JP2014138649A - X線画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 立体的に観察し易いX線画像を表示出来る画像処理装置を提供する。
【解決手段】 X線画像処理装置は、撮影対象物に第1位置からX線を照射した際の投影像に基づいて、第1X線画像を得るための第1画像処理と、撮影対象物に第1位置と異なる第2位置からX線を照射した際の投影像に基づいて、第2X線画像を得るための第2画像処理と、第1X線画像と第2X線画像の一方について、第1X線画像と第2X線画像の他方と比較して、高い輝度の領域について輝度を下げる第3画像処理を施す画像処理部を備える。第3画像処理を施すか否かについて選択するために使用される操作部を備える。第3画像処理を施すことが選択された場合に、第1X線画像と第2X線画像の一方であって第3画像処理が施されたものと、第1X線画像と第2X線画像の他方とを表示する表示部を備える。
【選択図】図14

Description

本発明は、X線画像処理装置に関する。
特許文献1のように、X線画像を立体的に観察する装置が提案されている。
特開2005−136726号公報
しかし、X線画像が立体的に観察出来るかどうかは個人差で変動する。
したがって本発明の目的は、立体的に観察し易いX線画像を表示出来る画像処理装置を提供することである。
本発明に係るX線画像処理装置は、撮影対象物に第1位置からX線を照射した際の投影像に基づいて、第1X線画像を得るための第1画像処理と、撮影対象物に第1位置と異なる第2位置からX線を照射した際の投影像に基づいて、第2X線画像を得るための第2画像処理と、第1X線画像と第2X線画像の一方について、第1X線画像と第2X線画像の他方と比較して、高い輝度の領域について輝度を下げる第3画像処理を施す画像処理部と、第3画像処理を施すか否かについて選択するために使用される操作部と、第3画像処理を施すことが選択された場合に、第1X線画像と第2X線画像の一方であって第3画像処理が施されたものと、第1X線画像と第2X線画像の他方とを表示する表示部とを備える。
第1X線画像と第2X線画像の他方については、第3画像処理が施されない状態で表示され、第1X線画像と第2X線画像の一方については、第3画像処理が施された状態で表示される。第3画像処理が施されない第1X線画像と第2X線画像を観察する場合よりも、立体的に見える場合が考えられ、観察者の任意で第3画像処理を施したX線画像若しくは第3画像処理を施さないX線画像を選択的に表示させることが可能になる。
好ましくは、操作部は、第1X線画像と第2X線画像のいずれかを選択するために使用され、選択に基づいて、第3画像処理を施すX線画像が決定される。
第1X線画像と第2X線画像のいずれについて第3画像処理を施すのが立体視に効果的であるかは、観察者の利き目などによって変動する。観察者の選択でいずれについて第3画像処理を施すか設定可能にすることで、観察しながら立体視しやすい状況を決定することが可能になる。
また、好ましくは、操作部は、第3画像処理において、第1X線画像と第2X線画像の領域ごとの輝度を比較する際の、重ね合わせ位置を調整するために使用される。
重ね合わせ位置を調整した上で、第3画像処理を行うことで、第3画像処理の実行有無と、重ね合わせ位置の調整とで、観察者が立体視しやすい表示条件を調整することが可能になる。
また、好ましくは、観察者の一方の目で第1X線画像と第2X線画像の一方を観察するために使用される第1観察フィルタと、観察者の他方の目で第1X線画像と第2X線画像の他方を観察するために使用される第2観察フィルタとを有する観察部を更に備え、第1観察フィルタと第2観察フィルタとが、表示部の前面に配置され、操作部は、第1X線画像と第2X線画像のそれぞれが第1観察フィルタと第2観察フィルタのいずれを介して観察可能な状態にするかについて選択するために使用される。
立体視用のメガネをかけなくても、表示部に表示された立体視用のX線画像を立体的に観察することが可能になる。
また、観察者と観察部との位置関係や、立体視の見やすさに応じて、表示条件を調整することが可能になる。
また、好ましくは、第3画像処理における輝度比較は、X線画像の一定領域ごとに行われ、一定領域の周囲で輝度が低い領域の輝度に合わせることで、高い輝度の領域について輝度を下げる処理が行われる。
周囲で低い輝度の部分に合わせるので、極端に輝度を落とす画像処理を行わずに、立体視しやすいX線画像を得ることが可能になる。
本発明に係るX線画像処理方法は、撮影対象物に第1位置からX線を照射した際の投影像に基づいて、第1X線画像を得るための第1画像処理ステップと、撮影対象物に第1位置と異なる第2位置からX線を照射した際の投影像に基づいて、第2X線画像を得るための第2画像処理ステップと、第1X線画像と第2X線画像の一方について、第1X線画像と第2X線画像の他方と比較して、高い輝度の領域について輝度を下げる第3画像処理ステップとを備える。
好ましくは、第1X線画像と第2X線画像の一方であって第3画像処理が施されたものと、第1X線画像と第2X線画像の他方とを表示する表示ステップを更に備える。
以上のように本発明によれば、立体的に観察し易いX線画像を表示出来る画像処理装置を提供することができる。
本実施形態における歯科用口腔内X線撮影システムの構成図である。 歯科用口腔内X線撮影システムの斜視図である。 歯科用口腔内X線撮影装置の斜視図である。 グリップが保定部よりも下に、受光部が保定部よりも上に位置した状態で、使用者に把持された歯科用口腔内X線撮影装置の斜視図である。 グリップと受光部が保定部よりも下に位置した状態で、使用者に把持された歯科用口腔内X線撮影装置の斜視図である。 撮影部、撮影補助具、及びX線装置の構成を示す側面図である。 撮影部、撮影補助具、及びX線装置の構成を示す上面図である。 案内リングが略U字形状を有する場合の歯科用口腔内X線撮影装置の斜視図である。 受光部の回転動作のロック状態を解除する第2ロック機構(の操作ボタン)をグリップも設けた場合の歯科用口腔内X線撮影装置の斜視図である。 X線装置の斜視図である。 第3画像処理前の第1X線画像と第2X線画像を示す図である。 ズレなく第1X線画像と第2X線画像を重ね合わせた状態を示す図である。 第1X線画像と、図12の重ね合わせ条件で第3画像処理後の第2X線画像を示す図である。 第3画像処理後の第2X線画像を、ズレが無い状態で第1X線画像と重ね合わせた状態を示す図である。 ズレが有る状態で第1X線画像と第2X線画像を重ね合わせた状態を示す図である。 第1X線画像と、図15の重ね合わせ条件で第3画像処理後の第2X線画像を示す図である。 第3画像処理後の第2X線画像を、ズレが有る状態で第1X線画像と重ね合わせた状態を示す図である。
以下、本実施形態における歯科用口腔内X線撮影システムの構成について、図を用いて説明する。本実施形態に係る歯科用口腔内X線撮影システム1は、X線装置70、歯科用口腔内X線撮影装置100、観察装置200を備える(図1、図2参照)。
歯科用口腔内X線撮影装置100は、撮影部10、グリップ30、撮影補助具(インジケータ)50を備える(図3参照)。
撮影部10の詳細について説明する。撮影部10は、受光部11、ケーブル17を有する。
受光部11は、X線受光部を内蔵する。受光部11のX線受光部は、X線を可視光に変換するシンチレータ、該可視光を電荷に変換するCCDなどのX線撮像素子を有する。X線撮像素子と直接接続される電気線がフレキシブル基板上に設けられている場合には、受光部11の内部に、フレキシブル基板とケーブル17とを接続するための基板を設けても良い。
また、受光部11のX線撮像素子を駆動するための電気回路を、受光部11の内部に設ける形態であってもよい。但し、X線撮像素子を駆動するための電気回路を構成する部材は、後述するグリップ30などに配置される形態であってもよい。
ケーブル17は、X線受光部への電力供給や信号送受信するための電気線であり、後述するグリップ30と接続される。ケーブル17は、受光部11の背面や側面からグリップ30に延びる形態でも良いし、回転軸53若しくは保定部55の内側を通り、外からは見えない形で、グリップ30に延びる形態であってもよい。
また、X線受光部からの信号送受信を、ケーブル17を介して行う形態に代えて、無線で行う形態であってもよい。この場合には、受光部11の内部に、無線通信を行う装置や、かかる装置やX線撮像素子を駆動するバッテリーを内蔵する。
受光部11は、X線受光部を内蔵する形態に代えて、X線フィルムやイメージングプレートを保持する形態であってもよい。この場合は、ケーブル17は不要になる。
グリップ30は、回転軸53の軸受けとなる軸受け部31を介して、回転軸53を中心に回転可能な状態で、撮影補助具50に取り付けられる。グリップ30の内部には、X線撮像素子に電力を供給するバッテリーやX線撮像素子を制御する制御部やX線撮像素子で得られた画像信号に画像処理(後述する組み合わせ処理まで含めても良い)を施す画像処理装置を内蔵する形態であってもよいし、グリップ30から、外部の画像処理装置(本実施形態では観察装置200)に、有線か無線で画像信号を伝達する形態であってもよい。本実施形態では、グリップ30は、第1通信部37とバッテリー39を有し、第1通信部37は、観察装置200の第2通信部290と通信し、バッテリー39は、歯科用口腔内X線撮影装置100の各部に電力を供給する。
回転軸53を中心としたグリップ30の回転可能な状態を制御する第1ロック機構33がグリップ30(若しくは保定部55)に設けられる。第1ロック機構33によるロック状態が解除されると、グリップ30は、回転軸53を中心とした回転可能な状態にされる。第1ロック機構33によりロック状態にされると、グリップ30は、回転軸53を中心とした回転不能な状態で保定部55に固定される。第1ロック機構33によるロック状態にされ、グリップ30が保定部55に固定されても、受光部11の回転軸53を中心とした回転動作は制限されない。
例えば、図4のように、側面から見て、受光部11が保定部55よりも上側に、グリップ30が保定部55よりも下側になるような位置関係で、グリップ30が固定されると、上歯の近くに受光部11を位置させやすいし、図5のように、受光部11とグリップ30が保定部55よりも上側になるような位置関係でグリップ30を固定させ、歯科用口腔内X線撮影装置100を上下逆にすると、下歯の近くに受光部11を位置させやすい。
グリップ30は、被験者が保持する形態であってもよいし、歯科医などの術者が把持する形態であってもよい。受光部11などの保持は、グリップ30を把持することにより行われるため、受光部11などの保持のために、保定部55を咬合する必要がなく、口を開けた状態を維持したまま、撮影が可能である。このため、被験者が咬合をうまく行えない場合でも、X線撮像素子等を口腔内に維持することが可能になる。また、グリップ30の把持により、歯科用口腔内X線撮影装置100のグリップ30以外の部材(受光部11や受光部11を保持する撮影補助具50)が保持されるため、咬合により保持される形態に比べて、保定部55等の重量が大きくなっても保持が容易に行えるメリットを有する。また、グリップ30は受光部11から離れているので、グリップ30を把持する手にはX線装置70からの放射線の影響を受けにくいメリットもある。
グリップ30と保定部55とのなす角(第2角度θ2)を変化させることにより、グリップ30を保持する者(被験者や術者)にとって都合が良い位置関係(グリップ30の保持位置)で、受光部11を口腔内の適当な位置に挿入することが可能になる。
また、グリップ30を移動させることにより、口腔内における回転軸53の位置が変化し、これに伴って、受光部11や保定部55が口蓋など口腔内の部位と接触する位置が変化し、受光部11のX線撮像素子の撮像面と保定部55とのなす角(第1角度θ1)も変化する。第1角度θ1に関する情報は、後述するように口腔外に設けられた角度表示部57に示される。
従って、グリップ30を持った状態で、受光部11のX線撮像素子の撮像面の法線の方向を自在に変化させることが可能になる。すなわち、使用者(術者若しくは被験者)がグリップ30を把持することにより、第1角度θ1が調整可能な状態で、受光部11が保持される。
保定部55に対して、受光部11やグリップ30が回転可能な状態にされるが、その回転軸53を共用することにより、回転運動に関する機構を簡素化することが可能になる。簡素化することにより、使い慣れていない被験者でも、壊さずに、簡単にグリップ30を正しく保持することが可能になる。
また、グリップ30は、保定部55や受光部11に比べて大きさの制限が緩く、内部にバッテリー39などの電気部品を内蔵させるスペースを確保しやすい。また、グリップ30の内部に電気部品を出来るだけ集めることで、歯科用口腔内X線撮影装置100のグリップ30以外の部材(受光部11や撮影補助具50)を軽くすることが可能になり、グリップ30を把持した時に、安定した状態で、歯科用口腔内X線撮影装置100のグリップ30以外の部材(受光部11や撮影補助具50)を保持することが可能になる。
本実施形態では、グリップ30が多角柱形状を有する1つの棒状部材で構成される形態であるとして説明したが、2以上の棒状部材と、ボールジョイントなどのジョイント部材が当該2以上の棒状部材の間に設けられ、当該2以上の棒状部材のなす角度を変えてグリップ30の形状を変化させる形態であってもよい。ただし、耐久性を含む構造簡素化の観点からは、かかるジョイント部材を設けずに一体の棒状部材で構成され、端部に設けられた軸受け部31における回転軸53を中心にした回転動作だけでグリップ30と保定部55との位置関係が決定する形態が望ましい。
次に、撮影補助具50の詳細について説明する。撮影補助具50は、回転軸53、保定部(保定基板)55、角度表示部57、案内部59を有する。
受光部11は、回転軸53上の接続部53aに取り付けられる。接続部53aは、第1X線源LS1を含むX線装置70を使った撮影時に、保定部55の口腔内に挿入される部分に設けられ、保定部55とのなす角(第1角度θ1)が変更可能な状態で受光部11を保持する。受光部11は、ネジ止めなどで接続部53aに固定される形態でも良いし、受光部11の一部を挟み込んで着脱可能な状態で接続部53aに取り付けられる形態であってもよい。
接続部53aに受光部11が取り付けられた状態で、撮影に必要な範囲内で、受光部11が回転軸53を中心に回転した時に、受光部11や接続部53aが保定部55と干渉しないように、これらの部材の寸法が決定される。
回転軸53は、一方の端部に接続部53aを介して受光部11が取り付けられ、他方の端部に角度表示部57が取り付けられ、接続部53aに取り付けられた受光部11の回転軸53を中心とした回転運動は、回転軸53を介して角度表示部57に伝達され、角度表示部57を回転させる。同様に、角度表示部57の回転軸53を中心とした回転運動は、回転軸53を介して接続部53aに取り付けられた受光部11に伝達され、受光部11を回転させる。また、接続部53aに取り付けられた受光部11の前面側が、保定部55の上面に近づくような付勢力が与えられるように、回転軸53等に、バネなどの付勢部材53bが設けられる(図7参照)。
さらに、回転軸53を中心とした受光部11の回転可能な状態を制御する第2ロック機構35を設ける形態であってもよい。第2ロック機構35によりロック状態にされている時は、第1角度θ1は変化せず、グリップ30等に設けられた操作ボタンの操作により、第2ロック機構35によるロック状態が解除されると付勢力で受光部11が回転する(図9参照)。グリップ30と受光部11とは回転軸53を共用しているため、かかる第2ロック機構35に連動する操作ボタンを含む構造をグリップ30に設けることも可能である。第2ロック機構35により、受光部11と保定部55の位置関係の調整を簡単に行える。
保定部55は、上から見てL字形状を有する部材であり、保定部55の一方の端部には回転軸53を介して受光部11が取り付けられ、他方の端部には案内部59が取り付けられる。
角度表示部57は、接続部53aが口腔内に挿入された時にも口腔外から見えるように、保定部55の口腔内に挿入されない部分に取り付けられ、円柱形状を有しており、該円柱形状の天面(若しくは筒状部分(側面))には、接続部53aに取り付けられた受光部11と保定部55とのなす角(第1角度θ1、図4〜図6参照)に関連する情報として、複数の目印線を含む目盛りが付されている。
本実施形態では、回転軸53を介して機械的に第1角度θ1に関する情報を角度表示部57に伝達する形態を説明するが、受光部11の近傍で第1角度θ1に関する情報を検知し、電気的に角度表示部57に伝達して表示させる形態であってもよい。
角度表示部57の目盛りと保定部55との位置関係に基づいて、すなわち、基準位置(例えば、保定部55の上面)と最も近い目印線に基づいて、口腔内に挿入されて見えない(接続部53aに取り付けられた)受光部11と保定部55とのなす角(第1角度θ1)に関する情報を読み取ることが可能になり、案内部59の位置決め部59cにおけるX線装置70の位置合わせに使用される。
なお、リーマーを取り付けた状態では、撮影対象歯牙が保定部55に接触することが出来ないため、撮影時に保定部55における撮影対象歯牙の先端が近づく部位には、リーマーを避けるように、撮影時に撮影対象歯牙と対向する位置に切欠部(又は孔部)55aを設ける形態が望ましい。
X線装置70を使った撮影時には、案内部59が、接続部53aに取り付けられた受光部11と対向するように保定部55に取り付けられる。
案内部59は、保定部接続部59a、案内リング59b、位置決め部59cを有する。案内部59は、案内リング59bが接続部53aに取り付けられた受光部11と対向する位置になるように、保定部55に取り付けられ、X線撮影におけるX線装置70の照射口の位置決め、具体的にはX線装置70の第1照射口71、第2照射口72の位置決めに使用される。
保定部接続部59aは、X線装置70を使った撮影時に保定部55の口腔内に挿入されない部分の端部に取り付けられる部材である。
案内リング59bは、接続部53a側から見て縦長の略楕円形状(正立状態の上部が開口した略U字形状でも良い(図8参照))を有し、保定部接続部59aに取り付けられる。
案内リング59bは、保定部55の上方から見て、X線撮像素子の撮像面の中心を通り、撮像面に垂直な基準線LP上から第1距離(30mm)だけ離れ、撮像面から第1距離(200mm)だけ離れた第1位置P1に第1X線源LS1が配置され、基準線LPを対称軸にして第1位置P1と線対称な第2位置P2に第2X線源LS2が配置されるように、第1X線源LS1と第2X線源LS2とを含むX線装置70を位置決めするために使用される(図7参照)。
案内リング59bの側部には、位置決め部59cが設けられる。位置決め部59cには、角度表示部57の目盛りの目印線に対応する情報(複数の位置決め用目印)が記載される。対応関係にある角度表示部57の目盛りの目印線と、位置決め部59cの位置決め用目印とは同じ色(若しくは同じ記号や文字)で示されるのが望ましい。
角度表示部57の目盛りにおける目印線のうち基準位置(例えば、保定部55の上面)に最も近いものに対応する位置決め用目印に合わせて設置したX線装置70の第1X線源LS1から出射されるX線束の中心軸(第1中心軸LX1)や、第2X線源LS2から出射されるX線束の中心軸(第2中心軸LX2)が、保定部55の側方から見て、受光部11に内蔵されたX線撮像素子の撮像面を含む面と撮影対象歯牙の歯軸との二等分面に略垂直にすることが出来るように、複数の位置決め用目印が位置決め部59cに設けられる(図6、図7参照)。
すなわち、二以上の位置決め用目印のうち、第1角度θ1に関する情報に対応する位置決め用目印に合わせてX線装置70を設置した場合に、第1X線源LS1から出射されるX線束の中心軸(第1中心軸LX1)や、第2X線源LS2から出射されるX線束の中心軸(第2中心軸LX2)が、保定部55の測方から見て、受光部11の撮像面を含む面と撮影対象歯牙の歯軸との二等分面に略垂直にすることが出来るように、二以上の位置決め用目印が位置決め部59cに設けられる。
第1角度θ1が小さい場合、すなわちX線撮像素子の撮像面が、保定部55の上面と平行に近い状態の場合には、保定部55から離れた位置決め用目印に対応する角度表示部57の目盛りの目印線が基準位置に近くなる。
第1角度θ1が大きい場合、すなわちX線撮像素子の撮像面が、保定部55の上面と垂直に近い状態の場合には、保定部55に近い位置決め用目印に対応する角度表示部57の目盛りの目印線が基準位置に近くなる。
X線装置70は、2つのX線光源(第1X線源LS1、第2X線源LS2)から照射口(第1照射口71、第2照射口72)を介してX線を照射する装置であり、三次元のX線画像を得る場合に使用される。第1照射口71からX線を照射する第1X線源(電子管)LS1と、第2照射口72からX線を照射する第2X線源(電子管)LS2とは、人間の眼間距離とほぼ同じ60mm(第1距離の2倍)程度離れた位置になるように配置され、第1X線光源LS1のターゲットから出射されたX線束の中心軸(第1中心軸LX1)と、第2X線源LS2のターゲットから出射されたX線束の中心軸(第2中心軸LX2)とは、それぞれの電子管から第2距離(200mm)離れた位置、すなわち、第1照射口71と第2照射口72を、案内リング59b近傍に配置した場合に、受光部11の近傍で交差するように、それぞれの照射口やX線源(電子管)の向きが設定される。
異なる位置(第1位置P1、第2位置P2)からのX線照射により、異なるX線画像を得ることが可能になり、これらのX線画像を組みあわせることにより立体的なX線画像を観察することが可能になる。X線束の軸(第1中心軸LX1、第2中心軸LX2)が第1X線源LS1、第2X線源LS2から第2距離(200mm)だけ離れた位置で交差するように、第1X線源LS1、第2X線源LS2の向きを調整し、かかる交差位置に撮像面が来るようにして撮像すれば、受光部11の撮像面から離れた所に不必要にX線が照射される可能性を低くすることも可能になる。
X線装置70の第1照射口71は、第1X線源LS1から出射されるX線束の中心軸(第1中心軸LX1)に垂直な面を有し、第2照射口72は、第2X線源LS2から出射されるX線束の中心軸(第2中心軸LX2)に垂直な面を有する。
X線装置70の第1照射口71と第2照射口72が、案内リング59bの所定の位置(基準位置に最も近い目盛りの目印線に対応した位置決め部59cの位置決め用目印に合わせた位置)に設置された場合に、上方から見て、第1X線源LS1から出射されるX線束の中心軸(第1中心軸LX1)と、第2X線源LS2から出射されるX線束の中心軸(第2中心軸LX2)が、ともに受光部11の撮像面の中心を通るように、案内リング59bは、側方から見て略円弧形状で、上方から見て第1照射口71や第2照射口72が接する側がV字形状を有する(図7参照)。
このため、第1照射口71、第2照射口72は、上方から見て、受光部11の撮像面の中心を通り、撮像面に垂直な基準線LPを対称軸とした線対称な位置関係で案内リング59bの近傍に配置されることになる。
なお、側方から見て第1中心軸LX1や第2中心軸LX2と平行な直線状の指標73をX線装置70の側部に設け、かかる指標73と位置決め部59cの位置決め用目印とが一致させるようにすると、位置合わせが容易に行える(図10参照)。
X線装置70を使った撮影時は、受光部11などの撮影部10の一部や、接続部53aなどの撮影補助具50の一部が、被験者の口腔内に挿入され、撮影対象歯牙の歯軸と保定部55とが垂直になるような状態で、撮影補助具50がグリップ30によって保持される。このとき、角度表示部57、案内部59は、口腔外に位置する。但し、撮影対象歯牙の歯軸と保定部55とのなす角度は垂直で無くても良い。
また、撮影時には、歯科用口腔内X線撮影装置100の被験者の口腔内に挿入される部分(保定部55の一部、受光部11、ケーブル17の一部)に、防水カバーが覆われるのが望ましい。
次に、観察装置200の詳細について説明する。観察装置200は、操作部210、画像処理部230、表示部240、観察部270(第1観察フィルタ271、第2観察フィルタ272)、第2通信部290を有する(図1、図2参照)。
操作部210は、被験者の情報を入力したり、撮像動作を開始する指示を行ったりするために使用される入力装置で、例えば、被験者のカルテ番号を入力するためのテンキーや矢印キーが用いられる。また、操作部210は、後述する第1画像データと第2画像データの一方を優先する優先対象を選択する第1選択操作、第1画像データに基づく第1X線画像と第2画像データに基づく第2X線画像のいずれを第1観察フィルタ271や第2観察フィルタ272を介して観察させるかを選択する第2選択操作の為にも使用される。
画像処理部230は、CPUやDSPを有し、観察装置200の各部を制御したり、受光部11で得られた画像信号に画像処理を施したり、第2通信部290を介して、歯科用口腔内X線撮影装置100と通信を行ったりする。
画像処理部230における画像処理について具体的に説明する。画像処理部230は、第1X線源LS1からX線が照射されているときに行われた撮像動作(第1撮像動作)で得られた画像信号について、画像処理を施して、表示部240で表示可能な第1画像データにする(第1画像処理)。画像処理部230は、第2X線源LS2からX線が照射されているときに行われた撮像動作(第2撮像動作)で得られた画像信号について、画像処理を施して、表示部240で表示可能な第2画像データにする(第2画像処理)。
図11は、第1画像データに基づく第1X線画像(右)、第2画像データに基づく第2X線画像(左)を示す。歯牙などX線が透過しにくい部分を白で示し、X線が透過しやすい部分を斜線(第1X線画像は左下がり斜線、第2X線画像は右下がり斜線)で示す。
第1画像データと第2画像データの一方を優先する優先対象を選択する第1選択操作が行われている場合には、さらに、画像処理部230は、第1画像データに基づく第1X線画像と、第2画像データに基づく第2X線画像とを重ね合わせし、第1画像データと第2画像データの一方(操作部210を使って優先対象として選択しなかった方)について、高い輝度が重複する部分の輝度を下げる(第3画像処理、図12、図13参照)。第1選択操作が行われていない場合には、第3画像処理は行われない。すなわち、第1選択操作により、第3画像処理を行うか否かの選択が行われることになる。
図12は、第1画像データに基づく第1X線画像と、第2画像データに基づく第2X線画像とを重ね合わせした状態を示す。
図13は、第1画像データを優先する選択を行い、第2画像データに基づく第2X線画像について、第1画像データに基づく第1X線画像の高い輝度の部分と重複する領域について、輝度を下げる第3画像処理を施した第2画像データに基づく第2X線画像(左)と、第1画像データに基づく第1X線画像(右)を示す。
具体的には、一定領域(例えば、画素単位)ごとに、第1画像データの輝度と、第2画像データの輝度を比較し、第1選択操作において操作部210を使って選択しなかった方の画像データの輝度が選択した方の画像データの輝度よりも高い場合に、選択しなかった方の画像データの輝度を下げる。輝度の下げ方としては、(1)現在の輝度を一定割合(例えば50%)若しくは一定輝度値だけ下げる、(2)当該一定領域の周囲で輝度が低い領域の輝度に合わせる、(3)輝度が最も低い領域の輝度に合わせるなどが考えられる。周囲で低い輝度の部分に合わせると、極端に輝度を落とす画像処理を行わずに、立体視しやすいX線画像を得ることが可能になる。
これにより、第1選択操作において優先対象として選択した画像データは変わらないが、選択しなかった方の画像データは、X線が透過しにくく白く写った部分のうち選択した画像データにおけるX線が透過しにくく白く写った部分と重複する領域が暗くなった画像に修正されることになる。
第1X線画像と第2X線画像の他方については、第3画像処理が施されない状態で表示され、第1X線画像と第2X線画像の一方については、第3画像処理が施された状態で表示される。第3画像処理が施されない第1X線画像と第2X線画像を観察する場合よりも、立体的に見える場合が考えられ、観察者の任意で第3画像処理を施したX線画像若しくは第3画像処理を施さないX線画像を選択的に表示させることが可能になる。
第1X線画像と第2X線画像のいずれについて第3画像処理を施すのが立体視に効果的であるかは、観察者の利き目などによって変動する。観察者の選択(第1選択操作)でいずれについて第3画像処理を施すか設定可能にすることで、観察しながら立体視しやすい状況を決定することが可能になる。
表示部240は、撮像動作(三次元撮像動作)で取得したX線画像を表示する。
観察部270は、板状の部材で、表示部240の表示面の前方(ここでは上部)に配置され、第1観察フィルタ271と第2観察フィルタ272を有する。第1観察フィルタ271には、青色フィルムが貼られ、第2観察フィルタ272には、赤色フィルムが貼られる。なお、本実施形態では、表示部240の表示面が上方を向いている形態を説明するが、斜め上方向や、横方向を向く形態であってもよい。
第1観察フィルタ271や第2観察フィルタ272の透過面(赤色フィルムや青色フィルムが貼られた面)は、表示部240の表示面と略平行な状態になり、観察者(被験者や術者)の一方の目は、第1観察フィルタ271を介して表示部240を観察し、他方の目は、第2観察フィルタ272を介して表示部240を観察する。これにより、立体視用のメガネをかけなくても、表示部に表示された立体視用のX線画像を立体的に観察することが可能になる。
立体視が不要な場合などに対応して、観察部270の第1観察フィルタ271や第2観察フィルタ272を介さずに表示部240を観察出来るように、第1観察フィルタ271や第2観察フィルタ272が表示部240の上部に配置された状態を解除出来る駆動装置を設ける形態であってもよい。
次に、動作手順について説明する。保定部55の一部や、受光部11等が、防水カバーで覆われた状態で、歯科用口腔内X線撮影装置100の受光部11を含む部分が、撮影対象歯牙を有する被験者の口腔内に挿入される。挿入前に、グリップ30と保定部55との位置関係(第2角度θ2)が、軸受け部31に設けられた第1ロック機構33によって、使用者の使いやすい状態で、グリップ30を保定部55に固定しておくのが望ましい。
被験者の口腔内の形状や、歯科用口腔内X線撮影装置100が挿入された位置などに基づいて、口腔内における受光部11と保定部55との位置関係が決定し、第1角度θ1が決定する。第2ロック機構35が設けられている場合には、受光部11と保定部55を広げた状態(第1角度θ1が小さい状態)で固定したロック状態で歯科用口腔内X線撮影装置100の一部が口腔内に挿入され、その後に操作ボタンを操作してロック状態を解除し、口蓋などに受光部11が接触した時に、口腔内における受光部11と保定部55との位置関係が決定する。
歯科用口腔内X線撮影装置100の使用者は、角度表示部57の目盛りを見て、基準位置に最も近い目印線を確認し、位置決め部59cにおける当該目印線に対応する位置決め用目印に指標73を合わせるようにして、X線装置70の照射口(第1照射口71と第2照射口72)を設置する。その後、X線装置70によるX線の照射、カルテ番号の入力、電源の立ち上げなど、後述するような所定の操作を行うことにより、撮像動作が行われる。
所定の桁数(例えば3桁)のカルテ番号が、操作部210を使って入力されると、画像処理部230は、表示部240上に、「X線装置70を操作して、第1X線源LS1によるX線照射を開始し、操作部210の特定のキー(例えばリターンキー)を押下してください」と表示させる。
術者などの操作に基づいてX線装置70の第1X線源LS1からのX線照射を開始させた後、該特定のキーが押下されると、画像処理部230は、第2通信部290、第1通信部37を介して、受光部11に撮像動作(第1撮像動作)を行わせ、受光部11のX線撮像素子は、シンチレータで変換された可視光を撮像する。
第1撮像動作で得られた画像信号は、第1通信部37、第2通信部290を介して画像処理部230に送られる。
次に、画像処理部230は、表示部240上に、「X線装置70を操作して、第2X線源LS2によるX線照射を開始し、操作部210の特定のキー(例えばリターンキー)を押下してください」と表示させる。
術者などの操作に基づいてX線装置70の第2X線源LS2からのX線照射を開始させた後、該特定のキーが押下されると、画像処理部230は、第2通信部290、第1通信部37を介して、受光部11に撮像動作(第2撮像動作)を行わせ、受光部11のX線撮像素子は、シンチレータで変換された可視光を撮像する。
第2撮像動作で得られた画像信号は、第1通信部37、第2通信部290を介して画像処理部230に送られる。
X線装置70は、第1X線源LS1がX線を出射している状態と、第2X線源LS2がX線を出射している状態とを識別可能な情報を出力する出力装置を備えることが望ましい。例えば、第1X線源LS1のX線出射と第2X線源LS2のX線出射とを外部から識別出来るような表示部材(不図示)や、X線装置70から観察装置200(特に画像処理部230)にかかる情報を出力する信号送信部材が考えられる。信号送信部材を使った場合には、画像処理部230が、第1X線源LS1や第2X線源LS2のX線出射が行われているか否かを認識し、画像処理部230が、第1撮像動作や第2撮像動作のタイミングの制御が行えるメリットがある。
なお、本実施形態では、X線源を2つ有するX線装置70を使って、第1撮像動作、及び第2撮像動作を行う形態を説明するが、X線源を1つ有するX線装置を使い、案内リング59bの一方の側部の位置決め部59cにおける位置決め用目印に当該X線装置を合わせた状態で第1撮像動作を行い、案内リング59bの他方の側部の位置決め部59cにおける位置決め用目印に当該X線装置を合わせた状態で第2撮像動作を行う形態であってもよい。
第1撮像動作に基づいて受光部11から出力された画像信号は、画像処理部230で第1画像処理が施され、表示部240に表示可能な第1画像データにされ、第2撮像動作に基づいて受光部11から出力された画像信号は、画像処理部230で第2画像処理が施され、表示部240に表示可能な第2画像データにされる。第1画像データ、第2画像データには、カルテ番号などの被験者の情報も登録され、被験者情報は、画像上に重ね合わせされてもよいし、画像データのヘッダに付加されてもよいし、ファイルネームの一部に使用されてもよい。
次に、第3画像処理が行われる。第1画像データと第2画像データの一方を優先する優先対象を選択する第1選択操作が行われている場合には、第1画像処理と第2画像処理の後に、自動的に第3画像処理が行われる形態であってもよいし、第3画像処理が行われる前の状態で、第1画像データに基づく第1X線画像と第2画像データに基づく第2X線画像とを表示部240に表示させた後に、使用者の選択操作により、第3画像処理を開始する形態であってもよい。
画像処理後の第1画像データ、第2データは、表示部240に送られ、表示部240が三次元のX線画像(第1画像データに基づく第1X線画像と、第2画像データに基づく第2X線画像とを、組みあわせた画像)を表示する。
2つのX線画像を組みあわせた表示方法は、以下のように幾つか挙げられ、それぞれの表示方法に応じて、画像処理方法が異なってくる。本実施形態では、組み合わせ処理は、表示装置(表示部240)側で行う形態、すなわち画像処理部230が第1画像データと第2画像データを表示部240に送り、表示部240が、第1画像データと第2画像データとを組み合わせて、組み合わせ後のX線画像を表示するが、組み合わせ処理を画像処理部230側で行う形態であってもよい。
本実施形態では、組み合わせ処理として、第1画像データに基づく第1X線画像と、第2画像データに基づく第2X線画像の一方を赤で、他方を青で重ねた画像を表示させる(図12参照)。表示部240に表示された画像を、一方の目が第1観察フィルタ271を介し、他方の目が第2観察フィルタ272を介して観察すると、立体的な画像に見える。
例えば、表示部240に、第1画像データに基づく第1X線画像を赤で表示させ、第2画像データに基づく第2X線画像を青で表示させる。第1X線画像における白い部分は薄い赤で、黒い部分は濃い赤で表示される。第2X線画像における白い部分は薄い青で、黒い部分は濃い青で表示される。ただし、濃淡を逆にする、すなわち、第1X線画像における白い部分は濃い赤で、黒い部分は薄い赤で表示させ、第2X線画像における白い部分は濃い青で、黒い部分は薄い青で表示させる形態であってもよい。
第1画像データと第2画像データの一方を優先する優先対象を選択する第1選択操作が行われている場合には、第1X線画像と、第2X線画像の一方(本実施形態では、第2X線画像)は、第3画像処理によって、X線が透過せずに白く写った部分のうち他方の画像データにおけるX線が透過しにくく白く写った部分と重複する領域が暗くなった画像に修正された状態で表示される(図13、図14参照)。
観察者の一方の目は、青色フィルムが貼られた第1観察フィルタ271を介して、第1画像データに基づく赤い第1X線画像(被験者から見て右側の第1X線源LS1から照射されたX線の投影像)を観察し、観察者の他方の目は、赤色フィルムが貼られた第2観察フィルタ272を介して、第2画像データに基づく青い第2X線画像(被験者から見て左側の第2X線源LS2から照射されたX線の投影像)を観察する。
観察者が立体的に見えやすい画像を表示出来るように、第1画像データに基づくX線画像と、第2画像データに基づくX線画像のいずれを赤の光で表示させるか(どちらの画像を観察者のどちらの目で観察させるか)については、観察者などが手動で設定出来る形態であってもよい(第2選択操作)。これにより、観察者と観察部との位置関係や、立体視の見やすさに応じて、表示条件を調整することが可能になる。
また、組み合わせ処理として、第1X線画像、第2X線画像に偏光をかけた上で重ねた画像を表示させる形態であってもよい。この場合は、第1観察フィルタ271と第2観察フィルタ272には、異なる偏光フィルムが設けられる。表示部240に表示された画像を、一方の目が第1観察フィルタ271を介し、他方の目が第2観察フィルタ272を介して観察すると、立体的な画像に見える。
また、組み合わせ処理として、第1X線画像と、第2X線画像とを交互に表示させる形態であってもよい。この場合は、第1観察フィルタ271と第2観察フィルタ272には、画像の切り替えタイミングと同期して一方の視界が交互に遮断される液晶シャッタが設けられる。表示部240に表示された画像を、一方の目が第1観察フィルタ271を介し、他方の目が第2観察フィルタ272を介して観察すると、立体的な画像に見える。
また、観察部270を省略し、表示部240の前面に、遮光バリアを設けてパララックスバリア方式で第1X線画像と第2X線画像を表示させる形態や、レンティキュラレンズを設けてレンティキュラ方式で第1X線画像と第2X線画像を表示させる形態も考えられる。
なお、第1観察フィルタ271や第2観察フィルタ272は、観察装置200に取り付けられた形態でもよいが、メガネの左右のレンズそれぞれに取り付けられる形態であってもよい。
また、組み合わせ処理として、第1X線画像と、第2X線画像とを横に並べて表示させる形態であってもよい。この場合、眼鏡や観察部270を用いず、平行法や交差法を使って、両画像を観察する。
本実施形態では、基準位置(例えば、保定部55の上面)に一番近い目印線に対応する位置決め部59cの位置決め用目印に合わせて、X線装置70の照射口を配置すれば、X線装置70のX線源(第1X線源LS1、第2X線源LS2)から出射されるX線束の中心軸(第1中心軸LX1、第2中心軸LX2)が、側方から見て、受光部11に内蔵されたX線受光部の撮像面を含む面と撮影対象歯牙の歯軸との二等分面に略垂直にすることが出来、二等分面撮影法により、実長に近い状態で撮影対象歯牙のX線画像を得ることが可能になる。
なお、本実施形態では、二等分面撮影法を考慮して、すなわち、X線束の中心軸(第1中心軸LX1、第2中心軸LX2)が、側方から見て、受光部11に内蔵されたX線撮像素子の撮像面を含む面と撮影対象歯牙の歯軸との二等分面に略垂直になるように、案内リング59bの側部の形状や、位置決め部59cの位置決め用目印が決定される形態を説明したが、他の撮影法を考慮してこれらを決定する形態であってもよい。
例えば、X線束の中心軸(第1中心軸LX1、第2中心軸LX2)が、側方から見て、受光部11に内蔵されたX線撮像素子の撮像面を含む面に略垂直になるように、案内リング59bの側部の形状や、位置決め部59cの位置決め用目印が決定される形態であってもよい。
組み合わせ処理では、第1X線画像と第2X線画像とを縦横ともにズレ無く重ね合わせる形態が考えられるが、操作部210を使って重ね合わせする位置を調整する形態であってもよい。
例えば、図15、図16のように、第1X線画像と第2X線画像とを横方向にずれた状態で重ね合わせし、図17のように、重なり合った部分を表示させる形態が考えられる。これにより、観察者が立体視しやすいように表示条件を調整することが可能になる。
また、重ね合わせ位置を調整した上で、第3画像処理を行うことで、第3画像処理の実行有無と、重ね合わせ位置の調整とで、観察者が立体視しやすい表示条件を調整することが可能になる。
なお、本実施形態では、歯科用口腔内X線撮影装置100を使って得られたX線画像を使って説明したが、歯科用に限るものではなく、X線画像を立体視する他のX線画像表示にも適用することが出来る。
1 歯科用口腔内X線撮影システム
10 撮影部
11 受光部
17 ケーブル
30 グリップ
31 軸受け部
33 第1ロック機構
35 第2ロック機構
37 第1通信部
39 バッテリー
50 撮影補助具
53 回転軸
53a 接続部
53b 付勢部材
55 保定部
57 角度表示部
59 案内部
59a 保定部接続部
59b 案内リング
59c 位置決め部
70 X線装置
100 歯科用口腔内X線撮影装置
200 観察装置
210 操作部
230 画像処理部
240 表示部
270 観察部
271、272 第1観察フィルタ、第2観察フィルタ
290 第2通信部
LX1、LX2 第1中心軸、第2中心軸
LP 上方から見て、X線受光部の撮像面の中心を通り、撮像面に垂直な線
LS1、LS2 第1X線源、第2X線源

Claims (7)

  1. 撮影対象物に第1位置からX線を照射した際の投影像に基づいて、第1X線画像を得るための第1画像処理と、前記撮影対象物に前記第1位置と異なる第2位置からX線を照射した際の投影像に基づいて、第2X線画像を得るための第2画像処理と、前記第1X線画像と前記第2X線画像の一方について、前記第1X線画像と前記第2X線画像の他方と比較して、高い輝度の領域について輝度を下げる第3画像処理を施す画像処理部と、
    前記第3画像処理を施すか否かについて選択するために使用される操作部と、
    前記第3画像処理を施すことが選択された場合に、前記第1X線画像と前記第2X線画像の一方であって前記第3画像処理が施されたものと、前記第1X線画像と前記第2X線画像の他方とを表示する表示部とを備えることを特徴とするX線画像処理装置。
  2. 前記操作部は、前記第1X線画像と前記第2X線画像のいずれかを選択するために使用され、
    前記選択に基づいて、前記第3画像処理を施すX線画像が決定されることを特徴とする請求項1に記載のX線画像処理装置。
  3. 前記操作部は、前記第3画像処理において、前記第1X線画像と前記第2X線画像の領域ごとの輝度を比較する際の、重ね合わせ位置を調整するために使用されることを特徴とする請求項1に記載のX線画像処理装置。
  4. 観察者の一方の目で前記第1X線画像と前記第2X線画像の一方を観察するために使用される第1観察フィルタと、前記観察者の他方の目で前記第1X線画像と前記第2X線画像の他方を観察するために使用される第2観察フィルタとを有する観察部を更に備え、
    前記第1観察フィルタと前記第2観察フィルタとが、前記表示部の前面に配置され、
    前記操作部は、前記第1X線画像と前記第2X線画像のそれぞれが前記第1観察フィルタと前記第2観察フィルタのいずれを介して観察可能な状態にするかについて選択するために使用されることを特徴とする請求項1に記載のX線画像処理装置。
  5. 前記第3画像処理における輝度比較は、X線画像の一定領域ごとに行われ、前記一定領域の周囲で輝度が低い領域の輝度に合わせることで、高い輝度の領域について輝度を下げる処理が行われることを特徴とする請求項1に記載のX線画像処理装置。
  6. 撮影対象物に第1位置からX線を照射した際の投影像に基づいて、第1X線画像を得るための第1画像処理ステップと、
    前記撮影対象物に前記第1位置と異なる第2位置からX線を照射した際の投影像に基づいて、第2X線画像を得るための第2画像処理ステップと、
    前記第1X線画像と前記第2X線画像の一方について、前記第1X線画像と前記第2X線画像の他方と比較して、高い輝度の領域について輝度を下げる第3画像処理ステップとを備えることを特徴とするX線画像処理方法。
  7. 前記第1X線画像と前記第2X線画像の一方であって前記第3画像処理が施されたものと、前記第1X線画像と前記第2X線画像の他方とを表示する表示ステップを更に備えることを特徴とする請求項6に記載のX線画像処理方法。

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