JP2013207238A - アンテナコイルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】給電側及び受電側の共振回路を結合する磁界が形成される空間以外の空間への磁束の漏洩を抑制しつつ、高い効率で給電可能な非接触電力伝送技術を提供する。
【解決手段】第1基準軸X1に直交する基準平面PRに沿って、第1基準軸X1周りに渦巻き状に導体線を周回させて主コイル部を形成する主コイル部形成工程#1と、主コイル形成工程#1において導体線を第1基準軸X1の周りに周回させる間に、第1基準軸X1とは異なる第2基準軸X2周りに、主コイル形成工程#1における導体線の周回半径よりも小径で導体線を周回させて補助コイル部を形成する補助コイル部形成工程#2とを実施してアンテナコイルを形成する。第2基準軸X2は、主コイル部の一方側の軸方向端面に沿うと共に、主コイル部の周方向における予め定められた位置に主コイル部の径方向に沿って設定されている。
【選択図】図12

Description

本発明は、磁界共鳴式のワイヤレス給電に用いられるアンテナコイルの製造方法に関する。
携帯電話機、個人情報端末(PDA)、電動アシスト自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車など、一箇所に据え置かれることなく移動可能な電気機器や電動装置は、外部から電源を供給されることなく動作可能なように、内部に電池などの蓄電装置を有している。近年、このような機器や装置に搭載された蓄電装置を充電する技術の開発が進められている。多くの場合、この充電は、例えば、機器や装置に設けられた充電口と、電力供給装置とをケーブル等で接続することによって行われる。
しかし、近年、このようなケーブルを用いることなくワイヤレスで、つまり非接触で電力を供給する技術が注目されている。非接触で電力を供給する技術の1つに、磁界共鳴を利用したものがある。磁界共鳴は、共通の固有振動数(共振周波数)を有した一対の共振回路、例えば電力供給設備側の共振回路と、機器や装置側の共振回路とを磁界を介して共鳴させ、この磁界を介して電力を伝送する技術である。特開2009−106136号公報(特許文献1)には、この磁界共鳴を利用して車両外部の電源から車両に非接触で給電する技術が開示されている。
ところで、磁界共鳴を利用した給電では、共振回路に備えられアンテナとなる共振コイル(アンテナコイル)を含むコイルユニットの周囲に生じる磁界が電磁ノイズを生じさせる場合がある。例えば、車両に搭載されている電子機器等が電磁ノイズによる影響を受ける場合がある。また、磁界内に金属などの導電体が存在すると、導電体が加熱される可能性もある。例えば車両の底部にコイルユニットが設置された場合には、車両の底部の金属部品が加熱される場合がある。このため、給電側の共振回路と受電側の共振回路とを結合させるための磁界を形成する磁束を充分に確保すると共に、必要外の磁束はできるだけ漏洩しないように抑制されることが好ましい。磁界を遮蔽するために、シールドを設ける方法があるが、搭載スペースやコストを考慮すれば、このようなシールドはできるだけ小型であることが好ましい。
特許文献1に開示されたコイルユニットは、共振コイルを複数備え、1つの共振コイルに生じる磁界とその他の少なくとも1つの共振コイルに生じる磁界とが互いに逆位相となるように配置されている。これによって、共振回路以外の場所での磁界が相殺され、漏洩磁界が低減される(特許文献1:第5〜12段落、図1、図2等)。但し、磁界が相殺されるため、同じ電力を給電側の共振コイルに与えた場合の磁界の強さは低下し、給電の効率も低下する。
特開2011−234496号公報
そこで、給電側及び受電側の共振回路を結合する磁界が形成される空間以外の空間への磁束の漏洩を抑制しつつ、高い効率で給電することが可能な非接触電力伝送技術が望まれる。
上記課題に鑑みて、給電回路から受電回路へワイヤレス給電を行う磁界共鳴式給電装置用のアンテナコイルの製造方法が以下のように提示される。即ち、本発明に係るアンテナコイルの製造方法の特徴は、第1基準軸に直交する基準平面に沿って、前記第1基準軸周りに渦巻き状に導体線を周回させて主コイル部を形成する主コイル部形成工程と、前記主コイル形成工程において前記導体線を前記第1基準軸の周りに周回させる間に、前記第1基準軸とは異なる第2基準軸周りに、前記主コイル形成工程における前記導体線の周回半径よりも小径で前記導体線を周回させて補助コイル部を形成する補助コイル部形成工程とを有する点にある。ここで、当該第2基準軸は、前記主コイル部の一方側の軸方向端面に沿うと共に、前記主コイル部の周方向における予め定められた位置に前記主コイル部の径方向に沿って設定されている。
この製造方法によれば、主コイル部を形成するために導体線を周回させつつ、主コイル部の周方向の必要箇所において補助コイル部生成工程を実施して、補助コイル部を形成することができる。即ち、第1基準軸周りに導体線を周回させて構成された主コイル部と、主コイル部の一方側の軸方向端面に沿って配置され、主コイル部よりも小径の補助コイル部とを備えたアンテナコイルを製造することができる。補助コイル部形成工程では、主コイル部の径方向に沿って設定された第2基準軸に導体線を周回させて補助コイル部が形成される。従って、補助コイル部は、主コイル部の磁束に対して交差する向きを軸(第2基準軸)として形成される。主コイル部を流れる電流によって主コイル部の周囲に形成される磁界は、第1基準軸に沿った方向への広がりを有する。この製造方法によれば、主コイル部の一方側の軸方向端面に沿って、補助コイル部が形成される。この補助コイル部によって、主コイル部の周囲に形成され、第1基準軸に沿った方向へ広がる磁界を形成する磁束の内、当該一方側の軸方向端面から外側へ行くべき磁束は、補助コイル部に導かれる。この製造方法によれば、主コイル部を形成しつつ補助コイル部を形成するので、主コイル部と補助コイル部とを別々に形成して組み合わせる場合に比べて工程を簡略化でき、生産コストを抑制することができる。また、この製造方法によれば、第1基準軸の当該一方側については、第1基準軸に沿って広がる磁界が抑制され、指向性を有したアンテナコイルを製造することができる。このように、本製造方法によれば、給電側及び受電側の共振回路を結合する磁界が形成される空間以外の空間への磁束の漏洩を抑制しつつ、高い効率で給電することが可能なアンテナコイルを製造することができる。
磁界は、主コイル部の軸方向端部から軸方向外側において、主コイル部の径方向の全ての方向に広がる。従って、補助コイル部を用いて磁束を導き、漏洩磁束を抑制するためには、主コイル部の周方向に複数の補助コイル部が配置されていることが好ましい。このためには、複数の第2基準軸を設定すると共に、第2基準軸同士を精度良く規定する必要がある。本発明に係るアンテナコイルの製造方法は、1つの態様として、前記第2基準軸が、前記主コイル部の周方向における複数箇所に前記基準平面に沿って設定され、前記補助コイル部形成工程では、複数箇所の前記第2基準軸のそれぞれに沿って配置された複数の軸芯部と当該複数の軸芯部を連結する連結部とを有する芯部材を用い、前記複数の軸芯部のそれぞれの周りに前記導体線を周回させると好適である。芯部材の軸芯部によって第2基準軸が精度良く規定され、連結部によって軸芯部同士(第2基準軸同士)の関係が精度良く規定される。さらに、例えば芯部材が板状部材であり、連結部に基準平面が設定されていると、第2基準軸と第1基準軸とも精度良く規定できて好適である。
ここで、本発明に係るアンテナコイルの製造方法で用いられる前記芯部材は、ポリカーボネイト又はポリプロピレンを主材とすると好適である。磁界共鳴式給電装置では、対となるLC共振器を磁界を介して共鳴させる。アンテナコイルは、このLC共振器においてインダクタ(L)に対応する。1つの態様として、芯部材を用いてLC共振器のコンデンサ(C)を構成することが可能である。この際、高い高周波特性を有したコンデンサを構成する上では、芯部材の誘電正接の値が小さいことが好ましい。ポリカーボネイトやポリプロピレンは、誘電正接の値が小さい材料であり、芯部材の主材として好適である。
上述したように、補助コイル部は、主コイル部に比べて小径のコイルである。このため、主コイル部に比べて1つの補助コイル部のインダクタンスは小さくなる。そこで、補助コイル部は、インダクタンスを確保するために、磁性体のコアを備えていると好適である。1つの態様として、本発明に係るアンテナコイルの製造方法の前記補助コイル部形成工程では、前記第2基準軸に沿って配置された磁性体の補助コイルコアの周りに前記導体線を周回させると好適である。
小径の補助コイル部を形成する補助コイル部形成工程や、主コイル部形成工程と補助コイル部形成工程とが混在することを考慮すると、導体線は比較的曲げ易い素材であることが好ましい。1つの態様として、本発明に係るアンテナコイルの製造方法において用いられる前記導体線が、複数の導体素線を集合させた撚り線であると好適である。
ワイヤレス給電システムの構成を模式的に示すブロック図 ワイヤレス給電システムの構成を模式的に示す回路ブロック図 共振回路の等価回路図 アンテナコイルの基本構成を示す図 主コイル部を流れる電流によって生じる磁界を示す図 補助コイル部を流れる電流によって生じる磁界を示す図 アンテナコイルを流れる電流によって生じる磁界を示す図 磁界共鳴を媒介する磁界とアンテナコイルとの関係の一例を示す図 磁界共鳴を媒介する磁界とアンテナコイルとの関係の他の例を示す図 アンテナコイルの一例を示す斜視図 アンテナコイルの一例を示す斜視図 基板材の斜視図 基板材の斜視図 基板材に導体線を巻き回す順を示す図 主コイル部及び補助コイル部の部分拡大図 主コイル部及び補助コイル部を流れる電流の向きを示す図 導体線を巻き回す他の例を示す図 基板材の他の例を示す図 主コイル部の他の構成例を示す図 主コイル部の他の構成例を示す図
以下、本発明の実施形態を、車両に対してワイヤレス給電を行うワイヤレス給電システムを例として、図面に基づいて説明する。図1に示すように、ワイヤレス給電システム1(磁界共鳴式給電装置)は、給電施設に設置された給電システム2と、車両9の側に搭載された受電システム3とにより構成される。本実施形態では、給電システム2は、例えば、屋外施設であれば地面Gの近傍に、屋内施設であれば床面の近傍に設置されている。
図1及び図2に示すように、給電システム2は、交流電源21と、ドライバ回路22と、給電側共振回路25とを有して構成されている。給電側共振回路25は、給電側共振コイル24を有して構成されている。受電システム3は、受電側共振回路35と、整流回路32と、蓄電装置31とを有して構成されている。受電側共振回路35は、受電側共振コイル34を有して構成されている。給電側共振回路25と受電側共振回路35とは、同じ固有振動数(共振周波数)を有する共振回路であり、両者を総称して共振回路5と称する。また、給電側共振コイル24及び受電側共振コイル34を総称して、共振コイル或いはアンテナコイル4と称する。
給電システム2の交流電源21は、例えば、電力会社が保有する商用の配電線網から供給される電源(系統電源)であり、その周波数は例えば50Hzや60Hzである。ドライバ回路22は、50Hzや60Hzの系統電源の周波数を、給電側共振回路25(共振回路5)の共振周波数に変換する回路であり、高周波電源回路により構成される。受電システム3の蓄電装置31は、充放電可能な直流電源であり、例えばリチウムイオンやニッケル水素などの二次電池やキャパシタが利用される。受電側共振回路35が受電した電力は、受電側共振回路35の共振周波数を有する交流電力である。整流回路32は、この共振周波数を有する交流電力を直流電力に整流する回路である。
尚、ドライバ回路22と給電側共振回路25とを併せて、或いは給電システム2全体は、広義の給電回路に相当する。また、給電側共振回路25は、狭義の給電回路に相当する。同様に、受電側共振回路35と整流回路とを併せて、或いは受電システム3の全体は、広義の受電回路に相当する。また、受電側共振回路35は、狭義の受電回路に相当する。
車両9は、例えば、回転電機91により駆動される電気自動車や、不図示の内燃機関及び回転電機91により駆動されるハイブリッド自動車である。回転電機91は、例えばインバータ92などの回転電機駆動装置を介して蓄電装置31に接続されている。本実施形態において、回転電機91は、例えば3相交流回転電機であり、回転電機駆動装置は、直流と交流との間で電力を変換するインバータ92を中核として構成されている。回転電機91は、電動機及び発電機として機能することが可能である。回転電機91が電動機として機能する際には、このインバータ92を介して蓄電装置31から電力の供給を受けて駆動力を発生する(力行運転)。一方、回転電機91が発電機として機能する際には、車両9の制動や、内燃機関などの駆動力によって発電された交流電力がインバータ92によって直流に変換され、蓄電装置31へ回生される(回生運転)。
ワイヤレス給電システム1(磁界共鳴式給電装置)は、図2に示すように、一対の共振回路5(25,35)を磁界を介して共鳴させ、当該磁界を介して給電するシステムである。尚、「磁性」を利用した「共鳴」技術としては、しばしば医療分野において用いられる磁気共鳴画像法(MRI:magnetic resonance imaging)が知られている。但し、MRIが「磁気スピンの共振」という物理的事象を利用しているのに対して、本発明における「磁界共鳴式給電装置」ではそのような物理的事象は利用していない。本発明における「磁界共鳴式給電装置」では、上述したように、2つの共振回路5を「磁界」を介して共鳴させるものである。従って、ここでは、いわゆるMRIと明確に区別することも含めて、磁界における共鳴を利用して電力を伝送するワイヤレス給電システム1の伝送方式を「磁界共鳴方式」と称する。また、この伝送方式は、いわゆる「電磁誘導方式」とも異なる方式であるが、この点については後述する。
上述したように、給電側共振回路25と受電側共振回路35とは、同じ固有振動数(共振周波数)を有する。本実施形態においては、給電側共振回路25及び受電側共振回路35は、同一構成のLC共振器である。従って、以下の説明では、両者を区別する必要がない場合は、「共振回路5」として説明する。図3の等価回路に示すように、共振回路5は、インダクタンス成分“L”を有するアンテナコイル4と、キャパシタンス成分“C”を有するコンデンサ6とを有して構成されている。本実施形態では、図2に示すように、キャパシタンス成分“C”は、3つのコンデンサのキャパシタンス成分(Cs,Cs,Cp)の合成である。
給電側共振回路25及び受電側共振回路35は、同じ共振周波数を有する回路である。例えば、離間して配置された2つの音叉の内の一方を空気中で振動させると、他方の音叉も、空気を介して伝搬した振動に共鳴して振動するのと同様に、給電側共振回路25と受電側共振回路35とも共鳴する。より詳しくは、給電側共振回路25の共振(電磁気的振動)により生じた磁界を介して受電側共振回路35に伝搬した電磁気的振動に共鳴して、受電側共振回路35も共振する(電磁気的に振動する)。
ところで、非接触の電力伝送の方式として「電磁誘導方式」が知られている。特に磁界結合を利用した電磁誘導方式の回路構成は、図2に酷似したものである。但し、「電磁誘導方式」は、コイルの間を貫く磁束の強さの変化によって生じる起電力を利用したものであり、一般的にはコイル同士の結合(磁界結合)が支配的である。電磁誘導方式では、2つの回路の結合強度も、下記式(1)に示すように、2つのコイルのそれぞれの自己インダクタンス(L1,L2)と相互インダクタンスMとによって表されることが多い。2つのコイルが作る磁束の全てが鎖交した場合に結合強度が“1”となる。
Figure 2013207238
これに対して、「磁界共鳴方式」では、2つの共振回路5の間のインダクタンスLによる「磁界結合」と、キャパシタンスCによる「電界結合」との双方が、伝送効率に影響する。つまり、共振回路5のLC共振器としての性能も伝送効率に大きく影響する。「磁界共鳴方式」のワイヤレス給電において、給電の伝送効率は、ワイヤレス給電システム1を構成する給電側共振回路25及び受電側共振回路35の「結合係数」(以下、単に「共振回路5の結合係数」と称する場合あり。)と、共振回路5の「無負荷Q」(無負荷時の共振の鋭さ)というパラメータによって支配される。
ここで、結合係数は、電磁誘導方式の結合強度を援用することができるので、詳細な説明は省略する。無負荷Qは、図3に示す等価回路において、回路の抵抗成分をRとして下記(2)式で示される。尚、ここでは、共鳴させる2つの共振回路5の回路定数が同じであるとしている(L=L1=L2,C=C1=C2,R=R1=R2)。
Figure 2013207238
磁界共鳴方式の伝送効率は、共振回路5の結合係数kと、共振回路5の無負荷Qとの積である「kQ積」に支配される。従って、磁界共鳴方式では、無負荷Qを高くする(大きくする)ことによって、伝送効率を高くすることが好ましい。1つの態様として、無負荷Qを“100”以上に設定すると好適である。
尚、より詳細には、ワイヤレス給電システム1の効率は、給電システム2のドライバ回路22の効率、給電側共振回路25及び受電側共振回路35により構成される空間伝送部の効率(上記“kQ積”)、整流回路32の効率の積となる。ドライバ回路22及び整流回路32は、共に周波数変換を伴う回路であり、これらの回路を構成する半導体素子の周波数特性によって効率が支配される。
以上、磁界共鳴方式のワイヤレス給電システム1の原理について説明したが、ワイヤレス給電システム1は、給電側及び受電側の共振回路5を結合する磁界が形成される空間以外の空間への磁束の漏洩を抑制しつつ、高い伝送効率で給電することが好ましい。これを実現するための本発明は、共振回路5に含まれるアンテナコイル4に特徴を有する。以下、本発明に係るアンテナコイル4の好適な構造、及びそのようなアンテナコイル4の好適な製造方法について説明する。
本発明に係るアンテナコイル4は、図4に示すように、第1基準軸X1の周りに導体線40を周回させて構成された主コイル部41と、主コイル部41の一方側の軸方向端面に沿って少なくとも1つ配置され、主コイル部41よりも小径の補助コイル部42とを備えて構成される。補助コイル部42は、第1基準軸X1とは異なる第2基準軸X2の周りに導体線40を周回させて構成されている。ここで、主コイル部41には、主コイル部41に流れる電流によって図5に示すように磁束φ1が生じる。また、補助コイル部42には、補助コイル部42に流れる電流によって図6に示すように磁束φ2が生じる。
主コイル部41に流れる電流によって生じる磁束φ1は、図5に示すように、第1基準軸X1の軸方向に沿って両側に広がる。従って、図1に示すように、アンテナコイル4が車両9の底部に設置された場合には、磁束φ1が車両9の底部の鉄板や、車両9内部の機器に影響を及ぼす可能性がある。つまり、主コイル部41の磁束φ1のように、アンテナコイル4の磁束が第1基準軸X1に沿った方向に関して指向性を有していない場合には、給電側及び受電側の共振回路5を結合する磁界が形成される空間以外の他の空間へ漏洩する磁束が、当該他の空間に影響を与えることになる。
このため、アンテナコイル4は、主コイル部41の他に補助コイル部42を備えて構成されている。補助コイル部42は、主コイル部41の一方側の軸方向端面に沿って備えられる。これにより、アンテナコイル4の磁束(φ4)は、第1基準軸X1に沿った方向に関して指向性を有するものとなる。
図7に示すように、補助コイル部42が備えられた側では、主コイル部41の磁束(φ1)が補助コイル部42を迂回路として、第1基準軸X1の軸方向一方側(図7の上側、後述する背面側軸方向端面PBの側)に広がることなく他方側の軸方向端面の側へと折り返していく(磁束φ4)。一方、補助コイル部42が備えられていない側である軸方向他方側(図7の下側)では、第1基準軸X1の軸方向に磁束が広がっている(磁束φ4)。このように、第1基準軸X1の何れか一方側への磁束の広がりを抑制しつつ、他方側への磁束の広がりを妨げることがない。即ち、第1基準軸X1の一方側においては、車両9の底部の鉄板や車両9内の機器への磁界の影響を抑制することができ、他方側においては、磁界共鳴のための磁束を、対応する共振回路5に作用させることができる。
補助コイル部42の周回軸である第2基準軸X2は、主コイル部41の磁束φ1に対して交差する向き、好ましくはほぼ直交する向きに設定されている。そして、補助コイル部42は、図16を参照して後述するように、補助コイル部42を流れる電流の成分の内の主コイル部41の周方向に平行な成分(I2)が、主コイル部41に近い側において主コイル部41を流れる電流(I1)と同じ向きとなるように配置されている。
補助コイル部42は、給電システム2及び受電システム3のアンテナコイル4の少なくとも一方、好ましくは少なくとも受電システム3のアンテナコイル4(受電側共振コイル34)に備えられる。図8に示すように、受電側共振コイル34は、給電の際に、他方のアンテナコイル4である給電側共振コイル24に対向することになる側(対向側軸方向端面PF)とは反対側の軸方向端面である背面側軸方向端面PBに沿って配置された補助コイル部42を有している。これにより、車両9の底面や車両9の内部に鎖交する磁束φ4が抑制される。尚、当然ながら、図9に示すように、補助コイル部42は、給電システム2及び受電システム3のアンテナコイル4の双方に備えられていてもよい。
本実施形態においては、上述したように、補助コイル部42の第2基準軸X2は、主コイル部41の磁束φ1に対してほぼ直交する向きに設定されている。しかし、図8及び図9から明らかなように、アンテナコイル4は、第1基準軸X1に沿った方向において背面側軸方向端面PBよりも背面側への磁束の漏洩が少なくなるような指向性を有していれば充分である。このため、第2基準軸X2は、主コイル部41の径方向外側に向かうに従って背面側軸方向端面PBから対向側軸方向端面PFの方向へ傾く俯角を有して設置されていてもよい。そのような俯角を有していても、おおむね45度以内であれば、補助コイル部42は背面側軸方向端面PBに沿って配置されているということができる。
また、背面側軸方向端面PBと補助コイル部42とが接しておらず、両者が離間していてもよい。図8及び図9から明らかなように、例えば車両9の底部など、アンテナコイル4の磁束φ4を迂回させたい位置に補助コイル部42が設置されていれば充分である。例えば、主コイル部41の背面側軸方向端面PBと車両9の底面との間に存在する他の物体と、主コイル部41の平面側軸方向端面PBとの間に、補助コイル部41が配置されていてもよい。
以上、アンテナコイル4の構成概念を説明したが、図10及び図11は、アンテナコイル4の具体的な構成の一例を示している。図10は、給電の際に、対向する側の軸方向端面である対向側軸方向端面PFから見たアンテナコイル4の斜視図である。図11は、背面側軸方向端面PBから見たアンテナコイル4の斜視図である。この例では、アンテナコイル4は、16個の補助コイル部42を備えて構成されている。磁界は、主コイル部41の径方向の全ての方向に広がる。従って、補助コイル部42を用いて磁束を導き、漏洩磁束を抑制するためには、このように主コイル部41の周方向に複数の補助コイル部42が配置されていることが好ましい。
また、主コイル部41の周方向において漏洩磁束の抑制が弱くなる空白領域をできるだけ生じないように、補助コイル部42は、主コイル部41の周方向に均等な間隔で配置されると好適である。主コイル部41が第1基準軸X1に沿った方向に見て円環状である場合は、同じ角度間隔で主コイル部41の周方向に第2基準軸X2を設定することによって容易に実現可能である。また、主コイル部41が第1基準軸X1に沿った方向に見て矩形環状に形成されている場合には、例えば図10及び図11に示すように各辺において均等に配置されていると好適である。この場合も、主コイル部41の周方向に均等な間隔で配置されているということができる。同様に、主コイル部41が楕円形状やトラック形状などに形成されている場合も、補助コイル部42は主コイル部41の周方向にほぼ均等に配置されていると好適である。
発明者らによる実験によって、アンテナコイル4の指向性及び効率は、主コイル部41及び補助コイル部42の巻き数や、インダクタンスによって異なることが判っている。主コイル部41及び補助コイル部42のインダクタンスは、ワイヤレス給電システム1の仕様に応じて適切に設定される。この際、1つの観点として、2つの共振回路5を共鳴させるための媒介となる磁界は主として主コイル部41に依存する磁界であるから、主コイル部41のインダクタンスを優位とするとよい。例えば、補助コイル部42の全てのインダクタンスの合計が、主コイル部41のインダクタンスよりも小さくなるように構成すると、指向性及び効率においてバランスのよいアンテナコイル4を実現することができる。
本実施形態において、アンテナコイル4の主コイル部41は、第1基準軸X1に直交する基準平面PR上に沿って渦巻き状に形成されている(図10参照)。この基準平面PRの規定を簡易に行うために、主コイル部41の形成に際して、図12及び図13に例示する板状の基板材70(芯部材7)が利用される。この基板材70は、例えばポリカーボネイトやポロプロピレンによって構成されていると好適である。
磁界共鳴式のワイヤレス給電システム1では、対となるLC共振器(共振回路5)を磁界を介して共鳴させる。アンテナコイルは、このLC共振器においてインダクタ(L)に対応する。1つの態様として、芯部材7を用いてLC共振器のコンデンサ(C)を構成することが可能である。高い高周波特性を有したコンデンサを構成する上では、芯部材7の誘電正接の値が小さいこと(例えば、対象周波数帯において0.003未満)が好ましい。ポリカーボネイトやポリプロピレンは、誘電正接がおおよそ0.002以下で、誘電正接の値が小さい材料であり、芯部材7の主材として好適である。
基板材70には、第2基準軸X2を規定するために複数の軸芯部72が設けられている。換言すれば、補助コイル部42の第2基準軸X2は、基準平面PRに沿って主コイル部41の周方向における複数箇所に基板材70を用いて設定されている。これらの軸芯部72は、連結部71により連結されている。連結部71は、第1基準軸X1に直交する平面であり、基準平面PRを規定する。
アンテナコイル4に所望の指向性を持たせると共に、高い伝送効率も可能とするためには、第1基準軸X1に対して各第2基準軸X2を精度良く規定すると共に、複数の第2基準軸X2同士も精度良く規定する必要がある。第1基準軸X1に直交する基準平面PRを規定する板状部材である基板材70(芯部材7)に構成された軸芯部72によって第2基準軸X2は、第1基準軸X1に対して精度良く規定される。また、連結部71によって軸芯部72同士(第2基準軸X2同士)の関係も精度良く規定される。
補助コイル部42は、主コイル部41に比べて小径のコイルである。また、補助コイル部42を主コイル部41の周方向において複数個配置すると、さらに補助コイル部42の径が小さくなる。このため、1つの補助コイル部42のインダクタンスは小さくなる傾向がある。そこで、補助コイル部42は、必要なインダクタンスを確保するために、図11に示すように磁性体の補助コイルコア43を備えていると好適である。本実施形態では、補助コイル部42は、第2基準軸X2に沿って配置された磁性体の補助コイルコア43の周りに導体線40を周回させて構成されている。このため、図13に示すように、基板材70の裏面7bの第2基準軸X2に沿った軸芯部72には、補助コイルコア43が設置されている。尚、補助コイルコア43は、高い透磁率及び高い比抵抗を有する強磁性体材料、例えばフェライトなどで構成されていると好適である。
また、主コイル部41を流れる電流によって生じる磁束を効果的に導くためには、補助コイル部42は、主コイル部41の径方向において主コイル部41の近傍に配置されることが好ましい。従って補助コイル部42は、図10及び図11に示すように、第1基準軸X1の軸方向に見て、主コイル部41と重複する部分を有するように配置されている。
発明者らの実験によれば、図10及び図11に示したような形態のアンテナコイル4は、背面側軸方向端面PBの方向での伝送効率(約4%)に対して、対向側軸方向端面PFの方向での伝送効率(約92%)と、20倍以上の差を有する指向性を有していることが確認された。また、給電側共振コイル24と受電側共振コイル34とを対向させた場合の第1基準軸X1の位置ずれと伝送効率との関係では、実用範囲内(概ね20cm以内)における伝送効率の低下は約2%であった。つまり、指向性を持たせたことによる伝送効率の低下は、約2%に留まっており、充分実用範囲であることが確認された。これにより、例えば車両9にシールド等を設ける必要はなくなり、車両9の部品重量の抑制やコストダウンが実現できる。
以下、このようなアンテナコイル4を製造する方法の具体的な一例について説明する。図12に示すように、主コイル部41は、第1基準軸X1に直交する基準平面PRに沿って、第1基準軸X1周りに渦巻き状に導体線40を周回させる主コイル部形成工程#1を経て形成される。具体的には、主コイル部形成工程#1では、図12の矢印Y1に示すように、第1基準軸X1に直交する基準平面PRが規定されている基板材70の表面7aに沿って導体線40が渦巻き状に巻き回される。
補助コイル部42は、第2基準軸X2周りに、主コイル形成工程#1における導体線40の周回半径よりも小径で導体線40を周回させる補助コイル部形成工程#2を経て形成される。具体的には、補助コイル部形成工程#2では、図12の矢印Y2に示すように、第2基準軸X2が規定されている基板材70の軸芯部72の周りに導体線40が巻き回される。この補助コイル部形成工程#2は、主コイル部形成工程#1において導体線40を第1基準軸X1周りに周回させる間に実施される。尚、「周回させる間」には、主コイル部形成工程#1の最初、及び主コイル部形成工程#1の最後を含む。
1つの好適な例として、図14に示すように、主コイル部形成工程#1と補助コイル部形成工程#2とを繰り返すことによってアンテナコイル4が形成される。具体的には、主コイル部形成工程#1において導体線40を第1基準軸X1周りに周回させる間に、周方向に16箇所設置された第2基準軸X2においてそれぞれ補助コイル部形成工程#2が実行される。この場合には、図14に示すように、主コイル部形成工程#100(#1)→補助コイル部形成工程#201(#2)→主コイル部形成工程#101(#1)→補助コイル部形成工程#201(#2)→・・・と、逐次主コイル部形成工程#1を中断しつつ、各中断時に補助コイル部形成工程#2が実施される。図14に示す形態では、1回の(1周の)主コイル部形成工程#1が完了する間(#100〜#116)に、16回の補助コイル部形成工程#2(#201〜#216)が実行される。
ところで、補助コイル部形成工程#2においては、小さい周回半径で導体線40を巻き回す必要がある。また、主コイル部形成工程#1と補助コイル部形成工程#2とが混在することを考慮すると、導体線40は比較的曲げ易い素材であることが好ましい。例えば、導体線40は、複数の導体素線を集合させた撚り線を用いると好適である。
ところで、主コイル部41及び補助コイル部42において、隣接する導体線40が近接しすぎていると、アンテナコイル4を流れる電流によって誘起される磁界によって隣接する導体線40を流れる電流同士の相互作用である近接効果が強くなる。つまり、近接効果によって、同方向に流れる電流を遠ざける効果が生じてしまう。この近接効果は無負荷Qを低下させる方向に作用する。また、隣接する導体線40の間に浮遊キャパシタンス(寄生コンデンサ)が生じて、アンテナコイル4のインピーダンスに影響を与える可能性もある。このため、導体線40は、その線間を密に巻き回すよりも、ある程度、疎に巻き回すことが好ましい。例えば、導体線40の線径の1〜2倍程度の隙間を有して巻き回されると好適である。
上述したように、主コイル部生成工程#1の途中に補助コイル部生成工程#2を実施すると、図15に示すように、主コイル部41の導体線間には、補助コイル部42において周回する導体線40に相当する隙間が形成される。例えば、補助コイル部42において、ほぼ隙間無く導体線40が1周巻き回された場合には、導体線40のほぼ1本分に相当する隙間が主コイル部41を構成する導体線40の間に形成されることになる。
図16は、図14及び図15に示したように主コイル部形成工程#1及び補助コイル部形成工程#2を行った導体線40を第2基準軸X2の軸方向に沿って見た図である。図16に示すように、補助コイル部42を流れる電流I2の成分の内の主コイル部41の周方向に平行な成分は、主コイル部41に近い側において主コイル部41を流れる電流I1と同じ向きである。従って、主コイル部41に対して補助コイル部42を設けても、磁界共鳴のための磁界を損なうことが抑制され、伝送効率を低下されることも少ない。
尚、特許文献1に開示されたコイルユニットは、特許文献1の第90〜92段落等にも記載されているように、特定の方向の電磁場を特に低減することが可能なものであって、特定の方向への指向性を有した磁界を形成するものではない。本発明のアンテナコイル4には、特定の方向の磁界の強さを低減するものではなく、特定の方向への指向性を持たせたものであって、補助コイル42の有無によって磁界の強さが大きく低減されることはない。つまり、特許文献1の図11及び図12、並びに第90〜92段落等に記載されているように磁界の強さを大きく低減させることなく、指向性を有している点が本発明の特徴と言える。そして、このような特徴を有することにより、給電側及び受電側の共振回路を結合する磁界が形成される空間以外の空間への磁束の漏洩を抑制しつつ、高い効率で非接触給電が可能となる。
〔その他の実施形態〕
以下、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態においては、矩形状の芯部材7を用いて、矩形状の主コイル部41を有するアンテナコイル4を生成する例を示した。しかし、上述したように、主コイル部41の形状は、矩形状に限定されるものではなく、円形状やトラック形状であってもよい。例えば、図17に示すように、円形状の芯部材7を用いることによって容易に円形状の主コイル部41を有するアンテナコイル4を形成することができる。また、上記実施形態では、主コイル部41の周方向(第1基準軸X1を中心に周回する方向)において偶数個の第2基準軸X2が設定される例を示した。しかし、当然ながら主コイル部41の周方向に奇数個の第2基準軸X2が設定されてもよい。図17は、芯部材7に奇数個(この例では9個)の軸芯部72が設けられている例を示している。
(2)上記実施形態においては、主コイル部生成工程#1において第1基準軸X1の周りに導体線40を1回巻き回す間に、全ての第2基準軸X2に対して補助コイル部生成工程#2を実施する例を示した。つまり、上記実施形態においては、主コイル部41と補助コイル部42との巻き数が同数となる例を示したが、アンテナコイル4の構成はこれに限定されるものではない。主コイル部41の巻き数と補助コイル部42の巻き数とが異なっていてもよい。この場合、2つの共振回路5を磁界を介して共鳴させる観点より、主コイル部41の巻き数が、補助コイル部42の巻き数以上であると好適である。
1つの形態として、図17に示すように、主コイル部41の周方向に配置された第2基準軸X2に対して1つ置きに補助コイル部生成工程#2を実施していく(#100→#201→#101→・・・→#209→#109)。このように導体線40を巻いていくと、主コイル部41の巻き数を補助コイル部42の巻き数の2倍にすることができる。これは、主コイル部生成工程#1において第1基準軸X1の周りに導体線40を2周する間(#100〜#109)に、1つ置きに全ての第2基準軸X2に対して導体線40を巻き回すこと(#201〜#209)によって実現可能である。
(3)上記実施形態においては、芯部材7として板状の基板材70を利用する形態を例示して説明した。しかし、芯部材7は、このような基板材70に限定されるものではない。第2基準軸X2のそれぞれに沿って配置された複数の軸芯部72とこれら複数の軸芯部72を連結する連結部71とを有していれば、芯部材7は、例えば図18に例示するような環状部材79であってもよい。図18には、芯部材7として矩形環状の環状部材79を例示したが、当然ながら円環状であってもよい。
(4)上記実施形態においては、図7に示すように、アンテナコイル4の主コイル部41が第1基準軸X1に直交する基準平面PR上に沿って渦巻き状に形成されている例を示した。しかし、主コイル部41の構成はこの形態に限定されるものではない。例えば図19に示すように、主コイル部41は、第1基準軸X1に直交する基準平面PRに平行な面に沿って周回すると共に、第1基準軸X1に沿って背面側軸方向端面PBに向かうに従って径が拡大する螺旋状(竜巻状)に形成されていてもよい。また、例えば図20に示すように、主コイル部41は、基準平面PRに平行な面に沿って同じ径で周回しつつ、第1基準軸X1に沿って延在する円筒形状(バネ形状)に形成されていてもよい。尚、図10、図11等には、主コイル部41に磁性体のコアが備えられていない形態のアンテナコイル4を例示したが、主コイル部41にコアが備えられていてもよい。
(5)上記実施形態においては、車両9に搭載された蓄電装置に対してワイヤレス給電を行う形態を例示したが、当然ながら本発明は、車両への適用に限定されるものではない。例えば、小型水力発電や太陽光発電、小型風力発電により発電された電力を、一般家屋やビルディングなどに伝送する用途、つまりスマートグリッドシステムにおける電力伝送にも利用することができる。
本発明は、磁界共鳴式のワイヤレス給電に用いられるアンテナコイルの製造方法に利用することができる。
1 :ワイヤレス給電システム(磁界共鳴式給電装置)
2 :給電システム(給電回路)
3 :受電システム(受電回路)
4 :アンテナコイル
7 :芯部材
24 :給電側共振コイル(アンテナコイル)
25 :給電側共振回路(給電回路)
34 :受電側共振コイル(アンテナコイル)
35 :受電側共振回路(受電回路)
40 :導体線
41 :主コイル部
42 :補助コイル部
43 :補助コイルコア
70 :基板材(芯部材)
71 :連結部
72 :軸芯部
79 :環状部材(芯部材)
PR :基準平面
X1 :第1基準軸
X2 :第2基準軸
#1 :主コイル部形成工程
#2 :補助コイル部形成工程

Claims (5)

  1. 給電回路から受電回路へワイヤレス給電を行う磁界共鳴式給電装置用のアンテナコイルを製造するアンテナコイルの製造方法であって、
    第1基準軸に直交する基準平面に沿って、前記第1基準軸周りに渦巻き状に導体線を周回させて主コイル部を形成する主コイル部形成工程と、
    前記主コイル形成工程において前記導体線を前記第1基準軸の周りに周回させる間に、前記第1基準軸とは異なる第2基準軸周りに、前記主コイル形成工程における前記導体線の周回半径よりも小径で前記導体線を周回させて補助コイル部を形成する工程であり、当該第2基準軸が、前記主コイル部の一方側の軸方向端面に沿うと共に、前記主コイル部の周方向における予め定められた位置に前記主コイル部の径方向に沿って設定されている補助コイル部形成工程と、
    を備えるアンテナコイルの製造方法。
  2. 前記第2基準軸は、前記主コイル部の周方向における複数箇所に前記基準平面に沿って設定され、
    前記補助コイル部形成工程では、複数箇所の前記第2基準軸のそれぞれに沿って配置された複数の軸芯部と当該複数の軸芯部を連結する連結部とを有する芯部材を用い、前記複数の軸芯部のそれぞれの周りに前記導体線を周回させる請求項1に記載のアンテナコイルの製造方法。
  3. 前記芯部材は、ポリカーボネイト又はポリプロピレンを主材とする請求項2に記載のアンテナコイルの製造方法。
  4. 前記補助コイル部形成工程では、前記第2基準軸に沿って配置された磁性体の補助コイルコアの周りに前記導体線を周回させる請求項1から3の何れか一項に記載のアンテナコイルの製造方法。
  5. 前記導体線は、複数の導体素線を集合させた撚り線である請求項1から4の何れか一項に記載のアンテナコイルの製造方法。
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