JP6035378B1 - リッツ線コイル - Google Patents

リッツ線コイル Download PDF

Info

Publication number
JP6035378B1
JP6035378B1 JP2015118289A JP2015118289A JP6035378B1 JP 6035378 B1 JP6035378 B1 JP 6035378B1 JP 2015118289 A JP2015118289 A JP 2015118289A JP 2015118289 A JP2015118289 A JP 2015118289A JP 6035378 B1 JP6035378 B1 JP 6035378B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
litz wire
spacer
coil
wire coil
short side
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015118289A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017004790A (ja
Inventor
達也 飯島
達也 飯島
聖 三浦
聖 三浦
秀樹 松本
秀樹 松本
森 正裕
正裕 森
賢治 上谷
賢治 上谷
伸明 光地
伸明 光地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SWCC Showa Device Technology Co Ltd
Original Assignee
SWCC Showa Device Technology Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SWCC Showa Device Technology Co Ltd filed Critical SWCC Showa Device Technology Co Ltd
Priority to JP2015118289A priority Critical patent/JP6035378B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6035378B1 publication Critical patent/JP6035378B1/ja
Publication of JP2017004790A publication Critical patent/JP2017004790A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Induction Heating (AREA)
  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

【課題】非接触給電システムの用途に好適で、耐衝撃性に優れ、安定した電気特性を有するリッツ線コイルを提供する。【解決手段】リッツ線コイル1は、導体に絶縁被膜を焼き付けたエナメル線を複数撚り合わせたリッツ線11と、弾性を有するスペーサー12とが、同一平面上に所定の巻数で渦巻き状に並列巻きされてなる。リッツ線及びスペーサーは、それぞれ短辺がコイル径方向に沿う略矩形の断面形状を有するとともに、互いに摺動可能に接触する。スペーサーの短辺長さは、リッツ線の短辺長さよりも短い。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁誘導型の非接触給電システムに好適なリッツ線コイルに関する。
近年、電気自動車(EV:Electric Vehicle)の充電方法の一つとして、コイルを用いた電磁誘導方式の非接触給電システムが検討されている。非接触給電システムは、交流電源から電力が供給される給電側コイル(一次コイル)と、給電側コイルに対向して配置され、給電側コイルと磁気的に結合する受電側コイルとを備える。EV用の非接触給電システムにおいては、給電側コイルが車外(床面)に配置され、受電側コイルが車内に配置される。
給電側コイル及び受電側コイルには、例えばエナメル線(導体を絶縁被膜で被覆した線材)を同一平面上で渦巻き状に巻線してなる平面コイルが適用される。平面コイルは、例えば、線材の一端側を巻枠に固定し、線材に適当な張力を付加しながら巻枠を回転させることにより製造される。単心のエナメル線をコイル用の線材として適用する場合、インダクタンス等の電気特性のばらつきは小さく、実用範囲内で量産することが可能である。
また、高周波の大電流を流して大電力を伝送する必要がある場合は、複数本のエナメル線(素線)を撚り合わせたリッツ線を巻線してなるリッツ線コイルが用いられる(例えば特許文献1、2)。リッツ線を用いることで、高周波特有の表皮効果や近接効果による交流抵抗を低減することができる。
特許第4824508号公報 国際公開第2012/073517号
ところで、非接触給電システムに用いられるリッツ線コイルには、車両や家電等に搭載するために、寸法上の制約を受けながらも、高い電気特性を有し(高インダクタンス、低抵抗)、またインダクタンスのばらつきの小さいことが要求される。リッツ線コイルのインダクタンスを高めるためには、コイル外径を大きくすればよい。例えば、特許文献1、2に記載されるように、コイル巻数を一定とした場合、隣接するリッツ線間にスペーサーを介在させ、見かけ上のボリュームを増加させることにより、インダクタンスを高めることができる。
しかしながら、リッツ線とスペーサーがほぼ同形状の横断面角型に成型されている場合(例えば特許文献1)や、リッツ線とスペーサーが接着されて一体化されている場合(例えば特許文献2)、リッツ線コイルに振動等の外部衝撃が加わったときに、コイル形状が損なわれたり、リッツ線の素線に傷がついたりして、所望の電気特性が得られなく虞がある。特に、リッツ線コイルが車輌に搭載される場合、頻繁に振動が加わることとなるため、耐衝撃性が要求される。
本発明の目的は、非接触給電システムの用途に好適で、耐衝撃性に優れ、安定した電気特性を有するリッツ線コイル及びリッツ線コイルの製造方法を提供することである。
本発明に係るリッツ線コイルは、導体に絶縁被膜を焼き付けたエナメル線を複数撚り合わせたリッツ線と、弾性を有するスペーサーとが、同一平面上に所定の巻数で渦巻き状に並列巻きされてなるリッツ線コイルであって、
前記リッツ線及び前記スペーサーは、それぞれ短辺がコイル径方向に沿う略矩形の断面形状を有するとともに、互いに摺動可能に接触し、
前記スペーサーの短辺長さは、前記リッツ線の短辺長さよりも短いことを特徴とする。
本発明に係るリッツ線コイルの製造方法は、上記のリッツ線コイルの製造方法であって、
環状の平面部と、前記平面部の中央に位置する円筒又は円柱状の内径規制部と、前記平面部の外周縁に起立する外径規制部とを有する巻枠に、前記リッツ線及び前記スペーサーを無張力で送り込み、前記平面部に所定の巻数で渦巻き状に巻線し、
前記平面部に対応する形状を有する加圧部材によって、巻線された前記リッツ線及び前記スペーサーを厚さ方向に所定の圧力で加圧成形することを特徴とする。
本発明によれば、振動等の外部衝撃が、スペーサーによって吸収されるとともに、リッツ線とスペーサーとの摺動によっても吸収される。したがって、耐衝撃性に優れ、安定した電気特性を有するリッツ線コイルが実現される。かかるリッツ線コイルは、振動を受けやすい非接触給電システム用の受電側コイル(車載側)として極めて有用である。
実施の形態に係るリッツ線コイルを示す図である。 押さえテープで固定したリッツ線コイルを示す図である。 リッツ線コイルの製造方法(第1の工程)を示す図である。 リッツ線コイルの製造方法(第2の工程)を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係るリッツ線コイル1を示す図である。図1Aは平面図、図1Bはリッツ線コイル1の中心Oを通る断面図である。図1に示すリッツ線コイル1は、例えばEV用の非接触給電システムの給電側コイル又は受電側コイルとして用いられる。
図1に示すように、リッツ線コイル1は、リッツ線11及びスペーサー12を備え、隣接するリッツ線11の間にスペーサー12が介在する。リッツ線コイル1は、リッツ線11とスペーサー12とが、同一平面上に所定の巻数で渦巻き状に並列巻きされてなる円環状の平面コイルである。リッツ線コイル1は、最外周側と最内周側から引き出される端部11a、11bを有する。この端部11a、11bには、例えば半田付けにより端子金具(図示略)が接続される。
リッツ線11は、導体に絶縁被膜を焼き付けたエナメル線(素線)を、複数本撚り合わせたものである。エナメル線の導体は、銅又は銅合金であることが好ましく、アルミニウム、アルミニウム合金、又は銅とアルミニウムのクラッド材等を適用することもできる。また、エナメル線の絶縁被膜には、ポリウレタン、ポリビニルホルマール、ポリウレタンナイロン、ポリエステル、ポリエステルナイロン、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド/ポリアミドイミド、ポリイミド等、リッツ線11の端部11a、11bを端子金具(図示略)に半田付けする際に高温の半田により溶融する樹脂材料が好適である。
スペーサー12は、外部衝撃を吸収しうる弾性(柔軟性)を有するテープ状の線材であり、例えば樹脂材料で形成される。スペーサー12の誘電率が大きいと、リッツ線コイル1に高電圧が印加された場合に部分放電が発生する虞がある。そのため、樹脂材料としては、誘電率が10以下、さらには5以下の絶縁物が好ましい。また、リッツ線コイル1に通電した際、リッツ線11が発熱するため、樹脂材料としては、想定される温度上昇に十分に耐えられる熱特性(熱変形温度)を有するとともに、長期間の加熱による経時劣化が少ないものが好ましい。これにより、安定した電気特性が得られる、機械的、熱的特性も確保されるので、信頼性の高いリッツ線コイル1が実現される。
具体的には、スペーサー12を形成する樹脂材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、又はシリコンゴムが好適である。これらを架橋させた樹脂材料は、温度上昇時の機械的変形が少ないため、特に好適である。また、機械的な特性を著しく低下させない範囲で、これらの樹脂材料(架橋させた樹脂材料を含む)を発泡させた材料は、柔軟性と低誘電率の双方を容易に実現できる点で有利である。
図1Bに示すように、リッツ線11及びスペーサー12は、略矩形の断面形状を有し、短辺がコイル径方向に沿うように配置される。リッツ線11とスペーサー12は接着されておらず、互いに摺動可能に接触している。また、スペーサー12の幅W2(短辺長さ)は、リッツ線11の幅W1(短辺長さ)よりも短い。例えば、スペーサー12の幅W2は、リッツ線11の幅W1の10〜30%である。
すなわち、リッツ線コイル1は、振動等の外部衝撃を受けたときに、リッツ線11とスペーサー12が動きやすく、コイル形状が変形しやすい構造を有する。したがって、振動等の外部衝撃は、スペーサー12自身の弾性によって吸収される上、リッツ線11とスペーサー12との摺動によっても吸収される。リッツ線11とスペーサー12が摺動するため、リッツ線コイル1のコイル形状は一時的に崩れるが、外部衝撃がなくなると、スペーサー12の弾性によって自然に元の形状に戻るため、リッツ線コイル1の電気特性は損なわれない。
リッツ線コイル1は、コイル内径が180〜300mm、コイル外径が300〜550mm、巻数が25〜50ターンであることが好ましい。また、リッツ線11は、素線径が0.5〜0.18mm、撚り本数が500〜2000本であることが好ましい。これにより、電気特性の安定化を図ることができるので、EV用の非接触給電システムの用途として好適である。
なお、リッツ線コイル1の寸法(コイル内径、コイル外径、巻数)は、非接触給電システムにおいて所望の伝送効率が実現されるように適宜に設計され、リッツ線11の素線径、撚り本数、絶縁材料等の構成は、製造するリッツ線コイル1に応じて適宜に選定される。
また、図2に示すように、リッツ線コイル1は、リッツ線11及びスペーサー12をコイル径方向に巻回する押さえテープ13を備えるようにしてもよい。押さえテープ13によってコイル形状が保持されるので、外部衝撃によってリッツ線コイル1の形状が崩れても、外部衝撃がなくなった後は、容易に元の形状に戻る。
このように、リッツ線コイル1は、導体に絶縁被膜を焼き付けたエナメル線を複数撚り合わせたリッツ線11と、弾性を有するスペーサー12とが、同一平面上に所定の巻数で渦巻き状に並列巻きされてなる。リッツ線11及びスペーサー12は、それぞれ短辺がコイル径方向に沿う略矩形の断面形状を有するとともに、互いに摺動可能に接触する。また、スペーサー12の幅W2は、リッツ線11の幅W1よりも短い。
リッツ線コイル1においては、振動等の外部衝撃が、スペーサー12によって吸収されるとともに、リッツ線11とスペーサー12との摺動によっても吸収される。したがって、リッツ線コイル1は、耐衝撃性に優れ、安定した電気特性を有するので、振動を受けやすい非接触給電システム用の受電側コイル(車載側)として極めて有用である。
リッツ線コイル1は、例えば以下に示す方法によって製造することができる。図3は、リッツ線コイル1の製造方法の第1の工程について示す図である。図3に示すように、本実施の形態では、第1の工程において、円環状の平面部21と、平面部21の中央に位置する円筒状の内径規制部23と、平面部21の外周縁に起立する外径規制部22とを有する巻枠2を用いる。なお、内径規制部23は円柱状であってもよい。
巻枠2は、後述する第2の工程(加圧成形工程)において破損しない程度の強度を有していればよく、例えばアルミニウム合金または鉄で構成される。後述する加圧部材3も同様である。巻枠2の寸法は、製造するリッツ線コイル1の寸法に合わせて設定される。すなわち、内径規制部23の外径がリッツ線コイル1の内径に相当し、外径規制部22の内径がリッツ線コイル1の外径に相当する。
平面部21は、リッツ線コイル1の巻数に整合する間隔で巻線時の目印となる標線を有する。この標線24に沿ってリッツ線11を配置していくことで、所望の態様に巻線されているかを確認しつつ巻線することができるので、容易に設計通りの巻数とすることができる。
第1の工程では、リッツ線11にスペーサー12を沿わせた状態で、これらを巻枠2に無張力で送り込み、平面部21に所定の巻数で渦巻き状に巻線する。具体的には、リッツ線11及びスペーサー12の一端部を巻枠2の内周側に固定し、巻枠2を所定の回転速度で回転させながら、巻き込み位置の周速度に合わせてリッツ線11及びスペーサー12を送り込む。これにより、リッツ線11及びスペーサー12は無張力の状態で送り込まれる。なお、第1の工程では、リッツ線11及びスペーサー12を無張力で送り込むため、リッツ線コイル1の外周側からリッツ線11を巻線することもできる。
このとき、リッツ線11及びスペーサー12の送り出し位置を保持したままにすると、巻数が増加するに伴って巻き込み位置が変化するため、リッツ線11及びスペーサー12に張力が付加される虞がある。そこで、リッツ線11及びスペーサー12の巻線の進行状況に応じて、送り出し位置を変化させるのが好ましい。これにより、リッツ線11及びスペーサー12を確実に無張力で送り込むことができる。具体的には、トラバース装置を用いることにより、リッツ線11及びスペーサー12の送り出し位置を正確に制御することができる。
また、第1の工程においては、巻枠2の平面部21には、リッツ線11及びスペーサー12を仮固定する接着部を配置するのが好ましい。例えば、接着部として、帯状の接着テープを、平面部21に放射状に配置する。これにより、巻線されたリッツ線11及びスペーサー12はその位置に仮固定され、ばらつかないので、容易に設計通りに巻線することができる。図2に示す押さえテープ13を、リッツ線11を仮固定するための接着部として利用してもよい。
第1の工程(巻線工程)においてリッツ線11を巻線し終わった状態では、リッツ線11及びスペーサー12の振れや隙間、又は浮き上がりなどが残存する。すなわち、コイルとしては欠陥が多く残った状態であり、平坦で安定したコイル形状とはなっていない。そこで、第2の工程(加圧成形)を行い、リッツ線コイル1を所望の形状に仕上げる。
図4は、実施の形態に係るリッツ線コイル1の製造方法の第2の工程について示す図である。図4に示すように、本実施の形態では、第2の工程において、巻枠2の平面部21に対応する円環形状を有する加圧部材3によって、巻線されたリッツ線11及びスペーサー12を厚さ方向に所定の圧力で加圧成形する。第2の工程において、巻線されたリッツ線11及びスペーサー12を厚さ方向に加圧成形する(径方向に扁平させる)ことにより、図1Bに示すようにリッツ線11及びスペーサー12の断面が矩形となる。なお、第2の工程における加圧力は、要求されるコイル精度に応じて調整される。
加圧成形したリッツ線コイル1のコイル形状を保持するために、リッツ線コイル1には所定の処理が施される。例えば、前述したように、帯状の押さえテープ13がコイルの径方向に巻回され、コイル形状が固定される。
このように、本実施の形態に係るリッツ線コイル1の製造方法では、環状の平面部21と、平面部21の中央に円筒又は円柱状に位置する内径規制部23と、平面部21の外周縁に起立する外径規制部22を有する巻枠2に、リッツ線11及びスペーサー12を無張力で送り込み、平面部21に所定の巻数で渦巻き状に巻線し(第1の工程、巻線工程)、平面部21に対応する形状を有する加圧部材3によって、巻線されたリッツ線11及びスペーサー12を厚さ方向に所定の圧力で加圧成形する(第2の工程、加圧成形工程)。
かかる製造方法によれば、コイル形状が高精度で制御されるので、EV用の非接触給電システムに好適な、電気特性(特にインダクタンス)のばらつきが極めて小さいリッツ線コイル1を、安定して量産することができる。また、コイル全体が一体化しているので、所定の装置(例えばEV用の非接触給電システム)に組み込む際の取り扱いが容易になる。
[実施例]
実施例1〜5では、素線径:0.1mm、撚り本数:1500本のリッツ線を用い、実施の形態で示した製造方法により、コイル内径:250mm、コイル外径500mm、巻数:約40ターンでリッツ線及びスペーサーを巻線し、リッツ線コイルを作製した。実施例1〜5では、異なる幅を有するスペーサーを用いて、リッツ線コイルにおけるスペーサーとリッツ線の短辺長さの比(W2/W1)が、5〜35%の範囲となるように制御した。
[比較例]
比較例1〜3では、実施例と同様のリッツ線を用い、実施の形態で示した製造方法により、コイル内径:250mm、コイル外径:500mm、巻数:約40ターンでリッツ線を巻線し、リッツ線コイルを作製した。比較例1〜3では、異なる幅のスペーサーを用いて、リッツ線コイルにおけるスペーサーとリッツ線の短辺長さの比(W2/W1)が、100〜120%の範囲となるように制御した。また、比較例4では、スペーサーを用いずリッツ線のみで、同じ形状のリッツ線コイルを作製した。
実施例及び比較例で作製したリッツ線コイルについて、耐衝撃性を評価した。具体的には、実施例及び比較例で作製したリッツ線コイルを車輌に搭載し、通常走行中の車両から振動又は衝撃を受けたときのコイルの変形状況を目視により観察した。また、振動又は衝撃を受ける前後において、200kHzにおける交流抵抗を測定した。評価結果を表1に示す。
Figure 0006035378
表1に示すように、リッツ線コイルにおけるスペーサーの短辺長さがリッツ線の短辺長さ以上である比較例1〜3及びスペーサーを用いていない比較例4では、明らかにコイル形状が変形しており、衝撃前後で交流抵抗が増大してコイル特性も低下した。これに対して、スペーサーの短辺長さをリッツ線の短辺長さよりも小さくした実施例1〜5では、明らかな変形は観察されず、また、衝撃前後で同等のコイル特性が得られた。これより、リッツ線コイルにおいて、リッツ線間にスペーサーを介在させること、及びスペーサーの短辺長さをリッツ線の短辺長さよりも短くすることの有用性が確認された。
また、リッツ線コイルにおけるスペーサーとリッツ線の短辺長さの比が10〜30%である実施例2〜4では、コイル形状の変形はまったく観察されなかったのに対して、実施例1、5は、コイル形状に微小な変形が観察された。微小な変形とは、コイル特性に影響を及ぼす程のものではない、許容範囲内の変形である。これより、リッツ線コイルにおけるスペーサーとリッツ線の短辺長さの比が10〜30%であることが、特に好ましいことが確認された。
実施例1は、リッツ線に対するスペーサーの幅が小さく、衝撃による変形を完全に元に戻す程度の弾性を有していないためと考えられる。実施例5は、リッツ線に対するスペーサーの幅が大きく、やや摺動しにくくなる(変形しやすい)ためと考えられる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、リッツ線コイルの形状は、円環状に限定されず、長円環状、角環状であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 リッツ線コイル
11 リッツ線
12 スペーサー
13 押さえテープ
2 巻枠
3 加圧部材

Claims (5)

  1. 導体に絶縁被膜を焼き付けたエナメル線を複数撚り合わせたリッツ線と、弾性を有するスペーサーとが、同一平面上に所定の巻数で渦巻き状に並列巻きされてなるリッツ線コイルであって、
    前記リッツ線及び前記スペーサーは、それぞれ短辺がコイル径方向に沿う略矩形の断面形状を有するとともに、互いに摺動可能に接触し、
    前記スペーサーの短辺長さは、前記リッツ線の短辺長さよりも短いことを特徴とするリッツ線コイル。
  2. 前記スペーサーの短辺長さは、前記リッツ線の短辺長さの10〜30%であることを特徴とする請求項1に記載のリッツ線コイル。
  3. 前記リッツ線及びスペーサーをコイル径方向に巻回する押さえテープを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のリッツ線コイル。
  4. EV用の非接触給電システムに用いられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のリッツ線コイル。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のリッツ線コイルの製造方法であって、
    環状の平面部と、前記平面部の中央に位置する円筒又は円柱状の内径規制部と、前記平面部の外周縁に起立する外径規制部とを有する巻枠に、前記リッツ線及び前記スペーサーを無張力で送り込み、前記平面部に所定の巻数で渦巻き状に巻線し、
    前記平面部に対応する形状を有する加圧部材によって、巻線された前記リッツ線及び前記スペーサーを厚さ方向に所定の圧力で加圧成形することを特徴とするリッツ線コイルの製造方法。
JP2015118289A 2015-06-11 2015-06-11 リッツ線コイル Active JP6035378B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015118289A JP6035378B1 (ja) 2015-06-11 2015-06-11 リッツ線コイル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015118289A JP6035378B1 (ja) 2015-06-11 2015-06-11 リッツ線コイル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6035378B1 true JP6035378B1 (ja) 2016-11-30
JP2017004790A JP2017004790A (ja) 2017-01-05

Family

ID=57419933

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015118289A Active JP6035378B1 (ja) 2015-06-11 2015-06-11 リッツ線コイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6035378B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111684551A (zh) * 2020-04-21 2020-09-18 深圳顺络电子股份有限公司 一种电感元器件及制造方法
CN112768206A (zh) * 2020-12-24 2021-05-07 宁波宁变电力科技股份有限公司 一种提高抗开裂能力的环氧浇注干式变压器绕组

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019207933A (ja) 2018-05-29 2019-12-05 トヨタ自動車株式会社 コイルモジュールおよびコイルユニット
JP7183105B2 (ja) * 2019-03-29 2022-12-05 株式会社ブリヂストン センサモジュール

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008270120A (ja) * 2007-04-25 2008-11-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置と扁平状のコイル導線の製造方法
JP2014120325A (ja) * 2012-12-17 2014-06-30 Swcc Showa Device Technology Co Ltd リッツ線コイル

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008270120A (ja) * 2007-04-25 2008-11-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置と扁平状のコイル導線の製造方法
JP2014120325A (ja) * 2012-12-17 2014-06-30 Swcc Showa Device Technology Co Ltd リッツ線コイル

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111684551A (zh) * 2020-04-21 2020-09-18 深圳顺络电子股份有限公司 一种电感元器件及制造方法
CN112768206A (zh) * 2020-12-24 2021-05-07 宁波宁变电力科技股份有限公司 一种提高抗开裂能力的环氧浇注干式变压器绕组

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017004790A (ja) 2017-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5629304B2 (ja) リッツ線コイル
KR102167688B1 (ko) 이동수단의 무선충전용 수신코일 및 이를 이용한 이동수단의 무선충전용 전력수신장치
JP5613268B2 (ja) 非接触給電システム
JP6035378B1 (ja) リッツ線コイル
EP2226819A1 (en) Plane coil, and non-contact power transmission device using the same
US11222745B2 (en) Coil and non-contact power supply device
JP6056100B2 (ja) 渦巻型コイル
JP5205792B2 (ja) 誘導加熱装置と扁平状のコイル導線の製造方法
JP6971062B2 (ja) 非接触給電装置用コイルおよび非接触給電装置用コイルの製造方法
JP5919462B2 (ja) 誘導加熱コイルの製造方法
US20230339010A1 (en) Method of manufacturing rectangular wire bundle product
CN204537831U (zh) 具有高加工效率的emi无线充电电感线圈
US11380480B2 (en) Strip induction coil for wireless charging of a vehicle battery
JP6499723B2 (ja) 非接触給電装置、コイルおよびコイルの製造方法
CN111226296A (zh) 无线充电系统中的磁线圈的制造方法
JP5595893B2 (ja) 共鳴コイル及びそれを有する非接触電力伝送装置
JP5121606B2 (ja) 渦巻きコイル
CN111226295A (zh) 线圈
CN110580975A (zh) 一种耐水绕组线及其制造方法
CN216435633U (zh) 一种线圈结构以及无线充电装置
JP4518907B2 (ja) 静止誘導機器コイル
KR101130790B1 (ko) 변압기 및 그 제조방법
CN110350321B (zh) 用于无线电力传输的天线及其制造方法
JP7199170B2 (ja) 非接触給電装置、コイルおよびコイルの製造方法
JP4765173B2 (ja) 誘導加熱装置用加熱コイル

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6035378

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350