JP2014141211A - 操舵角センサの信頼性判定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】角度記憶処理部73は、イグニッションオフ指令が入力されたときに、操舵角センサによって検出される操舵角θhと、回転角演算部によって検出されるロータ角θsとを、不揮発性メモリ74に記憶させる。第1の信頼性判定部71は、ECUの電源オン直後において、操舵角センサによって検出される操舵角θhと、回転角演算部によって検出されるロータ角θsと、不揮発性メモリ74に記憶されている前回電源オフ時の操舵角およびロータ角とに基いて、操舵角センサの検出値の信頼性が高いか否かを判定する。
【選択図】図7
Description
操舵角センサの出力信号のみに基いて、当該操舵角センサの故障の有無、当該操舵角センサの出力線の断線の有無等を判定することにより、当該操舵角センサの検出値の信頼性を判定する方法はよく知られている。このような信頼性判定方法は、自己故障診断と呼ばれているものである。自己故障診断では、操舵角センサの検出値が比較的低レベルの信頼性を確保しているか否かを判定することができるが、操舵角センサの検出値がより高いレベルの信頼性を確保しているか否かを判定することは困難である。
この発明の目的は、電源オンの直後に、操舵角センサの検出値が高レベルの信頼性を確保しているか否かを判定することができる操舵角センサの信頼性判定装置を提供することを目的とする。
図1は、本発明の一実施形態に係る操舵角センサの信頼性判定装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
電動パワーステアリング装置1は、車両を操向するための操舵部材としてのステアリングホイール2と、このステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
操舵補助機構5は、操舵補助力を発生するための電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを転舵機構4に伝達するための減速機構19とを含む。電動モータ18は、この実施形態では、三相ブラシレスモータからなる。減速機構19は、ウォーム軸20と、このウォーム軸20と噛み合うウォームホイール21とを含むウォームギヤ機構からなる。減速機構19は、伝達機構ハウジングとしてのギヤハウジング22内に収容されている。
電動モータ18によってウォーム軸20が回転駆動されると、ウォームホイール21が回転駆動され、ステアリングシャフト6が回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォーム軸20を回転駆動することによって、転舵輪3が転舵されるようになっている。
ECU30は、マイクロコンピュータ50と、マイクロコンピュータ50によって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)41と、電動モータ18に流れるモータ電流を検出する電流検出部42とを備えている。
電動モータ18は、例えば三相ブラシレスモータであり、図3に図解的に示すように、界磁としてのロータ100と、U相、V相およびW相のステータ巻線101,102,103を含むステータ105とを備えている。電動モータ18は、ロータの外部にステータを対向配置したインナーロータ型のものであってもよいし、筒状のロータの内部にステータを対向配置したアウターロータ型のものであってもよい。
モータ制御部60は、電流指令値設定部61と、電流偏差演算部62と、PI(比例積分)制御部63と、dq/UVW変換部64と、PWM(Pulse Width Modulation)制御部65と、UVW/dq変換部66と、回転角演算部67とを含む。
回転角演算部67は、回転角センサ25の出力信号に基いて、電動モータ18のロータの回転角(電気角。以下、「ロータ角θs」という。)を演算する。
基本電流指令値設定部61Aは、d軸基本電流指令値Ido *およびq軸基本電流指令値Iqo *(以下、これらを総称するときには「二相基本電流指令値Idoqo *」という。)を設定する。さらに具体的には、基本電流指令値設定部61Aは、q軸基本電流指令値Iqo *を有意値とする一方で、d軸基本電流指令値Ido *を零とする。より具体的には、基本電流指令値設定部61Aは、トルクセンサ12によって検出される操舵トルク(検出操舵トルク)Thに基いて、q軸基本電流指令値Iqo *を設定する。
電流指令値設定部61によって設定された二相電流指令値Idq *は、電流偏差演算部62に与えられる。電流検出部42は、電動モータ18のU相電流IU、V相電流IVおよびW相電流IW(以下、これらを総称するときは、「三相検出電流IUVW」という。)を検出する。電流検出部42によって検出された三相検出電流IUVWは、UVW/dq変換部66に与えられる。
dq/UVW変換部64は、二相電圧指令値Vdq *を三相電圧指令値VUVW *に座標変換する。この座標変換には、回転角演算部67によって演算されたロータ角θs(電気角)が用いられる。三相電圧指令値VUVW *は、U相電圧指令値VU *、V相電圧指令値VV *およびW相電圧指令値VW *からなる。この三相電圧指令値VUVW *は、PWM制御部65に与えられる。
駆動回路41は、U相、V相およびW相に対応した三相インバータ回路からなる。このインバータ回路を構成するパワー素子がPWM制御部65から与えられるPWM制御信号によって制御されることにより、三相電圧指令値VUVW *に相当する電圧が電動モータ18の各相のステータ巻線101,102、103に印加されることになる。
図7は、操舵角センサの信頼性判定部70の構成を示すブロック図である。
図8は、角度記憶処理部73の動作を示すフローチャートである。
図8を参照して、イグニッションオフ指令が入力されると(ステップS1:YES)、角度記憶処理部73は、操舵角センサ11によって検出される操舵角θhと、回転角演算部67によって検出されるロータ機械角θsとを取得する(ステップS2)。そして、角度記憶処理部73は、取得した操舵角θhおよびロータ機械角θsを、前回電源オフ時の操舵角θh’およびロータ機械角θs’として、不揮発性メモリ74に記憶する(ステップS3)。既に、前回電源オフ時の操舵角θh’およびロータ機械角θs’が不揮発性メモリ74に記憶されている場合には、角度記憶処理部73は前記ステップS2で取得したデータを上書きすることにより、データを更新させる。この後、角度記憶処理部73は、処理を終了する。
第1の信頼性判定部71は、ECU30の電源オン直後において、操舵角センサ11によって検出される操舵角θhと、回転角演算部67によって検出されるロータ機械角θsと、不揮発性メモリ74に記憶されている前回電源オフ時の操舵角θh’およびロータ機械角θs’とに基いて、操舵角センサ11の検出値の信頼性が高いか否かを判定する。
次に、第1の信頼性判定部71は、減速機構19の減速比をR(R>1)とすると、次式(1)で示される信頼性判定条件を満たしているか否かを判別する(ステップS13)。
式(1)において、|θh−θh’ |は、ステップS12で取得した操舵角θhと不揮発性メモリ74に記憶されている前回電源オフ時の操舵角θh’との差の絶対値である。式(1)において、|θs−θs’ |は、ステップS12で取得したロータ機械角θsと前回電源オフ時のロータ機械角θs’との差の絶対値である。(|θs−θs’ |/R)は、絶対値|θs−θs’ |をRで除算した値であり、絶対値|θs−θs’ |をステアリングホイール2の回転量(回転角)に換算した値となる。γ(γ>0)は閾値であり、例えば、10に設定される。
前記信頼性判定条件を満たしていると判別された場合には(ステップS13:YES)、第1の信頼性判定部71は、操舵角センサ11の検出値の信頼性が高いと判定する(ステップS14)。つまり、第1の信頼性判定部71は、操舵角センサ11の検出値が高レベルの信頼性を確保していると判定する。この後、第1の信頼性判定部71は、今回の処理を終了する。
Claims (3)
- 操舵部材の回転角である操舵角を検出するための操舵角センサの信頼性判定装置であって、
前記操舵部材の回転に連動して転舵輪を転舵する転舵機構と、
前記転舵機構に操舵補助力を与える電動モータと、
前記電動モータの回転角を検出するための回転角センサと、
イグニッションオフ指令が入力されたときに、前記操舵角センサによって検出される操舵角および前記回転角センサによって検出される回転角を、前回電源オフ時の操舵角および回転角として不揮発性メモリに記憶する手段と、
電源オン直後に、前記操舵角センサによって検出される操舵角と、前記回転角センサによって検出される回転角と、前記不揮発性メモリに記憶されている前回電源オフ時の操舵角および回転角とに基いて、前記操舵角センサの検出値の信頼性を判定する信頼性判定手段とを含む、操舵角センサの信頼性判定装置。 - 前記信頼性判定手段は、
前記操舵角センサによって検出される操舵角と前回電源オフ時の操舵角との差の絶対値と、前記回転角センサによって検出される回転角と前回電源オフ時の回転角との差の絶対値とのいずれか一方を他方に対応させた値と、他方の値との差の絶対値が所定値以下であるという条件を満たしているか否かを判別する手段と、
前記条件を満たしていると判別されたときに、前記操舵角センサの検出値の信頼性が高いと判定する手段と、
前記条件を満たしていないと判別されたときに、前記操舵角センサの検出値の信頼性が低いと判定する手段とを含む、請求項1に記載の操舵角センサの信頼性判定装置。 - 前記信頼性判定手段は、
前記操舵角センサによって検出される操舵角と前回電源オフ時の操舵角との差の絶対値が第1所定値以下であり、かつ前記回転角センサによって検出される回転角と前回電源オフ時の回転角との差の絶対値が第2所定値以下であるという条件を満たしているか否かを判別する手段と、
前記条件を満たしていると判別されたときに、前記操舵角センサの検出値の信頼性が高いと判定する手段と、
前記条件を満たしていないと判別されたときに、前記操舵角センサの検出値の信頼性が低いと判定する手段とを含む、請求項1に記載の操舵角センサの信頼性判定装置。
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