JP2014135149A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】リサイクル経路上の凝縮器からの凝縮水を適切に処理し得る燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システムは、燃料と空気とを利用して発電反応により発電する燃料電池6と、燃料電池6で未利用の燃料と空気とを燃焼する燃焼部23と、原料に含まれる硫黄成分を水添脱硫により除去する脱硫部3と、燃焼部23の燃焼による燃焼熱を利用して、脱硫部3を通過した原料から燃料となる改質ガスを生成する改質器4と、改質器4から燃料電池6へと改質ガスを供給する改質ガス経路16と、改質ガス経路16の分岐部35から分岐し、脱硫部3の上流側へ改質ガスを供給するリサイクル経路19と、リサイクル経路19の途中に配置され、改質ガス中の水蒸気を凝縮させる凝縮器24と、凝縮器24から、改質器4へ、又は、改質ガス経路16のうちの分岐部35より下流側に位置する合流部36へ、凝縮器24中の凝縮水を供給する水経路33と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素を含む原料ガス(原料)から硫黄成分を除去する脱硫部を備えた燃料電池システムに関するものである。
原料ガスとして炭化水素を用いる燃料電池システムでは、原料ガスを改質するために、例えば、水蒸気を用いた水蒸気改質が利用されている。この水蒸気改質を促進するために水蒸気改質触媒が用いられているが、原料ガス中には付臭剤または硫黄化合物が含まれており、これらによってこの水蒸気改質触媒が劣化させられる恐れがある。そこで、水蒸気改質触媒の劣化を抑制するために、原料ガス中に含まれる付臭剤または硫黄化合物を低減させる脱硫装置が利用されている。
このような脱硫装置としては、例えば、硫黄化合物を触媒(Ni−Mo系、Co−Mo系)上で水素と反応させて硫化水素に変換し、この硫化水素を酸化亜鉛に取り込んで除去する、いわゆる水添脱硫法により脱硫を行なう水添脱硫装置が挙げられる。
水添脱硫装置は、水添脱硫法により脱硫を行なう際に水素を必要とするが、原料ガス中には通常、水素が含まれていない。そこで、水添脱硫装置に水素を供給する構成を備える燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1、2)。
具体的には、特許文献1では、図5に示すように、改質器110からの改質ガスの一部が、リサイクルガス供給経路113を通じて、昇圧手段111の上流側に戻されるように構成された燃料電池システムが開示されている。燃料ガスは、昇圧手段111により昇圧され、脱硫器102へ供給される。このとき、リサイクルガス供給経路113上には、減圧手段の下流側に凝縮器が配されている。これにより、リサイクルガス供給経路113を流れる改質ガス中の水蒸気が除去されるので、改質ガスからの凝縮水によるリサイクルガス供給経路113の流路閉塞を抑制できる。
また、特許文献2では、図6に示すように、混合器220で混合された水と脱硫後の原燃料ガスとを、蒸発器226に供給する。そして、蒸発器226から改質器206に供給される、水蒸気を含む脱硫後の原燃料ガスの一部が分岐戻し流路242を介して燃料ガス供給経路216に戻される構成が開示されている。なお、分岐戻し流路242の二重管244内には炭化水素改質触媒が設けられており、これによって炭化水素を改質して得た水素含有ガスを、昇圧器217の上流側に戻すことができる。水素含有ガスは、昇圧器217で昇圧させ、脱硫器204へ供給される。
特開2011−216308号公報 特許第4911927号公報 特許第2993507号公報
しかし、従来の燃料電池システムは、リサイクル経路上の凝縮器からの凝縮水の処理について十分に検討されていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来に比べ、リサイクル経路上の凝縮器からの凝縮水を適切に処理し得る燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る燃料電池システムは、供給された燃料と空気とを利用して発電反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池で未利用の燃料と空気とを燃焼する燃焼部と、原料に含まれる硫黄成分を水添脱硫により除去する脱硫部と、前記燃焼部の燃焼による燃焼熱を利用して、前記脱硫部を通過した原料から前記燃料となる改質ガスを生成する改質器と、前記改質器から前記燃料電池へと改質ガスを供給する改質ガス経路と、前記改質ガス経路の分岐部から分岐し、前記脱硫部の上流側へ前記改質ガスを供給するリサイクル経路と、前記リサイクル経路の途中に配置され、前記改質ガス中の水蒸気を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器から、前記改質器へ、又は、前記改質ガス経路のうちの前記分岐部より下流側に位置する合流部へ、前記凝縮器中の凝縮水を供給する水経路と、を備える。
本発明に係る燃料電池システムは、以上に説明したように構成され、従来に比べ、リサイクル経路上の凝縮器からの凝縮水を適切に処理し得る。
実施の形態に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。 図1の燃料電池システムの凝縮器の周辺構造の一例を示した模式図である。 実施の形態の変形例3に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。 実施の形態の変形例4に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。 従来技術を示すものであり、燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。 従来技術を示すものであり、燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。
本発明者らは、リサイクル経路上の凝縮器からの凝縮水の処理について鋭意検討し、以下の知見を得た。
特許文献1の燃料電池システムでは、ホットモジュール内に配置された減圧器によって高温かつ多湿の改質ガスを減圧後に、凝縮器において改質ガスを冷却している。すると、リサイクル経路を流れる改質ガス中の水蒸気は、凝縮器において除去され、凝縮器内の凝縮水は、排出器を介して外部に排出される。
上記により、特許文献1では、凝縮水によるリサイクル経路の流路閉塞、及び、改質ガスによる昇圧手段等の熱劣化を抑制できると考えられる。
しかし、特許文献1では、凝縮器から凝縮水を排出する際に、凝縮器内の水枯れが発生すると、凝縮器から水素や一酸化炭素を含む改質ガスが外部に放出される恐れがある。
よって、改質ガスが外部に放出しないよう、凝縮器内の凝縮水量を常時、監視する必要がある。この場合、凝縮水を溜める凝縮水タンク、及び、凝縮水タンク内の水位を検知する検知器等を配置する必要があり、システム構成が複雑化し、コストが嵩むという問題がある。
また、特許文献2の燃料電池システムでは、蒸発器から改質器に供給される、脱硫後の原料ガスの一部が、改質触媒を備える分岐戻し流路を流れる構成である。よって、高温かつ多湿の改質ガスを、冷却及び水蒸気除去を行わないまま、原料ガスと混合し、昇圧部及び脱硫器へ供給する構成となっているので、信頼性に欠ける。つまり、この場合、凝縮水によるガス経路の流路閉塞、及び、改質ガスによる昇圧部等の熱劣化の恐れがある。
本発明は、このような知見に基づいて案出できたものであり、本発明の第1の態様に係る燃料電池システムは、供給された燃料と空気とを利用して発電反応により発電する燃料電池と、燃料電池で未利用の燃料と空気とを燃焼する燃焼部と、原料に含まれる硫黄成分を水添脱硫により除去する脱硫部と、燃焼部の燃焼による燃焼熱を利用して、脱硫部を通過した原料から燃料となる改質ガスを生成する改質器と、改質器から燃料電池へと改質ガスを供給する改質ガス経路と、改質ガス経路の分岐部から分岐し、脱硫部の上流側へ改質ガスを供給するリサイクル経路と、リサイクル経路の途中に配置され、改質ガス中の水蒸気を凝縮させる凝縮器と、凝縮器から、改質器へ、又は、改質ガス経路のうちの分岐部より下流側に位置する合流部へ、凝縮器中の凝縮水を供給する水経路と、を備える。
上記構成によると、従来に比べ、リサイクル経路上の凝縮器からの凝縮水を適切に処理し得る。具体的には、本燃料電池システムは、凝縮器中の凝縮水が、水経路を介して、改質器へ、又は、改質ガス経路の分岐部より下流側に位置する合流部、へ戻る。よって、従来に比べ、リサイクル経路中の改質ガスの外部放出を抑制するとともに、凝縮器からの凝縮水を適切に処理できる。
また、本発明の第2の態様に係る燃料電池システムは、上記の第1の態様において、水経路は、凝縮器から合流部へ凝縮器中の凝縮水を供給するように構成され、合流部は、凝縮器よりも重力が作用する方向において下方に位置してもよい。
上記構成によると、凝縮水を重力の作用により改質ガス経路の合流部へ戻すことができる。また、水経路を凝縮水で水封することにより、高温の改質ガスが凝縮器に逆流を抑制でき、冷却した改質ガスが改質ガス経路の合流部に流れ込むことを抑制できる。
また、本発明の第3の態様に係る燃料電池システムは、上記の第1または第2の態様において、水経路の断面積は、改質ガス経路の断面積よりも小さくてもよい。
上記構成によると、水経路での凝縮水の流れが安定化する。
また、本発明の第4の態様に係る燃料電池システムは、上記の第1−第3のいずれかの態様において、燃料電池、燃焼部及び改質器を少なくとも覆う断熱部をさらに備え、凝縮器は、断熱部内に埋設されるように配置されてもよい。
上記構成によると、凝縮器を断熱部内に埋設しない場合に比べ、凝縮器内の凝縮水が低温になり過ぎることを抑制できる。よって、燃料電池システムの熱ロスを低減できる。
また、本発明の第5の態様に係る燃料電池システムは、上記の第1−第4のいずれかの態様において、固体酸化物形燃料電池システムであってもよい。
上記構成によると、固体酸化物形燃料電池の作動温度が高いため、凝縮器から改質ガス経路に凝縮水を直接戻した場合であっても、凝縮水を瞬時に蒸発できる。
また、本発明の第6の態様に係る燃料電池システムは、上記の第1−第5のいずれかの態様において、水経路に設けられた弁をさらに備えてもよい。
上記構成によると、弁の開閉によって適量の凝縮水を溜めことができるので、かかる弁を設けない場合に比べ、凝縮水による水経路の水封を適切に維持できる。
また、本発明の第7の態様に係る燃料電池システムは、上記の第1−第6のいずれかの態様において、リサイクル経路のうちの凝縮器より下流側の部分に配置された減圧器をさらに備えてもよい。
上記構成によると、凝縮器よりも上流のリサイクル経路に減圧器を配置する場合に比べ、凝縮器の内圧を高圧に維持できるので、凝縮器から、改質器へ、又は、改質ガス経路の合流部へ凝縮水を戻すことが容易になる。
以下、実施の形態の具体例について図面を参照して説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は対応する構成部材には同一の参照符号を付して、その説明については省略する場合がある。
(実施の形態)
図1を参照して実施の形態に係る燃料電池システムについて説明する。図1は、実施の形態に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。図1では、実施の形態に係る燃料電池システムを側部から見たときの構成を模式的に示している。
図1に示すように、燃料電池システムは、脱硫部3、改質器4、空気熱交換器5、燃料電池6、蒸発器9、燃焼部23及び凝縮器24を筐体7の内部に配置してなる構成である。また、燃料電池システムは、昇圧器2、気液分離部31及び減圧器32を筐体7の外部に配置してなる構成である。なお、燃料電池6の上部には燃焼部23が設けられている。
本実施の形態の燃料電池システムでは、筐体7の外部から供給された原料ガス(原燃料ガス)を改質器4で改質し、改質された改質ガス(燃料ガス)と外部から供給された空気とを利用して燃料電池6が発電反応により発電するように構成されている。よって、本実施の形態では、原料ガス経路1を通じて外部から供給されるガスを原料ガス(原料)と称し、原料ガスから硫黄成分が取り除かれ、改質器4において改質反応により改質された改質ガスを燃料ガス(燃料)と称する場合がある。
燃料電池システムは、燃料電池6の動作時(発電時)には、燃焼部23にて、発電反応に利用されなかった燃料ガスと空気とを燃焼させ、高温の排ガスを生成し、その熱エネルギーを有効に利用することで高効率な運転を実現している。
また、燃料電池システムは、筐体7の内側に断熱材からなり、燃料電池6、燃焼部23及び改質器4を少なくとも覆う断熱部22を備える。これにより、筐体7の内部から外部への放熱を可能な限り遮断するように構成されている。
昇圧器2は、原料ガス経路1中の原料ガスを昇圧して脱硫部3に供給する。上記のとおり、昇圧器2は、筐体7からの熱の影響を受けにくくなるよう、筐体7の外部に配置されている。昇圧器2としては、例えば、ダイヤフラム等の定容積型ポンプが用いられるが、これに限定されない。なお、原料ガスとしては、例えば、都市ガス、天然ガス、LPG等の炭化水素を主成分とするガスが用いられる。
脱硫部3は、水添脱硫により原料ガスに含まれる硫黄成分を除去する。
脱硫部3に充填する脱硫剤としては、例えば、銅および亜鉛を含む脱硫剤が挙げられる(例えば、特許文献3)。なお、脱硫剤は、水添脱硫を行うことができれば、この脱硫剤に限定されるものではなく、Ni−Mo系又はCo−Mo系触媒と酸化亜鉛との組み合わせであってもよい。Ni−Mo系又はCo−Mo系触媒と酸化亜鉛とを組み合わせた脱硫剤の場合、脱硫部3は350〜400℃の温度範囲にて、原料ガス中の有機硫黄を水添分解する。そして、脱硫部3は、生成したHSを、350〜400℃の温度範囲にてZnOに吸着させて除去する。
例えば、原料ガスが都市ガスの場合、付臭剤として硫黄化合物であるジメチルスルフィド(dimethl sulfide ;CS,DMS)が含有されている。このDMSは、脱硫部3において、以下の反応式(式(1)、(2))によるZnSの形、または物理吸着の形で脱硫剤に除去される。
S+2H→2CH+HS ・・・(1)
S+ZnO→HO+ZnS ・・・(2)
なお、付臭剤は、上述したDMSに限定されるものではなく、TBM(C10S)またはTHT(CS)等の他の硫黄化合物であってもよい。
銅および亜鉛を含む脱硫剤を用いる場合は、脱硫部3は、10〜400℃程度、好ましくは150〜300℃程度の温度範囲で脱硫を行う。この銅亜鉛系脱硫剤は、水添脱硫能力に加えて物理吸着能力もあり、低温では主に物理吸着、高温では化学吸着(HS+ZnO→HO+ZnS)を行うことができる。この場合、脱硫後の原料ガスに含まれる硫黄含有量は、1vol ppb(parts per billion)以下、通常は0.1vol ppb以下となる。
このように、脱硫部3において、Ni−Mo系又はCo−Mo系触媒、あるいは銅および亜鉛のいずれかを含む脱硫剤が充填されている場合、単位体積あたりの硫黄成分除去量が大きくなる。それゆえ、上述した脱硫剤を用いる場合、所望の硫黄濃度まで硫黄を除去するために必要となる脱硫剤の量を低減させることができる。
以上のようにして脱硫部3によって脱硫された原料ガスは、改質器4(蒸発器9)に供給される。
改質器4は、燃焼部23の燃焼による燃焼熱(例えば、排ガスの熱や燃焼部23からの輻射熱)を利用して、脱硫部3を通過した原料から燃料となる改質ガスを生成する。改質反応は、どのような形態であってもよく、例えば、水蒸気改質反応、オートサーマル反応及び部分酸化反応等が挙げられる。
但し、改質器4は、高効率な水蒸気改質反応を行える仕様にしておくことが有利である。そこで、図1に示すように、本実施の形態では、改質器4の上流側に蒸発器9を配置し、脱硫部3からの原料ガスに改質水経路11を通じて供給された水を混合させ、改質器4に供給することができる構成となっている。
なお、改質器4に充填される改質触媒としては、Al(アルミナ)の球体表面にNiを含浸し、担持したものや、Alの球体表面にルテニウムを付与したものを適宜用いることができる。なお、改質触媒はこれに限定されるものではない。例えば、RuまたはRhをジルコニアまたは安定化ジルコニアに担持させたものを用いてもよい。また、ロジウムとロジウム以外の周期律表第VIII族金属から選ばれる少なくとも1種の金属とを、Al(アルミナ)とジルコニアとを含む担体に担持させてなるものを用いてもよい。
ところで、燃料電池システムの起動時では、改質器4において吸熱反応である水蒸気改質反応を行うためには熱エネルギーが不足する。そこで、改質器4を水蒸気改質反応だけでなく、部分酸化反応を行える仕様にしてもよい。そこで、燃料電池システムの起動時は、改質水経路11から改質器4(蒸発器9)に水を供給させずに、改質空気経路12を通じて改質器4に導入した空気を利用して、改質器4は以下の式(3)で表される部分酸化改質反応(部分酸化法による反応)を行い、水素ガスおよび一酸化炭素を生成する。
+ (n/2)O → n・CO +(m/2)H
(n,mは任意の自然数)・・・(3)
そして、これらの水素ガスおよび一酸化炭素を、改質ガス経路16を通じて燃料電池6に供給し、空気供給経路17を通じて供給された空気と合わせて、発電反応を行う。
燃料電池システムが起動して発電が進むにつれ、改質器4の温度が上昇していく。すなわち、上記の式(3)で示される部分酸化改質反応は発熱反応であり、更に、燃焼部23からの排ガス及び輻射熱により、改質器4の温度が上昇させられる。そして、改質器4の温度が、例えば、400℃以上になれば以下の式(4)で示される水蒸気改質反応を並行して行うことが可能となる。
+ n・HO → n・CO +(m/2 + n)H
(n,mは任意の自然数)・・・(4)
上述した式(4)で示される水蒸気改質反応は、式(3)で示される部分酸化改質反応と比較すると、同じ量の炭化水素(C)から生成できる水素量がより多くなり、その結果、燃料電池6での発電反応に利用可能な改質ガス(燃料ガス)の量が多くなる。つまり、水蒸気改質反応の方が効率よく燃料ガスを生成することができる。また、式(4)に示す水蒸気改質反応は吸熱反応であるため、式(3)に示す部分酸化改質反応による発熱量と燃焼部23から排出された排ガスが保有する熱及び燃焼部23からの輻射熱を利用し、必要な熱量を補いつつ、水蒸気改質反応を進行させる。そして、改質器4の温度が例えば、600℃以上になれば、式(4)の水蒸気改質反応に必要な熱量を排ガスの有する熱及び燃焼部23からの輻射熱だけで補うことが可能となるため、水蒸気改質反応のみの運転に切り替えることができる。
なお、改質器4は、上述したように部分酸化改質反応から水蒸気改質反応に運転を切り替える構成であったが、部分酸化改質反応のみを行ってもよい。
蒸発器9は、改質器4にて水蒸気改質反応を行うために改質水を蒸発させる。具体的には、蒸発器9は、燃焼部23から排出された排ガスの熱及び燃焼部23からの輻射熱を利用して、改質水経路11から供給された水を気化させ、脱硫部3から供給された脱硫後の原料ガスと混合させる。そして、蒸発器9は、混合後の原料ガスを改質器4へ導入する。
空気熱交換器5は、燃料電池6での発電反応用の空気(発電用空気)を加熱する。具体的には、空気熱交換器5は、燃焼部23の上方、かつ、対向する位置に設けられ、空気経路10を通じて外部から供給された空気を、燃焼部23からの排ガス及び輻射熱との熱交換により加熱する。例えば、空気熱交換器5を流通した後の空気は400〜800℃まで加熱される。そして、この加熱された空気が燃料電池6へ供給される。なお、空気熱交換器5により空気との熱交換を行って保有する熱の一部が奪われた排ガスは、排ガス経路20を通じて筐体7の外部へ導かれるように構成されている。
燃料電池6は、上述したように改質ガス経路16を通じて供給された燃料ガスと、空気供給経路17を通じて供給された空気とを利用して発電反応により発電する。すなわち、燃料電池6では、燃料ガスが供給される燃料極および空気(発電用空気)が供給される空気極を有し、該燃料極と該空気極との間で発電反応を行って発電する燃料電池単セルを複数枚、直列に接続してセルスタックを形成している。なお、燃料電池6は、更に直列接続したセルスタックを並列に接続させた構成としてもよい。
燃料電池6を構成する燃料電池単セルとしては、例えば、イットリアをドープしたジルコニア(YSZ)、イットリビウムやスカンジウムをドープしたジルコニア、あるいはランタンガレート系の固体電解質からなる固体酸化物形燃料電池(SOFC)の単セルを用いることができる。例えば、燃料電池単セルがYSZの場合、厚みにもよるが、約600〜1000℃の温度範囲にて、発電反応が行われる。
ここで、上記のとおり、改質ガス経路16は、改質器4から燃料電池6へと改質ガス(燃料ガス)を供給する。また、リサイクル経路19は、改質ガス経路16の分岐部35から分岐し、脱硫部3の上流側へ改質ガスを供給する。リサイクル流路19の下流端は、昇圧器2よりも上流の原料ガス経路1に接続する。これにより、改質器4からの改質ガスが、リサイクル流路19を介して、原料ガス経路1に送られる。このため、脱硫部3へ供給される原料ガスに水素を添加することが可能となり、脱硫部3は、この水素を利用して水添脱硫を行うことができる。
凝縮器24は、リサイクル経路19の途中に配置され、改質ガス中の水蒸気を凝縮させる。つまり、凝縮器24において、高温の改質ガスの温度低下により、改質ガス中の水蒸気が凝縮する。
これにより、リサイクル経路19を流れる改質ガスは、凝縮器24において所望の温度にまで冷却されるので、改質ガスによる昇圧器2及び減圧器32等の機器の熱劣化を抑制できる。また、改質ガスから水蒸気を除去できるので、凝縮器24の下流のリサイクル経路19では、改質ガス中の水蒸気凝縮による凝縮水発生が抑制される。よって、凝縮水によるリサイクル経路19の流路閉塞、凝縮水による上記の機器及び脱硫部3等の水濡れ故障を抑制できる。
凝縮器24は、例えば、二重管形熱交換器を用いて構成できる。この熱交換器は、直交流及び並行流に比べて伝熱性能がよい対向流を、簡易に(例えば、小型に)実現できるという特徴を持つ。本実施の形態では、熱交換器の受熱流体である冷媒は、垂直に配された二重直管の内管を、重力が作用する方向と逆に流れ、熱交換器の加熱流体である改質ガスは、本二重直管の内管と外管の間を、上記冷媒とは逆方向(重力が作用する方向)に流れる。
これにより、両流体の流れが対向するように凝縮器24を構成できる。また、改質ガスの流れ方向が、重力が作用する方向と同じなので、改質ガスの流れ及び重力の作用により、凝縮器24内の凝縮水を強制的に排水できる。よって、凝縮水が、凝縮器24に滞留することを抑制できる。
冷媒は、凝縮器24において、リサイクル流路19を流れる改質ガスから熱を奪うことが可能であれば、どのような流体でも構わない。冷媒は、空気経路10を流れる空気を用いてもいいし、原料ガス経路1を流れる原料ガスを用いてもいいし、改質水経路11を流れる水を用いてもいい。例えば、冷媒として空気を用いる場合、冷媒経路50を、空気経路10の空気取り出し口(図示せず)から延ばし、二重直管の内管を通過させ、空気取り出し口よりも下流に位置する空気経路10の空気戻り口(図示せず)に至るよう、形成するとよい。
これにより、空気熱交換器5の前段において、空気経路10を流れる空気を改質ガスとの熱交換により適温にまで予熱できるので、燃料電池システムの熱回収を効率化できる。
なお、本実施の形態では、凝縮器24として、熱交換器を用いたが、これに限定されない。凝縮器24は、改質ガスを冷却し、改質ガス中の水蒸気を除去することが可能であれば、どのような構成であっても構わない。
また、本実施の形態では、凝縮器24は、上記の断熱部22内に埋設されるように配置されている。つまり、断熱部22は、凝縮器24内の温度を一定に保つための保温材の役割を果たす。これにより、例えば、外気温が低温のとき、凝縮器24を断熱部22内に埋設しない場合に比べ、凝縮器24内の凝縮水が低温になり過ぎることを抑制できる。よって、燃料電池システムの熱ロスを低減できる。また、凝縮器24を断熱部22内に埋設できると、筐体7に凝縮器24の収納スペースを確保することもできる。
但し、凝縮器24内の凝縮水の温度低下等がさほど問題とならない場合は、凝縮器24は、断熱部22内に埋設せずに、筐体7の外部に配置しても構わない。
気液分離部31は、凝縮器24から排出された、凝縮水及び改質ガスが混在する気液二相流を凝縮水と改質ガスとに分離する。よって、凝縮水は、気液分離部31において、改質ガスが流れるリサイクル経路19から除去され、気液分離部31内に一時的に貯えられる。その後、凝縮水は、適時に、気液分離部31から水経路33へ送られる。
図1に示すように、気液分離部31は、断熱部22の外部に配置してもよい。これにより、気液分離部31を、筐体7からの熱の影響を受けにくく構成でき、気液分離部31内の凝縮水の再蒸発が抑制される。
なお、本実施の形態では、気液分離部31と凝縮器24とを別体で構成したが、これに限らない。気液分離部31と凝縮器24とを一体で構成してもよい。この場合、凝縮器の下端部は、気液分離部の凝縮水を溜める部分として機能する。
水経路33は、凝縮器24から改質ガス経路16のうちの分岐部35より下流側に位置する合流部36へ、凝縮器24中の凝縮水を供給する。
これにより、本実施の形態では、従来に比べ、リサイクル経路19上の凝縮器24(ここでは、気液分離部31)からの凝縮水を適切に処理し得る。具体的には、リサイクル経路19中の改質ガスの外部放出を抑制するとともに、気液分離部31からの凝縮水を、燃焼部23の熱によって適切に処理できる。つまり、凝縮水は、燃焼部23の熱によって再蒸発し、改質ガスと共に燃焼部23で燃焼し、排ガス経路20から排出される。特に、本実施の形態の如く、燃料電池6を固体酸化物形燃料電池で構成する場合、固体酸化物形燃料電池の作動温度が高いため、凝縮器24(気液分離部31)から改質ガス経路16に凝縮水を直接戻した場合であっても、凝縮水を瞬時に蒸発できる。そして、このとき、気液分離部31の水枯れが発生した場合でも、改質ガスは、気液分離部31から水経路33を経て、改質ガス経路16に送られる。よって、改質ガスは、燃料電池システムの外部に放出されない。
減圧器32は、リサイクル経路19のうちの凝縮器24より下流側の部分に配置されている。つまり、減圧器32は、昇圧器2により昇圧された改質ガスの圧力を減圧し、改質ガスの流量を、所望の量に調整する。なお、減圧器32は、改質ガスの流量を、所望の量に調整可能であれば、どのような構成であってもよい。減圧器32は、例えば、オリフィス、キャピラリチューブ、または流量調整弁であってもよい。例えば、減圧器32を、キャピラリチューブ等を用いてガス流路を細くし、圧力損失を大きくさせることで、リサイクル経路19内を所望の流量だけ改質ガスが流れるように構成してもよい。
以上により、本実施の形態では、凝縮器24よりも上流のリサイクル経路19に減圧器32を配置する場合に比べ、凝縮器24及びその下流の気液分離部31の内力を高圧に維持できる。よって、凝縮器24(気液分離部31)の内圧を、改質ガス経路16のガス圧とほぼ同じに維持できるので、気液分離部31から改質ガス経路16の合流部36に凝縮水を戻すことが容易になる。例えば、後述の変形例1で述べるように、改質ガス経路16の合流部36が、凝縮器24(気液分離部31)よりも重力が作用する方向において下方に位置すると、凝縮水を重力の作用により合流部36に送ることができる。
[実施例]
以下、凝縮器24の実施例について説明する。以下の具体的な数値は、例示であって、本実施の形態の燃料電池システムは、本例に限定されない。なお、改質ガス経路16の分岐部35において、約2%の改質ガスがリサイクル経路19を流れ、約98%の改質ガスが、分岐部35の下流側の改質ガス経路16を流れるように、改質ガスの流量が調整されている。
凝縮器24の内管・・・・・外径約6mm、熱交換長さ約150mm
凝縮器24の外管・・・・・外径約13mm、熱交換長さ約150mm
凝縮器24の受熱流体・・・約20℃の空気、流量約7L/min
凝縮器24の加熱流体・・・約600℃の改質ガス、流量約1L/min
上記の凝縮器24において、両流体の流れが対向する場合、リサイクル経路19を流れる改質ガスは、空気との熱交換により、約30℃の適温にまで冷却できる。よって、改質ガスによる昇圧器2及び減圧器32等の機器の熱劣化を抑制できる。また、冷媒経路50を流れる空気は、改質ガスとの熱交換により、約100℃以上の適温にまで予熱できるので、燃料電池システムの熱回収を効率化できる。そして、このとき、約0.1g/min程度のごく僅かな量の凝縮水が発生し、この凝縮水は、改質ガスの流れと重力の作用により、凝縮器24に滞留することなく、凝縮器24の外部へ強制的に排水され、気液分離部31に一時的に貯えられる。気液分離部31内の凝縮水は、水経路33を介して改質ガス経路16の合流部36に送られて、燃焼部23の熱によって適切に処理される。このため、気液分離部31の水枯れが発生した場合でも、改質ガスは、燃料電池システムの外部に放出されない。
なお、凝縮器24の外管を、例えば、200mm×Φ12mm程度の小型の円筒部材で構成すると、筐体7内に凝縮器24を容易に組み込むことができる。
(変形例1)
図2を参照して実施の形態の変形例1に係る燃料電池システムについて説明する。図2は、図1の燃料電池システムの凝縮器の周辺構造の一例を示した模式図である。
本変形例では、図2に示すように、改質ガス経路16の合流部36は、凝縮器24よりも重力が作用する方向200において下方に位置する。つまり、気液分離部31の凝縮水を、改質ガス経路16の分岐部35よりも下流側であって、重力が作用する方向200において凝縮器24より下方に位置する合流部36(分岐部35よりも燃料電池6側に近い位置)に、水経路33を介して戻される構成とする。
例えば、図2に示すように、気液分離部31の下端部の近傍に、水経路33の一端を接続し、改質ガス経路16の合流部36に、水経路33の他端を接続し、気液分離部31から合流部36に向かって下方に傾斜するように、水経路33を形成するとよい。
以上により、凝縮水は、重力の作用により改質ガス経路16へ戻すことができる。また、水経路33を凝縮水で水封することにより、高温の改質ガスが、気液分離部31に逆流することを抑制でき、冷却した改質ガスが、改質ガス経路16の合流部36に流れ込むことを抑制できる。
(変形例2)
図2を参照して実施の形態の変形例2に係る燃料電池システムについて説明する。
本変形例では、水経路33の断面積を、改質ガス経路16の断面積よりも小さくしている。例えば、水経路33を、改質ガス経路16よりも断面積が小さなキャピラリチューブ等を用いて構成してもよい。そして、この場合、気液分離部31での水位差による圧力ΔPが、水経路33の圧力損失ΔP’とほぼ等しくなるように、水経路33を細く設計するとよい。
以上により、水経路33において、改質ガス経路16に比べて流体抵抗が増加し、水経路33での凝縮水の流れが安定化する。また、気液分離部31での水位差が変動しても、気液分離部31から改質ガス経路16へ凝縮水を緩やかに排出することができる。
更に、凝縮器24で発生する凝縮水量がごく僅かな量であると、気液分離部31の水位の変動等により、水経路33内を凝縮水で満たすことができずに、水経路33を凝縮水で適切に水封できない場合が生じる。すると、高温の改質ガスが、気液分離部31に逆流し、冷却した改質ガスが、改質ガス経路16に流れ込む可能性があるが、上記の構成により、かかる可能性を低減できる。
なお、水経路33の断面積が小さすぎると、水経路33の目詰まりの可能性が高くなるので、水経路33の径の微小化には自ずと限界がある。
[実施例]
以下、水経路33の実施例について説明する。以下の具体的な数値は、例示であって、本変形例の燃料電池システムは、本例に限定されない。
凝縮器24で発生する凝縮水量・・・・・・・・約0.1g/min
改質ガス経路16を形成する配管・・・・・・・内径約5mm
水経路33を形成するキャピラリチューブ・・・内径約3mm、長さ約150mm
上記の水経路33を用いると、気液分離部31の凝縮水は、水経路33内を、約10分かけてゆっくりと合流部36へ流れ込み、水経路33内を凝縮水で適切に水封することができる。
(変形例3)
図3を参照して実施の形態の変形例3に係る燃料電池システムについて説明する。図3は、実施の形態の変形例3に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。
図3に示すように、本変形例の燃料電池システムは、脱硫部3、改質器4、空気熱交換器5、燃料電池6、蒸発器9、燃焼部23及び凝縮器24を筐体7の内部に配置してなる構成である。また、この燃料電池システムは、昇圧器2、気液分離部31、減圧器32及び開閉弁34を筐体7の外部に配置してなる構成である。
脱硫部3、改質器4、空気熱交換器5、燃料電池6、蒸発器9、燃焼部23及び凝縮器24、昇圧器2、気液分離部31及び減圧器32については実施の形態と同じであるので説明を省略する。つまり、本変形例では、開閉弁34を更に備える点で実施の形態と異なる。
開閉弁34は、水経路33に設けられている。気液分離部31内に凝縮水が溜まるタイミングに合わせて開閉弁34を開放すると、適量の凝縮水を気液分離部31に溜めことができる。よって、かかる開閉弁34を設けない場合に比べ、凝縮水による水経路33の水封を適切に維持できる。
なお、開閉弁34は、断熱部22の外部に配置してもよい。これにより、開閉弁34を、筐体7からの熱の影響を受けにくく構成でき、開閉弁34の耐久性が低下することを抑制できる。
(変形例4)
図4を参照して実施の形態の変形例4に係る燃料電池システムについて説明する。図4は、実施の形態の変形例4に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。
図4に示すように、本変形例の燃料電池システムは、脱硫部3、改質器4、空気熱交換器5、燃料電池6、蒸発器9、燃焼部23及び凝縮器24を筐体7の内部に配置してなる構成である。また、この燃料電池システムは、昇圧器2、気液分離部31、減圧器32及びポンプ37を筐体7の外部に配置してなる構成である。
脱硫部3、改質器4、空気熱交換器5、燃料電池6、蒸発器9、燃焼部23及び凝縮器24、昇圧器2、気液分離部31及び減圧器32については実施の形態と同じであるので説明を省略する。つまり、本変形例では、凝縮器24から合流部36へ凝縮器24中の凝縮水を供給する水経路33(図1参照)に代えて、水経路33A及びポンプ37を備える点で実施の形態と異なる。
凝縮器24で発生する凝縮水は、実施の形態の如く、燃料電池システムの熱を利用して排出処理してもいいが、かかる凝縮水を回収し、改質器4の改質水として再利用してもよい。
そこで、本変形例では、水経路33Aは、凝縮器24から改質器4へ凝縮器24中の凝縮水を供給する。具体的には、凝縮器24で発生する凝縮水は、気液分離部31に接続される水経路33Aを経て、改質水経路11に送られる。その後、凝縮水は、蒸発器9に送られ、改質器4に供給される。
これにより、改質水として外部から供給すべき水の量を削減できるとともに、燃料電池システムを効率よく安定的に動作できる。
なお、気液分離部31の内圧は、上記のとおり、高圧のままであるので、凝縮水は、例えば、上記の変形例1と同様、重力の作用により改質水経路11へ送ることができる。但し、図4に示すように、水経路33Aの途中に、ポンプ37を配置し、これにより、凝縮水を改質水経路11に圧送するように構成してもよい。
上記説明から、当業者にとって、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
例えば、上記の実施の形態および変形例1−4では、燃焼部23の上方でかつ対向する位置(つまり、筐体7の上壁)となる断熱部22内に、脱硫部3が配置される例を述べた。しかし、脱硫部3の配置位置は、この位置に限定されるものではなく、例えば、筐体7の側面下方の断熱部22内に脱硫部を配置してもよい。ただし、筐体7の上壁では輻射熱の温度分布が略均一化するようになっている。よって、脱硫部3を筐体7の上壁に配置する方が、輻射熱による脱硫部3の温度分布を均一化できるので有利である。
また、燃料電池システムの長時間の運転の後、脱硫部3の脱硫剤が劣化した際には、燃料電池システムの性能が低下する。そこで、適宜の着脱手段により、脱硫部3を筐体7から着脱可能に構成してもよい。これにより、脱硫剤が劣化した脱硫部3を新しい脱硫部と交換するだけで、固体酸化物形燃料電池システムの長時間に亘る運転が可能となる。
本発明は、従来に比べ、リサイクル経路上の凝縮器からの凝縮水を適切に処理し得る。よって、本発明は、例えば、燃料電池システムに利用できる。
1 原料ガス経路
2 昇圧部
3 脱硫部
4 改質器
5 空気熱交換器
6 燃料電池
7 筐体
9 蒸発器
10 空気経路
11 改質水経路
12 改質空気経路
16 改質ガス経路
17 空気供給経路
19 リサイクル経路
20 排ガス経路
22 断熱部
23 燃焼部
24 凝縮器
31 気液分離部
32 減圧器
33、33A 水経路
34 弁
35 分岐部
36 合流部
37 ポンプ

Claims (7)

  1. 供給された燃料と空気とを利用して発電反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池で未利用の燃料と空気とを燃焼する燃焼部と、
    原料に含まれる硫黄成分を水添脱硫により除去する脱硫部と、
    前記燃焼部の燃焼による燃焼熱を利用して、前記脱硫部を通過した原料から前記燃料となる改質ガスを生成する改質器と、
    前記改質器から前記燃料電池へと改質ガスを供給する改質ガス経路と、
    前記改質ガス経路の分岐部から分岐し、前記脱硫部の上流側へ前記改質ガスを供給するリサイクル経路と、
    前記リサイクル経路の途中に配置され、前記改質ガス中の水蒸気を凝縮させる凝縮器と、
    前記凝縮器から、前記改質器へ、又は、前記改質ガス経路のうちの前記分岐部より下流側に位置する合流部へ、前記凝縮器中の凝縮水を供給する水経路と、
    を備える、燃料電池システム。
  2. 前記水経路は、前記凝縮器から前記合流部へ前記凝縮器中の凝縮水を供給するように構成され、
    前記合流部は、前記凝縮器よりも重力が作用する方向において下方に位置する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水経路の断面積は、前記改質ガス経路の断面積よりも小さい、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池、前記燃焼部及び前記改質器を少なくとも覆う断熱部をさらに備え、
    前記凝縮器は、前記断熱部内に埋設されるように配置されている、請求項1−3のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池は、固体酸化物形燃料電池である、請求項1−4のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  6. 前記水経路に設けられた弁をさらに備える、請求項1−5のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  7. 前記リサイクル経路のうちの前記凝縮器より下流側の部分に配置された減圧器をさらに備える、請求項1−6のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016095943A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 東芝燃料電池システム株式会社 燃料電池システム
JP2018160372A (ja) * 2017-03-23 2018-10-11 アイシン精機株式会社 燃料電池システム

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