JP2014141474A - 抗糖尿病剤およびそれを含有する食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】人体に対する安全性が確認されたものを配合して製造される抗糖尿病剤、それを含有する食品を提供すること。
【解決手段】抗糖尿病剤にフキの葉または茎の乾燥粉末を配合する。また、糖尿病予防用または抗糖尿病用食品にその抗糖尿病剤を含有させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、フキ(蕗)の葉または茎を配合した抗糖尿病剤およびその抗糖尿病剤を含有する食品に関する。
我が国の経済の発達に伴い、食生活が欧米化することによる高カロリー化や、車や鉄道等の移動手段の発達に伴う運動不足、そして高齢化現象によって糖尿病患者またはその予備軍が急増しており、近年大きな問題となっている。
糖尿病には、若年者に発症者が多いインシュリン依存型(1型)糖尿病と、中高年者に発症者が多いインシュリン非依存型(2型)糖尿病とがある。
インシュリン依存型糖尿病は、膵臓にあってインシュリンを分泌するβ細胞が何らかの原因で破壊されてしまうことにより、インシュリンがほとんど分泌されなくなって血糖値が上昇してしまうというものである。
このようなインシュリン依存型糖尿病に対しては、インシュリン注射等によるインシュリン投与等により、強制的に血糖値を下げるという治療法が行われている。
また、インシュリン非依存型糖尿病は、運動不足や肥満等などが原因となって、β細胞の働きが悪くなることによってインシュリンの分泌量が減少して血糖値が上昇してしまうというものや、細胞のインシュリン感受性が低下することによって結果として血糖値が上昇してしまうというものである。
このようなインシュリン非依存型糖尿病に対しては、まずは食事療法と運動療法を行い、その後インシュリンや経口血糖低下薬の投与等の治療法が行われている。
しかしながら、上述したインシュリンや経口血糖低下薬は、その使用目的と薬効発現が患者によって異なることや副作用の問題があることから、医師の管理下において厳格に処方されることになっている。そのため、これらを容易に入手することができないという問題があった。
一方、天然物の中で抗糖尿病作用を有するものを見つけ出し、それらを用いて製造される抗糖尿病剤が報告されている(特許文献1参照)。
また、そのような天然物の中には、すでに多年にわたって食用に供され、人体に対する安全性が確認されているものも報告されている(特許文献2参照)。
特開2005−75744 特開2002−275087
しかしながら、これらの天然物は、容易に入手することができないものや、独特の風味を有するために食するのが難しいという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑み、人体に対する安全性が確認されたものを配合して製造される抗糖尿病剤を提供すると共に、それを含有する食品を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、日本において古来より食されてきたフキ(蕗)に抗糖尿病作用があることを見出し、本発明に至った。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、フキの葉または茎を配合した抗糖尿病剤にある。
かかる第1の態様では、人体に対して安全な抗糖尿病剤を提供することができる。
本発明の第2の態様は、フキの葉または茎が乾燥粉末になっていることを特徴とする第1の態様に記載の抗糖尿病剤にある。
かかる第2の態様では、容易に抗糖尿病剤を製造することができると共に、容易にフキの葉または茎の成分を摂取者に吸収させることができることから、より高い抗糖尿病性を奏する。
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様のいずれかに記載の抗糖尿病剤を含有する糖尿病予防用または抗糖尿病用食品にある。
かかる第3の態様は、摂取者が抗糖尿病剤として認識できない形で、毎日摂取することができることから、より容易に抗糖尿病剤を摂取することができる。
本発明の第4の態様は、食品がカレーであることを特徴とする第3の態様に記載の糖尿病予防用または抗糖尿病用食品にある。
かかる第4の態様は、カレーに含まれる香辛料によってフキの苦み等の味が低減させることができることから、フキが苦手な摂取者に対しても抗糖尿病剤を容易に摂取させることができる。
本発明の第5の態様は、第1の態様または第2の態様のいずれかに記載の抗糖尿病剤が溶解した茶にある。
かかる第5の態様は、茶の形態とすることにより、より容易に抗糖尿病剤(必要とする量)を摂取者に吸収させることができる。
マウスの体重と飼育日数との関係を示すグラフである。なお、値は各群8頭の平均値と標準偏差を示す。 飼料の摂取量と飼育日数との関係を示すグラフである。なお、値は各群8頭の平均値と標準偏差を示す。 マウスの血糖値と飼育日数との関係を示すグラフである。なお、値は各群8頭の平均値と標準偏差を示す。
本発明に用いるフキ(蕗)は日本原産のものに限定されず、日本以外に繁殖しているフキの近縁種を含むものであり、品種(秋田蕗等)も特に限定されない。
また、抗糖尿病剤に配合されるフキの葉または茎は、生のままであっても、乾燥、加熱、または冷凍等の加工されたものであってもよい。
さらに、抗糖尿病剤に配合(添加)されるフキの形態は限定されない。たとえば、フキの形態は、フキの原型のままであっても、原型の一部残してその他は加工されたものであっても、粉末であってもよい。フキを粉末とすることにより、容易に抗糖尿病剤を製造することができると共に、容易にフキの葉または茎の成分を摂取者に吸収させることができるので、このように製造された抗糖尿病剤はより高い抗糖尿病性を奏する。
また、上記の抗糖尿病剤の形態は、フキ(その粉末を含む。)を水またはエタノールなどのアルコールを用いて、その成分が溶解したものであってもよい。このようなものとすることにより、より容易に抗糖尿病剤(必要とする量)を摂取者に吸収させることができる。
次に、フキ以外の抗糖尿病剤を構成する材料は限定されない。たとえば、その材料として、フキと同様に抗糖尿病作用を有する天然物であっても、そのような天然物から抽出された抽出物であってよいし、様々な機能を有する化合物であってもよく、さらには調剤薬や市販薬に含まれている材料であってもよい。
また、抗糖尿病剤に含まれるフキとその他の材料の比率についても限定されず、抗糖尿病作用を奏することができる比率であればよく、たとえばすべてフキの葉または茎で構成されていてもよい。
(実施形態)
以下、フキの葉またはフキの茎からなる抗糖尿病剤を実施例として本発明について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
フキ粉末混飼料を作製し、それを肥満糖尿病モデル動物に与えて、その血糖値の変化等を調べた。
<フキ乾燥粉末の製造およびその成分分析>
生のフキ(葉、茎)を水道水で洗浄し、特に茎部のひげ状のものは取り除き、葉部と茎部とに分けた。茎については、傷んでいる部分を除去し、5cm程度に切断した。葉については、5cm角程度に切断した。
そして、切断したフキ(茎、葉)を−80℃で凍結後、凍結乾燥機にて乾燥物にした。乾燥後、ミキサーで粉末化した。その結果を表1に示す。
Figure 2014141474
また、このようにして得られたフキ乾燥粉末の一般食品成分を表2に示す。
Figure 2014141474
<糖尿病モデル動物でのフキ乾燥粉末添加飼料の摂取による病態への効果>
肥満糖尿病モデル動物として、ヒトの糖尿病に多い2型糖尿病態を発症するKK-Ayマウス(日本クレア製)を用い、表3に示すフキ乾燥粉末(葉、茎)を混合した高脂肪飼料を摂取させたときの病態への影響を調査した。
Figure 2014141474
まず、標準飼料(20%カゼイン飼料)を基準に脂肪含量を増やし、肥満・病態を加速しやすい飼料として高脂肪飼料を作製した。その高脂肪飼料にフキの葉の乾燥粉末または茎の乾燥粉末を10%添加(配合)してフキ乾燥粉末添加飼料をそれぞれ作製した。
なお、フキの乾燥粉末を添加することで増えた飼料の重量は、αコーンスターチ(でんぷん)とセルロース量で調整した。これにより、食物繊維量が高脂肪飼料間で差違がないように調製した。
そして、このようにして得られた飼料を、次のようにしてKK-Ayマウスに与えた。
KK-Ayマウス(雄性、4週齢)を7日間予備飼育後、対照群(C群、20%カゼイン飼料給餌)、高脂肪飼料群(HF群、高脂肪食給餌)、フキ葉添加高脂肪飼料群(L群、フキ葉10%添加高脂肪食給餌)、フキ茎添加高脂肪飼料群(S群、フキ茎10%添加高脂肪食給餌)の4群(各8頭)に群分けした。群分けにあたっては、尾静脈より血糖値を測定し、群間で血糖値の平均と体重に差違がないようにした。なお、飼料および水は自由摂取、自由飲水とした。
また、飼育環境としてはステンレスケージに個別飼育とし、飼育期間中、22±1℃に維持し、明暗サイクルは午前6時から午後6時を明期とし、それ以外を暗期として、12時間ごとに明期と暗期を切り替えた。
実験飼料での飼育開始15日目、29日目の午前中に1時間飼料を取り除いた後、血糖値の測定を尾静脈血で行った。また33、34日目にはHbA1c値の測定を尾静脈血で行った。
糞および尿の採取は、飼育26〜29日目の3日間に渡って行った。飼育開始36日目に飼料を取り除き、午前中のうちにジエチルエーテル麻酔下で屠殺解剖した。採血は下大静脈より行い、真空採血管を用いて分離した血清を得て、血液性状分析の試料とした。また、マウスから各種臓器を分離して重量測定を行い、それらを液体窒素にて直ちに凍結した。血清および臓器は全て−80℃で分析するまで凍結保存した。
≪血糖値の測定方法≫
マウスの尾静脈からメスにより出血させ、血糖値測定チップ(ブリーズ2センサー、バイエル薬品社製)で採取して測定した。
≪HbA1cの測定方法≫
尾静脈からメスにより出血させ、DCA2000HbA1cカートリッジ(シーメンスメディカルソリューション社製)を用いて、専用の分析機(DCA Vantage Analyzer、シーメンスメディカルソリューション社製)でプロトコールに従って測定した。
≪血液性状の分析≫
解剖時血清の血糖値、中性脂肪濃度、総コレステロール濃度、HDL-コレステロール濃度は、臨床検査用の測定キットを用いて測定した。それぞれグルコースCII-テストワコー、トリグリセリドE-テストワコー、コレステロールE-テストワコー、HDL-Cテストワコー(すべて和光純薬工業社製)を用いた。
また、血中インスリン濃度、インターロイキン6濃度(IL-6濃度)、アディポネクチン濃度をELISAキットにて測定した。それぞれインスリン測定キット(森永生化学研究所製)、IL-6
Platinum ELISAキット(eBioscience社製)およびマウス/ラットアディポネクチンELISAキット(大塚製薬社製)を用いた。
≪糞中脂質量≫
排泄された糞から脂質画分を抽出し、脂質量(中性脂肪量、コレステロール量)を測定し、消化吸収性の評価をした。
具体的には、まず回収された糞(3日間分)を乾燥し、その重量を測定した後、その糞を乳鉢にて粉末化した。次いで、約0.5gの糞を精秤した後、96容量%(v/v)のエタノール10mLを加え、70℃、2時間振とうし、抽出物を抽出した。その抽出物を遠心分離機にかけた後、濾紙でろ過した。得られた濾液をメスフラスコにて96容量%(v/v)のエタノールで10mLに体積が一定になるように調整し、これを糞中脂質抽出液とした。そして、その糞中脂質抽出液を一定量取り、血清の中性脂肪濃度および総コレステロール濃度を測定する際に用いた測定キットを用いて糞中脂質量を測定した。
≪肝臓中脂質量≫
肝臓から脂質画分を抽出し、脂質量(中性脂肪量、コレステロール量)を測定し、高脂肪食摂取下における肝臓組織への脂質蓄積度合いの評価をした。
具体的には、肝臓約200mgを精秤し、クロロホルム:メタノール(2:1)混液4mL中にて、ホモジェナイザーを用いて破壊・懸濁した。これを遠心分離機にかけた後、上澄みを分液漏斗に入れて回収した。また、遠心分離により得られた沈殿に再びクロロホルム:メタノール(2:1)混液4mLを加え、同様の操作を行って再度懸濁液を抽出した。これを遠心分離機にかけた後、上澄みを先の分液漏斗に入れ、0.88%KCl水溶液2mLを加えて、上澄みを水層と有機層とに分離させた。その有機層をメスフラスコにてクロロホルムで10mLに体積が一定になるように調整し、これを肝臓脂質抽出液とした。そして、その肝臓脂質抽出液を一定量取り、血清の中性脂肪濃度および総コレステロール濃度を測定する際に用いた測定キットを用いて肝臓中脂質量を測定した。
≪統計処理≫
各値は、平均値と標準偏差で表し、各群間の有意差の検定はTukey’s multiple
comparison test(テューキーの多重比較検定)を用いて判定した(a、ab、b、bc、cの順で、より有意差があることを示す。)。なお、有意水準は5%とした。
以下に、得られた結果を示す。
≪体重および摂取量の推移≫
飼育期間中のマウスの体重と飼育日数との関係を図1に、飼料の摂取量と飼育日数との関係を図2に示す。これらの図より、体重に関しては、有意ではないが、C群に比べて高脂肪飼料を与えた3群(HF群、S群、L群)が高い値を示し、L群、S群、HF群の順に低い値を示した。
また、高脂肪飼料を与えた群(HF群、S群、L群)間では、飼料の摂取量に大きな差はなく、フキ乾燥粉末が含有していても特に摂取量の低下を招くような様子は認められなかった。
≪血糖値の変化およびHbA1c値≫
群分け初日、15、29日目に測定した血糖値の推移を図3に示す。図3によると、15日目ではHF群に比べ、フキ乾燥粉末添加飼料群(L群、S群)がC群と差違がない程度の血糖値で維持されていたことが分かった。
次に、33、34日目に測定したマウスのHbA1c値を表4に示す。
Figure 2014141474
HbA1c値は過去1〜2ヵ月間の血糖値を反映した値とされ、血糖が高いと高くなる数値である。ヒトでは、6.5%以上が特定診断の受診勧奨判断基準とされている。血糖値では、一過的な変動の影響を受けやすく、ストレスや測定直前の摂取の有無の影響を受けるのに対して、HbA1c値では安定した評価がしやすいという特徴がある。
表4によれば、L群は、HbA1c値に関してC群およびHF群によりも低い値を示し、それらの群よりも血糖値の上昇が抑制されていることが分かった。また、S群についても、HbA1c値に関してHF群よりも低くなる傾向を示した。すなわち、フキ乾燥粉末添加飼料が抗糖尿病性を有し、特にフキ葉乾燥粉末を添加したものはより高い抗糖尿病性を有することが分かった。
≪尿量および糞重量≫
実験飼育26〜29日目の3日間に採取した尿量、尿糖値および糞排泄量を表5に示す。
Figure 2014141474
糖尿病態では、尿量が上昇し、高い尿糖値を示すようになる。表5によれば、フキ乾燥粉末添加飼料群(L群、S群)は、有意ではないが、HF群に比べ、尿量および尿糖値のいずれも低い値を示すことが分かった。
また、糞排泄量については、フキ葉乾燥粉末添加飼料群(L群)が、その他群に比べて高い値を示すことが分かった。すなわち、フキ葉乾燥粉末添加飼料は、糞便排泄促進効果を有することが分かった。
≪解剖時体重、臓器重量、血液性状分析値≫
各群の解剖時の体重および各種臓器重量を表6に示す。
Figure 2014141474
表6を見ると、最終体重については高脂肪飼料群(HF群、L群、S群)間において差は認められないが、体重増加量(増体重)については、フキ乾燥粉末添加飼料群(L群、S群)の方がHF群に比べて低い値を示すことが分かった。
これは、高脂肪飼料群(HF群、L群、S群)間では高脂肪飼料の摂取量に差がないことから、エネルギー摂取量の低下による体重抑制ではなく、フキ乾燥粉末の添加によるものと考えられる。
また、各臓器重量についてみてみると、脂肪組織の一部でHF群に比べ、L群、S群で低下傾向を示す部位(精巣周囲脂肪と腸間膜脂肪)があることが分かった。
これらのことから、フキ乾燥粉末添加飼料は、肥満(脂肪蓄積)を抑制する効果があることが分かった。
次に、各群の血液成分の分析値を表7に示す。
Figure 2014141474
表7によると、血糖値に関し、L群は、HF群に比べ低い値を示し、フキ葉添加飼料により血糖上昇が抑制されていることが分かった。また、S群についても、HF群に比べ、低い値を示す傾向があることが分かった。このことからも、フキ乾燥粉末添加飼料(L群、S群)が抗糖尿病性を有することが分かった。
さらに、各群の糞中脂質量の分析値を表8に示す。
Figure 2014141474
表8によると、糞中へのコレステロール排泄量は糞1g当たりの排泄量ではHF群に比べ、L群で増加傾向を示し、S群で有意な増加を示した。糞便量は、L群>S群>HF群であるので、その量を乗じ「1日あたりの排泄量」としてみると、HF群に比べ、L群、S群は共に有意に高い値となった。また、この効果は中性脂肪排泄量でより顕著に認められた。したがって、フキ乾燥粉末添加飼料(L群、S群)は脂質の吸収を抑え、糞便排泄促進効果を有することが分かった。このことから、フキ乾燥粉末添加飼料(L群、S群)が抗糖尿病性を有することは明らかである。
次に、各群の肝臓中脂質量の分析値を表9に示す。
Figure 2014141474
表9によると、コレステロール量は、HF群に比べ、L群で有意に低く、中性脂肪量は低下傾向を示した。S群についてはどちらの脂質成分についても有意な有効性は認められなかった。したがって、フキ乾燥粉末飼料のうち、特にフキ葉乾燥粉末添加飼料が肝臓への脂質蓄積を抑制する効果が高いことが分かった。このことから、特にフキ葉乾燥粉末添加飼料が抗糖尿病性を有することは明らかである。
なお、この実施例では、フキの乾燥粉末を用いて行ったが、生のままであっても、乾燥、加熱、または冷凍等の加工されたものであっても同様の効果が得られる。
そして、このような抗糖尿病性を有するフキの葉または茎を配合した抗糖尿病剤が抗糖尿病性を有することは明らかである。
(他の実施形態)
上述したようなフキの葉または茎を配合した抗糖尿病剤を単独で、または実施例で例示した材料との混合物として食品に含有させることによって、糖尿病予防用または抗糖尿病用食品が得られる。なお、フキの葉または茎が配合される食品は特に限定されない。
また、フキの葉またはフキの茎を乾燥させ、これらから成分(抗糖尿病剤の成分)を抽出し、茶としてもよい。このような茶とすることにより、より容易に抗糖尿病剤(必要とする量)を摂取者に吸収させることができるので、このようなお茶は高い抗糖尿病性を奏する。なお、このような茶には、緑茶やほうじ茶などの成分が含まれていてもよい。
このような茶は、一般的な緑茶やドクダミ茶と同様に製造することもできるが、たとえば次のようにして製造することができる。まず、フキの葉または茎を洗浄し、約60℃で加熱乾燥させる。次に、得られた乾燥物を裁断機で約0.1mm角に粉砕し、得られた粉末を焙煎する。その粉末を緑茶の場合と同様にして、80〜90℃の熱湯に浸漬することにより茶が得られる。
このような食品(茶を含む。)は、上述したような抗糖尿病性を有し、かつ毎日摂取することができることから、より容易に抗糖尿病剤を摂取することができる。
特に、カレーに抗糖尿病剤を含有させることによって、カレーに含まれる香辛料によってフキの苦み等の味が低減させることができることから、フキが苦手な者に対しても抗糖尿病剤を容易に摂取させることができる。

Claims (5)

  1. フキの葉または茎を配合した抗糖尿病剤。
  2. 前記フキの葉または茎が乾燥粉末になっていることを特徴とする請求項1に記載の抗糖尿病剤。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の抗糖尿病剤を含有する糖尿病予防用または抗糖尿病用食品。
  4. 前記食品がカレーであることを特徴とする請求項3に記載の糖尿病予防用または抗糖尿病用食品。
  5. 請求項1または2のいずれかに記載の抗糖尿病剤が溶解した茶。
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