JP2014134585A - 定着装置およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着ムラを発生しにくくしつつ、一方の端部から加熱体の2つの電極に容易に給電可能な定着装置を提供する。
【解決手段】定着フィルム100は、発熱層101aと、導電層103aと、発熱層101aと導電層103aとの間に設けられた絶縁層102bとを重ね合わせて形成されている。2次側コイル121から供給された電流は、2次側コイル121、発熱層101a、第3の導電層103cおよび第1の導電層103aによって構成されたループを流れる。よって、第3の導電層103cおよび第1の導電層103aが電流のリターンパスとして機能する。給電用電線に代えて第3の導電層103cおよび第1の導電層103aを採用しているため、給電用電線と加圧保持部材105とが絡まることもない。さらに、従来のようなジグザグパターンは不要となるため、ジグザグパターンに起因した画像のムラの問題を解決できる。
【選択図】図1
【解決手段】定着フィルム100は、発熱層101aと、導電層103aと、発熱層101aと導電層103aとの間に設けられた絶縁層102bとを重ね合わせて形成されている。2次側コイル121から供給された電流は、2次側コイル121、発熱層101a、第3の導電層103cおよび第1の導電層103aによって構成されたループを流れる。よって、第3の導電層103cおよび第1の導電層103aが電流のリターンパスとして機能する。給電用電線に代えて第3の導電層103cおよび第1の導電層103aを採用しているため、給電用電線と加圧保持部材105とが絡まることもない。さらに、従来のようなジグザグパターンは不要となるため、ジグザグパターンに起因した画像のムラの問題を解決できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、未定着画像を記録材に定着させる定着装置およびそれを備えた画像形成装置に関する。
複写機やレーザープリンター等の画像形成装置では、未定着トナー像を記録材上に定着させる方式としてフィルム加熱方式が知られている。特許文献1によれば、定着フィルムにジグザグのパターンの複数の発熱抵抗部を設け、定着フィルムを加熱することが提案されている。特許文献2では、発熱体への電力供給を非接触で行う定着装置が提案されている。特許文献2の定着装置では、それぞれコアとコイルを備えた1次側コイルと2次側コイルの磁気結合によって、1次側コイルに接続された電源から、2次側コイルに結合された発熱体へ電力が供給されている。
発熱体に電流を流すためには2つの電極が必要となる。特許文献1の定着装置では、定着フィルムの一端側から電流を供給するために、ジグザグパターンの両端の電極のうち給電部から遠方の電極を給電部に接続するためのリターンパスがジグザグパターンと同一の層に配置されている。
しかし、特許文献1では、発熱抵抗部がジグザグパターンであるため、定着フィルムに圧力のムラが発生してしまう。また、リターンパスは線状であり、定着フィルムの回転方向に対して直交する方向に延在しており、これもまた定着フィルムの圧力ムラを引き起こす。さらに、圧力ムラは、印刷画像に濃度ムラやパターン状の模様をもたらすことがある。特許文献2では、定着ローラの芯金の外面に表面離型層及び弾性層を形成し、芯金の内面に一体的に構成された発熱層と絶縁層を形成している。定着ローラに芯金があるため、圧力のムラは発生しにくい。しかし、定着ローラの一端側に1次側コイルと2次側コイルを設けることで加熱体に電力を供給するために、加熱体の2つの電極のうち給電部から遠い側の電極に対してどのように電流を流すかが明確に記載されていない。一部の図面に示されているようにケーブルを定着ローラの一端側から他端側に配線することは技術的に容易ではない。なぜなら、加熱フィルムの内側から加圧ローラに対して加熱フィルムを押圧するステーに対してケーブルが絡まってしまうからである。
そこで、本発明は、定着ムラを発生しにくくしつつ、一方の端部から加熱体の2つの電極に容易に給電可能な定着装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、
回転する中空の定着体と、
前記定着体に圧接して回転する加圧体であって、未定着像を担持する記録材を前記定着体および前記加圧体によって挟持搬送しながら加熱及び加圧することにより当該未定着像を当該記録材に定着させる、前記加圧体と、
前記定着体の内側から前記定着体を前記加圧体に対して押圧し、前記定着体の内側と摺動する押圧部材と、
前記定着体を加熱するための電力を供給する電力供給手段と、
を有し、
前記定着体は、
発熱層と、導電層と、前記発熱層と前記導電層との間に設けられた絶縁層とを重ね合わせて形成されており、前記定着体の回転軸方向における一方の端部において、前記電力供給手段の2つの電極が前記発熱層と前記導電層とにそれぞれ接続されており、前記定着体の回転軸方向における他方の端部において前記発熱層と前記導電層とが前記定着体に設けられた導電性部材によって接続されており、前記電力供給手段から供給された電流が、前記電力供給手段、前記発熱層、前記導電性部材および前記導電層によって構成されたループを流れることを特徴とする定着装置を提供する。
回転する中空の定着体と、
前記定着体に圧接して回転する加圧体であって、未定着像を担持する記録材を前記定着体および前記加圧体によって挟持搬送しながら加熱及び加圧することにより当該未定着像を当該記録材に定着させる、前記加圧体と、
前記定着体の内側から前記定着体を前記加圧体に対して押圧し、前記定着体の内側と摺動する押圧部材と、
前記定着体を加熱するための電力を供給する電力供給手段と、
を有し、
前記定着体は、
発熱層と、導電層と、前記発熱層と前記導電層との間に設けられた絶縁層とを重ね合わせて形成されており、前記定着体の回転軸方向における一方の端部において、前記電力供給手段の2つの電極が前記発熱層と前記導電層とにそれぞれ接続されており、前記定着体の回転軸方向における他方の端部において前記発熱層と前記導電層とが前記定着体に設けられた導電性部材によって接続されており、前記電力供給手段から供給された電流が、前記電力供給手段、前記発熱層、前記導電性部材および前記導電層によって構成されたループを流れることを特徴とする定着装置を提供する。
本発明によれば、発熱層、導電層および絶縁層により定着体を構成し、定着体の回転軸方向における一方の端部において電力供給手段が発熱層と導電層とにそれぞれ接続されており、他方の端部において発熱層と導電層とが導電性部材によって接続されている。よって、導電性部材および導電層が電流のリターンパスとして機能するため、ケーブルを配線するよりも容易に給電できるようになる。また、本発明では、ジグザグパターンは不要となるため、ジグザグパターンに起因した画像のムラの問題を解決できる。
<第1の実施例>
図1を用いて本発明の第1の実施例に係る定着装置について説明する。図1は、定着装置10を回転軸方向に沿って切断したときの断面図である。定着フィルム100に対しては、1次電源11から非接触電力伝送により電力が供給される。これは、ブラシなどを用いて電力を供給する接触電力伝送方式と比較して、摩擦による電極の摩耗が発生しないといった利点がある。
図1を用いて本発明の第1の実施例に係る定着装置について説明する。図1は、定着装置10を回転軸方向に沿って切断したときの断面図である。定着フィルム100に対しては、1次電源11から非接触電力伝送により電力が供給される。これは、ブラシなどを用いて電力を供給する接触電力伝送方式と比較して、摩擦による電極の摩耗が発生しないといった利点がある。
図1が示すように、定着フィルム100は回転するフィルム状かつ中空(つまり無端状)の定着体であり複数の層から構成されている。もっとも内側の層には第1の絶縁層102aが配置されている。第1の絶縁層102aには第1の導電層103aが積層されている。第1の導電層103aの上(外側)には第2の絶縁層102bが積層されている。第2の絶縁層102bの上(外側)には発熱層101aが積層されている。各層は基本的に均一な層厚の円筒形状をなしている。このような積層構造は、定着フィルム100の回転軸方向において記録材が通過する部分で採用されており、記録材が通過しない部分では積層構造が多少異なっている。
定着フィルム100の回転軸方向において、発熱層101aの両端には、それぞれリング状の第2の導電層103bと、第3の導電層103cが形成されている。定着フィルム100の回転軸方向において、第2の導電層103bは一方の端部(図1の左側)に設けられており、第3の導電層103cは他方の端部(図1の右側)に設けられている。このように、第3の導電層103cは、定着フィルム100の2つの端部のうち、定着フィルム100の軸方向において1次電源11から遠い側の端部に設けられ、電流のリターンパスとして機能する。つまり、第3の導電層103cは、発熱層101aと第1の導電層103aとを電気的に接続する導電性部材として機能している。なお、第3の導電層103cも発熱して発熱層として機能してもよい。第2の導電層103bや第3の導電層103cをリング状(円筒形状)の導電性部材とすることで、発熱層101aの全体に電流を供給しやすくなり、温度ムラも発生しにくくなる。
定着フィルム100の軸方向における発熱層101aの幅は、記録材を十分に加熱して未定着のトナー像を定着できる程度の幅を有している。発熱層101aの幅は、設計上想定された記録材の最大幅以上の長さに設定されている。
定着フィルム100の2つの端部のうち、定着フィルム100の軸方向において1次電源11に近い側の端部には、2次側コア122が固定されている。2次側コア122は、定着フィルム100の内周面に取り付けられており、定着フィルム100とともに回転する。2次側コア122には2次側コイル121が巻回されている。2次側コイル121は、定着フィルム100を加熱するための電力を定着フィルム100に供給する電力供給手段として機能する。
2次側コイル121の一端は、発熱層101aと並列に形成された第2の導電層103bに接続されている。2次側コイル121の他端は、第1の導電層103aに接続されている。このように、2次側コイル121、第2の導電層103b、発熱層101a、第3の導電層103cおよび第1の導電層103aは、回路(ループ)を形成している。とりわけ、第3の導電層103cは、発熱層101aから第1の導電層103aへ、または第1の導電層103aから発熱層101aへ電流を受け渡すリターンパスとして機能している。
図2に示すように、定着フィルム100は、加圧ローラ106に連れまわるよう従動ローラとして回転する。定着フィルム100と2次側コア122、2次側コイル121は一体となって構成されているため、定着装置10が稼働しているときには、これらは一体になって回転する。加圧ローラ106は、定着フィルム100に圧接して回転する加圧体である。加圧ローラ106は、未定着像を担持する記録材を定着フィルム100および加圧ローラ106によって挟持搬送しながら加熱及び加圧することにより未定着像を記録材に定着させる。なお、定着フィルム100は、不図示のモータなど、独自の駆動源によって駆動されてもよい。
図1および図2が示すように、2次側コア122および2次側コイル121のさらに内側には、1次側コア112および1次側コイル111が配置されている。つまり、2次側コア122、2次側コイル121、1次側コア112および1次側コイル111は、定着フィルム100の回転軸を中心とした同心円状に配置されている。1次側コイル111と2次側コイル121は電磁気的に結合しているため、1次電源11から供給された電力は、1次側コイル111を介して2次側コイル121に伝送される。これにより非接触電力伝送が実現されている。
電磁誘導により2次側コイル121に発生した電流は、2次側コイル121の一端から給電用の電線を通して定着フィルム100の第2の導電層103bに流れる。給電用の電線はリッツ線など2次側コイル121の一部であってもよい。さらに電流は第2の導電層103bを介して発熱層101aに流れる。発熱層101aを通過した電流は、さらに、第3の導電層103cで折り返され、第1の導電層103aを流れる。さらに、2次側コイル121の他端に電流が流れる。このように、2次側コイル121、第2の導電層103b、発熱層101a、第3の導電層103cおよび第1の導電層103aによって形成されたループを電流が流れる。なお、電流の流れる向きは反対であってもよい。
図1および図2においては、弾性層や離型層を図示していないが、発熱層101aのさらに外側に弾性層や離型層を設けてもよい。このような複数層を有した円筒形状の定着フィルム100は、1層ずつ材料を塗布しながら積層してく方法や、蒸着やスパッタリング等による方法、またはこれらを組み合わせた方法により製造される。
図2が示すように、加圧ローラ106は定着フィルム100を加圧しており、定着フィルム100の一部は扁平になる。つまり、扁平になった部分がいわゆるニップ部として機能する。ニップ部を記録材が通過する際に、記録材および未定着像が加熱および加圧される。
定着フィルム100は、非常に厚さの薄い柔軟体である。よって、記録材に対し十分な圧力を加えることが可能なよう、定着フィルム100の内面側には、加圧保持部材105が設けられている。加圧保持部材105は、定着フィルム100の内周面と摺動し、定着フィルム100を加圧ローラ106の方向に押圧している。このように、加圧保持部材105は、定着フィルム100の内側から定着フィルム100を加圧ローラ106に対して押圧し、定着フィルム100の内側と摺動する押圧部材として機能する。
図3は図2に示したA−A’のライン上の断面を示している。定着フィルム100は、加圧保持部材105によって押圧されるため、加圧ローラ106との間にニップ部を形成できる。記録材P上に形成された像は、ニップ部を通過する際に加圧、加熱され、定着する。記録材は、記録媒体、用紙、シート、転写材、転写紙とよばれてもよい。
図4は図2に示したB−B’のライン上の断面図である。最外層には、定着フィルム100が配置されており、その内側に2次側コア122が配置されている。2次側コア122の内側には、2次側コイル121が巻回されている。2次側コイル121の内周側には、1次側コイル111および1次側コア112が配置されている。2次側コア122と1次側コア112は別体でありそれぞれ非接触であるが、1次側コイル111と2次側コイル121による電磁気的結合により電力が2次側コイル121に誘起される。
1次側コア112の内側には加圧保持部材105が配置されている。加圧保持部材105の両端または片端は、画像形成装置の筐体等に固定される。1次側コア112と加圧保持部材105は互いに接触して固定されてもよい。あるいは互いに接触せず、1次側コア112の中心に設けられた貫通孔を加圧保持部材105の端部が挿し通されていてもよい。このように、第1の実施例では、柔軟体から構成される複数の層を持つ定着フィルム100と加圧ローラ106との間にニップ部を形成するために、定着フィルム100の内側に加圧保持部材105が配置されている。
図5は、ニップ部を形成するために、加圧保持部材105、加圧ローラ106および筐体131等の固定部の構成を表した図である。加圧保持部材105と筐体131との間にバネ部材141を設けることにより、加圧保持部材105が加圧ローラ106に圧力をかけるよう構成されている。加圧ローラ106は筐体131によって軸支されており、位置決めされている。このように加圧保持部材105およびバネ部材141によって加圧ローラ106に押し圧をかけることでニップ部が形成される。図5では、図中の左側のみにバネ部材141を設けているが、反対側にも筐体131およびバネ部材141による加圧機構を設けてもよい。
図6は、ニップ部を形成するために、加圧ローラ106と筐体131との間にバネ部材142を設ける例を示している。加圧保持部材105は筐体131に固定されている。このように加圧ローラ106にバネ部材142を設けることで、定着フィルム100と加圧ローラ106との間にニップ部を形成してもよい。図6では、図中の左側のみにバネ部材142を設けているが、反対側にも筐体131およびバネ部材142による加圧機構を設けてもよい。
ここまで説明してきたように、定着フィルム100に設けられた複数の層によって発熱層101aに給電を行うよう定着装置10が構成されているため、定着フィルム100が回転する際に、給電に用いるケーブル等と加圧保持部材105が絡まることがないといった利点がある。つまり、少なくとも2つの異なる層を介して、定着フィルム100の一方の端部から加熱体である発熱層101aに電力を供給するため、給電が容易になる。
とりわけ、定着フィルム100は、発熱層101a、第2の絶縁層102bおよび第1の導電層103aにより構成されており、さらに、定着フィルム100の他方の端部には、発熱層101aと第1の導電層103aとを電気的に接続する第3の導電層103cが設けられている。発熱層101aを流れた電流は、第3の導電層103で折り返され、第1の導電層103aを流れる(この逆の経路で電流が流れることもある)。よって、定着フィルム100の一端側に電源を設けたとしても、ケーブルが不要となる。つまり、加圧保持部材105と絡まるようなケーブルを削減できる。
また、定着フィルム100の厚さを均一にすることで、加圧や加熱が均一になる。つまり、記録材P上の像を安定して定着させることが可能となる。通常、定着フィルム100の形状は円筒形の形状である。したがって定着フィルム100の断面は図4に示したよう形状になる。しかし、定着フィルム100の軸方向において、発熱層101aがある部分では記録材P上の像を定着させるため、加圧ローラ106との間にニップ部が形成される。図3に示したように、ニップ部が形成された所の定着フィルム100の断面は、コイルやコアが存在する部分の断面とは異なる。このように、定着フィルム100は、実際の動作時では円筒形ではなく、一部の形状が変形することになる。図2、図5および図6に示した定着フィルム100の点線部は、図3と図4に示す断面形状の違いを吸収するための形状遷移部分を表している。
図7は、本発明の電気系ブロック図である。商用の交流電源などからなる電源31から供給される電力は、整流平滑部32にて整流平滑化される。整流平滑部32にて整流平滑化された電力は、コンバータ33に出力される。コンバータ33は、入力された電力をスイッチング方式により所定の出力電圧に変換して出力する。大電力のコンバータとしては、たとえば、フルブリッジ方式等が用いられる。スイッチング周波数は、たとえば、数百kHz程度である。
コンバータ33の出力で1次側コイル111をパルス電圧駆動すると、1次側コイル111および2次側コイル121の電磁気的結合により、2次側コイル121に電流が発生する。この電流は、発熱体である発熱層101aへ供給される。発熱層101aの温度は、図示せぬ温度センサによって計測されており、温度制御回路37は、計測した温度が所定の目標温度になるようコンバータ33を制御する。
本実施例によれば、定着フィルム100は、発熱層101aと、導電層103aと、発熱層101aと導電層103aとの間に設けられた絶縁層102bとを重ね合わせて形成されている。定着フィルム100の回転軸方向における一方の端部には、2次側コイル121の2つの電極が発熱層101aと導電層103aとにそれぞれ接続されている。定着フィルム100の回転軸方向における他方の端部において、発熱層101aと導電層103aとが定着フィルム100に設けられた導電性部材である第3の導電層103cによって接続されている。このように、2次側コイル121から供給された電流が、2次側コイル121、発熱層101a、第3の導電層103cおよび第1の導電層103aによって構成されたループを流れる。よって、第3の導電層103cおよび第1の導電層103aが電流のリターンパスまたは供給パスとして機能するため、従来のように給電用電線を配線するよりも容易に給電できるようになる。また、給電用電線がないため、給電用電線と加圧保持部材105とが絡まることもない。さらに、従来のようなジグザグパターンは不要となるため、ジグザグパターンに起因した画像のムラの問題を解決できる。なお、定着フィルム100を柔軟体とすることで、画像のムラの問題をさらに効率よく解決できよう。
また、本実施例において、第1の導電層103aは、円筒形状で均一な厚みの導体であるため、線状のリターンパスを形成する従来例と比較して、リターンパスに起因した画像のムラの問題を解決できる。
本実施例によれば、2次側コイル121は、定着フィルム100の一方の端部に固定され、定着フィルム100とともに回転する。また、1次側コイル111は、2次側コイル121と対向するように配置されている。1次側コイル111と2次側コイル121との電磁気的結合によって1次側コイル111から2次側コイル121へ電力が非接触で伝送される。なお、2次側コイル121の一端は発熱層101aに接続されており、2次側コイル121の他端は第1の導電層103aに接続されている。このように、本実施例によれば、発熱層101aに非接触で電力を供給することができるため、電気ブラシなど接触方式を採用する従来例と比較して、耐久性と信頼性の高い定着装置10を提供できる。
本実施例によれば、1次側コア112は1次側コイル111を巻回されている。加圧保持部材105の一端は1次側コア112に設けられた貫通部に挿し通されている。これにより、加圧保持部材105を筐体131に固定しやすくしつつ、磁路を効率的に構成することができる。
なお、第3の導電層103cを導電性の発熱部材としてもよい。定着フィルム100の端部で多くの熱量を必要とする定着装置では、導電層103cを導電性の発熱部材とすることは有効であろう。
発熱層101aの一方の端部に円周状の低抵抗部材(リング状の導電性部材)である第2の導電層103bを設け、2次側コイル121を第2の導電層103bに接続してもよい。これにより、定着フィルム100の円周方向にわたって均一な電力供給が可能となる。これは、定着フィルム100の温度ムラを防ぐうえで有用であろう。
また、本実施例では非接触で電力を供給しているが、本発明の効果は発熱体をもつ定着フィルムに対し、定着の安定性を実現することである。そのため他の給電方法として、非接触伝送方式に限定されることはなく、接触伝送方式が採用されてもよい。つまり、ブラシやスリップリング等を用いて、定着フィルム100の軸方向の一端の導電層103に対し接触して給電するよう構成しても本実施例と同様の効果を得ることができる。
<第2の実施例>
本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例が第1の実施例と異なる点は、第3の導電層103cとともにリターンパスを形成していた第1の導電層103aを発熱層に置換した点である。本実施例によれば、発熱層が2層になるため、定着フィルム100の周面における面積あたりの加熱時間を相対的に短縮できる効果を期待できる。
本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例が第1の実施例と異なる点は、第3の導電層103cとともにリターンパスを形成していた第1の導電層103aを発熱層に置換した点である。本実施例によれば、発熱層が2層になるため、定着フィルム100の周面における面積あたりの加熱時間を相対的に短縮できる効果を期待できる。
図8を用いて第2の実施例に係る定着装置について説明する。第1の実施例と同様の部分には同じ符号を付与することで説明の簡明化を図ることにする。第2の実施例では、図8に示すように定着フィルム100を構成する複数の層のうちで2次側コイル121へ電流を折り返して流すために設けられていた第1の導電層103aを第2の発熱層101bに置き換えている。つまり、2層の発熱層として第1の発熱層101aおよび第2の発熱層101bが設けられている。
図8が示すように、電磁誘導により2次側コイル121に発生した電流は、一旦、第2の導電層103bを介して定着フィルム100の外周側に位置する第1の発熱層101aに供給される。次に、折り返し部である第3の導電層103cを介して、定着フィルム100の内周側に位置する第2の発熱層101bにも電流が流れる。さらに、第4の導電層103dを介して2次側コイル121に電流が戻ってくる。なお、電流の向きは反対となることもある。各層は基本的に円筒形状をしている。このように、2次側コイル121、第2の導電層103b、第1の発熱層101a、第3の導電層103c、第2の発熱層101bおよび第4の導電層103dは、回路を形成している。電気回路的には、外周側に配置されている第1の発熱層101aと第2の発熱層101bは直列に接続されている。なお、第1の発熱層101aが導電層に置換されていてもよい。
本実施例においては、図8に示すように折り返し部として第3の導電層103cを設けているが、これも発熱層に置換し、上述した3つの発熱層が電気回路的に1つの発熱層を形成してもよい。
このように、本実施例によれば、第1の導電層103aを導電性の発熱部材である第2の発熱層101bに置換しているため、2層の発熱層が絶縁層を挟んで積層される。こにより、定着フィルム100の発熱効率を第1の実施例よりも改善することができ、より短時間で定着フィルム100の温度を室温から目標定着温度まで上昇させることができる。その他の効果についてはすでに第1の実施例において説明したとおりである。
<その他>
図9を用いて、本発明の定着装置10を適用可能な画像形成装置の基本構成について説明する。図9に示すように、第1の実施例の画像形成装置200は、像担持体および感光体である感光ドラム21を含む画像形成ユニット20を備えたモノクロの画像形成装置である。画像形成ユニット20は未定着像を記録材Pに形成する画像形成部として機能する。
図9を用いて、本発明の定着装置10を適用可能な画像形成装置の基本構成について説明する。図9に示すように、第1の実施例の画像形成装置200は、像担持体および感光体である感光ドラム21を含む画像形成ユニット20を備えたモノクロの画像形成装置である。画像形成ユニット20は未定着像を記録材Pに形成する画像形成部として機能する。
画像形成ユニット20では、帯電ローラ22が感光ドラム21の表面を一様に帯電させる。露光器であるレーザスキャナ25は画像データにしたがってON−OFF変調したレーザービームLを回転多面鏡で偏向し、偏向したレーザービームLで感光ドラム21の表面上を走査する。これにより、感光ドラム21の表面には、画像データに対応した静電潜像が形成される。
現像器23は、その内部で静電潜像と逆極性にトナーを帯電させ、当該トナーを付着させて静電潜像をトナー像へ現像する。クリーニングブレード24は、感光ドラム21を摺擦し、転写部を通過して来た感光ドラム21の表面に残留している転写残トナーを除去する。
給紙ローラ27は、給紙カセット26内の記録材Pを1枚ずつ引き出して搬送路へ送り出す。レジストローラ28と対向ローラは、画像形成ユニット20での画像形成タイミングに合わせて、記録材Pを狭持搬送する。記録材Pは、感光ドラム21と転写ローラ29とで形成される転写部を通過する際に、トナー像を転写される。転写ローラ29には不図示の電源から転写電圧が印加されている。未定着トナー像を担持した記録材Pは、定着装置10へ受け渡される。定着装置10は、上述した構成により、未定着像を担持した記録材Pを加熱および加圧して、未定着像を記録材に定着させる定着部として機能する。すなわち、定着装置10は、未定着トナー像を担持した記録材Pを定着フィルム100により加熱する。さらに、定着フィルム100および加圧ローラ106は未定着トナー像を担持した記録材Pを加圧し、記録材Pの表面に画像が定着する。排紙ローラ30と対向ローラとが、記録材Pを狭持搬送して排紙トレイへ排出する。
本実施例によれば、定着装置10には、従来のようなジグザグパターンは不要となるため、ジグザグパターンに起因した画像のムラの問題を解決できる。その他の効果についてはすでに第1の実施例および第2の実施例において説明したとおりである。
Claims (9)
- 回転する中空の定着体と、
前記定着体に圧接して回転する加圧体であって、未定着像を担持する記録材を前記定着体および前記加圧体によって挟持搬送しながら加熱及び加圧することにより当該未定着像を当該記録材に定着させる、前記加圧体と、
前記定着体の内側から前記定着体を前記加圧体に対して押圧し、前記定着体の内側と摺動する押圧部材と、
前記定着体を加熱するための電力を供給する電力供給手段と、
を有し、
前記定着体は、
発熱層と、導電層と、前記発熱層と前記導電層との間に設けられた絶縁層とを重ね合わせて形成されており、前記定着体の回転軸方向における一方の端部において、前記電力供給手段の2つの電極が前記発熱層と前記導電層とにそれぞれ接続されており、前記定着体の回転軸方向における他方の端部において前記発熱層と前記導電層とが前記定着体に設けられた導電性部材によって接続されており、前記電力供給手段から供給された電流が、前記電力供給手段、前記発熱層、前記導電性部材および前記導電層によって構成されたループを流れることを特徴とする定着装置。 - 前記導電性部材は、円筒形状で均一な厚みの導体であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記定着体の一方の端部に固定され、前記定着体とともに回転する2次側コイルと、
前記2次側コイルと対向するように配置された1次側コイルと
をさらに有し、
前記1次側コイルと前記2次側コイルとの電磁気的結合によって前記1次側コイルから前記2次側コイルへ電力が非接触で伝送され、
前記2次側コイルの一端は前記発熱層に接続されており、前記2次側コイルの他端は前記導電層に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。 - 前記1次側コイルが巻回された1次側コアをさらに備え、
前記押圧部材の一端は前記1次側コアに設けられた貫通部に挿し通されていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。 - 前記導電性部材は、導電性の発熱部材であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記導電層は、導電性の発熱部材であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記定着体は、柔軟体であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記発熱層の一方の端部に電気的に接続されたリング状の導電性部材をさらに有し、前記リング状の導電性部材を介して前記電力供給手段から電力が供給されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 画像形成装置であって、
未定着像を記録材に形成する画像形成部と、
前記未定着像を担持した前記記録材を加熱および加圧して、前記未定着像を前記記録材に定着させる定着部と
を有し、
前記定着部は、
回転する中空の定着体と、
前記定着体に圧接して回転する加圧体であって、未定着像を担持する記録材を前記定着体および前記加圧体によって挟持搬送しながら加熱及び加圧することにより当該未定着像を当該記録材に定着させる、前記加圧体と、
前記定着体の内側から前記定着体を前記加圧体に対して押圧し、前記定着体の内側と摺動する押圧部材と、
前記定着体を加熱するための電力を供給する電力供給手段と、
を有し、
前記定着体は、
発熱層と、導電層と、前記発熱層と前記導電層との間に設けられた絶縁層とを重ね合わせて形成されており、前記定着体の回転軸方向における一方の端部において、前記電力供給手段の2つの電極が前記発熱層と前記導電層とにそれぞれ接続されており、前記定着体の回転軸方向における他方の端部において前記発熱層と前記導電層とが前記定着体に設けられた導電性部材によって接続されており、前記電力供給手段から供給された電流が、前記電力供給手段、前記発熱層、前記導電性部材および前記導電層によって構成されたループを流れることを特徴とする画像形成装置。
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