本発明に係る凹版印刷機の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は図面に基づいて説明する以下の実施形態のみに限定されるものではない。
〈主な実施形態〉
本発明に係る凹版印刷機の主な実施形態を図1〜8に基づいて説明する。
図1に示すように、シート供給台である給紙台11上のシートである枚葉紙1を一枚ずつ送給するシート供給手段である給紙装置10には、当該給紙装置10のサッカ機構で上層から一枚ずつ送り出された枚葉紙1を受けて搬送するフィーダボード12が連絡している。フィーダボード12の前記枚葉紙1の搬送方向下流側端部には、当該フィーダボード12上の枚葉紙1をくわえて揺動するスイング装置13が配設されている。
前記スイング装置13の近傍には、枚葉紙1を受け取って保持するくわえ爪装置等のシート保持装置を有する第一の凹版印刷用ひねり調整胴である第一のひねり調整胴100が配設されている。前記第一のひねり調整胴100には、当該第一のひねり調整胴100からの枚葉紙1を受け取って保持するくわえ爪装置等のシート保持装置を有する第一の凹版印刷用天地調整胴である第一の天地調整胴200が対接している。
前記第一の天地調整胴200には、当該第一の天地調整胴200からの枚葉紙1を受け取って保持するくわえ爪装置等のシート保持装置を有する第一の圧胴21が対接している。第一の凹版印刷ユニット20の前記第一の圧胴21には、外周面に刷版である凹版を着脱可能に保持できる第一の版胴(凹版胴)22が対接している。前記第一の版胴22の上記凹版には、外周面にゴム製のブランケットを巻き付けられた第一のインキ集合胴23が対接している。
前記第一のインキ集合胴23には、シャブロン胴24が周方向にわたって二つ対接している。前記シャブロン胴24には、インキを供給するインキ装置25がそれぞれ対接している。これらインキ装置25内には、互いに異なる色のインキが各々充填されている。前記第一の版胴22の下方には、当該第一の版胴22の外周面の前記凹版に対接する第一のワイピングローラ26が配設されている。
前記第一の圧胴21の、前記第一の版胴22との対接位置よりも回転方向下流側と前記第一の天地調整胴200との対接位置よりも回転方向上流側との間には、当該第一の圧胴21からの枚葉紙1を受け取って保持するくわえ爪装置等のシート保持装置を有する渡胴31が対接している。
前記渡胴31には、当該渡胴31からの枚葉紙1を受け取って保持するくわえ爪装置等のシート保持装置を有する渡胴32が対接している。前記渡胴32には、当該渡胴32からの枚葉紙1を受け取って保持するくわえ爪装置等のシート保持装置を有する渡胴33が対接している。前記渡胴33には、当該渡胴33からの枚葉紙1を受け取って保持するくわえ爪装置等のシート保持装置を有する渡胴34が対接している。
前記渡胴34には、反転ユニット40の吸着胴41が対接している。前記吸着胴41には、反転ユニット40の反転胴42が対接している。前記反転胴42には、当該反転胴42からの枚葉紙1を受け取って保持するくわえ爪装置等のシート保持装置を有する渡胴35が対接している。
前記反転ユニット40は、前記第一の凹版印刷ユニット20の前記第一の圧胴21から前記渡胴31〜34を介して受け渡された前記シート1を、一方面と他方面とを反転させることなく保持して搬送して、前記渡胴35に受け渡すことと、一方面と他方面とを反転させるように保持して搬送して、前記渡胴35に受け渡すこととを、必要に応じて選択切換することができるようになっている(具体的な構造は、例えば、前記特許文献2等参照)。
前記渡胴34の、前記渡胴33との対接位置よりも回転方向下流側と前記吸着胴41との対接位置よりも回転方向上流側との間には、前記第一の凹版印刷ユニット20で凹版印刷された前記枚葉紙1の印刷面のインキを乾燥させる第一の凹版印刷用乾燥手段である乾燥器61が当該渡胴34に対向するようにして配設されている。
前記渡胴35には、当該渡胴35からの枚葉紙1を受け取って保持するくわえ爪装置等のシート保持装置を有する第二の凹版印刷用ひねり調整胴である第二のひねり調整胴300が配設されている。前記第二のひねり調整胴300には、当該第二のひねり調整胴300からの枚葉紙1を受け取って保持するくわえ爪装置等のシート保持装置を有する第二の凹版印刷用天地調整胴である第二の天地調整胴400が対接している。
前記第二の天地調整胴400には、当該第二の天地調整胴400からの枚葉紙1を受け取って保持するくわえ爪装置等のシート保持装置を有する第二の圧胴51が対接している。第二の凹版印刷ユニット50の前記第二の圧胴51には、外周面に刷版である凹版を着脱可能に保持できる第二の版胴(凹版胴)52が対接している。前記第二の版胴52の上記凹版には、外周面にゴム製のブランケットを巻き付けられた第二のインキ集合胴53が対接している。
前記第二のインキ集合胴53には、シャブロン胴54が周方向にわたって五つ対接している。前記シャブロン胴54には、インキを供給するインキ装置55がそれぞれ対接している。これらインキ装置55内には、互いに異なる色のインキが各々充填されている。前記第二の版胴52の下方には、当該第二の版胴52の外周面の前記凹版に対接する第二のワイピングローラ56が配設されている。
前記第二の圧胴51には、シート排出胴である排紙胴71が対接している。前記排紙胴71には、シート排出手段である排紙装置70のシート排出チェーンである排紙チェーン72が掛け渡されている。前記排紙チェーン72には、図示しない爪竿が所定の間隔で複数設けられている。前記排紙チェーン72の走行方向下流側には、複数のシート排出台である排紙台73A〜73Cが設けられている。
そして、第一の凹版印刷用ひねり調整手段となる前記第一のひねり調整胴100は、図2,3に示すような第一のひねり調整機構を有している。
図2,3に示すように、胴本体124の操作側の端軸は、印刷機本体の操作側のフレーム135の軸受孔135aに嵌着された偏心軸受136に回転自在に軸支されており、この偏心軸受136は、軸受孔135aと嵌合するフレーム側外周円136aの軸心Aと端軸134側内周円136bの軸心Bとが図に符号tで示すだけ偏心されている。
他方、前記フレーム135には、レバー139がピン140によって揺動自在に枢着されている。前記レバー139の揺動端側二又部には、ロッド142の一端が枢着されている。前記ロッド142の他端は、前記偏心軸受136のフランジ部に形成された二又部136cに枢着されている。
前記フレーム135には、第一のひねり調整用モータ137が当該フレーム135に設けられたブラケット138によって支持されている。前記第一のひねり調整用モータ137のモータ軸137aは、前記レバー139の揺動端側二又部に回動自在に枢着されたこま141のねじ孔に進退自在に螺合している。なお、図3では、図面を展開して図示した関係上、こま141が枢着された二又部とロッド142の一端が枢着された二又部とが上下に分かれて記載されているが、実際はこれらが同じ二又部に枢着されている。
つまり、前記第一のひねり調整用モータ137を作動して前記モータ軸137aを回動させると、前記こま141を介して前記レバー139が揺動し、前記ロッド142を介して前記偏心軸受136が所定の角度だけ回動し、当該偏心軸受136の偏心作用で前記胴本体124の一端側の軸心位置を軸心Aから軸心Bへ移動させることにより、当該胴本体124の軸心を前記第一の凹版印刷ユニット20の前記第一の版胴22の軸心に対して傾斜させて、当該第一の凹版印刷ユニット20で前記枚葉紙1に印刷する絵柄の位置をひねり調整することができるようになっているのである(詳細には、例えば、前記特許文献3等参照)。
また、第一の凹版印刷用天地調整手段となる前記第一の天地調整胴200は、図4,5に示すような第一の天地調整機構を有している。
図4に示すように、胴本体201の一方の軸端201aは、軸受202を介して前記第一の凹版印刷ユニット20のフレーム20Aに回動可能に支持されている。前記胴本体201の前記軸端201aには、外周面に歯車状の歯部203aを有する伝達軸203が同軸をなして取り付けられている。前記伝達軸203の外周面には、前記歯部203aと噛み合う歯車状の歯部204aを内周面に有する伝達筒204が軸方向に沿って摺動移動できるように同軸をなして差し込まれている。
また、前記フレーム20Aに支持部材205を介して支持されたサブフレーム206には、先端側(図4中、左側)におねじ部207aを有するねじ軸207の基端側(図4中、右側)が前記胴本体201と同軸上に位置するように固定支持されている。前記ねじ軸207の前記おねじ部207aには、内周面にめねじ部208aを有するねじ筒208が螺合している。
前記ねじ筒208の外周面の、前記胴本体201の軸方向外側の端部側(図4中、右側)には、歯車状の歯部208bが形成されている。前記ねじ筒208の前記歯部208bには、歯車209が噛み合っている。前記歯車209は、前記サブフレーム206に軸方向中程を回転可能に支持された回転軸210の先端側(図4中、左側)に同軸をなして取り付けられている。前記回転軸210の基端側(図4中、右側)には、ウォームホイール211が同軸をなして取り付けられている。前記ウォームホイール211には、ウォーム212が噛み合っている。
図5に示すように、前記ウォーム212には、第一の天地調整用モータ291の駆動軸291aが同軸をなして取り付けられている。前記第一の天地調整用モータ291は、図示しないブラケットを介して前記サブフレーム206に固定支持されると共に、前記駆動軸291aが、前記サブフレーム203に固定支持されたブラケット214を介して回動可能に支持されている。
つまり、前記第一の天地調整用モータ291の前記駆動軸291aを回動させると、前記ウォーム212,前記ウォームホイール211,前記回転軸210,前記歯車209を介して前記ねじ筒208が周方向に回動して、前記ねじ軸207に対して軸方向に沿って移動することができるようになっているのである。
前記ねじ筒208の軸方向中程の外周面上には、環状をなす回転板215が当該ねじ筒208と同軸をなすようにして差し込まれており、当該回転板215は、当該ねじ筒208に対して、周方向に回転できるようにスラスト軸受216を介して支持されている。前記回転板215の外周側は、前記伝達筒204の、前記胴本体201の軸方向外側の端部側(図4中、右側)に連結固定されている。
前記伝達筒204の軸方向中程の外周面には、はす歯歯車200bが同軸をなして取り付けられている。前記はす歯歯車200bには、前記第一の圧胴21に同軸をなして設けられて当該第一の圧胴21と一体的に回転するはす歯歯車21aが噛み合っている。前記伝達軸203の前記胴本体201側の外周面には、はす歯歯車200aが同軸をなして取り付けられている。前記はす歯歯車200aには、前記第一のひねり調整胴100の前記胴本体124に同軸をなして設けられて当該第一のひねり調整胴100と一体的に回転するはす歯歯車100aが噛み合っている。
つまり、前記第一のひねり調整胴100の前記はす歯歯車100aが回転すると、前記第一の天地調整胴200の前記はす歯歯車200aを介して前記伝達軸203が回転することにより、前記胴本体201が回転する一方、前記伝達筒204を介して前記はす歯歯車200bが回転し、前記第一の圧胴21の前記はす歯歯車21aに動力が伝達されて当該第一の圧胴21が回転すると共に、前記第一の天地調整用モータ291の作動により、上述したように、前記ねじ筒208が前記ねじ軸207に対して軸方向に移動すると、前記スラスト軸受216及び前記回転板215を介して前記伝達筒204が前記伝達軸203に対して軸方向に摺動移動して、前記はす歯歯車200bが前記第一の圧胴21の前記はす歯歯車21aに対して軸方向に相対移動し、当該はす歯歯車200b,21aの噛み合い位置が変わることにより、上記第一の天地調整胴200の上記胴本体201の周方向(天地方向)の回転位相に対する上記第一の圧胴21の周方向(天地方向)の回転位相が変更、すなわち、上記胴本体201と上記第一の圧胴21との周方向(天地方向)の相対的な回転位相が調整され、前記第一の凹版印刷ユニット20で枚葉紙1に印刷する絵柄の天地方向の位置を調整することができるようになっているのである(詳細には、例えば、前記特許文献4等参照)。
そして、第二の凹版印刷用ひねり調整手段となる前記第二のひねり調整胴300は、前記第一のひねり調整胴100の前記第一のひねり調整機構と同様な構造をなす第二のひねり調整機構を有しており、前記第二の凹版印刷ユニット50で前記枚葉紙1に印刷する絵柄の位置を、第二のひねり調整用モータ337(図8参照)の作動によって、前記第一のひねり調整胴100の場合と同様にしてひねり調整することができるようになっている。
くわえて、第二の凹版印刷用天地調整手段である前記第二の天地調整胴400は、前記第一の天地調整胴200の前記第一の天地調整機構と同様な構造をなす第二の天地調整機構を有しており、前記第二の凹版印刷ユニット50で前記枚葉紙1に印刷する絵柄の位置を、第二の天地調整用モータ491(図5,8参照)の作動によって、前記第一の天地調整胴200の場合と同様にして天地調整することができるようになっている。
なお、図4において、括弧付の符号は、第二の凹版印刷ユニット50の場合のものであり、50Aは第二の凹版印刷ユニット50のフレーム、401は第二の天地調整胴400の胴本体、401aは前記胴本体401の軸端、300aは前記第二のひねり調整胴300に同軸をなして設けられて当該第二のひねり調整胴300と一体的に回転するはす歯歯車、51aは前記第二の圧胴51に同軸をなして設けられて当該第二の圧胴51と一体的に回転するはす歯歯車、400aは前記はす歯歯車300aと噛み合うはす歯歯車、400bは前記はす歯歯車51aと噛み合うはす歯歯車、491aは前記第二の天地調整用モータ491の駆動軸である。
また、図7に示すように、前記第一のひねり調整胴100の前記はす歯歯車100a及び前記第一の天地調整胴200の前記はす歯歯車200a,200b並びに前記第一の凹版印刷ユニット20の前記第一の圧胴21の前記はす歯歯車21aと、前記第二のひねり調整胴300の前記はす歯歯車300a及び前記第二の天地調整胴400の前記はす歯歯車400aとは、前記第一の版胴22、前記第一のインキ集合胴23、前記シャブロン胴24、前記渡胴31〜34、前記反転ユニット40の前記吸着胴41、前記反転胴42、前記渡胴35のそれぞれに設けられたはす歯歯車(図示省略)と共に同期して回転できるように連結されて、ギアトレイン541を構成している。
他方、前記第二の天地調整胴400の前記はす歯歯車400b及び前記第二の凹版印刷ユニット50の前記第二の圧胴51の前記はす歯歯車51aは、前記第二の版胴52、前記第二のインキ集合胴53、前記シャブロン胴54、前記排紙胴71のそれぞれに設けられたはす歯歯車(図示省略)と共に同期して回転できるように連結されて、ギアトレイン545を構成している。
そして、前記ギアトレイン541は、ウォームギア機構504Aを介して第一の駆動モータ(主モータ)542に連結されている。前記ギアトレイン545は、ウォームギア機構504Bを介して第二の駆動モータ(補助モータ)548に連結されている。前記第二の天地調整胴400の前記はす歯歯車400aには、当該第二の天地調整胴400と所定の回転位相でのみ回転方向に係合する電磁式のクラッチ556が組み付けられている。
つまり、前記クラッチ556が「入」の状態になると、前記第二の天地調整胴400の前記はす歯歯車400aが、当該第二の天地調整胴400と一体的に回転できるように接続されることにより、前記ギアトレイン541と前記ギアトレイン545とが連結され、前記第一の駆動モータ542の駆動力と前記第二の駆動モータ548の駆動力とを併せて前記ギアトレイン541及び前記ギアトレイン545で伝達することができ、前記クラッチ556が「切」の状態になると、前記第二の天地調整胴400の前記はす歯歯車400aが、当該第二の天地調整胴400に対して自由に回転できるように切断されることにより、前記ギアトレイン541と前記ギアトレイン545との連結が解除され、前記第一の駆動モータ542の駆動力を前記ギアトレイン541のみに伝達し、前記第二の駆動モータ548の駆動力を前記ギアトレイン545のみに伝達し、前記ギアトレイン541と前記ギアトレイン545とをそれぞれ独立して駆動させることができるようになっているのである。
なお、前記給紙装置10、前記凹版印刷ユニット20,50の前記ワイピングローラ26,56、前記排紙装置70等は、それぞれ独立した他の駆動源により駆動するようになっている。また、図7中、505A,505Bは、はす歯のピニオンである。
そして、図6に示すように、前記第二のひねり調整胴300と前記第二の天地調整胴400との間では、互いの切欠部306,408内にくわえ爪装置307,409がそれぞれ装着されると共に、これらのくわえ爪装置307,409における多数の爪307a,409aの爪逃がし機構が設けられる。
前記第二のひねり調整胴300の爪逃がし機構としては、その胴本体324の周面の、前記第二の天地調整胴400の爪409aに対応する位置に環状溝310が形成され、これらの環状溝310に上記第二の天地調整胴400の大きく突出する前記爪409aの先端部が挿入されることで、互いの干渉(当接等)が回避されるようになっている。
他方、前記第二の天地調整胴400の爪逃がし機構としては、その胴本体412の径がベアラ413の径より寸法Lだけ小径に形成され、当該第二の天地調整胴400の前記爪409aより突出量が小さい前記第二のひねり調整胴300の爪307aの先端部との干渉(当接等)が回避されるようになっている。なお、図6中、325はベアラである。
また、図8に示すように、前記第一のひねり調整用モータ137、前記第一の天地調整用モータ291、前記第二のひねり調整用モータ337、前記第二の天地調整用モータ491、前記第一の駆動モータ542、前記第二の駆動モータ548、前記クラッチ556には、制御手段である制御装置600の出力部が電気的に接続されている。前記制御装置600の入力部には、各種信号を入力する入力手段である入力器601が電気的に接続されており、当該制御装置600は、前記入力器601から入力された信号に基づいて、前記モータ137,291,337,491,542,548及び前記クラッチ556の作動を制御することができるようになっている(詳細は後述する)。
なお、本実施形態においては、前記第一のひねり調整胴100、前記第一の天地調整胴200等により、第一の凹版印刷用見当調整手段を構成し、前記第二のひねり調整胴300、前記第二の天地調整胴400等により、第二の凹版印刷用見当調整手段を構成し、前記ウォームギア機構504A、前記ピニオン505A、前記ギアトレイン541、前記第一の駆動モータ542等により、第一の駆動手段を構成し、前記ウォームギア機構504B、前記ピニオン505B、前記ギアトレイン545、前記第二の駆動モータ548等により、第二の駆動手段を構成し、前記クラッチ556等により、断接手段を構成している。
このような本実施形態に係る凹版印刷機の作動を次に説明する。
例えば、枚葉紙1の一方面のみに二種類の凹版印刷を施す場合には、まず、前記渡胴34からの前記枚葉紙1の一方面と他方面とを反転させることなく前記渡胴35に受け渡すように前記反転ユニット40を設定する。
続いて、前記ギアトレイン541と前記ギアトレイン545とを連結させるように前記クラッチ556を「入」にすると共に、前記駆動モータ542,548等を作動させるように、前記入力器601に信号を入力して印刷運転を開始する。
これにより、前記給紙装置10の前記給紙台11上の枚葉紙1は、前記フィーダボード12上に一枚ずつ送給され、前記スイング装置13によって前記第一のひねり調整胴100に受け渡され、前記第一の天地調整胴200を介して前記第一の凹版印刷ユニット20の前記第一の圧胴21に受け渡されて一方面を外側に向けるようにして保持されながら搬送される一方、各インキ装置25のインキが前記シャブロン胴24を介して前記第一のインキ集合胴23に転写されて前記第一の版胴22の前記凹版面上に供給され、当該インキの余剰分が前記第一のワイピングローラ26で取り除かれ、当該枚葉紙1が当該第一の圧胴21と当該第一の版胴22との間を通過することにより、当該枚葉紙1の一方面に上記インキが転写されて凹版印刷される。
一方面に凹版印刷された前記枚葉紙1は、前記渡胴31〜33を介して前記渡胴34に受け渡され、一方面に印刷された前記インキを前記乾燥器61によって乾燥された後、前記反転ユニット40の前記吸着胴41及び前記反転胴42並びに前記渡胴35を介して前記第二のひねり調整胴300に受け渡され、前記第二の天地調整胴400を介して前記第二の凹版印刷ユニット50の前記第二の圧胴51に一方面を外側に向けるように保持されながら搬送される一方、各インキ装置55のインキが前記シャブロン胴54を介して前記第二のインキ集合胴53に転写されて前記第二の版胴52の前記凹版面上に供給され、当該インキの余剰分が前記第二のワイピングローラ56で取り除かれ、当該枚葉紙1が当該第二の圧胴51と当該第二の版胴52との間を通過することにより、当該枚葉紙1の一方面にさらに上記インキが転写されて更なる凹版印刷を施される。
このようにして前記第二の凹版印刷ユニット50で一方面に凹版印刷をさらに施された前記枚葉紙1は、前記排紙装置70の前記排紙胴71を介して前記排紙チェーン72の前記爪竿に保持されて搬送され、前記排紙台73A〜73C上に排紙されて積載される。
他方、例えば、枚葉紙1の一方面と他方面とにそれぞれ凹版印刷を施す場合には、まず、前記渡胴34からの前記枚葉紙1の一方面と他方面とを反転させて前記渡胴35に受け渡すように前記反転ユニット40を設定する。
続いて、先に説明した場合と同様に、前記ギアトレイン541と前記ギアトレイン545とを連結させるように前記クラッチ556を「入」にすると共に、前記駆動モータ542,548等を作動させるように、前記入力器601に信号を入力して印刷運転を開始する。
これにより、前記給紙装置10の前記給紙台11上の枚葉紙1は、先に説明した場合と同様に、前記フィーダボード12上に一枚ずつ送給され、前記スイング装置13によって前記第一のひねり調整胴100に受け渡され、前記第一の天地調整胴200を介して前記第一の凹版印刷ユニット20の前記第一の圧胴21に受け渡されて一方面を外側に向けるようにして保持されながら搬送され、当該第一の圧胴21と前記第一の版胴22との間を通過することにより、一方面に前記インキが転写されて凹版印刷された後、前記渡胴31〜33を介して前記渡胴34に受け渡され、一方面に印刷された前記インキを前記乾燥器61によって乾燥される。
そして、一方面に印刷された前記インキを乾燥された前記枚葉紙1は、前記反転ユニット40の前記吸着胴41及び前記反転胴42で反転され(具体的な作動は、例えば、前記特許文献2等参照)、前記渡胴35を介して前記第二のひねり調整胴300に受け渡され、前記第二の天地調整胴400を介して前記第二の凹版印刷ユニット50の前記第二の圧胴51に他方面を外側に向けるように保持されながら搬送され、当該第二の圧胴51と前記第二の版胴52との間を通過することにより、他方面にもインキが転写されて凹版印刷される。
このようにして前記第二の凹版印刷ユニット50で他方面に凹版印刷をさらに施された前記枚葉紙1は、先に説明した場合と同様に、前記排紙装置70の前記排紙胴71を介して前記排紙チェーン72の前記爪竿に保持されて搬送され、前記排紙台73A〜73C上に排紙されて積載される。
このように前記凹版印刷ユニット20,50で凹版印刷を施されて前記排紙装置70の前記排紙台73A〜73C上に排紙された前記枚葉紙1の印刷状態をオペレータが目視確認して、例えば、前記第一の凹版印刷ユニット20で印刷された絵柄がひねり方向でずれを生じている場合には、当該ずれを補正するひねり調整量(例えば、+1mm等)を前記入力器601に入力する。
これにより、前記制御装置600は、前記入力器601からの指令に基づいて、入力されたひねり調整量に対応するように前記第一のひねり調整胴100の前記第一のひねり調整用モータ137を作動制御し、前記こま141を介して前記レバー139を揺動させて、当該レバー139の遊端部に枢着された前記ロッド142を進退させて、その先端部が枢着された前記偏心軸受136を所望の角度だけ回動させ、当該偏心軸受136の偏心作用で前記胴本体124の一端側の軸心位置を軸心Aから軸心Bへ移動させることにより、当該胴本体124の軸心を傾斜させて、当該第一の凹版印刷ユニット20で前記枚葉紙1に印刷する絵柄の位置の上記ずれをひねり調整する。
また、例えば、前記第一の凹版印刷ユニット20で凹版印刷された枚葉紙1の絵柄が天地方向でずれを生じている場合には、当該ずれを補正する天地調整量(例えば、−1mm等)を前記入力器601に入力する。
前記制御装置600は、前記入力器601からの指令に基づいて、入力された天地調整量に対応する前記はす歯歯車200bの軸方向の移動量で当該はす歯歯車200bを軸方向に移動させるように前記第一の天地調整用モータ291を作動制御し、当該はす歯歯車200bを前記第一の圧胴21の前記はす歯歯車21aに対して軸方向に相対移動させて、当該はす歯歯車200bに対する上記はす歯歯車21aの噛み合い位置を変えることにより、上記第一の天地調整胴200の上記胴本体201の周方向(天地方向)の回転位相に対する上記第一の圧胴21の周方向(天地方向)の回転位相を変更する、すなわち、上記胴本体201と上記第一の圧胴21との周方向(天地方向)の相対的な回転位相を調整する。
これにより、上記第一の圧胴21は、前記天地調整量となる回転位相のタイミングで前記くわえ爪装置に上記第一の天地調整胴200の前記くわえ爪装置から枚葉紙1をくわえ替えして受け取るようになる。このため、前記枚葉紙1は、前記第一の圧胴21の前記くわえ爪装置に上記天地調整量でずらされた状態で保持されて前記第一の版胴22で凹版印刷が施されるので、前記第一の凹版印刷ユニット20で印刷される絵柄の位置の上記ずれが天地調整される。
他方、例えば、前記第二の凹版印刷ユニット50で凹版印刷された枚葉紙1の絵柄がひねり方向でずれを生じている場合には、当該ずれを補正するひねり調整量(例えば、+2mm等)を前記入力器601に入力すると、前記制御装置600は、当該入力器601からの指令に基づいて、入力されたひねり調整量に対応するように前記第二のひねり調整胴300の前記第二のひねり調整用モータ337を作動制御することにより、前記第一のひねり調整胴100の場合と同様に、前記第二のひねり調整胴300において、軸心を傾斜させて上記ずれをひねり調整する。
また、例えば、前記第二の凹版印刷ユニット50で凹版印刷された枚葉紙1の絵柄が天地方向でずれを生じている場合には、当該ずれを補正する天地調整量(例えば、−2mm等)を前記入力器601に入力すると、前記制御装置600は、当該入力器601からの指令に基づいて、入力された天地調整量に対応するように前記第二の天地調整胴400の前記第二のひねり調整用モータ491を作動制御することにより、前記第一の天地調整胴200の場合と同様に、前記第二の天地調整胴400において、回転位相を調整して上記ずれを天地調整する。
このようにして前記調整胴100,200,300,400で上記ずれを調整することにより、前記第一の凹版印刷ユニット20及び前記第二の凹版印刷ユニット50で枚葉紙1に凹版印刷される絵柄の位置を規定通りにすることができる。
また、上述したような印刷運転を終えて、前記凹版印刷ユニット20,50の前記版胴22,52の前記凹版の交換や前記インキ集合胴23,53及び前記シャブロン胴24,54等の洗浄等のような印刷準備作業や、保守点検作業等を行う場合には、まず、前記ギアトレイン541と前記ギアトレイン545との連結を切断するように前記入力器601を操作すると、前記制御装置600は、前記クラッチ556を「切」にするように当該クラッチ556を作動制御する。
そして、前記第一の駆動モータ542を作動させるように前記入力器601を操作すると、前記制御装置600は、当該第一の駆動モータ542を作動させる。これにより、前記第一の駆動モータ542は、駆動力が前記ギアトレイン545に伝達せずに前記ギアトレイン541のみに伝達し、前記第二の凹版印刷ユニット50を作動させることなく前記第一の凹版印刷ユニット20のみを作動させる。
他方、前記第二の駆動モータ548を作動させるように前記入力器601を操作すると、前記制御装置600は、当該第二の駆動モータ548を作動させる。これにより、前記第二の駆動モータ548は、駆動力が前記ギアトレイン541に伝達せずに前記ギアトレイン545のみに伝達し、前記第一の凹版印刷ユニット20を作動さることなく前記第二の凹版印刷ユニット50のみを作動させる。
ここで、前記ギアトレイン541を介して前記第一の駆動モータ542の駆動力で回転される前記第一のひねり調整胴100、前記第一の天地調整胴200、前記第一の凹版印刷ユニット20の前記第一の圧胴21、前記第一の版胴22、前記第一のインキ集合胴23、前記シャブロン胴24、前記渡胴31〜34、前記反転ユニット40の前記吸着胴41、前記反転胴42、前記渡胴35、前記第二のひねり調整胴300と、前記ギアトレイン545を介して前記第二の駆動モータ548の駆動力で回転される前記第二の天地調整胴300、前記第二の凹版印刷ユニット50の前記第二の圧胴51、前記第二の版胴52、前記第二のインキ集合胴53、前記シャブロン胴54、前記排紙胴71とは、回転位相が相違するようになるものの、前記第二のひねり調整胴300及び前記第二の天地調整胴400が、先に説明したような爪逃がし機構をそれぞれ有していることから、互いの干渉(当接等)を回避することができる。
これにより、前記クラッチ556を「切」にすることにより、前記第一の凹版印刷ユニット20と前記第二の凹版印刷ユニット50とを前記第一の駆動モータ542と前記第二の駆動モータ548とで互いに独立して作動させることができる。
このため、前記第一の凹版印刷ユニット20の印刷準備作業や保守点検等と、前記第二の凹版印刷ユニット50の印刷準備作業や保守点検作業等とを、それぞれ独立して同時平行で取り進めることができる。
したがって、本実施形態に係る凹版印刷機によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)反転ユニット40と第二の凹版印刷ユニット50との間に、枚葉紙1に印刷する絵柄の位置のひねり方向のずれを調整する第二のひねり調整胴300を配設したことから、第二の凹版印刷ユニット50で枚葉紙1に印刷する絵柄をひねり方向で調整することができるので、第一の凹版印刷ユニット20の第一の版胴22に対する凹版のひねり方向の装着ずれと第二の凹版印刷ユニット50の版胴52に対する凹版のひねり方向の装着ずれとが異なっていても、第一の凹版印刷ユニット20及び第二の凹版印刷ユニット50で枚葉紙1に凹版印刷する絵柄のひねり方向の見当合わせを高精度に行うことができる。
(2)反転ユニット40と第二の凹版印刷ユニット50との間に、枚葉紙1に印刷する絵柄の位置の天地方向のずれを調整する第二の天地調整胴400を配設したことから、第二の凹版印刷ユニット50で枚葉紙1に印刷する絵柄を天地方向で調整することができるので、第一の凹版印刷ユニット20の第一の版胴22に対する凹版の天地方向の装着ずれと第二の凹版印刷ユニット50の版胴52に対する凹版の天地方向の装着ずれとが異なっていても、第一の凹版印刷ユニット20及び第二の凹版印刷ユニット50で枚葉紙1に凹版印刷する絵柄の天地方向の見当合わせを高精度に行うことができる。
(3)給紙装置10と第一の凹版印刷ユニット20との間に、枚葉紙1に印刷する絵柄の位置のひねり方向のずれを調整する第一のひねり調整胴100を配設したことから、第一の凹版印刷ユニット20で枚葉紙1に印刷する絵柄のひねり方向の調整を給紙装置10にくわえてさらに行うことができるので、枚葉紙1に凹版印刷する絵柄のひねり方向の見当合わせをさらに高精度に行うことができる。
(4)給紙装置10と第一の凹版印刷ユニット20との間に、枚葉紙1に印刷する絵柄の位置の天地方向のずれを調整する第一の天地調整胴200を配設したことから、第一の凹版印刷ユニット20で枚葉紙1に印刷する絵柄の天地方向の調整を給紙装置10にくわえてさらに行うことができるので、枚葉紙1に凹版印刷する絵柄の天地方向の見当合わせをさらに高精度に行うことができる。
(5)第二の凹版印刷ユニット50で複数色(五色)の凹版印刷を施すことができるだけでなく、第一の凹版印刷ユニット20でも複数色(二色)の凹版印刷を施すことができることから、二つの前記印刷ユニット20,50だけで枚葉紙1の両面に対して複数色の印刷をそれぞれ行うことができるので、各色毎に印刷ユニットを備える必要がなく、印刷機の大型化を抑制することができ、省スペース化を図ることができる。
(6)前記クラッチ556を「切」にすることにより、第一の凹版印刷ユニット20と第二の凹版印刷ユニット50とを第一の駆動モータ542と第二の駆動モータ548とで互いに独立して作動させることができるので、第一の凹版印刷ユニット20の印刷準備作業や保守点検作業等と、第二の凹版印刷ユニット50の印刷準備作業や保守点検作業等とを、それぞれ独立して同時平行で取り進めることができ、作業効率を大幅に向上させることができる。
(7)前記クラッチ556を「入」にすることにより、前記ギアトレイン541と前記ギアトレイン545とを連結して、第一の駆動モータ(主モータ)542の駆動力と第二の駆動モータ(補助モータ)548の駆動力とを併せて印刷機を作動させることができるので(トルクヘルプ機能)、単一の駆動モータ(主モータ)で第一の凹版印刷ユニット20及び第二の凹版印刷ユニット50を作動させる場合よりも、上記駆動モータ542,548をそれぞれ小型化することができ、省スペース化及び低コスト化を図ることができると共に、前記クラッチ556を使用することなく、第一の駆動モータ542と第二の駆動モータ548とを同期制御する場合よりも、前記ギアトレイン541と前記ギアトレイン545とを確実に同期させることができ、見当合わせの精度をより確実に高めることができる。
(8)第一の凹版印刷ユニット20の第一の圧胴21と第二の凹版印刷ユニット50の第二の圧胴52との間を、枚葉紙1を保持して搬送可能な前記胴31〜35,41,42,300,400のみで連結するようにしたことから、前記排紙装置70で使用されるような、所定の間隔で複数の爪竿を取り付けられた搬送チェーンを間に介在させて連結する場合よりも、受け渡しの際に生じるずれを極めて小さくすることができ、見当合わせをさらに高精度で行うことができる。
〈他の実施形態〉
なお、前述した実施形態においては、第一の駆動モータ(主モータ)542に連結する前記ギアトレイン541によって、前記第一のひねり調整胴100、前記第一の天地調整胴200、前記第一の凹版印刷ユニット20の前記第一の圧胴21、前記第一の版胴22、前記第一のインキ集合胴23、前記シャブロン胴24、前記渡胴31〜34、前記反転ユニット40の前記吸着胴41、前記反転胴42、前記渡胴35、前記第二のひねり調整胴300を連結し、第二の駆動モータ(補助モータ)548に連結する前記ギアトレイン545によって、前記第二の天地調整胴300、前記第二の凹版印刷ユニット50の前記第二の圧胴51、前記第二の版胴52、前記第二のインキ集合胴53、前記シャブロン胴54、前記排紙胴71を連結し、前記ギアトレイン541と前記ギアトレイン545との間を前記クラッチ556等を介して断接可能に連結して、前記第二のひねり調整胴300と前記第二の天地調整胴400とに爪逃がし機構を備えるようにしたが、他の実施形態として、例えば、補助モータに連結するギアトレインによって、前記第一のひねり調整胴100、前記第一の天地調整胴200、前記第一の凹版印刷ユニット20の前記第一の圧胴21、前記第一の版胴22、前記第一のインキ集合胴23、前記シャブロン胴24、前記渡胴31を連結し、主モータに連結するギアトレインによって、前記渡胴32〜34、前記反転ユニット40の前記吸着胴41、前記反転胴42、前記渡胴35、前記第二のひねり調整胴300、前記第二の天地調整胴400、前記第二の凹版印刷ユニット50の前記第二の圧胴51、前記第二の版胴52、前記第二のインキ集合胴53、前記シャブロン胴54、前記排紙胴71を連結し、前記ギアトレイン間を断接手段で連結して、前記渡胴31と前記渡胴32とに爪逃がし機構を備えるようにすることも可能である。
また、前述した実施形態においては、前記ひねり調整胴100,300の枚葉紙1の搬送方向下流側に前記天地調整胴200,400を配設するようにした、言い換えれば、前記天地調整胴200,400の枚葉紙1の搬送方向上流側に前記ひねり調整胴100,300を配設するようにしたが、他の実施形態として、例えば、前記天地調整胴200,400の枚葉紙1の搬送方向下流側に前記ひねり調整胴100,300を配設する、言い換えれば、前記ひねり調整胴100,300の枚葉紙1の搬送方向上流側に前記天地調整胴200,400を配設するようにすることも可能である。
また、前述した実施形態においては、前記第一の凹版印刷ユニット20の前記圧胴21と前記反転ユニット40の前記吸着胴41との間に四つの渡胴31〜34を配設するようにしたが、他の実施形態として、例えば、前記間に偶数個の渡胴(搬送胴)を配設し、偶数番目の渡胴(搬送胴)に対向させるようにして前記乾燥器61を配設することも可能である。