JP2014137360A - 吹付け方法及び緩衝材の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吹付け材のリバウンド率の低減を図る吹付け方法を提供する。
【解決手段】
この吹付け方法では、吹付け材をノズル31から噴射し、放射性の廃棄体103の余裕進度処分施設101においてベントナイトを含む締固め土からなる壁体を吹付け工法で構築する。吹付け方法は、所定の吹付け面上で水平に延びる第1の吹付け帯部54を、下から順に互いに一部ずつ重なり合わせて上下方向に略等間隔で複数配列するように形成することで、上下方向に交互に現れる複数の尾根部54aと複数の谷部54cとを有する第1の吹付け部52を吹付け面上に形成する第1の吹付け工程と、第1の吹付け部52の各々の谷部54cを埋めるように、水平に延びる第2の吹付け帯部56を上下方向に複数配列するように形成することで、第2の吹付け部53を第1の吹付け部52上に形成する第2の吹付け工程と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、放射性廃棄物の地層処分施設における壁体を吹付け工法で構築するための吹付け方法、及び放射性廃棄物の地層処分施設における緩衝体を吹付け工法で形成する緩衝材の形成方法に関するものである。
特許文献1には、トンネル壁面に対する吹付け方法が記載されている。この方法には、トンネル長手方向及びトンネル周方向の位置制御が可能とされる吹付け装置を用いる。そして、吹付け装置をトンネル周方向に左右交互に移動させる。このとき、トンネル長手方向における吹付け装置の前進速度を吹付け幅に基づいて制御することにより、均一厚で円滑な仕上がり面を得る。
特許文献2には、トンネル壁面に対する吹付け制御方法が記載されている。この方法には、所定の時間がセットされた吹付け材圧送装置用シーケンサを用いる。所定の時間は、吹付け装置に吹付け材を供給するための吹付け用ホース長さに対応している。また、所定の時間は、吹付け材圧送開始から吹付け材が吐出開始されるまでの時間および/または吹付け材供給停止からホース内の吹付け材が吐出終了するまでの時間である。このシーケンサは、吹付けノズルから吹付け材が吐出されるタイミングに合わせて吹付け装置を移動させる。また、このシーケンサは、吹付け装置の移動停止のタイミングに合わせて吹付けノズルからの吹付け材の吐出を終了させる。
特許文献3には、トンネル掘削機に吹付け設備を取り付けるための構造が記載されている。この構造によれば、移動制御用シリンダユニットを用いて、トンネル掘削機に吹付け装置を支持する走行基体が連結されている。移動制御用シリンダユニットは、トンネル掘削機の掘進により吹付け装置の相対的位置が移動しないように、トンネル掘削機と吹付け装置との間の距離を制御する。
特許文献4には、トンネルの周方向壁面に対して均等厚又は均一な仕上がり面で吹付けでき、吹付け装置の1回の走行によって多層吹きが可能となる吹付け方法が記載されている。この方法では、吹付け装置をトンネル周方向に左右交互に移動させるとともに、1旋回ごとの吹付け装置の前進距離が吹付け幅の1/n(n;0以外の偶数)となるように吹付け装置の前進速度を制御する。
特開2000−71654号公報 特開2000−265793号公報 特開2001−227291号公報 特開2000−328894号公報
ところで、当該技術分野においては、壁体や緩衝材の施工全体として効率化・低コスト化を図るべく、リバウンド率の低減を図ることが望まれている。
本発明は、吹付け材のリバウンド率の低減を図る吹付け方法及び緩衝材の形成方法を提供することを目的とする。
本発明の吹付け方法は、吹付け材をノズルから噴射し、放射性廃棄物の地層処分施設においてベントナイトを含む締固め土からなる壁体を吹付け工法で構築するための吹付け方法であって、所定の吹付け面上で水平に延びる第1の吹付け帯部を、下から順に互いに一部ずつ重なり合わせて上下方向に略等間隔で複数配列するように形成することで、上下方向に交互に現れる複数の尾根部と複数の谷部とを有する第1の吹付け部を吹付け面上に形成する第1の吹付け工程と、第1の吹付け部の各々の谷部を埋めるように、水平に延びる第2の吹付け帯部を上下方向に複数配列するように形成することで、第2の吹付け部を第1の吹付け部上に形成する第2の吹付け工程と、を備える。
この吹付け方法では、第1の吹付け工程を実施することにより、第1の吹付け部が形成される。この第1の吹付け工程では、水平に延びる第1の吹付け帯部を下から順に互いに一部ずつ重なり合わせて上下方向に略等間隔で複数配列するように形成する。このため第1の吹付け部は、上下方向に交互に現れる複数の尾根部と複数の谷部とを有している。次に、第2の吹付け工程を実施する。この第2の吹付け工程では、第1の吹付け部の各々の谷部を埋めるように、水平に延びる第2の吹付け帯部を上下方向に複数配列するように形成する。このように第1の吹付け部上に第2の吹付け部を形成すると、吹付け面上に形成した壁体の表面が平面に近い形状に形成される。そして、第2の吹付け工程の後に再び第1の吹付け工程を実施する場合には、吹付け面が平面に近い形状に形成されているので、吹付け面に吹付けられる吹付け材のリバウンド率が低減される。従って、この吹付け方法に適用される吹付け材を吹付けるためのノズルワークによれば、吹付け面を平面に近い形状に形成して吹付け材のリバウンド率の低減を図ることができる。
本発明の吹付け方法の第1の吹付け工程では、吹付け面からの尾根部の厚さが常に一定になるようにノズルからの噴射及びノズルの駆動を行ってもよい。この工程によれば、第1及び第2の吹付け部を有する壁体の厚さを一定にすることができる。
本発明の吹付け方法の第1の吹付け工程では、吹付け面上の同じ水平軌道上に複数回重ねて吹付けを行って第1の吹付け帯部を形成してもよい。この工程によれば、吹付け面上の同じ水平軌道上に吹付ける回数に応じて、第1の吹付け部の厚さを所望の厚さにすることができる。
本発明の吹付け方法の第1の吹付け工程では、ノズルを水平に移動させながら第1の吹付け帯部を形成する水平吹付けステップと、ノズルを所定距離だけ上方に移動させるノズル上移動ステップと、を交互に行ってもよい。この工程によれば、第1の吹付け部を形成するときのリバウンド率の低減を図ることができる。
水平吹付けステップは、ノズルを同一の水平軌道上で往復動させるノズル往復ステップを含んでもよい。このステップによれば、第1及び第2の吹付け部を有する厚い層を形成することができる。
本発明の吹付け方法では、吹付け面が締固め土以外からなり、吹付け面からの尾根部の厚さをdとし、第1の吹付け帯部の上下方向の配列間隔をwとしたとき、d/wが0.6〜1.2であってもよい。この方法によれば、吹付け面からの第1の吹付け部の剥落を抑制することができる。
また、本発明の吹付け方法では、吹付け面が締固め土からなり、吹付け面からの尾根部の厚さをdとし、第1の吹付け帯部の上下方向の配列間隔をwとしたとき、d/wが0.2〜0.8であってもよい。この方法によれば、第1の吹付け部を形成する時のリバウンド率の低減を図ることができる。
本発明の緩衝材の形成方法は、放射性廃棄物の地層処分施設において妻壁から坑道の延在方向に延びる緩衝材を、吹付け工法で形成する緩衝材の形成方法であって、上述した吹付け方法により形成され第1の吹付け部と第2の吹付け部とを有する吹付け層を、妻壁から坑道の出口に向けて複数積層していく。この緩衝材の形成方法によれば、坑道の延在方向に対して幅が狭い狭隘部に対して高密度にされた吹付け材からなる緩衝材を形成することができる。
また、本発明の緩衝材の形成方法は、放射性廃棄物の地層処分施設において妻壁から坑道の延在方向に延びる緩衝材を、吹付け工法で形成する緩衝材の形成方法であって、上述した一の吹付け方法によって妻壁上に吹付け層の第1層を形成する第1層形成工程と、上述した別の吹付け方法によって第1層上に第2層以降を複数積層していく積層工程と、を備える。この緩衝材の形成方法では、吹付け材とは異なる材料からなる妻壁から剥落しにくい第1層が形成される。そして、吹付け材と同じ材料からなる第2層は、第1層よりも薄く形成されるので、リバウンド率を低減することができる。
本発明の吹付け方法及び緩衝材の形成方法によれば、吹付け材のリバウンド率の低減を図ることができる。
本発明の吹付け方法及び緩衝体の形成方法が用いられる構造物の一例を示す断面図である。 図1に示す構造物の一部を破った斜視図である。 本発明の吹付け方法が実行される充填予定空間を示す側面図である。 (a)は第1の吹付け層を示す断面図であり、(b)は第1の吹付け層及び第2の吹付け層を示す断面図である。 本発明の吹付け方法及び緩衝体の形成方法の実施に用いられる吹付け装置を示す側面図である。 図5に示す吹付け装置の正面図である。 本発明の吹付け方法及び緩衝層の形成方法の一工程を示す斜視図である。 本発明の吹付け方法及び緩衝層の形成方法の一工程を示す斜視図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の吹付け方法及び緩衝材の形成方法の実施形態について説明する。まず、本実施形態の吹付け方法及び緩衝材の形成方法を用いて施工される構造物の一例として、低レベル放射性廃棄物の余裕深度処分施設(地層処分施設)101について説明する。
図1に示すように、低レベル放射性廃棄物の余裕深度処分施設101は、放射性廃棄物の地層処分を行うための施設である。施設101で処理される廃棄体103は、放射性廃棄物が鉄鋼製の容器に封入されて形成されており、トンネル(坑道)105内に収容される。廃棄体103同士の隙間に充填材107が充填され、更にその周囲を多層に囲むように順に、コンクリートピット109、低拡散層111、緩衝層(緩衝材)113が形成されている。緩衝層113とトンネル105の壁面との間の空間には、上部埋め戻し層115U及び側部埋め戻し層115Sを含む埋め戻し層115が設けられている。また、トンネル105の底面と緩衝層113との間には、床部材116が設けられている。
以下では、図1に示すように、トンネル105の幅方向にX軸、トンネル105の長手方向(図1の紙面に直交する方向)にY軸、鉛直方向にZ軸を取ったXYZ座標系を設定し、各構成要素の位置関係の説明にX,Y,Zを用いるものとする。また、「前方」、「後方」といったような「前後」の概念をもつ文言を用いる場合には、+Y方向を「前」、−Y方向を「後」とする。
上記の施設101の緩衝層113は、吹付け材で形成され遮水層として機能する壁体である。吹付け材は、ベントナイトを含む締固め土である。緩衝層113は、YZ平面に平行な側壁部分である側部緩衝層113aと、XY平面に平行であり廃棄体103に対して上側に設けられた上部緩衝層113bと、XY平面に平行であり廃棄体103に対して下側に設けられた下部緩衝層113cと、を有している。例えば、緩衝層113の側部緩衝層113aは、本実施形態の吹付け方法及び緩衝材の形成方法で施工される。一例として、側部緩衝層113aの寸法は、X方向に1m、Y方向に130m、Z方向に8mである。側部緩衝層113aの施工時には、既に、低拡散層111及び側部埋め戻し層115Sが完成済みであるので、側部緩衝層113aの施工においては、低拡散層111と側部埋め戻し層115Sとの間の狭隘な空間での作業を強いられ、重機等を用いることができない。更に、側部緩衝層113aの施工は、吹付け材を高密度に締固めする必要があるので、吹付け工法が好適に採用される。以下、側部緩衝層113aとして吹付け材が充填される予定の上記空間(幅1m、長さ130m、高さ8mの空間)を、「充填予定空間」と称し、符号「R」を付して表すものとする。
緩衝層113について、側部緩衝層113aを例にさらに詳細に説明する。側部緩衝層113aは、トンネル105の妻面(妻壁)11(図3参照)からトンネル105の出口に向けて積層された複数の吹付け層50,60を有している。側部緩衝層113aは、第1の吹付け層(第1層)50と第2の吹付け層(第2層)60とを有している。
図2及び図3に示すように、第1の吹付け層50は、妻面11上に形成され、低拡散層111の外側の側壁111aと、側部埋め戻し層115Sの内側の側壁115aと間に設けられている。第1吹付け層50の大きさは、例えばX方向に1m、Y方向に0.15m、Z方向に8mである。第1吹付け層50は、複数の第1層体51を含んでいる。第1層体51は、充填予定空間Rの上下方向(Z方向)に積み重ねられている。
図4(a)に示すように、第1層体51は、第1の吹付け部52と、第2の吹付け部53とを含んでいる。第1の吹付け部52は、水平方向(X方向)に延在した複数の第1の吹付け帯部54を含んでいる。また、第1の吹付け部52は、複数の尾根部54aと、複数の谷部54cを含んでいる。第1の吹付け帯部54は、上下方向(Z方向)に所定の配列間隔w1で複数配列されている。第1の吹付け帯部54は、略三角形状の断面形状を有している。なお、図4(a)では、第1の吹付け帯部54の断面は、模式的に三角形の断面として示している。また、第1の吹付け帯部54は、上下方向に互いに隣り合う第1の吹付け帯部54と少なくとも一部が重なり合っている重複部54bを有している。第1の吹付け帯部54同士の一部が重なり合うことにより、上下方向に配列された第1の吹付け帯部54同士が一体化される。複数の第1の吹付け帯部54が一体化された第1の吹付け部52によれば、妻面11から第1の吹付け部52が剥落することを抑制できる。
ここで、第1の吹付け帯部54では、尾根部54aの厚さd1と配列間隔w1との比率(d1/w1)が、0.6〜1.2である。一例として、比率(d1/w1)は1である。妻面11からの尾根部54aの厚さd1は、0.1〜0.2mであり、一例として、尾根部54aの厚さd1は、0.15mである。第1の吹付け帯部54の上下方向(Z方向)の配列間隔w1は、一例として0.15mである。ここで、配列間隔w1は、第1の吹付け帯部54の互いに隣り合う尾根部54a間の距離により規定される。
第2の吹付け部53は、水平方向に延在した複数の第2の吹付け帯部56を含んでいる。第2の吹付け帯部56は、上下方向に所定の配列間隔w1で複数配列されている。第2の吹付け帯部56は、略三角形状の断面を有し、第1の吹付け部52の谷部54cを埋めるように形成されている。なお、図4(a)では、第2の吹付け帯部56の断面を、模式的に三角形の断面で示している。この第2の吹付け部53は、XZ面に沿って延びる平滑な表面53aを有している。表面53aは、第2の吹付け層60の施工時には第2の吹付け層60の吹付け面になる。この表面53aは、平面に近い形状に形成されているので、第2の吹付け層60の施工時において、吹付け材の噴射方向と表面53aとの角度を容易に垂直に保つことができる。従って、吹付け材のリバウンド率を低減することができる。
第2の吹付け層60について説明する。第2の吹付け層60は、第1の吹付け層50の上に複数積層され(図3参照)、充填予定空間Rの互いに対面する側壁111a,115aの間に水平方向に延在している。第2の吹付け層60の大きさは、例えばX方向に1m、Y方向に0.03m、Z方向に8mである。第2の吹付け層60は、複数の第2層体61を含んでいる。第2層体61は、充填予定空間Rの上下方向(Z方向)に積み重ねられている。
図4(b)に示すように、第2層体61は、第3の吹付け部62と第4の吹付け部63とを含んでいる。第3の吹付け部62は、水平方向に延在した複数の第3の吹付け帯部64を含んでいる。第3の吹付け帯部64は、表面53aからの尾根部64aの厚さd2が第1の吹付け帯部54の厚さd1と異なっている。表面53aからの尾根部64aの厚さd2は、0.02〜0.06mであり、一例として、尾根部64aの厚さd2は、0.04mである。また、第3の吹付け帯部64の上下方向(Z方向)の配列間隔w2は、一例として0.05mである。第3の吹付け帯部64では、表面53aからの尾根部64aの厚さd2と第3の吹付け帯部64同士の配列間隔w2との比率(d2/w2)は、0.2〜0.8である。また、比率(d2/w2)は、0.2〜0.6であってもよい。一例として、比率(d2/w2)は0.5である。第4の吹付け部63は、水平方向に延在した複数の第4の吹付け帯部66を含んでいる。第4の吹付け帯部66は、略三角形状の断面を有し、第3の吹付け部62の谷部64cを埋めるように形成されている。なお、図4(b)では、第3の吹付け帯部64及び第4の吹付け帯部66の断面を、模式的に三角形の断面で示している。
図5及び図6に示す吹付け装置1について説明する。図5及び図6に示すように、吹付け装置1は、ホイスト5と、吹付け本体部3と、吹付け材供給部17と、を備えている。吹付け本体部3は、ホイスト5によりワイヤー7を介して充填予定空間R内に吊り下げられる。充填予定空間Rの上方には、Y方向に延在しホイスト5を支持するレール9が設けられており、ホイスト5はレール9に案内されてY方向に移動可能である。更にホイスト5がワイヤー7を巻き上げ/巻き出しすることにより、吹付け本体部3が上下移動する。以上の構成により、吹付け本体部3は、充填予定空間R内においてY,Z方向に平行移動可能である。
吹付け材供給部17は、チューブ15を通じて吹付け材(ベントナイトを含む締固め土)を吹付け本体部3に供給する。吹付け材供給部17は、通常の吹付け工法で用いられる公知の吹付け機17a、コンプレッサ17b及び材料供給機17cで構成されている。
吹付け本体部3は、前方の妻面(吹付け面)11に対して吹付け材を噴射する部分である。なお、妻面11は、緩衝層113のうち側部緩衝層113aの前方に設けられたXZ平面に平行な壁の壁面である。詳細は後述するが、妻面11の上に吹付け材を繰り返し吹付け、130mの厚さまで積み重ねていくことにより、最終的には、Y方向に130mの長さをもつ側部緩衝層113aが完成する。
吹付け本体部3は、ワイヤー7が掛けられる吊り下げ治具21と、吊り下げ治具21の下面に取り付けられたロボットアーム23と、ロボットアーム23のアーム先端に取り付けられたノズルユニット25と、を備えている。ロボットアーム23の基部側が吊り下げ治具21の下面に固定されており、多関節をもつロボットアーム23が下方に延びている。ノズルユニット25は、吹付け材を噴射するノズル31を備えている。また、吊り下げ治具21の上面には、ロボットアーム23を制御するための制御コンピュータ27が搭載されている。ロボットアーム23は、制御コンピュータ27からの制御信号に基づいて動作し、ノズルユニット25の姿勢及び位置を自在に変更することができる。すなわち、ロボットアーム23は、ノズルユニット25を駆動しノズルユニット25の姿勢及び位置を決めるアクチュエータとして機能する。ロボットアーム23によるノズルユニット25の可動範囲の上下方向(Z方向)の幅は、例えば0.9mである。
ロボットアーム23は、あらかじめ一連のノズルワークをプログラムとして制御コンピュータ27に記憶させ、当該プログラムに従う同じノズルワークを繰り返し再生することができる。また、ロボットアーム23は、制御コンピュータ27に接続された手動コントローラを操作することにより、作業者が手動でノズル31の位置及び姿勢を操作することもできる。
吊り下げ治具21には、X方向の両側に張り出すガイドローラ29が取り付けられている。一対のガイドローラ29がそれぞれ側壁111a,115aに押し当てられることで、吹付け圧等に起因する吹付け本体部3の揺動が抑制される。また、吊り下げ治具21の前端面には、前方の画像を撮像するカメラ30が取り付けられている。カメラ30は、撮像した画像を画像信号として制御コンピュータ27に送信する。
続いて、本実施形態の吹付け方法及び緩衝材の形成方法を説明する。本実施形態の吹付け方法は、壁体を形成する方法である。この壁体には、側部緩衝層113a、上部緩衝層113b、下部緩衝層113c、及びトンネルの出口を塞ぐためのプラグ埋め戻し材を含む。以下、側部緩衝層113aの施工を例に吹付け方法及び緩衝材の形成方法を説明する。
まず、吹付け装置1を用いて第1の吹付け層50の第1層体51を形成する吹付け方法を説明する。この吹付け方法は、第1の吹付け工程と第2の吹付け工程とを備えている。
図7(a)に示すように、ノズル31を初期位置に配置する(第1工程)。ノズル31から噴射される吹付け材の噴射軸Bが底面82から所定の高さになるように、ホイスト5を駆動して吹付け本体部3のZ方向の位置を設定し、ロボットアーム23を駆動してノズル31のZ方向の位置を調整する。また、ノズル31から妻面11までの距離が約1mになるように、吹付け本体部3のY方向の位置を設定し、ロボットアーム23を駆動してノズル31のY方向の位置を調整する。例えば、吹付け開始前のノズル31から妻面11までの距離が1.15mであり、吹付け終了後のノズル31から妻面11までの距離が1mとなるようにノズル31の位置を設定する。
ノズル31から吹付け材を噴射しつつ、ノズル31の噴射軸Bを妻面11上の軌道(水平軌道)T1に沿って移動させる(第2工程:水平吹付けステップ)。このとき、妻面11からの尾根部54aの厚さd1が常に一定になるようにノズル31からの吹付け材の噴射及びノズルの駆動を行う。例えば、ノズル31からの単位時間あたりの吹付け材噴出量、吹付け材の噴射速度、及び吹付け材の噴射拡散角度といったノズル31の仕様に応じて、ノズル31から妻面11までの距離、ノズル31の移動速度、及び吹付け時間を調整する。
第1層体51を形成するための第2工程は、ノズル31を妻面11上の同一の軌道(水平軌道)T1に沿って往復動させて複数回重ねて吹付けを行うステップ(ノズル往復ステップ)を含んでいる。ここで、吹付け回数とは、軌道T1に沿って側壁111aから側壁115aまで、又は側壁115aから側壁111aまで吹付ける工程を1回とする。吹付け回数は、第1の吹付け帯部54の厚さd1と、厚さd1に対する間隔w1の比(d1/w1)とに基づいて設定される。例えば、吹付け回数は3回に設定される。また、厚さd1と間隔w1との比(d1/w1)は、妻面11を構成する材料に基づいて設定される。第1の吹付け部52が施工される妻面11は、コンクリート等吹付け材とは異なる材料により構成されている。吹付け面を構成する材料と、吹付け材とが異なる場合には、吹付け面に対する吹付け材の付着強度が低下する場合がある。このため、厚さd1と間隔w1との比(d1/w1)を0.6〜1.2に設定して、第1の吹付け帯部54の断面積を拡大することにより、側壁111a,115aとの付着面積を拡大する。付着面積の拡大により、妻面11からの第1の吹付け帯部54の材料変形による反りと剥落を抑制することができる。この第2工程により、最下段の第1の吹付け帯部54が形成される。
図7(b)に示すように、最下段の第1の吹付け帯部54の形成後、噴射軸Bを軌道T1から上方に例えば0.15m移動させるように、ロボットアーム23を駆動してノズル31の位置を軌道T2に沿って変更する(第3工程:ノズル上移動ステップ)。軌道T2は、上下方向(Z方向)に沿った軌道である。軌道T2の始点は最下段の第1の吹付け帯部54を形成するための軌道T1の端部と連続している。軌道T2の終点は次の第1の吹付け帯部54を形成するための軌道T1の端部と連続している。この第3工程により、軌道T1と次の第1の吹付け帯部54を形成するための軌道T1との間隔が所定の間隔w1に設定される。軌道T1の間隔w1は、略等間隔とされ一例として0.15mに設定される。なお、第3工程では、ノズル31から吹付け材を噴射させたまま、ノズル31の位置を変更してもよい。
第3工程を実施した後に、ノズル31から吹付け材を噴射しつつ、ノズル31の噴射軸Bを妻面11上の水平の軌道T1に沿って移動させ、複数回重ねて吹付けを行う(第2工程)。このとき、第1の吹付け帯部54は、先に形成された第1の吹付け帯部54の上端54dに、後から施工された第1の吹付け帯部54の下端54eが重なり合わされるように形成される。この第4工程により、2段目の第1の吹付け帯部54が施工される。
上述した第2工程(水平吹付けステップ)と第3工程(ノズル上移動ステップ)とを交互に行うことにより、第1の吹付け層50を構成する第1層体51が施工される。本実施形態では、第1層体51のZ方向の長さは0.9mであり、第1の吹付け帯部54同士の間隔w1は0.15mである。従って、第1層体51は上下方向に6個の第1の吹付け帯部54を有している。なお、第1の吹付け部52を施工する第1の吹付け工程は、上記第2及び第3工程を含む。
また、第1の吹付け部52を形成する軌道は、水平方向の軌道T1と上下方向の軌道T2とを含んでいる。これら水平方向の軌道T1と上下方向の軌道T2とは連続した一筆書き状の軌道である。ノズル31をこのような一筆書き状の軌道に沿って移動させることにより、ノズル31から吹付け材を連続的に噴射しつつ、第1の吹付け部52を形成することができる。従って、複数の第1の吹付け帯部54の繋ぎ目を平面に近い形状にすることができる。
図8(a)に示すように、第1の吹付け部52の形成後、噴射軸Bを軌道T1から下方に0.075m移動させるように、ロボットアーム23を駆動してノズル31の位置を軌道T3に沿って変更する(第4工程:ノズル下移動ステップ)。このとき、上下方向(Z方向)に沿って、最上段の第1の吹付け帯部54の尾根部54aと、この第1の吹付け帯部54の下方に設けられた第1の吹付け帯部54の尾根部54aとの略中央に噴射軸Bが配置されるように、ノズル31を移動する。より詳細には、最上段の第1の吹付け帯部54を施工した軌道(水平軌道)T1に対して、下方に所定距離だけ離間した位置に第2の吹付け帯部56を施工するための軌道T4が設定されるように、ノズル31の位置が変更される。この所定距離は、第1の吹付け帯部54同士の間隔w1の1/2である。
ノズル31を軌道T3に沿って移動させた後に、ノズル31から吹付け材を噴射しつつ、ノズル31の噴射軸Bを側壁115a側から側壁111a側に、軌道T4に沿って移動する(第5工程:水平吹付けステップ)。このとき、軌道T4に沿った吹付け回数は少なくとも1回以上に設定する。一例として、吹付け回数を1回に設定することにより、第1の吹付け帯部54の間の谷部54cに吹付け材を充填する。このように、第2の吹付け部53の表面53aが第1の吹付け帯部54の尾根部54aを覆うように、第2の吹付け部53を施工するために必要な回数を設定する。
図8(b)に示すように、噴射軸Bを軌道T4から下方に0.15m移動させるように、ロボットアーム23を駆動してノズル31の位置を軌道T5に沿って変更する(第6工程:ノズル下移動ステップ)。この第6工程により、軌道T4同士の間隔w1が所定の距離に設定される。一例として、間隔w1は0.15mである。なお、第6工程では、ノズル31から吹付け材を噴射させたまま、軌道T5に沿ってノズル31を移動させてもよい。
ノズル31を軌道T5に沿って移動させた後に、ノズル31から吹付け材を噴射しつつ、ノズル31の噴射軸Bを側壁111a側から側壁115a側に、軌道T4に沿って移動させて吹付けを行う(第5工程)。
上述した第5及び第6工程を繰り返し実施することにより、第1の吹付け部52の各々の谷部54cを埋める第2の吹付け部53が施工される。このように、第2の吹付け部53を施工する第2の吹付け工程は、上記第5及び第6工程を含む。そして、最下段の第2の吹付け帯部56を施工すると、第1の吹付け層50を構成する一の第1層体51が完成する。
続いて、吹付け装置1を用いて第2の吹付け層60を構成する第2層体61を形成する吹付け方法を説明する。この吹付け方法は、第1の吹付け工程と第2の吹付け工程とを備えている。第2層体61を形成する吹付け方法は、以下に示す内容を除き、第1の吹付け層50の第1層体51を形成する第1の吹付け工程と第2の吹付け工程と同様の方法により実施される。第2層体61を形成する場合に、第1層体51を形成する場合と相違する点について詳細に説明する。
図4(b)に示すように、第2の吹付け層60は、第1の吹付け層50に対して厚さが相違している。より詳細には、厚さd2と間隔w2との比(d2/w2)が、0.2〜0.8に設定される。このような厚さd2を有する第1の吹付け帯部64を形成する場合には、軌道T1に沿った吹付け回数を、第1の吹付け層50を施工したときの吹付け回数よりも少なく設定する。例えば、吹付け回数は1回である。
ここで、吹付け回数を1回とした場合には、厚さd2が厚さd1よりも小さくなる。尾根部64aの厚さd2が小さくなると、表面53aと第2の吹付け帯部64の斜面64dとのなす角度αが小さくなる。角度αが小さい場合には、噴射軸Bと表面53aとのなす角度をより垂直に近い状態に保つことができるので、吹付け材のリバウンド率を低減することができる。
一方、第1の吹付け層50を施工する場合には、妻面11からの第1の吹付け層50の剥落を抑制することが重視される。従って、第1の吹付け層50を施工する場合には、尾根部54aの厚さd1を大きくすることにより、第1の吹付け層50と側壁111a,115aとの付着面積を増加させて妻面11からの第1の吹付け層50の剥落を抑制すると共に第1の吹付け層50の剥落を抑制することができる。
(側部緩衝層の形成方法)
続いて、廃棄体103の余裕深度処分施設101における側部緩衝層113aの施工方法を例に本実施形態の緩衝材の形成方法を説明する。図3に示すように、側部緩衝層113aの施工では、妻面11からトンネル105の出口に向けて複数の吹付け層50,60を積層していく。
はじめに、第1の吹付け層50を形成する(第1層形成工程)。まず、最下段の第1層体51を形成する。第1層体51は、上述した方法により形成する。この第1層体51を形成する間は、吹付け本体部3の高さは一定に保持され、ノズル31はロボットアーム23の駆動により上下方向に移動させる。最下段の第1層体51を形成した後に、ホイスト5(図2参照)を駆動し、吹付け本体部3を上方(Z方向)に0.9m移動させる。そして、同様の工程を実施して、第1層体51に対してZ方向に連結するように次の第1層体51を形成する。このように、第1層体51を形成する工程と、吹付け装置1を上方に移動させる工程とを繰り返すことにより、Z方向に互いに連結する複数の第1層体51を有する第1の吹付け層50が形成される。
第1の吹付け層50を形成した後に、ホイスト5(図2参照)の移動により吹付け本体部3をトンネル105の出口方向(−Y方向)に0.15m移動させる。そして、ホイスト5のワイヤー7を下方に伸ばして吹付け本体部3を下降させる。
第1の吹付け層50の表面53a上に第2の吹付け層60以降を複数積層する(積層工程)。第2の吹付け層60は、第1の吹付け層50と同様に、まず、最下段の第2層体61を形成する。第2層体61は上述した方法により形成する。次に、吹付け装置1を上方(+Z方向)に0.9m移動させる。そして、同様の工程を実施して、第2層体61に対してZ方向に連結するように次の第2層体61を形成する。このように、第2層体61を形成する工程と、吹付け装置1を+Z方向に移動させる工程とを繰り返すことにより、Z方向に互いに連結する複数の第2層体61を有する第2の吹付け層60が形成される。
さらに、第2の吹付け層60上に別の第2の吹付け層60を形成する。第2の吹付け層60上への別の第2の吹付け層60の形成を繰り返すことにより、妻面11からトンネル105の延在方向(−Y方向)に向けて複数の第2の吹付け層60が積層される。従って、廃棄体103の余裕深度処分施設101において妻面11からトンネル105の延在方向に延びる側部緩衝層113aが第1及び第2の吹付け方法により形成される。すなわち、ベントナイトを含む締固め土からなる吹付け層50,60が−Y方向に順次積層され成長し、最終的には、充填予定空間Rがすべて吹付け材で充填され、側部緩衝層113aが完成する。
続いて、上述の吹付け方法及び緩衝層の施工方法による作用効果について説明する。
この吹付け方法では、第1の吹付け工程を実施して、第1の吹付け部52を形成する。次に、第2の吹付け工程を実施して、第2の吹付け部53を形成する。第2の吹付け部53は、第1の吹付け部52の谷部54cを埋めるように形成されるので、第2の吹付け部53の表面53aが平面に近い形状に形成される。そして、第2の吹付け工程の後に再び第1の吹付け工程を実施する場合に、吹付け面が平面に近い形状に形成されているので、表面53aに吹付けられる吹付け材のリバウンド率が低減される。従って、この吹付け方法によれば、表面53aを平面に近い形状に形成して吹付け材のリバウンド率の低減を図ることができる。
また、第1の吹付け工程では、妻面11からの尾根部54aの厚さd1が常に一定になるようにノズルからの噴射及びノズルの駆動を行う。この工程によれば、第1の吹付け層50及び第2の吹付け層60の厚さを一定にすることができる。
また、第1の吹付け層50を施工するときの第1の吹付け工程では、妻面11上の同じ水平の軌道T1上に複数回重ねて吹付けを行って第1の吹付け帯部54を形成する。この工程によれば、妻面11上の同じ水平の軌道T1上に吹付ける回数に応じて、第1の吹付け部52の尾根部54aの厚さd1を所望の厚さにすることができる。
また、この吹付け方法では、第1の吹付け層50の厚さを所定の厚さに制御することができる。このため、吹付け面である妻面11が締固め土以外の材料からなる場合であっても、第1の吹付け層50の厚さd1を大きくすることにより、妻面11からの第1の吹付け層50の剥落を抑制することができる。さらに、表面53aが吹付け材と同じ場合は、第2の吹付け層60の厚さd2を小さくすることにより、リバウンド率の低減を図ることができる。
この緩衝材の形成方法によれば、トンネル105の延在方向(Y方向)の長さに対して幅(X方向)の長さが短い充填予定空間Rに対して、高密度にされた吹付け材からなる緩衝層113を形成することができる。
また、側部緩衝層113aの施工は、放射性の廃棄体103の近傍で行われるものであるので、作業者の放射線被曝が問題になり易い。これに対し、本実施形態の吹付け方法及び吹付け装置1では、プログラム動作再生工程をロボットアーム23によって自動的に無人で行うことができる。よって、作業者の放射線被曝を低減させることができ、ひいては、人件費を低減することができる。
以上、本発明の吹付け方法及び緩衝材の形成方法について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態で例示した構成要素の具体的な寸法、距離等の数値は、説明の理解を容易にするための一例であり、本発明を限定するものではない。
例えば、本実施形態の吹付け方法及び緩衝層の施工方法は、作業者により実施してもよい。
また、吹付け装置1は、ロボットアームを用いたファクトリーオートメーション(FA)ロボットに限定されない。例えば、油圧式ロボットやバックホウ形態のアタッチメントを用いたロボットであってもよい。
以下、第1の吹付け工程を用いて行った実験例について説明する。
(実験例1)
実験例1では、コンクリート面を吹付け面として第1の吹付け部52を形成した。実験例1における条件は以下の通りとした。
第1の吹付け部52の大きさ:幅(X)1.0m×高さ(Z)3.24m
第1の吹付け部52の厚さd:0.10m
ノズル31から吹付け面までの距離:0.9m
吹付け材の含水比:21.5%
ノズル31からの吹付け材の供給量:12.5kg/10sec
リバウンド材の回収方法:吸引回収
吹付け回数:最大6回
この実験例1を実施してリバウンド率を確認した。リバウンド率は、ノズル31から供給した吹付け材の重量に対する吸引回収されたリバウンド材の重量の比とした。実験例1では、リバウンド率は平均42.7%であることがわかった。
(実験例2)
実験例2では、吹付け材と同じベントナイトを含む締固め土からなる面に第1の吹付け部52を形成した。実験例2における条件は以下の通りとした。
第1の吹付け部52の大きさ:幅(X)1.0m×高さ(Z)3.24m
第1の吹付け部52の厚さd:0.05m
ノズル31から吹付け面までの距離:0.9m
吹付け材の含水比:21.5%
ノズル31からの吹付け材の供給量:12.5kg/10sec
リバウンド材の回収方法:吸引回収
吹付け回数:最大10回
この実験例2を実施してリバウンド率を確認したところ、リバウンド率は平均36.6%であった。従って、吹付け材と同じベントナイトを含む締固め土からなる面に第1の吹付け部52を形成する場合にはリバウンド率が低減されることがわかった。吹付け面が吹付け材と同じ材料からなる場合には、第1の吹付け帯部54の剥落を防ぐためにある程度の厚さを確保する必要がない。このため、吹付け材の吹付けにより形成される凹凸が小さくされ、吹付け材の吹付け方向と吹付け面との間の角度が略垂直に保たれているためにリバウンド率が低減されていると考えられる。また、実験例2では、第1の吹付け帯部54と吹付け面との間の付着領域の大きさは0.245mであることがわかった。
(実験例3)
実験例3では、吹付け材と同じベントナイトを含む締固め土からなる面に第1の吹付け部52を形成した。実験例3における条件は以下の通りとした。なお、実験例3は、実験例2に対してノズル31から吹付け面までの距離が相違している。その他の条件は、実験例2と同じである。
第1の吹付け部52の大きさ:幅(X)1.0m×高さ(Z)3.24m
第1の吹付け部52の厚さd:0.05m
ノズル31から吹付け面までの距離:1.1m
吹付け材の含水比:21.5%
ノズル31からの吹付け材の供給量:12.5kg/10sec
リバウンド材の回収方法:吸引回収
吹付け回数:最大10回
この実験例3を実施してリバウンド率を確認したところ、リバウンド率は平均29.1%であった。また、実験例3では、第1の吹付け帯部54と吹付け面との間の付着領域の大きさは0.3mであることがわかった。ここで、ノズル31から吹付け面までの距離は、第1の吹付け部52を形成する前のノズル31から吹付け面までの距離である。ノズル31から吹付け面までの距離が大きくされると、ノズル31から噴射される吹付け材の拡散領域が大きくなるので、第1の吹付け帯部54と吹付け面との間の付着領域が拡大し、凹凸が少ない吹付け面となる。従って、吹付け材の吹付け方向と吹付け面との間の角度を一層垂直に近い状態に保つことができるので、リバウンド率がさらに低減されると考えられる。
1…吹付け装置、3…本体部、5…ホイスト、7…ワイヤー、9…レール、11…妻面、15…チューブ、17…材供給部、17a…吹付け機、17b…コンプレッサ、17c…材料供給機、21…治具、23…ロボットアーム、25…ノズルユニット、27…制御コンピュータ、29…ガイドローラ、30…カメラ、31…ノズル、50…第1の吹付け層、51…第1層体、52…第1の吹付け部、53…第2の吹付け部、53a…表面、54…第1の吹付け帯部、54a…尾根部、54b…重複部、54c…谷部、54d…上端、54e…下端、56…第2の吹付け帯部、60…第2の吹付け層、61…第2層体、62…第3の吹付け部、63…第4の吹付け部、64…第3の吹付け帯部、64a…尾根部、64c…谷部、64d…斜面、66…第4の吹付け帯部、82…底面、101…余裕深度処分施設、103…廃棄体、105…トンネル、107…充填材、109…コンクリートピット、111…低拡散層、111a…側壁、113…緩衝層、113a…側部緩衝層、113b…上部緩衝層、113c…下部緩衝層、115…埋め戻し層、115S…側部埋め戻し層、115U…上部埋め戻し層、115a…側壁、116…床部材、B…噴射軸、R…充填予定空間、T1〜T5…軌道、w1,w2…配列間隔、α…角度。

Claims (9)

  1. 吹付け材をノズルから噴射し、放射性廃棄物の地層処分施設においてベントナイトを含む締固め土からなる壁体を吹付け工法で構築するための吹付け方法であって、
    所定の吹付け面上で水平に延びる第1の吹付け帯部を、下から順に互いに一部ずつ重なり合わせて上下方向に略等間隔で複数配列するように形成することで、上下方向に交互に現れる複数の尾根部と複数の谷部とを有する第1の吹付け部を前記吹付け面上に形成する第1の吹付け工程と、
    前記第1の吹付け部の各々の前記谷部を埋めるように、水平に延びる第2の吹付け帯部を上下方向に複数配列するように形成することで、第2の吹付け部を前記第1の吹付け部上に形成する第2の吹付け工程と、を備える吹付け方法。
  2. 前記第1の吹付け工程では、
    前記吹付け面からの前記尾根部の厚さが常に一定になるように前記ノズルからの噴射及び前記ノズルの駆動を行う請求項1に記載の吹付け方法。
  3. 前記第1の吹付け工程では、
    前記吹付け面上の同じ水平軌道上に複数回重ねて吹付けを行って前記第1の吹付け帯部を形成する請求項1又は2に記載の吹付け方法。
  4. 前記第1の吹付け工程では、
    前記ノズルを水平に移動させながら前記第1の吹付け帯部を形成する水平吹付けステップと、
    前記ノズルを所定距離だけ上方に移動させるノズル上移動ステップと、を交互に行う請求項1〜3の何れか1項に記載の吹付け方法。
  5. 前記水平吹付けステップは、
    前記ノズルを同一の水平軌道上で往復動させるノズル往復ステップを含む請求項4に記載の吹付け方法。
  6. 前記吹付け面が前記締固め土以外からなり、
    前記吹付け面からの前記尾根部の厚さをdとし、前記第1の吹付け帯部の上下方向の配列間隔をwとしたとき、
    d/wが0.6〜1.2である請求項1〜5の何れか1項に記載の吹付け方法。
  7. 前記吹付け面が前記締固め土からなり、
    前記吹付け面からの前記尾根部の厚さをdとし、前記第1の吹付け帯部の上下方向の配列間隔をwとしたとき、
    d/wが0.2〜0.8である請求項1〜5の何れか1項に記載の吹付け方法。
  8. 放射性廃棄物の地層処分施設において妻壁から坑道の延在方向に延びる緩衝材を、吹付け工法で形成する緩衝材の形成方法であって、
    請求項1〜7の何れか1項に記載の吹付け方法により形成され前記第1の吹付け部と前記第2の吹付け部とを有する吹付け層を、前記妻壁から前記坑道の出口に向けて複数積層していく緩衝材の形成方法。
  9. 放射性廃棄物の地層処分施設において妻壁から坑道の延在方向に延びる緩衝材を、吹付け工法で形成する緩衝材の形成方法であって、
    請求項6に記載の吹付け方法によって前記妻壁上に前記壁体の第1層を形成する第1層形成工程と、
    請求項7に記載の吹付け方法によって前記第1層上に第2層以降を複数積層していく積層工程と、を備える緩衝材の形成方法。
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