV硬化型シリコーンが特に好ましい。
上記の離型層の厚さは、均一な厚さで形成するために、0.01μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましく、0.1μm以上であることがさらに好ましい。また高接着力面と低接着力面の表面に、高接着力面と低接着力面の両方に接する接着層を形成する際に、接着層表面の凹凸を生じにくくするために、離型層の厚さは5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることがさらに好ましい。
上記の離型層は、離型層の位置が確認できるように着色されていることが好ましい。着色の方法は特に限定されないが離型層に顔料または染料を加えることにより着色することが好ましい。
上記の仮固定用接着フィルムは、接着力が周囲の高接着力面よりも小さい低接着力面と、その周辺の高接着力面を含む所定の形状に予め裁断されていることが好ましい。特に保持材料の形状に合わせて予め裁断されていることが好ましい。保持材料の形状に合わせて予め裁断されていることにより、仮固定用接着フィルムを保持材料に貼り合せた後に保持材料の形状に合わせて切断する必要がないという利点を有する。
本発明の半導体装置の製造方法は、保持材料に、上記の仮固定用接着フィルムを貼り合わせる工程、仮固定用接着フィルムの保持材料とは反対の面に半導体ウエハを貼り合わせる工程、半導体ウエハに所定の加工を施す工程、仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程、仮固定用接着フィルムの低接着面とこれに接する支持フィルムを分離することにより保持材料と半導体ウエハを分離する工程を有する。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、保持材料に、上記の仮固定用接着フィルムを貼り合わせる工程、仮固定用接着フィルムに半導体素子を貼り合わせる工程、保持材料に貼り合わされた半導体素子を封止する工程、仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程、仮固定用接着フィルムの低接着面とこれに接する支持フィルムを分離することにより保持材料と封止された半導体素子を分離する工程を有する。
上記製造方法では、仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程での剥離方法は特に限定されないが、有機溶媒で高接着力面を溶解して剥離する方法や、高接着力面とこれに接する支持フィルムを機械的に剥離する方法が挙げられる。剥離する際に半導体ウエハや半導体素子に加わる応力を低減するためには有機溶媒で高接着力面を溶解して剥離する方法が好ましい。また一方で、剥離時間を短縮するためには高接着力面とこれに接する支持フィルムを鋭利なカッターなどで機械的に剥離する方法が好ましい。また上記の有機溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、N−メチル−2ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、シクロヘキサノン、トリメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、並びに、これらのうちの1種以上と、トリエタノールアミン及びアルコール類のうちの1種以上との混合溶媒が挙げられる。有機溶媒は、1種の化合物からなるものであってもよく、2種以上の化合物の混合物であってもよい。好ましい溶媒としては、NMP、NMP/エタノールアミン、NMP/TMAH水溶液、NMP/トリエタノールアミン、(NMP/TMAH水溶液)/アルコール、TMAH水溶液/アルコールが挙げられる。
上記の支持フィルムの片面または両面に部分的に離型層を形成する方法は、特に制限されない。例えば、フッ素原子を有する表面改質剤、ポリオレフィン系ワックス、シリコーン等を有機溶媒中に溶解させてワニスを調製し、前記ワニスを、表面に所定の形状が刻まれたグラビアコーター等を用いて支持フィルム上に所定の形状で転写塗工し、その後、加熱処理により溶媒を除去することによって形成することができる。また離型層としてシリコーンを用いた場合、溶媒を除去した後、UV硬化や熱硬化により硬化することができるが、硬化時の熱により支持フィルムの変形を生じにくいUV硬化型シリコーンが特に好ましい。
本発明の仮固定用接着フィルムの製造方法は、特に制限されない。例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等の接着組成物を有機溶媒中に溶解させてワニスを調製し、ワニスを、上記の片面または両面に部分的に離型層の形成された支持フィルム上に塗工した後に、加熱処理により溶媒を除去することによって形成することができる。支持フィルム上に接着組成物からなる層を形成する方法は、特に制限されない。例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート、コンマコート等の周知の塗工方法を適用することができる。
また別法として、ワニスを、基材フィルム上に塗工した後に、加熱処理により溶媒を除去することによって接着層を形成し、その後、上記の片面または両面に部分的に離型層の形成された支持フィルムにラミネートすることもできる。さらには、上記の方法を組み合わせて用いることもできる
また別法として、ワニスを、基材フィルム上に塗工した後に、加熱処理により溶媒を除去することによって接着層を形成し、その後、上記の片面または両面に部分的に離型層の形成された支持フィルムにラミネートすることもできる。さらには、上記の方法を組み合わせて用いることもできる
上記の仮固定用接着フィルムの製造方法においては、接着層の表面に更に保護フィルムを積層することもできる。また上記において、部分的に離型層の形成された支持フィルムに、基材フィルム上に形成された接着層をラミネートする際、基材フィルムを除去しても良いが、除去せずに保護フィルムとして用いることもできる。
本発明の仮固定用接着フィルムの製造時に、ワニスを調製するために使用する有機溶媒は、特に制限されない。使用できる有機溶媒の具体例として、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
本発明の仮固定用接着フィルムの製造時に、ワニスから溶媒を除去するために加熱処理を実施する場合の処理温度は、特に制限されない。しかし、フィルム形状を維持する観点から、得られるフィルムの残存溶媒量がフィルムの全質量を基準として5質量%以下に制御することができる温度を適用することが好ましい。
本発明の仮固定用接着フィルムの製造時に、接着層を支持フィルムにラミネートする場合のラミネート温度は、特に制限されない。しかし、接着層と支持フィルムの高接着力面の間の接着力を十分高くできる温度を適用することが好ましい。
本発明で用いる接着層の組成は特に限定されないが、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等の接着組成物を用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。しかし、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。
(製造例1(実施例1〜6、及び比較例1に使用したポリイミド樹脂ワニスの製造)
撹拌機、温度計、窒素置換装置(窒素流入管)、及び水分受容器付きの還流冷却器を備えたフラスコ内に、ジアミンである、BAPP(商品名、東京化成工業株式会社製、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)、分子量410.51)を10.26g(0.025mol)及び1,4−ブタンジオール−ビス(3−アミノプロピル)エーテル(東京化成工業株式会社製、商品名:B−12、分子量:204.31)5.10g(0.025mol)と、溶媒である、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)100gとを仕込み、撹拌してジアミンを溶媒に溶解させた。
撹拌機、温度計、窒素置換装置(窒素流入管)、及び水分受容器付きの還流冷却器を備えたフラスコ内に、ジアミンである、BAPP(商品名、東京化成工業株式会社製、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)、分子量410.51)を10.26g(0.025mol)及び1,4−ブタンジオール−ビス(3−アミノプロピル)エーテル(東京化成工業株式会社製、商品名:B−12、分子量:204.31)5.10g(0.025mol)と、溶媒である、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)100gとを仕込み、撹拌してジアミンを溶媒に溶解させた。
上記フラスコを氷浴中で冷却しながら、デカメチレンビストリメリテート酸二無水物(DBTA)26.11g(0.05mol)を、フラスコ内の溶液に少量ずつ添加した。添加終了後、窒素ガスを吹き込みながら溶液を180℃に昇温させて5時間保温し、ポリイミド樹脂PI−1を得た。ポリイミド樹脂PI−1の重量平均分子量は50000、Tgは70℃であった。
得られたポリイミド樹脂PI−1の固形分100g、SE2050SEJ:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン修飾球状シリカフィラ(株式会社アドマテックス)50g、2PZ−CN:イミダゾール系硬化促進剤(1-シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、四国化成工業株式会社製)1gをNMP溶媒中に固形分濃度が50質量%になるように溶解混合して接着層を形成するためのワニスを作製した。
得られたポリイミド樹脂PI−1の固形分100g、SE2050SEJ:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン修飾球状シリカフィラ(株式会社アドマテックス)50g、2PZ−CN:イミダゾール系硬化促進剤(1-シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、四国化成工業株式会社製)1gをNMP溶媒中に固形分濃度が50質量%になるように溶解混合して接着層を形成するためのワニスを作製した。
(実施例1)
厚さ25μmの表面に化学処理を施したポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製 ユーピレックスSGA)を、支持フィルム1として用いた。このポリイミドフィルムの片面に、円形の形状が刻まれたグラビアコーターを用いて直径190mmの円状にUV硬化型シリコーン溶液を転写塗布し、その後、溶媒を加熱除去した後、UV硬化によりUV硬化型シリコーンを0.5μmの厚さで形成し、図1、図2の構成の離型層2付き支持フィルムを得た。さらに、シリコーンが円状に形成された面側に上記の製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に接着層3となる厚さ30μmのポリイミド樹脂層を形成した。この時、離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は0.7N/mであり、支持フィルムの離型層の形成されていない部分と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は850N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成したフィルムの接着層とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、図3の構成の仮固定用接着フィルムを得た。この際、基材(セパレーターフィルム(PETフィルム))5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径200mmの円状aに裁断して図5、図6の構成の仮固定用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(200mm径、厚さ400μm)6の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した図6の仮固定用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。
保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(200mm径、厚さ800μm)7上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で2000gf、10秒の条件で加熱圧着し、図7の構成の試験サンプルを得た。その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、試験サンプルを観察した。その結果、接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
厚さ25μmの表面に化学処理を施したポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製 ユーピレックスSGA)を、支持フィルム1として用いた。このポリイミドフィルムの片面に、円形の形状が刻まれたグラビアコーターを用いて直径190mmの円状にUV硬化型シリコーン溶液を転写塗布し、その後、溶媒を加熱除去した後、UV硬化によりUV硬化型シリコーンを0.5μmの厚さで形成し、図1、図2の構成の離型層2付き支持フィルムを得た。さらに、シリコーンが円状に形成された面側に上記の製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に接着層3となる厚さ30μmのポリイミド樹脂層を形成した。この時、離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は0.7N/mであり、支持フィルムの離型層の形成されていない部分と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は850N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成したフィルムの接着層とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、図3の構成の仮固定用接着フィルムを得た。この際、基材(セパレーターフィルム(PETフィルム))5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径200mmの円状aに裁断して図5、図6の構成の仮固定用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(200mm径、厚さ400μm)6の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した図6の仮固定用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。
保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(200mm径、厚さ800μm)7上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で2000gf、10秒の条件で加熱圧着し、図7の構成の試験サンプルを得た。その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、試験サンプルを観察した。その結果、接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
次に上記で得られた試験サンプルを、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)を満たしたガラス容器に入れ、超音波下で30分間浸漬した。その結果、仮固定用接着フィルムの高接着力面を溶解することができ図8の構成の試験サンプルを得た。
その後、垂直方向に応力を加えることにより、支持フィルム1の離型面2と接着層(ポリイミド樹脂層)3を分離することができた(図9)。さらにシリコンウエハ上に残存した接着層(ポリイミド樹脂層)3は、NMPを満たしたガラス容器にサンプルを入れ、超音波洗浄機を用いることにより除去することができた。またキャリアウエハ上に残存した支持フィルム1付き接着層(ポリイミド樹脂層)4は、200℃で加熱しながら引き剥がすことができた(図10)。
その後、垂直方向に応力を加えることにより、支持フィルム1の離型面2と接着層(ポリイミド樹脂層)3を分離することができた(図9)。さらにシリコンウエハ上に残存した接着層(ポリイミド樹脂層)3は、NMPを満たしたガラス容器にサンプルを入れ、超音波洗浄機を用いることにより除去することができた。またキャリアウエハ上に残存した支持フィルム1付き接着層(ポリイミド樹脂層)4は、200℃で加熱しながら引き剥がすことができた(図10)。
(実施例2)
厚さ25μmの表面に化学処理を施したポリイミドフィルム(東レデュポン株式会社製 カプトンEN)を、支持フィルム1として用いた。このポリイミドフィルムの片面に、円形の形状が刻まれたグラビアコーターを用いて直径290mmの円状にUV硬化型シリコーン溶液を転写塗布し、その後、溶媒を加熱除去した後、UV硬化によりUV硬化型シリコーンを0.2μmの厚さで形成し、図1、図2の構成の離型層2付き支持フィルムを得た。さらに離型層のシリコーンが円状に形成された面に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成した。この時、離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は0.7N/mであり、支持フィルムの離型層の形成されていない部分と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は800N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成したフィルムの接着層(ポリイミド樹脂層)とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、図3の構成の仮固定用接着フィルムを得た。この際、セパレーターフィルム(PETフィルム)5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径300mmの円状aに裁断して図5、図6の構成の仮固定用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(300mm径、厚さ400μm)6の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した図6の仮固定用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(300mm径、厚さ800μm)7上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で4500gf、10秒の条件で加熱圧着し、図7の構成の試験サンプルを得た。その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、試験サンプルを観察した。その結果、接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
次に上記で得られた試験サンプルを、NMPを満たしたガラス容器に入れ、超音波下で30分間浸漬した。その結果、仮固定用接着フィルムの高接着力面を溶解することができ図8の構成のサンプルを得た。
その後、垂直方向に応力を加えることにより、支持フィルム1の離型面2と接着層(ポリイミド樹脂層)3を分離することができた。さらにシリコンウエハ上に残存した接着層(ポリイミド樹脂層)3はNMPを満たしたガラス容器にサンプルを入れ、超音波洗浄機を用いることにより除去することができた。またキャリアウエハ上に残存した支持フィルム1付き接着層(ポリイミド樹脂層)4は、200℃で加熱しながら引き剥がすことができた。
厚さ25μmの表面に化学処理を施したポリイミドフィルム(東レデュポン株式会社製 カプトンEN)を、支持フィルム1として用いた。このポリイミドフィルムの片面に、円形の形状が刻まれたグラビアコーターを用いて直径290mmの円状にUV硬化型シリコーン溶液を転写塗布し、その後、溶媒を加熱除去した後、UV硬化によりUV硬化型シリコーンを0.2μmの厚さで形成し、図1、図2の構成の離型層2付き支持フィルムを得た。さらに離型層のシリコーンが円状に形成された面に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成した。この時、離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は0.7N/mであり、支持フィルムの離型層の形成されていない部分と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は800N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成したフィルムの接着層(ポリイミド樹脂層)とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、図3の構成の仮固定用接着フィルムを得た。この際、セパレーターフィルム(PETフィルム)5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径300mmの円状aに裁断して図5、図6の構成の仮固定用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(300mm径、厚さ400μm)6の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した図6の仮固定用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(300mm径、厚さ800μm)7上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で4500gf、10秒の条件で加熱圧着し、図7の構成の試験サンプルを得た。その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、試験サンプルを観察した。その結果、接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
次に上記で得られた試験サンプルを、NMPを満たしたガラス容器に入れ、超音波下で30分間浸漬した。その結果、仮固定用接着フィルムの高接着力面を溶解することができ図8の構成のサンプルを得た。
その後、垂直方向に応力を加えることにより、支持フィルム1の離型面2と接着層(ポリイミド樹脂層)3を分離することができた。さらにシリコンウエハ上に残存した接着層(ポリイミド樹脂層)3はNMPを満たしたガラス容器にサンプルを入れ、超音波洗浄機を用いることにより除去することができた。またキャリアウエハ上に残存した支持フィルム1付き接着層(ポリイミド樹脂層)4は、200℃で加熱しながら引き剥がすことができた。
(実施例3)
厚さ25μmの表面に化学処理を施したポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製 ユーピレックスSGA)を、支持フィルム1として用いた。このポリイミドフィルムの片面に、円形の形状が刻まれたグラビアコーターを用いて直径190mmの円状に、青色顔料を添加したUV硬化型シリコーン溶液を転写塗布し、その後、溶媒を加熱除去した後、UV硬化によりUV硬化型シリコーンを0.5μmの厚さで形成し、図1、図2の構成の離型層2付き支持フィルムを得た。この際、離型層は青色に着色されているため位置確認が容易だった。
さらに離型層のシリコーンが円状に形成された面に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成した。この時、離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は0.5N/mであり、支持フィルムの離型層の形成されていない部分と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は700N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成したフィルムの接着層とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、図3の構成の仮固定用接着フィルムを得た。この際、基材(セパレーターフィルム(PETフィルム))5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径200mmの円状aに裁断して図5、図6の構成の仮固定用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(200mm径、厚さ400μm)6の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した図6の仮固定用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(200mm径、厚さ800μm)7上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で2000gf、10秒の条件で加熱圧着し、図7の構成の試験サンプルを得た。その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、試験サンプルを観察した。その結果、接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
次に上記で得られた試験サンプルを、NMPを満たしたガラス容器に入れ、超音波下で30分間浸漬した。その結果、仮固定用接着フィルムの高接着力面を溶解することができ図8の構成の試験サンプルを得た。
その後、垂直方向に応力を加えることにより、支持フィルム1の離型面2と接着層(ポリイミド樹脂層)3を分離することができた。さらにシリコンウエハ上に残存したポリイミド樹脂層3はNMPを満たしたガラス容器にサンプルを入れ、超音波洗浄機を用いることにより除去することができた。またキャリアウエハ上に残存した支持フィルム1付きポリイミド樹脂層4は、200℃で加熱しながら引き剥がすことができた。
厚さ25μmの表面に化学処理を施したポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製 ユーピレックスSGA)を、支持フィルム1として用いた。このポリイミドフィルムの片面に、円形の形状が刻まれたグラビアコーターを用いて直径190mmの円状に、青色顔料を添加したUV硬化型シリコーン溶液を転写塗布し、その後、溶媒を加熱除去した後、UV硬化によりUV硬化型シリコーンを0.5μmの厚さで形成し、図1、図2の構成の離型層2付き支持フィルムを得た。この際、離型層は青色に着色されているため位置確認が容易だった。
さらに離型層のシリコーンが円状に形成された面に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成した。この時、離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は0.5N/mであり、支持フィルムの離型層の形成されていない部分と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は700N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成したフィルムの接着層とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、図3の構成の仮固定用接着フィルムを得た。この際、基材(セパレーターフィルム(PETフィルム))5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径200mmの円状aに裁断して図5、図6の構成の仮固定用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(200mm径、厚さ400μm)6の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した図6の仮固定用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(200mm径、厚さ800μm)7上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で2000gf、10秒の条件で加熱圧着し、図7の構成の試験サンプルを得た。その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、試験サンプルを観察した。その結果、接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
次に上記で得られた試験サンプルを、NMPを満たしたガラス容器に入れ、超音波下で30分間浸漬した。その結果、仮固定用接着フィルムの高接着力面を溶解することができ図8の構成の試験サンプルを得た。
その後、垂直方向に応力を加えることにより、支持フィルム1の離型面2と接着層(ポリイミド樹脂層)3を分離することができた。さらにシリコンウエハ上に残存したポリイミド樹脂層3はNMPを満たしたガラス容器にサンプルを入れ、超音波洗浄機を用いることにより除去することができた。またキャリアウエハ上に残存した支持フィルム1付きポリイミド樹脂層4は、200℃で加熱しながら引き剥がすことができた。
(実施例4)
厚さ25μmの表面にコロナ処理を施したポリエチレンナフタレートフィルム(帝人株式会社製 テオネックス)を、支持フィルム1として用いた。このポリエチレンナフタレートフィルムの片面に、円形の形状が刻まれたグラビアコーターを用いて直径190mmの円状に、青色顔料を添加したUV硬化型シリコーン溶液を転写塗布し、その後、溶媒を加熱除去した後、UV硬化によりUV硬化型シリコーンを0.5μmの厚さで形成し、図1、図2の構成の離型層2付き支持フィルムを得た。この際、離型層は青色に着色されているため位置確認が容易だった。
さらに離型層2のシリコーンが円状に形成された面側に上記の製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に接着層3となる厚さ30μmのポリイミド樹脂層を形成した。この時、離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は0.7N/mであり、支持フィルムの離型層の形成されていない部分と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は500N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成したフィルムの接着層とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、図3の構成の仮固定用接着フィルムを得た。この際、基材(セパレーターフィルム(PETフィルム))5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径200mmの円状aに裁断して図5、図6の構成の仮固定用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(200mm径、厚さ400μm)6の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した図6の仮固定材用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。
保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(200mm径、厚さ800μm)7上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で2000gf、10秒の条件で加熱圧着し、図7の構成の試験サンプルを得た。その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、試験サンプルを観察した。その結果、支持フィルムがやや変形したものの接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
次に上記で得られた試験サンプルを、NMPを満たしたガラス容器に入れ、超音波下で30分間浸漬した。その結果、仮固定用接着フィルムの高接着力面を溶解することができ図8の構成の試験サンプルを得た。
その後、垂直方向に応力を加えることにより、支持フィルム1の離型面2と接着層(ポリイミド樹脂層)3を分離することができた。さらにシリコンウエハ上に残存した接着層(ポリイミド樹脂層)3はNMPを満たしたガラス容器にサンプルを入れ、超音波洗浄機を用いることにより除去することができた。またキャリアウエハ上に残存した支持フィルム1付き接着層(ポリイミド樹脂層)4は、200℃で加熱しながら引き剥がすことができた(図10)。
厚さ25μmの表面にコロナ処理を施したポリエチレンナフタレートフィルム(帝人株式会社製 テオネックス)を、支持フィルム1として用いた。このポリエチレンナフタレートフィルムの片面に、円形の形状が刻まれたグラビアコーターを用いて直径190mmの円状に、青色顔料を添加したUV硬化型シリコーン溶液を転写塗布し、その後、溶媒を加熱除去した後、UV硬化によりUV硬化型シリコーンを0.5μmの厚さで形成し、図1、図2の構成の離型層2付き支持フィルムを得た。この際、離型層は青色に着色されているため位置確認が容易だった。
さらに離型層2のシリコーンが円状に形成された面側に上記の製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に接着層3となる厚さ30μmのポリイミド樹脂層を形成した。この時、離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は0.7N/mであり、支持フィルムの離型層の形成されていない部分と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は500N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成したフィルムの接着層とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、図3の構成の仮固定用接着フィルムを得た。この際、基材(セパレーターフィルム(PETフィルム))5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径200mmの円状aに裁断して図5、図6の構成の仮固定用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(200mm径、厚さ400μm)6の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した図6の仮固定材用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。
保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(200mm径、厚さ800μm)7上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で2000gf、10秒の条件で加熱圧着し、図7の構成の試験サンプルを得た。その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、試験サンプルを観察した。その結果、支持フィルムがやや変形したものの接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
次に上記で得られた試験サンプルを、NMPを満たしたガラス容器に入れ、超音波下で30分間浸漬した。その結果、仮固定用接着フィルムの高接着力面を溶解することができ図8の構成の試験サンプルを得た。
その後、垂直方向に応力を加えることにより、支持フィルム1の離型面2と接着層(ポリイミド樹脂層)3を分離することができた。さらにシリコンウエハ上に残存した接着層(ポリイミド樹脂層)3はNMPを満たしたガラス容器にサンプルを入れ、超音波洗浄機を用いることにより除去することができた。またキャリアウエハ上に残存した支持フィルム1付き接着層(ポリイミド樹脂層)4は、200℃で加熱しながら引き剥がすことができた(図10)。
(実施例5)
厚さ25μmの表面に化学処理を施したポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製 ユーピレックスSGA)を、支持フィルム1として用いた。このポリイミドフィルムの片面に、円形の形状が刻まれたグラビアコーターを用いて直径190mmの円状にUV硬化型シリコーン溶液を転写塗布し、その後、溶媒を加熱除去した後、UV硬化によりUV硬化型シリコーンを0.5μmの厚さで形成し、図1、図2の構成の離型層2付き支持フィルムを得た。さらにシリコーンが円状に形成された面側に上記の製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に接着層3となる厚さ30μmのポリイミド樹脂層を形成した。この時、離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は0.7N/mであり、支持フィルムの離型層の形成されていない部分と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は850N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成したフィルムの接着層とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、図3の構成の仮固定用接着フィルムを得た。この際、基材(セパレーターフィルム(PETフィルム))5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径200mmの円状aに裁断して図5、図6の構成の仮固定材用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(200mm径、厚さ400μm)6の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した図6の仮固定用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(200mm径、厚さ800μm)7上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で2000gf/10秒の条件で加熱圧着した。
その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、試験サンプルを観察した。その結果、接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
次に上記で得られた試験サンプルを、NMPを満たしたガラス容器に入れ、超音波下で30分間浸漬した。その結果、仮固定用接着フィルムの高接着力面を溶解することができた。
その後、垂直方向に応力を加えることにより、支持フィルム1の離型面2と接着層(ポリイミド樹脂層)3を分離することができた。さらにキャリアウエハ上に残存した接着層(ポリイミド樹脂層)4は、NMPを満たしたガラス容器にサンプルを入れ、超音波洗浄機を用いることにより除去することができた。また、シリコンウエハ上に残存した支持フィルム1付き接着層(ポリイミド樹脂層)4は、200℃で加熱しながら引き剥がすことができた。
厚さ25μmの表面に化学処理を施したポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製 ユーピレックスSGA)を、支持フィルム1として用いた。このポリイミドフィルムの片面に、円形の形状が刻まれたグラビアコーターを用いて直径190mmの円状にUV硬化型シリコーン溶液を転写塗布し、その後、溶媒を加熱除去した後、UV硬化によりUV硬化型シリコーンを0.5μmの厚さで形成し、図1、図2の構成の離型層2付き支持フィルムを得た。さらにシリコーンが円状に形成された面側に上記の製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に接着層3となる厚さ30μmのポリイミド樹脂層を形成した。この時、離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は0.7N/mであり、支持フィルムの離型層の形成されていない部分と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は850N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成したフィルムの接着層とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、図3の構成の仮固定用接着フィルムを得た。この際、基材(セパレーターフィルム(PETフィルム))5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径200mmの円状aに裁断して図5、図6の構成の仮固定材用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(200mm径、厚さ400μm)6の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した図6の仮固定用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(200mm径、厚さ800μm)7上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で2000gf/10秒の条件で加熱圧着した。
その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、試験サンプルを観察した。その結果、接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
次に上記で得られた試験サンプルを、NMPを満たしたガラス容器に入れ、超音波下で30分間浸漬した。その結果、仮固定用接着フィルムの高接着力面を溶解することができた。
その後、垂直方向に応力を加えることにより、支持フィルム1の離型面2と接着層(ポリイミド樹脂層)3を分離することができた。さらにキャリアウエハ上に残存した接着層(ポリイミド樹脂層)4は、NMPを満たしたガラス容器にサンプルを入れ、超音波洗浄機を用いることにより除去することができた。また、シリコンウエハ上に残存した支持フィルム1付き接着層(ポリイミド樹脂層)4は、200℃で加熱しながら引き剥がすことができた。
(実施例6)
厚さ25μmの表面に化学処理を施したポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製 ユーピレックスSGA)を、支持フィルム1として用いた。このポリイミドフィルムの両面に、円形の形状が刻まれたグラビアコーターを用いて直径190mmの円状にUV硬化型シリコーン溶液を転写塗布し、その後、溶媒を加熱除去した後、UV硬化によりUV硬化型シリコーンを0.5μmの厚さで形成し、両面に離型層2のついた支持フィルムを得た。さらにシリコーンが円状に形成された面側に上記の製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に接着層3となる厚さ30μmのポリイミド樹脂層を形成した。この時、離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は0.7N/mであり、支持フィルムの離型層の形成されていない部分と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は850N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成した支持フィルムの接着層とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、図4の構成の仮固定材接着フィルムを得た。この際、基材(セパレーターフィルム(PETフィルム))5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径200mmの円状aに裁断して仮固定用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(200mm径、厚さ400μm)6の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した仮固定用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ30μmのポリイミド樹脂層がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。
保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(200mm径、厚さ800μm)7上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で2000gf、10秒の条件で加熱圧着し、試験サンプルを得た。その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、サンプルを観察した。その結果、接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
次に上記で得られた試験サンプルを、NMPを満たしたガラス容器に入れ、超音波下で30分間浸漬した。その結果、仮固定用接着フィルムの高接着力面を溶解することができた。
その後、垂直方向に応力を加えることにより、支持フィルム1の両面に形成された離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3及び接着層(ポリイミド樹脂層)4を分離することができた。さらにシリコンウエハ上に残存した接着層(ポリイミド樹脂層)3、及びキャリアウエハ上に残存した接着層(ポリイミド樹脂層)4はNMPを満たしたガラス容器にサンプルを入れ、超音波洗浄機を用いることにより除去することができた。
厚さ25μmの表面に化学処理を施したポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製 ユーピレックスSGA)を、支持フィルム1として用いた。このポリイミドフィルムの両面に、円形の形状が刻まれたグラビアコーターを用いて直径190mmの円状にUV硬化型シリコーン溶液を転写塗布し、その後、溶媒を加熱除去した後、UV硬化によりUV硬化型シリコーンを0.5μmの厚さで形成し、両面に離型層2のついた支持フィルムを得た。さらにシリコーンが円状に形成された面側に上記の製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に接着層3となる厚さ30μmのポリイミド樹脂層を形成した。この時、離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は0.7N/mであり、支持フィルムの離型層の形成されていない部分と接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は850N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3を形成した支持フィルムの接着層とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、図4の構成の仮固定材接着フィルムを得た。この際、基材(セパレーターフィルム(PETフィルム))5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径200mmの円状aに裁断して仮固定用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(200mm径、厚さ400μm)6の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した仮固定用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ30μmのポリイミド樹脂層がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。
保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(200mm径、厚さ800μm)7上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で2000gf、10秒の条件で加熱圧着し、試験サンプルを得た。その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、サンプルを観察した。その結果、接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
次に上記で得られた試験サンプルを、NMPを満たしたガラス容器に入れ、超音波下で30分間浸漬した。その結果、仮固定用接着フィルムの高接着力面を溶解することができた。
その後、垂直方向に応力を加えることにより、支持フィルム1の両面に形成された離型層2と接着層(ポリイミド樹脂層)3及び接着層(ポリイミド樹脂層)4を分離することができた。さらにシリコンウエハ上に残存した接着層(ポリイミド樹脂層)3、及びキャリアウエハ上に残存した接着層(ポリイミド樹脂層)4はNMPを満たしたガラス容器にサンプルを入れ、超音波洗浄機を用いることにより除去することができた。
(比較例1)
厚さ25μmの表面に化学処理を施したポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製 ユーピレックスSGA)を、支持フィルムとして用いた。このポリイミドフィルムの片面に、製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)を形成した。この時、支持フィルムと接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は850N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmのポリイミド樹脂層を形成したフィルムの接着層とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、離型層を設けない仮固定用接着フィルムを得た。この際、基材(セパレーターフィルム(PETフィルム))5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径200mmの円状に裁断して仮固定用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(200mm径、厚さ400μm)の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した仮固定用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。
保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(200mm径、厚さ800μm)上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で2000gf、10秒の条件で加熱圧着し、試験サンプルを得た。その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、サンプルを観察した。その結果、接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
次に上記で得られた試験サンプルを、NMPを満たしたガラス容器に入れ、超音波下で30分間浸漬した。その結果、仮固定用接着フィルムの周辺部のみ溶解することができた。
その後、垂直方向に応力を加えたが、支持フィルムとポリイミド樹脂層を分離することができなかった。
実施例1〜6および比較例1で用いた支持フィルム、離型層、接着層厚み、裁断径、接着力、評価等を纏めて表1に示した。
厚さ25μmの表面に化学処理を施したポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製 ユーピレックスSGA)を、支持フィルムとして用いた。このポリイミドフィルムの片面に、製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、支持フィルムの片面に厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)を形成した。この時、支持フィルムと接着層(ポリイミド樹脂層)3の接着力は850N/mであった。
また、厚さ25μmの基材5となるセパレータフィルム(PETフィルム)上に製造例1で製造したポリイミド樹脂ワニスを塗布し、80℃で30分、120℃で30分乾燥して、セパレーターフィルムの片面に厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)を形成した。
次に上記で製造した支持フィルムの片面に厚さ30μmのポリイミド樹脂層を形成したフィルムの接着層とは反対の面に、上記のセパレーターフィルムの片面に形成した厚さ10μmの接着層(ポリイミド樹脂層)4を200℃で貼り合せ、離型層を設けない仮固定用接着フィルムを得た。この際、基材(セパレーターフィルム(PETフィルム))5は剥がさずに保護フィルムとして用いた。
さらに上記で製造した仮固定用接着フィルムを直径200mmの円状に裁断して仮固定用接着フィルムを得た。
支持台上に載せたシリコンウエハ(200mm径、厚さ400μm)の裏面(支持台と反対側の面)に、上記で裁断した仮固定用接着フィルムをロール(温度80℃、線圧4kgf/cm、送り速度0.5m/分)で加圧することにより積層した。この際、厚さ30μmの接着層(ポリイミド樹脂層)3がシリコンウエハの裏面に接する形で積層した。
保護フィルムとしたセパレーターフィルムの基材(PETフィルム)5を剥がし、キャリアウエハ(200mm径、厚さ800μm)上に、仮固定用接着フィルムを挟んで、150℃の熱盤上で2000gf、10秒の条件で加熱圧着し、試験サンプルを得た。その後、120℃で1時間、180℃で1時間、260℃で10分間加熱した後、サンプルを観察した。その結果、接着層の発泡は見られず耐熱性は良好であった。
さらに得られた試験サンプルのシリコンウエハを研磨によって厚さ50μmまで薄厚化したところ、研磨中に2枚のシリコンウエハの間で剥離が生じることなく、良好に研磨を行うことができた。
次に上記で得られた試験サンプルを、NMPを満たしたガラス容器に入れ、超音波下で30分間浸漬した。その結果、仮固定用接着フィルムの周辺部のみ溶解することができた。
その後、垂直方向に応力を加えたが、支持フィルムとポリイミド樹脂層を分離することができなかった。
実施例1〜6および比較例1で用いた支持フィルム、離型層、接着層厚み、裁断径、接着力、評価等を纏めて表1に示した。
以上、実施例1〜6および比較例1の結果から明らかなように、本発明の仮固定用接着フィルムは、研磨用ウエハおよび保持ウエハ(保持部材、キャリアウエハ)を密着させて良好に固定することができ、耐熱性に優れている。また、本発明の仮固定用接着フィルムは、研磨後のシリコンウエハの分離が容易であり、さらに分離後、ウエハに残存した接着組成物を溶媒によって容易に除去することができる。そのため、半導体パッケージの製造に向けて、シリコンウエハ裏面を研磨によって薄厚化する際の保持材料へのシリコンウエハの仮固定に使用する接着材料として有益となる。
1 支持フィルム
2 離型層
3 接着層
4 接着層
5 基材(セパレーターフィルム)
6 シリコンウエハ(半導体ウエハ)
7 キャリアウエハ(保持材料)
a 裁断面
2 離型層
3 接着層
4 接着層
5 基材(セパレーターフィルム)
6 シリコンウエハ(半導体ウエハ)
7 キャリアウエハ(保持材料)
a 裁断面
Claims (16)
- 支持フィルムの片面または両面に部分的に離型層を形成し、接着力が離型層を形成した以外の周囲の高接着力面よりも小さい低接着力面を形成し、さらに、高接着力面と低接着力面の表面に、高接着力面と低接着力面の両方に接する接着層を形成し、離型層を支持フィルムの片面に形成した場合には、離型層を形成していない面にも接着層が形成される仮固定用接着フィルム。
- 部分的に離型層を形成した低接着力面が、円形である請求項1に記載の仮固定用接着フィルム。
- 部分的に離型層を形成した低接着力面の直径が、260〜299mmの円形である請求項1または請求項2に記載の仮固定用接着フィルム。
- 部分的に離型層を形成した低接着力面の直径が、160〜199mmの円形である請求項1または請求項2に記載の仮固定用接着フィルム。
- 支持フィルムの材質が、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエーテルケトン、ポリアリレート、芳香族ポリエーテルケトン及びポリエチレンナフタレートよりなる群から選ばれる請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
- 部分的に離型層を形成した低接着力面と接着層の間の接着力が0〜10N/mの間であり、離型層を形成しない高接着力面と接着層の間の接着力が50〜3000N/mである請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
- 支持フィルムの厚さが、5〜100μmである請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
- 接着層の厚さが、0.1〜100μmである請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
- 離型層が、シリコーンを含有する請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
- 離型層の厚さが0.01〜5μmである請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
- 離型層が顔料または染料により着色されている請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
- 仮固定用接着フィルムの接着力が離型層を形成した低接着力面と、その周辺の離型層を形成していない高接着力面を含む所定の形状に予め裁断されている請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の仮固定用接着フィルム。
- 保持材料に、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の仮固定用接着フィルムを貼り合わせる工程、仮固定用接着フィルムの保持材料とは反対の面に半導体ウエハを貼り合わせる工程、半導体ウエハに所定の加工を施す工程、仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程、仮固定用接着フィルムの低接着面とこれに接する支持フィルムを分離することにより保持材料と半導体ウエハを分離する工程を有する半導体装置の製造方法。
- 保持材料に、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の仮固定用接着フィルムを貼り合わせる工程、仮固定用接着フィルムに半導体素子を貼り合わせる工程、保持材料に貼り合わされた半導体素子を封止する工程、仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程、仮固定用接着フィルムの低接着面とこれに接する支持フィルムを分離することにより保持材料と封止された半導体素子を分離する工程を有する半導体装置の製造方法。
- 仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程において、有機溶媒で高接着力面を溶解して剥離する請求項13または請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
- 仮固定用接着フィルムの高接着力面とこれに接する支持フィルムを剥離する工程において、高接着力面とこれに接する支持フィルムを機械的に剥離する請求項13または請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
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