JP2014136768A - 石炭ガス化装置及びスラグの排出方法 - Google Patents

石炭ガス化装置及びスラグの排出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014136768A
JP2014136768A JP2013006607A JP2013006607A JP2014136768A JP 2014136768 A JP2014136768 A JP 2014136768A JP 2013006607 A JP2013006607 A JP 2013006607A JP 2013006607 A JP2013006607 A JP 2013006607A JP 2014136768 A JP2014136768 A JP 2014136768A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slag
cooling water
quench
hopper
gasification
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013006607A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Takarayama
登 寳山
Akio Ueda
昭雄 植田
Makoto Takeda
誠 竹田
Yukihiro Iiyama
幸弘 飯山
Kengo Muroya
健吾 室矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Babcock Hitachi KK filed Critical Babcock Hitachi KK
Priority to JP2013006607A priority Critical patent/JP2014136768A/ja
Publication of JP2014136768A publication Critical patent/JP2014136768A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

【課題】水砕スラグを排出する操作の開始の遅れを抑制するとともに、水砕スラグの排出時間を短くすること。
【解決手段】炉内で石炭をガス化させ、ガス化した後に残った石炭中の灰分を溶融スラグに変換するガス化部9と、該ガス化部の底部の開口部から流下する溶融スラグ51を水砕する冷却水15が貯留されたクエンチ部7と、該クエンチ部に冷却水を供給する給水ライン21とを含み、クエンチ部7に円錐形のコーン部13を有するガス化炉3と、該ガス化炉のコーン部の底部にスラグ排出弁31を介して接続され、クエンチ部から排出されるスラグを貯留したのち排出するホッパとを備える。また、クエンチ部7の冷却水中に溜められるスラグの高さ位置を制御する制御部と、給水ラインから供給される冷却水をクエンチ部の冷却水中に供給する給水ノズル17を備え、給水ノズルは、給水ラインから供給される冷却水をクエンチ部の冷却水中に溜められるスラグの上端よりも上方に供給するように配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、石炭ガス化装置及びスラグの排出方法に係り、特に石炭をガス化炉でガス化する際に発生する溶融スラグを水中に流下させて破砕し、この破砕したスラグをガス化炉から排出する技術に関する。
石炭ガス化炉は、例えば微粉炭といった微粉固体原料を酸素等の酸化剤とともに炉内のガス化部で酸化し、一酸化炭素(CO)及び水素(H)を含むガスを生成させるとともに、ガス化後に残ったガス化残渣(固体原料中の灰分)をスラグとして回収するものである。ガス化部で生成されたスラグは、溶融スラグとなってガス化部の炉壁を伝って流れ、ガス化部の底部に開口するスラグタップを通ってクエンチ部へ流下する。クエンチ部には冷却水が貯留されており、冷却水中に落下した溶融スラグが冷却・固化されるときに熱衝撃を受けて破砕される。
クエンチ部は、下方に向かって絞られる円錐状のコーン部を有しており、コーン部の底部、つまり、石炭ガス化炉の底部には、スラグ排出弁が配設されたスラグ排出管が接続されている。スラグ排出管の一端にはスラグロックホッパ(以下、ホッパと略す。)が接続されている。
クエンチ部の冷却水中に落下した溶融スラグは、破砕されて細かい水砕スラグとなってコーン部の下方へ沈降し、スラグ排出管を冷却水とともに流れてホッパ内に一時貯留される。この水砕スラグがホッパ内に満たされると、スラグ排出弁を閉じ、冷却水を排出してホッパ内を減圧した後、ホッパ内に貯留されたスラグは、ホッパから排出される。スラグが排出されたホッパ内には、再び水が満水になるまで注入され、炉内と同じ圧力まで昇圧された後、スラグ排出弁を開けて次のスラグを受け入れる。
ところで、ホッパ内に水砕スラグを受け入れてからホッパ内に次の水砕スラグを受け入れるまでの間、スラグ排出弁は閉じられている。そのため、石炭ガス化炉の円錐状のコーン部やスラグ排出弁の上流側のスラグ排出管内に貯留される冷却水中には、水砕スラグが徐々に蓄積され、その重みで水砕スラグが圧密されて架橋(ブリッジング)を形成することがある。このように水砕スラグが架橋を形成すると、スラグ排出弁を開いたときに水砕スラグが石炭ガス化炉から排出されなくなる。そして、水砕スラグが排出されなければ、石炭ガス化炉に水砕スラグが過剰に溜まり、最終的にはガス化運転の停止を余儀なくされる。
特許文献1には、石炭ガス化炉から水砕スラグを排出する方法として、スラグ排出弁を開いた状態でホッパから排出される冷却水の排出流量を検知し、その排出流量が所定値以下であると、スラグ排出弁を閉じてスラグ排出弁の上流側のスラグ排出管内にパージ水を供給し、クエンチ部に貯留される冷却水の水面付近から冷却水を抜き出すことが記載されている。
特許文献1によれば、スラグ排出管に供給されたパージ水が、スラグ排出管とクエンチ部に貯留される冷却水中を上方に向かって流れるため、スラグ排出管内の水砕スラグの詰まりを解消するとともに、クエンチ部に堆積した水砕スラグをかき混ぜて水砕スラグの架橋の形成を抑制できる。
特開2002−80864号公報
しかしながら、特許文献1では、パージ水を供給するときにスラグ排出弁が閉じられている。つまり、パージ水を供給している間は、石炭ガス化炉から水砕スラグを排出できなくなるから、水砕スラグの排出操作の開始が遅くなる。また、パージ操作中においてもクエンチ部には溶融スラグが落下して水砕スラグが蓄積されるから、スラグの排出量が多くなり、その結果、スラグの排出時間が長くなり、或いは、排出操作を頻繁に行わなければならなくなる。
また、特許文献1において、仮にスラグ排出弁を開いた状態でパージ水を供給したとしても、スラグ排出管やクエンチ部には、水砕スラグの排出方向と反対方向にパージ水が流れるため、水砕スラグの排出がパージ水の流れによって妨げられ、水砕スラグの排出時間が長くなる。
本発明は、水砕スラグを排出する操作の開始の遅れを抑制するとともに、水砕スラグの排出時間を短くすることを課題とする。
本発明では、上記課題を解決するため、炉内に供給される石炭をガス化させる一方、ガス化した後に残った石炭中の灰分を溶融スラグに変換するガス化部と、このガス化部の底部に形成される開口部から流下する溶融スラグを水砕する冷却水が貯留されたクエンチ部と、このクエンチ部に冷却水を供給する給水ラインとを含み、クエンチ部が下方に向かって絞られる円錐形のコーン部を有するガス化炉と、このガス化炉のコーン部の底部にスラグ排出弁を介して接続され、クエンチ部から排出されるスラグを一時貯留したのち排出するホッパとを備える石炭ガス化装置において、クエンチ部の冷却水中に溜められるスラグの高さ位置を制御する制御部と、給水ラインから供給される冷却水をクエンチ部の冷却水中に供給する給水ノズルとを備え、この給水ノズルは、給水ラインから供給される冷却水をクエンチ部の冷却水中に溜められるスラグの上端よりも上方に供給するように配置されてなることを特徴とする。
この構成によれば、ガス化炉からスラグを排出する際の冷却水の流れ方向とスラグの排出方向を一致させることができる。すなわち、給水ノズルからクエンチ部に供給された冷却水は、クエンチ部に溜められる冷却水中のスラグよりも高い位置から供給されるから、スラグ排出弁を開いてホッパから冷却水を排出することにより、給水ノズルから供給された冷却水がスラグ間の隙間を通り抜けてホッパへ向かって流れる。このとき、クエンチ部やクエンチ部とホッパとを接続する配管内で架橋を形成するスラグは、冷却水がスラグ間の隙間を通り抜けることで、スラグ間の架橋が崩されるから、冷却水に同伴されて効率よく排出される。これにより、スラグの架橋を崩すためのパージ操作とスラグを排出するための操作とを別々に時間をずらして行うことなく、これらの操作を同時に行うことができるから、スラグを排出する操作の開始の遅れを抑制することができる。また、スラグ排出弁を閉じている時間が短くなるから、その間、クエンチ部に蓄積されるスラグの量を少なくすることができ、しかも、スラグの架橋を効率よく崩して排出できるから、スラグの1回の排出時間を短くすることができる。
この場合において、ガス化炉は、クエンチ部のコーン部に貯留された冷却水中のスラグに液又はガスを噴射する噴射ノズルを備えていることが好ましい。
これによれば、クエンチ部に貯留される冷却水中のスラグの架橋をより確実に崩壊させることができるから、スラグの排出時間をより短くすることができる。
また、本発明では、上記課題を解決するため、炉内に設けられるガス化部で、炉内に供給された石炭をガス化させる一方、ガス化した後に残った石炭中の灰分を溶融スラグに変換し、この溶融スラグを冷却水が貯留された炉内のクエンチ部に流下させて水砕し、この水砕したスラグをクエンチ部の底部から排出して炉外のホッパへ移動させ、このホッパに貯留されたスラグをホッパから排出するスラグの排出方法において、クエンチ部の冷却水中のスラグをホッパへ移動させるときは、クエンチ部とホッパとを接続する流路を開放し、クエンチ部に一時貯留される冷却水中のスラグよりも上方の冷却水中に冷却水を供給するとともに、クエンチ部の冷却水及びスラグをホッパへ移動させることを特徴とする。
この場合において、クエンチ部と前記ホッパとを接続する流路を開放した後、クエンチ部の冷却水中に冷却水を供給する前に、クエンチ部の冷却水中のスラグに液又はガスを噴き付けるようにしてもよい。
また、クエンチ部の冷却水及びスラグをホッパへ移動させる操作をした後、クエンチ部に残留する冷却水中にスラグが残留しているときは、この残留するスラグに液又はガスを噴き付けるようにしてもよい。
また、クエンチ部とホッパとを接続する流路を開放する前に、クエンチ部の冷却水中のスラグに液又はガスを噴き付けるようにしてもよい。
本発明によれば、クエンチ部及びクエンチ部とホッパとを接続する配管内に堆積するスラグを冷却水とともに良好に排出させることができ、また、クエンチ部及びクエンチ部とホッパとを接続する配管内に堆積するスラグが架橋を形成しても、この架橋を崩して冷却水とともに排出できるため、水砕スラグを排出する操作の開始の遅れを抑制するとともに、水砕スラグの排出時間を短くすることができる。
本発明に係る石炭ガス化装置の第1の実施形態のスラグ排出系統の構成を示す図であり、(a)は給水ノズルをクエンチ部の胴部に設置する例を示し、(b)は給水ノズルをクエンチ部のコーン部に設置する例を示す。 給水ノズルの設置高さと冷却水の作用との関係を示す図であり、(a)は給水ノズルを水砕スラグよりも下方に設置する例を示し、(b)は給水ノズルを水砕スラグの中間部付近に設置する例を示し、(c)は給水ノズルを水砕スラグよりも上方に設置する例を示す。 本発明に係る石炭ガス化装置の第2の実施形態のスラグ排出系統の構成を示す図である。 図3の噴射ノズルの設置高さについて説明する図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用してなる石炭ガス化装置の第1の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1(a)に本発明を適用してなる石炭ガス化装置1のスラグ排出系統の実施例を示す。ガス化炉3は、軸線を上下方向に向けて配置され、メンブレン構造をした円筒状の容器5を炉の本体とし、この容器5内に下方から順に、クエンチ部7、ガス化部9及び熱回収部(図示せず)を備えている。
ガス化部9には、炉壁を貫通して配置される図示しないバーナが設けられ、このバーナには、微粉炭とともに酸素などの酸化剤が供給されるようになっている。バーナは、噴き出し方向がガス化部9の仮想円径と接するように配置され、この配置により、バーナから噴出される微粉炭が、ガス化部9内で旋回流を形成するようになっている。ガス化部9では、微粉炭をガス化した後に残ったガス化残渣(石炭中の灰分)が溶融スラグに変換されるようになっている。
クエンチ部7は、円筒状の胴部11と、この胴部11と連なって形成され、下方に向かって絞られる円錐状のコーン部13から構成され、その内部には、ガス化部から流下した溶融スラグを水砕スラグにするための冷却水15(クエンチ水ともいう。)が貯留されている。胴部11には、炉壁を貫通して配置される給水ノズル17が備えられ、この給水ノズル17には、給水弁19が配設された給水ライン21が接続されている。胴部11の給水ノズル17の上方の炉壁には、排水弁23が配設された排水ライン25が接続されている。
ガス化炉3の運転時には、クエンチ部7に水砕スラグを一時貯留する間、冷却水15が蒸発して水面が低下する一方、水砕スラグの増加により冷却水の水面が上昇する。本実施形態では、このような冷却水15の水面の高さ位置の変化に応じて、給水弁19と排水弁23の開閉操作が行われ、冷却水15の水面の高さ位置が設定位置となるように制御されるようになっている。
給水ノズル17は、クエンチ部7に貯留される水砕スラグ27の高さ位置(水砕スラグ27の最上部)よりも上で、かつ、冷却水15の水面よりも下方に設置されている。水砕スラグ27の高さ位置は、後述するように、図示しない制御部によって適宜設定することができ、給水ノズル17の設置位置は、この水砕スラグ27の高さ位置に基づいて設定されている。
図1(a)は、水砕スラグ27の貯留量を多く設定する場合、つまり、水砕スラグ27の高さ位置をコーン部13の最上部よりも高い位置に設定する場合で、給水ノズル17がクエンチ部7の胴部11に設置される例を示す。一方、図1(b)は、水砕スラグ27の貯留量を少なく設定する場合、つまり、水砕スラグの高さ位置をコーン部の最上部よりも低い位置に設定する場合で、給水ノズル17がクエンチ部7のコーン部13に設置される例を示す。なお、図1(a)と図1(b)は、給水ノズル17の設置位置のみが異なるため、これ以降は、図1(a)と図1(b)を区別しないで説明する。
クエンチ部7の胴部11とその上方に配置されるガス化部9との間には、ガス化部9の底部とクエンチ部7の頂部にそれぞれ開口するスラグタップ29が設けられている。クエンチ部7の底部には、スラグ排出弁31が配設されたスラグ排出管33が接続されている。スラグ排出管33の一端には、ホッパ35(スラグロックホッパ)が接続されている。
ホッパ35の底部には、ホッパスラグ排出弁37が配設されたスラグ排出ライン39が接続されている。ホッパ35の下部には、ホッパ35内に高圧水を供給するための高圧水供給弁41が配設された高圧水供給ライン43が接続されている。また、ホッパ35の上部には、排水ノズル45が設けられ、この排水ノズル45には、ホッパ排水弁47が配設されたホッパ排水ライン49が接続されている。
制御部は、スラグ排出弁31の開閉とともに、ホッパ35に接続される各ラインの弁の開閉を制御してホッパから排出される時間当たりのスラグの排出量を調節(例えば、単位時間当たりのスラグの排出回数を調節)することにより、クエンチ部7に貯留される水砕スラグ27の高さ位置が制御されるようになっている。
次に、このようにして構成される石炭ガス化装置1のスラグ排出系統の動作を説明する。なお、給水ノズル17の動作については後述する。ガス化炉3で生成された溶融スラグ51は、スラグタップ29を通ってクエンチ部7へ流下する。クエンチ部7へ流下した溶融スラグ51は、図1に示すように、冷却水15中に落下して細かく粉砕された水砕スラグ27となる。この水砕スラグ27は、クエンチ部7の冷却水15中の底部に沈降して一時貯留される。
一方、水砕スラグ27を排出して空になったホッパ35は、スラグ排出弁31とホッパスラグ排出弁37を閉じ、ホッパ排出弁47を開いた状態で、高圧水供給弁41を開き、ホッパ35内に高圧水を満たして余分なガスを抜く。ホッパ35内のガスが抜けて、ホッパ35内の圧力がガス化炉3内の圧力と同じ圧力(例えば3MPa)まで昇圧されると、ホッパ排出弁47と高圧水供給弁41を閉じて、ホッパ35への高圧水の供給を終了する。
続いて、スラグ排出弁31、給水弁19、ホッパ排水弁47の順に開くことで、クエンチ部7に貯留された水砕スラグ27を冷却水15の流れに同伴させてホッパ35内へ移送する。これらの弁の開閉操作は、クエンチ部7に貯留される水砕スラグ27の高さ位置(貯留量)に基づいて設定される時間間隔で行われる。排水ノズル45から冷却水15が排出されると、クエンチ部7に貯留された冷却水15の水位が低下するが、給水弁19を開いてクエンチ部7に冷却水を供給し、ホッパ排水弁47及び排水弁23の開閉を制御することで、冷却水15の水位が一定に保たれる。
クエンチ部7に貯留された水砕スラグ27がホッパ35へ移送されると、スラグ排出弁31を閉じた後、ホッパ排水弁47を開いてホッパ排水ライン49から冷却水15のみを排出し、ホッパ35内を大気圧まで減圧する。そして、ホッパ排水弁47を閉じた後、ホッパスラグ排出弁37を開くことで、ホッパ35に貯留された水砕スラグ27を冷却水15とともに石炭ガス化装置1の系外へ排出する。
ホッパ35内の水砕スラグ27がなくなると、ホッパスラグ排出弁37を閉じた後、高圧水供給弁41を開いて高圧水をホッパ35内に供給することでホッパ35内を満水にし、クエンチ部7に貯留された水砕スラグ27を受け入れる準備を始める。このようにクエンチ部7に貯留された水砕スラグ27は、バッチ処理により石炭ガス化装置1の系外に排出される。
次に、給水ノズル17の設置高さと冷却水の作用との関係について、図2を用いて説明する。
図2(a)は、クエンチ部7に貯留される水砕スラグ27よりも下方に給水ノズル17aを設置した場合の冷却水15aの流れを示す。この給水ノズル17aは、クエンチ部7の底部のスラグ排出口53に近い位置に配置され、給水ノズル17aよりも上方に水砕スラグ27が堆積しているため、水砕スラグ27が抵抗となり、給水ノズル17aから噴き出された冷却水15aの上方への流路が狭くなる。一方、給水ノズル17aよりも下方には、スラグ排出口53があり、水砕スラグ27は殆どないため抵抗が少ない。そのため、給水ノズル17aから供給された冷却水15aは、抵抗の少ないクエンチ部7下部のスラグ排出口53へ流れる。したがって、水砕スラグ27よりも下方から冷却水を供給しても、一部の水砕スラグ27aしか排出されない。
図2(b)は、クエンチ部7に貯留される水砕スラグ27の高さ方向の中間部付近に給水ノズル17bを設置した場合の冷却水15bの流れを示す。この位置の給水ノズル17bから供給された冷却水15bは、貯留された冷却水15と堆積する水砕スラグ27を攪拌するように流れる。クエンチ部7は下部ほど断面積が狭くなるコーン部13を有しているため、断面積の広いクエンチ部7の上方へ水砕スラグ27bが巻き上げられ、矢印55のように攪拌されやすい。そのため、クエンチ部7の下方には水砕スラグ27が流れ難く、貯留された水砕スラグ27の全量を排出するのに時間がかかる。
図2(c)は、クエンチ部7に貯留される水砕スラグ27よりも上方に給水ノズル17cを設置した場合の冷却水15cの流れを示す。この位置の給水ノズル17cから供給された冷却水15cは、堆積する水砕スラグ27の隙間を通りクエンチ部7の底部のスラグ排出口53から排出されるが、この冷却水15cには、水砕スラグ27cが同伴される。すなわち、給水ノズル17cよりも上方には水砕スラグ27が存在しないため、図2(b)のように、水砕スラグ27が攪拌されることがなく、しかも、冷却水15cが水砕スラグ27の隙間を通ることで、水砕スラグ27の架橋が崩れやすい。水砕スラグ27は、架橋が一旦崩れ始めると、冷却水の流れに同伴して水砕スラグ27の排出が加速される。
したがって、本実施形態では、図2(c)に示すように、クエンチ部7に貯留される水砕スラグ27の高さ位置よりも上方に給水ノズル17cを設置する。このように給水ノズル17cを設置することにより、水砕スラグ27の排出速度を高め、短時間で効率よく水砕スラグ27を排出することができる。
ここで、水砕スラグ27の排出速度をより高めるためには、冷却水の流量を多くすることが効果的である。具体的には、クエンチ部7の底部に接続されたスラグ排出管33を流れる冷却水15の流速が、数cm/secもしくはそれ以上の流速となるように、給水ノズル17から供給する冷却水の供給量を増やし、スラグ排出管33の配管径を大きくすることが望ましい。
本実施形態によれば、従来のように水砕スラグの架橋を崩すためのパージ操作と水砕スラグを排出するための操作とを別々に時間をずらして行うことなく、これらの操作を同時に行うことができるから、スラグ排出弁31を閉じている時間を短縮することができ、水砕スラグ27を排出する操作の開始の遅れを抑制することができる。また、スラグ排出弁31を閉じている時間が短くなるから、その間、クエンチ部7に蓄積される水砕スラグ27の量を少なくすることができ、さらに、水砕スラグ27が架橋を形成したとしても、架橋を崩しながら水砕スラグ27を冷却水15に同伴させて効率よく排出できるから、水砕スラグ27の1回の排出操作の時間を短くすることができ、安定した排出が可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を適用してなる石炭ガス化装置の第2の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、本実施形態は、基本的には第1の実施形態と同様である。したがって、以下では、本実施形態の特徴的な構成についてだけ説明し、第1の実施形態と共通する構成については説明を省略する。
第1の実施形態によれば、クエンチ部7に貯留される水砕スラグ27を給水ノズル17から供給される冷却水15の流れに同伴させて排出することができるが、例えばスラグ排出弁31を開いたときの水砕スラグ27の蓄積量が多いときには、水砕スラグ27の重みが増して架橋の強度が高まり、水砕スラグ27の排出時間が長くなることがある。
図3に、第2の実施形態による石炭ガス化装置のスラグ排出系統を示す。本実施形態のスラグ排出系統が第1の実施形態のスラグ排出系統と相違するのは、クエンチ部7に貯留される冷却水15中の水砕スラグ27に噴き付ける媒体を噴射する噴射ノズル57をガス化炉3のクエンチ部7に設けたことにある。
噴射ノズル57は、クエンチ部7のコーン部13の炉壁を貫通して設けられ、噴射弁59が配設された噴射媒体供給ライン61が接続されている。噴射弁59から噴射する媒体としては、冷却水15などの液体や窒素などの気体でもよく、ガス化運転及びガス化性能に支障を起こさない範囲で適宜選定することができる。噴射ノズル57から噴出された媒体を冷却水中の水砕スラグ27に噴き付けることで、水砕スラグ27の架橋をより確実に崩すことができるから、水砕スラグ27の排出時間をより短くすることができる。
図4に、クエンチ部7のコーン部13での水砕スラグ27の貯留を想定した場合の水砕スラグ27の粉体圧力分布を示す。図の縦軸は、円錐状のコーン部13の仮想最下点Pを0としたときに、コーン部13の最大高さ位置を1として表し、横軸を粉体圧力として表している。なお、図4では給水ノズルを省略している。ここで、水砕スラグ27の高さ位置は、コーン部13の最大高さ位置に設定している。
図4に示すように、粉体圧力が最大となる高さ位置hは、コーン部13の高さHの半分の0.5H以下になる。この粉体圧力が最大となる位置に、噴射弁59を一瞬開いて、噴射ノズル57から噴出する冷却水などの媒体を水砕スラグ27に噴き付けることにより、水砕スラグ27の架橋を確実に崩壊させることができる。噴射ノズル57の噴射は1回行っても水砕スラグの架橋の崩壊が十分でなければ、複数回行ってもよい。
噴射ノズル57から媒体を噴射するタイミングとしては、スラグ排出弁31を開いた後、給水ノズル17から冷却水が供給される前に、一定時間噴射するようにする。これにより、水砕スラグ27が架橋を形成しているときは、予め媒体を水砕スラグ27に噴き付けることで架橋をある程度崩しておくことができるから、その後、給水ノズル17から供給される冷却水に水砕スラグ27を同伴させて効率よく排出することができる。
また、これに代えて、第1の実施形態のスラグ排出操作の直後、つまり、スラグ排出弁31を開いて、給水ノズル17から冷却水を供給するとともに、クエンチ部7の冷却水15及び水砕スラグ27をホッパ35へ移送する操作をした後、クエンチ部7に架橋を形成した水砕スラグ27が残留していることを検知したときに限り、スラグ排出弁31を閉じる前に、噴射ノズル27から媒体を噴射するようにしてもよい。これによれば、必要なときだけ噴射ノズル57から媒体を噴射すればよいから、水砕スラグ27の排出操作の時間を短くすることができる。
さらに、これらに代えて、第1の実施形態のスラグ排出操作を開始する前、つまり、スラグ排出弁31を開く前に、噴射ノズル57から媒体を噴射することにより、クエンチ部7に貯留される水砕スラグ27の架橋形成を防ぐとともに、水砕スラグ27に形成された架橋を崩壊させた後、その水砕スラグ27を冷却水に同伴させて排出することもできる。
以上述べたように、これらの実施形態によれば、クエンチ部7及びスラグ排出管33に貯留された水砕スラグ27を冷却水15とともに安定に短時間で排出することができ、また、水砕スラグ27が架橋を形成しても、それを崩壊して冷却水15とともに排出することができるようになるため、石炭ガス化装置の連続運転を達成することができ、ガス化設備の信頼性向上を図ることができる。また、1系統で水砕スラグ27の排出ができれば、複数の排出系統が必要ないため、設備の低コスト化を図ることができる。
1 石炭ガス化装置
3 ガス化炉
7 クエンチ部
9 ガス化部
11 胴部
13 コーン部
15 冷却水
17 給水ノズル
19 給水弁
21 給水ライン
23 排水弁
27 水砕スラグ
29 スラグタップ
31 スラグ排出弁
33 スラグ排出管
35 ホッパ
45 排水ノズル
51 溶融スラグ
53 スラグ排出口
57 噴射ノズル
59 噴射弁

Claims (6)

  1. 炉内に供給される石炭をガス化させる一方、ガス化した後に残った石炭中の灰分を溶融スラグに変換するガス化部と、このガス化部の底部に形成される開口部から流下する溶融スラグを水砕する冷却水が貯留されたクエンチ部と、このクエンチ部に冷却水を供給する給水ラインとを含み、前記クエンチ部が下方に向かって絞られる円錐形のコーン部を有するガス化炉と、このガス化炉のコーン部の底部にスラグ排出弁を介して接続され、前記クエンチ部から排出されるスラグを一時貯留したのち排出するホッパとを備える石炭ガス化装置において、
    前記クエンチ部の冷却水中に溜められるスラグの高さ位置を制御する制御部と、前記給水ラインから供給される冷却水を前記クエンチ部の冷却水中に供給する給水ノズルとを備え、該給水ノズルは、前記給水ラインから供給される冷却水を前記クエンチ部の冷却水中に溜められるスラグの上端よりも上方に供給するように配置されてなることを特徴とする石炭ガス化装置。
  2. 請求項1に記載の石炭ガス化装置において、
    前記ガス化炉は、前記クエンチ部の前記コーン部に貯留された前記冷却水中のスラグに液又はガスを噴射する噴射ノズルを備えることを特徴とする石炭ガス化装置。
  3. 炉内に設けられるガス化部で、炉内に供給された石炭をガス化させる一方、ガス化した後に残った石炭中の灰分を溶融スラグに変換し、この溶融スラグを冷却水が貯留された炉内のクエンチ部に流下させて水砕し、この水砕したスラグを前記クエンチ部の底部から排出して炉外のホッパへ移動させ、このホッパに貯留されたスラグをホッパから排出するスラグの排出方法において、
    前記クエンチ部の冷却水中のスラグを前記ホッパへ移動させるときは、前記クエンチ部と前記ホッパとを接続する流路を開放し、前記クエンチ部に一時貯留される冷却水中のスラグよりも上方の冷却水中に冷却水を供給するとともに、前記クエンチ部の冷却水及びスラグを前記ホッパへ移動させることを特徴とするスラグの排出方法。
  4. 請求項3に記載のスラグの排出方法において、
    前記クエンチ部と前記ホッパとを接続する流路を開放した後、前記クエンチ部の冷却水中に前記冷却水を供給する前に、前記クエンチ部の冷却水中のスラグに液又はガスを噴き付けることを特徴とするスラグの排出方法。
  5. 請求項3に記載のスラグの排出方法において、
    前記クエンチ部の冷却水及び前記スラグを前記ホッパへ移動させる操作をした後、前記クエンチ部に残留する冷却水中にスラグが残留しているときは、この残留するスラグに液又はガスを噴き付けることを特徴とするスラグの排出方法。
  6. 請求項3に記載のスラグの排出方法において、
    前記クエンチ部と前記ホッパとを接続する流路を開放する前に、前記クエンチ部の冷却水中のスラグに液又はガスを噴き付けることを特徴とするスラグの排出方法。
JP2013006607A 2013-01-17 2013-01-17 石炭ガス化装置及びスラグの排出方法 Pending JP2014136768A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013006607A JP2014136768A (ja) 2013-01-17 2013-01-17 石炭ガス化装置及びスラグの排出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013006607A JP2014136768A (ja) 2013-01-17 2013-01-17 石炭ガス化装置及びスラグの排出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014136768A true JP2014136768A (ja) 2014-07-28

Family

ID=51414474

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013006607A Pending JP2014136768A (ja) 2013-01-17 2013-01-17 石炭ガス化装置及びスラグの排出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014136768A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015117373A (ja) * 2013-11-15 2015-06-25 三菱日立パワーシステムズ株式会社 スラグ排出装置及びスラグ排出方法
CN108050512A (zh) * 2017-12-05 2018-05-18 赣州华兴钨制品有限公司 一种循环流化床锅炉炉膛排渣装置及其操作方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015117373A (ja) * 2013-11-15 2015-06-25 三菱日立パワーシステムズ株式会社 スラグ排出装置及びスラグ排出方法
WO2016076379A1 (ja) * 2013-11-15 2016-05-19 三菱日立パワーシステムズ株式会社 スラグ排出装置及びスラグ排出方法
CN107109262A (zh) * 2013-11-15 2017-08-29 三菱日立电力系统株式会社 炉渣排出装置及炉渣排出方法
CN108050512A (zh) * 2017-12-05 2018-05-18 赣州华兴钨制品有限公司 一种循环流化床锅炉炉膛排渣装置及其操作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2495912C2 (ru) Реактор газификации и способ газификации в потоке
CN104818052B (zh) 对来自气流式气化过程的原始气体进行冷却和清洗
CN103857960B (zh) 封闭式排水回收系统
KR101813419B1 (ko) 슬래그 배출 장치 및 슬래그 배출 방법
RU2607662C2 (ru) Способ и устройство для газификации твердых горючих материалов под давлением в стационарном слое
JP2014136768A (ja) 石炭ガス化装置及びスラグの排出方法
JP2013234774A (ja) スラグ熱回収装置
WO2014045949A1 (ja) スラグ除去装置及びスラグ除去方法
CN101942343A (zh) 一种含碳有机物加压气化固态湿式排渣装置和方法
KR100729990B1 (ko) 석탄가스 재순환을 이용한 석탄가스화기 시스템
JP5688569B2 (ja) ガス化炉
US5136808A (en) Slagging gasification apparatus
JP3939605B2 (ja) 廃プラスチックのガス化炉におけるスラグ排出装置およびそれを用いたスラグ排出方法
JPH06271873A (ja) 噴流床石炭ガス化炉
JP2007056100A (ja) 粗粒分離機能付きチャー搬送装置および石炭ガス化システム
US10457879B2 (en) Blockage-free water overflow from the water jacket of a quencher into the quenching chamber
US4760667A (en) Process and apparatus for the preparation of synthesis gas
KR101612029B1 (ko) 연속적인 고체 배출을 갖는 가스화 장치
JP2014198803A (ja) スラグ監視装置及びスラグ監視方法
JP2003514108A (ja) 流動層還元炉の流動層崩壊防止装置
KR100781019B1 (ko) 경질 물분쇄슬랙의 제조방법 및 그 장치
JP4018554B2 (ja) 熱分解溶融装置
JP2019094522A (ja) スラグの鎮静方法
CN202390393U (zh) 一种控制流化床气化炉排渣的装置
JPH10121063A (ja) 石炭ガス化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20141224