JP2014136748A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明性、耐衝撃性、耐熱性、耐溶出性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂からなるマトリックス(A)中に、平均分散粒径が50〜600nmであるα−オレフィンからなるドメイン(B)を1〜10質量%の割合で含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は透明性、耐衝撃性、耐熱性、耐溶出性に優れたプロピレン系樹脂組成物に関する。
ポリプロピレン系樹脂はプラスチックの中でも密度が低く(軽量であり)、比較的耐熱性にも優れているだけでなく安価であることから、自動車部品、家電製品、食品包装用フィルム、玩具、雑貨などの幅広い用途に使用されている。
一般的にポリプロピレン系樹脂を成形する際、冷却速度が十分に速くない場合は球晶が粗大となり、透明性を損なう場合がある。そのため、透明性が要求される用途へ使用する場合は、特許文献1に例示されるようなソルビトール系化合物や、特許文献2に例示されるような有機リン系化合物などの公知の有機系結晶核剤が添加される。
しかしながら、一般的な有機系結晶核剤の多くはポリプロピレン系樹脂との相溶性が十分ではないことが多く、使用時、あるいは、加工時の特に高温環境下において、成形品表面へのブリードアウトを生じるため、食品などの包装容器へ使用する場合に核剤の臭気や成形品の外観不良が問題となる場合がある。
そこで、このような問題を解決するため、特許文献3には特定の構造を有するアミド化合物を核剤として利用する方法が開示されている。また、特許文献4には特定のシクロペンタン構造を有する高分子型核剤が開示されている。
特開平5−140466号公報 特開昭53−117044号公報 特開2009−209348号公報 特開2005−314622号公報
しかしながら従来の技術、具体的には、特許文献3の技術においては、二次加工時に加熱された際や、使用時に再加熱された際に核剤のブリードアウトによる臭気や外観不良の発生を十分に抑制できるとは言い難い。また、特許文献4の技術においては、核剤のブリードアウトは抑制できるものの、核剤の造核効果が十分ではなく、成形品の透明性向上効果が十分に得られない場合がある。さらに、特許文献1〜4に開示されているような核剤を添加し、球晶が微細化した際には、一般的に耐衝撃性が低下する場合が多く、二次加工時や輸送時、使用時における破損を生じる場合がある。
そこで、本発明の目的は、このような従来技術の課題に鑑み、透明性、耐衝撃性、耐熱性、耐溶出性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、ポリプロピレン系樹脂からなるマトリックス(A)中に、平均分散粒径が50〜600nmであるα−オレフィンからなるドメイン(B)を1〜10質量%の割合で含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物を提案するものである。
本発明の樹脂組成物は優れた透明性、耐溶出性を有するため、2次加工時、あるいは、使用時において高温環境下に置かれた場合でも透明性の低下や成形品表面への核剤の溶出を生じることがほとんどないため、自動車部品、家電製品、食品包装用フィルム、玩具、雑貨などの透明性と安全性が要求される用途に幅広く使用することができる。
以下、本発明の実施形態の一例としての樹脂組成物について説明する。ただし、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂からなるマトリックス(A)中に、平均分散粒径が50〜600nmであるα−オレフィンからなるドメイン(B)を1〜10質量%の割合で含有していることが重要である。
平均分散径がかかる範囲を下回る場合、十分な核剤効果が得られない場合があり、かかる範囲を上回る場合、マトリックス/ドメインの界面において光の散乱を生じるため、透明性が低下する場合がある。前記ドメインの平均分散粒径の下限値は前記範囲の中でも100nm以上がより一層好ましく、その中でも200nm以上がさらに好ましい。また、前記ドメインの平均分散粒径の上限値は500nm以下がより一層好ましく、400nm以下がさらに好ましい。
一方、ドメインの含有量が1質量%を下回る場合、結晶化促進効果が十分発揮できず、ドメインの含有量が10質量%を上回る場合、透明性が低下する場合がある。ドメインの含有量の下限値は前記範囲の中でも2質量%以上がより一層好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。また、ドメインの含有量の上限値は9質量%以下がより一層好ましく、8質量%以下がさらに好ましい。
なお、前記α−オレフィンからなるドメイン(B)の平均分散粒径は、切り出したシートの断面を、透過型電子顕微鏡を用いて観察し、所定の範囲において無作為に抽出した複数のドメインの分散粒径から、平均値を求めることにより得ることができる。なお、本件における測定方法の詳細は、後述の通りである。
前記ポリプロピレン系樹脂からなるマトリックス(A)は、ポリプロピレンの単独重合体であっても、プロピレンとα−オレフィンのランダム共重合体、あるいは、ブロック共重合体であっても、何れでも構わない。前記マトリックス(A)中に占めるα−オレフィンの含有量は0〜5質量%であることが好ましい。前記マトリックス(A)中に占めるα−オレフィンの割合がかかる範囲内であれば、本発明の樹脂組成物の耐熱性を損なうことなく、透明性、耐衝撃性をさらに向上することができる。なお、前記α−オレフィンの含有量の上限値は、前記範囲の中でも3質量%以下であることがより一層好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
また、前記α−オレフィンからなるドメイン(B)としては、プロピレン、エチレン、ブテンから選ばれる少なくとも2種類から構成される共重合体であることが好ましく、公知のポリプロピレンブロック共重合体の製造方法により重合することができる。具体的には、マトリックスとなるポリプロピレン系樹脂を重合した後、後続の重合槽においてエチレン、ブテン等のα−オレフィンを混合することで、前記ドメイン(B)を共重合することができる。
なお、前記マトリックス(A)/ドメイン(B)からなる樹脂組成物としては、単独の樹脂であっても、2種類以上の樹脂の混合物であってもどちらでも構わない。
具体的には、住友化学(株)の商品名「ノーブレンFLX80E4」や、日本ポリプロピレン(株)の商品名「ノバテックPP FY4」、「ノバテックPP FY6HA」、「ノバテックPP FB3HAT」などのプロピレン単独重合体に対して、サンアロマー(株)の商品名「クオリアPP2240」などのドメインの平均分散粒径を制御したプロピレン系ブロック共重合体を配合することで、本発明のシートを製造することができる。
なお、前記プロピレン単独重合体と前記プロピレン系ブロック共重合体の混合物中に占めるプロピレン系ブロック共重合体の割合の下限値は、前記範囲の中でも1質量%以上であることがより一層好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。一方、上限値は、60質量%以下であることがより一層好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。前記プロピレン系ブロック共重合体の割合がかかる範囲内であれば、透明性に優れたシートを提供することができる。
本発明の樹脂組成物は、示差走査熱量計における昇温時の結晶融解ピーク温度Tmと降温時の結晶化ピーク温度Tcの差が、40℃以内であることが好ましい。前記TmとTcの差が40℃以内であれば、十分に結晶化速度が速く、球晶が微細化することで優れた透明性が得られる。かかる観点から、前記TmとTcの差は、38℃以内であることがより一層好ましく、36℃以内であることがさらに好ましい。
一方、前記TmとTcの差の下限値としては、特に制限はないが、通常は1℃以上である。
また、本発明の樹脂組成物を各種包装用途に広く使用するためには、前記ポリプロピレン系樹脂組成物をシート状に成形した際のJIS K7105に基づき測定した厚み0.3mmでのヘーズ値が20%以下であることが好ましく、18%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリオレフィン系樹脂や、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、染料等の添加剤を配合することができる。
次に、本樹脂組成物を用いた成形品の製造方法について説明する。
本樹脂組成物は、フィルム、プレート、または、射出成形品等に成形することができる。具体的には、ポリプロピレン系樹脂組成物、及び、必要に応じてその他の樹脂や添加剤等の原料を直接混合し、押出機或いは射出成型機に投入して成形するか、または、前記原料を、二軸押出機を用いて溶融混合し、ストランド形状に押出してペレットを作成した後、このペレットを押出機、或いは、射出成形機に投入して成形する方法を挙げることができる。
ポリプロピレン系樹脂組成物、及び、必要に応じてその他の樹脂や添加剤等の原料を、二軸押出機を用いて溶融混合し、ストランド形状に押出してペレットを作成する。この際、各原料の組成比や配合割合によって粘度が変化すること等を考慮して、溶融押出温度を適宜選択することが好ましい。具体的には、成形温度は180℃以上、260℃以下が好ましく、200℃以上、250℃以下がより好ましく、220℃以上、240℃がさらに好ましい。
上記方法にて作製したペレットは、以下の方法でフィルム、プレート、または、射出成形品の成形を行うことができる。
フィルムの成形方法としては、一般的なTダイキャスト法やカレンダーロール法に加え、ロール延伸、テンター延伸法、チューブラー法、インフレーション法などによる延伸フィルムの成形も可能である。また、プレートの成形方法としては、一般的なプレス法などを採用することができる。
なお、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(JIS K6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、射出成形体の成型方法は、特に限定されるものではなく、例えば熱可塑性樹脂用の一般射出成形法、ガスアシスト成形法及び射出圧縮成形法等の射出成形法を採用することができる。その他目的に合わせて、上記の方法以外でインモールド成形法、ガスプレス成形法、2色成形法、サンドイッチ成形法等を採用することもできる。
本発明の樹脂組成物から得られたフィルム、プレート、または、射出成形品は、透明性、耐衝撃性、耐熱性、耐溶出性に優れるため、自動車部品、家電製品、食品包装用フィルム、玩具、雑貨などの透明性と安全性が要求される用途に幅広く使用することができる。
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。
なお、本明細書中に表示される原料及び試験片についての種々の測定値及び評価は次のようにして行った。ここで、フィルムの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交方向を横方向と呼ぶ。
(1)ドメインの平均分散粒径
得られたシートの長手方向(流れ方向)に垂直な方向から試料を切り出し、その試料を四酸化ルテニウムで染色した後、厚さ70nm程度の薄片を採取して、シートの断面を透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JEM−1200EX)により、加速電圧100KV、700倍にて観察した。実寸法0.04mm×0.04mmの範囲内にある任意に抽出した100個のドメインの分散粒径を計測し、その平均値を平均分散粒径とした。
(2)結晶融解ピーク温度、結晶化ピーク温度
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計(商品名「Pyris1 DSC」)を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で30℃から220℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解ピーク温度(Tm)(℃)を求めた。次に、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で220℃から30℃まで降温した時に測定されたサーモグラムから結晶化ピーク温度(Tc)(℃)を求めた。
(3)透明性(ヘーズ)
JIS K7105に基づいて、全光線透過率および拡散透過率を測定し、ヘーズを以下の式で算出した。
[ヘーズ]=[拡散透過率]/[全光線透過率]×100
評価基準としては、厚み0.3mmでのヘーズが20%以下であるものを「合格」とした。
(4)耐衝撃性(ハイドロショット破壊エネルギー)
ハイドロショット高速衝撃試験器(島津製作所社製「HTM−1型」)を用いて、縦方向100mm×横方向100mmの大きさに切り出したシートを試料とし、クランプで固定し、雰囲気温度0℃でシート中央に直径が1/2インチの撃芯を落下速度3m/秒で落として衝撃を与え、試料が破壊するときの破壊エネルギー(kgf・mm)を測定した。破壊エネルギーが10kgf・mm以上のものを合格とした。
(5)耐熱性(貯蔵弾性率(E’))
動的粘弾性測定機(アイティ計測(株)製、商品名:粘弾性スペクトロメーターDVA−200)を用いて、振動周波数:10Hz、昇温速度:3℃/分、歪0.1%の条件で、貯蔵弾性率(E’)を0℃から200℃まで測定し、得られたデータから120℃における貯蔵弾性率(E’)を読み取った。120℃における貯蔵弾性率(E’)が100MPa以上であるものを合格とした。
(6)耐溶出性
下記の各例に記載の方法によって得られたフィルムから幅方向、流れ方向共に200mmの試験片を切り出した。次に、この試料片2枚を重ね合わせ、幅10mmのシールバーを有するヒートシール機を用いてフィルムの外周部の1辺を残して(袋状にして)180℃で加熱溶着した。続いて、前記の方法にて袋状となったフィルムに蒸留水を100cc注ぎ、外周部の残りの1辺をヒートシール機を用いて加熱溶着し、内部に蒸留水が密閉された袋を作製した。得られた袋を加圧式レトルト槽(平山製作所製「超加速寿命試験装置PL−30AeRIII」に入れ、袋が完全に浸漬するまで水を入れ、蓋をした後、120℃(ゲージ圧0.118MPa(1.2Kg/cm)に加熱した。この状態で30分保持した後、80℃まで冷却した後、蓋をあけて袋を取り出した。
袋の1辺を鋏で切り取り、内部の蒸留水の臭気を官能評価した。全く臭気を感じないものを○、臭気を感じるものを×とした。
(実施例1)
日本ポリプロピレン(株)の商品名ノバテックPP FB3HAT(プロピレン=100質量%)と、サンアロマー(株)の商品名クオリア PP2240(プロピレン/エチレン/ブテン−1=82.0/15.4/2.6質量%)の混合物を用い、ノバテックPP FB3HATとクオリア PP2240を混合質量比90:10の割合でドライブレンドしたものを、40mmφ同方向二軸押出機を用いて220℃で混練した後、Tダイより押出し、次いで約70℃のキャスティングロールにて急冷し、厚み0.3mmのシートを作製した。得られたシートについて、ドメインの平均分散粒径、結晶融解ピーク温度(Tm)、結晶化ピーク温度(Tc)、透明性(ヘーズ)、耐衝撃性(ハイドロショット破壊エネルギー)、耐熱性(貯蔵弾性率(E’))、耐溶出性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、ノバテックPP FB3HATとクオリア PP2240の混合質量比を80:20とした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、ノバテックPP FB3HATとクオリア PP2240の混合質量比を60:40とした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
住友化学(株)の商品名ノーブレンWF836DG3(プロピレン/エチレン=99.7/0.3質量%)とクオリアPP2240の混合物を用い、ノーブレンWF836DG3とクオリアPP2240を混合質量比80:20の割合でドライブレンドした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
ノバテックPP FB3HATを単独で使用した以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
ノバテックPP FB3HATと、サンアロマー(株)の商品名PB363W(プロピレン/エチレン/ブテン−1=79.9/19.0/1.1質量%)の混合物を用い、ノバテックPP FB3HATとPB363Wを混合質量比80:20の割合でドライブレンドした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
ドメインを含有しない例として、一般的なポリプロピレン用核剤であるミリケン社製Millad3988を用い、ノバテックPP FB3HATとMillad3988を混合質量比99.8:0.2の割合でドライブレンドした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1において、ノバテックPP FB3HATとクオリア PP2240の混合質量比を20:80とした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2014136748
表1の結果より、実施例1〜4は、ポリプロピレン系樹脂からなるマトリックス(A)中に、平均分散粒径が50〜600nmであるα−オレフィンからなるドメイン(B)を1〜10質量%の割合で含有することにより、優れた透明性、耐衝撃性、耐熱性、耐溶出性を有することがわかった。
これに対し、平均分散粒径が50〜600nmであるα−オレフィンからなるドメイン(B)を含まない場合(比較例1)は、透明性、耐衝撃性が得られず、ドメイン(B)の平均分散粒径が600nmを超える場合(比較例2)には、透明性が得られなかった。また、ドメイン(B)を含まず、一般的なポリプロピレン用核剤を含有した場合(比較例3)には、耐衝撃性および耐溶出性が得られなかった。さらに、平均分散粒径が50〜600nmであるα−オレフィンからなるドメイン(B)の割合が10質量%を超える場合(比較例4)には、耐熱性が得られなかった。

Claims (6)

  1. ポリプロピレン系樹脂からなるマトリックス(A)中に、平均分散粒径が50〜600nmであるα−オレフィンからなるドメイン(B)を1〜10質量%の割合で含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 示差走査熱量計における昇温時の結晶融解ピーク温度Tmと、降温時の結晶化ピーク温度Tcの差が、40℃以内であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 前記ポリプロピレン系樹脂組成物をシート状に成形した際のJIS K7105に基づき測定した厚み0.3mmでのヘーズ値が20%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなるフィルム。
  5. 請求項1〜3の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなるプレート。
  6. 請求項1〜3の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなる射出成形品。
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