JP5265060B1 - 閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定装置の作動方法、舌骨沈下判定装置の作動方法、プログラムおよびx線診断システム - Google Patents

閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定装置の作動方法、舌骨沈下判定装置の作動方法、プログラムおよびx線診断システム Download PDF

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Abstract

【課題】被験者が閉塞型睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクを客観的にしかも短時間で容易に判定することができる閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法、そのプログラムおよびそのプログラムを有するX線診断システムを提供する。
【解決手段】閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法は、被験者の側方頭頸部X線撮影により少なくとも舌骨、セラS、ゴニオンGoおよびメントンMeを検出する第1のステップと、検出された舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線の上の領域に含まれるか否かを判定する第2のステップとを有する。舌骨の体部の中心が第1の三角形の内部に含まれる場合は閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクはなく、第1の三角形の下方の領域に位置する場合は閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクがあると判定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法、舌骨沈下判定方法、プログラムおよびX線診断システムに関し、被験者が閉塞型睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクを判定し、あるいは、舌骨の沈下の有無あるいは程度を判定するのに用いて好適なものである。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)は、睡眠中に患者の上気道が閉塞し、呼吸が停止する疾患である。閉塞型睡眠時無呼吸症候群は、動脈血酸素飽和度(arterial oxygen saturation:SaO2 )の著しい低下などにより、血圧上昇、不整脈の合併や動脈硬化の促進などを通し、生命予後の悪化につながることが明らかになっている。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸に伴う中途覚醒反応によって不眠や日中過眠(excessive daytime sleepiness: EDS)を生じる一方、注意、認知、記憶などが障害されて作業能率を低下させるだけでなく、交通事故や労働災害などを来す原因ともなる。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群は、社会的に大きな問題となっている。
従来、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の診断は、例えば次のように行われている(例えば、非特許文献1参照。)。すなわち、医療機関で受診した患者に、EDS、睡眠中の窒息感やあえぎ、繰り返す覚醒、起床時の爽快感欠如、日中の疲労感、集中力欠如のうちの二つ以上を認めた場合、ポリソムノグラフィー(polysomnography :PSG)を行う。その結果、無呼吸低呼吸指数(apnea hypopnea index:AHI)≧5で、かつその大多数が閉塞型無呼吸であれば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群との診断が確定する。AHI<5である場合には経過観察を行う。一方、EDS、睡眠中の窒息感やあえぎ、繰り返す覚醒、起床時の爽快感欠如、日中の疲労感、集中力欠如のうちの二つ以上を認めない場合には、簡易診断装置による検査を行う。簡易診断装置は、鼻口気流、胸部もしくは腹部の呼吸運動、気管音、SaO2 などを同時記録し、後に自動解析する検査システムである。この簡易診断装置による検査の結果、AHI≧5であれば、多回睡眠潜時検査(multiple sleep latency test:MSLT)を行う。その結果、睡眠障害が判明した場合にはPSGを行い、睡眠障害が判明しなかった場合には経過観察を行う。簡易診断装置による検査の結果、AHI<5である場合には経過観察を行う。
一方、閉塞型睡眠時無呼吸症候群では上気道の形態学的異常を伴うことが少なくない。従って、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の診断には視診や上気道内視鏡などによる上気道の観察は不可欠であるとされており、セファロメトリー(cephalometry:頭部X線規格写真分析)などを行えば上気道のより客観的な形態学的評価が可能であると考えられている(例えば、非特許文献1参照。)。具体的には、非特許文献1においては、閉塞型睡眠時無呼吸症候群患者の特徴として、下顎下縁平面と舌骨との距離(舌骨の高さ)の延長(舌骨の下位)、軟口蓋の長さの延長、下顎歯槽基底部の突出度の減少などが記載されている。
睡眠呼吸障害研究会編集「成人の睡眠時無呼吸症候群診断と治療のためのガイドライン」第15頁〜第16頁、第25頁(株式会社メディカルレビュー社、2005年7月発行)
しかしながら、PSGは、病院に入院し一晩かけて検査を行う必要があり、診断に時間がかかるだけでなく、患者の精神的、肉体的な負担が大きいという欠点がある。また、簡易診断装置では正確な診断は困難である。さらに、セファロメトリーによる上気道の形態学的評価についても有効性は不明である。一方、被験者が閉塞型睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクが簡単に分かれば、リスクを減らす対策を立てることができるので、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の発症を抑えることが可能であるが、これまで、有効なリスク判定方法は提案されていない。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、被験者が閉塞型睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクを客観的にしかも短時間で容易に判定することができる閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法、そのプログラムおよびそのプログラムを有するX線診断システムを提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、被験者の舌骨の沈下の有無あるい程度を客観的にしかも短時間で容易に判定することができる舌骨沈下判定方法、そのプログラムおよびそのプログラムを有するX線診断システムを提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行う過程で、偶然に、閉塞型睡眠時無呼吸症候群と診断された患者と呼吸障害のない被験者とについて撮影された側方頭頸部X線規格写真において舌骨の位置、取り分け舌骨の体部の位置を分析したところ、舌骨の体部の中心の位置が両者の間で明確に異なることを見出した。さらに、閉塞型睡眠時無呼吸症候群と診断された患者の後前方向頭頸部X線規格写真あるいは前後方向頭頸部X線規格写真を撮影したところ、呼吸障害のない被験者では下顎骨などと重なって観察されない舌骨が明確に観察されることから、これに基づき、患者の後前方向頭頸部X線規格写真あるいは前後方向頭頸部X線規格写真を撮影した時に、撮影画像に舌骨が観察されるか否かにより患者の閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクを容易に判定することができることを見出した。そして、こうして得た知見に基づいて鋭意検討を行った結果、この発明を案出したものである。
すなわち、上記課題を解決するために、この発明は、
被験者の側方頭頸部X線撮影により検出された少なくとも舌骨、セラS、ゴニオンGoおよびメントンMeを用い、上記検出された上記舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線の上の領域に含まれるか否かを判定するステップを有する閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法である。
典型的には、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法は、被験者の側方頭頸部X線撮影により少なくとも舌骨、セラS、ゴニオンGoおよびメントンMeを検出する第1のステップと、上記検出された上記舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線の上の領域に含まれるか否かを判定する第2のステップとを有する。この閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法においては、舌骨の体部の中心がMeから線分S−Goの延長線に下ろした垂線の上の領域に含まれる場合は閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクはなく、この領域に含まれない、言い換えるとMeから線分S−Goの延長線に下ろした垂線の下の領域に含まれる場合は閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクがあると判定することができる。好適には、第2のステップにおいて、検出された舌骨の体部の中心が、線分S−Goの延長線とMeから線分S−Goの延長線に下ろした垂線と線分Go−Meとにより形成される第1の三角形の内部に含まれるか否かを判定する。この場合、舌骨の体部の中心が第1の三角形の内部に含まれる場合は閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクはなく、第1の三角形の下方の領域に位置する場合は閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクがあると判定することができる。この閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法は、必要に応じて、第1のステップにおいて、被験者の側方頭頸部X線撮影によりコンディリオンCdをさらに検出し、第2のステップにおいて、検出された舌骨の体部の中心が、第1の三角形の内部、線分Cd−Goの延長線とMeから線分Cd−Goの延長線に下ろした垂線とMeから線分S−Goの延長線に下ろした垂線とにより形成される第2の三角形の内部および第2の三角形の下方の領域のうちのどの領域に含まれるかを判定する。この場合、舌骨の体部の中心が第1の三角形の内部に含まれる場合は閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクはなく、舌骨の体部の中心が第2の三角形の内部または第2の三角形の下方の領域に位置する場合は閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクがあると判定することができる。さらに、一般的には、舌骨の体部の中心が第2の三角形の下方の領域に位置する場合は、舌骨の体部の中心が第2の三角形の内部に位置する場合に比べて閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクがより高いと判定することができる。第1のステップにおける舌骨の体部の中心、S、Go、MeおよびCdの検出は、典型的には、例えば、コンピュータを用いた画像処理により行うことができる。
ここで、S、 Go、MeおよびCdは側方頭頸部X線撮影、取り分け頭部X線撮影により求められる計測点である。各計測点の位置を図1に示す。Sはセラ(Sella)の略号で、蝶形骨トルコ鞍の壺状形陰影像の中心点である。Goはゴニオン(Gonion)の略号で、顎関節頭後縁平面と下顎角後縁部とを結んだ線と下顎下縁平面(mandibular plane) とが交わる角の2等分線が下顎角と交わる点である。Meはメントン(menton)の略号で、オトガイの正中断面像の最下点である。Cdは下顎頭の最上点(コンディリオン(condylion))である。図1に、第1の三角形および第2の三角形を示す。
図2に示すように、舌骨は、一般的に前頸部の第三頸椎と同レベルの高さにあるとされている、他の頭部骨格系の骨から遊離した可動性の単骨である。舌骨は、筋や靱帯によって下顎骨、茎状突起、甲状軟骨、胸骨柄および肩甲骨に結合されている。図3A(右前外側面)および図3B(前上面)に示すように、舌骨は、体部(舌骨体)と大角と小角とからなり、全体としてU字形の形状を有する。体部は舌骨の中央部分にあり、前方に面している。大角は、体部と、体部に続く、舌骨の両端部である。小角は、大角と体部との結合部近くの上方から茎状突起に向かって突き出ている小さな突起であり、茎突舌骨靱帯を介して茎状突起と接続されている。図3Cに示すように、正中矢状面上の舌骨の体部の断面は、ほぼ角を丸めた四角形状である。舌骨は、側方頭頸部X線撮影では、体部を通るX線の透過長さが舌骨の他の部分に比べてはるかに大きいため、体部がほぼ角を丸めた四角形状の形状で明確に検出され、この体部に連なって大角が検出される。
また、この発明は、
被験者の側方頭頸部X線撮影により検出された少なくとも舌骨、セラS、ゴニオンGoおよびメントンMeを用い、上記検出された上記舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線の上の領域に含まれるか否かを判定するステップを有する舌骨沈下判定方法である。
この舌骨沈下判定方法は、典型的には、被験者の側方頭頸部X線撮影により少なくとも舌骨、セラS、ゴニオンGoおよびメントンMeを検出する第1のステップと、上記検出された上記舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線の上の領域に含まれるか否かを判定する第2のステップとを有する。この舌骨沈下判定方法は、必要に応じて、第2のステップにおいて、検出された舌骨の体部の中心が、線分S−Goの延長線とMeから線分S−Goの延長線に下ろした垂線と線分Go−Meとにより形成される第1の三角形の内部に含まれるか否かを判定する。さらには、必要に応じて、第1のステップにおいて、被験者の側方頭頸部X線撮影によりコンディリオンCdをさらに検出し、第2のステップにおいて、検出された舌骨の体部の中心が、第1の三角形の内部、線分Cd−Goの延長線とMeから線分Cd−Goの延長線に下ろした垂線とMeから線分S−Goの延長線に下ろした垂線とにより形成される第2の三角形の内部および第2の三角形の下方の領域のうちのどの領域に含まれるかを判定する。第1のステップにおける舌骨の体部の中心、S、Go、MeおよびCdの検出は、典型的には、例えば、コンピュータを用いた画像処理により行うことができる。
上記の閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法および舌骨沈下判定方法は、上記の第1のステップおよび第2のステップを含む所定のプログラムの少なくとも一つを有するコンピュータにより容易に実行することができる。このコンピュータの種類は特に問わず、デスクトップ型、ノート型、タブレット端末などの各種の携帯端末などのいずれであってもよい。このプログラムは、例えばCD−ROMなどの各種のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することができ、あるいは、インターネットなどの電気通信回線を通じて提供することができる。典型的には、例えば、このプログラムを有するコンピュータを備えたX線診断システムを用いて被験者の側方頭頸部X線撮影を行い、その結果に基づいて閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法および舌骨沈下判定方法を実行する。このコンピュータとX線診断システムとは有線で接続されても無線で接続されてもよい。
さらに、この発明は、
被験者の後前方向頭頸部X線撮影または前後方向頭頸部X線撮影により得られる撮影画像に舌骨が検出されるか否かを判定するステップを有する閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法である。
ここで、後前方向(posteroanterior)頭頸部X線撮影はX線が被験者の後ろから前へ透過する撮影であり、前後方向(posteroanterior)頭頸部X線撮影はX線が被験者の前から後ろへ透過する撮影である。後前方向頭頸部X線撮影または前後方向頭頸部X線撮影により得られる撮影画像に舌骨が検出されない場合は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクはなく、後前方向頭頸部X線撮影または前後方向頭頸部X線撮影により得られる撮影画像に舌骨が検出される場合は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクがあると判定することができる。後前方向頭頸部X線撮影または前後方向頭頸部X線撮影により得られる撮影画像に舌骨が検出されない場合は、下顎骨によって舌骨が隠されてしまうこと、言い換える下顎骨と舌骨とを区別することができなくなることに対応する。また、後前方向頭頸部X線撮影または前後方向頭頸部X線撮影により得られる撮影画像に舌骨が検出される場合は、舌骨の位置が低い結果、下顎骨によって舌骨が隠されることがなくなり、下顎骨と舌骨とを区別することができることに対応する。この閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法は、上記のステップを含む所定のプログラムを有するコンピュータにより容易に実行することができる。このコンピュータの種類は特に問わず、デスクトップ型、ノート型、タブレット端末などの各種の携帯端末などのいずれであってもよい。このプログラムは、例えばCD−ROMなどの各種のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することができ、あるいは、インターネットなどの電気通信回線を通じて提供することができる。典型的には、例えば、このプログラムを有するコンピュータを備えたX線診断システムを用いて被験者の側方頭頸部X線撮影を行い、その結果に基づいて閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法を実行する。このコンピュータとX線診断システムとは有線で接続されても無線で接続されてもよい。
上述の側方頭頸部X線撮影、後前方向頭頸部X線撮影または前後方向頭頸部X線撮影においては、被験者の頭部の前後方向の傾きを一定にして撮影することが好ましい。この頭部の前後方向の傾きは、典型的には、例えば、頭部のフランクフルト平面またはそれに近い平面(例えば、フランクフルト平面に対して±5°以内の角度傾斜した平面)が、床面(あるいは水平面)に平行になるように設定する。このように被験者の頭部の前後方向の傾きを設定するためには、好適には、次のようなX線撮影装置あるいはX線撮影方法を用いることができる。
このX線撮影装置は、互いに対向して設けられた一対のアームと、上記一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドと、上記一対のアームのうちの少なくとも一方に設けられた、被検体の頭部の前後方向の傾きを設定するための頭部傾き設定装置とを有する。一対のアームは、典型的には、基準線を挟んで互いに対向して設けられ、かつその基準線の周りに回転可能に構成される。頭部傾き設定装置は、典型的には、一対のアームのイヤーロッドを被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で被検体の頭部の傾きを設定する。頭部傾き設定装置は、典型的には、頭部を側方(側面)から見たときに、アームまたはイヤーロッド上の第1の基準点と被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように頭部の傾きを設定する。頭部傾き設定装置は、好適には、第1の基準点を中心とする、水平線に対する傾斜角度を測定する分度器の機能を有する。この分度器の機能を用いることにより、頭部の前後方向の傾きを正確に設定することができる。第1の基準点を中心とする、水平線に対する傾斜角度は、正の角度(第1の基準点と第2の基準点とを結ぶ直線が水平線に対して上側に傾いている場合)であっても、負の角度(第1の基準点と第2の基準点とを結ぶ直線が水平線に対して下側に傾いている場合)であってもよい。
頭部傾き設定装置は、例えば、アームと一体的に設けられ、または、アームの外側面に設けられた透明板からなる。この透明板は、典型的には、イヤーロッドの中心軸に対して垂直に設けられる。この透明板は、好適には、水平面確認機構を備えている。水平面確認機構は、透明板に設ける必要は必ずしもなく、透明板の外部に設けてもよい。この水平面確認機構は、頭部傾き設定装置を用いて頭部の傾きを設定する際に検査者が水平面を認識するために用いることができる。この水平面確認機構としては、例えば、透明板にこの透明板に対して垂直に内側に向かって突出した水平板が用いられる。水平面確認機構としては、そのほかに、透明板の両面の互いに対向する位置に設けられた着色水平線を用いることもできる。水平面の確認は、水平面内で可視光ビームを走査可能な光学装置(光源および走査機構を含む)を用いてもよい。可視光ビームは、半導体レーザなどのレーザ光源(好適にはアイセーフレーザ)により発生されるレーザビームあるいは発光ダイオードから発生する光をビーム状に成形したものなどを用いることができる。この光学装置は透明板に設置してもよいし、透明板の外部に設置してもよい。頭部傾き設定装置は、例えば、被検体の頭頸部を側方から撮影するカメラ(デジタルスチルカメラやビデオカメラなど)およびこのカメラで撮影された画像を表示するディスプレイ(液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど)であってもよく、このディスプレイに、第1の基準点を中心とする、水平線に対する傾斜角度を測定する分度器を表示し、このディスプレイを見ながら被検体の頭部の傾きを所望の角度に設定するようにしてもよい。
第1の基準点と第2の基準点とを結ぶ直線が頭部のフランクフルト平面またはそれに近い平面になるようにするためには、第1の基準点は、例えばイヤーロッドの最上点(撮影時の被検体の両耳の外耳道上縁点(ポリオン)と一致する)、第2の基準点は、例えば、眼窩骨縁最下点(オルビターレ)、瞳孔の中心の直下の眼窩縁、眼瞼裂の中心などに選ばれる。
X線撮影装置は、例えばセファロX線撮影装置であるが、他の医科歯科用X線撮影装置であってもよく、コンピュータ断層撮影(CT)装置などであってもよい。
また、X線撮影を行う際の頭部傾き測定方法は、被検体の頭頸部のX線撮影を行う際に、互いに対向して設けられた一対のアームの互いに対向する内側面にそれぞれ設けられたイヤーロッドを上記被検体の両耳の外耳孔に装着した状態で上記被検体の頭部の前後方向の傾きを、上記頭部を側方から見たときに、上記アームまたは上記イヤーロッド上の第1の基準点と上記被検体の顔面の第2の基準点とを結ぶ直線が水平線または水平線に対して所定の角度傾斜した直線になるように上記頭部の傾きを設定する。このためには、好適には、上記第1の基準点を中心とする、水平線に対する傾斜角度を測定する分度器の機能を有する頭部傾き設定装置を用いて、頭部の傾きを測定する。
また、X線撮影を行う際に被験者の頭部の前後方向の傾きを設定するための頭部傾き設定装置を有するX線撮影装置用スタンドを用いてもよい。ここで、このX線撮影装置用スタンドは、典型的には、その頭部傾き設定装置が、撮影時に上記のX線撮影装置における頭部傾き設定装置と同じ位置に来るように設置される。
また、X線撮影を行う際に被検体の頭部の前後方向の傾きを設定するための頭部傾き設定装置を有するX線撮影装置用椅子を用いてもよい。ここで、このX線撮影装置用椅子の頭部傾き設定装置は、典型的には、撮影時に上記のX線撮影装置における頭部傾き設定装置と同じ位置に来るように設置される。
上記のX線撮影装置用スタンドおよびX線撮影装置用椅子においては、上記以外のことについては、その性質に反しない限り、上記のX線撮影装置に関連して説明したことが成立する。
上記のX線撮影装置、X線撮影を行う際の頭部傾き測定方法、X線撮影装置用スタンドおよびX線撮影装置用椅子によれば、側方頭頸部X線規格写真、後前方向頭頸部X線規格写真および前後方向頭頸部X線規格写真を、被検体の頭部の前後方向の傾きが同じ状態で簡単にかつ高い再現性で撮影することができる。
この発明によれば、被験者が閉塞型睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクあるいは被験者の舌骨の沈下の有無あるいは程度を客観的にしかも短時間で容易に判定することができる。
側方頭頸部X線撮影の撮影画像における計測点ならびに第1の三角形および第2の三角形を説明するための略線図である。 頭蓋の左側面図である。 舌骨を示す斜視図、平面図および断面図である。 この発明の第1の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法を示すフローチャートである。 この発明の第1の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法において側方頭頸部X線撮影の撮影画像上の舌骨の体部の入力方法の一例を説明するための略線図である。 この発明の第1の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法において側方頭頸部X線撮影の撮影画像上で観察される舌骨の形状の一例を示す略線図である。 この発明の第2の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法を示すフローチャートである。 この発明の第3の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法を示すフローチャートである。 患者1の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者2の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者3の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者4の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者5の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者6の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者7の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者8の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者9の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者10の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者11の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者12の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者13の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者14の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者15の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 患者16の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 被験者17の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 被験者18の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 被験者19の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 被験者20の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 被験者21の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 この発明の第4の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法を示すフローチャートである。 被験者22の側方頭頸部X線規格写真を元に作成した透写図である。 被験者22の後前方向頭頸部X線規格写真を示す図面代用写真である。 この発明の第5の実施の形態による舌骨沈下判定方法を示すフローチャートである。 この発明の第6の実施の形態による舌骨沈下判定方法を示すフローチャートである。 この発明の第7の実施の形態による舌骨沈下判定方法を示すフローチャートである。 この発明の第1〜第7の実施の形態において側方頭頸部X線撮影、後前方向頭頸部X線撮影および前後方向頭頸部X線撮影に用いて好適な第9の実施の形態によるセファロX線撮影装置を水平方向かつ中心X線に対して垂直方向から見た略線図である。 図36に示すセファロX線撮影装置のアームおよびこのアームに設置された頭部傾き設定装置を示す略線図である。 図36に示すセファロX線撮影装置の頭部傾き設定装置の下端に設けられた水平板を示す平面図である。 図36に示すセファロX線撮影装置を用いて側方頭頸部X線規格写真を撮影する方法を説明するための略線図である。 図36に示すセファロX線撮影装置を用いて側方頭頸部X線規格写真を撮影する方法を説明するための略線図である。 図36に示すセファロX線撮影装置を用いて側方頭頸部X線規格写真を撮影する方法を説明するための略線図である。 図36に示すセファロX線撮影装置を用いて頭部が前後方向に10°傾斜した顔面高位で側方頭頸部X線規格写真を撮影する方法を説明するための略線図である。 図36に示すセファロX線撮影装置を用いて後前方向頭頸部X線規格写真を撮影する方法を説明するための略線図である。 図36に示すセファロX線撮影装置を用いて後前方向頭頸部X線規格写真を撮影する方法を説明するための略線図である。 図36に示すセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者23の側方頭頸部X線規格写真を示す図面代用写真である。 図36に示すセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者23の後前方向頭頸部X線規格写真を示す図面代用写真である。 図36に示すセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者24の側方頭頸部X線規格写真を示す図面代用写真である。 図36に示すセファロX線撮影装置を用いて撮影された被験者24の後前方向頭部X線規格写真を示す図面代用写真である。
以下、発明を実施するための形態(以下、実施の形態という。)について説明する。
〈1.第1の実施の形態〉
第1の実施の形態においては、被験者の側方頭頸部X線撮影に基づく閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法について説明する。
図4にこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法のフローチャートを示す。このフローチャートに従ったプログラムを作成し、コンピュータに実行させる。
ステップS1において、被験者の側方頭頸部X線撮影により舌骨の体部の中心、S、 GoおよびMeを検出する。すなわち、被験者の側方頭頸部X線撮影を行い、撮影画像または写真から舌骨の体部の中心、S、 GoおよびMeを検出する。撮影は、中心咬合位またはこれに準じる位置で行う。また、撮影は、被験者の頭部のフランクフルト平面が床面に平行になるように頭部の前後方向の傾きを設定して行う。
舌骨の体部の中心、S、 GoおよびMeの検出は、例えば、コンピュータに接続されたディスプレイに撮影画像を表示した状態で次のようにして行うことができる。まず、S、 GoおよびMeについては、ディスプレイ上でマウスを用いてカーソルをS、 GoおよびMe上に移動し、クリックする。あるいは、タッチパネルディスプレイを用いる場合には、ディスプレイ上で手の指やタッチペンなどでS、 GoおよびMeをタッチする。こうして、S、 GoおよびMeを検出することができる。舌骨の体部は、次のようにして検出することができる。すなわち、撮影画像上の舌骨の体部(舌骨体)の輪郭線上に輪郭全体を表すような複数の点をマウスを用いてクリックし、これらの点間を直線または曲線で結び、好適にはこれらの点間を滑らかな曲線で結ぶ。これらの点間を直線または曲線で結ぶプログラムは容易に作成することができる。撮影画像上で観察される舌骨の体部(舌骨体)の輪郭は一般的には四隅が丸まった長方形状であり、比較的単純な形状であるため、これらの点の数は通常は4点から10点あれば足りるが、点の数が多いほどより正確に輪郭を描くことができる。あるいは、タッチパネルディスプレイを用いる場合には、必要に応じて舌骨の体部を拡大して表示し、ディスプレイ上で手の指やタッチペンなどで舌骨の体部の輪郭をなぞってもよい。舌骨の体部の中心は、上記のようにして検出された舌骨の体部(舌骨体)の輪郭からなる図形の中心を求めることにより検出することができる。一例を図5AおよびBに示す。図5Aに示すように、この例では、撮影画像上の舌骨の体部(舌骨体)の輪郭線上に輪郭全体を表すように点P1 〜P10をマウスを用いてクリックし、これらの点P1 〜P10間を曲線により滑らかに結ぶことにより、図4Bに示すように、舌骨の体部(舌骨体)の入力画像を得ることができる。舌骨の体部の中心は、こうして求められた舌骨の体部の入力画像から、次のようにして求めることができる。すなわち、例えば、舌骨の体部の入力画像を横方向にx軸、縦方向にy軸を取ったxy座標面に表示するとする。このxy座標面上で入力画像の最上点および最下点のy座標を求め、最上点のy座標をy1 、最下点のy座標をy2 とする。このとき、舌骨の体部の入力画像の中心のy座標は(y1 +y2 )/2となる。次に、y=(y1 +y2 )/2で表される直線(x軸に平行な直線)を引き、この直線が入力画像と交わる2点のx座標をそれぞれx1 、x2 とすると、舌骨の体部の入力画像の中心のx座標は=(x1 +x2 )/2となる。以上により、舌骨の体部の入力画像の中心の座標は((x1 +x2 )/2、(y1 +y2 )/2)と求めることができる。あるいは、舌骨の体部の中心は、舌骨の体部の輪郭からなる図形の重心を計算で求めることにより求めることもできる。この重心の位置は、舌骨の体部が特異な形状を有していない限り、座標が((x1 +x2 )/2、(y1 +y2 )/2)の上記の中心とほぼ一致する。
舌骨の体部の中心は画像認識技術を用いて次のようにして検出することもできる。すなわち、側方頭頸部X線撮影により得られた撮影画像上で観察される舌骨全体の形状は概ね一致しており、図6に示すような全体として湾曲した形状を有し、舌骨の体部(舌骨体)は舌骨の右側の部分を構成する。そこで、従来公知のパターン認識技術、具体的には、例えばテンプレートマッチング技術を用いて舌骨の体部(舌骨体)の位置を検出する。すなわち、側方頭頸部X線撮影により得られた撮影画像の画像データをコンピュータに取り込み、図6に示す舌骨の標準的な形状を標準画像、つまりテンプレートとし、撮影画像を入力画像とする。ここで、舌骨は撮影画像の最下部に存在するため、入力画像は撮影画像の最下部に限定することもでき、そうすることで入力画像のデータ量の大幅な低減を図ることができる。そして、入力画像上でテンプレートを移動することにより、撮影画像上の舌骨の位置を検出することができる。こうして舌骨の位置を検出したら、舌骨の体部(舌骨体)をこの舌骨の右側の部分として検出することができ、舌骨の体部の中心を検出することができる。
ステップS2においては、検出された舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線より上の領域にあるか否かを判定する。
ステップS2において、検出された舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線より上の領域にあると判定された場合には、ステップS3において、OSASのリスクがないと判定する。
ステップS4においては、OSASのリスクがないとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
ステップS2において、検出された舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線より上の領域にあると判定された場合には、ステップS5において、OSASのリスクがあると判定する。
ステップS6においては、OSASのリスクがあるとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
必要に応じて、上記の判定に加えて、医師が、OSASの検査に従来より用いられている他の検査の結果などを併用してOSASを発症するリスクを最終的に判定することができる。検出された舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線上あるいはそのごく近傍に位置するボーダーラインの場合も、同様である。
この第1の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法によれば、側方頭頸部X線撮影により検出された舌骨の体部の中心、S、GoおよびMeに基づいて、医師の経験などに左右されずに、客観的にしかも短時間で、一定の正確さをもってOSASを発症するリスクを判定することができる。
〈2.第2の実施の形態〉
第2の実施の形態においては、被験者の側方頭頸部X線撮影に基づく閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法について説明する。
図7にこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法のフローチャートを示す。このフローチャートに従ったプログラムを作成し、コンピュータに実行させる。
ステップS11において、被験者の側方頭頸部X線撮影により舌骨の体部の中心、S、 GoおよびMeを検出する。すなわち、被験者の側方頭頸部X線撮影を行い、撮影画像または写真から舌骨の体部の中心、S、 GoおよびMeを検出する。撮影は、中心咬合位またはこれに準じる位置で行う。また、撮影は、被験者の頭部のフランクフルト平面が床面に平行になるように頭部の前後方向の傾きを設定して行う。
舌骨の体部の中心、S、 GoおよびMeの検出は、例えば、コンピュータに接続されたディスプレイに撮影画像を表示した状態で次のようにして行うことができる。まず、S、 GoおよびMeについては、ディスプレイ上でマウスを用いてカーソルをS、 GoおよびMe上に移動し、クリックする。あるいは、タッチパネルディスプレイを用いる場合には、ディスプレイ上で手の指やタッチペンなどでS、 GoおよびMeをタッチする。こうして、S、 GoおよびMeを検出することができる。こうして、S、 GoおよびMeを検出することができる。舌骨の体部は、次のようにして検出することができる。すなわち、撮影画像上の舌骨の体部(舌骨体)の輪郭線上に輪郭全体を表すような複数の点をマウスを用いてクリックし、これらの点間を直線または曲線で結び、好適にはこれらの点間を滑らかな曲線で結ぶ。これらの点間を直線または曲線で結ぶプログラムは容易に作成することができる。撮影画像上で観察される舌骨の体部(舌骨体)の輪郭は一般的には四隅が丸まった長方形状であり、比較的単純な形状であるため、これらの点の数は通常は4点から10点あれば足りるが、点の数が多いほどより正確に輪郭を描くことができる。あるいは、タッチパネルディスプレイを用いる場合には、必要に応じて舌骨の体部を拡大して表示し、ディスプレイ上で手の指やタッチペンなどで舌骨の体部の輪郭をなぞってもよい。舌骨の体部の中心は、上記のようにして検出された舌骨の体部(舌骨体)の輪郭からなる図形の中心を求めることにより検出することができる。
ステップS12においては、検出された舌骨の体部の中心が、線分S−Goの延長線とMeから線分S−Goの延長線に下ろした垂線と線分Go−Meとにより形成される第1の三角形(以下「エリア1」と言う。)の内部に含まれるか否かを判定する。
ステップS12において、検出された舌骨の体部の中心がエリア1の内部に含まれると判定された場合には、ステップS13において、OSASのリスクがないと判定する。
ステップS14においては、OSASのリスクがないとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
ステップS12において、検出された舌骨の体部の中心がエリア1の内部に含まれない、言い換えるとエリア1の下方にあると判定された場合には、ステップS15において、OSASのリスクがあると判定する。
ステップS16においては、OSASのリスクがあるとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
必要に応じて、上記の判定に加えて、医師が、OSASの検査に従来より用いられている他の検査の結果などを併用してOSASを発症するリスクを最終的に判定することができる。検出された舌骨の体部の中心が、エリア1の底辺(Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線)または側辺(線分S−Goの延長線)上あるいはそのごく近傍に位置するボーダーラインの場合も、同様である。
この第2の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法によれば、側方頭頸部X線撮影により検出された舌骨の体部の中心、S、GoおよびMeに基づいて、医師の経験などに左右されずに、客観的にしかも短時間で、一定の正確さをもってOSASを発症するリスクを判定することができる。
〈3.第3の実施の形態〉
第3の実施の形態においては、被験者の側方頭頸部X線撮影に基づく閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法について説明する。
図8にこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法のフローチャートを示す。このフローチャートに従ったプログラムを作成し、コンピュータに実行させる。
ステップS21において、被験者の側方頭頸部X線撮影により舌骨の体部の中心、S、 Go、MeおよびCdを検出する。すなわち、被験者の側方頭頸部X線撮影を行い、撮影画像または写真から舌骨の体部の中心、S、 Go、MeおよびCdを検出する。撮影は、中心咬合位またはこれに準じる位置で行う。また、撮影は、被験者の頭部のフランクフルト平面が床面に平行になるように頭部の前後方向の傾きを設定して行う。
舌骨の体部の中心、S、 Go、MeおよびCdの検出は、例えば、コンピュータに接続されたディスプレイに撮影画像を表示した状態で次のようにして行うことができる。まず、S、 Go、MeおよびCdについては、ディスプレイ上でマウスを用いてカーソルをS、 Go、MeおよびCd上に移動し、クリックする。あるいは、タッチパネルディスプレイを用いる場合には、ディスプレイ上で手の指やタッチペンなどでS、 Go、MeおよびCdをタッチする。こうして、S、 Go、MeおよびCdを検出することができる。舌骨の体部は、次のようにして検出することができる。すなわち、撮影画像上の舌骨の体部(舌骨体)の輪郭線上に輪郭全体を表すような複数の点をマウスを用いてクリックし、これらの点間を直線または曲線で結び、好適にはこれらの点間を滑らかな曲線で結ぶ。これらの点間を直線または曲線で結ぶプログラムは容易に作成することができる。撮影画像上で観察される舌骨の体部(舌骨体)の輪郭は一般的には四隅が丸まった長方形状であり、比較的単純な形状であるため、これらの点の数は通常は4点から10点あれば足りるが、点の数が多いほどより正確に輪郭を描くことができる。あるいは、タッチパネルディスプレイを用いる場合には、必要に応じて舌骨の体部を拡大して表示し、ディスプレイ上で手の指やタッチペンなどで舌骨の体部の輪郭をなぞってもよい。舌骨の体部の中心は、上記のようにして検出された舌骨の体部(舌骨体)の輪郭からなる図形の中心を求めることにより検出することができる。
ステップS22においては、検出された舌骨の体部の中心が、線分S−Goの延長線とMeから線分S−Goの延長線に下ろした垂線と線分Go−Meとにより形成される第1の三角形、すなわちエリア1の内部に含まれるか否かを判定する。
ステップS22において、検出された舌骨の体部の中心がエリア1の内部に含まれると判定された場合には、ステップS23において、OSASのリスクがないと判定する。
ステップS24においては、OSASのリスクがないとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
ステップS22において、検出された舌骨の体部の中心がエリア1の内部に含まれない、言い換えるとエリア1の下方にあると判定された場合には、ステップS25において、検出された舌骨の体部の中心が、線分Cd−Goの延長線とMeから線分Cd−Goの延長線に下ろした垂線とMeから線分S−Goの延長線に下ろした垂線とにより形成される第2の三角形((以下「エリア2」と言う。)の内部に含まれるか否かを判定する。
ステップS25において、検出された舌骨の体部の中心がエリア2の内部に含まれると判定された場合には、ステップS26において、OSASのリスクがあると判定する。
ステップS27においては、OSASのリスクがあるとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
ステップS25において、検出された舌骨の体部の中心がエリア2の内部に含まれない、言い換えるとエリア2の下方、すなわちエリア3にあると判定された場合には、ステップS28において、OSASのリスクが高いと判定する。
ステップS29においては、OSASのリスクが高いとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
必要に応じて、上記の判定に加えて、医師が、OSASの検査に従来より用いられている他の検査の結果などを併用してOSASを発症するリスクを最終的に判定することができる。検出された舌骨の体部の中心が、エリア1の底辺(Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線)または側辺(線分S−Goの延長線)上あるいはそのごく近傍に位置したり、エリア2の底辺(Meから線分Cd−Goの延長線に下ろした垂線)または側辺(線分Cd−Goの延長線)上あるいはそのごく近傍に位置したりするボーダーラインの場合も、同様である。
この第3の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法によれば、側方頭頸部X線撮影により検出された舌骨の体部の中心、S、Go、MeおよびCdに基づいて、医師の経験などに左右されずに、客観的にしかも短時間で、一定の正確さをもってOSASを発症するリスクを判定することができるだけでなく、OSASを発症するリスクの高さも判定することができる。
[実施例1]
PSGによりOSASの検査を行い、重症、中等症または軽症と診断された16人の患者の頭頸部X線規格写真を撮影した。撮影は、フランクフルト平面を床面に平行に設定して中心咬合位またはそれに準じる位置で行った。
患者1〜16の透写図を図9〜図24に示す。PSGにより得られた患者1〜16のAHI(仰臥位)およびSaO2 (最低値)は下記の通りである。ただし、患者13については、SaO2 (最低値)の代わりにSpO2 (最低値)を示した。
患者 AHI SaO2
(%)
1 43.1 70
2 36.8 87
3 30.2 83
4 62.9 73
5 53.5 71
6 25.7 79
7 112.5 85
8 11.9 93
9 35.5 80
10 66.0 76
11 24.8 92
12 9.6 90
13 41.1 68(SpO2
14 59.7 80
15 71.2 71
16 43.9 85
対照群として、睡眠時に呼吸障害が認められない5人の被験者17〜21を採用した。これらの被験者17〜21について頭頸部X線規格写真を撮影した。
被験者17〜21の透写図を図25〜図29に示す。
患者1〜16の舌骨の体部の中心を検出した結果、舌骨の体部の中心が存在するエリアは下記の通りであった。
患者 舌骨の体部の中心が存在するエリア OSAS発症リスク
1 エリア3 あり(高い)
2 エリア3 あり(高い)
3 エリア2 あり
4 エリア2 あり
5 エリア3 あり(高い)
6 エリア2 あり
7 エリア3 あり(高い)
8 エリア2 あり
9 エリア2 あり
10 エリア3 あり(高い)
11 エリア2 あり
12 エリア2 あり
13 エリア2 あり
14 エリア3 あり(高い)
15 エリア2 あり
16 エリア2 あり
被験者17〜21の舌骨の体部の中心を検出した結果、舌骨の体部の中心が存在するエリアは下記の通りであった。
被験者 舌骨の体部の中心が存在するエリア OSAS発症リスク
17 エリア1 なし
18 エリア1 なし
19 エリア1 なし
20 エリア1 なし
21 エリア1 なし
以上の結果から分かるように、頭頸部X線規格写真を撮影し、撮影画像または撮影した写真から舌骨の体部の中心がエリア1、2、3のいずれに存在するかを検出することにより、OSASの発症リスクを判定することができる。
〈4.第4の実施の形態〉
第4の実施の形態においては、被験者の後前方向頭頸部X線撮影に基づく閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法について説明する。
図30にこの閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法のフローチャートを示す。このフローチャートに従ったプログラムを作成し、コンピュータに実行させる。
ステップS31において、被験者の後前方向頭頸部X線撮影を行い、撮影画像から舌骨を検出する。撮影は、中心咬合位またはこれに準じる位置で行う。また、撮影は、被験者の頭部のフランクフルト平面が床面に平行になるように頭部の前後方向の傾きを設定して行う。
舌骨の検出は、例えば、コンピュータに接続されたディスプレイに撮影画像を表示した状態で、画像認識技術を用いて次のようにして検出することができる。すなわち、後前方向頭頸部X線撮影により得られた撮影画像上で観察される舌骨全体の形状は概ね一致しており、全体として、中央部に対して両端部が斜め上方向に外側に折れ曲がった形状を有する(図3AおよびB参照。)。そこで、従来公知のパターン認識技術、具体的には、例えばテンプレートマッチング技術を用いて舌骨の位置を検出する。すなわち、後前方向頭頸部X線撮影により得られた撮影画像の画像データをコンピュータに取り込み、舌骨全体の標準的な形状を標準画像、つまりテンプレートとし、撮影画像を入力画像とする。ここで、舌骨は撮影画像の最下部に存在するため、入力画像は撮影画像の最下部に限定することもでき、そうすることで入力画像のデータ量の大幅な低減を図ることができる。そして、入力画像上でテンプレートを移動することにより、撮影画像上の舌骨を検出することができる。
ステップS32においては、舌骨が検出されか否かを判定する。
ステップS32において、舌骨が検出された場合には、ステップS33において、OSASのリスクがあると判定する。
ステップS44においては、OSASのリスクがあるとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
ステップS32において、舌骨が検出されない場合には、ステップS35において、OSASのリスクがないと判定する。
ステップS36においては、OSASのリスクがないとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
必要に応じて、上記の判定に加えて、医師が、OSASの検査に従来より用いられている他の検査の結果などを併用してOSASを発症するリスクを最終的に判定することができる。
この第4の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法によれば、後前方向頭頸部X線撮影により舌骨が検出されるか否かにより、医師の経験などに左右されずに、客観的にしかも短時間で、一定の正確さをもってOSASを発症するリスクを判定することができる。
[実施例2]
OSASの有無が不明の被験者22の側方頭頸部X線規格写真および後前方向頭頸部X線規格写真を撮影した。撮影は、フランクフルト平面を床面に平行に設定して中心咬合位またはそれに準じる位置で行った。
被験者22の側方頭頸部X線規格写真の透写図を図31に示す。また、被験者22の後前方向頭頸部X線規格写真を図32に示す。
図31から舌骨の体部の中心、S、Go、MeおよびCdを検出したところ、舌骨の体部の中心はエリア3の内部に存在し、OSASを発症するリスクが高いことが分かった。一方、図32から舌骨を検出したところ、下顎の下方に舌骨が検出された。すなわち、舌骨が検出されたことにより、OSASを発症するリスクがあると判定することができ、舌骨の体部の中心がエリア3の内部に存在することと考え合わせると、被験者22はOSASを発症するリスクが高いと判定することができる。
この第4の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法によれば、後前方向頭頸部X線撮影により舌骨が検出されるか否かにより、医師の経験などに左右されずに、客観的にしかも短時間で、一定の正確さをもってOSASを発症するリスクを判定することができる。
〈5.第5の実施の形態〉
第5の実施の形態においては、被験者の側方頭頸部X線撮影に基づく舌骨沈下判定方法について説明する。
図33にこの舌骨沈下判定方法のフローチャートを示す。このフローチャートに従ったプログラムを作成し、コンピュータに実行させる。
ステップS41において、被験者の側方頭頸部X線撮影を行い、撮影画像から舌骨の体部の中心、S、 GoおよびMeを検出する。撮影は、中心咬合位またはこれに準じる位置で行う。また、撮影は、被験者の頭部のフランクフルト平面が床面に平行になるように頭部の前後方向の傾きを設定して行う。
舌骨の体部の中心、S、 GoおよびMeの検出は、第1の実施の形態と同様にして行うことができる。
ステップS42においては、検出された舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線より上の領域にあるか否かを判定する。
ステップS42において、検出された舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線より上の領域にあると判定された場合には、ステップS43において、舌骨の沈下量は小さいと判定する。
ステップS44においては、舌骨の沈下量は小さいとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
ステップS42において、検出された舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線より上の領域にあると判定された場合には、ステップS45において、舌骨の沈下量が大きいと判定する。
ステップS46においては、舌骨の沈下量が大きいとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
この第5の実施の形態による舌骨沈下判定方法によれば、側方頭頸部X線撮影により検出された舌骨の体部の中心、S、GoおよびMeに基づいて、医師の経験などに左右されずに、客観的にしかも短時間で、一定の正確さをもって舌骨の沈下の有無あるいは程度を判定することができる。
〈6.第6の実施の形態〉
第6の実施の形態においては、被験者の側方頭頸部X線撮影に基づく舌骨沈下判定方法について説明する。
図34にこの舌骨沈下判定方法のフローチャートを示す。このフローチャートに従ったプログラムを作成し、コンピュータに実行させる。
ステップS51において、被験者の側方頭頸部X線撮影を行い、撮影画像から舌骨の体部の中心、S、 GoおよびMeを検出する。撮影は、中心咬合位またはこれに準じる位置で行う。また、撮影は、被験者の頭部のフランクフルト平面が床面に平行になるように頭部の前後方向の傾きを設定して行う。
舌骨の体部の中心、S、 GoおよびMeの検出は、第1の実施の形態と同様に行うことができる。
ステップS52においては、検出された舌骨の体部の中心が、線分S−Goの延長線とMeから線分S−Goの延長線に下ろした垂線と線分Go−Meとにより形成される第1の三角形、すなわちエリア1の内部に含まれるか否かを判定する。
ステップS52において、検出された舌骨の体部の中心がエリア1の内部に含まれると判定された場合には、ステップS53において、舌骨の沈下量は小さいと判定する。
ステップS54においては、舌骨の沈下量が小さいとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
ステップS52において、検出された舌骨の体部の中心がエリア1の内部に含まれない、言い換えるとエリア1の下方にあると判定された場合には、ステップS55において、舌骨の沈下量が大きいと判定する。
ステップS56においては、舌骨の沈下量が大きいとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
この第6の実施の形態による舌骨沈下判定方法によれば、側方頭頸部X線撮影により検出された舌骨の体部の中心、S、GoおよびMeに基づいて、医師の経験などに左右されずに、客観的にしかも短時間で、一定の正確さをもって舌骨の沈下の有無あるいは程度を判定することができる。
〈7.第7の実施の形態〉
第7の実施の形態においては、被験者の側方頭頸部X線撮影に基づく舌骨沈下判定方法について説明する。
図35にこの舌骨沈下判定方法のフローチャートを示す。このフローチャートに従ったプログラムを作成し、コンピュータに実行させる。
ステップS61において、被験者の側方頭頸部X線撮影を行い、撮影画像から舌骨の体部の中心、S、 Go、MeおよびCdを検出する。撮影は、中心咬合位またはこれに準じる位置で行う。また、撮影は、被験者の頭部のフランクフルト平面が床面に平行になるように頭部の前後方向の傾きを設定して行う。
舌骨の体部の中心、S、 Go、MeおよびCdの検出は、第1〜第3の実施の形態と同様に行うことができる。
ステップS62においては、検出された舌骨の体部の中心が、線分S−Goの延長線とMeから線分S−Goの延長線に下ろした垂線と線分Go−Meとにより形成される第1の三角形、すなわちエリア1の内部に含まれるか否かを判定する。
ステップS62において、検出された舌骨の体部の中心がエリア1の内部に含まれると判定された場合には、ステップS63において、舌骨の沈下量が小さいと判定する。
ステップS64においては、舌骨の沈下量が小さいとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
ステップS62において、検出された舌骨の体部の中心がエリア1の内部に含まれない、言い換えるとエリア1の下方にあると判定された場合には、ステップS65において、検出された舌骨の体部の中心が、線分Cd−Goの延長線とMeから線分Cd−Goの延長線に下ろした垂線とMeから線分S−Goの延長線に下ろした垂線とにより形成される第2の三角形、すなわちエリア2の内部に含まれるか否かを判定する。
ステップS65において、検出された舌骨の体部の中心がエリア2の内部に含まれると判定された場合には、ステップS66において、舌骨の沈下量が大きいと判定する。
ステップS67においては、舌骨の沈下量が大きいとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
ステップS65において、検出された舌骨の体部の中心がエリア2の内部に含まれない、言い換えるとエリア2の下方、すなわちエリア3にあると判定された場合には、ステップS28において、舌骨の沈下量が特に大きいと判定する。
ステップS66においては、舌骨の沈下量が特に大きいとの判定結果を例えばディスプレイに出力する。
この第7の実施の形態による舌骨沈下判定方法によれば、側方頭頸部X線撮影により検出された舌骨の体部の中心、S、Go、MeおよびCdに基づいて、医師の経験などに左右されずに、客観的にしかも短時間で、一定の正確さをもって舌骨の沈下の有無あるいは程度を判定することができる。
〈8.第8の実施の形態〉
第8の実施の形態においては、第1〜第7の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法あるいは舌骨沈下判定方法を実施可能なX線診断システムについて説明する。
すなわち、このX線診断システムは、側方頭頸部X線撮影、後前方向頭頸部X線撮影および前後方向頭頸部X線撮影により得られた撮影画像に基づいて第1〜第7の実施の形態のうちの一つまたは二つ以上による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法あるいは舌骨沈下判定方法をコンピュータにより実行するためのプログラムが格納されたコンピュータを有する。
この第8の実施の形態によれば、被験者の側方頭頸部X線撮影、後前方向頭頸部X線撮影および前後方向頭頸部X線撮影のいずれかを行い、得られた撮影画像に基づいて第1〜第7の実施の形態のうちの一つまたは二つ以上による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法あるいは舌骨沈下判定方法を実行することにより、被験者のOSASの発症のリスクあるいは舌骨の沈下の有無あるいは程度を判定することができる。
〈9.第9の実施の形態〉
第9の実施の形態においては、第1〜第7の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法あるいは舌骨沈下判定方法における被験者の側方頭頸部X線撮影、後前方向頭頸部X線撮影および前後方向頭頸部X線撮影に用いて好適なセファロX線撮影装置について説明する。このセファロX線撮影装置に、第1〜第7の実施の形態のうちの一つまたは二つ以上による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法あるいは舌骨沈下判定方法をコンピュータにより実行するためのプログラムが格納されたコンピュータとを組み合わせることにより、閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定あるいは舌骨沈下判定が可能なX線診断システムを構築することができる。
図36は第9の実施の形態によるセファロX線撮影装置を示す。図36に示すように、このセファロX線撮影装置は、X線発生部11と、アーム12、13と、アーム制御装置14と、X線検出部15とを有する。X線発生部11はX線管11aを有し、このX線管11aからX線が発生される。アーム制御装置14は、図示省略した支持部により床面に対して支持されている。
X線管11aから発生されたX線は被検体の頭頸部に照射され、この頭頸部を透過したX線がX線検出部15に入射し、透過X線画像が得られる。X線検出部15は特に限定されないが、例えば、X線フィルム、イメージングプレート、半導体検出器などが用いられる。透過X線画像は、必要に応じて、例えばディジタル画像信号に変換される。図示は省略するが、X線検出部15で得られる透過X線画像は画像収集部で撮像される。
アーム12、13は、鉛直線に平行かつ中心X線と直交する基準線16を挟んで互いに対向して設けられている。アーム12、13の上部はアーム制御装置14に取り付けられている。そして、アーム12、13は、このアーム制御装置14により、基準線16の周りに回転可能、基準線16に平行な方向に昇降可能および水平方向に互いに逆向きに並進移動可能になっている。アーム12、13の下部は下端に向かって幅が徐々に狭くなっており下端は円形になっている(図37参照)。また、アーム12、13の下端部はそれぞれ、鉛直線に対して内側に所定の角度折り曲げられた後、再び鉛直線に平行になっている。アーム12、13は、少なくとも撮影時にX線が照射される部分は透明材料により構成され、一般的にはそのほぼ全部が透明材料により構成される。アーム12、13の下端部の互いに対向する内側面にはそれぞれ先端が尖った円柱状のイヤーロッド17、18が互いに同軸に設けられている。イヤーロッド17、18は、従来公知のものを用いることができ、撮影時にその輪郭が写るようになっている。
アーム12、13の少なくとも一方の外側面には、被検体の頭部の前後方向の傾きを設定するための頭部傾き設定装置19が取り付けられている。図36には、アーム13の外側面に頭部傾き設定装置19が取り付けられている例が示されている。この場合、この頭部傾き設定装置19は、イヤーロッド18の中心軸に垂直な長方形状の透明板からなる。この透明板としては、アクリル板やPET(ポリエチレンテレフタレート)板などの透明プラスチック板、ガラス板などを用いることができる。この透明板は、必要な機械的強度が得られ、曲がりにくい厚さであればよいが、例えば、2mm以上10mm以下の厚さである。頭部傾き設定装置19の取付方法は特に限定されず、接着、ねじ止めなどのどのようなものであってもよい。
頭部傾き設定装置19の詳細を図37に示す。図37は頭部傾き設定装置19をその面に垂直な方向から見た図である。図37に示すように、頭部傾き設定装置19の下端面(底辺)は水平面に平行になっている。この頭部傾き設定装置19の下端面は、イヤーロッド18の最上点でイヤーロッド18の中心軸に垂直方向に引いた接線方向と一致している。この頭部傾き設定装置19には、イヤーロッド18の最上点を中心とした角度目盛19aが形成されており、分度器の機能を有する。図37においては、角度目盛19aは0°から90°まで10°間隔で形成されているが、角度目盛19aの付け方はこれに限定されるものではなく、例えば5°間隔あるいは1°間隔で形成してもよいし、特定の範囲内の角度だけ、例えば0°から30°まで角度目盛19aが形成されてもよい。角度目盛19aが0°の線は頭部傾き設定装置19の下端面と一致している。角度目盛19aは、典型的には、通常の分度器と同様に例えば黒色に着色された線により形成されるが、これに限定されるものではない。0°を除く角度目盛19aは、頭部傾き設定装置19の片面に設けてもよいが、好適には、両面の互いに対応する位置にそれぞれ設けられる。このように角度目盛19aを頭部傾き設定装置19の両面の互いに対応する位置に設けることにより、この角度目盛19aを水平方向から見たとき、両面の角度目盛19aが一致する方向が水平方向であり、一致しなければ水平方向からずれていると判断することができる。頭部傾き設定装置19の下端面には、この頭部傾き設定装置19に対して垂直に内側に向かって突出する水平板20が設けられている。図38に頭部傾き設定装置19および水平板20の平面図を示す。図38に示すように、水平板20は、イヤーロッド18から離れた部分に幅広の部分を有する。水平板20は、水平面を確認する際に視認を容易にするために、好適には着色され、具体的に例えば黒色に着色される。水平板20は、好適にはX線透過画像に写るようにその材質、厚さ、水平方向の幅などが選ばれる。水平板20の材質は、例えば、アクリルなどの透明プラスチック、不透明プラスチック、金属などである。水平板20の厚さは、例えば0.2mm以上2mm以下であるが、これに限定されるものではない。水平板20の水平方向の幅は、例えば1mm以上30mm以上であるが、これに限定されるものではない。
次に、このセファロX線撮影装置を用いて被検体の頭頸部X線撮影を行う方法について説明する。
(1)側方頭頸部X線規格写真を撮影する方法
図36において、アーム12、13を水平方向に外側に並進移動させて互いに十分な距離離し、かつ十分に高い位置に移動させておく。この状態で、図39に示すように、被検体の頭部21を、アーム12、13の間に、その正中矢状面がX線管11aからの中心X線に対して垂直になるように位置させる。被検体は、椅子に座った座位であっても立った状態の立位であってもよい。次に、アーム12、13を下降させることにより、イヤーロッド17、18が被検体の頭部21の左右の外耳孔の高さ位置に来るようにする。次に、アーム12、13を水平方向に内側に並進移動させ、被検体の頭部21の左右の外耳孔にイヤーロッド17、18を挿入する。そして、イヤーロッド17、18の最上点がポリオンに接触するようにすることによって頭部21を固定し、中心X線の照射方向がイヤーロッド17、18の中心軸と一致するようにする。次に、検査者が頭部21の顔面の所定の基準点(第2の基準点)、例えば、オルビターレ(Or)、瞳孔の中心の直下の眼窩縁、眼瞼裂の中心などを探す。例えば、オルビターレを基準点とする場合は、検査者が指先で眼窩下縁付近を触ることにより探すことができる。そして、図40に示すように、こうして探した基準点に円形の小さな色付きのシール22を貼る。このシール22の色は基本的にはどのようなものであってもよいが、例えば、赤色、黄色、緑色、青色、白色、黒色などであってよい。この基準点に貼られたシール22を、頭部21の側方から見ることが難しい場合には、顔面上のこのシール22から水平方向の外側に例えば5〜20mm離れた位置にもシール22を貼る。次に、図41に示すように、検査者が頭部傾き設定装置19を外側から水平方向に見る。このとき、透明板からなる頭部傾き設定装置19を透過してシール22を見ることができる。そして、頭部傾き設定装置19の角度目盛19aを用い、ポリオン(イヤーロッド18の最上点と一致する)とオルビターレとを結ぶ直線を所望の角度に設定する。図41には、一例として、ポリオンとオルビターレとを結ぶ平面、すなわちフランクフルト平面を水平に設定する場合が示されている。このようにフランクフルト平面を水平に設定する場合には、角度目盛19aが0°にある水平板20を外側から観察する。このとき、水平板20が線状に見えるときには、水平方向から観察していることになるから、ポリオンとオルビターレとを結ぶ直線がこの水平板20と一致するように頭部21の前後方向の傾きを設定する。こうして、頭部21のフランクフルト平面が水平面(床面)に平行になるように設定される。
上述のようにして頭部21の傾きを所望の傾きに設定した状態でX線撮影を行うことにより、側方頭頸部X線規格写真を撮影する。
頭部21のフランクフルト平面が水平面に対して正または負の角度傾斜した位置で側方頭頸部X線規格写真を撮影する一例として、頭部21のフランクフルト平面が水平面に対して10°傾斜した状態(顔面高位)で側方頭頸部X線規格写真を撮影する場合を図42に示す。図42に示すように、この場合には、頭部傾き設定装置19の角度目盛19aを用い、頭部21の前後方向の傾きを調整し、ポリオンとオルビターレとを結ぶ直線を10°の角度に設定する。
(2)後前方向頭頸部X線規格写真を撮影する方法
図43に示すように、アーム12、13を図36に示す位置から基準線16の周りに90°回転させる。そして、図44に示すように、側方頭頸部X線規格写真を撮影する場合と同様に、被検体の頭部21の左右の外耳孔にイヤーロッド17、18を挿入し、イヤーロッド17、18の最上点がポリオンに接触するようにすることによって頭部21を固定する。この場合、頭部21の顔面がX線検出部15に向いている。また、中心X線の照射方向はイヤーロッド17、18の中心軸と直交している。頭部21の顔面の所定の基準点、具体的には例えばオルビターレにはシール22が貼られたままとする。次に、検査者が頭部傾き設定装置19を外側から水平方向に見る。このとき、頭部傾き設定装置19を透過してシール22を見ることができる。そして、側方頭頸部X線規格写真を撮影する場合と同様にして、頭部傾き設定装置19の角度目盛19aを用い、ポリオンとオルビターレとを結ぶ直線を側方頭頸部X線規格写真を撮影した場合と同じ角度に設定する。そして、この位置でX線撮影を行うことにより、頭部21の前後方向の傾きが側方頭頸部X線規格写真撮影時と同一の状態で後前方向頭頸部X線規格写真を撮影することができる。例えば、側方頭頸部X線規格写真も後前方向頭頸部X線規格写真も、頭部21のフランクフルト平面が水平面(床面)に平行になる位置で撮影することができる。
(3)前後方向頭頸部X線規格写真を撮影する方法
前後方向頭頸部X線規格写真を撮影する方法は、頭部21の顔面がX線発生部11に向くように頭部21を位置させることを除いて、後前方向頭頸部X線規格写真を撮影する方法と同様である。
この第9の実施の形態によるセファロX線撮影装置によれば、次のような種々の利点を得ることができる。すなわち、頭部傾き設定装置19を用いて撮影時の頭部21の前後方向の傾きを所望の傾きに設定することができることにより、側方頭頸部X線規格写真、後前方向頭頸部X線規格写真、前後方向頭頸部X線規格写真、後前方向と前後方向との中間の任意の方向の頭頸部X線写真などを、被検体の頭部21の前後方向の傾きが同じ状態で簡単にかつ高い再現性で撮影することができる。このため、第1〜第7の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法あるいは舌骨沈下判定方法における被験者の側方頭頸部X線撮影、後前方向頭頸部X線撮影および前後方向頭頸部X線撮影に基づく舌骨の体部の中心、S、Go、MeおよびCdの位置の検出の信頼性の向上を図ることができ、ひいては閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定あるいは舌骨沈下判定の信頼性の向上を図ることができる。加えて、例えば、側方頭頸部X線規格写真あるいは後前方向頭頸部X線規格写真を時間を置いて撮影する場合、例えばある時期に撮影してから1年後に撮影する場合においても、頭部21の前後方向の傾きが同一の状態で撮影することができる。このように頭部21の前後方向の傾きが常に同一の状態で撮影することができるため、側方頭頸部X線規格写真あるいは前後方向頭頸部X線規格写真の重ね合わせを容易に行うことができる。これによって、頭部21の上下顎骨の経年変化を正確に調べることが可能となり、上下顎骨の成長発育を正確に調べることが可能となる。
[実施例3]
被験者23、24の側方頭頸部X線規格写真および後前方向頭頸部X線規格写真を、頭部傾き設定装置19を用いることにより、頭部21のフランクフルト平面が床面に平行になる位置で撮影した。撮影は中心咬合位またはそれに準じる位置で行った。図45および図47はそれぞれ被験者23、24の側方頭頸部X線規格写真を示す。ここで、図45および図47に見られる横方向の白い線は、頭部傾き設定装置19の下端に取り付けられた水平板20の像であり、フランクフルト平面を示す。また、図46および図48はそれぞれ被験者23、24の後前方向頭頸部X線規格写真を示す。
図45〜図48より、被験者23、24のいずれも、側方頭頸部X線規格写真および前後方向頭頸部X線規格写真を頭部のフランクフルト平面が床面に平行になる位置で撮影できていることが分かる。
以上、この発明の実施の形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施の形態および実施例において挙げた数値、フローチャートなどはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、フローチャートなどを用いてもよい。また、必要に応じて、第1〜第7の実施の形態による閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定方法あるいは舌骨沈下判定方法の二つ以上を組み合わせてもよい。
また、必要に応じて、被験者の側方頭頸部X線撮影により舌骨の体部の中心、セラS、ゴニオンGo、メントンMeおよびコンディリオンCdを検出し、検出された舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線の上の領域、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線とMeから線分Cd−Goの延長線に下ろした垂線との間の領域およびMeから線分Cd−Goの延長線に下ろした垂線の下方の領域のうちのどの領域に含まれるかを判定することにより、閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定あるいは舌骨沈下判定を行うようにしてもよい。
11…X線発生部、11a…X線管、12、13…アーム、14…アーム制御装置、15…X線検出部、16…基準線、17、18…イヤーロッド、19…頭部傾き設定装置、20…水平板、21…頭部、22…シール

Claims (15)

  1. 被験者の側方頭頸部X線撮影により検出された少なくとも舌骨、セラS、ゴニオンGoおよびメントンMeを用い、上記検出された上記舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線より上の領域に含まれるか否かを判定するステップを有する閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定装置の作動方法。
  2. 被験者の側方頭頸部X線撮影により少なくとも舌骨、セラS、ゴニオンGoおよびメントンMeを検出する第1のステップと、
    上記検出された上記舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線より上の領域に含まれるか否かを判定する第2のステップとを有する請求項1記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定装置の作動方法。
  3. 上記第2のステップにおいて、上記検出された上記舌骨の体部の中心が、線分S−Goの延長線とMeから上記線分S−Goの延長線に下ろした垂線と線分Go−Meとにより形成される第1の三角形の内部に含まれるか否かを判定する請求項2記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定装置の作動方法。
  4. 上記第1のステップにおいて、被験者の側方頭頸部X線撮影によりコンディリオンCdをさらに検出し、
    上記第2のステップにおいて、上記検出された上記舌骨の体部の中心が、上記第1の三角形の内部、線分Cd−Goの延長線とMeから上記線分Cd−Goの延長線に下ろした垂線と上記Meから上記線分S−Goの延長線に下ろした垂線とにより形成される第2の三角形の内部および上記第2の三角形の下方の領域のうちのどの領域に含まれるかを判定する請求項3記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定装置の作動方法。
  5. 上記舌骨の体部の中心が上記第1の三角形の内部に含まれる場合は閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクはなく、上記第1の三角形の下方の領域に位置する場合は閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクがあると判定する請求項3記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定装置の作動方法。
  6. 上記舌骨の体部の中心が上記第1の三角形の内部に含まれる場合は閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクはなく、上記舌骨の体部の中心が上記第2の三角形の内部または上記第2の三角形の下方の領域に位置する場合は閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスクがあると判定する請求項4記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定装置の作動方法。
  7. 上記第1のステップにおいて、被験者の側方頭頸部X線撮影によりコンディリオンCdをさらに検出し、
    上記第2のステップにおいて、上記検出された上記舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線より上の領域、上記Meから上記線分S−Goの延長線に下ろした垂線とMeから線分Cd−Goの延長線に下ろした垂線との間の領域および上記Meから上記線分Cd−Goの延長線に下ろした垂線の下方の領域のうちのどの領域に含まれるかを判定する請求項2記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定装置の作動方法。
  8. 上記被験者の頭部のフランクフルト平面が床面に平行になるように頭部の前後方向の傾きを設定して上記側方頭頸部X線撮影を行う請求項1〜7のいずれか一項記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定装置の作動方法。
  9. 被験者の側方頭頸部X線撮影により検出された少なくとも舌骨、セラS、ゴニオンGoおよびメントンMeを用い、上記検出された上記舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線より上の領域に含まれるか否かを判定するステップを有する舌骨沈下判定装置の作動方法。
  10. 被験者の側方頭頸部X線撮影により少なくとも舌骨、セラS、ゴニオンGoおよびメントンMeを検出する第1のステップと、
    上記検出された上記舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線より上の領域に含まれるか否かを判定する第2のステップとを有する請求項9記載の舌骨沈下判定装置の作動方法。
  11. 上記第2のステップにおいて、上記検出された上記舌骨の体部の中心が、線分S−Goの延長線とMeから上記線分S−Goの延長線に下ろした垂線と線分Go−Meとにより形成される第1の三角形の内部に含まれるか否かを判定する請求項10記載の舌骨沈下判定装置の作動方法。
  12. 上記第1のステップにおいて、被験者の側方頭頸部X線撮影によりコンディリオンCdをさらに検出し、
    上記第2のステップにおいて、上記検出された上記舌骨の体部の中心が、上記第1の三角形の内部、線分Cd−Goの延長線とMeから上記線分Cd−Goの延長線に下ろした垂線と上記Meから上記線分S−Goの延長線に下ろした垂線とにより形成される第2の三角形の内部および上記第2の三角形の下方の領域のうちのどの領域に含まれるかを判定する請求項11記載の舌骨沈下判定装置の作動方法。
  13. 上記第1のステップにおいて、被験者の側方頭頸部X線撮影によりコンディリオンCdをさらに検出し、
    上記第2のステップにおいて、上記検出された上記舌骨の体部の中心が、Meから線分S−Goの延長線に下ろした垂線より上の領域、上記Meから上記線分S−Goの延長線に下ろした垂線とMeから線分Cd−Goの延長線に下ろした垂線との間の領域および上記Meから上記線分Cd−Goの延長線に下ろした垂線の下方の領域のうちのどの領域に含まれるかを判定する請求項10記載の舌骨沈下判定装置の作動方法。
  14. 請求項1〜7のいずれか一項記載の閉塞型睡眠時無呼吸症候群リスク判定装置の作動方法および請求項9〜13のいずれか一項記載の舌骨沈下判定装置の作動方法のうちの少なくとも一つをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  15. 請求項14記載のプログラムを有するコンピュータを備えたX線診断システム。
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