JP2014136748A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂からなるマトリックス(A)中に、平均分散粒径が50〜600nmであるα−オレフィンからなるドメイン(B)を1〜10質量%の割合で含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
具体的には、住友化学(株)の商品名「ノーブレンFLX80E4」や、日本ポリプロピレン(株)の商品名「ノバテックPP FY4」、「ノバテックPP FY6HA」、「ノバテックPP FB3HAT」などのプロピレン単独重合体に対して、サンアロマー(株)の商品名「クオリアPP2240」などのドメインの平均分散粒径を制御したプロピレン系ブロック共重合体を配合することで、本発明のシートを製造することができる。
一方、前記TmとTcの差の下限値としては、特に制限はないが、通常は1℃以上である。
なお、本明細書中に表示される原料及び試験片についての種々の測定値及び評価は次のようにして行った。ここで、フィルムの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交方向を横方向と呼ぶ。
得られたシートの長手方向(流れ方向)に垂直な方向から試料を切り出し、その試料を四酸化ルテニウムで染色した後、厚さ70nm程度の薄片を採取して、シートの断面を透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JEM−1200EX)により、加速電圧100KV、700倍にて観察した。実寸法0.04mm×0.04mmの範囲内にある任意に抽出した100個のドメインの分散粒径を計測し、その平均値を平均分散粒径とした。
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計(商品名「Pyris1 DSC」)を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で30℃から220℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解ピーク温度(Tm)(℃)を求めた。次に、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で220℃から30℃まで降温した時に測定されたサーモグラムから結晶化ピーク温度(Tc)(℃)を求めた。
JIS K7105に基づいて、全光線透過率および拡散透過率を測定し、ヘーズを以下の式で算出した。
[ヘーズ]=[拡散透過率]/[全光線透過率]×100
評価基準としては、厚み0.3mmでのヘーズが20%以下であるものを「合格」とした。
ハイドロショット高速衝撃試験器(島津製作所社製「HTM−1型」)を用いて、縦方向100mm×横方向100mmの大きさに切り出したシートを試料とし、クランプで固定し、雰囲気温度0℃でシート中央に直径が1/2インチの撃芯を落下速度3m/秒で落として衝撃を与え、試料が破壊するときの破壊エネルギー(kgf・mm)を測定した。破壊エネルギーが10kgf・mm以上のものを合格とした。
動的粘弾性測定機(アイティ計測(株)製、商品名:粘弾性スペクトロメーターDVA−200)を用いて、振動周波数:10Hz、昇温速度:3℃/分、歪0.1%の条件で、貯蔵弾性率(E’)を0℃から200℃まで測定し、得られたデータから120℃における貯蔵弾性率(E’)を読み取った。120℃における貯蔵弾性率(E’)が100MPa以上であるものを合格とした。
下記の各例に記載の方法によって得られたフィルムから幅方向、流れ方向共に200mmの試験片を切り出した。次に、この試料片2枚を重ね合わせ、幅10mmのシールバーを有するヒートシール機を用いてフィルムの外周部の1辺を残して(袋状にして)180℃で加熱溶着した。続いて、前記の方法にて袋状となったフィルムに蒸留水を100cc注ぎ、外周部の残りの1辺をヒートシール機を用いて加熱溶着し、内部に蒸留水が密閉された袋を作製した。得られた袋を加圧式レトルト槽(平山製作所製「超加速寿命試験装置PL−30AeRIII」に入れ、袋が完全に浸漬するまで水を入れ、蓋をした後、120℃(ゲージ圧0.118MPa(1.2Kg/cm2)に加熱した。この状態で30分保持した後、80℃まで冷却した後、蓋をあけて袋を取り出した。
袋の1辺を鋏で切り取り、内部の蒸留水の臭気を官能評価した。全く臭気を感じないものを○、臭気を感じるものを×とした。
日本ポリプロピレン(株)の商品名ノバテックPP FB3HAT(プロピレン=100質量%)と、サンアロマー(株)の商品名クオリア PP2240(プロピレン/エチレン/ブテン−1=82.0/15.4/2.6質量%)の混合物を用い、ノバテックPP FB3HATとクオリア PP2240を混合質量比90:10の割合でドライブレンドしたものを、40mmφ同方向二軸押出機を用いて220℃で混練した後、Tダイより押出し、次いで約70℃のキャスティングロールにて急冷し、厚み0.3mmのシートを作製した。得られたシートについて、ドメインの平均分散粒径、結晶融解ピーク温度(Tm)、結晶化ピーク温度(Tc)、透明性(ヘーズ)、耐衝撃性(ハイドロショット破壊エネルギー)、耐熱性(貯蔵弾性率(E’))、耐溶出性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、ノバテックPP FB3HATとクオリア PP2240の混合質量比を80:20とした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、ノバテックPP FB3HATとクオリア PP2240の混合質量比を60:40とした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
住友化学(株)の商品名ノーブレンWF836DG3(プロピレン/エチレン=99.7/0.3質量%)とクオリアPP2240の混合物を用い、ノーブレンWF836DG3とクオリアPP2240を混合質量比80:20の割合でドライブレンドした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
ノバテックPP FB3HATを単独で使用した以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
ノバテックPP FB3HATと、サンアロマー(株)の商品名PB363W(プロピレン/エチレン/ブテン−1=79.9/19.0/1.1質量%)の混合物を用い、ノバテックPP FB3HATとPB363Wを混合質量比80:20の割合でドライブレンドした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
ドメインを含有しない例として、一般的なポリプロピレン用核剤であるミリケン社製Millad3988を用い、ノバテックPP FB3HATとMillad3988を混合質量比99.8:0.2の割合でドライブレンドした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、ノバテックPP FB3HATとクオリア PP2240の混合質量比を20:80とした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
これに対し、平均分散粒径が50〜600nmであるα−オレフィンからなるドメイン(B)を含まない場合(比較例1)は、透明性、耐衝撃性が得られず、ドメイン(B)の平均分散粒径が600nmを超える場合(比較例2)には、透明性が得られなかった。また、ドメイン(B)を含まず、一般的なポリプロピレン用核剤を含有した場合(比較例3)には、耐衝撃性および耐溶出性が得られなかった。さらに、平均分散粒径が50〜600nmであるα−オレフィンからなるドメイン(B)の割合が10質量%を超える場合(比較例4)には、耐熱性が得られなかった。
Claims (6)
- ポリプロピレン系樹脂からなるマトリックス(A)中に、平均分散粒径が50〜600nmであるα−オレフィンからなるドメイン(B)を1〜10質量%の割合で含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
- 示差走査熱量計における昇温時の結晶融解ピーク温度Tmと、降温時の結晶化ピーク温度Tcの差が、40℃以内であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 前記ポリプロピレン系樹脂組成物をシート状に成形した際のJIS K7105に基づき測定した厚み0.3mmでのヘーズ値が20%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜3の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなるフィルム。
- 請求項1〜3の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなるプレート。
- 請求項1〜3の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなる射出成形品。
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08217889A (ja) * | 1995-02-17 | 1996-08-27 | Tokuyama Corp | ポリプロピレンシートおよび容器 |
JPH09316251A (ja) * | 1996-05-30 | 1997-12-09 | Showa Denko Kk | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその発泡成形体 |
JPH10237189A (ja) * | 1997-02-24 | 1998-09-08 | Chisso Corp | ポリプロピレン系一軸延伸フィルム |
WO1998051732A1 (fr) * | 1997-05-15 | 1998-11-19 | Chisso Corporation | Moulage en polypropylene non etire |
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2013
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