JP2014136782A - 樹脂組成物、成形体、積層体及び食品包装容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた透明性と加工性を有し、強度、低温における耐衝撃性等が良好な樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記成分(A)〜(C)を含む樹脂組成物による。
成分(A):ジカルボン酸成分としてテレフタル酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつジオール成分としてエチレングリコール由来の構成単位及びジエチレングリコール由来の構成単位を合計で全ジオール成分の50モル%以上含むポリエステル系樹脂 60〜99重量%
成分(B):芳香族ポリカーボネート系樹脂 0.6〜39.5重量%
成分(C):ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつ、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位を全ジオール成分の50モル%以上含む脂環式ポリエステル系樹脂 0.4〜15重量%
【選択図】なし
【解決手段】下記成分(A)〜(C)を含む樹脂組成物による。
成分(A):ジカルボン酸成分としてテレフタル酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつジオール成分としてエチレングリコール由来の構成単位及びジエチレングリコール由来の構成単位を合計で全ジオール成分の50モル%以上含むポリエステル系樹脂 60〜99重量%
成分(B):芳香族ポリカーボネート系樹脂 0.6〜39.5重量%
成分(C):ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつ、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位を全ジオール成分の50モル%以上含む脂環式ポリエステル系樹脂 0.4〜15重量%
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含有する組成物及びその成形体に関する。特に、本発明は、透明性と低温耐衝撃性を兼ね備えた、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含有する樹脂組成物及びその成形体に関する。
現在、透明性が必要とされる梱包用容器には、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂等が主として使用されている。これらの中でもPET樹脂は耐薬品性や酸素バリア性に優れ、更には安価であることから、食品包装容器を始めとして、電子部品用容器や医療用容器等の広範な分野に使用されている。しかし、低温域で著しく靭性が損なわれることから、冷凍保存容器等の用途には未だ適応できていない。
低温における衝撃強度の改良の手段としては、低温域でも硬化せずに柔軟性を維持し得るゴム成分を配合し、応力を分散させる手法が一般的である(例えば、特許文献1)。このようなゴムとしてはアクリル系ゴムやスチレン系ゴム、変性エチレン系ゴム、ポリエステル系ゴム等が知られている。また、ポリエチレンテレフタレートに別のモノマー成分を共重合することで、耐温衝撃性を向上させるという技術(例えば、特許文献2)も報告されている。
本発明者の検討によれば、前記特許文献1に記載されているような技術においてはPET樹脂に上述のゴム成分を配合した場合、ゴム成分の分散粒径が可視光波長以上であり、かつ屈折率がPET樹脂とは異なることから、粒子界面で光が散乱し、PET樹脂特有の優れた透明性が損なわれてしまうという問題点がある。一方、前記特許文献2に記載されているような技術においても、低温における性能向上については不十分であった。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、その課題は、優れた透明性と加工性を有し、強度、低温における耐衝撃性等が良好な樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、特定の比率にある芳香族ポリカーボネート系樹脂と脂環式ポリエステル系樹脂とを含有するポリエステル系樹脂組成物とすることにより、前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、以下の[1]〜[6]を要旨とする。
[1] 下記成分(A)〜(C)を含む樹脂組成物。
成分(A):ジカルボン酸成分としてテレフタル酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつジオール成分としてエチレングリコール由来の構成単位及びジエチレングリコール由来の構成単位を合計で全ジオール成分の50モル%以上含むポリエステル系樹脂 60〜99重量%
成分(B):芳香族ポリカーボネート系樹脂 0.6〜39.5重量%
成分(C):ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつ、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位を全ジオール成分の50モル%以上含む脂環式ポリエステル系樹脂 0.4〜15重量%
成分(A):ジカルボン酸成分としてテレフタル酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつジオール成分としてエチレングリコール由来の構成単位及びジエチレングリコール由来の構成単位を合計で全ジオール成分の50モル%以上含むポリエステル系樹脂 60〜99重量%
成分(B):芳香族ポリカーボネート系樹脂 0.6〜39.5重量%
成分(C):ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつ、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位を全ジオール成分の50モル%以上含む脂環式ポリエステル系樹脂 0.4〜15重量%
[2] 前記成分(B)と前記成分(C)との重量比([成分(B)の重量]/[成分(C)の重量])が95/5〜60/40である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] [1]又は[2]に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
[4] [1]又は[2]に記載の樹脂組成物と、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とを積層してなる積層体。
[5] [1]又は[2]に記載の樹脂組成物からなる食品包装容器。
[6] [4]に記載の積層体からなる食品包装容器。
本発明によれば、保香性、透明性、強度、低温耐衝撃性等に優れた樹脂組成物が提供される。また、本発明の樹脂組成物により、包装材、容器、電気・電子機器用部材等として好適なフィルムやシート、射出成形品等の成形体が提供することができる。本発明の樹脂組成物は、冷凍保存容器等の食品包装容器に好適に用いることが出来る。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本発明の樹脂組成物は、下記成分(A)〜(C)を含む。本発明の樹脂組成物は、保香性、透明性、強度、低温耐衝撃性等に優れるという効果を奏する。特に、本発明の樹脂組成物においては、成分(A)により保香性を、成分(B)及び成分(C)により、低温耐衝撃性を調節しつつ、成分(B)により強度を発現させ、また、成分(C)により透明性を発現させている。
成分(A):ジカルボン酸成分としてテレフタル酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつジオール成分としてエチレングリコール由来の構成単位及びジエチレングリコール由来の構成単位を合計で全ジオール成分の50モル%以上含むポリエステル系樹脂 60〜99重量%
成分(B):芳香族ポリカーボネート系樹脂 0.6〜39.5重量%
成分(C):ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつ、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位を全ジオール成分の50モル%以上含む脂環式ポリエステル系樹脂 0.4〜15重量%
成分(A):ジカルボン酸成分としてテレフタル酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつジオール成分としてエチレングリコール由来の構成単位及びジエチレングリコール由来の構成単位を合計で全ジオール成分の50モル%以上含むポリエステル系樹脂 60〜99重量%
成分(B):芳香族ポリカーボネート系樹脂 0.6〜39.5重量%
成分(C):ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつ、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位を全ジオール成分の50モル%以上含む脂環式ポリエステル系樹脂 0.4〜15重量%
<成分(A)>
本発明における成分(A)は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつジオール成分としてエチレングリコール由来の構成単位及びジエチレングリコール由来の構成単位を合計で全ジオール成分の50モル%以上含むポリエステル系樹脂である。
本発明における成分(A)は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつジオール成分としてエチレングリコール由来の構成単位及びジエチレングリコール由来の構成単位を合計で全ジオール成分の50モル%以上含むポリエステル系樹脂である。
成分(A)を構成するジカルボン酸成分は、耐熱性及び透明性の点より、テレフタル酸
由来の構成単位を全ジカルボン酸成分に対して90モル%以上含むことが好ましく、特に95〜100モル%含むことが好ましい。
由来の構成単位を全ジカルボン酸成分に対して90モル%以上含むことが好ましく、特に95〜100モル%含むことが好ましい。
成分(A)において、テレフタル酸以外に用いられる他のジカルボン酸成分としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;これらのジカルボン酸の炭素数1〜4のアルキルエステル、或いはハロゲン化物等のジカルボン酸誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;これらのジカルボン酸の炭素数1〜4のアルキルエステル、或いはハロゲン化物等のジカルボン酸誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
一方、成分(A)を構成する全ジオール成分由来の単位中におけるエチレングリコール及びジエチレングリコール由来の構成単位の合計の割合が高いほど、透明性や耐熱性に優れることから、エチレングリコール及びジエチレングリコール由来の構成単位を合計で全ジオール成分に対して55モル%以上含むことが好ましく、特に60モル%以上含むことがより好ましく、一方、その上限については特に制限されないが、通常、100モル%である。
成分(A)に用いることができる、エチレングリコール及びジエチレングリコール以外のジオール成分としては、例えば、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロペンタンジメタノールビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0]デカン、1,3−シクロペンタンジメタノールビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0]デカン等の5員環ジオール;1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の6員環ジオール;トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール(ただし、エチレングリコール及びジエチレングリコールを除く。);キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
成分(A)のガラス転移温度は、好ましくは45℃以上であり、より好ましくは55℃以上である。成分(A)のガラス転移温度が上記下限値以上であると、耐熱性の観点で好ましい。一方、成分(A)のガラス転移温度の上限は90℃である。なお、ガラス転移温度は例えば、示差走査熱量計(DSC)等を用いることにより常法にて測定することができ、通常は10℃/minの昇温速度で測定した際のヒートフローの変局点の温度を意味する。成分(A)のガラス転移温度は、前述したジカルボン酸成分及びジオール成分を適宜選択して用いることで制御することができる。
また、成分(A)の固有粘度(IV)は任意であるが、低い方が溶融粘度も低くなるた
め、成形加工し易い点で好ましい。具体的には、成分(A)をフェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)混合液を溶媒として、ウベローデ型粘度計を用いて、30℃で測定することにより求められる固有粘度(IV)が1.5dl/g以下であることが好ましい。一方、積層体の強度等の物性の点からは、成分(A)の固有粘度(IV)は0.3dl/g以上であることが好ましい。
め、成形加工し易い点で好ましい。具体的には、成分(A)をフェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)混合液を溶媒として、ウベローデ型粘度計を用いて、30℃で測定することにより求められる固有粘度(IV)が1.5dl/g以下であることが好ましい。一方、積層体の強度等の物性の点からは、成分(A)の固有粘度(IV)は0.3dl/g以上であることが好ましい。
成分(A)は、一般的には、テレフタル酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分と、エチレングリコール及びジエチレングリコールを50モル%以上含むジオール成分とのエステル化反応、又はテレフタル酸メチルを50モル%以上含むジカルボン酸アルキル成分と、エチレングリコール及びジエチレングリコールを50モル%以上含むジオール成分とのエステル交換反応、及び重縮合反応によって得ることができる。エステル化反応又はエステル交換反応の温度条件は通常200〜300℃である。また、十分な反応速度を得るためには触媒を使用することが好ましい。触媒としては、通常のエステル化反応又はエステル交換反応、及び重縮合反応に使用されている触媒であれば、特に限定されず、広く公知のものを採用することが出来る。
成分(A)として好適な上記のような特性を有するポリエステル系樹脂は市販されており、例えば、イーストマンケミカル社製「Easter(登録商標)Copolyester」や、日本ユニペット社製「ユニペット(登録商標)」等が挙げられる。
なお、成分(A)としては、1種類の樹脂を単独で用いてもよく、ジカルボン酸成分やジオール成分又はガラス転移温度等の物性の異なるものを2種組み合わせて用いてもよい。
<成分(B)>
本発明で成分(B)として使用する芳香族ポリカーボネート樹脂は、原料として、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを使用し、または、これらに併せて少量のポリヒドロキシ化合物を使用することにより得られる、直鎖または分岐の熱可塑性の重合体または共重合体である。また、成分(B)の原料には上記の芳香族ジヒドロキシ化合物に加え、三官能以上の多官能性芳香族化合物が用いられていてもよい。
本発明で成分(B)として使用する芳香族ポリカーボネート樹脂は、原料として、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを使用し、または、これらに併せて少量のポリヒドロキシ化合物を使用することにより得られる、直鎖または分岐の熱可塑性の重合体または共重合体である。また、成分(B)の原料には上記の芳香族ジヒドロキシ化合物に加え、三官能以上の多官能性芳香族化合物が用いられていてもよい。
上記の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が挙げられる。
また、上記以外の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等で例示されるカルド構造含有ビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
キサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等で例示されるカルド構造含有ビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、上記の中では、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性の点から、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]が好ましい。芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記のカーボネート前駆体としては、例えば、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等が挙げられ、その具体例としては、ホスゲン;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。これらのカーボネート前駆体についても、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、成分(B)は、三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した、分岐芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよい。三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、例えば、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物類の他、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロムイサチン等が挙げられる。これらの中では、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。多官能性芳香族化合物は、前記の芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を置換して使用することができ、その使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対し、通常0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜2モル%である。
成分(B)の製造方法としては、例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法等が挙げられる。工業的には、界面重合法又は溶融エステル交換法が有利である。
成分(B)の分子量は、機械的強度と流動性(成形加工性容易性)の観点から、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、温度25℃で測定された溶液粘度から換算した粘度平均分子量(Mv)として、通常10,000〜50,000、好ましくは12,000〜40,000であり、更に好ましくは14,000〜30,000である。成分(B)は、粘度平均分子量の異なる2種類以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を混合して上記の範囲内の粘度平均分子量としてもよい。また、必要に応じ、粘度平均分子量が上記の好適範
囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
また、成分(B)は、JIS規格K7210の試験条件4に従って測定した300℃、1.20kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、加工性の点では大きい方が好ましく、機械的強度の点では小さい方が好ましい。具体的には、成分(B)の300℃、1.20kg荷重におけるMFRが0.1g/10min以上であることが好ましく、1g/10min以上であることが更に好ましく、一方、100g/10min以下であるのが好ましく、50g/10min以下であることがより好ましい。
また、成分(B)の末端水酸基濃度は、通常1000ppm以下、好ましくは800ppm以下、更に好ましくは600ppm以下である。また、その下限は、特にエステル交換法で製造する芳香族ポリカーボネート樹脂では、10ppm以上、好ましくは30ppm以上、更に好ましくは40ppm以上である。末端水酸基濃度を10ppm以上とすることにより、分子量の低下が抑制でき、機械的特性がより向上する傾向にある。また、末端水酸基濃度が1000ppmを超えない範囲にすることにより、滞留熱安定性や色調がより向上する傾向にある。
上記の末端水酸基濃度の単位は、芳香族ポリカーボネート樹脂重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものであり、測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)である。
成分(B)としての芳香族ポリカーボネート系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、原料化合物が異なるものや、粘度平均分子量等の物性が異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
成分(B)は市販品として入手することもできる。市販品としては例えば、三菱エンジニアリングプラスチックス社製ユーピロン(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
<成分(C)>
本発明に係る成分(C)は、ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつ、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位を全ジオール成分の50モル%以上含む脂環式ポリエステル系樹脂である。
本発明に係る成分(C)は、ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつ、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位を全ジオール成分の50モル%以上含む脂環式ポリエステル系樹脂である。
成分(C)は好ましくは、全ジカルボン酸成分由来の構成単位中の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の構成単位の割合と全ジオール成分由来の構成単位中の1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位の割合が、それぞれ、好ましくは55モル%以上であり、より好ましくは60モル%以上であり、更に好ましくは70モル%以上であり、特に好ましくは80モル%以上である。なお、その上限は通常、100モル%である。成分(C)中の全ジカルボン酸成分由来の構成単位中の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の構成単位及び全ジオール成分由来の構成単位中の1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位の割合が高いほど、積層体の耐熱性の点で好ましい。
成分(C)に用いることができる、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸(ただし、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を除く。);テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカル
ボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の鎖状脂肪族ジカルボン酸;これらのジカルボン酸の炭素数1〜4のアルキルエステル、或いはハロゲン化物等のジカルボン酸誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の鎖状脂肪族ジカルボン酸;これらのジカルボン酸の炭素数1〜4のアルキルエステル、或いはハロゲン化物等のジカルボン酸誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのジカルボン酸成分のうち、鎖状脂肪族ジカルボン酸又は脂環式ジカルボン酸、或いはこれらの誘導体が好ましく用いられる。
なお、ジカルボン酸成分が脂環式ジカルボン酸である場合、該脂環式ジカルボン酸中のトランス体の割合は、成分(C)の耐熱性の点では多い方が望ましいが、一方、耐衝撃性の点では、低い方が好ましい。具体的には、このトランス体の割合は、30モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、70モル%以上であることが更に好ましく、また、一方、98モル%以下であることが好ましく、95モル%以下であることがより好ましい。
一方、成分(C)に用いることができる、1,4−シクロヘキサンジメタノール以外のジオール成分としては、例えば、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロペンタンジメタノールビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0]デカン、1,3−シクロペンタンジメタノールビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0]デカン等の5員環ジオール;1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の6員環ジオール(ただし、1,4−シクロヘキサンジメタノールを除く。);エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のテトラメチレングリコール;ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の鎖状脂肪族ジオール;キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの内、柔軟性付与の観点から、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等の鎖状脂肪族ジオールが好ましい。
ジオール成分が脂環式ジオールである場合、該脂環式ジオール中のトランス体の割合は、上述の脂環式ジカルボン酸成分に含まれるトランス体の割合と同様な理由により、60モル%以上であることが好ましく、65モル%以上であることが更に好ましく、また、一方、98モル%以下であることが好ましく、95モル%以下であることがより好ましい。
また、成分(C)を構成するジオール成分由来の単位の一部を、ポリアルキレンポリオール由来の構成単位で置き換える、即ち、成分(C)を、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分と1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とするジオール成分との共重合体をハードセグメントとし、ポリアルキレンポリオールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルブロック共重合体としても構わない。
また、成分(C)の固有粘度(IV)は任意であるが、低い方が溶融粘度も低くなるた
め、成形加工し易い点で好ましい。具体的には、成分(C)をフェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)混合液を溶媒として、ウベローデ型粘度計を用いて、30℃で測定することにより求められる固有粘度(IV)が1.5dl/g以下であることが好ましい。一方、本発明の積層体の強度等の物性の点からは、成分(C)の固有粘度(IV)は0.5dl/g以上であることが好ましい。
め、成形加工し易い点で好ましい。具体的には、成分(C)をフェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)混合液を溶媒として、ウベローデ型粘度計を用いて、30℃で測定することにより求められる固有粘度(IV)が1.5dl/g以下であることが好ましい。一方、本発明の積層体の強度等の物性の点からは、成分(C)の固有粘度(IV)は0.5dl/g以上であることが好ましい。
また、成分(C)は、JIS規格K7210の試験条件4に従って測定した230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、加工性の点では大きい方が好ましく、機械的強度の点では小さい方が好ましい。具体的には、成分(C)の230℃、2.16kg荷重におけるMFRは1g/10min以上であることが好ましく、5g/10min以上であることが更に好ましく、一方、200g/10min以下であることが好ましく、100g/10min以下であることがより好ましい。
脂環式ポリエステル系樹脂の融点は、160℃以上240℃以下であることが加工性と透明性のバランスの点から好ましい。融点は、前述したジカルボン酸及びジオール成分の種類、ジカルボン酸成分における脂環式ジカルボン酸のトランス体の割合、ジオール成分における脂環式ジオールのトランス体の割合等を適宜調整することによって制御可能である。なお、融点は示差走査熱量計にて検出される、通常は10℃/minの昇温速度で測定した際の融解ピークトップの温度を意味する。
成分(C)は、一般的には1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含むジカルボン酸成分と1,4−シクロヘキサンジメタノールを全ジオール成分の50モル%以上含むジオール成分とのエステル化又はエステル交換反応及び重縮合反応によって得られる。エステル化反応又はエステル交換反応の温度条件は通常200〜300℃である。また、十分な反応速度を得るためには触媒を使用することが好ましい。触媒としては、通常のエステル化反応又はエステル交換反応、及び重縮合反応に使用されている触媒であれば、特に限定されず、広く公知のものを採用することが出来る。具体的にはチタン化合物、アンチモン化合物、スズ化合物等が挙げられる。尚、エステル交換反応を用いて重縮合を行う場合、ジカルボン酸成分は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル由来からとなる。
なお、成分(C)としては、1種類の樹脂を単独で用いてもよく、ジカルボン酸成分やジオール成分或いは融点等の物性の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
また、成分(C)は、三官能以上の多官能性化合物を共重合した、分岐型脂環式ポリエステル系樹脂であってもよい。三官能以上の多官能性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、3,3‘,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸等が挙げられる。その使用量は、通常0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜3モル%である。
<配合割合>
本発明の樹脂組成物において、成分(A)の占める割合は成分(A)〜(C)の合計に対して60〜99重量%である。成分(A)を60重量%以上とすることにより、優れた保香性が得られ、99重量%以下とすることにより、低温耐衝撃性が確保される。また、成形安定性を更に良好とするためには65重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物において、成分(A)の占める割合は成分(A)〜(C)の合計に対して60〜99重量%である。成分(A)を60重量%以上とすることにより、優れた保香性が得られ、99重量%以下とすることにより、低温耐衝撃性が確保される。また、成形安定性を更に良好とするためには65重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。
また、成分(B)の占める割合は成分(A)〜(C)の合計に対して0.6〜39.5重量%である。成分(B)の占める割合を0.6重量%以上とすることで低温耐衝撃性が得られ、この効果を高める観点から好ましくは1重量%以上である。一方、39.5重量%以下とすることで良好な保香性や二次加工性が得られ、この効果を高める観点から好ましくは35重量%以下であり、より好ましくは30重量%以下である。
成分(C)の占める割合は成分(A)〜(C)の合計に対して0.4〜15重量%である。成分(C)の占める割合を0.4重量%以上であると透明性及び二次加工性が得られ、この効果を高める観点から好ましくは0.5重量%以上である。一方、15重量%以下とすることで透明性が得られ、この効果を高める観点から好ましくは10重量%以下である。
また、成分(B)と成分(C)の重量比は成形品の透明性の観点から次の範囲とすることが好ましい。即ち、[成分(B)の重量]/[成分(C)の重量]で、低温耐衝撃性の観点からは60/40以上が好ましく、70/30以上がより好ましく、一方、透明性の観点からは95/5以下であることが好ましく、93/7以下であることがより好ましく、90/10以下であることが更に好ましい。
<その他の成分>
本発明の樹脂組成物には、前記成分(A)〜(C)以外のその他の樹脂、添加剤等が含まれていてもよい。ただし、本発明の樹脂組成物において、前記成分(A)〜(C)がこれらの合計で樹脂組成物全体に対して通常、50重量部以上、好ましくは80重量%以上含まれる。
本発明の樹脂組成物には、前記成分(A)〜(C)以外のその他の樹脂、添加剤等が含まれていてもよい。ただし、本発明の樹脂組成物において、前記成分(A)〜(C)がこれらの合計で樹脂組成物全体に対して通常、50重量部以上、好ましくは80重量%以上含まれる。
成分(A)〜(C)以外のその他の樹脂としては、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体等のプロピレン系共重合体;ポリフェニレンエーテル系樹脂;ナイロン66、ナイロン11等のポリアミド系樹脂;ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂(ただし、各々、成分(A)、(C)に含まれるものを除く。)、ポリメチルメタクリレート系樹脂、アクリル/メタクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は1種のみでも2種類以上を任意の組合せ及び比率で組み合わせて用いてもよい。
また、添加剤としては、各種の熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、可塑剤、光安定剤、結晶核剤、衝撃改良剤、顔料、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、充填剤、相溶化剤、粘着性付与剤、触媒失活剤等が挙げられる。これらの添加剤は1種のみでも2種類以上を任意の組合せ及び比率で組み合わせて用いてもよい。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の樹脂組成物は、上述の各成分を混合することにより得ることができる。混合の方法については、原料成分が均一に分散されるものであれば特に制限されない。即ち、上述の各原料成分等を同時に又は任意の順序で混合することにより、各成分が均一に分布した樹脂組成物を得ることができる。より均一な混合、分散のためには、所定量の上記原料成分を、溶融混合することが好ましい。例えば、本発明の樹脂組成物の各原料成分等を任意の順序で混合してから加熱したり、全原料成分等を順次溶融させながら混合してもよいし、各原料成分等の混合物をペレット化したり目的成形品を製造する際の成形時に溶融混合してもよい。
本発明の樹脂組成物は、上述の各成分を混合することにより得ることができる。混合の方法については、原料成分が均一に分散されるものであれば特に制限されない。即ち、上述の各原料成分等を同時に又は任意の順序で混合することにより、各成分が均一に分布した樹脂組成物を得ることができる。より均一な混合、分散のためには、所定量の上記原料成分を、溶融混合することが好ましい。例えば、本発明の樹脂組成物の各原料成分等を任意の順序で混合してから加熱したり、全原料成分等を順次溶融させながら混合してもよいし、各原料成分等の混合物をペレット化したり目的成形品を製造する際の成形時に溶融混合してもよい。
混合方法や混合条件は、各原料成分等が均一に混合されれば特に制限はないが、生産性の点からは、単軸押出機や2軸押出機のような連続混練機及びミルロール、バンバリーミ
キサー、加圧ニーダー等のバッチ式混練機等の公知の溶融混練方法が好ましい。溶融混合時の温度は、各原料成分の少なくとも一つが溶融状態となる温度であればよいが、通常は用いる全成分が溶融する温度が選択され、一般には150〜280℃で行われる。
キサー、加圧ニーダー等のバッチ式混練機等の公知の溶融混練方法が好ましい。溶融混合時の温度は、各原料成分の少なくとも一つが溶融状態となる温度であればよいが、通常は用いる全成分が溶融する温度が選択され、一般には150〜280℃で行われる。
<物性>
本発明の樹脂組成物は、強度、低温耐衝撃性、透明性等に優れるという特長を有する。特に、本発明の樹脂組成物は、透明性が高いことが好ましく、透明性はヘーズ及び全光線透過率で評価することができる。具体的には、JIS規格K7105に従って測定した全光線透過率が、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。また、JIS規格K7105に従って測定したヘーズが、45%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、30%以下であることが特に好ましい。なお、ヘーズ及び全光線透過率を測定する際の樹脂組成物の厚みは後述する成形体の厚み、特には後掲の実施例における厚みとすることができる。
本発明の樹脂組成物は、強度、低温耐衝撃性、透明性等に優れるという特長を有する。特に、本発明の樹脂組成物は、透明性が高いことが好ましく、透明性はヘーズ及び全光線透過率で評価することができる。具体的には、JIS規格K7105に従って測定した全光線透過率が、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。また、JIS規格K7105に従って測定したヘーズが、45%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、30%以下であることが特に好ましい。なお、ヘーズ及び全光線透過率を測定する際の樹脂組成物の厚みは後述する成形体の厚み、特には後掲の実施例における厚みとすることができる。
〔成形体〕
本発明の成形体は、上述の本発明の樹脂組成物を成形することにより得ることができる。ここで、本発明の成形体の製造方法は、本発明の樹脂組成物を成形できれば特に制限はない。例えば、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形及びシート成形後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の各種成形方法が挙げられる。これらのうち、容器やフィルム等を製造することを考慮すると、射出成形又は押出成形が好ましい。
本発明の成形体は、上述の本発明の樹脂組成物を成形することにより得ることができる。ここで、本発明の成形体の製造方法は、本発明の樹脂組成物を成形できれば特に制限はない。例えば、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形及びシート成形後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の各種成形方法が挙げられる。これらのうち、容器やフィルム等を製造することを考慮すると、射出成形又は押出成形が好ましい。
成形時のシリンダー及びダイスの温度は、未溶融物の表面析出等による外観不良が起こり難い点では、高温であることが好ましく、溶融樹脂中に含まれる成分の中で最も融点が高い成分の融点より高温であることが更に好ましく、最も融点が高い成分の融点より10℃以上高いことが特に好ましく、最も融点が高い成分の融点より20℃以上高いことが最も好ましい。一方、含有成分の熱分解による変色や物性低下を起こさないためには、成形時のシリンダー及びダイスの温度は、低い方が好ましい。具体的には、成分(A)の融点が一般的に250℃〜260℃であることから、270℃以上であることが好ましく、280℃以上であることが特に好ましい。成形時のシリンダー及びダイス温度の上限は320℃以下であることが好ましく、300℃以下であることが更に好ましい。また、射出成形を行う場合の金型温度は、60℃以下であるのが好ましく、45℃以下であるのが更に好ましい。
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を成形して得られる成形体であれば、どのような形状でも構わないが、特に、フィルムやシート、容器状等の形状を有する成形品が本発明の樹脂組成物の特長の一つである透明性や保香性を活かしやすいために好ましい。
本発明の成形体の厚さは、透明性を活用する点では薄い方が好ましいが、耐衝撃性の点では厚い方が好ましい。本発明の成形体は、透明性に優れるので、ある程度の厚さがあっても実用上十分な透明性を確保しやすい。このため、好ましくは50〜2000μmであり、より好ましくは100〜1000μmである。
〔積層体〕
本発明の樹脂組成物は、本発明の樹脂組成物を含有する層と他の層との積層体としてもよい。この場合、それぞれ個別に成形した層を積層してもよいし、予め成形しておいた層に他層を積層してもよいし、複数の層を同時に成形して積層体としてもよい。積層体とする場合の成形方法としては、具体的には、例えば、単軸又は二軸の押出機を用いた多層の共押出成形、予め成形しておいた層に溶融樹脂を射出する二色成形、ラミネート成形、多層インフレーション成形等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、本発明の樹脂組成物を含有する層と他の層との積層体としてもよい。この場合、それぞれ個別に成形した層を積層してもよいし、予め成形しておいた層に他層を積層してもよいし、複数の層を同時に成形して積層体としてもよい。積層体とする場合の成形方法としては、具体的には、例えば、単軸又は二軸の押出機を用いた多層の共押出成形、予め成形しておいた層に溶融樹脂を射出する二色成形、ラミネート成形、多層インフレーション成形等が挙げられる。
また、前記の他の層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂(ただし、本発明の樹脂組成物を除く。)、芳香族ポリカーボネート系樹脂(ただし、本発明の樹脂組成物を除く。)、アクリロニトリル−スチレン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体等から形成される層等が挙げられる。これらの中でも、本発明の樹脂組成物が特にポリエチレンテレフタレート系樹脂に対して優れた相溶性を有することから、本発明の樹脂組成物からなる層と他のポリエチレンテレフタレート系樹脂の層との積層体とした場合に、高い層間接着性を得ることができることに加え、延伸工程を加えても良好な外観を得ることが可能となるために特に好ましい。
本発明の樹脂組成物を用いて積層体とする場合、本発明の樹脂組成物を含有する層の厚みは通常、10〜2000μm、好ましくは20〜1000μmであり、他の層の厚みは通常、80〜1000μm、好ましくは200〜1000μmである。また、透明性と耐衝撃性の観点から総厚みは通常、100〜2000μm、好ましくは200〜1000μmである。
〔用途〕
本発明の樹脂組成物並びに該樹脂組成物から得られる成形体及び積層体は、保香性、透明性、強度、低温耐衝撃性等に優れたものである。このため、包装材、容器、電気・電子機器用部材等として好適あり、これらの中でも容器として、より具体的には冷凍保存容器等の食品包装容器として特に好適に用いることができる。
本発明の樹脂組成物並びに該樹脂組成物から得られる成形体及び積層体は、保香性、透明性、強度、低温耐衝撃性等に優れたものである。このため、包装材、容器、電気・電子機器用部材等として好適あり、これらの中でも容器として、より具体的には冷凍保存容器等の食品包装容器として特に好適に用いることができる。
以下、本発明について実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限または下限の値と、下記実施例の値または実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
〔原料〕
以下の実施例及び比較例では、以下の原料を用いた。
以下の実施例及び比較例では、以下の原料を用いた。
<成分(A)>
(A−1) ポリエチレンテレフタレート(ホモポリマー)
日本ユニペット社製「ユニペット(登録商標) RT553C」
ガラス転移温度:81℃
固有粘度(IV):0.85dl/g
(A−1) ポリエチレンテレフタレート(ホモポリマー)
日本ユニペット社製「ユニペット(登録商標) RT553C」
ガラス転移温度:81℃
固有粘度(IV):0.85dl/g
<成分(B)>
(B−1) ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバレックス(登録商標) 7030A」
末端水酸基濃度:150ppm
JIS規格K7210の試験条件4に従って300℃、1.20kg荷重(kgf)で測定したメルトフローレート:4.2g/10min
(B−1) ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバレックス(登録商標) 7030A」
末端水酸基濃度:150ppm
JIS規格K7210の試験条件4に従って300℃、1.20kg荷重(kgf)で測定したメルトフローレート:4.2g/10min
<成分(C)>
(C−1) 脂環式ポリエステル
ジカルボン酸成分:1,4−シクロヘキサンジカルボン酸100モル%
ジオール成分:1,4−シクロヘキサンジメタノール100モル%
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のトランス率:88%、1,4−シクロヘキサンジメタノールのトランス率:69%
示差走査熱測定器(DSC)を用い、10℃/minの昇温速度で測定した融点:214℃
JIS規格K7210の試験条件4に従って230℃、2.16kg荷重(kgf)で測定したメルトフローレート:50g/10min
(C−1) 脂環式ポリエステル
ジカルボン酸成分:1,4−シクロヘキサンジカルボン酸100モル%
ジオール成分:1,4−シクロヘキサンジメタノール100モル%
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のトランス率:88%、1,4−シクロヘキサンジメタノールのトランス率:69%
示差走査熱測定器(DSC)を用い、10℃/minの昇温速度で測定した融点:214℃
JIS規格K7210の試験条件4に従って230℃、2.16kg荷重(kgf)で測定したメルトフローレート:50g/10min
<その他の成分>
(D−1) 酸化防止剤:イルガノックス(登録商標)1010
(D−2) 触媒失活剤:アデカスタブ(登録商標)AX−71
(D−1) 酸化防止剤:イルガノックス(登録商標)1010
(D−2) 触媒失活剤:アデカスタブ(登録商標)AX−71
〔成形体の評価〕
(1)強度:曲げ弾性率及び最大曲げ強度
JIS規格K7171に従い、射出成形で得られた80mm×10mm×4mmの試験片を、オートグラフを用いて2mm/minの速度で垂直の変位を加え、0.1〜0.5mm変位における応力から曲げ弾性率を、得られた最大応力から最大曲げ強度を各々測定した。
(1)強度:曲げ弾性率及び最大曲げ強度
JIS規格K7171に従い、射出成形で得られた80mm×10mm×4mmの試験片を、オートグラフを用いて2mm/minの速度で垂直の変位を加え、0.1〜0.5mm変位における応力から曲げ弾性率を、得られた最大応力から最大曲げ強度を各々測定した。
(2)低温耐衝撃性:低温面衝撃試験
試験にはデュポン衝撃試験機を用いる。−20℃に温度調節した80mm×120mm×2mmのプレートを撃芯と撃芯台の間にて固定し、3000gの荷重を60mmの高さから落錘し、プレートの破壊有無及び破壊状態から、面衝撃性を評価した。
○:非破壊
△:延性破壊
×:脆性破壊
試験にはデュポン衝撃試験機を用いる。−20℃に温度調節した80mm×120mm×2mmのプレートを撃芯と撃芯台の間にて固定し、3000gの荷重を60mmの高さから落錘し、プレートの破壊有無及び破壊状態から、面衝撃性を評価した。
○:非破壊
△:延性破壊
×:脆性破壊
(3)透明性:ヘーズ及び全光線透過率
JIS規格K7105に従い、80mm×120mm×2mmのプレートを用いてヘーズ及び全光線透過率を測定した。また、下記基準に基づいて透明性を評価した。
○:全光線透過率80%以上かつヘーズ45%未満
×:上記範囲外
JIS規格K7105に従い、80mm×120mm×2mmのプレートを用いてヘーズ及び全光線透過率を測定した。また、下記基準に基づいて透明性を評価した。
○:全光線透過率80%以上かつヘーズ45%未満
×:上記範囲外
〔実施例1〜2、比較例1〜2〕
表−1に示す配合割合(重量部)に基づき、二軸押出機(株式会社池貝社製「PCM30」、シリンダー口径30mm)によって、設定温度270℃で溶融混練して樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを用い、射出成形機(東芝機械株式会社製「IS−130t」)で80mm×120mm×2mmの成形体(プレート)と80mm×10mm×4mm及び110mm×12.7mm×4mmの成形体(試験片)を成形した。射出成形の条件は、樹脂温度:200〜280℃、射出時間:2〜20秒、金型温度:30〜40℃、冷却時間:10〜40秒とした。実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた樹脂組成物について、前記(1)〜(3)方法によって評価した結果を表−1に示す。
表−1に示す配合割合(重量部)に基づき、二軸押出機(株式会社池貝社製「PCM30」、シリンダー口径30mm)によって、設定温度270℃で溶融混練して樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを用い、射出成形機(東芝機械株式会社製「IS−130t」)で80mm×120mm×2mmの成形体(プレート)と80mm×10mm×4mm及び110mm×12.7mm×4mmの成形体(試験片)を成形した。射出成形の条件は、樹脂温度:200〜280℃、射出時間:2〜20秒、金型温度:30〜40℃、冷却時間:10〜40秒とした。実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた樹脂組成物について、前記(1)〜(3)方法によって評価した結果を表−1に示す。
〔結果の評価〕
表−1より、実施例1及び2は比較例1及び2と比較し、強度、低温耐衝撃性、透明性のバランスに優れたものであることがわかる。特に、比較例2では成分(C)を使用していないために透明性が悪かった。
表−1より、実施例1及び2は比較例1及び2と比較し、強度、低温耐衝撃性、透明性のバランスに優れたものであることがわかる。特に、比較例2では成分(C)を使用していないために透明性が悪かった。
本発明の樹脂組成物並びに該樹脂組成物から得られる成形体及び積層体は、保香性、透明性、強度、低温耐衝撃性等に優れたものである。このため、包装材、容器、電気・電子機器用部材等として好適あり、これらの中でも容器として、より具体的には冷凍保存容器等の食品包装容器として特に好適に用いることができる。
Claims (6)
- 下記成分(A)〜(C)を含む樹脂組成物。
成分(A):ジカルボン酸成分としてテレフタル酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつジオール成分としてエチレングリコール由来の構成単位及びジエチレングリコール由来の構成単位を合計で全ジオール成分の50モル%以上含むポリエステル系樹脂 60〜99重量%
成分(B):芳香族ポリカーボネート系樹脂 0.6〜39.5重量%
成分(C):ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸由来の構成単位を全ジカルボン酸成分の50モル%以上含み、かつ、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位を全ジオール成分の50モル%以上含む脂環式ポリエステル系樹脂 0.4〜15重量% - 前記成分(B)と前記成分(C)との重量比([成分(B)の重量]/[成分(C)の重量])が95/5〜60/40である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 請求項1又は2に記載の樹脂組成物と、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とを積層してなる積層体。
- 請求項1又は2に記載の樹脂組成物からなる食品包装容器。
- 請求項4に記載の積層体からなる食品包装容器。
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JP2013007506A JP2014136782A (ja) | 2013-01-18 | 2013-01-18 | 樹脂組成物、成形体、積層体及び食品包装容器 |
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TWI805030B (zh) * | 2021-10-15 | 2023-06-11 | 南亞塑膠工業股份有限公司 | 聚酯組成物及其製造方法 |
-
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- 2013-01-18 JP JP2013007506A patent/JP2014136782A/ja active Pending
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