JP2012078799A - 光拡散フィルム積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
電照表示装置に用いた場合に、輝度が高く、かつ輝度斑を小さくすることができる特定の光学特性及び構成を有する光拡散フィルム積層体を提供する。
【解決手段】
少なくとも印刷層(A)と下記(i)〜(iii)を同時に満たす内部光拡散フィルム(B)を構成材料として含んでなることを特徴とする光拡散フィルム積層体:
(i)波長550nmの光の全光線透過率が40〜84%である;
(ii)主拡散方向の波長550nmの光の出射角0度における透過度(I)に対する出射角30度における透過度(I30)の割合(I30/I×100)が8.0〜95%である;
(iii)波長550nmの光の変曲率が4.0〜100%である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、印刷層により、メッセージ表示、模様等による意匠性向上あるいは色調変化等の機能を付与された光拡散フィルム積層体であり、例えば、電照表示装置に用いた時に表示部の表面輝度が高く、かつ輝度斑を小さくすることができる光拡散フィルム積層体に関する。
メッセージを伝える表示装置の一つに電照表示装置がある。電照表示装置は、照明装置の出光部にメッセージの内容を印刷した透光性の印刷体を設置して、照明装置より光を印刷体に照射して、電照表示装置が設置された空間の明るさに関係なく、常に、印刷されたメッセージを伝達するもので、例えば、広告用、案内用、行き先表示用、家電、OA機器、車両の表示用及び遊技機の表示用等として多くの分野において使用されている。
広告用や案内板等の大型装置の場合は、高い表面輝度と共に、輝度の均質性、すなわち、照明装置の光源のランプ像を消去する機能が求められている。そのためには、照明装置の光源の光を拡散させてやる必要があり、照明装置や印刷体に光拡散機能が付与されている。
例えば、印刷体の片面に発泡樹脂層を積層して発泡樹脂層中の気泡により光を拡散する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、光拡散性を有するインクを用いることにより、印刷体自体に光拡散性を付与する方法が開示されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
近年、照明装置の光源の明るさが向上し、かつ、電照表示装置の薄型化が求められている。また、電照表示装置についても省エネルギーが求められている。このような背景より、これらの要求に答えられる電照表示装置の表示部の正面輝度をより高くし、かつ輝度斑を小さくした電照表示装置や、該電照表示装置に好適に用いることができる部材の開発が強く嘱望されている。
また、液晶表示モジュール(LCD)は、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を活かしてフラットパネルディスプレイとして多用され、その用途は携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、テレビなどの情報用表示デバイスとして年々拡大している。
液晶表示装置には、光源からパネルに至る光伝達路でのロスを抑え、パネル上の輝度を向上させるために、液晶ユニットの下面側に面光源装置が装備されている。
近年、面光源装置は、液晶表示装置のみでなく灯具や電飾看板等の広い分野に使用されてきている。そのために、面光源装置においても上記要求に答える光学部材の開発が精力的になされている。
面光源装置には、面光源装置の基本ユニットとレンズフィルム、光拡散フィルム及び輝度向上フィルム等の各種の光学フィルムや拡散板等の光学部材が組み合わされて面光源装置の輝度や照度を上げることや、輝度や照度の均一性の向上が図られている。普通は2〜4枚の光学部材が使用されている(例えば、非特許文献1参照)。
例えば、輝度を向上させるためのレンズフィルムが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
このレンズフィルムは、レンズによる集光効果を利用して輝度向上が図られているため、正面より眺めた時の輝度を向上することはできるが、斜めより眺めた時の輝度が正面より眺めた時の輝度に比べて大きく低下したり、高価であるという課題を有する。
上記の斜めより眺めた時の輝度が正面より眺めた時の輝度に比べて大きく低下する課題を解決する方法として、レンズフィルムに加えて2枚の異方性光拡散フィルムを併用する技術が開示されている(例えば、特許文献5参照)
また、上記レンズフィルム一枚では、輝度の均一性が不十分で、レンズフィルムと異方性の光拡散フィルムとを組み合わせる技術が開示されている(例えば、特許文献6参照)。
また、上記レンズフィルムにさらに輝度向上フィルムを併用する方法が開示されている(例えば、特許文献7参照)。しかし、輝度の角度依存性の低減には有効ではない。
近年、面光源装置を利用した表示装置等の急速な普及により、より高輝度で、かつ輝度の面内の均質性や、輝度の角度依存性を改善した面光源装置が強く求められている。さらに、装置の薄型化や経済性の面より、面光源装置に用いられる光学フィルム部材の枚数低減が強く求められている。
そこで、単一の基材フィルム自体に光拡散性を付与する試みも検討されている(例えば、特許文献8参照)。
しかしながら、特許文献8に記載のフィルムは拡散度が小さく、輝度の高さ、面内輝度均質性及びパターン隠蔽性等が不十分であることが示唆されている。
一方、アクリル樹脂よりなる導光板表面にアクリル酸プレポリマーよりなる液状樹脂を塗布し、その塗布面上にポリカーボネート樹脂よりなる光拡散フィルムを積層した後に、上記液状樹脂を硬化させて一体化する方法が開示させている(例えば、特許文献9参照)。
特開平07−92922号公報 特開2009−189669号公報 特開2010−49118号公報 特開2004−4970号公報 特開2008−256797号公報 特開2006−251395号公報 特表平09−506985号公報 特開2007−10798号公報 特開平06−324216号公報
内田龍男監修「図解 電子ディスプレイのすべて」(工業調査会刊)P47〜48
本発明は、上記の従来技術における問題点を解決するものであり、その目的は、印刷層によりメッセージ表示、模様等による意匠性向上あるいは色調変化等の機能を付与された光拡散フィルム積層体であり、例えば、電照表示装置に用いた場合に、上記機能を付与しても輝度が高く、かつ輝度斑を小さくすることができる特定の光学特性及び構成を有する光拡散フィルム積層体を提供することにある。また、該光拡散フィルム積層体を用いた、輝度が高く、かつ輝度斑が小さく、さらに省エネルギー化された電照表示装置を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(6)の構成を有する。
(1)印刷層(A)と下記(i)〜(iii)を同時に満たす内部光拡散フィルム(B)を構成材料として含んでなることを特徴とする光拡散フィルム積層体:
(i)波長550nmの光の全光線透過率が40〜84%である;
(ii)主拡散方向の波長550nmの光の出射角0度における透過度(I)に対する出射角30度における透過度(I30)の割合(I30/I×100)が8.0〜95%である;
(iii)波長550nmの光の変曲率が4.0〜100%である。
(2)内部光拡散フィルム(B)が、互いに非相溶性の少なくとも二種の熱可塑性樹脂の混合物よりなる層を含むことを特徴とする(1)に記載の光拡散フィルム積層体。
(3)波長550nmの光の全光線透過率が50〜100%である基材(C)が積層されてなることを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載の光拡散フィルム積層体。
(4)表面光拡散フィルム(D)が積層されてなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の光拡散フィルム積層体。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の光拡散フィルム積層体を照明装置の出光面に設置してなることを特徴とする電照表示装置。
(6)電照表示装置の周りの明るさにより電照表示装置の照明装置の明るさを調節する手段を有することを特徴とする(5)に記載の電照表示装置。
本発明の光拡散フィルム積層体は、印刷層により、メッセージの表示、模様等による意匠性向上あるいは色調変化等の機能を付与される。また、印刷層の上に特定の光学特性を有する内部光拡散フィルムを積層し、所望によりさらに特定の表面構造を有する表面光拡散フィルムを積層しているので、例えば、電照表示装置に用いた場合に、上記機能を付与した形で、照明装置の光源の出光効率や該出光効率の均一性が高められ、電照表示装置の表示部が高輝度化でき、かつ輝度の均質性を高めることができる。
従って、電照表示装置の光源の出力低減や各種光学フィルムの使用枚数の低減により電照表示装置の経済性を高めることができる。
また、各種照明装置に用いた場合に印刷層による模様等の付与による意匠性や色調変化を自在に変更した上で、照明装置の光源の出光効率や該出光効率の均一性が高められ、照明装置の高照度化ができ、かつ照度の均質性を高めることができるので、各種照明装置として好適に用いることができる。
また、本発明の電照表示装置は、設置された場所が明るい場合に、電照表示装置の照明装置を点灯しなくても、内部光拡散フィルムが高い反射特性を有しているので、外光の明るさで表示メッセージを非常にクリアーに視認することができる。そのため、設置された場所が明るい場合には照明装置の点灯の停止のように外光の明るさに応じて電照表示装置にセットされた照明装置の明るさを調節することで照明装置の省エネルギー化を図ることができる。
(光拡散フィルム積層体)
本発明の光拡散フィルム積層体は、少なくとも印刷層(A)と下記(i)〜(iii)を同時に満たす内部光拡散フィルム(B)を構成材料として含んでなることが必要である。
(i)波長550nmの光の全光線透過率が40〜84%である。
(ii)主拡散方向の波長550nmの光の出射角0度における透過度(I)に対する出射角30度における透過度(I30)の割合(I30/I×100)(拡散度比率)が8.0〜95%である。
(iii)波長550nmの光の変曲率が4.0〜100%である。
(印刷層(A))
本発明における印刷層(A)は、主として透光性のインクを用いて印刷することにより形成された層である。部分的であれば不透光性のインクを使用しても良い。また、通常の印刷インクでも良いが、光拡散性を有するインクを用いても良い。
上記印刷層(A)の形成方法は限定されない。例えば、インクジェット印刷、オフセット印刷、凸版印刷及びスクリーン印刷等が挙げられる。経済性や簡便性等よりインクジェット印刷が好ましい。
上記の印刷層(A)の形成は、上記の内部光拡散フィルム(B)、基材(C)及び表面光拡散フィルム(D)のいずれかの表面に直接行っても良く、例えば、透明性の高いフィルムやシートに印刷した印刷体を用いて積層しても良い。インクジェット印刷で実施する場合は、インクジェットインクの受容層を設けるのが好ましいので、インクジェットインクの受容層を設けた透明フィルム、特に、ポリエステルフィルムを用いて、インクジェットインクの受容層面に印刷して積層するのが好ましい。
(印刷層の役割及び印刷内容)
本発明における印刷層は、例えば、電照表示装置に用いる場合はメッセージの内容表示の働きをする。また、照明装置に用いた場合は、例えば、印刷層に模様を印刷することで照明装置の意匠性を高めたり、あるいは、全面均一な色調の印刷層を形成することにより出射光の色調を変化させたりする役割を果す。
従って、印刷内容は限定されずに、使用目的に応じて適宜設定すれば良い。
(内部光拡散フィルム(B)の光学特性)
本発明における内部光拡散フィルム(B)は以下の(i)〜(iii)を同時に満たすことが必要である。
(i)波長550nmの光の全光線透過率が40〜84%である。
(ii)主拡散方向の波長550nmの光の出射角0度における透過度(I)に対する出射角30度における透過度(I30)の割合(I30/I×100)が8.0〜95%である。
(iii)波長550nmの光の変曲率が4.0〜100%である。
本発明においては、波長550nmの光に注目している。これは、人間の目に対して波長550nm付近の光が分光視感効率が最も高いとされていることに基づいている。
(全光線透過率)
本発明における全光線透過率は、実施例において記載する方法で測定して求めたものである。すなわち、主拡散方向が水平になるように自記分光光度計の試料台に固定して測定したものである。等方的に拡散するフィルムの場合は、フィルムの固定方向が変わっても全光線透過率は変化しないが、特定方向に光が拡散されるいわゆる異方性拡散フィルムの場合は、測定時のフィルムの固定方向により全光線透過率が変わるためである。全光線透過率は積分球で受光し測定されるので、本来フィルムの固定方向により変わらないと思われるが、異方性拡散フィルムの場合は、その固定方向により全光線透過率が大きく変わる場合があるゆえの対処である。
主拡散方向は、例えば、フィルムにレーザーマーカーの光を通過させた場合の透過光の拡散で判定できる。即ち、フィルムにレーザーマーカーで光を透過させた時の出射光が広がる方向を主拡散方向とした。なお、該主拡散方向を水平方向になるように固定して測定した時の方が、全光線透過率が低くなる。
この理由としては定かではないが、積分球における受光部の位置の影響によるものと推察している。主拡散方向の拡散光が積分球の受光部に直接入射する位置関係になると、この直接入射される拡散光の影響を強く受けるためではないかと考えられる。
なお、後述の実施例において記載する本発明における測定法に用いられる測定装置に用いられている積分球は、積分球の上部の頂点に受光部が設けられているので、この受光部に直接入射する光の影響を最も受けにくい方向での測定値を用いており、真の全光線透過率を反映した値になっていると想定している。
従って、実施例において記載する測定方法において使用している自記分光光度計(UV−3150;島津製作所社製)及び積分球付属装置(ISR−3100;島津製作所社製)を用いて測定することが重要である。
全光線透過率は43〜80%がより好ましい。全光線透過率が本発明の範囲より高いと、輝度斑が大きくなるので好ましくない。逆に、本発明の範囲より低いと、輝度が低くなるので好ましくない。
(拡散度比率)
拡散度比率は、550nmの波長の光の出射角0度における透過度(I0)に対する出射角30度における透過度(I30)の割合(I30/I0×100)で表示される正透過度と拡散性透過度のバランスを反映した新たな拡散度の尺度である。すなわち、拡散度比率に比例して拡散性透過度の比率が高くなる。
輝度を高くするには正透過性を高くすることが好ましい。しかし、正透過度が高くなると輝度は高くなるが輝度斑も大きくなる。輝度斑を抑制するには拡散性透過度を上げる必要がある。一般には正透過性と拡散性透過度は反比例する。従って、輝度と輝度斑は二律背反事象となる。従って、高い輝度と低い輝度斑を両立するには適度な拡散度比率にすることが重要となる。
拡散度比率は10〜90%がより好ましい。拡散度比率が本発明の範囲より低いと、拡散性が不足し輝度斑が大きくなるので好ましくない。逆に、本発明の範囲より高いと、上記全光線透過率の範囲との両立が技術的に困難となり輝度が低下するので好ましくない。
拡散度比率は20〜90%がより好ましく25〜90%がさらに好ましい。
拡散度比率は実施例において記載される方法により求められる。
(変曲率)
変曲率は、光拡散フィルムに光を入光した時に、フィルム中を通過する過程で光の進行方向が曲げられる、所謂光の変曲効果の度合い、すなわち、高角度で入光した光が変曲効果により正面方向に変曲されて出光する光量とそのまま直進する光量の度合いを示す尺度である。該変曲率は実施例において記載する方法で測定されるもので、本発明者等が新たに確立した評価尺度である。60度の角度で入光した時に60度の角度のまま直進する光の透過度に対するフィルム内の通過において0度(正面)方向に変曲されて出光する光の透過度の比率で表示した。従って、ある意味で正面への集光効果を示す尺度とも見なせる。従って、この変曲率が大きい光拡散フィルムは、一種のレンズ効果を兼ね備えているとも見なせる。
変曲率は、後述の基材(C)と内部光拡散フィルム(B)の間の空気層を排除した場合、例えば、密着層を介しての積層による輝度向上効果に作用する尺度である。
本発明における内部光拡散フィルム(B)は、従来公知の光拡散フィルムやレンズフィルムより大きな変曲効果を有する。そのために、本発明の効果を効率的に発現できるものと推察される。
変曲率は、10〜80%がより好ましく、20〜80%がより好ましい。変曲率が本発明の範囲より低いと、後述する本発明の重要要素の一つである内部光拡散フィルム(B)と基材(C)との界面に空気層がないことの効果が低下するので好ましくない。逆に、本発明の範囲より高いと、上記全光線透過率や拡散度比率との両立や三立が困難となる。
(異方性度)
本発明においては、内部光拡散フィルム(B)の異方性度は限定されない。どの方向に対してもほぼ均等に拡散される、いわゆる等方性拡散であっても良いし、いずれか特定の方向に拡散する、いわゆる異方性拡散であっても構わない。ただし、異方性度の高い内部光拡散フィルム(B)を用いた場合は、実際に用いる場合の光拡散フィルム積層体の設置方向に注意する必要がある。
即ち、実際の使用における好ましい方向に光が拡散されるように設置する必要がある。例えば、冷陰極管のように光源が線状である場合は、輝度斑を小さくするためには、光拡散フィルム積層体の主拡散方向が光源の長さ方向と直交する方向に設置するのが好ましい。該方法で対応すると、等方性の高い光拡散フィルム積層体を用いて同一輝度斑で比較した場合の輝度がより高くできる。従って、異方性度の高い方がより好ましいと言える。
異方性度は、例えば、前記した方法等で制御することができる。異方性度は、0.8以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。
(半値幅拡散度)
本発明の内部光拡散フィルムは、実施例において記載される方法で測定される波長440nmの光の主拡散方向の配光分布パターンの半値幅が19度以上であるのが好ましく、50度以上がより好ましく、100度以上がさらに好ましい。上限は150度近辺である。
半値幅が19度未満では輝度斑が大きくなるので好ましくない。一方、150度を越えることは技術的に困難であり、かつ輝度向上効果が低下する。
(内部光拡散フィルム(B)の構成)
本発明の光拡散フィルム積層体に用いられる内部光拡散フィルム(B)は、フィルムの内部に存在する光拡散成分により光を拡散させる機能を有するフィルムであるのが好ましい。例えば、透明なマトリックス樹脂層に該マトリックス樹脂と屈折率の異なる微粒子を配合してなる層を含んだ光拡散フィルムであって、光がフィルムを通過するときに該微粒子とマトリックス樹脂の界面で光が散乱されることにより拡散されるものや、少なくとも二種の互いに非相溶性の樹脂の配合物よりなる、いわゆる海/島法あるいは共連続相法構造よりなる層を含んだ光拡散フィルムであって、光がフィルムを通過するときに海/島相や共連続相の界面で光が散乱されることにより拡散されるもの等が挙げられる。また、上記方法が組み合わされた方法が挙げられる。
また、本発明における内部光拡散フィルム(B)は単層であってもよいし、二層以上の多層構成であっても構わない。多層構成の場合は、少なくとも一層が透明なマトリックス樹脂層に該マトリックス樹脂と屈折率の異なる微粒子を配合してなる層や少なくとも二種の非相溶の樹脂の配合物よりなる、いわゆる海/島法あるいは共連続相法構造よりなる層であれば、他の層は、光拡散性を有しない単なる透明層であってもよい。
以下、前記の少なくとも二種のポリオレフィン系樹脂の混合物よりなる層を光拡散層と称することもある。また、全層が光拡散層の構成であってもよい。
上記構成の中で、少なくとも二種の互いに非相溶性の樹脂の配合物よりなる、いわゆる海/島法あるいは共連続相法構造よりなる層を含んだ内部光拡散フィルムは、光を拡散する成分として、非溶融性の微粒子を含有させる必要がないので、溶融押し出し成型法で実施しても、製膜工程における溶融樹脂の濾過において、濾過フィルターの目詰まりが低減でき、生産性が優れるとともに、得られるフィルムの清澄度も高いという特徴も有するので好ましい。
本発明の内部光拡散フィルム(B)は、後述のごとく、光がフィルム内を通過する際に、光拡散成分による散乱を複数回遭遇する所謂多重散乱効果が重要であるので、光拡散成分のフィルムの厚み方向の平均径は、フィルムの厚みの少なくとも1/2以下であることが好ましい。1/3以下がより好ましく、1/10以下がさらに好ましい。
例えば、フィルムの断面を電子顕微鏡で観察した場合に、厚み方向に任意の直線を引いた場合にその線上に存在する粒子の数が5個以上であることが好ましい。10個以上がより好ましく、30個以上がさらに好ましい。
上記内部光拡散フィルム(B)は、面内の光学特性の均一性が重要であるので、光拡散成分は面内にはできるだけ均一に存在するのが好ましい。しかし、面内の光学特性の均一性が確保されれば、厚み方向に関しての光拡散成分の均一性は問わない。例えば、厚み方向の特定部分に局在して存在しても構わない。
(少なくとも二種の互いに非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物)
本発明において少なくとも二種の互いに非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂及びポリメチルペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂より互いに非相溶性(互いに溶け合わない)の熱可塑性樹脂の少なくとも二種類を選択すればよいが、上記特性を安定して発現させることができること及び経済性の点より、少なくとも一種がポリオレフィン系樹脂よりなることが好ましい。
二種類の樹脂のもう一方の樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系樹脂等が好適である。光学特性以外の要求特性や経済性等を勘案して適宜選択される。
上記の少なくとも二種の互いに非相溶性の熱可塑性樹脂の配合割合はそれぞれ質量比で10/90〜90/10であることが好ましく、20/80〜80/20がより好ましく、30/70〜70/30の割合が更に好ましい。
特に、耐光性や経済性の点より二種類ともにポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。二種の樹脂の屈折率差は限定されないが、屈折率差を0.003〜0.07の範囲にすることが好ましい。0.05〜0.005の範囲がより好ましく、0.01〜0.02がさらに好ましい。
上記の少なくとも二種の互いに非相溶性の熱可塑性樹脂として用いる熱可塑性樹脂のメルトフローレートは、例えば、海/島法の場合においては、それぞれのメルトフローレートの組み合わせにより大きく変化し、光学特性が変化するので、求められる光学特性や、島相のサイズや形状に応じて適宜選択すれば良い。
例えば、上記の二種類ともにポリオレフィン系樹脂を用いる場合はそれぞれ230℃で測定したメルトフローレートが0.1〜100の範囲で適宜組み合わせて実施すれば良い。
本発明においては、前述のごとく拡散度に異方性を付与するのが好ましい。該特性を付与するには島構造に異方性を持たせるのが好ましい。このような形状の島構造を形成するためには、海成分樹脂と島成分樹脂の溶融粘度に差を付けるのが好ましい。特に、海成分よりも島成分の溶融粘度を低くするのが好ましい。このためには、例えば、メルトフローレートの差を付けるのが好ましく、海成分より、島成分の方のメルトフローレートを高くするのが好ましい。また、海成分樹脂と島成分樹脂の剛性に差を付けるのも好ましい。特に、海成分よりも島成分の剛性を低くするのが好ましい。
また、島成分のメルトフローレートが低い場合には、ダイ内でのシェアーやドラフトにより島成分が細くなる力がかかりにくくなり、異方性が低下することがある。質量比が50/50から離れるほどこの傾向は強くなる。これらの傾向を考慮して、各特性の調整を行う。
上記屈折率差が満たされれば二種の樹脂の種類は限定されないが、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂の組み合わせが、本発明の光学特性が安定して得られやすく、かつ経済性に優れているので好ましい。また、耐紫外線安定性に優れているという特徴もある。
環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ノルボルネンやテトラシクロドデセン等環状のポリオレフィン構造を有したものが挙げられる。
例えば、(1)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加のごときポリマー変性を行なった後に、水素添加した樹脂、(2)ノルボルネン系モノマーを付加型重合させた樹脂、(3)ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーと付加型共重合させた樹脂などを挙げることができる。重合方法及び水素添加は、常法により行なうことができる。
ポリエチレン系樹脂としては、単一重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。共重合体の場合は50モル%以上がエチレン成分であるのが好ましい。
ポリエチレン系樹脂の密度や重合方法等も限定されないが、密度が0.909以下の共重合体の使用が好ましい。例えば、プロピレン、ブテン、ヘキセン及びオクテン等との共重合体が挙げられる。重合方法はメタロセン触媒法及び非メタロセン触媒法のいずれでも構わない。
特に、高拡散性が安定に付与できる点で、エチレンとオクテンのブロック共重合体の使用が好ましい。例えば、該樹脂としては、ダウ・ケミカル社製のINFUSE(TM)が挙げられる。
該エチレンとオクテンのブロック共重合体の使用が好ましい理由は定かでないが、環状ポリオレフィン系樹脂との馴染みが他のポリオレフィン系樹脂より優れていることが寄与していると推察している。
環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂との組み合わせの場合は、ポリエチレン系樹脂を海相として、かつ該海相のポリエチレン系樹脂のメルトフローレートを島相の環状ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレートよりも高くするが好ましい。
環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂の組み合わせの場合は、全樹脂量中に環状ポリオレフィン系樹脂が10〜60質量%配合されているのが好ましく、さらに好ましくは10〜50質量%である。
上記樹脂は、一般に市販されている汎用性の高い樹脂より選択すれば良いが、より安定した生産ができる等の対応のために特注品を使用しても良い。
上記において詳述した部分はあくまでも例示であり、これらには限定されない。上記光学特性を満たす範囲で適宜選択すれば良い。
(ポリオレフィン樹脂よりなる層の積層)
本発明においては、内部光拡散フィルム(B)における光拡散層として前記の少なくとも二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂の混合物を使用する場合、内部光拡散フィルムの少なくとも片面に主としてポリオレフィン系樹脂よりなる表面層が積層されてなることが好ましい。
上記の表面層の形成により、溶融押し出し製膜時に、ダイスの出口に発生する、例えば、「目やに」と称されるダイスの出口に発生する樹脂劣化物による付着物の発生が抑制されるので、長時間に渡り安定した連続製膜が可能である。また、例えば、エチレンとオクテンのブロック共重合体等の柔軟性ポリオレフィン系樹脂を使用した場合に発生する内部光拡散フィルム(B)のブロッキング性が抑制される。
上記表層の形成に用いられるポリオレフィン系樹脂は、ブロッキング性の抑制等の効果を発現させることから、結晶性の樹脂を使用するのが好ましい。
上記表面層の形成に用いられるポリオレフィン系樹脂として、極性基を含有したポリオレフィン樹脂を使用することが好ましい。これにより、内部光拡散フィルム(B)の他素材との接着性を向上させることができる。例えば、後述の光拡散フィルム積層シートの製造において、プラスチックシートとの接着性の向上が図られる。また、光学用の材料として広く使用されている、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂との熱接着性が付与できる。
上記極性基を含有したポリオレフィン樹脂は、その骨格としてエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、メチルペンテンおよび環状オレフィンのうち少なくとも一種のモノマーを含んでいることが好ましい。
上記モノマーを一種類用いたホモポリマーであっても二種以上のモノマーを用いた共重合体であっても構わない。
本発明における上記極性基を含有したポリオレフィン樹脂は、少なくとも一種類の極性基を含有していることが好ましい。極性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、水酸基、グリシジル基、イソシアネート基、アミノ基、イミド基、オキサゾリン基、エステル基、エーテル基、カルボン酸金属塩基、スルホン酸金属塩基、ホスホン酸金属塩基、3級アミン塩基または4級アミン塩基等が挙げられる。該極性基は一種であってもよいし、二種以上を含んでもよい。極性基は、光拡散層を構成するポリオレフィン系樹脂の組成や密着対象の部材の種類や必要とする密着力等により適宜選択すれば良いが、少なくともカルボキシル基を含むことが好ましい。
また、本発明における極性基を含有したポリオレフィン樹脂は、極性基がポリオレフィン樹脂の高分子鎖中に直接導入されていても、また、他の樹脂に導入し、添加、混合されている状態であっても構わない。また、場合により本発明のポリオレフィン樹脂は、分子鎖の末端や内部に導入された、例えば、カルボン酸基や水酸基にこれらと反応することができる化合物を反応させて変性して使用することも可能である。
本発明においては、上記極性基を含有するポリオレフィン樹脂は、一種の単独使用であってもよいし、二種以上を配合した配合組成物であってもよい。また、極性基を含有しないポリオレフィン樹脂や他の種類の樹脂を配合した配合組成物であってもよい。該配合組成物の場合は、上記の極性基を含有するポリオレフィン樹脂を10質量%以上含むことが好ましい。さらに好ましくは30質量%以上である。
上記の極性基を含有するポリオレフィン樹脂は、結晶性の樹脂よりなることが好ましい。樹脂の融点は100〜180℃が好ましい。
上記の極性基を含有するポリオレフィン樹脂は、上記特性を有すれば限定されないが、例えば、接着性ポリオレフィン系樹脂として市販されている樹脂が好適に用いられる。例えば、アドマー樹脂(TM、三井化学社製)、モディック樹脂(TM、三菱化学社製)やアドテックス樹脂(TM,日本ポリエチレン社性)及びボンドファスト樹脂(TM,住友化学社製)が挙げられるが、特に限定されない。
上記の光拡散層に極性基を含有するポリオレフィン樹脂よりなる層を積層することにより、光拡散層のみの単層よりなる内部光拡散フィルム(B)に比べて、他素材との接着性を向上させることができる。また、フィルムの耐ブロッキング性や滑り性が改善され、内部光拡散フィルム(B)の取り扱い性等が改善される場合がある。また、各種素材との熱接着性を付与することができる。
(内部光拡散フィルム(B)の製造方法)
本発明の内部光拡散フィルム(B)の製造方法も特に限定されないが、経済性の点で溶融押し出し成型により製膜する方法が好ましい。
該製膜方法としては、特に制限されず、例えば、Tダイ法及びインフレーション法のいずれでもよい。また、未延伸のままのフィルムでもよく、延伸処理を行ってもよい。
二層以上含む構成の場合は、共押し出し法で製膜するのが好ましい。例えば、押し出しラミネート法で製造しても良いし、2枚以上のフィルムを接着剤等で貼り合わせても良い。
該製造においては、例えば、海/島法で実施する場合は、樹脂の押し出し温度、押し出し機及びダイス内でのシェアー、ダイスから冷却ロール間のドラフト比および冷却ロールへのシートの密着方法等により、島相のサイズや形状が大きく変化する場合がある。その結果、得られるフィルムの光学特性も大きく変化する場合がある。
例えば、島相の形状に異方性を付けることにより、光拡散性に異方性を発現させるには以下の方法で対応するのが好ましい。
上記溶融押し出し成型法は、一般に、押し出し機で溶融した樹脂をダイからシート状に押し出して、該シートを冷却ロールに密着させ冷却固化させて製膜される。この場合において、上記の冷却ロールへの密着時に、該密着部の入り口部分に液溜りゾーン(バンクと称されることもある)が形成されないことが好ましい。液溜りゾーンの形成は、冷却ロールへの密着時に圧接された場合、即ち、強い圧力で押さえられた時に発生するので、密着時の密着圧力を低くするのが好ましい。
例えば、一般に広く用いられている押し圧ロールで圧接して密着させるという方法は避けた方がよい。
弱い圧力で密着させる方法であれば限定されないが、例えば、押し出し機で溶融した樹脂をダイからシート状に押し出して、該シートをガス圧による押さえ方法及び/又は吸引法及び/又は静電気密着法で密着させ冷却固化させて製膜されてなることが好ましい。この方法により、前記した好ましい光学特性、特に、前記特性の一つである拡散度比率の高い異方性光拡散フィルムを安定して得ることができる。
拡散度比率は、用いる製造装置の違い等により大きく変化することがあり、安定した生産ができないことがある。そこで、安定生産できる製造方法について鋭意検討した結果、上記のような製造方法で製造するのが好ましいことを見出した。この理由は定かでないが、以下のごとく推察している。
溶融押し出し法で押し出されるシート中の島成分の形状は、ダイ内でシェアーを受けることにより、押し出し方向に配向した形で細くなる。さらに、ダイから押し出しだされた後に溶融状態で該シートにドラフトが掛かり、さらに島形状は押し出し方向に細くなる。この状態で冷却固化されるのが好ましい。しかし、冷却ロールに押し圧ロール等で圧接させ、高い圧力で押さえ付けると、該圧接部の入り口部分のシートは、未固化状態であるために、圧接部の入り口部分に液溜りゾーンが形成され、該ゾーンにおいて、未固化状態の樹脂が滞留することになり、押し出し方向に細くなっていた島成分は表面張力により、本来の形状である等方的液滴に戻ろうとする力が働き、異方度が緩和し、より等方性的な形状に変形し、その変形した形状で冷却固化されるので、島形状の等方性が高まり、その結果、光拡散性も等方性が増し、異方性度を高めるには不利に作用するためであると推察している。
上記のガス圧による押さえ方法及び/又は吸引法及び/又は静電気密着法で密着させ冷却固化させる方法は限定されない。例えば、ガス圧による押さえ方法としては、例えば、空気等のガス圧で押さえ付ける、いわゆるエアーナイフ法等の方法、減圧ノズルで吸引して密着させるバキュームチャンバー法、静電気力で密着させる静電気密着法等が挙げられる。これらの方法は単独で用いてもよいし、複数の方法を併用しても良い。得られるフィルムの厚み精度を高めることができる点で、後者で実施するのが好ましい。
溶融押し出し法で押し出されるシートを延伸しても良く、例えば、光拡散層にポリエステル系樹脂を用いた場合は、一軸延伸をするのが好ましい。延伸倍率は2倍以上が好ましい。上限は限定されないが、10倍未満が好ましい。これにより、島相が延伸方向に引き伸ばされ細長い構造になり、島相の配向方向と直交した方向の光拡散性が著しく向上をして異方性が付与でき、かつ特定方向の拡散性を大きく向上させることができる。
延伸方法で実施する場合は、延伸倍率を3〜8倍で行うのがより好ましい。
延伸方法は限定されない。単純な自由幅一軸延伸であってもよく、一定幅一軸延伸であってもよい。例えば、固化したフィルムの両端を引っ張る方法(引っ張り延伸)、互いに対向する一対のロール(2本ロール)を複数系列(例えば、2系列)並列し、それぞれの2本ロールにフィルムを挿入すると共に、繰入れ側の2本ロールと繰出し側の2本ロールとの間にフィルムを張り渡し、繰出し側の2本ロールのフィルムの送り速度を繰入れ側の2本ロールより速くすることにより延伸する方法(ロール間延伸)、互いに対向する一対のロールの間にフィルムを挿入し、ロール圧でフィルムを圧延する方法(ロール圧延)などが挙げられる。
逆に等方性に近づけるには以下の方法で対応するのが好ましい。
すなわち、押し出し機で溶融した樹脂をダイからシート状に押し出し、シートを冷却ロールに押し圧ロールで圧接して密着させ冷却固化させて製膜されることが好ましい。
冷却ロールに押し圧ロールで圧接して密着させるということを満たせば、その内容は限定されない。例えば、一般的に実施されている冷却ロールに比べて径の細い押し圧ロールで圧接しても良いし、径の同じ2個の冷却ロールの間にシートを押し出して冷却ロール同士で圧接しても良い。
また、この方法において、押し圧ロール及び/または冷却ロール表面を粗面化処理したロールを用いて、前記した賦型処理による粗面化を同時に行っても良い。
等方性を求める場合は、無延伸で、溶融押し出しの際にドラフトをかけないで製造するのが好ましいが、下記のように異方性のフィルムを複数使用することでも可能である。
例えば、内部光拡散層にポリエステル系樹脂を用い、一方向に2〜10倍延伸することで島相が延伸方向に引き伸ばされ細長い構造になり、島相の配向方向と直交した方向の光拡散性が著しく向上して本発明の目指す高拡散性が確保できる。二枚以上のフィルムを主拡散方向が直交するように重ね合わせて使用するのが好ましい。
また、本発明の内部光拡散フィルム(B)は単層であってもよいし、2層以上の多層構成であっても構わない。多層構成の場合は、少なくとも一層が上記の構成よりなる内部光拡散フィルム(B)からなる層であれば、他の層は、光拡散性を有しない単なる透明層であってもよい。また、全層が光拡散層の構成であってもよい。
上記多層構成の場合は、多層共押出し法で製造してもよいし、押出しラミネート法やドライラミネート法で実施してもよい。
上記の少なくとも二種の互いに非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物は、それぞれの熱可塑性樹脂を製膜工程の押出し機などで配合してもよいし、予め混練法等で事前に混合物とした形で用いてもよい。
(基材(C))
本発明に用いる基材(C)は、上記内部光拡散フィルム(B)を電照表示装置に組み込む場合に、内部光拡散フィルム(B)の強度、剛性及び耐熱性等を補強するためのものである。本発明においては、電照表示装置に用いられる照明装置は限定されないが、後述のごとく面光源装置が好ましい。従って、例えば、導光板方式の面光源装置の場合は導光板そのものであっても良い。すなわち、導光板の表面に上記内部光拡散フィルム(B)を設置するのが好ましい。また、直下型の場合は、出光部に用いられている透明板あるいは乳白板等の表面に上記内部光拡散フィルム(B)を設置するのが好ましい。さらに、該設置の場合に、密着層を介して積層することにより、内部光拡散フィルム(B)と基材(C)との間に存在する空気を排除して設置するのが好ましい。
従って、導光板や直下型の面光源装置の出光部に用いられている透明板あるいは乳白板等のプラスチック性のフィルム、シート及び板の使用が好ましい。これらの素材はポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂及びポリカーボネート樹脂等が好ましいが、特に限定されず、ガラス等の透明な無機材料よりなる板やシートであっても良い。導光板方式の場合は導光板表面に内部光拡散フィルム(B)を直接貼り付けても良い。
基材(C)は550nmの全光線透過率が50〜100%を満たすことが必要である。60〜95%がより好ましく、70〜95%が特に好ましい。50%未満では正面の輝度向上効果が低下するので好ましくない。逆に、100%を超えることは理論上ありえない。
該全光線透過率は上記の内部光拡散フィルム(B)と同じ方法で測定される。
上記特性を満たせば厚みは特に限定されないが、例えば、補強効果等から、0.2〜10mmが好ましい。
(表面光拡散フィルム(D))
本発明の表面光拡散フィルム(D)は、フィルム表面に形成された凹凸による光散乱効果を利用して光拡散性が発現されるものであり、かつ実施例において記載される方法で求められる平均面積が600〜5000μmであることが好ましい。
平均面積は700〜5000μmがより好ましく、800〜5000μmがさらに好ましい。
平均面積が600μm未満では前記した内部光拡散フィルム(B)と積層しても正面の輝度向上効果が発現されないので好ましくない。逆に、5000μmを超えた場合は、上記正面の輝度向上効果が飽和すると共に技術的に困難となる。
本発明の表面光拡散フィルム(D)は、上記要件を満たせば限定されない。例えば、賦型により基材フィルムの表面に凹凸構造を形成した、いわゆるエンボス加工法によるものや、基材フィルム表面にマトリックス樹脂に粒子を配合した組成物よりなる層を積層した、いわゆる粒子法によるもの、及び基材フィルムの不均一収縮により基材フィルムの表面に皺を形成した、いわゆる皺法によるもの等が挙げられる。
例えば、エンボス加工法で実施する場合は、熱可塑性樹脂の基材フィルムの表面に所望する形状の鋳型(又は型押し)により軟化した熱可塑性樹脂の基材フィルムの表面に表面突起を形成する方法、透明な基材フィルムに光硬化性樹脂組成物を塗布し又は塗布しつつ、所望する形状のロール金型を転動させて、表面凹凸を形成し、この表面凹凸部に光照射して硬化させる方法などが挙げられる。また、転写型によりに透明な基材フィルム表面に凹凸を有した構造層を転写して作製しても良い。
光硬化性樹脂組成物は、例えば、光硬化性オリゴマー又は樹脂[例えば、ビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加体の(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート(ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなど)、ポリエステル(メタ)アクリレート(例えば、脂肪族ポリエステル型(メタ)アクリレート、芳香族ポリエステル型(メタ)アクリレートなど)、(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレート(ポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル型ウレタン(メタ)アクリレートなど)、シリコーン(メタ)アクリレートなど]と、光重合開始剤(ベンゾフェノン系光重合開始剤など)と、必要により反応性希釈剤(ビニルピロリドンなどの単官能性光重合性単量体、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの2〜6個程度の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性(メタ)アクリレート単量体など)、光重合促進剤(増感剤)などを含んでいてもよい。
上記のエンボス加工法で形成される表面凹凸の形状は、後述の要件を満たせば限定されない。ほぼ同じ形状の凹凸の繰り返しよりなる単純な形状であっても良いし、複数の形状が混ざった複雑な形状であっても良い。上記の要件を満たせば、限定されないが、ドーム状、ピラミッド状及び剣山型が好ましい。
正面の輝度向上のためには、プリズム状のレンズフィルム(以下、単にレンズフィルムと称する)が広く使用されているが、該レンズフィルムの場合は、レンズフィルムが出光側に設置すると光干渉作用が起こるので、該レンズフィルムフィルムの出光側に、一般に上拡散フィルムと言われている光拡散フィルムを設置する必要があり、本発明の目的の一つである光学部材の枚数低減に逆行するので好ましくない。従って、レンズフィルム構造の表面凹凸は好ましくない。
また、粒子法は、透明な基材フィルムの表面に、透明なマトリックス樹脂に粒子を含んだ粒子含有組成層を、できるだけ厚み方向で粒子が重ならないような厚みで積層することにより表面凹凸構造を形成する方法で実施される。
上記表面層の形成は塗工法、多層押し出し法及び押し出しラミネート法等で実施する方法が挙げられる。
透明なマトリックス樹脂としては、透明性に優れた樹脂を用いるのが好ましい。例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などを用いることができる。
粒子としては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機微粒子を用いても良いが、高分子樹脂よりなる、いわゆるポリマービーズの使用が好ましい。ポリマービーズの樹脂成分は限定されない。アクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。非架橋タイプであってもよいし、架橋タイプであっても構わない。
形状や粒子サイズも限定されないが、上記の要件を満たすため、球状あるいは楕円状で、短径の平均粒径が1〜100μmのものを用いることが好ましい。アクリル樹脂などからなる有機微粒子を用いることができる。当該粒子は、一種だけでなく、複数種を併用しても良い。
本発明においては、光拡散方法の異なる二種の光拡散フィルムの併用効果を利用している。後述のごとくその理由は定かでないが、二種の光拡散方法の大きな相違点は光の多重散乱の寄与の相違にあると推察している。そういう意味で、前記した内部光拡散フィルム(B)とは異なり、表面光拡散フィルム(D)では、フィルムの断面を電子顕微鏡で観察した場合に、厚み方向に任意の直線を引いた場合にその線上に存在する粒子の数が5個以下であることが好ましい。3個以下がより好ましい。
(内部光拡散フィルム(B)と基材(C)との積層体)
本発明においては、上記の内部光拡散フィルム(B)と基材(C)の両者の界面に空気層がない状態で積層することが好ましい。該対応により高い輝度と低い輝度の両立が可能となる。これにより正面輝度が向上でき、かつ輝度斑を低減することができる。
上記効果は、従来から広く使用されている賦型法や透明フィルムの表面に、例えば、ビーズ等の光拡散成分を塗工することにより得られる、いわゆる表面凹凸の光の散乱効果を利用した表面光拡散フィルム(D)では小さい。
本発明においては、上記の内部光拡散フィルム(B)と基材(C)の界面より空気層を排除する方法は限定されないが、例えば、粘着剤や接着剤で貼り合せる方法が挙げられる。また、例えば、水等の液体で密着して積層しても良い。内部光拡散フィルムや基材の表面に、熱接着層を形成して、両者を熱接着法で積層しても良い。
本発明においては、上記の内部光拡散フィルム(B)と基材(C)とを貼り合せることにより、例えば、内部光拡散フィルム(B)の温度等の環境変化による寸法変化を抑制できる等の従来技術で公知になっている効果も副次的に発現することができる。
本発明においては、上記内部光拡散フィルム(B)と基材(C)との貼りあわせで実施する場合は、基材(C)との屈折率との差が−0.3〜+0.5の密着層を介して行うのが好ましい。
一般に屈折率は、少数点以下3桁まで表示されているが、本発明においては、少数点以下1桁(少数点以下2桁で四捨五入)での差異で評価すれば良い。
本発明においては、液体の場合は文献値を用いた。また、樹脂よりなる場合は、屈折率計により定法により測定した値を用いた。文献値のある樹脂は、測定せずに文献値を用いれば良い。樹脂の混合物の場合は、単独樹脂の値を用いて、組成比により加重平均して求めた値を用いた。
上記屈折率差は、−0.1〜+0.2がより好ましく、0が最も好ましい。
−0.3未満あるいは+0.5を超えた場合は、内部光拡散フィルム(B)と基材(C)との界面の空気層を排除することによる正面の輝度向上効果が低下するので好ましくない。
上記の内部光拡散フィルム(B)の積層は、基材(C)の片面のみで行っても良いし、両面に行っても良い。両面に積層する場合は、両面とも同じ内部光拡散フィルム(B)を使用しても良いし、それぞれ異種の内部光拡散フィルム(B)を用いても良い。
なお、本発明における部材間の界面より空気を排除することによる効果は、基材(C)との間の界面においてのみ有効である。他の部材間においては、有効でなく、むしろ逆効果になることが多い。
(光拡散フィルム積層体の構成)
本発明の光拡散フィルム積層体は、上記のごとく複数枚の光学部材が積層されている。そのために、これらの光学部材の積層順や印刷層(A)の位置等は重要である。
本発明においては、本発明の効果が発現されれば、該積層順や印刷層(A)の位置は限定されない。
印刷層(A)の位置は、下記構成の基材(C)の入光側、出光側の最表面及び各部材の界面間のいずれに設置しても良い。ただし、後述の照明装置を非点灯の状態として、外光を利用して表示部を照明して使用する場合は、内部光拡散フィルム(B)の反射機能を利用して表示内容の視認性や画質を向上させているので、内部光拡散フィルム(B)よりも出光側に設置するのが好ましい。
その他の部材の位置は、例えば、直下型面光源装置の場合は、以下の構成が推奨される。
即ち、出光側からの順で記載すると以下の構成が好ましい。
(イ)内部光拡散フィルム(B)/基材(C);
(ロ)表面光拡散フィルム(D)/内部光拡散フィルム(B)/基材(C);
(ハ)表面光拡散フィルム(D)/基材(C)/内部光拡散フィルム(B);
(二)表面光拡散フィルム(D)/内部光拡散フィルム(B)/基材(C)/内部光拡散フィルム(B)。
一方、導光板型面光源装置の場合は、(ホ)内部光拡散フィルム(B)/導光板又は(へ)表面光拡散フィルム(D)/内部光拡散フィルム(B)/導光板の構成が好ましい。
(作用機構)
内部光拡散フィルム(B)と表面光拡散フィルム(D)との最大の相違点は多重散乱の有無にある。即ち、表面光拡散フィルム(D)の場合は、表面凹凸の散乱効果を利用して光拡散性が付与されており、光散乱は、ほぼ表面の一面のみで制御されるのに対して、内部光拡散フィルム(B)は、光散乱がフィルム内部全体で起こっている。すなわち、フィルムの厚み方向に光を散乱させる散乱成分が重なって存在しており、光がフィルムの中を通過する場合にこれらの散乱成分により何回も散乱が繰り返される、いわゆる多重散乱の寄与が大きい。この多重散乱の寄与度の差により内部光拡散フィルム(B)と表面光拡散フィルム(D)は、それぞれの固有の光学特性が付与されていると見なせる。
内部光拡散フィルム(B)が表面光拡散フィルム(D)と比べ、輝度低下を抑制した形で輝度斑を小さくできることは、高い拡散度比率を有していることにより引き起こされていると考えられる。拡散度比率は、正透過性(透過度(I))を加味した拡散性の尺度であるので、高い拡散度比率を有していることは、輝度向上に重要な正透過性に見合う拡散性を有することである。従って、拡散度比率が本発明の範囲になることで初めて輝度向上と輝度斑低減が高度なレベルで両立できたと推察される。
また、内部光拡散フィルム(B)と基材(C)との界面間に存在する空気を排除することにより、さらに輝度を向上させ、かつ輝度斑を低下させることができることに対しては、以下のように推察される。
内部光拡散フィルム(B)を基材(C)表面に単に重ね合わせるという、従来から広く実施されている方法においては、内部光拡散フィルム(B)と基材(C)との間に空気層が存在する。空気の屈折率は、基材の屈折率に比べて屈折率が著しく低いために、臨界角度が小さくなるので、界面で反射される割合が高くなり、基材の表面に出光される光量が低くなり、結果として輝度が低くなる。一般に、内部光拡散フィルム(B)に用いられる樹脂や貼り合わせに用いられる樹脂や液体の屈折率は、空気よりも大きい。従って、空気を排除することにより、内部光拡散フィルム(B)と基材(C)の間の界面の屈折率差が小さくなる。従って、該界面における臨界角度が大きくなり、該界面で反射される割合が少なくなり内部光拡散フィルム(B)に入光する光量が増加する。
さらに、本発明の内部光拡散フィルム(B)は、表面光拡散フィルム(D)と異なり、高い変曲率を有するので、上記の界面屈折率差を小さくすることにより、内部光拡散フィルム(B)に取り込まれた光量を含めた総光量が変曲効果により内部光拡散フィルム(B)内で集光され、内部光拡散フィルム(B)表面により多く取り出されることにより、輝度向上が図れると推察している。
なお、内部光拡散フィルム(B)の方が表面光拡散フィルム(D)よりも拡散度比率や変曲率が高いことは、内部光拡散フィルム(B)の方が多重散乱の度合いが大きいことにより引き起こされていると推察している。
一方、内部光拡散フィルム(B)と表面光拡散フィルム(D)の積層により正面の輝度が向上するのは、表面光拡散フィルム(D)の表面凹凸による一種のレンズ効果により出射光が正面方向に集光されることにより発現されること、及び該レンズ効果は表面凹凸の表面積に比例しているものと推察し、表面光拡散フィルムの光拡層表面の粗さ解析を実施して、推察通りの結果を得て本発明を完成した。
上記集光効果は、表面光拡散フィルム(D)単独でも発現されるが、表面光拡散フィルム(D)単独では輝度斑の抑制効果が不足しており好ましくない。一方、表面光拡散フィルム(D)同士、あるいは内部光拡散フィルム(C)同士を積層しても正面輝度向上と輝度斑低減の両立を図ることができない。
これに対して、内部光拡散フィルム(B)は、上記のごとく、正面輝度低下を抑制した形で輝度斑を低減できる効果を有する。従って、これらの両光拡散フィルムの拡散効果の違いの組み合わせにより初めて、より高度な輝度向上と輝度斑低減が両立できたと考えている。
この拡散効果の違う二種の光拡散フィルムの組み合わせにより輝度と輝度斑の二律背反事象が打破できたことは予想外の結果であった。
(照明装置)
本発明の電照表示装置に用いられる照明装置は限定されないが、電照表示装置に広く使用されている面光源装置を用いるのが好ましい。
上記面光源装置の基本ユニットは、少なくとも片面に出光面を有する構成であればその内容は問わない。例えば、エッジライト型の導光板方式及び直下型方式のいずれであっても構わない。また、両面出光タイプであっても良い。直下型方式が好適である。
一般に、面光源装置には、出光面の輝度を上げる目的で、出光面と反対の面には、反射フィルムや反射体が使用されている。反射フィルムや反射体の種類は限定されない。例えば、白色体よりなる拡散タイプの反射フィルムや反射体、金属光沢による反射を利用した指向性の強い反射フィルムや反射体、及び両特性を兼備した反射フィルムや反射体等を挙げることができる。
導光板方式の面光源装置には、光源からの距離による輝度の減衰を抑制するために、印刷、刻印及び彫刻等により出光パターンを付ける方法が採用されているが、該出光パターンの有無も問わない。出光パターンを付与する方法においては、本発明の方法は、従来技術において実施されている各種光学用部材を単に重ね合わせて設置する方法とは、出光のプロファイルが大きく異なるので、出光パターンを本発明の方法に適合するように設計するのが好ましい。本発明の方法は、光源から近距離における出光量が増加するので、出光パターンの傾斜をより強くするのが好ましい。
(面光源装置の光源)
本発明の面光源装置に用いられる光源は限定されない。例えば、既に多く用いられている蛍光灯、冷陰極管及びLED光源等の光源が挙げられる。
特に、本発明の内部光拡散フィルム(A)は、広く使用されている光拡散フィルムに比べて拡散度比率が極めて高いので、光の直進性の高いLED光源のランプイメージである光源スポットの消去性を、輝度低下を抑制した形で大幅に向上することができる。
(光拡散フィルム積層体の使用方向)
本発明の光拡散フィルム積層体の構成部材である内部光拡散フィルム(B)は光拡散の異方性の高いものを含む。従って、本発明の光拡散フィルム積層体も光拡散の異方性の高いものを含む。
異方性度の高い光拡散フィルム積層体は、特定方向に出射光が集光されるので、面光源装置に組み込む時の光拡散フィルム積層体の使用方向が重要となる。
使用方向は、面光源装置としての要求特性により適宜選択すれば良い。
一般には、面光源装置は均質な輝度や照度が求められることが多い。該要求に答えることに対して光拡散フィルム積層体として異方性度の高いものを用いることが好ましい場合がある。例えば、蛍光灯や冷陰極管等の異方性を有する光源を用いた場合は、面光源装置の輝度の均一性が低下する。従って、該光源を使用する場合は、光拡散フィルム積層体の主拡散方向がこれらの光源の長手方向と直交する方向に固定して使用することが好ましい。これにより、光源の異方性による輝度斑を大幅に低減させることができる。等方性の高い光拡散フィルム積層体よりも平均輝度の低下を抑制した形で輝度斑を下げることができる。一方、LED光源等のスポット光源の場合、等方性拡散が求められる。このとき、異方性度の高い光拡散フィルム積層体を用いる場合は、複数枚を主拡散方向を直交する方向で固定して使用するのが好ましい。さらに、入光側の光拡散フィルム積層体は主拡散方向が光源の長さ方向と直交する方向で固定するのが好ましい。この固定方法により、等方性が高まり、かつ拡散度比率や変曲率が高くなる。
意匠性等の要求により、逆に、不均一な輝度が要求されることがある。この場合は、要求を満たす方向に光拡散フィルム積層体の主拡散方向を変化させて使用するのが好ましい。
(電照表示装置)
本発明における電照表示装置は、照明装置の出光部に前述した電照表示装置用光拡散フィルム積層体を設置した構成であれば、その構造や大きさは限定されない。例えば、上記のような面光源装置の出光面に、前述した電照表示装置用光拡散フィルム積層体を設置した構造のものが好ましい。
(照明装置の光量調節)
本発明の光拡散フィルム積層体に使用される内部光拡散フィルム(B)は、例えば、表面光拡散フィルム(D)よりも高い反射性能を有するので、本発明の電照表示装置は、設置された場所が明るい場合は、照明装置を点灯しなくても、内部光拡散フィルム(B)により外光の光が反射されるので、外光の明るさで表示メッセージが非常にクリアーに、かつ高画質で視認できるという特徴を有する。従って、電照表示装置が設置された場所が明るい場合は、照明装置を点灯しなくても、メッセージの十分な視認性や画質が確保できる。
従って、本発明の電照表示装置には、設置場所の周りの外光の明るさに応じて照明装置の光量を調節する手段を設けて、外光の明かりに応じて照明装置の光量を調節するのが好ましい。これにより、省エネルギーが可能となる。
上記外光の明るさに応じて照明装置の光量を調節する方法は限定されない。例えば、電照表示装置あるいはその周辺に外光の照度を測定する照度計を設置して、照度に応じて照明装置の光量調節をする方法を挙げることができる。
(好ましい平均輝度及び輝度の広がり)
平均輝度としては正面の輝度(0度輝度)が高いことが望ましい。その上で高角度での平均輝度も高いことが好ましい。このようにすることにより、例えば、表示装置と用いた場合は視野角が広くなる。また、照明装置として用いた場合は照度の広がりが広くなる。
好ましい平均輝度は光学部材の構成等により異なるが、内部光拡散フィルム(B)のみの構成の場合の0度輝度は、印刷層が黄色の場合、5000Cd/m以上が好ましい。また、内部光拡散フィルム(B)と表面光拡散フィルム(D)の積層系における0度輝度は5800Cd/m以上が好ましい。
輝度の広がりについては、例えば、内部光拡散フィルム(B)のみの構成の場合の輝度の広がりは、0度平均輝度に対する60度の平均輝度の比で0.6以上が好ましく、0.7以上がより好ましい。一方、内部光拡散フィルム(B)と表面光拡散フィルム(D)の積層系の場合は0度の平均輝度向上を目的としており、輝度の広がりは狭くなる。
内部光拡散フィルム(B)は表面光拡散フィルム(D)に比べて平均輝度の広がりが広くできるという特徴を有している。これは、拡散度比率が高いことによるものと推察している。
ただし、本発明の重要要素は、内部光拡散フィルム(B)と基材(C)との間の空気層を排除する効果に基づいており、後述の実施例及び比較例においてはそれぞれこの範囲に適合しない例も例示されている。
(好ましい輝度斑)
0%が理想であるが技術的に困難である。10%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、6%以下がさらに好ましい。
ただし、本発明の重要要素は、内部光拡散フィルム(B)と基材(C)との間の空気層を排除する効果に基づいており、後述の実施例及び比較例においてはそれぞれこの範囲に適合しない例も例示されている。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、実施例で採用した測定・評価方法は次の通りである。また、実施例中で「部」とあるのは断りのない限り「質量部」を意味し、「%」とあるのは断りのない限り「質量%」を意味する。
1.全光線透過率
自記分光光度計(UV−3150;島津製作所社製)に積分球付属装置(ISR−3100;島津製作所社製)をセットして、スリット幅12nmで波長300〜800nmの範囲を高速でスキャンし分光スペクトルの測定を行い、550nmにおける透過率で表示した。
該測定においては、試料の主拡散方向が水平方向になるように試料固定器具に固定して測定をした時の値を用いた。主拡散方向は、試料にレーザーマーカーで光を当てて、出射光の拡散方向を検知して決定した。
試料の両面で表面粗度が異なる場合は、実際に使用する場合の光の透過方向が一致する向きで試料を固定して測定するのが良い。本発明においては、表面粗度が低い方から入光する向きで固定して測定した。
2.半値幅拡散度(配光分布パターンのピークトップの半分の高さにおける角度)
変角分光測色システムGCMS−4型(GSP−2型:株式会社村上色彩研究所製、変角分光光度計GPS−2型)を用いて測定を行った。透過測定モード、光線入射角:0°(フィルム法線方向)、受光角度:−80°〜80°(フィルム法線からの極角。方位角は水平)、光源:D65、視野:2°の条件で、試料の主拡散方向が水平方向になるように試料台に固定(試料台の軸と主拡散方向の軸とのずれは20度程度までは許容される)し、透過光の変角分光光度曲線を求めた。あおり角は0°とした。
5°ピッチで測定した。
上記測定により得られた配光分布パターンのピークトップの半分の高さにおける角度を求め半値幅拡散度とした。
測定に先立ち、株式会社村上色彩研究所製のGCMS−4用の透過拡散標準板(オパールガラス)を用いて装置の校正を行い、該透過拡散標準板の受光角度0度における透過光強度を基準(1.000)として、相対透過度を測定した。なお、前記透過拡散標準板は、積分球式分光計測で空気層を1.000とした時の550nmの透過率が0.3535であった。
本測定は、各試料とも3回測定し、その平均値で表示した。
試料の両面で表面粗度が異なる場合は、実際に使用する場合の光の透過方向が一致する向きで試料を固定して測定するのが良い。本発明においては、表面粗度が低い方から入光する向きで固定して測定した。
なお、主拡散方向とは最大の光拡散性が得られるフィルム面内の方向であり、レーザーポインター等を用いて簡単に決定することができる。
3.拡散度比率
上記の半値幅拡散度と同じ方法で、波長550nmの出射角0°及び30°の透過度を測定して、出射角0度における透過度(I)に対する出射角30度における透過度(I30)の割合(I30/I×100)を求めて%表示した。
試料の両面で表面粗度が異なる場合は、実際に使用する場合の光の透過方向が一致する向きで試料を固定して測定するのが良い。本発明においては、表面粗度が低い方から入光する向きで固定して測定した。
4.異方性度
上記と同様の方法で測定した出光角30度における透過率を(I30とした。
また、試料の主拡散方向が垂直方向になるように試料台に固定し、上記と同様の方法で、上記の(I30と直交する方向の出射角30度における透過率(I30を求めた。
異方性度は下記式で算出した。
(I30/(I30
5.変曲率
上記2項の半値幅拡散度測定において、光線入射角を−60度に変更する以外は同じ方法で測定を行い、波長550nmにおける0度及び60度の透過度を測定し、それぞれの値を(I60及び(I6060とし、下記式で変曲率を求めた。
変曲率(%)=(I60/(I6060×100
6.平均面積
接触式の三次元表面粗さ測定装置((株)小坂研究所製、二次元、三次元表面粗さ解析システム、TDA−21)により、以下に示す条件にて測定をして求めた。
(測定条件)
TABLE PITCH:0.005mm、REC PITCH:1mm、H.MAGNIFICATION:200、MEASURING LENGTH:1mm、V.MAGNIFICATION:500、CUT OFF:0.25mm、TRAVERSING LENGTH:REC、本数:100本 X送り速さ:0.1mm/秒
なお、触針は2μmで90度のものを用いた。
7.熱可塑性樹脂のメルトフローレート
JIS−K−7210A法に準拠して、2.16kgfの条件で測定した。
8.冷陰極管方式の直下型面光源装置における輝度及び輝度斑
RISA−COLOR/ONE−II(ハイランド社製)を用いて測定を行った。
電通産業株式会社製の冷陰極管タイプの検査用面光源装置(発光部品番 LB350−236及び電源部品番 SWD24−3.2A)の乳白拡散板を取り外して、この乳白拡散板に変えて試料を設置して測定した。
100mm角の開口部を設けた黒色の遮光板を開口部が上記の検査用面光源装置のほぼ中央部になるように設置して測定を行った。
CCDカメラと試料表面間の距離を垂直状態で1mとして、CCDカメラを試料表面に対して−70°から+70°までの間の赤道上を移動させて輝度の角度依存性を測定した。変角はスタートとラストのみ1度、その間は3度ピッチで変角移動をした。輝度の測定は測定部を横方向に3分割、縦方向に9分割し、横方向の中心部の9分割部分の輝度データーを読み取り、0度(垂直方向)、30度及び60度の平均輝度を表示した。
また、0度における9データの最大値、最小値及び平均値より下記式により輝度斑を求めて表示した。
輝度斑(%)=(最大値−最小値)/平均値×100
検査用面光源装置は水平の状態で点灯後1時間以上放置後に測定した。ランプ強度は最大値で行った。
測定は暗室で行った。
9.LED光源方式の直下型面光源装置による輝度及び輝度斑
295×335mmのアルミ製の筐体に日亜化学社製のLED光源(1Wハイパワータイプ リゲル1W)48個を45mmピッチで、接着剤にて固定し、LED光源表面より60mmの高さの位置に試料を固定して、RISA−COLOR/ONE−II(ハイランド社製)を用いて以下の方法で測定を行った。
100mm角の開口部を設けた黒色の遮光板を開口部が上記面光源装置のほぼ中央部になるように設置して測定を行った。測定は2ビットの面積の測定ポイントを21個設定し、その内6個をLED光源の中心部として残り15個をLED光源間の中央部になるように設定をして測定を行った。上記の輝度及び輝度斑(1)とは異なり、0度(垂直)のみの測定を行った。
面光源装置は水平の状態で点灯後1時間以上放置後に測定した。
測定は暗室で行った。
光源スポットの消去性は、下記の基準で評価した。
上記輝度及び輝度斑測定において、面光源装置を点灯させた状態で開口部を肉眼観察して、以下の判定をした。
LED光源の輝点が見えない場合:○
LED光源の輝点が見える場合:×
10.明室での電照表示装置の照明装置非点灯における表示画像の視認性
冷陰極管方式の直下型面光源装置における輝度及び輝度斑評価法において、面光源装置の点灯を取り止め、面光源装置の乳白板を取り外し、その部分に透明アクリル板よりなる基材、光拡散フィルム及び印刷フィルムの順に設置し、明室下で観察して、以下の基準で判定した。なお、判定はフィルム製造例4の内部光拡散フィルムを用いた時の印刷された像の視認性を基準として行った。また、印刷フィルムは後述の方法に準じて象のいる草原風景を印刷したものを用いた。視認性は印刷された像の明るさと細部の視認性とで判定した。細部の視認性は、主として草原の草の部分や象の鼻の皺の解像度に注目して判定した。
(視認性の判定)
1:非常に良い、2:良い、3:やや良い、4:フィルム製造例4と同程度、5:悪い、及び6:非常に悪い。
(フィルム製造例1)
2台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にて、環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013S−04 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.0(230℃))35質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃))65質量部を光拡散層とし、第2の押し出し機にて、ポリプロピレン系の接着性樹脂(アドマー(TM)SE800 三井化学社製 メルトフローレート:5.7(190℃))が両表層となるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、鏡面の冷却ロールで冷却することにより総厚み400μmの両面に熱密着層が積層された内部光拡散フィルムを得た。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。層厚み構成は40/320/40(μm)であった。
得られた内部光拡散フィルムの特性を表1に示す。
(フィルム製造例2)
環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6015 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:0.41(230℃))50質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃))50質量部を池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、梨地加工した冷却ロール(Ra=0.55)で冷却することにより厚み400μmの内部光拡散フィルムを得た。なお、上記冷却ロールの反対面は表面に離型処理をした(Ra=1.0)押さえロールを用いた。
得られた内部光拡散フィルムの特性を表1に示す。
(フィルム製造例3)
フィルム製造例2において、フィルム厚みを200μmとする以外は、実施例2と同様の方法で内部光拡散フィルムを得た。
得られた内部光拡散フィルムの特性を表1に示す。
(フィルム製造例4)
フィルム製造例1において、フィルム厚みを175μmに、層厚み構成を25/125/25(μm)に変更する以外は、フィルム製造例1と同様の方法で内部光拡散フィルムを得た。
得られた内部光拡散フィルムの特性を表1に示す。
(フィルム製造例5)
フィルム製造例1において、フィルム厚みを126μmに、層厚み構成を18/90/18(μm)に変更する以外は、フィルム製造例1と同様の方法で内部光拡散フィルムを得た。
得られた内部光拡散フィルムの特性を表1に示す。
(フィルム製造例6)
実施例1と同じ樹脂組成の配合組成物を、押し出し温度が、230℃、ブロー比1.3でインフレーション製膜し、厚み50μmの内部光拡散フィルムを得た。
得られた内部光拡散フィルムの特性を表1に示す。
(フィルム製造例7)
真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した実質的に無滑剤のポリエチレンテレフタレート樹脂95質量部と変性ポリプロピレン系樹脂(大日精化(株)社製CAP350)5質量部の混合物を単軸押出機に供給し、280℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、温度103℃で長手方向に5.0倍延伸し、厚み100μmの内部光拡散フィルム原反を得た。
得られた内部光拡散フィルム原反2枚を内部光拡散フィルム原反の主拡散方向が直交する向きで光学用粘着剤にて貼り合わせて内部光拡散フィルムを得た。粘着剤層の厚みは10μmとした。
得られた内部光拡散フィルムの特性を表1に示す。
(フィルム製造例8)
真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した実質的に無滑剤のポリエチレンテレフタレート樹脂85質量部とプライムポリマー(株)社製の低密度ポリエチレン樹脂(SP1540)15質量部の混合物を単軸押出機に供給し、280℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、温度103℃で長手方向に5.0倍延伸し、厚み75μmの内部光拡散フィルム原反を得た。
得られた内部光拡散フィルム原反2枚を内部光拡散フィルム原反の主拡散方向が直交する向きで光学用粘着剤にて貼り合わせて内部光拡散フィルムを得た。粘着剤層の厚みは10μmとした。
得られた内部光拡散フィルムの特性を表1に示す。
(フィルム製造例9)
フッ素系樹脂(Kynar 720(PVDF)アルケマ社製メルトフローレート:10(230℃、5kgf))50質量部とポリメチルペンテン系樹脂(TPX(TM)DX820 三井化学社製、メルトフローレート:110(260℃、5kgf))50質量部を、池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、鏡面の冷却ロールで冷却することにより厚み100μmの内部光拡散フィルム原反を得た。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はエアーナイフを用いて行った。また、片面にコロナ処理を施した。
得られた内部光拡散フィルム原反2枚を内部光拡散フィルム原反の主拡散方向が直交する向きで光学用粘着剤にて貼り合わせて内部光拡散フィルムを得た。粘着剤層の厚みは10μmとした。
得られた内部光拡散フィルムの特性を表1に示す。
(フィルム製造例10)
フッ素系樹脂(Kynar 720(PVDF)アルケマ社製メルトフローレート:10(230℃、5kgf))50質量部と環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.1(230℃、2.16kgf))50質量部を、池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、鏡面の冷却ロールで冷却することにより厚み200μmの異方性内部光拡散フィルムを得た。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。また、片面にコロナ処理を施した。
得られた内部光拡散フィルムの特性を表1に示す。
(フィルム製造例11)
フィルム製造例1において、フィルム厚みを56μmに、層厚み構成を8/40/8(μm)に変更する以外は、フィルム製造例1と同様の方法で内部光拡散フィルムを得た。
得られた内部光拡散フィルムの特性を表1に示す。
(フィルム製造例12)
2台の溶融押し出し機を用い、基材層のA層として、第1の押し出し機にてポリプロピレン樹脂WF836DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)100質量部を供給し、拡散層のB層として、第2の押し出し機にてポリプロピレン樹脂WF836DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)17質量部とプロピレン・エチレン共重合体 HF3101C(日本ポリプロ社製)83質量部を供給し、ダイス内にてA/Bとなるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度120℃で4.8倍に延伸し、引き続いてテンタ―式延伸機により、165℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に9倍延伸した。次いで166℃で熱固定を行って、A層及びB層の厚みはそれぞれ22.2μm及び2.8μmである内部光拡散フィルムを得た。巻き取り直前において基層A表面にコロナ処理を行った。
得られた内部光拡散フィルムの特性を表1に示す。
(フィルム製造例13)
ポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)50質量部、エチレン・ブテン共重合体(三井化学社製、タフマー A0585X)30質量部及びナノ結晶構造制御型ポリオレフィン系エラストマー樹脂(三井化学社製、ノティオ PN3560)20質量部を予め2軸の押し出し機で溶融押し出しすることにより得た混練されたポリオレフィン系樹脂組成物を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、更に横方向に145℃で8.2倍に延伸し、158℃で熱セットをした。引き続きその片面にコロナ処理をして厚み25μmの内部光拡散フィルムを得た。
得られた内部光拡散フィルムの特性を表1に示す。
(フィルム製造例14)
厚み100μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面に、平均粒径が3μmの真球状のアクリル樹脂粒子(東洋紡績社製 タフチック(TM)FH−S300)50質量部とポリウレタン樹脂50質量部の混合物が乾燥後厚みで30μmになるように、塗工機を用いて、塗布および乾燥をすることにより表面光拡散フィルムを得た。
得られた表面光拡散フィルムの特性を表1に示す。なお、得られた表面光拡散フィルムの塗工面の表面積相当値(拡散面の平均面積)は890μmであった。
(フィルム製造例15)
厚み200μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面に、透明アクリル系光硬化型樹脂組成物(ダイセルサイテック(株)製、商品名「PETIA」)を塗布し、ロール金型で賦型し、紫外線を照射する紫外線賦型法により、高さが25μmで直径が50μmの半球状のドーム形状の突起が最密充填された形で賦型された表面光拡散フィルムを得た。
得られた表面光拡散フィルムの特性を表1に示す。なお、得られた表面光拡散フィルムの賦型面の表面積相当値(拡散面の平均面積)は2100μmであった。
(フィルム製造例16)
厚み100μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面に、平均粒径が50μmの真球状のアクリル樹脂粒子(積水化成品工業社製テクポリマー(TM)MBX−50)60質量部とポリウレタン樹脂40質量部の混合物が乾燥後厚みで30μmになるように、塗工機を用いて、塗布および乾燥をすることにより表面光拡散フィルムを得た。
得られた表面光拡散フィルムの特性を表1に示す。なお、得られた表面光拡散フィルムの塗工面の表面積相当値(拡散面の平均面積)は1520μmであった。
(インクジェット印刷フィルムの作製)
ミマキエンジニアリング社製のインクジェットプリンター(JV3−75 SPII型)で黄色、青色及び赤色の3色の印刷フィルムを作製した。基材フィルムは、油性のインクジェット印刷用高透明ポリエステルフィルム(東洋紡績社製開発品)を、インクはそれぞれミマキエンジニアリング社製のSSインクイエロー、マゼンダ及びシアンを用いて、解像度720×720DD及び16パスでベタ印刷した。
得られた印刷フィルムの550nmの波長の全光線透過率は黄色:86.7%、青色:57.6%及び赤色:15.0%であった。
(実施例1−1)
前記の冷陰極管方式の直下型面光源装置における輝度及び輝度斑測定に用いる面光源装置の乳白アクリル板を取り外し、厚さ3mmで550nmの全光線透過率が92.2%の透明アクリル板を設置し、その上にフィルム製造例1及び黄色の印刷フィルムを重ね合わせて、輝度及び輝度斑の評価方法で評価した。得られた結果を表2に示す。
本実施例で得られた電照表示装置用光拡散フィルム積層体は比較例1−1〜比較例7−1との比較において、平均輝度が高く、かつ輝度斑が小さく高品質であり、電照表示装置に好適に用いることができることが示される。
(比較例1−1)
実施例1−1において、フィルム製造例1で得られた内部光拡散フィルムの使用を取り止めて、黄色の印刷フィルムを透明アクリル板の上に直接設置するように変更する以外は、実施例1と同様にして評価した結果を表2に示す。
実施例1−1に比べて輝度が劣り、かつ輝度斑が著しく大きく、内部光拡散フィルムの積層により、輝度を向上した形で輝度斑を大幅に低下できることが示される。
(比較例2−1及び比較例3−1)
実施例1−1において、フィルム製造例1で得た内部光拡散フィルムに替えて、それぞれフィルム製造例14及びフィルム製造例15で得た表面光拡散フィルムを用いるように変更する以外は、実施例1−1と同様にして評価した結果を表2に示す。
比較例1−1に比べると輝度及び輝度斑が向上するが、実施例1−1に比べて輝度斑が約1桁悪く、内部光拡散フィルムと大きな差があることが示される。
なお、フィルム製造例14及び15で得た表面光拡散フィルムは、ヘーズ値がそれぞれ96.7%及び94.3%であり、高拡散性フィルムとして位置づけられる。
(比較例4−1〜比較例6−1)
実施例1−1の方法において、フィルム製造例1で得た内部光拡散フィルムに替えて、それぞれフィルム製造例11、フィルム製造例12及びフィルム製造例13で得た内部光拡散フィルムを用いるように変更する以外は、実施例1−1と同様にして評価した結果を表2に示す。
いずれの比較例も輝度が低く、かつ輝度斑が大きい。
これらの比較例の内部光拡散フィルムはいずれもが拡散度比率や変曲率が本発明の範囲の下限未満である。従って、内部光拡散フィルムといえども、本発明の範囲外のフィルムでは本発明の効果が発現されない。
(比較例7−1)
実施例1−1の方法において、フィルム製造例1で得た内部光拡散フィルムに替えて、フィルム製造例10で得た内部光拡散フィルムを用いるように変更する以外は、実施例1−1と同様にして評価した結果を表2に示す。
輝度斑は良好であるが、輝度が低かった。
本比較例の内部光拡散フィルムは全光線透過率が本発明の範囲の下限未満である。従って、内部光拡散フィルムといえども、本発明の範囲外のフィルムでは本発明の効果が発現されない。
(実施例2−1)
実施例1−1において、フィルム製造例1で得た内部光拡散フィルムを透明アクリル板に熱接着法で貼り付けるように変更する以外は、実施例1−1と同様にして評価した結果を表2に示す。
実施例1−1に比べて、輝度斑はやや低下するが、輝度が向上した。内部光拡散フィルムと基材との間に介在する空気を排除することにより輝度向上が発現できることが示される。
(実施例3−1)
実施例1において、フィルム製造例1の内部光拡散フィルムに替えて、フィルム製造例2で得たフィルムを5μmの厚みの光学用粘着剤で透明アクリル板に貼り付けるように変更する以外は、実施例1−1と同様にして評価した結果を表2に示す。
実施例1−1とほぼ同等の結果が得られた。
(実施例4−1)
実施例1−1において、フィルム製造例1の内部光拡散フィルムをフィルム製造例3の内部光拡散フィルムに変更する以外は、実施例1−1と同様にして評価した結果を表2に示す。
実施例1とほぼ同等の結果が得られた。
(実施例5−1)
実施例2−1において、フィルム製造例1の内部光拡散フィルムをフィルム製造例4の内部光拡散フィルムに変更する以外は、実施例2−1と同様にして評価した結果を表2に示す。
実施例2−1とほぼ同等の結果が得られた。
(実施例6−1)
実施例5−1において、フィルム製造例4の内部光拡散フィルムをフィルム製造例5の内部光拡散フィルムに替え、かつフィルム製造例5の内部光拡散フィルムを透明アクリル板の両面に熱接着にて貼り付けるように変更する以外は、実施例5−1と同様にして評価した結果を表2に示す。
実施例5−1とほぼ同等の結果が得られた。
(実施例7−1)
実施例3−1の方法において、フィルム製造例2の内部光拡散フィルムをフィルム製造例6の内部光拡散フィルムに変更する以外は、実施例3−1と同様の方法で評価した結果を表2に示す。
実施例3−1よりは劣るが、比較例に比べると高特性を有している。
(実施例8−1〜実施例10−1))
実施例3−1の方法において、フィルム製造例2の内部光拡散フィルムに替えて、それぞれフィルム製造例7、フィルム製造例8及びフィルム製造例9の内部光拡散フィルムを用いるように変更する以外は、実施例3−1と同様の方法で評価した結果を表2に示す。実施例3−1よりも同等あるいは輝度斑がやや劣る程度であり、いずれの実施例も比較例に比べると高特性を有している。
(実施例1−2〜実施例7−2、実施例10−2及び比較例1−2〜比較例7−2)
実施例1−1〜実施例7−1、実施例10−1及び比較例1−1〜比較例7−1において、黄色印刷フィルムに替えて青色印刷フィルムを用いるように変更して、それぞれ実施例1−1〜実施例7−1、実施例10−1及び比較例1−1〜比較例7−1と同様の方法で評価した結果を表3に示す。
全体にわたり輝度が低くなるが、青色印刷フィルムにおいても黄色印刷フィルムと同様の結果が得られた。
(実施例1−3〜実施例9−3及び比較例1−3〜比較例7−3)
実施例1−1〜実施例9−1及び比較例1−1〜比較例7−1において、黄色の印刷フィルムに替えて赤色印刷フィルムを用いるように変更して、それぞれ実施例1−1〜実施例7−1、実施例9−1及び比較例1−1〜7−1と同様の方法で評価した結果を表4に示す。
全体にわたり輝度が青色印刷フィルムよりもさらに低くなるが、赤色印刷フィルムにおいても黄色印刷フィルムと同様の結果が得られた。ただし、輝度斑に関しては、黄色や青色印刷フィルムに比べて高くなっているものが多い。
以上の実施例及び比較例において、印刷フィルムの色により輝度が大きく変化するのは、印刷フィルムのそれぞれの色により550nmの全光線透過率が変化するために引き起こされていると推察される。
また、赤色印刷フィルムのみ輝度斑が大きいのは、各色の主吸収波長の違いにより、内部光拡散フィルムの拡散性が変化するために引き起こされたと推察される。
(実施例11−1)
実施例1−1の方法において、黄色印刷フィルムとフィルム製造例1との間にフィルム製造例15の表面光拡散フィルムを挿入する以外は、実施例1−1と同様の方法で評価した結果を表5に示す。
実施例1−1よりも正面輝度(0度の輝度)が向上し、かつ輝度斑が低下した。
(実施例12−1)
実施例2−1の方法において、黄色印刷フィルムとフィルム製造例1との間にフィルム製造例15の表面光拡散フィルムを挿入する以外は、実施例2−1と同様の方法で評価した結果を表5に示す。
実施例2−1よりも正面輝度が向上し、かつ輝度斑が低下した。
(実施例13−1)
実施例1−1の方法において、黄色印刷フィルムとフィルム製造例1との間にフィルム製造例14の表面光拡散フィルムを挿入する以外は、実施例1−1と同様の方法で評価した結果を表5に示す。
実施1−1よりも正面輝度が向上し、かつ輝度斑が低下した。
(実施例14−1及び実施例15−1)
実施例5−1の方法において、黄色印刷フィルムとフィルム製造例1との間にそれぞれフィルム製造例15の表面光拡散フィルム及びフィルム製造例14の表面光拡散フィルを挿入する以外は、実施例5−1との方法で評価した結果を表5に示す。
実施5−1よりも正面輝度が向上し、かつ輝度斑が低下した。
(比較例8−1)
比較例4−1の方法において、黄色印刷フィルムとフィルム製造例15との間にフィルム製造例14の表面光拡散フィルムを挿入する以外は、比較例4−1と同様の方法で評価した結果を表5に示す。
正面輝度がむしろ低下し、かつ輝度斑低下も約半減に留まった。
以上の実施例及び比較例により、内部光拡散フィルムと表面光拡散フィルムとの組み合わせ使用により、内部光拡散フィルムのみ使用の場合より正面輝度が向上でき、かつ輝度斑が改善できることが示される。
また、該内部光拡散フィルムと表面光拡散フィルムとの組み合わせ使用においても、内部光拡散フィルム単独使用の場合と同様に、内部光拡散フィルムと基材との空気を排除することにより、正面輝度が向上する。
(実施例11−2〜実施例15−2及び比較例8−2))
実施例11−1〜実施例15−1及び比較例8−1の方法において、黄色印刷フィルムに替えて青色印刷フィルムとするように変更する以外は、それぞれ実施例11−1〜実施例15−1及び比較例8−1と同様の方法で評価した結果を表6に示す。
全体にわたり輝度が低くなるが、青色印刷フィルムにおいても黄色印刷フィルムと同様の結果が得られた。
(実施例11−3〜実施例15−3及び比較例8−3))
実施例11−1〜実施例15−1及び比較例8−1の方法において、黄色印刷フィルムに替えて赤色印刷フィルムとするように変更する以外は、それぞれ実施例11−1〜実施例15−1及び比較例8−1と同様の方法で評価した結果を表7に示す。
全体にわたり輝度が青色印刷フィルムよりもさらに低くなるが、赤色印刷フィルムにおいても黄色印刷フィルムと同様の結果が得られた。
(実施例16−1、実施例17−1及び比較例9−1)
それぞれ、実施例1−1、実施例1−2及び比較例2−1で用いた構成にてLED光源方式の直下型面光源装置による輝度及び輝度斑評価方法により、LED光源の面光源装置における評価を行った結果を表8に示す。
LED光源の面光源装置においても、冷陰極管光源の面光源装置と同様に本発明の効果が発現される。
特に、本発明の光拡散フィルム積層体は光源スポットの消去性を大幅に向上することができるという特徴を有しており、LED光源を用いた照明装置を用いた時に有効に適用できる。
(実施例18〜実施例21)
それぞれフィルム製造例1、フィルム製造例2、フィルム製造例3及びフィルム製造例4の内部光拡散フィルムについて、評価法において記載した方法により、明室において電照表示装置の照明装置非点灯状態での表示画像の視認性の評価を行った。結果を表9に示す。
(比較例10〜比較例12)
それぞれ、透明アクリル板のみ、フィルム製造例14及びフィルム製造例15の表面光拡散フィルムについて、実施例18〜実施例21と同様の方法にて、明室での電照表示装置の照明装置非点灯状態での表示画像の視認性の評価を行った。結果を表9に示す。
内部光拡散フィルムを用いた場合は、良好な視認性を有しており、外光のみで良好な視認性が得られる。特に、フィルム製造例2及び3が優れている。
細部の視認性以上に明るさの差が顕著であった。
実施例18〜実施例21及び比較例10〜比較例12の方法において、象のいる草原風景を印刷した印刷フィルムを青色印刷フィルムに替え、面光源装置の点灯をしない状態で、LED光源方式の直下型面光源装置による輝度及び輝度斑評価法に準じた方法で輝度及び輝度斑を評価した。21点の測定値の最大値及び最小値および該最大値と最小値との平均値を表9に示す。
上記実施例や比較例においては、実施例18〜実施例21及び比較例10〜比較例12で行った感応評価で得られた顕著な差を数値化することはできなかったが、ほぼ視認性と対応した結果が得られた。
なお、暗室の照明灯を点灯した状態の輝度測定位置の照度は300ルクスであった。
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本発明の光拡散フィルム積層体は、印刷層により、メッセージの表示、模様等による意匠性向上あるいは色調変化等の機能を付与される。また、印刷層の上に特定の光学特性を有する内部光拡散フィルムを積層し、所望によりさらに特定の表面構造を有する表面光拡散フィルムを積層しているので、例えば、電照表示装置に用いた場合に、上記機能を付与した形で、照明装置の光源の出光効率や該出光効率の均一性が高められ、電照表示装置の表示部が高輝度化でき、かつ輝度の均質性を高めることができる。
従って、電照表示装置の光源の出力低減や各種光学フィルムの使用枚数の低減により電照表示装置の経済性を高めることができる。
また、各種照明装置に用いた場合に印刷層による模様等の付与による意匠性や色調変化を自在に変更した上で、照明装置の光源の出光効率や該出光効率の均一性が高められ、照明装置の高照度化でき、かつ照度の均質性を高めることができるので、各種照明装置として好適に用いることができる。
また、本発明の電照表示装置は、設置された場所が明るい場合は、電照表示装置の照明装置を点灯しなくても、上記の内部光拡散フィルムが高い反射特性を有しているので、外光の明るさで表示メッセージが非常にクリアーに視認できる。そのため、設置場所が明るい場合には照明装置の点灯の停止のように外光の明るさにより電照表示装置にセットされた照明装置の明るさを調節することで照明装置の省エネルギーを図ることができる。
従って、産業界への寄与は大きい。

Claims (6)

  1. 印刷層(A)と下記(i)〜(iii)を同時に満たす内部光拡散フィルム(B)を構成材料として含んでなることを特徴とする光拡散フィルム積層体:
    (i)波長550nmの光の全光線透過率が40〜84%である;
    (ii)主拡散方向の波長550nmの光の出射角0度における透過度(I)に対する出射角30度における透過度(I30)の割合(I30/I×100)が8.0〜95%である;
    (iii)波長550nmの光の変曲率が4.0〜100%である。
  2. 内部光拡散フィルム(B)が、互いに非相溶性の少なくとも二種の熱可塑性樹脂の混合物よりなる層を含むことを特徴とする請求項1に記載の光拡散フィルム積層体。
  3. 波長550nmの光の全光線透過率が50〜100%である基材(C)が積層されてなることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の光拡散フィルム積層体。
  4. 表面光拡散フィルム(D)が積層されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散フィルム積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散フィルム積層体を照明装置の出光面に設置してなることを特徴とする電照表示装置。
  6. 電照表示装置の周りの明るさにより電照表示装置の照明装置の明るさを調節する手段を有することを特徴とする請求項5に記載の電照表示装置。
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