JP2014133850A - 油脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定のヨウ素価を有する前記固形油脂の製造方法を提供すること。
【解決手段】(1)ラウリン系油脂及び炭素数14〜22の脂肪酸を混合して加熱溶融する工程であって、ここで前記脂肪酸の量が、前記ラウリン系油脂と前記脂肪酸との合計質量に対し、0.5〜15質量%である工程、(2)前記加熱溶融により得られた加熱溶融物を冷却して晶析物を得る工程、(3)前記晶析物を固液分離により固形部と液体部とに分別する工程、及び(4)前記固形部から前記脂肪酸を除去して固形油脂を得る工程を含むこと特徴とする、前記固形油脂の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ラウリン系油脂から低ヨウ素価を有する固形油脂の分別製造方法、特にカカオ代用脂(Cocoa Butter Substitute, CBS)として優れる固形油脂の分別製造方法に関するものである。本発明は、また、ラウリン系油脂を、低ヨウ素価を有する固形油脂と高ヨウ素価を有する液体油脂とに分別する方法に関するものである。
カカオ脂をはじめとするハードバターは、チョコレートを主とした製菓、製パンなどの食品および医薬品、化粧品などに広く用いられている。これらのハードバターとしては、分子内に1つの不飽和結合を有する対称型トリグリセリド(SUS、Sは飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸)を主成分とするテンパー型ハードバターや、飽和脂肪酸のみから構成されるSSS型トリグリセリドを主成分とする非テンパー型ハードバターであるラウリン系ハードバター等が知られている。
一般的に、ラウリン系ハードバターは、上記トリグリセリド成分を含み、ラウリン酸含有率が高い天然の油脂、例えばパーム核油及びヤシ油などのラウリン系油脂を分別し、水素添加して得ることができる。特にラウリン系油脂を分別したヨウ素価5程度のSSS型トリグリセリドを主成分とする固形油脂は、水素添加しなくてもカカオ代用脂として利用することができ、水素添加等の化学修飾が敬遠される国・地域での需要が見込まれる(非特許文献1)。油脂の分別方法としては、一般に油脂を加熱融解し、静置冷却して固化・晶析し、次いで固化物を圧搾する方法が採用されてきた(特許文献1)。通常、乾式分別で行われるこの方法では、液状部が固形部に相当量混入するため、分別効率は低い。そのため、ヨウ素価5程度のSSS型トリグリセリドを主成分とする固形油脂を得るためには、製品の収率を10%以上犠牲にしなければならないことが示されている(非特許文献1)。また、ラウリン系油脂であるパーム核油をスクロースポリエステル等の改質物質の存在下で晶析する方法も検討されてきた(特許文献2)。しかし、この方法は、添加物の除去が困難であるという難点があった。このように、特にヨウ素価5程度のSSS型トリグリセリドを主成分とする固形油脂を効率よく分別製造する方法は確立されていない。
特開平11−80776号公報 特表平11−502893号公報
G. Calliauwら、"Production of Cocoa Butter Substitutes via Two-stage Static Fractionation of Palm kernel Oil"、JAOCS、Vol. 82, No.11 (2005年)、783〜789頁
本発明は、ラウリン系油脂を原料とし、該ラウリン系油脂よりも低いヨウ素価を有する固形油脂の、より効率的で工業的に適した分別製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、又、SSS型トリグリセリドを主成分とする固形油脂の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、又、原料としてのラウリン系油脂を、低ヨウ素価を有する固形油脂と高ヨウ素価を有する液体油脂とに分別する方法に関するものである。
本発明は、又、特に、カカオ代用脂として優れた特性を有するハードバターの工業的に適した製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ラウリン酸含有率が高いラウリン系油脂と特定量の炭素数14〜22の脂肪酸とを混合し、加熱溶融し、次いで冷却し、晶析し、精製すると、上記課題を解決できるとの知見に基づいてなされたのである。
具体的に、本発明の好ましい態様は以下の通りである。
[1](1)ラウリン系油脂及び炭素数14〜22の脂肪酸を混合して加熱溶融する工程であって、ここで前記脂肪酸の量が、前記ラウリン系油脂と前記脂肪酸との合計質量に対し、0.5〜15質量%である工程、
(2)前記加熱溶融により得られた加熱溶融物を冷却して晶析物を得る工程、
(3)前記晶析物を固液分離により固形部と液状部とに分別する工程、及び
(4)前記固形部から前記脂肪酸を除去して固形油脂を得る工程を含むこと
を特徴とする、前記固形油脂の製造方法。
[2] 前記ラウリン系油脂が、精製又は未精製の、パーム核油、パーム核オレイン、パーム核ステアリン、ヤシ油、それらのエステル交換油、及びそれらの1種以上を含む混合油からなる群から選択される1種類または2種類以上である、[1]記載の製造方法。
[3] 前記ラウリン系油脂が、12以上のヨウ素価を有する、[1]又は[2]記載の製造方法。
[4] 前記脂肪酸が、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸から選択される飽和脂肪酸である、[1]〜[3]のいずれか1項記載の製造方法。
[5] 前記固形油脂が、前記ラウリン系油脂のヨウ素価よりも11以上低下したヨウ素価を有する、[1]〜[4]のいずれか1項記載の製造方法。
[6] 前記工程(3)の固液分離が、圧搾ろ過によって行われる、[1]〜[5]のいずれか1項記載の製造方法。
[7] 前記工程(4)の脂肪酸の除去が、150〜300℃での水蒸気蒸留により行われる、[1]〜[6]のいずれか1項記載の製造方法。
[8] ラウリン系油脂を、前記ラウリン系油脂のヨウ素価よりも11以上低下したヨウ素価を有する固形油脂と、前記ラウリン系油脂のヨウ素価よりも6以上向上したヨウ素価を有する液体油脂とに分別する方法であって、以下の工程:
(1)前記ラウリン系油脂及び炭素数14〜22の脂肪酸を混合して加熱溶融する工程であって、ここで前記脂肪酸の量が、前記ラウリン系油脂と前記脂肪酸との合計質量に対し、0.5〜15質量%である工程、
(2)前記加熱溶融により得られた加熱溶融物を冷却して晶析物を得る工程、
(3)前記晶析物を固液分離により固形部と液状部とに分別する工程、及び
(4)前記固形部から前記脂肪酸を除去して前記固形油脂を得、及び前記液状部から前記脂肪酸を除去して前記液体油脂を得る工程
を含むこと特徴とする、前記ラウリン系油脂の分別方法。
本発明の、さらに好ましい態様は以下の通りである。
[A](1)パーム核油、パーム核オレイン、パーム核ステアリン、ヤシ油、それらのエステル交換油、及びそれらの1種以上を含む混合油からなる群から選択される1種類または2種類以上であるヨウ素価が12以上であるラウリン系油脂(特に、パーム核油又はパーム核オレイン)及び炭素数14〜22の飽和脂肪酸(特に、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸又はベヘン酸)を混合して40℃以上(好ましくは50℃以上)で加熱溶融する工程であって、ここで前記飽和脂肪酸の量が、前記ラウリン系油脂と前記飽和脂肪酸との合計質量に対し、0.5〜15質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜13質量%、更に好ましくは2.5〜10質量%である工程、
(2)前記加熱溶融により得られた加熱溶融物を30℃以下に冷却して晶析物を得る工程、
(3)前記晶析物を圧搾ろ過により固形部と液状部とに分別する工程、及び
(4)前記固形部から前記脂肪酸を、150〜300℃、好ましくは180〜260℃での水蒸気蒸留により除去する工程を含むことを特徴とする、前記ラウリン系油脂のヨウ素価よりも11以上低下したヨウ素価を有する前記固形油脂の製造方法。
[B]パーム核油、パーム核オレイン、パーム核ステアリン、ヤシ油、それらのエステル交換油、及びそれらの1種以上を含む混合油からなる群から選択される1種類または2種類以上であるヨウ素価が12以上であるラウリン系油脂(特に、パーム核油又はパーム核オレイン)を、前記ラウリン系油脂のヨウ素価よりも11以上、好ましくは、12以上低下したヨウ素価を有する固形油脂と、前記ラウリン系油脂のヨウ素価よりも6以上、好ましくは7以上向上したヨウ素価を有する液体油脂とに分別する方法であって、以下の工程:
(1)前記ラウリン系油脂及び炭素数14〜22の飽和脂肪酸(特に、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸又はベヘン酸)を混合して40℃以上(好ましくは50℃以上)で加熱溶融する工程であって、ここで前記脂肪酸の量が、前記ラウリン系油脂と前記飽和脂肪酸との合計質量に対し、0.5〜15質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜13質量%、更に好ましくは2.5〜10質量%である工程、
(2)前記加熱溶融により得られた加熱溶融物を30℃以下に冷却して晶析物を得る工程、
(3)前記晶析物を圧搾ろ過により固形部と液状部とに分別する工程、及び
(4)前記固形部から前記脂肪酸を、150〜300℃、好ましくは180〜260℃での水蒸気蒸留により除去して前記固形油脂を得、及び前記液状部から前記脂肪酸を、150〜300℃、好ましくは180〜260℃での水蒸気蒸留により除去して前記液体油脂を得る工程
を含むこと特徴とする、前記ラウリン系油脂の分別方法。
本発明によれば、原料であるラウリン系油脂から、該ラウリン系油脂よりも低い、例えば、該ラウリン系油脂のヨウ素価よりも11以上低下したヨウ素価を有する固形油脂を、従来の製造法と比べて極めて高収率で安定的に分別製造することができる。また、本発明によれば、該ラウリン系油脂を、低ヨウ素価を有する固形油脂、例えば、該ラウリン系油脂のヨウ素価よりも11以上低下したヨウ素価を有する固形油脂と、高ヨウ素価を有する液体油脂、例えば、該ラウリン系油脂のヨウ素価よりも6以上向上したヨウ素価を有する液体油脂とに分別する方法を提供することができる。さらに、本発明によれば、ラウリン系油脂の精製油を分別原料としても、未精製油と同様に分別できるとの利点が得られる。従って、本発明の製造方法は、カカオ代用脂(CBS)として優れるハードバターの分別製造として極めて好適に使用することができる。
本発明は、以下の各工程;
(1)ラウリン系油脂及び炭素数14〜22の脂肪酸を混合して加熱溶融する工程であって、ここで前記脂肪酸の量が、前記ラウリン系油脂と前記脂肪酸との合計質量に対し、0.5〜15質量%である工程、
(2)前記加熱溶融により得られた加熱溶融物を冷却して晶析物を得る工程、
(3)前記晶析物を固液分離により固形部と液状部とに分別する工程、及び
(4)前記固形部から前記脂肪酸を除去して固形油脂を得る工程
により、原料であるラウリン系油脂よりも有意に低下したヨウ素価を有する前記固形油脂を製造する方法に関する。以下、各工程に沿って具体的に説明する。
工程(1)
工程(1)は、ラウリン系油脂及び炭素数14〜22の脂肪酸を混合して加熱溶融する工程である。
本発明で使用できるラウリン系油脂としては、飽和脂肪酸、特にラウリン酸含有率の高い油脂(好ましくはラウリン酸含量が20質量%以上であり、より好ましくは30〜60質量%である)を使用することができる。ラウリン系油脂としては、例えば、パーム核油、パーム核オレイン、パーム核ステアリン及びヤシ油並びにそれらを1種以上含む、エステル交換、水素添加、分別等の処理をした加工油脂を挙げることができる。ここで、加工油脂としては、例えば、上記パーム核油、パーム核オレイン、パーム核ステアリン及びヤシ油等(以下、パーム核油等と言うことがある)を1種以上含み、かつ、炭素数が16以上、好ましくは16〜24の脂肪酸含量が油脂全体に対して90質量%以上である非ラウリン系油脂(例えばパーム油等)を含むエステル交換油が挙げられる。さらに、本発明で使用できるラウリン系油脂としては、上記パーム核油等のラウリン系の油脂成分の1種以上に加え、非ラウリン系油脂を含む混合油であってもよい。混合油は、上記パーム核油等のラウリン系油脂成分の他、当該パーム核油等を1種以上含むエステル交換油、パーム油、パーム分別油、菜種油、大豆油、ヒマワリ油等の非ラウリン系の油脂成分および該非ラウリン系の油脂成分のエステル交換油を2種以上含むことができる。これらのラウリン系油脂は、精製又は未精製のラウリン系油脂であってもよいが、好ましくは、入手しやすさ及び生産コストの観点から未精製のラウリン系油脂、特に未精製のパーム核油及びパーム核オレインが好適である。ラウリン系油脂のヨウ素価は、例えば、12以上、好ましくは13〜50、より好ましくは15〜30、更に好ましくは17〜25である。例えば、パーム核油のヨウ素価は、通常14〜22であり、パーム核オレインのヨウ素価は、通常22〜28であり、ヤシ脂のヨウ素価は、通常7〜11である。本発明では当該ラウリン系油脂を1種類又は2種類以上の混合物として使用することができる。
本発明の脂肪酸は、炭素数14〜22、好ましくは炭素数14〜18の脂肪酸である。本発明で使用できる脂肪酸としては、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよいが好ましくは飽和脂肪酸であり、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸から選択される飽和脂肪酸を挙げることができる。本発明で使用できる脂肪酸の量としては、上記ラウリン系油脂とこの脂肪酸との合計質量に対し、例えば、0.5〜15質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜13質量%、更に好ましくは2.5〜10質量%である。本発明では当該脂肪酸を1種類又は2種類以上の混合物として使用することができる。
本発明では、上記ラウリン系油脂及び上記脂肪酸を混合し、任意に撹拌し、当該ラウリン系油脂と脂肪酸が溶融する温度、例えば40℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは60〜100℃に、例えば、0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間加熱して、当該ラウリン系油脂と脂肪酸を溶融する。加熱方法としては公知の加熱方法を用いることができるが、例えば所定温度の恒温槽、油浴、蒸気加熱、熱交換等を用いることができる。
工程(2)
工程(2)は、上記加熱溶融により得られた加熱溶融物を冷却して晶析物を得る工程である。
上記工程(1)の加熱溶融により得られた加熱溶融物を冷却する。冷却は、撹拌及び/又は静置して行うことができる。冷却は、加熱溶融物を26℃以下、例えば、15〜25℃、好ましくは、18〜22℃の温度(以下、「冷却温度」という)に冷却してもよいが、冷却温度に達した後は、攪拌はせずに静置するのが好ましい。冷却時間としては、冷却が十分に行われる時間であればよいが、上記冷却温度に、例えば0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間、より好ましくは2〜6時間保持することが適当である。
上記のように冷却することによって、晶析物を得ることができる。得られる晶析物は、いわゆるケーキの状態であり、固形部と液状部が混在した状態にある。
工程(3)
工程(3)は、上記晶析物を固液分離により固形部と液状部とに分別する工程である。
まず、上記工程(2)で得られる晶析物を、任意に破砕し、固形部と液状部とに固液分離する。破砕は、例えば、金網や市販のジューサー、カッターなどを用い、例えば、室温以下の温度(好ましくは20〜27℃)で、流動性が出るまで破砕することが好ましい。固液分離は、圧搾ろ過や減圧ろ過により行われる。圧搾ろ過は、例えば、パーム油等の分別ろ過等で使用する圧搾ろ過機などを用い、室温以下の温度(好ましくは20〜27℃)で、例えば10〜30kgf/cm2、好ましくは12〜21kgf/cm2、より好ましくは14〜17kgf/cm2程度の圧搾圧力下で行なうのがよい。
工程(4)
工程(4)は、上記工程(3)で得られる固形部から上記脂肪酸を除去して固形油脂を得る工程である。固形部から上記脂肪酸を除去する工程は、いわゆる固形油脂の精製工程であり、例えば、通常の油脂の精製工程として公知の脱酸工程及び/又は脱臭工程と同様の方法を精製工程として利用できる。具体的には、脱酸工程に従う場合、例えば、80〜90℃程度に加温した上記固形部(油脂)に、油脂中の遊離脂肪酸に対して5〜40質量%過剰のアルカリ水溶液を添加攪拌し、遠心分離により、沈殿物を除去することにより、固形部(油脂)中に含まれる遊離した脂肪酸を除去することができる。また、脱臭工程に従う場合、上記固形部(油脂)を、例えば、150〜300℃、好ましくは180〜260℃、より好ましくは200〜240℃程度での温度下で水蒸気蒸留にかけて行う。水蒸気蒸留は、例えば、蒸留容器に上記固形部(油脂)を入れ、好ましくは13〜2700Pa、より好ましくは130〜1350Paの減圧下かつ上記温度下にある油脂に、水蒸気を、例えば30〜270分、好ましくは60〜180分、より好ましくは90〜120分間当該蒸留容器に連続的に導入することにより行われ、結果として水と共に脂肪酸を除去することができる。ラウリン系油脂の精製においては、アルカリでの脱酸処理が省かれる場合が多いので、脂肪酸は、油脂の最終工程である脱臭工程で除かれるのが好ましい。
上記精製工程とは別に、必要に応じて、脱色等の通常行う油脂の精製を行ってもよい。
固形油脂の製造方法
上述の工程(1)〜(4)に基づいて、原料であるラウリン系油脂から、本発明の目的物である固形油脂を製造することができる。当該固形油脂は、例えば、前記ラウリン系油脂のヨウ素価よりも11以上、好ましくは11.4〜18、より好ましくは12〜16程度低下したヨウ素価を有することが適当である。即ち、本発明の方法により、原料であるラウリン系油脂のヨウ素価に対し、最終生成物の固形油脂のヨウ素価を11以上、好ましくは11.4〜18、より好ましくは12〜16程度下げることが可能である。より具体的には、ラウリン系油脂としてパーム核油(ヨウ素価=14〜22)を使用する場合、好ましくは7以下、より好ましくは3.0以上6.6以下、更に好ましくは4.0以上6.0以下のヨウ素価を有する固形油脂を得ることができる。同様に、ラウリン系油脂としてパーム核オレイン(ヨウ素価=22〜28)を使用する場合、好ましくは11以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは9.5以下のヨウ素価を有する固形油脂を得ることができる。更に別の態様としては、原料であるラウリン系油脂のヨウ素価の、例えば40%以下、好ましくは37%以下、より好ましくは35%以下のヨウ素価を有する固形油脂を得ることが好適である。
ラウリン系油脂の分別
上記工程(1)〜(4)により、原料であるラウリン系油脂を所定の液体油脂と所定の固体油脂に分別することができる。具体的には、工程(3)において上記晶析物を固液分離により固形部と液状部とに分別し、固形油脂は、上述の通り工程(4)の精製工程によって上記固形部から上記脂肪酸を除去して固形油脂を得ることができる。また、液体油脂も固形油脂と同様に、工程(4)の精製工程によって、すなわち、150〜300℃、好ましくは180〜260℃、より好ましくは200〜240℃程度での温度下で水蒸気蒸留にかけることにより、上記液状部から上記脂肪酸を除去して液体油脂を得ることができる。得られる液体油脂は、例えば、前記ラウリン系油脂のヨウ素価よりも6以上、好ましくは7〜10、より好ましくは7.5〜9.5、更に好ましくは、8〜9程度向上したヨウ素価を有することが適当である。即ち、本発明の方法により、原料であるラウリン系油脂のヨウ素価に対し、最終生成物の液体油脂のヨウ素価を6以上、好ましくは7〜10、より好ましくは7.5〜9.5、更に好ましくは、8〜9程度上げることが可能である。より具体的には、ラウリン系油脂としてパーム核油(ヨウ素価=14〜22)を使用する場合、好ましくは25以上、より好ましくは25.5以上、更に好ましくは26以上のヨウ素価を有する液体油脂を得ることができる。同様に、ラウリン系油脂としてパーム核オレイン(ヨウ素価=22〜28)を使用する場合、好ましくは30以上、より好ましくは31以上、更に好ましくは32以上のヨウ素価を有する液体油脂を得ることができる。更に別の態様としては、原料であるラウリン系油脂のヨウ素価の、例えば138%以上、好ましくは140%以上、より好ましくは142%以上のヨウ素価を有する液体油脂を得ることが好適である。
本発明の分別方法によれば、従来法と比較して、固形部と液状部の分別比率を変えずに、よりヨウ素価の低い固形油脂とよりヨウ素価の高い液体油脂とに分けることができる。
本発明の方法により得られる固形油脂は、特にカカオ代用脂(CBS)として優れるハードバターとして、好適に用いることができる。特にヨウ素価5程度のSSS型トリグリセリドを主成分とする固形油脂は、水素添加しなくてもカカオ代用脂として利用することができる。
チョコレート製品は、上記のハードバターを主体した油脂成分および糖成分とからなる。上記ハードバターは油脂成分中に40質量%以上、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上含まれていることが好ましい。糖成分としては通常チョコレートに使用されるものであれば何でもかまわない。例えば、ショ糖、果糖、あるいはこれらの混合物をあげることができる。ソルビトールなどの糖アルコールを用いても良い。また、通常のチョコレート製品に含まれる任意の成分についても含ませることができる。これらの例としては、カカオ固形分、乳化剤(通常レシチン)、香料、脱脂粉乳、全脂粉乳などがあげられる。
本発明の方法により得られる液体油脂は、例えば、飲料用液状クリーム、アイスクリーム、コーティングチョコレート、菓子等用のスプレーオイル、離形油等に利用することができる。なお、本発明においては環境温度の変化による油脂の状態変化(例えば、固体から液体への変化や、液体から固体への変化)の如何にかかわらず、ラウリン系油脂を固液分離(分別)することにより得られた固形部から得られる油脂は固形油脂、液状部から得られる油脂は液体油脂とする。
次に本発明を実施例により詳細に説明する。
<ヨウ素価の測定方法>
A.O.C.S.試験法(Official Method Cd 1-25)を用いてヨウ素価を測定した。具体的には、試料油脂0.5〜3gにシクロヘキサン10mLを加えて溶解させた後、ウィイス液25mLを加えて暗所に1時間放置する。その後、10g/100mLのヨウ化カリウム溶液20mLと水100mLを加えて反応を停止した後、0.1Nチオ硫酸ナトリウムで滴定し、油脂に付加したヨウ素量を求める。ヨウ素価換算方法は、以下の式に基づく。

ヨウ素価=(A−B)×F×1.269/C

A:上記測定試験のうち、試料油脂を加えない空試験の0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液使用量(ml)
B:上記測定試験における0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液使用量(ml)
F:0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウムの補正係数(本例では1.005)
C:試料油脂使用量(g)
<未精製パーム核油の分別>
比較例1
未精製のパーム核油 (ヨウ素価:18.0) 500.0gを、60℃の恒温水槽を用い、該60℃で1時間加熱し、当該未精製のパーム核油を完全に溶融した。溶融した油脂をポリプロピレン製容器に入れ、20℃の恒温水槽にて12時間静置して冷却固化し、ケーキを晶析させた。得られたケーキを、ジューサー (SANYO社製、型番SM−R21) に投入し、25℃にて流動性が出るまで断続的に破砕した後、同じく25℃で圧搾ろ過(圧搾圧力15.3kgf/cm2)にて固液分離を行い、固形部(固形油脂)および液状部(液体油脂)を得た。比較例1においては脂肪酸の添加はないが、念のため脱臭処理を行った。脱臭処理は、得られた固形部及び液状部を、それぞれ別々の蒸留容器内に導入し、2トール(267Pa)の減圧下、230℃で90分間、水蒸気を上記蒸留容器内に導入することによって行った。この脱臭処理により脂肪酸を除去して精製された固形油脂及び液体油脂を得た。結果を表1に示す。
比較例2
比較例1と同じパーム核油150gを、60℃の恒温水槽を用い、該60℃で1時間加熱し、当該パーム核脂を完全に溶融した。溶融した油脂をガラス製晶析フラスコに入れ、アセトン600gを加えて混合添加した後、0℃の恒温水槽にて2時間撹拌冷却し、スラリーを得た。得られたスラリーを、水流アスピレーター (ヤマト科学社製ハンディアスピレーターWP−51) を用いた減圧ろ過にて固液分離した。減圧ろ過の際、固形部を新たに300gのアセトンで洗浄し、結晶表面に残存している液状部を除去する操作を行った。得られた固形部と液状部から、加熱減圧処理によってアセトンを完全に除去した。比較例2においては脂肪酸の添加はないが、得られた固形部及び液状部を、比較例1と同じ脱臭処理を行って脂肪酸を除去し、精製された固形油脂及び液体油脂を得た。結果を表1に示す。
比較例3
比較例1と同じパーム核油450.0gと、ラウリン酸 (和光純薬工業製)50.0gを混合し、60℃の恒温水槽を用い、該60℃で1時間加熱し、当該パーム核脂とラウリン酸を完全に溶融した。溶融した加熱溶融物を、ポリプロピレン製容器に入れ、18℃の恒温水槽にて12時間静置して冷却固化し、ケーキを晶析させた。以降の操作は比較例1と同様にして行い、脂肪酸を除去して精製された固形油脂及び液体油脂を得た。結果を表1に示す。
実施例1
比較例1と同じパーム核油450.0gと、ミリスチン酸 (和光純薬工業製)50.0gを混合し、60℃の恒温水槽を用い、該60℃で1時間加熱し、当該パーム核脂とミリスチン酸を完全に溶融した。溶融した加熱溶融物を、ポリプロピレン製容器に入れ、20℃の恒温水槽にて12時間静置して冷却固化し、ケーキを晶析させた。以降の操作は比較例1と同様にして行い、脂肪酸を除去して精製された固形油脂及び液体油脂を得た。結果を表1に示す。
実施例2
比較例1と同じパーム核油475.0gと、パルミチン酸 (和光純薬工業製)25.0gを混合し、60℃の恒温水槽を用い、該60℃で1.5時間加熱し、当該パーム核脂とパルミチン酸を完全に溶融した。溶融した加熱溶融物を、ポリプロピレン製容器に入れ、21℃の恒温水槽にて12時間静置して冷却固化し、ケーキを晶析させた。以降の操作は比較例1と同様にして行い、脂肪酸を除去して精製された固形油脂及び液体油脂を得た。結果を表1に示す。
実施例3
比較例1と同じパーム核油487.5gと、ステアリン酸 (和光純薬工業製)12.5gを混合し、60℃の恒温水槽を用い、該60℃で1.5時間加熱し、当該パーム核脂とステアリン酸を完全に溶融した。溶融した加熱溶融物を、ポリプロピレン製容器に入れ、21℃の恒温水槽にて12時間静置して冷却固化し、ケーキを晶析させた。以降の操作は比較例1と同様にして行い、脂肪酸を除去して精製された固形油脂及び液体油脂を得た。結果を表1に示す。
実施例4
比較例1と同じパーム核油487.5gと、ベヘン酸 (和光純薬工業製)12.5gを混合し、60℃の恒温水槽を用い、該60℃で2時間加熱し、当該パーム核脂とベヘン酸を完全に溶融した。溶融した加熱溶融物を、ポリプロピレン製容器に入れ、21℃の恒温水槽にて12時間静置して冷却固化し、ケーキを晶析させた。以降の操作は比較例1と同様にして行い、脂肪酸を除去して精製された固形油脂及び液体油脂を得た。結果を表1に示す。
以下に示す表1〜3中、脂肪酸添加量は、原料油脂と添加した脂肪酸の合計質量を100質量%とした場合の添加した脂肪酸の質量%を表す。また、表1〜3中、固形部および液状部の質量%は、脂肪酸を除去する前(精製前)の固形部および液状部の合計質量を100質量%とした場合の各固形部および液状部の質量%を表す。
表1
Figure 2014133850
<精製パーム核油の分別>
比較例3
精製パーム核油 (ヨウ素価:18.0) 500.0g を、60℃で完全に溶融した。溶融した油脂をポリプロピレン製容器に入れ、21℃の恒温水槽にて12時間静置して冷却固化し、ケーキを晶析させた。以降の操作は比較例1と同様にして行い、脂肪酸を除去して精製された固形油脂及び液体油脂を得た。結果を表2に示す。
実施例5
比較例3と同じパーム核油498.0gと、ステアリン酸(和光純薬工業製)2.0gを混合し、60℃で完全に溶融した。溶融した加熱溶融物をポリプロピレン製容器に入れ、22℃の恒温水槽にて12時間静置して冷却固化し、ケーキを晶析させた。以降の操作は比較例3と同様にして行い、脂肪酸を除去して精製された固形油脂及び液体油脂を得た。結果を表2に示す。
表2
Figure 2014133850
<精製パーム核オレインの分別>
比較例4
未精製のパーム核オレイン (ヨウ素価:24.2) 500.0gを、60℃で完全に溶融した。溶融した油脂をポリプロピレン製容器に入れ、15℃の恒温水槽にて12時間静置して冷却固化し、ケーキを晶析させた。以降の操作は比較例1と同様にして行い、脂肪酸を除去して精製された固形油脂及び液体油脂を得た。結果を表3に示す。
実施例6
比較例4と同じパーム核オレイン487.5gと、ステアリン酸(和光純薬工業製) 12.5gを混合し、60℃で完全に溶融した。溶融した加熱溶融物をポリプロピレン製容器に入れ、15℃の恒温水槽にて12時間静置して冷却固化し、ケーキを晶析させた。以降の操作は比較例1と同様にして行い、脂肪酸を除去して精製された固形油脂及び液体油脂を得た。結果を表3に示す。
表3
Figure 2014133850

Claims (8)

  1. (1)ラウリン系油脂及び炭素数14〜22の脂肪酸を混合して加熱溶融する工程であって、ここで前記脂肪酸の量が、前記ラウリン系油脂と前記脂肪酸との合計質量に対し、0.5〜15質量%である工程、
    (2)前記加熱溶融により得られた加熱溶融物を冷却して晶析物を得る工程、
    (3)前記晶析物を固液分離により固形部と液状部とに分別する工程、及び
    (4)前記固形部から前記脂肪酸を除去して固形油脂を得る工程を含むこと
    を特徴とする、前記固形油脂の製造方法。
  2. 前記ラウリン系油脂が、精製又は未精製の、パーム核油、パーム核オレイン、パーム核ステアリン、ヤシ油、それらのエステル交換油、及びそれらの1種以上を含む混合油からなる群から選択される1種類または2種類以上である、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記ラウリン系油脂が、12以上のヨウ素価を有する、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記脂肪酸が、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸から選択される飽和脂肪酸である、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 前記固形油脂が、前記ラウリン系油脂のヨウ素価よりも11以上低下したヨウ素価を有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 前記工程(3)の固液分離が、圧搾ろ過によって行われる、請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
  7. 前記工程(4)の脂肪酸の除去が、150〜300℃での水蒸気蒸留により行われる、請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法。
  8. ラウリン系油脂を、前記ラウリン系油脂のヨウ素価よりも11以上低下したヨウ素価を有する固形油脂と、前記ラウリン系油脂のヨウ素価よりも6以上向上したヨウ素価を有する液体油脂とに分別する方法であって、以下の工程:
    (1)前記ラウリン系油脂及び炭素数14〜22の脂肪酸を混合して加熱溶融する工程であって、ここで前記脂肪酸の量が、前記ラウリン系油脂と前記脂肪酸との合計質量に対し、0.5〜15質量%である工程、
    (2)前記加熱溶融により得られた加熱溶融物を冷却して晶析物を得る工程、
    (3)前記晶析物を固液分離により固形部と液状部とに分別する工程、及び
    (4)前記固形部から前記脂肪酸を除去して前記固形油脂を得、及び前記液状部から前記脂肪酸を除去して前記液体油脂を得る工程
    を含むこと特徴とする、前記ラウリン系油脂の分別方法。
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