JP2014137519A - 光拡散積層体、面光源装置、並びにその面光源装置を用いてなる表示装置及び照明装置 - Google Patents

光拡散積層体、面光源装置、並びにその面光源装置を用いてなる表示装置及び照明装置 Download PDF

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勝朗 久世
Kenji Kawai
兼次 河井
Akifumi Yasui
章文 安井
Akira Matsuda
明 松田
Tomohiro Nakagome
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Abstract

【課題】光拡散部材とレンズフィルムの組み合わせで正面の輝度が高く、かつ該輝度の斑が小さくでき、さらに出射光強度の落ち込みの発生が抑制できる光拡散積層体を提供する。
【解決手段】少なくとも2種の樹脂の混合物からなる層を少なくとも一層含む内部光拡散部材(A)と、片面にレンズ構造が形成されてなるレンズフィルム(B)とを、レンズフィルム(B)のレンズ面の反対面と内部光拡散部材(A)とが接するように積層した光拡散積層体であって、以下の条件を満たす。(i)内部光拡散部材(A)の全光線透過率/平行光線透過率比が8〜110であること、(ii)レンズフィルム(B)のレンズ面の中心面粒度(SGr)が5000〜30000であり、かつ0度で入光した時の出射光の変角配光分布プロファイルにおける出射角度45度における出射光度の落ち込みが3.0以下であることを同時に満たす。
【選択図】図8

Description

本発明は、光拡散積層体、面光源装置及びその面光源装置を用いた表示装置及び照明装置に関する。詳しくは、光拡散部材とレンズフィルムの組み合わせで面光源装置に用いた時に正面の輝度や照度が高く、かつ輝度斑や照度斑を小さくすることができ、さらに出射光の角度依存性における45度付近に現れる出射光強度の落ち込みの発生が上記特性を維持した形で抑制できる光拡散積層体、該光拡散積層体を用いた面光源装置、及びその面光源装置を用いた表示装置及び照明装置に関する。
液晶表示モジュール(LCD)は、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を活かしてフラットパネルディスプレイとして多用され、その用途は携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、テレビなどの情報用表示デバイスとして年々拡大している。
液晶表示装置には、光源からパネルに至る光伝達路でのロスを抑え、パネル上の輝度を向上させるために、液晶ユニットの下面側に面光源装置が装備されている。
近年、面光源装置は、液晶表示装置のみでなく灯具や電飾看板等の広い分野に使用されてきている。
面光源装置には、面光源装置の基本ユニットとレンズフィルム、光拡散フィルム及び輝度向上フィルム等の各種の光学フィルムや光拡散板等の光学部材が組み合わされて面光源装置の輝度や照度を上げることや、輝度や照度の均一性の向上が図られている。普通は2〜4枚の光学部材が使用されている(例えば、非特許文献1参照)。
特に、レンズフィルムを用いた方法が汎用されている。しかし、一般に、レンズフィルムのみの使用ではその集光効果により正面より見た時の輝度(以下、正面輝度と称する)は向上する。例えば、特許文献1において以下のことが述べられている。ビーズコート法光拡散フィルム、プリズムレンズフィルム及び輝度向上フィルムでは面光源の面内の輝度の均一性(以下、輝度斑と称する)が劣るという課題を有している。一方、拡散性の高い光拡散板を用いることにより輝度斑を抑制することができるが、正面輝度が低下するという課題を有することが述べられている。すなわち、正面輝度と輝度斑の関係は二律背反事象になることが述べられている。さらに、該特許文献1において、この両特性の両立を図る方法として、例えば、光拡散板、異方性光拡散フィルム及びプリズムレンズフィルムの3枚の光学部材を組み合わせた方法が開示されている。この方法では、60%という低い非分光全光線透過率の光拡散板が用いられているうえに、さらに異方性光拡散フィルムが組み合わされており、光拡散材のトータルの非分光全光線透過率がさらに低くなるので、輝度斑の抑制効果は良好であるが正面輝度低下が大きくなるという課題を有しているばかりか、セル自体も容積が増え、好ましくない。
また、特許文献2において、光拡散素子を含有するマトリックス樹脂よりなる内部光拡散性フィルムの表面に各種レンズ構造表面凹凸が形成された構成部材を用いた方法が開示されている。特許文献2では、光拡散板、上記光拡散フィルム及びさらに2枚の他の光拡散フィルムからなる多数枚構成を使用しており、特許文献1の方法と同様に正面輝度低下の課題を有しているばかりか、セル自体も容積が増え、好ましくない。
また、非プリズムレンズフィルムを用いた場合において、輝度斑抑制に対しては乳白板の拡散度の影響が最も大きく、非分光全光線透過率が50〜70%の乳白板が好ましいとされている。該技術においては、さらにレンズフィルムの出光面に光拡散シートが設置されている。従って、輝度斑の抑制効果は良好であるが正面輝度低下が大きくなるという課題を有している(例えば、特許文献3参照)。
また、プリズムレンズフィルムやレンチキュラーレンズフィルム等の一方向に配向した山脈タイプの構造のレンズフィルムは、出射光が特定方向に集光されるために出射光の配光分布の等方性に劣るという課題を有する。さらに、出射角度45度付近の出射光度が低下するという出射光度の落ち込みが発生するという課題を有する。これらの課題を解決する方法として、例えば、第一レンズ構造と第二レンズ構造が交差する方向で組み合わされた等の2種以上の複数のレンズ構造が組み合わされた複合構造のレンズフィルムの技術が開示されている(例えば、特許文献4〜7等参照)。
このような構造のレンズフィルムの場合も、従来レンズフィルムと同様に光拡散度が不足するために光拡散部材の使用は不可欠である。例えば、特許文献4においては、光拡散板が用いられている。また、特許文献5及び6においては、非分光全光線透過率が65%の光拡散板が用いられている。さらに、特許文献6においては、光拡散板と光拡散フィルムの両方が用いられている。従って、これらの特許文献で開示されている技術においても特許文献1や特許文献2と同様の課題を有する。特許文献7においては、上記光学部材に加えて輝度向上フィルムが用いられている。
広く用いられているプリズムレンズフィルムやレンチキュラーレンズフィルムを用いた技術についても、正面輝度と輝度斑の両立を図る方法として、輝度斑の改善のために用いられた光拡散材による正面輝度の低下の課題を解決する方法として、レンズフィルムを2枚使用する方法や輝度向上フィルムを使用する多数枚構成の方法が開示されている(例えば、特許文献8〜11等参照)。
しかし、特許文献1〜7と同様に正面輝度と輝度斑の両立を図る方法として根本的な解決にはなっていないばかりか、セル自体の容積が増えたり、レンズフィルムや輝度向上フィルムは高価であるので経済性が劣る。
その他、高い輝度と低い輝度斑の両立を達成するために各種の多数枚の光学部材を組み合わせた技術が多く開示されているが、性能と経済性の両立において課題が残されていた。
近年、面光源装置を利用した表示装置等の急速な普及により、より高輝度で、かつ輝度の面内の均質性や、輝度の角度依存性を改善した面光源装置が強く求められている。さらに、装置の薄型化や経済性の面より、面光源装置に用いられる光学フィルム部材の枚数低減が強く求められている。
特開2009−43639号公報 特開2010−249898号公報 特開2008−60013号公報 特開2011−64903号公報 特開2010−160437号公報 特開2009−75366号公報 特開2011−90299号公報 特開2010−176086号公報 特開平06−222207号公報 WO08/90821号公報 特開2010−157384号公報
内田龍男監修「図解 電子ディスプレイのすべて」(工業調査会刊)P47〜48
本発明の目的は、上記の従来技術における問題点を解決するものであり、面光源装置に用いた場合に、光拡散部材とレンズフィルムの組み合わせで正面の輝度や照度が高く、かつ該輝度や照度の斑が小さくでき、さらに出射光の角度依存性における45度付近に現れる出射光強度の落ち込みの発生が上記特性を維持した形で抑制できる光拡散積層体を提供することにある。また、該光拡散積層体を用いた面光源装置、及びその面光源装置を用いた表示装置及び照明装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、従来技術にはない新しいコンセプトを取り入れることにより完成したものである。すなわち、従来技術においては光拡散度の高い光拡散板の使用や複数枚の光拡散部材の組み合わせにより拡散度を大きくすることで輝度斑の抑制がなされてきたために、輝度斑を低くすると正面輝度が低下するという課題を有しており、いわゆる二律背反事象が打破出来ていなかった。
そこで、本発明者等は、光拡散部材単独では光拡散度が低く輝度斑を小さくする効果が少ない中程度の光拡散度を有する光拡散部材と特定構造のレンズフィルムとの組み合わせによる両部材の光拡散度の相乗効果で輝度斑を小さくすることにより、高い正面輝度と低い輝度斑の両立が図れ、上記二律背反事象が打破出来ることを見出した。
さらに、本発明は、全光線透過率/平行光線透過率比という従来にない、光拡散度を正確に反映する新規な特性値を確立し、さらに従来では採用し得なかった範囲に設定することにより、初めて成し得たものである。
即ち、本発明は(1)〜(16)の構成よりなるものである。
(1)互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂の混合物からなる層を少なくとも一層含む内部光拡散部材(A)と、片面にレンズ構造が形成されてなるレンズフィルム(B)とを、レンズフィルム(B)のレンズ面の反対面と内部光拡散部材(A)とが接するように積層した光拡散積層体において、内部光拡散部材(A)及びレンズフィルム(B)が下記特性を満たすことを特徴とする光拡散積層体。
(i)内部光拡散部材(A)の全光線透過率/平行光線透過率比が8〜110であること、
(ii)レンズフィルム(B)のレンズ面の中心面粒度(SGr)が5000〜30000μmであり、かつ0度で入光した時の出射光の変角配光分布プロファイルにおける出射角度45度における出射光度の落ち込みが3.0以下であることを同時に満たすこと。
(2)レンズフィルム(B)の等方性度が0.72〜1であることを特徴とする(1)に記載の光拡散積層体。
(3)光拡散積層体の全光線透過率/平行光線透過率比と全光線透過率との複合特性が2500〜4000であることを特徴とする(1)または(2)に記載の光拡散積層体。
(4)レンズフィルム(B)表面のレンズ構造は、第一の方向に延在する第一レンズアレイと、第一レンズアレイとは交差する第二の方向に延在する第二レンズアレイとが形成され、前記第一レンズアレイと前記第二レンズアレイとの頂部、あるいは底部の少なくとも一方が一致する構造を取り、前記第一の方向と前記第二の方向との交差角が70度以上90度以下の範囲に設定されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の光拡散積層体。
(5)第一レンズアレイは、第一の方向と直交する方向における断面形状が左右略対称であり、底辺と斜辺とのなす角度が35度以上55度以下の範囲に設定された台形プリズムアレイであって、第二レンズアレイは、第二の方向と直交する方向における断面形状が左右略対称であり、底辺と斜辺とのなす角度が35度以上55度以下の範囲に設定された三角プリズムアレイであって、第一レンズアレイと比べてその高さが低く設定されており、第一レンズアレイの頂部の位置と第二レンズアレイの頂部の位置とが一致されていることを特徴とする(4)に記載の光拡散積層体。
(6)第一レンズアレイは、第一の方向と直交する方向における断面形状が左右略対称であり、底辺と斜辺とのなす角度が35度以上55度以下の範囲に設定された三角プリズムアレイであって、第二レンズアレイは、第二の方向と直交する方向における断面形状が左右略対称であり、底辺と斜辺とのなす角度が35度以上55度以下の範囲に設定された三角プリズムアレイであって、第一レンズアレイと比べてその高さが低く設定されており、第一レンズアレイの底部の位置と第二レンズアレイの底部の位置とが一致されていることを特徴とする(4)に記載の光拡散積層体。
(7)内部光拡散部材(A)のヘーズが80〜98%であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の光拡散積層体。
(8)内部光拡散部材(A)の非分光全光線透過率が74〜95%であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の光拡散積層体。
(9)内部光拡散部材(A)の拡散光線透過率が68〜90%であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の光拡散積層体。
(10)内部光拡散部材(A)が、互いに相溶しない少なくとも2種の熱可塑性樹脂の混合物よりなる層を少なくとも一層を含み、かつ溶融押し出し成型法で製膜されてなることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の光拡散積層体。
(11)2種の熱可塑性樹脂の混合物の中の島構造を構成する熱可塑性樹脂成分の量が全熱可塑性樹脂量に対して11〜50質量%であることを特徴とする(9)に記載の光拡散積層体。
(12)(1)〜(11)のいずれかに記載の光拡散積層体を面光源装置の出光面の少なくとも片面に用いていることを特徴とする面光源装置。
(13)面光源装置の出光面側の表面に光拡散積層体の内部光拡散部材(A)面が接するように設置されていることを特徴とする(12)に記載の面光源装置。
(14)光拡散積層体の内部光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)とが接する界面に空気層が存在することを特徴とする(12)または(13)に記載の面光源装置。
(15)(12)〜(14)のいずれかに記載の面光源装置を用いていることを特徴とする表示装置。
(16)(12)〜(14)のいずれかに記載の面光源装置を用いていることを特徴とする照明装置。
本発明の光拡散積層体は、特定の特性を有する光拡散部材と、特定の構造と特性を有するレンズフィルムを組み合わせた積層体からなり、面光源装置に用いた場合に、面光源装置の出光側に設置することにより高い出光効率や出光効率の均一性が高められるので、面状光源装置の高輝度化や高照度化ができ、かつ輝度や照度の均質性を高めることができる。
また、本発明の光拡散積層体で使用するレンズフィルムは、特定構造と特定特性を有しているので、汎用されているプリズムレンズフィルムやレンチキュラータイプ等の一方向に配向した山脈タイプの構造で現れる出射光が特定方向に集光される現象である所謂、出射光の配光分布プロファイルの等方性の低下や出射光の角度依存性における45度付近に現れる出射光強度の落ち込みの発生を集光性の高さを維持した形で抑制することができる。そのために、本発明の面光源装置を照明用や表示用として用いた時に、方向性の少ない均一な照明を図ることができる。それゆえ、本発明の光拡散積層体は、面光源装置用として好適に用いることができる。従って、該面光源装置の使用により、表示装置及び照明装置の性能向上や経済性の向上を図ることができる。
本発明における好ましいレンズ構造の一例を示した図である。 本発明における好ましいレンズ構造の一例を示した図である。 本発明における好ましいレンズ構造の一例を示した図である。 本発明における好ましいレンズ構造の一例を示した図である。 本発明のレンズ構造の効果の一例を示した概念図である。なお、該図の横軸は変角配測定における角度(度)であり、縦軸は出射光度の相対値をしたものである。 本発明のレンズ構造の効果の一例を示した図である。なお、該図の横軸は変角配測定における角度(度)であり、縦軸は出射光度の相対値をしたものである。 本発明における好ましいレンズ構造の一例を示した概念図である。 表3の実施例1、実施例2及び比較例1〜3の数値を用いてレンズフィルム(B)のレンズ面の中心面粒度(SGr)と正面輝度や輝度斑との関係を示した図である。 表4の実施例及び比較例の数値を用いて内部光拡散部材の全光線透過率/平行光線透過率比と正面輝度や輝度斑との関係を示した図である。 表4の実施例及び比較例の数値を用いて光拡散積層体の二次函数拡散度と正面輝度や輝度斑との関係を示した図である。
本発明の効果は、輝度及び照度のどちらに対しても発現されるが、以下、主として輝度で代表して記述する。表示装置の場合は輝度が照明装置の場合は照度が重要となる。
(光拡散積層体の基本構成)
本発明の光拡散積層体は、互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂の混合物からなる層を少なくとも一層を含む内部光拡散部材(A)と、片面にレンズ構造が形成されてなるレンズフィルム(B)とが積層された光拡散積層体において、内部光拡散部材(A)及びレンズフィルム(B)が下記特性を満たすことを特徴とする。
(1)内部光拡散部材(A)の実施例に記載した方法で測定される全光線透過率/平行光線透過率比が8〜110であること、
(2)レンズフィルム(B)の実施例に記載した方法で測定されるレンズ面の中心面粒度(SGr)が5000〜30000μmで、かつ実施例に記載した方法で測定される0度で入光した時の出射光の変角配光分布プロファイルにおける出射角度45度における出射光度の落ち込みが3.0以下であることを同時に満たすこと。
(内部光拡散部材(A)の全光線透過率/平行光線透過率比)
本発明の内部光拡散部材(A)は、全光線透過率/平行光線透過率比が8〜110であることが必要である。該全光線透過率/平行光線透過率比は、本発明者等が本発明を完成するために新たに確立した光拡散度の新規な尺度である。
本発明者等は、後述のごとくレンズフィルム(B)と光拡散部材(A)を積層した系の光拡散部材(A)の光拡散度は必ずしも高い光拡散度のものが良いのではなく、適度な光拡散度のものを用いてレンズフィルム(B)の光拡散度との相乗効果で所望の光拡散度を確保するのが良いと考えた。
前述のごとく、面光源装置において高輝度化と輝度斑の両立を図るには高い光拡散度の光拡散材が必要とされている。該光拡散度の大きさは、例えば、変角光度計により測定される出射光の変角配光分布プロファイルの広がりを数値化することにより表示されている。一般に、最高出射光強度の半分の強度の時の角度幅である、いわゆる半値幅法光拡散度で示されることが多い。また、出射光の変角配光分布プロファイルの立ち上がりの角度からゼロ点に戻るまでの角度や出射角0度における出射光強度と所定出射角における出射光強度との比で表示されている。本発明者等は該光拡散度を裾広がり光拡散度と称している。
しかし、本発明の光拡散積層体の光拡散部材については、上記の半値幅法光拡散度や裾広がり光拡散度では最適範囲は示せないことが判った。これは、これらの従来公知の方法で測定される光拡散度は出射光の変角配光分布プロファイルのパターンの影響を受けるためである。そのために、本発明における光拡散積層体の基本構成である光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)とを積層した系における光拡散部材(A)の光拡散度の表示法としては適合していないと考えた。
一方、該変角光度特性でなく非分光全光線透過率、拡散透過率、平行光線透過率あるいはヘーズ等のヘーズメータで測定される変角配光分布プロファイルのパターンの影響を受けない特性値で規制されている特許もある。しかし、これらの特性値も上記した新しいコンセプトに基づく技術を完成することに対しては適切でないことが判った。
そこで、適切な光拡散度の評価方法について鋭意検討して、実施例において詳述する全光線透過率/平行光線透過率比が光拡散度を表わすのに適切であることを見出した。
全光線透過率は平行光線透過率と拡散透過率が合算された特性値であるので、該全光線透過率を平行光線透過率で除した値である全光線透過率/平行光線透過率比が光拡散度の尺度になると考えた。すなわち、該全光線透過率/平行光線透過率比が大きい程、拡散透過率の寄与が大きいので、光拡散度が大きいことになる。一方、汎用されているヘーズは、拡散透過率/全光線透過率×100であるので、両特性値は全く異なっている。
このような極めて単純な方法で光拡散度が表示できることが明確化されていなかったことは驚くべきことである。一般に光拡散度はヘーズや拡散透過度等の規格化された特性値で評価できるという考えが定着しているために盲点となっていたためと推察している。
また、該全光線透過率/平行光線透過率比は、広く用いられているヘーズメータでなくダブルビーム法の分光器を用いて、かつ550nmの波長の光に注目して確立した。このことも重要な要素である。550nmの波長の光に注目したのは、人間の目に対して波長550nm付近の光が分光視感効率が最も高いとされていることに基づいている。
一方、従来技術で用いられてきている非分光の光を用いたヘーズメータで測定した非分光全光線透過率や平行光線透過率を用いた場合は好結果が得られない。この原因は、分光と非分光の差異のみでなく、両測定方法で平行光線透過率の測定方法が異なることの寄与も大きいと推察している。というのは、ヘーズメータで測定される平行光線透過率は、積分球に入光した光が直進した部分に開口部を設けて、該開口部を通過した光量を測定することで求められるのに対して、ダブルビーム法の分光器で測定される平行光線透過率は、積分球を用いることなく純粋な直進光の光量が測定されるという測定方法に差異がある。従って、この測定方法の違いも影響していると推察している。
それ故、本発明の完成は、全光線透過率/平行光線透過率比という従来にない光拡散度を正確に反映する新規な特性値を確立し、さらに従来では採用し得なかった範囲に設定することにより、初めて成し得たものである。
本発明では、全光線透過率/平行光線透過率比は9〜110がより好ましく、10〜100がさらに好ましく、11〜100が特に好ましい。
全光線透過率/平行光線透過率比が8〜110を満たすことにより初めて高い正面輝度と低い輝度斑の両立を図ることができる。上記範囲を超えた高い光拡散度の場合あるいは上記範囲未満の低い光拡散度のいずれにおいても正面輝度が低くなり、しかも輝度斑も大きくなる。
全光線透過率/平行光線透過率比が8未満の場合は、光拡散度が不足するために輝度斑が大きくなる。そのために、出射光度が極端に低い部分が生ずるので平均値の輝度が低くなる。一方、全光線透過率/平行光線透過率比が110を超えた場合は、光拡散度が大きく成り過ぎるために正面への出射光度が低くなり正面輝度が低下する。また、光拡散度が大きく成り過ぎるので角度の大きな方向に出光される光量が過度となり、この高角度でレンズフィルム(B)に入光する光量が増えることによりレンズフィルム(B)による光の変曲効果との相乗効果が変化することにより輝度斑を抑制する方向の光量が少なくなり、そのために輝度斑がむしろ増大するものと推察している。
本発明の内部光拡散部材(A)は、ヘーズが80〜98%であることが好ましく、85〜98%がより好ましい。90〜98%がさらに好ましい。80%未満では輝度斑が大きくなるので好ましくない。逆に、98%を超えるものは製造することが困難である。
本発明の内部光拡散部材(A)は非分光全光線透過率が74〜95%であることが好ましい。78〜95%がより好ましく、80〜95%がさらに好ましい。74%未満では正面輝度が低下し、かつ輝度斑が大きくなるので好ましくない。逆に、95%を超えるものは輝度斑が大きくなるので好ましくない。
本発明の内部光拡散部材(A)は拡散光線透過率が68〜90%であることが好ましい。70〜85%がより好ましい。68%未満では正面輝度が低下し、かつ輝度斑が大きくなるので好ましくない。逆に、90%を超えるものは製造することが困難である。
(レンズフィルム(B)の構造及び特性)
本発明のレンズフィルム(B)は、実施例において記載された方法で測定されるレンズ面の中心面粒度(SGr)が5000〜30000μmで、かつ実施例において記載された方法で測定される0度で入光した時の出射光の変角配光分布プロファイルにおける出射角度45度における出射光度の落ち込みが3.0以下であることを同時に満たすレンズ構造が片面に形成されたものであることを特徴とする。
中心面粒度(SGr)は、三次元表面粗さ計で測定されるレンズ表面の表面積に相関した値である。すなわち、レンズ構造による表面突起の最小二乗法により求められる平均高さの位置で表面突起を水平にスライスした時の突起のスライス面の面積の総和で示される値である。
本発明者等は、内部光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)を本発明の構成により積層し、面光源装置の出光面に設置した場合のレンズフィルム(B)表面を仔細に観察するとレンズフィルム(B)の表面があたかも発光しているがごとく輝いて見えることにより、本発明の構成においては、正面輝度はレンズフィルム(B)のレンズ構造の表面積の支配を大きく受けていると考えて、正面輝度と相関のある新たな尺度として中心面粒度(SGr)を確立した。
従って、中心面粒度(SGr)が5000μm未満ではレンズフィルム(B)の表面積が不足し、正面輝度が低くなるので好ましくない。逆に、30000μmを超えるとレンズフィルム(B)を経済的に製造することが困難となるので好ましくない。中心面粒度(SGr)は6000〜30000μmがより好ましく、10000〜22000μmがさらに好ましく、11000〜21000μmが特に好ましい。
また、本発明のレンズフィルム(B)は、実施例において記載した方法で測定される0度で入光した時の出射光の配光分布プロファイルにおける出射角度45度における出射光度の落ち込み(以下、単に出射光度の落ち込みと称することもある)が3.0以下であることが必要である。2.0以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.1以下が特に好ましい。出射光度の落ち込みの下限は特に限定されないが、0.1が好ましい。0.1未満では、高角度での輝度や照度が低下するおそれがある。
この特性を満たすことにより、一般に汎用されているプリズムレンズフィルムが持つ、45度付近の角度から観察した時に輝度が大きく低下するという、いわゆる斜め方向において出射光度が落ち込むという欠点を改善することができる。そのために、本発明の面光源装置を一般の照明用として用いた時に、特定角度の照度の落ち込みがない均一な照明ができるという効果に繋げることができる。また、表示装置の光源として用いた場合に特定方向の視野角の低下や特定角度での輝度低下の発生を抑制することができる。
従って、上記したレンズ面の中心面粒度と出射光度の落ち込み特性を同時に満たすことにより、高い正面輝度や正面照度を有した上で、かつプリズムレンズフィルムの有する欠点を改善することができる。さらに、実施例や比較例において示されるごとく輝度斑を抑制することができるので、高い正面輝度や正面照度と低い輝度斑の両立を図ることができる。
本発明のレンズフィルム(B)は上記表面構造特性や落ち込み特性を満たせば、そのレンズの構造は限定されない。ただし、例えば、プリズム構造、レンチキュラー構造等の一方向に配向した山脈タイプの構造は好ましくない。該構造の場合は出射光度の落ち込みの抑制や等方性の付与が困難となる。従って、例えば、ドーム型やピラミッド形等の単峰タイプの構造、該単峰タイプの構造と山脈タイプの構造を組み合わせた構造及び山脈タイプの構造を直交あるいはクロスした形で組み合わせた複合構造のものが好ましい。
特に、本発明においては、2種類以上のレンズ構造が組み合わされた複合構造のものがより好ましい。例えば、方向が異なるプリズム構造を組み合わせた構造や一方向に配向した山脈タイプの構造と単峰タイプの構造を組み合わせたものが挙げられる。
具体的な例として、以下の構造が挙げられる。
表面のレンズ構造は、延在する方向が略直交する2つのレンズアレイ(X1A及びX2A)で構成される。これにより二方向の視野を対称に制御することが出来るため、結果として360度方向の視野を制御できる。ここで略直交とは70度以上90度以下の範囲で交差する様を指す。交差角が70度を下回ると、制御する二方向の視野が傾き、対称な視野を得ることが出来なくなるため、望ましくない。
このようなレンズ構造としては、二方向のレンズアレイの頂部、及び底部が一致した例としては、図1に示されるようなピラミッド形状や図2に示されるような逆ピラミッド形状、あるいは図3に示されるようなヒップルーフ形状が挙げられる。これらレンズ構造は、各々の延在方向における断面形状が左右略対称な三角形状であることが望ましい。ここで左右略対称とは、底辺と2つの斜辺とのなす角度の差が5度以内の範囲であることを表す。5度を超える場合、視野特性が非対称となり、望ましくない。
一方で、より好ましいレンズ構造としては、二方向のレンズアレイの頂部、または底部のいずれか一方が一致し、他方は一致しないレンズ構造が挙げられる。具体的には、図4に示されるような、延在する方向が略直交する第1レンズアレイX1Aと第1レンズアレイX1Aよりも小さな第2レンズアレイX2Aとで構成される。第1レンズアレイX1Aは左右略対称な台形プリズム形状であり、第2レンズアレイX2Aは左右略対称な三角プリズム形状であり、該第2レンズアレイX2Aは第1レンズアレイX1Aの頂部に形成され、頂部の位置が一致する構造をとる。
第1レンズアレイX1Aである台形プリズムアレイX1Aの底辺と斜辺とのなす角度は35度以上55度以下の範囲に設定されることが好ましい。35度を下回る場合、正面方向への集光機能が低いレンズ構造となり、一方で55度を超える場合はサイドローブが生じて正面方向への集光機能が低下するためである。更には、当該範囲外となった場合、輝度斑の抑制と高輝度との両立を図ることが困難となるためでもある。より好ましい角度範囲としては40度以上50度以下であり、最も好適な角度は45度である。なお、サイドローブとは、前記した出射光度の落ち込みに関連した特性である。
第2レンズアレイX2Aである三角プリズムアレイX2Aの底辺と斜辺とのなす角度は35度以上55度以下の範囲に設定されることが好ましい。35度を下回る場合、正面方向への集光機能が低いレンズ構造となり、一方で55度を超える場合はサイドローブが生じて正面方向への集光機能が低下するためである。更には、当該範囲外となった場合、輝度斑の抑制と高輝度との両立を図ることが困難となるためでもある。より好ましい角度範囲としては40度以上50度以下であり、最も好適な角度は45度である。
本発明のレンズ構造は、第1レンズアレイX1Aと第2レンズアレイX2Aとが各々独立したレンズアレイとして形成されるため、二方向の視野角特性の制御が容易という特徴がある。すなわち、台形プリズムX1Aの頂部の幅を小さくすると、レンズ構造の表面積に対して台形プリズムアレイX1Aが占める割合が増加し、台形プリズムアレイX1Aの集光機能が高まる。一方で台形プリズムアレイX1Aの頂部を大きくすると、レンズ構造の表面積に対して三角プリズムアレイX2Aが占める割合が増加し、三角プリズムアレイX2Aの集光機能が高まる。このように所望の視野特性に合わせて適宜調整することが可能である。
従来の三角プリズム構造、または台形プリズム構造は、底辺と斜辺とのなす角度が40度を超える場合、サイドローブが生じるという課題がある。サイドローブとは図5に示されるように、正面方向への集光ピークとは別に斜め方向にピーク(サイドローブ)が発生し、正面方向の集光ピークとサイドローブとの間に暗い視野が生じてしまうことを指す。本発明のレンズ構造は底辺と斜辺とのなす角度が35度以上55度以下の範囲に設定された台形プリズムアレイX1Aと三角プリズムアレイX2Aとで構成されるが、サイドローブが生じることはない。プリズムは延在方向と直交する方向に集光機能を有し、延在方向には集光機能を有さない。図5で示される丸でプロットされた視野角特性が、プリズム延在方向と直交する方向の特性(V)であり、Xでプロットされた視野角特性が、プリズム延在方向の特性(H)である。従って、本発明のレンズ構造は第1レンズアレイX1Aと第2レンズアレイX2Aとの2つのプリズムが存在するため、双方の集光機能を補完することが出来る。つまり、図5に示されるようなプリズムと直交する方向の視野角特性(V)とプリズムと平行する方向の視野角特性(H)とを足し合わせた配光を得ることが出来るため、図6に示されるようにサイドローブが生じない。ここで図6に示される視野角特性図は、台形プリズムアレイX1Aの底辺と斜辺とのなす角度を45度、三角プリズムアレイX2Aの底辺と斜辺とのなす角度を45度とし、レンズ構造の表面積に対して各々のレンズアレイが占める割合を50%とした場合の特性図である。この場合、VH両方の視野角を同一とすることが出来る。
図7に示されるのは本発明の別のレンズ構造として、二方向のレンズアレイの底部の位置が一致し、頂部の位置が一致しない例である。当該レンズ構造は、隙間を空けて配置された第1レンズアレイX1Bと、該隙間を埋めるように配置され、第1レンズアレイX1Bよりも小さな第2レンズアレイX2Bとで構成される。第1レンズアレイX1Bは左右略対称な三角プリズム形状であり、第2レンズアレイX2Bも左右略対称な三角プリズム形状であり、該第2レンズアレイX2Bの底部の位置は第1レンズアレイX1Bの底部の位置と一致する構造をとる。
第1レンズアレイX1Bである三角プリズムアレイX1Bの底辺と斜辺とのなす角度は35度以上55度以下の範囲に設定されることが好ましい。35度を下回る場合、正面方向への集光機能が低いレンズ構造となり、一方で55度を超える場合はサイドローブが生じて正面方向への集光機能が低下するためである。更には、当該範囲外となった場合、輝度斑の抑制と高輝度との両立を図ることが困難となるためでもある。より好ましい角度範囲としては、40度以上50度以下であり、最も好適な角度は45度である。
第2レンズアレイX2Bである三角プリズムアレイX2Bの底辺と斜辺とのなす角度は35度以上55度以下の範囲に設定されることが好ましい。35度を下回る場合、正面方向への集光機能が低いレンズ構造となり、一方で55度を超える場合はサイドローブが生じて正面方向への集光機能が低下するためである。更には、当該範囲外となった場合、輝度斑の抑制と高輝度との両立を図ることが困難となるためでもある。より好ましい角度範囲としては、40度以上50度以下であり、最も好適な角度は45度である。
本発明のレンズ構造は第1レンズアレイX1Bと第2レンズアレイX2Bとが各々独立したレンズアレイとして形成されるため、二方向の視野角特性の制御が容易という特徴がある。すなわち、三角プリズムX1Bが配置される隙間を小さくすると、レンズ構造の表面積に対して三角プリズムアレイX1Bが占める割合が増加し、三角プリズムアレイX1Bの集光機能が高まる。一方で三角プリズムアレイX1Bが配置される隙間を大きくすると、レンズ構造の表面積に対して三角プリズムアレイX2Bが占める割合が増加し、三角プリズムアレイX2Bの集光機能が高まる。このように所望の視野特性に合わせて適宜調整することが可能である。この場合においても先述したレンズ構造同様、サイドローブが生じないという特徴を持つ。
以上、レンズ形状が凸型であるとして詳述したが、本発明においては、該形状を反転させた凹型の形状であっても良い。該凹型形状であっても上記効果が発現できる。
レンズ構造を上記構造にすることにより、例えば、高い集光効果を維持した形で、プリズムレンズフィルムやレンチキュラータイプ等の一方向に配向した山脈タイプの構造で現れる出射光が特定方向に集光される現象である所謂、出射光の配光分布プロファイルの等方性の低下や出射光の角度依存性における45度付近に現れる出射光強度の落ち込みの発生を抑制することができる。そのために、本発明の面光源装置を一般の照明用として用いた時に、方向性のない均一な照明ができるという効果に繋げることができる。また、表示装置の光源として用いた場合に特定方向の視野角の低下や特定角度での輝度低下の発生を抑制することができる。その上に、高い正面輝度と低い輝度斑の両立を図ることができる。
レンズ構造の高さ、幅及び間隔等も限定されない。また、傾斜面を有する構造の場合の傾斜角や円弧構造を有する場合の曲率も限定されない。上記表面構造特性を満たすように適宜設定すれば良い。
(レンズフィルム(B)の等方性)
本発明のレンズフィルム(B)は、実施例において記載した方法で測定される等方性度が0.72〜1であることが好ましい。0.75〜1.0がより好ましい。上記範囲を満たすことで面光源装置を一般の照明用として用いた時に、方向性のない均一な照明ができるという効果に繋げることができる。また、表示装置の光源として用いた場合に特定方向の視野角の低下の発生を抑制することができる上に、高い正面輝度や正面照度と低い輝度斑の両立を図ることができる。
(レンズフィルム(B)の製造方法)
本発明のレンズフィルム(B)の製造方法は、上記特性を満たせば限定されないが、例えば、透光性の基材上にUV硬化樹脂や放射線硬化樹脂を用いて成形する方法、或いは、基材上にPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)等を用いて、当該技術分野では良く知られている押出成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成する方法が挙げられる。
(光拡散積層体の構成)
本発明の光拡散積層体の構成は、内部光拡散部材(A)の表面にレンズフィルム(B)がレンズ面の反対面が接するように積層していることが必要である。本構成において初めて本発明の効果を発現することができる。例えば、レンズフィルム(B)のレンズ面と内部光拡散部材(A)面が接するように逆方向で積層した場合は、レンズフィルム(B)による集光効果が低くなり、正面輝度や正面照度向上効果が低くなる。
さらに、本発明においては、上記構成において、内部光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)が接する界面に空気層が存在することが好ましい。界面に空気層を存在させるためには、内部光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)を単に重ね合わせて積層すればよい。また、内部光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)との使用時のずれを防止するためには、積層体のコーナー部分やへりの部分等を部分的に接着したり、積層体の全面に例えば、ドット状に分散した形で接着剤を用いて部分接着しても良い。一方、接着剤や粘着剤で全面的に貼り合わせると、界面の空気層が排除されてしまい、レンズフィルム(B)による集光効果が低下して、正面輝度や正面照度向上効果が低下するおそれがある。
(光拡散積層体の全光線透過率/平行光線透過率比と全光線透過率の複合特性)
本発明の光拡散積層体は、実施例において記載した方法で測定される全光線透過率/平行光線透過率比と全光線透過率との複合特性が2500〜4000であることが好ましい。2600〜3900がより好ましい。2600〜3800がさらに好ましい。上記範囲を満たすことにより高輝度化と低輝度斑の両立を図ることができ、高輝度で、かつ輝度斑を小さくすることが達成できる。上記範囲を超えた高光拡散度あるいは上記範囲未満の低光拡散度のいずれの場合においても輝度が低くなり、しかも輝度斑も大きくなる。
(内部光拡散部材(A)の構造)
本発明の光拡散積層体に用いられる内部光拡散部材(A)は、互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂の混合物からなる層を少なくとも一層含み、全光線透過率/平行光線透過率比が8〜110であるものであれば限定されない。
本発明における内部光拡散部材(A)とは、上述の非相溶混合物からなる光拡散成分からなる光拡散層を含むことにより光拡散性を発現する光学部材を指す。内部光拡散部材(A)には、後述のごとく、光拡散層が表層になる構成や内層になる構成も含まれる。
光拡散部材中に上記の互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂の混合物からなる層が存在すると、該層を光が通過する際にそれぞれの樹脂の界面の屈折率差により光が散乱される。そして、それぞれの樹脂の屈折率差、それぞれの樹脂の割合及び層厚み等によりこの層の光拡散度が変わる。また、それぞれの樹脂の割合等により一方の樹脂が粒子状で存在することが多い。該粒子は光拡散成分を構成するが、該光拡散成分の大きさによっても光拡散度が変わる。前記した全光線透過率/平行光線透過率比が上記の範囲になるようにするには、これらの構成要件を適宜調整するのが好ましい。
例えば、屈折率差は0.003〜0.07の範囲にするのが好ましく、0.005〜0.06の範囲がより好ましく、0.01〜0.05がさらに好ましい。また、層の厚みは5μm〜10mmが好ましく、10μm〜5mmがより好ましく、20μm〜4mmがさらに好ましい。また、それぞれの樹脂の割合は、上記構成要素の組み合わせ等で適宜設定するのが好ましい。
光拡散成分の大きさは樹脂の種類や割合及び製膜条件等の多くの要因の影響を受ける。前記した全光線透過率/平行光線透過率比は、互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂の混合物からなる層を光が通過する際に、光拡散成分による散乱を受ける回数である、いわゆる多重散乱回数の影響を大きく受けると推察されるので、光拡散成分の層の厚み方向の平均径が重要となる。フィルムの厚みの少なくとも1/2以下であることが好ましい。1/3以下がより好ましく、1/10以下がさらに好ましい。また、フィルムの断面を電子顕微鏡で観察した場合に、厚み方向に任意の直線を引いた場合にその線状に存在する光拡散成分の粒子の数が5個以上であることが好ましい。10個以上がより好ましく、30個以上がさらに好ましい。該構成要因を好ましい範囲にするには層厚み、樹脂の種類や配合割合及び製膜条件等の要件を最適化するのが良い。例えば、後述の好ましい実施態様が重要要因となる。
また、上記内部光拡散部材(A)は、面内の光学特性の均一性が重要であるので、光拡散成分は面内に出来るだけ均一に存在することが好ましい。しかし、面内の光学特性の均一性が確保されれば、厚み方向に関しての光拡散成分の均一性は問わない。例えば、厚み方向の特定部分に光拡散成分が局在して存在しても構わない。
互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂の混合物を構成する樹脂としては、非溶融性の微粒子状の樹脂である、いわゆる樹脂ビーズを用いても良い。ただし、該樹脂ビーズを用いた場合は、製膜工程における濾過において、濾過フィルタの目詰まりが発生する場合等があり生産性に問題が生ずることがある。また、得られる光学部材の清澄度が劣る場合があるので、全種の樹脂が熱可塑性樹脂の混合物からなり、かつ溶融押し出し成型法で製膜されてなることが好ましい。
さらに、上記態様において、少なくとも2種の熱可塑性樹脂の混合物の中の島構造を構成する熱可塑性樹脂成分の量が、全熱可塑性樹脂量に対して11〜50質量%であることがより好ましい。
また、本発明における内部光拡散部材(A)は単層構成であってもよいし、2層以上の多層構成であっても構わない。多層構成の場合は、少なくとも一層が互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂の配合物からなれば良い。例えば、光拡散層のみからなる単層構成や、光拡散層/光拡散層、光拡散層/非光拡散層(例えば、単なる透明層)/光拡散層、非光拡散層/光拡散層/非光拡散層、光拡散層/光拡散層、光拡散層/光拡散層/非光拡散層、光拡散層/光拡散層/非光拡散層、及び光拡散層/非光拡散層/光拡散層等の多層構成が挙げられる。さらに、層数をこれらより増やした構成でも良い。上記多層構成の場合は、多層共押出し法で製造してもよいし、押出しラミネート法やドライラミネート法で実施してもよい。
(少なくとも二種の互いに非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物)
本発明において、少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂及びポリメチルペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂から非相溶性(互いに溶け合わない)の熱可塑性樹脂の少なくとも二種類を選択すればよいが、上記特性を安定して発現させることができること及び経済性の点から、少なくとも1種がポリオレフィン系樹脂からなることが好ましい。
2種類の樹脂のもう一方の樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系樹脂等が好適であり、光学特性以外の要求特性や経済性等を勘案して適宜選択される。
特に、耐光性や経済性の点から、二種類ともにポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。2種の樹脂の屈折率差は限定されないが、屈折率差を0.003〜0.07の範囲にするのが好ましい。0.05〜0.005の範囲がより好ましく、0.01〜0.02がさらに好ましい。
上記の少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂として用いる熱可塑性樹脂のメルトフローレートは、例えば、海/島法の場合は、それぞれのメルトフローレートの組み合わせにより大きく変化し、光学特性が変化するので、求められる光学特性や、島相のサイズや形状に応じて適宜選択すれば良い。例えば、上記の2種類ともにポリオレフィン系樹脂を用いる場合は、それぞれ230℃で測定したメルトフローレートが0.1〜100の範囲で適宜組み合わせて実施すれば良い。
本発明においては、光拡散度に異方性を付与するのが好ましい場合がある。該特性を付与するには島構造に異方性を持たせるのが好ましい。このような形状の島構造を形成するためには、海成分樹脂と島成分樹脂の溶融粘度に差を付けるのが好ましい。特に、海成分よりも島成分の溶融粘度を低くするのが好ましい。このためには、例えば、メルトフローレートの差を付けるのが好ましく、海成分より、島成分の方のメルトフローレートを高くするのが好ましい。また、海成分樹脂と島成分樹脂の剛性に差を付けるのも好ましい。特に、海成分よりも島成分の剛性を低くするのが好ましい。
また、島成分のメルトフローレートが低い場合には、ダイ内でのシェアやドラフトにより島成分が細くなる力がかかりにくくなり、異方性が低下することがある。質量比が50/50から離れるほど、この傾向は強くなる。これらの傾向を考慮して、各特性の調整を行う。
上記屈折率差が満たされれば2種の樹脂の種類は限定されないが、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂の組み合わせが、本発明の光学特性が安定して得られやすく、かつ経済性に優れているので好ましい。また、耐紫外線安定性に優れているという特徴もある。
環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ノルボルネンやテトラシクロドデセン等環状のポリオレフィン構造を有するものが挙げられる。具体的には、例えば、(1)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体に、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加などのポリマー変性を行なった後に、水素添加して得られる樹脂、(2)ノルボルネン系モノマーを付加型重合させて得られる樹脂、(3)ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーと付加型共重合させて得られる樹脂などを挙げることができる。重合方法及び水素添加方法は、常法により行なうことができる。
ポリエチレン系樹脂は、単一重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。共重合体の場合は50モル%以上がエチレン成分であるのが好ましい。該樹脂の密度や重合方法等も限定されないが、密度が0.909以下の共重合体の使用が好ましい。例えば、プロピレン、ブテン、ヘキセン及びオクテン等との共重合体が挙げられる。重合方法はメタロセン触媒法及び非メタロセン触媒法のいずれでも構わない。特に、高い拡散性が安定に付与できる点で、エチレンとオクテンのブロック共重合体の使用が好ましい。該樹脂としては、例えば、ダウケミカル社製のINFUSE(TM)が挙げられる。該エチレンとオクテンのブロック共重合体の使用が好ましい理由は定かでないが、環状ポリオレフィン系樹脂との馴染みが他のポリオレフィン系樹脂より優れていることが寄与していると推察している。
環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂との組み合わせの場合は、ポリエチレン系樹脂を海相として、かつ該海相のポリエチレン系樹脂のメルトフローレートを島相の環状ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレートよりも高くすることが好ましい。
環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂の組み合わせの場合は、全樹脂量中に環状ポリオレフィン系樹脂が10〜60質量%配合されているのが好ましく、さらに好ましくは10〜50質量%である。
上記樹脂は、一般に市販されている汎用性の高い樹脂の中から選択すれば良いが、より安定した生産ができる等の対応のために特注品を使用しても良い。
上記において詳述した部分はあくまでも例示であり、これらには限定されない。上記光学特性を満たす範囲で適宜選択すれば良い。
(内部光拡散部材(A)の製造方法)
本発明の内部光拡散部材(A)の製造方法は特に限定されないが、経済性の点で溶融押し出し成型により製膜する方法が好ましい。該製膜方法としては、特に制限されず、例えば、Tダイ法及びインフレーション法のいずれでもよい。また、未延伸のままのフィルムでもよく、延伸処理を行ってもよい。二層以上含む構成の場合は、共押し出し法で製膜するのが好ましいが、限定はされない。例えば、押し出しラミネート法で製造しても良いし、2枚以上のフィルムを接着剤等で貼り合わせても良い。
本発明においては、等方性の高いものが好ましいが、限定はされない。等方性に近づけるには以下の方法で対応するのが好ましい。
押し出し機で溶融した樹脂をダイからシート状に押し出してし、該シートを冷却ロールに押し圧ロールで圧接して密着させ冷却固化させて製膜することが好ましい。冷却ロールに押し圧ロールで圧接して密着させるということを満たせば、その具体的内容は限定されない。例えば、一般的に実施されている冷却ロールに比べて径の細い押し圧ロールで圧接しても良いし、径の同じ2個の冷却ロールの間にシートを押し出して冷却ロール同士で圧接しても良い。また、この方法において、該押し圧ロール及び/または冷却ロール表面を粗面化処理したロールを用いて、前記した賦型処理による粗面化を同時に行っても良い。
等方性を求める場合は、無延伸でかつ、溶融押し出しの際にドラフトをかけないで製造するのが好ましいが、下記のように異方性のフィルムを複数使用することでも可能である。即ち、内部光拡散層にポリエステル系樹脂を用い、一方向に2〜10倍延伸することで島相が延伸方向に引き伸ばされ細長い構造になり、該島相の配向方向と直交した方向の光拡散性が著しく向上して本発明の目指す高光拡散性が確保できる。二枚以上のフィルムを主光拡散方向が直交するように重ね合わせて使用するのが好ましい。
上記の少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物は、それぞれの熱可塑性樹脂を製膜工程の押出し機などで配合してもよいし、予め混練法等で事前に混合物とした形で用いてもよい。
(内部光拡散部材(A)の全光線透過率/平行光線透過率比の制御方法)
全光線透過率/平行光線透過率比を前記した好ましい範囲に制御する方法は限定されず、以上述べたような樹脂の種類、該組成比や製造条件を適宜最適化すれば良いが、内部光拡散部材(A)の場合は、全光線透過率/平行光線透過率比は光拡散層の厚みの影響を大きく受けるので、光拡散層の厚みで制御するのが好ましい。
(作用機構)
本発明は、二律背反事象になると言われている正面輝度や正面照度と輝度斑の関係を新しいコンセプトにより打破し、高い正面輝度や正面照度と低い輝度斑の両立を図ったものである。すなわち、従来技術においては光拡散度の高い光拡散板の使用や複数枚の光拡散部材の組み合わせにより輝度斑の抑制がなされてきたために、輝度斑を低くすると正面輝度や正面照度が低下し、いわゆる二律背反事象が完全に打破出来ていなかった。
本発明者等は、内部光拡散部材(A)として単独では光拡散度が低く輝度斑を小さくする効果が小さくても、レンズフィルム(B)との組み合わせによる相乗効果で輝度斑を下げれば正面輝度や正面照度の低下を抑制した形で輝度斑を小さくすることができ、従来技術では実現出来なかった高い正面輝度や正面照度と低い輝度斑の両立が図れるものと考えた。すなわち、内部光拡散部材(A)の光拡散度は適度な範囲として、輝度斑を小さくするのに必要な光拡散度はレンズフィルム(B)との相乗効果を利用して達成する方法が好ましいという仮説を立てた。
鋭意検討を行った結果、正面輝度や正面照度と輝度斑との関係は内部光拡散部材の光拡散度に対して二律背反でなくそれぞれ極大値と極小値が存在し、かつその極大値と極小値を示す内部光拡散部材(A)の光拡散度がほぼ一致するので、この点を中心とした適度な範囲を選ぶことにより、従来技術では達し得なかった高い正面輝度や正面照度と低い輝度斑の両立を図ることができることを見出した。
上記仮説の正しさが実証できたのは、前述した従来公知の光拡散度評価の課題であった出射光の変角配光分布プロファイルのパターンの影響を無くすることができる全光線透過率/平行光線透過率比という新規な光拡散度評価法を確立することによって初めて成し得たものである。光拡散部材の全光線透過率/平行光線透過率比の重要性は図9において明示される。
上記のごとく本発明においては、内部光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)の光拡散度の相乗効果を利用して高い正面輝度や正面照度と低い輝度斑の両立を図っているので、光拡散積層体の光拡散度も重要である。例えば、実施例1において用いた光拡散部材1及びレンズフィルム1のそれぞれ単独での全光線透過率/平行光線透過率比は46及び46であり、どちらも光拡散度は中レベルである。これに対して、これらの光拡散部材1とレンズフィルム1との積層体の全光線透過率/平行光線透過率比は81.5であり両部材の相乗効果で光拡散度が大きくなっており、上記仮説の妥当性が示される。
レンズフィルム(B)をレンズフィルム1に限定し、全光線透過率/平行光線透過率比の異なる各種の光拡散部材を組み合わせた系においては、光拡散積層体の全光線透過率/平行光線透過率比の適切な範囲は80〜120である。しかし、該適切な範囲はレンズフィルム(B)のレンズ構造の影響を受けることが判った。従って、レンズフィルム(B)のレンズ構造の影響を受けない普遍的な光拡散積層体(A)の光拡散度の評価尺度の確立が必要となった。
本発明者等は、全光線透過率/平行光線透過率比ではレンズ構造による影響を受けるのは光拡散積層体の光拡散度については拡散透過光の寄与が一次函数として作用するのではなく多次函数として作用するために生じた結果であると推察した。そこで、全光線透過率/平行光線透過率比にさらに拡散透過光の寄与が含まれる全光線透過率を掛け算した複合特性が有効であると考えて検証を行った。その結果、想定通りの結果を得た。そして、高い正面輝度や正面照度と低い輝度斑の両立を図るには前述した2500〜4000の範囲が適切であることを見出した。
上記複合特性は、拡散透過光の寄与が含まれた全光線透過率の2乗を平行光線透過率で除した値であるので、拡散透過光の寄与が多次函数的に作用した尺度となっていると考えており、上記仮説を支持していると推察している。従って、以下、本尺度を二次函数光拡散度と称することもある。
なお、内部光拡散部材(A)の光拡散度は一次函数光拡散度である全光線透過率/平行光線透過率比で十分であり、二次函数光拡散度を用いる必要はない。光拡散積層体の場合に二次函数光拡散度が好ましいのは、光拡散積層体の場合は、内部光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)の相乗効果により光拡散度が支配されることに起因していると推察している。該光拡散積層体の二次函数拡散度の重要性は図10において明示される。
すなわち、輝度斑は、ある角度から面照明を観察した際に、明るい領域と暗い領域とが視認される現象である。このような輝度斑を抑制するには通常、高い光拡散度の光拡散部材が用いられる。このような手段で輝度斑を抑制することが出来る前提としては、明るく見える領域と暗く見える領域とから射出される光量自体には大きな差が無いということである。つまり、面照明を観察する角度方向に射出される光量が多い領域は明るく観察され、他方、暗く見える領域は、面照明を観察する角度方向への射出光量が相対的に少ない。一方で、当該角度以外へ射出される光量については、この関係が逆転する。すなわち、高い光拡散度の光拡散板や光拡散シートは、明るく見える領域の観察方向へ射出される光を拡散することで低減し、一方で暗く見える領域の観察方向以外へ射出される光を拡散することでその一部を観察方向へと射出角度を変え、観察方向の光量を増加させる。この結果として輝度斑が抑制されることとなる。ここで一般的に観察方向とは、面照明の法線(正面)方向である場合が多い。
本発明のレンズフィルム(B)表面のレンズ構造は、延在する方向が略直交する2つのレンズアレイで構成されるのが好ましい。これにより、二方向の視野を対称に制御することが出来るため、結果として360度方向の視野を制御できる。更に、このようなレンズ構造は、法線方向に沿って入射する光を反射し、法線方向以外の斜めの角度で入射する光を屈折により法線方向へと偏向して射出する特徴がある。すなわち、上述したような高い光拡散度の光拡散部材が輝度斑を抑制する作用と同様の作用を360度方向に得ることが出来る。
レンズ構造によって面照明の輝度斑を抑制するには、レンズフィルム(B)へと入射する光の、法線方向の光量と法線方向以外の光量とのバランスが重要となる。本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、先述したような光拡散性能を持つ内部光拡散部材(A)を面光源との間に挿入することで、輝度斑の抑制と高輝度との両立が可能である。
一方、レンズフィルム(B)によるバックライト装置の光源により発せられる光の取り出し効率は、レンズフィルム(B)表面の表面積に支配を受け、表面積が高い方が取り出し効率が高くなるので、より高い正面輝度が得られる。従って、レンズフィルム(B)のレンズ表面の表面積と相関を有する中心面粒度(SGr)を高くするのが好ましい。該レンズフィルムのレンズ面の中心面粒度(SGr)が正面輝度や輝度斑に対して影響していることは図8において明示される。
さらに、レンズフィルム(B)の出射光の配光分布プロファイルの等方性が高く、かつ出射光の配光分布プロファイルの出射角度45度付近の出射光強度の落ち込みがないレンズフィルム(B)の使用によりプリズムレンズフィルムが有するこれらの欠点が改善され、さらに、高い正面輝度と低い輝度斑の両立を図ることができる。この理由は、本発明の基本となっている内部光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)の複合による光拡散度に対する相乗効果の度合いが、レンズ構造により微妙に変わることにより引き起こされているためである。上記特性を良くするには、前述した対応が好ましい。
(面光源装置)
本発明の面光源装置の基本ユニットは、少なくとも片面に出光面を有する構成であればその内容は問わない。例えば、エッジライト方式及び直下型のいずれであっても構わない。また、両面出光タイプであっても良い。直下型が好適である。本発明の光拡散積層体は、面光源装置の少なくとも片面に用いられる。
一般に、面光源装置には、出光面の輝度を上げる目的で、出光面と反対面には、反射フィルムや反射体が使用されている。該反射フィルムや反射体の種類も限定されない。例えば、白色体よりなる光拡散タイプの反射フィルムや反射体、及び金属光沢による反射を利用した指向性の強い反射フィルムや反射体、及び両特性を兼備した反射フィルムや反射体等を挙げることができる。
また、エッジライト方式の面光源装置には、光源よりの距離による輝度の減衰を抑制するために、印刷、刻印及び彫刻等により出光パターンを付ける方法が採用されているが、該出光パターンの有無も問わない。該出光パターンを付与する方法は、本発明の方法においては、従来技術において実施されている各種光学用部材を単に重ね合わせて設置する方法とは、出光のプロファイルが大きく異なるので、出光パターンを本発明の方法に適合するように設計するのが好ましい。本発明の方法は、光源より近距離における出光量が増加するので、出光パターンの傾斜をより強くするのが好ましい。
(面光源装置の光源)
本発明の面光源装置に用いられる光源は限定されない。例えば、既に多く用いられている蛍光灯、冷陰極管及びLED光源等の光源が挙げられる。特に、本発明の光拡散積層体は、光源のホットスポットの隠蔽性に優れているので、光の直進性の高いLED光源のランプ像、いわゆる光源スポットを輝度や照度の低下を抑制した形で消去することができるので、LED光源の使用が好ましい。
(光拡散積層体の使用方法)
本発明の光拡散積層体は、上記面光源装置の出光面側の表面に上記光拡散積層体の内部光拡散部材(A)面が接するように設置されていることが好ましい。このようにすることにより本発明の効果が効果的に発現することができる。また、上記面光源装置の出光面側の表面と上記光拡散積層体の内部光拡散部材(A)面とは、透明な接着剤又は粘着剤で貼り合されることが好ましい。このようにすることによりレンズフィルム(B)による集光効果が増大して正面輝度を高めることができる。
(面光源装置の輝度あるいは照度特性)
本発明における面光源装置は、実施例において記載した輝度分布プロファイルの等方性や輝度分布プロファイルの中間角度における輝度の落ち込みのランクの数値ができる限り小さいことが好ましい。このようにすることにより、本発明の面光源装置を一般の照明用として用いた時に、方向性のない均一な照明を達成することができる。また、表示装置の光源として用いた場合に特定方向の視野角の低下や特定角度での輝度低下の発生を抑制することができる。
(表示装置)
本発明においては、上記面光源装置を表示装置用の光源として用いることができる。上記面光源装置は、高い輝度及び輝度斑が低減できるので、表示装置用の光源として用いた場合に、表示装置の明るさや明るさの均一性が向上し、表示画面の視認性を向上させることができる。あるいは、高度な輝度が必要でない使用方法においては、ランプの光量を低減できるので、表示装置の製造コストや表示装置の使用時のエネルギー消費量を低減することができ、経済的効果や環境負荷を低減することが可能となる。該表示装置としては、面光源装置により発せられる光により、何らかの情報を伝達する機能を有した装置であれば限定されない。例えば、パソコン、TV及び車両等の輸送装置用のLCD表示装置が挙げられる。また、広告や案内板等の非動画の表示装置が挙げられる。
(照明装置)
本発明においては、上記面光源装置を照明用の光源として用いることができる。上記面光源装置は、高い輝度、すなわち高い照度及び照度の斑を低減できるので、照明用の光源として用いた場合に、照明装置の明るさ及び均一性を向上させることができる。あるいは、高度な照度が必要でない使用方法においては、ランプの光量を低減できるので、照明装置の製造コストや照明装置の使用時のエネルギー消費量を低減することができ、経済的効果や環境負荷を低減することが可能となる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、実施例で採用した測定・評価方法は次の通りである。また、実施例中で「部」とあるのは断りのない限り「質量部」を意味し、「%」とあるのは断りのない限り「質量%」を意味する。
1、全光線透過率/平行光線透過率比及び全光線透過率/平行光線透過率比と全光線透過率の複合特性(二次函数光拡散度)
(全光線透過率)
自記分光光度計(UV−3150:島津製作所社製)に積分球付属装置(ISR−3100:島津製作所社製)をセットして、スリット幅12nmで波長300〜800nmの範囲を高速でスキャンして分光スペクトルの測定を行い、550nmにおける透過率で表示した。
(平行光線透過率)
自記分光光度計(UV−3150;島津製作所社製)を用いて、スリット幅12nmで波長300〜800nmの範囲を高速でスキャンして分光スペクトルの測定を行い、550nmにおける透過率で表示した。
上記測定においては、光拡散部材及び光拡散積層体のいずれの場合も試料の主光拡散方向が水平方向になるように試料固定器具に固定して測定した時の値を用いた。
主光拡散方向は以下の方法で検出した。
光拡散部材の場合は、試料にレーザーマーカーで光を当て、出射光の光拡散方向を検知して決定した。レンズフィルムの場合は、レンズフィルムと光拡散フィルム(きもと社製ライトアップフィルム(TM)100DX2)とをレンズフィルムのレンズ面の反対面と光拡散部材の光拡散層側が接するように重ね合わせて、光拡散部材側よりレーザーマーカーで光を当てて暗所の約3cm程度の距離の白板にレーザーマーカーの出射光のパターンを投影し、そのパターンより判定した。
光拡散部材において、試料の両面で表面粗度が異なる場合は、実際に使用する場合の光の透過方向が一致する向きで試料を固定して測定するのが良い。本発明においては、表面粗度が低い方から入光する向きで固定して測定した。
レンズフィルムの場合はレンズ面の反対面より入光して測定した。
光拡散部材とレンズフィルムを積層した光拡散積層体の場合は、レンズフィルムの反対面と光拡散部材を重ね合わせて光拡散部材側から入光する方向で試料固定器具に固定して測定した。
光拡散部材において、試料の両面で表面粗度が異なる場合は、実際に使用する場合の光の透過方向が一致する向きで試料を固定して測定するのが良い。本発明においては、表面粗度が低い方から入光する向きで固定して測定した。
(全光線透過率/平行光線透過率比)
上記方法で測定された全光線透過率を平行光線透過率で除して算出した。該全光線透過率/平行光線透過率比の値が高い程、光拡散度が高い。
(二次函数光拡散度)
上記方法で求めた全光線透過率/平行光線透過率比と全光線透過率を掛け合わせて求めた。
2、非分光全光線透過率及びヘーズ
日本電色工業株式会社製ヘーズ測定器「NDH−2000」を用いて、JIS K 7136に準拠して測定した。
上記測定においては、試料の主光拡散方向が水平方向になるように試料固定器具に固定して測定した時の値を用いた。主光拡散方向は、試料にレーザーマーカーで光を当て、出射光の光拡散方向を検知して決定した。
試料の両面で表面粗度が異なる場合は、実際に使用する場合の光の透過方向が一致する向きで試料を固定して測定するのが良い。本発明においては、表面粗度が低い方から入光する向きで固定して測定した。
3、拡散光線透過率
株式会社村上色彩研究所製ヘーズ・透過率計「HR−100」を用いて、JIS K 7361に準拠して測定した。
上記測定においては、試料の主光拡散方向が水平方向になるように試料固定器具に固定して測定した時の値を用いた。主光拡散方向は、試料にレーザーマーカーで光を当て、出射光の光拡散方向を検知して決定した。
試料の両面で表面粗度が異なる場合は、実際に使用する場合の光の透過方向が一致する向きで試料を固定して測定するのが良い。本発明においては、表面粗度が低い方から入光する向きで固定して測定した。
4、中心面粒度(SGr)
接触式の三次元表面粗さ測定装置((株)小坂研究所製 二次元、三次元表面粗さ解析システム TDA−21)により、以下に示す条件にて測定して求めた。
(測定条件)
TABLE PITCH :0.005、
REC PITCH :1、
H.MAGNIFICATION :200、
MEASURING LENGTH :1mm、
V.MAGNIFICATION :500、
CUT OFF :0.25、
TRAVERSING LENGTH :REC、
本数 :100本
なお、触針は2μmで90度のものを用いた。
5、レンズフィルムの等方性及び出射角度45度における出射光度の落ち込み
(1)レンズフィルムの等方性
変角分光測色システムGCMS−4型(GSP−2型:株式会社村上色彩研究所製、変角分光光度計GPS−2型)を用いて測定を行った。透過測定モード、光線入射角:0°(フィルム法線方向)、受光角度:−80°〜80°(フィルム法線からの極角。方位角は水平)、光源:D65、視野:2°の条件で、試料の主光拡散方向が水平方向及び垂直方向になるように試料台に固定(試料台の軸と主光拡散方向の軸とのずれは20度程度までは許容される)し、透過光のLab色度データのY値で変角光度曲線を求めた。あおり角は0°とした。角度は5°ピッチで変角させて測定した。
測定に先立ち、株式会社村上色彩研究所製のGCMS−4用の透過拡散標準板(オパールガラス)を用いて装置の校正を行い、該透過光拡散標準板の受光角度0度における透過光強度を基準(1.000)として、相対透過度を測定した。なお、前記透過光拡散標準板は、積分球式分光計測で空気層を1.000とした時の440nmの透過率が0.3069であった。
測定は、上記標準光拡散板とレンズフィルムのレンズ面の反対面とを重ね合わせて標準光拡散板側が入光側になるように試料台に固定して測定した。
両方向の変角光度曲線より半値幅角度(0度のY値の半分の値における変角光度曲線の角度)を求め、該半値幅の小さい方の値を半値幅の大きい方の値を求めた。1に近い方が、等方性が高い。
標準光拡散板と重ねて測定するのは、レンズフィルム単独で測定すると変角光度曲線が複雑な形になり、半値幅を求めるのが困難になるためである。
(2)レンズフィルムの出射角度45度における出射光度の落ち込み
上記方法で測定した出射角45度及び70度のY値の値より、次式で算出した。
上記両方向について求め、値の小さい方の値を用いた。
レンズフィルムの出射角度45度における出射光度の落ち込み=45度のY値/70度のY値
6、冷陰極管方式の直下型面光源装置における輝度及び輝度斑
RISA−COLOR/ONE−II(ハイランド社製)を用いて測定を行った。
電通産業株式会社製の冷陰極管タイプの検査用面光源装置(発光部品番 LB350−236及び電源部品番 SWD24−3.2A)の乳白光拡散板を取り外して、この乳白光拡散板に変えて透明な厚み2mmもアクリル板を設置し、その透明なアクリル板の上にA−4サイズの試料を検査用面光源装置のほぼ中央部になるように設置した。さらに、この資料の上に、100mm角の開口部を設けた黒色の遮光板を、開口部が上記の試料のほぼ中央部になるように設置して測定を行った。
レンズフィルムは、レンズフィルムの主配向方向が面光源装置の長手方向と平行になる方向に設置した。
該レンズフィルムの主配向方向は、レンズフィルムの反レンズ面にきもと社製の光フィルムであるライトアップフィルム100DX2の光拡散層側が接するように重ねあわせてライトアップフィルム側よりレーザーマーカの光を当て約2cm離した壁に出射光のパターンを投影して判定できる。該投影光パターンの長手方向が主光拡散方向である。該判定は暗所で行った。
光拡散部材(A)も異方性がある場合はレンズフィルムと同様に主配向方向が面光源装置の長手方向と平行になる方向に設置した。
CCDカメラと試料表面間の距離を垂直状態で1mとして、CCDカメラを試料表面に対して−70°から+70°までの間の赤道上を移動させて、輝度の角度依存性を測定した。変角はスタートとラストのみ1度ピッチとし、その間は3度ピッチで変角移動をした。輝度の測定は、測定部を横方向に3分割、縦方向に9分割し、横方向の中心部の9分割部分の輝度データーを読み取り、0度(垂直方向)の平均輝度を表示した。
また、0度における9データの最大値、最小値及び平均値より、下記式により輝度斑を求めて表示した。
輝度斑(%)=(最大値−最小値)/平均値×100
なお、検査用面光源装置は、長手方向が上記の赤道方向になるように設置した。
検査用面光源装置は、水平の状態で点等後1時間以上放置後に測定した。ランプ強度は最大値で行った。測定は暗室で行った。
7、輝度の変角分布プロファイルの等方性(輝度の等方性)
上記の輝度及び輝度斑測定を検査用面光源装置の長手方向と直交する方向についても測定を行い、両方向の平均輝度の角度依存性のプロファイル図より、0度(垂直方向)の輝度の半分の強さの位置における角度(半値幅角度)を求めた。それぞれの半値幅角度の小さい方の値を大きい方の値で除した値より以下のランク付けを行った。
ランク1:1.0〜0.90、ランク2:0.89〜0.80、ランク3:0.79〜0.70、ランク4:0.69以下
8、輝度の変角分布プロファイルの中間角度における輝度の落ち込み(輝度の落ち込み)
上記の輝度分布プロファイルの等方性評価で求めた両方向の平均輝度の角度依存性のプロファイルにおける角度70度における輝度を角度45度における輝度で除した値より以下のランク付けを行った。
ランク1:1.0以下、ランク2:1.1〜3.0、ランク3:3.1〜5.0、ランク4:5.1以上。
該ランク付けは両方向で求めた値の高い方の値で求めた。
9、冷陰極管方式の直下型面光源装置における最大照度、照度の等方性及び照度の落ち込み
上記の輝度特性に用いたRISA−COLOR/ONE−II(ハイランド社製)を変角照度計ZERO−ONE(ハイランド社製)に変更して、検査用面光源装置の長手方向及びその方向と直交する方向の照度の角度依存性のプロファイルを測定し、得られた照度の角度依存性のプロファイル図より輝度測定と同様の方法で求めた。ランク付けも同様にして行った。
なお、サンプル面と照度計の距離は垂直方向において50cmとした。
10、熱可塑性樹脂のメルトフローレート
JIS K 7210 A法に準拠して、2.16kgfの条件で測定した。
(レンズフィルムの製造例)
1、レンズフィルム1
厚み188μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面に、以下の方法でレンズ構造を形成して、レンズフィルム1を作成した。
転写した後に以下のようなレンズ構造が得られる版を準備した。
レンズ構造は、底辺の長さが75μm、頂辺の長さが25μm、底辺と斜辺とのなす角度が45度の台形プリズムの頂部に、底辺の長さが25μm、底辺と斜辺とのなす角度が45度の三角プリズムが形成された構造を取る。台形プリズムと三角プリズムとの交差角は90度とした。
準備した版を用いて、高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面にUV硬化樹脂を用いてレンズ構造をUV転写成形し、レンズフィルム1を得た。その特性を表1に示す。
2、レンズフィルム2
厚み188μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面に以下の方法でレンズ構造を形成して、レンズフィルム2を作成した。
転写した後に以下のようなレンズ構造が得られる版を準備した。
レンズ構造は、底辺の長さが50μm、底辺と斜辺とのなす角度が45度の三角プリズムを25μmの隙間を空けて75μmピッチで配列し、その隙間を埋めるように、底辺の長さが25μm、底辺と斜辺とのなす角度が45度の三角プリズムが形成された構造を取る。2つの三角プリズムの交差角は90度とした。
準備した版を用いて、高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面にUV硬化樹脂を用いてレンズ構造をUV転写成形し、レンズフィルム2を得た。その特性を表1に示す。
3、レンズフィルム3
厚み188μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面に、透明アクリル系光硬化型樹脂組成物(ダイセルサイテック(株)製、商品名「PETIA」)を塗布し、ロール金型で賦型し、紫外線を照射する紫外線賦型法により、高さが25μmで直径が50μmの半球状のドーム形状の突起が最密充填された形で賦型されたレンズフィルム3を得た。その特性を表1に示す。
4、レンズフィルム4
上記レンズフィルム3の製造方法において、レンズ構造を頂角90度、プリズム高さ25μm、プリズム底辺の幅51μmのプリズム構造に変更する以外、レンズフィルム3と同様の方法でレンズフィルム4を得た。その特性を表1に示す。
(光拡散部材の製造例)
1、光拡散部材1
環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013S−04 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.0(230℃))35質量部とエチレンとオクテンからなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃))65質量部を池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、冷却ロール面にシリコーン処理されたポリエステルフィルム(厚み50μm)を通過させながら、該ポリエステルフィルムの表面に積層し、シリコーンゴム製の押さえロールで冷却ロールに押さえつけ冷却することにより、上記の樹脂組成からなる光拡散層が積層されたポリエステルフィルムベースの光拡散部材1を得た。その特性を表2に示す。光拡散層厚みは100μmとした。
2、光拡散部材2
環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6015 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:0.41(230℃))50質量部とエチレンとオクテンからなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃))50質量部を、池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、梨地加工した冷却ロール(Ra=0.55)で冷却することにより、厚み200μmの光拡散部材2を得た。その特性を表2に示す。なお、上記冷却ロールの反対面は表面に離型処理をした(Ra=1.0)押さえロールを用いた。
3、光拡散部材3
光拡散部材2の方法で樹脂組成を以下に変更する以外は、光拡散部材2と同様の方法で厚み60μmの光拡散部材3を得た。その特性を表2に示す。
樹脂組成:環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6017 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:1.5(260℃))35質量部とエチレンとオクテンからなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9807.15 メルトフローレート:15(190℃))65質量部
4、光拡散部材4
2台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にて、環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013S−04 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.0(230℃))35質量部とエチレンとオクテンからなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃))65質量部を光拡散層とし、第2の押し出し機にて、ポリプロピレン系の接着性樹脂(アドマー(TM)SE800 三井化学社製 メルトフローレート:5.7(190℃))が両表層となるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、鏡面の冷却ロールで冷却することにより、総厚み126μmの両面に熱密着層が積層された光拡散部材4を得た。その特性を表2に示す。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。層厚み構成は18/90/18(μm)であった。第1の押し出し機の押し出し温度は230℃とし、第2の押し出し機温度は250℃とした。
5、光拡散部材5
ポリカーボネート系樹脂(レキサン(TM)9945A SABICイノベーティブプラスチック社製 メルトフローレート:10(300℃))35質量部と TPX樹脂(DX820 三井化学社製 メルトフローレート:180(280℃))65質量部を、池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、鏡面の冷却ロールで冷却することにより、総厚み200μmの光拡散部材5を得た。その特性を表2に示す。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。
6、光拡散部材6
光拡散部材2の方法でフィルム厚みを400μmに変更する以外は、光拡散部材2と同様の方法で光拡散部材6を得た。その特性を表2に示す。
7、光拡散部材7
2台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にて、ポリカーボネート系樹脂(レキサン(TM)9945A SABICイノベーティブプラスチック社製 メルトフローレート:10(300℃))35質量部と TPX樹脂(DX350 三井化学社製 メルトフローレート:110(280℃))65質量部を光拡散層とし、第2の押し出し機にて、ポリプロピレン系の接着性樹脂(アドマー(TM)QE060 三井化学社製 メルトフローレート:7.0(230℃))が両表層となるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、鏡面の冷却ロールで冷却することにより、総厚み400μmの両面に熱密着層が積層された光拡散部材7を得た。その特性を表2に示す。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。層厚み構成は30/140/30(μm)であった。
8、光拡散部材8
光拡散部材7の方法でポリカーボネート系樹脂をレキサン(TM)EXL1810T(SABICイノベーティブプラスチック社製 メルトフローレート:35(300℃))に変更する以外は、光拡散部材7と同様の方法で光拡散部材8を得た。その特性を表2に示す。
9、光拡散部材9
光拡散部材4の方法において、フィルム厚みを56μmに、層厚み構成を8/40/8(μm)に変更する以外は、光拡散部材ム4と同様の方法で光拡散部材9を得た。その特性を表2に示す。
10、光拡散部材10
ポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)50質量部、エチレン・ブテン共重合体(三井化学社製、タフマー A0585X)30質量部及びナノ結晶構造制御型ポリオレフィン系エラストマー樹脂(三井化学社製、ノティオ PN3560)20質量部を予め2軸の押し出し機で溶融押し出しすることにより得た混練されたポリオレフィン系樹脂組成物を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、更に横方向に145℃で8.2倍に延伸をし、158度で熱セットをした。引き続きその片面にコロナ処理をして厚み25μmの光拡散部材10を得た。その特性を表2に示す。
11、光拡散部材11
帝人化成社製のポリカーボネート系樹脂系の光拡散板(パンライト(TM)65HLW1.5mm)を使用した。その特性を表2に示す。
12、光拡散部材12
厚み100μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面に、平均粒径が3μmの真球状のアクリル樹脂粒子(東洋紡績社製 タフチック(TM)FHーS300)50質量部とポリウレタン樹脂50質量部の混合部が乾燥後厚みで30μmになるように、塗工機を用いて、塗布および乾燥をすることにより、表面光拡散部材12を得た。その特性を表2に示す。
(実施例1、2及び比較例1〜5)
光拡散部材を光拡散部材1に限定し、表3に示した構成の光拡散部材、レンズフィルム及び光拡散積層体を、前述の冷陰極管方式の直下型面光源装置における輝度及び輝度斑測定法に従って正面輝度、輝度斑、輝度の落ち込み及び輝度の等方性を評価した。該評価は、レンズフィルムのレンズ面の反対面と光拡散部材とが接するように重ね合わせて、光拡散部材側が面光源装置の透明アクリル板の上に設置して行った。レンズフィルムは、主配光方向が冷陰極管の長手方向と平行方向になるように設置した。
表3の結果より以下のことが言える。
(1)光拡散部材とレンズフィルム(B)を複合することにより初めて高い正面輝度と低い輝度斑の両立を図ることができる。それぞれ単独使用では、複合系に比べて正面輝度が低く、かつ輝度斑が大きい(実施例1、実施例2、比較例4及び比較例5の比較)。
(2)実施例1、実施例2及び比較例1〜3の数値を用いてレンズフィルム(B)のレンズ面の中心面粒度(SGr)と正面輝度や輝度斑との関係を図8に示す。レンズフィルム(B)のレンズ面の中心面粒度(SGr)が高い程、正面輝度が高く、前述の仮説が実証されている。その上に、レンズフィルム(B)のレンズ面の中心面粒度(SGr)が高い程、輝度斑も低くなり、輝度斑抑制という想定外の効果も発現されることが示されている。
(3)出射光度の落ち込みの小さいレンズフィルム(B)を用いることにより輝度の落ち込みが抑制される。また、等方性の高いレンズフィルム(B)を用いることにより輝度の等方性を高めることができる(実施例1、実施例2及び比較例2の比較)
(実施例3〜6及び比較例6〜11)
実施例1の方法で、レンズフィルム(B)をレンズフィルム1に限定して表4に示す各種光拡散部材との複合系での評価をした。
評価結果を、実施例1の結果と共に表4に示す。
これらの実施例と比較例に用いた光拡散部材の全光線透過率/平行光線透過率比と正面輝度及び輝度斑との関係及び光拡散積層体の二次函数光拡散度と輝度及び輝度斑との関係をそれぞれ図9及び図10に示す。
適度な光拡散度範囲において初めて高い正面輝度と低い輝度斑を両立できることが判る。また、これらの関係は臨界的であることも示される。
なお、光拡散積層体の二次函数光拡散度は、光拡散部材とレンズフィルムのレンズ面の反対面が接する方向で重ね合せて、光拡散部材側から入光して測定をした測定値で表示した。
(比較例12)
実施例1の方法において、光拡散部材1とレンズフィルム1との重ね合わせの順番を変更して、面光源装置の透明アクリル板の上にレンズフィルム1のレンズ面の反対面が透明アクリル板と接するように設置し、このレンズフィルム1のレンズ面の上に光拡散部材1を設置するように変更する以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
正面輝度は7630Cd/mであり、輝度斑は6.3%であった。
実施例1の方法に比べて正面輝度及び輝度斑共に大幅に劣る。
(比較例13)
実施例1の方法において、レンズフィルム1の設置向きを反対として、レンズ面が光拡散部材1と接するように変更する以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
正面輝度は1848Cd/mであり、輝度斑は13.5%であった。
実施例1の方法に比べて正面輝度及び輝度斑共に大幅に劣る。
以上より光拡散積層体は、本発明の構成において初めて本発明の効果が発現でき、高い正面輝度と低い輝度斑を両立できることが示される。
(実施例7、実施例8及び比較例14〜17)
実施例1の方法において、表5に示した光拡散部材とレンズフィルムの組み合わせで重ね合せて設置し、前記した方法で照度の角度依存性のプロファイルを測定し、得られた照度の角度依存性のプロファイル図より正面照度、照度の落ち込み及び照度の等方性を評価した。
結果を表5に示す。
照度においても輝度と同様の結果が得られることが示される。
(実施例9、実施例10及び比較例18〜21)
表6に示した光学部材の組み合わせの系について、面光源装置を、オプト・デザイン社で試作された特殊なLED光源を用いた直下型面光源装置であるフラッター方式の光源(100mm角に4個のLED光源を等間隔で配置)に変更し、実施例7,8及び比較例14〜17に準じた方法で正面照度、照度の落ち込み、照度の等方性及びフラッターのパターン隠蔽性を評価した。結果を表6に示す。
なお、フラッターのパターン隠蔽性は、点灯状態で出光面を肉眼で観察してフラッターの出光制御のパターンの像の視認性を観察して、該パターンが見えない場合を○、見える場合を×として判定した。
これらの実施例及び比較例より、フラッター方式の光源においても本発明の効果が顕著であることが示される。
(実施例11、実施例12及び比較例22〜27)
表7に示した光学部材の組み合わせの系について、面光源装置を300mm角で対向した2辺にLED光源が配列されたドット印刷法の導光板に変更し、実施例7,8及び比較例14〜17に準じた方法で正面照度、照度の落ち込み、照度の等方性及びドットの遮蔽性を評価した。ドットの隠蔽性は点灯状態で出光面を肉眼で観察して導光板の出光制御をするドットの視認性を観察して、該ドットが見えない場合を○、見える場合を×として判定した。
また、サンプル面と照度計の距離は垂直方向において100cmとして評価した。
結果を表7に示す。
導光板方式の面光源装置を用いても本発明の効果が顕著であることが判る。
本発明の光拡散積層体は、特定の光拡散度を有する光拡散部材と特定構造と特定特性を有したレンズフィルムを組み合わせた積層体からなり、面光源装置に用いた場合に、面光源装置の出光側に設置することにより高い出光効率や出光効率の均一性が高められるので、面状光源装置の高輝度化や高照度化ができ、かつ輝度や照度の均質性を高めることができる。
また、本発明のレンズフィルムは、特定構造と特定特性を有しているので、汎用されているプリズムレンズフィルムやレンチキュラータイプ等の一方向に配向した山脈タイプの構造で現れる出射光が特定方向に集光される現象である所謂、出射光の配光分布プロファイルの等方性の低下や出射光の角度依存性における45度付近に現れる出射光強度の落ち込みの発生を集光性の高さを維持した形で抑制することができる。そのために、本発明の面光源装置を照明用や表示用として用いた時に、方向性の少ない均一な照明を達成することができる。
それゆえ、本発明の光拡散積層体は、面光源装置用として好適に用いることができる。従って、該面光源装置の使用により、表示装置及び照明装置の性能向上や経済性の向上を図ることができる。

Claims (16)

  1. 互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂の混合物からなる層を少なくとも一層含む内部光拡散部材(A)と、片面にレンズ構造が形成されてなるレンズフィルム(B)とを、レンズフィルム(B)のレンズ面の反対面と内部光拡散部材(A)とが接するように積層した光拡散積層体において、内部光拡散部材(A)及びレンズフィルム(B)が下記特性を満たすことを特徴とする光拡散積層体。
    (i)内部光拡散部材(A)の全光線透過率/平行光線透過率比が8〜110であること、
    (ii)レンズフィルム(B)のレンズ面の中心面粒度(SGr)が5000〜30000μmであり、かつ0度で入光した時の出射光の変角配光分布プロファイルにおける出射角度45度における出射光度の落ち込みが3.0以下であることを同時に満たすこと。
  2. レンズフィルム(B)の等方性度が0.72〜1であることを特徴とする請求項1に記載の光拡散積層体。
  3. 光拡散積層体の全光線透過率/平行光線透過率比と全光線透過率との複合特性が2500〜4000であることを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散積層体。
  4. レンズフィルム(B)表面のレンズ構造は、第一の方向に延在する第一レンズアレイと、第一レンズアレイとは交差する第二の方向に延在する第二レンズアレイとが形成され、前記第一レンズアレイと前記第二レンズアレイとの頂部、あるいは底部の少なくとも一方が一致する構造を取り、前記第一の方向と前記第二の方向との交差角が70度以上90度以下の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散積層体。
  5. 第一レンズアレイは、第一の方向と直交する方向における断面形状が左右略対称であり、底辺と斜辺とのなす角度が35度以上55度以下の範囲に設定された台形プリズムアレイであって、第二レンズアレイは、第二の方向と直交する方向における断面形状が左右略対称であり、底辺と斜辺とのなす角度が35度以上55度以下の範囲に設定された三角プリズムアレイであって、第一レンズアレイと比べてその高さが低く設定されており、第一レンズアレイの頂部の位置と第二レンズアレイの頂部の位置とが一致されていることを特徴とする請求項4に記載の光拡散積層体。
  6. 第一レンズアレイは、第一の方向と直交する方向における断面形状が左右略対称であり、底辺と斜辺とのなす角度が35度以上55度以下の範囲に設定された三角プリズムアレイであって、第二レンズアレイは、第二の方向と直交する方向における断面形状が左右略対称であり、底辺と斜辺とのなす角度が35度以上55度以下の範囲に設定された三角プリズムアレイであって、第一レンズアレイと比べてその高さが低く設定されており、第一レンズアレイの底部の位置と第二レンズアレイの底部の位置とが一致されていることを特徴とする請求項4に記載の光拡散積層体。
  7. 内部光拡散部材(A)のヘーズが80〜98%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光拡散積層体。
  8. 内部光拡散部材(A)の非分光全光線透過率が74〜95%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光拡散積層体。
  9. 内部光拡散部材(A)の拡散光線透過率が68〜90%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光拡散積層体。
  10. 内部光拡散部材(A)が、互いに相溶しない少なくとも2種の熱可塑性樹脂の混合物よりなる層を少なくとも一層を含み、かつ溶融押し出し成型法で製膜されてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光拡散積層体。
  11. 2種の熱可塑性樹脂の混合物の中の島構造を構成する熱可塑性樹脂成分の量が全熱可塑性樹脂量に対して11〜50質量%であることを特徴とする請求項9に記載の光拡散積層体。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の光拡散積層体を面光源装置の出光面の少なくとも片面に用いていることを特徴とする面光源装置。
  13. 面光源装置の出光面側の表面に光拡散積層体の内部光拡散部材(A)面が接するように設置されていることを特徴とする請求項12に記載の面光源装置。
  14. 光拡散積層体の内部光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)とが接する界面に空気層が存在することを特徴とする請求項12または13に記載の面光源装置。
  15. 請求項12〜14のいずれかに記載の面光源装置を用いていることを特徴とする表示装置。
  16. 請求項12〜14のいずれかに記載の面光源装置を用いていることを特徴とする照明装置。
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