JP2014138218A - 無線通信システム、無線通信装置および無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム、無線通信装置および無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非線形MIMO通信において、モジュロ格子サイズの設定誤差の影響を低減して、受信性能を向上させることが可能な無線通信システムを提供する。
【解決手段】直交周波数分割多重方式で変調された信号をベクトルパータベーションによる非線形MIMO方式により無線通信する移動端末において、格子位置推定部2209は、拡大信号点配置における信号の格子位置を推定し、チャネル復号化部2218は、モジュロ演算された信号を所定のコンスタレーションについて復調した信号に対して、推定された格子位置に基づき重みづけられた尤度値に応じて誤り訂正を行う。
【選択図】図6

Description

この発明は、複数のアンテナを有する基地局と、端末装置の存在する無線通信システムに関し、より特定的には、MIMO(Multiple Input Multiple Output)通信の無線通信システムにおける復号処理技術に関連する、無線通信システム、無線通信装置および無線通信方法に関する。
近年、ユーザ数の増加やスマートフォンの普及等に伴い無線通信システムのトラフィック量が爆発的に増加している。
この傾向は今後益々加速すると予想されており、無線通信システムのトラフィック収容能力の著しい改善が急務である。無線通信システムの面的周波数利用効率の改善に向けては様々な手法が検討されており、中でも基地局当たりのアクティブユーザ数の減少ならびに基地局(BS)−移動端末(UE)間伝搬損失の低減を念頭においた小セル化や、セル内総スループットと各端末のスループットの双方を同時に改善するマルチユーザMIMO(Multi−Input Multi−Output;多入力多出力)伝送の高度化は面的周波数利用効率の改善に有効な手法として期待されている。
ここで、MIMO技術は、その有効性から無線LAN(Local Area Network)(非特許文献1)や携帯電話(非特許文献2)など数多くの通信システムに採用されている。MIMO技術により高い効果を得るためには、一般にはMIMOを構成するアンテナ素子間の相関が低いこと、そのためには受信側の各アンテナ素子に到来する信号の伝搬路による位相や振幅の変化が出来るだけ独立となる事が望まれる。
しかし、送受信のアンテナが互いに見通しとなる環境などでは信号の強い直接波が支配的となり反射波の影響が相対的に減ることから伝搬経路の多様性が失われMIMOの効果が減ることがある。携帯電話等のシステムにおいて周波数の有効利用のために小セル化が行われるとより一層その可能性が高まる。
そして、複数のユーザを対象としたMIMO技術として、上述したマルチユーザMIMO技術について、すでにいくつかの提案がされている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。マルチユーザMIMOは、基地局(またはアクセスポイント)側に多数のアンテナ素子をもたせるとともに、端末側は比較的少数のアンテナ素子をもたせ、基地局と複数の端末とで同時に仮想的なMIMOチャネルを形成するものである。
つまり、マルチユーザMIMO送信技術とは、送信局側において複数の送信アンテナから同一周波数同一タイミングで異なる独立な信号を複数の通信相手装置に送信し、複数の通信相手装置に接続されている受信アンテナ全体を巨大な受信アレーとみなして複数ユーザへの同時通信と周波数利用効率の向上を図る技術である。携帯電話システムの下りリンクにおいては、端末機器の大きさからアンテナ素子数が制限される事が多くMIMOによる空間多重効果に限界が生じるが、同一周波数・同一時刻で、複数の端末装置に信号を送信する下りリンクMU−MIMO(Multi−User MIMO)システムは、この様な状況でも大きな伝送容量を達成できる。
このようなマルチユーザMIMOの手法は、たとえば、LTE(Long Term Evolution)や、LTE−A(Long Term Evolution Advanced;LTEの拡張)でも採用されている。(非特許文献3参照)
このようなマルチユーザMIMO技術には、線形MU−MIMO方式と非線形MU−MIMO方式とが知られている。
下りリンクにおいて、線形MU−MIMO方式は、基地局装置が送信信号に線形フィルタを乗算して(線形プリコーディング)、端末装置を空間多重する技術である。
一方で、非線形MU−MIMO方式としては、たとえば、VP(Vector Perturbation)MU−MIMO方式や、THP(Tomlinson Harashima Precoding)MU−MIMO方式などがある(非特許文献4、特許文献4を参照)。
すなわち、一般的なセルラシステムのように、各移動端末のアンテナ素子数が基地局の素子数に比べて少ない状況における下りリンク線形マルチユーザMIMO伝送では、基地局側でプリコーディング処理を行い、ストリーム分離を実現する。このプリコーディング手法としては、ゼロフォーシング(ZF:zero-forcing)規範や平均2乗誤差最小(MMSE:minimum mean square error)規範等に基づきアンテナ重みを生成し、これを送信シンボルに乗じて送信する空間フィルタリング(線形プリコーディング)が挙げられる。
空間フィルタリングは、各受信アンテナ間の伝搬路相関が小さい場合に高いビームフォーミング利得が得られるが、伝搬路相関が大きい場合にはビームフォーミング利得が小さくなる。このため、各ストリームに対して同等の伝送性能を実現するにはビームフォーミング利得の小さいストリームに対するアンテナ重みのノルムを大きくする(すなわち、大きな送信電力を割り当てる)必要がある。しかし、送信機の総送信電力には上限があるため、このような場合は送信機における電力効率が劣化し、sum−rateの低下を引き起こす(非特許文献4)。
この問題の克服する手段の一つとして、上述した非線形プリコーディングの一種であるベクトルパータベーション法やTHP法が注目を集めている(非特許文献4,特許文献4)。たとえば、VP法はノルムの大きなアンテナ重みに起因する送信信号の平均ノルムの増大、すなわち電力効率の低下を抑えるために、摂動ベクトル(Perturbation Vector)と呼ばれるオフセットベクトルを各ストリームの送信シンボルに加算して信号送信を行う。この摂動ベクトルは受信信号に対して適切な格子サイズのモジュロ(modulo)演算を適用することで除去可能となるように生成される。具体的には、通常の1次変調信号点をIQ平面上に一定間隔で繰り返した拡大信号点配置を用い、拡大信号点中の1点を選択することで摂動ベクトルの付加された送信信号を生成する。
すなわち、非線形プリコーディングを用いたMU−MIMOでは、QPSKやQAMなどのデジタル変調で使用する信号点を本来配置する空間の外側も使用する事でMIMOの性能劣化を防いでいる。
特開2005−328312号公報 特開2007−110664号公報 特開2009−177616号公報 特開2011−250073号公報
IEEE802.11n Standard 3GPP Standard 36.211 Physical channels and modulation 3GPP Technical Specification 36.211 v8.9.0 Hochwald, B.M. et al., "A vector-perturbation technique for near-capacity multiantenna multiuser communication-part II: perturbation," IEEE Transactions on Communications, vol.53, no.3, pp. 537-544, March 2005.
しかしながら、モジュロ格子サイズの適切な値は受信側では未知の値であるため、このようなモジュロ演算の操作では本来信号点を配置する空間と増加させた信号点が存在する空間との境界までの距離を受信側で推定する必要があり、この推定誤差が性能劣化の原因となる。推定誤差は外側へ行くほど大きくなる。
本発明の目的は、非線形MIMO通信において、モジュロ格子サイズの設定誤差の影響を低減して、受信性能を向上させることが可能な無線通信システム、無線通信装置および無線通信方法を提供することである。
この発明のある局面に従うと、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で、所定の変調方式で変調された信号を非線形MIMO(Multiple Input Multiple Output)方式により無線通信する無線通信システムであって、第1の無線通信装置は、複数の第1のアンテナと、第2の無線通信装置に対する伝送路のチャネル状態に基づいて、非線形プリコーディングを行い、アンテナ指向性を制御するためのプリコーディング処理を実行するプリコーディング部と、プリコーディング部の出力を複数の第1のアンテナから所定の変調方式で送信するための送信処理部とを備え、第2の無線通信装置は、第2のアンテナと、第1の無線通信装置からの信号を所定の変調方式に対する復調処理を実行して受信するための受信処理部と、受信処理部からの信号に対し、モジュロ演算のためのモジュロ幅を推定し、拡大信号点配置における信号の格子位置を推定する格子位置推定部と、推定されたモジュロ幅により摂動ベクトルの影響を除去するためのモジュロ演算を行うモジュロ処理部と、モジュロ演算された信号に対して所定のコンスタレーションに基づく復調処理と、格子位置に基づき重みづけられた尤度値の算出とを行い、尤度値に応じて誤り訂正を行うための復号処理部とを備える。
好ましくは、格子位置に基づき重みづけられた尤度値は、拡大信号点配置における信号点の原点からの距離の増加に伴い、より小さくなるように重みづけられた尤度値である。
好ましくは、復号処理部は、重みづけられた尤度値に基づく軟判定処理により、誤り訂正を行う。
好ましくは、格子位置は、拡大信号点配置において、信号点が中心点から何個目のモジュロ格子に属するかを示す情報であり、格子位置に基づき重みづけられた尤度値は、所定の定数に対して格子位置を乗数とする値を重み係数とする。
好ましくは、非線形MIMO方式は、VP(Vector Perturbation)法である。
この発明の他の局面に従うと、所定の変調方式で変調された信号を非線形MIMO方式により基地局から受信する無線通信装置であって、非線形MIMO方式では、非線形プリコーディングが実行されており、アンテナと、基地局からの信号を所定の変調方式に対する復調処理を実行して受信するための受信処理部と、受信処理部からの信号に対し、モジュロ演算のためのモジュロ幅を推定し、拡大信号点配置における信号の格子位置を推定する格子位置推定部と、推定されたモジュロ幅により摂動ベクトルの影響を除去するためのモジュロ演算を行うモジュロ処理部と、モジュロ演算された信号に対して所定のコンスタレーションに基づく復調処理と、格子位置に基づき重みづけられた尤度値の算出とを行い、尤度値に応じて誤り訂正を行うための復号処理部とを備える。
好ましくは、格子位置に基づき重みづけられた尤度値は、拡大信号点配置における信号点の原点からの距離の増加に伴い、より小さくなるように重みづけられた尤度値である。
好ましくは、復号処理部は、重みづけられた尤度値に基づく軟判定処理により、誤り訂正を行う。
好ましくは、格子位置は、拡大信号点配置において、信号点が中心点から何個目のモジュロ格子に属するかを示す情報であり、格子位置に基づき重みづけられた尤度値は、所定の定数に対して格子位置を乗数とする値を重み係数とする。
好ましくは、非線形MIMO方式は、VP法である。
この発明のさらに他の局面に従うと、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で、所定の変調方式で変調された信号を非線形MIMO方式により無線通信する無線通信方法であって、第1の無線通信装置が、第2の無線通信装置に対する伝送路のチャネル状態に基づいて、非線形プリコーディングを行い、アンテナ指向性を制御するためのプリコーディング処理を実行するステップと、第1の無線通信装置が、プリコーディング処理後の信号を複数の第1のアンテナから所定の変調方式で送信するステップと、第2の無線通信装置が、第1の無線通信装置から第2のアンテナにより受信した信号を所定の変調方式に対する復調処理を実行して受信するステップと、第2の無線通信装置が、復調された信号に対し、モジュロ演算のためのモジュロ幅を推定し、拡大信号点配置における信号の格子位置を推定するステップと、第2の無線通信装置が、推定されたモジュロ幅により摂動ベクトルの影響を除去するためのモジュロ演算を行うステップと、第2の無線通信装置が、モジュロ演算された信号に対して所定のコンスタレーションに基づく復調処理と、格子位置に基づき重みづけられた尤度値の算出とを行い、尤度値に応じて誤り訂正を行うステップとを備える。
本発明の無線通信システム、無線通信装置および無線通信方法によれば、非線形MIMO通信において、モジュロ格子サイズの設定誤差の影響を抑制して、受信性能を向上させることが可能である。
ベクトルパータベーションにおける拡大信号点配置を示す図である。 受信側でモジュロ格子サイズの推定を行った結果、拡大信号点配置における推定誤差の影響を示す図である。 受信側で誤ったモジュロ境界が設定された結果、復号処理において生じる誤りを説明する図である。 実施の形態の無線通信システム10の構成を説明するための機能ブロック図である。 基地局1000における信号プロセッサ1204の構成を説明するための機能ブロック図である。 移動端末2000における信号プロセッサ2204の構成を説明するための機能ブロック図である。 基地局側と移動局側との処理を説明するためのフローチャートである。 重み付け係数と拡大信号点配置との関係を示す図である。 QPSKについてのシミュレーション結果を示す図である。 16QAMについてのシミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態の無線通信システムについて、図に従って説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
また、以下の説明では、上述したLTE−Advancedで採用されるMU−MIMO方式の送受信の構成を基本的なシステム構成として、例にとって説明することとするが、本発明は、このような場合に限定されることなく、MIMO通信において、モジュロ演算を利用する非線形MIMO方式に適用することが可能である。
(システムの動作原理)
まず、一般的なシステムの動作原理の説明を行う。
そこで、以下では、ユーザ数がKの下りリンクマルチユーザMIMO伝送を想定する。また、送信アンテナ数をNt、移動端末当たりの受信アンテナ数をNrとする。従って、総受信アンテナ数はKNrである。ここでNt=KNrが成り立つとし、送信データストリーム数NdはNtに等しいとする。
以下、単一のサブキャリアに着目して説明を行う。なお、(・)*、(・)Tならびに(・)Hは複素共役、転置行列、ならびに複素共役転置行列をそれぞれ表す。また、jは虚数単位、E[・]と|・|2(数式上は縦二重線)は、それぞれアンサンブル平均ならびに2乗ユークリッドノルムを表す。
受信信号y=(y,y2,…yKNrTは次式で与える。
ここで、z=(z,z2,…zKNrTはプリコーディング後の送信信号ベクトル、Hはサイズが(KNr×Nt)の伝搬路行列、n=(n,n2,…nKNrTは加法性白色ガウス雑音(AWGN)ベクトルをそれぞれ表す。
(ベクトルパータベーション(VP))
以下では、非線形MIMOにおけるプリコーディングの例として、MMSE規範に基づくアンテナ重みを用いるベクトルパータベーションを想定するものとする。一般的な送信空間フィルタリングでは、送信シンボルベクトルx=(x,x2,…xKNrTに対してアンテナ重み行列Wを乗じて送信する、MMSE規範に基づくアンテナ重み行列Wは以下で与えられる。
ここで、H(ティルダ)(Hの上に“〜”がついたものを以後このように表記する)は送信側が伝搬路フィードバック等の手法により取得した伝搬路行列であり、Iはサイズが(KNr×Nt)の単位行列、γ0は受信側における平均SNR(signal-to-noise ratio)をそれぞれ表す。空間フィルタリングの送信信号ベクトルzは次式で与えられる。
ここで、Pは平均送信電力を表す。式(1)および式(3)から、電力正規化を行う前の送信信号Wxの2乗ユークリッドノルムγSFが小さくなるほど、受信SNRは大きくなることが分かる。
そこで、ベクトルパータベーションはγSFを低減するために摂動ベクトルを送信シンボルに加算して送信する。その際、摂動ベクトルは付加情報を必要とせずに受信側で除去できる必要がある。
図1は、ベクトルパータベーションにおける拡大信号点配置を示す図である。
上述したようなベクトルパータベーションの処理を実現するために、図1(a)に示すように、送信側では、通常の1次変調信号点をIQ平面上に一定間隔τで繰り返した拡大信号点配置を用いる。そして、電力正規化前の送信信号の平均2乗ユークリッドノルムが最小となるように、各ストリーム対して送信シンボルxiに対応する1点をそれぞれ選択する。これらは、以下の式(5)を満たすl(ティルダ)(英文字の上に“〜”を付したものを以下このように記載する)を探索する処理である。
ここで、τl(l=(l1,…,lNdT)は拡大信号点配置上の送信シンボルベクトルと元の送信シンボルベクトルとの差に相当する摂動ベクトル、Lは拡大信号点配置のサイズ(摂動ベクトルの探索範囲)を示す整数値である。この結果、送信信号の電力正規化前平均2乗ユークリッドノルムは次式で表される。
なお、以下では、拡大信号点配置における最小信号点距離が元の信号点配置におけるそれと同一となるようτを設定する。以上より、VP使用時の送信信号ベクトルは次式で表される。
受信側ではプリコーディング誤差に起因する受信信号の位相誤差を補償した後に、図1(b)に示すように受信信号の各要素に対してモジュロ演算を適用することで摂動ベクトルの影響を除去する。第iストリームに対応する処理は次式で表される。
ここで、gi,i(ハット)(gの上に“^”がついたものを以下このように表記する。“^”は推定値であることを示す。)は第i受信アンテナにおける第iストリームのプリコーディング後伝搬路推定値を表す。最後に、摂動ベクトル除去後の受信信号yi(ティルダ)を用いてシンボル復調を行う。なお、τは、送信側のモジュロ幅(モジュロ格子サイズ)を表し、τ′は、受信側でのモジュロ幅を表す。
このような送信側のモジュロ幅τについての情報は、適切なタイミングで、送信側から受信側に通知されているものとする。
(モジュロ格子サイズ設定)
摂動ベクトルを除去するためのモジュロ格子サイズτ′は、通常は、HW〜Iの関係から、以下の式(10)のように設定される。
しかし、実際にはγVPは受信側では未知な値であるため、何らかの手法によりτ′を設定する必要がある。
たとえば、拡大信号点配置の格子サイズτと所望波成分のプリコーディング後伝搬路推定値gi,i(ハット)を用いて、式(11)に基づきモジュロ格子サイズの設定を行うことも可能である。
ただし、MMSE重みに基づく空間フィルタリングは、残留干渉を許容して所望信号点からの平均2乗誤差を最小化するように働く。これは、所望波成分の受信電力は実際に受信される信号の電力よりも小さくなることを意味する。このため、所望波成分のプリコーディング伝搬路推定値gi,i(ハット)を用いて設定されたモジュロ格子サイズτ′(ハット)は、所望の値である式(10)の値よりも小さい値となる傾向にある。
モジュロ格子サイズの推定値τ′(ハット)を推定する手法については、他にも提案はあるものの、推定誤差が存在することには、変わりはない。
さらに、図1(b)に示すように、このようなモジュロ演算により、受信信号点を拡大信号点配置から、本来の信号点配置にもどす処理を行うことは、信号点に対する尤度にも影響を与える。
すなわち、VP法やTHP法では、本来の送信シンボルをそのまま送信するときとτを格子サイズとして拡大した信号点のいずれかで送信するときがある。従来は、受信側ではτ´を格子サイズとしたモジュロ演算によって元の信号点に戻した後に、送信したであろう候補点との最小二乗距離から尤度値(LLR値)を求めていた。このとき、どの拡大信号点を使われていても尤度値の計算は同じとすることになる。
ただし、実際には、モジュロ演算操作では本来信号点を配置する空間と増加させた信号点が存在する空間との境界までの距離を受信側で推定する必要があり、この推定誤差推定誤差は外側へ行くほど大きくなる。したがって、本来は、尤度についても、拡大信号点配置での位置を考慮した計算を行うことが必要である。
そこで、本実施の形態では、図1(b)に示すように、拡大信号点配置での位置情報を考慮して、受信信号点の尤度値を計算する。
図2は、受信側でモジュロ格子サイズの推定を行った結果、拡大信号点配置における推定誤差の影響を示す図である。
モジュロ演算の格子サイズは受信側で未知のため伝搬路推定値から計算しなければならない。伝搬路推定誤差により格子サイズの設定誤差も引き起こされる。
図2に示すように、受信側でのモジュロ格子サイズの推定値τ′(ハット)が、本来のモジュロ格子サイズよりも小さい場合、正しいモジュロ境界と誤ったモジュロ境界との誤差は、拡大信号点配置において、原点から遠くなるほど、大きくなる。逆に、モジュロ格子サイズの推定値τ′(ハット)が、本来のモジュロ格子サイズよりも大きい場合でも同様である。
したがって、より外側の拡大信号点が使われたときには確からしさがより低下していることになり、尤度値計算でも、このような事情を考慮することが必要である。
図3は、受信側で誤ったモジュロ境界が設定された結果、復号処理において生じる誤りを説明する図である。
信号点を、拡大信号点配置から、モジュロ演算により本来の信号点配置にもどす処理を「モジュロ演算によるリマッピング」と呼ぶことにする。
図3では、このような誤差を強調して説明している。
受信側でのモジュロ格子サイズの推定値τ′(ハット)が、本来のモジュロ格子サイズよりも小さいことにより、受信側での拡大信号点配置において、より原点から遠い側の信号点は、モジュロ演算によるリマッピングによって、本来のシンボル位置とは大きく異なった位置に、リマッピングされてしまうことがわかる。
そこで、本実施の形態では、以下により詳しく説明するような方式により、信号点の尤度値に重みづけを行う処理をする。
(無線通信システムの概要)
図4は、本実施の形態の無線通信システム10の具体的構成を説明するための機能ブロック図である。
図4においては、ユーザ数をK=4、送信アンテナ数をNt=8、移動端末当たりの受信アンテナ数をNr=2とする。
図4を参照して、送信側の基地局1000は、送信信号をデジタル信号として符号化するなどの処理を行う信号処理部1200と、符号化された信号をアナログ信号へと変換して高周波信号にアップコンバートし、アンテナ1002−1〜1002−8から送信するためのRF処理部1100とを備える。
ここで、図4では、例として、基地局1台、移動端末(移動局)4台による8×8MIMO構成を示しており、基地局1000には、アンテナが8本設けられている。基地局のアンテナ本数や、移動局の台数、移動局のアンテナ本数については、このような数に限定されるものでなない。
図4においては、RF処理部1100と信号処理部1200との間の信号伝達は、光通信で行われる構成となっている。信号伝達の方式も、光通信に限定されることなく、たとえば、RF処理部1100と信号処理部1200とが1つの筐体内に収められて、電気的な信号で信号の授受が行われる構成であってもよい。
また、基地局1000においては、RF処理部1100は、アンテナ1002−1〜1002−8により受信した信号をダウンコンバートして、デジタル信号に変換する受信処理も実行し、信号処理部1200は、RF処理部1100からの信号をデジタル信号として復号処理化するなどの処理も行う。
すなわち、RF処理部1100は、アンテナ1002−1〜1002−8にそれぞれ対応して設けられ、高周波信号の送受信のフロントエンドとして機能するRF部1102−1〜1102−8と、RF部1102−1〜1102−8にそれぞれ対応して設けられ、送信号をデジタルアナログ変換し、受信信号をアナログデジタル変換するためのA/DおよびD/A変換部1104−1〜1104−8と、信号処理部1200とそれぞれ光通信で信号の授受を行うための光インタフェース(光I/F)部1106−1〜1106−8とを備える。
信号処理部1200は、RF処理部1100とそれぞれ光通信で信号の授受を行うための光I/F部1202−1〜1202−8と、光I/F部1202−1〜1202−8にそれぞれ対応して設けられ、送信信号の符号化や受信信号の復号化のデジタル信号処理を実行するための信号プロセッサ1204−1〜1204−8とを備える。
信号プロセッサ1204−1〜1204−8の構成については、後述する。
一方、受信側の移動端末2000−1〜2000−4(なお、以下、移動端末を総称する必要がある場合は、移動端末2000と表記する)は、それぞれ、基本的に同様の構成を有するので、以下では、移動端末2000−1の構成について説明する。
移動端末2000−1は、送信信号をデジタル信号として符号化するなどの処理を行う信号処理部2200−1と、符号化された信号をアナログ信号へと変換して高周波信号にアップコンバートし、2本のアンテナ2002−1〜2002−2から送信するためのRF処理部2100−1とを備える。また、移動端末2000−1においても、RF処理部2100−1は、アンテナ2002−11〜2002−12により受信した信号をダウンコンバートして、デジタル信号に変換する受信処理も実行し、信号処理部2200−1は、RF処理部2100−1からの信号をデジタル信号として復号処理化するなどの処理も行う。
図4では、例として、移動端末2000−1でも、RF処理部2100−1と信号処理部2200−1との間の信号伝達は、光通信で行われる構成となっている。
基地局1000の側と同様に、RF処理部2100−1は、アンテナ2002−11〜2002−12にそれぞれ対応して設けられ、高周波信号の送受信のフロントエンドとして機能するRF部2102−11〜2102−12と、RF部1102−11〜1102−12にそれぞれ対応して設けられ、送信号をデジタルアナログ変換し、受信信号をアナログデジタル変換するためのA/DおよびD/A変換部2104−11〜2104−12と、信号処理部1200とそれぞれ光通信で信号の授受を行うための光I/F部2106−11〜2106−12とを備える。
信号処理部2200−1は、RF処理部2100−1とそれぞれ光通信で信号の授受を行うための光I/F部2202−11〜2202−12と、光I/F部2202−11〜2202−12にそれぞれ対応して設けられ、送信信号の符号化や受信信号の復号化のデジタル信号処理を実行するための信号プロセッサ2204−11〜2204−12とを備える。
信号プロセッサ2204−11〜2204−12の構成については、後述する。
(送信側信号プロセッサの構成)
図5は、基地局1000における信号プロセッサ1204(以下、信号プロセッサ1204−1〜1204−8を総称するときは、信号プロセッサ1204と呼ぶ)の構成を説明するための機能ブロック図である。
なお、以下、マルチキャリアによる直交周波数分割多重 (OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を例にとって説明するが、上述した摂動ベクトルの加算の処理は、シングルキャリアの場合に適用することも可能である。
図5を参照して、信号プロセッサ1204は、受信データに対して、OFDM変調方式に対する復調処理(以下、「OFDM復調処理」と呼ぶ)を実行するOFDM復調部1210を備え、復調後の信号は、REデマッパ部1212において、リソースエレメントにデマッピングされる。デマッピングされた情報には、参照信号C−RSが含まれる。
アップリンクチャネル評価部1214は、参照信号C−RSによりチャネル状態情報CSIを取得する。
信号分離部1216は、チャネル状態情報CSIを参照して、各アンテナからの信号に重みづけを行い、複数系統の信号のうちから所望の信号を分離する。レイヤデマッピング部1218により、各ストリームに対応する信号にデマッピングされ後、復調部1220で、たとえば、QAMに変調されていた信号が復調される。デスクランブル処理部1222でデスクランブルされた信号は、チャネル復号部1224により、誤り検出・誤り訂正などの処理が実行される。
フィードバック情報抽出部1226は、チャネル復号化された信号から、所定の基準に基づいて適切なプリコーディングウェイトとして選択されるウェイト行列を特定するためのフィードバックされた情報を抽出する。
チャネル符号化部1230は、たとえば、送信するデータに、誤り検出・誤り訂正のための符号化を行い、スクランブル処理部1232がスクランブル処理をした後、変調部1234は、送信シンボルをコンスタレーション上の所定の信号点に対応させる変調処理、たとえば、QAM変調処理を実行する。
レイヤマッピング部1236により複数ストリームをマッピングした信号と、参照信号生成部1238が生成したチャネル推定用の参照信号DM−RSとに対して、プリコーディング部1240により、図1で説明したような「拡大信号点配置」に基づき、VP法における摂動ベクトルが加算され、プリコーディング処理が行われる。
さらに、プリコーディング後の信号に、参照信号生成部1238が生成した端末側でのチャネル品質の評価用の参照信号C−RS,CSI−RSや同期信号などが、REマッパ1242によりリソースエレメントにマッピングされた後、OFDM変調部1244によりOFDM信号として変調処理がなされる。
なお、プリコーディング部1240で行われるプリコーディング処理において、図1の「拡大信号点配置」に基づいて実行される摂動ベクトルの加算の処理については、上述したとおりである。
(受信側信号プロセッサの構成)
図6は、移動端末2000における信号プロセッサ2204(以下、信号プロセッサ2204−11〜2204−42を総称するときは、信号プロセッサ2204と呼ぶ)の構成を説明するための機能ブロック図である。
図6を参照して、信号プロセッサ1204は、受信データのパイロット信号によりフレーム同期を行うためのフレーム同期部2206と、受信データに対して、フレーム同期部2206の生成するタイミングに基づいてOFDM復調処理を実行するOFDM復調部2205とを備え、復調後の信号は、REデマッパ部2207において、リソースエレメントにデマッピングされる。デマッピングされた情報には、参照信号CSI−RSおよび参照信号DM−RSが含まれる。
ダウンリンクチャネル評価部2220は、参照信号CSI−RSにより伝搬路の推定を行い、チャネル状態情報CSIやノイズパワー、信号パワーなどを取得する。一方で、タウ評価部2208は、REデマッパ2206でデマッピングされた参照信号DM−RSにより、プリコーディング後伝搬路推定値を算出して、たとえば、上述した式(11)によりモジュロ演算におけるモジュロ幅を評価する。
格子位置推定処理部2209は、以下の式(12)に従って、格子位置を推定する。
すなわち、格子位置l(ティルダ)とは、I成分またはQ成分が、それぞれ、拡大信号点配置において、原点を中心として、何個目の格子に属するかを示す。格子位置とは、より一般にいえば、「拡大信号点配置における信号点の原点からの距離を表す値」である。したがって、格子位置の値の計算の方法としては、上述したものに必ずしも限定されるものではない。
なお、このようにして推定された格子位置の情報は、後の尤度計算に対する重み付け処理で使用できるように、たとえば、信号点の情報に付加ビットとして付加されてもよい。あるいは、この格子位置の情報を後の尤度計算に対する重み付け処理で使用できるのであれば、他の構成でもよい。
モジュロ処理部2210は、評価されたモジュロ幅によりモジュロ演算を行う。
ここで、参照信号CSI−RSは、プリコーディング重みを算出するために、いわば「素の伝搬路」の情報を取得するためのものであり、参照信号DM−RSは、プリコーディングの信号を復調するために「プリコーディング後の伝搬路」についての情報を取得するためのものである。
モジュロ演算された結果に対して、レイヤデマッピング2212が、各レイヤへのデマッピング処理を行った後に、復調部2214において、たとえば、QAM変調されていた信号が復調される。この際、各信号点に対して尤度値(あるいは、対数尤度値LLRであってもよい)が算出される。
そして、復調された信号は、デスクランブル処理部2216で、デスクランブルされる。
デスクランブルされた信号に対しては、重み付け処理部2215が、各信号点に関連付けられた尤度値に対して、以下のように格子位置の情報を用いて、重みをつける。
図8は、このような重み付け係数と拡大信号点配置との関係を示す図である。
図8に示されるように、拡大信号点配置において、原点から遠ざかるほど、重み付け係数βmの値は小さくなる。
すなわち、より一般にいえば、尤度値に付加される「重み」とは、「拡大信号点配置における信号点の原点からの距離の増加に伴い、より小さくなる重み」であればよく、必ずしも上述した構成に限られるものではない。
チャネル復号部2218は、重み付け処理がされた信号に対して、誤り検出・誤り訂正などの処理を実行する。この際、重みづけられた尤度値を使用して、誤り検出・誤り訂正を実行する。特に限定されないが、たとえば、ターボ符号の復号処理のように、軟判定を利用する場合の入力信号の尤度値として利用することができる。
フィードバック情報挿入部2222は、ダウンリンクチャネル評価部2220での評価結果に応じて、フィードバックされるチャネル状態情報を生成する。
チャネル符号化部2224は、たとえば、送信するデータに、誤り検出・誤り訂正のための符号化を行い、スクランブル処理部2226がスクランブル処理をした後、変調部2228は、送信シンボルをコンスタレーション上の所定の信号点に対応させる変調処理、たとえば、QAM変調処理を実行する。
レイヤマッピング部2230により複数ストリームをマッピングした信号と、参照信号生成部2232が生成したチャネル推定用の参照信号DM−RS、チャネル品質の評価用の参照信号C−RS,CSI−RSや同期信号などが、REマッパ2234によりリソースエレメントにマッピングされた後、OFDM変調部2236によりOFDM信号として変調処理がなされる。
図7は、以上説明した基地局側と移動局側との処理を説明するためのフローチャートである。
図7では、基地局1000が送信側で、移動端末2000が受信側である。
図7を参照して、送信側の基地局1000では、受信側からフィードバックされたチャネル状態情報に基づいて、MMSEの重み行列が計算され(S100)、MMSE重み行列に基づいて、加算される摂動ベクトルの演算処理が実行される(S102)。
さらに、摂動ベクトルが加算された信号に対してMMSEの重み行列が乗算されて、アンテナ1002−1〜1002−8から送信される(S104)。
受信側の移動端末2000では、OFDM復調後の信号から抽出された参照信号CSI−RSにより伝搬路の推定が行われ、送信側にフィードバックされるチャネル状態情報が生成される(S110)。
さらに、受信側の移動端末2000のタウ評価部2208では、参照信号DM−RSにより、モジュロ幅の推定処理が実行される(S112)。
続いて、格子位置推定処理部2209が、式(12)にしたがって、格子位置を推定する(S114)。
続いて、受信側の移動端末2000では、OFDM復調後の信号に対してモジュロ演算が実行され(S116)、さらに、復調部2214における復調処理と尤度値の算出処理が実行されて(S118)、信号点の尤度値についての重み付け処理が、重み付け処理部2215により実行される(S120)。さらに、デスクランブル処理の後に、チャネル復号部2218において、重みづけられた尤度値を用いて、軟判定処理により誤り検出・誤り訂正などの処理が実行される(S122)。
一方で、受信側の移動端末2000では、推定されたチャネル状態情報を送信側の基地局1000に対してフィードバックする(S124)。
なお、送信側にフィードバックされる情報は、上述したようなチャネル状態情報そのものでもよいし、あるいは、チャネル状態情報に応じて、端末側で適切であるとして選択されたウェイト行列を特定するための情報であってもよい。
(計算機シミュレーション)
(シミュレーション結果)
図9は、QPSKについてのシミュレーション結果を示す図である。
符号化率Rは、3/4とし、伝搬路モデル関しては見通しのある屋内オフィス環境を念頭に、WINNER II A1 LOSモデルを使用した。
ここで、WINNER II A1 LOSモデルについては、以下に開示がある。
”WINNER II channel models, Part I Channel models”IST-4-027756 WINNER II, D1.1.2 V1.2, Feb. 2008.
また、このシミュレーションの条件は、基地局アンテナ数8、移動局アンテナ数2、移動局数4、誤り訂正:Turbo復号(MAX Log-MAP、復号繰り返し数6、インタリーバ長6144@QPSK、5120@16QAM)である。
従来方式(α=1)に対して、BER=10-2の所要SNRは、約1.5dB改善している。
図10は、16QAMについてのシミュレーション結果を示す図である。
シミュレーションの条件は、図9の場合と同様である。
従来方式(α=1)に対して、BER=10-2の所要SNRは、約1.0dB改善している。
以上説明したように、本実施の形態の無線通信システム、無線通信装置および無線通信方法によれば、非線形MIMO通信において、モジュロ格子サイズの設定誤差の影響を低減して、受信性能を向上させることが可能である。
なお、以上の説明では、主として、本発明をVP法を具体例として説明したが、本発明は、このような構成に限定されるわけではなく、送信側で非線形プリコーディングを行い、受信側で、摂動ベクトルの影響を除去するためのモジュロ演算を実行する通信方式であれば、他の通信方式にも適用可能なものである。
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
10 無線通信システム、1000 基地局、1002−1〜1002−8 アンテナ、1100 RF処理部、1200 信号処理部、1102−1〜1102−8 RF部、1104−1〜1104−8 A/DおよびD/A変換部、1204−1〜1204−8 信号プロセッサ、1240 プリコーディング部、2000−1〜2000−4 移動端末、2002−11〜2002−12 アンテナ、2100−1 RF処理部、2102−11〜2102−12 RF部、2104−11〜2104−12 A/DおよびD/A変換部、2200−1 信号処理部、2204−11〜2204−12 信号プロセッサ、2208 タウ評価部、2209 格子位置推定処理部、2210 モジュロ処理部、2214 復調部、2215 重みづけ処理部、2216 デスクランブル処理部、2218 チャネル復号部。

Claims (11)

  1. 第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で、所定の変調方式で変調された信号を非線形MIMO(Multiple Input Multiple Output)方式により無線通信する無線通信システムであって、
    前記第1の無線通信装置は、
    複数の第1のアンテナと、
    前記第2の無線通信装置に対する伝送路のチャネル状態に基づいて、非線形プリコーディングを行い、アンテナ指向性を制御するためのプリコーディング処理を実行するプリコーディング部と、
    前記プリコーディング部の出力を前記複数の第1のアンテナから前記所定の変調方式で送信するための送信処理部とを備え、
    前記第2の無線通信装置は、
    第2のアンテナと、
    前記第1の無線通信装置からの信号を前記所定の変調方式に対する復調処理を実行して受信するための受信処理部と、
    前記受信処理部からの信号に対し、モジュロ演算のためのモジュロ幅を推定し、拡大信号点配置における信号の格子位置を推定する格子位置推定部と、
    前記推定されたモジュロ幅により摂動ベクトルの影響を除去するためのモジュロ演算を行うモジュロ処理部と、
    前記モジュロ演算された信号に対して所定のコンスタレーションに基づく復調処理と、前記格子位置に基づき重みづけられた尤度値の算出とを行い、前記尤度値に応じて誤り訂正を行うための復号処理部とを備える、無線通信システム。
  2. 前記格子位置に基づき重みづけられた尤度値は、拡大信号点配置における信号点の原点からの距離の増加に伴い、より小さくなるように重みづけられた尤度値である、請求項1記載の無線通信システム。
  3. 前記復号処理部は、前記重みづけられた尤度値に基づく軟判定処理により、前記誤り訂正を行う、請求項2記載の無線通信システム。
  4. 前記格子位置は、前記拡大信号点配置において、信号点が中心点から何個目のモジュロ格子に属するかを示す情報であり、
    前記格子位置に基づき重みづけられた尤度値は、所定の定数に対して前記格子位置を乗数とする値を重み係数とする、請求項2記載の無線通信システム。
  5. 前記非線形MIMO方式は、VP(Vector Perturbation)法である、請求項1記載の無線通信システム。
  6. 所定の変調方式で変調された信号を非線形MIMO方式により基地局から受信する無線通信装置であって、
    前記非線形MIMO方式では、非線形プリコーディングが実行されており、
    アンテナと、
    前記基地局からの信号を前記所定の変調方式に対する復調処理を実行して受信するための受信処理部と、
    前記受信処理部からの信号に対し、モジュロ演算のためのモジュロ幅を推定し、拡大信号点配置における信号の格子位置を推定する格子位置推定部と、
    前記推定されたモジュロ幅により摂動ベクトルの影響を除去するためのモジュロ演算を行うモジュロ処理部と、
    前記モジュロ演算された信号に対して所定のコンスタレーションに基づく復調処理と、前記格子位置に基づき重みづけられた尤度値の算出とを行い、前記尤度値に応じて誤り訂正を行うための復号処理部とを備える、無線通信装置。
  7. 前記格子位置に基づき重みづけられた尤度値は、拡大信号点配置における信号点の原点からの距離の増加に伴い、より小さくなるように重みづけられた尤度値である、請求項6記載の無線通信装置。
  8. 前記復号処理部は、前記重みづけられた尤度値に基づく軟判定処理により、前記誤り訂正を行う、請求項7記載の無線通信装置。
  9. 前記格子位置は、前記拡大信号点配置において、信号点が中心点から何個目のモジュロ格子に属するかを示す情報であり、
    前記格子位置に基づき重みづけられた尤度値は、所定の定数に対して前記格子位置を乗数とする値を重み係数とする、請求項7記載の無線通信装置。
  10. 前記非線形MIMO方式は、VP法である、請求項6記載の無線通信装置。
  11. 第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で、所定の変調方式で変調された信号を非線形MIMO方式により無線通信する無線通信方法であって、
    前記第1の無線通信装置が、前記第2の無線通信装置に対する伝送路のチャネル状態に基づいて、非線形プリコーディングを行い、アンテナ指向性を制御するためのプリコーディング処理を実行するステップと、
    前記第1の無線通信装置が、前記プリコーディング処理後の信号を複数の第1のアンテナから前記所定の変調方式で送信するステップと、
    前記第2の無線通信装置が、前記第1の無線通信装置から第2のアンテナにより受信した信号を前記所定の変調方式に対する復調処理を実行して受信するステップと、
    前記第2の無線通信装置が、前記復調された信号に対し、モジュロ演算のためのモジュロ幅を推定し、拡大信号点配置における信号の格子位置を推定するステップと、
    前記第2の無線通信装置が、前記推定されたモジュロ幅により摂動ベクトルの影響を除去するためのモジュロ演算を行うステップと、
    前記第2の無線通信装置が、前記モジュロ演算された信号に対して所定のコンスタレーションに基づく復調処理と、前記格子位置に基づき重みづけられた尤度値の算出とを行い、前記尤度値に応じて誤り訂正を行うステップとを備える、無線通信方法。
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