JP2014137456A - 振動ミラー素子およびプロジェクタ機能を有する電子機器 - Google Patents

振動ミラー素子およびプロジェクタ機能を有する電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2014137456A
JP2014137456A JP2013005665A JP2013005665A JP2014137456A JP 2014137456 A JP2014137456 A JP 2014137456A JP 2013005665 A JP2013005665 A JP 2013005665A JP 2013005665 A JP2013005665 A JP 2013005665A JP 2014137456 A JP2014137456 A JP 2014137456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric body
insulating layer
detection electrode
drive unit
lead
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013005665A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Murayama
学 村山
Kouichi Kugo
耕一 久後
Naoki Inoue
尚樹 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Funai Electric Co Ltd
Original Assignee
Funai Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Funai Electric Co Ltd filed Critical Funai Electric Co Ltd
Priority to JP2013005665A priority Critical patent/JP2014137456A/ja
Priority to EP13196953.7A priority patent/EP2757403A1/en
Priority to US14/132,698 priority patent/US20140198259A1/en
Publication of JP2014137456A publication Critical patent/JP2014137456A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
    • G02B26/101Scanning systems with both horizontal and vertical deflecting means, e.g. raster or XY scanners
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/0816Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements
    • G02B26/0833Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements the reflecting element being a micromechanical device, e.g. a MEMS mirror, DMD
    • G02B26/0858Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements the reflecting element being a micromechanical device, e.g. a MEMS mirror, DMD the reflecting means being moved or deformed by piezoelectric means
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N9/00Details of colour television systems
    • H04N9/12Picture reproducers
    • H04N9/31Projection devices for colour picture display, e.g. using electronic spatial light modulators [ESLM]
    • H04N9/3129Projection devices for colour picture display, e.g. using electronic spatial light modulators [ESLM] scanning a light beam on the display screen
    • H04N9/3135Driving therefor

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Abstract

【課題】表面電荷の流出に起因して電圧降下が生じた状態での電圧値が検出用電極によって検出されてしまうのを抑制することが可能な振動ミラー素子を提供する。
【解決手段】この振動ミラー素子100は、ミラー部1と、圧電体17の上面17aに接触するように形成され、電圧を印加して圧電体17を変形させることによりミラー部1を駆動する際の圧電体17の変形量を検出するための検出用電極19を含む駆動部13a(13b)と、圧電体17の上面17a上に形成された絶縁層20と、絶縁層20の上面20a上に形成されるとともに検出用電極19に接続され、駆動部13a(13b)の外部領域となる支持部60の辺部60a(60b)にまで延びる引き出し用配線21とを備える。
【選択図】図6

Description

この発明は、振動ミラー素子およびプロジェクタ機能を有する電子機器に関し、特に、圧電体の変形量を検出するための検出用電極を含む駆動部を備えた振動ミラー素子およびプロジェクタ機能を有する電子機器に関する。
従来、圧電体の変形量を検出するための検出用電極を含む駆動部を備えた振動ミラー素子が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、略円形状のミラー部と、自由端がミラー部に接続されるとともに固定端が固定枠に接続されたカンチレバー(片持ち梁)状の弾性部とを備えた1軸用の光スキャナ(振動ミラー素子)が開示されている。上記特許文献1に記載の光スキャナでは、弾性部の所定位置に上部電極および下部電極に挟み込まれた状態の圧電体が形成されている。なお、1つの圧電体に対して2組の上部電極および下部電極が設けられており、一方側の上部電極および下部電極間に電圧が印加されて圧電体が駆動される一方、圧電体の変形に伴う電極間の電位差が他方側の上部電極および下部電極を用いて検出されるように構成されている。また、上部電極および下部電極は、弾性部から若干の距離を有して固定枠まで延びており、電源用の外部配線および変位検出用回路からの配線が、固定枠の部分で上部電極および下部電極にそれぞれワイヤボンディングされるように構成されている。
特開2009−163154号公報
上記特許文献1に記載の光スキャナでは、ミラー部を1軸回りに揺動させる構成を意図しているので、変位検出用回路からの配線などを固定枠の部分で上部電極および下部電極に接続することが可能であると考えられる。一方、ミラー部を互いに直交する2軸回りに揺動させる光スキャナ(振動ミラー素子)の場合、素子の中央部に配置されミラー部を第1軸回りに揺動させる第1軸用駆動部の変形量(電位差)を検出する上部および下部電極(検出用電極)については、検出用電極を第1軸用駆動部のみならずミラー部を第2軸回りに揺動させる第2軸用駆動部よりも外側の固定枠領域にまで引き出す必要がある。この場合、検出用電極の引き出し用配線は、パターニングなどによって圧電体上の検出用電極と同じ層に形成されて外部に引き出される。
しかしながら、圧電体(誘電体)を挟んで検出用電極のみならず上下の引き出し用配線の部分も互いに対向する場合、圧電体の変形に伴って検出用電極の部分に帯電した表面電荷が圧電体の影響を受けて引き出し用配線に流出(拡散)しやすくなる。このため、検出用電極においては圧電体の変形に応じた量の表面電荷が発生していても、表面電荷の引き出し用配線への流出に起因して電圧降下が生じた状態の電圧値(電位差)が検出用電極によって検出されてしまうという問題点がある。また、検出用電極が本来検出すべき大きさの電圧値よりも小さい電圧値が実際に検出されるため、圧電体の変形量を精度よく検出することができないという問題点もある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、表面電荷の流出に起因して電圧降下が生じた状態での電圧値が検出用電極によって検出されてしまうのを抑制することが可能な振動ミラー素子およびプロジェクタ機能を有する電子機器を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
この発明の第1の局面による振動ミラー素子は、ミラー部と、圧電体の上面に接触するように形成され、電圧を印加して圧電体を変形させることによりミラー部を駆動する際の圧電体の変形量を検出するための検出用電極を含む駆動部と、圧電体の上面上に形成された絶縁層と、絶縁層の上面上に形成されるとともに検出用電極に接続され、駆動部の外部領域にまで延びる第1引き出し用配線とを備える。
この発明の第1の局面による振動ミラー素子では、上記のように、圧電体の上面上に形成された絶縁層と、絶縁層の上面上に形成されるとともに検出用電極に接続され、駆動部の外部領域にまで延びる第1引き出し用配線とを備えることによって、検出用電極に接続された第1引き出し用配線を、検出用電極が形成された圧電体の上面に接触することなく圧電体から離間した絶縁層の上面に沿わせて駆動部の外部領域に引き出すことができる。これにより、圧電体の変形量(圧電効果によって生じる電圧値)は、第1引き出し用配線の長さに関係なく検出用電極の部分のみを圧電体の上面に接触させた状態で検出用電極を介して検出される。この際、第1引き出し用配線は絶縁層を介して圧電体から離間しているので、検出用電極の部分に生じる表面電荷が第1引き出し用配線の下層側にも配置された圧電体の影響を受けて第1引き出し用配線へ流出(拡散)することが抑制される。この結果、表面電荷の流出に起因して電圧降下が生じた状態での電圧値が検出用電極によって検出されてしまうのを抑制することができる。また、検出用電極の部分で検出された電圧値は電圧降下を極力起こさない状態で検出されるので、圧電体(駆動部)の変形量を精度よく検出することができる。
上記第1の局面による振動ミラー素子において、好ましくは、絶縁層は、圧電体の上面上に検出用電極を覆うように形成されており、第1引き出し用配線は、検出用電極に対応する部分の絶縁層を厚み方向に貫通する孔部を介して検出用電極に接続されている。このように構成すれば、絶縁層を厚み方向に貫通する孔部を介して、絶縁層の上面上に形成され絶縁層の上面に沿って延びる第1引き出し用配線を、絶縁層よりも下層に位置する検出用電極に容易に接続することができる。
上記第1の局面による振動ミラー素子において、好ましくは、駆動部は、駆動時に撓み変形するように構成され、絶縁層は、撓み変形可能な樹脂からなる。このように構成すれば、撓み変形可能な樹脂からなる絶縁層が圧電体の上面上に形成されるので、圧電体を含む駆動部が屈曲変形(撓み変形)した場合であっても絶縁層が駆動部の変形の抵抗になることを抑制することができる。
上記第1の局面による振動ミラー素子において、好ましくは、駆動部は、圧電体の上面に接触するように形成され、電圧を印加して圧電体を撓み変形させてミラー部を駆動するための駆動用電極をさらに含み、絶縁層の上面上に形成されるとともに駆動部の駆動用電極に接続され、駆動部の外部領域にまで延びる第2引き出し用配線をさらに備える。このように構成すれば、駆動用電極に接続された第2引き出し用配線についても、駆動用電極が形成された圧電体の上面に接触することなく圧電体から離間した絶縁層の上面上を延びて駆動部の外部領域に引き出すことができる。すなわち、第1引き出し用配線のみならず第2引き出し用配線も同様に駆動部から遠方の外部領域に引き出されるので、振動ミラー素子では行いにくいリード線(外部配線)のワイヤボンディングを駆動部近傍の位置において行わなくてもよい。したがって、ワイヤボンディングに起因して駆動部が損傷するのを確実に回避することができる。
上記第1の局面による振動ミラー素子において、好ましくは、絶縁層は、圧電体の上面の検出用電極を含む一部の領域を覆うように形成されている。このように構成すれば、圧電体の全表面(上面)のうちの検出用電極が形成された一部の領域にのみ絶縁層が形成されるので、その分、絶縁層が有する応力は圧電体の撓み変形に大きく影響しない。これにより、圧電体の変形力が絶縁層の応力に起因して減少するのを効果的に抑制することができる。
上記第1の局面による振動ミラー素子において、好ましくは、検出用電極は、所定の方向に延びる細長い形状を有し、第1引き出し用配線の配線長さは、検出用電極の長手方向の長さよりも大きい。このように、検出用電極から検出用電極の長手方向の長さよりも大きい(長い)配線距離に亘って引き出された第1引き出し用配線を介して圧電体の変形量(圧電効果によって生じる電圧値)を検出する場合においても、第1引き出し用配線が圧電体から離間した絶縁層の上面に沿って延びるので、配線距離の長い(配線面積の大きい)第1引き出し用配線に対して検出用電極の部分に生じる表面電荷の流出は抑制される。したがって、配線距離の長い第1引き出し用配線を用いても、検出用電極の部分で検出された電圧値を、電圧降下を極力起こさない状態で検出することができるとともに、圧電体(駆動部)の変形量を精度よく検出することができる。
上記第1の局面による振動ミラー素子において、好ましくは、駆動部は、ミラー部を第1軸線回りに駆動する第1駆動部と、ミラー部を第1軸線と略直交する第2軸線回りに駆動する第2駆動部とを含み、絶縁層は、第1駆動部と第2駆動部とに亘って圧電体の上面上に形成されており、第1引き出し用配線は、第1駆動部の検出用電極から引き出されるとともに第1駆動部に対応する絶縁層の上面上と第2駆動部に対応する絶縁層の上面上とをこの順に引き回されて第2駆動部の外部領域まで引き出されている。このように構成すれば、第1引き出し用配線が第2駆動部を介して外部領域に引き出される場合であっても、第1駆動部の部分と同様に第1引き出し用配線と第2駆動部の圧電体との間にも絶縁層が挟まれているので、第1駆動部の検出用電極の部分に生じる表面電荷が第2駆動部の圧電体の影響を受けて第1引き出し用配線へ流出(拡散)することが抑制される。したがって、第1駆動部と第2駆動部とによってミラー部を2軸(第1軸線および第2軸線)回りに揺動させる振動ミラー素子においても、表面電荷の流出に起因して電圧降下が生じた状態での電圧値が検出用電極によって検出されてしまうのを有効に抑制することができる。
この発明の第2の局面によるプロジェクタ機能を有する電子機器は、レーザ光を発するレーザ光発生部と、入力された映像を解析して、画素情報を認識する制御部と、レーザ光を走査する振動ミラー素子とを備え、振動ミラー素子は、ミラー部と、圧電体の上面に接触するように形成され、電圧を印加して圧電体を変形させることによりミラー部を駆動する際に圧電体の変形量を検出するための検出用電極を含む駆動部と、圧電体の上面上に形成された絶縁層と、絶縁層の上面上に形成されるとともに駆動部の検出用電極に接続され、駆動部の外部領域にまで延びる引き出し用配線とを含む。
この発明の第2の局面によるプロジェクタ機能を有する電子機器では、上記のように、振動ミラー素子が、圧電体の上面上に形成された絶縁層と、絶縁層の上面上に形成されるとともに検出用電極に接続され、駆動部の外部領域にまで延びる引き出し用配線とを含むことによって、検出用電極に接続された引き出し用配線を、検出用電極が形成された圧電体の上面に接触することなく圧電体から離間した絶縁層の上面に沿わせて駆動部の外部領域に引き出すことができる。これにより、圧電体の変形量(圧電効果によって生じる電圧値)は、引き出し用配線の長さに関係なく検出用電極の部分のみを圧電体の上面に接触させた状態で検出用電極を介して検出される。この際、引き出し用配線は絶縁層を介して圧電体から離間しているので、検出用電極の部分に生じる表面電荷が引き出し用配線の下層側にも配置された圧電体の影響を受けて引き出し用配線へ流出(拡散)することが抑制される。この結果、振動ミラー素子においては、表面電荷の流出に起因して電圧降下が生じた状態での電圧値が検出用電極によって検出されてしまうのを抑制することができる。また、検出用電極の部分で検出された電圧値は電圧降下を極力起こさない状態で検出されるので、圧電体(駆動部)の変形量を精度よく検出することができる。したがって、圧電体の変形量が精度よく検出された状況下で振動ミラー素子が駆動制御されるので、プロジェクタ機能を有する電子機器においては、レーザ光が正確に走査された状態の映像を投影することができる。
本発明によれば、上記のように、表面電荷の流出に起因して電圧降下が生じた状態での電圧値が検出用電極によって検出されてしまうのを抑制することができる。
本発明の一実施形態による振動ミラー素子の全体構成を示した上面図である。 図1に示した振動ミラー素子における水平駆動部の部分を拡大した上面図である。 図2に示した水平駆動部において引き出し用配線および絶縁層を取り除いた状態を示した図である。 図3に示した構成に対して貫通孔を有する絶縁層を形成した状態での水平駆動部の構造を示した図である。 図2における500−500線に沿った断面図である。 図2における510−510線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態による振動ミラー素子が組み込まれた携帯型プロジェクタのブロック図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図7を参照して、本発明の一実施形態による振動ミラー素子100および携帯型プロジェクタ160の構成について説明する。なお、以下では、まず、振動ミラー素子100(図1参照)の構成について説明し、その後、振動ミラー素子100を用いて携帯型プロジェクタ160(図7参照)を構成した例について説明する。なお、携帯型プロジェクタ160は、本発明の「プロジェクタ機能を有する電子機器」の一例である。
本発明の一実施形態による振動ミラー素子100は、図1に示すように、外形が略円形状に形成されるとともに光を反射するミラー部1と、ミラー部1を軸線200(Y軸)回りに揺動させる水平駆動ユニット10と、ミラー部1を含む水平駆動ユニット10全体を軸線300(X軸)回りに揺動させる一対の垂直駆動ユニット51および52とを備えている。ここで、水平駆動ユニット10は、ミラー部1による反射光を図示しないスクリーンなどの表示領域における横方向(水平方向)に走査させる役割を担う。また、垂直駆動ユニット51および52は、水平方向に走査される反射光を水平方向一走査毎に縦方向(垂直方向)に順次移動させる役割を担う。なお、水平駆動ユニット10は、本発明の「第1駆動部」の一例であり、垂直駆動ユニット51および52は、本発明の「第2駆動部」の一例である。また、軸線200および軸線300は、それぞれ、本発明の「第1軸線」および「第2軸線」の一例である。
また、振動ミラー素子100は、水平駆動ユニット10全体を揺動可能に支持する支持部30と、垂直駆動ユニット51および52をX−Y平面内で揺動可能に支持する支持部60とをさらに備えている。また、ミラー部1を含む水平駆動ユニット10と、垂直駆動ユニット51および52とは、後述するSi(Si基板)からなる基部15により一体的な構造を有して形成されている。
また、支持部30は、図1に示すように、水平駆動ユニット10の外周部を4辺で取り囲む枠体形状を有している。そして、支持部30は、軸線300に沿って一方側(X1側)の辺部30aが垂直駆動ユニット51に接続されるとともに、他方側(X2側)の辺部30bが垂直駆動ユニット52に接続されている。また、支持部30の内側に配置された水平駆動ユニット10は、軸線300上に形成された後述する接続部31aおよび31bを介して支持部30の辺部30aおよび30bにそれぞれ接続されている。
また、支持部60は、軸線300に沿ってX1側からX2側に向かって垂直駆動ユニット51、支持部30(水平駆動ユニット10)および垂直駆動ユニット52の順に配置された領域の外周部を4辺で取り囲む枠体形状を有している。そして、垂直駆動ユニット51の端部51aは、支持部60の軸線200に沿った一方側(Y1側)の辺部60aに接続されるとともに、垂直駆動ユニット52の端部52aは、支持部60の軸線200に沿った他方側(Y2側)の辺部60bに接続されている。
これにより、振動ミラー素子100では、水平駆動ユニット10を所定の駆動パターンで駆動(揺動)させるとともに、垂直駆動ユニット51および52を所定のパターンで駆動させることにより、ミラー部1が中心点Pを中心としてX−Y平面に対して自在に傾斜されるように構成されている。そして、このミラー部1の傾斜により、光源部130(図7参照)から出射されミラー部1により反射された反射光が2軸方向(X軸方向およびY軸方向)に走査されるように構成されている。なお、水平駆動ユニット10、垂直駆動ユニット51および垂直駆動ユニット52には、誘電体(強誘電体)であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電体17がそれぞれ組み込まれており、所定のパターンに制御された電圧を圧電体17に印加することによって各駆動部の圧電体17が屈曲変形するとともにミラー部1のX−Y平面に対する傾きが制御されている。
また、水平駆動ユニット10は、図2に示すように、軸線200(Y軸)上でミラー部1を揺動可能に連結するトーションバー11aおよび11bと、トーションバー11aおよび11bの各々に接続される撓み変形可能な平行バー12a(Y1側)および平行バー12b(Y2側)と、平行バー12aおよび12bの両端部(X1側およびX2側)にそれぞれ接続される駆動部13aおよび13bとを含んでいる。ここで、駆動部13aと駆動部13bとは、軸線200を対称軸として略対称な形状および構造を有している。また、駆動部13aおよび13bは、圧電体17(図5参照)に電圧が印加されることによって各々が撓み変形するように構成されている。なお、図5に示すように、圧電体17は、膜厚方向(Z方向)に分極されており、電圧が印加されると極性に応じて上面17a側または下面17b側がY方向に伸縮変形を起こす圧電素子である。すなわち、圧電体17は、圧電体17に印加される電圧の極性(正負)を制御することによって、上面17a側が下面17b側に対して収縮したり反対に下面17b側が上面17a側に対して収縮したりする性質を有している。なお、駆動部13aおよび13bは、本発明の「第1駆動部」の一例である。
したがって、駆動部13aの圧電体17および駆動部13bの圧電体17に各々電圧が印加されて駆動部13aおよび13bが所定のパターンで駆動(変形)した場合に、その変位が駆動部13aおよび13bを繋ぐ平行バー12aおよび12bに伝えられ、さらにトーションバー11aおよび11bを軸線200回りにねじり変形させることにより、ミラー部1が支持部30に対して相対的に軸線200を回動軸としてA1方向およびA2方向に揺動されるように構成されている。この際、ミラー部1は、共振作用によって平行バー12aおよび12bの傾斜角度以上の傾斜角度を有してA1方向およびA2方向に傾斜しながら揺動される。また、駆動部13aは軸線300上において固定端となる接続部31aを介して支持部30の辺部30a(X1側)に接続されるとともに、駆動部13bは軸線300上において固定端となる接続部31bを介して支持部30の辺部30b(X2側)に接続されている。
また、図1に示すように、水平駆動ユニット10のX1側に配置された垂直駆動ユニット51は、固定端となる端部51aが支持部60の辺部60a(Y1側)に接続されるとともに端部51bが支持部30の接続部31aに接続される駆動部51cを含んでいる。また、駆動部51cは、各々がY方向に直線状に延びる5つの変形部51dを有しており、各々の変形部51dは、長手方向の端部領域(Y1側またはY2側)において互いに接続された構造を有している。したがって、駆動部51cは、全体として、支持部60の辺部60aに接続される端部51aを起点として、5つの変形部51dが順次接続された状態でX−Y平面内をY方向に沿って往復蛇行しながら延びるとともに、端部51bが支持部30の接続部31aに接続されている。なお、図示はしないが、各々の変形部51dには圧電体17が設けられている。したがって、駆動部51c(垂直駆動ユニット51)においては、所定のパターンに制御された電圧が各々の圧電体17に印加されることにより、5つの変形部51dが互いに独立して変形(駆動)されるように構成されている。なお、駆動部51cは、本発明の「第2駆動部」の一例である。
また、水平駆動ユニット10のX2側に配置された垂直駆動ユニット52は、固定端となる端部52aが支持部60の辺部60bに接続されるとともに端部52bが支持部30の接続部31bに接続される駆動部52cを含んでいる。この駆動部52cについても駆動部51cと同様の構造を有している。すなわち、駆動部52cについても5つの変形部52dが順次接続された状態でX−Y平面内をY方向に沿って往復蛇行した形状を有している。また、駆動部52c(垂直駆動ユニット52)においても、所定のパターンに制御された電圧が各々の圧電体17に印加されることにより、5つの変形部52dが互いに独立して変形(駆動)されるように構成されている。なお、駆動部52cは、本発明の「第2駆動部」の一例である。
また、図1に示すように、垂直駆動ユニット51と垂直駆動ユニット52とは、互いに、ミラー部1の中心点Pを中心として略点対称形状を有している。すなわち、垂直駆動ユニット51の駆動部51cは、ミラー部1の中心Rを中心として180度回転されることによって、垂直駆動ユニット52の駆動部52cと略重なる関係にある。
そして、駆動部51cおよび52cは、個々の圧電体17(図5参照)に電圧が印加されることによって各々が撓み変形するように構成されている。これにより、駆動部51cおよび52cが所定のパターンで駆動(変形)された場合に、その変位が支持部30に伝えられて支持部30が軸線300回りに揺動される。これにより、ミラー部1は、支持部60(X−Y平面)に対して相対的に軸線300を回動軸としてB1方向およびB2方向に揺動されるように構成されている。
なお、水平駆動ユニット10は、約30kHzの周波数で駆動され、ミラー部1とトーションバー11aおよび11bとを共振させるように構成されている。一方、垂直駆動部50は、約60Hzの周波数で駆動され、ミラー部1とトーションバー11aおよび11bとを共振させないように構成されている。また、支持部60は、駆動部51cおよび52cに電圧が印加された場合でも変形しないように構成されている。
次に、圧電体17が組み込まれた駆動部の詳細な構造について説明する。以下では、水平駆動ユニット10を例にとって駆動部13a(13b)の断面構造について説明する。
具体的には、図5および図6に示すように、水平駆動ユニット10における一方側の駆動部13aは、基部15と、基部15の上面(Z1側)上に形成された下部電極16と、下部電極16の上面(Z1側)上に形成された圧電体17と、圧電体17の上面17a(Z1側)上に形成された駆動用電極18(図5参照)と、上面17a(Z1側)上の駆動用電極18とは別な領域に形成された検出用電極19とを含んでいる。ここで、基部15は、Si基板からなり、約10μm以上約100μm以下の厚み(Z方向)を有する。また、下部電極16は、PtまたはCr−Au合金からなり、約0.01μm以上約0.5μm以下の厚み(Z方向)を有する。また、PZTからなる圧電体17は、約1μm以上約5μm以下の厚み(Z方向)を有する。また、駆動用電極18および検出用電極19は、PtまたはCr−Au合金からなり、共に、約0.01μm以上約0.5μm以下の厚み(Z方向)を有する。
また、駆動用電極18(図5参照)は、圧電体17の上面17aに接触するように形成され、下部電極16との間に電圧を印加して圧電体17を変形させるために設けられている。一方、検出用電極19(図6参照)は、圧電体17の上面17aに接触するように形成され、ミラー部1を駆動する際の圧電体17の変形に伴う下部電極16との間の電位差(電圧)を検出するために設けられている。
ここで、本実施形態では、図5に示すように、駆動部13aには、圧電体17の上面17a上に絶縁層20が形成されている。詳細に説明すると、絶縁層20は、撓み変形が可能で、かつ、誘電率が比較的小さいポリイミド樹脂からなる。また、絶縁層20は、約1μm以上約30μm以下の厚みを有しており、スピンコートによって圧電体17の上面17a上に塗布されることで形成される。また、絶縁層20は、圧電体17の駆動用電極18および検出用電極19が形成されていない上面17aと、駆動用電極18および検出用電極19の上面とを覆うように形成されている。そして、駆動部13aには、絶縁層20の上面20a上に配置されるとともに検出用電極19に接続される引き出し用配線21が形成されている。引き出し用配線21は、検出用電極19と同様にPtまたはCr−Au合金からなり、約0.01μm以上約0.5μm以下の厚みを有している。なお、引き出し用配線21は、本発明の「第1引き出し用配線」の一例である。
また、本実施形態では、絶縁層20は、圧電体17の上面17a上に検出用電極19を覆うように形成されており、引き出し用配線21は、検出用電極19に対応する部分の絶縁層20を厚み方向に貫通する貫通孔20bを介して検出用電極19に接続されている。このような貫通孔20bは、圧電体17の上面17a上に塗布されて形成された絶縁層20に対してフォトリソフグラフィを用いて検出用電極19を覆う部分に形成される。また、貫通孔20bは、上面20a側の開口面積(開口直径)よりも検出用電極19との境界部20c(接触部)における開口面積(開口直径)が小さくなるようなテーパ状の内側面20dを有している。これは、露光によって貫通孔20bが形成された後にキュア(焼成)された絶縁層20が上面20a側で若干収縮することによって上面20a側の開口が境界部20c側の開口よりも広がるので、結果として内側面20dが滑らかなスロープ(傾斜)形状に形成されるためである。また、引き出し用配線21については、絶縁層20上に配線パターンがスパッタリングなどを用いて形成される。この際、金属材料が貫通孔20b内に堆積(積層)されることによって、引き出し用配線21が検出用電極19に接続される。なお、貫通孔20bは、本発明の「孔部」の一例である。
また、本実施形態では、図5に示すように、駆動部13aには、絶縁層20の上面20a上に配置されるとともに貫通孔20bを介して駆動用電極18に接続される引き出し用配線22が引き出し用配線21とは別に形成されている。また、引き出し用配線22は、駆動用電極18と同様にPtまたはCr−Au合金からなり、約0.01μm以上約0.5μm以下の厚みを有する。なお、引き出し用配線22は、本発明の「第2引き出し用配線」の一例である。
ここで、駆動部13a(図2参照)の層構造を平面的に見た場合、まず、図3に示すように、圧電体17の平面形状(上面17aの形状)の殆どの部分を覆うようにして駆動用電極18が形成されている。そして、一部が屈曲する隙間部23を隔てて駆動用電極18が形成されていない圧電体17の上面17a上に細長い形状を有する検出用電極19が形成されている。なお、図3においては、圧電体17は、隙間部23のみから露出している。また、圧電体17の奥側(紙面奥側)には圧電体17の平面形状と同一の平面形状を有するように形成された下部電極16(図5参照)および基部15(図5参照)がこの順に形成されている。
そして、図4に示すように、駆動部13aの所定領域を覆うようにして絶縁層20が形成されている。この場合、本実施形態では、絶縁層20は、圧電体17の上面17aの検出用電極19が形成された一部の領域と、圧電体17の上面17aの駆動用電極18が形成された一部の領域とを共に覆うとともに、軸線300上に形成された接続部31a(X1側)から駆動部13aの外側の支持部30の辺部30a(X1側)を横断して垂直駆動ユニット51(駆動部51c)の端部51bにまで延びるように形成されている。なお、図4では駆動部51cの端部51bまでの構造しか図示されていないが、図1に示すように、絶縁層20は、駆動部51cの端部51bからさらに5つの変形部51d上(紙面手前側)を順次経由して駆動部51cの端部51aと支持部60の辺部60aとの接続領域にまで延びるように形成されている。
また、絶縁層20には、検出用電極19に対応する部分の絶縁層20を厚み方向に貫通する上述の貫通孔20bが形成されるとともに、駆動用電極18に対応する部分の絶縁層20を厚み方向に貫通する貫通孔20e(図5参照)が形成されている。ここで、貫通孔20bのY2側に隣接する貫通孔20eも貫通孔20bと同様の方法で形成される。したがって、図4に示すように、貫通孔20bの内側には駆動用電極18の上面が露出するとともに、貫通孔20eの内側には検出用電極19の上面が露出している。そして、図2に示すように、上述した引き出し用配線21が、貫通孔20bを介して検出用電極19に接続されるとともに、引き出し用配線22が、貫通孔20eを介して駆動用電極18に接続されている。
また、本実施形態では、図1に示すように、引き出し用配線21は、駆動部13aの検出用電極19に接続されるとともに検出用電極19から引き出されて垂直駆動ユニット51(X1側)を構成する駆動部51c(圧電体17)の上面上に形成された絶縁層20の上面20a上を経由して支持部60の辺部60aにまで延びて引き出されている。すなわち、引き出し用配線21は、駆動部13aの部分から接続部31aを介して支持部30の辺部30aを横断し、絶縁層20に沿って駆動部51cとともに往復蛇行しながら支持部60の辺部60aに達するように連続的に形成されている。したがって、引き出し用配線21の配線長さ(総延長距離)は、検出用電極19の長手方向(Y方向)の長さよりも大きい。なお、支持部60の辺部60aは、本発明の「外部領域」の一例である。
また、引き出し用配線22の構造ついても引き出し用配線21と同様であり、引き出し用配線22は、駆動部13aの検出用電極19に接続されるとともに駆動用電極18から引き出されて垂直駆動ユニット51の圧電体17の上面上に形成された絶縁層20の上面20a上を経由して支持部60の辺部60aにまで延びて引き出されている。すなわち、引き出し用配線22も、駆動部13aの部分から接続部31aを介して支持部30の辺部30aを横断し、絶縁層20に沿って駆動部51cとともに往復蛇行しながら支持部60の辺部60aに達するように連続的に形成されている。なお、引き出し用配線21および22には、ぞれぞれ、ワイヤボンド部21aおよび22aが形成されている。また、ワイヤボンド部21aおよび22aには、図示しない変位検出部のリード線(電気配線)が接続可能であるように構成されている。
なお、上記では駆動部13aの断面構造について説明したが、水平駆動ユニット10を構成する駆動部13b(図2参照)についても駆動部13aと同様に構成されている。したがって、振動ミラー素子100においては、引き出し用配線21および22が絶縁層20の上面20a上を並進するようにして駆動部13aおよび13bの各々から引き出された後、垂直駆動ユニット51および52上の各々の絶縁層20の上面20aに沿って支持部60の辺部60aおよび60bまで延びるように構成されている。なお、支持部60の辺部60bは、本発明の「外部領域」の一例である。
また、詳細な断面構造については図示を省略しているが、図1に示すように、垂直駆動ユニット51の駆動部51c(X1側)を構成している5つの変形部51d、および、垂直駆動ユニット52の駆動部52c(X2側)を構成している5つの変形部52dの各々についても、水平駆動ユニット10を構成する駆動部13aおよび13bの断面構造と略同様の断面構造を有するように構成されている。すなわち、変形部51dには、基部15の上面上に下部電極16、圧電体17、駆動用電極18および検出用電極19が図5に示した積層構造を有して形成されている。そして、圧電体17の上面17a上に形成された絶縁層20を挟んで変形部51d用の駆動用電極18および検出用電極19からの引き出し用配線(図示せず)が形成されている。振動ミラー素子100においては、全ての変形部51dおよび52dがこのような断面構造を有しており、駆動用電極18および検出用電極19からの引き出し用配線は、絶縁層20の上面20a上を経由して支持部60にまで延びて引き出されるように構成されている。
また、本実施形態では、振動ミラー素子100は、携帯型プロジェクタ160に組み込まれるように構成されている。具体的には、図7に示すように、携帯型プロジェクタ160は、レーザ光を走査する振動ミラー素子100と、端子部110を介して外部から入力された映像を解析して、画素情報を認識する制御部120と、光源部130として、赤色レーザ光を出射する赤色LD(レーザダイオード)部131と、青色レーザ光を出射する青色LD部132と、緑色レーザ光を出射する緑色LD部133と、制御部120において認識された画素情報に基づいて、赤色LD部131、青色LD部132および緑色LD部133の発するレーザ光の階調を制御するレーザ光制御部140と、駆動中の振動ミラー素子100における各駆動部の変位を検出するための変位検出部150とを備えている。なお、赤色LD部131、青色LD部132および緑色LD部133は、本発明の「レーザ光発生部」の一例である。
したがって、携帯型プロジェクタ160の動作時においては、ミラー部1が2軸回り(X軸およびY軸回り)に揺動する際の各駆動部(駆動部13a、駆動部13b、駆動部51cおよび駆動部52c)における圧電体17の変形量が変位検出部150により検出されながら振動ミラー素子100(図1参照)の動作制御が行われて、携帯型プロジェクタ160から図示しないスクリーンなどの表示領域に対してレーザ光が2次元的に走査される。この際、各駆動部からの引き出し用配線(駆動部13aおよび駆動部13bにおいては引き出し用配線21(図1参照))は、圧電体17から離間した絶縁層20の上面20aに沿って配置されているので、検出用電極19(図5参照)の部分に生じる表面電荷が引き出し用配線21へ流出(拡散)することが大幅に抑制される。これにより、検出用電極19の部分で検出された電圧値が電圧降下を起こすことなく変位検出部150において検出されるので、各駆動部(駆動部13a、駆動部13b、駆動部51cおよび駆動部52c)における圧電体17の変形量が精度よく検出された状態で振動ミラー素子100の動作制御に反映される。
本実施形態では、上記のように、圧電体17の上面17a上に形成された絶縁層20と、絶縁層20の上面20a上に形成されるとともに検出用電極19に接続され、駆動部13aおよび13bの外部領域(支持部60の辺部60aおよび60b)にまで延びる引き出し用配線21とを備えることによって、検出用電極19に接続された引き出し用配線21を、検出用電極19が形成された圧電体17の上面17aに接触することなく圧電体17から離間した絶縁層20の上面20aに沿わせて駆動部13aおよび13bの外部領域に引き出すことができる。これにより、圧電体17の変形量(圧電効果によって生じる電圧値)は、引き出し用配線21の長さに関係なく検出用電極19の部分のみを圧電体17の上面17aに接触させた状態で検出用電極19を介して検出される。この際、引き出し用配線21は絶縁層20を介して圧電体17から離間しているので、検出用電極19の部分に生じる表面電荷が引き出し用配線21の下層側(Z2側)にも配置された圧電体17の影響を受けて引き出し用配線21へ流出(拡散)することが抑制される。この結果、表面電荷の流出に起因して電圧降下が生じた状態での電圧値が検出用電極19によって検出されてしまうのを抑制することができる。また、検出用電極19の部分で検出された電圧値は電圧降下を極力起こさない状態で検出されるので、駆動部13aにおける圧電体17および駆動部13bにおける圧電体17の各々の変形量を精度よく検出することができる。
また、本実施形態では、絶縁層20は、圧電体17の上面17a上に検出用電極19を覆うように形成されており、引き出し用配線21は、検出用電極19に対応する部分の絶縁層20を厚み方向に貫通する貫通孔20bを介して検出用電極19に接続されている。これにより、絶縁層20に設けられた貫通孔20bを介して、絶縁層20の上面20a上に形成され上面20aに沿って延びる引き出し用配線21を、絶縁層20よりも下層に位置する検出用電極19に容易に接続することができる。
また、本実施形態では、駆動部13aおよび13bは、駆動時に撓み変形するように構成されており、絶縁層20は、撓み変形可能な樹脂からなる。これにより、撓み変形可能な樹脂からなる絶縁層20が駆動部13aおよび13bの各々の圧電体17の上面17a上に形成されるので、圧電体17が屈曲変形(撓み変形)した場合であっても絶縁層20が駆動部13aおよび13bの各々の変形の抵抗になることを抑制することができる。また、樹脂として誘電率の比較的小さいポリイミド樹脂を用いることによって、引き出し用配線21がポリイミド樹脂よりも下層の圧電体17の表面電荷の影響を受けるのをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、駆動部13a(13b)は、圧電体17の上面17aに接触するように形成されるとともに電圧を印加して圧電体17を撓み変形させてミラー部1を駆動するための駆動用電極18を含む。そして、振動ミラー素子100では、絶縁層20の上面20a上に形成されるとともに駆動部13a(13b)の駆動用電極18に接続され、駆動部13a(13b)の外部領域(辺部60aおよび60b)にまで延びる引き出し用配線22をさらに備える。これにより、駆動用電極18に接続された引き出し用配線22についても、駆動用電極18が形成された圧電体17の上面17aに接触することなく圧電体17から離間した絶縁層20の上面20a上を延びて外部領域(支持部60の辺部60aおよび60b)に引き出すことができる。すなわち、引き出し用配線21のみならず引き出し用配線22も同様に駆動部13a(13b)から遠方の外部領域に引き出されるので、振動ミラー素子100では行いにくいリード線(外部配線)のワイヤボンディングを駆動部13a(13b)近傍の位置において行わなくてもよい。したがって、ワイヤボンディングに起因して水平駆動ユニット10(駆動部13aおよび13b)が損傷するのを確実に回避することができる。
また、本実施形態では、絶縁層20は、圧電体17の上面17aの検出用電極19の部分を含む一部の領域を覆うように形成されている。これにより、圧電体17の全表面(上面17a)のうちの検出用電極19が形成された一部の領域にのみ絶縁層20が形成されるので、その分、絶縁層20が有する応力は圧電体17の撓み変形に大きく影響しない。これにより、圧電体17の変形力が絶縁層20の応力に起因して減少するのを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、検出用電極19は、所定の方向(Y方向)に延びる細長い形状を有し、引き出し用配線21の配線長さ(総延長距離)は、検出用電極19の長手方向(Y方向)の長さよりも大きい。このように、検出用電極19から検出用電極19の長手方向の長さよりも大きい(長い)配線距離に亘って引き出された引き出し用配線21を介して圧電体17(駆動部13aおよび13b)の変形量を検出する場合においても、引き出し用配線21が圧電体17から離間した絶縁層20の上面20aに沿って延びるので、配線距離の長い(配線面積の大きい)引き出し用配線21に対して検出用電極19の部分に生じる表面電荷の流出は大幅に抑制される。したがって、配線距離の長い引き出し用配線21を用いても、検出用電極19の部分で検出された電圧値を、電圧降下を極力起こさない状態で容易に検出することができるとともに、圧電体17(駆動部13aおよび13b)の変形量を精度よく検出することができる。
また、本実施形態では、ミラー部1を軸線200回りに駆動する水平駆動ユニット10と、ミラー部1を軸線200と略直交する軸線300回りに駆動する垂直駆動ユニット51および52とを含み、引き出し用配線21は、水平駆動ユニット10の検出用電極19に接続されるとともに検出用電極19から引き出されて垂直駆動ユニット51および52の圧電体17の上面上に形成された絶縁層20の上面上を経由して外部に引き出されている。これにより、引き出し用配線21が垂直駆動ユニット51および52を介して外部に引き出される場合であっても、引き出し用配線21と垂直駆動ユニット51および52の圧電体17との間にも絶縁層20が挟まれているので、水平駆動ユニット10の検出用電極19の部分に生じる表面電荷が垂直駆動ユニット51および52の圧電体(誘電体)の影響を受けて引き出し用配線21へ流出(拡散)することが大幅に抑制される。したがって、水平駆動ユニット10と垂直駆動ユニット51および52とによってミラー部1を2軸(軸線200および軸線300)回りに揺動させる振動ミラー素子100においても、表面電荷の流出に起因して電圧降下が生じた状態での電圧値が検出用電極によって検出されてしまうのを有効に抑制することができる。
また、本実施形態では、振動ミラー素子100を携帯型プロジェクタ160に適用することによって、圧電体17の変形量が精度よく検出された状況下で振動ミラー素子100が制御部120により駆動制御されるので、光源部130からのレーザ光が正確に走査された状態の映像をスクリーンなどの表示領域に投影することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、ポリイミド樹脂を用いて絶縁層20を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、誘電率が小さく、かつ、撓み変形が可能な樹脂であれば、たとえば、ウレタン樹脂などを用いて絶縁層20を形成してもよい。
また、上記実施形態では、Si基板により基部15を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ステンレス材などの金属材料を用いて基部15を構成してもよい。
また、上記実施形態では、PtまたはCr−Au合金を用いて検出用電極19を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上記以外に、たとえば、Al、CuまたはAuなどの導電性を有する金属材料を用いて検出用電極19を構成してもよい。
また、上記実施形態では、検出用電極19と同様にPtまたはCr−Au合金を用いて引き出し用配線21を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上記以外に、たとえば、Al、CuまたはAuなどの導電性を有する金属材料を用いて引き出し用配線21を構成してもよい。
また、上記実施形態では、圧電体17がチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、PZT以外の鉛、チタンおよびジルコニウムを主成分とした酸化物からなる圧電材料や、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ジルコン酸ランタン酸鉛((Pb、La)(Zr、Ti)O)、ニオブ酸カリウム(KNbO)、ニオブ酸ナトリウム(NaNbO)などの圧電材料を用いて圧電体17を構成してもよい。
また、上記実施形態では、圧電体17の下面17b上に配置された下部電極16を駆動部13a(13b)の略全面に形成するとともに、圧電体17の上面17a上に配置された電極を、駆動用電極18と検出用電極19とに分割した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、圧電体17の上面17a上に配置された電極を駆動部13a(13b)の略全面に形成するとともに、圧電体17の下面17b上に配置された電極を、駆動用電極18と検出用電極19とに分割してもよい。
また、上記実施形態では、振動ミラー素子100が、水平駆動ユニット10および垂直駆動ユニット51(52)を含むことによって、2次元(X−Y平面)に光を走査するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、水平駆動ユニット10のみからなり垂直駆動ユニット51(52)を有しない構成にすることによって、振動ミラー素子を1次元にのみ光を走査するように構成してもよい。
1 ミラー部
10 水平駆動ユニット(第1駆動部)
13a、13b 駆動部(第1駆動部)
17 圧電体
17a 上面
18 駆動用電極
19 検出用電極
20 絶縁層
20a 上面
20b 貫通孔(孔部)
21 引き出し用配線(第1引き出し用配線、引き出し用配線)
22 引き出し用配線(第2引き出し用配線、引き出し用配線)
51、52 垂直駆動ユニット(第2駆動部)
51c、52c 駆動部(第2駆動部)
60a、60b 辺部(外部領域)
100 振動ミラー素子
120 制御部
131 赤色LD部(レーザ光発生部)
132 青色LD部(レーザ光発生部)
133 緑色LD部(レーザ光発生部)
160 携帯型プロジェクタ(プロジェクタ機能を有する電子機器)
200 軸線(第1軸線)
300 軸線(第2軸線)

Claims (8)

  1. ミラー部と、
    圧電体の上面に接触するように形成され、電圧を印加して前記圧電体を変形させることにより前記ミラー部を駆動する際の前記圧電体の変形量を検出するための検出用電極を含む駆動部と、
    前記圧電体の上面上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層の上面上に形成されるとともに前記検出用電極に接続され、前記駆動部の外部領域にまで延びる第1引き出し用配線とを備える、振動ミラー素子。
  2. 前記絶縁層は、前記圧電体の上面上に前記検出用電極を覆うように形成されており、
    前記第1引き出し用配線は、前記検出用電極に対応する部分の前記絶縁層を厚み方向に貫通する孔部を介して前記検出用電極に接続されている、請求項1に記載の振動ミラー素子。
  3. 前記駆動部は、駆動時に撓み変形するように構成され、
    前記絶縁層は、撓み変形可能な樹脂からなる、請求項1または2に記載の振動ミラー素子。
  4. 前記駆動部は、前記圧電体の上面に接触するように形成され、電圧を印加して前記圧電体を撓み変形させて前記ミラー部を駆動するための駆動用電極をさらに含み、
    前記絶縁層の上面上に形成されるとともに前記駆動部の前記駆動用電極に接続され、前記駆動部の前記外部領域にまで延びる第2引き出し用配線をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の振動ミラー素子。
  5. 前記絶縁層は、前記圧電体の上面の前記検出用電極を含む一部の領域を覆うように形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動ミラー素子。
  6. 前記検出用電極は、所定の方向に延びる細長い形状を有し、
    前記第1引き出し用配線の配線長さは、前記検出用電極の長手方向の長さよりも大きい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の振動ミラー素子。
  7. 前記駆動部は、前記ミラー部を第1軸線回りに揺動する第1駆動部と、前記ミラー部を前記第1軸線と略直交する第2軸線回りに揺動する第2駆動部とを含み、
    前記絶縁層は、前記第1駆動部と前記第2駆動部とに亘って前記圧電体の上面上に形成されており、
    前記第1引き出し用配線は、前記第1駆動部の前記検出用電極から引き出されるとともに前記第1駆動部に対応する前記絶縁層の上面上と前記第2駆動部に対応する前記絶縁層の上面上とをこの順に引き回されて前記第2駆動部の外部領域まで引き出されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の振動ミラー素子。
  8. レーザ光を発するレーザ光発生部と、
    入力された映像を解析して、画素情報を認識する制御部と、
    前記レーザ光を走査する振動ミラー素子とを備え、
    前記振動ミラー素子は、
    ミラー部と、
    圧電体の上面に接触するように形成され、電圧を印加して前記圧電体を変形させることにより前記ミラー部を駆動する際の前記圧電体の変形量を検出するための検出用電極を含む駆動部と、
    前記圧電体の上面上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層の上面上に形成されるとともに前記駆動部の前記検出用電極に接続され、前記駆動部の外部領域にまで延びる引き出し用配線とを含む、プロジェクタ機能を有する電子機器。
JP2013005665A 2013-01-16 2013-01-16 振動ミラー素子およびプロジェクタ機能を有する電子機器 Pending JP2014137456A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013005665A JP2014137456A (ja) 2013-01-16 2013-01-16 振動ミラー素子およびプロジェクタ機能を有する電子機器
EP13196953.7A EP2757403A1 (en) 2013-01-16 2013-12-12 Vibrating mirror device and electronic device having a projector function
US14/132,698 US20140198259A1 (en) 2013-01-16 2013-12-18 Electronic device having a projector function and a vibrating mirror element

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013005665A JP2014137456A (ja) 2013-01-16 2013-01-16 振動ミラー素子およびプロジェクタ機能を有する電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014137456A true JP2014137456A (ja) 2014-07-28

Family

ID=49766949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013005665A Pending JP2014137456A (ja) 2013-01-16 2013-01-16 振動ミラー素子およびプロジェクタ機能を有する電子機器

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20140198259A1 (ja)
EP (1) EP2757403A1 (ja)
JP (1) JP2014137456A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023063067A1 (ja) * 2021-10-13 2023-04-20 パナソニックIpマネジメント株式会社 駆動素子

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5987510B2 (ja) 2011-10-03 2016-09-07 ミツミ電機株式会社 光走査装置及び光走査制御装置
JP6460406B2 (ja) * 2015-06-09 2019-01-30 第一精工株式会社 可動反射素子及び二次元走査装置
CN109863442B (zh) * 2016-11-09 2022-03-04 第一精工株式会社 可动反射元件

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4744849B2 (ja) * 2004-11-11 2011-08-10 株式会社東芝 半導体装置
JP4926596B2 (ja) * 2006-08-08 2012-05-09 スタンレー電気株式会社 光偏向器及びその製造方法
JP5157459B2 (ja) 2008-01-10 2013-03-06 ブラザー工業株式会社 光スキャナ
JP5293668B2 (ja) * 2010-03-30 2013-09-18 パナソニック株式会社 光学反射素子
JP5531867B2 (ja) * 2010-09-07 2014-06-25 船井電機株式会社 振動ミラー素子
US8614844B2 (en) * 2011-05-17 2013-12-24 Panasonic Corporation Optical scanning apparatus and optical reflection device used therefor
JP5816002B2 (ja) * 2011-06-22 2015-11-17 スタンレー電気株式会社 光偏向器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023063067A1 (ja) * 2021-10-13 2023-04-20 パナソニックIpマネジメント株式会社 駆動素子

Also Published As

Publication number Publication date
EP2757403A1 (en) 2014-07-23
US20140198259A1 (en) 2014-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101242450B1 (ko) 가동 구조체 및 그것을 사용한 마이크로 미러 소자
JP5391600B2 (ja) 振動ミラー素子
JP5990917B2 (ja) Memsデバイスおよびプロジェクタ機能を有する電子機器
US9329384B2 (en) Optical reflecting element and actuator
JP4984117B2 (ja) 2次元光スキャナ、それを用いた光学装置および2次元光スキャナの製造方法
US8416484B2 (en) Vibrating mirror element
US9778549B2 (en) Optical element
JP2014215534A (ja) 光走査装置
JP2009093120A (ja) 光学反射素子
JP2014137456A (ja) 振動ミラー素子およびプロジェクタ機能を有する電子機器
JP2015087443A (ja) 光スキャナー、画像表示装置、ヘッドマウントディスプレイおよびヘッドアップディスプレイ
JP2016151681A (ja) Mems光スキャナ
JP5531867B2 (ja) 振動ミラー素子
JP2013160891A (ja) 振動ミラー素子およびプロジェクタ機能を有する電子機器
JP2009265560A (ja) 光学反射素子
JP2011069954A (ja) 光スキャナ
JP5040558B2 (ja) 圧電変換素子、アクチュエータ、センサー、光走査装置、及び、光走査型表示装置
JP2013160892A (ja) 振動ミラー素子、振動ミラー素子の製造方法およびプロジェクタ機能を有する電子機器
JP2009258339A (ja) 光学反射素子
JP2009098253A (ja) 光学反射素子およびこれを用いた画像投影装置
JP2018054843A (ja) 光走査装置
JP7473774B2 (ja) 圧電アクチュエータ、光走査装置
JP2008086067A (ja) 可動構造体及びそれを備えた光学素子
JP5076526B2 (ja) 光学反射素子
JP6003529B2 (ja) 圧電光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置