JP2014133923A - 保持装置、成膜装置及び搬送方法 - Google Patents

保持装置、成膜装置及び搬送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率的に複数のマスクと基板とを搬送する。
【解決手段】真空チャンバ内に設けられた保持装置2であって、第1の磁石210aにより磁性材料を含むマスクを保持するマスク保持板210と、第2の磁石220a又は静電チャック222の少なくともいずれかにより基板Gを保持する基板保持板220と、基板とマスクMとを位置合わせするアライメント機構と、を有し、前記マスク保持板は予め複数のマスクが位置決めされ、前記第1の磁石により保持された状態で前記真空チャンバに搬入され、前記アライメント機構は、前記位置決めされた複数の前記マスクと基板とを位置合わせし、前記基板保持板は、前記アライメント機構により位置合わせされた前記基板と前記複数のマスクとを前記第2の磁石又は静電チャックの少なくともいずれかにより保持することを特徴とする保持装置が提供される。
【選択図】図15

Description

本発明は、保持装置、成膜装置及び搬送方法に関する。
電界発光素子は、自発光型表示素子であって、視野角が広く、コントラストに優れ、応答速度が速いという長所を有する。有機電界発光素子の有機ELデバイスを製造する場合、所定パターンのマスクを利用して真空中で蒸着する真空蒸着法が多く採用されている。
近年、基板の大型化に伴いマスクのサイズも大きくなっている。基板は大型化するほど蒸着時に撓む。そのため、マスクを介在して蒸着するときにマスクと基板との密着性が悪くなり基板上のパターンの精度が悪くなる、いわゆるパターンボケが生じる。マスクの材料の選択や加張溶接の影響によっても基板上のパターンの精度は悪くなる。
更に、マスクが大型になると、マスクにパターンを形成するためのエッチング時の誤差も大きくなり、基板上に蒸着されるパターンの精度がより悪化する。そこで、マスクを複数のマスクに分割し、複数のマスクをフレームに配置して使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2011−195907号公報
しかしながら、特許文献1では、マスクを基板に1枚1枚アライメントしながら配置する必要がある。つまり、マスクと基板とのアライメントに加えて、マスクの枚数分、マスク同士のアライメントが必要になる。このため、特に大型基板の場合には基板とマスクとの位置合わせに非常に多くの時間がかかってしまい、生産性が悪くなる。
上記課題に対して、本発明の目的とするところは、効率的に複数のマスクと基板とを搬送することが可能な、保持装置、成膜装置及び搬送方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、
真空チャンバ内に設けられた保持装置であって、
第1の磁石により磁性材料を含むマスクを保持するマスク保持板と、
第2の磁石又は静電チャックの少なくともいずれかにより基板を保持する基板保持板と、
基板とマスクとを位置合わせするアライメント機構と、を有し、
前記マスク保持板は予め複数のマスクが位置決めされ、前記第1の磁石により保持された状態で前記真空チャンバに搬入され、
前記アライメント機構は、前記位置決めされた複数の前記マスクと基板とを位置合わせし、
前記基板保持板は、前記アライメント機構により位置合わせされた前記基板と前記複数のマスクとを前記第2の磁石又は静電チャックの少なくともいずれかにより保持することを特徴とする保持装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別態様によれば、
前記保持装置により前記基板保持板に保持された基板を、該基板保持板に保持された複数のマスクのパターンに成膜する成膜部を有することを特徴とする成膜装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別態様によれば、
磁性材料を含む複数のマスクが位置決めされた状態で第1の磁石により保持されたマスク保持板を真空チャンバ内に搬入するステップと、
搬送機構を用いて基板を前記真空チャンバ内に搬入するステップと、
前記搬入された基板と前記位置決めされた複数のマスクとを位置合わせするステップと、
前記位置合わせされた基板と複数のマスクとを第2の磁石又は静電チャックの少なくともいずれかにより基板保持板に保持するステップと、
を有することを特徴とする搬送方法が提供される。
本発明によれば、効率的に複数のマスクと基板とを搬送することができる。
一実施形態に係る成膜システムの全体構成図。 一実施形態に係る成膜部の縦断面図。 一実施形態に係る複数のマスクのセッティング例を示した図。 一実施形態に係る複数のマスクのセッティング例を示した図。 一実施形態に係る複数のマスクのセッティング例を示した図。 一実施形態に係る基板とマスクとのアライメント方法を示した図。 一実施形態に係る基板とマスクとのアライメント方法を示した図。 一実施形態に係る基板とマスクとのアライメント方法を示した図。 一実施形態の変形例1に係る基板とマスクとのアライメント方法を示した図。 一実施形態の変形例1に係るアライメント方法を示した図。 一実施形態の変形例1に係るアライメント方法を示した図。 一実施形態の変形例2に係るアライメント方法を示した図。 一実施形態の変形例2に係るアライメント方法を示した図。 一実施形態の変形例2に係るアライメント方法を示した図。 一実施形態に係るインライン型の成膜装置の構成図。 一実施形態の変形例1に係るインライン型の成膜装置の構成図。 一実施形態の変形例2に係るインライン型の成膜装置の構成図。 一実施形態に係るクラスタ型の成膜装置の構成図。 一実施形態の変形例1に係るクラスタ型の成膜装置の構成図。 一実施形態の変形例2に係るクラスタ型の成膜装置の構成図。 一実施形態の変形例3に係るクラスタ型の成膜装置の構成図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
[成膜システムの全体構成]
まず、本発明の一実施形態に係る成膜システムの全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係る成膜システムの全体構成図である。本実施形態に係る成膜システム1では、有機ELデバイスを製造するが、成膜対象はこれに限られない。
成膜システム1は、インライン型の真空装置である。成膜システム1では、基板Gの搬送方向(図1において右向き)に沿って、ローダ20、第1〜第7の調圧チャンバ21〜27(以下、第1PTM21〜第7PTM27という。)、第1PTM21〜第7PTM27の間に配置される第1〜第7のトランスファーモジュール31〜37(以下、第1TM31〜第7TM37という。)およびアンローダ40を直列に並べることによって、直線状の搬送経路Lが構成されている。なお、本実施形態では、第1PTM21〜第7PTM27は2段に構成されている場合を図示している。
ローダ20、各PTM、各TMおよびアンローダ40の間には、ゲートバルブVが配置されている。ローダ20、第1PTM21〜第7PTM27、第1TM31〜第7TM37及びアンローダ40の内部は、図示しない真空ポンプによってそれぞれ真空引きが可能となっている。また、第1TM31〜第7TM37の内部には搬送用アームを有する搬送ロボット(図示せず)がそれぞれ配置されている。
第1TM31の一側面には、真空紫外光(VUV:Vacuum UltraViolet)等により、基板Gのクリーニングを行う洗浄処理装置50がゲートバルブVを介して接続されている。また、第1TM31の他側面には、基板Gに例えばスパッタリング法等によってアノード層を形成させる前処理装置52が接続されている。第1TM31内の搬送ロボットは、基板Gを搬送経路Lに沿って第1PTM21から第1TM31に搬送すると共に、第1TM31の内部と洗浄処理装置50との間で、基板Gを搬送経路Lと直行する方向に搬送することができる。
第2TM32の搬送方向の面には、基板Gに有機層、例えばホール注入層、ホール輸送層、有機発光層などの薄膜パターン形成を行う成膜装置150(成膜部100)がゲートバルブVを介して接続されている。第2TM32の一側面にはバッファモジュール60がゲートバルブVを介して接続されている。保持装置2aは、成膜部100と第2TM32との間に配置されている。A−A断面を示す図2に示したように、成膜前の基板Gは、第2TM32内の搬送ロボット132によって保持装置2aに搬送される。保持装置2aにてアライメントされた基板GとマスクMとは、基板保持板220により保持され、成膜部100に送られる。成膜部100にて成膜した後の基板Gは、保持装置2bを介して第7TM37内の搬送ロボット145により次の工程に搬送される。ただし、基板Gの搬送は、ロボット以外にもコロ搬送等を用いることができる。コロ搬送の場合には、第2TM32内の搬送ロボット132及び第7TM37内の搬送ロボット145は設けなくてもよい。
図1に戻り、成膜装置150は、保持装置2a、保持装置2b、成膜部100、LLM152,153、循環経路151を含む。循環経路151は、マスク保持板210又は基板保持板220の少なくともいずれかを保持装置2aへ回送する。成膜部100は、洗浄されたマスクMを保持したマスク保持板210を搬入するためのロードロックモジュールLLM152と、洗浄のためにマスクMを保持したマスク保持板210を搬出するためのロードロックモジュールLLM153(以下、ロードロックモジュールをLLMと表記する。)とを有する。成膜装置150の構成については後述する。
第7TM37の一側面にはバッファモジュール61がゲートバルブVを介して接続されている。第3TM33の側面には、基板Gに例えばパターンマスクを用いたスパッタリング法等によってカソード層を形成させるスパッタ処理装置70がゲートバルブVを介して接続されている。ここで、基板Gの第3TM33とスパッタ処理装置70との間の搬送は、第3TM33内の搬送ロボットによって行われる。
第4TM34の両側面には、検査装置80(SEM)及びバッファモジュール81が接続されている。ここでは、カソード層まで形成が終了した基板Gについて、各処理が所定の精度以上で行われたかが検査される。
第5TM35の一側面には、ゲートバルブVを介してCVD処理装置90が接続されている。第5TM35の他側面にはバッファモジュール92が接続されている。また、第6TM36の両側面にはCVD処理装置110、111がゲートバルブVを介して接続されている。各CVD処理装置90、110,111においては封止膜層の成膜が行われる。ここで、基板Gの第5TM35及び第6TM36と各CVD処理装置90、110,111との間の搬送は、第5TM35及び第6TM36内の搬送ロボットによって行われる。なお、封止膜層の膜構造等によってCVD処理装置の台数は適宜変更され、例えばCVD処理装置90のみを設置し、第6TM36及びCVD処理装置110,111を設置しない場合も考えられる。
なお、上記バッファモジュール60,61、81,92は一般的なバッファ機能を有するモジュールであり、各処理モジュールにおける揺らぎ(定常状態における定期的なクリーニング、処理時間のばらつき)を吸収するものである。そのため、必ずしも上述した位置に配置される必要は無く、適宜、揺らぎの発生する箇所に設けることが好ましい。
[成膜部]
次に、本実施形態に係る成膜部について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る成膜部の縦断面図であり、図1のA−A断面図である。成膜部100は、真空蒸着法にて、基板G上にホール注入層、ホール輸送層、青発光層、赤発光層、緑発光層、電子輸送層及び電子注入層を形成するための装置である。成膜部100は、基板Gを収容し、内部で基板Gに対して成膜処理などの薄膜形成を行うための成膜室11を備える。成膜室11は、搬送方向を長手方向とする中空略直方体形状をなし、アルミニウム、ステンレス等で構成されている。成膜室11の両端面には、搬入出口11a、11bが形成されている。搬入出口11a、11bは、搬入方向に対して直交した長手方向を有するスリット状である。成膜室11には、外部に配された真空ポンプ16が排気管15を介して接続されている。真空ポンプ16が駆動することにより、成膜室11内は所定の圧力、例えば10−2Paに減圧される。更に、成膜部100は、搬入出口11a、11bを開閉可能に閉塞するゲートバルブVを備える。
成膜室11内には、基板Gを成膜室11の長手方向へスライド移動させる移動装置12が設置されている。移動装置12は、成膜室11の底部に長手方向に沿って設けられた案内レール12aと、該案内レール12aに案内されて搬送方向、即ち前記長手方向へ移動可能に設けられた移動部材12bとを備える。移動部材12bには、基板Gをフェイスダウンで支持する基板保持部220を取り付けるステージ13が設けられている。移動部材12bは、リニア駆動機構によって成膜室11の天井部をスライド移動する。なお、本実施形態では、基板Gはフェイスダウンの状態で成膜されるが、これに限らず、フェイスアップの状態で成膜されてもよく、縦に保持された状態で成膜されてもよい。
また、成膜室11の底部、搬送方向略中央部には、基板Gに対して真空蒸着法にて成膜を行う複数の蒸着ヘッド14が設けられている。蒸着ヘッド14は、ホール注入層を蒸着させる第1ヘッド14a、ホール輸送層を蒸着させる第2ヘッド14b、青発光層を蒸着させる第3ヘッド14c、赤発光層を蒸着させる第4ヘッド14d、緑発光層を蒸着させる第5ヘッド14e、及び電子輸送層を蒸着させる第6ヘッド14fを搬送方向に沿って順に配置して構成されている。
蒸着ヘッド14には、成膜室11の外部に配された蒸気発生部(図示せず)が配管を介して接続されている。蒸気発生部は、容器と容器の内部に配された加熱機構とを有する(いずれも図示せず)。加熱機構は、電源から供給された電力によって有機成膜材料を加熱するように構成されている。例えば、電気抵抗体にて加熱するように構成されている。こうして、加熱機構内に収納した有機成膜材料を加熱して、有機成膜材料の蒸気を発生させる。また、容器には、基板Gに対して不活性ガス、例えばArなどの希ガス等からなる輸送ガスを供給する輸送ガス供給管(図示せず)が接続されており、輸送ガス供給管から容器に供給された輸送ガスと共に、有機成膜材料の蒸気を蒸気発生部から配管を介して蒸着ヘッド14へ供給するように構成されている。また、第1〜第6ヘッド14a〜14fに対しても同様に、図示しない蒸気発生部から所定の有機成膜材料の蒸気が供給されるように構成されている。
第2TM32は、搬入口131a及び搬出口131bが形成された筐体131を有する。筐体131の内部には、基板Gを保持装置2aに受け渡すための搬送ロボット132が設けられている。搬送ロボット132のピック(ロボットピック)133は、基板Gを把持して搬出口131bから保持装置2aに搬送する。
保持装置2aは、真空チャンバCaを有する。真空チャンバCaには、基板Gを搬入するための搬入口121a及びマスクM及び基板Gが保持されている基板保持板220を搬出するための搬出口123aが形成されている。搬入口121a及び搬出口123aは、ゲートバルブVによって開閉可能である。また、図1に示すように、保持装置2aは、ゲートバルブVを介して循環経路151とも接続されている。保持装置2aにてマスクMが基板G側に保持された後、空のマスク保持板210は、循環経路151の搬送アーム(図示しない)により保持装置2bまで搬送される。
図2に示した真空チャンバCaの底部には、マスクMをマスク保持板210に載置した状態で、X方向、Y方向、θ方向に動作可能なアライメントステージ122が設けられている。アライメントステージ122には、予め位置決めされた複数のマスクMを保持したマスク保持板210が載置される。アライメントステージ122の上方には、基板G及び基板保持板220を保持するステージ6が設けられている。
例えば、図示しないCCDカメラにて基板G及びファインマスクMのアライメントマーク(図示せず)を確認する。そして、マスク保持板210が載置されたアライメントステージ122を水平方向(X方向,Y方向)、回転方向(θ方向)に動作させて位置合わせの誤差(ずれ)を補正する。
かかる構成により保持装置2aにて基板GとマスクMとが位置合わせされ、基板保持板220にマスクM及び基板Gが保持される。位置合わせ後、基板保持板220は、ロボット搬送又はコロ搬送等により成膜部100まで搬送される。基板GとマスクMのアライメントの詳細は後述する。
保持装置2bは、真空チャンバCbを有する。真空チャンバCbには、マスクM及び基板Gが保持されている基板保持板220を搬入するための搬入口121b及び基板Gを搬出するための搬出口123bが形成されている。搬入口121b及び搬出口123bは、ゲートバルブVによって開閉可能である。
図1に示すように、保持装置2bは、ゲートバルブVを介して循環経路151とも接続されている。マスクMが使用された後の空のマスク保持板210は、循環経路151を経由して保持装置2aから保持装置2bに搬送される。保持装置2bは、上述した保持装置2aとは逆に動作する。つまり、マスクM及び基板Gが保持されている基板保持板220からマスクMと基板Gとのそれぞれを分離する動作を行う。分離されたマスクMは、循環経路151から回送されてきたマスク保持板210に載置され、LLM153を介して洗浄等のために外部へ搬出される。基板保持板220は、保持装置2aにて後続の基板Gを保持するために、循環経路151を介して保持装置2aに回送される。成膜された基板Gは、第7TM37を経由して次の工程に搬送される。
図2に示すように、第7TM37は、搬入口141a及び搬出口141bが形成された筐体141を有する。筐体141の内部には、基板Gを保持装置2bから搬出し、次の工程に搬送するための搬送ロボット145が設けられている。搬送ロボット145のピック146は、基板Gを把持して搬入口141aから真空チャンバCb内に搬入し、搬出口141bから搬出して次の工程に受け渡す。
図1に示した制御部300は、図示しないCPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有し、CPUはこれらの記憶領域に格納された各種レシピに従って搬送を制御する。レシピには、搬入及び搬出タイミングや、成膜条件に対する装置の制御情報である成膜時間、室内温度、圧力(ガスの排気)、各種成膜ガス流量等が記載されている。なお、制御部300の機能は、ソフトウエア又はハードウエアにより実現され得る。
[複数のマスクのセッティング]
本実施形態では、マスク保持板210は、予め複数のマスクMが位置決めされた状態で保持装置2aに搬入される。これにより、位置決めされた複数のマスクMと基板Gとの位置合わせが1回で済み、マスク毎に基板Gと位置合わせする必要がない。この結果、タクトタイムの短縮を図ることができる。
以下では、本実施形態において、予め複数のマスクMをマスク保持板210にセッティングする方法について、図3〜図6を参照しながら説明する。以下では、マスク保持板210に配置される複数のマスクMをファインマスクM(Fine Mask:基板G上に形成される薄膜などのパターンと同一のパターンを有するマスク)と呼ぶ。
[マスクをマスク保持板にアライメントする方法]
成膜部100において、例えば有機EL成膜時、フレームなしマスクを設置する際、任意のサイズのマスクを精度よく配置する必要がある。そこで、本実施形態では、任意のサイズのファインマスクMをアライメントし、磁石又は静電チャックを有するプレート状のマスク保持板210に吸着させる。
本実施形態のファインマスクMをマスク保持板210にアライメントする方法について、図3〜図5を参照しながら説明する。ここでは、マスク保持板210は、第1の磁石210aを有する。ファインマスクMは有磁性体であるため、第1の磁石210aにより吸着可能である。
例えば、後述する基板とマスクとのアライメント方法では、図3(a)に示したように、6枚のファインマスクMをマスク保持板210にアライメント(位置決め、位置合わせ)した状態で保持装置2aに搬入する。そのため、まず図3(b)に示したCCDカメラ200を用いて各ファインマスクMのアライメントマークとマスク保持板のアライメントマーク(共に図示せず)との位置を合わせた後、第1の磁石210aによりファインマスクMをマスク保持板210に固定する。
このように、本実施形態では、第1の磁石210aにより常にファインマスクMをマスク保持板210に吸着することで、ファインマスクMを架張した状態にする。このため、マスク自身の反りや位置のずれを抑制して、吸着機能を持ったマスク保持板210に精度よく固定することができる。これにより、マスクは加張を意識してパターンを形成する必要がなくなる。また、ファインマスクMを常にマスク保持板210に吸着、固定することによりファインマスクMの破れや伸び等を防止できる。また、本実施形態では、フレームレスとすることができ、一般的に使用されている加張のためのフレーム構造が不要となる。また、フレームレスとすることで加張溶接が不要となり、コストダウンを図ることができる。なお、上記吸着機能は、磁石又は静電チャック等が挙げられる。また、図4に示したように、更にファインマスクMを小型化することで公差を絞ることができる。これにより大型基板Gにより高精細な成膜を実現できる。
デバイス構造によっては、マスク間から漏れ(非成膜部分も成膜されること)が懸念される。このようにマスク間の隙間が問題となる場合、ファインマスクMを重ねることでマスク間の隙間を完全になくすことができる。図5(a)にはファインマスクMを重ね合わせていない場合の通常のファインマスクMの配置が示され、図5(b)にはファインマスクMを重ね合わせた状態が示されている。このように、ファインマスクMの重ね合わせは、幅Dの重ねシロをファインマスクMに予め設定することで実現できる。また、重ねシロがマスクパターンに関係する際、図5(c)に示したファインマスクMのパターンに合わせて、幅Dの重ねシロにも切り込みを入れることができる。
以上に説明したように、本実施形態によれば、第1の磁石210aにより常にファインマスクMをマスク保持板210に吸着することで、任意のサイズのファインマスクMを配列することができる。これにより、大型の基板Gで中小サイズのディスプレイを効率よく生産することができる。つまり、本実施形態によれば、マスクは一体に形成されている必要はなく、任意のサイズを配列することでもマスクとして利用することができる。
また、本実施形態では、マスク保持板210に設けられた第1の磁石210aのマグネット機能により、第1の磁石210aとファインマスクMとの間に基板Gを挟むことで基板Gを吸着保持することもでき、基板Gがフェイスダウンの姿勢となっても落下することはない。更に、本実施形態では、ファインマスクMという非常に薄いマスクを使用するため、マスクの配置ズレ、重ね合わせによりマスクが厚くなることによるパターンボケ(ケラレ)は発生しにくくなる。
[アライメント方法]
次に、本実施形態に係る基板GとマスクMとのアライメント方法について、図6〜図8を参照しながら説明する。
まず、図6(a)のロボットピック133が、基板Gを保持した状態で保持装置2aに搬送される。ロボットピック133の裏面には、静電チャック134が設けられている。ロボットピック133は、静電チャック134をオンにして基板Gをロボットピック133の裏面に吸着させて保持装置2aに搬送する。本実施形態では、搬送機構として搬送ロボットのロボットピック(ロボットアーム)を挙げて説明するが、これに限られず、例えばローラ搬送等他の搬送方法も適用可能である。また、搬送機構は、基板Gを保持する機能として、静電チャック134以外の機構を用いることもできる。
マスク保持板210には、既に複数のファインマスクMがアライメントされた状態でアライメントステージ122に保持されている。マスク保持板210には、第1の磁石210aをオンすることによりファインマスクMを保持する。第1の磁石210aは、切り替えスイッチの操作で吸着のオン/オフを切り替えられる。マスク保持板210は、静電チャック等を有してもよい。
ロボットピック133は、基板保持板220とマスク保持板210との間まで移動する。基板保持板220は、第2の磁石220aを有する。基板保持板220は、第2の磁石220a又は静電チャックの少なくともいずれかにより基板Gを保持することができる。本実施形態では、第2の磁石220aは、切り替えスイッチの操作で吸着のオン/オフを切り替えられる。
次に、図6(b)では、固定手段240が、ロボットピック133を固定する。固定方法の一例としては、ロボットピック133のアームにくぼみが形成されていて、上下方向からテーパーピンを挿入してロポットピック133を固定する方法が挙げられる。
図6(c)では、ロポットピック133を固定した後、ロポットピック133の上方からCCDカメラ200にて基板G及びファインマスクMのアライメントマーク(図示せず)を確認する。そして、マスク保持板210が載置されたアライメントステージ122を水平方向(X方向,Y方向)、回転方向(θ方向)に動作させて位置合わせの誤差(ずれ)を補正する。焦点深度に制限がある場合は基板保持板220を後で挿入する。
なお、アライメントステージ122及びCCD200はアライメント機構の一例であり、アライメント機構は、基板GとファインマスクMとの位置合わせができる機能を有していればCCDカメラ以外のいずれの機構も用いることができる。
位置合わせが終わったら、図6(d)に示したように、アライメントステージ122を鉛直方向(Z方向)に動作させてマスク保持板210を上昇させ、基板Gに近づける。ロボットピック133の静電チャック134をオフにし、ファインマスクM上に基板Gを載せる。マスク保持板210を降下させる(図6(e))。
次に、ロボットピック133の固定手段240を解除し(図6(f))、ロボットピック133を退避させる(図7(g))。次に、基板保持板220に基板Gが接触する状態までマスク保持板210を上昇させる(図7(h))。その際、マスク保持板210に設けられた第1の磁石210aをオフした直後に、基板保持板220の第2の磁石220aをオンにする。
次に、マスク保持板210を降下させる(図7(i))。第2の磁石220aの吸着力により基板保持板220とファインマスクMとの間に基板Gを挟むことにより、成膜部100に搬送されたファインマスクMと基板Gとを密着した状態で成膜することができる(図7(j))。また、ファインマスクM及び基板Gは、基板保持板220により形状補正されているため、常に安定した平面を基板保持板220により得ることができる。更に、大型の基板G、大型のファインマスクMの特徴である「撓み」の発生を防止できる。このため、パターンボケは生じない。
成膜後、図7(k)にて、再びマスク保持板210を基板保持板220の下方まで移動させる。次に、図7(l)では、マスク保持板210を上昇させ、基板G及びファインマスクMをマスク保持板210に搭載する。その際、基板保持板220の第2の磁石220aをオフした直後、マスク保持板210の第1の磁石210aをオンに切り替える。これにより、基板G及びファインマスクMは、基板保持板220からマスク保持板210に受け取られる。
次に、図8(m)では、マスク保持板210を降下させる。これにより、基板G及びファインマスクMを基板保持板220から離間させる。次に、図8(n)に示したように、ロボットピック146を挿入する。次いで、図8(o)では、マスク保持板210を上昇させ、ロボットピック146に基板Gを受け渡す。その際には、基板Gとロボットピック146が接触した後、ロボットピック146の静電チャック147をオンする。マスク保持板210の第1の磁石210aもオンに制御されているので、ファインマスクMは磁性材料を含むためマスク保持板210に吸着され、基板Gは磁性材料を含まないため磁石で吸着することはできず、ロボットピック146に吸着される。このようにして、基板GをファインマスクMから剥離後、図8(p)にてロボットピック146が退避する。
以上に説明したように、本実施形態にかかる基板とマスクのアライメント方法では、マスク保持板210は、予め複数のファインマスクMが位置決めされた状態で保持装置2aに搬入される。これにより、成膜装置1内での位置合わせは1回のみとなる。この結果、タクトタイムを短縮することができる。
[基板とマスクとのアライメント方法の変形例1]
以上の実施形態では、ロボットピック133へ基板Gを吸着させ、固定手段240で固定した状態でファインマスクMと基板Gとを位置合わせした。次に説明する本実施形態の変形例1では、一旦基板をマスク保持板210側に置いて搬送ロボット132を退避させてから、ファインマスクMと基板Gとの位置合わせを行う。
以下に、本実施形態の変形例1に係る基板とマスクとのアライメント方法について、図9〜図11を参照しながら説明する。まず、図9(a)では、ロボットピック133が、基板Gを保持した状態で保持装置2aに搬送される。
マスク保持板210には、既に複数のファインマスクMがアライメントされた状態でアライメントステージ122に保持されている。マスク保持板210には、第1の磁石210aをオンすることによりファインマスクMを保持する。マスク保持板210は、静電チャック等により静電吸着する機能を有してもよい。変形例1では、基板保持板220は、基板Gを吸着するための静電チャック221と有磁性のファインマスクMを吸着するための第2の磁石220aを有するが、これに限られず、第2の磁石220aと静電チャック221とのいずれかを有してもよい。なお、変形例1では、基板保持板220の静電チャック221及びロボットピック133の静電チャック134は、有線により電源に接続され、電流を供給される。
マスク保持板210と基板保持板220との吸着手段は異なる手段を用いた方が好ましい。例えば、基板保持板220への吸着手段は静電チャック、マスク保持板210への吸着手段は磁石を用いると干渉の可能性が高くなる。ただし、基板保持板220もマスク保持板210も同じ吸着手段を用いて基板G及びファインマスクMを固定する方法も適用できる。
ロボットピック133が、基板保持板220とマスク保持板210との間まで移動した後、図9(b)では、搬送ロボット132(図2参照)を垂直方向(Z方向)に動作させることにより基板Gをマスク保持板210に搭載する。搭載後、ロポットピック133の静電チャック134をオフにする。次に、ロボットピック133を垂直方向に動作させることによりマスク保持板210から離間させ(図9(c))、ロボットピック133を退避させる(図9(d))。
この時点では基板GとファインマスクMの位置はずれている。よって、図9(e)では、マスク保持板210を上昇させる。これにより、基板保持板220に基板Gが接触し、マスク保持板210と一体となる。その際、基板保持板220の静電チャック221をオンにし、基板Gを基板保持板220に張り合わせる。なお、基板GとファインマスクMとのアライメントが不要の場合には、基板保持板220に静電チャック221の機能は不要である。
次に、図9(f)では、基板Gを保持した基板保持板220とマスク保持板210とをある程度離した状態で、上方からCCDカメラ200にて基板G及びファインマスクMのアライメントマーク(図示せず)を確認する。マスク保持板210が載置されたアライメントステージ122を水平方向(X方向,Y方向)、回転方向(θ方向)に動作させて位置の誤差(ずれ)を補正する。なお、アライメント動作は、マスク保持板210側で行ってもよいし、基板保持板220側で行ってもよい。
位置合わせが終わったら、図10(g)にて、アライメントステージ122を鉛直方向(Z方向)に動作させてマスク保持板210を上昇させ、ファインマスクMを基板Gに張り合わせる。その際、基板保持板220の第2の磁石220aをオンにした直後、マスク保持板210の第1の磁石210aをオフにする。これにより、ファインマスクMを基板保持板220に吸着することができる。
次に、図10(h)では、マスク保持板210を退避させる。次に、成膜部100まで基板保持板220を搬送させ、成膜を行う(図10(i))。変形例1によっても、基板保持板220とファインマスクMとの間に基板Gを挟むことにより、ファインマスクMと基板Gとを密着した状態で成膜することができる。成膜の際には、基板保持板220の第2の磁石220aのみをオンしてもよいし、基板Gが落下する可能性がある場合は、第2の磁石220aと静電チャック221とを両方オンしてもよい。
次に、再びマスク保持板210を基板保持板220の下方まで移動させ(図10(j))、マスク保持板210を上昇させ(図10(k))、マスク保持板210が接触した状態で基板保持板220の第2の磁石220aをオフした直後、マスク保持板210の第1の磁石210aをオンに切り替える。これにより、基板G及びファインマスクMをマスク保持板210に搭載する。
基板G及びファインマスクMがマスク保持板210に搭載されると、マスク保持板210を降下する(図10(l))。これにより、基板G及びファインマスクMを基板保持板220から離間させる。次に、ロボットピック146を挿入し(図11(m))、マスク保持板210を上昇させ、ロボットピック146に基板Gを受け渡す(図11(n))。その際、基板Gとロボットピック146が接触した後、ロボットピック146の静電チャック147をオンする。マスク保持板210の第1の磁石210aもオンに制御されているので、磁性材料であるファインマスクMはマスク保持板210に吸着され、磁性材料でない基板Gのみがマスク保持板210から剥離してロボットピック146に静電吸着される。図11(o)では、ロボットピック146が退避する。
以上に説明したように、本変形例1にかかる基板とマスクのアライメント方法によっても、マスク保持板210は、予め複数のファインマスクMが位置決めされた状態で保持装置2aに搬入される。これにより、成膜装置1内での位置合わせは1回のみとなる。この結果、タクトタイムを短縮することができる。
[基板とマスクとのアライメント方法の変形例2]
上記変形例1では、基板保持板220に設けられた静電チャックは有線により電源(図示せず)に接続されていた。しかし、静電チャックは、チャック時及びデチャック時のみ給電を行い、非給電の際でも吸着力を発する方式も考えられる。
図12〜図14は、本実施形態の変形例2に係る基板とマスクとのアライメント方法を示す。変形例2では、基板保持板220に設けられた静電チャック222に電源は接続されておらず、静電チャック222は基本的には無給電の状態である。以下では、図12〜図14に示した本変形例2の構成及び動作のうち、図9〜図11に示した変形例1の構成及び動作と異なる部分のみ説明し、同様の構成及び動作については説明を省略する。
変形例2では、基板保持板220に基板Gを吸着するとき(図12(e))、及び基板保持板220から基板Gを剥離するとき(図13(k))、静電チャックに給電する。その際に使用される給電機構230は、電源から供給される電流を流す給電棒230aを有している。静電チャック222に給電する際には、基板保持板220を貫通する貫通口220bに給電棒230aを差し込み、静電チャック222に設けられたコンタクト部222aに給電棒230aを接続する。基板保持板220に基板Gを吸着するとき(図12(e))、給電棒230aから給電し、基板保持板220から基板Gを剥離するとき(図13(k))、給電棒230aから同様に給電する。なお、基板保持板220を貫通する貫通口220bを設けずに、静電チャック222の側面から静電チャック222に設けられたコンタクト部222aに静電チャック222を接続可能なようにコンタクト部222aを形成してもよい。
これにより、図12(e)にて基板Gが吸着されてから、図12(f)のアライメント動作→成膜→図13(j)の成膜後動作を経て、図13(k)にて基板Gが剥離されるまでの間、静電チャック222に電荷を供給しなくても基板Gを基板保持板220に吸着させることができる(無給電)。
変形例2によれば、基板保持板220に設けられた静電チャック222を有線にて電源に接続する必要がない。これにより、成膜中の基板Gの落下を防ぐだけでなく、基板保持板220を容易に移動させることができるとともに、搬送経路を容易に設計することができる。
[成膜装置のレイアウト]
次に、図1に示した本実施形態に係るインライン型の成膜装置150の構成及び動作について、図15を参照しながら詳細に説明する。図15は、本実施形態に係るインライン型の成膜装置150の構成図である。
成膜後の使用済のファインマスクMを再使用する場合、パーティクルにより成膜前の基板Gが汚染される可能性がある。そのため、ファインマスクMを毎回又は随時洗浄する場合も考えられる。このため、以下に説明する本実施形態の成膜装置150では、ファインマスクMを効率よく成膜装置150から搬出及び搬入するためにLLM152,153を有する。なお、基板保持板220及びマスク保持板210の搬送は、ロボット搬送でもコロ搬送(ローラ搬送)でもよいため、図15及びそれ以降の図面では図1、図2に示した第2TM32及び第7TM37を省略する。
本実施形態に係るインライン型の成膜装置150は、保持装置2a、2b、成膜部100、循環経路151、LLM152及びLLM153を有する。LLM153は、ファインマスクMを図示しない洗浄装置へ搬送するために真空空間から大気空間に搬出するためのモジュールである。LLM152は、洗浄されたファインマスクMを大気空間から真空空間に搬入するためのモジュールである。
本実施形態では、LLM152から保持装置2aに搬入される複数のファインマスクMは、図3(a)に示したように、予め位置決めされた状態でマスク保持板210に保持されている。基板保持板220は。成膜部100に搬入され、成膜部100にて成膜後、保持装置2bに搬送される。マスク保持板210は、保持装置2aで使用された後、循環経路151の下段を経路MRの方向に回送し、保持装置2bへと搬送される。保持装置2bにて基板Gを基板保持板220から剥離し、基板Gを次工程に搬送する搬送モジュールTM37に搬出する。
保持装置2bでは、使用済のファインマスクMをマスク保持板210に保持し、LLM153へと搬出する。このようにして、使用済のファインマスクMは、毎回LLM153から洗浄装置へ運ばれて洗浄される。洗浄後、複数のファインマスクMをマスク毎に位置決めし、マスク保持板210に吸着保持し、LLM152に搬入する。なお、本実施形態では、基板保持板220は洗浄せず、経路GRの方向に循環経路151、成膜部100を回送し続ける。ただし、これに限られず、基板保持板220もLLM153から搬出して洗浄や交換を行い,LLM152から搬入してもよい。
保持装置2aでは、予め位置決めされたマスク保持板210上のファインマスクMと基板Gとを位置合わせすることで、一回のアライメント操作で複数のファインマスクMと基板Gとを位置決めできる。これにより、位置合わせされたファインマスクMと基板Gとを保持する基板保持板220の成膜部100への搬入タイミングを短縮できる。この結果、成膜処理全体のタクトタイムを短縮し、生産性を高めることができる。なお、保持装置2a、2bで実行される基板GとマスクMとのアライメント方法、基板保持方法及び基板剥離方法は、上述した実施形態(図6〜図8)、変形例1(図9〜図11)、変形例2(図12〜図14)のいずれの方法も適用できる。
[成膜装置のレイアウト:変形例1]
以上に説明した本実施形態に係るインライン型の成膜装置150では、LLMは搬出用及び搬入用に1つずつ設けられていた。次に説明する本実施形態の変形例1に係るインライン型の成膜装置150では、LLMは搬出用及び搬入用に2つずつ設けられる点が異なる。具体的には、図16に示したように、変形例1に係る成膜装置150では、2つのLLM152a、152b及び2つのLLM153a、153bが設けられている。
複数のファインマスクMは、図3(a)に示したように、予め位置決めされた状態でマスク保持板210に保持され、LLM152a又はLLM152bからバッファモジュール3aに搬入された後、保持装置2aに搬入される。位置合わせ後、基板GとファインマスクMとを保持した基板保持板220は、成膜部100の成膜室11に搬入される。成膜後、基板保持板220は、保持装置2bに搬出される。使用済のファインマスクMは、バッファモジュール4aを経てLLM153a又はLLM153bから大気空間へ搬出され、洗浄される。マスク保持板210は、保持装置2aで使用された後、循環経路151を経路MRの方向に回送し、基板保持板220は成膜後、循環経路151を経路GRの方向に回送する。保持装置2bでは、基板保持板220から基板Gを剥がし、基板Gを搬送モジュールTM37に搬出する。
なお、基板GとマスクMとのアライメント方法では、バッファモジュール3aの動作は、上述した変形例1の場合の図9(a)〜図9(d)の動作、又は変形例2の場合の図12(a)〜図12(d)の動作のいずれの方法も適用できる。また、保持装置2aの動作は、変形例1の場合の図9(e)〜図10(h)の動作、又は変形例2の場合の図12(e)〜図13(h))の動作のいずれの方法も適用できる。
保持装置2bの動作は、変形例1の場合の図10(j)〜図10(l)の動作、又は変形例2の場合の図13(j)〜図13(l))の動作のいずれの方法も適用できる。バッファモジュール4aの動作は、変形例1の場合の図11(m)〜図11(o)の動作、又は変形例2の場合の図14(m)〜図14(o)の動作のいずれの方法も適用できる。
変形例1では、使用済のファインマスクMは、毎回LLM153a又はLLM153bから洗浄装置へ運ばれて洗浄され、洗浄後LLM152a又はLLM152bから搬入される。このように、搬入側及び搬出側ともにLLMを2つずつ設けたことにより、全体処理がロードロックの動作によって律速することを回避できる。これにより、タクトタイムをより短縮することができる。ただし、これによってもロードロックの動作により律速する場合には、更に1又は複数のLLMを追加して設けてもよい。
[成膜装置のレイアウト:変形例2]
本実施形態の変形例1に係るインライン型の成膜装置150について、図17を参照しながら説明する。図17は、本実施形態の変形例2に係るインライン型の成膜装置150の構成図である。変形例2に係る成膜装置150では、LLMが複数の成膜室11のそれぞれに隣接して一対一に複数設けられている点が、本実施形態及び変形例1に係るインライン型の成膜装置150と異なる。
図17に示した変形例2に係る成膜装置150では、成膜時、複数層を積層させる。その際、積層膜のそれぞれの層で使うパターンが異なる可能性がある。そこで、成膜部100には、マスクパターンの種類だけ成膜室11c〜11hが直列的に並べられている。なお、成膜室11の数は、マスクのパターン数だけあればよい。
複数のファインマスクMは、予め位置決めされた状態でマスク保持板210に保持され、保持装置2c〜2hに搬入される。これによりパターンが異なるファインマスクMを保持装置2c〜2hにそれぞれ搬入することができる。位置合わせ後、基板GとファインマスクMとを保持する基板保持板220は、成膜室11c〜11hに搬入される。成膜後、基板保持板220は、保持装置2c〜2hに搬出される。変形例2では、ファインマスクMは一層の成膜にのみ使用されるため汚れにくい。よって、使用済のファインマスクMは洗浄しなくてもよいし、複数回使用後に洗浄してもよいし、毎回洗浄することもできる。
マスク保持板210は、保持装置2c〜2hにて待機する。成膜室11hでは、基板保持板220から基板Gを剥がし、基板Gを搬送モジュールTM37に搬出する。基板Gを剥離後、基板保持板220は、循環経路151を経路GRの方向に回送し、成膜室11cに搬入される。
[成膜装置のレイアウト:クラスタ型]
以上ではインライン型の成膜装置150について説明したが、成膜装置150はこれに限らず、クラスタ型の成膜装置150であってもよい。図18〜図21は、本実施形態及び変形例に係るクラスタ型の成膜装置の構成図である。
図18の本実施形態に係るクラスタ型の成膜装置150は、トランスファーモジュールTM38、成膜部100及びLLM154を有する。トランスファーモジュールTM38内の図示しない搬送ロボットは、基板Gを成膜部100に搬入する。成膜部100には、基板を受け取り、位置合わせを行う保持装置2及び成膜室11が含まれている。成膜後、基板GをTM38に搬出する。LLM154は、ファインマスクMをクリーニングするための経路として設けられている。LLM154は、基板Gを成膜中、マスク保持板210を一時退避させる退避モジュールとしても機能する。マスク保持板210は、ローラ搬送等によりLLM154に搬送される。
[成膜装置のレイアウト:クラスタ型:変形例1]
以上に説明した本実施形態に係るクラスタ型の成膜装置150では、LLM154は1つのみ設けられていた。次に説明する本実施形態の変形例1に係るクラスタ型の成膜装置150では、LLM154に加えて退避モジュール160が追加されている。図19は、本実施形態の変形例1に係るクラスタ型の成膜装置150の構成図である。
変形例1に係るクラスタ型の成膜装置150では、退避モジュール160はファインマスクMを大気に暴露させずに一時退避させておく場合等に利用できる。例えば、成膜時間が短く、LLM154によるファインマスクMの交換時間が長いとき、使用済のファインマスクMを退避モジュール160に一時退避させることができる。また、例えば、連続成膜する際、LLM154の動作により律速し、要求タクトタイムが得られないとき、LLM154と退避モジュール160とに作業を分担させ、退避モジュール160をLLMとして機能させてもよい。特に、ファインマスクM及びマスク保持板210の汚れを懸念して洗浄サイクルが短い場合(例えば、毎回洗浄)や、ファインマスクMを毎回交換する場合に有利である。
[成膜装置のレイアウト:クラスタ型:変形例2]
本実施形態の変形例2に係るクラスタ型の成膜装置150では、LLM154及び退避モジュール160に加えて、LLM156が設けられる。図20は、本実施形態の変形例2に係るクラスタ型の成膜装置150の構成図である。
変形例1、2に係るクラスタ型の成膜装置150では、退避モジュール160はファインマスクMを一時退避させておく場所として用いた。変形例2のようにLLM156を追加することにより、特にファインマスクM及びマスク保持板210の汚れを懸念して洗浄サイクルが短い場合やLLM154の動作により律速し、タクトタイムが長くなっている場合に有利な構成となる。
[成膜装置のレイアウト:クラスタ型:変形例3]
なお、図21に示したように、変形例2に係るクラスタ型の成膜装置150の退避モジュール160をLLM158に替えてもよい。この結果、変形例3に係るクラスタ型の成膜装置150では、3つのLLM154,156、158により、LLMの動作により律速することを回避できる。
以上、本発明の各実施形態及び各変形例によれば、予め複数のマスクが位置決めされた状態で保持されたマスク保持板上のマスクと基板とを位置合わせする。これにより、効率的に複数のマスクと基板とを位置決めでき、タクトタイムを短縮し、生産性を高めることができる。
以上、本発明に係る保持装置、成膜装置及び搬送方法を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。また、上記実施例及び変形例を矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
本発明において処理を施される基板は、フラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display)用の大型基板、EL素子又は太陽電池用の基板、携帯電話用の基板等いずれであってもよい。
1:成膜システム、2a:保持装置、2b:保持装置、11:成膜室、12:載置台(下部電極)、28:排気装置、32:第2TM、37:第7TM、100:成膜部、133:ロボットピック、134:静電チャック、150:成膜装置、151:循環経路、152,153、154,156,158:LLM、160:退避モジュール、200:CCDカメラ、210:マスク保持板、210a:第1の磁石、220:基板保持板、220a:第2の磁石、222:静電チャック、300:制御部、M:ファインマスク、G:基板

Claims (15)

  1. 真空チャンバ内に設けられた保持装置であって、
    第1の磁石により磁性材料を含むマスクを保持するマスク保持板と、
    第2の磁石又は静電チャックの少なくともいずれかにより基板を保持する基板保持板と、
    基板とマスクとを位置合わせするアライメント機構と、を有し、
    前記マスク保持板は予め複数のマスクが位置決めされ、前記第1の磁石により保持された状態で前記真空チャンバに搬入され、
    前記アライメント機構は、前記位置決めされた複数の前記マスクと基板とを位置合わせし、
    前記基板保持板は、前記アライメント機構により位置合わせされた前記基板と前記複数のマスクとを前記第2の磁石又は静電チャックの少なくともいずれかにより保持することを特徴とする保持装置。
  2. 前記真空チャンバ内に基板を搬送する搬送機構を固定した状態で、該基板と前記位置決めされた複数のマスクとを前記アライメント機構により位置合わせすることを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  3. 前記真空チャンバ内に搬送された基板を前記基板保持板に保持した後、該保持された基板と前記位置決めされた複数のマスクとを前記アライメント機構により位置合わせすることを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  4. 前記基板保持板は、前記基板を吸着するとき及び該基板を剥離するとき、前記静電チャックに給電する給電機構を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の保持装置。
  5. 前記給電機構は、電源から供給される電流を流す給電棒を有し、
    前記給電棒は、前記静電チャックに給電する際、該静電チャックに設けられたコンタクト部に接続されることを特徴とする請求項4に記載の保持装置。
  6. 前記請求項1〜5のいずれか一項に記載の保持装置により前記基板保持板に保持された基板を、該基板保持板に保持された複数のマスクのパターンに成膜する成膜部を有することを特徴とする成膜装置。
  7. 前記成膜装置は、クラスタ型の真空装置又はインライン型の真空装置であることを特徴とする請求項6に記載の成膜装置。
  8. 前記成膜装置は、前記基板保持板及び前記マスク保持板の少なくともいずれかを前記保持装置へ回送する循環経路を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の成膜装置。
  9. 前記成膜装置は、前記マスクを洗浄装置へ搬送するためのロードロックモジュールを一又は複数有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の成膜装置。
  10. 前記成膜部は連続する複数の成膜室に分かれ、
    前記ロードロックモジュールは、前記複数の成膜室のそれぞれに隣接して一対一に複数設けられていることを特徴とする請求項9に記載の成膜装置。
  11. 前記マスク保持板を一時退避させるための退避モジュールを有することを特徴とする請求項9に記載の成膜装置。
  12. 磁性材料を含む複数のマスクが位置決めされた状態で第1の磁石により保持されたマスク保持板を真空チャンバ内に搬入するステップと、
    搬送機構を用いて基板を前記真空チャンバ内に搬入するステップと、
    前記搬入された基板と前記位置決めされた複数のマスクとを位置合わせするステップと、
    前記位置合わせされた基板と複数のマスクとを第2の磁石又は静電チャックの少なくともいずれかにより基板保持板に保持するステップと、
    を有することを特徴とする搬送方法。
  13. 前記位置合わせするステップは、アライメント機構を左右及び回転させて実行されることを特徴とする請求項12に記載の搬送方法。
  14. 前記位置合わせするステップは、前記搬送機構を固定した後に実行されることを特徴とする請求項12又は13に記載の搬送方法。
  15. 前記位置合わせするステップは、前記搬入された基板を前記基板保持板に保持させた後に実行されることを特徴とする請求項12又は13に記載の搬送方法。
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