JP2014134274A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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渉 松原
Akira Hino
顕 日野
Kyohei Suzumura
京平 鈴村
Shinya Toyoda
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Abstract

【課題】エンジン1と無段変速機構4のプライマリプーリ41との間のクラッチ部材(例えば前進用クラッチC1)を係合させる際に、無段変速機構4のベルト挟圧力が過大にならないようにして、耐久性への悪影響を十分に小さくし、かつ燃費の悪化を抑制する。
【解決手段】クラッチ部材を介してプライマリプーリ41に入力するプーリ入力トルクの大きさを推定し、この推定値に応じてベルト挟圧力を制御する(ステップST9)。係合過渡時にはクラッチトルク容量に基づいてプーリ入力トルクの大きさを推定し(ST16→ST8)、係合完了後はクラッチ部材へ入力するトルクの大きさに基づいてプーリ入力トルクの大きさを推定する(ST15→ST8)。
【選択図】図8

Description

本発明は、ベルトやチェーンなどの無端伝動部材を用いた無段変速機の制御装置に関し、特にプーリによる無端伝動部材の挟圧力の制御に係る。
従来より自動車などの車両において、動力源であるエンジンの出力を駆動輪に伝達する変速機として、そのエンジンから入力する回転を無段階に変速可能な無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が知られている。また、CVTとしては一般的に、駆動側および従動側のプーリ間に伝動ベルトを巻き掛けてなるベルト式のものが実用化されている。
このようなベルト式のCVTでは、各プーリの外周のV溝に大きな力で伝動ベルトを挟圧して、その滑りを抑制しなくてはならないが、挟圧力が大きいほど伝動ベルトとの間の摩擦損失が大きくなってしまうし、大きな挟圧力を維持するためには高い油圧も必要になるから、エンジンの燃費が悪化するきらいがある。
この点について例えば特許文献1に記載の無段変速機では、エンジンから出力され、トルクコンバータなどを介してCVTの駆動側プーリに入力するトルクの大きさを推定し、これに応じて挟圧力を制御するようにしている。そして、その推定の精度を高めることによって挟圧力のマージン(余裕代、安全率)を極力、小さくし、損失を低減するようにしている。
特開2007−298104号公報
ところで、近年、車両の停止に応じて自動的にエンジンを停止させる、いわゆるアイドルストップ制御が普及しつつあるが、こうして自動停止したエンジンの再始動時には、その後、直ぐにアクセル踏み操作がなされて、車両が発進することが予測される。このため、例えばエンジンの再始動に応じて発進クラッチを係合させるとともに、これにより入力するトルクによってCVTのベルトが滑らないように、挟圧力を増大させることになる。
その際、CVTへの入力トルクの大きさについては、エンジントルクやトルクコンバータのトルク容量だけでなく、クラッチのイナーシャトルクも考慮する必要があり、また、クラッチの個体ばらつきやクラッチ圧(係合圧力)のばらつきも考慮しなくてはならない。このため、クラッチ圧を基に所定の安全率をかけてクラッチのトルク容量を算出し、これによりCVTへの入力トルクの大きさを推定した上で、この推定したトルクに耐え得るようにベルト挟圧力を増大させることになる。
しかしながら、クラッチが係合してしまえばそのイナーシャトルクを考慮する必要はないので、係合完了後も前記のようにクラッチのトルク容量に基づいてCVTへの入力トルクを推定すると、この推定値に基づいて制御するベルト挟圧力が大きくなり過ぎて、伝動ベルトの耐久性に悪影響を及ぼす虞がある。また、挟圧力を得るための油圧が必要以上に高くなってしまい、燃費の悪化も懸念される。
かかる点に鑑みて本発明の目的は、例えばアイドルストップしたエンジンの再始動のように、クラッチを係合しながらCVT(無段変速機)のベルトなど無端伝動部材の挟圧力を増大させるときに、その挟圧力が過度に大きくならないようにして、無端伝動部材の耐久性への悪影響を十分に小さくし、かつ燃費の悪化を抑制することにある。
前記の目的を達成すべく本発明は、駆動側および従動側のプーリ間に無端伝動部材を巻き掛けてなる無段変速機の制御装置を対象として、前記駆動側のプーリと動力源との間にクラッチ部材が介在されている場合に、当該クラッチ部材を介して駆動側のプーリに入力するトルクの大きさを推定し、この推定値に応じて前記無端伝動部材の挟圧力を制御する挟圧力制御部を備える。そして、この挟圧力制御部は、前記クラッチ部材の係合過渡時にはそのトルク容量に基づいて、前記プーリ入力トルクの大きさを推定する一方、クラッチ部材の係合完了後は当該クラッチ部材へ入力するトルクの大きさに基づいて、前記プーリ入力トルクの大きさを推定するものとする。
前記の特定事項により、例えばアイドルストップからのエンジン再始動時にクラッチ部材を係合させながら、無段変速機におけるベルトなど無端伝動部材の挟圧力を増大させる場合に、クラッチ部材の係合過渡時であればそのイナーシャトルクも含めたトルク容量に基づいて、無段変速機の駆動側プーリに入力するプーリ入力トルクの大きさを推定する。そして、この推定値に基づいて挟圧力制御部により無段変速機の無端伝動部材の挟圧力を十分に大きく制御することで、無端伝動部材の滑りを抑制できる。
一方、クラッチ部材の係合完了後は、当該クラッチ部材に入力するトルクの大きさに基づいて前記プーリ入力トルクの大きさを推定し、この推定値に基づいて挟圧力を制御するので、この挟圧力が必要以上に大きくなることはない。よって、ベルトなど無端伝動部材の耐久性への悪影響を小さくすることができ、挟圧力を得るための油圧の無用の増大を防止して、燃費の悪化を抑制できる。
好ましくは前記挟圧力制御部は、前記クラッチ部材のトルク容量を係合過渡時の係合圧力に基づいて算出し、その際に所定の第1安全率を乗算するとともに、算出したトルク容量に基づいて前記プーリ入力トルクを推定する際に所定の第2安全率を乗算する構成とすればよい。
すなわち、クラッチ部材のトルク容量を算出する際には、その個体ばらつきや係合圧力のばらつきも考慮して所定のマージン(第1安全率)を確保するとともに、トルクが入力する無段変速機の個体ばらつきや外乱も考慮して、無段変速機への入力トルクを推定する際にも所定のマージン(第2安全率)を確保することで、無端伝動部材の滑りをより確実に抑制できる。
一方、こうして二重にマージンを確保する場合には、自ずと無段変速機への入力トルクの推定値が大きくなり易いので、前記のように挟圧力が大きくなってしまい、無端伝動部材の耐久性への悪影響や燃費の悪化といった弊害が生じ易い。よって、このような場合に前記した発明の作用が特に有効なものとなる。
また、前記挟圧力制御部は、前記クラッチ部材に供給される油圧から係合圧力を求めて、係合過渡時のトルク容量を算出するようにしてもよいが、クラッチ部材の係合圧力を制御するクラッチ圧制御部を備えている場合には、その係合圧力の制御目標値に基づいて、クラッチ部材の係合過渡時のトルク容量を算出するようにしてもよい。こうすれば、クラッチ部材の油圧を計測するためのセンサが不要になる。
以上、説明したように本発明に係る無段変速機の制御装置によると、クラッチ部材を係合させて動力源からのトルクを入力しながら、無段変速機のベルトなど無端伝動部材の挟圧力を増大させる際に、クラッチ部材の係合過渡時にはそのイナーシャトルクも含めたトルク容量に基づいて、また、係合完了後はクラッチ部材へ入力するトルクに基づいて、それぞれ無段変速機のプーリ入力トルクを推定するようにしたので、この推定値に基づいて無端伝動部材の挟圧力を過不足なく制御することが可能になり、無端伝動部材の滑りを抑制しながらその耐久性への悪影響を十分に小さくすることができる。また、油圧の徒な増大による燃費の悪化を抑制できる。
本発明を適用する車両のパワートレインの一例を示す概略構成図である。 油圧制御回路の変速比制御部および挟圧力制御部の回路構成図である。 油圧制御回路のクラッチ圧制御部の回路構成図である。 ECU等の制御系の構成の一例を示すブロック図である。 無段変速機の変速制御マップの一例を示す図である。 同ベルト挟圧力の制御マップの一例を示す図である。 前進クラッチの係合圧力の制御マップの一例を示す図である。 エンジン再始動時におけるベルト挟圧力の制御の一例を示すフローチャートである。 ドライブ位置でのエンジン再始動時におけるクラッチ圧の変化、およびこれに伴うベルト挟圧力の変化の一例を示すタイムチャートである。 エンジン再始動時にシフトレバーがドライブ位置に操作された場合についての図9相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。一例として本実施形態では、図1に概略を示すように車両に横置きに搭載されたパワートレインに本発明を適用した場合について説明する。なお、本実施形態の記載はあくまで例示に過ぎず、本発明の構成や用途などについても限定するものではない。
(パワートレインの概略構成)
図1には概略的に示すように、本実施形態のパワートレインは、走行用の動力源であるエンジン1、トルクコンバータ2、前後進切換機構3、無段変速機構4、減速歯車機構5、差動歯車機構6などを備えている。エンジン1のクランクシャフト11はトルクコンバータ2に連結されており、その出力がトルクコンバータ2から前後進切換機構3、無段変速機構4および減速歯車機構5を介して差動歯車機構6に伝達され、左右の駆動輪7へ分配される。
−エンジン−
以下にエンジン1、トルクコンバータ2、前後進切換機構3および無段変速機構4について順に説明すると、まず、エンジン1は一例として多気筒ガソリンエンジンであって、クランクシャフト11の回転数を検出するためのエンジン回転数センサ101を備えている。エンジン1の吸気量を調整するスロットルバルブ12は、運転者によるアクセル操作とは独立して開度(スロットル開度Th)を調整可能な電子制御式のものであり、その実際の開度はスロットル開度センサ102によって検出される。
前記エンジン回転数センサ101やスロットル開度センサ102からの信号はECU(Electronic Control Unit)8に入力され、これを受けたECU8は、スロットルモータ13に制御信号を送って、目標吸気量が得られるようにスロットル開度Thを調整する。目標吸気量は、エンジン回転数Neや運転者によるアクセル操作量(アクセル開度Acc)などに応じて決定すればよい。
また、エンジン1にはその始動時にクランクシャフト11を強制回転(クランキング)させるスタータモータ16が設けられ、本実施形態ではアイドルストップ制御により自動停止した後の再始動時に、ECU8からの制御信号によってスタータモータ16が作動される。さらに、エンジン1には冷却水温を検出するためのエンジン水温センサ103が設けられている。
−トルクコンバータ−
トルクコンバータ2は、入力側のポンプインペラ21と、出力側のタービンランナ22と、トルク増幅機能を発現するステータ23と、ワンウェイクラッチ24とを備えており、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で作動油(ATF)によって動力伝達を行う。ポンプインペラ21はエンジン1のクランクシャフト11に連結されており、一方、タービンランナ22はタービンシャフト25を介して前後進切換機構3に連結されている。
また、トルクコンバータ2は、その入力側と出力側とを直結するロックアップクラッチ26も備えている。ロックアップクラッチ26は、係合側油室内の油圧と解放側油室内の油圧との差圧(ロックアップ差圧)を制御することによって、完全係合、半係合(スリップ状態での係合)または解放のいずれかの状態に切り替えられる。
そして、ロックアップクラッチ26の解放状態では、前記のようにATFによってポンプインペラ21からタービンランナ22に動力が伝達されるが、タービンランナ22の回転数(タービン回転数Nt)がポンプインペラ21の回転数(エンジン回転数Neと同じ)よりも低い状態では、その回転差に応じてタービンシャフト25への出力トルクが増幅される。
なお、本実施形態ではトルクコンバータ2に、そのポンプインペラ21に連結されて駆動される機械式のオイルポンプ9が設けられている。このオイルポンプ9は、例えばギヤポンプ、ベーンポンプなどからなり、ポンプインペラ21を介してエンジン1のクランクシャフト11によって駆動される。
−前後進切換機構−
前後進切換機構3は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構30、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1を備えている。遊星歯車機構30のサンギヤ31はトルクコンバータ2のタービンシャフト25に連結されており、前進用クラッチC1の近傍にタービンシャフト25の回転数を検出するタービン回転数センサ104が配置されている。一方、遊星歯車機構30のキャリア33は無段変速機構4の入力軸40に連結されている。
そして、前記キャリア33とサンギヤ31とが前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、リングギヤ32は後進用ブレーキB1を介してハウジングに選択的に固定されるようになっている。すなわち、前進用クラッチC1が係合され、後進用ブレーキB1が解放されることにより、前後進切換機構3が一体に回転するようになって前進用動力伝達経路が成立し、この状態で、前進方向の駆動力が無段変速機構4側へ伝達される。
一方、後進用ブレーキB1が係合され、前進用クラッチC1が解放されると、前後進切換機構3によって後進用動力伝達経路が成立する。この状態で、入力軸40はタービンシャフト25に対して逆方向へ回転し、この後進方向の駆動力が無段変速機構4側へ伝達される。また、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1がともに解放されると、前後進切換機構3は動力伝達を遮断するニュートラル状態になる。
つまり、前記前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1がそれぞれ、以下に説明する無段変速機構4のプライマリプーリ41(駆動側のプーリ)と、動力源であるエンジン1との間に介在されたクラッチ部材である。これらのクラッチ部材の油圧(クラッチ圧)は、後述する油圧制御回路20のクラッチ圧制御部20cによって制御される。
−無段変速機構−
本実施形態では無段変速機構4は、前記のトルクコンバータ2および前後進切換機構3を介してエンジン1から入力する回転を、無段階に変速して出力可能なベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)からなる。無段変速機構4は、入力側のプライマリプーリ41、出力側のセカンダリプーリ42(従動側のプーリ)、および、これらプライマリプーリ41とセカンダリプーリ42との間に巻き掛けられた金属製の伝動ベルト43(無端伝動部材:チェーンであってもよい)などを備えている。
プライマリプーリ41の近傍にはプライマリプーリ回転数センサ105が配置されている。このプライマリプーリ回転数センサ105の出力信号から、無段変速機構4の入力軸回転数Ninを算出することができる。また、セカンダリプーリ42の近傍にはセカンダリプーリ回転数センサ106が配置されており、その出力信号から無段変速機構4の出力軸回転数Noutを算出することができる。さらに、セカンダリプーリ回転数センサ106の出力信号に基づいて車速spdを算出することもできる。
詳しくはプライマリプーリ41は、入力軸40に固定された固定シーブ411と、入力軸40に軸方向のみの摺動が可能な状態で配設された可動シーブ412とを備えている。そして、可動シーブ412側に配設された油圧アクチュエータ413によって、固定シーブ411と可動シーブ412との間のV溝幅を変更することで、伝動ベルト43の巻き掛け径(有効径)が変更されるようになっている。
同様にセカンダリプーリ42も、出力軸44に固定された固定シーブ421と、出力軸44に軸方向に摺動可能に配設された可動シーブ422とを備えており、可動シーブ422側に配設された油圧アクチュエータ423によって固定シーブ421と可動シーブ422との間のV溝幅を変更することで、伝動ベルト43の巻き掛け径(有効径)が変更されるようになっている。
そして、前記プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413を制御して、プライマリプーリ41およびセカンダリプーリ42の各V溝幅を変更することによって、両プーリ41,42の有効径を連続的に変化させて、変速比γを連続的に変化させることができる。なお、変速比γは、γ=入力軸回転数Nin/出力軸回転数Noutと定義され、例えばプライマリプーリ41の有効径が大きくなり、セカンダリプーリ42の有効形が小さくなるときに、変速比γは小さくなる。
そうしてプライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413を制御して、プライマリプーリ41およびセカンダリプーリ42のそれぞれの有効径を変化させる際に、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423は、伝動ベルト43の滑りが発生しないように所定の挟圧力を発生する。すなわち、後述するように予め設定された制御マップに従って油圧アクチュエータ423の油圧が制御され、これによりベルト挟圧力の制御が行われる。
(油圧制御回路)
次に、前記トルクコンバータ2、前後進切換機構3および無段変速機構4などを制御する油圧制御回路20について説明する。本実施形態の油圧制御回路20は、前記のように無段変速機構4の変速比γを変更する際に、主にプライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413の油圧を制御する変速制御部20aと、主にセカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423の油圧を制御する挟圧力制御部20bとを備えている。
また、油圧制御回路20は、前後進切換機構3の前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1の係合および解放のために、それらの油圧を制御してクラッチ圧(係合圧力)を制御するクラッチ圧制御部20cも備えている。さらに、油圧制御回路20は、図1には示さないが、ライン圧の制御やロックアップクラッチ26の係合及び解放のための油圧制御も行うように構成されている。
詳しくは図2に示すように油圧制御回路20は、プライマリレギュレータバルブ201、セレクトバルブ202、ライン圧モジュレータバルブ203、ソレノイドモジュレータバルブ204、リニアソレノイドバルブ(SLP)205、リニアソレノイドバルブ(SLS)206、変速コントロールバルブ207、および、ベルト挟圧力コントロールバルブ208などを備えている。
また、油圧制御回路20は、前記したようにエンジン1からの駆動力によって駆動される機械式オイルポンプ9の他に、電動機91を動力源とする電動オイルポンプ90を備えている。機械式オイルポンプ9と電動オイルポンプ90とは並列接続されている。さらに、図3に示すように油圧制御回路20は、リニアソレノイドバルブ(SLT)209、ガレージシフトバルブ210、オンオフソレノイドバルブ(SL)217、およびマニュアルバルブ220なども備えている。
この油圧制御回路20においては、まず、機械式オイルポンプ9(エンジン停止中は電動オイルポンプ90)により生成された油圧が、例えばリリーフ型のプライマリレギュレータバルブ201により調圧されてライン圧PLとなる。一例としてプライマリレギュレータバルブ201には、リニアソレノイドバルブ(SLS)206から出力される制御油圧がセレクトバルブ202を介して供給され、その制御油圧をパイロット圧として作動するようになっている。
そうしてプライマリレギュレータバルブ201により調圧されたライン圧PLは、ライン圧モジュレータバルブ203に供給されて一段、低いモジュレートライン圧LPM2に調圧される他に、変速コントロールバルブ207およびベルト挟圧力コントロールバルブ208には、そのままライン圧PLとして供給される。変速コントロールバルブ207およびベルト挟圧力コントロールバルブ208については後述する。
一方、ライン圧モジュレータバルブ203によって調圧されたモジュレートライン圧LPM2は、図2に示すようにソレノイドモジュレータバルブ204、リニアソレノイドバルブ(SLP)205、リニアソレノイドバルブ(SLS)206に供給される。また、図3に示すようにモジュレートライン圧LPM2は、リニアソレノイドバルブ(SLT)209およびガレージシフトバルブ210にも供給される。
前記ソレノイドモジュレータバルブ204は、モジュレートライン圧LPM2をさらに低圧のモジュレータ油圧PSMに調圧する。このモジュレータ油圧PSMは、図2に示すように変速コントロールバルブ207およびベルト挟圧力コントロールバルブ208などに供給される。また、図3に示すようにモジュレータ油圧PSMは、オンオフソレノイドバルブ(SL)217を介してガレージシフトバルブ210にも供給される。
前記リニアソレノイドバルブ(SLP)205、リニアソレノイドバルブ(SLS)206は、一例としてノーマルオープンタイプの電磁ソレノイドバルブであって(ノーマルクローズタイプであってもよい)、それぞれ、ECU8から送信される制御信号のデューティ比に応じて作動されて、モジュレートライン圧LPM2を元圧とする制御油圧を出力する。
こうして出力される制御油圧は、以下に説明するように変速コントロールバルブ207に供給されて、無段変速機構4の変速制御に供されるとともに、ベルト挟圧力コントロールバルブ208に供給されて、挟圧力制御に供される。また、リニアソレノイドバルブ(SLS)206からの制御油圧は、上述したようにプライマリレギュレータバルブ201にも供給される。
−変速制御部−
次に、図2を参照して、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413の油圧を制御する変速制御部20aについて、詳細に説明する。図示のように無段変速機構4のプライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413(以下、プライマリ側油圧アクチュエータ413ともいう)には、その油圧を制御する変速コントロールバルブ207が接続されている。
変速コントロールバルブ207は概略円筒状のスプール弁からなり、軸方向に移動可能なスプール271を備えていて、その一端側(図2の下端側)には、圧縮コイルばね272が圧縮状態で配置されているとともに、制御油圧ポート273が設けられている。この制御油圧ポート273には、リニアソレノイドバルブ(SLP)205からの制御油圧が印加される。
また、変速コントロールバルブ207には、ライン圧PLが供給される入力ポート274、および、プライマリ側油圧アクチュエータ413に接続される出力ポート275が設けられている。そして、変速コントロールバルブ207は、リニアソレノイドバルブ(SLP)205から出力される制御油圧をパイロット圧としてライン圧PLを調圧し、出力ポート275からプライマリ側油圧アクチュエータ413へ供給する。
つまり、リニアソレノイドバルブ(SLP)205からの制御油圧に応じて調圧された変速コントロールバルブ207の出力油圧Pin(以下、プライマリシーブ油圧Pinともいう)が、プライマリ側油圧アクチュエータ413に供給される。これにより、プライマリ側油圧アクチュエータ413の油圧が制御され、無段変速機構4の変速比γが制御される。
具体的には、プライマリ側油圧アクチュエータ413に所定の油圧が供給されている状態で、リニアソレノイドバルブ(SLP)205からの制御油圧が増大すると、変速コントロールバルブ207のスプール271が図2の上側に変位して出力油圧Pinが増大し、プライマリ側油圧アクチュエータ413の油圧も増大する。その結果、プライマリプーリ41のV溝幅が狭くなって、変速比γは小さくなる。
反対にリニアソレノイドバルブ(SLP)205からの制御油圧が低下すれば、変速コントロールバルブ207のスプール271は図2の下側に変位して出力油圧Pinが低下し、プライマリ側油圧アクチュエータ413の油圧も低下する結果、プライマリプーリ41のV溝幅が広くなって、変速比γは大きくなる。
前記のような変速制御部20aの制御はECU8によって行われる。すなわち、後述する制御マップ(図5参照)に従って、ECU8により無段変速機構4の目標変速比(本例では目標入力回転数Nint)が算出され、この目標変速比と実際の変速比γとの偏差に応じて制御信号が生成される。この制御信号を受けて前記のようにリニアソレノイドバルブ(SLP)205からの制御油圧が調圧され、無段変速機構4のプライマリ側油圧アクチュエータ413の油圧が制御される。
−挟圧力制御部−
次に、前記変速制御部20aと同様に挟圧力制御部20bについて詳細に説明すると、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423(以下、セカンダリ側油圧アクチュエータ423ともいう)には、その油圧を制御するためにベルト挟圧力コントロールバルブ208が接続されている。
このベルト挟圧力コントロールバルブ208は概略円筒状のスプール弁からなり、軸方向に移動可能なスプール281を備えていて、その一端側(図2の下端側)には、圧縮コイルばね282が圧縮状態で配置されているとともに、制御油圧ポート283が設けられている。この制御油圧ポート283に前記のリニアソレノイドバルブ(SLS)206からの制御油圧が印加される。
また、ベルト挟圧力コントロールバルブ208には、ライン圧PLの供給される入力ポート284、および、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に接続される出力ポート285が形成されている。そして、ベルト挟圧力コントロールバルブ208は、リニアソレノイドバルブ(SLS)206が出力する制御油圧をパイロット圧としてライン圧PLを調圧し、出力ポート285からセカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に供給する。
つまり、リニアソレノイドバルブ(SLS)206からの制御油圧に応じて調圧されたベルト挟圧力コントロールバルブ208の出力油圧Pd(以下、セカンダリシーブ油圧Pdともいう)が、セカンダリ側油圧アクチュエータ423に供給される。これにより、セカンダリ側油圧アクチュエータ423の油圧が制御され、無段変速機構4のベルト挟圧力が制御される。
具体的には、セカンダリ側油圧アクチュエータ423に所定の油圧が供給されている状態で、リニアソレノイドバルブ(SLS)206からの制御油圧が増大すると、ベルト挟圧力コントロールバルブ208のスプール281が図2の上側に変位して出力油圧Pdが増大し、セカンダリ側油圧アクチュエータ423の油圧も増大する。その結果、ベルト挟圧力は増大する。
反対に、リニアソレノイドバルブ(SLS)206からの制御油圧が低下すれば、ベルト挟圧力コントロールバルブ208のスプール281は図2の下側に変位して出力油圧Pdが低下し、セカンダリ側油圧アクチュエータ423に供給される油圧も低下する結果、ベルト挟圧力は減少する。
前記のような挟圧力制御部20bの制御はECU8によって行われる。すなわち、後述する制御マップ(図6参照)に従ってECU8により、必要油圧(ベルト挟圧力に相当)が算出され、この必要油圧が得られるようにリニアソレノイドバルブ(SLS)206が制御される。これにより、前記のように無段変速機構4のセカンダリ側油圧アクチュエータ423の油圧(セカンダリシーブ油圧Pd)が好適に制御される。
なお、前記の如くプライマリシーブ油圧Pinとセカンダリシーブ油圧Pdとを独立に制御する場合には、推力比τ(τ=[セカンダリシーブ油圧Pd×セカンダリ側油圧シリンダの受圧面積]/[プライマリシーブ油圧Pin×プライマリ側油圧シリンダの受圧面積])を保持できるよう、プライマリシーブ油圧Pinおよびセカンダリシーブ油圧Pdを制御している。
−クラッチ圧制御部−
次に図3を参照して、前後進切換機構3の前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1の油圧を制御するクラッチ圧制御部20cについて、詳細に説明する。図示のように、油圧制御回路20には、シフトレバー10の操作に従って前後進切換機構3の前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1のいずれかを係合させるために、それらに選択的に油圧を供給するマニュアルバルブ220が配設されている。
一例としてシフトレバー10は、駐車のためのパーキング位置「P」、後進走行のためのリバース位置「R」、動力伝達を遮断するニュートラル位置「N」、前進走行のためのドライブ位置「D」の4つの位置(レバーポジション)のいずれかに切り換え操作される。そして、その操作に応じてマニュアルバルブ220のスプール221が軸方向(図3の左右方向)に移動し、油圧の供給経路が切り換わるようになっている。
マニュアルバルブ220は、後述するガレージシフトバルブ210から油圧が供給される入力ポート222と、前後進切換機構3の後進用ブレーキB1および前進用クラッチC1にそれぞれ接続された2つの出力ポート223、224とを備えており、前記スプール221の移動によって入力ポート222と、2つの出力ポート223、224との連通状態が変化する。
具体的には、マニュアルバルブ220が、シフトレバー10のパーキング位置「P」およびニュートラル位置「N」に対応して切り換えられている場合、入力ポート222は2つの出力ポート223、224のいずれにも連通されず、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1には油圧が供給されない。前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1の作動油はドレンされ、それらはいずれも解放状態になる。
一方、マニュアルバルブ220が、図3の下半分に示すようにシフトレバー10のドライブ位置「D」に対応して切り換えられている場合、入力ポート222および出力ポート224が連通され、この出力ポート224から前進用クラッチC1へ油圧が供給されて、該前進用クラッチC1が係合される一方、後進用ブレーキB1へは油圧は供給されず、これは解放されることになる。
同様にマニュアルバルブ220がシフトレバー10のリバース位置「R」に対応して切り換えられている場合、図示は省略するが、入力ポート222および出力ポート223が連通され、この出力ポート223から後進用ブレーキB1へ油圧が供給されて、該後進用ブレーキB1が係合される一方、前進用クラッチC1へは油圧は供給されず、これは解放されることになる。
そうしてマニュアルバルブ220から前進用クラッチC1や後進用ブレーキB1の係合のために供給する油圧の制御は、ガレージシフトバルブ210を介して行われる。ここで、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1のいずれに油圧が供給される場合でも、その油圧をガレージシフトバルブ210によって制御する方法は同じなので、以下では前進用クラッチC1への油圧を制御する場合について説明する。
まず、図3に示すようにガレージシフトバルブ210は概略円筒状のスプール弁からなり、軸方向に移動可能なスプール211を備えていて、その一端側(図3の下端側)には圧縮コイルばね212が圧縮状態で配置されている。また、ガレージシフトバルブ210には、パイロット油圧ポート213と、入力ポート214,215と、出力ポート216とが設けられている。
ガレージシフトバルブ210のパイロット油圧ポート213には、オンオフソレノイドバルブ(SL)217からのパイロット油圧(モジュレータ油圧PSM)が印加される。また、入力ポート214には、図2を参照して上述したライン圧モジュレータバルブ203からモジュレートライン圧LPM2が入力され、入力ポート215には、リニアソレノイドバルブ(SLT)209からの制御油圧PSLTが入力される。一方、出力ポート216は、マニュアルバルブ220の入力ポート222に接続されている。
そして、本実施形態では、後述するようにアイドルストップ後のエンジン再始動時などにおいて前進用クラッチC1を係合させる際など、そのクラッチ圧をきめ細かく制御する場合に、ECU8からの制御信号によってオンオフソレノイドバルブ(SL)217がオン状態とされ、パイロット油圧を出力する。このパイロット油圧を受けてガレージシフトバルブ210は、図3の右半分に示すノーマル位置(NOR.)から左半分に示すコントロール位置(CONT.)に切り換えられる。
これにより、ガレージシフトバルブ210において入力ポート215と出力ポート216とが連通され、リニアソレノイドバルブ(SLT)209の制御油圧PSLTがガレージシフトバルブ210およびマニュアルバルブ220を介して、前進用クラッチC1へと供給されるようになる。よって、リニアソレノイドバルブ(SLT)209の制御によって前進用クラッチC1のクラッチ圧を徐々に増大させ、スムーズに係合させることが可能になる。
そうして徐々に増大するクラッチ圧がモジュレートライン圧LPM2と同じになれば、オンオフソレノイドバルブ(SL)217はオフ状態にされ、ガレージシフトバルブ210はノーマル位置に保持されて、その入力ポート214と出力ポート216とが連通される。これにより、モジュレートライン圧LPM2がガレージシフトバルブ210を介して供給されるようになって、前進用クラッチC1の係合状態が保持される。
前記のようにクラッチ圧を徐々に増大させるクラッチ圧制御部20cの制御は、ECU8によって行われる。すなわち、後述する制御マップ(図7参照)を参照してECU8により、前進用クラッチC1の係合の際の目標油圧が算出され、この目標油圧が得られるようにリニアソレノイドバルブ(SLT)209が制御される。
上述した油圧制御回路20の変速制御部20a、挟圧力制御部20b、およびクラッチ圧制御部20cによる制御は、それぞれECU8からの制御信号を受けて各制御部20a〜20cのリニアソレノイドバルブ207〜209やオンオフソレノイドバルブ217が前記の如く動作し、無段変速機構4の油圧アクチュエータ413,423、および前後進切換機構3の前進用クラッチC1や後進用ブレーキB1などの油圧を好適に制御することで、実現する。
言い換えると本実施形態では、ECU8によって後述のように実行される所定のプログラムと、油圧制御回路20の挟圧力制御部20bおよびクラッチ圧制御部20cとによって、本発明に係る無段変速機の変速制御装置が実現されることになる。
(ECU)
一例としてECU8は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82、RAM(Random Access Memory)83およびバックアップRAM84などを備えている。
ROM82には、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU81は、ROM82に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAM83はCPU81での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM84はエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
これらCPU81、ROM82、RAM83、および、バックアップRAM84はバス307を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース85および出力インターフェース86に接続されている。
入力インターフェース85には、図1にも表れているエンジン回転数センサ101、スロットル開度センサ102、エンジン水温センサ103、タービン回転数センサ104、プライマリプーリ回転数センサ105、セカンダリプーリ回転数センサ106等が接続されている。また、図4にのみ示すアクセル開度センサ107、ブレーキセンサ108、油圧センサ109、および、シフトレバー10のレバーポジション(P、R、N、D)を検出するレバーポジションセンサ110等も接続されている。
そして、前記各センサの出力信号、すなわちエンジン回転数Ne、スロットル開度Th、エンジン水温、タービン回転数Nt、無段変速機構4への入力軸回転数Nin、同じく出力軸回転数Nout、アクセル開度Acc、ブレーキ操作の有無、無段変速機構4の作動油圧、および、シフトレバー10のポジションなどを表す信号がECU8に入力される。なお、タービン回転数Ntは、前後進切換機構3の前進用クラッチC1が係合している前進走行時には、無段変速機構4への入力軸回転数Ninと一致する。
一方、ECU8の出力インターフェース86には、スロットルモータ13、燃料噴射装置14、点火装置15、スタータモータ16、油圧制御回路20などが接続されており、ECU8は、前記した各種のセンサの出力信号などに基づいて、エンジン1の制御、トルクコンバータ2の制御、前後進切換機構3の制御、無段変速機構4の制御等を実行する。例えばエンジン1の運転制御としてはスロットルモータ13、燃料噴射装置14、点火装置15等に制御信号が出力されて、吸気量や燃料噴射量、点火時期などが制御される。
また、無段変速機構4の制御としてECU8は、一例として図5に示す変速制御マップを参照して目標回転数Nintを算出し、実際の入力軸回転数Ninが目標回転数Nintになるように変速比γの制御を行う。ECU8は、目標回転数Nintの制御信号を油圧制御回路20の変速制御部20aに出力し、上述したようにプライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413の油圧を制御して、無段変速機構4の変速比γを連続的に変更させる。
なお、前記図5の変速制御マップは、運転者の出力要求に対応するスロットル開度Th(アクセル開度Accでもよい)および車速spdをパラメータとして、予め実験・シミュレーションなどにより適合した変速比γを設定したものであって、ECU8のROM82に記憶されている。車速spdは出力軸回転数Noutに対応するため、制御マップにおいては目標変速比γとして、入力軸回転数Ninの目標値である目標回転数Nintを設定している。
そのような変速制御の際にECU8は、一例として図6に示す挟圧力制御マップを参照して必要油圧(ベルト挟圧力に相当)を決定し、油圧制御回路20の挟圧力制御部20bを制御する。ECU8は、必要油圧に対応する制御信号を油圧制御回路20の挟圧力制御部20bに出力し、上述したようにセカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423への供給油圧を制御して、無段変速機構4のベルト挟圧力を制御する。
なお、図6の挟圧力制御マップは、一例としてスロットル開度Th(アクセル開度Accでもよい)および変速比γをパラメータとして、伝動ベルト43の滑りが生じないよう、予め実験・シミュレーションなどにより適合した必要油圧(ベルト挟圧力に相当)を設定したものであり、ECU8のROM82に記憶されている。
さらに、前後進切換機構3の制御としてECU8は、一例として図7に示すクラッチ圧制御マップを参照して、前進用クラッチC1(または後進用ブレーキB1)に係合の際に供給する目標油圧を決定する。ECU8は、油圧制御回路20のクラッチ圧制御部20cに制御信号を出力し、上述したようにリニアソレノイドバルブ(SLT)209の制御油圧PSLTを制御して、前進用クラッチC1(または後進用ブレーキB1)の係合する際のクラッチ圧を制御する。
なお、図7のクラッチ圧制御マップは、係合の際にショックが生じないよう前進用クラッチC1の油圧を徐々に増大させるために、予め実験・シミュレーションなどによって適合したものであって、ECU8のROM82に記憶されている。リニアソレノイドバルブ(SLT)209の制御油圧PSLT油圧の増大率(図示のグラフの傾き)は、例えばアクセル開度Accなどをパラメータとして変更するようにしてもよい。
本実施形態ではECU8は、例えばアイドルストップ後のエンジン再始動時にその後の車両の発進に備えて、前記クラッチ圧制御部20cによってリニアソレノイドバルブ(SLT)209を制御し、前後進切換機構3の前進用クラッチC1の油圧を上昇させるとともに、ベルト滑りが生じないように挟圧力制御部20bによってリニアソレノイドバルブ(SLS)206を制御し、無段変速機構4のベルト挟圧力を増大させる。以下、このようなエンジン再始動時のベルト挟圧力の制御について詳細に説明する。
(エンジン再始動時のベルト挟圧力制御)
本実施形態では、車両の停止時に所定の状態でエンジン1を自動的に停止する、いわゆるアイドルストップ制御(エコラン制御ともいう)が行われる。自動停止したエンジンの再始動時には、その後、直ぐに車両が発進することもあり得るので、前後進切換機構3の前進用クラッチC1(または後進用ブレーキB1)を介して無段変速機構4のプライマリプーリ41に入力するトルク(プーリ入力トルク)の大きさを推定し、これに応じてベルト挟圧力を増大させる。
その際、前進用クラッチC1などの係合過渡時であれば、エンジントルクだけでなく、クラッチのイナーシャトルクも考慮する必要があり、また、クラッチの個体ばらつきやクラッチ圧のばらつきなども考慮しなくてはならない。そこで、本実施形態では、前進用クラッチC1などの係合過渡時には所定の安全率をかけてクラッチトルク容量を算出し、これに応じてベルト挟圧力を増大させるようにしている。
以下に、ECU8が実行するエンジン再始動時のベルト挟圧力の制御ルーチンの一例を、図8のフローチャートを参照して説明する。なお、以下では主に前進用クラッチC1に油圧が供給される場合の制御手順について説明する。また、この制御ルーチンはECU8において所定の時間(例えば数十ミリ秒)間隔で繰り返し実行される。
まず、ECU8は、エンジン1の運転中に所定のアイドルストップ条件が成立したか否か判定し(ステップST1)、否定判定(NO)であればリターンする一方、肯定判定(YES)であればステップST2に進んでエンジン1を自動的に停止するための停止制御を行う。すなわち、ECUが燃料噴射装置14及び点火装置15に制御信号を出力し、燃料噴射を停止(フューエルカット)させるとともに、点火カットを行ってエンジン1を停止させる。
なお、一例としてアイドルストップ条件としては、イグニッションスイッチ(図示せず)がオンであること、アクセルオフ(アクセル開度Accが所定閾値以下でほぼ0)であること、ブレーキ踏力(ブレーキセンサ108の出力信号から認識)が所定の判定閾値以上であること、車両停止状態(車速spdが所定閾値以下でほぼ0)であること、などを含むように設定すればよい。
また、ECU8は、レバーポジションセンサ110の信号からシフトレバー10の位置(P、R、N、D)を検出して、ドライブ位置「D」若しくはリバース位置「R」のいずれかにあるか否か判定し(ステップST3)、例えばドライブ位置「D」で肯定判定(YES)であればステップST4へ、また、例えばニュートラル位置「N」で否定判定(NO)であれば、後述するステップST10へ進む。
−ドライブ位置でのアイドルストップ−
ステップST4では一旦、ベルト挟圧力を低下させる。すなわち、ドライブ位置「D」ではマニュアルバルブ220の出力ポート224から前進用クラッチC1へ油圧が供給される状態になっているが、アイドルストップの際はガレージシフトバルブ210がコントロール位置(CONT.)に切り換えられて、リニアソレノイドバルブ(SLT)209の制御油圧PSLTがマニュアルバルブ220へ供給されるようになる。
そして、その制御油圧PSLTが極めて低く制御されることで、前進用クラッチC1は係合状態にはなっているものの、そのトルク容量が非常に小さくなるので、これに対応するようにベルト挟圧力を低下させる。具体的にはリニアソレノイドバルブ(SLS)206からの制御油圧が低下され、ベルト挟圧力コントロールバルブ208を介してセカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に供給される出力油圧Pdも低下される。
その後、ステップST5では所定のアイドルストップ解除条件、即ちエンジン1の再始動条件が成立したか否か判定する。この条件としては、アイドルストップ条件が成立した後、例えば、ブレーキペダルの踏力が緩められ、その大きさが所定の判定閾値よりも小さくなったことを条件とすればよい。そして、アイドルストップ解除条件が成立しておらず、ステップST5で否定判定(NO)になればステップST3に戻る。
一方、アイドルストップ解除条件が成立してステップST5で肯定判定(YES)になると、ECU8が燃料噴射装置14及びスタータモータ16に制御信号を出力し、燃料噴射を開始させるとともに、スタータモータ16を作動させてエンジン1のクランキングを開始し、さらに点火装置15にも制御信号を出力して、エンジン1の始動制御を開始する(ステップST6:エンジン再始動)。
こうしてエンジン1が再始動するのと同時に、ECU8からの制御信号を受けてリニアソレノイドバルブ(SLT)209の制御油圧PSLTが増大し、この制御油圧PSLTがマニュアルバルブ220を介して供給される前進用クラッチC1の油圧も増大する。よって、前進用クラッチC1のトルク容量が増大して無段変速機構4へトルクを伝達可能になるので、これに対応するようにベルト挟圧力を増大させる。
すなわち、まずステップST7では、再始動したエンジン1の出力するトルクを例えば、アクセル開度Accおよびエンジン回転数Neから算出し、トルクコンバータ2によるトルクの増幅も考慮して、無段変速機構4のプライマリプーリ41へのプーリ入力トルクを算出する(ステップST8)。
そして、その算出したプーリ入力トルクに対応するベルト挟圧力を算出して、これを実現するための制御信号を油圧制御回路20の挟圧力制御部20bに出力する(ステップST9)。これによりリニアソレノイドバルブ(SLS)206からの制御油圧が増大され、ベルト挟圧力コントロールバルブ208を介してセカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に供給される出力油圧Pdが増大する。
なお、前記ステップST7におけるエンジントルクの算出は、例えば、スロットル開度Thおよびエンジン回転数Neをパラメータとして、予め実験・シミュレーションなどにより適合したエンジントルクマップを参照して行えばよい。このマップは、ECU8のROM82に記憶されている。なお、エアフローセンサ(図示せず)の信号も加味してエンジントルクを算出することもできる。
また、前記ステップST8におけるプーリ入力トルクの算出は、例えば、トルクコンバータ2への入力回転数(エンジン回転数Ne)とタービン回転数Ntとをパラメータとして、予め実験・シミュレーションなどにより適合したトルク比のマップを参照して、前記のエンジントルクにトルク比をかけ合わせて算出すればよい。
さらに、そのプーリ入力トルクの算出値に基づいてベルト挟圧力を制御することから、無段変速機構4の個体ばらつきや外乱も考慮して、より確実にベルト滑りの発生を防止するために、プーリ入力トルクを算出する際に所定の安全率(第2の安全率:例えば1.3くらい)も乗算する。
つまり、シフトレバー10がドライブ位置「D」のままであれば、マニュアルバルブ220の構成上、前進用クラッチC1は係合したままになるが、アイドルストップの際には一旦、クラッチ圧を低下させるとともに、無段変速機構4のベルト挟圧力も低下させる。そして、その後のエンジン再始動時には、エンジントルクの増大に応じてクラッチ圧も増大させるとともに、このクラッチ圧の増大に応じてベルト挟圧力を増大させる。
−ニュートラル位置でのアイドルストップ−
一方、前記のステップST2においてエンジン1を自動停止させた後に、シフトレバー10がニュートラル位置「N」に操作された場合は、マニュアルバルブ220の構成上、前進用クラッチC1の油圧がドレンされて、該前進用クラッチC1は解放される。この場合は前記のステップST3で否定判定(NO)してステップST10に進み、前記のステップST4と同様に一旦、ベルト挟圧力を低下させる。
その後、ステップST11において前記ステップST5と同様にアイドルストップ解除条件(エンジン1の再始動条件)の成立を判定し、否定判定(NO)であればステップST3に戻る一方、アイドルストップ解除条件が成立して肯定判定(YES)になれば、前記ステップST6と同様にしてエンジン1を再始動させる(ステップST12)。
続いてステップST13では、前記ステップST7と同様にして再始動したエンジン1の出力するトルクを算出する。また、ステップST14では、レバーポジションセンサ110からの信号に基づいて、所定の時間内においてシフトレバー10がニュートラル位置「N」からドライブ位置「D」若しくはリバース位置「R」へと操作されたか否か判定し、否定判定(NO)であれば前記のステップST8へ進む。
一方、例えばシフトレバー10がドライブ位置「D」へ操作されて肯定判定(YES)になった場合は、マニュアルバルブ220の切り換えによってリニアソレノイドバルブ(SLT)209の制御油圧PSLTが供給されることによって、前進用クラッチC1が係合される。そこで、この前進用クラッチC1を介して無段変速機構4の入力軸40へトルクが入力することに対応して、ベルト挟圧力を増大させる。
すなわち、まずステップST15において前進用クラッチC1が係合過渡時であるか否かを判定する。例えば、トルクコンバータ2から前進用クラッチC1への入力回転数であるタービン回転数Ntと、前進用クラッチC1からの出力回転数である無段変速機構4の入力軸回転数Ninとの回転数の差(絶対値:|Nt−Nin|)が、所定の閾値(例えば50rpm)以上であれば、係合過渡時であると肯定判定(YES)してステップST16に進む。
この係合過渡時に前進用クラッチC1から出力されて、無段変速機構4の入力軸40からプライマリプーリ41に入力されるプーリ入力トルクについては、前記ステップST8で算出したようにトルクコンバータ2から出力されるトルクだけでなく、前進用クラッチC1のイナーシャトルクも考慮する必要があり、また、クラッチの個体ばらつきやクラッチ圧のばらつきも考慮しなくてはならない。
そこで、まず、前進用クラッチC1のクラッチ圧に基づいてクラッチトルク容量を算出する。クラッチ圧は、例えば前進用クラッチC1の油圧、即ちリニアソレノイドバルブ(SLT)209の制御油圧PSLTに基づいて算出すればよいが、本実施形態では制御油圧PSLTの目標値(図7のクラッチ圧制御マップを参照)を用いる。こうすれば、前進用クラッチC1の近傍に油圧センサを設ける必要がない。
そして、そのクラッチ圧(制御油圧PSLTの目標値)に所定の係数を乗算して、前進用クラッチC1のトルク容量を算出する(ステップST17)。この係数は、前進用クラッチC1の摩擦面の断面一次モーメントや摩擦係数に基づいて、現在のクラッチ圧により発生し得る最大トルクを計算するためのもので、前進用クラッチC1のイナーシャトルクや個体ばらつき、クラッチ圧のばらつきなども考慮して、所定の安全率(第1の安全率:例えば1.3くらい)も乗算している。
そうしてクラッチトルク容量を算出すれば、これに基づいて無段変速機構4のプライマリプーリ41へのプーリ入力トルクを算出する(ステップST8:プーリ入力トルク算出)。具体的には、無段変速機構4の個体ばらつきや外乱を考慮した安全率(上述した第2安全率)を乗算してプーリ入力トルクを算出する。そして、前記ステップST9に進んでプーリ入力トルクの増大に対応するようにベルト挟圧力を増出させて、制御ルーチンを終了する(エンド)。
つまり、エンジン再始動時にシフトレバー10がドライブ位置「D」へ操作され、マニュアルバルブ220の切り換えによって前進用クラッチC1が係合されるときには、該前進用クラッチC1のイナーシャトルクも含めたクラッチトルク容量の増大に対応し、二重に安全率をかけてベルト挟圧力を十分に増大させる。
そして、係合が完了して前進用クラッチC1への入力回転数であるタービン回転数Ntと、前進用クラッチC1からの出力回転数である無段変速機構4の入力軸回転数Ninとの回転数の差が所定の閾値未満になれば(例えば|Nt−Nin|<50rpm)、前記ステップST15において否定判定(NO)して前記のステップST8に進む。
このステップST8では、上述したドライブ位置でのエンジン再始動の場合と同じく、トルクコンバータ2によるトルクの増幅も考慮して、エンジントルクに基づいてプーリ入力トルクを算出し、これに対応する制御信号を油圧制御回路20の挟圧力制御部20bに出力して、ベルト挟圧力を増大させて(ステップST9)、制御ルーチンを終了する(エンド)。
つまり、前進用クラッチC1の係合完了後は、そのイナーシャトルクなどは含めずに、前進用クラッチC1への入力トルクに基づいてプーリ入力トルクを算出し、これに基づいて無段変速機構4のベルト挟圧力を制御するので、必要以上にベルト挟圧力が大きくなることがない。よって、伝動ベルト43の耐久性への悪影響を小さくできるとともに、ベルト挟圧力を得るための油圧の無用の増大を防止して、燃費の悪化を抑制できる。
以上より、本実施形態では、一例を図9および図10のタイムチャートに示すように、アイドルストップしたエンジン1の再始動時に、前後進切換機構3の前進用クラッチC1(若しくは後進用ブレーキB1)のクラッチ圧の上昇に伴って、ベルト挟圧力が増大するようになる。
具体的に、ドライブ位置「D」のままアイドルストップした場合について図9に示すように、例えばブレーキペダルの踏力が緩められて、その大きさが所定の判定閾値よりも小さくなったとき(エンジン再始動要求:時刻t1)、これに応じてエンジン1の始動制御が開始されるとともに、前進用クラッチC1のクラッチ圧および無段変速機構4のベルト挟圧力のそれぞれの目標値がステップ状に立ち上がる。一方、実際値は図に仮想線で示すように遅れて立ち上がる。
そのような遅れを考慮して前記クラッチ圧およびベルト挟圧力の目標値は初期には大きめに設定されているが、その後、クランキングを経てエンジン回転数Neが立ち上がると(時刻t2)、エンジントルクも立ち上がり、このエンジントルクに基づいて算出されるクラッチ圧およびベルト挟圧力の目標値が初期の値よりも大きくなる(時刻t3)。
そして、一旦、吹け上がったエンジン回転が落ち着いて、エンジントルクが概ね一定の大きさになると、これに応じてクラッチ圧およびベルト挟圧力も概ね一定の大きさになる(時刻t4〜)。このような過程でベルト挟圧力は、図に破線で示すように仮に前進用クラッチC1のトルク容量を基に算出した場合に比べると、イナーシャトルクを考慮せず、余計な安全率をかけていない分、小さな値になっている(ベルト挟圧力軽減)。
一方、ニュートラル位置「N」でアイドルストップした場合については図10に示すが、前記と同様にアイドルストップ解除条件が成立したとき(時刻t1)、これに応じてエンジン1の始動制御が開始される。図の例では同時にシフトレバー10がニュートラル位置「N」からドライブ位置「D」へ操作されることによってクラッチ圧およびベルト挟圧力の目標値がステップ状に立ち上がり、実際値は図に仮想線で示すように遅れて立ち上がる。
そして、前記と同様にクランキングを経てエンジン回転数Neが立ち上がり、エンジントルクも立ち上がる(時刻t2)。その後、図7のクラッチ圧制御マップから算出されるクラッチ圧の目標値が徐々に増大し、その係合が進むに連れて(時刻t3〜t4)、徐々に増大するクラッチトルク容量に基づいて算出されるベルト挟圧力の目標値も増大してゆく。
そして、一旦、吹け上がったエンジン回転が落ち着いて、エンジントルクが概ね一定の大きさになる頃に前進用クラッチC1の係合が完了すると(時刻t4)、その後も所定圧(モジュレートライン圧LPM2)になるまでクラッチ圧が増大する一方、ベルト挟圧力は、図に破線で示すように目標値がステップ状に減少し、図に仮想線で示すように実際値も減少する。
すなわち、前進用クラッチC1の係合が完了すれば、ベルト挟圧力の目標値はクラッチトルク容量ではなく、エンジントルク(正確には前進用クラッチC1に入力するトルク)に基づいて算出されるようになって、前進用クラッチC1のイナーシャトルクを考慮せず、また、余計な安全率をかけていない分、小さな値になる。このことで、ベルト挟圧力が軽減される。
したがって、本実施形態に係る無段変速機の制御装置によると、前後進切換機構3の前進用クラッチC1(若しくは後進用ブレーキB1)の係合過渡時には、そのイナーシャトルクも含めたトルク容量に基づいて、また、係合完了後は前進用クラッチC1へ入力するトルクに基づいて、それぞれ無段変速機構4のプーリ入力トルクを算出するようにしたので、この算出値に基づいてベルト挟圧力を過不足なく好適に制御することが可能になり、伝動ベルト43の滑りを抑制しながらその耐久性への悪影響を十分に小さくすることができる。また、油圧の徒な増大による燃費の悪化を抑制することができる。
また、前記のように前進用クラッチC1などのトルク容量を算出する際には、その個体ばらつきやクラッチ圧のばらつきも考慮して第1の安全率をかけ合わせ、さらにトルクが入力する無段変速機構4の個体ばらつきや外乱も考慮して第2の安全率をかけ合わせて、プーリ入力トルクを算出している。こうして二重に安全率をかけることによって、ベルト挟圧力を十分に大きくし、伝動ベルト43の滑りをより確実に抑制できる。
但し、そうして二重に安全率をかける場合には、自ずとプーリ入力トルクの算出値が大きくなるので、ベルト挟圧力が必要以上に大きくなり易い。そこで、このような場合に、前記のようにクラッチ係合完了後はクラッチトルク容量ではなく、前進用クラッチC1への入力トルクに基づいてプーリ入力トルクを算出し、ベルト挟圧力を制御することの意義が大きなものとなる。
−他の実施形態−
以上、説明した実施形態では、ガソリンエンジンを搭載した車両の無段変速機の制御装置として本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、ディーゼルエンジン等の他のエンジンを搭載した車両にも適用可能である。また、車両の動力源についてはエンジンの他に電動モータ、あるいはエンジンと電動モータの両方を備えたハイブリッド形動力源であってもよい。
また、前記実施形態では、プーリ入力トルクを算出する際に第1および第2の2つの安全率をかけるようにしているが、このように二重に安全率をかける必要はなく、例えば、前進用クラッチC1などのトルク容量を算出する際に第1の安全率をかけるだけにしてもよい。
本発明は、例えば車両に搭載されるベルト式のCVTに適用可能であり、特にアイドルストップ制御を実行する場合の伝動ベルトの耐久性への悪影響を小さくし、燃費の悪化を抑制できるので、乗用車などにおいて優れた効果が得られる。
1 エンジン(動力源)
4 無段変速機構(無段変速機)
41 プライマリプーリ(駆動側プーリ)
42 セカンダリプーリ(従動側プーリ)
43 ベルト(無端伝動部材)
8 ECU(挟圧力制御部、クラッチ圧制御部)
20 油圧制御回路
20b 挟圧力制御部
20c クラッチ圧制御部
B1 後進ブレーキ(クラッチ部材)
C1 前進クラッチ(クラッチ部材)

Claims (4)

  1. 駆動側および従動側のプーリ間に無端伝動部材を巻き掛けてなる無段変速機の制御装置であって、
    前記駆動側のプーリと動力源との間にはクラッチ部材が介在され、
    前記クラッチ部材を介して駆動側のプーリに入力するプーリ入力トルクの大きさを推定し、この推定値に応じて前記無端伝動部材の挟圧力を制御する挟圧力制御部を備え、
    前記挟圧力制御部は、前記クラッチ部材の係合過渡時にはそのトルク容量に基づいて、前記プーリ入力トルクの大きさを推定する一方、クラッチ部材の係合完了後は当該クラッチ部材へ入力するトルクの大きさに基づいて、前記プーリ入力トルクの大きさを推定する、ことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1記載の無段変速機の制御装置において、
    前記挟圧力制御部は、前記クラッチ部材のトルク容量を係合過渡時の係合圧力に基づいて算出し、その際に所定の第1安全率を乗算するとともに、算出したトルク容量に基づいて前記プーリ入力トルクを推定する際には所定の第2安全率を乗算する、無段変速機の制御装置。
  3. 請求項2記載の無段変速機の制御装置において、
    前記クラッチ部材の係合圧力を制御するクラッチ圧制御部を備え、
    前記挟圧力制御部は、前記クラッチ圧制御部による係合圧力の制御目標値に基づいて、前記クラッチ部材の係合過渡時のトルク容量を算出する、無段変速機の制御装置。
  4. 請求項2記載の無段変速機の制御装置において、
    前記挟圧力制御部は、前記クラッチ部材に供給される油圧から係合圧力を算出し、この算出値から前記クラッチ部材の係合過渡時のトルク容量を算出する、無段変速機の制御装置。
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