JP2014135152A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】リサイクル経路を流通する改質ガス中の水分が凝縮して、リサイクル経路が詰まることを抑制することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】固体酸化物形燃料電池6で未利用の燃料と空気とを燃焼する燃焼部23と、原料の硫黄成分を水添脱硫する脱硫部3と、燃焼部3の燃焼熱を利用して、改質ガスを生成する改質器4と、この改質ガスを固体酸化物形燃料電池6へ供給する燃料ガス供給経路16と、燃料ガス供給経路16から分岐し、脱硫部3の上流側へ改質ガスを供給するリサイクル経路19と、リサイクル経路19に配置され、改質ガス中の水分を凝縮させる凝縮器24と、凝縮器24の下流側に、脱硫部3に供給する改質ガスの流量調整する流量調整部32とを備え、リサイクル経路19は、凝縮器24と流量調整部32との間の少なくとも一部が、固体酸化物形燃料電池6及び燃焼部23のうちの少なくとも一方の熱により加熱される。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素を含む原料ガス(原燃料ガス、原料)から硫黄成分を除去する脱硫部を備えた燃料電池システムに関するものである。
原料ガス(原燃料ガス)として炭化水素を用いる固体酸化物形燃料電池システムでは、この原料ガスを改質するために、例えば水蒸気を用いた水蒸気改質が利用されている。この水蒸気改質を促進するために水蒸気改質触媒が用いられているが、原料ガス中には付臭剤として、例えば硫黄化合物が含まれており、これらによってこの水蒸気改質触媒が劣化させられるおそれがある。そこで、水蒸気改質触媒の劣化を防止するために、原料ガス中に含まれる硫黄化合物を低減させる脱硫部(脱硫器)が利用されている。
このような脱硫部としては、例えば、硫黄化合物を触媒(Ni−Mo系、Co−Mo系)上で水素と反応させて硫化水素に変換し、この硫化水素を酸化亜鉛に取り込んで除去する、いわゆる水添脱硫法により脱硫を行なう水添脱硫装置が挙げられる。
水添脱硫装置は、水添脱硫法により脱硫を行なう際に水素を必要とするが、原料ガス中には通常、水素が含まれていない。そこで、水素を水添脱硫装置に供給する構成を有した固体酸化物形燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1、2)。
より具体的には、特許文献1では、図9に示すように、改質器110を流通した改質ガスの一部が、リサイクルガス供給経路113を通じて、昇圧手段111の上流側に戻されるように構成された固体酸化物形燃料電池システムが開示されている。そして、戻された改質ガスは、昇圧手段111により昇圧され脱硫器102へ供給されるように構成されている。
また、特許文献2では、図10に示すように、以下に示す構成を有する固体酸化物形燃料電池システムが提案されている。すなわち、特許文献2の固体酸化物形燃料電池システムでは、混合器220で混合された水と脱硫後の原燃料ガスとを、蒸発器226に供給する。そして、蒸発器226から改質器206に供給される、水蒸気を含む脱硫後の原燃料ガスの一部が分岐戻し流路242を介して燃料ガス供給経路216に戻される構成が開示されている。なお、分岐戻し流路242の二重管244内には炭化水素改質触媒が設けられており、これによって炭化水素を改質して得た水素含有ガスを、昇圧器217の上流側に戻すことができる。そして、戻された水素含有ガスを昇圧器217で昇圧させ、脱硫器204に供給する。
特開2011−216308号公報 特許第4911927号公報 特許第2993507号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示されている燃料電池システムでは、水添脱硫に利用する改質ガスを脱硫部に供給するために設けられたリサイクル経路における水つまりを抑制することができないという問題がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、リサイクル経路を流通する改質ガス中の水分が凝縮して凝縮水が発生し、リサイクル経路が詰まることを抑制することができる燃料電池システムを提供することにある。
本発明に係る燃料電池システムは、上記した課題を解決するために、供給された燃料と空気とを利用して発電反応により発電する固体酸化物形燃料電池と、前記固体酸化物形燃料電池で未利用の燃料と空気とを燃焼する燃焼部と、原料に含まれる硫黄成分を水添脱硫により除去する脱硫部と、前記燃焼部の燃焼による燃焼熱を利用して、前記脱硫部を通過した原料から前記燃料となる改質ガスを生成する改質器と、前記改質器から固体酸化物形燃料電池へと改質ガスを供給する改質ガス経路と、前記改質ガス経路から分岐し、前記脱硫部の上流側へ前記改質ガスを供給するリサイクル経路と、前記リサイクル経路の途中に配置され、前記改質ガス中の水分を凝縮させる凝縮器と、前記リサイクル経路において前記凝縮器の下流側に配置され、前記脱硫部の上流側に供給する改質ガスの流量を調整する流量調整部と、を備え、前記リサイクル経路は、前記凝縮器と前記流量調整部との間の少なくとも一部が、前記固体酸化物形燃料電池及び前記燃焼部のうちの少なくとも一方の熱により加熱される。
本発明に係る燃料電池システムは、以上に説明したように構成され、リサイクル経路を流通する改質ガス中の水分が凝縮して凝縮水が発生し、リサイクル経路が詰まることを抑制することができるという効果を奏する。
実施の形態に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。 実施の形態の変形例1に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。 実施の形態の変形例2に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。 図3に示す燃料電池システム制御処理の一例を示すフローチャートである。 実施の形態の変形例3に係る燃料電池システムにおける制御処理の一例を示すフローチャートである。 実施の形態の変形例4に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。 図6に示す燃料電池システムにおける制御処理の一例を示すフローチャートである。 実施の形態の変形例5に係る燃料電池システムにおける制御処理の一例を示すフローチャートである。 従来技術を示すものであり、固体酸化物形燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。 従来技術を示すものであり、固体酸化物形燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。
(本発明の一形態を得るに至った経緯)
本発明者は、従来の固体酸化物形燃料電池システムに関して鋭意研究したところ、以下の問題を見出した。すなわち、従来の固体酸化物形燃料電池システムでは、例えば、原料ガスが都市ガスなどである場合、効率よく脱硫部(脱硫器)により脱硫するためには原料ガスに加える水素量を原料ガスの約2パーセントとする必要がある。このため、燃料電池に供給する原料ガスの流量が変化する場合、この流量変化に応じて水添脱硫に利用するためにリサイクル経路を流通させ、昇圧部の上流側に供給する改質ガスの流量も変動させる必要がある。
しかしながら、従来の固体酸化物形燃料電池システムでは、昇圧部の上流側に供給する改質ガスの流量を適切に変動させることができないという問題がある。
例えば、特許文献1に係る固体酸化物形燃料電池システムでは、上述したように改質器110を流通した改質ガスの一部が、リサイクルガス供給経路113を通じて、昇圧手段111の上流側に戻される構成であった。そして、ホットモジュール(断熱槽)内部におけるリサイクルガス供給経路113中に減圧手段を設け、リサイクルガス供給経路113内の圧力を低下させる構成である。この減圧手段は、ホットモジュール内で約600℃の高温となった改質ガスに曝されることとなるため、流量調整弁として可変流量型の減圧弁を利用することは困難である。それゆえ、昇圧部に供給する改質ガスの流量を適切に変動させることができない。
一方、特許文献2に係る固体酸化物形燃料電池システムは、上述したように、蒸発器226から改質器206に供給される、水蒸気を含んだ脱硫後の原燃料ガスの一部が、リサイクル経路である分岐戻し流路242を流通して、脱硫器204の上流側に戻される構成であった。つまり、分岐戻し流路242を通って脱硫器204の上流側に戻される改質ガス(水素含有ガス)の流量は成り行きまかせとなっている。このため、供給する原料ガスの流量の変動に応じて昇圧部に供給する改質ガスの流量を変えることができない。
また、特許文献1に係る固体酸化物形燃料電池システムの構成において、改質ガスの温度が低下する凝縮器の後ろ(下流側)に可変流量型の減圧弁を配置させた構成とすることが考えられる。しかしながら、このように構成した場合、凝縮後の飽和状態の改質ガスを可変流量型の減圧弁により減圧することによって改質ガス中の飽和水蒸気量が減り、結露してしまう可能性がある。そして、この結露によってリサイクル経路に水詰まりが生じるというさらなる問題が発生する。
一方、特許文献2の固体酸化物形燃料電池システムでは、改質ガス(水素含有ガス)が過剰な水分を含んだまま、分岐戻し流路242を流通し、昇圧器217、脱硫器204を流れる構成になっている。このため、例えば、固体酸化物形燃料電池システムの稼動が停止されシステム内の温度が低下すると脱硫器204または昇圧器217内、さらにはリサイクル経路内においても結露が生じる場合がある。
したがって、従来の固体酸化物形電量電池システムでは、昇圧部の上流側に供給する改質ガスの流量を適切に変動させることができない。また、仮に、凝縮器の下流側で温度低下させられた改質ガスが流通する部分に可変流量型の減圧弁を配置する構成としても、リサイクル経路に水つまりが発生し、昇圧部に不具合を生じさせる可能性がある。それゆえ、従来の固体酸化物形燃料電池システムでは、高効率かつ長期的に安定して動作可能な固体酸化物方燃料電池システムを実現することができないという問題を見出した。
そこで、本発明者はこれら従来の固体酸化物形燃料電池システムの問題点を検討した結果、以下の知見を得た。
すなわち、本発明者らは、凝縮器によって温度の低くなった改質ガスを断熱部に接触させることによって再加熱した後工程に、流量調整弁を設けるように構成する。このように構成することで、リサイクル経路における水つまりの発生を抑制し、最適な量の改質ガスを脱硫部(脱硫器)へ供給させることができるとともに、固体酸化物形燃料電池システムを効率よく安定的に動作させることができることを見出し、本発明に至った。
具体的には、本発明では以下に示す態様を提供する。
本発明の第1の態様に係る燃料電池システムは、供給された燃料と空気とを利用して発電反応により発電する固体酸化物形燃料電池と、前記固体酸化物形燃料電池で未利用の燃料と空気とを燃焼する燃焼部と、原料に含まれる硫黄成分を水添脱硫により除去する脱硫部と、前記燃焼部の燃焼による燃焼熱を利用して、前記脱硫部を通過した原料から前記燃料となる改質ガスを生成する改質器と、前記改質器から固体酸化物形燃料電池へと改質ガスを供給する改質ガス経路と、前記改質ガス経路から分岐し、前記脱硫部の上流側へ前記改質ガスを供給するリサイクル経路と、前記リサイクル経路の途中に配置され、前記改質ガス中の水分を凝縮させる凝縮器と、前記リサイクル経路において前記凝縮器の下流側に配置され、前記脱硫部の上流側に供給する改質ガスの流量を調整する流量調整部と、を備え、前記リサイクル経路は、前記凝縮器と前記流量調整部との間の少なくとも一部が、前記固体酸化物形燃料電池及び前記燃焼部のうちの少なくとも一方の熱により加熱される。
上記した構成によると、改質器および脱硫部を備えているため、改質器は脱硫部で脱硫された原料から発電反応に用いる燃料として、水素を含む改質ガスを効率よく生成することができる。また、リサイクル経路を備えているため、改質器で生成された改質ガスの一部を脱硫部の上流側に供給し、この改質ガスに含まれる水素を脱硫部で実施される水添脱硫に利用することができる。
さらにリサイクル経路において凝縮器とその下流側に流量調整部とを備えるため、流通する改質ガス中の水分を凝縮させ、凝縮後の温度低下した改質ガスを流量調整部に導くことができる。このため、高温の改質ガスに流量調整部が曝され、不具合が生じることを防ぐことができる。また、改質ガスは流量調整部により流量が調整されて脱硫部の上流側に戻すことができるため、原料の流量に応じた適切な水素量となる改質ガスを脱硫部に供給させることができる。
さらにまた、凝縮器と流量調整部との間の少なくとも一部が加熱されるため、改質ガスが流量調整部に至る前に、凝縮後の飽和状態となった改質ガスの相対湿度を低下させることができる。このため、改質ガスの流量を調整するために流量調整部により改質ガスが減圧されたとしても、改質ガス中の水分が再度、凝縮してしまうことを防ぐことができる。なお、凝縮器と流量調整部との間の少なくとも一部を加熱する温度は、この加熱後の改質ガスの温度が、流量調整部に不具合を与えない温度範囲となる温度である。
したがって、固体酸化物形燃料電池システムは、リサイクル経路を流通する改質ガス中の水分が凝縮して凝縮水が発生し、リサイクル経路が詰まることを抑制することができるという効果を奏する。
また、上記したように凝縮器と流量調整部との間の少なくとも一部が加熱するだけという簡素な構成で改質ガス中の凝縮水によりリサイクル経路において水つまりが起こることを抑制できる。また、流量調整部が高温の改質ガスに曝されることがないため流量調整部は不具合が生じることなく安全に動作することができる。また、流量調整部によって原料の流量に応じた適切な水素量となる改質ガスを脱硫部の上流側に供給することができる。よって、本発明に係る固体酸化物形燃料電池システムは、安全かつ簡素な構成で必要な改質ガスを過不足なく供給し、効率よく安定的に動作させることができる。
また、本発明の第2の態様に係る固体酸化物形燃料電池システムは、上記した第1の態様において、少なくとも前記固体酸化物形燃料電池、前記燃焼部、及び改質器を覆う断熱部を備え、前記リサイクル経路における前記凝縮器と前記流量調整部との間の少なくとも一部において、前記断熱部を介して、前記固体酸化物形燃料電池及び前記燃焼部のうちの少なくとも一方の熱により加熱される加熱部を有するように構成されていてもよい。
上記構成によると、リサイクル経路における前記凝縮器と前記流量調整部との間の少なくとも一部に設けられた加熱部を有している。このため、この加熱部によって、リサイクル経路を流通する改質ガスを流量調整部に至る前に加熱させ、改質ガスの相対湿度を低下させることができる。このため、改質ガスの流量を調整するために流量調整部により改質ガスが減圧されたとしても、改質ガス中の水分が再度、凝縮してしまうことを防ぐことができる。
また、加熱部の熱源は断熱部を介して伝わった固体酸化物形燃料電池及び前記燃焼部のうちの少なくとも一方の熱であるため、加熱部の温度が流量調整部に不具合を生じさせる程度まで高温となることを防ぐことができる。また、断熱部の層厚等を調整することで加熱部における温度を簡単に調整することができる。したがって、加熱部において適切な温度まで改質ガスを加熱させることができる。
また、本発明の第3の態様に係る燃料電池システムは、上記した第1または第2の態様に係る燃料電池システムにおいて、前記流量調整部は、前記リサイクル経路に配置され、該リサイクル経路を流通する前記改質ガスの流量を調整する第1減圧器と、前記リサイクル経路から分岐し、前記第1減圧器を迂回するバイパス経路に配置され、該バイパス経路を流通する前記改質ガスの流量を調整する第2減圧器と、を備える構成であってもよい。
上記構成によると、リサイクル経路に第1減圧器を備え、バイパス経路に第2減圧器を備える構成である。
したがって、第1減圧器での改質ガスの流量調整と第2減圧器での改質ガスの流量調整とを組み合わせて、改質ガスの流量が最適な流量となるように調整をおこなうことができる。
なお、第1減圧器および第2減圧器によって調整される改質ガスの流量には、完全に改質ガスが流通しないように遮断された状態を含んでいてもよい。
また、本発明の第4の態様に係る燃料電池システムは、上記した第2または第3の態様において、前記加熱部の温度は、前記凝縮器から排出される前記改質ガスの温度よりも高くなるように構成されていてもよい。
また、本発明の第5の態様に係る燃料電池システムは、上記した第2〜第4の態様のいずれか1つの態様において、前記加熱部で加熱された改質ガスの温度を測定する第1温度検知部と、前記流量調整部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、第1温度検知部により測定された改質ガスの温度に応じて流量調整部を制御して、前記脱硫部の上流側に供給する改質ガスの流量を調整するように構成されていてもよい。
上記構成によると、第1温度検知部と制御部とを備えているため、加熱部で加熱された後の改質ガスの温度を考慮して、制御部が流量調整部を制御することができる。
また、本発明の第6の態様に係る燃料電池システムは、上記した第5の態様において、前記流量調整部は、改質ガスを減圧することで該改質ガスの流量を調整しており、前記制御部は、前記第1温度検知部で測定された温度が、前記加熱部により加熱される前の改質ガスの温度を基準に予め設定されている第1閾値温度未満となった場合、前記改質ガスをさらに減圧させないように前記流量調整部を制御するように構成されていてもよい。
上記構成によると、第1温度検知部で測定された温度、すなわち、加熱部で加熱された後の改質ガスの温度が第1閾値温度未満の場合、制御部は流通する改質ガスがさらに減圧されないように流量調整部を制御する。すなわち、改質ガスの温度が十分に上昇しなかった場合、改質ガスを現状からさらに減圧されないようにすることができる。このため、改質ガスの相対湿度がほとんど低下せず、ほぼ飽和状態となっているときに減圧されることを防ぐことができ、凝縮水が発生することを抑制することができる。
また、本発明の第7の態様に係る燃料電池システムは、上記した第6の態様において、前記制御部は、前記第1温度検知部で測定された温度が、加熱後の改質ガスの目標温度として予め設定されている第2閾値温度を超えた場合、該目標温度となる改質ガスに対して行うように予め設定されていた減圧状態よりもさらに減圧するように前記流量調整部を制御するように構成されていてもよい。
ここで、第1温度検知部で測定された温度が第2閾値温度を超える場合とは、加熱後の改質ガスが目標としていた温度よりもさらに高い温度となった場合であって、改質ガスの相対湿度が目標としていた温度のときの相対湿度よりも低くなった状態である。
このような場合、上記構成によると、制御部は、目標温度となる改質ガスに対する減圧状態よりもさらにいっそう減圧するように流量調整部を制御することができる。すなわち、さらにいっそう改質ガスを減圧させて供給する流量が少なくなるように調整することができる。
このため、例えば、脱硫部の上流側に供給する改質ガスの流量が適切な流量よりも多くなっていたとしても、上述した条件を満たす際に、供給する改質ガスの流量をさらに少なくするように調整することができる。
また、本発明の第8の態様に係る燃料電池システムは、上記した第5の態様において、前記凝縮器から排出される前記改質ガスの温度を測定する第2温度検知部をさらに備え、前記流量調整部は、改質ガスを減圧することで該改質ガスの流量を調整しており、前記制御部は、前記第1温度検知部で測定された温度が前記第2温度検知部で測定された温度よりも高い場合、改質ガスを減圧するように前記流量調整部を制御するように構成されていてもよい。
ここで、前記第1温度検知部で測定された温度が前記第2温度検知部で測定された温度よりも高い場合とは、凝縮器から排出された改質ガスが加熱部で加熱された場合であって、改質ガスの相対湿度が凝縮器から排出された時点よりも低くなっている場合である。上記構成によると、このように改質ガスの相対湿度が低くなっている場合、制御部は改質ガスの減圧を行うように流量調整部を制御することができるため、減圧により改質ガスが再度凝縮され凝縮水が生成されることを防止することができる。
(実施形態)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は対応する構成部材には同一の参照符号を付して、その説明については省略する。
図1を参照して実施の形態に係る燃料電池システムについて説明する。図1は、実施の形態に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。図1では、実施の形態に係る燃料電池システムを側部から見たときの構成を模式的に示している。
図1に示すように、燃料電池システムは、脱硫部3、改質器4、空気熱交換器5、固体酸化物形燃料電池6、蒸発器9、および凝縮器24を筐体7内部に配置してなる構成である。また、固体酸化物形燃料電池6の上部には改質器4と対向するように燃焼部23が設けられている。また、筐体7の外部には、昇圧部2、気液分離部31、および流量調整部32が設けられている。
また、燃料電池システムが備える各部の各種制御は、制御部28によって実行されている。制御部28は、例えば、MPU、CPUなどで例示できる演算処理部と、メモリなどで例示できる記憶部とを備え、CPU等がメモリに記憶されたプログラムを読み出し、実行することで各種制御を実行することができる。
燃料電池システムでは、筐体7の外部から供給された原料ガス(原燃料ガス)を改質器4で改質し、改質された改質ガス(燃料ガス)と外部から供給された空気とを利用して固体酸化物形燃料電池6が発電反応により発電するように構成されている。
なお、本発明の実施形態では、原料ガス経路1を通じて外部から供給されるガスを原料ガス(原料)と称し、原料ガスから硫黄成分が取り除かれ、改質器4において改質された改質ガスを燃料ガス(燃料)と称するものとする。
燃料電池システムは、固体酸化物形燃料電池6の動作時(発電時)には、燃焼部23にて、発電反応に利用されなかった燃料ガスと空気とを燃焼させ、高温の排ガスを生成し、その熱エネルギーを有効に利用することで高効率な運転を実現している。また、燃料電池システムでは、筐体7の内側に断熱材からなる断熱部22が備えられており、筐体7の内部から外部への放熱を可能な限り遮断するように構成されている。
また、燃料電池システムでは、筐体7の外部に昇圧部2が配置されている。そして、昇圧部2は、原料ガス経路1を通じて供給された原料ガスを昇圧し、筐体7内に配置されている脱硫部3に導入するように構成されている。なお、原料ガス経路1を通じて供給される原料ガスとしては、都市ガスまたは、プロパンガスなどの炭化水素を主成分とするガスを用いることができる。
脱硫部3は、水添脱硫方式により原料ガスに含まれる硫黄成分を除去するためのものである。本実施形態では、脱硫部3は、図1において筐体7の紙面上側の天面において着脱可能に配置されている。また、この脱硫部3に充填する脱硫剤としては、例えば、銅および亜鉛を含む脱硫剤が挙げられる(例えば、特許文献3)。
なお、脱硫剤は、水添脱硫を行うことができればこの脱硫剤に限定されるものではなく、Ni−Mo系又はCo−Mo系触媒と酸化亜鉛との組み合わせであってもよい。Ni−Mo系又はCo−Mo系触媒と酸化亜鉛とを組み合わせた脱硫剤の場合、脱硫部3は350〜400℃の温度範囲にて、原料ガス中の有機硫黄を水添分解する。そして、脱硫部3は、生成したHSを、350〜400℃の温度範囲にてZnOに吸着させて除去する。
例えば、原料ガスが都市ガスの場合、付臭剤として硫黄化合物であるジメチルスルフィド(dimethl sulfide ;CS,DMS)が含有されている。このDMSは、脱硫部3において、以下の反応式(式(1)、(2))によるZnSの形、または物理吸着の形で脱硫剤25によって除去される。
S+2H→2CH+HS ・・・(1)
S+ZnO→HO+ZnS ・・・(2)
なお、付臭剤は、上述したDMSに限定されるものではなく、TBM(C10S)またはTHT(CS)等の他の硫黄化合物であってもよい。
銅および亜鉛を含む脱硫剤を用いる場合は、脱硫部3は、10〜400℃程度、好ましくは150〜300℃程度の温度範囲で脱硫を行う。この銅亜鉛系脱硫剤は、水添脱硫能力に加えて物理吸着能力もあり、低温では主に物理吸着、高温では化学吸着(HS+ZnO→HO+ZnS)を行うことができる。この場合、脱硫後の原料ガスに含まれる硫黄含有量は、1vol ppb(parts per billion)以下、通常は0.1vol ppb以下となる。
このように、脱硫部3において、Ni−Mo系又はCo−Mo系触媒、あるいは銅および亜鉛のいずれかを含む脱硫剤が充填されている場合、単位体積あたりの硫黄成分除去量が大きくなる。それゆえ、上述した脱硫剤を用いる場合、所望の硫黄濃度まで硫黄を除去するために必要となる脱硫剤の量を低減させることができる。
以上のようにして脱硫部3によって脱硫された原料ガスは、脱硫後、改質器4へと供給される。
次に改質器4について説明する。改質器4は、部分酸化改質用として用いられるものであってもよいが、更に高効率な動作を実現するために、部分酸化改質反応だけでなく、水蒸気改質反応も行える仕様にしておくことが有利である。そこで、図1に示すように本実施の形態では、改質器4の上流側に蒸発器9を配置し、脱硫された原料ガスに改質水経路11を通じて供給された水を混合させ改質器4に供給することができる構成となっている。
なお、改質器4に充填される改質触媒としては、Al(アルミナ)の球体表面にNiを含浸し、担持したものや、Alの球体表面にルテニウムを付与したものを適宜用いることができる。
ところで、燃料電池システムの起動時では、改質器4において吸熱反応である水蒸気改質反応を行うためには熱エネルギーが不足している。そこで、燃料電池システムの起動時は、改質水経路11から改質器4(蒸発器9)に水を供給させずに、改質空気経路12を通じて改質器4に導入した空気を利用して、改質器4は以下の式(3)で表される部分酸化改質反応(部分酸化法による反応)を行い、水素ガスおよび一酸化炭素を生成する。
+ (n/2)O → n・CO +(m/2)H(n,mは任意の自然数)・・・(3)
そして、これらの水素ガスおよび一酸化炭素を、燃料ガス供給経路(改質ガス経路)16を通じて固体酸化物形燃料電池6に供給し、空気供給経路17を通じて供給された空気と合わせて、発電反応を行う。
燃料電池システムにおいて固体酸化物形燃料電池6が起動して発電が進むにつれ、改質器4の温度が上昇していく。すなわち、上記の式(3)で表される部分酸化改質反応は発熱反応であり、更に、燃焼部23からの排ガス及び輻射熱により、改質器4の温度が上昇させられる。そして、改質器4の温度が、例えば、400℃以上になれば以下の式(4)で表される水蒸気改質反応を並行して行うことが可能となる。
+ n・HO → n・CO +(m/2+ n)H(n,mは任意の自然数)・・・(4)
上述した式(4)で示される水蒸気改質反応は、式(3)で示される部分酸化改質反応と比較すると、同じ量の炭化水素(C)から生成できる水素量がより多くなり、その結果、固体酸化物形燃料電池6での発電反応に利用可能な改質ガス(燃料ガス)の量が多くなる。つまり、水蒸気改質反応の方が効率よく改質ガスを生成することができる。また、式(4)に示す水蒸気改質反応は吸熱反応であるため、式(3)に示す部分酸化改質反応による発熱と燃焼部23から排出された排ガスが保有する熱、及び燃焼部23からの輻射熱を利用し、必要な熱量を補いつつ、水蒸気改質反応を進行させる。そして、改質器4の温度が例えば、600℃以上になれば、式(4)の水蒸気改質反応に必要な熱量を排ガスの有する熱及び燃焼部23からの輻射熱だけで補うことが可能となるため、水蒸気改質反応のみの運転に切り替えることができる。
なお、本実施の形態に係る燃料電池システムが備える改質器4は、スタックからの排熱を利用できるため、上述したように部分酸化改質反応から水蒸気改質反応に運転を切り替える構成であったが、部分酸化改質反応のみを行ってもよい。
蒸発器9は、改質器4にて水蒸気改質反応を行うために改質水を気化させるものである。より具体的には、蒸発器9は、燃焼部23から排出された排ガスの熱及び燃焼部23からの輻射熱を利用して、改質水経路11から供給された水(改質水)を気化させ、脱硫部3から供給された脱硫後の原料ガスと混合させる。そして、蒸発器9は、混合後の原料ガスを改質器4へと導入する。
空気熱交換器5は固体酸化物形燃料電池6での発電反応に利用される空気(発電用空気)を加熱するためのものであり、燃焼部23の上方でかつ、対向する位置に設けられる。空気熱交換器5は、空気供給経路10を通じて外部から供給された空気(発電用空気)を、燃焼部23からの排ガス及び輻射熱との熱交換により加熱する。例えば、空気熱交換器5を流通した後の空気は400〜800℃まで加熱される。そして、この加熱された空気が固体酸化物形燃料電池6へと供給される。なお、空気熱交換器5により空気との熱交換を行って保有する熱の一部が奪われた排ガスは、排ガス経路20を通じて筐体7の外部へと導かれるように構成されている。
固体酸化物形燃料電池6は、上述したように燃料ガス供給経路(改質ガス経路)16を通じて供給された燃料ガスと、空気供給経路17を通じて供給された空気(発電用空気)とを利用して発電反応により発電を行うものである。すなわち、固体酸化物形燃料電池6では、燃料ガスが供給される燃料極および発電空気が供給される空気極を有し、該燃料極と該空気極との間で発電反応を行って発電する燃料電池単セルを複数枚、直列に接続してセルスタックを形成している。なお、固体酸化物形燃料電池6は、更に直列接続したセルスタックを並列に接続させた構成としてもよい。
固体酸化物形燃料電池6を構成する燃料電池単セルとしては、例えばイットリアをドープしたジルコニア(YSZ)、イットリビウムやスカンジウムをドープしたジルコニア、あるいはランタンガレート系の固体電解質からなる燃料電池単セルを用いることができる。例えば、燃料電池単セルがYSZの場合、厚みにもよるが、約600〜1000℃の温度範囲にて、発電反応が行われる。
また、本実施の形態に係る燃料電池システムでは、改質器4によって生成された改質ガスの一部を脱硫部3の上流側(特には、昇圧部2の上流側)に供給するためのリサイクル経路19が設けられている。リサイクル経路19は、改質器4と固体酸化物形燃料電池6との間の経路である燃料ガス供給経路(改質ガス経路)16の分岐部35から分岐し、リサイクル経路19の下流端は、昇圧部2よりも上流側の位置で原料ガス経路1に接続している。これにより、改質器4からの改質ガスが、このリサイクル経路19を介して、原料ガス経路1に送られる。このため、脱硫部3へと供給される原料ガスに水素を添加することが可能となり、脱硫部3は、この水素を利用して水添脱硫を行うことができる。
また、このリサイクル経路19には、凝縮器24、気液分離部31、および流量調整部32が上流側から下流側に向かって順に配置されている。
凝縮器24は、改質ガスの温度低下により、改質ガス中に含まれる水分(水蒸気)を凝集させるものである。このように、凝縮器24によってリサイクル経路19を流れる改質ガスは、所望される温度まで低下されるため、改質ガスによる昇圧部2および減圧部32等の機器において生じる熱劣化を抑制することができる。また、改質ガスから水蒸気を除去することができるため、凝縮器24よりも下流側となるリサイクル経路19部分では、改質ガス中の水蒸気凝集による凝集水の生成が抑制される。これにより、凝縮水によるリサイクル経路19の流路閉塞、凝縮水による昇圧部2および減圧部32等の機器の水漏れ故障などを抑制することができる。
上述した凝縮器24は、例えば、二重管形熱交換器を用いて構成することができる。この熱交換器は、直交流及び並行流に比べて伝熱性能が良い対向流を簡易な構成(例えば、小型化した構成)によって実現できるという特徴を有する。本実施形態では、熱交換器の受熱流体である冷媒は、鉛直方向に配された二重直管の内管を、重力が作用する方向と逆向きに流れ、熱交換器の加熱流体である改質ガスは、二重直管の内管と外管との間を、冷媒とは逆向き(重力が作用する向き)に流れる。
以上のようにして、受熱流体の流れと加熱流体との流れが対向した凝縮器24を構成することができる。また、改質ガスの流れの向きが、重力が作用する向きと同じであるため、改質ガスの流れ及び重力の作用により、凝縮器24内の凝縮水を強制的に外部へと排出することができる。このため、凝縮水が凝縮器24内に滞留してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した冷媒は、空気経路10を流れる空気を利用しても良いし、原料ガス経路1を流れる原料ガスを利用してもよい。あるいは、改質水経路11を流れる水を用いてもよい。例えば、冷媒として、空気を利用する場合、以下のように構成してもよい。すなわち、空気経路10において上流側から順に空気取り出し口(不図示)と空気戻り口(不図示)が設けられる。そして、この空気取り出し口から冷媒経路50を延ばし、熱交換器の二重直管の内管と連通させ、この二重直管を介して空気戻り口に至るように形成する。
このように形成した場合、空気熱交換器5の前段において、空気経路10を流れる空気を改質ガスとの熱交換により適温にまで予熱できるため、燃料電池システムでの熱回収の効率化を図ることができる。
なお、本実施形態では、凝縮器24として、上述した熱交換器を用いる構成であったが、この構成に限定されるものではない。凝縮器24は、改質ガスを冷却し、改質ガス中の水蒸気を除去することが可能であればどのような構成であってもよい。
また、本実施形態では、凝縮器24は、上記した断熱部22内に埋設されるように配置されている。つまり、断熱部22は、凝縮器24の保温材の役割を果たしており、例えば、外気温が低い時、凝縮器24を断熱部22内に埋設しない構成と比較して凝縮器24内の凝縮水が低温になり過ぎることを抑制できる。
このため、燃料電池システムにおける熱ロスを低減することができる。ただし、凝縮器24内の凝縮水の温度低下が大きな問題とならないシステム構成の場合、凝縮器24は断熱部24内に埋設せずに筐体7の外部に配置する構成としてもよい。
気液分離部31は、凝縮器24から排出された、凝縮水と改質ガスとが混在する気液二相流を凝縮水と改質ガスとに分離する。この気液分離部31によって凝縮水は改質ガスが流れるリサイクル経路19から除去され、気液分離部31内に一時的に貯留される。その後、凝縮水は、適時に、気液分離部31から排水路40へと送られる。
なお排水路40の先には、封止機構が備えられていてもよい。この封止機構としては、弁等が例示される。この封止機構により、気液分離部31から凝縮水が水漏れしたとしても、改質ガスが外部に放出されることを防止することができる。
気液分離部31は、例えば、断熱部22の外部に設けられていてもよい。このように設けられた構成の場合、気液分離部31は、筐体7内の熱の影響を受けにくくなるように構成できる。
なお、実施形態に係る燃料電池システムでは、気液分離部31と凝縮器24とを別体で構成されていたがこれに限定されるものではなく、両者を一体で構成してもよい。このように構成される場合、凝縮器24の下端部は、気液分離部31における凝縮水を貯留する部分として機能する。
実施形態に係る燃料電池システムでは、上述した構成において、リサイクル経路19における凝縮器24と流量調整部32との間、特には、気液分離部31と流量調整部32との間部分に加熱部33がさらに設けられている。なお、加熱部33は、図1では凝縮器24(気液分離部31)と流量調整部32との間において一箇所だけ設けられた構成となっているが、この間において複数個所、設けられていてもよい。すなわち、加熱部33の個数は任意であり、流量調整部32に至るまでに改質ガスの温度が加熱部33によって所望の温度まで上昇する構成であればよい。
つまり、改質器4から排出された改質ガスは、約600℃と高温であるため、上述したリサイクル経路19上では、改質ガスの温度を、上述の凝縮器24を用いて所望の温度まで低下させる。例えば、凝縮器24は、改質ガスを20℃〜30℃程度まで冷却させる。このように凝縮器24の後工程(下流側)に流量調整部32が配置されるため、温度低下した改質ガスが流量調整部32を通過することとなる。このため、例えば、樹脂部品およびコイル等を内蔵した弁の構造上、高温での信頼性、耐久性に課題のあるような膨張弁等を、流量調整部32として使用することができる。なお、この膨張弁(流量調整部32)の弁開度の調整、すなわち改質ガスが流通する経路断面積の調整は、制御部28からの制御指示に応じて制御されるように構成されている。
ところで、凝縮器24により凝縮された改質ガスは相対湿度100%の状態(飽和状態)となっており、この状態でリサイクル経路19を流れ流量調整部32に供給された場合、流量調整部32における減圧で、改質ガスが再凝縮して凝縮水が発生してしまうことがある。
そこで、本実施形態では、断熱部22に設けられた加熱部33によってリサイクル経路19を流通する改質ガスの温度を再上昇させ、これによって相対湿度を低下させるように構成されている。例えば25℃で相対湿度が100%の改質ガスをこの加熱部33において加熱し、45℃としたとすると、露点温度は同じであるが相対湿度は約33%まで低減できる。その状態で、加熱部33よりも下流側に配置された流量調整部32によって数kPa減圧しても再凝縮することはない。
このようにリサイクル経路19において再凝縮しない構成とすることによって、流量調整部32は、昇圧部2によって制御される原料ガスの供給量の変化に応じて適切な弁開度を設定することができる。そして、流量調整部32が適切な弁開度に設定さされることで、原料ガスの流量に対して最適な比率となる流量の改質ガスを供給することができ、脱硫部3における水添脱硫過程において過不足のない水素を供給することができる。なお、流量調整部32の弁開度の制御は、昇圧部2によって制御される原料ガスの供給量が所定の閾値以上となるか、あるいは所定の閾値未満となるかに応じて調整するようにあらかじめ設定されている。
なお、実施形態に係る燃料電池システムでは、図1に示すように、リサイクル経路19に設けられた加熱部33は、断熱部22内に配置された構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、筐体7はその内部が断熱部22によって覆われているとはいえ、その外壁面も。温度低下した改質ガスを加熱するぐらいには高温となっている場合がある。このような場合、リサイクル経路19の一部分(凝縮器24と流量調整部32との間の部分)を筐体7の外部面に接触させ、この接触部分を加熱部33とする構成であってもよい。もしくは、リサイクル経路19を筐体7に接触させなくても近接させるだけで、改質ガスを所望の温度まで加熱できる場合は、この近接させた、凝縮器24と流量調整部32との間の部分を加熱部33としてもよい。
以上のように本実施の形態に係る燃料電池システムでは、リサイクル経路19上において、凝縮器24の下流側に加熱部33を設ける構成である。このため、この加熱部33によって相対湿度を低下させた改質ガスを、流量調整部32に供給することができる。それゆえ、流量調整部32によって改質ガスが減圧されることによって凝縮水が発生することを防ぐことがでる。
また、改質ガス温度は、凝縮器24で大きく温度低下されており、例え、加熱部33で再加熱されても流量調整部32の信頼性を損なうほどの高温にはならない。このため、供給される原料ガスの流量が変化する場合、リサイクル経路19を通じて原料ガス経路1に供給される水素量も、脱硫部3での水添脱硫反応に過不足を生じることを防止できる適切な量となるように調整することができる。したがって、供給される原料ガスの流量が変化した場合であっても、脱硫部3において所望の硫黄濃度まで脱硫させることができなくなるといった問題が生じることを防止することができる。
また、実施形態に係る燃料電池システムでは、脱硫部3における水添脱硫反応に過不足が生じることなく適切な水素量を供給することができる。それゆえ、脱硫部3は、水添脱硫を行い、付臭剤または硫黄化合物を除去した原料ガスを改質器4に供給することができる。このため、改質器4の改質触媒の劣化を防止することができ、燃料電池システムは安定した動作で運転することができる。よって、実施形態に係る燃料電池システムは、信頼性を損なうことなく、効率よく安定的に動作することができる。
さらにまた、燃料電池システムでは、上述したように、脱硫部3が筐体7において着脱可能となるように設けられている。このため、長時間の運転により脱硫部3に充填した改質触媒が劣化した場合、脱硫部3を容易に交換することができる。このため、改質触媒の劣化に起因して固体酸化物形燃料電池システム全体の性能が著しく低下することを防ぐことができるとともに、該システムの長時間の運転も可能とする。
なお、加熱部33が断熱部22内に配置された構成、又は、加熱部33が筐体7の外部面に接触するように配置された構成では、リサイクル経路19を筐体7に接触させずに近接させた構成に比べ、リサイクル経路19の固定や取り付け等を容易にしつつ、加熱部33がより安定した熱量を受け取ることができる。
(変形例1)
次に、本実施の形態に係る燃料電池システムの変形例1について図2を参照して説明する。図2は、実施の形態の変形例1に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。図2では、本実施の形態の変形例1に係る燃料電池システムを側部から見たときの構成を模式的に示している。
変形例1に係る燃料電池システムは、上述した本実施の形態に係る燃料電池システムと比較して、リサイクル経路19上の加熱部33の後段(下流側)の流量調整部32の構成が異なる。
より具体的には、上述した本実施の形態に係る燃料電池システムでは、流量調整部32として、例えば膨張弁を備える構成であった。しかしながら、変形例1に係る燃料電池システムでは、流量調整部32を、一方には開閉弁34及び第1固定オリフィス38を配置した経路と、他方には第2固定オリフィス37を配置した経路とが並列した構成(2分岐並列構成)としている点で異なる。このため、本実施の形態に係る燃料電池システムと同様な部材には同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。なお、第1固定オリフィス38および第2固定オリフィス37は、リサイクル経路19より径が小さくなったキャピラリー(毛細管)であっても良い。
流量調整部32として、例えば膨張弁を利用する場合、流量調整部32は、一般的に価格が高くなったり、電気的な制御システムが必要とされシステム構成が複雑となったりする。そこで、変形例1に係る燃料電池システムでは、流量調整部32として、安価でかつシステム構成が簡易となる電磁式の開閉弁34と第1固定オリフィス38、ならびに第2固定オリフィス37を利用する。
より具体的には、リサイクル経路19における加熱部33の下流側に開閉弁34と第1固定オリフィス38とを配置する。また、この開閉弁34と第1固定オリフィス38とを迂回するためのバイパス経路21を設け、このバイパス経路21上に第2固定オリフィス37を配置する。
このように、並列した2つの経路において一方の経路(リサイクル経路19)に開閉弁34と第1固定オリフィス38とを、他方の経路(バイパス経路21)に第2固定オリフィス37をそれぞれ配置する。そして、必要に応じて開閉弁34を動作させることで、原料ガス経路1に供給させる改質ガスの流量を調整することができる構成とする。なお、リサイクル経路19に配置された開閉弁34と第1固定オリフィス38とによって本発明の第1減圧部を実現し、バイパス経路21に配置された第2固定オリフィス37によって本発明の第2減圧部を実現する。
例えば、開閉弁34が閉じられており、第2固定オリフィス37が配されているバイパス経路21のみを改質ガスが流通しているとする。この状態において、脱硫部3の水添脱硫反応で必要とされる水素量が不足した場合、制御部28によって開閉弁34が開放するように制御される。これにより、改質ガスをリサイクル経路19とバイパス経路21との両方を流通させることができ、原料ガス経路1に供給する改質ガスの流量を増加させることができる。
逆に流通させる改質ガスの流量が過剰となった場合、制御部28によって開閉弁34を閉じるように制御する。これにより、第2固定オリフィス37が配置されたバイパス経路21だけを改質ガスが流通することとなり、原料ガス経路1に供給する改質ガスの流量を減少させることができる。
なお、制御部28による開閉弁34の開閉制御は、昇圧部2から脱硫部3へ供給する原料ガスの流量が所定の閾値以上となるか、あるいは所定の閾値未満となるかに応じて行われるようにあらかじめ設定されている。
このような構成によって変形例1に係る固体酸化物形燃料電池システムでは、供給する原料ガスの流量に応じた適切な水素量を脱硫部3に供給することができるため、所望の硫黄濃度まで脱硫させることができなくなるといった問題が生じることを防止することができる。
また、変形例1に係る燃料電池システムでは、上述したようにリサイクル経路19にのみ開閉弁34を配置した構成であった。しかしながら、バイパス経路21において、第2固定オリフィス37の上流側にも開閉弁を備えた構成としてもよい。このように構成することによって、改質ガスは、バイパス経路21のみを流通する場合、リサイクル経路19のみを流通する場合、リサイクル経路19およびバイパス経路21の両方を流通する場合の3段階で流量を調整することができる。
なお、第1固定オリフィス38および第2固定オリフィス37それぞれを流通する改質ガスの流量は、同じであってもよいし、互いに異なってもよい。
(変形例2)
次に、本実施の形態に係る燃料電池システムの変形例2について図3、4を参照して説明する。図3は実施の形態の変形例2に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。図3では、本実施の形態の変形例2に係る燃料電池システムを側部から見たときの構成を模式的に示している。また図4は、図3に示す燃料電池システム制御処理の一例を示すフローチャートである。
変形例2に係る燃料電池システムは、上述した本実施の形態に係る燃料電池システムと比較して、以下の点で異なる。すなわち、リサイクル経路19上において、加熱部33で加熱された改質ガスの温度を検知する温度検知部(第1温度検知部)36と、凝縮器24から排出される改質ガスの排出温度を検知する排出温度検知部(第2温度検知部)35とをさらに備えている点で異なる。そして、変形例2に係る燃料電池システムでは、凝縮器24から排出された改質ガスの温度と、加熱部33で加熱された改質ガスの温度とのそれぞれの検知結果に応じて、改質ガス流量をより正確に制御するように構成されている。
これ以外の構成については上述した本実施の形態に係る燃料電池システムと同様である。このため、本実施の形態に係る燃料電池システムと同様な部材には同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
上述した構成を有する変形例2に係る燃料電池システムでは、制御部28が以下のように改質ガスの流量を調整するように流量調整部32の開閉を制御する。より具体的には、図4のフローチャートを用いて流量調整部32の開閉動作について説明する。
まず、変形例2に係る燃料電池システムにおいて、固体酸化物形燃料電池6の運転が開始されると(ステップS1)、改質器4によって生成された改質ガスの一部は、凝縮器24へ送出され、残余の改質ガス(燃料)は、固体酸化物形燃料電池6に送出される。
固体酸化物形燃料電池6では、供給された改質ガス(燃料)と空気とを利用して発電反応により発電が行われる。一方、凝縮器24に送出された改質ガスは、この凝縮器24により温度が低下させられ、リサイクル経路19へと排出される。改質ガスがリサイクル経路19へと排出される際、該改質ガスを原料ガス経路1に供給できるように、このリサイクル経路19において加熱部33の下流側に設けられている流量調整部32の弁開度を全開状態とする(ステップS2)。そして、このように流量調整部32を全開状態として、リサイクル経路19を流通する改質ガスを減圧しないようにする。
このようにして、改質ガスをリサイクル経路19内に流通させると、温度検知部36が、加熱部33により加熱された後の改質ガスの温度(T1)を検知し(ステップS3)、制御部28に通知するとともに、排出温度検知部35が、凝縮器24から排出された改質ガスの温度(T2)を検知し(ステップS4)、制御部28に通知する。そして、制御部28は、通知された温度(T1)と温度(T2)とを比較し、温度(T2)よりも温度(T1)の方が大きいか否か判定する(ステップS5)。
ここで、制御部28が、温度(T2)が温度(T1)以上となると判定(ステップS5においてNO)している間は、ステップS2に戻り、このステップS2からステップS4までの処理を繰り返す。
一方、温度(T1)が温度(T2)よりも大きいと判定した場合(ステップS5においてYES)、制御部28は流量調整部32に対して、所定の弁開度に変更するように制御指示を出力する。この制御部28からの制御指示に応じて、流量調整部32は、弁開度を所定の値に変更する(ステップS6)。
そして、制御部28が固体酸化物形燃料電池6の運転終了指示を受け付けるまで(ステップS7において「YES」と判定するまで)、ステップS3からステップS6までの処理を繰り返す。
(変形例3)
また、上記した変形例2の構成において、排出温度検知部35を備えない構成とし、燃料電池システムの制御を、以下のように実施してもよい。なお、この燃料電池システムの制御を、変形例3として図5を参照して説明する。図5は、実施の形態の変形例3に係る燃料電池システムにおける制御処理の一例を示すフローチャートである。
変形例3に係る燃料電池システムは、上述したように、その構成は、排出温度検知部35を備えない点を除き変形例2に係る燃料電池システムと同様であるが、制御部28によって実施される制御処理のフローが異なる。
まず、燃料電池システムにおいて、固体酸化物形燃料電池6の運転が開始されると(ステップS10)、改質器4によって生成された改質ガスの一部は、凝縮器24へ送出され、残余の改質ガス(燃料)は、固体酸化物形燃料電池6に送出される。
個体酸化物形燃料電池6では、供給された改質ガス(燃料)と空気とを利用して発電反応により発電が行われる。一方、凝縮器24に送出された改質ガスは、この凝縮器24により温度が低下させられ、リサイクル経路19へと排出される。
改質ガスがリサイクル経路19へと排出される際、変形例2に係る燃料電池システムの制御フローのステップS2と同様に、流量調整部32の弁開度を全開にする(ステップS11)。そして、温度検知部36が、加熱部33により加熱された後の改質ガスの温度(T1)を検知し(ステップS12)、制御部28に通知する。
制御部28は、温度検知部36からの通知に基づき、加熱部33によって加熱された改質ガスの温度(T1)が、あらかじめ定められた第1閾値未満か否か判定する(ステップS13)。
ここで第1閾値は、例えば、以下のように決めることができる。すなわち、凝縮器24から排出された改質ガスの温度が予め分かっている場合、その温度よりやや高い値を第1閾値として設定することができる。例えば、凝縮器24から排出された改質ガスの温度が約30℃となると分かっているとすると、それよりやや高い温度の40℃を第1閾値として設定することができる。このステップS13によって、加熱部33により改質ガスが減圧時に凝縮水が生成されない程度に加熱されているか否か判定することができる。
つまり、制御部28が温度(T1)は第1閾値未満であると判定した場合(ステップS13において「YES」)、流量調整部32の弁開度の設定値を第1設定値、すなわち改質ガスを減圧させないように流量調整部32の弁開度を全開とする設定値へと変更するように制御する(ステップS15)。そして、この設定された第1設定値に基づき流量調整部32の弁開度が調整される。
一方、制御部28は、ステップS13において「NO」と判定した場合、温度(T1)が第2閾値を越えるか否か判定する(ステップS14)。ここで第2閾値は、例えば、以下のように決めることができる。すなわち、加熱部33による加熱で改質ガスが達するであろうと期待される目標温度(例えば、60℃)を第2閾値として設定することができる。
つまり、制御部28が、温度(T1)は第2閾値を越えると判定した場合(ステップS14において「YES」)、つまり、予想していた以上に加熱部33により改質ガスの温度が上昇させられたと判定した場合、流量調整部32の弁開度の設定値を第3設定値へと変更する。つまり、期待したとおりに加熱部33により改質ガスが加熱されたときに、設定されている弁開度よりもさらに絞った弁開度とする設定値(第3設定値)へと変更するように制御する(ステップS16)。そして、この設定された第3設定値に基づき流量調整部32の弁開度が調整される。
一方、ステップS14において「NO」と判定した場合、つまり、加熱部33による加熱で改質ガスが達するであろうと期待される温度(例えば、60℃)以下となる場合、流量調整部32の弁開度の設定値を第2設定値へと変更する。つまり、期待したとおりに加熱部33により改質ガスが加熱されたときに設定されている弁開度とする設定値(第2設定値)へと変更するように制御する(ステップS17)。そして、この設定された第2設定値に基づき流量調整部32の弁開度が調整される。
以上のように、温度(T1)の値が第1閾値未満か否か、あるいは第2閾値以上か否かの判定結果に応じて、流量調整部32の弁の開度を変更する処理を固体酸化物形燃料電池6の運転終了の指示を受け付けるまで行う(ステップS18)。すなわち、固体酸化物形燃料電池6の運転終了指示を受け付けるまで(ステップS18において「NO」の間)は、ステップS12からステップS17までの処理を繰り返す。
以上のように、流量調整部32の弁開度の設定変更を制御することにより、加熱部33で改質ガスが所望の温度まで十分に加熱されなかったり、リサイクル経路19上で所望の温度よりも冷却してしまったりして、改質ガスの減圧時に凝縮水が発生してしまうような問題をより確実に防止することができる。
(変形例4)
次に、本実施の形態に係る燃料電池システムの変形例4について図6および図7を参照して説明する。図6は実施の形態の変形例4に係る燃料電池システムの構成の一例を示した模式図である。図6では、本実施の形態の変形例4に係る燃料電池システムを側部から見たときの構成を模式的に示している。また図7は、図6に示す燃料電池システムにおける制御処理の一例を示すフローチャートである。
変形例4に係る燃料電池システムは、上述した実施形態の変形例1に係る燃料電池システムの構成において、リサイクル経路19上に、加熱部33での改質ガスの温度を検知する温度検知部36と、凝縮器24から排出される改質ガスの排出温度を検知する排出温度検知部35とをさらに備えた構成とする。そして、変形例4に係る燃料電池システムでは、凝縮器24から排出された改質ガスの温度と、加熱部33で加熱された改質ガスの温度とのそれぞれの検知結果に応じて、原料ガス経路1に供給する改質ガスの流量をより正確に制御するように構成されている。
これ以外の構成については上述した変形例1に係る燃料電池システムと同様である。このため、実施形態に係る燃料電池システムと同様な部材には同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
上述した構成を有する変形例4に係る燃料電池システムは、以下のように改質ガスの流量を制御する。より具体的には、図7のフローチャートを用いて流量調整部32の開閉動作について説明する。
まず、変形例4に係る燃料電池システムにおいて、固体酸化物形燃料電池6の運転が開始されると(ステップS21)、改質器4によって生成された改質ガスの一部は、凝縮器24へ送出され、残余の改質ガス(燃料)は、固体酸化物形燃料電池6に送出される。
固体酸化物形燃料電池6では、供給された改質ガス(燃料)と空気とを利用して発電反応により発電が行われる。一方、凝縮器24に送出された改質ガスは、この凝縮器24により温度が低下させられ、リサイクル経路19へと排出される。
改質ガスがリサイクル経路19へと排出される際、該改質ガスを原料ガス経路1に供給できるように、リサイクル経路19において加熱部33の下流側に設けられている流量調整部32の開閉弁34を開く(ステップS22)。そして、このように開閉弁34を開くことで、改質ガスは、第2固定オリフィス37が配されたバイパス経路21と第1固定オリフィス38が配されたリサイクル経路19との両方を流通し、原料ガス経路1に供給される。
これ以降、ステップS23〜ステップS25までの処理は、図4におけるステップS3からステップS5までの処理と同様であるため、説明は省略する。
図7に示すように、制御部28が、温度(T1)が温度(T2)以下であると判定した場合(ステップS25において「NO」の場合)、ステップS22からステップS24までの処理を繰り返す。一方、制御部28が、温度(T1)の方が温度(T2)よりも大きいと判定した場合(ステップS25において「YES」の場合)、開閉弁34の弁を閉じるように制御する(ステップS26)。そして、制御部28は、固体酸化物形燃料電池6の運転停止指示を受け付けるまで、ステップS23に戻って、それ以降の処理を繰り返す。
(変形例5)
また、上記した変形例4の構成において、排出温度検知部35を備えない構成とし、燃料電池システムの制御を、以下のように実施してもよい。なお、この燃料電池システムの制御を、変形例5として図8を参照して説明する。図8は、実施の形態の変形例5に係る燃料電池システムにおける制御処理の一例を示すフローチャートである。
変形例5に係る燃料電池システムは、上述したように、その構成は、排出温度検知部35を備えない点を除き変形例4に係る燃料電池システムと同様であるが、制御部28によって実施される制御処理フローが異なる。
まず、燃料電池システムにおいて、固体酸化物形燃料電池6の運転が開始されると(ステップS31)、改質器4によって生成された改質ガスの一部は、凝縮器24へ送出され、残余の改質ガス(燃料)は、固体酸化物形燃料電池6に送出される。
固体酸化物形燃料電池6では、供給された改質ガス(燃料)と空気とを利用して発電反応により発電が行われる。一方、凝縮器24に送出された改質ガスは、この凝縮器24により温度が低下させられ、リサイクル経路19へと排出される。
改質ガスがリサイクル経路19へと排出される際、変形例4に係る燃料電池システムの制御フローのステップS22と同様に、開閉弁34を開く(ステップS32)。そして、温度検知部36が、加熱部33により加熱された後の改質ガスの温度(T1)を検知し(ステップS33)、制御部28に通知する。
制御部28は、温度検知部36から受信した通知に基づき、加熱部33によって加熱された改質ガスの温度(T1)が、あらかじめ定められた第1閾値未満か否か判定する(ステップS34)。ここで、制御部28が温度(T1)は第1閾値未満であると判定した場合(ステップS34において「YES」)、開閉弁34を開状態として維持するように制御する(ステップS35)。
一方、制御部28は、ステップS34において「NO」と判定した場合、開閉弁34の弁を閉状態とするように制御する(ステップS36)。
以上のように、温度(T1)の値が第1閾値未満か否かの判定結果に応じて、開閉弁34の弁の開閉を変更する処理を固体酸化物形燃料電池6の運転終了の指示を受け付けるまで行う(ステップS37)。すなわち、固体酸化物形燃料電池6の運転終了指示を受け付けるまで(ステップS37において「NO」の間)は、ステップS33からステップS36までの処理を繰り返す。
以上のように、開閉弁34の開閉を制御することにより、温度(T1)が第1閾値未満か否か、すなわち、凝縮器24から排出された改質ガスの温度よりやや高い温度未満となるか否かに応じて、開閉弁34の開閉を制御することができる。これにより、温度(T1)が第1閾値未満の場合は開閉弁34を開いて、第2固定オリフィス37が配された経路および第1固定オリフィス38が配された経路の両方から改質ガスを流通させ原料ガス経路1に供給することができる。つまり、ほぼ改質ガスを減圧することなく原料ガス経路1に供給することができる。
一方、温度(T1)が第1閾値以上の場合は、開閉弁34を閉じ、改質ガスを第2固定オリフィス37が配されている経路のみ流通させ、減圧させた状態で原料ガス経路1に供給することができる。
このため、加熱部33で改質ガスが所望の温度まで十分に加熱されなかったり、リサイクル経路19上で所望の温度よりも冷却されてしまったりして、改質ガスの減圧時に凝縮水が発生してしまうような問題をより確実に防止することができる。
さらにまた、上述したように、改質ガスの減圧時の再凝縮をより確実に抑制することができるため、脱硫部3への水素添加量を最適な量となるように制御することが可能となり、効率よく安定的に動作させることができる燃料電池システムを提供することができる。
また、流量調整部32を、電磁開閉弁である開閉弁34、第1固定オリフィス38、および第2固定オリフィス37からなる安価で簡易な構成とすることができる。
上記説明から、当業者にとって、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。
従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の燃料電池システムでは、水添脱硫を実施する脱硫部を、適切な温度まで低下させた排ガスにより加熱することができる構成である。このため、原料ガスから水添脱硫により硫黄成分を取り除く燃料電池システムにおいて幅広く適用できる。
1 原料ガス経路
2 昇圧部
3 脱硫部
4 改質器
5 空気熱交換器
6 固体酸化物形燃料電池
7 筐体
9 蒸発器
10 空気経路
11 改質水経路
12 改質空気経路
14 脱硫後原料ガス経路
15 分岐部
16 燃料ガス供給経路
17 空気供給経路
18 減圧部
19 リサイクル経路
20 排ガス経路
21 バイパス経路
22 断熱部
23 燃焼部
24 凝縮器
28 制御部
31 気液分離部
32 流量調整部
33 加熱部
34 開閉弁
35 排出温度検知部
36 温度検知部
37 第2固定オリフィス
38 第1固定オリフィス
40 排水路
50 冷媒経路

Claims (8)

  1. 供給された燃料と空気とを利用して発電反応により発電する固体酸化物形燃料電池と、
    前記固体酸化物形燃料電池で未利用の燃料と空気とを燃焼する燃焼部と、
    原料に含まれる硫黄成分を水添脱硫により除去する脱硫部と、
    前記燃焼部の燃焼による燃焼熱を利用して、前記脱硫部を通過した原料から前記燃料となる改質ガスを生成する改質器と、
    前記改質器から固体酸化物形燃料電池へと改質ガスを供給する改質ガス経路と、
    前記改質ガス経路から分岐し、前記脱硫部の上流側へ前記改質ガスを供給するリサイクル経路と、
    前記リサイクル経路の途中に配置され、前記改質ガス中の水分を凝縮させる凝縮器と、
    前記リサイクル経路において前記凝縮器の下流側に配置され、前記脱硫部の上流側に供給する改質ガスの流量を調整する流量調整部と、を備え、
    前記リサイクル経路は、前記凝縮器と前記流量調整部との間の少なくとも一部が、前記固体酸化物形燃料電池及び前記燃焼部のうちの少なくとも一方の熱により加熱される燃料電池システム。
  2. 少なくとも前記固体酸化物形燃料電池、前記燃焼部、及び改質器を覆う断熱部を備え、
    前記リサイクル経路における前記凝縮器と前記流量調整部との間の少なくとも一部において、前記断熱部を介して、前記固体酸化物形燃料電池及び前記燃焼部のうちの少なくとも一方の熱により加熱される加熱部を有する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記流量調整部は、
    前記リサイクル経路に配置され、該リサイクル経路を流通する前記改質ガスの流量を調整する第1減圧器と、
    前記リサイクル経路から分岐し、前記第1減圧器を迂回するバイパス経路に配置され、該バイパス経路を流通する前記改質ガスの流量を調整する第2減圧器と、を備える、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記加熱部の温度は、前記凝縮器から排出される前記改質ガスの温度よりも高くなる、請求項2または3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記加熱部で加熱された改質ガスの温度を測定する第1温度検知部と、
    前記流量調整部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、第1温度検知部により測定された改質ガスの温度に応じて流量調整部を制御して、前記脱硫部の上流側に供給する改質ガスの流量を調整する請求項2〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記流量調整部は、改質ガスを減圧することで該改質ガスの流量を調整しており、
    前記制御部は、前記第1温度検知部で測定された温度が、前記加熱部により加熱される前の改質ガスの温度を基準に予め設定されている第1閾値温度未満となった場合、前記改質ガスをさらに減圧させないように前記流量調整部を制御する、請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記制御部は、前記第1温度検知部で測定された温度が、加熱後の改質ガスの目標温度として予め設定されている第2閾値温度を超えた場合、該目標温度となる改質ガスに対して行うように予め設定されていた減圧状態よりもさらに減圧するように前記流量調整部を制御する、請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記凝縮器から排出される前記改質ガスの温度を測定する第2温度検知部をさらに備え、
    前記流量調整部は、改質ガスを減圧することで該改質ガスの流量を調整しており、
    前記制御部は、前記第1温度検知部で測定された温度が前記第2温度検知部で測定された温度よりも高い場合、改質ガスを減圧するように前記流量調整部を制御する、請求項5に記載の燃料電池システム。

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