JP2013023923A - 吹付け工法及び吹付け装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な手法で吹付け材のリバウンドの低減を図る吹付け工法及び吹付け装置を提供する。
【解決手段】吹付け装置1によって妻面11面上に吹付け層を形成する。吹付け装置1は、吹付け層を成すベントナイトを妻面11に噴射する吹付けノズル31と、吹付けノズル31に対して相対的に固定され、妻面11にレーザ光を照射して当該妻面11上に光像を形成するレーザ装置35と、を備えており、レーザ装置35により妻面11上に形成された光像の形状、大きさに基づいて、妻面11に対するノズル31の姿勢及び/又は位置を調整するノズル調整工程を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、吹付け工法及び吹付け装置に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の吹付け工法が知られている。この吹付け工法に用いる装置は、トンネル壁面より内側にほぼ一定の離間距離をおいてトンネル周方向に沿って形成された走行レール面を有し、かつトンネル長手方向に沿って移動自在とされる周方向レール部材と、この周方向レール部材に搭載され上記走行レール面に沿ってトンネル周方向回りに走行自在とされる吹付けノズル保持装置と、から構成されている。この構成により、吹付け面に対して常に垂直にかつ一定の吹付け距離を保持したまま吹付けを連続して行うことが、特許文献1では提案されている。
特許3249783号公報
この種の吹付け工法では、吹付け面に対し垂直に近い角度で吹付け材を噴射することで、吹付け材のリバウンドを低減できると考えられる。そして、リバウンドの低減により、リバウンド材の回収工程の負担を低減し、吹付けスピードを向上し、低コスト化を図ることができる。しかしながら、特許文献1の工法では、トンネル壁面に沿って各レールを設置するなど、前処理に大きな手間が必要であり、施工全体としては効率化・低コスト化が十分に図られるとは言い難い。吹付け工法においては、施工全体として効率化・低コスト化を図るべく、更に簡易な手法でリバウンドの低減を図ることが望まれる。
本発明は、簡易な手法で吹付け材のリバウンドの低減を図る吹付け工法及び吹付け装置を提供することを目的とする。
本発明の吹付け工法は、吹付け装置によって吹付け面上に吹付け層を形成する吹付け工法であって、吹付け装置は、吹付け層を成す吹付け材を吹付け面に噴射する吹付けノズルと、吹付けノズルに対して相対的に固定され、吹付け面に光を照射して当該吹付け面上に光像を形成する光照射部と、を備えており、光照射部により吹付け面上に形成された光像の状態に基づいて、吹付け面に対するノズルの姿勢及び/又は位置を調整するノズル調整工程を備えたことを特徴とする。
上記吹付け工法に用いられる吹付け装置には、吹付け面上に光像を形成する光照射部が設けられている。光照射部は吹付けノズルに対し固定されているので、吹付けノズルの姿勢や位置に応じて吹付け面上の光像の状態(例えば、光像の形状や大きさ)が変化する。従って、光像の状態に基づいて、吹付けノズルを所望の姿勢や位置に調整することができる。そして、吹付けノズルの姿勢や位置を、リバウンド低減のための適切な姿勢や位置に調整することにより、吹付け材のリバウンドが低減される。このように、吹付け装置に光照射部を設けるといった簡易な手法で、吹付け材のリバウンドの低減を図ることができる。
また、本発明の吹付け工法では、吹付け装置は、吹付けノズル及び光照射部を駆動するノズル駆動部と、ノズル駆動部を駆動させ吹付けノズルの姿勢及び/又は位置を制御するノズル制御部と、光照射部により吹付け面上に形成された光像を撮像する撮像部と、を更に備えており、ノズル調整工程では、ノズル制御部が、撮像部により取得される光像の画像に基づいて、吹付け面に対するノズルの姿勢及び/又は位置を制御することとしてもよい。この構成によれば、撮像部によって光像の形状が画像として取得され、ノズル制御部が上記画像に基づいてノズルの姿勢や位置を自動的に制御するといった吹付けを実行することができる。
本発明の吹付け装置は、吹付け工法において吹付け面上に吹付け層を形成する吹付け装置であって、吹付け層を成す吹付け材を吹付け面に噴射する吹付けノズルと、吹付けノズルに対して相対的に固定され、吹付け面に光を照射して当該吹付け面上に光像を形成する光照射部と、を備えたことを特徴とする。
この吹付け装置には、吹付け面上に光像を形成する光照射部が設けられている。光照射部は吹付けノズルに対し固定されているので、吹付けノズルの姿勢や位置に応じて吹付け面上の光像の状態が変化する。従って、光像の状態に基づいて、吹付けノズルを所望の姿勢や位置に調整することができる。そして、吹付けノズルの姿勢や位置を、リバウンド低減のための適切な姿勢や位置に調整することにより、吹付け材のリバウンドが低減される。このように、吹付け装置に光照射部を設けるといった簡易な手法で、吹付け材のリバウンドの低減を図ることができる。
また、本発明の吹付け装置は吹付けノズル及び光照射部を駆動するノズル駆動部と、ノズル駆動部を駆動させ吹付けノズルの姿勢及び/又は位置を制御するノズル制御部と、光照射部により吹付け面上に形成された光像を撮像する撮像部と、を更に備え、ノズル制御部は、撮像部により取得される光像の画像に基づいて、吹付け面に対するノズルの姿勢及び/又は位置を制御することとしてもよい。この構成によれば、撮像部によって光像の形状が画像として取得され、ノズル制御部が上記画像に基づいてノズルの姿勢や位置を自動的に制御するシステムを構築することができる。
本発明の吹付け工法及び吹付け装置によれば、簡易な手法で吹付け材のリバウンドの低減を図ることができる。
本発明の吹付け工法及び吹付け装置が用いられる構造物の一例を示す断面図である。 本発明の吹付け装置の第1実施形態を示す側面図である。 図2の吹付け装置を示す正面図である。 (a)は、図2の吹付け装置のノズルユニットの正面図であり、(b)はそのIV-IV断面図である。 (a),(b)は、図4のノズルユニットにより形成される光像を示す図である。 本発明の吹付け工法が実行される充填予定空間を示す側面図である。 吹付け角と吹付け材のロス率との関係を示すグラフである。 本発明の吹付け工法及び吹付け装置の第2実施形態における制御を示す図である。 本発明の吹付け装置の第3実施形態を示す断面図である。 本発明の吹付け装置の第4実施形態を示す断面図である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照しつつ本発明の吹付け工法及び吹付け装置の第1実施形態について説明する。まず、図1を参照しながら、本実施形態の吹付け工法及び吹付け装置が施工に用いられる構造物の一例として、低レベル放射性廃棄物余裕深度処分施設101について説明する。
図1に示す低レベル放射性廃棄物余裕深度処分施設101は、放射性廃棄物の地層処分を行うための施設である。施設101で処理される廃棄体103は、放射性廃棄物が鉄鋼製の容器に封入されて形成されており、トンネル105内に収容される。廃棄体103同士の隙間に充填材107が充填され、更にその周囲を多層に囲むように順に、コンクリートピット109、低拡散層111、緩衝層113が形成されている。緩衝層113とトンネル105の壁面との間の空間には埋め戻し層115が設けられている。
以下では、図に示すように、トンネル105の幅方向にX軸、トンネル105の長手方向(図1の紙面に直交する方向)にY軸、鉛直方向にZ軸を取ったXYZ座標系を設定し、各構成要素の位置関係の説明にX,Y,Zを用いるものとする。また、「前方」、「後方」といったような「前後」の概念をもつ文言を用いる場合には、+Y方向を「前」、−Y方向を「後」とする。
上記の施設101の緩衝層113は、ベントナイトで形成され遮水層として機能する。緩衝層113のうちYZ平面に平行な側壁部分である側部緩衝層113aは、本実施形態の吹付け工法及び吹付け装置で施工される。例えば、側部緩衝層113aの寸法は、X方向1m、Y方向に130m、Z方向に8mである。側部緩衝層113aの施工時には、既に、低拡散層111及び埋め戻し層115が完成済みであるので、側部緩衝層113aの施工においては、低拡散層111と埋め戻し層115との間の狭隘な空間での作業を強いられ、重機等を用いることができない。更に、側部緩衝層113aの施工は、ベントナイトを高密度に締固めする必要があるので、ベントナイトの吹付け工法が好適に採用される。以下、側部緩衝層113aとしてベントナイトが充填される予定の上記空間(幅1m、長さ130m、高さ8mの空間)を、「充填予定空間」と称し、符号「R」を付して表すものとする。
図2及び図3を参照し、本実施形態の吹付け装置1について説明する。図に示すように、吹付け装置1は、ホイスト5と、吹付け本体部3と、吹付け材供給部17と、を備えている。吹付け本体部3は、ホイスト5によりワイヤー7を介して充填予定空間R内に吊り下げられる。充填予定空間Rの上方には、Y方向に延在しホイスト5を支持するレール9が設けられており、ホイスト5はレール9に案内されてY方向に移動可能である。更にホイスト5がワイヤー7を巻き上げ/巻き出しすることにより、吹付け本体部3が上下移動する。以上の構成により、吹付け本体部3は、充填予定空間R内においてY,Z方向に平行移動可能である。
吹付け材供給部17は、チューブ15を通じてベントナイト(吹付け材)を吹付け本体部3に供給する部分である。吹付け材供給部17は、通常の吹付け工法で用いられる公知の吹付け機17a、コンプレッサ17b及び材料供給機17cで構成されている。
吹付け本体部3は、前方の妻面(吹付け面)11に対してベントナイト(吹付け材)を噴射する部分である。なお、妻面11は、緩衝層113のうち側部緩衝層113aの前方に設けられたXZ平面に平行な壁の壁面である。詳細は後述するが、妻面11の上にベントナイトを繰り返し吹付け、130mの厚さまで積み重ねていくことにより、最終的には、Y方向に130mの長さをもつ側部緩衝層113aが完成する。
吹付け本体部3は、ワイヤー7が掛けられる吊り下げ治具21と、吊り下げ治具21の下面に取り付けられたロボットアーム23と、ロボットアーム23のアーム先端に取り付けられたノズルユニット25と、を備えている。ロボットアーム23の基部側が吊り下げ治具21の下面に固定されており、多関節をもつアームが下方に延びている。ノズルユニット25は、ベントナイトを噴射するノズル31(図5参照)を備えている。また、吊り下げ治具21の上面には、ロボットアーム23を制御するための制御コンピュータ(ノズル制御部)27が搭載されている。ロボットアーム23は、制御コンピュータ27からの制御信号に基づいて動作し、ノズルユニット25の姿勢及び位置を自在に変更することができる。すなわち、ロボットアーム23は、ノズルユニット25を駆動しノズルユニット25の姿勢及び位置を決めるアクチュエータ(ノズル駆動部)として機能する。ロボットアーム23によるノズルユニット25の可動範囲の上下幅は、例えば0.9mである。
ロボットアーム23は、制御コンピュータ27に接続された手動コントローラを操作することにより、作業者が手動で操作することもできる。そして、上記の手動操作による一連の動作をプログラムとして制御コンピュータ27に記憶させ、当該プログラムに従う同じ動作を繰り返し再生することができる。
吊り下げ治具21には、X方向の両側に張り出すガイドローラ29が取り付けられている。一対のガイドローラ29がそれぞれ両側の壁に押し当てられることで、吹付け圧等に起因する吹付け本体部3の揺動が抑制される。また、吊り下げ治具21の前端面には、前方の画像を撮像するカメラ(撮像部)30が取り付けられている。カメラ30は、撮像した画像を画像信号として制御コンピュータ27に送信する。
次に、図4(a),(b)を参照しながら、ノズルユニット25について説明する。図4(a)は、吹付け材の噴射方向Aに平行な視線で噴射方向前方から見たノズルユニット25の図であり、図4(b)は、噴射方向に平行な断面におけるノズルユニット25の断面図(IV-IV断面図)である。ノズル(吹付けノズル)31からのベントナイトの噴射方向を符号「A」で表す。図に示すように、ノズルユニット25は、チューブ15(図2参照)から供給されるベントナイトを噴射するノズル31と、ノズル31を保持し固定すると共にロボットアーム23のアーム先端に固定されるフレーム33とを備えている。
更にノズルユニット25は、ノズル31の周囲を囲むように配置された複数のレーザ装置(光照射部)35を備えている。以下では、図に例示されるようにレーザ装置35の数を10個として説明するが、これに限定されるものではない。各レーザ装置35は、フレーム33に保持され固定されており、ノズル31を中心とする円周上に等間隔で配列されている。各レーザ装置35は、それぞれ、噴射方向Aに向けてレーザ光を照射する。ノズル31とフレーム33とは、共にフレーム33に保持されて姿勢と位置とが固定されているので、各レーザ装置35の姿勢及び位置は、ノズル31に対して相対的に固定されている。
上記のノズルユニット25の構成によれば、図5(a),(b)に示すように、10個のレーザ光の光点が配列されてなる二次元的な光像Lが、妻面11上に描写される。噴射方向Aが妻面11に垂直である場合、光像Lは、図5(a)に例示するように正円形をなす光像L1となる。一方、噴射方向Aが妻面11に垂直でない場合には、光像Lは、図5(b)に例示するように楕円形をなす光像L2となる。従って、制御コンピュータ27は、妻面11上に形成される光像Lの形状をカメラ30から認識することにより、ノズル31の姿勢を判断することができ、噴射方向Aが妻面11に垂直であるか否かを判断することができる。また、制御コンピュータ27は、光像L2をなす楕円の長径と短径との比に基づいて、噴射方向Aと妻面11とがなす角度(以下「吹付け角」)を算出することができる。また、上記光像Lが円形であるか否かを、作業者が目視で判断することもでき、吹付け角が90°であるか否かを確認することもできる。詳細は後述するが、吹付け材のリバウンド低減のための最も適切な吹付け角が90°である。
なお、吹付け角が90°の場合、ノズル31からのベントナイトが付着する妻面11上の付着領域は、ほぼ正円形をなす。上記付着領域の輪郭に沿って光像L1の正円が形成されるようにレーザ装置35の配置を決定することが好ましい。この構成によれば、ベントナイトが付着する予定の範囲を容易に確認しながら、吹付け本体部3の据え付けやロボットアーム23のプログラミングを行うことができる。
続いて、上述の吹付け装置1を用いた吹付け工法及び側部緩衝層113aの施工方法について図6を参照しながら説明する。
(プログラミング工程)
まず、ノズルユニット25が妻面11から1m離れて位置するように、吹付け本体部3を設置する。次に、作業者が妻面11上の光像Lを目視で確認しながら、ロボットアーム23を手動操作してノズルユニット25を移動させ、ベントナイト吹付けを行う際のノズルユニット25の移動を行わせる。このとき、作業者は、目視した光像Lの形状に基づき、光像Lの形状を円形に維持するようにノズル31の姿勢を調整しながら、ノズルユニット25を移動させる。例えば、ノズルユニット25をX方向に往復させ更にY方向に移動させるといった動作が繰り返される。以上の手動操作によるロボットアーム23の動作は、プログラムとして制御コンピュータ27に記憶させる。上記のように、作業者が光像Lの形状に基づいてノズル31の姿勢を調整する工程は、「ノズル調整工程」に該当する。
ここでは、作業者が、妻面11上の光像Lを目視確認しながら操作することができるので、光像Lの形状を円形に維持し、妻面11に対して噴射方向Aを垂直に維持するようなノズルユニット25の移動を行わせることができる。
(プログラム動作再生工程)
次に、上記プログラムによるロボットアーム23の動作を再生しながら、ノズル31から妻面11に対するベントナイトの吹付けを行う。そうすると、例えば、X方向に1m、Y方向に0.2m、Z方向に0.9mのベントナイト層114が形成される。ここでは、上記のプログラムによるロボットアーム23の動作が再生されるので、吹付け中における吹付け角が90°に維持され、ベントナイトのリバウンドが低減される。
(吹付け本体部上昇工程)
次に、ホイスト5(図2参照)を駆動し、吹付け本体部3を上方(Z方向)に0.9m移動させる。
そして、吹付け本体部の上昇後の位置で上記プログラム動作再生工程を行う。そうすると、既に形成されていたベントナイト層114の上方において、妻面11上に新たなベントナイト層114が形成される。ここでも、上記のプログラムによるロボットアーム23の動作が再生されるので、吹付け中における吹付け角が90°に維持され、ベントナイトのリバウンドが低減される。
その後も、吹付け本体部上昇工程とプログラム動作再生工程とを交互に繰り返すことにより、最終的に、上方に成長したベントナイト層が高さ8mまで達し、妻面11上には、X方向に1m、Y方向に0.2m、Z方向に8mのベントナイト層が形成される。
(吹付け本体部後退工程)
次に、ホイスト5(図2参照)の移動により吹付け本体部3を後方(−Y方向)に0.2m移動させる。そして、ホイスト5のワイヤー7を下方に伸ばして吹付け本体部3を下降させる。
この状態から、上記と同様にしてプログラム動作再生工程と吹付け本体部上昇行程とを繰り返せば、X方向に1m、Y方向に0.2m、Z方向に8mのベントナイト層がさらに−Y方向に積層される。そして、同様の作業を繰り返せば、ベントナイト層が−Y方向に順次積層され成長し、最終的には、充填予定空間Rがすべてベントナイトで充填され、側部緩衝層113aが完成する。
続いて、上述の吹付け方法及び吹付け装置1による作用効果について説明する。
ここで、図7に本発明者らによる吹付け試験の結果を示し、吹付け角と、リバウンドによる吹付け材のロス率と、の関係を検討する。図7に示されるように、吹付け角が90°の場合には、リバウンドによる吹付け材のロス率が約40%であり、吹付け角が浅くなるほどロス率が増加し、吹付け角が45°の場合にはロス率が約80%に達することが判る。なお、図7のグラフ中、ロス率Aとは、(リバウンド質量)/(総吹付け量)で算出された値であり、ロス率Bとは、(リバウンド質量)/(リバウンド質量+付着質量)で算出された値である。従って、この種の吹付け装置を用いる吹付け工法においては、リバウンドを低減する観点から、吹付け角を90°にすることが望まれる。
これに対し、上述の吹付け方法及び吹付け装置1では、プログラミング工程において妻面11上の光像Lの形状を確認するといった簡易な手法により、吹付け角を90°に維持しながらノズルユニット25を移動する動作をロボットアーム23に行わせることができる。そして、このときのロボットアーム23の動作がプログラムとして記憶され、プログラム動作再生工程において正確に繰り返される。よって、側部緩衝層113aの施工全体において、吹付け角を90°にしてベントナイト吹付けを行うことができる。その結果、ベントナイトのリバウンドが低減され、リバウンド材の回収工程の負担が低減される。また、吹付けスピードを向上し、低コスト化を図ることができる。
また、側部緩衝層113aの施工は、放射性の廃棄体103の近傍で行われるものであるので、作業者の放射線被曝が問題になり易い。これに対し、本実施形態の吹付け方法及び吹付け装置1では、プログラム動作再生工程をロボットアーム23によって自動的に無人で行うことができる。よって、作業者の放射線被曝を低減させることができ、ひいては、人件費を低減することができる。
〔第2実施形態〕
続いて、本発明の吹付け工法及び吹付け装置の第2実施形態について説明する。本実施形態の吹付け装置は、物理的には第1実施形態で説明した吹付け装置1と同一であるので、図示及び詳細な説明を省略する。また、本実施形態において第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を用いる。
(吹付け角制御工程)
本実施形態の吹付け工法では、吹付け中における吹付け角を90°に維持すべく、光像Lを利用して、次のようなフィードバック制御が行われる。すなわち、ベントナイトの吹付け中に、図8に示すように、ノズルユニット25の前方にレーザ光が照射され、妻面11上に光像Lが形成される。カメラ30は、妻面11からのレーザ反射光を受けて妻面11上の光像Lを撮像し、画像信号を制御コンピュータ27に送信する。制御コンピュータ27は、光像Lの画像を処理し、光像L2をなす楕円の長径と短径との比などに基づいて、吹付け角を演算する。そして、制御コンピュータ27は、吹付け角を90°に近付けるための制御値を算出して駆動信号を生成し、ロボットアーム23に送信する。ロボットアーム23は、駆動信号に従ってノズルユニット25の姿勢を変更する。以上の制御により、吹付け角をほぼ90°に維持しながら、妻面11上に対するベントナイトの吹付けを行うことができる。なお、上記のように、制御コンピュータ27がカメラ30で撮像された光像Lの形状に基づいてノズル31の姿勢を調整する工程は、「ノズル調整工程」に該当する。
〔第3実施形態〕
続いて、本発明の吹付け工法及び吹付け装置の第3実施形態について説明する。本実施形態の吹付け装置は、第1実施形態に係る吹付け装置1のノズルユニット25(図4参照)に代えて、図9に示すノズルユニット325を備えている。ノズルユニット325が備える各レーザ装置335は、ノズル31の噴射方向Aに対し傾いてフレーム33に保持されている。そして、ノズル31を中心とする円錐面上に各レーザ装置335の光軸Bが存在し、各レーザ光同士の間隔は前方に行くほど広がる。よって、ノズル31と妻面11との距離が大きくなるほど、光像L全体が相似的に大きくなる。例えば、ノズル31と妻面11との距離を1mにしたときに、光像L1の直径が30cmになるように調整されている。
この構成によれば、制御コンピュータ27は、妻面11上に形成される光像Lの大きさをカメラ30の画像信号から認識することにより、ノズル31と妻面11との距離を算出することができる。よって、制御コンピュータ27は、ノズル31と妻面11との距離(吹付け距離)を、リバウンド低減のための適切な距離に制御することができる。また、上記光像Lの大きさを、作業者が目視で判断することもでき、吹付け距離が適切であるか否かを確認することもできる。
本実施形態の吹付け装置を用いた吹付け工法では、前述のプログラミング工程(第1実施形態参照)において、適切な吹付け角の代わりに適切な吹付け距離を維持するロボットアーム23の動作を記憶させることができる。或いは、前述のプログラミング工程において、適切な吹付け角、且つ適切な吹付け距離を維持するロボットアーム23の動作を記憶させることができる。また、前述の吹付け角制御工程(第2実施形態参照)において、適切な吹付け角の代わりに適切な吹付け距離を維持するロボットアーム23の制御を行うことができる。或いは、前述の吹付け角制御工程において、適切な吹付け角、且つ適切な吹付け距離を維持するロボットアーム23の制御を行うことができる。
〔第4実施形態〕
続いて、本発明の吹付け工法及び吹付け装置の第4実施形態について説明する。本実施形態の吹付け装置は、光像Lを形成するための光照射手段として、円周上に配列したレーザ装置35に代えて、図10に示すように、円錐状に広がる光Mを照射し円形又は楕円径の光像を形成するライト435を用いている。ライト435は、連結治具433を介してノズル31に取り付けられることで、ノズル31に対して相対的に姿勢及び位置が固定される。このような構成によっても、第1〜第3実施形態と同様の作用効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形したものであってもよい。 例えば、各実施形態で例示した構成要素の具体的な寸法、距離等の数値は、説明の理解を容易にするための一例であって、本発明を限定するものではない。
例えば、プログラム動作再生工程の間に行われる吹付け本体部上昇工程及び吹付け本体部後退工程も、予めプログラム化し無人で自動的に行われるようにしてもよい。無人化された工程を増やすことにより、作業者の放射線被曝を更に低減させることができ、ひいては、人件費を低減することができる。
また、実施形態では、二次元的な形状(正円形、楕円形)の光像Lを形成する光照射部を採用しているが、一次元的な形状の光像(例えば、線分)を形成する光照射部を採用してもよい。この場合、光像の線分の長さに基づいて、ノズルの所定方向の成分の傾きを算出するといったことが可能になる。
また、実施形態では、ベントナイトの吹付けを例として説明したが、本発明の吹付け工法及び吹付け装置は、セメント、コンクリート、モルタル等の吹付けや、塗料の吹付け(塗装)、耐火材の吹付け被覆加工、土壌に対する種子の吹付けにも適用が可能である。特に、セメント、コンクリート、モルタルの吹付けでは、リバウンド材において水和反応が進行することから、リバウンド材の再利用ができない。従って、このような吹付けにおいては、コスト低減等の観点から、リバウンドを低減する重要性が高く、本発明の吹付け工法及び吹付け装置がより好適である。
1…吹付け装置、11…妻面(吹付け面)、23…ロボットアーム(ノズル駆動部)、27…制御コンピュータ(ノズル制御部)、30…カメラ(撮像部)、31…ノズル(吹付けノズル)、35,335…レーザ装置(光照射部)、114…ベントナイト層(吹付け層)、435…ライト(光照射部)、L,L1,L2…光像。

Claims (4)

  1. 吹付け装置によって吹付け面上に吹付け層を形成する吹付け工法であって、
    前記吹付け装置は、
    前記吹付け層を成す吹付け材を前記吹付け面に噴射する吹付けノズルと、
    前記吹付けノズルに対して相対的に固定され、前記吹付け面に光を照射して当該吹付け面上に光像を形成する光照射部と、を備えており、
    前記光照射部により前記吹付け面上に形成された前記光像の状態に基づいて、前記吹付け面に対する前記ノズルの姿勢及び/又は位置を調整するノズル調整工程を備えたことを特徴とする吹付け工法。
  2. 前記吹付け装置は、
    前記吹付けノズル及び前記光照射部を駆動するノズル駆動部と、
    前記ノズル駆動部を駆動させ前記吹付けノズルの姿勢及び/又は位置を制御するノズル制御部と、
    前記光照射部により前記吹付け面上に形成された前記光像を撮像する撮像部と、を更に備えており、
    前記ノズル調整工程では、
    前記ノズル制御部が、前記撮像部により取得される前記光像の画像に基づいて、前記吹付け面に対する前記ノズルの姿勢及び/又は位置を制御することを特徴とする請求項1に記載の吹付け工法。
  3. 吹付け工法において吹付け面上に吹付け層を形成する吹付け装置であって、
    前記吹付け層を成す吹付け材を前記吹付け面に噴射する吹付けノズルと、
    前記吹付けノズルに対して相対的に固定され、前記吹付け面に光を照射して当該吹付け面上に光像を形成する光照射部と、を備えたことを特徴とする吹付け装置。
  4. 前記吹付けノズル及び前記光照射部を駆動するノズル駆動部と、
    前記ノズル駆動部を駆動させ前記吹付けノズルの姿勢及び/又は位置を制御するノズル制御部と、
    前記光照射部により前記吹付け面上に形成された前記光像を撮像する撮像部と、を更に備え、
    前記ノズル制御部は、
    前記撮像部により取得される前記光像の画像に基づいて、前記吹付け面に対する前記ノズルの姿勢及び/又は位置を制御することを特徴とする請求項3に記載の吹付け装置。
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