JP2014138692A - X線撮影装置、x線撮影を行う際の頭部傾き測定方法、x線撮影装置用スタンドおよびx線撮影装置用椅子 - Google Patents

X線撮影装置、x線撮影を行う際の頭部傾き測定方法、x線撮影装置用スタンドおよびx線撮影装置用椅子 Download PDF

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Abstract

【課題】側方頭部X線規格写真、後前方向頭部X線規格写真などを、被検体の頭部の前後方向の傾きが同じ状態で簡単にかつ高い再現性で撮影することができ、しかも眼窩下点支持棒を用いる場合のような危険もないX線撮影装置を提供する。
【解決手段】X線撮影装置は、基準線16を挟んで互いに対向して設けられ、かつ基準線16の周りに回転可能な一対のアーム12、13と、一対のアーム12、13の互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッド17、18と、一方のアーム13に設けられた、被検体の頭部の前後方向の傾きを設定するための頭部傾き設定装置19と、頭部傾き設定装置19の外部に設けられた水平面確認機構とを有する。頭部傾き設定装置19は、アーム13またはイヤーロッド18上の基準点を中心とする、水平線に対する傾斜角度を測定する分度器の機能を有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、X線撮影装置、X線撮影を行う際の頭部傾き測定方法、X線撮影装置用スタンドおよびX線撮影装置用椅子に関し、例えば、セファロX線撮影装置で頭部X線写真を撮影する際に適用して好適なものである。
歯列矯正治療などにおいて治療方針を決める際には、患者の頭部X線規格写真(セファログラム)を撮影し、この頭部X線規格写真に基づいてセファロ分析を行うのが一般的である(例えば、非特許文献1、2参照。)。従来、頭部X線規格写真としては、もっぱら側方(側面)頭部X線規格写真が撮影されている。必要に応じて後前方向(PA(posteroanterior))頭部X線規格写真が撮影されることがあるものの、撮影されることはむしろ稀であり、ましてや、後前方向頭部X線規格写真から治療に役立つ有用な情報を取得できているとは到底言い難いのが実情である。その大きな原因は、後前方向頭部X線規格写真を撮影する際の頭部の前後方向の傾きを設定することが極めて難しいため、撮影するたびに頭部の傾きが異なってしまうことにある。頭部の傾きが異なった状態で撮影すると、得られる後前方向頭部X線規格写真は全く別の印象を与えるものとなる。このため、現状では、そもそも後前方向頭部X線規格写真は、患者の頭部の骨格などを判断する際の信頼できる資料とはならないと考えられている。
従来、側方頭部X線規格写真は、患者の頭部のフランクフルト(Frankfort) 平面が床面に平行になる位置で撮影するとされていた(非特許文献1、2参照。)。ここで、フランクフルト平面は、眼窩骨縁最下点(オルビターレ(orbitale) )と外耳道上縁点(ポリオン(porion) )とを結ぶ平面である。側方頭部X線規格写真を撮影する際に、頭部のフランクフルト平面を床面に平行にするために、セファロX線撮影装置に、先端が針状に尖った眼窩下点支持棒を患者の顔面を向くように水平面内に設けることが知られている(非特許文献2参照。)。そして、後前方向頭部X線規格写真についても同様に、フランクフルト平面が床面に平行になる位置で撮影するとされていた(非特許文献2参照。)。
また、歯科矯正学の教科書として世界的に最も評価が高いプロフィト(Proffit) の教科書(非特許文献3参照。)においては、セファロ分析に関し、「セファロ写真は自然頭位(natural head position,NFP)で撮影されるべきであり、それによって生理学的に真の水平面を求めることができる」とされている。
亀田 晃著「矯正臨床における診断法」第54頁〜第71頁(医書出版株式会社、昭和53年6月発行) 宮下 邦彦著「カラーアトラス X線解剖学とセファロ分析法」第146頁〜第149頁(クインテッセンス出版株式会社、平成21年6月10日発行) William R. Proffit著(高田健治訳)「新版 プロフィトの現代歯科矯正学」(クインテッセンス出版株式会社、2004年6月10日発行)
しかしながら、非特許文献2においては、後前方向頭部X線規格写真を撮影する際には「頭部の変位により著しく像が異なりやすいので側方撮影を最初に行い、患者に体位を習得させてから行うのが良い。」と記載されているに過ぎず(同文献の第147頁第11行〜第13行)、後前方向頭部X線規格写真を撮影する際に患者の頭部のフランクフルト平面を床面に平行にするための具体的な方法については何ら記載されていない。このため、後前方向頭部X線規格写真と側方頭部X線規格写真とを、患者の頭部の傾きが同じ状態で撮影することは到底困難であると考えられる。また、この方法では、患者の顔面などが眼窩下点支持棒と接触する恐れがあり危険である。
また、非特許文献3の方法では、後前方向頭部X線規格写真は勿論、側方頭部X線規格写真を撮影する際にも、撮影するたびに頭部の傾きが異なってしまうことは避けられず、後前方向頭部X線規格写真と側方頭部X線規格写真とを、患者の頭部の傾きが同じ状態で撮影することは到底困難であると考えられる。
さらに、本発明者が知る限り、後前方向頭部X線規格写真と側方頭部X線規格写真とを患者の頭部の傾きが同じ状態で簡単に撮影する方法は知られていない。
また、上下顎骨の成長発育を調べるためには、側方頭部X線規格写真あるいは後前方向頭部X線規格写真を時間を置いて撮影し、それらの側方頭部X線規格写真あるいは後前方向頭部X線規格写真を重ね合わせることにより経年変化を調べることが重要である。しかしながら、上述のように後前方向頭部X線規格写真および側方頭部X線規格写真を患者の頭部の傾きが同じ状態で撮影することは困難であったため、この経年変化を調べることは実際上困難であった。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、側方頭部X線規格写真、後前方向頭部X線規格写真、前後方向頭部X線規格写真、後前方向と前後方向との中間の任意の方向の頭部X線写真などを、被検体の頭部の前後方向の傾きが同じ状態で簡単にかつ高い再現性で撮影することができ、しかも眼窩下点支持棒を用いる場合のような危険もないX線撮影装置およびX線撮影を行う際の頭部傾き測定方法を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、側方頭部X線規格写真、後前方向頭部X線規格写真、前後方向頭部X線規格写真、後前方向と前後方向との中間の任意の方向の頭部X線写真などを、被検体の頭部の前後方向の傾きが同じ状態で簡単にかつ高い再現性で撮影することができ、しかも眼窩下点支持棒を用いる場合のような危険もないX線撮影装置用スタンドおよびX線撮影装置用椅子を提供することである。
上記課題および他の課題は、添付図面を参照した以下の記述によって明らかとなるであろう。
上記課題を解決するために、この発明は、
互いに対向して設けられた一対のアームと、
上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドと、
上記一対のアームのうちの少なくとも一方に設けられた、被検体の頭部の前後方向の傾きを設定するための頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板を有するものと、
上記透明板の外部に設けられた水平面確認機構とを有するX線撮影装置である。
一対のアームは、典型的には、基準線を挟んで互いに対向して設けられ、かつその基準線の周りに回転可能に構成される。頭部傾き設定装置は、典型的には、一対のアームのイヤーロッドを被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で被検体の頭部の傾きを設定する。頭部傾き設定装置は、典型的には、頭部を側方(側面)から見たときに、アームまたはイヤーロッド上の第1の基準点と被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように頭部の傾きを設定する。頭部傾き設定装置は、好適には、第1の基準点を中心とする、水平線に対する傾斜角度を測定する分度器の機能を有する。この分度器の機能を用いることにより、頭部の前後方向の傾きを正確に設定することができる。第1の基準点を中心とする、水平線に対する傾斜角度は、正の角度(第1の基準点と第2の基準点とを結ぶ直線が水平線に対して上側に傾いている場合)であっても、負の角度(第1の基準点と第2の基準点とを結ぶ直線が水平線に対して下側に傾いている場合)であってもよい。
水平面確認機構は、頭部傾き設定装置を用いて頭部の傾きを設定する際に検査者が水平面を認識するために用いることができる。この水平面確認機構は、例えば、上下動可能もしくは水平面内で移動可能な水平板、水平面内で可視光ビームを走査可能な光学装置(光源および走査機構を含む)、水平な着色線などからなるが、これに限定されるものではない。水平板は単なる板のほか、例えば、水平面内で開閉可能な折り畳み定規状の構成を有するものであってもよい。可視光ビームは、レーザービームまたは発光ダイオードから発光する光をビーム状にしたものである。着色線は、例えば、金属、炭素繊維、プラスチックなどからなる細い直線状のワイヤーの表面を着色したもの、直線状の透明ファイバーにその端面から赤色光や緑色光などの可視光を導波させて着色したもののほか、可視光ビームそのものを用いてもよい。頭部傾き設定装置を構成する透明板には、必要に応じて、X線遮蔽材料からなる、長さを示す目盛が設けられる。好適には、一対のアームのうちの一方に上記の透明板が設けられ、一対のアームのうちの他方にX線遮蔽材料からなる、長さを示す目盛が設けられた別の透明板が設けられる。これらの目盛は、頭部のX線撮影により得られる写真あるいは画像において長さの基準とすることができる。
第1の基準点と第2の基準点とを結ぶ直線が頭部のフランクフルト平面またはそれに近い平面になるようにするためには、第1の基準点は、例えばイヤーロッドの最上点(撮影時の被検体の両耳の外耳道上縁点(ポリオン)と一致する)、第2の基準点は、例えば、眼窩骨縁最下点(オルビターレ)、瞳孔の中心の直下の眼窩縁、眼瞼裂の中心などに選ばれる。第1の基準点と第2の基準点とを結ぶ直線がフランクフルト平面またはそれに近い平面にならなくてもよい場合には、第1の基準点および第2の基準点は任意に選ぶことができる。
X線撮影装置は、例えばセファロX線撮影装置であるが、他の医科歯科用X線撮影装置であってもよく、コンピュータ断層撮影(CT)装置などであってもよい。被検体の撮影する部位は、典型的には頭部であるが、頭部に加えて頸部も含まれてもよく、頸部のみ撮影してもよい。
また、この発明は、
被検体の頭部のX線撮影を行う際に、互いに対向して設けられた一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するための、上記一対のアームのうちの少なくとも一方に設けられた頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板を有するものと、上記透明板の外部に設けられた水平面確認機構とを用いて測定する、X線撮影を行う際の頭部傾き測定方法である。
このX線撮影を行う際の頭部傾き測定方法の発明においては、その性質に反しない限り、上記のX線撮影装置の発明に関連して説明したことが成立する。
また、この発明は、
互いに対向して設けられた一対のアームと、上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドとを有するX線撮影装置により被検体の頭部のX線撮影を行う際に用いられ、
上記一対のアームの上記イヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するための頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板を有するものと、
上記透明板の外部に設けられた水平面確認機構とを有するX線撮影装置用スタンドである。
ここで、このX線撮影装置用スタンドは、典型的には、その頭部傾き設定装置が、撮影時に上記のX線撮影装置における頭部傾き設定装置と同じ位置に来るように設置される。
また、この発明は、
互いに対向して設けられた一対のアームと、上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドとを有するX線撮影装置により被検体の頭部のX線撮影を行う際に用いられ、
上記一対のアームの上記イヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するための頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板を有するものと、
上記透明板の外部に設けられた水平面確認機構とを有するX線撮影装置用椅子である。
ここで、このX線撮影装置用椅子の頭部傾き設定装置は、典型的には、撮影時に上記のX線撮影装置における頭部傾き設定装置と同じ位置に来るように設置される。
また、この発明は、
互いに対向して設けられた一対のアームと、上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドとを有するX線撮影装置の上記一対のアームのうちの少なくとも一方に設けられ、
被検体の頭部のX線撮影を行う際に、上記一対のアームの上記イヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するために用いられ、
上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられる透明板からなり、上記透明板は水平面確認機構およびX線遮蔽材料からなる、長さを示す目盛を備えており、
上記第1の基準点を中心とする、水平線に対する傾斜角度を測定する分度器の機能を有する頭部傾き設定装置である。
上記のX線撮影装置用スタンド、X線撮影装置用椅子および頭部傾き設定装置の発明においては、上記以外のことについては、その性質に反しない限り、上記のX線撮影装置の発明に関連して説明したことが成立する。
また、この発明は、
互いに対向して設けられた一対のアームと、
上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドと、
上記一対のアームのうちの少なくとも一方に設けられた、被検体の頭部の前後方向の傾きを設定するための頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板と、上記透明板に設けられた、水平面内で開閉可能な折り畳み定規状の構成を有する水平板、水平面内で可視光ビームを走査可能な光学装置または上記透明板に平行に設けられた水平な着色線からなる水平面確認機構とを有するものとを有するX線撮影装置である。
また、この発明は、
互いに対向して設けられた一対のアームと、上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドとを有するX線撮影装置により被検体の頭部のX線撮影を行う際に用いられ、
上記一対のアームの上記イヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するための頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板と、上記透明板に設けられた、水平面内で開閉可能な折り畳み定規状の構成を有する水平板、水平面内で可視光ビームを走査可能な光学装置または上記透明板に平行に設けられた水平な着色線からなる水平面確認機構とを有するものとを有するX線撮影装置用スタンドである。
また、この発明は、
互いに対向して設けられた一対のアームと、上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドとを有するX線撮影装置により被検体の頭部のX線撮影を行う際に用いられ、
上記一対のアームの上記イヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するための頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板と、上記透明板に設けられた、水平面内で開閉可能な折り畳み定規状の構成を有する水平板、水平面内で可視光ビームを走査可能な光学装置または上記透明板に平行に設けられた水平な着色線からなる水平面確認機構とを有するものとを有するX線撮影装置用椅子である。
また、この発明は、
互いに対向して設けられた一対のアームと、上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドとを有するX線撮影装置の上記一対のアームのうちの少なくとも一方に設けられ、
被検体の頭部のX線撮影を行う際に、上記一対のアームの上記イヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するために用いられ、
上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられる透明板からなり、上記透明板は水平面確認機構およびX線遮蔽材料からなる、長さを示す目盛を備えており、上記水平面確認機構は、水平面内で開閉可能な折り畳み定規状の構成を有する水平板、水平面内で可視光ビームを走査可能な光学装置または上記透明板に平行に設けられた水平な着色線からなり、
上記第1の基準点を中心とする、水平線に対する傾斜角度を測定する分度器の機能を有する頭部傾き設定装置である。
水平面内で開閉可能な折り畳み定規状の構成を有する水平板、水平面内で可視光ビームを走査可能な光学装置または透明板に平行に設けられた水平な着色線からなる水平面確認機構を有する上記のX線撮影装置、X線撮影装置用スタンド、X線撮影装置用椅子および頭部傾き設定装置の発明においては、上記以外のことについては、その性質に反しない限り、既に述べたX線撮影装置、X線撮影装置用スタンド、X線撮影装置用椅子および頭部傾き設定装置の発明に関連して説明したことが成立する。
この発明によれば、側方頭部X線規格写真、後前方向頭部X線規格写真、前後方向頭部X線規格写真、後前方向と前後方向との中間の任意の方向の頭部X線写真などを、被検体の頭部の前後方向の傾きが同じ状態で簡単にかつ高い再現性で撮影することができ、しかも眼窩下点支持棒を用いる場合のような危険もない。
この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を水平方向かつ中心X線に対して垂直方向から見た略線図である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置のアームおよびこのアームに設置された頭部傾き設定装置を示す略線図である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置の頭部傾き設定装置の下端面に水平板が接触した状態を示す平面図である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて側方頭部X線規格写真を撮影する方法を説明するための略線図である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて側方頭部X線規格写真を撮影する方法を説明するための略線図である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて側方頭部X線規格写真を撮影する方法を説明するための略線図である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて頭部が前後方向に10°傾斜した顔面高位で側方頭部X線規格写真を撮影する方法を説明するための略線図である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて後前方向頭部X線規格写真を撮影する方法を説明するための略線図である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて後前方向頭部X線規格写真を撮影する方法を説明するための略線図である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて後前方向と前後方向との中間の任意の方向の頭部X線写真を撮影する方法を説明するための略線図である。 この発明の第2の実施の形態によるセファロX線撮影装置において用いられるX線撮影装置用スタンドを示す正面図である。 この発明の第3の実施の形態によるセファロX線撮影装置において用いられるX線撮影装置用椅子を示す側面図である。 この発明の第4の実施の形態によるセファロX線撮影装置を説明するための略線図である。 この発明の第4の実施の形態によるセファロX線撮影装置のアームおよびこのアームに設置されたアーム下部傾き設定装置を示す略線図である。 この発明の第5の実施の形態によるセファロX線撮影装置において水平面確認機構として用いられる折り畳み定規状水平板の閉じた状態および開いた状態を示す平面図である。 この発明の第6の実施の形態によるセファロX線撮影装置において水平面確認機構として用いられる水平な着色線を示す平面図である。 この発明の第7の実施の形態によるセファロX線撮影装置において水平面確認機構として用いられる光学装置を示す平面図である。 この発明の第8の実施の形態によるセファロX線撮影装置において頭部傾き設定装置の底面に設けられた水平面確認機構としての折り畳み定規状水平板の閉じた状態および開いた状態を下側から見た平面図である。 この発明の第9の実施の形態によるセファロX線撮影装置において頭部傾き設定装置に平行に設けられた水平面確認機構としての水平な着色線を示す平面図である。 この発明の第10の実施の形態によるセファロX線撮影装置において頭部傾き設定装置に設けられた水平面確認機構としての光学装置を示す平面図である。 この発明の第11の実施の形態によるセファロX線撮影装置において用いられる、長さを示す目盛が設けられた頭部傾き設定装置を示す側面図である。 この発明の第12の実施の形態によるセファロX線撮影装置を示す略線図である。 この発明の第12の実施の形態によるセファロX線撮影装置において頭部傾き設定装置が設けられたアームと異なるもう一方のアームの外側面に設けられる、長さを示す目盛が設けられた透明板を示す側面図である。 この発明の第12の実施の形態によるセファロX線撮影装置における頭部傾き設定装置の要部を示す断面図である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者1の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者1の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者2の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者2の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者3の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者3の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者4の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者4の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者5の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者5の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者6の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者6の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者7の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者7の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者8の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者8の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者9の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者9の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者10の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者10の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者11の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者11の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者12の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者12の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者13の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者13の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者14の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者14の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者15の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者15の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者16の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者16の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者17の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者17の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者18の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者18の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者19の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者19の顔面高位での後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者19の顔面低位での後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第11の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者20の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第11の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者21の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第11の実施の形態によるセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者22の側方頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第13の実施の形態において使用するシールを示す平面図である。 この発明の第13の実施の形態において被検体の頭部の顔面にシールを貼る方法を説明するための略線図である。 この発明の第13の実施の形態において被検体の頭部の側面にシールを貼る方法を説明するための略線図である。 この発明の第13の実施の形態において使用するフランクフルト平面指示ゲージを示す平面図、正面図および斜視図である。 この発明の第13の実施の形態において被検体の頭部の顔面にシールを貼る方法を説明するための略線図である。 この発明の第13の実施の形態において被検体の頭部の顔面にシールを貼る方法を説明するための略線図である。 この発明の第13の実施の形態において被検体の頭部の顔面にシールを貼る方法を説明するための略線図である。 頭部X線規格写真における計測点を説明するための略線図である。 ディスプレイ上に並列して表示された側方頭部X線規格写真および後前方向頭部X線規格写真を示す略線図である。 ディスプレイ上に表示された側方頭部X線規格写真および後前方向頭部X線規格写真から求められる各種の距離または長さを示す略線図である。 ディスプレイ上に表示された側方頭部X線規格写真および後前方向頭部X線規格写真から求められる各種の距離または長さを示す略線図である。 ディスプレイ上に表示された側方頭部X線規格写真および後前方向頭部X線規格写真から求められる各種の距離または長さを示す略線図である。 ディスプレイ上に表示された側方頭部X線規格写真および後前方向頭部X線規格写真から求められる各種の距離または長さを示す略線図である。 ディスプレイ上に表示された側方頭部X線規格写真および後前方向頭部X線規格写真から求められる各種の距離または長さを示す略線図である。
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という。)について説明する。
〈1.第1の実施の形態〉
図1は第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置を示す。図1に示すように、このセファロX線撮影装置は、X線発生部11と、アーム12、13と、アーム制御装置14と、X線検出部15とを有する。X線発生部11はX線管11aを有し、このX線管11aからX線が発生される。アーム制御装置14は、図示省略した支持部により床面に対して支持されている。
X線管11aから発生されたX線は被検体の頭部に照射され、この頭部を透過したX線がX線検出部15に入射し、透過X線画像が得られる。X線検出部15は特に限定されないが、例えば、X線フィルム、イメージングプレート、半導体検出器などが用いられる。透過X線画像は、必要に応じて、例えばディジタル画像信号に変換される。
アーム12、13は、鉛直線に平行かつ中心X線と直交する基準線16を挟んで互いに対向して設けられている。アーム12、13の上部はアーム制御装置14に取り付けられている。そして、アーム12、13は、このアーム制御装置14により、基準線16の周りに回転可能、基準線16に平行な方向に昇降可能および水平方向に互いに逆向きに並進移動可能になっている。アーム12、13の下部は下端に向かって幅が徐々に狭くなっており下端は円形になっている(図2参照)。また、アーム12、13の下端部はそれぞれ、鉛直線に対して内側に所定の角度折り曲げられた後、再び鉛直線に平行になっている。アーム12、13は、少なくとも撮影時にX線が照射される部分は透明材料により構成され、一般的にはそのほぼ全部が透明材料により構成される。アーム12、13の下端部の互いに対向する内側面にはそれぞれ先端が尖った円柱状のイヤーロッド17、18が互いに同軸に設けられている。イヤーロッド17、18は、従来公知のものを用いることができ、撮影時にその輪郭が写るようになっている。
アーム12、13の少なくとも一方の外側面には、被検体の頭部の前後方向の傾きを設定するための頭部傾き設定装置19が取り付けられている。図1には、アーム13の外側面に頭部傾き設定装置19が取り付けられている例が示されている。この場合、この頭部傾き設定装置19は、イヤーロッド18の中心軸に垂直な長方形状の透明板からなる。この透明板としては、アクリル板やPET(ポリエチレンテレフタレート)板などの透明プラスチック板、ガラス板などを用いることができる。この透明板は、必要な機械的強度が得られ、曲がりにくい厚さであればよいが、例えば、2mm以上10mm以下の厚さである。頭部傾き設定装置19の取付方法は特に限定されず、接着、クリップ留め、ねじ止めなどのどのようなものであってもよい。
頭部傾き設定装置19の詳細を図2に示す。図2は頭部傾き設定装置19をその面に垂直な方向から見た図である。図2に示すように、頭部傾き設定装置19の下端面(底辺)は水平面に平行になっている。この頭部傾き設定装置19の下端面は、イヤーロッド18の最上点でイヤーロッド18の中心軸に垂直方向に引いた接線方向と一致している。この頭部傾き設定装置19には、イヤーロッド18の最上点を中心とした角度目盛19aが形成されており、分度器の機能を有する。図2においては、角度目盛19aは0°から90°まで10°間隔で形成されているが、角度目盛19aの付け方はこれに限定されるものではなく、例えば5°間隔あるいは1°間隔で形成してもよいし、特定の範囲内の角度だけ、例えば0°から30°まで角度目盛19aが形成されてもよい。角度目盛19aが0°の線は頭部傾き設定装置19の下端面と一致している。角度目盛19aは、典型的には、通常の分度器と同様に例えば黒色に着色された線により形成されるが、これに限定されるものではない。0°を除く角度目盛19aは、頭部傾き設定装置19の片面に設けてもよいが、好適には、両面の互いに対応する位置にそれぞれ設けられる。このように角度目盛19aを頭部傾き設定装置19の両面の互いに対応する位置に設けることにより、この角度目盛19aを水平方向から見たとき、両面の角度目盛19aが一致する方向が水平方向であり、一致しなければ水平方向からずれていると判断することができる。図3に示すように、頭部傾き設定装置19の下端面には、この頭部傾き設定装置19に対して垂直に内側に向かって突出した状態で水平板20が接触している。ここで、図3はこの状態の頭部傾き設定装置19および水平板20の平面図を示す。この水平板20は、図示省略した移動機構により上下動可能あるいは水平面内で移動可能あるいはそれらの両者が可能に構成されている。移動機構は、アーム13や床面などに設置することができる。この水平板20は、例えば、図1において一点鎖線で示した頭部傾き設定装置19の真下の位置から移動機構により上昇させ、頭部傾き設定装置19の下端面に接触した時点で停止させ、その状態を保持する。例えば、水平板20が頭部傾き設定装置19の下端面に接触した時点でこの下端面に着脱自在に水平板20が係合するように水平板20および頭部傾き設定装置19を構成してもよく、この場合には、水平板20が頭部傾き設定装置19の下端面に係合した後に移動機構を下降させることができる。図3に示すように、水平板20は、イヤーロッド18から離れた部分に幅広の部分を有する。水平板20は、水平面を確認する際に視認を容易にするために、好適には着色され、具体的には例えば黒色に着色される。水平板20は、好適にはX線透過画像に写るようにその材質、厚さ、水平方向の幅などが選ばれる。水平板20の材質は、例えば、アクリルなどの透明プラスチック、不透明プラスチック、金属などである。水平板20の厚さは、例えば0.2mm以上2mm以下であるが、これに限定されるものではない。水平板20の水平方向の幅は、例えば1mm以上30mm以上であるが、これに限定されるものではない。
次に、このセファロX線撮影装置を用いて被検体の頭部X線撮影を行う方法について説明する。
(1)側方頭部X線規格写真を撮影する方法
図1において、アーム12、13を水平方向に外側に並進移動させて互いに十分な距離離し、かつ十分に高い位置に移動させておく。この状態で、図4に示すように、被検体の頭部21を、アーム12、13の間に、その正中矢状面がX線管11aからの中心X線に対して垂直になるように位置させる。被検体は、椅子に座った座位であっても立った状態の立位であってもよい。次に、アーム12、13を下降させることにより、イヤーロッド17、18が被検体の頭部21の左右の外耳孔の高さ位置に来るようにする。次に、アーム12、13を水平方向に内側に並進移動させ、被検体の頭部21の左右の外耳孔にイヤーロッド17、18を挿入する。そして、イヤーロッド17、18の最上点がポリオンに接触するようにすることによって頭部21を固定し、中心X線の照射方向がイヤーロッド17、18の中心軸と一致するようにする。次に、検査者が頭部21の顔面の所定の基準点(第2の基準点)、例えば、オルビターレ(Or)、瞳孔の中心の直下の眼窩縁、眼瞼裂の中心などを探す。例えば、オルビターレを基準点とする場合は、検査者が指先で眼窩下縁付近を触ることにより探すことができる。そして、図5に示すように、こうして探した基準点に円形の小さな色付きのシール22を貼る。このシール22の色は基本的にはどのようなものであってもよいが、例えば、赤色、黄色、緑色、青色、白色、黒色などであってよい。この基準点に貼られたシール22を、頭部21の側方から見ることが難しい場合には、顔面上のこのシール22から水平方向の外側に例えば5〜20mm離れた位置にもシール22を貼る。次に、図6に示すように、検査者が頭部傾き設定装置19を外側から水平方向に見る。このとき、透明板からなる頭部傾き設定装置19を透過してシール22を見ることができる。そして、頭部傾き設定装置19の角度目盛19aを用い、ポリオン(イヤーロッド18の最上点と一致する)とオルビターレとを結ぶ直線を所望の角度に設定する。図6には、一例として、ポリオンとオルビターレとを結ぶ平面、すなわちフランクフルト平面を水平に設定する場合が示されている。このようにフランクフルト平面を水平に設定する場合には、角度目盛19aが0°にある水平板20を外側から観察する。このとき、水平板20が線状に見えるときには、水平方向から観察していることになるから、ポリオンとオルビターレとを結ぶ直線がこの水平板20と一致するように頭部21の前後方向の傾きを設定する。こうして、頭部21のフランクフルト平面が水平面(床面)に平行になるように設定される。
上述のようにして頭部21の傾きを所望の傾きに設定した状態でX線撮影を行うことにより、側方頭部X線規格写真を撮影する。
頭部21のフランクフルト平面が水平面に対して正または負の角度傾斜した位置で側方頭部X線規格写真を撮影する一例として、頭部21のフランクフルト平面が水平面に対して10°傾斜した状態(顔面高位)で側方頭部X線規格写真を撮影する場合を図7に示す。図7に示すように、この場合には、頭部傾き設定装置19の角度目盛19aを用い、頭部21の前後方向の傾きを調整し、ポリオンとオルビターレとを結ぶ直線を10°の角度に設定する。
(2)後前方向頭部X線規格写真を撮影する方法
図8に示すように、アーム12、13を図1に示す位置から基準線16の周りに90°回転させる。そして、図9に示すように、側方頭部X線規格写真を撮影する場合と同様に、被検体の頭部21の左右の外耳孔にイヤーロッド17、18を挿入し、イヤーロッド17、18の最上点がポリオンに接触するようにすることによって頭部21を固定する。この場合、頭部21の顔面がX線検出部15に向いている。また、中心X線の照射方向はイヤーロッド17、18の中心軸と直交している。頭部21の顔面の所定の基準点、具体的には例えばオルビターレにはシール22が貼られたままとする。次に、検査者が頭部傾き設定装置19を外側から水平方向に見る。このとき、頭部傾き設定装置19を透過してシール22を見ることができる。そして、側方頭部X線規格写真を撮影する場合と同様にして、頭部傾き設定装置19の角度目盛19aを用い、ポリオンとオルビターレとを結ぶ直線を側方頭部X線規格写真を撮影した場合と同じ角度に設定する。そして、この位置でX線撮影を行うことにより、頭部21の前後方向の傾きが側方頭部X線規格写真撮影時と同一の状態で後前方向頭部X線規格写真を撮影することができる。例えば、側方頭部X線規格写真も後前方向頭部X線規格写真も、頭部21のフランクフルト平面が水平面(床面)に平行になる位置で撮影することができる。
(3)前後方向頭部X線規格写真を撮影する方法
前後方向頭部X線規格写真を撮影する方法は、頭部21の顔面がX線発生部11に向くように頭部21を位置させることを除いて、後前方向頭部X線規格写真を撮影する方法と同様である。
(4)後前方向と前後方向との中間の任意の方向から頭部X線写真を撮影する方法
アーム12、13を、図1に示す位置から基準線16の周りに角度β(0°<β<360°)だけ回転させる。この状態のセファロX線撮影装置および頭部の平面図を図10に示す。そして、側方頭部X線規格写真を撮影する場合と同様に、被検体の頭部21の左右の外耳孔にイヤーロッド17、18を挿入し、イヤーロッド17、18の最上点がポリオンに接触するようにすることによって頭部21を固定する。この場合、中心X線の照射方向はイヤーロッド17、18の中心軸に対して角度β傾斜している。頭部21の顔面の所定の基準点、具体的には例えばオルビターレにはシール22が貼られたままとする。次に、検査者が頭部傾き設定装置19を外側から水平方向に見る。このとき、頭部傾き設定装置19を透過してシール22を見ることができる。そして、側方頭部X線規格写真を撮影する場合と同様にして、頭部傾き設定装置19の角度目盛19aを用い、ポリオンとオルビターレとを結ぶ直線を側方頭部X線規格写真を撮影した場合と同じ角度に設定する。そして、この位置でX線撮影を行うことにより、頭部21の前後方向の傾きが側方頭部X線規格写真撮影時と同一の状態で頭部X線写真を撮影することができる。例えば、この頭部X線写真を、側方頭部X線規格写真および後前方向頭部X線規格写真と同様に、頭部21のフランクフルト平面が水平面(床面)に平行になる位置で撮影することができる。
この第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置によれば、次のような種々の利点を得ることができる。すなわち、頭部傾き設定装置19を用いて撮影時の頭部21の前後方向の傾きを所望の傾きに設定することができることにより、側方頭部X線規格写真、後前方向頭部X線規格写真、前後方向頭部X線規格写真、後前方向と前後方向との中間の任意の方向の頭部X線写真などを、被検体の頭部21の前後方向の傾きが同じ状態で簡単にかつ高い再現性で撮影することができる。このため、例えば、側方頭部X線規格写真あるいは後前方向頭部X線規格写真を時間を置いて撮影する場合、例えばある時期に撮影してから1年後に撮影する場合においても、頭部21の前後方向の傾きが同一の状態で撮影することができる。このように頭部21の前後方向の傾きが常に同一の状態で撮影することができるため、側方頭部X線規格写真あるいは前後方向頭部X線規格写真の重ね合わせを容易に行うことができる。これによって、頭部21の上下顎骨の経年変化を正確に調べることが可能となり、上下顎骨の成長発育を正確に調べることが可能となる。加えて、第1の実施の形態においては、眼窩下点支持棒を用いないので、眼窩下点支持棒を用いる場合の危険もない。
〈2.第2の実施の形態〉
第2の実施の形態によるセファロX線撮影装置においては、第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置のようにアーム13に頭部傾き設定装置19が設置されているのではなく、セファロX線撮影装置に付属するX線撮影装置用スタンドに頭部傾き設定装置19が設置されている。
図11にこのX線撮影装置用スタンドを示す。図11に示すように、このX線撮影装置用スタンドは、床面に置かれる支持台51と、この支持台51に対して垂直に立てられた支持棒52と、この支持棒52の上端に取り付けられた頭部傾き設定装置19とを有する。支持棒52は伸縮自在に構成され、その長さを所定の範囲で調節することができるようになっている。このため、支持棒52の長さを調節することにより、頭部傾き設定装置19の高さを調節することができ、これによって頭部傾き設定装置19と頭部21との位置関係を第1の実施の形態と同様に設定することができる。頭部傾き設定装置19および水平板20については、第1の実施の形態と同様である。
次に、このセファロX線撮影装置を用いて被検体の頭部X線撮影を行う方法について説明する。
(1)側方頭部X線規格写真を撮影する方法
アーム12に頭部傾き設定装置19が設置されていない図1に示すセファロX線撮影装置において、アーム12、13を水平方向に外側に並進移動させて互いに十分な距離離し、かつ十分に高い位置に移動させておく。この状態で、図4に示すように、被検体の頭部21を、アーム12、13の間に、その正中矢状面がX線管11aからの中心X線に対して垂直になるように位置させる。被検体は、椅子に座った座位であっても立った状態の立位であってもよい。次に、アーム12、13を下降させることにより、イヤーロッド17、18が被検体の頭部21の左右の外耳孔の高さ位置に来るようにする。次に、アーム12、13を水平方向に内側に並進移動させ、被検体の頭部21の左右の外耳孔にイヤーロッド17、18を挿入し、イヤーロッド17、18の最上点がポリオンに接触するようにすることによって頭部を固定し、中心X線の照射方向がイヤーロッド17、18の中心軸と一致するようにする。次に、検査者が頭部21の顔面の所定の基準点、具体的には例えばオルビターレを探す。そして、図5に示すように、この基準点にシール22を貼る。次に、図11に示すX線撮影装置用スタンドを床面上で移動させ、支持棒52の上端に取り付けられた頭部傾き設定装置19が被検体の頭部21に対して図4に示す位置と同じ位置になるようにする。すなわち、頭部傾き設定装置19がアーム13の外側面に接触するようにする。そして、この状態で、第1の実施の形態と同様にして、検査者が、頭部傾き設定装置19の角度目盛19aを用い、ポリオンとオルビターレとを結ぶ直線を所望の角度に設定する。そして、この位置でX線撮影を行うことにより、側方頭部X線規格写真を撮影する。
(2)後前方向頭部X線規格写真を撮影する方法
後前方向頭部X線規格写真を撮影する場合も、支持棒52の上端に取り付けられた頭部傾き設定装置19を用いて、第1の実施の形態と同様にして撮影することができる。
(3)前後方向頭部X線規格写真を撮影する方法
前後方向頭部X線規格写真を撮影する場合も、支持棒52の上端に取り付けられた頭部傾き設定装置19を用いて、第1の実施の形態と同様にして撮影することができる。
(4)後前方向と前後方向との中間の任意の方向から頭部X線写真を撮影する方法
後前方向と前後方向との中間の任意の方向から頭部X線写真を撮影する場合も、支持棒52の上端に取り付けられた頭部傾き設定装置19を用いて、第1の実施の形態と同様にして撮影することができる。
この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈3.第3の実施の形態〉
第3の実施の形態によるセファロX線撮影装置においては、第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置のようにアーム13に頭部傾き設定装置19が設置されているのではなく、セファロX線撮影装置に付属するX線撮影装置用椅子に頭部傾き設定装置19が設置されている。
図12にこのX線撮影装置用椅子を示す。図12に示すように、このX線撮影装置用椅子は、床面に置かれる支持台61と、この支持台61に対して垂直に立てられた支持棒62と、この支持棒62の上端に取り付けられた本体部63と、この本体部63に取り付けられた支持部材64と、この支持部材64の上端に取り付けられた頭部傾き設定装置19とを有する。本体部63は座面63aと背もたれ63bとからなる。支持棒62は伸縮自在に構成され、座面63aの高さを調節することができるようになっている。支持部材64は、本体部63の背もたれ63bの背面に取り付けられている。支持部材64は水平部と鉛直部とからなり、水平部は背もたれ63bに対して水平方向に伸縮自在に、鉛直部は鉛直線の方向に伸縮自在に構成されている。このため、このX線撮影装置用椅子の床面上の位置、座面63aの高さ、支持部材64の水平部および鉛直部の長さなどを調節することにより、頭部傾き設定装置19と頭部21との位置関係を第1の実施の形態と同様に設定することができる。頭部傾き設定装置19および水平板20については、第1の実施の形態と同様である。
次に、このセファロX線撮影装置を用いて被検体の頭部X線撮影を行う方法について説明する。
(1)側方頭部X線規格写真を撮影する方法
アーム13に頭部傾き設定装置19が設置されていない図1に示すセファロX線撮影装置において、アーム12、13を水平方向に外側に並進移動させて互いに十分な距離離し、かつ十分に高い位置に移動させておく。この状態で、図4に示すように、被検体の頭部21を、アーム12、13の間に、その正中矢状面がX線管11aからの中心X線に対して垂直になるように位置させる。被検体は、図12に示すX線撮影装置用椅子に座らせる。次に、アーム12、13を下降させることにより、イヤーロッド17、18が被検体の頭部21の左右の外耳孔の高さ位置に来るようにする。次に、アーム12、13を水平方向に内側に並進移動させ、被検体の頭部21の左右の外耳孔にイヤーロッド17、18を挿入し、イヤーロッド17、18の最上点がポリオンに接触するようにすることによって頭部を固定し、中心X線の照射方向がイヤーロッド17、18の中心軸と一致するようにする。次に、検査者が頭部21の顔面の所定の基準点、具体的には例えばオルビターレを探す。そして、図5に示すように、この基準点にシール22を貼る。次に、X線撮影装置椅子の床面上の位置、座面63aの高さ、支持部材64の水平部および鉛直部の長さなどを調節することにより、頭部傾き設定装置19が被検体の頭部21に対して図4に示す位置と同じ位置になるようにする。すなわち、頭部傾き設定装置19がアーム13の外側面に接触するようにする。そして、この状態で、第1の実施の形態と同様にして、検査者が、頭部傾き設定装置19の角度目盛19aを用い、ポリオンとオルビターレとを結ぶ直線を所望の角度に設定する。そして、この位置でX線撮影を行うことにより、側方頭部X線規格写真を撮影する。
(2)後前方向頭部X線規格写真を撮影する方法
後前方向頭部X線規格写真を撮影する場合も、図12に示すX線撮影装置用椅子に取り付けられた頭部傾き設定装置19を用いて、第1の実施の形態と同様にして撮影することができる。
(3)前後方向頭部X線規格写真を撮影する方法
前後方向頭部X線規格写真を撮影する場合も、図12に示すX線撮影装置用椅子に取り付けられた頭部傾き設定装置19を用いて、第1の実施の形態と同様にして撮影することができる。
(4)後前方向と前後方向との中間の任意の方向から頭部X線写真を撮影する方法
後前方向と前後方向との中間の任意の方向から頭部X線写真を撮影する場合も、図12に示すX線撮影装置用椅子に取り付けられた頭部傾き設定装置19を用いて、第1の実施の形態と同様にして撮影することができる。
この第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈4.第4の実施の形態〉
図13は第4の実施の形態によるセファロX線撮影装置を示す。図13に示すように、このセファロX線撮影装置においては、アーム12、13の下部12a、13aを上部12b、13bに対して所定の範囲内の角度に折り曲げることができ、その角度で固定することができるようになっている。ここで、アーム12の下部12aは図13の点C1 の周りに、アーム13の下部13aは図13の点C2 の周りに回転することができるようになっている。また、アーム12、13は、アーム制御装置14により、互いに独立に、基準線16に平行な方向に昇降可能になっている。言い換えると、アーム12、13の下部12a、13aを互いに異なる高さに位置させることができる。
アーム12、13の上部12b、13bの一方のエッジには、アーム12、13の下部12a、13aの、上部12b、13bに対する傾斜角度(上部12b、13bが鉛直線に平行とすると鉛直線に対する角度γ)を設定するための、鉛直線に平行な長方形状の透明板からなるアーム下部傾き設定装置71が取り付けられている。アーム下部傾き設定装置71の取付方法は特に限定されず、接着、クリップ留め、ねじ止めなどのどのようなものであってもよい。
アーム下部傾き設定装置71の詳細を図14に示す。図14はアーム13の上部13bのエッジに取り付けられたアーム下部傾き設定装置71をその面に垂直な方向から見た図である。図14に示すように、このアーム下部傾き設定装置71には、アーム12、13の下部12a、13aの点C1 、C2 を中心とした角度目盛71aが形成されており、分度器の機能を有する。図14においては、角度目盛71aは0°から90°まで10°間隔で形成されているが、角度目盛71aの付け方はこれに限定されるものではなく、例えば5°間隔あるいは1°間隔で形成してもよいし、特定の範囲内の角度だけ、例えば0°から30°まで角度目盛りが形成されてもよい。角度目盛71aが0°の線は鉛直線である。角度目盛71aは、典型的には、通常の分度器と同様に例えば黒色に着色された線により形成されるが、これに限定されるものではない。角度目盛71aは、アーム下部傾き設定装置71の片面に設けてもよいが、好適には、両面の互いに対応する位置にそれぞれ設けられる。このように角度目盛71aをアーム下部傾き設定装置71の両面の互いに対応する位置に設けることにより、この角度目盛71aを水平方向から見たとき、両面の角度目盛71aが一致する方向が水平方向であり、一致しなければ水平方向からずれていると判断することができる。
このセファロX線撮影装置の上記以外の構成は、第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置と同様である。
次に、このセファロX線撮影装置を用いて被検体の頭部X線撮影を行う方法について説明する。
図13において、アーム12、13を水平方向に外側に並進移動させて互いに十分な距離離し、かつ十分に高い位置に移動させておく。また、アーム12、13を、イヤーロッド17、18の中心軸の中心X線に対する傾斜角度β(図10参照)が所望の角度となるように、基準線16の周りに回転させる。この状態で、図13に示すように、被検体の頭部21を、アーム12、13の間に、その正中矢状面がX線管11aからの中心X線に対して角度γ(0°≦γ≦90°)傾斜するように位置させる。この場合、被検体は、正中矢状面が床面に対して傾斜するため、その位置に頭部21を保持することができるようにするために、例えば、床面に対する座面の傾斜角度を調節することができる椅子に座り、体幹部を鉛直線に対して傾斜させた状態でバンドで留めて固定したりする。被検体の頭部21の正中矢状面を中心X線に対して角度γ傾斜させるためには、アーム下部傾き設定装置71を用いる。すなわち、図14に示すように、アーム下部傾き設定装置71の角度目盛71aを用いて、アーム12、13の下部12a、13aを上部12b、13bに対して所望の角度γに折り曲げる。図14においては、γ=20°の場合が示されている。この状態で、アーム12、13を互いに独立に下降させることにより、イヤーロッド17、18が被検体の頭部21の左右の外耳孔の高さ位置に来るようにする。次に、アーム12、13を水平方向に内側に並進移動させるとともに、アーム12、13を互いに独立に下降させることにより、被検体の頭部21の左右の外耳孔にイヤーロッド17、18を挿入し、イヤーロッド17、18の最上点がポリオンに接触するようにすることによって頭部21を固定する。頭部21の顔面の所定の基準点には予めシール22を貼っておく。次に、検査者が頭部傾き設定装置19を外側からこの頭部傾き設定装置19に対して垂直な方向に見る。このとき、頭部傾き設定装置19を透過してシール22も見ることができる。そして、頭部傾き設定装置19の角度目盛19aを用い、ポリオンとオルビターレとを結ぶ直線を所望の角度αに設定する。そして、この位置でX線撮影を行うことにより頭部X線写真を撮影することができる。
この第4の実施の形態によれば、頭部21の前後方向の傾斜角度αに加えて、角度β、γをそれぞれ設定することにより、任意の方向から頭部X線写真を撮影することができ、互いに異なる複数の方向からの頭部X線写真を撮影することにより三次元的にセファロ分析を行うことができる。また、複数の方向から頭部X線写真を撮影し、こうして撮影された複数の二次元画像から三次元画像を合成することもできる。
〈5.第5の実施の形態〉
図15AおよびBは、第5の実施の形態によるセファロX線撮影装置において水平面確認機構として用いる折り畳み定規状水平板81を示す。ここで、図15Aはこの折り畳み定規状水平板81が閉じた状態、図15Bはこの折り畳み定規状水平板81が開いた状態を示す。図15AおよびBに示すように、この折り畳み定規状水平板81は、一端に設けられた共通の回転軸の周りに回転可能な二つの細長い短冊状部81a、81bを有する。第1の実施の形態と同様に、この折り畳み定規状水平板81は、図示省略した移動機構により上下動可能あるいは水平面内で移動可能あるいはそれらの両者が可能に構成されている。この折り畳み定規状水平板81を、頭部傾き設定装置19の下端面に接触させる。この際、例えば、この折り畳み定規状水平板81の長手方向が頭部傾き設定装置19と平行になるようにする。この折り畳み定規状水平板81は、図15Aに示すような閉じた状態で水平面を確認するために用いてもよいし、図15Bに示すように開いた状態で水平面を確認するために用いてもよい。また、例えば、折り畳み定規状水平板81の短冊状部81aを頭部傾き設定装置19の下端面に接触させた状態で、短冊状部81aに対して短冊状部81bを外側に回転させることにより、短冊状部81bの先端を被検体の頭部21の顔面に接近させることができる。頭部傾き設定装置19に対する折り畳み定規状水平板81の設置位置、折り畳み定規状水平板81の長さ、折り畳み定規状水平板81の開き角などを選ぶことにより、短冊状部81bの先端を被検体の頭部21の顔面の例えばオルビターレに近い位置に接近させることができる。こうすることで、被検体の頭部21の前後方向の傾きを正確に設定することができる。
このセファロX線撮影装置の上記以外の構成は、第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置と同様である。また、このセファロX線撮影装置を用いて被検体の頭部X線撮影を行う方法も、基本的には第1の実施の形態と同様である。
この第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈6.第6の実施の形態〉
図16は、第6の実施の形態によるセファロX線撮影装置において水平面確認機構として用いる水平な着色線82を示す。この着色線82は、典型的には頭部傾き設定装置19と平行に設けられるが、頭部傾き設定装置19に対して斜めに設けられてもよい。この着色線82は、鉄鋼(スチール)などの金属、炭素繊維、プラスチックなどからなる例えば断面の径が0.5mm以上2mm以下の細い直線状のワイヤーの表面を着色したもの、ガラスやプラスチックなどからなる直線状の透明ファイバーにその端面から赤色光や緑色光などの可視光(レーザ光や発光ダイオードからの光)を導波させて着色したもののほか、可視光ビームそのものを用いてもよい。この場合、この着色線82を水平板20の代わりに用いることにより水平面を確認することができる。
このセファロX線撮影装置の上記以外の構成は、第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置と同様である。また、このセファロX線撮影装置を用いて被検体の頭部X線撮影を行う方法も、基本的には第1の実施の形態と同様である。
この第6の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈7.第7の実施の形態〉
図17は、第7の実施の形態によるセファロX線撮影装置において水平面確認機構として用いる光学装置83を示す。この光学装置83は、水平面内で可視光ビーム85を走査可能な光源および走査機構を含む。可視光ビーム85は、レーザービームまたは発光ダイオードから発光する光をビーム状にしたものである。可視光ビーム85としては、例えば赤色光のビームや緑色光のビームなどが用いられる。光学装置83の周囲には、光学装置83を入射X線から保護するための鉛などのX線遮蔽材料からなるX線遮蔽カバー84が設けられている。X線遮蔽カバー84は、X線入射方向を考慮して光学装置83を入射X線から遮蔽することができるように適宜設計される。この場合、この可視光ビーム85を水平板20の代わりに用いることにより水平面を確認することができる。例えば、頭部傾き設定装置19を外側から水平方向に見たとき、頭部傾き設定装置19の角度0°に相当する水平線と可視光ビーム85とは一致している。このとき、可視光ビーム85を被検体の頭部21の顔面側に走査し、可視光ビーム85の先端がオルビターレに一致していることを視認できれば、頭部21のフランクフルト平面が床面に平行になっていると判断することができる。この場合には、必ずしも顔面にシール22を貼らなくても済む。
このセファロX線撮影装置の上記以外の構成は、第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置と同様である。また、このセファロX線撮影装置を用いて被検体の頭部X線撮影を行う方法も、基本的には第1の実施の形態と同様である。
この第7の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈8.第8の実施の形態〉
図18AおよびBは、第8の実施の形態によるセファロX線撮影装置において水平面確認機構として用いる折り畳み定規状水平板81を頭部傾き設定装置19の底面側から見た図を示す。ここで、図18Aはこの折り畳み定規状水平板81が閉じた状態、図18Bはこの折り畳み定規状水平板81が開いた状態を示す。図18AおよびBに示すように、この折り畳み定規状水平板81は、一端に設けられた共通の回転軸の周りに回転可能な二つの細長い短冊状部81a、81bを有する。この折り畳み定規状水平板81のうちの短冊状部81aは、接着などの方法により頭部傾き設定装置19の下端面に、頭部傾き設定装置19に平行に取り付けられている。この折り畳み定規状水平板81は、図18Aに示すような閉じた状態で水平面を確認するために用いてもよいし、図18Bに示すように開いた状態で水平面を確認するために用いてもよい。また、例えば、折り畳み定規状水平板81の短冊状部81bを短冊状部81aに対して外側に回転させることにより、短冊状部81bの先端を被検体の頭部21の顔面に接近させることができる。頭部傾き設定装置19に対する折り畳み定規状水平板81の設置位置、折り畳み定規状水平板81の長さ、折り畳み定規状水平板81の開き角などを選ぶことにより、短冊状部81bの先端を被検体の頭部21の顔面の例えばオルビターレに近い位置に接近させることができる。こうすることで、被検体の頭部21の前後方向の傾きを正確に設定することができる。
このセファロX線撮影装置の上記以外の構成は、第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置と同様である。また、このセファロX線撮影装置を用いて被検体の頭部X線撮影を行う方法も、基本的には第1の実施の形態と同様である。
この第8の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈9.第9の実施の形態〉
図19は、第9の実施の形態によるセファロX線撮影装置において水平面確認機構として用いる水平な着色線82を示す。この着色線82は、頭部傾き設定装置19の一方の側面に保持具86、87により保持されている。この着色線82は、典型的には、頭部傾き設定装置19と平行に設けられるが、頭部傾き設定装置19に対して斜めに設けられてもよい。この着色線82は、例えば、鉄鋼(スチール)などの金属、炭素繊維、プラスチックなどからなる例えば断面の径が0.5mm以上2mm以下の細い直線状のワイヤーの表面を着色したもの、ガラスやプラスチックなどからなる直線状の透明ファイバーにその端面から赤色光や緑色光などの可視光(レーザ光や発光ダイオードからの光)を導波させて着色したものなどが用いられる。この場合、この着色線82を水平板20の代わりに用いることにより水平面を確認することができる。
このセファロX線撮影装置の上記以外の構成は、第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置と同様である。また、このセファロX線撮影装置を用いて被検体の頭部X線撮影を行う方法も、基本的には第1の実施の形態と同様である。
この第9の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈10.第10の実施の形態〉
図20は、第10の実施の形態によるセファロX線撮影装置において水平面確認機構として用いる光学装置83を示す。この光学装置83は、水平面内で可視光ビーム85を走査可能な光源および走査機構を含む。可視光ビーム85は、レーザービームまたは発光ダイオードから発光する光をビーム状にしたものである。可視光ビーム85としては、例えば赤色光のビームや緑色光のビームなどが用いられる。光学装置83の周囲には、光学装置83を入射X線から保護するための鉛などのX線遮蔽材料からなるX線遮蔽カバー84が設けられている。X線遮蔽カバー84は保持具88により頭部傾き設定装置19の側面に固定されている。X線遮蔽カバー84は、X線入射方向を考慮して光学装置83を入射X線から遮蔽することができるように適宜設計される。この場合、この可視光ビーム85を水平板20の代わりに用いることにより水平面を確認することができる。例えば、頭部傾き設定装置19を外側から水平方向に見たとき、頭部傾き設定装置19の角度0°に相当する水平線と可視光ビーム85とは一致している。このとき、可視光ビーム85を被検体の頭部21の顔面側に走査し、可視光ビーム85の先端がオルビターレに一致していることを視認できれば、頭部21のフランクフルト平面が床面に平行になっていると判断することができる。この場合には、必ずしも顔面にシール22を貼らなくても済む。
このセファロX線撮影装置の上記以外の構成は、第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置と同様である。また、このセファロX線撮影装置を用いて被検体の頭部X線撮影を行う方法も、基本的には第1の実施の形態と同様である。
この第10の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈11.第11の実施の形態〉
図21は、第11の実施の形態によるセファロX線撮影装置において用いられる頭部傾き設定装置19を示す。図21に示すように、頭部傾き設定装置19の側面に、鉛や鉄鋼(スチール)などのX線遮蔽材料からなるマーク91、92が設けられている。マーク91、92を設ける位置は基本的には任意であるが、X線撮影により得られる画像上でマーク91、92のコントラストを高くするためには、好適には、マーク91、92の画像が被検体の頭部21の外部の領域に来るようにするが、これに限定されるものではない。図21においては、頭部傾き設定装置19の下端部の側面にマーク91、92が設けられており、この場合、マーク91の中心とマーク92の中心とを結ぶ直線は頭部傾き設定装置19の下端面と平行である。マーク91の中心とマーク92の中心との間の距離、すなわち長さを示す目盛は適宜選ばれるが、例えば、5cmあるいは10cmである。X線撮影により得られる画像上でコンピュータ処理によりマーク91、92を検出する場合には、好適には、マーク91、92の像が二重線の輪郭で検出されるようにマーク91、92を形成する。マーク91、92は、頭部傾き設定装置19を構成する透明板上に設けられてもよいし、この透明板中に埋設されてもよいし、この透明板を貫通して設けられてもよい。頭部傾き設定装置19を側面から見たときのマーク91、92の形状は、基本的にはどのような形状であってもよく、必要に応じて選ばれるが、具体的には、例えば、円形、三角形、四角形、六角形などである。
このセファロX線撮影装置の上記以外の構成は、第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置と同様である。また、このセファロX線撮影装置を用いて被検体の頭部X線撮影を行う方法も、基本的には第1の実施の形態と同様である。
この第11の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができることに加えて、次のような利点を得ることができる。すなわち、頭部傾き設定装置19にX線遮蔽材料からなるマーク91、92が設けられ、これらのマーク91、92により長さを示す目盛が設けられている。このため、頭部21のX線撮影を行う場合、X線検出部15により検出される透過X線画像においては、頭部21の像に加えてマーク91、92の像も撮影され、従って長さを示す目盛が画像に表示される。この場合、透過X線画像上のマーク91、92の像の中心間距離は、頭部傾き設定装置19上のマーク91、92の中心間距離に比べて拡大されている。拡大率Mは、M=(中心X線上のX線管11aとX線検出部15の検出面との間の距離)/(中心X線上のX線管11aと頭部傾き設定装置19のマーク91、92との間の距離)である。頭部21の正中矢状面上での拡大率mは、m=M×〔(中心X線上のX線管11aとX線検出部15の検出面との間の距離)/(中心X線上のX線管11aと頭部21の正中矢状面との間の距離)〕であり、この式を用いて透過X線画像上の拡大率から頭部21の正中矢状面上での実際の距離を求めることができる。
〈12.第12の実施の形態〉
図22は、第12の実施の形態によるセファロX線撮影装置を示す。図22に示すように、このセファロX線撮影装置においては、第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置の構成に加えて、図示省略したアーム12の外側面に透明板93が設けられている。この透明板93を図23に示す。図23に示すように、この透明板93には、第11の実施の形態の頭部傾き設定装置19と同様に、マーク94、95が設けられている。これらのマーク94、95はマーク91、92と同様な位置に同様な構成で設けることができる。
マーク91、92を頭部傾き設定装置19の厚さ方向に貫通して設けた一例を図24に示す。図24に示すように、マーク91は釘あるいはリベット状の形状を有し、頭部傾き設定装置19の厚さ方向に貫通している。
このセファロX線撮影装置の上記以外の構成は、第1の実施の形態によるセファロX線撮影装置と同様である。また、このセファロX線撮影装置を用いて被検体の頭部X線撮影を行う方法も、基本的には第1の実施の形態と同様である。
この第12の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができることに加えて、次のような利点を得ることができる。すなわち、アーム13の外側面に設けられた頭部傾き設定装置19にX線遮蔽材料からなるマーク91、92が設けられ、これらのマーク91、92により長さを示す目盛が設けられている。また、アーム12の外側面に設けられた透明板93にX線遮蔽材料からなるマーク94、95が設けられ、これらのマーク94、95により長さを示す目盛が設けられている。このため、頭部21のX線撮影を行う場合、X線検出部15により検出される透過X線画像においては、頭部21の像に加えてマーク91、92およびマーク94、95の像も撮影される。この場合、透過X線画像上のマーク91、92の像の中心間距離は、頭部傾き設定装置19上のマーク91、92の中心間距離に比べて拡大されている。その拡大率M1 は、M1 =(中心X線上のX線管11aとX線検出部15の検出面との間の距離)/(中心X線上のX線管11aと頭部傾き設定装置19のマーク91、92との間の距離)である。また、透過X線画像上のマーク94、95の像の中心間距離は、透明板93上のマーク94、95の中心間距離に比べて拡大されている。その拡大率M2 は、M2 =(中心X線上のX線管11aとX線検出部15の検出面との間の距離)/(中心X線上のX線管11aと透明板93のマーク94、95との間の距離)である。頭部21の正中矢状面上での拡大率mは、m=(M1 +M2 )/2であり、この式を用いて透過X線画像上の拡大率から頭部21の正中矢状面上での実際の距離を求めることができる。
[実施例]
被験者1〜18の側方頭部X線規格写真および後前方向頭部X線規格写真を、頭部傾き設定装置19を用いることにより、頭部21のフランクフルト平面が床面に平行になる位置で撮影した。撮影は中心咬合位またはそれに準じる位置で行った。図25、図27、図29、図31、図33、図35、図37、図39、図41、図43、図45、図47、図49、図51、図53、図55、図57および図59はそれぞれ被験者1〜18の側方頭部X線規格写真を示す。ここで、図25、図27、図29、図31、図33、図35、図37、図39、図41、図43、図45、図47、図49、図51、図53、図55、図57および図59に見られる横方向の白い線は、頭部傾き設定装置19の下端に取り付けられた水平板20の像であり、フランクフルト平面を示す。また、図26、図28、図30、図32、図34、図36、図38、図40、図42、図44、図46、図48、図50、図52、図54、図56、図58および図60はそれぞれ被験者1〜18の後前方向頭部X線規格写真を示す。
図61は、被験者19の頭部21のフランクフルト平面が床面に平行になる位置で撮影した後前方向頭部X線規格写真を示す。また、図62は、被験者19の顔面高位で撮影した後前方向頭部X線規格写真を示す。また、図63は、被験者19の顔面低位で撮影した後前方向頭部X線規格写真を示す。
図25〜図60より、被験者1〜18のいずれも、側方頭部X線規格写真および前後方向頭部X線規格写真を頭部のフランクフルト平面が床面に平行になる位置で撮影できていることが分かる。また、図61〜図63より、顔面高位および顔面低位で撮影した後前方向頭部X線規格写真は、頭部21のフランクフルト平面が床面に平行になる位置で撮影した後前方向頭部X線規格写真と比べて印象が大きく異なることが分かる。
被験者20〜22の側方頭部X線規格写真を、頭部傾き設定装置19を用いることにより、頭部21のフランクフルト平面が床面に平行になる位置で撮影した。ただし、頭部傾き設定装置19としては、第11の実施の形態において用いた、マーク91、92が設けられ、長さを示す目盛が設けられた頭部傾き設定装置19を用いた。マーク91、92としては、市販の鉄鋼(スチール)製の釘の先端部を切断したものを用い、これをアクリル製の透明板に埋め込んだ。撮影は中心咬合位またはそれに準じる位置で行った。図64〜図66はそれぞれ被験者20〜22の側方頭部X線規格写真を示す。ここで、図64〜図66に見られる横方向の白い線は、頭部傾き設定装置19の下端に取り付けられた水平板20の像であり、フランクフルト平面を示す。また、図64〜図66には、マーク91、92の像が二重丸として観察される。市販の鉄鋼(スチール)製の釘の先端部を切断したものをマーク91、92として用いるだけで、このように二重丸の像を簡単に得ることができる。
〈13.第13の実施の形態〉
第1の実施の形態においては、図5に示すように、検査者が頭部21の顔面の所定の基準点(第2の基準点)、例えばオルビターレに貼ったシール22を頭部21の側方から見ることが難しい場合には、顔面上のこのシール22から水平方向の外側に例えば5〜20mm離れた位置にもシール22を貼ることがあることを説明したが、第13の実施の形態においては、オルビターレに貼ったシール22から水平方向の位置に精度良くシール22を貼る方法について説明する。
まず、シール22としては、図67に示すように、中心にある小さな円形の領域22aとその周りを取り巻く環状の領域22bとからなる円形のシール22を用いる。領域22aの直径dおよび領域22bの外形の直径(シール22の外形の直径)Dは、検査者がシール22および中心の領域22aを視認しやすいように選ばれる。具体的には、例えば、dは1mm以上2mm以下(例えば、1.5mm)、Dは5mm以上9mm(例えば、6.5mm)に選ばれるが、これに限定されるものではない。また、領域22aおよび領域22bの色は、検査者がシール22および中心の領域22aを視認しやすいように選ばれる。具体的には、例えば、領域22aは白、領域22bは黒、あるいは、領域22aは黒、領域22bは赤色に選ばれるが、これに限定されるものではない。
図67に示すシール22を用いて、オルビターレに貼ったシール22から水平方向の位置に精度良くシール22を貼る方法について説明する。
まず、図68に示すように、第1の実施の形態で説明した方法でオルビターレにシール22を、このシール22の中心がオルビターレに一致するように貼る。
一方、図69に示すように、ポリオンから顔面側の水平方向に少し離れた位置(例えば、3mm以上10mm以下離れた位置)にシール22を貼る。
次に、図70A〜Cに示すフランクフルト平面指示ゲージ100を用い、オルビターレに貼ったシール22の中心とポリオンから少し離れた位置に貼ったシール22の中心とを結ぶ平面を次のようにして決定する。ここで、図70Aはフランクフルト平面指示ゲージ100の平面図、図70Bは正面図、図70Cは斜視図である。図70A〜Cに示すように、フランクフルト平面指示ゲージ100は、全体として細長い長方形の板が頭部21の顔面の眼の下の部分から耳にかけての部分にフィットするように湾曲した形状を有し、ほぼ平面状の第1の部分100a、湾曲した第2の部分100bおよびほぼ平板状の第3の部分100cからなる。第1の部分100aは頭部21の顔面の眼の下の部分に当てる部分、第3の部分100cは頭部21の側面に当てる部分であり、第1の部分100aの長さは第3の部分100cの長さより短くなっている。フランクフルト平面指示ゲージ100は、第1の部分100aおよび第3の部分100cに力を加えることにより、湾曲部100bを中心に第1の部分100aおよび第3の部分100cを回転させ、第1の部分100aと第3の部分100cとの間の角度を変化させることができるようになっている。フランクフルト平面指示ゲージ100は、例えばアクリルやPETなどの透明プラスチック材料により形成されるが、これに限定されるものではなく、使用材料や透明にするか不透明にするかは必要に応じて選ばれる。フランクフルト平面指示ゲージ100の上端面100dは例えば黒色に着色されている。また、フランクフルト平面指示ゲージ100の上部側面には目盛(例えば、1mm単位の目盛)が付けられており、フランクフルト平面指示ゲージ100の長さ方向の距離を測定することができるようになっている。フランクフルト平面指示ゲージ100の具体例を挙げると、材質はアクリル、第1の部分100aの長さは約3cm、第3の部分100cの長さは約7cm、第2の部分100bの長さは約3cm、高さは約3cm、厚さは約1mmである。頭部21の大きさは、成人か子供か、男性か女性かなどによって異なるため、サイズの異なる複数種類のフランクフルト平面指示ゲージ100を用意しておき、その中から患者の頭部21の大きさに合うものを選んで用いることも有効である。
図71および図72に示すように、フランクフルト平面指示ゲージ100を、第1の部分100aが頭部21の顔面の眼の下の部分に当たり、第3の部分100cが頭部21の側面に当たるように頭部21の顔面に軽く押し付ける。そして、第1の部分100aの上端面100dが、オルビターレに貼られたシール22の領域22aの中心と一致し、第3の部分100cの上端面100dがポリオンの近くに貼られたシール22の領域22aの中心と一致するようにフランクフルト平面指示ゲージ100を位置決めする。
図73に示すように、上述のようにして位置決めしたフランクフルト平面指示ゲージ100の位置がずれないように注意して、このフランクフルト平面指示ゲージ100の第3の部分100cを頭部21の側面から少しだけ浮かし、それによって第3の部分100cと頭部21の顔面との間に形成される隙間からシール22を挿入し、シール22の領域22aの中心がフランクフルト平面指示ゲージ100の上端面100dと一致するように頭部21の側面に貼る。この際、フランクフルト平面指示ゲージ100の側面に、シール22を貼る位置を示すシール22をあらかじめ貼っておいてもよい(図70BおよびC)。これによって、オルビターレに貼ったシール22から水平方向の位置に精度良くシール22を貼ることができる。
あるいは、図73において一点鎖線で示すように、第1の部分100aの上端面100dがオルビターレに貼られたシール22の下端と一致し、第3の部分100cの上端面100dがポリオンの近くに貼られたシール22の下端と一致するようにフランクフルト平面指示ゲージ100を位置決めし、フランクフルト平面指示ゲージ100の側面にあらかじめ貼られたシール22の上方の頭部21の側面にシール22をその下端がフランクフルト平面指示ゲージ100の上端面100dと一致するように貼ってもよい。これによっても、オルビターレに貼ったシール22から水平方向の位置に精度良くシール22を貼ることができる。
この第13の実施の形態によれば、図67に示すシール22と図70A〜Cに示すフランクフルト平面指示ゲージ100とを用いることにより、オルビターレに貼ったシール22から水平方向の位置に精度良くシール22を貼ることができる。
〈14.第14の実施の形態〉
第1の実施の形態において説明したように、頭部傾き設定装置19を用いて撮影時の頭部21の前後方向の傾きを所望の傾きに設定することができることにより、例えば、側方頭部X線規格写真および後前方向頭部X線規格写真を、頭部21の前後方向の傾きが同一の状態、具体的には、例えば被検体の頭部21のフランクフルト平面が床面に平行な状態で撮影することができる。第14の実施の形態においては、こうして撮影された側方頭部X線規格写真および後前方向頭部X線規格写真を用いて、被検体の頭部21の頭蓋骨を三次元的に解析する方法について説明する。
図74は側方頭部X線規格写真における計測点を示す。ここで、Sはセラ(Sella)の略号で、蝶形骨トルコ鞍の壺状形陰影像の中心点である。Nはナジオン(Nasion) の略号で、鼻骨前頭縫合の最前点である。Goはゴニオン(Gonion)の略号で、顎関節頭後縁平面と下顎角後縁部とを結んだ線と下顎下縁平面(mandibular plane) とが交わる角の2等分線が下顎角と交わる点である。Meはメントン(menton)の略号で、オトガイの正中断面像の最下点である。Cdは下顎頭の最上点(コンディリオン(condylion))である。
図75に示すように、被検体の頭部21のフランクフルト平面が床面に平行になるようにして側方頭部X線規格写真および後前方向頭部X線規格写真を撮影し、これらの撮影画像をフランクフルト平面が同じ高さになるようにして、コンピュータに接続されたディスプレイ上に並べて表示する。そして、例えば、ディスプレイに撮影画像を表示した状態においてディスプレイ上でマウスを用いてカーソルを側方頭部X線規格写真上のS、 N、Go、CdおよびMe上に移動してクリックすることにより、あるいは、タッチパネルディスプレイを用いる場合には、ディスプレイ上で手の指やタッチペンなどでS、 N、Go、CdおよびMeをタッチすることにより、S、 N、Go、CdおよびMeを検出する。一方、後前方向頭部X線規格写真上で鼻骨を左右に2分割する正中矢状面を示す垂直な線を引く。Nはこの線上に位置するので、側方頭部X線規格写真上のNを後前方向頭部X線規格写真の正中矢状面に垂直に投影した点を後前方向頭部X線規格写真上のNとする。同様にして、側方頭部X線規格写真上のSを後前方向頭部X線規格写真の正中矢状面に垂直に投影した点を後前方向頭部X線規格写真上のSとする。また、後前方向頭部X線規格写真上では、GoおよびCdは左右にそれぞれあるため、右のGoおよびCdをそれぞれGoR およびCdR 、左のGoおよびCdをそれぞれGoL およびCdL と表示する。側方頭部X線規格写真上では、GoR およびGoL が互いに分離して観察されることもあるし、両者の平均的な点としてのGoが観察されることもある。同様に、側方頭部X線規格写真上では、CdR およびCdL が互いに分離して観察されることもあるし、両者の平均的な点としてのCdが観察されることもある。必要に応じて、後前方向と前後方向との中間の任意の方向(例えば、図10においてβ=45°の方向)から撮影した頭部X線写真を併用することにより、GoR およびGoL を互いに分離して観察しやすくなり、あるいはCdR およびCdL を互いに分離して観察しやすくなる。
図76は後前方向頭部X線規格写真上の計測点S、 N、GoR 、GoL 、CdR およびCdL を示す。正中矢状面からGoR およびGoL までの距離をそれぞれL1RおよびL1Lとする。また、GoR およびGoL を通る水平線とSを通る水平線との間の最短距離をそれぞれL2RおよびL2Lとする。また、GoR およびGoL を通る水平線とNを通る水平線との間の最短距離をそれぞれL3RおよびL3Lとする。また、正中矢状面からCdR およびCdL までの距離をそれぞれL4RおよびL4Lとする。また、GoR を通る水平線とCdR を通る水平線との間の最短距離をL5R、GoL を通る水平線とCdL を通る水平線との間の最短距離をL5Lとする。
図76より頭蓋骨の左右の非対称性を分析することができる。例えば、a≡L1L−L1Rとすると、aはGoR およびGoL の水平方向の非対称性を表す長さとなる。aは正、0または負である。また、bはGoR およびGoL の鉛直方向のずれを表す長さとなる。bは正、0または負である。また、SとGoR との間の距離を(S−GoR )、SとGoL との間の距離を(S−GoL )とすると、(S−GoL )−(S−GoR )はSとGoR との間の距離とSとGoL との間の距離との差を表す長さとなる。ここで、(S−GoR )=(L1R 2 +L2R 2 1/2 、(S−GoL )=(L1L 2 +L2L1/2 である。同様に、NとGoR との間の距離を(N−GoR )、NとGoL との間の距離を(N−GoL )とすると、(N−GoL )−(N−GoR )はNとGoR との間の距離とNとGoL との間の距離との差を表す長さとなる。ここで、(N−GoR )=(L1R 2 +L3R 2 1/2 、(N−GoL )=(L1L 2 +L3L 2 1/2 である。また、c≡L4L−L4Rとすると、cはCdR およびCdL の水平方向の非対称性を表す長さとなる。cは正、0または負である。また、dはCdR およびCdL の鉛直方向のずれを表す長さとなる。bは正、0または負である。また、GoR とCdR との間の距離(後前方向頭部X線規格写真上の右下顎枝の長さに相当する)を(GoR −CdR )、GoL とCdL との間の距離(後前方向頭部X線規格写真上の左下顎枝の長さに相当する)を(GoL −CdL )とすると、(GoL −CdL )−(GoR −CdR )は後前方向頭部X線規格写真上の右下顎枝の長さと左下顎枝の長さとの差を表す長さとなる。ここで、(GoR −CdR )=((L4R−L1R2 +L5R 2 1/2 、(GoL −CdL )=((L4L−L1L2 +L5L 2 1/2 である。
側方頭部X線規格写真上でGoR およびGoL あるいはCdR およびCdL が互いに分離して観察される場合には、次のような分析を行うこともできる。図77はS、GoR およびGoL を水平面に投影した図である。図77に示すように、前頭面に平行な、Sを含む面とGoR およびGoL との間の距離をそれぞれL6RおよびL6Lとすると、e≡L6L−L6Rは水平面内でのGoR とGoL との前後方向のずれを表す。eは正、0または負である。この場合、三次元空間でのSとGoR との間の距離を(S−GoR 3D、SとGoL との間の距離を(S−GoL 3Dとすると、(S−GoL 3D−(S−GoR 3Dは三次元空間でのSとGoR との間の距離とSとGoL との間の距離との差を表す。ここで、(S−GoR 3D=(L1R 2 +L2R 2 +L6R 2 1/2 、(S−GoL 3D=(L1L 2 +L2L +L6L 2 1/2 である。図78はN、GoR およびGoL を水平面に投影した図である。図78に示すように、前頭面に平行な、Nを含む面とGoR およびGoL との間の距離をそれぞれL7RおよびL7Lとすると、e≡L7L−L7Rは水平面内でのGoR とGoL との前後方向のずれを表す。eは正、0または負である。この場合、三次元空間でのNとGoR との間の距離を(N−GoR 3D、NとGoL との間の距離を(N−GoL 3Dとすると、(N−GoL 3D−(N−GoR 3Dは三次元空間でのNとGoR との間の距離とNとGoL との間の距離との差を表す。ここで、(N−GoR 3D=(L1R 2 +L3R 2 +L7R 2 1/2 、(S−GoL 3D=(L1L 2 +L3L 2 +L7L 2 1/2 である。図79はS、CdR およびCdL を水平面に投影した図である。図79に示すように、前頭面に平行な、Sを含む面とCdR およびCdL との間の距離をそれぞれL8RおよびL8Lとすると、f≡L8L−L8Rは水平面内でのCdR とCdL との前後方向のずれを表す。fは正、0または負である。この場合、三次元空間でのSとCdR との間の距離を(S−CdR 3D、SとCdL との間の距離を(S−CdL 3Dとすると、(S−CdL 3D−(S−CdR 3Dは三次元空間でのSとCdR との間の距離とSとCdL との間の距離との差を表す。ここで、(S−CdR 3D=((L4R 2 +(L2R−L5R2 +L8R 2 1/2 、(S−CdL 3D=((L4L 2 +(L2L−L5L2 +L8L 2 1/2 である。図80はN、CdR およびCdL を水平面に投影した図である。図80に示すように、前頭面に平行な、Nを含む面とCdR およびCdL との間の距離をそれぞれL9RおよびL9Lとすると、f≡L9L−L9Rは水平面内でのCdR とCdL との前後方向のずれを表す。fは正、0または負である。この場合、三次元空間でのNとCdR との間の距離を(N−CdR 3D、NとCdL との間の距離を(N−CdL 3Dとすると、(N−CdL 3D−(N−CdR 3Dは三次元空間でのNとCdR との間の距離とNとCdL との間の距離との差を表す。ここで、(N−CdR 3D=((L4R 2 +(L2R−L5R2 +L9R 2 1/2 、(N−CdL 3D=((L4L 2 +(L2L−L5L2 +L9L 2 1/2 である。
この第14の実施の形態によれば、被検体の頭部21のフランクフルト平面が床面に平行な状態で撮影された側方頭部X線規格写真および後前方向頭部X線規格写真を用いて、被検体の頭部21の頭蓋骨を三次元的に解析することができる。
以上、この発明の実施の形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施の形態および実施例において挙げた数値、形状、材質、構成、手順などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、形状、材質、構成、手順などを用いてもよい。
また、上述の第1〜第12の実施の形態において、後前方向頭部X線規格写真あるいは前後方向頭部X線規格写真を撮影する場合には、X線管11aからX線検出部15に至るX線の経路中に例えば図23に示す透明板93を挿入することにより、X線検出部15により検出される透過X線画像において、頭部21の像に加えてマーク94、95の像も撮影することができるため、第11または第12の実施の形態と同様の方法により、例えば、イヤーロッド17、18の中心軸を含む鉛直面上の実際の距離を求めることができる。後前方向と前後方向との中間の任意の方向から頭部X線写真を撮影する場合においても同様である。
11…X線発生部、11a…X線管、12、13…アーム、12a、13a…下部、12b、13b…上部、14…アーム制御装置、15…X線検出部、16…基準線、17、18…イヤーロッド、19…頭部傾き設定装置、20、93…水平板、21…頭部、22…シール、51…支持台、52…支持棒、61…支持台、62…支持棒、63…本体部、64…支持部材、71…アーム下部傾き設定装置、81…折り畳み定規状水平板、82…着色線、83…光学装置、84…X線遮蔽カバー、85…可視光ビーム、86、87、88…保持具、91、92、94、95…マーク、100…フランクフルト平面指示ゲージ

Claims (18)

  1. 互いに対向して設けられた一対のアームと、
    上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドと、
    上記一対のアームのうちの少なくとも一方に設けられた、被検体の頭部の前後方向の傾きを設定するための頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板を有するものと、
    上記透明板の外部に設けられた水平面確認機構とを有するX線撮影装置。
  2. 上記頭部傾き設定装置は、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように上記頭部の傾きを設定する請求項1記載のX線撮影装置。
  3. 上記頭部傾き設定装置は、上記第1の基準点を中心とする、水平線に対する傾斜角度を測定する分度器の機能を有する請求項1または2記載のX線撮影装置。
  4. 上記水平面確認機構は、上下動可能もしくは水平面内で移動可能な水平板、水平面内で可視光ビームを走査可能な光学装置または水平な着色線からなる請求項1〜3のいずれか一項記載のX線撮影装置。
  5. 上記水平板は水平面内で開閉可能な折り畳み定規状の構成を有する請求項4記載のX線撮影装置。
  6. 上記第1の基準点は上記イヤーロッドの最上点である請求項2記載のX線撮影装置。
  7. 上記第2の基準点は上記被検体の眼窩骨縁最下点、瞳孔の中心の直下の眼窩縁または眼瞼裂の中心である請求項2記載のX線撮影装置。
  8. 上記透明板にX線遮蔽材料からなる、長さを示す目盛が設けられている請求項1〜7のいずれか一項記載のX線撮影装置。
  9. 上記一対のアームのうちの一方に上記透明板が設けられ、上記一対のアームのうちの他方にX線遮蔽材料からなる、長さを示す目盛が設けられた別の透明板が設けられている請求項8記載のX線撮影装置。
  10. 上記X線撮影装置はセファロX線撮影装置である請求項1〜9のいずれか一項記載のX線撮影装置。
  11. 被検体の頭部のX線撮影を行う際に、互いに対向して設けられた一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するための、上記一対のアームのうちの少なくとも一方に設けられた頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板を有するものと、上記透明板の外部に設けられた水平面確認機構とを用いて測定する、X線撮影を行う際の頭部傾き測定方法。
  12. 互いに対向して設けられた一対のアームと、上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドとを有するX線撮影装置により被検体の頭部のX線撮影を行う際に用いられ、
    上記一対のアームの上記イヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するための頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板を有するものと、
    上記透明板の外部に設けられた水平面確認機構とを有するX線撮影装置用スタンド。
  13. 互いに対向して設けられた一対のアームと、上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドとを有するX線撮影装置により被検体の頭部のX線撮影を行う際に用いられ、
    上記一対のアームの上記イヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するための頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板を有するものと、
    上記透明板の外部に設けられた水平面確認機構とを有するX線撮影装置用椅子。
  14. 互いに対向して設けられた一対のアームと、上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドとを有するX線撮影装置の上記一対のアームのうちの少なくとも一方に設けられ、
    被検体の頭部のX線撮影を行う際に、上記一対のアームの上記イヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するために用いられ、
    上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられる透明板からなり、上記透明板は水平面確認機構およびX線遮蔽材料からなる、長さを示す目盛を備えており、
    上記第1の基準点を中心とする、水平線に対する傾斜角度を測定する分度器の機能を有する頭部傾き設定装置。
  15. 互いに対向して設けられた一対のアームと、
    上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドと、
    上記一対のアームのうちの少なくとも一方に設けられた、被検体の頭部の前後方向の傾きを設定するための頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板と、上記透明板に設けられた、水平面内で開閉可能な折り畳み定規状の構成を有する水平板、水平面内で可視光ビームを走査可能な光学装置または上記透明板に平行に設けられた水平な着色線からなる水平面確認機構とを有するものとを有するX線撮影装置。
  16. 互いに対向して設けられた一対のアームと、上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドとを有するX線撮影装置により被検体の頭部のX線撮影を行う際に用いられ、
    上記一対のアームの上記イヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するための頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板と、上記透明板に設けられた、水平面内で開閉可能な折り畳み定規状の構成を有する水平板、水平面内で可視光ビームを走査可能な光学装置または上記透明板に平行に設けられた水平な着色線からなる水平面確認機構とを有するものとを有するX線撮影装置用スタンド。
  17. 互いに対向して設けられた一対のアームと、上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドとを有するX線撮影装置により被検体の頭部のX線撮影を行う際に用いられ、
    上記一対のアームの上記イヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するための頭部傾き設定装置であって、上記アームと一体的に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられ、または、上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられた透明板と、上記透明板に設けられた、水平面内で開閉可能な折り畳み定規状の構成を有する水平板、水平面内で可視光ビームを走査可能な光学装置または上記透明板に平行に設けられた水平な着色線からなる水平面確認機構とを有するものとを有するX線撮影装置用椅子。
  18. 互いに対向して設けられた一対のアームと、上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドとを有するX線撮影装置の上記一対のアームのうちの少なくとも一方に設けられ、
    被検体の頭部のX線撮影を行う際に、上記一対のアームの上記イヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように設定するために用いられ、
    上記アームの外側面に上記イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられる透明板からなり、上記透明板は水平面確認機構およびX線遮蔽材料からなる、長さを示す目盛を備えており、上記水平面確認機構は、水平面内で開閉可能な折り畳み定規状の構成を有する水平板、水平面内で可視光ビームを走査可能な光学装置または上記透明板に平行に設けられた水平な着色線からなり、
    上記第1の基準点を中心とする、水平線に対する傾斜角度を測定する分度器の機能を有する頭部傾き設定装置。
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