JP2014038778A - 直下型面光源装置及び該直下型面光源装置を用いてなる照明装置及び表示装置 - Google Patents

直下型面光源装置及び該直下型面光源装置を用いてなる照明装置及び表示装置 Download PDF

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勝朗 久世
Akifumi Yasui
章文 安井
Akira Matsuda
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Abstract

【課題】点光源を用いた直下型面光源装置において、輝度斑を下げ、かつ輝度や照度を高くすることができ、さらにレンズフィルムにより引き起こされる外観のぎらつきや干渉斑等の外観不良や出射光の光量の斑である明度斑等の改善。
【解決手段】反射材上に複数の点光源が配置されてなる直下型面光源装置において、以下の構成を同時に満たすことを特徴とする直下型面光源装置。(1)点光源が光源チップの出光面に凹型構造のレンズが装着されてなるレンズ付き点光源であること、(2)面光源装置の出光面に、全光線透過率/平行光線透過率比が40〜240の光拡散部材(A)とレンズ面の表面光沢度が5〜80%であるレンズフィルム(B)をレンズフィルム(B)のレンズ面の反対面が接するように重ね合わせてなる光拡散部材積層体(C)をレンズフィルムのレンズ面が表面側になるように設置されてなること。
【選択図】なし

Description

本発明は、直下型面光源装置及び該直下型面光源装置を用いてなる表示装置並びに照明装置に関する。詳しくは、出射光の指向性が高い点光源を用いた直下型面光源装置において、輝度や照度が高く、かつ出光面の輝度斑が抑制された出光面の輝度の均質度が高い上に、さらにレンズフィルムにより引き起こされる外観のぎらつきや干渉斑等の外観不良や出射光の光量の斑である明度斑等が改善できる直下型面光源装置及び該直下型面光源装置を用いてなる表示装置並びに照明装置に関する。
液晶表示モジュール(LCD)は、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を活かしてフラットパネルディスプレイとして多用され、その用途は携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、テレビなどの情報用表示デバイスとして年々拡大している。
液晶表示装置には、光源からパネルに至る光伝達路でのロスを抑え、パネル上の輝度を向上させるために、液晶ユニットの下面側に面光源装置が装備されている。
近年、面光源装置は、液晶表示装置のみでなく灯具や電飾看板等の広い分野に使用されてきている。
該面光源装置としては、導光板を使用した出光面のサイド側に光源が設置されたエッジライト方式と出光面の背面側に光源が設置されてなる直下型ライト方式に大別される。
該面光源装置には、面光源装置の基本ユニットとレンズフィルム、光拡散フィルム及び輝度向上フィルム等の各種の光学フィルムや光拡散板等の光学部材が組み合わされて面光源装置の輝度や照度を上げることや、輝度や照度の均一性の向上が図られている。普通は2〜4枚の光学部材が使用されている(例えば、非特許文献1参照。)。
直下型ライト方式を用いた直下型面光源装置は前者のエッジライト方式に比べて光の取り出し効率が高いので有用である。
しかしながら、最近実用化が進んでいるLED光源等の点光源の場合は、出射光の配光分布プロファイルに強い指向性があるために、出射光の配光分布が発光面の正面方向に偏っているので、直下型面光源装置の光源として用いた場合は、輝度斑が大きくなるので、上記の方法を適用しても輝度斑を抑制することが難しく、出光面の輝度の均質度を高めるには光源間距離を小さくするとか、あるいは光源と光学部材間の距離を大きくするという方法を取る必要があった。以下、光源と光学部材間の距離を光源/光学部材間距離と称することもある。
前者の光源間距離を小さくする方法は、面光源装置の単位面積当たりの光源数が多くなるので経済性に劣り、かつ省エネルギーの観点においても好ましくない。
また、後者の光源/光学部材間距離を大きくする方法は、出光効率が低下して輝度や照度が低くなり、省エネルギーの観点より劣り好ましくない。また、面光源装置の厚みが厚くなるので、薄型化の市場要求を満たすことができないという課題を有する。
上記課題を解決する方法として、出射光の配光分布において輝度が極大となる角度が+30°〜+80°及び−30°〜−80°の範囲内にある光源の発光部に凸型の二次光学レンズが設置されてなる点光源を用いる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、該開示方法においては輝度斑の効果のみに注目されており、面光源装置として重要な特性である輝度や照度に関しては全く言及されていない。
また、該開示方法においては、光学部材が限定されておりひろく使用されている光拡散部材やレンズフィルムとの組み合わせについて言及されていない。
また、本発明者等は上記の出射光の配光分布を満たしても輝度斑抑制が不十分であることがあることを見出している。
また、光源の発光部に凹型の二次光学レンズが設置されてなる点光源を用いる方法が開示されている(例えば、特許文献2〜4等参照。)。
該特許文献2において、光学部材として好ましい各種構造の部材が挙げられているが、これらの光学部材を使用する効果やプリズムレンズフィルムを用いた場合の外観不良の改善については全く言及されていない。また、外観不良の改善についても全く言及されていない。
特許文献3において、光学部材として光拡散板とプリズムレンズフィルムを組み合わせた光学部材との組み合わせが例示されている。しかし、これらの光学部材を使用する効果については全く言及されていない。
特許文献4においては、光学部材に関しては全く言及されていない。
汎用的な面光源装置においては、レンズフィルムを用いた方法が多く開示されている。このレンズフィルムを用いた方法は高い集光性が付与できるので正面の輝度や照度を高めることができるので有用である。該集光性はレンズフィルムを最表面に設置することにより発現する事ができるのでレンズフィルムを最表面に設置する事が好ましい実施態様であり、多くの技術が開示されている。しかし、レンズフィルムを最表面に設置した場合は、斜めより見た時にレンズフィルムのレンズ構造により引き起こされるぎらつきや干渉斑が大きいという外観不良の課題を有する。さらに、本発明者等は、最表面にレンズフィルムを用いた場合は、出射光の光量斑が引き起こされることを見出した。例えば、暗室において面光源装置を点灯した場合に、暗室の壁に様々なパターン、例えば、斜め方向、横方向あるいは円弧状の明度斑がでることを見出した。この明度斑のパターンは用いる光源装置の方式等により異なる。以下、該明度斑を一括して明度斑と称する。
従来技術は、レンズフィルムは主として表示装置用のバックライト装置に用いられてきており、レンズ構造により引き起こされる課題の一つである干渉斑の抑制に関しては各種の改善策の技術が開示されているが、ぎらつき防止の改善策の技術開示は少ない。特に、明度斑に関しては、本発明者等の知る範囲では現象そのものに触れた技術開示は見出していない。
今後大きく進展すると予測されている照明用の光源装置として展開する場合は、上記外観不良の課題改善は必須であると考えられる。
レンズフィルムのぎらつき抑制をする方法としてレンズフィルムのレンズ面を下面にして面光源装置に設置する方法が開示されている(例えば、特許文献5等参照。)。
確かに、該方法においてぎらつきは抑制されるが、レンズフィルム本来の効果である集光効果が大幅に低下するという課題がある。
また、レンズフィルムのぎらつき抑制をする方法としてレンズフィルムのレンズ構造を特定構造にする方法が開示されている(例えば、特許文献6等参照。)。
しかし、レンズ構造を変更する方法はレンズ構造による集光性との両立が困難であることがあり、レンズ構造を変更することなくぎらつきを抑制する方法の開発が嘱望されている。
また、液晶表示装置用であるがぎらつきの抑制方法として、液晶表示素子の下にバックライトを配置してなる液晶表示装置において、上記バックライトを構成する光拡散板と上記液晶表示素子との間に、上面がプリズム面、下面がほぼ平滑面であるレンズフィルムを配置し、かつ、上記レンズフィルムと上記液晶表示素子との間に、上面がシボ加工による粗面、下面がほぼ平滑面である第2の光拡散板を配置する方法が開示されている(例えば、特許文献7参照。)。
しかしながら、該方法はレンズフィルムの両面に光拡散板が設置されており、ぎらつきの抑制効果は良好であるが、正面輝度や照度が低くなると想定される。
また、ぎらつき抑制狙いではないが、レンズフィルムのレンズ面の反対面に中心線平均粗さRaが0.5≦Ra≦2.0μmで、且つ十点平均粗さRzが1.5≦Rz≦6.5μmの粗さの微細凹凸を形成することで、等高干渉縞の発生やサイドローブ光を少なくする技術が開示されているが、これらの範囲の臨界的な効果が開示されていない。また、該技術においては、中心線平均粗さRaが3.0μmで、且つ十点平均粗さRzが5.7μmの粗さの微細凹凸と、逆凹凸形状の凹凸を有するロール凹版で微細凹凸を形成した例が実施例として例示されているのみで、得られたフィルムの微細凹凸の中心線平均粗さRaの数値が明記されていない。実施例において示されている賦型用のロールの中心線平均粗さRaの数値より上記好ましい範囲の高い領域にあることが想定される。本発明者等の検討結果によると、中心線平均粗さRaが高くなると正面輝度や照度が低下するので好ましくない。従って、該開示技術では正面輝度や照度が低くなることが想定される(例えば、特許文献8参照。)。
特開2011−216271号公報 特許3875247号公報 特開2009−152142号公報 特開2011−44411号公報 特開2010−122663号公報 特開2010−117394号公報 特開平06−34972号公報 特開平11−95037号公報
内田龍男監修「図解 電子ディスプレイのすべて」(工業調査会刊)P47〜48
本発明の目的は、上記の従来技術における問題点を解決するものであり、点光源を用いた直下型面光源装置において、点光源と光学部材の距離を近づけても、点光源の有する出射光の配光分布プロファイルに強い指向性により引き起こされる輝度の面内の不均一性を抑制することにより輝度斑を下げることができ、かつ輝度や照度を高くすることができ、さらにレンズフィルムにより引き起こされる外観のぎらつきや干渉斑等の外観不良や出射光の光量の斑である明度斑等が改善できる直下型面光源装置を提供する事にある。また、該面光源装置を用いた表示装置や照明装置を提供する事にある。
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決するために、従来技術にはない新しいコンセプトを取り入れることにより本発明を完成したものである。
点光源を用いた直下型面光源装置においては、点光源から出射される出射光はその配光分布プロファイルに強い指向性を有するために、その配光分布が発光面の正面方向に偏っているので、直下型面光源装置の光源として用いた場合は、輝度斑が大きくなるので、従来技術を適用しても輝度斑を抑制することが難しく、出光面の輝度の均質度を高めるには光源間距離を小さくするとか、あるいは光源と光学部材間の距離を大きくするという方法を取る必要があったが、それでも限界があった。
そこで、本発明者等は、この課題解決のための方法について鋭意検討して、点光源より出射される出射光の配光分布特性を好ましい特性に制御することができる光源チップの出光面に凹型構造のレンズが装着されてなるレンズ付き点光源を用い、かつ面光源装置の出光面に特定特性の光拡散部材と特定特性のレンズフィルムを特定構成で設置することにより、従来技術では達成し得なかった高度な輝度斑抑制の効果を発現させ、かつ高い正面輝度や正面照度と低い輝度斑の両立が図れる事を見出した。さらに、レンズフィルムのレンズ面の反対面に特定の光拡散度を有した光拡散層を形成したレンズフィルムを用いることでレンズフィルムの集光特性により発現される高い正面輝度や正面照度を維持した形で、レンズフィルムのレンズ構造による引き起こされる出光表面のぎらつきや出射光の明度斑が抑制できる事を見出した。
本発明において完成することができた直下型面光源装置、表示装置及び照明装置とは、以下の構成よりなる。
本願発明は、反射材上に複数の点光源が配置されてなる直下型面光源装置において、以下の構成を同時に満たすことを特徴とする直下型面光源装置である。
(1)点光源が光源チップの出光面に凹型構造のレンズが装着されてなるレンズ付き点光源であること、
(2)面光源装置の出光面に、明細書中で記載した方法により測定される全光線透過率/平行光線透過率比が40〜240の光拡散部材(A)とレンズ面の表面光沢度が5〜80%であるレンズフィルム(B)をレンズフィルム(B)のレンズ面の反対面が接するように重ね合わせてなる光拡散部材積層体(C)をレンズフィルムのレンズ面が表面側になるように設置されてなること。
また、この場合において、レンズ付き点光源が、明細書中で記載した方法で測定される入光側光拡散度が1.0以上であり、かつ明細書中で記載した方法で測定される出光側光拡散度が90以上である特性を同時に満たすことが好適である。
さらにまた、この場合において、レンズ付き点光源が、明細書中で記載した方法で測定される相乗光拡散度が200以上であることが好適である。
さらにまた、この場合において、レンズフィルム(B)のレンズ面の中心面粒度(SGr)が2000〜30000μmであることが好適である。
さらにまた、この場合において、レンズフィルム(B)のレンズ面の反対面に明細書中で記載した方法で測定される裾広がり光拡散度が0.1〜10である光拡散層(D)が積層されてなることが好適である。
さらにまた、この場合において、レンズフィルム(B)が、明細書中で記載した方法で測定される裾広がり光拡散度が0.1〜10である光拡散層(D)を含む光拡散部材(E)の表面にレンズ構造を形成する方法で製造されてなることが好適である。
さらにまた、この場合において、レンズフィルム(B)が、レンズ面の反対面に明細書中で記載した方法で測定される裾広がり光拡散度が0.1〜10である光拡散層(D)を含む光拡散部材(E)を積層して製造されてなることが好適である。
さらにまた、この場合において、レンズフィルム(B)が、レンズフィルムのレンズ面の反対面に明細書中で記載した方法で測定される裾広がり光拡散度が0.1〜10である光拡散層(D)を形成して製造されてなることが好適である。
さらにまた、この場合において、光拡散層(D)の表面の三次元平均表面粗さ(SRa)が0.1〜1μmであることが好適である。
さらにまた、この場合において、光拡散部材積層体(C)の光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)との間に一方向に配向した山脈タイプの構造よりなるレンズフィルム(F)をレンズ面がレンズフィルム(B)のレンズ面の反対面とが接するように重ね合わせて積層されてなることが好適である。
さらにまた、前記のいずれかに記載の直下型面光源装置を用いてなることを特徴とする表示装置が好適である。
さらにまた、前記のいずれかに記載の直下型面光源装置を用いてなる照明装置が好適である。
本発明は、点光源を用いた直下型面光源装置において、点光源の有する出射光の配光分布プロファイルに強い指向性により引き起こされる輝度の面内の不均一性を光源チップの出光面に凹型構造のレンズが装着されてなるレンズ付き点光源用いており、かつ特定特性の光学部材を特定構成の組み合わせで用いているので、従来技術では達成し得なかった高度な輝度斑抑制の効果を発現させる事ができ、高い正面輝度や正面照度と低い輝度斑の両立が図れるので、光源間距離を大きくするとか、あるいは光源/光学部材間距離を小さくしても輝度斑抑制効果が維持できるので、面光源装置の経済性、省エネルギー性及び薄型化等を達成することができる。
また、本発明の直下型面光源装置は、光源間距離や光源/光学部材間距離を最適化することにより、照度特性と輝度特性のそれぞれを独立した形で制御することができるので、例えば、表示装置用あるいは照明用にそれぞれ適した照度及び輝度特性を付与することができるという特徴を有する。すなわち、表示装置用の場合は照度より輝度が重要である。一方、照明用は表示用とは逆に、輝度よりも照度が重要である。照明用の場合は高い輝度はグレア性に悪影響を及ぼす場合がある。
さらに、特定構成及び特性のレンズフィルムを用いているので、レンズフィルムのレンズ構造による引き起こされる外観不良や明度斑の課題を出射効率の低下を抑制した形で付与する事ができる。それ故に、上記直下型面光源装置の使用により、表示装置及び照明装置の性能向上や経済性の向上を図ることができる。
両面凹型の二次光学レンズの概念図。一次光学レンズとして凸型レンズを使用した例。 片面凹型の二次光学レンズの概念図。一次光学レンズなしの例。 両面凹型の二次光学レンズの概念図。一次光学レンズとして凹型レンズを使用した例。 凸型二次光学レンズの概念図。一次光学レンズなしの例。 表4の実施例及び比較例の数値を用いて光拡散部材(A)の全光線透過率/平行光線透過率比と正面照度及び輝度斑との関係を示した図である。 表5の実施例及び比較例の数値を用いて点光源の複合拡散度と輝度斑との関係を示した図である。 表6の実施例及び比較例の数値を用いてレンズフィルムのレンズ面の中心面粒度(SGr)と正面照度や中心部輝度との関係を示した図である。 表7の実施例及び比較例の数値を用いて光拡散層(D)を形成する光拡散部材の裾広がり光拡散度と正面照度及び表面光沢度との関係を示した図である。 表9の参考例2の数値を用いて光源/光拡散部材間の距離と照度及び輝度斑に対する関係における二次光学レンズの有無の影響を示した図である。
(直下型面光源装置の構成)
本発明の直下型面光源装置は、反射材上に複数の点光源が配置されてなる直下型面光源装置において、以下の構成を同時に満たすことが重要である。
(1)点光源が光源チップの出光面に凹型構造のレンズが装着されてなるレンズ付き点光源であること、
(2)面光源装置の出光面に、明細書中で記載した方法により測定される全光線透過率/平行光線透過率比が40〜240の光拡散部材(A)とレンズ面の表面光沢度が5〜80%であるレンズフィルム(B)をレンズフィルム(B)のレンズ面の反対面が接するように重ね合わせてなる光拡散部材積層体(C)をレンズフィルムのレンズ面が表面側になるように設置されてなること。
本発明における点光源としては、LED光源やレーザ光源等の点状の発光素子よりなる点光源が挙げられる。該点光源の種類は限定されないが、広く普及が進んでいるLED光源が好ましい。
本発明における反射部材は光を反射する機能を有する部材であればいかなる部材や構成であっても構わない。例えば、白色や金属光沢を有した反射フィルムや反射板が挙げられる。
本発明においては、上記反射部材上に点光源を離散的に配置するのが好ましい。この場合の各点光源の配置の位置関係や距離等も限定されない。出射光の均一性の点より等間隔で設置するのが好ましい。光源距離は省エネルギーの点から大きい方が良いが、出射光の均一性の点で不利になる。また、光源/光学部材間距離等の影響を受ける。従って、これらの総合した構成を取り入れて適宜設定するのが好ましい。また、照度と輝度のどちらの特性を重要視するかによって決定するのが好ましい。
(レンズ付き点光源)
本発明のレンズ付き点光源は、光源チップの出光面に凹型構造のレンズが装着されてなるレンズ付き点光源であることが重要である。
レンズ付き点光源におけるレンズは、一次光学レンズと二次光学レンズに区分される。以下、レンズ付き点光源の内容についてはLED光源について詳述する。
一次光学レンズはLED光源チップに直接実装されたレンズを指し、二次光学レンズはLED光源チップに後付で実装されるレンズの事を指している。
本発明におけるレンズは一次光学レンズであっても良いし、二次光学レンズであっても良い。また両者を組み合わせて用いても良い。
本発明においてはレンズとして凹型構造のレンズが装着されてなることが重要である。
特に、一次光学レンズと二次光学レンズを組み合わせて用いる時は、出光側に装着される光学レンズである二次光学レンズの影響が大きく二次光学レンズは凹型構造のレンズであることが重要必須である。この場合は、一次光学レンズも凹型構造のレンズであることが好ましいが限定はされない。
該対応により、凹型構造のレンズを通過して出射される光の拡散度が高くなり、後述の光学部材との相乗効果で、該光学部材を出光する光の均質度を高めることができる。
凹型構造のレンズを装着しないか、あるいは凸型構造のレンズを装着した場合は出射される光の拡散度が低くなり、例えば本発明の特性を有した光拡散部材とレンズフィルムを本発明の構成で用いても光学部材を出光する光の均質度が低下するので好ましくない。
該凹型構造のレンズの装着方法は限定されない。例えば、LED光源の発光部の上部に該発光部を中心として透明樹脂やガラス等の透明あるいは半透明の材料よりなる凹型のレンズ部を有したレンズ構造物を凹型レンズ構造の中心部と発光部の中心部がほぼ一致するように直接装着(一次光学レンズ)しても良いし、透明樹脂やガラス等の透明あるいは半透明の材料よりなる凹型のレンズ部を有したレンズ構造物を凹型レンズ構造の中心部とLED光源の発光部の中心部がほぼ一致するように合体させる方法(二次光学レンズ)等が挙げられる。
なお、上記凹型構造はレンズ構造物の上面、すなわち出光面に設けてなることが重要である。さらに、レンズ構造物の下面、すなわち、入光側にも凹型レンズ構造が形成された両面に凹型レンズ構造が形成された両面凹型構造のレンズ構造物がより好ましい。両面凹型構造にすることにより、レンズを出射する光の色収差が小さくなり、出射光の色温度の分布の均質性が高くなり、最終的に光学部材を出光する光の均質度を高めることができるのでより好ましい。
上面凹型構造及び両面凹型構造のレンズ構造物よりなる二次光学レンズの概念図を図1及び図2に示す。一例であり該構造には限定されない。
図2に示した両面凹型構造の方が図1に示した上面凹型構造よりも色収差が小さくできることより、より好ましい。その理由は定かでないが、入光側の凹型構造と発光部と二次光学レンズ間との間の空気層の影響によるものと推察している。
凹型レンズ部の形状は円形が好ましいが、楕円状であっても良い。
凹部の径、深さ及びスロープの角度等は限定されない。後述の光拡散度や色温度特性を満たすように適宜設定される。
上記凹型構造の二次光学レンズを装着する場合の固定方法も限定されない。例えば、光源チップの基板に固定用の窪みを作り該窪みを利用する方法、一次光学レンズや発光部の盛り上がりを利用しても良いしあるいは二次光学レンズを光源チップの基板に接着剤や粘着剤で接着して固定しても良い。
上記二次光学レンズにおいては、一次光学レンズは凹型及び凸型のいずれでもよいし、一次光学レンズを取り付けなくとも良い。一次光学レンズも凹型のレンズを用いるのが好ましい。後述の光拡散度や色温度特性を満たすように適宜設定される。
本発明においては、上記二次光源レンズ方式には限定されない。LED光源の発光部の上部に該発光部を中心として透明樹脂やガラス等の透明あるいは半透明の材料よりなる凹型のレンズ部を有したレンズ構造物を凹型レンズ構造の中心部と発光部の中心部がほぼ一致するように直接装着された一次光学レンズ方式であっても良い。
(輝度斑抑制効果発現に対する点光源の出射光の配光分布プロファイルあるべき姿の仮説)
本発明においては、上記のごとく点光源に凹型構造の光学レンズを装着することにより初めて本発明の効果の一つである輝度斑抑制が発現される。本発明者等は該効果が発現する機構を明確化することにより本発明を完成した。
本発明においては、点光源より出射された出射光は光拡散部材に入光され光拡散部材で拡散された後にレンズフィルムに入光される。従って、最終的にはレンズフィルムを出光する光の広がりが重要である。該出射光の広がりが広いと、複数個の点光源を用いた場合にお互いに隣接する光源により投影された輝度像が重なり合う部分の面積が大きくなるために輝度斑が小さくなる。
レンズフィルムが同じの場合は光拡散部材を出光する光の広がりが重要となる。該出光する光の広がりを広くするには、まず、光拡散部材に入光される光の広がりが大きいことが好ましい。該広がりが同じでも光拡散部材より出光する光の広がりによりレンズフィルムに入光する広がりが変わるのでこの広がりも重要となる。すなわち、光拡散部材に入光する光と光拡散部材から出光する光の両方の光の広がりの影響を受け、これらの両方の光の広がりの相乗効果が重要であると推察した。以下、入光する光の広がりを入光側光拡散度、出光する光の広がりを出光側光拡散度及び両光拡散度が相乗された光拡散度を相乗光拡散度と称する。
本発明者等はこれらの入光側光拡散度、出光側光拡散度及び相乗光拡散度を適切に評価する方法について鋭意検討して以下に詳述する新規な評価法を確立して上記仮説の正しさを実証し、本発明を完成した。
(入光側光拡散度)
本入光側光拡散度は光拡散部材に入光する光の広がりの尺度である。
該入光側光拡散度は点光源から出射される出射光の光拡散度を測定することで評価できる。該測定方法としては輝度測定と照度測定がある。照度特性はファーフィールド特性(遠距離測定)であり、輝度測定はニアーフィールド特性(近距離特性)である。
本発明においては、光源と光拡散部材間に距離があるのでファーフィールド特性である照度で測定するのが好ましいと考えた。また、変角測定による配光分布プロファイル測定により行った。そして、照度の変角配光曲線の出射角0度の出射光照度に対する出射角65度における出射光照度の比で示した。出射角65度の照度は−65度と+65度の値の平均値で示した。該値が大きいほど出射角0度、すなわち中心角の光量よりも高角度側の光量の方が大きくなるので、光拡散部材に入光する光の広がりである入光側光拡散度が高いと言える。
該入光側光拡散度は1.0以上が好ましい。1.2以上がより好ましく1.4以上がさらに好ましい。上限は限定されないが5以下が好ましい。5を超えると正面照度が低くなることがある。
(出光側光拡散度)
該出光側光拡散度は以下のコンセプトで本発明者等が新たに確立した評価法である。
前述のごとく、本発明の構成においては、光源より出光された光は光拡散部材に入光し光拡散部材の表面にその投影輝度像が形成される。該投影輝度像の広がりは上記入光側光拡散度の影響を受ける。入光側光拡散度が大きいほど該投影輝度像の広がりは広くなる。
一方、光拡散部材に入光された光は光拡散部材で拡散されてレンズフィルムに入光される。従って、上述のごとくレンズフィルムに入光する光である光拡散部材を出光する光の広がりである出光側光拡散度が重要になる。光拡散部材が同じ場合でも点光源のレンズ構造等の構成の違いにより出光側光拡散度が変わることがあるので、該出光側光拡散度を評価する測定法の確立が必要である。
本発明においては、光拡散部材とレンズフィルムとは重ね合せて設置されるので、光拡散部材より出光された光は直ぐにレンズフィルムに入光される。従って、入光側光拡散度とは異なりニアーフィールド特性である輝度で評価するのが好ましい。輝度の拡散度は、一般には変角法による変角配光分布プロファイルの測定により評価される。しかし、該変角配光分布プロファイルの測定により評価される光拡散度は投影輝度像の角度を変化させて観察した時の輝度の大きさを評価しているので、上記の出光側光拡散度とはその内容が異なる。本発明における上記出光側光拡散度は、光拡散部材に投影された投影像の直上から観察した時の光拡散度を評価する必要がある。そこで、実施例において詳述する新たな出光側光拡散度の測定法を確立した。すなわち、輝度計を投影輝度像の中心部の直上、すなわち0度に固定し投影輝度像の輝度測定を行い、該投影輝度像の中心部を通る水平方向のラインの輝度の配光分布プロファイルを測定し、X軸としてライン長さのピクセル数を、Y軸に輝度の強度を取った投影輝度像の中心部を通るライン上の輝度の配光分布プロファイル図を求め、該配光分布プロファイルのピークトップの輝度の50%の輝度のレベルにX軸と平行の直線を引き、該直線と配光分布プロファイル曲線が交わる交点間のピクセル数を求め、該ピクセル数を出光側光拡散度とした。いわゆる通常用いられている半値幅法拡散度に相当する拡散度である。ただし、通常の半値幅法拡散度は変角配光分布プロファイルより求められているので、その内容は全く異なる。
本発明者等は、該新規に確立した輝度拡散度と従来公知の変角配光分布プロファイルより求めた光拡散度とは全く異なっていることは確認している。
該出光側光拡散度は点光源と光拡散部材間の距離(以下、光源/光学部材間距離と称することもある)及び光学部材の光拡散度等により大きく変化をする。従って、点光源の輝度拡散度を評価するに当たってはこれらの要因の標準化が必要である。そこで、実施例において詳述する条件で標準化した。
出光側光拡散度は90以上が好ましく、95以上がより好ましい。100以上がさらに好ましい。上限は限定されないが、技術的な点より300程度が限界である。90未満では光拡散度が不足するので光学部材を最適化しても光拡散部材を出光する光の均質度を高めることができないので好ましくない。
本発明においては、上記入光側光拡散度及び出光側光拡散度は上記範囲を同時に満たすことが好ましい。
すなわち、レンズ付き点光源が、明細書中で記載した方法で測定される入光側光拡散度が1.0以上であり、かつ明細書中で記載した方法で測定される出光側光拡散度が90以上である特性を同時に満たすことが好ましい。該範囲を同時に満たすことにより本発明の効果をより安定して発現することができる。
(点光源の入光側光拡散度と出光側光拡散との相乗光拡散度)
前述によれば、入光側光拡散度と出光側光拡散度の相乗効果が重要である。そこで本発明者等は、該相乗効果を表す相乗光拡散度として、単純化した値である入光側光拡散度と出光側光拡散度の積の値を用いた。
該相乗光拡散度は200以上が好ましい。250以上がより好ましく、300以上がさらに好ましい。上限は限定されないが、技術的な困難度より600程度である。
相乗光拡散度が200未満では、輝度斑が大きくなるので好ましくない。
(点光源の入光側光拡散度、出光側光拡散度及び相乗光拡散度の達成手段)
点光源の入光側光拡散度、出光側光拡散度及び相乗光拡散度を上記範囲にする方法は限定されないが、点光源の出光部に凹型構造の光学レンズを装着することが重要である。例えば、図1〜図3に例示したような凹型二次光学レンズを用いるのが好ましい。特に、図2に例示した出光側だけてなく、入光側にも凹型構造を形成した両面凹型構造の凹型二次光学レンズを用いるのが好ましい実施態様である。
一次光学レンズとして凹型構造のレンズを用いる事も本発明の範疇である。
(点光源の出力)
点光源の出力は限定されない。実施例において示されるごとく点光源の出力の影響は少ないので、直下型面光源装置の設計特性や市場要求等により適宜設定すれば良い。
(点光源間距離(以下、光源間距離と称することもある)及び光源/光拡散部材間距離)
本発明においては、光源間距離及び光源/光拡散部材間距離の設定は限定されない。一般に、光源間距離を小さくする事及び光源/光拡散部材間距離を大きくすることで輝度斑を小さくすることができる。直下型面光源装置の用途や市場の要求特性等により任意に設定すれば良い。
後述の参考例3で詳述するごとく、本発明の方法においては、照度と輝度とで光源間距離及び光源/光拡散部材間距離が大きくことなる。すなわち、光源間距離及び光源/光拡散部材間の距離を変えても正面照度の変化は小さい。これに対して中心部輝度は、光源間距離の影響を大きく受ける。光源間距離を小さくすることにより中心部輝度は著しく高くなる。光源間距離を70mmから35mmに半減することで中心部輝度は約3倍になる。一方、正面照度はほぼ変化しない。
面光源装置はその使用目的により、照度と輝度の要求特性が異なる。例えば、表示装置に用いる時は輝度が重要であり、高輝度が求められる。一方、照明用に用いる場合は、照度が重要であり、高照度が求められる。また、照明用の場合は、輝度が高いとグレア性が悪化するので、高照度で低輝度であることが好ましい。
従って、表示装置用に用いる場合は、光源間距離を小さくするのが好ましい実施態様である。光源間距離を小さくすることは、輝度斑を小さくする方向であり、点光源と光拡散部材間距離を小さくすることができるので、面光源装置の薄型化に繋げられるので一石二鳥であると言える。
一方、照明装置の場合は装置の厚みに対する要求は表示装置よりは要求度が低いので、光源間距離を大きく取って対応するのが好ましい。
このような特徴は本発明の構成により初めて発現できることであり、本発明方法の有効性を示す大きな特徴であると言える。従って、この特徴を活かして設計するのが好ましい実施態様である。
(光学部材の構成)
本発明においては、上記の点光源を用いた直下型面光源装置において、面光源装置の出光面に、後述する構成及び特性を有した光拡散部材(A)と後述する構成及び特性を有したレンズフィルム(B)をレンズフィルム(B)のレンズ面の反対面が接するように重ね合わせてなる光拡散部材積層体(C)をレンズフィルムのレンズ面が表面側になるように設置されてなることが重要である。この場合、光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)とが接する面には空気層が存在するのが好ましい。例えば、光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)を接着剤や粘着剤等で貼り合わせる等で空気層を排除すると本発明の効果が小さくなるので好ましくない。従って、例えば、単に重ね合わせて積層するのが好ましい。また、積層体のコーナー部分やへりの部分等を部分的に接着して対応しても良い。また、積層体の全面に例えば、ドット状に分散した形で接着剤を用いて部分接着して対応しても良い。
(光拡散部材(A))
本発明の光拡散部材は、光拡散フィルム、光拡散シート及び光拡散板等が挙げられる。その厚みは限定されないが、0.01〜5mmが好ましい。
該光拡散部材の枚数は1枚でも良いし、2枚以上の複数枚を積層して使用しても良い。また、光拡散部材の厚みが薄く自己保持性に劣る場合は透明支持体を用いて、該透明支持体の表面に積層しても良い。これらの複数枚の部材を使用する場合は単に重ねあわせて用いても良いし、接着剤や粘着剤で貼り合わせて用いても良い。
(光拡散部材(A)の全光線透過率/平行光線透過率比)
上記光拡散部材(A)は実施例で記載される方法により測定される全光線透過率/平行光線透過率比が40〜240であることが好ましい。50〜235がより好ましい。
上記構成の光学部材においては、高い照度や輝度を維持し、かつ輝度の均質性を高めるには光拡散部材(A)は適度な光拡散度を有することが重要である。すなわち、高い照度や輝度を出すには光拡散度は低い方が良い。しかし、光拡散度を低くすると点光源のホットスポットの遮蔽性が低下し輝度の均質性が低下する。そのために光拡散度を上げてやる必要がある。しかし、光拡散度を上げると照度や輝度が低くなる。従って、照度や輝度と輝度の均質性とは二律背反関係となる。そこで、該特性の両立を図るには適度な光拡散度が必要である。
従来技術においては、該光拡散度の大きさは、例えば、変角光度計により測定される出射光の変角配光分布プロファイルの広がりを数値化することにより表示されている。一般に最高出射光強度の半分の強度の時の角度幅である、いわゆる半値幅法光拡散度で示されることが多い。また、出射光の変角配光分布プロファイルの立ち上がりの角度からゼロ点に戻るまでの角度や出射角0度における出射光強度と所定出射角における出射光強度との比で表示されている。本発明者等は該光拡散度を裾広がり光拡散度と称している。しかし、本発明における光拡散部材(A)の光拡散度としては上記の半値幅法光拡散度や裾広がり拡散度では最適範囲は示せないことが判った。これは、これらの従来公知の方法で測定される光拡散度は出射光の変角配光分布プロファイルのパターンの影響を受ける。そのために、光拡散部材(A)の光拡散度の表示法としては適合していないと考えた。
一方、該変角光度特性でなく全光線透過率、拡散透過率あるいはヘーズ等のヘーズメータで測定される変角配光分布プロファイルのパターンの影響を受けない特性値で規制されている特許もある。しかし、これらの特性値も光拡散部材(A)の光拡散度の評価法として適切でないことが判った。
そこで、適切な光拡散度の評価方法について鋭意検討して、実施例において詳述する全光線透過率と平行光線透過率の比という新規な特性値である全光線透過率/平行光線透過率比が適切であることを見出した。
全光線透過率は平行光線透過率と拡散透過率が合算された特性値であるので該全光線透過率と平行光線透過率の比が光拡散度の尺度になると考えた。
このような極めて単純な方法で光拡散度が表示できることが明確化されていなかった事は驚くべきことである。一般に光拡散度はヘーズや拡散透過度等の規格化された特性値で評価できるという考えが定着しているために盲点となっていたためと推察している。
また、該全光線透過率/平行光線透過率比は広く用いられているヘーズメータでなくダブルビーム法の分光器を用いて、かつ550nmの波長の光に注目して確立した。このことも重要な要素である。550nmの波長の光に注目したのは、人間の目に対して波長550nm付近の光が分光視感効率が最も高いとされていることに基づいている。非分光の光を用いたヘーズメータで測定した全光線透過率や平行光線透過率を用いた場合は好結果が得られない。理由は定かでないが、両測定方法において平行光線透過率の測定方法が異なること分光と非分光の差異の寄与が大きいと推察している。
従って、本発明の完成は、この新規な全光線透過率/平行光線透過率比を確立することにより初めて成し得たことである。
該全光線透過率/平行光線透過率比が40未満の場合は輝度斑が大きくなり、輝度や照度も低くなるので好ましくない。
一方240を超えた場合は、輝度斑抑制効果が飽和し、かつ照度や輝度が低くなるので好ましくない。
(光拡散部材(A)の構成及び製造方法)
本発明における光拡散部材(A)は上記全光線透過率/平行光線透過率比を満たせばその構成や製造方法は問わない。
例えば、光拡散層表面の凹凸により拡散させる表面光拡散方式であっても良いし、光拡散層の内部に光拡散成分が配合されてなる内部光拡散方式でも良い。また、これらの内部光拡散方式と表面光拡散方式を組み合わせた方式等いずれの構造のものでも良い。
以下に、その一例を詳述する。該詳述は光拡散フィルムで代表して述べるが、同様の方法で得られる光拡散シートや光拡散板であっても良い。
(内部光拡散部材の構成)
本発明の光拡散部材に用いられる内部光拡散部材は、互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂の混合物からなる層を少なくとも一層含み、全光線透過率/平行光線透過率比が8〜100であるものであれば限定されない。
本発明における内部光拡散部材とは、上述の非相溶混合物からなる光拡散成分からなる光拡散層を含むことにより光拡散性を発現する光学部材を指す。内部光拡散部材には、後述のごとく、光拡散層が表層になる構成や内層になる構成も含まれる。
光拡散部材中に上記の互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂の混合物からなる層が存在すると、該層を光が通過する際にそれぞれの樹脂の界面の屈折率差により光が散乱される。そして、それぞれの樹脂の屈折率差、それぞれの樹脂の割合及び層厚み等によりこの層の光拡散度が変わる。また、それぞれの樹脂の割合等により一方の樹脂が粒子状で存在することが多い。該粒子は光拡散成分を構成するが、該光拡散成分の大きさによっても光拡散度が変わる。前記した全光線透過率/平行光線透過率比が上記の範囲になるようにするには、これらの構成要件を適宜調整するのが好ましい。
例えば、屈折率差は0.003〜0.07の範囲にするのが好ましく、0.005〜0.06の範囲がより好ましく、0.01〜0.05がさらに好ましい。また、層の厚みは5μm〜10mmが好ましく、10μm〜5mmがより好ましく、20μm〜4mmがさらに好ましい。また、それぞれの樹脂の割合は、上記構成要素の組み合わせ等で適宜設定するのが好ましい。
光拡散成分の大きさは樹脂の種類や割合及び製膜条件等の多くの要因の影響を受ける。前記した全光線透過率/平行光線透過率比は、互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂の混合物からなる層を光が通過する際に、光拡散成分による散乱を受ける回数である、いわゆる多重散乱回数の影響を大きく受けると推察されるので、光拡散成分の層の厚み方向の平均径が重要となる。フィルムの厚みの少なくとも1/2以下であることが好ましい。1/3以下がより好ましく、1/10以下がさらに好ましい。また、フィルムの断面を電子顕微鏡で観察した場合に、厚み方向に任意の直線を引いた場合にその線状に存在する光拡散成分の粒子の数が5個以上であることが好ましい。10個以上がより好ましく、30個以上がさらに好ましい。該構成要因を好ましい範囲にするには層厚み、樹脂の種類や配合割合及び製膜条件等の要件を最適化するのが良い。例えば、後述の好ましい実施態様が重要要因となる。
また、上記内部光拡散部材は、面内の光学特性の均一性が重要であるので、光拡散成分は面内に出来るだけ均一に存在することが好ましい。しかし、面内の光学特性の均一性が確保されれば、厚み方向に関しての光拡散成分の均一性は問わない。例えば、厚み方向の特定部分に光拡散成分が局在して存在しても構わない。
互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂の混合物を構成する樹脂としては、非溶融性の微粒子状の樹脂である、いわゆる樹脂ビーズを用いても良い。ただし、該樹脂ビーズを用いた場合は、製膜工程における濾過において、濾過フィルタの目詰まりが発生する場合等があり生産性に問題が生ずることがある。また、得られる光学部材の清澄度が劣る場合があるので、全種の樹脂が熱可塑性樹脂の混合物からなり、かつ溶融押し出し成型法で製膜されてなることが好ましい。
さらに、上記態様において、少なくとも2種の熱可塑性樹脂の混合物の中の島構造を構成する熱可塑性樹脂成分の量が、全熱可塑性樹脂量に対して11〜50質量%であることがより好ましい。
また、本発明における内部光拡散部材は単層であってもよいし、2層以上の多層構成であっても構わない。多層構成の場合は、少なくとも一層が互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂の配合物からなれば良い。例えば、光拡散層のみよりなる単層構造、光拡散層/光拡散層、光拡散層/非光拡散層/光拡散層、非光拡散層/光拡散層/非光拡散層、光拡散層/光拡散層、光拡散層/光拡散層/非光拡散層、光拡散層/光拡散層/非光拡散層、及び光拡散層/非光拡散層/光拡散層等の複数の層構成等が挙げられる。さらに、層数をこれらより増やした構成でも良い。
(少なくとも二種の互いに非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物)
本発明において、少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂及びポリメチルペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂から非相溶性(互いに溶け合わない)の熱可塑性樹脂の少なくとも二種類を選択すればよいが、上記特性を安定して発現させることができること及び経済性の点から、少なくとも1種がポリオレフィン系樹脂からなることが好ましい。
2種類の樹脂のもう一方の樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系樹脂等が好適であり、光学特性以外の要求特性や経済性等を勘案して適宜選択される。
特に、耐光性や経済性の点から、二種類ともにポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。2種の樹脂の屈折率差は限定されないが、屈折率差を0.003〜0.07の範囲にするのが好ましい。0.05〜0.005の範囲がより好ましく、0.01〜0.02がさらに好ましい。
上記の少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂として用いる熱可塑性樹脂のメルトフローレートは、例えば、海/島法の場合は、それぞれのメルトフローレートの組み合わせにより大きく変化し、光学特性が変化するので、求められる光学特性や、島相のサイズや形状に応じて適宜選択すれば良い。例えば、上記の2種類ともにポリオレフィン系樹脂を用いる場合は、それぞれ230℃で測定したメルトフローレートが0.1〜100の範囲で適宜組み合わせて実施すれば良い。
本発明においては、光拡散度に異方性を付与するのが好ましい場合がある。該特性を付与するには島構造に異方性を持たせるのが好ましい。このような形状の島構造を形成するためには、海成分樹脂と島成分樹脂の溶融粘度に差を付けるのが好ましい。特に、海成分よりも島成分の溶融粘度を低くするのが好ましい。このためには、例えば、メルトフローレートの差を付けるのが好ましく、海成分より、島成分の方のメルトフローレートを高くするのが好ましい。また、海成分樹脂と島成分樹脂の剛性に差を付けるのも好ましい。特に、海成分よりも島成分の剛性を低くするのが好ましい。
また、島成分のメルトフローレートが低い場合には、ダイ内でのシェアやドラフトにより島成分が細くなる力がかかりにくくなり、異方性が低下することがある。質量比が50/50から離れるほど、この傾向は強くなる。これらの傾向を考慮して、各特性の調整を行う。
上記屈折率差が満たされれば2種の樹脂の種類は限定されないが、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂の組み合わせが、本発明の光学特性が安定して得られやすく、かつ経済性に優れているので好ましい。また、耐紫外線安定性に優れているという特徴もある。
環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ノルボルネンやテトラシクロドデセン等環状のポリオレフィン構造を有するものが挙げられる。具体的には、例えば、(1)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体に、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加などのポリマー変性を行なった後に、水素添加して得られる樹脂、(2)ノルボルネン系モノマーを付加型重合させて得られる樹脂、(3)ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーと付加型共重合させて得られる樹脂などを挙げることができる。重合方法及び水素添加方法は、常法により行なうことができる。
ポリエチレン系樹脂は、単一重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。共重合体の場合は50モル%以上がエチレン成分であるのが好ましい。該樹脂の密度や重合方法等も限定されないが、密度が0.909以下の共重合体の使用が好ましい。例えば、プロピレン、ブテン、ヘキセン及びオクテン等との共重合体が挙げられる。重合方法はメタロセン触媒法及び非メタロセン触媒法のいずれでも構わない。特に、高い拡散性が安定に付与できる点で、エチレンとオクテンのブロック共重合体の使用が好ましい。該樹脂としては、例えば、ダウケミカル社製のINFUSE(TM)が挙げられる。該エチレンとオクテンのブロック共重合体の使用が好ましい理由は定かでないが、環状ポリオレフィン系樹脂との馴染みが他のポリオレフィン系樹脂より優れていることが寄与していると推察している。
環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂との組み合わせの場合は、ポリエチレン系樹脂を海相として、かつ該海相のポリエチレン系樹脂のメルトフローレートを島相の環状ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレートよりも高くすることが好ましい。
環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂の組み合わせの場合は、全樹脂量中に環状ポリオレフィン系樹脂が10〜60質量%配合されているのが好ましく、さらに好ましくは10〜50質量%である。
上記樹脂は、一般に市販されている汎用性の高い樹脂の中から選択すれば良いが、より安定した生産ができる等の対応のために特注品を使用しても良い。
上記において詳述した部分はあくまでも例示であり、これらには限定されない。上記光学特性を満たす範囲で適宜選択すれば良い。
(内部光拡散部材の製造方法)
本発明の内部光拡散部材の製造方法も特に限定されないが、経済性の点で溶融押し出し成型により製膜する方法が好ましい。該製膜方法としては、特に制限されず、例えば、Tダイ法及びインフレーション法のいずれでもよい。また、未延伸のままのフィルムでもよく、延伸処理を行ってもよい。二層以上含む構成の場合は、共押し出し法で製膜するのが好ましいが、限定はされない。例えば、押し出しラミネート法で製造しても良いし、2枚以上のフィルムを接着剤等で貼り合わせても良い。
本発明においては、光拡散度の等方性の高いものが好ましいが、限定はされない。等方性に近づけるには、押し出し機で溶融した樹脂をダイからシート状に押し出して、該シートを冷却ロールに押し圧ロールで圧接して密着させ、冷却固化させて製膜することが好ましい。冷却ロールに押し圧ロールで圧接して密着させるということを満たせば、その具体的な方法は限定されない。例えば、一般的に実施されている冷却ロールに比べて径の細い押し圧ロールで圧接しても良いし、径の同じ2個の冷却ロールの間にシートを押し出して、冷却ロール同士で圧接しても良い。また、この方法において、該押し圧ロール及び/または冷却ロール表面を粗面化処理したロールを用いて、前記した賦型処理による粗面化を同時に行っても良い。
等方性を求める場合は、無延伸でかつ、溶融押し出しの際にドラフトをかけないで製造するのが好ましいが下記のように異方性のフィルムを複数使用することでも可能である。即ち、内部光拡散層にポリエステル系樹脂を用い、一方向に2〜10倍延伸することで島相が延伸方向に引き伸ばされ細長い構造になり、該島相の配向方向と直交した方向の光拡散性が著しく向上して、本発明の目指す高い拡散性が確保できる。二枚以上のフィルムを主光拡散方向が直交するように重ね合わせて使用するのが好ましい。
また、本発明の内部光拡散部材は、単層であってもよいし、2層以上の多層構成であっても構わない。多層構成の場合は、少なくとも一層が上記の構成からなる内部光拡散フィルム(A)からなる層であれば、他の層は、光拡散性を有しない単なる透明層であってもよい。また、全層が光拡散層の構成であってもよい。上記多層構成の場合は、多層共押出し法で製造してもよいし、押出しラミネート法やドライラミネート法で実施してもよい。
上記の少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物は、それぞれの熱可塑性樹脂を製膜工程の押出し機などで配合してもよいし、予め混練法等で事前に混合物とした形で用いてもよい。
(内部光拡散フィルムの全光線透過率/平行光線透過率比の制御方法)
全光線透過率/平行光線透過率比を前記した好ましい範囲に制御する方法は限定されず、以上述べたような樹脂の種類、該組成比や製造条件を適宜最適化すれば良いが、内部光拡散部材の全光線透過率/平行光線透過率比は単層構造の場合は内部光拡散部材の厚みの、また、多層構造の場合は光拡散層の厚みの影響を大きく受けるので、光拡散部材や光拡散層の厚みで制御するのが好ましい。
(表面光拡散部材の構成)
本発明に用いられる表面光拡散部材は、透明な基材フィルムの表面に微粒子を含有した層を積層することにより、あるいは透明な基材フィルム表面に対して賦型することにより表面凹凸が付けられていることにより光拡散部材の表面で光が散乱されるものを言い、特に全光線透過率/平行光線透過率比が40〜240であることを満たせば、その構成、表面粗さ特性及び製造方法は何ら制限を受けない。
以下に、微粒子を含有した層の積層による表面光拡散部材、及び賦型による表面凹凸による表面光拡散部材について説明する。
(微粒子を含有した層よりなる光拡散層を含む表面光拡散部材の製造方法)
透明な基材フィルムに、微粒子を含有した層よりなる光拡散層を積層した構成の積層タイプの光拡散部材が好ましい。具体的には光拡散フィルム、光拡散シート及び光拡散板等が挙げられる。透明な基材フィルムは、例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリプロピレン樹脂や環状オレフィン樹脂などのポリオレフィン系樹脂等の1種もしくは2種以上を混合した透明プラスチックフィルムを使用することができる。このうち、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエチレンテレフタレートフィルムが、機械的強度や寸法安定性に優れる点で好ましい。また、光拡散層との接着性を向上させるために、表面にコロナ放電処理を施したり、易接着層を設けたものも好適に用いられる。なお、基材フィルムの厚みは、通常0.1〜5mm程度であることが好ましい。
以下、光拡散層の好ましい実施態様について説明する。
光拡散層は、主に、表面凹凸形状を形成する粒子を高分子樹脂に配合した層を積層することにより形成するのが好ましい。高分子樹脂としては、光学的透明性に優れた樹脂を用いることができ、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などを用いることができる。これらの中でも耐光性や光学特性に優れるアクリル系樹脂が好適に使用される。
表面凹凸形状を形成する粒子としては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、合成ゼオライト、アルミナ、スメクタイトなどの無機微粒子の他、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などからなる有機微粒子を用いることができる。これらのうち、球状粒子が得やすく所望の凹凸形状に制御しやすい観点から、有機微粒子を用いることが好ましい。粒子は、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。
樹脂を用いる場合は、例えば、ポリマービーズ等のビーズ状の粒子を用いても良いし、お互いに相溶しない樹脂の混合物を用いて粒子状にする、いわゆる海/島法等の方法で行っても良い。
高分子樹脂に対する粒子成分の含有割合は、用いる粒子の平均粒子径や光拡散層の厚みによって一概にはいえないが、高分子樹脂100重量部に対し70〜220重量部とすることが好ましく、120〜220重量部とすることがより好ましい。
粒子の形状は、特に限定されるものではないが、本発明の凹凸形状を得易くする観点から球状粒子であることが好ましい。また、粒子の平均粒径としては、同様の観点から1〜30μmとすることが好ましい。
凹凸層中には、上述した高分子樹脂や凹凸形状を形成する粒子の他、光重合開始剤、光重合促進剤、レベリング剤・消泡剤などの界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤や、上述した以外の樹脂や粒子を添加してもよい。これらは、市販品より選択しても良いし、新規に開発したものでも良い。コストパフォーマンスで適宜選択すれば良い。
上記の微粒子を含有した層よりなる光拡散層を含む表面光拡散部材の製造方法も限定されない。例えば、上述したバインダー樹脂や粒子などの材料を適当な溶媒に溶解させた光拡散層用塗布液を、従来から公知の方法、例えば、バーコーター、ブレードコーター、スピンコーター、ロールコーター、グラビアコーター、フローコーター、ダイコーター、スプレー、スクリーン印刷等により支持体上に塗布し、乾燥することにより作製することができる。また、共押し出し法で多層構造として表層に粒子を配合する方法で製造しても良い。上記の光拡散層は片面に形成したものでも良いし、両面に形成したものであっても良い。
(表面賦型法で製造される表面光拡散部材の製造方法)
エンボス加工法等のような転写賦形技術により、表面光拡散部材を形成することができる。例えば、後述するレンズフィルムの製造方法と同様の方法が挙げられる。
(レンズフィルム(B))
本発明に用いられるレンズフィルム(B)は表面にレンズ構造が形成されたものであれば限定されない。例えば、プリズム構造、レンチキュラー構造等の一方向に配向した山脈タイプの構造やドーム型やピラミッド形等の単峰タイプの構造、該単峰タイプの構造と山脈タイプの構造を組み合わせた構造及び山脈タイプの構造を直行あるいはクロスした形で組み合わせた複合構造のものが挙げられる。
(レンズフィルム(B)の表面光沢度)
本発明のレンズフィルム(B)はレンズ面の表面光沢度を5〜80%にすることが重要である。5〜70%がより好ましい。
表面光沢度が80%を超えた場合は外観不良が発生するので好ましくない。逆に5%未満では 外観不良の改善効果が飽和をし、かつ正面輝度や照度が低下する場合があるので好ましくない。
該外観不良とは以下の通常のレンズフィルムを用いた場合に発生する課題を指す。
例えば、通常のプリズムレンズフィルムを用いた場合は、斜めより見た時にレンズフィルムのレンズ構造により引き起こされるぎらつきや干渉斑が大きい場合があるという課題を有する。さらに、本発明者等は、レンズフィルムを最表層に用いた面光源装置においては、例えば、暗室において面光源装置を点灯した場合に、暗室の壁に様々なパターン、例えば、斜め方向、横方向あるいは円弧状の明度斑がでることを見出した。この明度斑のパターンは用いる光源装置の方式等により異なる。以下、該明度斑を一括して明度斑と称する。
以下、この外観のぎらつきや明度斑等の課題を総称して外観不良と称する。
従って、例えば、レンズフィルムを最表層にして用いた面光源装置を照明装置として用いる場合においては、該外観不良の改善が必要となる。
(レンズフィルム(B)のレンズ面の表面光沢度の制御方法)
表面光沢度を上記範囲にするための方策は限定されない。例えば、単峰タイプのレンズフィルム等の表面光沢度を満たすレンズ構造のレンズフィルムを選択することも挙げられる。
また、プリズムレンズフィルムやレンチキュラーレンズフィルムのような等の一方向に配向した山脈タイプの構造のレンズフィルムや山脈タイプの構造を直行あるいはクロスした形で組み合わせた複合構造のもの等の表面光沢度の高いレンズフィルムの場合は、例えば、レンズフィルム(B)のレンズ面の反対面に明細書中で記載した方法で測定される裾広がり光拡散度が0.1〜10である光拡散層(D)が積層されてなることが好ましい実施態様である。
(光拡散層(D)の光拡散度)
上記のごとく、光拡散層(D)は適度な光拡散度を有することが好ましい。すなわち、実施例において記載された方法で測定される裾広がり光拡散度が0.1〜10であることが好ましい。0.12〜8がより好ましい。以下、該特性値を単に裾広がり光拡散度と称することもある。0.1未満ではレンズフィルム(B)のレンズ面の表面光沢度が下限未満となり、外観不良の改善効果が低下するので好ましくない。逆に10を超えた場合は、レンズフィルム(B)のレンズ面の表面光沢度の低減効果が飽和し、外観不良の改善効果も飽和し、かつ正面輝度や照度が低下するので好ましくない。
なお、レンズフィルム(B)がレンズフィルムのレンズ面と反対面に光拡散層(D)が直接形成されている場合の光拡散層(D)の裾広がり光拡散度は、レンズフィルムに替えて、東洋紡績社製の高透明ポリエステルフィルムであるA4300 188μmを用いて、その表面にレンズフィルムを用いた場合と同様の方法で製造した光拡散フィルムの特性値を用いる。
上記の裾広がり光拡散度は、レンズフィルム(B)のレンズ面の表面光沢度を前記範囲として、かつ高い正面輝度や正面照度を維持するには、該光拡散層(D)の光拡散度を極めて低い範囲に設定することが重要であることから設定した新規な光拡散度である。例えば、前述した光拡散部材(A)の光拡散度の指標である全光線透過率/平行光線透過率比では2以下の狭い範囲になる。そこで、この狭い範囲で差別化ができる光拡散度の尺度として確立した指標である。例えば、高透明ポリエステルフィルムである東洋紡績株式会社製のA4300 125μm、実施例や比較例で用いる光拡散部材6及び光拡散部材10の両特性値の違いを以下の表に示す。この表より、上記コンセプト通りの結果となっていることがわかる。なお、表の( )内の数値はA4300の特性値を1とした時の相対値である。

サンプル
裾広がり光拡散度
全光線透過率/平行光線透過率比

A4300 125μm
0.04(1)
1(1)

光拡散部材10
21.1(528)
5.5(5.5)

光拡散部材6
0.2(5)
1.5(1.5)

(光拡散層(D)の積層方法)
上記光拡散層(D)の積層方法は限定されないが、例えば、下記の3つの方法が挙げられる。
(1)光拡散層(D)を含む光拡散部材(E)の表面にレンズ構造を形成する。
(2)表面にレンズ構造を有するレンズフィルムのレンズ面の反対面に光拡散層(D)を含む光拡散部材(E)を積層する。
(3)レンズフィルムフィルムのレンズ面の反対面に光拡散層(D)を直接形成する。
(光拡散層(D)の構成や裾広がり拡散度の制御方法)
上記光拡散層(D)構造や構成は限定されない。光拡散層表面の凹凸により拡散させる表面光拡散方式であっても良いし、光拡散層の内部に光拡散成分が配合されてなる内部光拡散方式でも良い。光拡散層表面の凹凸により拡散させる表面光拡散方式が好ましい。
上記光拡散層(D)の特性を前述した範囲にする方法は限定されないが、従来の公知技術で開示されている反レンズ面光拡散層よりも光拡散度を低くする必要があるので、例えば、光拡散層表面の三次元平均表面粗さ(SRa)が0.1〜1μmであることが好ましい。0.1〜0.8μmがより好ましく、0.1〜0.6μmがさらに好ましい。0.1μm以下では裾広がり光拡散度が前記範囲を下回り、外観不良の改善効果が不足するので好ましくない。逆に、1μmを超えると裾広がり光拡散度が前記範囲を上回り、正面輝度や正面照度が低下するので好ましくない。
(レンズフィルム積層体(D)の形成方法)
上記反レンズ面光拡散層の形成方法は限定されないが、例えば、下記の3方法が挙げられる。
光拡散フィルムCの表面にレンズ構造を形成する。
表面にレンズ構造を有したレンズフィルムのレンズ面の反対面に光拡散フィルム(C)を積層する。
レンズフィルム(B)のレンズ面の反対面に光拡散フィルム(C)と同等の光拡散度を有した光拡散層を直接形成する。
上記反レンズ面光拡散層の構造や構成は限定されない。例えば、後述する表面光拡散フィルム(A)のような光拡散層表面の凹凸により光を拡散させる表面光拡散方式であっても良いし、拡散層の内部に拡散成分が配合されてなる内部拡散方式でも良い。表面光拡散方式が好ましい。
該表面拡散フィルムの構成も限定されないが、透明な基材フィルムの片面に主としてお互いに相溶しない2種の樹脂の混合物よりなる層を形成されてなる構成のものが好ましい。
後者の透明な基材フィルムの片面に主としてお互いに相溶しない2種の樹脂の混合物よりなる層を形成されてなる構成の表面拡散フィルムは、主として、ポリエステル樹脂あるいはポリオレフィン系樹脂よりなることが安定して前記裾広がり拡散度特性を有した拡散フィルム安定して、かつ経済的に製造することができるので好ましい。ポリエステル樹脂よりなる拡散フィルムは、例えば、特許4257619号公報で開示されている技術で製造されたものが好ましい。
レンズフィルムフィルムのレンズ面の反対面に拡散層を直接形成する方法も限定されないが、例えば、レンズフィルムのレンズ面の反対面に前記した表面拡散部材の製造方法に準じた方法に製造する方法が挙げられる。ただし、拡散部材(A)より拡散層表面の三次元平均表面粗さ(SRa)より小さくする必要があり、0.1〜1μmにするのが好ましい実施態様である。0.1〜0.8μmがより好ましく、0.1〜0.6μmがより好ましい。0.1μm以下では裾広がり拡散度が前記範囲を下回り、外観不良の改善効果が不足するので好ましくない。逆に、1μmを超えると裾広がり拡散度が前記範囲を上回り、正面輝度や正面照度が低下するので好ましくない。
(レンズフィルム(B)の中心面粒度(SGr))
また本発明においては、レンズフィルム(B)のレンズ面表面が実施例において記載された方法で測定される中心面粒度(SGr)が2000〜30000μmである特性を有することが好ましい。該中心面粒度(SGr)は、三次元表面粗さ計で測定されるレンズ表面の表面積に相関した値である。すなわち、レンズ構造による表面突起の最小二乗法により求められる平均高さの位置で表面突起を水平にスライスした時の突起のスライス面の面積の総和で示される値である。
本発明者等は、例えば、光拡散部材とレンズフィルムを重ね合わせて面光源装置の出光面に設置し、レンズフィルム表面を仔細に観察するとレンズフィルム表面があたかも発光しているがごとく輝いて見えることより本発明の構成のように、レンズフィルムが最表層に設置された場合の正面輝度はレンズフィルムのレンズ面の表面積の支配を大きく受けていると考えて確立した正面輝度と相関のある新たな尺度である。
従って、中心面粒度(SGr)が2000μm未満ではレンズフィルム積層体の表面積が不足し、正面輝度が低くなるので好ましくない。逆に、30000μmを超えたレンズフィルムを経済的に製造することが困難となるので好ましくない。中心面粒度(SGr)は3000〜30000μmがより好ましい。
上記の中心面粒度(SGr)の最適範囲は三次元平均粗さ(SRa)が1μm以上である時に成り立つ。従って、中心面平均粗さ(SRa)が1μm以上であることが好ましい。本発明に用いられレンズフィルム積層体の三次元平均粗さ(SRa)は3〜30μmがより好ましい。
該レンズフィルムのレンズ面の中心面粒度(SGr)が正面照度や中心部輝度に対して影響していることは図7において明示される。
(レンズフィルム(B)の製造方法)
本発明のレンズフィルム(B)の製造方法は、上記特性を満たせば限定されないが、例えば、透光性の基材上にUV硬化樹脂や放射線硬化樹脂を用いて成形する方法、或いは、基材上にPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)等を用いて、当該技術分野では良く知られている押出成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成する方法が挙げられる。
(光拡散部材積層体(C)の構成)
本発明の光拡散部材積層体の構成は、光拡散部材(A)表面にレンズフィル(B)の反レンズ面が接するように積層してなることが重要である。本構成において初めて本発明の効果を発現することができる。
例えば、レンズフィルム(B)のレンズ面と光拡散部材(A)が接するように積層したした場合は、光拡散部材(A)が面光源装置の透明基板上に接するように設置しても、レンズフィルムによる集光効果が低くなり正面輝度向上効果が低くなるので好ましくない。
(光拡散部材積層体(C)の使用方法)
本発明の光拡散部材積層体(C)は、上記面光源装置の出光面側の表面に上記光拡散部材積層体(C)の光拡散部材(A)面が接するように設置されてなることが重要である。この場合、光拡散部材(A)が片面のみに拡散層が形成されたものを用いる場合の光拡散部材(A)の設置方向は問わない。拡散層面がレンズフィルム(B)と接する方向であってもよいし、拡散層面が面光源装置と接する方向であっても良い。
該対応により本発明の効果が効果的に発現することができる。
例えば、本発明の光拡散部材積層体(C)を、上記面光源装置の出光面側の表面に光拡散部材積層体(C)のレンズフィルム面が接するように本発明の方法と逆向きに設置した場合は、レンズフィルム(B)による集光効果が低くなり正面輝度や正面照度向上効果が低くなるので好ましくない。
本発明においては、上記光拡散部材積層体(C)の光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)とが接する界面に空気層が存在することが好ましい。
例えば、接着剤や粘着剤で貼り付ける等により該界面の空気層を排除すると、本発明の好ましい構成で用いてもレンズフィルム(B)による集光効果が大きく低下して正面輝度や正面照度向上効果が大幅に低下するので好ましくない。
(レンズフィルム2枚構成)
本発明においては、光拡散部材積層体(C)の光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)との間に一方向に配向した山脈タイプの構造よりなるレンズフィルム(F)をレンズ面がレンズフィルム(B)のレンズ面の反対面とが接するように重ね合わせて積層されてなることが好ましい。
レンズフィルム(F)として一方向に配向した山脈タイプの構造のレンズフィルムを用いる事により、他のレンズ構造のレンズフィルムを用いるより高い集光性が発現できる。
一方向に配向した山脈タイプの構造のレンズフィルム(F)としては、プリズムレンズフィルムあるいはレンチキュラーレンズフィルムが挙げられる。
レンズフィルム(B)とレンズフィルム(F)はそれぞれの主配向方向が直行する方向で重ね合せるのが好ましい。主配向方向が平行方向になるように重ね合せた場合はモアレが発生することがある。
該対応により以下の効果が出せる。
(1)前記したレンズフィルム(B)のみの構成よりもさらに出射光の集光性を上げることができるので、レンズフィルム(B)のみの構成の低い輝度斑を維持した形で正面輝度や正面照度をさらに高めることができる。光拡散部材(A)の種類によっては輝度斑を低下させる事ができる場合もある。
(2)レンズフィルム(F)に関しては、レンズフィルム(B)とは異なり、表面光沢度を特定範囲にすることなく汎用の製品を用いても外観不良の悪化は起こらない。レンズフィルム(B)とレンズフィルム(F)との積層の順番を変えて、レンズフィルム(F)を最表面にすると外観不良が発生する。
(表示装置)
本発明においては、本発明の直下型面光源装置を表示装置用の光源として用いることが好ましい。
本発明の直下型面光源装置は、高い輝度と低い輝度斑が両立できるので、表示装置用の光源として用いた場合に、表示装置の明るさや明るさの均一性が向上し、表示画面の視認性を向上させることができる。あるいは、高度な輝度が必要でない使用方法においては、ランプの光量を低減できるので、表示装置の製造コストや表示装置の使用時のエネルギー消費量を低減することができるので、経済的効果や環境負荷を低減することが可能となる。
該表示装置としては、面光源装置により発せられる光により、何らかの情報を伝達する機能を有した装置であれば限定されない。例えば、パソコン、TV及び車両等の輸送装置用のLCD表示装置が挙げられる。また、広告や案内板等の非動画の表示装置が挙げられる。
また、本発明の直下型面光源装置においては、光源間距離を小さくすることにより、輝度を著しく高めることができるので、表示装置用の面光源装置として有用である。
(照明装置)
本発明においては、本発明の直下型面光源装置を照明用の光源として用いることが好ましい。
本発明の直下型面光源装置は、高い照度及び高い輝度を有して、かつ輝度斑を低減できるので、照明用の光源として用いた場合に、照明装置の明るさ及び均一性を向上させることができる。また、本発明の直下型面光源装置は輝度斑が小さいので照明装置として用いた場合に照明装置を直視した時の明るさの斑が小さく見えるので見ための品位を高めることができ。
あるいは、高度な照度が必要でない使用方法においては、ランプの光量を低減できるので、照明装置の製造コストや照明装置の使用時のエネルギー消費量を低減することができるので、経済的効果や環境負荷を低減することが可能となる。
また、本発明の直下型面光源装置においては、光源間距離を大きくすることにより、照度の低下を抑制した形で輝度を低くすることができる。照明装置においては高照度であることが重要である。一方、輝度はグレア性の観点より低い方が好ましいので、照明装置用の面光源装置として理想的な光学特性を付与できるので有用である。
(作用機構)
本発明は、点光源が光源チップの出光に凹型構造のレンズが装着されてなるレンズ付き点光源(以下、単にレンズ付き光源と称する)を用い、かつ特定の構成及び特性の光学部材を組み合わせることにより、従来技術では達成し得なかった高度な輝度斑抑制の効果を発現させ、高い正面輝度や正面照度と低い輝度斑の両立が図れる事を見出した事にある。さらに、レンズフィルムのレンズ面の反対面に特定の拡散度を有した拡散層を形成したレンズフィルム積層体を用いることでレンズフィルムの集光特性により発現される高い正面輝度や正面照度を維持した形で、レンズフィルムのレンズ構造による引き起こされる出光表面の外観不良や明度斑が抑制できる事を見出した事にある。
これらの効果発現の作用機構は明確化できていないが、以下のごとく推察している。
(輝度斑抑制効果に対するレンズ付き光源及び光学部材の影響)
レンズ付き光源による輝度斑抑制効果は前述した仮説に基づいている。
該仮説の妥当性は図6において明示される。
さらに、特定範囲の全光線透過率/平行光線透過率比の光拡散部材とレンズフィルムとを積層した光拡散部材積層体を用いることにより、上記のレンズ付き光源よる制御された光拡散度と光拡散部材積層体の拡散度との相乗効果により正面輝度や正面照度の低下を抑制した形で輝度斑を抑制することができると推察している。該相乗効果の本質は定かでないが点光源から出射される出射光の光拡散度と光拡散部材積層体の拡散度とのマッチングにより初めて本発明の効果である高い正面輝度や正面照度と低い輝度斑の両立を図れると推察している。
特定範囲の全光線透過率/平行光線透過率比の光拡散部材とレンズフィルムとを積層した光拡散部材積層体を用いることにより高い正面輝度や正面照度と低い輝度斑の両立を図れることは図5において明示される。
(レンズフィルム起因の外観不良改善)
レンズ面の表面光沢度はレンズ面の反射特性である。一方、外観不良はレンズフィルムを通過してきた透過光により引き起こされる特性であり、全く逆方向の光の特性が相関していることになる。従って、レンズ面の表面光沢度を前記範囲にすることで外観不良や明度斑が改善できる理由は定かでなく驚くべく結果である。一見関係がないと思われる現象が共通した要因の支配を受けていることがその原因の一つになっていると推察している。すなわち、例えば、レンズフィルムのレンズ面の反対面に特定範囲の裾広がり光拡散度を有した光拡散層(D)を、空気層を排除した形で積層することにより、レンズ表面の特定角度に出光及び反射する光の特性が共通して制御できる事により引き起こされたものと推察している。このように表面光沢度や外観不良がレンズ面の反対面に存在する非常に小さな拡散度の拡散層により大幅に改善できることも驚くべきことである。この驚くべき作用により正面輝度や照度の低下を抑制した形で外観不良を改善できることの大きな要因になっていると推察している。
従って、理由は定かでないこれらの驚くべき結果を取り入れることにより本発明が完成されたと言える。
この点は図8において明確に示されている。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、実施例で採用した測定・評価方法は次の通りである。また、実施例中で「部」とあるのは断りのない限り「質量部」を意味し、「%」とあるのは断りのない限り「質量%」を意味する。
1.入光側光拡散度
変角照度計ZERO−ONE(ハイランド社製)を用いて照度の変角配光分布プロファイルを測定した。
白色反射フィルム(東レ社製 白色反射フィルム ルミラーEL60)の上にLED光源サンプルを設置し、該白色反射フィルムの上面より515mmの位置に照度計の表面が位置するように設定し、照度計が光源の中心の直上にくるように錘を付けた糸で光源の位置合わせをする。次いで、位置決めの微調整を行う。該微調整は変角測定を繰り返すことにより実施をする。すなわち、ピークトップのある配光分布プロファイルの場合はピークトップが±2度以下になるように位置の微調整を繰り返す。ピークトップが2個存在する配光分布プロファイルの場合は、2個のピークトップの照度の比が1,1〜0.9の範囲になるようなに位置の微調整を繰り返す。
測定は光源の赤道上を−90度から+90度までを5度ピッチで変角させ測定した。
−65度、0度及び+65度の照度を読み取取る。
−65度と+65度の照度の平均値を0度の照度で除した値を入光側光拡散度とした。
2.出光側光拡散度
白色反射フィルム(東レ社製 白色反射フィルム ルミラーEL60)の上にLED光源サンプルを設置し、該白色反射フィルムの上面より15mmの位置に厚さ3mmの透明アクリル板の上表面が15mmなる位置に水平になるように固定し、光源サンプルの直上位置の透明アクリル板の上に、変角分光測色システムGCMS−4型(GSP−2型:株式会社村上色彩研究所製、変角分光光度計GPS−2型)用の透過光拡散標準板(オパールガラス)を設置して、暗室下で光源を点灯することにより透過拡散標準板に投影された投影輝度像を、RISA−COLOR/ONE−II(ハイランド社製)を用いて直上から観察し、ピクセル設定によるライン解析により輝度拡散度を測定した。すなわち、輝度像の中心部を通る水平方向のラインの輝度の配光分布プロファイルを測定し、X軸としてライン長さのピクセル数を、Y軸に輝度の強度を取った投影輝度像の中心部を通るライン上の輝度の配光分布プロファイル図をもとめ、該配光分布プロファイルのピークトップの輝度の50%の輝度のレベルにX軸と平行の直線を引き、該直線と配光分布プロファイル曲線が交わる交点間のピクセル数を求め、該ピクセル数を出光側光拡散度とした。
上記測定は透過光拡散標準板表面と輝度計までの距離500mmで測定した。
3.相乗光拡散度
上記方法で求めた入光側光拡散度と出光側光拡散度より下記式で算出した。
複合光拡散度=(入光側光拡散度)×(出光側光拡散度)
4.全光線透過率/平行光線透過率比
(全光線透過率)
自記分光光度計(UV−3150:島津製作所社製)に積分球付属装置(ISR−3100:島津製作所社製)をセットして、スリット幅12nmで波長300〜800nmの範囲を高速でスキャンし分光スペクトルの測定を行い、550nmにおける透過率で表示した。
(平行光線透過率)
自記分光光度計(UV−3150;島津製作所社製)を用いて、スリット幅12nmで波長300〜800nmの範囲を高速でスキャンし分光スペクトルの測定を行い、550nmにおける透過率で表示した
上記測定においては、試料の主拡散方向が水平方向になるように試料固定器具に固定して測定をした時の値を用いた。
主拡散方向は以下の方法で検出した。
試料にレーザーマーカーで光を当て、出射光の拡散方向を検知して決定した。
測定は実際に使用する場合の光の透過方向が一致する向きで試料を固定して測定するのが良い。本発明においては、反拡散層側から入光する向きで固定して測定した。
レンズフィルムはレンズ面の反対面より入光して測定した。
試料の両面で表面粗度が異なる場合は、実際に使用する場合の光の透過方向が一致する向きで試料を固定して測定するのが良い。本発明においては、表面粗度が低い方から入光する向きで固定して測定した。
上記方法で測定された全光線透過率を平行光線透過率で除して算出した。該全光線透過率/平行光線透過率比の値が高い程、拡散度が高い。
5.裾広がり拡散度
変角分光測色システムGCMS−4型(GSP−2型:株式会社村上色彩研究所製、変角分光光度計GPS−2型)を用いて測定を行った。透過測定モード、光線入射角:0°(フィルム法線方向)、受光角度:0°〜80°(フィルム法線からの極角。方位角は水平)、光源:D65、視野:2°の条件で、試料の主拡散方向が水平方向になるように試料台に固定(試料台の軸と主拡散方向の軸とのずれは20度程度までは許容される)し、透過光の変角分光光度曲線を求めた。あおり角は0°とした。
受光角0°から80°までを5°ピッチで測定した。
測定に先立ち株式会社村上色彩研究所製のGCMS−4用の透過拡散標準板(オパールガラス)を用いて装置の校正を行い、該透過拡散標準板の受光角度0度における透過光強度を基準(1.000)として、相対透過度を測定した。なお、前記透過拡散標準板は、積分球式分光計測で空気層を1.000とした時の440nmの透過率が0.3069であった。
波長550nmの光の受光角0°及び10°の透過度を測定して、出射角0度における透過度(I)と出射角10度における透過度(I10)の割合(I10/I×100)を求めて%表示した。
本測定は、各試料とも3回測定しその平均値で表示した。
試料の両面で表面粗度が異なる場合は、実際に使用する場合の光の透過方向が一致する向きで試料を固定して測定する。本発明においては、表面粗度が低い方から入光する向きで固定して測定した。
6.中心面粒度(SGr)
接触式の三次元表面粗さ測定装置((株)小坂研究所製 二次元、三次元表面粗さ解析システム TDA−21)により、以下に示す条件にて測定をして求めた。
(測定条件)
TABLE PITCH:0.005、REC PITCH:1、H.MAGUNIFICATIN:200、MEASURING LENNGTH:1mm、V.MAGUNIFICATIN:500、CUT OFF:
0.25、TRAVERSING LENNGTH:REC、本数:100本
なお、触針は2μmで90度のものを用いた。
7.レンズフィルムの表面光沢度
日本電色工業株式会社製光沢計「VG2000」を用いて、JIS Z 8741に準じ、レンズ面の角度60度の光沢を測定した。測定は主配光方向及び主配光方向と直行する方向の両方向の値を測定して光沢度の高い方の値を表面光沢度とした。
8.直下型面光源装置の中心部輝度と輝度斑
白色反射フィルム(東レ社製 白色反射フィルム ルミラーEL60)の上に50mm角の正方形の4点の直線が交わる点状に点光源の発光部の中心がくるように4個の点光源を設置して、内角が100mmで高さが調節できる外枠を点光源が設置された正方形と相似形になるように設定した。該外枠の上側には透明アクリル板が水平状態で設置されている。この透明アクリル板の上に光拡散部材やレンズフィルム等の光学部材を設置して暗室下で光源を点灯することによりRISA−COLOR/ONE−II(ハイランド社製)を用いて輝度測定を行った。該輝度測定は輝度計を4点の点光源の中心部の直上になるようにセットした。また、透明アクリル板表面と輝度計までの距離が500mmになる位置で測定した。測定は暗室下で行った。
光源/光学部材間距離は白色反射フィルム表面と透明アクリル板表面と距離で表示した。
輝度測定は、各4点の点光源の直上部4箇所と4点の点光源の中心部の5点の部分の輝度をスッポット法で測定した。測定のスッポット径は5mmφとした。光源の中心部の輝度を中心部輝度とした。一方、輝度斑は、点光源の直上部4点の輝度の最大値の輝度を中心部輝度で除した輝度比で求めた。該輝度斑の数値が大きい程、輝度斑が大きい。該輝度斑は1.6以下が好ましく、1.2がより好ましい。1.0がさらに好ましく、1.0未満が特に好ましい。
9.直下型面光源装置の正面照度
上記直下型面光源装置の中心部輝度と輝度斑測定に用いたRISA−COLOR/ONE−II(ハイランド社製)を変角照度計ZERO−ONE(ハイランド社製)に変更して、
正面照度(出光角度0度)を測定した。
透明アクリル板表面と照度計までの距離が500mmになる位置で測定した。測定は暗室下で行った。
10.外観不良
上記の輝度及び輝度斑測定時に測定試料の表面の輝度状況を全方位において、観察角度を変えて肉眼で観察して、ぎらつきの有無を判定した。ぎらつきの見えない場合を○で、見える場合を×で表示した。
11.明度斑
上記の輝度及び輝度斑測定時に暗室の電灯を消灯して暗室の壁面を肉眼で観察して明度の斑の有無を観察して斑のない場合を○、ある場合を×で表示した。
12.熱可塑性樹脂のメルトフローレート
JIS K 7210 A法に準拠して、2.16kgfの条件で測定した。
(光拡散部材の製造方法)
1.光拡散部材1
厚み100μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の両面に、平均粒径が3μmの真球状のアクリル樹脂粒子(東洋紡績社製 タフチック(TM)FHーS300)50質量部とポリウレタン樹脂50質量部の混合部が乾燥後厚みで30μmになるように、塗工機を用いて、塗布および乾燥をすることにより光拡散部材1を得た。
得られた光拡散部材1の特性を表1に示す。
2.光拡散部材2
厚み100μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面に、拡散フィルム4に用いたと同じポリエステル樹脂10質量%、平均粒径0.9μmの炭酸カルシューム(丸尾カルシューム社製 カルテックス5)1.0質量%、帯電防止剤(カチオン系第4級アンモニュウム塩)0.32重量%、溶媒として水50重量%、IPA(イソプロピルアルコール)40質量%よりなるコート液組成物を乾燥重量で1.0g/mとなるように、リバースロール法で塗布、乾燥後、160℃で30秒熱処理をし、拡散層を形成して光拡散部材2を得た。
得られた光拡散部材2の特性を表1に示す。
3.光拡散部材3
ポリカーボネート樹脂100重量部に架橋シリコーン系樹脂粒子(平均粒子径2μmのトスパール120(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)0.4重量部、耐光安定剤(ケミソープ79(ケミプロ化成社製))0.2重量部よりなる組成物をベント付きTダイ押し出し機により270℃で厚さ3mmの光拡散部材3を得た。
得られた光拡散部材3の特性を表1に示す。
4.光拡散部材4
光拡散部材3の厚みを4mmに変更する以外は、光拡散部材3と同様の方法で光拡散部材4を得た。
得られた光拡散部材4の特性を表1に示す。
5.拡散部材5
帝人化成社製のポリカーボネート系樹脂系の拡散板(パンライト(TM)65HLW1.5mm)を使用した。
特性を表1に示す。
6.光拡散部材6
(1)結晶性ホモポリエステル樹脂(M1)の製造
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸(86.4質量部)及びエチレングリコール(64.4質量部)からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモン(0.017質量部)及びトリエチルアミン(0.16質量部)を添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kgf/cm、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水和物(0.071質量部)、次いでリン酸トリメチル(0.014質量部)を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル(0.012質量部)、次いで酢酸ナトリウム(0.0036質量部)を添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、減圧下260℃から280℃へ徐々に昇温し、所定の固有粘度になるまで、285℃で重縮合反応を行った。
重縮合反応終了後、濾過粒子サイズ5μm(初期濾過効率:95%)のナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られた結晶性ホモポリエステル樹脂(M1)は、結晶融解熱が35mJ/mg、融点が256℃、固有粘度が0.56dl/g、溶融粘度が91Pa・s、Sb含有量が144ppm、Mg含有量が58ppm、P含有量が40ppm、カラーL値が56.2、カラーb値が1.6であった。また、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。
(2)共重合ポリエステル樹脂(M2)の製造
芳香族ジカルボン酸成分としてテレフタル酸単位100モル%、ジオール成分としてエチレングリコール単位70モル%及びネオペンチルグリコール単位30モル%を構成成分とする、固有粘度が0.59dl/g、溶融粘度が121Pa・s、の共重合ポリエステル樹脂(M2)を(M1)の作製方法に準じて作製した。
(3)ポリスチレン(M3)
溶融粘度が147Pa・sのポリスチレン樹脂(PS)を使用した。
(4)塗布液(M4)の調製
ジメチルテレフタレート(95質量部)、ジメチルイソフタレート(95質量部)、エチレングリコール(35質量部)、ネオペンチルグリコール(145質量部)、酢酸亜鉛(0.1質量部)および三酸化アンチモン(0.1質量部)を反応容器に仕込み、180℃で3時間かけてエステル交換反応を行った。次に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(6.0質量部)を添加し、240℃で1時間かけてエステル化反応を行った後、250℃で減圧下(10〜0.2mmHg)、2時間かけて重縮合反応を行い、数平均分子量19,500の共重合ポリエステル系樹脂を得た。
得られた共重合ポリエステル系樹脂の30質量%水分散液を7.5質量部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイソシアネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン系樹脂の20質量%水溶液を11.3質量部、有機スズ系触媒を0.3質量部、水を39.8質量部およびイソプロピルアルコールを37.4質量部、それぞれ混合した。
さらに、フッ素系ノニオン型界面活性剤の10質量%水溶液を0.6質量部、粒子Aとしてコロイダルシリカ(平均粒径40nm)の20質量%水分散液を2.3質量部、粒子Bとして乾式法シリカ(平均粒径200nm、平均一次粒径40nm)の3.5質量%水分散液を0.5質量部添加した。次いで、5質量%の重曹水溶液で塗布液のpHを6.2に調整し、濾過粒子サイズ(初期濾過効率:95%)が10μmのフェルト型ポリプロピレン製フィルターで精密濾過し、塗布液(M4)を調整した。
(5)ポリエステルフィルムの製造
光拡散層の原料として、結晶性ホモポリエステル(M1)57質量部、共重合ポリエステル(M2)38質量部と、ポリスチレン(M3)5質量部とを、それぞれ135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、混合し、押出機2に供給した。また、支持層(A)の原料として結晶性ホモポリエステル(M1)76.7質量部、共重合ポリエステル(M2)23.3質量部を、それぞれ6時間減圧乾燥(1Torr)した後、混合し、押出機1に供給した。
各押出機の溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの設定温度を275℃、フィルターの後のポリマー管の設定温度を270℃とし、押出機2、及び押出機1から供給された各原料を、2層合流ブロックを用いて積層し、口金よりシート状に溶融押し出した。
なお、(A)層と(B)層との厚み比率は、90対10となるように、各層のギアポンプを用いて制御した。また、上記のフィルターには、いずれもステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度:10μm粒子を95%カット)を用いた。また、口金の温度は、押出された樹脂温度が275℃になるように制御した。
押し出した樹脂を、表面温度30℃の冷却ドラムに静電印加法を用いて密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作成した。このとき、(A)層面を冷却ドラムに接する面とした。また、冷却ドラムによる未延伸フィルムの引き取り速度は、12m/分とした。
得られた未延伸フィルムを、予熱ロールを用いて79℃に加熱し、周速が異なるロール間で、縦方向に3.4倍に延伸した。このとき、赤外線放射温度計にてフィルムの温度をモニターし、フィルムの最高温度が100℃になるように、ヒーター温度を制御した。
縦延伸完了後、得られた一軸延伸フィルムを50℃まで冷却した後、フィルムの片面(A層側)に塗布液(M4)を塗布した。塗布液はウェット塗布量が約15g/mとなるように制御した。その後、乾燥炉にて塗布面を乾燥した。
塗布層を有する一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持して、テンターに導き、120℃に予熱した後、135℃で横方向に2.5倍延伸したのち、140℃で横方向に1.6倍延伸し、さらに240℃で10秒間熱処理し、60℃まで冷却する過程で横方向に3.3%の緩和処理を行い、全厚み188μmの光拡散部材6を作成した。
得られた光拡散部材6の特性を表2に示す。
7.光拡散部材7
2台の溶融押し出し機を用い、基層として第1の押し出し機にて、ポリプロピレン樹脂FLX80E4(住友化学社製、住友ノーブレン、メルトフローレート:7(230℃))を供給し、表層として第2の押し出し機にて、ポリプロピレン系の接着性樹脂(三井化学社製、アドマーQF551、メルトフローレート:5.7(230℃))を供給して、Tダイ方式にて溶融共押出し後、梨地の表面温度50℃冷却ロールで冷却することにより、厚み80μmの光拡散部材7を得た。その特性を表2に示す。なお、上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。第1押し出し機および第2押し出し機共に一軸方式であり、出口温度はともに250℃とした。また、冷却ロールの表面温度は50℃に設定した。フィルムは21m/分の速度で巻き取った。層厚み構成は11/57/11(μm)であった。
得られた光拡散部材7の特性を表2に示す。
8.光拡散部材8
3台の溶融押し出し機を用い、基層として第1の押し出し機(PCM60押し出し機:池貝工社製)で、ポリプロピレン樹脂FLX80E4(住友化学社製、住友ノーブレン、メルトフローレート:7(230℃))を供給し、冷却ロール側の表層として第2の押し出し機(PCM65押し出し機:池貝工社製)で、ポリプロピレン系の接着性樹脂(三井化学社製、アドマーQF551、メルトフローレート:5.7(230℃))を供給し、冷却ロールと反対側の表層として第3の押し出し機(PCM45押し出し機:池貝工社製)で、環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6015S−04 Topas Advanced Polymers社製メルトフローレート:0.4(230℃))2質量部とポリプロピレン樹脂FLX80E4(住友化学社製、住友ノーブレン、メルトフローレート:7(230℃))98質量部とを供給して、樹脂温度250℃で、Tダイ方式にて溶融共押出し後、鏡面の冷却ロールで冷却することにより、光拡散部材8を得た。その特性を表2に示す。なお、上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着は静電気密着法で行った。冷却ロールの表面温度は20℃に設定した。フィルムは5m/分の速度で巻き取った。層厚み構成は11/57/11(μm)であった。
得られた光拡散部材8の特性を表2に示す。
9.光拡散部材9
光拡散部材7の製造方法において、鏡面の冷却ロールに替え、かつ表面温度を20℃にする以外は、光拡散部材7と同様の方法で光拡散部材9を得た。
得られた光拡散部材9の特性を表2に示す。
10.光拡散部材10
2台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にて、環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013S−04 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.0(230℃))35質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃))65質量部を光拡散層とし、第2の押し出し機にて、ポリプロピレン系の接着性樹脂(アドマー(TM)SE800 三井化学社製 メルトフローレート:5.7(190℃))が両表層となるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、鏡面の冷却ロールで冷却することにより総厚み56μmの両面に熱密着層が積層された光拡散部材10を得た。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。層厚み構成は8/40/8(μm)であった。
第1の押し出し機の押し出し温度は230℃として、第2の押し出し機温度は250℃とした。
得られた光拡散部材10の特性を表2に示す。
11.光拡散部材11
厚み100μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面に、平均粒径が3μmの真球状のアクリル樹脂粒子(東洋紡績社製 タフチック(TM)FHーS300)50質量部とポリウレタン樹脂50質量部の混合部が乾燥後厚みで30μmになるように、塗工機を用いて、塗布および乾燥をすることにより光拡散部材1を得た。
得られた光拡散部材11の特性を表2に示す。
(レンズフィルムの製造例)
以下、レンズ面の反対面に拡散層が積層レンズフィルムを含めてレンズフィルムと称する。
1.レンズフィルム1
光拡散部材6の光拡散層の反対面に、透明アクリル系光硬化型樹脂組成物(ダイセルサイテック(株)製、商品名「PETIA」)を塗布し、ロール金型で賦型し、紫外線を照射する紫外線賦型法により、頂角90度、プリズム高さ25μm、プリズム底辺の幅51μmのレンズフィルム1を得た。
得られたレンズフィルムの特性を表3に示す。
2.レンズフィルム2
レンズフィルム1の製造方法において、光拡散部材6に替え、厚み188μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)に変更し、その片面にレンズフィルム1と同様の方法でプリズムレンズ構造を形成しレンズレンズフィルム2を得た。
得られたレンズフィルム2の特性を表3に示す。
3.レンズフィルム3
レンズフィルム1の製造方法においてレンズ構造を半径40μmの半円状に変更したレンチキュラータイプに変更する以外は、レンズフィルム1と同様の方法でレンズフィルム3を得た。
得られたレンズフィルム3の特性を表3に示す。
4.レンズフィルム4
レンズフィルム3の製造方法において、光拡散部材6に替え、厚み188μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)に変更し、その片面にレンズフィルム3と同様の方法でレンチキュラー構造を形成しレンズレンズフィルム4を得た。
得られたレンズフィルム4の特性を表3に示す。
5.レンズフィルム5
厚み188μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面に、透明アクリル系光硬化型樹脂組成物(ダイセルサイテック(株)製、商品名「PETIA」)を塗布し、ロール金型で賦型し、紫外線を照射する紫外線賦型法により、高さが25μmで直径が50μmの半球状のドーム形状の突起が最密充填された形で賦型されたレンズフィルム5を得た。
得られたレンズフィルム5の特性を表3に示す。
6.レンズフィルム6〜11
それぞれレンズフィルム2のレンズ面の反対面に光拡散部材6〜11の光拡層の反対面が接するように光学用のアクリル系粘着剤で貼り合わせることによりレンズフィルム6〜11を得た。
得られたレンズフィルム6〜11の特性を表3に示す。
(実施例1〜4及び比較例1及び2)
それぞれ表4に示した光拡散部材及びレンズフィルムを用いて、前記した直下型面光源装置の中心部輝度、輝度斑及び正面照度測定法に用いた直下型面光源装置を用いて該測定法に準じて中心部輝度、輝度斑及び正面照度を評価した。
なお、実施例4における光拡散部材は2枚の光拡散部材1を光拡層と光拡散層の反対面が接触するように重ね合せて光拡散層側がレンズフィルムと接触するように重ね合せて積層して用いた。該実施例における光拡散部材の全光線透過率/平行光線透過率比は上記同様に2枚を重ね合せて評価した数値である。以下、光拡散部材1(2枚重ね)と表示する場合は同じ内容である。
直下型面光源装置は以下の構成で行った。
点光源:二次光学レンズ 両面凹型、一次光学レンズ 凸型(図1に概念図を示した構成 光源1個当たりの出力 2W
光源間距離:50mm
光源/光学部材間距離:20mm
光学部材の設置方法:光拡散部材とレンズフィルムのレンズ面の反対面が接触するように重ね合せて、光拡散部材側が直下型面光源装置の透明アクリル板と接するように設置
評価結果を表4に示す。
これらの実施例と比較例に用いた光拡散部材の全光線透過率/平行光線透過率比と正面照度及び輝度斑との関係を図5に示す。
適度な全光線透過率/平行光線透過率比(光拡散度)範囲において初めて高い正面照度と低い輝度斑の両立できることが判る。また、これらの関係は臨界的であることも示される。
中心部輝度についても同様の結果が得られることが判る。
(比較例3及び4)
実施例1と同様の方法で、それぞれレンズフィルム1及び光拡散部材5単独使用での結果を表4に示す。
レンズフィルム1のみでは正面照度や中心部輝度が低く、かつ輝度斑が大きいことが判る。一方、光拡散部材5のみでは輝度斑は光拡散部材とレンズフィルムを組み合わせた場合に近い特性を有するが正面照度や中心部輝度が低く、それぞれ単独使用では高い正面照度と低い輝度斑の両立ができない。光拡散部材とレンズフィルムの組み合わせ使用で初めて高い正面照度や中心部輝度と低い輝度斑の両立が図れることが判る。
中心部輝度についても同様の結果が得られることが判る。
(比較例5)
実施例1の方法において、レンズフィルム1をレンズフィルム2に切り替える以外は、実施例1と同様の方法で評価した結果を表4に示す。
本比較例で用いたレンズフィルムはレンズ面の反対面に拡散層が形成されていないので、レンズフィルム1に比べてレンズ面の表面光沢度が高い。そのために、正面照度、中心部輝度及び輝度斑は実施例1と同等であるが外観が不良であった。
(比較例6)
比較例5の方法において、レンズフィルム2のレンズ面が光拡散部材と接するようにレンズフィルムの重ね合せ面を反対面にするように変更する以外は、比較例5と同様の方法で評価をした。
外観不良は改善されるが、正面照度が319Lx及び中心部輝度が1419Cd/mと非常に低くなった。輝度斑も2,32と悪化した。
(比較例7)
実施例1の方法において、光拡散部材1とレンズフィルム1とを光拡散部材がレンズフィルムの拡散層面と接するように厚み5μmの光学用粘着剤で貼り合せて設置するように変更する以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
正面照度は620Lx、中心部輝度は7479Cd/mであり、輝度斑は1.11であった。
光拡散部材とレンズフィルの界面の空気層を排除した場合は、正面照度や中心部輝度が大幅に低下する。従って、光拡散部材とレンズフィルムの界面については空気層を存在させた方が好ましい。
(実施例5及び6、比較例8及び9)
実施例1の方法において、点光源を表5の構成に変更する以外は、実施例1と同様の方法で評価した結果を表5に示す。
これらの点光源区分の内容を以下に示す。
点光源区分1:図1に概念図を示した構造の光源
点光源区分2:図3に概念図を示した構造の光源
点光源区分3:図2に概念図を示した構造の光源
点光源区分4:点光源区分1の二次光学レンズなしの光源
点光源区分5:図4に概念図を示した構造の光源 拡散角60度として販売されている凸型二次光学レンズ構造の光源。
図6に示すごとく、輝度斑が点光源の出射光の相乗光拡散度の支配を受けていることが判る。複合拡散度が高い程、輝度斑が小さくなる。
また、図6の結果は、点光源の出力が大きく異なっている結果を解析したものであるが、その影響は無視できることを示しており、点光源の出射光の重要特性である相乗光拡散度に対する点光源の出力の影響が少ないことを示している。
(実施例7及び8、比較例10及び11)
実施例1の方法において、光拡散部材及びレンズフィルムを表6に示した組み合わせに変更する以外は、実施例1と同様の方法で評価をした。
評価結果を表6に示す。
これらの実施例と比較例に用いたレンズフィルムのレンズ面の中心面粒度(SGr)と正面照度及び中心部輝度との関係を図7に示す。
レンズフィルムのレンズ面の中心面粒度(SGr)が高い程、正面照度や中心部輝度が高くなることが示される。
また、表面光沢度の高いレンズフィルムを用いると外観不良が引き起こされることが判る。
(実施例9〜11、比較例12〜14)
実施例1の方法において、レンズフィルムをそれぞれ表7に示したものに変更する以外は、実施例1と同様の方法で評価した。結果を表7に示す。
これらの実施例と比較例に用いた光拡散層(D)を形成させる光拡散部材の裾広がり拡散度と正面照度及びレンズフィルムのレンズ面の表面光沢度との関係を図8に示す。
適度な裾広がり光拡散度範囲において初めて高い正面照度と低い表面光沢度の両立を図る事ができることが判る。また、これらの関係は臨界的であることも示される。
中心部輝度についても同様の結果が得られることが判る。
(実施例12〜14、比較例15及び16及び参考例1)
実施例1に準じた方法で、表8に示した光学部材の組み合わせでレンズフィルムを2枚用いた構成での評価をした。ここで、レンズフィルム(B)とレンズフィルム(F)はそれぞれの主配向方向が直行する方向で、かつレンズフィルム(F)のレンズ面がレンズフィルム(B)のレンズ面の反対面とが接するように重ね合せて積層した。
結果を表8に示す。
前述した効果がでることが判る。
(参考例2)
実施例1及び比較例8において、点光源と光拡散部材間の距離を変更した場合の評価結果を表9に示す。
この表9の数値を用いて点光源と光拡散部材間の距離と照度及び輝度斑に対する関係における二次光学レンズの有無の影響を示した図を図9に示す。
二次光学レンズとして凹型構造のレンズを装着することにより、正面照度の低下を抑制した形で輝度斑を大幅に低下させることができることが判る。また、この効果は点光源と光拡散部材間の距離を小さくする程大きくなる。従って、凹型の二次光学レンズの装着は直下型面光源装置の薄型化に有効であることが判る。
(参考例3)
実施例7の方法において、光源間距離及び光源/光拡散部材間の距離を変更した場合の評価結果を表10に示す。
該表10の結果より以下の事が言える。
光源間距離及び光源/光拡散部材間の距離を変えても正面照度の変化は小さい。これに対して中心部輝度は、光源間距離の影響を大きく受ける。光源間距離を小さくすることにより中心部輝度は著しく高くなる。光源間距離を70mmから35mmに半減することで中心部輝度は約3倍になる。一方、正面照度はほぼ変化しない。
面光源装置はその使用目的により、照度と輝度の要求特性が異なる。例えば、表示装置に用いる時は輝度が重要であり、高輝度が求められる。一方、照明用に用いる場合は、照度が重要であり、高照度が求められる。また、照明用の場合は、輝度が高いとグレア性が悪化するので、高照度で低輝度であることが好ましい。従って、中心部輝度/正面照度の比も重要特性である。表示装置用の面光源装置の場合は該比が高い方が良い。逆に、照明装置用としては、該比は小さい方が好ましい。
従って、表示装置用に用いる場合は、光源間距離を小さくするのが好ましい実施態様である。光源間距離を小さくすることは、輝度斑を小さくする方向であり、点光源と光拡散部材間距離を小さくすることができるので、面光源装置の薄型化に繋げられるので一石二鳥であると言える。
一方、照明装置の場合は装置の厚みに対する要求は表示装置よりは要求度が低いので、光源間距離を大きく取って対応するのが好ましい。
このような特徴は本発明の構成により初めて発現できることであり、本発明方法の有効性を示す大きな特徴であると言える。
本発明は、点光源を用いた直下型面光源装置において、点光源の有する出射光の配光分布プロファイルに強い指向性により引き起こされる輝度の面内の不均一性を光源チップの出光面に凹型構造のレンズが装着されてなるレンズ付き点光源用いており、かつ特定特性の光学部材を特定構成の組み合わせで用いているので、従来技術では達成し得なかった高度な輝度斑抑制の効果を発現させる事ができ、高い正面輝度や正面照度と低い輝度斑の両立が図れるので、光源間距離を大きくするとか、あるいは光源/光学部材間距離を小さくしても輝度斑抑制効果が維持できるので、面光源装置の経済性、省エネルギー性及び薄型化等を達成することができる。
また、本発明の直下型面光源装置は、光源間距離や光源/光学部材間距離を最適化することにより、照度特性と輝度特性のそれぞれを独立した形で制御することができるので、例えば、表示装置用あるいは照明用にそれぞれ適した照度及び輝度特性を付与することができるという特徴を有する。すなわち、表示装置用の場合は照度より輝度が重要である。一方、照明用は表示用とは逆に、輝度よりも照度が重要である。照明用の場合は高い輝度はグレア性に悪影響を及ぼす場合があり、むしろ低輝度で高照度が望ましい。従って、このような好ましい特性の付与が可能となる。
さらに、特定構成及び特性のレンズフィルムを用いているので、レンズフィルムのレンズ構造による引き起こされる外観不良や明度斑の課題を出射効率の低下を抑制した形で付与する事ができる。それ故に、上記直下型面光源装置の使用により、表示装置及び照明装置の性能向上や経済性の向上を図ることができる。
従って、産業界への寄与は大きい。

Claims (12)

  1. 反射材上に複数の点光源が配置されてなる直下型面光源装置において、以下の構成を同時に満たすことを特徴とする直下型面光源装置。
    (1)点光源が光源チップの出光面に凹型構造のレンズが装着されてなるレンズ付き点光源であること、
    (2)面光源装置の出光面に、明細書中で記載した方法により測定される全光線透過率/平行光線透過率比が40〜240の光拡散部材(A)とレンズ面の表面光沢度が5〜80%であるレンズフィルム(B)をレンズフィルム(B)のレンズ面の反対面が接するように重ね合わせてなる光拡散部材積層体(C)をレンズフィルムのレンズ面が表面側になるように設置されてなること。
  2. レンズ付き点光源が、明細書中で記載した方法で測定される入光側光拡散度が1.0以上であり、かつ明細書中で記載した方法で測定される出光側光拡散度が90以上である特性を同時に満たすことを特徴とする請求項1に記載の直下型面光源装置。
  3. レンズ付き点光源が、明細書中で記載した方法で測定される相乗光拡散度が200以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の直下型面光源装置。
  4. レンズフィルム(B)のレンズ面の中心面粒度(SGr)が2000〜30000μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の直下型面光源装置。
  5. レンズフィルム(B)のレンズ面の反対面に明細書中で記載した方法で測定される裾広がり光拡散度が0.1〜10である光拡散層(D)が積層されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の直下型面光源装置。
  6. レンズフィルム(B)が、明細書中で記載した方法で測定される裾広がり光拡散度が0.1〜10である光拡散層(D)を含む光拡散部材(E)の表面にレンズ構造を形成する方法で製造されてなることを特徴とする請求項5に記載の直下型面光源装置。
  7. レンズフィルム(B)が、レンズ面の反対面に明細書中で記載した方法で測定される裾広がり光拡散度が0.1〜10である光拡散層(D)を含む光拡散部材(E)を積層して製造されてなることを特徴とする請求項5に記載の直下型面光源装置。
  8. レンズフィルム(B)が、レンズフィルムのレンズ面の反対面に明細書中で記載した方法で測定される裾広がり光拡散度が0.1〜10である光拡散層(D)を形成して製造されてなることを特徴とする請求項5に記載の直下型面光源装置。
  9. 光拡散層(D)の表面の三次元平均表面粗さ(SRa)が0.1〜1μmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の直下型面光源装置。
  10. 光拡散部材積層体(C)の光拡散部材(A)とレンズフィルム(B)との間に一方向に配向した山脈タイプの構造よりなるレンズフィルム(F)をレンズ面がレンズフィルム(B)のレンズ面の反対面とが接するように重ね合わせて積層されてなることを特徴とする請求項1〜9に記載の直下型面光源装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の直下型面光源装置を用いてなることを特徴とする表示装置。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の直下型面光源装置を用いてなることを特徴とする照明装置。
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