JP2014139629A - 現像装置およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーシング内のブレード周辺における現像剤の堆積を簡単な構成で効果的に防止可能な現像装置等を提供する。
【解決手段】
本発明は、感光体ドラム9との対向領域Sにおいて感光体ドラム9に現像剤を供給する磁気ローラー32および現像ローラー33(現像剤担持体)と、現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する穂切りブレード34と、を有する現像装置であって、現像剤担持体と穂切りブレード34との間に配置され、現像剤担持体から穂切りブレード34に向かって落下する現像剤を受けるシート部材38と、シート部材38を保持する支持部材37と、シート部材38に振動を与える振動付与装置39と、を備え、シート部材38は、伸縮自在で可撓性を有しており、支持部材37に張設されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、像担持体に現像剤を供給する現像装置およびこれを備えた画像形成装置に関する。
一般的に、電子写真方式の画像形成装置では、画像情報に基づく光を像担持体(感光体ドラム)の周面に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像に現像装置からトナーを供給して形成したトナー像を用紙に転写した後、定着処理が施されるという手順で画像形成が行われている。
近年ではカラー印刷化や高速処理化の進行に伴い画像形成装置構成が複雑になると共に、現像装置内でのトナー攪拌部材の回転が高速化している。これにより、現像装置内が大気圧より高い正圧になるため、現像装置内からトナーが浮遊し、感光体ドラムと対向する開口部から排出され、画像形成装置の装置本体内を汚染するとともに、必要なトナーが感光体ドラム上の静電潜像に供給され難くなっていた。
特に、現像装置内では、飛散したトナーが、現像剤担持体に担持される現像剤量を規制するブレード周辺に堆積する場合がある。この堆積したトナーが凝集して現像ローラーに付着した場合には、トナー落ちとなって画像形成不良が発生する。
そこで、従来の現像装置として、現像ローラーと感光体ドラムとの対向領域と穂切りブレードとの間に設けられた壁部に形成された凹部に楕円ローラーを配置し、凹部を覆うように上端部のみを固定し下端部を自由端としたフィルム部材が取り付けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この現像装置では、楕円ローラーが回転することにより、楕円ローラーの突出部がフィルム部材を押し上げることで、フィルム部材の自由端側が大きく動き、フィルム部材上にトナーが堆積することを防止することができるようになっている。
また、従来の現像装置として、現像ローラーと感光体ドラムとの対向領域と穂切りブレードとの間に設けられた壁部を有し、壁部の長手方向の略全域に亘って配置され現像ローラーから落下するトナーを受けるトナー受け部材と、トナー受け部材の表面に貼付されたシート部材と、トナー受け部材を振動させるために加振用ウェイトを出力軸に取り付けた振動モーターと、を備えたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。この現像装置では、振動モーターを回転駆動してトナー受け部材を振動させることで、フィルム部材上にトナーが堆積することを防止することができるようになっている。
特開2011−197285号公報 特開2012−208469号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載の技術では、フィルム部材上のトナーの堆積を防止することができるのは大きく変動可能な自由端側のみであり、ほとんど変動しない固定端側ではトナーの堆積を十分に防止することができない虞があった。
この点、上記した特許文献2に記載の技術では、フィルム部材が貼付されたトナー受け部材が、振動モーターの駆動により振動するため、フィルム部材上においてトナーが堆積することを有効に防止することができる。しかしながら、現像装置内において、振動モーターやその配線、トナー受け部材の微小移動を可能とするための機構等を設ける必要があると共に、トナー受け部材にフィルム部材を貼付する必要があるため、現像装置の大型化、複雑化およびコストアップ、更には組立工数の増加を招くという問題があった。
本発明は上記した課題を解決すべくなされたものであり、ケーシング内のブレード周辺におけるトナーを含む現像剤の堆積を簡単な構成で効果的に防止可能な現像装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明の現像装置は、静電潜像が形成される像担持体に対向して配置され、前記像担持体との対向領域において前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と、該現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制するブレードと、を有する現像装置であって、前記現像剤担持体と前記ブレードとの間に配置され、前記現像剤担持体から前記ブレードに向かって落下する現像剤を受けるシート部材と、前記シート部材を保持する支持部材と、前記シート部材に振動を与える振動付与装置と、を備え、前記シート部材は、伸縮自在で可撓性を有しており、前記支持部材に張設されていることを特徴とする。
この構成によれば、可撓性を有し伸縮自在なシート部材に対し、振動付与装置により振動を付与することで、張設されたシート部材は、自身の伸縮性(弾性)により略均一に振動する。これにより、シート部材の全体に亘って堆積した現像剤を効率良く振い落すことができるため、現像剤が堆積したままの状態となることを防止することができる。また、シート部材に直接振動を与えているため、振動を伝達するための構成(例えばシート部材を張り付けるための板状部材や板状部材を支持するバネ等)を省略することができ、現像装置の構成を簡略化することができる。
この場合、前記シート部材は、前記現像剤担持体に沿って細長い形状に形成され、その長手方向両端部が、前記支持部材に固定されていることを特徴とする。
この構成によれば、シート部材が長手方向両端部に固定されているため、シート部材の振動の振幅を大きくすることができる。これにより、シート部材上の現像剤をより効率良く振い落すことができ、現像剤の堆積を有効に防止することができる。
また、この場合、前記現像剤担持体および前記ブレードを収容するケーシングを備え、前記ブレードは、前記支持部材と前記ケーシングとの間に挟み込まれて保持され、前記支持部材は、前記現像剤担持体側から窪んで前記振動付与装置が配置される凹部が形成されており、前記シート部材は、前記凹部を覆うように張設されていることを特徴とする。
この構成によれば、ブレードは、シート部材と共に支持部材に保持され、また、振動付与装置は、支持部材の凹部内に配置されている。これにより、現像装置の構成を簡略化することができると共にデッドスペースを有効に利用することで、現像装置の小型化を図ることができる。
また、この場合、前記振動付与装置は、軸方向に延びるローラーと、前記ローラーの周面に突出して設けられ、前記凹部側から前記シート部材を押圧する突起部と、前記現像剤担持体および前記ローラーを回転駆動する駆動装置と、を有していることを特徴とする。
この構成によれば、現像剤担持体と共通化した駆動装置を駆動し、ローラーを回転させることで、突起部がシート部材に接触して押し上げ、接触しなくなると該押し上げが解除される。これにより、ローラー専用の駆動装置を設ける必要がなく、ローラーの回転のみでシート部材に振動を付与することができるため、簡易な構成とすることができる。
さらに、この場合、前記ケーシング内の下部に形成された搬送室に配置され、トナーを含む現像剤を攪拌し搬送する攪拌部材を備え、前記現像剤担持体は、前記攪拌部材から供給される現像剤を担持する磁気ローラーと、該磁気ローラーおよび前記像担持体のそれぞれに対向して配置され、前記磁気ローラーの回転によって搬送された現像剤中のトナーを担持し、担持したトナーを前記像担持体に供給する現像ローラーと、から成り、前記振動付与装置から付与された振動により前記シート部材から振い落されたトナーは、前記磁気ローラーと前記現像ローラーとの間を通って前記搬送室に搬送されることを特徴とする。
この構成によれば、シート部材から振い落されたトナーは磁気ローラーおよび現像ローラーの回転により生じる空気流に乗って搬送室に送られる。これにより、ケーシング内に浮遊したトナーが、像担持体との対向領域から漏出することを適切に防止することができる。
上記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、上記した請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、可撓性を有し伸縮自在なシート部材に対し、振動付与装置により振動を付与することで、張設されたシート部材は略均一に振動し、シート部材の全体に亘って堆積した現像剤を効率良く振い落すことができる。また、支持部材に凹設された凹部内に振動付与装置を配置し、これを覆うように張設したシート部材に直接振動を与えているため、振動伝達の構成を省略し、現像装置の構成を簡略化することができる。
本発明によれば、ケーシング内のブレード周辺における現像剤の堆積を効果的に防止することができる。
本発明の一実施形態に係るカラープリンターの内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置の内部構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置のシート部材を張設した状態のトナー受け機構部を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置のシート部材を取り除いた状態のトナー受け機構部を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置のトナー受け機構部の作用を説明する断面図である。 本発明の一実施形態の変形例に係る現像装置の内部構造を模式的に示す断面図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置としてのカラープリンターについて説明する。なお、以下の説明では、便宜上、図1において矢印で示した向きを基準として、各図において矢印で示すように前後、左右および上下の向きを設定する。
図1を参照して、カラープリンター1の全体の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るカラープリンター1の内部構造を模式的に示す断面図である。
カラープリンター1は、箱型形状のプリンター本体2を備えており、プリンター本体2の下部には用紙(図示せず)を収納した給紙カセット3が設けられ、プリンター本体2の上部には排紙トレイ4が設けられている。
プリンター本体2の上部には、プリンター本体2に対して着脱される中間転写ユニット5が設けられている。中間転写ユニット5は、複数のローラー間に架設される中間転写ベルト6を備えており、中間転写ベルト6の下方には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光器7が配置されている。プリンター本体2の中央部には、中間転写ベルト6の下部に沿って4個の画像形成部8がトナーの色ごとに設けられている。
各画像形成部8には、感光体ドラム9が回転可能に設けられており、感光体ドラム9の周囲には、帯電器10と、現像装置11と、一次転写部12と、クリーニング装置13と、除電器14とが、一次転写のプロセス順に配置されている。各現像装置11の上方には、各画像形成部8と対応する4個のトナーコンテナ15が、トナーの色ごと(Y,M,C,K)に設けられている。なお、各現像装置11には、各色のトナーとキャリアとを混合した二成分現像剤が所定量充填されており、充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ15から現像装置10にトナーが補給される。
プリンター本体2の一方(図1において右側)には、用紙の搬送経路16が設けられている。搬送経路16の上流端には給紙部17が設けられ、搬送経路16の中流部には中間転写ベルト6の一方に二次転写部18が設けられ、搬送経路16の下流部には、プリンター本体2に対して着脱される定着ユニット19が設けられ、搬送経路16の下流端には排紙口20が設けられている。
次に、このような構成を備えたカラープリンター1の画像形成動作について説明する。カラープリンター1に電源が投入されると、各種パラメーターが初期化され、定着ユニット19の温度設定等の初期設定が実行される。そして、カラープリンター1に接続されたコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、以下のようにして画像形成動作が実行される。
まず、帯電器10によって感光体ドラム9の表面が帯電された後、露光器7からのレーザー光(矢印P参照)により感光体ドラム9に対して画像データに対応した露光が行われ、感光体ドラム9の表面に静電潜像が形成される。次に、この静電潜像は、現像装置11により対応する色のトナー像に現像される。このトナー像は、一次転写部12において中間転写ベルト6の表面に一次転写される。以上の動作を各画像形成部8が順次繰り返すことによって、中間転写ベルト6上にフルカラーのトナー像が形成される。なお、感光体ドラム9上に残留したトナーおよび電荷は、クリーニング装置13および除電器14によって除去される。
一方、給紙部17によって給紙カセット3または手指しトレイ(図示せず)から取り出された用紙は、上記した画像形成動作とタイミングを合わせて二次転写部18へと搬送され、二次転写部18において、中間転写ベルト6上のフルカラーのトナー像が用紙に二次転写される。トナー像を二次転写された用紙は、搬送経路16を下流側へと搬送されて定着ユニット19に進入し、定着ユニット19において用紙にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙は、排紙口20から排紙トレイ4の上に排出される。
次に、図2および図3を参照して現像装置11について説明する。図2は本実施形態に係る現像装置11を示す斜視図であり、図3は現像装置11の内部構造を模式的に示す断面図である。なお、以下の説明では1つの現像装置11について例示するが、他の現像装置11の構成についても同様であるためその説明を省略する。
図2および図3に示すように、現像装置11は、二成分現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ。)が収納されるケーシング21により外観が構成されている。ケーシング21は、図3において右斜め上方に延在しており、上部右側面には開口部22が形成されている。また、ケーシング21内の下部には仕切壁23が立設されており、ケーシング21内の下部は仕切壁23によって攪拌搬送室24と供給搬送室25とに区画されている。
現像装置11は、攪拌搬送室24に配置される攪拌搬送スクリュー30と、供給搬送室25に配置される供給搬送スクリュー31と、供給搬送スクリュー31の上方に配置される磁気ローラー32と、磁気ローラー32の右斜め上方において磁気ローラー32に対向配置される現像ローラー33と、磁気ローラー32の周面に近接して配置される穂切りブレード34と、現像ローラー33と穂切りブレード34との間に配置されるトナー受け機構部35と、を有している。なお、磁気ローラー32および現像ローラー33が、現像剤担持体の具体例である。
攪拌部材としての攪拌搬送スクリュー30および供給搬送スクリュー31は、それぞれ回転軸部30a,31aの周面径方向にスクリュー羽根30b,31bが固定されて構成されており、それぞれの回転軸部30a,31aの軸方向(図3の紙面垂直方向)の両端部がケーシング21に回転自在に軸支されている。攪拌搬送スクリュー30および供給搬送スクリュー31は、攪拌搬送室24および供給搬送室25において軸方向周りに回転することで、トナーコンテナ15(図1参照)から供給されるトナー(正帯電トナー)をキャリアと混合して攪拌し、帯電させる。
攪拌搬送室24には、攪拌搬送スクリュー30に対向してトナー濃度センサー(図示せず)が配置されており、トナー濃度センサーの検知結果に基づいてトナーコンテナ15からトナー補給口26を介して攪拌搬送室24にトナーが補給されるようになっている。なお、トナー濃度センサーとしては、例えば、ケーシング21内における現像剤の透磁率を検出する透磁率センサーが用いられる。
磁気ローラー32は、現像容器21に回転不能に支持されるローラー軸部32aと、ローラー軸部32aに固定される断面扇形状の磁極部材32bと、ローラー軸部32aおよび磁極部材32bを内包する非磁性の回転スリーブ32cと、から構成されている。回転スリーブ32cは、軸方向(図3の紙面垂直方向)の両端部が現像容器21に回転自在に軸支されており、図3において反時計方向に回転する。
また、磁気ローラー32は、バイアス制御回路を介して現像バイアス電源(いずれも図示せず)に接続されている。磁気ローラー32には、現像バイアス電源から直流電圧(以下、Vmag(DC)という。)および交流電圧(以下、Vmag(AC)という。)が印加される。
現像ローラー33は、現像容器21に回転不能に支持される固定軸部33aと、磁気ローラー32と対向する位置に設けられる現像磁極部材33bと、非磁性の金属材料で円筒状に形成される現像スリーブ33cと、から構成されている。現像スリーブ33cは、固定軸部33aに回転自在に保持されており、図3において反時計方向に回転する。また、磁石より成る現像磁極部材33bは、現像スリーブ33cと所定の間隔だけ隔てて固定軸部33aに固定されている。なお、現像磁極部材33bは、対向する磁極部材32bの磁極(主極)と異極性である。また、現像ローラー33は、磁気ローラー32に対して所定のギャップを有して対向配置されている。さらに、現像ローラー33の一部は、現像容器21の開口部22から露出して、感光体ドラム9(図1参照)に対向している。なお、開口部22の近傍において、現像ローラー33が感光体ドラム9に対向する部分が、対向領域Sとなっている。
現像ローラー33は、バイアス制御回路を介して現像バイアス電源(いずれも図示せず)に接続されており、現像ローラー33には、現像バイアス電源から直流電圧(以下、Vslv(DC)という)および交流電圧(以下、Vslv(AC)という)が印加される。
穂切りブレード34は、現像ローラー33と磁気ローラー32との対向位置よりも磁気ローラー32の回転方向上流側において、右方向に下傾した状態でケーシング21とトナー受け機構部35との間に取り付けられている。また、穂切りブレード34の先端部は、磁気ローラー32表面との間に僅かなギャップを有した状態で、磁気ローラー32の軸方向に沿って配置されている。
なお、トナー受け機構部35については、後で詳細に説明する。
図示は省略するが、攪拌搬送スクリュー30(回転軸部30a)、供給搬送スクリュー31(回転軸部31a)、磁気ローラー32(回転スリーブ32c)および現像ローラー33(現像スリーブ33c)の軸方向一端(図2における後端部)には、ギヤが取り付けられている。各ギヤは、第1ギヤ列(図示せず)を介してモーター等の駆動装置36に接続されており、駆動装置36を回転駆動させることで、攪拌搬送スクリュー30、供給搬送スクリュー31、磁気ローラー32および現像ローラー33が一体に回転するようになっている。
また、図示は省略するが、攪拌搬送スクリュー30(回転軸部30a)の軸方向他端(例えば図2における前端部)には、トナー補給口26から補給されるトナーを分散させるための回転ブラシ(ギヤ付き)が回転自在に設けられている。駆動装置36の駆動力(回転力)は、まず軸方向一端側の第1ギヤ列を介して攪拌搬送スクリュー30(回転軸部30a)に伝達され、攪拌搬送スクリュー30(回転軸部30a)の軸方向他端に取り付けられたギヤおよび第2ギヤ列(いずれも図示せず)を介して回転ブラシに伝達される。
次に、現像剤の搬送について説明する。トナーコンテナ15から供給されたトナーは、攪拌搬送室24および供給搬送室25でキャリアと混合される。そして、現像剤(トナーおよびキャリア)は、攪拌搬送スクリュー30および供給搬送スクリュー31によって攪拌されながら軸方向に搬送され、仕切壁23の両端部に形成された現像剤通過路(図示せず)を介して攪拌搬送室24と供給搬送室25との間を循環する。
攪拌されつつ循環して帯電された現像剤は、供給搬送スクリュー31によって磁気ローラー32に搬送され、磁気ローラー32上に磁気ブラシ(図示せず)を形成する。磁気ローラー32上の磁気ブラシは、穂切りブレード34によって層厚規制された後、磁気ローラー32と現像ローラー33との対向部分に搬送され、磁気ローラー32に印加されるVmag(DC)と現像ローラー33に印加されるVslv(DC)との電位差ΔV、および磁界によって現像ローラー33上にトナー薄層を形成する。すなわち、磁気ローラー32は、担持した現像剤からトナーのみを現像ローラー33に供給する。
なお、現像ローラー33上のトナー薄層の層厚は、現像剤の抵抗や磁気ローラー32と現像ローラー33との回転速度差等によっても変化するが、電位差ΔVによって制御することができる。電位差ΔVを大きくすると現像ローラー33上のトナー薄層は厚くなり、電位差ΔVを小さくすると薄くなる。現像時における電位差ΔVの範囲は一般的に100V〜350V程度が適切である。
現像ローラー33上に形成されたトナー薄層は、現像ローラー33の回転によって感光体ドラム9との対向領域Sに搬送される。現像ローラー33にはVslv(DC)およびVslv(AC)が印加されているため、感光体ドラム9との間の電位差によってトナーが飛翔し、感光体ドラム9上のトナー像が現像される。
現像に用いられずに残ったトナーは、再度現像ローラー33と磁気ローラー32との対向部分に搬送され、磁気ローラー32上の磁気ブラシによって回収される。そして、磁気ブラシは磁極部材32bの同極部分で磁気ローラー32から引き剥がされた後、供給搬送室25内に落下する。
その後、トナー濃度センサーの検知結果に基づいてトナー補給口26から所定量のトナーが補給され、供給搬送室25および攪拌搬送室24を循環する間に再び適正なトナー濃度で均一に帯電された現像剤となる。
次に、図3ないし図6を参照して、トナー受け機構部35について詳細に説明する。図4は本実施形態に係る現像装置11のシート部材38を張設した状態のトナー受け機構部35を示す斜視図であり、図5はシート部材38を取り除いた状態のトナー受け機構部35を示す斜視図である。図6は、本実施形態に係る現像装置11のトナー受け機構部35の作用を説明する断面図である。
トナー受け機構部35は、ケーシング21に設けられ、穂切りブレード34を保持する支持部材37と、支持部材37に保持され、現像ローラー33から落下するトナーを受けるシート部材38と、シート部材38に振動を与える振動付与装置39と、を備えている。
支持部材37は、ケーシング21の長手方向(磁気ローラー32等の軸方向)に沿って延在する支持本体部40と、支持本体部40の長手方向両端に接続される一対の本体保持部41と、を有している。
図3に良く示されているように、支持本体部40は、軸方向から見た断面が略三角形状に形成されており、ケーシング21の外面と同一平面を成すように、下側の面を穂切りブレード34の上面に密着させた状態で配設されている。すなわち、穂切りブレード34は、支持本体部40(支持部材37)とケーシング21との間に挟持されている。
また、支持本体部40には、ケーシング21の内側において現像ローラー33に対向する面からケーシング21の外側に向かって窪んだ凹部42が形成されている。つまり、支持本体部40は、現像ローラー33に対向する面を開放した箱状に形成されている。この凹部42の開放面43(現像ローラー33に対向する面)は、軸方向から見て、穂切りブレード34の先端部から右方向に上傾して形成されている。
図4および図5に示すように、各本体保持部41は、軸方向から見た断面が支持本体部40よりも僅かに大きな略三角形状に形成されている。軸方向一端(図4における後端)側の本体保持部41には、トナー受け機構部35をケーシング21に取り付ける際にケーシング21の係合部(図示せず)に係合するフック部44が後方に延設されている。
シート部材38は、薄膜状で可撓性を有し伸縮自在な材料で、磁気ローラー32および現像ローラー33に沿って細長い矩形状に形成されている。すなわち、シート部材38は、支持本体部40の凹部42を覆うことができる大きさで形成されている。シート部材38は、トナーの付着を抑制するために、トナーが付着し難い材質(例えば、ウレタンやフッ素樹脂等)で形成されている。なお、例えば、合成ゴム製のシート部材38の表面に(フッ素系等の)コーティングを施してもよい。
シート部材38は、全体に張りが与えられた状態で、その長手方向(磁気ローラー32等の軸方向)両端部が、支持本体部40の長手方向両端部に固定されている。つまり、シート部材38は、凹部42の開放面43を閉塞するように張設されている。
図5および図6に示すように、振動付与装置39は、ケーシング21の長手方向(磁気ローラー32等の軸方向)に延びる振動ローラー45と、振動ローラー45の周面に突出して設けられる複数の突起部46と、を含んで構成されている。
振動ローラー45は、凹部42内に配置され、長手方向一対の本体保持部41に回転自在に軸支されている。振動ローラー45の軸方向他端部(図5における前端部)は、本体保持部41を貫通して延出しており、この延出した端部には、ギヤ47が軸着されている。このギヤ47は、上記した第2ギヤ列を介して駆動装置36(図2参照)に接続されており、駆動装置36を回転駆動させることで、各スクリュー30,31や各ローラー32,33に連動して振動ローラー45が回転するようになっている。なお、振動ローラー45と共に上記した回転ブラシも一体に回転する。
各突起部46は、その先端(自由端)が半球形状に形成される略円筒形状を成している。長手方向(軸方向)に隣接する各突起部46は、周方向に位置ずれして配置され、全体として、複数の突起部46は、振動ローラー45の周面全体に千鳥状に配置されている。
なお、振動ローラー45の直径および突起部46の突出長さは、支持本体部40の凹部42の内側面に接触しないように、且つ、突起部46がシート部材38に当接した時にシート部材38を押し上げ、離間した時にこの押し上げを解除できるように設定されている。
また、支持部材37の上端にはフィルム状のシール部材48が、ケーシング21の開口部22側に延出するように設けられている(図3参照)。シール部材48は、その先端部が感光体ドラム9の表面に接触するように支持部材37の長手方向に延設されており、ケーシング21内のトナーが外部に漏出しないように遮蔽する機能を有している。
次に、図6を参照して、トナー受け機構部35による穂切りブレード34周辺におけるトナーの堆積防止作用について説明する。ここでは、説明を簡単にするため、主に任意の1つの突起部46に着目して説明する。
駆動装置36が回転駆動を開始すると振動ローラー45が軸方向周りに回転する。なお回転方向は任意である。振動ローラー45の回転によって突起部46がシート部材38に対して凹部42の内側から接触する位置に到達する。振動ローラー45の回転が進むと、この突起部46は、シート部材38の下面(凹部42の内側面)に摺接しながら、シート部材38を開放面43よりも上方(正確には開放面43の法線方向)に押し上げる(図6の二点鎖線で示すシート部材38を参照)。
さらに振動ローラー45の回転が進むと、当該突起部46は、シート部材38の下面から徐々に離れる方向に向かい、シート部材38の押し上げが徐々に解除され、シート部材38は、自らの伸縮性により開放面43と略同一面まで下がる(図6の実線で示すシート部材38を参照)。なお、この際、当該突起部46に対して軸方向に隣接する他の各突起部46により、軸方向にずれた位置においてシート部材38の押し上げが開始されている。
以上のシート部材38の押し上げとその解除とが順次繰り返されることにより、シート部材38が、開放面43の法線方向に振動する。この振動により、シート部材38上に堆積したトナーは振るい落とされるため、シート部材38上でのトナーの堆積を防止することができる。
また、この振動により、シート部材38上のトナーは、上方に跳ね上げられてトナー受け機構部35から離間し、磁気ローラー32および現像ローラー33の回転により生じる空気流(図3および図6の白抜き矢印参照)に乗って磁気ローラー32の上方空間へと送られる。そして、磁気ローラー32の上方空間に搬送されたトナーは、供給搬送室25に落下する。これにより、ケーシング21内に浮遊したトナーが、ケーシング21の開口部22(対向領域S)からプリンター本体2内に漏出することを適切に防止することができる。
以上の本実施形態に係る現像装置11によれば、可撓性を有し伸縮自在なシート部材38に対し、振動付与装置39により振動を付与することで、張設されたシート部材38は、自身の伸縮性(弾性)により略均一に振動する。これにより、シート部材38の全体に亘って堆積したトナーを効率良く振い落すことができるため、トナーが堆積したままの状態となることを防止することができる。従って、感光体ドラム9と対向する開口部22から浮遊トナーが漏出することによるプリンター本体2の内部の汚染や、堆積したトナーが凝集(ブロッキング)して現像ローラー33に付着し、トナー落ちとなる画像不具合等を、磁気ローラー32および現像ローラー33の線速に依存することなく効果的に抑制することができる。
また、本実施形態に係る現像装置11によれば、シート部材38が支持本体部40の長手方向両端部に固定されているため、シート部材38は、開放面43の法線方向に大きく振動する。つまり、振動の振幅を大きくすることができる。これにより、シート部材38上のトナーをより効率良く振い落すことができ、トナーの堆積を有効に防止することができる。
また、本実施形態に係る現像装置11によれば、穂切りブレード34は、シート部材38と共に支持部材37に保持されている。また、振動付与装置39(振動ローラー45)は、支持部材37(支持本体部40)に凹設された凹部42内に配置されており、凹部42を覆うように張設したシート部材38には直接振動が与えられる。これにより、現像装置の構成を簡略化することができると共にデッドスペースを有効に利用することで、現像装置の小型化を図ることができる。
さらに、本実施形態に係る現像装置11によれば、各スクリュー30,31や各ローラー32,33を回転させる駆動装置36は、振動ローラー45も回転させる。つまり、駆動装置36は、各スクリュー30,31および各ローラー32,33の回転と、振動ローラー45の回転とに併用されている。この共通化された駆動装置36により振動ローラー45を回転させることで、各突起部46がシート部材38に接触して押し上げ、接触しなくなると該押し上げが解除される。これにより、振動ローラー45専用の駆動源を設ける必要がなく、振動ローラー45の回転のみでシート部材38に振動を付与することができるため、簡易な構成とすることができる。
なお、上記した現像装置11の説明では、攪拌搬送スクリュー30の回転が第2ギヤ列に伝達されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、供給搬送スクリュー31や各ローラー32,33により伝達されてもよい。また、第2ギヤ列を省略し、回転ブラシおよび振動ローラー45のギヤ47を軸方向一端側に設けてもよい。
なお、突起部46は、略円柱形状に限らず、任意の形状に形成して構わない。また、突起部46は、少なくとも1つ以上突設されていればよく、その形成数は任意である。また、現像剤は、上記した二成分現像剤に限定されるものではなく、感光体ドラム9上の静電潜像をトナー像に現像するためのトナーを含むものであればよい。
なお、図7に示すように、支持本体部40に、ケーシング21の内側と外側とを連通する第1空気流入孔50を形成し、ケーシング21の上端部に、ダクト51と連通する第2空気流出孔52を形成する構成としてもよい。
この場合、支持本体部40の下部には、長手方向(図7の紙面垂直方向)に沿って複数のスリット状の第1空気流入孔50が形成されている。
また、ケーシング21の上部には、ダクト51に連通する第2空気流出孔52が形成されている。ダクト51は、プリンター本体2に設けられた排気ファン(図示せず)に接続されており、排気ファンとダクト51との流路部(図示せず)には、フィルター(図示せず)が配置されている。
上記したように、磁気ローラー32と現像ローラー33との回転により発生した空気流(図7の白抜き矢印参照)によって穂切りブレード34の近傍は負圧となっている。このため、第1空気流入孔50を通してケーシング21の外部から内部に空気が流入してくる(流入空気)。この流入空気は上記した空気流に合流する。これにより、シート部材38の振動により跳ね上げられたトナーが穂切りブレード34周辺に落下した場合であっても、上記した空気流に乗せて磁気ローラー32の上方空間に送ることができる。そして、この上方に向かう空気流は、第2空気流出孔52を通ってダクト51から排出される。すなわち、ケーシング21内には、第1空気流入孔50から第2空気流出孔52に至る空気流の経路が形成される。これにより、シート部材38から振い落されて上方に跳ね上げられたトナーを、上記したフィルターによって回収することができる。
なお、上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係る現像装置11およびこれを備えたカラープリンター1(画像形成装置)における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、この態様に限定されるものではない。さらに、上記した本発明の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、且つ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
1 カラープリンター(画像形成装置)
9 感光体ドラム(像担持体)
21 ケーシング
25 供給搬送室(搬送室)
31 供給搬送スクリュー(攪拌部材)
32 磁気ローラー
33 現像ローラー
34 穂切りブレード
35 トナー受け機構部
36 駆動装置
37 支持部材
38 シート部材
39 振動付与装置
42 凹部
45 振動ローラー
46 突起部
S 対向領域

Claims (6)

  1. 静電潜像が形成される像担持体に対向して配置され、前記像担持体との対向領域において前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と、該現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制するブレードと、を有する現像装置であって、
    前記現像剤担持体と前記ブレードとの間に配置され、前記現像剤担持体から前記ブレードに向かって落下する現像剤を受けるシート部材と、
    前記シート部材を保持する支持部材と、
    前記シート部材に振動を与える振動付与装置と、を備え、
    前記シート部材は、伸縮自在で可撓性を有しており、前記支持部材に張設されていることを特徴とする現像装置。
  2. 前記シート部材は、前記現像剤担持体に沿って細長い形状に形成され、その長手方向両端部が、前記支持部材に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記現像剤担持体および前記ブレードを収容するケーシングを備え、
    前記ブレードは、前記支持部材と前記ケーシングとの間に挟み込まれて保持され、
    前記支持部材は、前記現像剤担持体側から窪んで前記振動付与装置が配置される凹部が形成されており、
    前記シート部材は、前記凹部を覆うように張設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記振動付与装置は、軸方向に延びるローラーと、前記ローラーの周面に突出して設けられ、前記凹部側から前記シート部材を押圧する突起部と、前記現像剤担持体および前記ローラーを回転駆動する駆動装置と、を有していることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
  5. 前記ケーシング内の下部に形成された搬送室に配置され、トナーを含む現像剤を攪拌し搬送する攪拌部材を備え、
    前記現像剤担持体は、前記攪拌部材から供給される現像剤を担持する磁気ローラーと、該磁気ローラーおよび前記像担持体のそれぞれに対向して配置され、前記磁気ローラーの回転によって搬送された現像剤中のトナーを担持し、担持したトナーを前記像担持体に供給する現像ローラーと、から成り、
    前記振動付与装置から付与された振動により前記シート部材から振い落されたトナーは、前記磁気ローラーと前記現像ローラーとの間を通って前記搬送室に搬送されることを特徴とする請求項3または4に記載の現像装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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