JP2014135382A - 非接触給電システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電磁誘導型の非接触給電システムにおいて、複数本のエナメル線を撚り合わせてなるリッツ線を、同一平面上に所定の巻数で巻線した渦巻き型コイルで一次コイル(給電側コイル)及び二次コイル(受電側コイル)を構成する。そして、一次コイルと二次コイルの外径比(D2/D1)を0.8〜1.1、内径比(d2/d1)を1.2〜2.0、インダクタンス比(L2/L1)を0.9〜1.1とする。
【選択図】図7
Description
発表資料等によれば、外径が300〜500mm、内径が200〜300mmの2つの円形コイル(円形の渦巻き型コイル)を組み合わせた場合、位置ずれが100mm程度まで大きくなると、電力伝送効率が著しく低下して実用性がなくなることが報告されている。
特許文献2には、二次コイルの内径、外径を、一次コイルの内径、外径よりも小さくした非接触給電システムが開示されている。この非接触給電システムでは、位置ずれが生じても一次コイル及び二次コイルの双方に鎖交する磁束の変化は少ないので、広い範囲で電力伝送効率が安定する。
特許文献3、4には、特許文献2とは逆に、二次コイルの内径を、一次コイルの内径よりも大きくした非接触給電システムが開示されている。この非接触給電システムでは、一次コイルと二次コイルの双方に鎖交する磁束の数が広範囲で安定するので、位置ずれが生じても高い電力伝送効率を確保することができる。
特許文献2に記載の非接触給電システムでは、一次コイルと二次コイルが理想的な位置関係に配置された状態であっても漏れ磁束が多く、最大限に電力が伝送される構成ではない。また、漏れ磁束MLによって、二次コイル21の巻線部21bが誘導加熱されるため、二次コイル21の温度が部分的に上昇して不均一となる虞もある。
前記一次コイル及び前記二次コイルが、複数本のエナメル線を撚り合わせてなるリッツ線を、同一平面上に所定の巻数で巻線した渦巻き型コイルで構成され、
前記一次コイルと前記二次コイルの外径比(D2/D1)が0.8〜1.1、
前記一次コイルと前記二次コイルの内径比(d2/d1)が1.2〜2.0、
前記一次コイルと前記二次コイルのインダクタンス比(L2/L1)が0.9〜1.1であることを特徴とする。
図4は、実施の形態に係るEV用の非接触給電システムを示す図である。図4に示すように、非接触給電システム1は、地上に設置される給電装置10と、車両Cに設置される受電装置20を備える。
給電装置10は、一次コイル11を含む給電回路11A、インバーター12、交流電源13等を備える。給電回路11Aは、一次コイル11の他、共振用コンデンサー(図示略)を含んでいてもよい。
受電装置20は、二次コイル21を含む受電回路21A、整流器22、二次電池23等を備える。受電回路21Aは、二次コイル21の他、共振用コンデンサー(図示略)を含んでいてもよい。
給電時には、一次コイル11と二次コイル21とは、エアギャップGを介して対向して配置されることとなる。
図5、6に示すように、一次コイル11及び二次コイル21は、リッツ線LWを同一平面上に所定の巻数Nで巻線した円環状の渦巻き型コイル(リッツ線コイルとも呼ばれる)である。図5、6では、一次コイル11及び二次コイル21の内径をd、外径をDで示している。一次コイル11及び二次コイル21の両端部には、例えば半田付けにより端子金具(図示略)が接続される。
コイルの内径比(d2/d1)が1.2よりも小さいと、位置ずれの許容距離が小さくなるので、電力伝送効率の低下を抑制できる範囲が狭くなる。コイルの内径比(d2/d1)が2.0よりも大きいと、二次コイル21の外径を同程度とした場合に巻線できる幅が減少するため、所定のインダクタンスが確保されるように製造するのが困難となり、製造コストが増大する虞がある。所定のインダクタンスを確保するためには重ね巻きすることも考えられるが、コイルの厚みが増大するため、薄型化できる渦巻き型コイルの利点が損なわれる。
本実施の形態では、二次コイル21の内径d2が拡大されているため、内径dが同じコイルの組み合わせと比較すると、エアギャップGを大きくしたときの電力伝送効率の低下は少ない。したがって、エアギャップGを大きく取ることができるので、車両Cへ設置するための設計の自由度が高まり、利便性が増す。例えば、125mmの位置ずれまで許容できる場合、エアギャップGも125mmまで拡大することができる。
リッツ線LWの外径が標線104の間隔よりも小さい場合は、リッツ線LWは隙間をあけて巻線されることとなる。リッツ線LWの外径が小さい程、すなわち隙間が大きい程リッツ線LWの扁平率(長辺/短辺)は大きくなる。コイルの径方向において隙間が40%以下であれば、リッツ線LWの扁平率(長辺/短辺)は1.10〜1.60となる。
なお、リッツ線LWの外径が標線104の間隔より大きい場合は、予めリッツ線LWを圧延して扁平させた上で、短辺がコイルの径方向となるように巻線すればよい。
巻数が増加するに伴ってリッツ線LWの巻き込み位置が変化するため、リッツ線LWの送り出し位置を保持したままとすると、リッツ線LWに張力が付加される虞がある。本実施の形態では、リッツ線LWの送り出し位置を巻線の進行状況に応じて変化させるので、リッツ線LWを確実に無張力で送り込むことができる。
リッツ線LWを仮固定するための接着部として用いた帯状の接着テープ(図示略)を、巻線後(加圧成形後)にリッツ線コイルの径方向に巻回するようにすれば、コイル形状を保持する機能も兼用させることができる。
また例えば、リッツ線コイルの全体に接着剤を塗布してコイル形状を固定するようにしてもよい。この場合、巻枠100には離型剤を塗布しておくのが好ましい。また例えば、リッツ線コイルを含浸ワニスに浸漬してコイル形状を固定するようにしてもよい。
実施例では、実施の形態で示した製造方法により、一次コイル及び二次コイルを作製した。
一次コイル11は、内径d1:220mm、外径D1:460mm、巻線幅:120mm、巻数N1:20ターンでリッツ線LWを巻線して作製した。リッツ線LWには、素線径:0.12mm、撚り本数:700本(断面積:7.9mm2)のものを用いた。巻線後の加圧成形により、リッツ線LWの断面が6mm(コイル径方向)×2mm(厚さ方向)の矩形状となるようにした。つまり、一次コイル11では、断面略矩形状のリッツ線LWが、長辺がコイルの径方向に沿うようにして配置される。
また、作製した一次コイル11、二次コイル21のインダクタンスL1、L2を測定したところ、それぞれ320μH、310μHであり、インダクタンス比(L2/L1)は0.97であった。
例えば、図12に示すように、一次コイル11及び二次コイル21の対向面とは反対側の面に、フェライト等の磁性材料からなる磁性部材14、24を配置するようにしてもよい。磁性部材14、24を配置することにより、磁気抵抗の低い通路が形成されるので、結果として一次コイル11及び二次コイル21の性能(Q値)が高まり、漏れ磁束を少なくすることができる。
この場合、二次コイル21側に配置する磁性部材24の内縁部分に、一次コイル側に延びる延出部24aを形成するのが好ましい。これにより、電力伝送に寄与する有効な磁束数が増加し、漏れ磁束が減少するので、高い電力伝送効率を実現することができる。
10 給電装置
11A 給電回路
11 一次コイル(給電側コイル)
12 インバーター
13 交流電源
14 磁性部材
20 受電装置
21A 受電回路
21 二次コイル(受電側コイル)
22 整流器
23 二次電池
24 磁性部材
d コイルの内径
D コイルの外径
LW リッツ線
Claims (6)
- エアギャップを介して対向して配置される一次コイル及び二次コイルを備え、前記一次コイル側から前記二次コイル側へ非接触で電力を伝送する電磁誘導型の非接触給電システムであって、
前記一次コイル及び前記二次コイルが、複数本のエナメル線を撚り合わせてなるリッツ線を、同一平面上に所定の巻数で巻線した渦巻き型コイルで構成され、
前記一次コイルと前記二次コイルの外径比(D2/D1)が0.8〜1.1、
前記一次コイルと前記二次コイルの内径比(d2/d1)が1.2〜2.0、
前記一次コイルと前記二次コイルのインダクタンス比(L2/L1)が0.9〜1.1であることを特徴とする非接触給電システム。 - 前記一次コイルと前記二次コイルの内径比(d2/d1)が1.4〜1.8であることを特徴とする請求項1に記載の非接触給電システム。
- 前記一次コイルと前記二次コイルの内径比(d2/d1)が1.5〜1.7であることを特徴とする請求項2に記載の非接触給電システム。
- 前記リッツ線は、素線径が0.04〜0.25mm、撚り数が300〜4000本であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の非接触給電システム。
- 前記一次コイルの内径が150〜250mmであり、
前記一次コイル及び前記二次コイルが350〜600mm、巻数が20〜50ターンであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の非接触給電システム。 - 前記一次コイルは、断面形状が略矩形の前記リッツ線を長辺がコイルの径方向に沿うように配置した構成を有し、
前記二次コイルは、断面形状が略矩形の前記リッツ線を短辺がコイルの径方向に沿うように配置した構成を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の非接触給電システム。
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