JP2014134386A - 検査方法、検査システム、プログラム、及び構造物の製造方法 - Google Patents

検査方法、検査システム、プログラム、及び構造物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検物の構造を検査する判定の判定精度の低下を抑制できる。
【解決手段】検査方法は、被検物を測定して、得られる情報に基づいて、被検物の構造を検査する検査方法であって、第1、第2領域を含む被検物を測定することと、第1領域内の構造と、第2領域内の構造とを比較することと、比較した結果を用いて、被検物の良否を判断することと、を含む。
【選択図】図10

Description

本発明は、検査方法、検査システム、プログラム、及び構造物の製造方法に関する。
物体の内部の情報を非破壊で取得する検査システムとして、例えば下記特許文献に開示されているような、物体にX線を照射して、その物体を透過した透過X線を検出する検査システムが知られている。また、X線以外を用いる検査方法により物体の内部の情報を非破壊で取得する検査システムとして、超音波検査システムや核磁気共鳴(MRI)検査システムが知られている。
このような検査システムは、それぞれの検査方法に応じて、物体(被検物)に対して複数の角度方向からそれぞれ照射したエネルギーの変化量をそれぞれ検出する。上記検査システムは、取得した複数のエネルギーの変化量から物体の内部の情報の再構成処理を行うことにより断層画像を取得している。
米国特許出願公開第2009/0268869号明細書
しかしながら、このような検査システムによって断層画像を取得することができても、検査による良否を判定することが困難であった。例えば、検査対象とする領域に類似性の高い構造が含まれる場合であっても、個々の構造を単独にそれぞれ検出することが必要とされている。そのため、被検物の構造を検査する判定において、判定結果のバラツキが大きくなるという問題があり、判定精度の低下を招く虞がある。
本発明の態様は、被検物の構造を検査する判定精度の低下を抑制できる検査方法、検査システム、プログラム、及び構造物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、被検物を測定して、得られる情報に基づいて、被検物の構造を検査する検査方法であって、第1、第2領域を含む被検物を測定することと、第1領域内の構造と、第2領域内の構造とを比較することと、比較した結果を用いて、被検物の良否を判断することと、を含む検査方法が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、被検物の構造を測定して得られた情報に基づいて前記被検物の構造を検査するシステムであって、前記被検物の第1領域内の構造と、前記第1領域とは異なる第2領域内の構造との違いを、前記第1領域内の構造と前記第2領域内の構造とに基づいて比較した結果に基づいて検出する判定部を備える検査システムが提供される。
本発明の第3の態様に従えば、被検物の構造を測定して得られた情報に基づいて前記被検物の構造を検査する検査システムが備える演算処理装置に、前記被検物の第1領域内の構造と、前記第1領域とは異なる第2領域内の構造との違いを、前記第1領域内の構造と前記第2領域内の構造とに基づいて比較した結果に基づいて検出するステップを実行させるためのプログラムが提供される。
本発明の第4の態様に従えば、構造物の形状に関する設計情報を作製する設計工程と、前記設計情報に基づいて前記構造物を作成する成形工程と、作製された前記構造物の形状を計測する測定工程と、前記測定工程で得られた形状情報を請求項18に記載の検査装置及び請求項1から17に記載の検査方法の何れかを用いて検査する検査工程と、を有する構造物の製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、被検物の構造を検査する判定精度の低下を抑制できる。
第1実施形態に係る検出装置の一例を示す図である。 第1実施形態に係るX線源の一例を示す断面図である。 第1実施形態に係る検出装置における処理の一例を示すフローチャートである。 検出装置を備えた構造物製造システムの一例を示す構成図である。 構造物製造システムによる処理の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る制御装置の構成を示す構成図である。 検査対象の測定物の一態様を示す俯瞰図である。 検査対象の測定物の拡大図である。 検査対象の測定物の断面図である。 本実施形態の検査システムによる検査手順を示すフローチャートである。 本実施形態において導出した式にニュートン法を適用した場合の関係式を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をZ軸方向、水平面内においてZ軸方向と直交する方向をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をY軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る検出装置1の一例を示す図である。本実施形態においては、本発明をX線照射型の検査装置に適用した一実施態様について説明する。
検出装置1は、測定物SにX線XLを照射して、その測定物Sを透過した透過X線を検出する。X線は、例えば波長1pm〜30nm程度の電磁波である。X線は、約50keVの超軟X線、約0.1〜2keVの軟X線、約2〜20keVのX線、及び約20〜100keVの硬X線および、100keV以上の放射線の少なくとも一つを含む。
本実施形態において、検出装置1は、測定物SにX線を照射して、その測定物Sを透過した透過X線を検出して、その測定物Sの内部の情報(例えば、内部構造)を非破壊で取得するX線CT検査装置を含む。本実施形態において、測定物Sは、例えば機械部品、電子部品等の産業用部品を含む。X線CT検査装置は、産業用部品にX線を照射して、その産業用部品を検査する産業用X線CT検査装置を含む。
図1において、検出装置1は、X線XLを射出するX線源2と、測定物Sを保持して移動可能なステージ装置3と、X線源2から射出され、ステージ装置3に保持された測定物Sを透過した透過X線を検出する検出器4と、検出装置1全体の動作を制御する制御装置5とを備えている。
また、本実施形態において、検出装置1は、X線源2から射出されるX線XLが進行する内部空間SPを形成するチャンバ部材6を備えている。本実施形態において、X線源2、ステージ装置3、及び検出器4は、内部空間SPに配置される。
本実施形態において、チャンバ部材6は、支持面FR上に配置される。支持面FRは、工場等の床面を含む。チャンバ部材6は、複数の支持部材6Sに支持される。チャンバ部材6は、支持部材6Sを介して、支持面FR上に配置される。本実施形態においては、支持部材6Sにより、チャンバ部材6の下面と、支持面FRとは離れる。すなわち、チャンバ部材6の下面と支持面FRとの間に空間が形成される。なお、チャンバ部材6の下面の少なくとも一部と支持面FRとが接触してもよい。
本実施形態において、チャンバ部材6は、鉛を含む。チャンバ部材6は、内部空間SPのX線XLが、チャンバ部材6の外部空間RPに漏出することを抑制する。
本実施形態おいて、検出装置1は、チャンバ部材6に取り付けられ、チャンバ部材6よりも熱伝導率が小さい部材6Dを有する。本実施形態において、部材6Dは、チャンバ部材6の外面に配置される。部材6Dは、内部空間SPの温度が外部空間RPの温度(温度変化)の影響を受けることを抑制する。すなわち、部材6Dは、外部空間RPの熱が内部空間SPに伝わることを抑制する断熱部材として機能する。部材6Dは、例えばプラスチックを含む。本実施形態において、部材6Dは、例えば発泡スチロールを含む。
X線源2は、測定物SにX線XLを照射する。X線源2は、X線XLを射出する射出部8を有する。X線源2は、点X線源を形成する。本実施形態において、射出部8は、点X線源を含む。X線源2は、測定物Sに円錐状のX線(所謂、コーンビーム)を照射する。
なお、X線源2は、射出するX線XLの強度を調整可能でもよい。X線源2から射出されるX線XLの強度を調整する場合、測定物SのX線吸収特性等に基づいてもよい。また、X線源2から射出されるX線の拡がる形状は円錐状に限られず、例えば、扇状のX線(所謂、ファンビーム)でもよい。
射出部8は、+Z方向を向いている。本実施形態において、射出部8から射出されたX線XLの少なくとも一部は、内部空間SPにおいて、+Z方向に進行する。
ステージ装置3(ステージ駆動部)は、測定物Sを保持して移動可能なステージ9と、ステージ9を移動する駆動システム10とを備えている。
本実施形態において、駆動システム10は、ステージ9を移動させることにより測定物Sの方向を変更することができる。要するに、ステージ装置3は、X線源2から検出器4までに到る方向に対する測定物Sの方向を変更するように、ステージ9を駆動することができる。
本実施形態において、ステージ9は、測定物Sを保持する保持部11を有するテーブル12と、テーブル12を移動可能に支持する第1可動部材13と、第1可動部材13を移動可能に支持する第2可動部材14と、第2可動部材14を移動可能に支持する第3可動部材15とを有する。
テーブル12は、保持部11に測定物Sを保持した状態で回転可能である。テーブル12は、θY方向に移動(回転)可能である。第1可動部材13は、X軸方向に移動可能である。第1可動部材13がX軸方向に移動すると、第1可動部材13とともに、テーブル12がX軸方向に移動する。第2可動部材14は、Y軸方向に移動可能である。第2可動部材14がY軸方向に移動すると、第2可動部材14とともに、第1可動部材13及びテーブル12がY軸方向に移動する。第3可動部材15は、Z軸方向に移動可能である。第3可動部材15がZ軸方向に移動すると、第3可動部材15とともに、第2可動部材14、第1可動部材13、及びテーブル12がZ軸方向に移動する。
本実施形態において、駆動システム10は、第1可動部材13上においてテーブル12を回転させる回転駆動装置16と、第2可動部材14上において第1可動部材13をX軸方向に移動する第1駆動装置17と、第2可動部材14をY軸方向に移動する第2駆動装置18と、第3可動部材15をZ軸方向に移動する第3駆動装置19とを含む。
第2駆動装置18は、第2可動部材14が有するナットに配置されるねじ軸20Bと、ねじ軸20Bを回転させるアクチュエータ20とを備える。ねじ軸20Bは、ベアリング21A、21Bによって回転可能に支持される。本実施形態において、ねじ軸20Bは、そのねじ軸20Bの軸線とY軸とが実質的に平行となるように、ベアリング21A、21Bに支持される。本実施形態において、第2可動部材14が有するナットとねじ軸20Bとの間にボールが配置される。すなわち、第2駆動装置18は、所謂、ボールねじ駆動機構を含む。
第3駆動装置19は、第3可動部材15が有するナットに配置されるねじ軸23Bと、ねじ軸23Bを回転させるアクチュエータ23とを備える。ねじ軸23Bは、ベアリング24A、24Bによって回転可能に支持される。本実施形態において、ねじ軸23Bは、そのねじ軸23Bの軸線とZ軸とが実質的に平行となるように、ベアリング24A、24Bに支持される。本実施形態において、第3可動部材15が有するナットとねじ軸23Bとの間にボールが配置される。すなわち、第3駆動装置19は、所謂、ボールねじ駆動機構を含む。
第3可動部材15は、第2可動部材14をY軸方向にガイドするガイド機構25を有する。ガイド機構25は、Y軸方向に長いガイド部材25A、25Bを含む。アクチュエータ20、及びねじ軸20Bを支持するベアリング21A、21Bを含む第2駆動装置18の少なくとも一部は、第3可動部材15に支持される。アクチュエータ20がねじ軸20Bを回転することによって、第2可動部材14は、ガイド機構25にガイドされながら、Y軸方向に移動する。
本実施形態において、検出装置1は、ベース部材26を有する。ベース部材26は、チャンバ部材6に支持される。本実施形態において、ベース部材26は、支持機構を介して、チャンバ部材6の内壁(内面)に支持される。ベース部材26の位置は、所定の位置で固定される。
ベース部材26は、第3可動部材15をZ軸方向にガイドするガイド機構27を有する。ガイド機構27は、Z軸方向に長いガイド部材を含む。アクチュエータ23、及びねじ軸23Bを支持するベアリング24A、24Bを含む第3駆動装置19の少なくとも一部は、ベース部材26に支持される。アクチュエータ23がねじ軸23Bを回転することによって、第3可動部材15は、ガイド機構27にガイドされながら、Z軸方向に移動する。
なお、図示は省略するが、本実施形態において、第2可動部材14は、第1可動部材13をX軸方向にガイドするガイド機構を有する。第1駆動装置17は、第1可動部材13をX軸方向に移動可能なボールねじ機構を含む。回転駆動装置16は、テーブル12をθY方向に移動(回転)可能なモータを含む。
本実施形態において、テーブル12に保持された測定物Sは、駆動システム10によって、X軸、Y軸、Z軸、及びθY方向の4つの方向に移動可能である。なお、駆動システム10は、テーブル12に保持された測定物Sを、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動させてもよい。また、本実施形態においては、駆動システム10は、ボールねじ駆動機構を含むこととしたが、例えば、ボイスコイルモータを含んでもよい。例えば、駆動システム10は、リニアモータを含んでもよいし、平面モータを含んでもよい。
本実施形態において、ステージ9は、内部空間SPにおいて移動可能である。ステージ9は、射出部8の+Z側に配置される。ステージ9は、内部空間SPのうち、射出部8よりも+Z側の空間で移動可能である。ステージ9の少なくとも一部は、射出部8と対向可能である。ステージ9は、保持した測定物Sを、射出部8と対向する位置に配置可能である。ステージ9は、射出部8から射出されたX線XLが通過する経路上に、測定物Sを配置可能である。ステージ9は、射出部8から射出されたX線XLの照射範囲内に、配置可能である。
本実施形態において、検出装置1は、ステージ9の位置を計測する計測システム28を備えている。本実施形態において、計測システム28は、エンコーダシステムを含む。
計測システム28は、テーブル12の回転量(θY方向に関する位置)を計測するロータリーエンコーダ29と、X軸方向に関する第1可動部材13の位置を計測するリニアエンコーダ30と、Y軸方向に関する第2可動部材14の位置を計測するリニアエンコーダ31と、Z軸方向に関する第3可動部材15の位置を計測するリニアエンコーダ32とを有する。
本実施形態において、ロータリーエンコーダ29は、第1可動部材13に対するテーブル12の回転量を計測する。リニアエンコーダ30は、第2可動部材14に対する第1可動部材13の位置(X軸方向に関する位置)を計測する。リニアエンコーダ31は、第3可動部材15に対する第2可動部材14の位置(Y軸方向に関する位置)を計測する。リニアエンコーダ32は、ベース部材26に対する第3可動部材15の位置(Z軸方向に関する位置)を計測する。
検出器4は、内部空間SPにおいて、X線源2及びステージ9よりも+Z側に配置される。検出器4の位置は、所定の位置で固定される。なお、検出器4が移動可能でもよい。
ステージ9は、内部空間SPのうち、X線源2と検出器4との間の空間を移動可能である。
検出器4は、測定物Sを透過した透過X線を含むX線源2からのX線XLが入射する入射面33を有するシンチレータ部34と、シンチレータ部34において発生した光を受光する受光部35とを有する。検出器4の入射面33は、ステージ9に保持された測定物Sと対向可能である。
シンチレータ部34は、X線が当たることによって、そのX線とは異なる波長の光を発生させるシンチレーション物質を含む。受光部35は、光電子倍増管を含む。光電子倍増管は、光電効果により光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電管を含む。受光部35は、シンチレータ部34において発生した光を増幅し、電気信号に変換して出力する。
検出器4は、シンチレータ部34を複数有する。シンチレータ部34は、XY平面内において複数配置される。シンチレータ部34は、アレイ状に配置される。検出器4は、複数のシンチレータ部34のそれぞれに接続するように、受光部35を複数有する。なお、検出器4は、入射するX線を、光に変換することなく直接電気信号に変換してもよい。
図2は、本実施形態に係るX線源2の一例を示す断面図である。図2において、X線源2は、電子を発生するフィラメント39と、電子の衝突又は電子の透過によりX線を発生するターゲット40と、電子をターゲット40に導く導電子部材41とを備えている。また、本実施形態において、X線源2は、導電子部材41の少なくとも一部を収容するハウジング42を備えている。本実施形態において、フィラメント39、導電子部材41、及びターゲット40のそれぞれが、ハウジング42に収容されている。
フィラメント39は、例えばタングステンを含む。フィラメント39に電流が流れ、その電流によってフィラメント39が加熱されると、フィラメント39から電子(熱電子)が放出される。フィラメント39の形状は、先端が尖っており、その尖った部分から電子が放出される。フィラメント39の形状は、コイル状に巻かれている。
ターゲット40は、例えばタングステンを含み、電子の衝突又は電子の透過によりX線を発生する。本実施形態において、X線源2は、所謂、透過型である。本実施形態において、ターゲット40は、電子の透過により、X線を発生する。
例えば、ターゲット40を陽極とし、フィラメント39を陰極として、ターゲット40とフィラメント39との間に電圧が加えられると、フィラメント39から飛び出した熱電子が、ターゲット(陽極)40に向かって加速し、ターゲット40に照射される。これにより、ターゲット40からX線が発生する。
導電子部材41は、フィラメント39とターゲット40との間において、フィラメント39からの電子の通路の周囲の少なくとも一部に配置される。導電子部材41は、例えば集束レンズ、及び対物レンズ等の電子レンズ、もしくは偏光器を含み、フィラメント39からの電子をターゲット40に導く。導電子部材41は、ターゲット40の一部の領域(X線焦点)に電子を衝突させる。ターゲット40において電子が衝突する領域の寸法(スポットサイズ)は、十分に小さい。これにより、実質的に点X線源が形成される。
X線源2において、ターゲット40に電子が照射されると、その電子のエネルギーのうち、一部のエネルギーが、X線となる。
次に、本実施形態に係る検出装置の動作の一実施態様について説明する。
図3は、本実施形態に係る検出装置における処理を示すフローチャートである。本実施形態においては、図3のフローチャートに示すように、検出装置1のキャリブレーション(ステップSA1)と、測定物Sに対するX線XLの照射及び測定物Sを通過した透過X線の検出(ステップSA2)と、測定物Sの内部構造の算出(ステップSA3)とが実行される。
キャリブレーション(ステップSA1)について説明する。本実施形態における検出装置は、測定系がおかれた温度変化の影響を受け、測定結果に温度に依存する偏差が生じる。検出装置は、測定物Sの測定に先立ち、測定系がおかれた温度に依存する偏差を補正するためのキャリブレーション処理を行う。
キャリブレーションが終了した後、測定物Sの検出が行われる(ステップSA2)。検出において、制御装置5は、測定物Sが保持されたステージ装置3を制御して、測定物SをX線源2と検出器4との間に配置する。
制御装置5は、計測システム28でステージ9の位置を計測しつつ、駆動システム10を制御して、測定物Sを保持したステージ9の位置を調整する。
制御装置5は、X線源2からX線を射出するために、フィラメント39に電流を流す。これにより、フィラメント39が加熱され、フィラメント39から電子が放出される。フィラメント39から放出された電子は、ターゲット40に照射される。これにより、ターゲット40からX線が発生する。
X線源2から発生したX線XLの少なくとも一部は、測定物Sに照射される。所定温度Taにおいて、測定物SにX線源2からのX線XLが照射されると、その測定物Sに照射されたX線XLの少なくとも一部は、測定物Sを透過する。測定物Sを透過した透過X線は、検出器4の入射面33に入射する。検出器4は、測定物Sを透過した透過X線を検出する。所定温度Taにおいて、検出器4は、測定物Sを透過した透過X線に基づいて得られた測定物Sの像を検出する。本実施形態において、所定温度Taにおいて得られる測定物Sの像の寸法(大きさ)は、寸法Wsである。検出器4の検出結果は、制御装置5に出力される。
本実施形態において、制御装置5は、所定温度Taにおいて測定物Sに照射されたX線XLのうち、測定物Sを通過した透過X線の検出結果を、キャリブレーションの結果を用いて補正する。
本実施形態において、制御装置5は、測定物SにおけるX線源2からのX線XLの照射領域を変えるために、測定物Sの位置を変えながら、その測定物SにX線源2からのX線XLを照射する。すなわち、制御装置5は、複数の測定物Sの位置毎で、測定物SにX線源2からのX線XLを照射させて、その測定物Sを透過した透過X線を検出器4で検出させる。
本実施形態において、制御装置5は、測定物Sを保持したテーブル12を回転して、X線源2に対する測定物Sの位置を変えることによって、測定物SにおけるX線源2からのX線XLの照射領域を変える。
すなわち、本実施形態において、制御装置5は、測定物Sを保持したテーブル12を回転させながら、その測定物SにX線XLを照射する。テーブル12の各位置(各回転角度)において測定物Sを通過した透過X線(X線透過データ)は、検出器4に検出される。
検出器4は、各位置における測定物Sの像を取得する。
制御装置5は、検出器4の検出結果から、測定物の内部構造を算出する(ステップSA3)。本実施形態において、制御装置5は、測定物Sの各位置(各回転角度)のそれぞれにおいて測定物Sを通過した透過X線(X線透過データ)に基づく測定物Sの像を取得する。すなわち、制御装置5は、測定物Sの像を複数取得する。
制御装置5は、測定物Sを回転させつつその測定物SにX線XLを照射することにより得られた複数のX線透過データ(像)に基づいて演算を行って、測定物Sの断層画像を再構成して、測定物Sの内部構造の三次元データ(三次元構造)を取得する。これにより、測定物Sの内部構造が算出される。測定物の断層画像の再構成方法としては、例えば、逆投影法、フィルタ補正逆投影法、及び逐次近似法が挙げられる。逆投影法及びフィルタ補正逆投影法に関しては、例えば、米国特許出願公開第2002/0154728号明細書に記載されている。また、逐次近似法に関しては、例えば、米国特許出願公開第2010/0220908号明細書に記載されている。
次に、上述した検出装置1を備えた構造物製造システムについて説明する。
以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
図4は、構造物製造システム200の構成図である。構造物製造システム200は、上述の検出装置1と、成形装置120と、制御装置(検査装置)130と、リペア装置140とを備える。本実施形態においては、構造物製造システム200は、自動車のドア部分、エンジン部品、ギア部品、及び回路基板を備える電子部品等の成形品を作成する。
設計装置110は、構造物の形状に関する設計情報を作成し、作成した設計情報を成形装置120に送信する。また、設計装置110は、作成した設計情報を制御装置130の後述する記憶部131に記憶させる。ここで、設計情報とは、構造物の各位置の座標を示す情報である。本実施形態における設計情報には、測定物Sの大きさ、形状、材質の配置を示す構造情報が含まれる。
成形装置120は、設計装置110から入力された設計情報に基づいて上記構造物を作製する。成形装置120の成形工程は、鋳造、鍛造、及び切削の少なくとも一つを含む。
検出装置1は、測定した座標を示す情報を制御装置130へ送信する。制御装置130は、記憶部131と、検査部132とを備える。記憶部131には、設計装置110により設計情報が記憶される。検査部132は、記憶部131から設計情報を読み出す。検査部132は、検出装置1から受信した座標を示す情報から、作成された構造物を示す情報(形状情報)を作成する。検査部132は、検出装置1から受信した座標を示す情報(形状情報)と記憶部131から読み出した設計情報とを比較、又は、前述の形状情報に含まれる異なる領域の情報どうしを比較する。検査部132は、比較結果に基づいて、構造物が設計情報通りに成形されたか否かを判定する。換言すれば、検査部132は、作成された構造物が良品であるか否かを判定する。検査部132は、構造物が設計情報通りに成形されていない場合、修復可能であるか否か判定する。修復できる場合、検査部132は、比較結果に基づいて、不良部位と修復量を算出し、リペア装置140に不良部位を示す情報と修復量を示す情報とを送信する。
リペア装置140は、制御装置130から受信した不良部位を示す情報と修復量を示す情報とに基づいて、構造物の不良部位を加工する。
図5は、構造物製造システム200による処理の流れを示すフローチャートである。まず、設計装置110が、構造物の形状に関する設計情報を作製する(ステップS101)。次に、成形装置120は、設計情報に基づいて上記構造物を作製(成形)する(ステップS102)。次に、検出装置1は構造物の形状に関する座標を測定する(ステップS103))。次に制御装置130の検査部132は、検出装置1から作成された構造物の形状情報と、上記設計情報とを比較、又は、前述の形状情報に含まれる異なる領域の情報どうしを比較することにより、構造物が設計情報通りに作成された否かを検査する(ステップS104)。
次に、制御装置130の検査部132は、作成された構造物が良品であるか否かを判定する(ステップS105)。作成された構造物が良品である場合(ステップS105 YES)、構造物製造システム200はその処理を終了する。一方、作成された構造物が良品でない場合(ステップS105 NO)、制御装置130の検査部132は、作成された構造物が修復できるか否か判定する(ステップS106)。
作成された構造物が修復できる場合(ステップS106 YES)、リペア装置140は、構造物の再加工を実施し(ステップS107)、ステップS103の処理に戻る。一方、作成された構造物が修復できない場合(ステップS106 YES)、構造物製造システム200はその処理を終了する。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
以上により、上記の実施形態における検出装置1が構造物の座標を正確に測定することができるので、構造物製造システム200は、作成された構造物が良品であるか否か判定することができる。また、構造物製造システム200は、構造物が良品でない場合、構造物の再加工を実施し、修復することができる。
また、本実施形態における構造物製造システム200による測定は、測定物S(被検物)に対してX線XLを投影して、測定物Sを透過した透過X線の少なくとも一部を検出することを含み、透過X線(X線透過データ)の測定により測定物Sの構造が取得される。
なお、本実施形態における検出装置1は、制御装置130における検査の結果から得られた情報を、測定物S(被検物)に対してX線XLを射出するX線源2の交換の要否を判定するための情報としてもよい。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した検出装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
なお、構造物製造システム200(検査システム)が製造する構造物は、検出装置1における前述の測定物Sと同義である。以下の説明において、「測定物S」として説明する。
次に、図6を参照し、制御装置130の詳細について説明する。
図6は、制御装置の構成を示す構成図である。この図6には、制御装置130の他、検出装置1と設計装置110とが合わせて示されている。制御装置130には、検出装置1から測定物Sを測定した結果が供給される。制御装置130には、設計装置110から測定物Sの設計情報が供給される。
構造物製造システム200(検査システム)において、制御装置130(検査部132)は、測定物S(被検物)を測定して、得られる情報に基づいて測定物S(被検物)の構造を検査する。本実施形態における、制御装置130は、測定物S(被検物)のうち、基準とする第1領域内の構造と、基準とする第1領域とは異なる被検査領域としての第2領域内の構造との違いを、第1領域内の構造と第2領域内の構造とに基づいて比較した結果に基づいて検出する。
なお、本実施形態における制御装置130が測定物S(被検物)の構造を検査する検査方法は、少なくとも次の3つのステップを含む。第1のステップとして、第1、第2領域を含む測定物S(被検物)を測定すること。第2のステップとして、第1領域内の構造と、第2領域内の構造とを比較すること。第3のステップとして、第2のステップにおいて比較した結果を用いて、被検物の良否を判断すること。以上のステップをそれぞれ実施することにより、制御装置130は、測定物S(被検物)の構造を検査する。
以下、このような制御装置130について、本実施形態における一実施態様を示す。
本実施形態における制御装置130は、記憶部131、検査部132、設計情報取得部134、及び、測定情報取得部136を備える。
記憶部131は、設計情報記憶部1311、測定情報記憶部1315を備える。
設計情報記憶部1311は、測定物Sの座標情報を含む設計情報を記憶する。
設計情報記憶部1311が記憶する設計情報には、測定物Sの大きさ、形状、材質の配置を示す構造情報が含まれており、設計情報記憶部1311は、測定物Sの位置を示す座標情報に関連付けて、上記構造情報を記憶する。
測定情報記憶部1315は、各々の照射方向毎に検出した透過X線に基づいて生成された複数の情報(検出情報Dact_k)、及び、検出情報Dact_kに基づいて再構成した再構成画像情報を記憶する。
設計情報取得部134は、設計装置110に対する通信の通信処理をする。設計情報取得部134は、設計装置110との通信処理により取得した設計情報を記憶部131に記憶させる。設計装置110より取得した設計情報は、測定物Sの座標情報を含む。
測定情報取得部136は、検出装置1に対する通信の通信処理をする。測定情報取得部136は、検出装置1との通信処理により取得した情報を、測定物Sを検出して得られた複数の情報(検出情報Dact_k)として測定情報記憶部1315に記憶させるとともに、測定物Sを検出して得られた複数の情報(検出情報Dact_k)から再構成した再構成画像を生成する。測定情報取得部136は、再構成した再構成画像を測定情報記憶部1315に記憶させる。
検査部132は、各々のX線SLの照射方向毎に検出した透過X線に基づいて生成された複数の情報(検出情報Dact_k)に基づいて再構成された再構成画像情報によって測定物Sの状態を検出する。
本実施形態における検査部132は、基準座標設定部1321、変換基準設定部1323、基準構造特定部1325、位置変換処理部1327、及び、判定部1329を備える。
基準座標設定部1321は、測定物Sから得られた再構成画像に含まれる繰り返し構造におけるピッチと方向(格子ベクトル)を設定する。基準座標設定部1321は、設計情報記憶部1311に記憶されている設計値に基づいて設定するか、又は、測定情報記憶部1315に記憶されている再構成画像情報から導出した情報に基づいて設定するかの少なくとも何れかの設定方法により設定する。
変換基準設定部1323は、後述の位置変換処理部1327によって行われる変換処理の変換基準を設定する。変換基準設定部1323は、設計情報記憶部1311に記憶されている設計値に基づいて設定するか、又は、測定情報記憶部1315に記憶されている再構成画像情報から導出した情報に基づいて設定するかの少なくとも何れかの設定方法により設定する。
基準構造特定部1325は、測定情報記憶部1315に記憶されている再構成画像情報から導出した情報に基づいて、検査対象を検査する基準とする基準構造を特定する。
位置変換処理部1327は、変換基準設定部1323によって設定された設定方法に従って、基準構造特定部1325によって特定された基準構造の情報に基づいて、基準構造の位置を変換する位置変換処理をする。
判定部1329は、位置変換処理部1327によって変換された基準構造の情報に基づいて、測定情報記憶部1315に記憶されている再構成画像情報によって示される構造を判定する。
検査部132が備える各部の機能についての説明は、後述とする。
(測定物の構造について)
図7から図9を参照し、本実施形態の構造物製造システム200(検査システム)における測定物S(被検物)の一態様を示し、その構造について説明する。
図7は、検査対象の測定物の一態様を示す俯瞰図である。図8は、検査対象の測定物の拡大図である。図9は、検査対象の測定物の断面図である。
図7において示す測定物Sには、測定物S(被検物)内において所定間隔で繰り返される層構造があり、La1からLa3として示される部材により層構造を成して形成されている。例えば、測定物Sは、硬質樹脂(不図示)により形成されているものであり、強度補強のための膜(部材La1からLa3)を硬質樹脂(不図示)内に含むものとする。部材La1からLa3は、例えば、XYZ座標系のXY平面と略平行に配置され、互いに所定の間隔を空けて設けられている。また、測定物Sは、部材La1より+Z軸方向、部材La3より−Z軸方向に図示されない樹脂層がある。
要するに、測定物S(被検物)には、その内部において所定間隔で繰り返される構造(層構造を成す部材La1からLa3)があり、層構造を成す部材La1からLa3がXY平面に沿って設けられており、XY平面と直交するZ軸方向に繰り返されている。そして、部材La1からLa3のそれぞれの間には図示されない樹脂が充填されているものとする。
また、部材La1からLa3のそれぞれは、例えば、X軸方向とY軸方向のそれぞれに沿う繊維状の部材によって織られた膜を形成する。部材La1からLa3として図示されるそれぞれの膜は、X軸方向とY軸方向とにそれぞれ沿う繊維状の部材により平織りされた膜として例示されている。上記膜内において繊維状の部材が格子構造を成している。要するに、測定物S(被検物)内には、所定間隔で繰り返される格子構造の部材がある。このように、部材La1からLa3の各層においては、同様な構造により構成されている。要するに、上記部材La1からLa3のそれぞれにおいて、X軸方向とY軸方向のそれぞれの方向に沿って連続する格子構造があり、設計情報に基づいて予め定められた方向(例えば、X軸方向とY軸方向)に沿って、所定の間隔(ピッチ)に従って繰り返されている。
ここで、部材La1とLa2においては、格子構造の連続性が確保された正常な状態を示す。部材La1における領域Zo1と領域Zo2とには、同じ構成の格子構造が含まれており、領域Zo1と領域Zo2の何れか一方を基準構造として定義することにより、他方に同じ構造が含まれているか否かを判定できる。なお、領域Zo1と領域Zo2の間には、領域Zo1と領域Zo2の何れの領域にも含まれない領域が存在してもよい。
このように測定物Sは、連続性が確保された層構造と格子構造の何れの構造を有する領域が含まれている。一方で、図示されている部材La3においては、一部の領域に格子構造の連続性が確保されていない欠陥を含む部分(領域BZ1とBZ2)が示されている。
図8の拡大図を参照し、上記図7に示した領域BZ1とBZ2についての説明を補足する。図8(a)は、格子構造の連続性が確保された状態を示す。領域BPZに含まれる構造を基準構造として定義したことにより、X軸方向とY軸方向のそれぞれの方向に沿って基準構造が繰り返して設けられており、X軸方向とY軸方向のそれぞれの方向に沿って連続している。領域BPZから所定の距離に含まれる構造を基準構造と定義することにより、X軸方向とY軸方向のそれぞれの方向に沿って基準構造が連続している。
一方、上記図8(a)に対し図8(b)と図8(c)は、格子構造の連続性が確保されていない欠陥を含む部分(領域BZ1とBZ2)をそれぞれ示している。
上記図9(a)と図9(b)は、部材La3において、層構造の連続性が確保されていない欠陥を含む部分(領域BZ1とBZ2)をそれぞれ示している。
要するに、図8(b)と図9(a)において、部材La3における領域BZ1内の構造には、X軸方向の繊維のうち、一部の繊維が欠損(断線)しており、所定の位置に繊維がない状態が示されている。
また、図8(c)と図9(b)において、部材La3における領域BZ2には、Y軸方向の繊維のうち、一部の繊維が、設計情報において定められる所定の位置からX軸方向にずれており、所定の位置に繊維がない状態が示されている。
本実施形態の制御装置130によれば、上記の領域BZ1とBZ2において示されている構造上の欠陥を、部材La3に沿って繰り返し設けられている格子構造に基づいて検出することができる。
さらに、本実施形態の制御装置130によれば、上記の領域BZ1とBZ2において示されている構造上の欠陥を、部材La1からLa3方向(Z軸方向)に、各層が周期性に繰り返し設けられている層構造に基づいて検出することもできる。
このように、本実施形態の制御装置130によれば、構造上の欠陥の検出を、基準構造を単位とする領域毎に行うことにより、検出を行う位置を繰り返し構造が設けられていると推定される位置を基準にして行うようにする。このように、領域を単位として検出することにより、全領域を一様に検出する場合に比べ、重点的に検出する領域と検出を不要とする領域を分類することができることから、検出に必要とされる繰り返し回数を削減することが可能となる。例えば、繰り返し間隔(周期)が100として、製造誤差、検出精度を加味した範囲に所定の構造が存在するか否かを判定するものとした場合に、製造誤差、検出精度を加味した範囲を±10と定めることにより、基準位置(0)を基準に±10の範囲を検出範囲として定めることができる。同条件に従って、特定の2軸によって定められる場合には、一様に検出する場合に比べ、64%の範囲を検出範囲から削減することができる。さらに、特定の方向についてだけ定めた場合には、一様に検出する場合に比べ、80%の範囲を検出範囲から削減することができる。上記の削減率は、一例を示したものであり、測定物と測定条件などにより異なる数値になるが、一様に検出する場合に比べて検出効率を高めることができる。
(内部構造の検査方法の概要)
測定物S(被検物)である硬質樹脂(不図示)内部の構成は、外部から直接確認することができないため、上述の検出装置1により状態の検出(測定)が行われる。
以下、本実施形態の構造物製造システム200(検査システム)における検査に係る処理の概要について順に説明する。
検査部132は、測定物S(被検物)を測定して得られた情報に基づいて測定物S(被検物)の構造を検査する。
検査部132は、上記測定物S(被検物)の被検査対象領域(第1領域)内の構造と、上記被検査対象領域(第1領域)とは異なる領域であって、基準構造を抽出した領域(第2領域)内の構造との違いを、上記被検査対象領域(第1領域)内の構造と上記基準構造を抽出した領域(第2領域)内の構造とに基づいて比較した結果に基づいて検出する。
検査部132は、上記被検査対象領域(第1領域)内の構造と上記基準構造を抽出した領域(第2領域)内の構造とに基づいて比較した結果を基にして、被検査対象領域(第1領域)内の構造が所定の設計仕様に基づいて製造されているか否かを判定する。
また、検査部132が行う判定処理に先立ち、基準構造特定部1325は、基準構造を抽出した領域(第2領域)内の構造に基づいて、上記第2領域内の構造(基準構造)と比較する被検査対象領域(第1領域)内の構造を特定する。ここで、検査部132は、特定された基準構造に基づいて、同じ測定物S内の他の領域を検査する。
また、被検査対象領域(第1領域)と基準構造を抽出した領域(第2領域)の配置について、被検査対象領域(第1領域)と、基準構造を抽出した領域(第2領域)との間には、第3領域が配置されており、判定部1329は、被検査対象領域(第1領域)内の構造と、基準構造を抽出した領域(第2領域)内の構造とを比較する。要するに、被検査対象領域(第1領域)と基準構造を抽出した領域(第2領域)とは、連続していている場合に限られず、被検査対象領域(第1領域)と基準構造を抽出した領域(第2領域)とが連続していなくてもよい。
また、基準構造特定部1325によって被検査対象領域(第1領域)内から特定された基準構造を、位置変換処理部1327が変換処理する。判定部1329は、位置変換処理部1327が変換処理した基準構造と、被検査対象領域(第1領域)内の構造とを比較する。このように、同一の測定物Sから抽出された複数の構造を比較することにより、測定物S内の個体差に応じた比較を容易とすることができる。
例えば、位置変換処理部1327による変換処理として、基準構造特定部1325によって特定された構造(基準構造)に対して、所定の方向(例えば、単位ベクトル方向)に向けての移動処理、所定の軸を中心にした回転処理、所定の位置を中心にした拡大処理のうち、何れかの処理を含む。このように、基準構造を基とした、移動処理、回転処理、拡大(縮小)処理のうちの何れかの処理を少なくとも含み、位置変換処理部1327が上記の変換処理に応じて基準構造に対する変換処理を行う。
また、位置変換処理部1327による変換処理において、複数の変換処理を適用して複数の自由度を有する変換処理を行う場合には、それぞれの変換処理の成分に基づいて、変換処理の次数を制限した近似変換処理を行う。近似変換処理については、後述とする。
また、上記被検査対象領域(第1領域)内から特定される構造として、上記測定物S(被検物)内において所定間隔で繰り返される構造がある場合には、基準構造特定部1325は、上記基準構造を抽出した領域(第2領域)内の構造と上記所定間隔に基づいて比較する上記被検査対象領域(第1領域)内の構造とを特定する。
また、上記被検査対象領域(第1領域)内から特定される構造として、上記測定物S(被検物)内において所定の方向で繰り返される構造がある場合には、基準構造特定部1325は、上記基準構造を抽出した領域(第2領域)内の構造と上記所定方向とに基づいて、比較する上記被検査対象領域(第1領域)内の構造を特定する。
例えば、上記所定の方向は、第1の方向(例えば、X軸方向)、第1の方向(X軸方向)と直交する第2の方向(Y軸方向)とを含む面(XY平面と平行の面)内の任意の方向、もしくは、上記面(XY平面と平行の面)と、上記面に直交する第3の方向(Z軸方向)で形成される空間内の任意の方向の何れかである。
このように、制御装置130は、面内の任意の方向、又は、空間における任意の方向に沿って繰り返される構造を特定する。
上記測定物S(被検物)において繰り返される構造には、層構造と格子構造の何れかが少なくとも含まれる。測定物S(被検物)の構造として、層構造だけ、格子構造だけでもよく、前述の図7から図9に示した層構造と格子構造とが組み合わされた構造であってもよい。
上記測定物S(被検物)において繰り返される構造が上記層構造である場合には、判定部1329は、上記層構造における何れかの層の法線方向に繰り返される間隔に基づいて、上記被検査対象領域(第1領域)内の構造と上記第2領域内の構造との相違を比較する。
上記被検物において繰り返される構造が上記格子構造を含む場合には、判定部1329は、上記格子構造における格子ベクトルの方向に繰り返される間隔に基づいて、上記被検査対象領域(第1領域)内の構造と上記第2領域内の構造との相違を比較する。
このように、判定部1329は、上記被検査対象領域(第1領域)内の構造に含まれる一部の構造を特定して、上記第1領域内の一部の構造と、上記第2領域内の一部の構造とを比較し、上記測定物S(被検物)の構造を検査する。
以下、本実施形態の構造物製造システム200(検査システム)における検査に係る主な処理について順に説明する。
(繰り返し構造におけるピッチと方向(格子ベクトル)を設定する方法)
検査部132において、繰り返し構造におけるピッチと方向(格子ベクトル)を設定する方法について説明する。
次に示す方法により、制御装置130が検査対象とする測定物Sにおいて、繰り返し構造の特徴を示す繰り返し間隔(ピッチ)と方向(格子ベクトル)を、測定部Sの特徴情報として設定する。例えば、繰り返し間隔(ピッチ)と方向(格子ベクトル)は、次の何れかの設定基準により定める。
(a)測定物Sの設計値があり、且つ測定結果に設計値からのずれが小さいと認定される場合
上記の場合、設計値を基準にして、繰り返し構造におけるピッチと方向(格子ベクトル)を設定することを基本とする。
(b)測定物Sの設計値がない場合、或は、設計値があっても、測定結果とのずれが大きいと認定される場合
上記の場合、検出装置1が検出した画像情報から、繰り返し構造におけるピッチと方向(格子ベクトル)を導出して、設定することを基本とする。
画像情報から繰り返し構造を導出するには、画像情報に対してフーリエ変換処理を行い、ピーク値を示す周波数成分(ピーク周波数)を検出する。画像情報によって示される空間周波数のエネルギーは、繰り返し頻度が高い繰り返し構造による周波数成分が強くなる。空間周波数におけるピーク周波数を検出することにより、ピーク周波数に対応する波長が、格子ピッチとして検出できる。
検出結果として判定する情報が1次元の情報として扱える場合には、スカラー量として扱うことができる。
一方、検出結果として判定する情報が2次元又は3次元の情報として扱う場合には、繰り返し構造の方向成分も判定のための特徴量となる。上記の1次元の情報としてピッチを導出した場合と同様に、繰り返し構造の方向(格子ベクトル)についても、フーリエ変換処理において検出されたピーク周波数に基づいて、判定処理を行うことができる。
(基準構造の抽出)
次に、検査部132による基準構造の抽出について説明する。
まず、検査対称の領域を検査するにあたり、検査対称を検査する際に基準とする元画像情報を抽出する。以下の説明において、例えば、抽出する元画像情報をpで表し、元画像情報の位置をrで表す。元画像情報pは、元画像情報の位置rによって参照される離散的なデータの塊として定義され、式(1)のように示される。
Figure 2014134386
式(1)において、rは、例えば、元画像情報の位置(位置r)を示すベクトルとして定義され、式(2)のように示される。
Figure 2014134386
式(1)と式(2)により定義される位置rと、位置rを基準にした元画像情報pを抽出し、抽出した元画像情報pを基準に、元画像情報pと異なる領域の検査を以下に示す検査方法に従って実施する。
元画像情報pから基準構造を抽出する方法として、「方法1」から「方法3」の方法がある。
方法1.繰り返し部分の画像を切り出してそのまま使用する方法。
この「方法1」として示される方法は、検出装置によって検出(取得)された画像の中から、繰り返しの基準構造となる部分を抽出し、抽出した情報をそのまま元画像情報pとして使用する方法である。この方法1においては、式(1)に示した元画像情報pは、位置rに基づいた離散的なデータの塊として表される。
方法2.繰り返し部分の画像を複数切り出し、複数の画像の情報を平均化して使用する方法。
この「方法2」として示される方法は、検出装置によって検出(取得)された画像の中から、繰り返しの基準構造となる部分を複数抽出し、抽出された繰り返しの基準構造として抽出された複数の画像の情報(濃淡情報)を平均化処理する方法である。
なお、抽出された繰り返しの基準構造となる複数の部分には形状(濃淡分布)の微小な違いがそれぞれ含まれている。形状(濃淡分布)の微小な違いは、前述の平滑化処理を施すことにより予め除去しておくことにより、上記の平均化処理による形状(濃淡分布)の微小な違いを際立たせることができる。
上記のように平均化処理をする場合も、元画像情報pは、位置rに基づいた離散的なデータの塊として表される。
方法3.上記方法1や方法2により抽出された元画像情報pにフィットする解析関数を使用する方法。
この「方法3」として示される方法は、上記方法1や方法2により抽出された元画像情報pに基づいて、繰り返しの基準構造となる部分をモデル化する解析関数を定義する方法である。
繰り返しの基準構造となる部分は、元画像情報pから抽出され、位置rに基づいた離散的なデータの塊として表される。検査部132(基準構造特定部1325)は、繰り返しの基準構造となる部分において、元画像情報pにフィットする解析関数を定義する。換言すれば、検査部132(基準構造特定部1325)は、解析関数を定義することにより、繰り返しの基準構造となる部分をモデル化する。
検査部132(基準構造特定部1325)は、繰り返しの基準構造となる部分における元画像情報pにフィットする解析関数を定義するに当たり、元画像情報pを抽出した区間内で連続かつ微分可能(C2級)な関数とする。上記のように定義された解析関数により、元画像情報pに代えて、解析関数に基づいて連続的なデータとして取り扱うことができる。
解析関数を用いる方法の詳細については後述とし、本実施形態においては、上記方法1と方法2によって抽出された、離散的なデータの塊の元画像情報pに基づいた処理を以下に説明する。
(形状変換処理)
元画像情報pとして抽出した情報に基づいて、検査部132(位置変換処理部1327)が形状変換を行う処理について説明する。
まず、2次元の情報を変換する場合について示す。2次元の情報を変換する変換処理には、回転、拡大縮小、直交度の線形変換の組み合わせにより、様々な変換を行うことができる。また、それぞれの線形変換を行う順序を変えることにより、異なる変換結果が導かれる。個々の変換処理において、回転、拡大縮小、直交度による線形変換を個々の行列として示すことができる。回転、拡大縮小、直交度による線形変換を、例えば、変換行列O、M、Rとしてそれぞれ示す。変換行列O、M、Rのそれぞれは、正方行列であるがゆえ、適用する線形変換処理の順に応じて、個々の行列の演算順序を変えることができる。
変換行列O、M、Rの演算順序を変えた場合の結果を式(3)として纏めて示す。
Figure 2014134386
式(3)において、(OMR)、(ORM)、(MOR)、(MRO)、(ROM)、(RMO)の順に変換結果が示されている。例えば、(OMR)は、基となるデータに、回転変換(O)、拡大縮小変換(M)、直交度変換(R)を順に実施した場合を示す。
また、式(3)において、Mは拡大縮小変換(M)におけるX軸方向の倍率を示し、Mは拡大縮小変換(M)におけるY軸方向の倍率を示し、γは直交度変換(R)における変換後のX軸とY軸の直交度を示し、θは回転変換(O)におけるZ軸を基準にした回転角度を示す。
上記の式(3)に示されるように、演算順序が異なると異なる結果になることがわかる。ここで、上記の変換処理を低次にモデル化することにより、式を簡略化して式(4)のように整理する。
Figure 2014134386
上記の式(3)に示されている変換結果のそれぞれは、式(3)に纏めて示されている式毎に異なる結果が導かれるが、式(3)に示す各変換結果を1次の項までに丸めることにより式(4)のように整理することができる。
このように、式(4)によれば、線形処理の順序に関係することなく共通化することができ、さらに演算量を低減できる。
ただし、上記の式(4)は、回転、拡大縮小、直交度の線形変換を、適応順に応じた計算順に従う厳密な変換式から得られる結果と異なる結果を導くものである。変換次数が高くなる条件の場合には、変換前の情報から変換後の情報に対する乖離が大きくなることは明らかである。このような位置関係にある場合においては、情報の一致度を検出するまでもなく、一致性が低いと認定できる。そのため、式(4)のように1次の項までに丸めることにより検出する条件を制限したとしても、検出するべき対象を未検出としてしまうことはない。
本実施形態においては、このような連続性の特徴に着目して、変換式を式(4)のように定めている。
上記の式(4)のように変換処理を低次にモデル化しても、低次にモデル化した影響を受けずに、測定対象Sの検出処理を行うことができる。また、低次にモデル化するために1次までの式に展開したことにより見通しのよい式になり、計算処理を簡素化したことによる計算時間の短縮に貢献できる。
上記式(4)に示した2次元の場合の結果を、アフィン変換形式でそれぞれ記述すると、式(5)になる。
Figure 2014134386
以上に示した変換処理により、検査部132は、2次元の情報を変換することができる。
次に、3次元の情報を変換する場合について示す。
上記において、2次元の変換を示したが、3次元の場合も同様に低次にモデル化するために1次までの項に丸める変換式に基づいて変換処理を行うことができる。
例えば、式(6)に示されるMRを計算すると、U11からU33を要素とする行列が導かれる。
Figure 2014134386
上記式(6)について、2次元の場合と同様に1次の項までに丸めることにより、式(7)を得る。
Figure 2014134386
このように、式(7)に示した3次元の場合の結果を、アフィン変換形式でそれぞれ記述すると、式(8)になる。
Figure 2014134386
以上に示したように、2次元の情報を変換する場合と同様な変換処理により、3次元の情報を変換することができる。
(合わせ込みの処理)
続いて、検査部132(判定部1329)が、基準画像を、検出対象を含む被評価画像に合わせ込む処理について説明する。
基準画像の座標と濃淡分布とを、座標rと濃淡分布p(r)として示す。本実施形態においては、濃淡分布p(r)は滑らかな関数ではなく、上記に記述したような離散値の場合を考える。検出対象を含む領域の被評価画像の座標と濃淡分布をξ、qとして、ξの変換後の座標をRとすれば、ξの変換処理を式(9)に示すことができる。
Figure 2014134386
式(9)において、Δx、Δy、Δzは、それぞれ基準画像から被評価画像までの距離をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の各成分である。
この変換後の座標Rを用いて、式(10)により基準画像の濃淡を導出する。
Figure 2014134386
式(10)に従って、評価領域全体にわたって抽出する。上記式(10)において、piは、式(11)に示す評価値が最小となる画素jにおける濃度を表すこととする。
Figure 2014134386
以上に示したように式(1)から式(11)に従って得られた、評価領域全体におけるpiとqiの差の二乗和が、最小となるような、M,M,M,θ,θ,θ,γ,γ,γ,Δx,Δy,Δzを決定する。
(最小二乗法に基づいた判定)
続いて、検査部132(判定部1329)における最小二乗法に基づいた判定について説明する。
まず、式(12)に示される評価関数Fが定義される。
Figure 2014134386
式(12)において、パラメータR,M,θ,γ,Δrは、それぞれXYZの3成分を持つものとする。例えば、MがM,M,Mを成分とし、θがθ,θ,θを成分とし、γがγ,γ,γを成分とし、ΔrがΔx,Δy,Δzを成分とする。
また、新たにχというパラメータを導入し、画像の濃淡分布を調整することとした。特に、式(13)の関係がある場合には、評価関数Fとして式(14)に示す関係が導かれる。
Figure 2014134386
Figure 2014134386
式(13)に示される関係がある場合、式(14)に示されるようにRは、ξ,M,θ,γの関数であるから、pもξ,M,θ,γの関数となる。したがって、これらのパラメータを求めるために解くべき方程式は式(15)となる。
Figure 2014134386
式(15)に示す方程式は、pをべき級数多項式で表した場合においても非線形となる。
以上に示したように、基準画像を、検出対象を含む被評価画像に合わせ込むことができる。
以上に示した評価関数F、及び、評価関数Fの偏微分計算式からなる連立方程式を定義して、この連立方程式解く。なお、偏微分の計算は、離散値の差分演算とする。
これによって、実際の検出データに基づいた離散値を用いる場合において、上記の連立方程式の解くことにより、評価関数Fに基づいた判定が行える。
(検査手順)
続いて、図10を参照し、以上に示した一連の検査処理を行う検査手順について説明する。図10は、本実施形態の検査システムによる検査手順を示すフローチャートである。以下の示す処理に先立ち、前述の図5のステップS103などの処理において検出装置1によって測定物Sを測定して取得された再構成画像情報が記憶部131において記憶されているものとする。
(測定物Sが、2次元の平面内又は3次元の空間内において繰り返し構造を有する場合の検査手順)
測定物Sに含まれる構造物が、2次元の平面内又は3次元の空間内において繰り返し構造を有している場合の検査手順について説明する。
まず、検査部132における基準座標設定部1321は、得られた画像情報、即ち記憶部131(測定情報記憶部1315)に記憶されている再構成画像情報に対して平滑化処理を行う。例えば、この平滑化処理は、一般の画像処理におけるメディアンフィルターを適用してもよい。検査部132は、この平滑化処理により、得られた画像情報に含まれるランダム性の変動分(ノイズ成分)を除去する(ステップS405)。
次に、基準座標設定部1321は、基準ベクトルを算出する(ステップS410)。例えば、測定物Sが、2次元の平面内又は3次元の空間内において繰り返し構造を有している場合には、基準座標設定部1321は、繰り返し構造を含む面に垂直な方向に基準ベクトルを定める。
上述のステップS410において定めた基準ベクトルの方向を、例えばZ軸方向とする座標変換処理を、基準座標設定部1321は、検査対象領域に含まれる領域の再構成画像情報に対して行う(ステップS415)。
基準座標設定部1321は、繰り返し構造の基準情報を算出する(ステップS420)。例えば、測定物Sが2次元の平面内又は3次元の空間内において繰り返し構造を有している場合には、繰り返し構造のピッチと方向(格子ベクトル)を算出する。
基準構造特定部1325は、以降の検査処理の基準とする基準構造を設定する(ステップS425)。なお、本ステップにおいて設定する基準構造は、再構成画像情報から抽出された情報、又は、再構成画像情報から複数抽出された情報を平均化した情報の何れかの情報に基づいて設定する。
位置変換処理部1327は、繰り返し構造が並ぶ方向に、基準構造を抽出した位置からピッチに応じた距離に、設定した基準構造を移動させる(ステップS430)。
位置変換処理部1327は、基準構造に対して、ずれが少なくなるようなパラメータを導出する(ステップS435)。
位置変換処理部1327は、導出されたパラメータによって変換された結果に対して、予め定められた評価方法による評価値を導出する(ステップS440)。例えば、測定物Sが2次元の平面内又は3次元の空間内において繰り返し構造を有している場合には、位置・形状について、基準構造との差を算出する。要するに、繰り返し構造を有している測定物Sから抽出された構造の位置・形状と基準構造とを比較する。
判定部1329は、評価値に基づいた判定処理として、導出されたパラメータが妥当か否かを判定する(ステップS450)。例えば、この判定処理により、測定物Sに含まれている繰り返し構造における、格子歪や周期性の乱れなどを検出する。
ステップS450における判定により、導出されたパラメータが妥当でないと判定された場合(ステップS450:No)、ステップS435に進む。
一方、ステップS450における判定により、導出されたパラメータが妥当であると判定された場合(ステップS450:Yes)、判定部1329は、基準構造と線形変換後の画像の差を算出する(ステップS455)。
判定部1329は、画像の差が所定の値より大きいか否かを判定する(ステップS460)。
ステップS460における判定により、画像の差が所定の値より大きいと判定された場合(ステップS460:Yes)、判定部1329は、欠陥箇所(不良)と判定し(ステップS470)、ステップS480に進む。
一方、ステップS460における判定により、画像の差が所定の値より大きくないと判定された場合(ステップS460:No)、判定部1329は、正常な箇所(良)と判定し(ステップS475)、ステップS480に進む。
判定部1329は、未判定の箇所が残っているか否かを判定する(ステップS480)。未判定の箇所が残っていると判定された場合(ステップS480:Yes)には、ステップS430に進む。
一方、未判定の箇所が残っていないと判定された場合(ステップS480:No)には、判定部1329は、領域内の検査結果を記憶部131に記録させて検査処理を終える。
以上に示した手順によれば、2次元の平面内又は3次元の空間内において、繰り返して配置される構造物が含まれている測定物Sの検査を行うことができる。
(測定物Sが、所定の方向(1次元方向)に繰り返し構造を有する場合の検査手順)
測定物Sに含まれる構造物が、所定の方向(1次元方向)に繰り返し構造を有している場合について説明する。
所定の方向(一次元方向)に繰り返して配置される構造物が含まれている測定物Sを検査する場合、2次元の平面内又は3次元の空間内を対象とする処理として示した上記手順の一部を以下のように変更する。
基準ベクトルを算出するステップS410において、基準座標設定部1321は、指定位置を基準に積層方向に垂直な方向に基準ベクトルを定める。
また、繰り返し構造の基準情報を算出するステップS420において、基準座標設定部1321は、繰り返し構造のピッチを算出する。
また、導出されたパラメータによって変換された結果に対して、予め定められた評価方法による評価値を導出するステップS440において、位置変換処理部1327は、位置・傾斜角度について、基準構造との差を算出する。
上記のように、図10に示す手順の一部を変更することにより、所定の方向(一次元方向)に繰り返して配置される構造物が含まれている測定物Sを検査することができるようになる。
このように、本実施形態の構造物製造システム200(検査システム)によれば、繰り返し構造を含む測定物S(被検物)の構造を検査する判定精度の低下を抑制できる。
さらに、被検査対象内の構造の良否の判断結果を用いて、被検査物の良否の判断をすることができる。したがって、被検査物の一部の領域内の構造の情報を用いて、被検物の良否を判断することができるので、被検査物の全ての領域の情報を用いることなく被検査物の良否を判断することができる。したがって、被検物の良否を判断するために必要な情報が少なくなるので、被検物の良否判断に用いる情報を削減できる。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。
前述の図6を参照し、第2実施形態における制御装置130の異なる実施態様について説明する。
前述の第1実施形態に示した解析方法において離散情報を基にした解析方法を示したが、以下に示す本実施形態においては、解析関数を用いた解析方法について説明する。
前述のとおり、元画像情報pにフィットする解析関数を定義するに当たり、元画像情報pを抽出した区間内で連続かつ微分可能(C2級)な関数を解析関数として定義することにより、元画像情報pに代えて、解析関数に基づいた連続的なデータとして取り扱うことができる。
第1実施形態において、「抽出された元画像情報pにフィットする解析関数を使用する方法(方法3)」を例示したが、以下の説明においてより具体的な方法について説明する。
方法3a.解析関数をべき級数多項式とする方法。
前述の「方法3」において定義する解析関数をべき級数多項式とする。解析関数をK次の曲面として表すと、式(16)のようになる。
Figure 2014134386
式(16)において、l,m,nは、「0」以上の整数であってl,m,nの合計は、次数であるK以下とする。また、almnは、係数である。
この方法3aにおいては、定義された解析関数に対して、検査領域の離散的データをフィッティングして、解析関数と検査領域の離散的データとの誤差の大きさを所定の評価関数により評価する。所定の評価関数には、例えば最小二乗法が適用できる。このように、解析関数をべき級数多項式とする方法においては、元画像情報pによって示される区間を共通の式で示すことができる。
方法3b.解析関数にフーリエ級数を用いる方法。
前述の「方法3」において定義する解析関数をフーリエ級数とする。解析関数をフーリエ級数に展開して表すと、式(17)のようになる。
Figure 2014134386
上記式(17)において、aとbは係数であり、式(18)により定められる。
Figure 2014134386
元画像情報pにおける各周波数(空間周波数)成分に応じた係数を定めることにより、任意の関数を得ることができる。検査対象領域においても同様にフーリエ級数を算出する。
この方法3bにおいては、定義されたフーリエ級数から算出される周波数スペクトルと、検査対象領域において算出されるフーリエ級数から算出される周波数スペクトルのクロスパワースペクトル又はコンボリューションを算出して評価する。このように、解析関数をフーリエ級数とする方法においては、元画像情報pによって示される区間を共通の式で示すことができる。
方法3c.解析関数に平滑化スプラインを用いる方法。
前述の「方法3」において定義する解析関数を平滑化スプラインとする。
解析関数として平滑化スプライン法による平滑化関数を表すと、式(19)のようになる。
Figure 2014134386
上記式(19)において、λは、平滑関数の滑らかさと、データに対する当てはまり具合のバランスを調整するパラメータであり、平滑化パラメータ(smoothing parameter)と呼ばれている。λの値が大きいほど、滑らかな曲線が得られる。このように、平滑化パラメータの大きさが曲線の滑らかさを左右する。抽出した区間内の曲線の滑らかさが、抽出した区間内で変化する場合には、抽出した区間の全空間で共通にすることができない。このように、解析関数を平滑化スプライン法による平滑化関数とする方法においては、元画像情報pによって示される区間を共通の式で示すと、データに対するあてはまり具合が低下する虞がある。そのため、平滑化パラメータを元画像情報pによって示される区間の中で変化させることが必要となることから、方法3cは、前述の方法3a、方法3bと比べて演算処理の負荷が大きくなる。
以上、方法3aから方法3cとして示した各方法によれば、抽出した区間内を連続する解析関数を定義することにより、抽出したデータが離散データであっても、データ間を補完することが可能になる。例えば、今回導出した式にニュートン法(Newton法)を適用することができる。
図11は、本実施形態において導出した式にニュートン法(Newton法)を適用した場合の関係式を示す説明図である。この図11に示される式(20)に基づいて、今回導出した式の近似解を算出する。この式(20)における各パラメータの初期値において、Δx,Δy,Δzについては、元画像情報pにおける繰り返し構造における座標軸方向のピッチに対応する値に、χは「1」に、他のパラメータは「0」にそれぞれ定める。なお、離散的な基準構造を抽出した区間内で連続かつ微分可能(C2級)な解析関数とすることにより、上記のニュートン法の適用が可能となる。
また、このような検査方法に基づいて処理することにより、構造物製造システム200(検査システム)は、測定物Sの構造を検査することが可能となる。
なお、本実施形態において、前述の図10に示した処理の手順を同様に適用することができる。
このように、本実施形態の構造物製造システム200(検査システム)によれば、繰り返し構造を含む測定物S(被検物)の構造を検査する判定精度の低下を抑制できる。
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。
次に、前述の図4から図11を参照し、構造物製造システム200(検査システム)の異なる実施態様について説明する。
本実施形態における構造物製造システム200(検査システム)は、検出装置1における測定物Sの検出方法が前述の第1実施形態、第2実施形態と異なる。前述の第1実施形態と、第2実施形態とにおける検出装置1は、測定物Sを透過した透過X線の強度を検出するものであったが、本実施形態における検出装置1は、測定物S(被検物)に対して超音波を照射して、測定物S(被検物)を透過した透過超音波の少なくとも一部を検出する。要するに、検出装置1は、測定物S(被検物)を透過した透過超音波の強度を検出するものである。
このように、本実施形態における検出装置1によれば、超音波測定により測定物S(被検物)の構造を取得することができ、透過X線の強度を検出する場合に限ることなく他の検出方式についても適用可能である。なお、超音波検査を行う検出装置1に関しては、例えば、米国登録特許6792808号明細書に記載されている。
このように、本実施形態の構造物製造システム200(検査システム)によれば、超音波測定により測定物S(被検物)の構造を取得する検出装置1が検出した結果を基にする場合においても、繰り返し構造を含む測定物S(被検物)の構造を検査する判定精度の低下を抑制できる。
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。
次に、前述の図4から図11を参照し、構造物製造システム200(検査システム)の異なる実施態様について説明する。
本実施形態における構造物製造システム200(検査システム)は、検出装置1における測定物Sの検出方法が前述の第1実施形態から第3実施形態に示す何れの実施形態とも異なる。前述の第1実施形態から第3実施形態の何れかに記載の検出装置1は、測定物Sを透過した透過X線の強度又は透過した超音波の強度を検出するものであったが、本実施形態における検出装置1は、測定物S(被検物)の磁気共鳴による励起を施し、測定物S(被検物)から磁気共鳴信号の強度を検出して収集するものである。
このように、本実施形態における検出装置1によれば、磁気共鳴信号の強度の測定により測定物S(被検物)の構造を取得することができ、透過X線の強度を検出する場合に限ることなく他の検出方式についても適用可能である。なお、MRI検査を行う検出装置1に関しては、例えば、米国特許公開2007−0257758号明細書に記載されている。
このように、本実施形態の構造物製造システム200(検査システム)によれば、磁気共鳴信号の強度の測定により測定物S(被検物)の構造を取得する検出装置1が検出した結果を基にする場合においても、繰り返し構造を含む測定物S(被検物)の構造を検査する判定精度の低下を抑制できる。
以上に示したように、上記の実施形態における制御装置130は、測定部Sの状態の判定において、判定精度の低下を抑制して、測定部Sの状態を判定することができる。
また、これにより、構造物製造システム200は、作成された構造物が良品であるか否か判定することができる。また、構造物製造システム200は、構造物が良品でない場合、構造物の再加工を実施し、修復することができる。
なお、本実施形態によれば、構造物製造システム200(検査システム)における制御装置130は、測定物S(被検物)の第1領域内の構造と、上記第1領域とは異なる第2領域内の構造との違いを、上記第1領域内の構造と前記第2領域内の構造とに基づいて比較した結果に基づいて検出する。
これにより、制御装置130は、測定物S(被検物)の第1領域内の構造を基にして、第2領域内の構造との違いを検出できるようになることから、構造物製造システム200(検査システム)は、繰り返し構造を含む測定物S(被検物)の構造を検査する判定精度の低下を抑制することができるようになる。
なお、上述の各実施形態においては、検出装置1がX線源を有することとしたが、X線源が検出装置1に対する外部装置でもよい。換言すれば、X線源が検出装置の少なくとも一部を構成しなくてもよい。
上述の各実施形態においては、X線源2及び検出装置1を所定の位置に固定し、ステージを回転させ、測定物Sの像を取得しているが、走査方法はこれに限られない。X線源2及び検出装置1の一方が所定の位置に固定され、他方が移動可能でもよい。また、X線源2及び検出装置1の両方が移動可能でもよい。また、検出装置1は、米国特許公開2005/0254621号明細書、米国特許第7233644号明細書等に開示されているような複数のX線源を備えたX線装置にも適用できる。更に、例えば、米国特許公開2007/685985号、米国特許公開2001/802468号明細書等に開示されているような、被検物(測定物S)を回転させる回転軸に沿って、被検物(測定物S)を順次移動させるヘリカル方式のX線装置にも適用できる。また、更に例えば、米国特許公開2010/0220834号明細書に開示されているような、被検物(測定物S)中を進む際にX線に生じるわずかな偏向を評価する位相コントラスト方式のX線にも適用できる。また、更に例えば、米国特許公開2009/0003514号、又は米国特許公開2007/0230657号明細書等に開示されているような、ベルトコンベアーで被検物(測定物S)を移動させ、X線により被検物(測定物S)を検査するようなX線装置にも適用することができる。
なお、上述の実施形態においては、被検物(測定物S)の良否を判断することとしているが、被検物(測定物S)の欠陥部位の位置を特定することに用いても構わない。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。例えば、上記の説明では、制御装置130と検出装置1とを異なる装置として説明したが、一体の装置として形成してもよい。その場合、制御装置130は、検出装置1の制御装置5が実施する処理も合わせて実施して、被検物(測定物S)の検出(測定)を行うようにしてもよい。また、単に制御装置130と制御装置5とを一体にしてもよい。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した検出装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を本文の記載の一部とする。
なお、上記の実施形態における構造物製造システム200が備える各部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリ及びマイクロプロセッサにより実現させるものであってもよい。
なお、この構造物製造システム200が備える各部は、メモリ及びCPU(演算処理装置)により構成され、構造物製造システム200が備える各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
また、構造物製造システム200、及び制御装置130が備える各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み取らせて、実行することにより各部による処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
1…検出装置、2…X線源、3…ステージ装置、4…検出器、
5…制御装置、110…設計装置、
130…制御装置、131…記憶部、132…検査部、
1325…基準構造特定部、1327…位置変換処理部、1329…判定部、
200…構造物製造システム(検査システム)、
S…測定物(被検物)、SP…内部空間、XL…X線

Claims (21)

  1. 被検物を測定して、得られる情報に基づいて、前記被検物の構造を検査する検査方法であって、
    第1、第2領域を含む被検物を測定することと、
    前記第1領域内の構造と、前記第2領域内の構造とを比較することと、
    比較した結果を用いて、被検物の良否を判断することと、を含む検査方法。
  2. 前記第1領域と前記第2領域との間には、第3領域が配置され、前記第1領域内の構造と前記第2領域内の構造とを比較する、
    請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記第1領域内から特定された構造を変換処理し、前記変換処理した構造と、前記第2領域内の構造とを比較する、
    請求項1又は2に記載の検査方法。
  4. 前記変換処理として、前記特定された構造に対しての、所定の方向に向けての移動処理、所定の軸を中心にした回転処理、所定の位置を中心にした拡大処理のうち、何れかの処理を含む、
    請求項3に記載の検査方法。
  5. 前記変換処理において、複数の変換処理を適用して複数の自由度を有する変換処理を行う場合には、それぞれの変換処理の成分に基づいて、変換処理の次数を制限した近似変換処理を行う、
    請求項3又は4に記載の検査方法。
  6. 前記被検物内において所定間隔で繰り返される構造があり、前記第2領域内の構造と前記所定間隔に基づいて比較する前記第1領域内の構造を特定する、
    請求項1から5の何れか一項に記載の検査方法。
  7. 前記第1領域内から特定される構造は、
    前記被検物内において所定の方向で繰り返される構造があり、前記第2領域内の構造と前記所定の方向に基づいて比較する前記第1領域内の構造を特定する、
    請求項1から6の何れか一項に記載の検査方法。
  8. 前記所定の方向は、第1の方向、前記第1の方向と直交する第2の方向とを含む面内の方向、もしくは、前記面と直交する第3の方向で形成される空間内の方向の何れかである、
    請求項7に記載の検査方法。
  9. 前記被検物において繰り返される構造には、層構造と格子構造の何れかが含まれる、
    請求項1から8の何れか一項に記載の検査方法。
  10. 前記被検物において繰り返される構造が前記層構造である場合には、
    前記層構造における何れかの層の法線方向に繰り返される間隔に基づいて、前記第1領域内の構造と前記第2領域内の構造との相違を比較する、
    請求項9に記載の検査方法。
  11. 前記被検物において繰り返される構造が前記格子構造を含む場合には、
    前記格子構造における格子ベクトルの方向に繰り返される間隔に基づいて、前記第1領域内の構造と前記第2領域内の構造との相違を比較する、
    請求項9又は10に記載の検査方法。
  12. 前記第1領域内の構造に含まれる一部の構造を特定して、前記第1領域内の一部の構造と、前記第2領域内の一部の構造とを比較し、前記被検物の構造を検査する、
    請求項1から11の何れか一項に記載の検査方法。
  13. 前記測定は、前記被検物に対してX線を投影して、前記被検物を透過した透過X線の少なくとも一部を検出することを含み、前記透過X線の測定により前記被検物の構造を取得する、
    請求項1から12の何れか一項に記載の検査方法。
  14. 前記検査の結果から得られた情報を、前記被検物に対してX線を射出するX線源の交換の要否を判定する、
    請求項13に記載の検査方法。
  15. 前記測定は、前記被検物に対して超音波を照射して、前記被検物を透過した透過超音波の少なくとも一部を検出することを含み、前記透過超音波の測定により前記被検物の構造を取得する、
    請求項1から12の何れか一項に記載の検査方法。
  16. 前記測定は、前記被検物の磁気共鳴による励起を施し、前記被検物から磁気共鳴信号を収集し、前記被検物の構造を取得する、
    請求項1から12の何れか一項に記載の検査方法。
  17. 被検物の構造を測定して得られた情報に基づいて前記被検物の構造を検査するシステムであって、
    前記被検物の第1領域内の構造と、前記第1領域とは異なる第2領域内の構造との違いを、前記第1領域内の構造と前記第2領域内の構造とに基づいて比較した結果に基づいて検出する判定部
    を備える検査システム。
  18. 被検物の構造を測定して得られた情報に基づいて前記被検物の構造を検査する検査システムが備える演算処理装置に、
    前記被検物の第1領域内の構造と、前記第1領域とは異なる第2領域内の構造との違いを、前記第1領域内の構造と前記第2領域内の構造とに基づいて比較した結果に基づいて検出するステップ
    を実行させるためのプログラム。
  19. 構造物の形状に関する設計情報を作製する設計工程と、
    前記設計情報に基づいて前記構造物を作成する成形工程と、
    作製された前記構造物の形状を計測する測定工程と、
    前記測定工程で得られた形状情報を請求項17に記載の検査装置及び請求項1から16に記載の検査方法の何れかを用いて検査する検査工程と、を有する構造物の製造方法。
  20. 前記検査工程の比較結果に基づいて実行され、前記構造物の再加工を実施するリペア工程を有する、
    請求項19に記載の構造物の製造方法。
  21. 前記リペア工程は、前記成形工程を再実行する工程である
    請求項20に記載の構造物の製造方法。
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